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エンパイアウォー⑩~按甲休兵、旗折る前に

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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「タコでリフレッシュして船を沈めてほしいのよ」
 グリモア猟兵、白鐘・耀を見る目が、一気にヤバい方に向けるそれに変わった。
「いやいやいや! 暑さで狂ったわけじゃなくて! 前もこんなことあったわよね!?」
 慌ててメガネを掛け直す耀曰く、話はエンパイア・ウォーに関することらしい。
 現在、サムライエンパイアを舞台に継続中の、世界の運命を揺るがす大いくさだ!
 そんな状況でこんなトンチキなこと言い出すとか、やはり暑さで……?
 訝しむ猟兵たちをよそに、耀は至極真面目な顔で語りだすのである。

 村上怨霊水軍。
 それは、歴史に名高き村上水軍を、怨霊として招来した日野・富子の軍勢。
 現在この軍勢は、南海道を制圧し幕府軍の船を迎え撃とうとしている!
 しかもかの大海賊どもが駆るのは、大悪災の財貨でこしらえた『超巨大鉄甲船』なのだ!
「ただ、この船は、掲げられてる軍旗を下ろせば怨霊ごと無力化できるわ。
 逆に言うと、それ以外の方法だとどんだけドンパチやっても無駄なわけよ」
 当然、敵もそのために怨霊水軍とは別の戦力を乗船させている。
 つまり猟兵は、船に乗り込んでオブリビオンを排除、そして村上水軍旗を降納。
 これによって、一つでも多くの超巨大鉄甲船を減らさねばならないのだ。

 ……ところで、タコでリフレッシュ云々はどういう話なのだろうか?
「いやだから、タコなのよ」
 びょん。耀の背後、何やらうねうねするタコの群れが映し出される。
 よく見ると、なんか船の上で怨霊たちにマッサージとかしている。
『随分と凝ってるタコ~、まるでピラミッドで放置した死体タコ~』
 ……とかやけにウィットに富んだ表現をしているかはさておき、怨霊たちは気持ちよさそうだ。
「とまあご覧の通り、目的の船はあっちの軍の憩いの場になってるみたいね~。
 向こうは猟兵だろうがお構いなしにマッサージしてくるから、ぶっ殺してきて!」
 笑顔である。怖い。しかもそれマッサージ(攻撃)じゃねえか!
「なんかうまくやればリフレッシュ出来るんじゃない? みんな戦い続きでしょ?
 毒食う虫は皿まで大好きってやつよ! うまいこと敵を利用してリフレッシュしましょう!」
 船に乗り込む方法を考えろとか、そういうアドバイスをしないのがだいぶアレだ。
 まあ実際なんかうまいこと敵を油断させれば、攻撃がいい感じにアレして、
 リフレッシュになるかもしれない。でも攻撃だから気をつけようね!
 もちろん倒さねばならないが。あと、怨霊の皆さんはだらけてるので蚊帳の外だ。

「……あ? もしかしてあんたら、なんかエロいトラブル起きないかとか思ってない?
 うっわ、エロだわ! エロ! エーロ! 起きるわけ無いでしょうがこのエーロ!!」
 しかもなんか、一部の猟兵(主に男)を指差して勝手に喚き出した。小学生かな?
「はい、わかったら行く! 転移するわよ!
 ……エロいことは別にないわよ!このエロ!!」
 一部の猟兵(主に男)に謂れなき濡れ衣を着せつつ、火打ち石を鳴らす耀であった。


唐揚げ
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 するめいかです。以下は本シナリオのまとめ。

●目的
 村上怨霊水軍の兵力『超巨大鉄鋼船』の壊滅。
(シナリオの舞台となるのは、複数存在する船のうちの一つ)

●敵戦力
 骨抜き妖怪『衣蛸』(約10体前後。集団戦)

●備考
『超巨大鉄鋼船』には、ユーベルコードを含めたあらゆる攻撃が通用しない。
 さらに村上水軍の怨霊は、『村上水軍旗を降納する』以外では消滅させられない。
 海上の船にどのようにして乗り込むか、について工夫があればプレイングボーナス。
 骨抜き妖怪『衣蛸』は、マッサージとかカッピングをしてくる。
(普通に極楽だが攻撃なのでボケっとしてるとダメージを受ける)

 以上です。
 なお、耀も言っている通り、特にスケベなことは起きません。あしからず。
 またシナリオ完結を最優先しますので、採用人数は普段より少なめになります。
 そこらへんご了承の上、よろしければご参加お待ちしております。

 では前置きはこのあたりにして。
 皆さん、体の凝りをほぐしながらよろしくおねがいします。
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第1章 集団戦 『骨抜き妖怪『衣蛸』』

POW   :    随分と凝ってるタコ~。俺たちのようにほぐすタコ!
【タコの保護色能力で全身を迷彩して接近し】【筋肉の塊である8本の触手で相手を捕まえ、】【マッサージで弱らせてからの絞めつけ攻撃】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    カッピングもやってますタコ~。血流良くなるタコ!
【タコの保護色能力で全身を迷彩して接近し】【非常に強力な吸盤で相手を捕まえて、】【カッピングで生気を吸い取り弱らせる攻撃】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    運動不足じゃないかタコ~?ヨガは身体に良いタコ!
【再生能力を活かして非常にしぶとく接近して】から【筋肉の塊の触手と強力吸盤で相手へ捕縛攻撃】を放ち、【操り人形のように強制的にヨガをさせる事】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●超巨大鉄鋼船:えすぽわある号
『随分と凝ってるタコ~、まるで一万年干したくさやみたいタコ!』
「アアーッ! イイーッ!!」
『カッピングもやってますタコ~、この血の巡り土砂崩れでも起こしたタコ~?』
「オ……オブジェ!!」
『運動不足じゃないかタコ~? ヨガッ火炎(ファイヤー)ッ』
「アバババババーッ!?」
 最後なんか炎吹き出してた気がするがまあさておこう。
 そんなわけでえすぽわ……なんか妙に不安になる船の名前ですねこれ。
 ともあれタコたちが肩こりの激しい怨霊の皆さんを慰安していた。
 実に極楽気分だ。いっちょ殴り込みかけて地獄に変えてやるとしよう!(物騒)

 なお、マッサージをそのまま受けてもいいし、無視してぶん殴ってもよいです。
 なんかいい感じにケリついたら旗下ろせるんじゃない? 花火とかもあがる。

●プレイング受付期間
 【今から】~【なんか気が向いてリプレイ採用する】まで。
オルハ・オランシュ
ヨハン(f05367)と

私、昨日徹夜でエクエクやってたから肩凝ってて……
任務さえこなせれば過程はどんな感じでもいいんじゃないかな

じゃあ先導するよ、ついてきて!
私は空も飛べるし移動は難なくできそう
こっそり偵察して、タコの目を盗めそうな場所にヨハンを誘導するね

接近に気付かず先制を許してしまい
あっ……!?あ、あれ?気持ちいい
それになんだか……力が抜けてきちゃった……

ヨハンがしてくれるの!?(タコを振り払う)
普通にただ触れてもらえるだけでも充分嬉しいけど、ね。えへへ
焼き加減はお任せするよ
斬り分けるのは私に任せておいて
【力溜め】後に一気に仕留めちゃおう

ヨハン、疲れた顔してる……
マッサージしてあげようか?


ヨハン・グレイン
オルハさん/f00497 と

マッサージ……ですか……
いや、敵ですけど。何故わざわざ敵にそんなことをさせるのか、理解に苦しみますね

一先ず船にはどうにかこうにか、こう、足元を凍らせて足場作って行くみたいな感じで
彼女の先導に従いついて行きます

俺もさすがに何度も一緒に依頼に行っていたら
さすがに予想もつきますよ
さすがって二度言ってしまいましたけども

なんでマッサージ受けているんですかね。オルハさん
そんなにされたいのだったら俺がしますけど……?
いやそもそも何故タコなんぞに触れさせなくてはならないんだ
燃やし、炙り、焼き蛸にしやろう。揚げてもいい
『焔喚紅』で<全力魔法>着火

さっさと旗を降ろして帰りましょうよ……



●ゲームは一日一時間って言いますけど一時間じゃ何も出来ねえよ!
「はぁ~……」
 と、若い身空でなにやら肩が凝ってる様子のオルハ・オランシュさん。
 その隣にいるヨハン・グレインは、まだ彼女が何も言ってないのに呆れ顔だ。
「戦争の真っ只中だっていうのにゲームをやっていたんですか、オルハさん」
「いやぁ消化をしておかないといけないの思い出して……って、えっ!?」
 フツーに反応したあと、ぎょっとした顔でオルハがヨハンを見た。
「なんですか」
「いや、なんで私が徹夜でエクエクやってたって知ってるの!?
 はっ、まさかついにヨハネスも、メオルゼイア(エクエクの舞台)に!?」
「違いますよ。さすがに何度も引きずり回されてたら、さすがに予想もつきますよ」
 思わず『さすがに』と二度も使ってしまうぐらいの呆れっぷりであった。
 まあ、別に戦っていないときに、どんな時間を過ごしていようとそれは自由だ。
 そのあたりはヨハンとてわきまえている。が、相変わらずな様子のオルハに、
 そしてそんなせいで見事に肩凝り持ってきてるあたりに、呆れているのだ。
「……まさか、リフレッシュどうこうの与太話を信じているのではないですよね」
「え? でも任務さえこなせれば、過程は割とどんな感じでもいいんじゃない?」
「受けるつもり満々じゃないですか。だいたいなんで敵にそんなことを……」
 何より噂のタコどもの思考回路がよくわからない。まあタコだから仕方ない。
 もしかしてこれはまたトンチキな依頼なのでは? ヨハンは今頃気づいた。
「まあまあヨハン、私が先導するからついてきてね!」
「もう今の時点で嫌な予感しかしませんが……わかりました」
 空を飛ぶオルハを、海面を魔術で凍らせることで後を追うヨハン。
 彼の予測がピタリ的中していることは、誰の眼にも明らかであった……。

 そんなわけで、ヨハンよりも先に偵察にやってきたオルハ。
 うまいこと積み荷の影に隠れて、船上の様子をチェックしてみるのだが。
『いらっしゃいませタコー、今日はどこが凝ってますタコ―?』
「全身がへし折れたように痛んで……」
『怨霊だから当たり前ですタコー、それではこちらの施術台にどうぞタコー』
「いやあすいません、歳のせいかまるで死人のように体が重くてどうも」
『だから怨霊なんだから当たり前ですタコー』
 と、タコと怨霊のみなさんがコントみたいな会話をしていた。
(緊張感がなさすぎる……これ、ホントに脅威なのかな?)
 などとオルハも一瞬考えてしまうが、それはそれ。
 このまま放っておくと、幕府軍のみなさんが大変なことになってしまうのだ!
(とにかく、今のうちにヨハンをここに誘導してあげなきゃ!)
 そしてタコどもをさっさと倒し、マッサージを……いや違うそれは別だ。
 それにしても肩凝りがひどい。目も疲れているし座り過ぎで腰もバキバキだ。
『おやおや、まるで永久凍土に埋め込まれた鶏ささみみたいな凝りっぷりですタコ~』
「えっ!?」
 その時である! オルハは、敵がいつのまにか接近していることに気づいた!
 まずい! とっさにウェイカトリアイナを構えるオルハだが……噫!
『エコノミー症候群は怖いですタコ~、そういう時はフットマッサージですタコ~』
「や、やめて……きゃあああああっ!!」
 噫……噫!!

「……何か妙ですね」
 一方、やや遅れて船に近づいたヨハンは、オルハの合図がないことを訝しんだ。
 まさか、ピンチなのでは? 彼氏としての直感が脳裏に警鐘を鳴らす!
「また俺がツッコミ役をしなければいけないんでしょうか……」
 いや、ただ単にこのトンチキな状況に巻き込まれることを嘆いているだけだった。
 よっこいせ、と魔術のパワーで船に乗り込んだヨハンが見たものは……!!
「こ、これは――」
 そこには……噫!!

『しばらくあとが残りますけどじきに消えるから心配無用タコ~』
「痛そうに見えるけど、カッピングってむしろ気持ちがいいんだね!」
『当然ですタコ~、あとゲームとかの肩凝りは眼精疲労が原因ですタコ~。
 定期的に目を休めて、蒸しタオルとかで目元を温めるといいですタコ!』
「すごいなあ、いたれりつくせりでなんだか悪い気がしてきちゃう!」
『お客様の健康が我々のなによりも幸せですタコ~』
 なんだこれ。オルハはめちゃめちゃリラックスしてマッサージを受けていた。
 なお、マッサージチェアの周りにはエステに関する雑誌などもあり、
 協賛店で割引サービスが受けられるチケットも配布中だ。なんだよ協賛店って。
「………………………………」
 ヨハンは思った。帰ろうかなって。
「………………なんで、マッサージを受けているんですかね。オルハさん」
「あっ、ヨハン。ヨハンも受けてみる? これすごく気持ちよくてさ」
「いや、敵なんですが、そいつら……」
 うねうね不気味にうごめくタコたちは甲斐甲斐しくお仕事をしていた。
 だが気をつけよう! 実はこれもちゃんとした攻撃だからね!
 しかしオルハはのんびりと血流マッサージを受けて脱力しきっている!
「……そんなにされたいのだったら、俺がしますけど……?」
「!!!!!」
 その時である! くわわっ! とオルハが目を見開いた!
『それでは次はお背中のカッピングをしますタ』
「ヨハンがしてくれるの!?!?!?(触手をぶった切る)」
『グワーッ!?』
 タコ無惨! オルハは読んでた雑誌を放り捨ててヨハンに駆け寄る!
「普通に触ってくれるだけでも嬉しいんだけどね、えへへ」
「…………」
 ヨハンは思った。いや取り戻せたのはいいんだがこの娘ちょろすぎないか? と。
 ばっかおめえ、それがオルハさんの想いの強さってことなんだよてやんでぇ!
「……まあそれはそれとして、タコどもは焼きましょう」
「揚げてもいいよね! 切り分けるのは任せておいて!」
『タココココーッ!?』
 吹き散らされる炎! 逃げ惑うタコ! ぶんぶん振るわれる三又矛! 無惨!!
 そんなわけで、あたりには焼きだこのいい匂いと、こんがり焼けたタコの足が何本も転がるのであった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

矢来・夕立
【イカ】タコさん/f04694

【紙技・炎迅】。モーターボートを折る。
今回は一人乗せる予定があります。
平素操縦する側らしいので…いわばプロの方ですね。
素人のブレイクスルーですが、お付き合いください。

カッ飛ばします。

今回は特に隠れる理由がないので。
いや普通にマッサージをお願いしようかと。
だって怨霊があのザマですよ?絶対イイですよ。金が命より重そうな顔してるのに。

というワケで。

ここのところ仕事が立て込んでいまして、特に眼の疲れが凄いんですよね。
按摩の類は眼精疲労にも良いと聞きましたので――はい。ええ。職業ですか?

猟兵です。《暗殺》。

お、…視界がクリアになりました。得しましたね。


パウル・ブラフマン
【イカ】
ほぼ初対面の夕立くん(f14904)とご一緒するよ♪

すっげー!リアル忍術!カミワザ!!
紙技に同乗させて貰いつつ
操舵のお邪魔にならないよう、控えめにキャッキャ。

乗船後、衣蛸さん達と対面したら
持ち前の【コミュ力】全開で油断させるね。
オレもタコだよー!お仲間~♪

夕立くんが癒して貰い終わったタイミングでUC発動!
愛機Glanzを【運転】して
衣蛸さん達に向け【スライディング】&【なぎ払い】の合わせ技で
片っ端から轢き潰しに行くよ☆

ふはは、残念だったね!
同じタコでもオレはテメェらのライバル(猟兵)なんだぞ☆
端から纏めてタコせんべいにしてやるよ!!
必要に応じて【援護射撃】もするね♪

※絡み&アドリブ歓迎



●イカ!!(蛇のイラストに『ザリガニ』のテロップ)
 ドル、ドルルルル……ザァアアアアアッ!!
 見よ! 涼やかな海原を切り裂いて、颯爽と走るモーターボートを!
 だがその実、それは折り紙を変化させることで生まれた不思議な船なのだ。
「すっげー! リアル忍術! カミワザ!!」
 同乗するパウル・ブラフマンは、潮風に当たりながらきゃっきゃとはしゃぐ。
 無理もない。ひょいっと放り投げた折り紙の船が突然巨大化して、
 こんな立派なモーターボートになって、自分はそれに同乗しているのだ!
「お粗末様です。まあ肝心の操舵技術に関しては、さすがに素人技ですが」
 操縦する矢来・夕立は、特に照れた様子もなくしらっと返した。
 どちらかというと、スターライダーを乗せてボートを運転する……という、
 今の状況に対しての緊張のようなものが強いらしい。それもまた、無理もない。
「いやま、オレの相棒はバイクだし? つかさー夢だったんだよねぇ♪
 こーやって、誰かが運転する乗り物の後部座席に乗るってのさぁ!」
「それならなによりです。オレも運転手の勤めがいがあります」
「アッハ! そのカオ、ぜーんぜんそんなこと思ってないっしょ?」
「はい。ウソですので」
 だよねー! とか、大して気にした様子もなくケラケラ笑うパウル。
 偶然から組んだコンビなのだが、案外相性はいいのだろうか……?
 ともあれふたりを乗せたボートは、水軍による妨害を突破(ブレイクスルー)し、
 目的となる船『えすぽわある号』にまっすぐに突き進んでいく……!

 バシャアアッ!!
 と、ジャックナイフめいて海原からジャンプしたモーターボートは、
 ふたりが船体からジャンプすると、一瞬にしてもとの折り紙に戻っていく。
 すたっ、と華麗に着地する両名。普段ならすぐさま攻撃に移るところだが?
『タコッ!?』
「おっと、ソーリー♪ でもそんな警戒しなーい、オレら味方味方~☆」
 身構えるタコの群れに対し、パウルはニコニコと人のいい笑みで呼びかける。
 夕立は何も言わない。この手の仕事は向いた人間にやらせるのが彼の流儀だ。
「ほら見てよ、オレもタコでしょ? お仲間お仲間~♪」
 うねうね。たしかにパウルの体のあちこちからはタコの触手が生えている。
 何を隠そう、彼はタコの特徴を持つキマイラなのだ!
「じゃ、そういうワケだから、コッチの夕立くんをマッサージしてあげてよ♪」
「どうも。最近眼精疲労がひどいのでなんとかしてもらえないかと」
 スルッと前に出る夕立。眉間を揉みながら言うあたり、相当ひどいらしい。
 もともと目つきのよくない少年だが、眼鏡を外すと完全に藪睨み状態である。
『タコ~、それならこっちのベッドへどうぞタコ~』
『蒸れタオルご用意いたしますタコ~、フットマッサージもしますタコ~?』
「ホントかよ(素)いえ、足はいいです。とにかく眼精疲労がですね……」
 マジで普通に接客モードに入ったタコどもの呑気さに若干驚いた夕立だが、
 まあリフレッシュさせてくれるならば、お言葉に甘えるつもりである。
 そんな彼の後ろで、パウルのほうはうまいこと笑顔でエステを断っていた。
『お連れ様はよろしいですタコ~?』
「あ、オレはこの通り全身ふにゃふにゃだからね~♪ 本とかある?」
『お待ちのお客様のための雑誌ご用意してますタコ~』
「いたれりつくせり~!」
(あっちもあっちでくつろぎまくってるのやべえなこれ)
 これホントに戦場か? とか思いながら、ベッドに横になる夕立であった。

「で、夕立くん、実際どう~?」
「…………」
「夕立くん? えっもしかして死んだ?」
「…………いや…………」
「あっ生きてた」
「これは……ヤバいですね……」
「えっやっぱりピンチ系? 脱出する?」
「いや…………ああ~……オブジェ……」
「は???」
「遥かに良いです……遥かに良い……」
「えっ夕立くん大丈夫??? 別の意味でヤバそうなんだけど???」
「大丈夫です……あーすいませんそこお願いします……ああ~……」
 ほんとに大丈夫か? と、パウルはちょっとだけ不安になった。足組んで雑誌読んでるけど。
 なおどうやってるのか知らないが、船の上は涼しくてとても心地よい。
 希望があればジュースまで出てくる。まさに天国である。
 金が命よりも重そうな船名だが、一体どうやってコストを賄っているのだろうか?
 考えないほうがよさそうである。
 そんなわけで、夕立は満喫していた。ああ~、とか、あ~、とか、
 脳みそをスポイルされた人みたいな声しかでなくなっている。
 やべーなこのあと大丈夫かな、いやでもウソつきって言ってたし大丈夫か。
 ていうかオレもやっぱマッサージ受けといたほうがよかったかな~。
 とか、パウルの心配はそんなもんだった。は、薄情!!
『お客さん凝りすぎですタコ~、火山で茹でた卵みたいですタコ~』
「それ炭化してる気すんだけど???」
「いやあ仕事が立て込んでまして……ああ~……」
『それは大変ですタコ~、お仕事は何をされてますタコ~?』
「仕事ですか? 職業は――」
 ぱさり。蒸れタオルを剥がす夕立。顔は一瞬でシャキッとした!
「猟兵です」
『タコタコ~、猟兵さんですかタコ、タコーッ!? タグワーッ!?』
 SLASH!! 神業的な逆手の斬撃が触手をばっさりと切り裂く!
「はいそーゆーわけで残念でしたぁ、ふははは油断したなぁ!」
『いやお客さんもめちゃめちゃ足湯してリラックスしてましたタグワーッ!?』
「演技だよ演技ぃ♪ 同じタコでもテメェらのライバルなんだぞ☆」
 BRATATATATATATA!! パウルも雑誌を放り投げて援護射撃を開始!
 タコたちは慌てて逃げ惑う。触手が飛ぶ! 焼ける! 美味しそう!!
「で、夕立くんリフレッシュできたぁ?」
「いやもうバッチリですね。視界がクリアですよ」
 逃げ惑うタコの触手をぶった切りつつ、満足げに眼鏡をかける夕立であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リル・ルリ
■櫻宵/f02768
アドリブ歓迎

船だね
……いいよ、掴まってて
僕が抱えて泳いで船まで連れていくから
全く、お姫様は我儘だ

あ、たこ
まさじ?をしてくれるの?でも、僕はどこも凝ってないよ
あっヨル!旗が欲しいのはわかるけど、今船に降りたらだめ、なのに!
ヨ、ヨルが!!まさじされて見えなくなった!櫻、助けて!!
嗚呼!!僕の櫻まで
たこ!離せ、櫻宵は僕の櫻だ!ちょ、僕の方はやめて
水泡のオーラ防御でしゅるんと防ぎ避ける
え?肩が?……そんなの、僕がとんとんするからタコに頼らなくていいんだ!
肩たたき券あげただろ
「恋の歌」を歌ってこんがりにする!
櫻宵にそんな纏わりつくなんて許さないぞ!あと無駄に色っぽい

ヨル、はやく旗を!


誘名・櫻宵
🌸リル/f10762
アドリブ歓迎

船ね……あたし泳げないから、リルに船まで連れてって貰うわ
リルは王子様だもの
絶対離さないでよね!!(しがみつく

タコよーー!!
え……なに、あたしのリルに纏わりつこうとしてるの?スケベ!!
タコ×リルとか許すわけないでしょ?死にたいの?殺すけど
切り刻んでミンチにしても足らないわ!
ヨ、ヨルー!!(タコまみれ
なんでヨルを離したのよリル!
きゃん!や、ちょっと何よ!なんであたしに…あだだだだ!!
あ、ちょっと肩こり良くなった
スッキリ!
存分に刀を振るえるわね
リルに近づくタコは殺すわ
「散華」綺麗にカットしてあげる
あの子にマッサージしていいのはあたしだけよ

ヨル!隙を見て旗持ってきて!



●これ何かわかる? これね、今回も余計なことやらかしたペンギン
 ばちゃばちゃばちゃ、と音を立てて、尾びれが力強く海面を叩く。
 普段なら誘名・櫻宵がリル・ルリをか弱い[要出典]腕で抱えているところだが、
 今回に限っては立場が逆だ。なにせ、櫻宵は――水が怖くて泳げないのだから!
 見た目が着衣水泳とか絶対出来ねえ重装備だからとか、そういう話ではない。
 恐怖である。フォビアである。そんなわけで櫻宵にとって夏は試練の時なのだ。
 Summer……それは、真の男を試す、MEXICOの荒野めいた過酷な季節……。
「リィ? 離さないでね? 絶対離さないでよね?」
「えっ、櫻、もしかしてそれっていわゆるフリ」
「違うわよ!!!!!!!!!!」
「アッハイ」
 今に始まったことではないので、リルはやれやれといった様子で彼を抱えている。
 こういう時は、なんだか本当の王子様になったような気分で少し誇らしい。
 こころなしか、水を弾く尾びれも、少しご機嫌そうに踊っていた。
「だいたいなんで水軍なのよぉ、日野富子絶対許さないわ! 首斬るんだから!!」
「このあいだ斬ったでしょ! いいからほら、もっとしっかり捕まって!」
 こうしてすぐそばに愛する人を感じられるのも、役得というものである。

 ばしゃあんっ! と、海面を蹴った人魚(と木竜)が海面に踊る。
 ひゃわああああ、とか弱い[独自研究]悲鳴を上げる櫻宵を抱えながら、
 リルはトビウオめいたムーンサルトを決めて、甲板上に着地した。
「はい、とーちゃく。櫻、もう足ついて大丈夫だよ?」
「そ、そそそうね! ……お、落ちないわよね? つるって滑ってとか」
「ないから! それともずっと僕に抱えてられるのがいい?」
「それはそれで悪くないけど、だ、だだだ大丈夫よ!!!」
 子鹿みたいに震えながら、恐る恐る甲板に足をつける櫻宵。びくっと足を戻す。
 二度三度ちょんちょんとつついてから、大丈夫そうだと確信するとようやく降りた。
「ほんと、櫻は水のそばだと可愛いんだから」
「やだリィ、褒めても愛しか出ないわよ❤」
「いや僕どちらかというとからかってるんだけど……」
「うふふふ、わかってるわ!! 照れ隠しよ!!!」
 バカップルみたいな会話である。いや実際バカップルなのだが。
 まあさておき、そんな騒がしくしていると向こうのほうが先に気づくわけで。
『タァアアアアコォオオオオ~~~~』
 うねうねうね。触手をくねらせながら、衣蛸のご登場だ!
「あ、たこだ」
「タコよーーー!! えっデカいわね!?」
 マッサージがお仕事ということなので、衣蛸は胴体だけでも人間より大きい。
 触手の長さに至っては、船の端から端まで届きそうなレベルである。
『タコォ~、お客さんマッサージはいりませんかタコ~?』
「え? まさじ? をしてくれるの??」
 と、リルはきょとんとした顔で首を傾げている。
 どうやらグリモア猟兵の話を聞いていなかったらしい。でも仕方ない。
 だって……暑さで気が狂ったとしか思えない説明だったから……!
「でも僕はどこも凝ってないし……」
『タコタコォ~、それが意外と凝ってるのが人体なんですタコぉ~。
 今なら無料でお試し出来ますタコ~、あっちの施術台にどうぞタコ~』
「ってコラ!! なにあたしのリルにまとわりつこうとしてるのスケベ!!」
 うねうねする触手をべちんっと追っ払いながら、櫻宵が割り込んだ!
『別にスケベなことはしませんタコ~』
「何言ってるのよこのタコ!! タコってだけでもうスケベじゃない!!」
「櫻……?」
「そのうねうねする触手で鉄棒ぬらぬらするつもりなんでしょ! 春画本みたいに! 春画本みたいに!!」
「櫻? ねえどうしたの櫻???」
 暑さでおかしくなっていたのはここにももうひとりいたらしい。
『まあまあ落ち着いてくださいタコ~、美肌効果もありますタコよ~』
「えっ美肌!? やだもうたしかにあたしはお肌綺麗だけど気になっちゃうわね!」
「櫻の肌はたしかに綺麗だけど、タコは別にそこまで言ってはないような……」
「しかもリルとお似合いの美人ですって!? あらやだもう~」
「櫻大丈夫? ねえ櫻???」
 さすがのリルも(だいたいいつもどおりだが)恋人の正気が心配になってきた。

 とにかく! と、櫻宵は大げさに咳払いして話を戻す。
「タコ×リルとか許すわけないでしょ! 死にたいの? 殺すけど!!」
「えっ櫻、そのかけるってどういう意味」
「どうせならあたし×リルよ!! いいえリル×あたしでもいいわ!!」
「櫻……?」
「リルが相手なら左も右も大歓迎よ!!!!!」
「櫻!! そんなに海が怖かったの櫻!?!?」
 なんか妙に目が据わってる櫻宵の体をがくがくと揺らすリル。
 そんなリルの懐から、ひょいっと小さなペンギン……ヨルが飛び出した!
「あっ、ヨル!?」
 ぺちぺちよちよち、子ペンギンが目指すのは……村上水軍旗である!
 ヨルの目はキラキラしている! クリスマスツリーの星を求める子供めいて!
『タコ~、お客様ご案内タコ~』
「ヨ、ヨルー!? ヨルがタコに捕まっちゃったわ!!」
「ど、どうしよう櫻! 助けて!!」
「……タコ×ヨル? いえまさかのヨル×タコ……???」
「櫻!! 櫻しっかりして!! よくわかんないけどどっちもだめ!!」
 びびびびびびびん!(尾ビレでビンタした音)
「はっ! そ、そうね、ヨルを助けなきゃ!」
『お客様、肩凝ってそうタコ~』
「えっ」
『マッサージいたしますタコ~、まるで魔女の窯の底で焦げたトカゲみたいな筋肉タコ~』
「ちょっとそれどういう表現いだだだだだ!?」
 うねうねうね。櫻宵が触手に絡め取られてしまった!
「ああ、僕の櫻まで……! たこ! 離せ、櫻は僕の櫻なんだぞ!」
『お客様もマッサージしますタコ~? ヒレマッサージもしてますタコ~』
「えっあっ僕のほうはやめて! いいからっ!!」
 海産物として負けるわけにはいかない! 水泡ガード!
 なお、その間に櫻宵は、全身をきっちりとマッサージされていた。
「さ、櫻ー!?」
「ああっ、リィ! あたし、あたし……!」
 よよよよ……とすすり泣く櫻宵、スワッ!! と起立した。
「ヒェッ」
「肩凝りもよくなったし腰も軽くなったわ! スッキリよ!!」
 目も覚めたし足も軽いし金運もアップして人生バラ色になったような気分だ!
「今なら小判のお風呂で写真とか撮れそうね!」
「よくわかんないけど櫻は大丈夫なの……???」
「ええ! 存分に刀を振るえるわね! リィはあたしが護るわ!!」
 スパッ! お客様をさらおうとする触手がぶった切られた!
『タグワーッ!?』
「よかった……そうだよ、櫻には僕がとんとんしてあげるもんね!」
「肩たたき券のことかしら……?」
「そうだよ! たこなんていいの! あれ使ったら僕がとんとんするもん!」
「使えるわけないじゃない!! リルの直筆肩たたき券よ!?!?!?」
「櫻?」
「額縁に入れてとっておいてあるに決まってるじゃないの!!!」
「そこは使ってよ櫻!! いやそうじゃなくてヨルが!!!」
 もうなんかしっちゃかめっちゃかである。
 ところでそのヨルは一体どうしたというのか!? ああ、あそこに!
「「ヨル!!」」
 心配するふたりをよそに、ひれでサムズアップ(?)しながらヨルは触手に沈んでいく……。
「「……もしかしてまたわざと!?」」
 御名答! リフレッシュ出来たようで何よりです!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マレーク・グランシャール
【壁槍】カガリ(f04556)と

別に男はみんなマッサージ好きという訳ではないぞ?

武人としては噂に聞く村上水軍に憧れさえあるが、タコに骨抜きにされて信長軍の手先に成り下ったか
堕落の根源、タコの脚は砕き、誇りなき軍旗を引きずり下ろしてやる

カガリの鉄柵に乗せて貰い鉄甲戦に乗り移ったら【竜牙氷纏】を発動
タコは透明化し卑猥なことをしてくるようだが、吹雪を浴びせれば風の動きと霜とで位置が知れよう
ご自慢の軟体の脚も凍らせてしまえば叩き割ることが可能だ
【碧血竜槍】を投げて凍った脚を砕く

背後から迫るタコはカガリの盾が守ってくれよう
並べた盾をステップに【黒華軍靴】でジャンプして軍旗を引きずり下ろしに行くぞ


出水宮・カガリ
【壁槍】まる(f09171)と

何だか…とても、えろえろと…
……。……えろ、とは。何なのか(※屋根の下のことはわからない門)

【籠絡の鉄柵】を実体・大型化して空中を泳がせ、船までまると一緒に乗っていくぞ
船に到着したら、まるの死角を守る形で【錬成カミヤドリ】を
【鉄門扉の盾】を邪魔でない程度に複製するな
迷彩だろうが、周囲を壁で囲っていれば無問題だ
鉄門にまっさーじはできないぞ
……吸盤は……カガリは一応、盾の方が本体ではあるが……
ええい、やめないか、焼いてしまうぞたこ(複製した盾を炎上(属性攻撃)させる)

軍旗を降ろす時は、盾を階段状に置いてまるに上ってもらおう
まる、まる
そこからの眺めはどうだ?



●この壁と槍硬すぎて触手が通らねえ
「なあまる」
「どうした、カガリ」
「あのグリモア猟兵は、えろがどうとか言っていたが……えろとはなんなのだ?」
「………………」
「まる?」
「男はみんな、マッサージが好きというわけではない」
「まる? それが答えなのか???」
 マレーク・グランシャールはそれ以上何も言わない。無表情である。
 恥ずかしがってるのか、苦々しく思っているのか、彼もよくわからないのか、
 その鉄面皮からは何も伺えない。それに何せ、彼はガチガチのシリアスキャラだ。
 そんなスケベがどうこうとか、そんな話するわけないじゃないですか!!
 だが、出水宮・カガリは、首をかしげるばかりである。
 何せ彼は城門だ。境目を定め、彼方と此方を分ける存在である。
 屋根の下のこととかはよくわからない。一応19歳だけど全然わかんない!
 もしかすると彼は婚約者に同じことを問うかもしれない! なんてこった!!

 まあそんな話はさておこう。このシナリオでスケベなことは起きないのだから。
 それはそれとして、マレークは密かに、村上水軍に憧れを抱いていた。
 なにせ精強無比として知られた、戦国時代の大海賊たちである。
 武人として、その腕前や軍略に惹かれるのはなんらおかしいことではない。
 ……もっとも、この怨霊水軍は、日野富子の傀儡となってしまっている。
 富に魅入られた者、大悪災に恐れをなして恭順した者、理由は様々だが、
 信長の軍門に下ったという事実は変わりはすまい。
「タコに骨抜きにされて、手先に成り下がった……というわけだな」
「? それはひょっとして、骨がないタコと、骨抜きという言葉をかけた……?」
「行こう、カガリ。その誇りなき軍旗を引きずり下ろしてやる」
「まる、ひょっとして今のは冗談だったのか? なあまる、なぜ無視する」
 マレークのようなかっこいい武人が、そんなギャグとか言うわけがないのに!
 言うわけないので、この件はスルーして話を進めるとしよう。
 泳ぐ鉄柵という奇妙なオブジェクトに乗り、さっそく甲板に到着したふたり。
 油断なく、カガリが自らのユーベルコードを使って自分たちの身を守る!
『タコッ!?』
 危ういところだ。彼らの周囲には迷彩で姿を隠したタコの群れ!
『あの~お客様、ウチではそういう暴れるような行為はちょっと~』
「……? まる、よくわからないがカガリたちは暴れているのだろうか?」
「敵の戯言だろう。気にする必要はない、蹴散らすだけだ」
 セ、セメントだ! タコたちは、ふたりの会話を聞いて恐怖に震えた!
『シ、シリアスタコ……』
『シリアスな猟兵たちが来たタコ……』
『タコたちの攻撃が一切通用しないタコ……!』
 山の神に恐れおののく麓の寒村の住人みたいなことを言い出すタコたち。
 マレークは意に介さない。ユーベルコード"竜牙氷纏"で敵を一掃にかかる!
『『『タココココーッ!?』』』
 パキーン! 凍りついたことで迷彩で隠れていたタコたちの姿があらわに!
 おまけに極低温で凍らされたせいで、ご自慢の触手も完全にひえっひえだ!
「何体いようが、こうして凍らせればその軟体も形無しだろう」
「……? まる、まさかとは思うがいまのは、何体と軟体を」
「カガリ。守りは任せる。奴らは俺が蹴散らそう」
「あ、ああ。……ってこいつら、なぜカガリの門に吸い付いてくるんだ……???」
 次々にタコどもが門の周囲に現れ、吸盤を門や壁に吸い付けてくる!
『タコタコ~! お客様の体……? 体はまるで鉄のようタコ~』
「城門なのだから当然だろう!」
『これはほぐしがいがありそうタコ~、カッピングもやってますタコ~』
「かっぴんぐとはよく知らないが城門にやるものなのか……???」
 当然違う。しかしタコどもはマッサージしないと気がすまないらしい。
 もちろんそんな隙をマレークが見逃すはずもなく、次々に槍の一撃を見舞う!
「その不埒な悪しき脚を砕かせてもらうぞ」
「…………まる、やっぱりそれは悪しきと脚をかけた」
「カガリ、油断するな。お前のことを信じていないわけではないが」
「あ、ああ……」
 タコの悲鳴。砕ける脚。あちらこちらで極楽気分でだらけている怨霊たち。
 城門は何も通さない。吸盤も、カッピング用の吸い玉も、蒸れタオルとかもだ!
 しかし軍旗降納にはまだ遠い、タコたちにもマッサージ師としての……いや違う、
 ギャグキャラとしての……いや違う! オブリビオンとしての意地があるからだ!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霑国・永一
【花の涯】
タコパ……タコ自体がもてなしてくるらしいねぇ
戦争とは…
まぁいいや、女将さん傘借りるよ。それと失礼…よっと(片手に傘を持ち、片手に女将さんを姫様抱っこ的に抱える)
俵みたいに抱えても良かったけど、ファンが怖いし丁重に扱うさぁ
はいはい、そういうことにしとくよ女将さん。じゃ、行くよ

おや、女将さんなんだいその恰好は。あっはっは、これは面白い!
既にUC使えないし極楽だから女将さん動けるまで寛ぐよ、罰だなんてとんでもない
女将さんに解放して貰った後は狂気の銃創打ち込んで微塵にするか。生命力盗まれっぱなしは癪だしね
見てよ痕がキスマークみたいさぁ。知らない?女将さんの首筋に俺から教えてあげようかな?(笑


千桜・エリシャ
【花の涯】

たこパでリフレッシュですのね!
花時雨を開いて空中戦
風に乗り飛び船に乗り込みましょう
さあ、永一さん行きますわy…えっ、ちょっと!?
これは所謂お姫様抱っこというやつでは
全く…紳士的にお願いしますわね?
それと…
この方法が一番楽だったからで他意はありませんからね?

なんですの?ヨガ?
気持ちいいですけれど
このポーズ…恥ずかしいような
永一さん!笑い過ぎですわよ!
もう…私が動けない間は頼みますわね
笑った罰ですの

永一さんに吸い付く吸盤がなんだか…
は、破廉恥ですわ!
即座に剥がしますの

頃合いを見て鬼火でたこ焼きにして首を貰いましょう
キスマーク?
教えて頂かなくて結構ですわ!
…少しドキっとしたことは秘密ですの



●おいこの盗人女の心の盗み方まで心得てるぞ
 戦争とは、一体。
 さすがの霑国・永一ですら、この哲学的命題に思いを馳せてしまった。
 だってさあ、タコがマッサージでリフレッシュですよ!?
 普通誰でも疑問に思うよ! 思いますよね! すいませんこんなシナリオで!!

 ……それはさておき。
 まあそんなトンチキな相手でも、ヤバい戦争敵であることは事実。
 とりあえずどげんかせんといかん……という猟兵的な道義を口実に、
 おそらくはリフレッシュするつもり満々の永一である。
 しかしこの盗人、わざわざ男ひとりでリフレッシュに来るような男ではない。
 泥棒のくせになんて陽キャだこの野郎、とあちこちからひがまれそうだが、
 そういうことを平気の平左でこなすから怖いのである。きたないな泥棒きたない。
「こういうの、タコパって言うんだったっけねぇ。なあ女将さん」
「だいぶ間違っている気がしますけれど、問題はないと思いますわ!」
 いえ、問題はありありではないでしょうか、千桜・エリシャさん。
 なんて声が届くはずもない。彼女も彼女でノリノリなのだから。
 はたしてどちらが声をかけたのか、それは当人らのみぞ知るところ。
 疑問を抱いているあたり、おそらくは永一のほうが誘われたのだろう。
 ……となると、エリシャのことだ、単にリフレッシュだけが目的ではあるまい。
 おそらくは、この油断ならぬ泥棒がリラックスしているところを見たいとか、
 あとなんかこううまいこと弱みを握れないかとか、そういう恐ろしい羅刹らしい、
 油断ならぬ目的があるに違いない! プレイングには書いてないけど!
 え? それを口実にしてただ単にふたりで遊んでるだけでは?
 ばっかおめえそんなわけないじゃん! あの恐るべき妖艶な女剣士が!
 そんなわけはないはずなのだが、なぜかエリシャはお姫様だっこされている!!
「えっ、ちょっと!? これは一体なんですの永一さん!?」
「何って、俵みたいに肩に担ぐよりかはこっちのほうがいいだろう?」
 女将さんはファンが多いからねえ、とかなんとか言いながら、
 泥棒は片手に花時雨を、そしてもう片手でうまいことエリシャを抱いていた。
 しかし首を求めて戦いの狂気に浸る美しくも恐ろしい女羅刹剣士のこと、
 一見美女と美男子に見えても、なんかこうシリアスな感じの色気とか怖さが、
「ま、まったく……紳士的にお願いしますわね?」
「はいはい、俺には一番程遠い言葉だけどねぇ」
 ……色気とか、怖さが……。
「知ってますわ。あと、おとなしく抱き上げられているのは、
 これが一番ラクだったから。ただそれだけですわ、よろしくて?」
 色気……。
「はいはい」
「返事は一回! もうっ」
 ………………………………誰がどう見てもいちゃついてますねこれ!!

 そんなふたりは、花時雨の力でふんわりと風に乗り船に降り立った。
 永一はエリシャががくんと揺れないよう、両足でうまく衝撃をいなし、
 彼女の纏う着物にシワひとつつかないようゆったりと甲板に下ろす。
 そしてなにやら、いかにもきざな男がやりそうな慇懃な礼をひとつ。
「どうだい、紳士的にやってみたんだが?」
「その一言がなければ満点でしたわ」
 花時雨を受け取りつつ、ぷいっと顔をそむけるエリシャに苦笑する永一。
『カップル様ご到着ですタコ~、マッサージご所望ですタコ~?』
「ははは、よしてくれよ恐ろしい。女将さんのファンに何されるかわかんないよ」
「永一さんはいちいち一言余計ですわ! ……こほん、ええ、マッサージを」
『そちらの男性の方はどうしますかタコ~?』
「俺はカッピングをお願いしようかねぇ」
 てな具合にナチュラルにタコたちの接客(?)を受け入れるのであった。
 敵のはずのタコたちだが、おそらくはマッサージ師としての本能がそうさせるのか、
 あるいはマジで猟兵と気づいていないのか、真摯にマッサージに取り組む。
『お客様、ひょっとして脚のむくみとかが気になってませんかタコ~?』
「え? ええ、そうですわね、仕事柄ばたばたと移動いたしますから……」
『自宅で出来る快適なヨガのポーズをお教えしますタコ~』
「ヨガ? なんですの? まあやりますけれど……」
 半信半疑な面持ちのまま、タコに促されるままに立ち上がるエリシャ。
『まず片足立ちになって、軸足のふくらはぎに足の裏をつけますタコ~』
「ふむふむ……」
『いい背筋の伸びっぷりですタコ、そのまま両手を合わせますタコ~』
「合掌のような感じかしら……」
『そのまま両手を上に持っていきますタコ~、これが『木のポーズ』タコ~』
「これは……たしかに脚とか背筋が伸びて……!」
 真剣にヨガのポーズを取っていたエリシャは、そこで永一の顔に気づいた。
 笑っている。のんびりカッピングを受けながら、あの野郎爆笑してやがる!
「ちょっと永一さん! 何を笑っていますの!?」
「いや、だって女将さん、そのポーズ……あっはっは!」
 ようは片足立ちで数字の『4』を描くようなポーズが『木』なのだが、
 真面目な顔でやっているのをはたから見るとだいぶ面白い。
「いやあこれは面白いねぇ、他のポーズも教えてもらったら?」
「い、いいですわ! これ以上笑われたくないですものっ」
『お客様もう少しカッピングしますタコ~』
「え? ああ、そうだねぇ、じゃあお願いしようかねぇ」
「………………」
 木のポーズ中のエリシャ、永一のほうを見てまんじりともしない顔になる。
 うねうねする触手にまとわりつかれる(性根はともかく)顔がいい男……。
「……な、なんだかいやらしいですわ! 破廉恥ですわ!!」
「え?」
「ていうか思わず目的忘れかけておりましたの!!!」
 ファイアー!! 鬼火がボワッとタコたちの眼を灼く! 無惨!!
『『タグワーッ!?』』
「あーあ、こりゃ大変だぁ。ま、そうだねえ、仕事するとしようか」
 完全消音銃がマズルフラッシュ! タコどもの触手を吹き飛ばした!
 タコ無惨! マッサージしただけなのに!!(※攻撃です)
「危ないところでしたわ、これが敵の策……なの、かしら??」
「さあ。それより見てよ女将さん、俺のこの首元」
 これみよがしに鎖骨のあたりを見せてみせる永一。
「まるでキスマークみたいさぁ。絆創膏持ってくればよかったかねぇ」
「……キスマーク??」
「おやぁ、女将さん知らないのかい? 教えてあげようか?」
 冗談めかす永一に対し、エリシャはかあっと頬を赤らめ、
「お、教えていただかなくてけっこうですわ!」
 と、胸のドキドキを隠すように、またそっぽを向くのだった。
 ……誰がどう見てもいちゃついてますねこれ!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

四葉原・栞
UC【説明!】で話を聞いてくれそうな人のもとに、さも当然のごとく駆け付けます。
カッピングをはじめ多くのマッサージ技術は衣蛸の手技を再現するべく発明されたというのは周知の事実であるが、
実は経穴をつぼと表現するのも衣蛸が由来である。
蛸壺を使えば衣蛸を容易に捕獲できることから、効果の大きい穴、つぼと呼ばれるようになったのである。
「という訳で、誰か蛸壺っぽいものに入って、衣蛸を複数おびき寄せる囮になる作戦は如何でしょう!」
戦う船なら壺っぽいものあると思うんですよ。大砲とかタルとか。
自分が囮になる場合は… 多少マシなWIZでなんか… します。
足りない知識があったらUC【物の本によると】で補助。


三咲・織愛
わぁい!
マッサージがしていただけるなんてとってもラッキーです
気持ちよくしていただいて、その後はぼこぼこにしちゃいましょう

船までは泳いでいきますね
あ、サーフボードで波に乗っていけるかも?
ノクティスに引かせるのもありですね!

私、普段から肩凝りがひどくって
重いんです。何がとは言えませんけども
いい感じにマッサージお願いしまーす!

ありがとうございましたとお礼を言ってから顔面パンチしますね
お礼のパンチです!
あ、タコさんでしたら食べられたりしませんか?
ぶちぶち足をちぎってちょっと試させていただきましょう
わさび醤油で食べるのが好きです
美味しいかな? どう? ノクティス

旗の立ってる帆柱もべしべし殴っておきますね


真守・有栖
わふぅ……なかなか上手じゃないの。褒めてあげるわ!
さっっっそく、たこさんにまっさーじをお願いするわ。したわ!

わぅう……日頃の狼疲れが癒されるわぁ
あ。そこよ、そこ。わっふぅううううう!?ちょ、いた…っ…いだだだだっ!!?
狼はとっっっても大変よ。大変で大変の大変なの!
あちらこちらと凝り固まった狼肉を解して、揉んで、んん……とっっってもすっきりしたわ!

なかなかの腕前でたこまえだったわ!
それじゃ、その労を労って

――月喰

光刃、一閃

たこさんの腕をずばばっと斬り、取り出したるはお醤油と山葵。
疲れも取れたしぽんぽんもぺこぺこ。えぇ、たこさんのお刺身で頂くわ!
えぇ、余さず残さず美味しく。ぜーんぶ平らげてあげる!


非在・究子
な、なるべく、高めの高度に、転送して、くれる、か?
お、落ちてる間に、UCを、使って、魔砲少女モードに、変身して、そのまま、落下の、勢いを、乗せて、魔砲からの、砲撃を、連射しながら、突っ込む、ぞ……そ、空の、上なら、へ、変身モーションとか、見られたり、決め台詞、聞かれたり、しないで、済むし、な。い、一石、二鳥だ。

な、なんでか、肩は結構、こりやすい、質だけど、な。な、なんかタコに、うねうねされるのは、気乗りが、しない。だ、だから、魔砲少女モードの、飛行能力と、斥力障壁で、振り払いつつ、魔砲で、全力攻撃、だ。

さ、最後は、相手の、フラグを、引きずり落して、ステージ、クリア、だ。



●持つものと持たざるものの溝はいつだって深く広い
 説明が……したい。
 真偽があやふやすぎるそれっぽい説明が……したい!!
 カッピング? マッサージ? いやそんなもんはどうでもいい。
 だって自分は書物関係(クローバーの栞である)のヤドリガミなんだし!
 それっぽい解説とかするのがアイデンティティ的なとこあるやん?
 ……と、四葉原・栞が考えていたかはともかく。
 とりあえず説明がしたい。このトンチキな状況をそれっぽく解説したい。
 それはマジだ。だから聞いてくれそうな人のところへ行こう!
「第一聴取者発見です!!」
「え? え? 私のことですか?」
 ちょうどサーフボードからざぱぁん!! と軽やかに着地したエルフの少女が、
 きょとんとした顔で栞のほうを見る。彼女の名は、三咲・織愛と云う。
「……って、今サーフボードで乗り付けたんですか?」
「はい! 今日はいい波が出ていたので!」
 いやーいい汗かいたわみたいな笑顔で言う織愛。圧倒的陽キャオーラ。
 そもそも敵の船にそんなさわやかにサーフィンする猟兵おるか???
 とだいぶ疑問が湧いてきたが、まあいい人っぽいのでさておくことにした。

 ……その時である!
 BEEEEEAAAAAAMMMMM!! 二人の周囲に無数に飛来する光線の! 雨! あられ!!
「「ひゃああああっ!?」」
 ふたりは飛び上がって驚くが、幸いか、いやおそらくは狙ってだろう、
 とにかく光線の雨がふたりを害することはなかった。
 あっちこちから『タコーッ!?』とか『タグワーッ!?』とか、タコの悲鳴(?)が聞こえてくるあたり、どうやらこれは猟兵による対地攻撃らしい。
 やがて光線の雨が止んでしばらくすると、ふわりと二人の近くに降り立つ影あり。
「よ、よし、こ、これなら、へ、変身モーション、だ、誰にも見られない、な……」
「「ま、魔法少女……」」
「えっ」
 ふたりの声で、ようやく存在に気づいたらしい、フリっフリの衣装の少女がこちらを見た。
「…………」
「「…………」」
「…………み、見なかったことに、し、してく、れ……」
 顔を覆いながら、変身を解除する非在・究子。どうやらやむを得ない事情があるらしい。
「あ、アタシのこれ(ユーベルコード)は……へ、変身モーションと、
 あ、あと、口上を、す、スキップ出来ないんだ……だ、だから……」
「……あ~、空から落ちてきたのはそういう」
 栞は納得した。おそらくもっと高いところに転移して変身したのだろう。
 先程の光線の雨は、落下しながら放たれた究子の砲撃、というわけだ。
「で、でも、この姿、み、見られるだけでも、け、結構クるから、な……」
 変身が見られなくてやったぜ! と、ガッツポーズしていたせいもあるのだろう。
 いかにも魔法少女☆って感じのコスチュームは、覚悟完了してないと厳しいものがある。

「いまのはあなたの仕業だったのね!?」
「「「!?」」」
 いつのまにやら、そんな三人の近くにはひとりの人狼の少女が居た。
「たくさんきらきらぴゅーぴゅー、花火みたいで綺麗だったのだわ!
 まあもちろん、この私の剣には勝てないんだけれど! ふふんっ!」
「いきなりドヤ顔してますけど……」
「よほど剣の腕に自信があるみたいですね!」
 やや呆れ気味に耳打ちする栞に、織愛はやや天然な回答を笑顔でしていた。
 ともあれそんな自信満々な人狼の少女……真守・有栖は、
 落ち着きのない様子できょろきょろとあたりを見渡している。
「ところで、噂のたこさんはいったいどこにいるのかしらっ!?」
「あ、そういえばいませんね? もう倒されちゃったんでしょうか?」
 ぶんぶんと尻尾を振っているあたり、有栖はバリバリ休息しに来たらしい。
 織愛もそのつもりだったのか、少し残念そうな顔であたりを見渡す。
「あ、アタシの攻撃で、み、みんな、吹っ飛んだんじゃ、な、ないか?」
「はっ!! そうでした、タコ! タコのマッサージ! そうですよ!!」
 何やら、大事なことを思い出した様子で、栞がぴょんぴょん飛び跳ねた。
「実はですね、私物の本で、マッサージの起源について調べたことがありまして」
「い、いきなり信憑性が、で、デマサイトレベルになったぞ……」
 前髪で隠れているが、究子がジト目になっているのは一目瞭然だった。
 元ゲーム世界からやってきたバーチャルキャラクター(現陰キャオタク)として、
 ○○の起源が実は!! みたいなのは、たいてい眉唾なのだ。詳しいんだ。
「ええっ、マッサージの起源ってタコに関係があったんですか?」
「狼の耳にも初耳よぅ、初狼だわっ!?」
(こ、こっちの二人は、あ、あっさり騙されそうだし……)
 大丈夫か、こいつら……と、織愛と有栖をジト目で見る究子。
 だがふたりもノリのいいオーディエンスが手に入ったことで、栞はニコニコだ!
「そう……カッピングを始め、多くのマッサージ技術は、もとを辿れば衣蛸の手技を再現するべく発明されたものなんです!!」
「「な、なんだってー!?」」
(さ、さも、し周知の事実みたいに、い、言い切ったな……)
「実は……経穴を"ツボ"と表現するのも、蛸壺が由来なんです!」
「「し、知らなかったそんなの……」」
(ど、どう考えても、う、ウソだろ!?)
 突っ込みたい。眼をキラキラさせて驚いてるあそこのふたりにツッコミたい。
 情報リテラシーは大事なんだぞ、猟兵だってデマには踊らされるんだぞ、
 とか、ものすごくオタクっぽい方向からクソリプならぬお説教をしたい!!
「蛸壺を使えば衣蛸を簡単に捕まえられる……そこから転じて、
 効果の大きい穴、それをツボということになったんですよ!!」
「「な、なるほど~……」」
(だ、だからそんな、か、感心するな! そ、そういうのが、ち、調子乗らせるんだ、ぞ!)
 ごもっともである。栞の笑顔はキラッキラ輝いていた。眩いほどに。
「そんなわけで、誰か蛸壺っぽいものに入って、衣蛸をおびき寄せる囮になるのはどうでしょう!」
「「め、名案(です)ねっ!?」」
「い、いやいや、いやいやいやいや」
 流れで何言い出してんだこの眼鏡。慌てて止めに入る究子。
「そ、それ、お、囮にな、なった人、た、大変なことに、な、なるだろ」
「それもそうだわ!? 壺に入っちゃったら逃げられなくてけっちょんけっちょんじゃないの!!」
「え、でも危なくなったら壺割ればよくないですか?」
「「「壺を割る!?」」」
「握力でこう、えいって」
「「「握力!?」」」
 誰でも出来ますよね壺叩き割るの、みたいなけろっとした顔の織愛に、
 三人はちょっと恐怖した。そう、このエルフ娘は割と力イズパワーなのだ。

 ……そんな話をしていたせいか、気がつくと周囲には蛸の群れ!
 蛸壺作戦を実行しなくてよかった、というべきか否か。
『『『タァアコォオオオ~~』』』
「おっと、これは私ピンチでは? 解説役なのに!」
「じ、自分で自分のこと、か、解説役とか、い、云うのか……」
 なぜかヒロインぶってノリノリの栞、呆れる究子。さて有栖と織愛はどうか。
「わぁい! マッサージしていただけるんですね! ラッキーです!」
「どれほどの腕前か、見せてもらおうじゃないの!」
 こっちもこっちで別の意味でノリノリだった。
『タコ~、お客様二名ご案内タコ~』
『こちらのお客様は……うわあめちゃめちゃ凝ってますねタコ~。
 まるで水分を吸い尽くして砂漠に放置したクラゲみたいですタコ~』
 タコもタコで、別になんか不意打ちして襲いかかるとか一切なく、
 普通にテキパキ接客をしていた。こいつらのほうが牧歌的すぎないか。
『そちらのお客様も肩凝ってそうですタコ~、マッサージしますタコ~?』
「い、いや、アタシはいい……」
「……あれ? なんで私には聞かないんですかねあのタコ」
「さ、さあ、わ、わかんない、ぞ」
 栞と究子、種族は違えどともに乙女。しかも背丈は究子のほうが小さい(126cm)
 だのに栞だけ完全スルーされているのは、たしかにやや不思議である。
『お客様、特に凝ってるところはございますかタコ~?』
「はい! 実は私、普段から肩凝りがひどくって!」
『お客様のほうはどうですかタコ~? 全身ガッチガチですがタコ~』
「そうね! 特に凝ってるのは、私もやっぱり肩だと思うわ!」
「……………………」
 タコに歓待されている織愛と有栖のほうを、無言で凝視する栞。
 その視線が、究子を見る。究子はどうした、と首を傾げるが。たゆん。
「……………………究子さんも肩凝りますか」
「えっ。あ、ああ、肩凝りは、ま、まあ、なんでか凝りやすい、な……?」
「へえ…………」
 首をかしげる究子。揺れる何か。たゆん。
 マッサージ台のほうを見る。のんびりしているふたり。たゆたゆん。
「……………………………」
 栞の目が……コ、コワイ! なんかめっちゃサツバツとしている!
「ど、どうし、た!? なんか、あ、あったのか!?」
「いえ…………」
『お客様重そうですタコ~』
「そうなんですよぅ、重くて~」
『お客様も重そうですタコ~』
「わうぅううう……たしかに重いわ~、大変で大変の大変なの! わっふぅうう……」
 リラックスするふたり。なんだなんだとおどおどしている究子。
 たゆん。たゆん。たゆん。何とは言わないが栞にないものがたゆん。
「ち、畜生……ッ!!!!!」
「!? な、なんだ、ど、どうした!?」
 いきなり崩れ落ちて甲板をガンガン殴りだした栞にビビる究子!
 揺れる何か! 栞は……お、女泣き……!!
「はぁ~、だいぶリフレッシュしま……えっ、どうしたんですか!?」
 血行が促進されていい感じの色艶になった織愛! 揺れる何か!!
「はわぁああ、狼肉もほぐれにほぐれてスッキリ~……はわっ!?」
 心地よさそうに伸びーしていた有栖も女泣きにビビる! 揺れる何か!!
「ちくしょぉおおおおおおお!!!!!」
「あ、アタシにはよ、よくわからないが、も、ものすごい、ち、血を吐くような叫びなのは、わ、わかる、ぞ!」
「……まさか、タコさんが何かをしたのでは!?」
「なんてこと、たこさん……こうなったらばっさりやってはぐはぐだわ!」
 すらり。愛刀の光刃を抜き放つ有栖! バキバキと拳を鳴らす織愛!
 えっ、こっち!? 何もしてないんですが!? とビビリ散らすタコたち!
「ま、まあ、ど、どっちみち吹っ飛ばすから、な!」
 まあいいか、って感じで考えるのをやめて魔砲少女に再変身する究子! 変身バンクはなし!
『『『タ、タコ……さすがに今回は冤罪……』』』
「ぼこぼこに殴りますねっ!!」
「――月喰、光刃……一閃!!」
「い、いいから、や、焼けとけっ!」
『『『タコォオオオオオ~~~~!?!?!?』』』
 憐れなタコたちの悲鳴と、栞の女泣きが、海原に響き渡った……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

叶・都亨
アオイくん(f17479)と

タコだよアオイくん!
タコでリフレッシュかー
俺どっか凝ってる訳でもないんだけど
でもタダっていいよね!うまいことやってリフレッシュしちゃおうぜ!

で、どうやって船まで行けばいいの?泳ぐ?俺泳げないんですけど???
お願いしますアオイ様俺を船まで連れてってください(土下座)
おんぶして空中蹴って辿り着くとかして!お願い!

って訳でなんとか辿り着いてやったぜぇ!さんきゅーアオイくん!
怨霊のフリした方がいい?あとカッピングってなに?
おおっさすがアオイくん美容に詳しいな!
あ、いたい、なんか痛い気がするんだけど?!やめてよ!

そもそも俺そんなに肩凝ってないからパンチ!
これがタコ殴りじゃい!


アオイ・ソラール
都亨ちゃん(f01391)と

最近ダンスレッスンしているから
腕とか足とかいい感じにケアしてもらいたいなー

あ、そうか都亨ちゃん泳げないじゃん!
船に乗り込む前に詰んじゃってるじゃん!
んじゃご希望どおりボクのこの鍛え抜かれた脚力で
蹴り上げてあげるよ(にっこにこ)
そーーーれっっ!うーん、いい眺め
んじゃそれに続いてボクも「スカイステッパー」を使って
船に乗り込んじゃうからね!

カッピングっていうのはなんか吸われちゃうやつだよ!
美容業界でも最近流行ってる見たいだね。
ほら吸われたところはタコの吸盤の跡ついちゃうから気をつけて〜

それじゃお次はボクのスラっとしてて綺麗な足で
タコさんへ蹴りをお見舞いするね♡



●性別欄を四度見しました
 15歳。
 思春期バリバリ、体も健康まっしぐらな超☆若者である。
「俺別に凝ってるとことかないんだけど!! どうしよう!!」
「都亨ちゃん、ボクみたいにダンスやってるわけでもないもんね~」
 まあいいか! と秒で考えるのをやめているアホの子……もとい叶・都亨と、
 そんなアホ男子の隣でにこにこと笑っている見目麗しい美少女、アオイ・ソラール。
 ……美少女? いやいやどう見ても美少女だとも、あんなに可愛い。
 こんな可愛い美少女が男の子なわけないだろ! ……あったわ!!
「まあね!! 俺よりアオイくんのほうがリフレッシュしたいよね!!」
「そだね~、腕とか足とかいい感じにケアしてもらいたいな~。
 あとはやっぱり血行とかお肌の手入れも大事だし! 日々の努力がね!」
「すっげー、カワイイに対する努力値ハンパねー、やべー、じょしりょくー」
 小学生並みの感想であったという。なにせ都亨には色んな意味でわからない世界だ。
 老若男女を問わず、世界の誰もを自分大好きで染め上げたいアオイにとって、
 日々カワイイを磨き立派な男の娘(誤字ではない)になることは大事なのだ!!
 下手すると、世界の存亡どうこうよりそっちのが重要まであるかもしれない。
「でもほら、プリティーさなら俺のこのプリティーフェイスも負けてないし!?」
「そうだね~」
「ねえアオイくんなんでちょっと生返事なの? ねえ???」
「わかるわかるー」
「俺のほう見て相槌打ってくんない!? なんで俺の顔見ないの!?」
 都亨の自称・プリティーフェイスは……こう、形容できないフェイスだ!
 いや、決して見た目がアオイに比べて妙に解像度低いとか、そもそも無いとか、
 そういう話ではない。ある。けど……うーん、まあ、話を進めよう!
「って、それよりさ! 都亨ちゃん泳げないじゃん!」
「露骨に話を逸らされた気がするんだけどそういえばそうだったわ!!」
「えっ詰んでない? やっぱボクだけでタダリフレッシュするパターン?」
「お願いしますアオイ様俺を船まで連れてってください(土下座)」
「うわーノータイムで土下座とか都亨ちゃんプライド/Zeroすぎ~!!」
 でも悪い気はしない。様付けされたのもあってアオイはにこにこ笑顔だ。
「じゃあボクのこの、鍛え抜かれた脚力で……」
「あっ、スカイステッパーで俺をおんぶとかして」
「都亨を蹴り上げて吹っ飛ばしてあげるね!」
「ちょっとまってなんで人間砲弾みたいなボールは友達ぃーーーー!?!?」
 SMAAAAAAASH!! 有無を言わさぬサッカーボールキックが都亨にHIT!
 走り込みとかアイドル☆カツドウで鍛えた脚力はカモシカよりも強靭だ!
「さ、じゃあボクはスカイステッパーで後を追おうかな!」
 最初からそれで運んであげればよかったのでは……!?

 ……ひゅーーーーーーううううううう……KRAAAAAAAAAAASH!!
『『『タコッ!?』』』
 甲板に突如着弾(比喩ではない)した都亨の轟音に、ビビるタコたち。
 人間がひとり超高速で吹っ飛んできたら、そら誰だって驚くというものだ。
 なお、言うまでもなく、そこまでしても船体には傷一つついていない。
「殺す気かーーーーーーーーっ!!!」
 がばり。頭からぴゅーぴゅー血を流しながら起き上がる都亨。ギャグ体質!!
「まさかぁ、だって都亨ちゃんそのぐらいじゃ死なないでしょー?」
「まあね! よっしゃーたどり着いてやったぜぇ!!」
「いやー都亨ちゃんのその単純さボク大好きだなー(何やってもいいから)」
 えっ何蛮族? それとも殺し屋? みたいな感じで震えるタコたち。
「……これ、俺が怨霊のフリしたほうがいい? てかカッピングって何?」
「カッピングっていうのはー……タコさん、実演お願いしまーす☆」
『た、タコぉ……カッピングいたしますタコー』
 恐る恐る、都亨に触腕を巻きつけ、吸盤を吸い玉代わりにするタコ。
「あ、痛い、なんか痛い気がするんだけど!? てか体が、あー!!」
「こうやって吸い上げて血行をよくしたりするのがカッピングだよー」
「なるほどアオイくん美容に詳しいないだだだだだ!!」
「ボクはフットマッサージお願いね❤」
 すらり。男の子とは思えない見事な美白の脚を披露する男の娘。
 誤字ではない。タコたちはてきぱきとマッサージを施していく……!
「あ、吸われたところは吸盤の跡ついちゃうから気をつけて~」
「それ吸われる前に言ってくれないだだだだだ!? やめて! 俺特に凝ってるとこないから!!」
「うーん快適ー❤腕のマッサージもお願いしていいかなー?」
「アオイくん満喫しすぎじゃない!? おかしくないこれ!?
 俺のせい!? ろくに運動してないのにマッサージしに来た俺のせいなの!?」
 アオイがその脚力でタコどもを蹴っ飛ばすまで、都亨の悲鳴は響き続けたという。
 血行? いやもともと若いんだからとくに都亨のは変わりませんよ?
「ボクのほうはお肌つるつる血色ツヤツヤ! おまけに凝りもほぐれてリフレッシュ❤」
「おかしくない!? 俺のプリティーフェイスもすべすべなんですけど!?」
「そうだねーうけるー」
「だから俺の顔見て相槌打ってよアオイくん!!!!!!!!」
 しっちゃかめっちゃかであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

甘甘・ききん
銀河皇帝どんな感じだっけな…本人に会ったことないんだよなー。金髪ダンディで、モンゴルっぽい服を着てた気はする。あとなんか座ってた。今はこれに賭けるしか無い!私の中の躯の海の、いでよモンゴルの皇帝と豪華な椅子!

「我は皇帝、銀河帝国そのもの。またの名を蒼き狼。この椅子好き…」
完璧過ぎる再現度!後はわたしの召喚した皇帝の召喚した黒船に乗って鉄甲船にのりこめー

さぁ来い科学的根拠のない医療行為!気持ちよければ全てヨシ!施術着にも事前に着替えてきました。本日はよろしくお願い致します。吸われた生気はまあ吸い取り返せるんじゃないかな、妖狐だし

ひきつけてる間に!わたしが命懸けで敵をひきつけてる間に!走れ…猟兵!


ルエリラ・ルエラ
【アドリブ改変・連携歓迎】
マッサージしてくれるんだ。
じゃあ受けてこよう。ちょうど芋煮の材料も欲しかったところだったし。

というわけで普通に挨拶してマッサージを受けるよ。
だいぶ良くなったところでハンティングナイフをチラつかせて芋煮の話題を振ろうかな。別に他意はないよ?本当だよ?
タコが身の危険を感じて攻撃してくるようだったら正当防衛だし仕方ないよね……
姿は消えても音は消えないから【私の勘】と狼耳デバイスで音を拾って避けたり攻撃するよ。
いただきます…冗談だよ?


火守・かこ
目当ては海の上。空を飛ぶ手段も無けりゃ、俺は泳ぐのがめっちゃ下手。
となれば、仕方ねぇあれで鉄鋼船を目指すか!

幕府軍に用意してもらった船で鉄鋼船へ可能な限り近づき、【真・侵掠せよ赤狐隊!】で鎧武者の軍勢を召喚。そして行うは秘策中の秘策。人と人で繋ぐ橋、その名を赤狐橋!
具体的には鎧武者同士で肩車し続けて長さが足りたところで一気に鉄鋼船に倒れこむ!そして俺がその上を一気に駆け抜け乗り込むって策さ!
乗り込んだ後は一旦UCを解除して再発動!再び召喚した鎧武者の軍勢総出で目当ての旗に一直線だ!

タコの妨害?関係ねぇ!マッサージもカッピングもヨガも俺ら赤狐隊にやれるもんならやってみろってなぁ!(フラグ)



●赤狐船襲来!(黒船とあとなんか頭のおかしいエルフも襲来!)
 ざぁあああああ……と、颯爽たる波音を立てて海原を走る船影ひとつ。
 見よ! あれこそは、幕府軍が用意したとっておきの新造船、その名も『煉獄』である!
「……ってちょっと待てぇ! これ炸裂弾一発ぽっちで沈みそうじゃねえか!!」
 帆先でかっこよく見得を切っていた、火守・かこが何やら妙なことを言いだした。
 よくわからない……だって幕府の新造船なのに……。
 そんな斬鉄されて沈んだりするわけがないじゃないですか! 新造船なのに!!
『ウワーッ怨霊の攻撃で船に火が!』
『ウワーッどこからか炸裂弾が!!』
「やっぱダメだこれ! ちきしょう村上怨霊水軍めぇ!」
 かこは全力で敵のせいにすることにした。俺、悪くない!!
「ま、まあとにかくだ、船が沈められそうになってもこちとら秘策があらぁ!」
 かかんっ! かこの背後にずらりと並ぶは、紅蓮の炎に包まれた鎧武者たち!
「行くぜ赤狐隊! 気炎をぶちあげて、人と人を、船と船を繋げろぉ!」
 応!! と気炎万丈ぶちあげて、赤狐隊がおもむろに肩車をし始めた!
 隣の武者の肩の上に乗り、その武者がさらに隣の肩に、さらに隣の……と、
 あっというまに天を衝かんばかりの鎧武者タワーの完成だ!
「ふっふっふ……名付けて赤狐橋! カナヅチな俺でもこれで渡れらぁ!」
 ずおおおおおーん、とそびえる(ちょっと倒れそうでふらつく)赤狐タワー。
 これをどうするのかって? 船に近づいたらこうぐわっと倒れるわけですよ。
「なるほど、単純明快にしてなんという力技、これは間違いなく天才か」
「うおうっ!? なんだぁ!?」
 突然の謎の声に、驚いてのけぞるかこ(と驚いてよろめきかかるタワー)
 すると……なんだあれは! 沈みかかる幕府船と並走する謎の影!
「…………黒船じゃねーーーーーーーーーーーーかッ!?」
 然り! そこには超巨大な黒船(微妙にサイバーチック)がそびえていた……!

 この黒船の正体は一体? そして先程の声の主とは!?
「やあ。何を隠そう私だよ。そう、ルエリラ・ルエラさ」
 持参の芋煮を啜りつつ、青髪エルフが謎のカメラ目線でしゅたっと挨拶。
 この女、芋煮のことになると突然痴れ狂うだいぶインセインな女である。
 でもほら、かこさんは多分ご存知じゃないですか? だって同じ旅団だし。
 ……しかしルエリラは、ちょっと頭が痴れ狂っているだけのアーチャー。
 こんな黒船を召喚するユーベルコードは持っていないはず……!
「わたしだよぉ!!」
 どぉん!! 集中線つきでマストに身を乗り出した妖狐ガール!
 ……の、隣には、なんか元寇とか起こしそうな感じの変な王様がいる!
 どでかい椅子に座っている! どこぞの聖帝かなんかかな?
『我は皇帝、銀河帝国そのもの、またの名を蒼き狼……この椅子LOVE……』
 ……まさかとは思うが、あの胡乱さで銀河皇帝のつもりなんだろうか。
「見よ! この完璧すぎる銀河皇帝エミュレータの完成度! まさに本物!!」
「お、俺はそのなんとか皇帝って知らねえけど絶対ウソだろそれ!!」
「はー?? どう見ても本物ですがー???」
 と、なぜか逆ギレモードで腕組をする妖狐……もとい、甘甘・ききん。
 人に言ったら鼻で笑われるか軽蔑されること間違い無しの、
 わりかしどうしようもない経緯を経て猟兵になった残念妖狐ガールである。
「私は戦ったことあるよ、銀河皇帝」
「じ、じゃあわかるだろ!? あれどう見ても偽者」
「だいたいあってる」
「えーーーーーーーーーーーっ!?」
 銀河皇帝討伐経験者のルエリラのチェッカーがTrueを出したのでそういうことになった!
 あのどう見てもチンギスでハンな感じの人は……銀河皇帝です!!(要出典)
 かこは思った。あんな騎馬民族みたいなやつがスペースシップワールドの大ボスなわけねえだろ、と。
 実際これはパチモノもいいところなのだが、しかしこれがききんのユーベルコード。
 そのクッソ適当かつうろおぼ絵な記憶力で再現されるかつての強敵っぽいものは、
 ふにゃふにゃなせいで割と状況に即した活躍をしてしまうのだ! ガッデム!!
「さあ行けなんか銀河皇帝が出してた黒い船、略して黒船……忌まわしき記憶とともに!!」
「だからぜってーこれ偽者だろって!!」
「あ、ところで私の芋煮食べる?」
「いらねーよ!!」
 乗船前からしっちゃかめっちゃかであった。

 ……KRAAAAAAAAAAAASH!!
『『『タコォオオオオオ!?』』』
 強烈! 黒(い銀河皇帝の使ってた)船(っぽいもの)が激突!
 ウオオオオオ……! 赤狐隊、もとい赤狐橋が接舷(物理)!
「と、とにかく派手で結構だぁ! このままタコどもをぶちのめすぜぇ!」
「あ、すみませんカッピングお願いできますか(普通に乗船するルエリラ)」
「えっ」
「さぁ来い科学的根拠のない医療行為! わたしもカッピングよろ~(施術着に着替えてあるききん)」
「えっ」
 打倒タコに燃えるかこをよそに、ふっつーに乗り込んでいる両名。
 タコたちもさっきの衝撃はどこへやら、さっそくマッサージを開始していた。
『ではまずこちらの問診票に記入お願いしますタコ~』
「はい! 本日はよろしくおねがいします!!(いい声で挨拶するききん)」
『そちらのお客様はどこらへんマッサージしますタコ~?』
「胸がいい感じにコミットするのを、胸が。いい感じにコミットするのを(大事なので二回云うルエリラ)」
 いそいそ。ふたりはマッサージ台に乗って極楽気分でリフレッシュ……。
「ってぇえええ!! ち! が!! う!!! だろーーーーーがッ!!!!」
 うおおおおお! かこの背後に再出現する赤狐隊の皆さん!
「敵だぞ敵ぃ!! だいたいなあ猟兵のくせにそんなマッサージなんて惰弱なもんに」
『あ、今ならアンチエイジングマッサージもやってますタコ~。
 鎧着てると腰が大変じゃないかタコ~? 施術をおすすめしますタコ~』
『『『予約お願いします!!!』』』
「赤狐隊の誇りはどぉしたぁああああああ!?!?」
 ついに自分の召喚したユーベルコードにも裏切られたかこ!!
 あっというまにわいわい楽しそうに騒ぐ皆さん! かこは、かこは……!
「……はっ!!」
(待てよ? もしかしてあのふたりは、命を賭してタコの目を集めてくれてるのか……!?)
 ぼっちが悲しすぎて妙なポジティブシンキングを始めていた!
(((実は実は実は実は……そうなのですですですですです……)))
(あの妖狐……俺の頭の中に直接!?)
(((わたしが命がけで敵を引き付けてる間に……走れ走れ 走れ走れ……猟兵猟兵猟兵猟兵……!)))
 かこは愕然とした表情でききんを見る!
「走れ猟へ……あぁ~~~そこそこそこ! そこ気持ちいいっすわ~あ゛~たまんねえ極楽、あ゛~~~~~~~」
 めーーーっちゃリフレッシュしているききんを!!
「…………………」
(((実は実は実は実は……私もそうなんだなんだなんだなんだ……)))
(くっ、あのエルフ……俺の頭の中に、直接!?)
(((ところでところでところで……芋煮の具材は何が好き好き好き好き……?)))
 ん?
「ところで……芋煮の具材は何が好き? 私はやはりタコかなぁ」
『た、タコぉ……』
 なぜかナイフをちらつかせながらタコを脅すルエリラを! かこは見た!
「…………………」
「あ゛~~~~!! アアーッ! イイーッ!!」
「タコは揚げ物にしてもいいから便利だよね。いや他意はないけど」
「…………………こいつらやっぱ遊んでるだけだよな!?!?!?」
『お客様もマッサージしていきますかタコ~?』
「お願いするよもう畜生!!!!!!」
 5分後、ふたりにならんで大変にリフレッシュしたかこがいたという。
 ちゃんちゃん!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アンコ・パッフェルベル
やー、便利なユベコ持ってて助かったです。
さっさと終わらせてゴハンにしたいですねー。
水着姿で駄弁りつつ召喚したガルグイユに乗り船へゴーです。
伸縮自在の鞭を用いた【ロープワーク】で乗り込むっ。

そこまでですっ。神妙にお縄につくですよタコども!
あわわこっちくんなです!船上で迷彩とか余計キモいです!
あっ、ちょ…触っていいなんて言った覚えは…あっ♥
た、確かにリフレッシュにはなりそうですけどお…ふうっ、ん♥
……どこ触ってるですかおらー!(赤光刃入刀)
ガルグイユーっ!ちょっと早いけどゴハンですよ!!

号令でガルグイユが激流噴射!
船上の敵を薙ぎ払いドボンしたやつを食ってもらうです。
私も赤光刃で刺身にしてやるです!


月宮・ユイ
アドリブ絡み◎*NGなし御自由に
*身に<誘惑の呪詛>宿し呪詛/呪操る

大量の超巨大鉄甲船…
どれだけの資金を投入したのでしょうね
拿捕できないのが勿体無いです

<念動力>飛行補助
[コメット]バイクに騎乗操縦、上空から船に接近
[コスモス]飛行能力使い船上へ
<念動:オーラに破邪破魔の呪>込め纏い行動補助と耐性
接近時船からの攻撃にも備える

【WIZ】乗り込み次第《不死鳥》召喚
<生命力吸収の呪>乗せた炎で焼き尽くす。
焼きタコになりなさい。
燃えながらも近づいてくる
選別可能故炎は平気ですが、この死ににくさは何事なの!?
絡みついてくる…
っん、体の柔らかさには自信ありますが
ぁ、ん、待って、この格好(スカート)でヨガは…



●ところがぎっちょん!
「やー、便利なユーベルコード持ってて助かったです」
 準備のいいことに、水着姿(!)で参戦したアンコ・パッフェルベルは、
 蛇のような長い頭に羽根を持つ竜……ガルグイユと呼ばれるフランスの神話生物……にまたがり、のん~びりと過ごしていた。
 誰がどう見ても、サマーなバカンスを楽しみに来た小学生である。実際10歳だし。
 小さなお子様にはやや過激なビキニに水色のパレオ! 髪はツインテール!
 らぬき絵師(2019/08/16現在・候補生)が描きそうな可愛らしい水着だ!
「さっさと終わらせてゴハンにしたいですねー、はーらくちんらくちん」
「……あまり、油断して気を抜いてはいけませんよ」
「はい?」
 そこでアンコは、自分と並走する一台の宇宙バイクに気づいた。
 バトルバイク『コメット』……それを駆るのは黒髪の少女ヤドリガミ、月宮・ユイだ。
「日野富子が莫大な資金をかけて竣工させた超巨大鉄鋼船、そして村上怨霊水軍。
 どれだけふざけたオブリビオンでも、それが脅威であることは確かなんですから」
 などとシリアスな顔でキリッと忠告するユイ。アンコはジト目で見返す。
「……でもタコですよ? しかもマッサージしてくる」
「それが敵の策に違いありません……!」
 マッサージだと思わせて油断して、なんかこう攻撃してくるはず!
 実際ユイの予測は正しい。ここの衣蛸どもがなんかおかしいだけなのだ。
「うーん、まあそれはわかってるですし。なら心配ないと思うのです。
 連中が妙なことをしてきたら、まるごとふっとばしてやればいいだけなのです!」
「……まあ、それは確かですね」
 敵が懐柔してくる、とわかっていれば、油断して不意を討たれる心配はない。
 ないったらない。だって敵の攻撃方法はわかってるんだから!
「不意打ちしてくるような相手と戦って負けるはずがないのです~」
「そうですね……なら少し、やっつける前にリフレッシュしても……」
「そういうわけです! 万が一、マッサージで骨抜きされそうになったとしても、
 私は猟兵としていろんな戦いを経験しているので! 負けるはずがないのです!」
「……自信があるんです。わかりました、ならまずは様子を見てみるとしよう」
 そのとおり。歴戦の猟兵であるふたりが、そんなマッサージで骨抜きになるとか。
 ないない、一流の女騎士が雑魚モンスターにやられちゃうぐらい、ないない!
「「マッサージになんて、絶対に負けない(です)!!」」
 きりりっ! ふたりはなぜかカメラ目線で叫んだ!
 そういうこと言ってる人から負けるんですが大丈夫ですかね!?

「そこまでですっ、神妙にお縄につくですよタコども!」
「この不死鳥の炎で、まとめて焼きタコになりなさい!」
「って燃えながら近づいてくるですよ!? あわわこっちくんなです!」
「そんな、しかも迷彩で別の敵まで隠れていただなんて……この死ににくさは!?」
「あっ、ちょ……触っていいなんて言った覚えはないですよ!」
「か、絡みついてくる……くっ、殺せ!!」
 ダメでしたね。
 まあそんなわけで激しめの戦闘が多分あったんですが、なぜか異様にタフネスがパワーアップしたタコたちには通用しなかった。
 おお、なんたることか。うら若き乙女(ふたりしてロリめ)が触腕に絡まれる!
 ぬらぬらする蛸の足! うわあたいへんだ、これじゃあスケベなことが!
『はいではマッサージ開始しますタコ~』
『こちらの問診票にご記入お願いしますタコ~』
「「あ、はい」」
 起きねえよ! 起きねえっつってんだろうが!!
 凝ってるところはないか、睡眠時間はどれぐらいか、食事は、
 とかなんかそういうあれこれを書かされるカルテ的ななんかを書きつつ、
 アンコとユイは顔を見合わせて、首を傾げて、また顔を見合わせた。
「「…………解せない…………」」
 なにせタコの接客は無駄に丁寧! おまけに足湯とか雑誌も読める!
 都内の献血センターかな? ってぐらいの充実の空間であった。ここほんとにサムライエンパイア?
「うーん、でも私まだ10歳ですし凝ってるところとかないのですよね」
「なら美肌効果希望って書いておくとか……そういうの、大事だと思います」
「コスメは一日にしてならず、ですね!」
『お待ちのお客様こちらへどうぞタコ~』
「あ、はいです! ……って、違う違う違う! 違うです!!」
 ふっつーにお客様として振る舞っていたアンコ、かろうじて我を取り戻した!
「自分から絡まりに行くとか、私はそんな愚かな猟兵じゃ」
『はいではフットマッサージから始めますタコ~』
「あっちょっとリラックスする❤」
『ちょっとリラックスしてんじゃねえですタコ~、たっぷりご休息くださいタコ~』
 一瞬で極楽気分でのんびりマッサージを受けるアンコであった。
「なんて恐ろしいの、蛸のマッサージ……けれど、私は!」
『こちらも始めますタコ~、こちらではヨガをやっていきますタコ~』
「よ、ヨガ? 体の柔らかさには自信がありますけど、でもこの格好じゃ」
『そういうお客様のためにヨガに最適なトレーニングウェアご用意してますタコ~』
「あ、はい」
 水分補給もばっちりな環境で、全身のほぐれを癒やすユイであった。
 ……スケベなこと? 起きませんよ! だってここ戦場ですよ!!
 戦場でマッサージするのがおかしい? ごもっともですね!!!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロク・ザイオン
………
なんだ……?

(森にタコはいないのである)
(それは全く未知の獣だった。悪魔の魚だった。ととさまとあねごはあれを造り給うたろうか。あんな名状し難く冒涜的な)

(とにかく旗を降ろしに行く。
【ダッシュ】からの大【ジャンプ】)
「轟赫」を纏い、着地点の敵は巻き込んで燃して最速で旗を目指)
……!?
(名状し難く冒涜的な幾本もの脚が焼け爛れながらも再生を繰り返し躙り寄るのは森番も割とヒく
しかもなんかすごいおいしそうな匂いがする
ぺたぺたくっつく。やめろ山刀に触るんじゃない)
……に゛ぁ゛!!
(ヨガをキメられては轟赫で脚を焼きちぎる)
(体は柔らかい。そういうの間に合ってる)
(焼けた脚おいしい)


フルール・トゥインクル
タコ、タコですか
前にUDCアースで食べたたこ焼きが美味しかったのですよね(物騒)
と、食べ物のことを考えている場合ではないのでした

友達はそばにのユーベルコードを使って精霊さんに吹き飛ばしで飛ばしてもらいながら素早く船まで向かうのです

たどり着いたらタコをえいっと……ってマッサージはノーサンキューなのです!
その触手でぎゅっとされたら私の体格ではひとたまりもないですから!
飛び回って逃げながらネージュの力を借りて雪属性の全力魔法で凍らせにかかるのですよ
凍ったら後で調理してたこ焼きの刑なのです



●食い意地の張った猟兵が多すぎる
 うねうねしている触腕。なんかおちょぼ口みたいな口。
 そして赤い。丸い。ぶにぶにしていて、それでいてしゃべる!
「…………………なんだ…………?」
 ロク・ザイオンは宇宙を背負った。それは未知との遭遇である。
 なぜならば、タコは海の生き物であり、彼女は森番だ。
 森にあんな名状しがたい宇宙的で深淵めいた生物は存在しないのだから!
 なにあれ超うねうねしてるしぬめってるんだけど。やばない? てかやばない?
「……病なら、灼くが」
 きょろきょろ。周りを見てみる。めちゃめちゃリラックスしている皆さん。
 怨霊も猟兵(の一部)も、マッサージを受けてとてもリフレッシュしていた。
「病ではない、のか……???」
 どうも違うっぽい。酒精の香りもしないのにみんなのんびりだ。
 足湯のようなものか。でも敵だしな……倒さないとかな……。
(いや、旗をなんとかすればいいと耀は言っていた)
 グリモア猟兵の説明を思い出すロク。森番はちゃんと話を聞いている。
 そんなわけでいっちょ降納したろ、とロクは旗めがけ一目散にダッシュした!
『ちょっとお客様甲板でのアスレチックな行為はご遠慮』
「のこさず、灼けろ!!」
『『『タコォオオオオーッ!!??』』』
 タコ無惨! 落下地点を中心に猛烈な轟赫の赤い炎が燃え上がる!
 燃える触腕! ちぎれる触腕! なんか美味しそうに赤く丸まる触腕!
「……いいにおいだ」
 と、ロクが、思わずタコ足のこんがりいい匂いにつられた……その時!
「!?!?」
『『『シュシューッ!』』』
 触腕を犠牲に致命傷を回避したタコたちが四方八方から触腕を放つ!
 アブナイ! このままではロクが触腕に絡め取られて、
 なんかこう19歳の女性として相応しいいやいかがわしいスケベな目に!!
「精霊さんたち、私の友達を救うために力を貸してほしいのですっ!」
 まあならないんですけど。フルール・トゥインクルのナイスアシスト!
 どうやら精霊たちの力で吹き飛ばし(物理)しながら船にたどり着いたらしく、
 そのまま木の葉の精霊たちの力を借り、ロクに襲いかかる触腕を切り裂いた!
 ぼとぼとぼと。うねうね。切り裂かれた触腕が炎に灼かれてまたこんがり。

「……フルール」
「危ないところだったのですねロクさん!」
 可愛らしいフェアリー(20歳、つまり年上だ)の可憐な姿にほんのり赤面しつつ、
 ロクはフルールに感謝の代わりにぺこりと会釈をした。
「それにしても……この匂い、あのこんがりと赤く丸まったタコ足……」
 うねうね。悪魔的で名状しがたく冒涜的な蠢き方をしているタコ足。
「前にUDCアースで食べたたこ焼きを思い出すのです……!」
「たこやき」
「美味しかったのですよ! ……じゅるり」
「!?」
 思わずよだれを垂れしたフルールに、ちょっとびっくりするロクであった。
 食べるのか。あれを、こんな小さくて可愛らしいフルール(年上)なのに。
「っととと、それよりも速くタコを倒すのです! でないと……」
『そちらのお客様マッサージいたしますかタコ~』
「あっ」
 フルールがそんなこと言ってる間に別のタコどもが集まってきていた!
 彼女は小さいので触腕を回避するが、アナヤ! ロクが今度こそ!!
「……に゛ぁ゛!!」
 やめろ、山刀に触るな。うねうねきもい。しかもぺたぺたくっつくんだがこれ!
『凝りまくりですタコ~、まるで樹齢10000年の杉の木のようですタコ~』
「おれが……森の木のよう……?」
「ロクさん、それは褒め言葉じゃない気がするのです~!?」
 森ワード(今作られた新しい言葉)に弱いロクは思わずマッサージされてしまう!
 あの冒涜的で悪魔めいた悪魔の魚はどんなおぞましい行為を……!?
『はいではまず木のポーズをいたしますタコ~』
「きのぽーず」
『次は伸びる猫のポーズですタコ~』
「んぃ~(猫めいたストレッチ)」
「…………普通にヨガの教室を開いてるのですー!?」
 でもいけない! これは攻撃なんだ! 書いててもどう攻撃なのかわからないが!
 フルールは精霊たちの力でタコ足を凍らせ、ロクを救出(?)する!
「大丈夫なのですかロクさんっ!」
「体は柔らかいから、問題ない。でも体が軽い」
「しっかりリフレッシュしているのです……!?」
 ロクは山刀に焼けたタコ足がついてるのに気づいた。かじってみる。
「おいしい」
 小学生並みの感想であったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

清川・シャル
たこ。…あの、シャル12歳なんですよね。凝らないですよ。
え、くすぐったくて気持ち悪いからやめて。生臭っ!
とりあえず櫻鬼のジェットと風魔法の併用でダッシュ、ジャンプ、空中浮遊で飛び乗れたらいいな
いっきまーす!ぐーちゃん零発射ー!
マヒ攻撃とフレシェット弾です!

視力で水軍旗を確認、UC発動
人形達にこそこそ移動してもらいましょうね
みんなで頑張って下ろすんですよ?

こちらは気を引いてましょうか
気配察知されると面倒ですもの

そーちゃんのチェーンソーモードでエンドレスフルスイング、もしくは往復ビンタ状態ですね
(チビとはいえ)屈強な(自分で言う)羅刹にマッサージなんて不要っ!
たこ焼きにしてくれるっ!
……まずそ。


アリスティアー・ツーハンドソード
あー助けたいけど僕剣だからなー!自分じゃ動けないからなー!!アリスっぽい子(基準:金髪、無垢、低身長)とかがピンチにおちいってたらなー!!!!
……冗談はこの辺にしておいて

【戦乙女モリガン】に僕を装備してもらって戦場へ
ユーベルコードで表面に電流が流れる無敵の鎧を創造して彼女が触手に絡み付かれないように保護しよう
邪魔な蛸は僕の刃で切り裂きつつ、旗が見えたら【ブレイクミラー・ホッパーション】で一気に近づいて引き下ろそう
悪いが二人とも無機物の身体なんでね、マッサージは必要ないのさ


ラビット・ビット
アドリブ◎
船に困ってる猟兵さんがいたら【推しを守る伝説の武器】で出した船でご一緒に
推しですか?
ここにいるじゃないですかかわいいきょむが
どんな波にも負けませんえっへん

タコの対処はろくろうさんの操縦をオート戦闘モードにしてお任せ
電気でビリビリです
電気マッサージです!
ビットくんは迷彩、目立たない
そろっと近づきましょう

ところでビットくんねぇ
村上水軍好きなんです
魂のルーツと言っても過言ではない
水軍旗大事に扱いたいし
あわよくば図書館に飾りたい!
村上水軍is推し!
ってことでらずいずぱわー
水軍さん用のお酒を創造して言いくるめ
あ、どうも差し入れです
あの旗大事にしますんで下ろしていいですかぁ?

酒の力は偉大ですから



●なにげにプレイング送信タイミングもほぼ同時だったんですよ
 たこ。あの、お好み焼きとかたこ焼きに入ってると美味しい、たこである。
 そのタコが、喋っている。それどころかマッサージもしている。あとカッピング。
 女性にとってはエステは一種の贅沢、美と若さを追い求めるならば、
 欠かしてはならないライフハック……だがそれは、美魔女とかそういう方々の話だ。
 清川・シャルは、まだ12歳の乙女である。彼氏いるけど、まあまだ12歳だ。
 お肌とかピッチピチだし、全速力で原っぱ駆け回ろうが凝りとか一切ないのだ。
 羨ましい話である。いやそれはいい。とにかくマッサージの需要がない!!
「とりあえず人形のみんなをこっそり送り出して……っと」
 水軍旗を降納するために"パンドラドライブ"で召喚した人形たちを送り出し、
 シャルはあえてタコどもの注意を引くための囮になることを決めた。
 といっても、マッサージを受けたりはしない。攻撃を自分からなど言語道断!
 暴れに暴れて、タコどもを蹴散らしつつ陽動を行うのだ……!

 ……しかし、シャルは気づいていなかった。敵はオブリビオンではなかったのだ!
「ほら見てくださいよ、金髪で! 低身長で!! (多分)無垢!!!」
「ブラボー……おお、ブラボー!!」
 なんかいた。物陰でヒソヒソ話してる怪しい連中が!
 シャルはそちらの方を見て、予想だにしないその顔ぶれにぎょっと驚いた。
「剣……と、うさぎ……???」
 然り。なにやらシルクハットを被った白兎と、見た感じはかっこいい剣が、
「あっ気づかれた。大丈夫かな? これファーストインプレッション最悪じゃね?」
「いえいえこういうトラブルこそが逆にこうなんかエモくてあれなんですよ!」
「マジ? いける? いっちゃう? 押せ押せで担い手狙っちゃう!?」
「勢い大事! ページ数は限られてますからねはしょるのも必要ですよ!!」
 とか、なんかよくわかんない会話で盛り上がっていた。
 ところで、この剣の方(一応近くには担い手代わりの女性型ゴーレム兵がいる)はアリスティアー・ツーハンドソードという"愉快な仲間"であり、
 ありえんよさみが深いとかわけわからんこと言ってる兎はラビット・ビットと云う。
「あ、あの……りょ、猟兵さんですよね? 私が何か……?」
 どうやら自分を見て盛り上がっているらしいことは察しがついたので、
 シャルは恐る恐る近づいて聞いてみることにした。なんか怖いけど一応仲間だし。
 礼儀正しい女の子だ! でも防犯ブザーは持っておいたほうがいい気がする!
「!!!!! やっべ声かけられちゃったよ、っべ! っべくねこれ!?」
「はいきたー来ましたよ運命の出会い! ここからステイナイトしちゃうんですよー!」
(よくわかんないけど話しかけないほうが良かった気がする)
 シャルは全力で自分の行いを後悔していたが、時既に遅しである。
「(イケボ)やぁ、僕のアリス。何かお困りかな?」
「はっ?」
「むっ!!!! 突然の運命に戸惑う若者、いいですよービットくんそういうの大好き!!」
「恐れなくていいさ僕のアリス……でもそう、これはすべて運命なんだよ!」
 なんか変な剣(アリスティアーである)は無駄なイケボでなんか喚いている!
「いやあの、私の名前はアリスじゃなくて」
「比喩表現だよ僕のアリス! 君は僕を振るうためにここへ来たんだ!!」
「ええ……」
 怪奇! 名前も知らんのに勝手に担い手認定してくる変な剣!!(猟兵)
「使い手とインテリジェンスアイテムのバディもの!! 王道キタコレ!!
 思わず死語気味の言葉使っちゃうくらい大興奮ですよビットくん!!!!!」
 しかも兎がうるせえ。なんなんだこいつら。
「……よくわかんないんですけど、私にあなたを使えってことですか?」
「そう!! 僕自分じゃ動けないから! アリスっぽい子に使ってもらわないと!!」
「アリスっぽい子」
「金髪!! 無垢(多分)!!! 低身長!!!! これアリスの条件!!!」
 シャルははた、と自分を見た。金髪(地毛である)低身長(12歳137cm)。
 無垢かどうかはまあさておき、運悪く……運良く? 条件に合致してしまったらしい!
「というわけで、さあ! 僕を振るってなんかこう伝説的な戦いとか! しよう!!」
「いやー私そーちゃんいるからいいです!(ぎゅいーんと剣呑に棘が高速回転する鬼の金棒)」
「「得物えっぐ!?!?!?!」」
 明らかにバチクソ重そうな鬼の金棒(しかも棘が回る)を見てビビリ散らす兎と剣。
「あ、ぐーちゃん(12連装式グレネードランチャー&装填数30発アサルトライフルの複合銃)もありますよ! イケてるでしょこのピンク色!」
「「色味に反して破壊力がえぐすぎる!!!!」」
 片手に金棒、片手になんかヤバげな銃をもってニッコニコ顔のシャル。
 なにせ彼女は力自慢の羅刹である。あとはメリケンサックとかもあるんですねえ!
 武器のチョイスがいちいち怖くないですか? 羅刹だから? はい。
「ぼ、僕がフラれた……! そんなバカな……!!」
 だいぶショックらしいアリスティアー、刀身が割とへにゃっている。
「いやでも待ってください、可愛い顔してエグめのウェポンで血みどろのファイト、
 これはこれで!! ビットくんとてもありだと思います!! いいね!!!」
「でしょでしょー! そっちのウサギさんはわかってくれて嬉しいですねー!」
「趣味の話題で仲良しに……だと!? くっ、僕としたことが……!!」
 なんでも美味しくいただけてしまう雑食系オタクのラビットに隙はなかった。

 ところで、そんなふうに(主に兎と剣のせいで)騒いでいたら、ほら見たことか!
『『『タァアアアコォオオオオ~~~』』』
「しまった! 囲まれていただなんて! 一体どうしてバレてしまったんでしょうか……!!」
「どう考えてもキミのせいだろ!!」
「というかそもそもなんでおふたり(?)は私のほうに」
「いやあラビットの船(ユーベルコードで呼び出した)に乗せてもらったんだけど、
 そこでアリス談義で盛り上がってしまって、キミを見かけてつい……」
 シャルは思った。ここが戦場じゃなきゃ不審者として通報されてもおかしくないなと。
 だがそんな余裕はない! なにせ囲まれてしまっているのだから!
「仕方ない! こうなったら、モリガン! 僕を使ってこいつらを蹴散らせ!」
「もともと私も暴れるつもりでしたからねー! 屈強な羅刹にマッサージは不要!」
「屈強!? つまりロリなボディに実は羅刹らしいパワフルさ……いいね!!」
「「ラビット(さん)は黙っててくれる(ます)かな(ね)!!」」
「はい」
 ギュイイイイーン!! 金棒が唸る! 回る! そんでフルスイング!
「生臭いからあっちいって!」
『タグワーッ!?』
「こちらはふたりとも無機物の体なのでね、マッサージは必要ないのさ!」
『タコォーッ!?」
「ぶっとばしてたこ焼きにしてくれるーっ!」
『タコーッ!?』
「それはそれとして彼女(シャル)のマッサージ姿はとても興味がある!!」
『タグワーッ!?」
「は????」
「あっいやなんでもないですすいません」
 シャルの絶対零度の目線にビビり散らすアリスティアー。コワイ!
 ……ところで、黙れと言われたラビットはどうしたのだろうか? 死んだのかな?
「ところでビットくんねぇ、村上水軍好きなんですよぉ」
『アッハイ』
「魂のルーツと言っても過言ではない、水軍旗大事に扱いたいしあわよくば飾りたい!」
『いえでも俺ら怨霊なんでそう言われても』
「そういうわけでお酒差し入れますんで旗おろしていいですかね?」
『いやだから俺ら怨霊なんでオブリビオン倒してもらわないと』
 酒を使って怨霊の懐柔作戦を試みていたが完全な無駄骨であった!
 仕方ないので、怨霊を相手にいかに村上水軍を推しているか語りだすラビット。じゃ、邪魔……!!
「ぐーちゃんで薙ぎ払います! その間に私の人形たちが、きっと!」
「となると、どうやら僕たちはしばらく陽動をしなければならないかな?」
 KA-BOOOOM!! マヒ弾頭がタコどもを吹き飛ばしマヒさせる。
「望むところです! マッサージなんていりませんからね!」
「でも僕としてはやっぱりちょっと興味が」
「は?????」
「いえなんでもないですすいません」
「ビットくんも気になりますが!?!?!」
「「ほんと黙ってて(ください)!!!!」」
 仲間同士のはずなのに、しっちゃかめっちゃかであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

サン・ダイヤモンド
【森】
鯨だぁー!ブラッド、凄い凄い!

僕に翼は無いけれど
海で泳いだ事も無いけれど
ブラッドがいるから何も心配いらないの
ふかふかの毛が濡れるのも気にせずに
ブラッドの背で波と風を堪能する

船が見えたら水の精霊へ祈りを籠めて
この地を満たす精霊よ
あの船の上へ、運んで――!
全力魔法&UC、海の大波に乗り一気に甲板へ

ブルブルと水弾き
初めて見る蛸の動きは予測不能
ひゃ!なになに!?
ヨガ…?いい、知らない!放して!(モフられてる気もする)
助けてブラッド~!

ブラッド!…ブラッド?
助けてくれたブラッドまで蛸に!
でも気にせず駆け寄り抱き付き、笑顔でありがとう!
旗はあそこだよ!
ブラッドに投げて貰って旗に飛び付き引き摺り下ろす


ブラッド・ブラック
【森】
タールの鯨に変形しサンを背に乗せ海を行く
「落ちるんじゃないぞ、サン」

サンの起こした大波に乗り船へ
乗り込むタイミングで体内に宿したUDCと融合、人型(JC)形成
サンがそのまま波に攫われぬよう抱えて共に船へ乗り込む

蛸が怨霊をマッサージとは……少々気が抜けるが、ともあれ捕まるわけにはいかないな
サン、気を付け……、ッ!

迷彩で接近した蛸に足を取られ、急ぎ薙ぎ払うもサンの悲鳴

「貴、様ら……、俺のサンに手を出すなッ!!」
【貪欲なる黒】を発動し
サンに手を出した蛸、そして周りの蛸共を片っ端から阿修羅の如く大食い

気付けば自身も蛸のように
喰らった敵の能力……いや毒の影響か
いつものサンの笑顔に安堵し、旗を下ろす



●リフレッシュにマッサージなんて必要ないってことかよ……!
 鯨。鯨は大きい。そしてとても、そうとても――強い、海の生き物だ。
 サン・ダイヤモンドは多くを知らない。それは無垢と言っていい。
 そんな彼が"海"を、そこに生きるモノたちのことを知ったのは最近のことで、
 ちょうどその時にあの人が――ブラッド・ブラックが教えてくれたのが、鯨だった。
『今の俺を縦に15人重ねても足りないぐらいだ』
 だなんて言っていたけれど、それでもやっぱり彼はすごい。
 だって今まさに、その大きな大きな鯨に変わってサンを乗せてくれている!
『落ちるんじゃないぞ、サン』
 いつものように不器用に、けれど暖かな声でタールの鯨が云う。
 その背に乗る少年は、遊園地に来た子供のようにきゃっきゃとはしゃいでいた。
「鯨だー! ブラッド、すごいすごい!」
 ばしゃばしゃと跳ねる潮水が、そのふかふかの毛を濡らそうとも気にせずに、
 サンは潮風を、寄せては返す波の音を、海というものを堪能する。

 ……エモいですね。実に絵になる、仲良きふたりの海旅と言えるでしょう。
 しかしここは戦場なんだなあ! 飛んでくる飛んでくる、他の船の攻撃!
『サンを傷つけさせはしない……!』
 ブラッドは体の一部を盾めいて変化させ、飛来する矢を防ぐ。
 一方で、サンは防御をブラッドに任せ、遠い船をじっと見つめていた。
「この地を満たす精霊よ、あの船の上へ僕たちを運んで――!」
 ざばぁあああ……! 精霊たちの魔力が、海原に大波を起こす!
 タールの鯨はサーフィンめいて波に乗り、攻撃を退けて船の真上へ。
「サン、こちらへ!」
「ブラッド!」
 人型形態に変身したブラッドが手を伸ばし、サンの白い腕をしっかと掴む。
 重力に縛られたふたりは、飛び散る海水に煌めくなか甲板へ落ちていく……!

『タコォ~』
『タタタコォ~』
『『『タァアアアコォオオオオ~~~~』』』
「プルプル……えっ? なぁに、あれ?」
 しっとり濡れた毛の水分を、子犬のように震えて弾いたサンは、
 そこでようやく自分たちの状況に気づいた。
 周りに何かがいる。うねうねと蠢く触腕、なんだか美味しそうな赤い体!
「タコだ。海に住む生き物で、あのように多くの触腕を持っていてだな……」
『タァアアアコォーッ!』
「――こうして獲物を吸盤で吸い取ろうとする、気をつけろッ!」
 ザンッ! 簒奪の牙が、鋭く放たれた触腕を一閃して切り落とした!
「へえ、これも海の生き物なんだね。でもなんだか敵意が感じられないよ?」
『タァァアアアコォオオオ~~~』
『お客様はご案内タコォ~~~』
『カッピングもやってますタコォ~』
「カッピング? カッピングって何かな、ブラッド!」
 かっこよく決めていたブラッドは思った。こいつらホントに敵なのか? と。
 予知の時点でだいぶ気が抜けそうな敵だったが、来てみればこの通りである。
 いやオブリビオンだし戦争だから倒さなきゃいかんのだが、なんだこいつら。
「カッピングというのは――」
『お客様ご案内タコーッ!』
「ひゃ!? なになに!?」
 その時である! 迷彩化していたタコがサンの体をさらっていく!
「サン! しまった……!!」
 ああ、大事な少年がタコどもに絡め取られて、あんなことやこんなことを!
 ……は、特にされないのだが、それはそれとしてヨガはするのだ!
『お客様ヨガは初めてですかタコ~? 体が柔らかくなりますタコ~』
「ヨガ? えっと、どうやるの?」
『まずは基本のポーズをお教えいたしますタコ~(うねうねうねうね)』
「わぁあああ!? た、助けてブラッド~!!」
「サン! 待っていろ、今助け……。……」
 シリアスに助けようとしたブラッドは、思った。あれもふられてるだけじゃね?
 っていうか、タコの連中、割と丁寧にヨガ教えてねえか? と。
 実際、ヨガは精神集中や身体のストレッチに最適。健康になれてWIN-WIN!
『お客様カッピングはしますかタコ~? 血行良くなりますタコ~』
「いらん!!!!! 俺のサンに手を出すなッ!!!!!」
 危うく懐柔(ルビ:ギャグ落ち)しかけたブラッドだが、我に返った!
 くわっと眼光を鋭く光らせて、タコどもの触腕を引きちぎり食らっていく!
『『『タコグワーッ!?』』』
「ブラッド! ねえ見てみてブラッド、ヨガ覚えたよ!」
「あの短い間に習得したのか……!?」
「これできっと身体が柔らかく……って、ブラッドまでタコになってる!」
 そこでブラッドは、はたと我に返る。言われたとおりボディがタコめいている!
 おそらくはユーベルコードを以て、妙に美味しい蛸の触腕を食べたせいか。
 なにせマッサージに慣れているので、この船のタコたちは身が締まっている!
「まあ……とにかく、サン、お前が無事ならばそれでいい」
「うん、ありがとうブラッド!」
 笑顔でひしと抱きつくサン。そこできょとんとして首を傾げた。
「ところで、ブラッドはヨガはしないの?」
「必要ない……」
 旗を目指す前に、どうやらサンに色々教えたほうがいい気がしてきた。
 あいも変わらず無邪気で無垢な少年に、ブラッドはやれやれと嘆息するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィクティム・ウィンターミュート
【潮路】

耀の奴、どうしたんだろうな一体…
まぁいいけどさ、どっちみち沈めなきゃ戦況に影響が出るんだ
きっちりやることはやるよ

セット『Alcatraz』
足場なんて作っちまえば問題無いさ
繋げて船までの進路を確保、ダッシュで走り抜けて侵入
さて、アイツらも来るだろう…ん?なんか遅くねえか?
オイオイ、こちとら攻め手を持ってきてねえんだぞ…
おーいまだかー!!??(できるだけ絡まれたくないと思ってますが好きにしていいです)

やっと来やがった…なんだってんだ
んじゃ、そいつらよろしく
タコどもの気を引いてくれてる間に、上に向けて階段のように作った足場で旗まで駆け上がる
あとはナイフですっぱり旗を落として、終いだ
状況終了


水衛・巽
【潮路】
鳴宮さん(f01612)
ウィンターミュートさん(f01172)

さて、本日は天気晴朗なれども波た――じゃない、真面目にやりましょう
船に先行している仲間めがけ
鳴宮さんを乗せたうえで【白虎転移】で乗り込みます
…約一名くたくたに蛸に揉まれ(まくっ)ていたら
申し訳ありませんが(視線そらしど)

転移ポイントは甲板上5mほどの地点を狙います
宙空にふってわくイメージで驚いて貰いましょう
その後、ウィンターミュートさんが旗を切って落とすまで
甲板上で怨霊と蛸退治です
一歩も近寄らせませんよ

刀は御神体にもされますからね
破魔を乗せたら怨霊相手にどれほどダメージを出せるか楽しみです


鳴宮・匡
【潮路】


オブリビオンってなんでときどきよくわからない生態を獲得してるんだろうな?
……まあいいや
とりあえず蹴散らせばいいんだろ

じゃ、ヴィクティム、先鋒は頼んだぜ

【六識の針】で眼球/視神経を強化し
視覚特化・視力向上
先行するヴィクティムの様子を逐次確認しておく

……ほどほどに解れるか、ダメージが入り始めるか
もしくはあいつがしびれを切らす頃には合流するか
サボってるって言われるのも面倒だし
頃合いを見て巽に合図、移動要請するよ

奇襲気味に頭上を取るような転送位置から
まずはヴィクティムに群がる敵から排除
誤射? するわけがない
甲板に降りたあとは派手に弾をばら撒くさ
その間に、うちの「怪盗」が仕事をこなしてくれるだろ



●チームアサル……じゃない!!!
 耀はちょっと働きすぎなのではないか? もしくは水分を摂ってないか、だ。
 ヴィクティム・ウィンターミュートは、あの様子のおかしいグリモア猟兵を訝しんでいた。
 だが彼は気づいていない。オーバーワークで言えば自分こそまさにそうだということを。
 あるいは理解していてがむしゃらに働いているのかもしれないが、
 このエンパイアウォーにおけるヴィクティムの出撃回数は、端的に言って異常だ。
 すでに出撃回数は40、ともすれば50を超えかねないほど。
 何が彼をそこまで駆り立てる。義憤か? まさか。こんな皮肉屋が。
 理由なんて一つきりだ。縁もゆかりもない世界の戦争に、らしくもない入れ込み。
 シンプルなものだ。だがそれを、けして彼は言葉にすまい。明かしもすまい。
 ――ただやはり、彼はやりすぎている。命を削りすぎている。
 わかっている。それでも無力なガキになんて、戻りたくはないんだ。
 だから戦わなきゃいけない。まだだ。まだ。まだ殺す。まだ、まだ――!

「……本当にいいんでしょうかね」
「何が?」
「いえ、ウィンターミュートさんのことです。もうだいぶ……」
 水衛・巽が言いかけた言葉に、鳴宮・匡はふう、とため息をついた。
「あいつが先行して、俺たちが乗り込むための手はずを整える。だろ?」
「はい。たしかに私のユーベルコードはそれが最適なんですけど……」
「……いい薬だろ。妙なオブリビオンだし、あいつなら心配はないさ」
 匡はややつっけんどんな物言いをした。お察しの通り、ふたりはまだ後方だ。
 彼らは作戦会議の結果、巽の転移術式のガイドとしてヴィクティムが先行、
 頃合いを見て匡と巽が乗り込み、敵を蹴散らす……というプランを採用したのだ。
 なるほど、たしかに理想的な作戦である。手慣れた彼ららしい。
 が、実はこの作戦、意外なことに裏がある。しかも仕掛けたのは匡だ。
 え? 何の話かって? すぐ上のシリアスな段落読んでくださいよ!
 そう、なんか知らんがやけに張り切りまくりのあのカウボーイのことである!
「なんで時々よくわからない生態を獲得したオブリビオンが出てくるのか、
 俺はどうでもいいけど。たまにはこういうのも必要なんじゃないか、ってな」
「はあ……まあ、たしかにウィンターミュートさんは……」
 ヴィクティムが参加した戦場のすべてに、巽や匡が同行しているわけではない。
 が、それでも、どこぞの探偵社に出入りするあの男の様子は、おかしい。
「サボってるって言われるのも面倒だからな、頃合いを見て合図はするよ」
「わかりました。鳴宮さんがそこまでおっしゃるなら、私も納得しますよ」
 ……てな具合に、ふたりはヴィクティムを見捨てたのである。
 薄情? まさか。肩を並べる仲間に対する、彼らなりの友情だろう。
 もしくはギャグ落ちを回避する狡猾な立ち回りですね! おのれイケメンども!!

 ところで、その実は策にハメられている三人目はどうなってるか、というと。
「……ん? アイツら、なんか遅くねえか?」
 悪魔的なプランニングで敵を翻弄するArseneも、味方となると油断するのか。
 はたまたやっぱりオーバーワークでちょっと色々鈍っているのか、
 どうやらふたりの意図には気づかず、船の上でふたりの遅さを訝しんでいた。
「なんかトラブルでもあったのか? オイオイ、こちとら攻め手を持ってきてねえぞ。
 おーい! 匡、巽! まだかー! まーだーかー!!!?!?」
 ぶんぶんと手を振る。あの傭兵の強化された視覚力ならば見えているはずだ。
 が、反応はない。まさか予想外の奇襲? ヴィクティムは思案する。
 その面持ちは、実にシリアスだ。敵を殺し、狩ることだけを考えている目。
 この船(シナリオ)に乗り込んでおいてシリアス保とうとは頂けませんなあ!!
『『『タァアアアアコォオオオオ~~~』』』
「ハッ!?」
 大声を出したせいである。周囲にはいつのまにかタコどもの姿!
 ヴィクティムは舌打ちし、障壁展開プログラムを思考速度で用意実行――。
『はいお客様ご案内ですタコー!』
「ワッザ!?」
 いかなハッカーの早業もギャグ補正には無力! 触腕が先んじた!
 あっさり絡め取られたヴィクティムは、タコどもに運ばれていく!
「おいバカやめろ離せ俺はArseneだぞ!!」
『お名前伺いましたタコ~、凝ってるところありませんかタコ~?』
「くそっ、おい匡! 巽!! さっさと来い!!!!」
『全身でございますねタコ~、マッサージフルコースご案内ですタコ~』
「俺はサイボーグだからマッサージとかいらねグワーッ!? 背筋グワーッ!?」
『生身の部分も凝りすぎタコ~、筋肉が化石になってますタコ~』
「そこまでかよ!? って違うそうじゃねえ離せアアアアアアアーッ!!」
 ハッカー無惨! 頭から手足まで徹底的に揉まれて揉まれて揉まれる!
 カッピングもする! ユーベルコードの属性? んなもん関係ねえ!!
「グワーッ上腕二頭筋! 上腕二頭筋グワーッ!?」
『フットマッサージ行いますタコ~』
「グワーッふくらはぎ! ふくらはぎグワーッ!?」
『足つぼ圧しますタコ~』
「いででででででででででででで!!!!!」
 あまりの凝りっぷりに、悲鳴と苦悶の雄叫びが上がり続ける……!

 どのぐらいあがっているかというと、巽たちのとこまで届くぐらいである。
「……本当に大丈夫なんでしょうか???」
「それだけ疲労が蓄積してるってことだろ。ダメージは負ってないよ」
「悶え苦しんでるのを見て喜んだりしてないあたりがなおさら怖いですね……」
 戦友のリフレッシュ(物理)っぷりを無感動に観察している匡。ビビる巽。
「でもやっぱり気になります。ウィンターミュートさんはいまどうしてますか?」
「……」
「鳴宮さん?」
「ヨガをやってる」
「????????」
 ヨガ? ヨガナンデ? だってそういうユーベルコードだから!
 悲鳴が止まないあたり、関節とかももうバッキバキみたいである。サイボーグだし。
「…………そろそろ行くか。多分あいつもしびれを切らす頃だ」
「そうですね。あの悲鳴がダメージを受けてる苦悶に変わらないともわかりませんし」
 邪悪なイケメンどもは頷きあい、巽が"白虎転移"を行使して即座にテレポート。
 凶将・白虎がふたりを背負い、一瞬にして海原を横断し甲板に着地!
「ア、アバーッ!? お、お前ら、いくらなんでも遅アバーッ!?」
「……ウィンターミュートさんが人体構造上の限界に挑む格好をされてますが」
「ヨガなんだろ、多分。悪いなヴィクティム、遅れた」
 頭上に転移したふたり。匡が群がるタコどもを精密にスナイプする!
『『『タタタタコォーッ!?』』』
 降って湧いたシリアスな猟兵によるシリアスな攻撃、ギャグ補正は無力だ!
 自分たちまでお客様としてご案内しようとするタコには、銃弾と破魔の刃が襲いかかる!
「お、お前ら、なんだってこんな遅く……」
「申し訳ありませんが、その、色々と事情が(目逸らし)」
「明らかに狙ってやっただろ……お、俺はもうダメ、だ……」
 がくり。息絶えるヴィクティム。なんてこった、ギャグシナリオなのに死者が!
 スワッ。かと思ったらなんかものすごい滑らかさで立ち上がった! コワイ!
「!?」
 立ち上がったヴィクティム自身が一番ビビっていた。なんだこれ身体が軽い。
 今だったら股割りだってできそうなぐらいだ。これが……蛸の力……!?
『いやー気持ちいいでしょあのマッサージ、俺らも世話になっててさぁ』
「なんだこのおっさん!?(フランクに話しかけてきた怨霊にビビるハッカー)」
「ウィンターミュートさん、危ない! 怨霊が攻撃……してきませんね」
 怨霊の皆さんはリフレッシュ中だし、そもそも戦闘能力は皆無なので、
 倒しても(旗を降ろすまでは)復活するが無害なのであった!
(ま、多少なりとも効果があったならいいだろ。とりあえず、仕事だな)
 弾丸を盛大にバラまきながら、匡はちらりと旗のほうを見やる。
 あそこで身体のリフレッシュっぷりにやや困惑している我らの"怪盗"も、
 じきに仕事をしてくれるだろう。そのあとのこと? まあ、その時はその時だ。
 戦いは終局に近づいている。そして……傭兵のシリアスも、守られた……!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セゲル・スヴェアボルグ
海なら泳いで向かうしか無かろう?
接近したら飛行して乗り込むがな。
最初から飛べって?細けぇことは良いんだよ。

生憎だが、この年になっても俺は肩こりとは無縁でな。
マッサージもヨガもする必要は……
おい、要らないと言ったろうに!やめろ!尻尾を掴むな!

此方も相応の膂力はあるが、筋肉の塊からの脱出は難しいな。
とりあえずUCでその場に暴風を起こすととしようか。
運よくひっくり返ればラッキーだが……
壊れなくとも波で揺らすぐらいはできよう。
そうでなくともバランスを保つのは厳しかろう?
吸盤で無理やり維持できるって?
そうしたら、その分こっちに割かれる足の数が減る。
そうすればこちらも力任せに引きはがして叩いてやるのみよ。


有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

蛸を利用しつつ、目的を遂行すればいいんですね?

【目立たない】ように船に潜入。
見つかったとしても「怪しい者ではない」と言い張ります。
「よく考えてください、こんなにいかにも怪しい奴が怪しい者ではない、などと言うでしょうか?」
やや強引に【言いくるめ】

言いくるめつつ蛸のマッサージを受けます。
蛸なのに的確に凝りをほぐすんですね。感心です。
【野生の勘】で危険を察知したら、懐の匕首で【咄嗟の一撃】
「やりすぎはいけません」
さっきまで、気持ちよさそうだったのに?
それはそれ、これはこれです。
オブリビオン須らく死すべし(真顔)
攻撃しつつ水軍旗を降ろす。

それにしても…なんだかざわざわする船の名前ですね。



●男たちの戦場、男たちのマッサージ
「ふんっ!!」
 ずしんっ!! と、190cm近い巨躯が甲板に降り立った。
 水も滴るいい男、ならぬ、水も滴るいい竜人。その姿たるや威風堂々と。
「こんなデカくて立派な船を金で用立てて手先扱いとは、日野富子め。
 やることがみみっちくて敵わん。怨霊ども同じだ、情けない奴らなことよ!」
 船乗りであるセゲル・スヴェアボルグが、怨霊水軍の在り様にご立腹であった。
 海の男はもっとタフに、それでいて自由に在らねばならない。
 それを汚い金で船を用意し、恐怖や金の力で懐柔されて言いなりとは!
「さっさと旗とやらを降ろして、このけったいな船を沈めねばな」
『『『タァァアアコォ~~~~~』』』
「……さっそく来おったな。妙ちくりんなタコどもめ」
 わさわさうねうねとやってきたタコどもを、セゲルはぎろりと睨みつける。
 マッサージだのヨガだの、タフな海の男には不要。男セゲル52歳、不惑を超えてなお現役。
 その筋骨たくましい肉体に、凝りだの筋肉痛だの軟弱なあれこれは無縁だ!
『お客様、マッサージいたしますタコ~』
「いらん!!」
『ヨガはいかがですタコ~?」
「要らんと言ったろうに! やめろ! 尻尾を掴むな!!」
 ぐおんっ!! 振り回した応龍槍が、猛烈な竜巻を生み出した!
『『『タタタタタコーッ!?』』』
「まったく、奉仕精神があるのはいいが、こっちの事情も考えろ。
 ……いやそもそも、なぜ敵である猟兵にまでマッサージしようとする!!」
 そういう攻撃なんだから仕方ない。この船のタコどもは特に様子がおかしい。
 多分、日野富子の立てた殺人的スケジュールで怨霊たちを慰安してたせいで、
 心が壊れて人間……もとい、タコではなくなってしまったのではなかろうか。
 ストップ、違法労働。ブラックな労働環境はノーセンキューである。

「わかります。オブリビオンすべからく死すべし。それでこそ猟兵です」
「応。誰かは知らんが、若いのにずいぶん見上げた……いやちょっと待て」
「はい? どうしました???」
 合いの手を入れた有栖川・夏介は、心底不思議そうに首を傾げた。
「お前さん、言ってることは勇ましいがまるっきりマッサージ中ではないか!」
「え? ああ……いえ、これはそう、いわゆるひとつの策……うーん極楽」
 そう、夏介はマッサージチェアに座り、バリバリ施術中だったのだ!
 こころなしか、その無表情も、いつもよりリラックスしてるように見える!
『凝ってるところはございませんかタコ~』
「肩のあたりが、ええ、処刑をしているとどうにも……」
『わかりましたタコ~、ヨガのコースもありますタコ~』
「そちらはご遠慮しておきます」
「だから! まるっきりエンジョイしておるではないか!!!!」
 オブリビオン死すべしとかそれっぽい台詞どうしたおい!
 セゲルのツッコミに、夏介はまあ待ってください、と掌を晒して落ち着かせる。
「私はあえて客のふりをして、タコどもを油断させて潜入しているのです」
「……まあたしかに、猟兵扱いはされておらんな、俺もお前さんも……」
「そう、私は怪しい者ではありません。そう言ってゴリ押ししました」
「やり方が雑すぎはせんか!? というかそれで通ったのか!?」
「はい。怪しい者が怪しい者ではないというはずがないでしょう、と言ったら」
「……こいつらはひょっとしてバカなのではないか?」
 さすがのセゲルも、敵(?)のIQとか知能指数がだいぶ心配になってきた。
 いやそれはそれとして、夏介もちょっとエンジョイしすぎではないか?
「このタコどもは……恐ろしいですよ」
「何? まさか、やはり何かの攻撃を」
「タコなのに的確に凝りをほぐすんです、感心です……」
「マッサージの腕のほうか!? おい気を確かにしろ、戦わんとだぞ!」
「大丈夫です、この野生の勘で危険は察知します、が……遥かに良い……」
 誰がどう見ても大丈夫そうではない。こいつなんとかしたほうがいいんじゃないか。
「……お前さんがエンジョイしてるとこ悪いが、俺は戦いに来たのでな。
 あともういい加減(シナリオ的に)旗を降ろさんと意味がないぞこれ」
「そうですかね……では仕方ありません」
 ヒュカッ。マッサージ中の蛸の触腕を真顔で切り裂く夏介。
『タグワーッ!?』
「オブリビオンは殺しませんとね」
「そのドライさもなんだか恐ろしいなお前さん……」
 マッサージに夢中になってなかったのはいいことだが、別の意味でドン引きのセゲル。
 まあそれはそれとして戦おう! ユーベルコードとかなんかこう、アレして!
「海の上で、船乗りに挑むことの愚かさを教えてやろう!」
「処刑開始です。残念ですが皆さん、さようならですよ」
 かくして船乗りと処刑人が肩を並べる。荒ぶる嵐! 揺れる船! 慌てふためくタコ!
 ギャグシナリオの終わりが……終わりの始まりが、始まったのだ!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルーナ・ユーディコット
タコは食べると美味しいと聞くし、エンパイアで食べたことはある気もする

が、実物はなんかうねうねしてて触腕多くて悪魔にしかその……みえなくて
ここ暫く補給する暇もなく戦場に向かってるから、疲れを癒せるなら後の先に努めるけど

敵にしても釈然としないけどある程度付き合ったら倒そう
理性もまた人らしさ……人、ううん、人らしい対応居るのかなこのタコに
ユーベルコードが封じられた場合……は、そういえばタコは眉間を突くと死ぬらしいからそうするとして、

封じられてなかったら月狼【凶】で切り刻んでぶつ切りにでも
寿命をこんなことで削るのは大問題なんだけど……まあ、敵だし

土産には……さすがの旅館もオブリビオン食う人は居ないよね


花剣・耀子
何がどうなってえろいことになるのか皆目見当もつかないけれど、
何も無いならよかったわ。全年齢なのでごあんしんよ。

ともあれ、息抜きも必要だと思うの。
否、これも戦争だけれども、ちょっとはリフレッシュしたいのよ。
戦場を走るのは別に良いの。それはあたしの領分だもの。
その後が問題なの。戦争って戦闘だけじゃあないのよ。
武装類の使用レポートと備品の補充申請と予算をなんとかするための口八丁と賄賂と、
あと未だなつやすみの宿題が白紙なところとかそろそろヤバくて、
ねえ聞いてる???

空中を踏んで渡って船に乗り込んでひとしきりくだを巻いて、
できれば肩凝りとか直して貰うわね。

ほどほどで斬るわ。
お題は三途の渡し賃にして頂戴。


リア・ファル
SPD
アドリブ共闘歓迎

タコね。デビルフィッシュ。
と、とりあえずタコ焼きにでもしてタコパしようか?

カッピングかー、デトックスされそうだね~、
って、生気吸い取られてるじゃないかっ(ツッコミ)
それはリラックスじゃなくて衰弱だからね?

ならばボクが! SSW仕込みの機能的電気刺激療法を
お返ししようじゃないか!
カモン! マッサージグッズ!

UC【我は満たす、ダグザの大釜】使用!
てけてけーん、すたんがんー、あんど、でんきいすー。

……。
うん、武器かな!「マヒ攻撃」!(言いくるめすら諦めた)
と、言う訳でキリキリ骸の海まで昇天してもらおうか!

片っ端からヌァザで捌いてタコ焼きにしていく!



●按甲休兵、旗折る前に
「ふう……」
 眼鏡をかけた鋭い目つきの女子、花剣・耀子はリラックスしていた。
 寄せては返す潮風、波の音。遠くで戦闘の音も聞こえるがまあ気にしない。
 そしてこの……マッサージ。遥かに良い。まさかここまでとは思わなかった。
 タコどもの接客は(日野富子のブラック労働で心を壊されたせいで)猟兵だろうがお構いなしに丁寧だし、雑誌も読めるし、ちょっとした軽食も摂れる。
 遥かに良い。いくら羅刹だろうが剣豪だろうが、女の子は女の子なのだ。
 さらに言えば耀子はバリバリの学生だ。夏休み真っ最中なんだぞこの野郎。
「たとえ戦争でも、リフレッシュは忘れてはいけないわね――」
 ざざーん。海を見やり、リラックス顔の耀子は静かに呟いた。
「失礼。隣、いいかな」
「ええ、どうぞ」
 ありがとう、と言って、隣のチェアに腰掛けたのは人狼の少女であった。
 ルーナ・ユーディコット。己の命を蒼き炎にくべて戦う復讐の猟兵である。
 勇ましく戦場を駆け巡り、人と獣の間でアイデンティティに悩む少女である。
 ……とてもシリアスな設定だが、あいにくここはギャグシナリオなのだ。
 ルーナもリラックスしていた。正直ここまでの至れり尽くせりだとは。
 あれこれ本当に攻撃なの? とだいぶ疑問に思ったが、まあそういうもんなんだろう。
 そんなわけで、ルーナもマッサージを受け、大変にリラックスしていた。
「……タコは、食べると美味しいと聞いたことがあって」
「ええ。UDCアースだとポピュラーな食材ね」
「でも実物はなんか……こう、悪魔にしか見えなくて……不安だったんだ」
「わかるわ。英語だとデビルフィッシュって言うし」
「やっぱり……でも本当、なんなんだろうこの船……」
 バリバリ満喫しておいてなんだが、ルーナの疑問は晴れていない。なんだこの船。
 他の船ではシリアスな戦いだって(多分)繰り広げられているのに、
 自分たちはこんな日常フラグメントみたいなことやってていいんだろうか?
 問題ないない! だってほらリプレイの最後には倒されますからこうかっこよく!
「釈然としないけど、でもこの極楽気分は……抗いがたい……」
「そう。極楽なのよ。でもあたしもやっぱりはっきりしないのよね」
「あなたも? まあ、無理もないか。オブリビオン相手じゃ――」
「違うのよ」
「えっ」
 ぎらり。隣に座る耀子の眼鏡が、なんか白く輝いた。
「戦争って戦闘だけじゃないのよ」
「ま、まあそれはわかるけど」
「その後が問題なの。武装類の使用レポートとか、備品の補充申請とか」
「う、うん(UDCの職員なのかな)」
「あと予算をなんとかするための口八丁とか賄賂とか、そもそも夏休みの宿題がまだ白紙だし戦争なせいでろくに遊びに行けてないし武器の手入れだってそうだしあと」
「アッハイ」
 べらべらべらべら。耀子にも色々とストレスが溜まっているらしい。
 完全に息つく暇もなくマシンガントークを繰り広げる耀子に、ルーナもたじたじだ。
 これが、人らしさ……つまり理性? これもまた人らしさを保つための……?
 いやそういうシリアスなのじゃねえなこれ。ただ愚痴の聞き手になってるだけだわ!

「なにやら世知辛い話が聞こえたよ!!」
 ササッ。そして商売と儲け話の話となると、目ざとく食いついてくるのがこの少女!
 母艦(in the スペースシップワールド)をサルベージしたりなんかこう色々アレするために、ECサイトとか運営して金策中のリア・ファルだ!
 人型インタフェースだろうが、バーチャルキャラクターだろうが、
 物理的になんかするためには金はあればあるほどいいのである! 資本主義!!
「「えっ」」
「そこのキミ! 備品の申請が大変っていう話だね? あと予算にも苦労してる?
 そんなキミに寄り添うのがこのボク、そしてDag's@Cauldronなんだよ!」
 ささっ。自家製の名刺を差し出しつつ、リアは営業スマイルを浮かべる。
「武装のメンテナンス、受注、独自ルートでの卸売から契約締結のお手伝いまで!
 戦場への輸送や回収もおまかせ! 次元を超えてキミを完全サポートさ!」
 よくもまあここまで立て板に水を流すように、営業トークが出来るものだ。
 ルーナは目が点になっていた。耀子は真剣な表情で眼鏡をかけ直す。
「なるほどそれは興味深いわね。ただし、重要なのは――」
「お値段だろう? ご安心を! Dag's@Cauldronは良心設定がウリだからね!」
 さっ。各種サービスのプラン・料金表をなめらかに取り出すリア。
 どんだけ商売の備えをしているんだこの子。ルーナはだいぶ呆れた。
「もちろん戦闘以外の商品も充実のラインナップ! コスメとかもあるよ!
 あとは……そうそう、宿題がどうこう言ってたよね? そこもご安心!」
 パッ(立体映像で表示されるUDCアースのいろんな観光地)
「日記帳に書くならやっぱり旅行! Dag's@Cauldronなら旅行プランも充実!
 送り迎えはボク自らイルダーナでエスコート! 宿泊先も手配するよ!」
 ECサイト、ECサイトってなんだ。商売の法則が乱れる!
「もしもお客様が気にしないなら、代行とかそういうイリーガルなのも……ね?」
「…………興味深いわね」
「でしょう! とりあえず今回はいい機会だと思って、チラシだけでも! ね!」
「えっ、私も?」
 ぽかんとしつつも、自然と広告チラシを受け取ってしまうルーナであった。
 耀子のほうはというと、早速何やら難しい顔でブツブツ呟いている。
『お客様、マッサージはいかがですかタコ~?』
「ってこれボクもマッサージさせられそうだね!? そうはいくか!
 こっちはまだまだ、リフレッシュしに来た猟兵(ルビ:こきゃく)獲得に忙しいんだから!」
 も、目的が変わっている。さておきリアには秘策があった!
「たまにはキミたちがマッサージされるといい! カモン、マッサージグッズ!」
 パチン! 軽やかなフィンガースナップとともにユーベルコード発動!
 ずしん。頭上に開かれた次元門から転送されてきたのは……おお、これは!
「てけてけてーん(口SE)すたんがん~」
「スタンガン!?(チラシから顔を上げて驚く耀子)」
「あーんど、でんきいす~」
「電気椅子!?(マッサージチェアだと思ってたので本気で驚くルーナ)」
 どう見ても拷問具だこれ! 極楽は極楽でも天国に行っちゃうやつだこれ!
「…………」
『…………』
「……うん、武器だね! よし、マヒ攻撃ーっ!!」
「「言いくるめすら諦めた……!?」
『タグワアババババババーッ!?』
 タコ無惨! 電気攻撃は水属性には大ダメージだ!(ゲーム脳)
「ようし、ここは大立ち回りでアピールしてさらなる顧客獲得だ!
 あ、キミたちもそろそろ戦ったほうがいいよ! 決着つきそうだからね!」
 耀子とルーナは顔を見合わせ、若干名残惜しげにマッサージチェアを立った。
 スパッ。一瞬の抜き打ちによってタコどもの触腕が切り裂かれる!
『『『タコォーッ!?』』』
「リフレッシュさせてもらったわ。お代は三途の渡し賃ということで」
「……私、こいつらにユーベルコード使いたくないなあ……」
 寿命燃やすの? こんな奴ら相手に? ガチで? やだなあって顔のルーナ。
 彼女が迷っている間に、張り切ったリアが旗の目前に迫っている!
「みなさーん! Dag's@Cauldron! Dag's@Cauldronをよろしく!!!!」
 魔剣ヌァザをフリフリアピール! タコども? 奴さん死んだよ。
「はいというわけで旗どーん! キリキリ骸の海まで昇天ご案内っ!」
「「「やっとブラック労働から開放される……」」」
 フワ~。リラックスした面持ちで成仏していく怨霊の皆さん。
「……お、怨霊とは、一体」
「細かいことは気にしないほうがいいわ。さあ、次の戦場へ向かいましょう」
 納刀した耀子が、呆れるルーナをよそにシリアスな流し目でキメる。
 かくて希望の船は沈んでいく。おお、タコたちよ、永遠なれ……!
 猟兵たちのリフレッシュは終わり、次の戦場が彼らを迎え入れるのだ!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月17日


挿絵イラスト