エンパイアウォー⑰~其の者が与えし試練~
●陰陽師
「暇ですね。やはり、猟兵と呼ばれる者達に来て貰わないとダメな様です」
ふぅ、とため息を吐くと陰陽師「安倍晴明」は、鳥取城から見える見栄えも何もない景色を眺める。
何かが清明の耳元で囁き、その内容を理解した彼は小さく口元を吊り上げた。
「あちらから来たのは都合が良い。では、猟兵の皆さん……楽しませて下さい」
転移されてきた猟兵達を赤い瞳に映すと、声明は風で人の呻き声に似た音を聞きながら静かに待ち構えた。
●グリモアベース
「皆さん、サムライエンパイアにて毎日飛び込んで来る依頼お疲れ様です。百面鬼「風魔小太郎」と大悪災「日野富子」がたおされ、そして――残る魔軍将は4人となりました。そう、その1人が鳥取城を拠点にしているかの有名な陰陽師「安倍晴明」です」
振袖を揺らしながらクラト・ディールア(黎明の黒龍・f00868)は、目の前に居る猟兵達に穏やかな笑みを向けながら言った。
「しかし、今の鳥取城は戦国時代に餓死した人々の怨念が渦巻いてるらしいです。ええ、らしいだけなので本当のところはどうなっているかは分かりません」
クラトは、現在のサムライエンパイアの地図にて鳥取城がある場所を指しながら説明を続ける。
「陰陽師といえば名前がパッと出る程の方です……つまり、その名に恥じない程の強さです」
ゆらりと尻尾を揺らしながらクラトは、猟兵達に視線を向けた。
「皆さん、よろしくお願いします」
クラトは、猟兵をサムライエンパイアの鳥取城へ転移させた。
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陰陽師『安倍晴明』は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
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龍真 神
OPに目を通して頂きありがとうございます。
このシナリオを書いた、龍真 神(タツマ シン)と申します。
このシナリオは『やや難』となっておりますので、判定がいつもより厳しくなっておりますのでご注意ください。
それでは、皆さんのプレイングをお待ちしております。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 ボス戦
『陰陽師『安倍晴明』』
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POW : 双神殺
【どちらか片方のチェーンソー剣】が命中した対象に対し、高威力高命中の【呪詛を籠めたもう一方のチェーンソー剣】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 水晶屍人の召喚
レベル×1体の、【両肩の水晶】に1と刻印された戦闘用【水晶屍人】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : 五芒業蝕符
【五芒符(セーマン印)】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を斬り裂き業(カルマ)の怨霊を溢れさせ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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ノトス・オルガノン
深山路(f03237)と参加
※アドリブ、絡み歓迎
【SPD】
お前か、死者の眠りを妨げ、散々魂を徒に弄んでいた元凶は
悪いがその企てはここで阻止させてもらうぞ
…深山路はなにかあいつに恨みでも…?いや、何だかちょっと、わかる気もするが
敵が屍人を召喚後UC:Organumを発動
これはそのままシンフォニックデバイスにもなっている
大音量で水晶に対し、破壊を試みる
お前の人形が合体するのと、私の声がお前の人形を破壊するの、どちらが速いかな?
……深山路、道が開けたら、畳み掛けてくれ
【歌唱】【衝撃波】【範囲攻撃】
隙が出来たら、Organumを【投擲】でセイメイに攻撃を
深山路・古月
ノトスさん(f03612)と共に
何故だかわかりませんが、とても殴りたくなる素敵なお顔ですね
ええ、何故だかわかりませんが!
それはさておき、毎度のことながら先制攻撃は厄介ですね
UC【妖剣解放】を発動
ノトスさんのと協力して水晶屍人を着実に破壊していきましょう
【破魔】の力を上乗せした妖剣の衝撃波で【なぎ払い】
距離の近い相手には間合いを詰めて斬撃の【2回攻撃】を
手が付けられなくなっても困りますし、合体だけは阻止したいところですね
私も陰陽師の端くれです
実力差は天と地の差でしょう
けれど、座して見ているわけにもいきませんのでね
そのお綺麗なお顔をぶっ飛ばして差し上げますよ
(アドリブ・絡み歓迎)
●“水晶の山”
「お前か、死者の眠りを妨げ、散々魂を徒に弄んでいた元凶は」
鳥取城の前に転移された少年、金の模様が美しい白い法衣を見に纏ったノトス・オルガノン(白百合の鎮魂歌・f03612)は、水晶の体を持ちし陰陽師『安倍晴明』をそのブルーダイアモンドの様な瞳に映す。
(しかし……深山路はなにかあいつに恨みでも……? いや、何だかちょっと、わかる気もするが)
と、思いながらノトスは、ちらりと美しい横顔の青年に視線を向けた。
「何故だかわかりませんが、とても殴りたくなる素敵なお顔ですね。ええ、何故だかわかりませんが!」
さらり、とピンクダイヤモンドの様な美しい髪を揺らしながら深山路・古月(幽艶の藤狐・f03237)は、薄く笑みを浮かべながら清明を見据えた。
「さぁ、見せていただきましょうか――あなた達の力を」
ただただ清明は、笑みをう浮かべたまま鳥取城の屋根から飛び降りると背中の水晶が弾けた。
不穏な空気が漂うその場に、水晶屍人達がずらりと召喚されるとノトスと古月はユーベルコードを発動させた。
「風の裂かれる音、聞いた事があるか?」
オルガンパイプの光背を象った拡声器である“Panagia”のパイプを複製すると、口から男の声でも女の声とでも聞こえる美しい旋律がパイプを伝い戦場に響く。
「私も陰陽師の端くれです」
古月が手にしている妖刀から禍々しい黒い怨念が彼を包むと、抜刀すると同時に衝撃波が水晶屍人達を砕く。
「キミの人形の数の暴力と、私の声がキミの人形を破壊するの、どちらが速いかな?」
ずらりと展開されたオルガンのパイプから歌声と共に衝撃波が放たれ、ノトス達の方へ襲いかかる水晶屍人達の体にヒビが入りそして――割れる。
キィンと割れる音は、歌声に合わせるかのように響き美しい。
「その、程度でしょうかね?」
清明が首を小さく傾げながら問う。
「実力差は天と地の差でしょう。けれど、座して見ているわけにもいきませんのでね」
古月が次々と水晶屍人達を妖刀を振るい、衝撃波で水晶屍人達を倒しているが――まるで無限に湧いているかの様に錯覚する程に多い。
「そのお綺麗なお顔をぶっ飛ばして差し上げますよ」
寿命が削られ、妖刀を振るう度に体の力が抜けてゆくのを感じながらも古月は、あの殴りたい清明の顔に視線を向けつつも水晶屍人達を倒す。
「……深山路、道が開けたら」
ノトスが言うと、古月はこくりと頷き妖刀を握り締め直す。
障害が少なければ良い――
「当たってくれ!」
と、ノトスが叫ぶと同時に複製した複数のオルガンのパイプを清明に向けて、念力で飛ばす。
一個でも当れば良い、そう願いながら投げたオルガンのパイプが清明に当たった。
それと同時に、水晶の破片がノトスと古月へと飛び、体中に傷を付けた。
そして……
「お疲れ様、良い前フリだったんじゃないかな?」
清明の声が響いたかと思うと、水晶屍人達に囲まれて水晶が体を貫いた。
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
皆城・白露
(他猟兵との絡み・アドリブ歓迎です)
飽きたのなら、さっさと消えろよ
お前みたいなのをもてなしてやるほど、オレは優しくない
(余裕の態度が気に食わない
…いつ限界が来るかわからないこの命はさぞかし脆弱に
こうして足掻く姿はさぞかし無様に見えるのだろう)
基本は【ブラッド・ガイスト】
一対の黒剣を構え突撃するが、そちらは囮
相手のチェーンソー剣を黒剣で受け止めた後【カウンター】として
刻印を捕食形態(背中から生える、獣の爪のようなもの)に変え攻撃
※連携する相手がいれば、刻印での攻撃まで含めた全てを囮に使い
連携相手に攻撃を叩き込ませる
●“退屈”
「飽きたのなら、さっさと消えろよ」
清明の言葉に皆城・白露(モノクローム・f00355)は、淡々とした声色で答えた。
「前フリ? お前みたいなのをもてなしてやるほど、オレは優しくない」
眼前で倒れる仲間を横目に白露は、黒剣“RIGHT /for revenge”が爪状に変形させながら清明の動きを探る。
チェーンソーは二本、どちらが使われるかは分からない。
「ええ、私も優しくありません。ただの暇つぶしですからね」
ユーベルコード『双神殺』を発動させると、清明は白露に向かって駈け出す。
(余裕の態度が気に食わない……いつ限界が来るかわからないこの命はさぞかし脆弱にこうして足掻く姿はさぞかし無様に見えるのだろう)
迫りくる清明を見て、思いを巡らせながらも白露は黒剣“LEFT /for lament”も手にした。
振り下ろされたチェーンソーを目視すると、両手で爪状に変化した黒剣を構えて迎え撃つ、が――
「あぁ、あなたも甘いですね」
清明がエンジン音を響かせながら、白露の突撃を受け流す。
背中の刻印(ドライバー)が黒い獣の様な爪の捕食形態へと変化し、ブンッとその爪は清明に傷を付ける。
「もとから、こうする心算だったから」
「素晴らしいですね。そこだけは、ね?」
白露は清明の言葉に目を丸くすると、口から鮮血が溢すと同時に腹部の痛みを感じと同時に手を添えた。
「ま、さ……か……」
そして、視界がぐらりと揺れると同時に体を呪詛で蝕まれている事に気が付いた時には、既に闇の中に意識が落ちる。
「少々、捻りが無くて手を抜いてしまいましたがね」
と、清明はチェーンソーを振って、刃に付着した血を振り落とした。
苦戦
🔵🔴🔴
空裂・迦楼羅
願いの翼は、私の膝を折ろうとも崩れるものではないの
想像を信じ抜く戦いを、私はするわ
攻撃を防ぐ手立ては…そうね、背中に生やした炎の翼で避け躱す
やるからにはそう全力で、私のCRAZY×LAZYの銃身で武器は受けるわ
銃は基本鈍器、撃つのは陽動よ
武器受けは得意じゃないけれど、【怪力】は自慢するところだもの
初撃をハズさせる方がきっと至難だわ!
燃える背中の翼で【空中戦】に持ち込みながら、銃身に付属させてある剣、猛禽ぶれぇどで些細でも良いの、一撃でもいい
……アタシは、穿って見せるわ!
なんだか、電脳の体がざわめくのよ……よくわからないけれど……
貴方は、アタシ嫌いなタイプなのよね!!(ごう、と炎を激しく燃やす)
●“焔の鳥”
余計に目立つ、ゆらゆらと蜃気楼が現れて空間を歪めて映す。
願いの翼は、私の膝を折ろうとも崩れるものではないの――
ゆくっりと緋色の瞳で清明を空裂・迦楼羅(焔鳳フライヤー・f00684)は、ただ力を振るう時を待つ間に自身の焔より燃え上る胸に信じ込ませる。
返り血なのか、それとも自身の血なのか、それが分からない程に目の前の陰陽師は朱に染まっていた。
迦楼羅をルビーの様な赤い瞳に映すと、清明は両手のチェーンソーの刃をウィーンと駆動音と共に回転させる。
彼女は、雀かそれとも――朱雀か?
それを確かめるかの様に清明が素早く間合いを詰める。
「信じる事は、疑わないことよ。――つまり今の私は、どこまでも飛べる鳥も同然ね!」
無数の地獄の炎が燃え上ると、迦楼羅の背に赤く燃え上る鷹の翼が熱風を放ちながら紺碧色の空へ舞い上がった。
「……空、ですか……」
ブゥン、とチェーンソーが空を斬り裂くと同時に清明は視線を上に向けた。
ガシャン、と迦楼羅が手にした“CRAZY×LAZY”の銃口を向ける。
「なんだか、電脳の体がざわめくのよ……よくわからないけれど……」
迦楼羅が吼える様に叫ぶと感情に反応るかのように鷹の翼が、更に大きく燃え上りごうごうと酸素を喰らう音が響く。
手にしているガトリングから無数の弾が射出されるだろう、と身構える清明に対し彼女は……
「……アタシは、穿って見せるわ!」
水に飛び込み魚を取る鳥の如く滑空すると、唸るチェーンソーとCRAZY×LAZYがぶつかり火花を散らす。
「貴方は、アタシ嫌いなタイプなのよね!!」
自慢の怪力で清明のチェーンソーを弾き、間髪入れずに迦楼羅はCRAZY×LAZYの銃身に収納されていた猛禽ぶれぇどをジャキンと、金属音と共に黒い無骨な剣の刀身が飛び出る。
「はぁぁぁっ!!!」
と、荒々しい声を上げながら迦楼羅は、素早く下から上に向かってアッパーするかのように清明を斬り上げた。
水晶がパキパキと音を立てながら清明の体に、深々と大きな斬り傷が出来ると同時に迦楼羅から距離を取ると、ガックリと地面に膝を付けた。
「あースッキリした。どうよ? 甘く見ていたのはそっちの方、だよね!」
先程は清明から見下ろされている状態であったが、今は迦楼羅が見下ろしていた。
「ですが、この位はまだ……あの時よりマシですね」
ゆっくりと清明が立ち上がると、より一層背中の燃え上る鷹の翼を興味深そうにただ見詰めた。
大成功
🔵🔵🔵
大崎・玉恵
(WIZ)
わしはかつて、愛した貴族のもとへ人として通った。
それを嗅ぎ付けた陰陽師がわしを狐だと暴き立てた。…お主かと思うたが、違うようじゃな。
それはそれ、わらわは貴様を殺したくて仕方がない。そのいけすかない顔が気にくわぬ。
悠久の時を生きるは飽いたじゃろう?引導を渡してくれよう。
【式陣・朱天照】狐火を自らの回りに展開、受けの構えをとる。
奴の符は怨霊を巻き起こす。狐火の【範囲攻撃】に【破魔】の力を乗せ、怨霊もろとも符を焼き付くそう。
そのまま火を纏めて反撃に転ずる。十五ほどけしかけ【フェイント】、奴が逃げた背後に残りを殺到させ致命打を狙う。
物理攻撃をとった時には薙刀で受け、足を止め狐火を殺到させる。
●“因果”
「わしはかつて、愛した貴族のもとへ人として通った」
白かった戦場は戦闘により、その美しさはもう跡形も残ってなかった。
「それを嗅ぎ付けた陰陽師がわしを狐だと暴き立てた。……お主かと思うたが、違うようじゃな」
ヘリオライトの様な瞳に清明を映すと大崎・玉恵(白面金毛・艶美空狐・f18343)は、琥珀色の髪を少し焦げくさい風に靡かせながら鈴の音を転がす様な声で言った。
「それはそれ、わらわは貴様を殺したくて仕方がない。そのいけすかない顔が気にくわぬ」
と、余裕の表情を一切変えない清明に対し、玉恵は拳を握り締めてやや低めの声で呟く。
「私は、貴女の様な考えは大好きですよ。ええ」
「じゃから、悠久の時を生きるは飽いたじゃろう? 引導を渡してくれよう」
清明の言葉を遮りるように玉恵は言うと、彼の手から符が放たれ周囲にセーマン印を描くと黒く輝いた。
「夜とて、昼と染めようぞ」
玉恵がくるり、と神楽を舞う様に動くと、ユーベルコード『式陣・朱天照(シキジン・アケノアマテラス)』が発動されると狐火がボッボッと眼前に壁の様に現れた。
そして、五芒業蝕符が放たれると狐火で防ぐと、玉恵は直ぐに狐火に破魔の力を宿させると地面を斬り裂いた隙間から溢れだす怨霊へ向かって放つ。
「符を一つでも燃やしてしまえば、おぬしはそれを放てなくなるのじゃろう?」
セーマン印をかたどる符を狐火で燃やすと、玉恵が未だに笑みを崩さぬ清明に向かって言う。
「ええ、ですが――これだけが陰陽師ではございません」
「ほう、ならば……わしも、対抗するしかないのう」
清明が両手のチェーンソーを唸らせると、玉恵は懐から出した霊符を手にした。
しかし、清明の方へ向かったのは狐火の方、だ。
「あぁ、この小賢しいやり方は……似過ぎて反吐が出そうです」
ギューン、とチェーンソーの刃が高速で回転させながら清明は、飛んで来る狐火を邪魔そうに振り払おうとする、が。
近付いたかと思えば、狐火はひょいと距離を取ったり、チェーンソーの動きに合わせてフェイントをする。
「おや、何を遊んでおるのじゃ? スキだらけではないか」
いつの間にか清明の眼前接近していた玉恵、彼女の手には“なぎなた”がしっかりと握られていた。
「あれは、フリ……だとは、ですが――」
ブウゥンと唸るチェンソーが振り下ろされるが、玉恵は素早くなぎなたを振るいチェーンソーの刃を受けとめる。
ごう、と清明の足元から火が燃え上がる。
それは、玉恵の狐火であった――
キィンと、鉄がぶつかり合う音と共に玉恵は、なぎなたでチェーンソーを弾き返す。
「燃えよ、灰になって二度とその顔を見せるでない」
と、玉恵が静かに言うと、清明の身体は火に包まれた。
成功
🔵🔵🔴
黒鋼・ひらり
平安時代の人間がチェーンソーって…
まあいいわ、得物が金属なら私の磁力の対象…講じ手は、ある
敵の奇襲…先制チェーンソーの初撃に対し磁力を展開…磁力で得物を弾き飛ばしてやるわ(念動力、吹き飛ばし、属性攻撃)
…上手くいけば御の字だけど、そうはいかないわよね…とは言え磁力反発で多少勢いは殺せる筈…更に迫る攻撃に併せ兎に角ありったけの数の斧槍や投剣、鉄球を攻撃を遮るように幾重にも転送させて防御(咄嗟の一撃、武器受け)…それでも阻めないなら磁力反発で私自身を後方に跳飛ばして回避(ジャンプ)
何とか初撃を凌いだらUC発動
防御で転送、ばらまいた武器の流星群…纏めてブチ込んだげるわよ!(カウンター、一斉発射)
●“同名の別人”
「平安時代の人間がチェーンソーって……」
燃えている清明を同じ赤い瞳に映すのは彼の武器だ、黒鋼・ひらり(鐵の彗星・f18062)が怪訝そうに呟くも眼前の男が“自分の知っている陰陽師の阿倍清明”と同じ名前の“別人”と、いうのはサムライエンパイアで依頼をして嫌というほど知らされた。
「まあいいわ、得物が金属なら私の磁力の対象……」
ふわり、と絹の様に美しい髪をかき上げると同時に清明は、ひらりに向かって駈け出した。
耳の鼓膜が激しく震え、破れんばかりのチェーンソーの駆動音を響かせながら素早く接近してくる、が。
右手を補う機械仕掛の義手“機械義手【フレミング】”で磁力を制御し、チェーンソーをどうにか皮一枚で止めて磁気の反発を利用し押し返す。
(上手くいけばと思ったけど……やっぱり、この程度では上手くいかないようね)
吹き飛ぶほどの磁力で押したハズなのに、清明は吹き飛ぶどころか数mほど後退しただけだ。
ぐいっ、とひらりは、ネクタイを直しながらネクタイピン“兵装転送機構【MAGIC BOX】”に触れると、武器庫から出せれるだけの武器を転送させた。
それは“ハルバード【ミーティア】”や“投剣【アステロイズ】”、“巨大鉄球【グレートコメット】”……彼女が愛用している武器を清明の頭上から雨の様に降る。
「なかなか、面白い事を……暇じゃなくなってきたのは、幸いです」
降って来る武器を避けながら清明は、ひらりに視線を向けて楽しそうに言う。
「諸共纏めて……ブッ飛ばしてやるわよ!!!」
打てる手は全て打った、ならば――
「ばらまいた武器の流星群……纏めてブチ込んだげるわよ!」
ひらりのユーベルコード『磁界流星群(マグネット・メテオストーム)』によって、転送した武器が磁力で浮き上がるとそれはまるで弾丸の様に放たれた。
「……っ。どうして、猟兵はその様な表情をして戦うのか――興味がわいてきましたよ」
笑みを浮かべたまま清明は、放たれた様々な武器が彼の身体を傷付けた。
まるで、原石から宝石を発掘するかのように、水晶に当たりキラキラと破片が光る光景は幻想てきであった。
成功
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月夜・玲
そろそろ追い詰めたよ、安倍晴明
山陰道の水晶屍人ももう直ぐ決着が付く
何を持ち帰るのが役目なのかは知らないけれど、何もかも思い通りにはさせないよ
●戦闘
例えどれだけ大量の屍人を召喚しようとも、すし詰め状態じゃあ動きは取れない
つまり、人が動ける程度の隙間はある筈
それさえあれば十分さ、私は【雷鳴・解放】を発動
雷の疑似UDCを身に宿し、『第六感』で隙間を察知しながら雷の如く超高速で屍人の間を進んで行くよ
どうしても通り抜けられない場合のみ、『なぎ払い』にして道を作る
最短ルートで晴明までの道を進んであげる
晴明まで辿り付けば、雷の力を最大限にチャージした一撃をお見舞いしてあげるんだから!
●アドリブ・共闘等歓迎
●“最後の雷撃”
「そろそろ追い詰めたよ、安倍晴明」
冷やかな血の様に赤い瞳で月夜・玲(頂の探究者・f01605)は、清明を見つめながら呟いた。
生温い風が吹き、濡れ烏の様な黒い髪がサラリと揺れる。
「何を持ち帰るのが役目なのかは知らないけれど、何もかも思い通りにはさせないよ」
「いいえ、させて……もらいます」
清明の両肩の水晶が弾け飛び、宙を舞うとそれは徐々に大きくなり水晶屍人へと変わる。
「雷の疑似UDC解放。我が身よ、稲妻となれ!」
ユーベルコード『雷鳴・解放(ライトニング・リリース)』により、玲の身体に疑似UDCの力を宿すと足に雷が纏うと超高速で水晶屍人達の間を駆け抜ける。
元は屍人、つまりゾンビや傀儡と同じモノだ。
命令に従い動くだろうが、人間離れした動きには流石に反応が遅れているのを察した玲は、合体した個体であろうとも動きを第六感で感知しながらすり抜けた。
「邪魔だよ。守りを固めても、この速度ならば死角に入り込めるんだよ?」
玲が手にした“《RE》Incarnation”を横一閃で、行く手を阻む水晶屍人達をなぎ払うと手を伸ばせば届く位の距離に清明が、居る。
「もう、終わりにしようよ。ここに、求めているモノなんてないじゃないかな?」
バチバチ、と稲妻が玲の腕に集約していく――
「いいえ、あるハズですね。ま、猟兵と遊べただけでも……」
「無駄な話は、もうよそうよ」
清明の話に玲が首を振った。
これ以上、話しても無駄である事、そして彼が求めていた“モノ”は死ぬ寸前でも聞き出せないだろう。
何度も戦ってきた玲には分かる。
「おやすみなさい、そして……永遠にさようなら」
玲が《RE》Incarnationを振ると、フルチャージされた稲妻を纏った斬撃が陰陽師『安倍晴明』を喰らう。
斬撃が消え、獲物を失った雷は威力が弱くなり消滅したその跡には、髪の毛一本も残ってなかった。
「これで、本当に終わったのよね?」
あと残っている魔将軍、それに元凶である織田信長が何かしそうで不安を感じながらも猟兵達は鳥取城を後にした。
大成功
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