エンパイアウォー⑨~酷暑退散〜
魔軍将コルテスは、幕府に叛意を持つ長州藩の毛利氏を手駒にし、多くのオブリビオンを長州の各地に配置しつつ、幕府軍の迎撃準備を整えていた。
「そこら辺はアステカ帝国を滅ぼした時の手腕を存分に発揮していると言って良いでしょう。その後護衛も付けずに宮島に引っ込んだのは悪手だったと思いますが」
ルウ・アイゼルネ(マイペースな仲介役・f11945)はコルテスに対する燃え盛る殺意に溢れた猟兵達の姿を思い返して、のんびりとお茶をすすっていた。
「で、長州でコルテスが行おうとしているのは『山陽道周辺の気温を極限まで上昇させ、進軍してくる幕府軍を、熱波によって茹で殺す』という非道な作戦となります」
10日の時点で、山陽道の平均気温は夜間でも35度を超えており、コルテスの行なっている儀式は着実に成果を挙げている。
このまま放置していれば、平均気温が50度を超える殺人的な暑さとなるだろう。
「この時点で長州の農作物に大打撃が入るのは確定的なのですが、猛暑自体は対策をすれば対処は可能です。問題は第二の矢です」
コルテスの策略は熱波だけに留まらず、『南米原産の風土病』も蔓延させ、毛利氏ごと幕府軍に死をまき散らすことまで考えられていた。
致死性が高いその風土病は感染力も高く、治療に自信のある猟兵達が総出で出撃したとしても大きな被害が出ることが予想されている。
「ですが、この風土病のウィルスは寒さに非常に弱く、極度の高温でなければ死滅する種類です。……というか我々にとっての高温、恐らく30度でも死ぬだろう、と専門家さんから伝えられています」
つまり『熱波を生み出しているオブリビオン』を撃破できれば、風土病も阻止できる……ということである。
「今回皆様をお送りする場所には毛利氏の軍勢はいないことを確認しています。思う存分、全力で制圧してきてくださいませ」
平岡祐樹
立ち仕事中、久々に足が攣った平岡です。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
反旗を翻した毛利氏に家光公がどのような処置を振るうかは皆様のご想像にお任せしますが、一先ずは富士山でも使われていたという宝珠の捜索を皆様には行なっていただきます。
どうやら何十体もいるオブリビオンのうちの誰かが持っているようなので、オブリビオンごとぶっ壊してしまいましょう!
第1章 集団戦
『万能従者型・渡来の天使』
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POW : 天使の一撃
単純で重い【天使の斧】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : くるくる回る天使の輪
自身が装備する【天使の車輪】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : 兄弟の危機を見過ごせない!
自身が戦闘で瀕死になると【新たな別の渡来の天使】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
イラスト:つばき
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アーサー・ツヴァイク
※何でも歓迎、🔵過多なら不採用可
天使だろうが悪魔だろうが、コルテスに加担した奴は一匹も逃さねぇ…
霊玉は誰が持ってるか分からねぇ? 何も問題ねぇな、全員ぶっ飛ばせばいいからよ!
大型バイクのライドランに【騎乗】して敵陣のど真ん中に突撃、【サウザンド・フラッシュエッジ】による剣刃で敵の斧攻撃を防ぎつつ【範囲攻撃】を行うぜ! 二千は軽く超えるからな、一塊分はぶっ潰せるだろ。
天使だから空に逃げることもできるんか。その場合は【フルスピード・スカイドライブ】を発動して、マッハで先回りしてからぶっ飛ばすぜ。
ヒーローだからな、後ろからドーン!なんて真似はしねぇぜ? ちゃんと先回りしてからなんて、優しいよな?
上城・桂悟
熱波だけでなく病気も使っての侵略か。……まったく、胸糞悪いことをしてくれるな。犠牲が出る前に止めないと
戦闘では水・氷系の属性攻撃を高速詠唱や全力魔法も駆使して戦う。タイミングを見計らって【氷結領域】も使っていく。これで多少は涼しくなるといいんだが。もし仲間がいるなら魔法での援護射撃や誘導弾も使って支援に回る
敵の攻撃は見切りや第六感を使って回避していく。天使みたいな見た目だけど、やっていることは化け物だな。お前らの企みはここで終わらせてやる!
他の人との絡み・アドリブOK
「熱波だけでなく病気も使っての侵略か。……まったく、胸糞悪いことをしてくれるな」
あまりの暑さに頰を伝う汗をそでで拭いながら上城・桂悟(静かに佇む蒼月・f04997)は正面に陣取っている、外国から来たというミレナリィドールに似た仕組みで動いている天使たちを睨みつけた。
「犠牲が出る前に止めないと」
「天使だろうが悪魔だろうが、コルテスに加担した奴は一匹も逃さねぇ……」
気合いを入れ直した桂悟の横をアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)がバイク・ライドランに乗って一瞬で通り過ぎる。
アーサーは片手に持った携帯電話をベルトにかざしながら叫んだ。
「霊玉は誰が持ってるか分からねぇ? 何も問題ねぇな、全員ぶっ飛ばせばいいからよ!」
【Select……SLASH ACTION!】
『全部まとめて……ぶった切るぜ!!』
避けようとせず、真正面から天使たちの陣に突っ込んだバイクから何百何千にもなる光の刃が飛び、周りにいた天使たちを切り刻む。
断末魔の悲鳴があちこちから上がるが、肝心の宝玉には当たっていないらしく戦闘服越しにまとわりつく熱気はそのままである。
そんな中、苦し紛れに傷だらけになった天使は斧を振り上げてアーサーに襲いかかるが、その刃が地面に届く頃にはアーサーの姿はすでにはるか彼方に通り過ぎていた。
「天使みたいな見た目だけど、やっていることは化け物だな」
「何を言っているんだい? 僕達はここで死ぬ人達の魂をきっちりと天界へ送るんだ。立派に天使してるだろう?」
「ぬかせ、お前らの企みはここで終わらせてやる!」
天使たちを翻弄するアーサーを援護すべく桂悟は顔の前に杖の先端を持ってきて叫んだ。
『凍てつく白銀の世界をここに!』
桂悟の後ろから、蒸し暑い昼時とは思えないほどの吹雪が放たれる。
高温でも全く溶けることなく天使たちに襲いかかった吹雪は天使の羽や足を地面ごと凍らせて身動きを取れなくする。
体を凍らされて身動きが取れなくなった仲間がやられる様を見ていた後方の天使達はすぐさま空へと飛び立って桂悟の放つ吹雪を避けた。
「俺はヒーローだからな、後ろからドーン! なんて真似はしねぇぜ?」
「き、君、空飛べたのかい⁉︎」
「ちゃんと先回りしてからなんて、優しいよな?」
しかし逃げた先にはライドランに乗ったアーサーが空で待ち構えていた。天使の問いかけを完全に無視してアーサーはアクセルを全開にした。
『行くぜ、ライドラン! 大空でも宇宙でも、どこまでも飛んで行くぜえええ!!』
白い蒸気に包まれたライドランに轢かれた天使が変な体勢で地面に墜落した所を容赦なく吹き荒れる雪が包み込む。
そうしてみっともない体勢で氷漬けになった天使を桂悟が思いっ切り杖で叩くと大きな氷の塊は天使ごと砕け散った。
「兄弟の危機を見過ごせない! 助けに来たよ!」
「ありがとう兄弟! あの吹雪に触れたら動けなくなるよ!」
しかしその間にも天使たちもただ一方的にやられるだけではなく、きっちりと応援要請はしていたらしく無傷の物がぞろぞろとあちこちから集まってきていた。
「こちらも徳川軍の危機を見逃すわけにはいかないんだ。兄弟諸共壊れてもらうよ」
アーサーに轢かれた天使がすぐそばに落ちる中、桂悟は顔色一つ変えずに眼鏡の位置を直した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
レパル・リオン
暑っつい!このままじゃ確かにみんな死んじゃう!
とっとと天使怪人どもをやっつけるわよ!
さて、天使怪人は天使の車輪を沢山出して攻撃するのね!だったら、【スカイステッパー】でできるだけ空高くジャンプして、【虎狼竜・神風脚】!キックの衝撃でとにかく凄い爆発を起こして、アイツらも持ってるタマとかもまとめて粉砕するわ!
てゆーかホント、暑い…終わったら怪人やっつけたら帰っていい?いいわよね?
…あー、でもまだ戦争は続くし、がんばらなきゃ…
「暑っつい!このままじゃ確かにみんな死んじゃう!」
普段はモフモフな毛皮に包まれて暖房いらずなレパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)であったが、この猛暑では逆に足枷となっていた。
「てゆーかホント、暑い……終わったら怪人やっつけたら帰っていい?いいわよね? ……あー、でもまだ戦争は続くし、がんばらなきゃ……」
戦う前からかなりのダメージを負っているように見えるレパルに天使たちは見下したような笑みを向ける。
人形である彼らは暑さなどを感じないためだったが、その笑みはレパルの神経を逆撫でした。
「とっとと天使怪人どもをやっつけるわよ!」
そう言って空を一気に駆け上がるレパルに向けて、天使たちはトゲのついた黄色い車輪を投げる。
高速で飛んでくる車輪を踏み台代わりにしてさらに高い所へ跳んだレパルは片足を引っ込ませたライダーの必殺キックを模したポーズで落下し始めた。
『これで……アンタは、終わりよ!究極!レパル・カミカゼキィィーーック!』
勢いが増していくと同時にレパルの足が桃色の毛に覆われた狼の頭部へと変わっていく。
車輪を投げつけておけば勝手に相殺するだろうと思っていた天使たちの猛攻を次々と粉砕したレパルの足は、焦りで顔をひきつらせた天使の顔を捉える。
頭蓋のパーツを硬い牙で砕きながら、勢いそのままにレパルの足が地面につく。
その瞬間、そこを中心として起きた爆発に周りにいた天使たちの体は吹き飛ばされていった。
「さぁ、さっさと宝玉を差し出しなさい! 出さないならこいつみたいに手当たり次第粉砕するわよ!」
キックを浴びた天使の頭を粉砕した足が元の形に戻る中、レパルは口を開けっ放しにして息をしながら転がされた天使たちを睨みつけた。
成功
🔵🔵🔴
真宮・響
暑い。得物からして人の事言えないかもしれないが、流石に連日の行軍に響くだろう。熱さで殺すのも許せないが、厄介な風土病持ち込みは阻止したいねえ。この場違いな羽根付きをぶっ飛ばせばいいんだね?
流石に攻撃の直撃は避けたい。【忍び足】【目立たない】で敵の視線から逃れつつ、【残像】も使いながら敵の群れの背後に回り込み、【先制攻撃】【二回攻撃】【串刺し】【範囲攻撃】に竜牙を併せて攻撃。はっきりいってお呼びじゃないんだよ!!とっとと失せな!!
真宮・奏
確かに最近熱いですが、熱波で殺すなんてかなりえげつない事考えますね。聞きかじりの知識ですが、風土病は一度持ち込まれるとかなりの広範囲で人の命を奪うと聞きます。そんな事は断固阻止、です。
トリニティ・エンハンスで防御力を高めてから、【オーラ防御】【武器受け】【盾受け】【拠点防御】で防御態勢を整えてから瞬兄さんの援護を受けながら背後に回る響母さんとの挟撃を狙い、正面から切り込んでいきます。接近したら斧の一撃を耐え、【属性攻撃】で氷を纏わせ、【二回攻撃】【範囲攻撃】で攻撃します。
神城・瞬
熱いぞこのやろう。・・・・コホン。氷の精霊術メインの僕には現時点で死にそうな熱さです。これ以上熱くなるなんて冗談じゃありません。なんとかしましょう(完全に私情)
正面から切り込む奏の負担が大きいので、飛び交う天使の車輪の対応をしましょう。【高速詠唱】【全力魔法】【二回攻撃】で氷晶の矢で車輪との相殺を狙います。余裕があれば氷晶の矢に【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】【武器落とし】を乗せて、天使本体の弱体化も狙います。
「暑い」
「熱いぞこのやろう……」
「確かに最近熱いですが……」
転送されて早々に感じた熱気に悪態を思わずついてしまった神城・瞬(清光の月・f06558)は真宮・響(赫灼の炎・f00434)と真宮・奏(絢爛の星・f03210)に白い目で見られ、咳払いをして誤魔化そうとした。
「氷の精霊術メインの僕には現時点で死にそうな熱さです。これ以上熱くなるなんて冗談じゃありません。なんとかしましょう」
建前と私情が入り混じった言い分だったが、義理の親と妹は温かい目でそれを受け入れた。
「そうだね。得物からして人の事言えないかもしれないが、流石に連日の行軍に響くだろう」
「熱波で殺すなんてかなりえげつない事考えますね相手も。聞きかじりの知識ですが、風土病は一度持ち込まれるとかなりの広範囲で人の命を奪うと聞きます。そんな事は断固阻止、です」
「熱さで殺すのも許せないが、厄介な風土病持ち込みは阻止したいねえ」
そんなほのぼのとした雰囲気から一転して殺伐な内容へと変わった会話を交わしていた親子は、今も際限なく集まり続けている天使たちに視線を移した。
「とにかく、この場違いな羽根付きをぶっ飛ばせばいいんだね?」
「そうですね、母さん」
「そうすれば、宝珠を持っている者があぶり出されるはずです」
奏と瞬が頷いたのを見て、響は楽しそうに笑ってみせると槍を一回しして子供達に先駆けて森の中へ消えていった。
「私達も行きましょう」
「そうですね、母さん1人に格好いい真似はさせられません」
奏は自身に様々な属性の魔力を宿らせるとわざと目立つように、正面から天使たちに切り込んでいく。
正面から突っ込んできた奏に天使たちは黒い斧を握りしめて迎え撃つが、持久戦のやり方に長けた奏はそれを細い腕でしっかりと受け止め、はね返した後にカウンターの一撃を的確に当てていく。
そんな中、空から別の猟兵を襲うために投げられたと見られる車輪が落ちて来たが、奏に当たる前に氷漬けになって落ちる方向を変えた。
『さて、これを見切れますか?』
流れ弾がそれ以上来ないのを見て、瞬は奏に襲いかかる天使たちへと照準の先を変える。
次々と放たれる氷の矢は天使たちの顔に当たれば視界を眩ませ、胸に当たれば服を模した鎧を削り、斧に当たれば別の物に触れた瞬間に粉砕してしまうほど脆くする。
義兄からの心強い援護を貰った奏は剣に氷の属性を改めて付与すると、地面を踏みしめ、柄を両手で握り、その場で剣を払った。
「そ、そんな、お父さんが作ってくれた僕達の服が!」
すでに瞬の矢で脆くなっていた鎧は奏の剣に触れた途端に白く凍りついた所からポロポロと崩れていく。
どんどん自分の地肌が見えてくることに天使は嘆いていたが、その心臓を貫くように槍の刃が生えた。
「か、は?」
天使が信じられない物を見るように胸に生えた刃を見たが、次の瞬間、その視界は凄まじい速さで流れ始めた。
「悪いがはっきりいってお呼びじゃないんだよ!! とっとと失せな!!」
子供達に天使たちの視線が釘付けになっている間に後ろに回っていた響が天使を突き刺したまま槍を振り回したのである。
『この一撃は竜の牙の如く!! 喰らいな!!』
子供達の援護によってすでに脆くなっていた鎧は響が振り回す槍の一撃に耐え切れる訳がなく、まるで柔らかくなったバターのように着用主である天使ごとキレイに抵抗なく真っ二つにされていく。
そんな中、上半身と下半身をバラバラにされた天使の一体から赤い液体が中で沸騰しているかのように蠢いている球体が転がり落ちた。
「しまった、コルテス様の……」
それに気づいた天使がとっさに手を伸ばすがその体は瞬が放った矢を食らって凍りついた。
「へー、これが例の宝珠か。触っても熱くはないんだね?」
響がそれを拾い上げると周りにいた天使たちは目の色を変えて響に突進してくる。しかしその前を奏と瞬が塞いだ。
「残念ですが、母さんには指一本触れさせません!」
「おやおや、言うようになったね」
子供達の成長に目を細めつつ、響は手の中にある宝珠をまるでパフォーマーのように左手で握り壊した。
奏の剣に斬られた天使が2つの意味で絶望の表情を浮かべる中、響は槍に突き刺さったままだった天使の死体を足で踏み抜いた。
「さあ、次はアンタ達の番だ。……すぐに兄弟の後を追わせてやるよ」
大成功
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