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エンパイアウォー⑰~陰と陽を操る者~

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #安倍晴明


「なんだ、こいつは......」
 いつものグリモアベース。
 変わらない場所、変わらない椅子に座って、肆陸・ミサキ(孤独に苛まれる者・f00415)は眉間にシワを寄せて唸っていた。
「......気色が悪いな」
 と、そう言って、グリモアでの予知で感じた不快感をため息ひとつで誤魔化す。
 そうして、もう一息。
「ごめんね、説明するよ」
 集まった猟兵に言葉を作った。
 いいかな、と前置きを入れる。
「いいかな、みんな。みんなの活躍で、敵の一人、安倍晴明の場所を掴んだ。決戦の地は、鳥取城」
 そこに奴がいる。
 だが、わかっているのは、その場所だけだ。
「僕に解ったのは場所と、敵の使う技、それから......鳥取城の中が、気色の悪い気配で満ちてるって事だけだ」
 現地に行っていないのに感じる悪寒は、ともすれば恐怖とも言える。
 まるで......そう、まるで。
「まるで、目に見えない幽霊に溢れかえって、悪意の視線を向けられているような......」
 害は、恐らく無い。
 だがそういう存在を、晴明の技が活性化させることはあるかもしれなかった。
「戦国の時代からある城だ。そこにはきっと、僕たちの知らない歴史の傷跡がある」
 グリモアを取りだし、繋いだその先。
 綺麗に整備された、鳥取城の開け放たれた門へと通じている。
 行けば、そのまま敵の所へ辿り着けるだろう。
「恐ろしい気配はするのに、晴明の気迫は薄い。僕にはそれが、怖く感じるよ」
 だから。
「だからみんな、気を付けて」
 そう言って、繋がった道へと、ミサキは先導した。


ぴょんぴょん跳び鯉丸
 陰陽師『安倍晴明』は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。

 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 と、そういういつもの感じで。
 よろしくお願いします。
101




第1章 ボス戦 『陰陽師『安倍晴明』』

POW   :    双神殺
【どちらか片方のチェーンソー剣】が命中した対象に対し、高威力高命中の【呪詛を籠めたもう一方のチェーンソー剣】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    水晶屍人の召喚
レベル×1体の、【両肩の水晶】に1と刻印された戦闘用【水晶屍人】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    五芒業蝕符
【五芒符(セーマン印)】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を斬り裂き業(カルマ)の怨霊を溢れさせ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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月山・カムイ
その顔見てると、早めに叩き潰しておきたい衝動に駆られますね
台所の隅を這うゴキブリを見かけた気分ですよ
つまり何を言いたいかと言うと……骸の海にすら戻らず、滅べ

転移してひと目見た後忌々しそうに呟き抜刀
双神殺の一撃目を絶影で受け止めた瞬間にブラッド・ガイストを発動
二撃目が来る前に殺戮捕食態と化した絶影で、受けたチェーンソー剣ごと晴明の腕に喰らいつき、食い千切る

如何に高威力で高命中であろうとも、片腕に喰らいつかれた状態では最大威力を出すことは不可能な筈
それに呪詛には多少なりとも耐性はある
こちらへ二撃目を叩き込まれようとも、最低でも片腕かチェーンソー剣だけでも食いちぎり、次の猟兵の攻撃へ繋げてみせよう


アンノット・リアルハート
如何にも搦め手が得意そうな相手ね……だったらここはあえて正面から行きましょう

相手の攻撃に対しては【カウンター】と【武器落とし】で対抗
刃に触れたら追撃が来るから【スナイパー】で相手の腕に【ノイギーア】を叩き付ける形で攻撃を弾き、衝撃で相手が武器を手放すことを狙います
武器を落とすまでいかなくても、相手の攻撃を弾くことができたら【継承のリボン】で相手を拘束し少しでも動けないよう【時間稼ぎ】をして、ユーベルコードを発動
相手の両腕を掴んで、勢いよく地面に叩き付ける!
どれだけやればいいかはわからないから、相手の拘束が解けるまでとにかく振り回して色んな場所に叩き付けます



 降り立った瞬間、腹から這い出てくる様な気持ち悪さを、カムイは感じた。
「なんでしょうね」
 言葉にするなら、何が適切だろうか、と、苦々しい表情で思いながら、彼は小太刀を抜く。
「その顔……台所の隅を這うゴキブリを見かけた気分になりますよ。早々に叩き潰してやらねばと、そういう衝動に駆られます」
 陰陽師、安倍晴明。
 目の前の敵へ向ける嫌悪は相当のモノで、しかしその根はわからない。
 わからないが、つもるところ。
「骸の海にすら戻らず、ここで滅べ」
 殺意があった。
「初見で嫌われたものです、ああ、悲しいですね」
 そんな激情と言葉をぶつけられても、晴明は静かだった。
 全く悲しそうではない顔で、全く気配も無く、おもむろに、唐突に、
「──!」
 左のチェーンソーが振り下ろされた。
 高速回転するノコギリ刃が音を立てて迫る。
 カムイは、その刃に切っ先を差し込む様に、小太刀を構えた。
「受ける……っ」
 チェーンソーに対して鋭角に、斜めへと角度をつけた刃を向け、峰に手を添え、受ける。
 その刹那に、カムイは武器に秘めた力を解き放った。
「おや、いけませんね」
 刃が変態する。
 穏やかな流線だったその形が、まるで牙を剥き出す様になって、チェーンソーの刃を、いやそのまま晴明の腕へと歯を立てた。
「喰らい付く!」
 手応えがある。
 捕食形態となった刀の先に、敵の腕へ食い込んだ感触だ。
 例え、次の一手をこの身に受けたとしても、この腕だけは貰っていく。
 その覚悟を持って、しかし涼しい顔を崩さない晴明は一息。
「ではその様に」
 振り上げた右のチェーンソーで、刀を握ったカムイの手首へぶつけた。
「ッ!」
 肉が弾けた。
 まだ断たれてはいない。
 そんな感覚を、カムイは感じた。
 痛みには耐性がある。流し込まれる呪詛にもだ。
 しかし、もし。
 手首を落とされたら。
「ぐぉ……!」
 チェーンソーが、骨に達した。
 ぎゃりぎゃりという削りの不快な音が、震動となって体内を伝わり、直にその経過を伝えてくる。
「ああ、落ちてしまいますよ。その手、ズタズタになって、ね」
「貴様!」
 どれだけのダメージを負っても耐える決意はあったが、力を伝える手段がそのまま切り落とされれば意味はない。
 ……無念です。
 片腕だけでも食い千切る目的は果たせそうに無い。
 だからカムイは、その狙いを捨てて、
「だから、繋げる目的に、専念するとしましょう」
「なにを──」
 喰った刃を、自分の体ごと下へ引っ張る。
 そうして、晴明が怪訝な表情を見せた顔へ、ぶちこまれるモノを見届けた。


 アンノットは突撃した。
 目の前、晴明と対峙したカムイは、手を失うかどうかという刹那の瞬間。
「今がチャンス!」
 如何にも搦め手が得意そうな相手だ。
 思考の間を挟ませないように、カムイに注視している今だからこそ、彼女は真正面から最速の接近を行った。
「なにを」
 目があった。
 カムイからこちらへ、意識を向けた瞬間だ。
 だが既にアンノットは地面を蹴っていて、独楽の様に回した体から遠心力を乗せた槍の振り回しを済ませている。
 だから、
「はぁ!」
 自分を見る敵の顔面へ、穂先をぶちこんだ。
 大きく仰け反り、上体から地面へ倒れる様な動きを見せる晴明だが、アンノットの手に返ってきた感触は不自然なものだった。
「手応えが緩い……」
 何故か。
 疑問の視線を向けた彼女の視界、傷一つ無い顔でこちらを笑う敵がいる。
「自分で体を反ったのね!?」
 答えはチェーンソーとなって返ってきた。
 振り抜いた姿勢へ叩き込まれる一撃を、アンノットはオーラの機能で防御する。
 防いで、弾かれ、一度転がり立ち上がる、そこへ。
「刻んで差し上げよう」
 大きく体を捻った、横薙ぎの追撃が来る。
「お断りよ……!」
 それを、彼女は見る。
 踏み込んで来た足の動きを見て、捻りから元に戻る動きを見て、その手に握られたチェーンソーを見る。
「穿って、ノイギーア!」
 狙ったのは、その持ち手の肘だ。
 突き刺す様に放つ槍の穂先はそこに叩き込まれ、反発するような衝撃を武器に与える。
「おや」
 弾いた。
 勢いの強さはそのまま、衝撃の力となって、晴明の腕を不自然に踊らせる。
「まだ」
 畳み掛けに行く。
 放って操るリボンを、両腕の間を通してから外側へ。
 回すように片腕を一週し、再度間を通してから逆の腕にも同じ事をする。
「まだ!」
 8を描いたそれを、強く引いて絞め、腕を拘束した。
 そうして、動きを止めた一瞬に、アンノットは晴明の腕を掴んで、
「──!」
 全力で地面に叩き付けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

彩瑠・理恵
リエが昂っていますが私も両親の血を継ぐ者として彼を放置できないと感じますね

水晶屍人が召喚され襲い掛かると同時に両手にスレイヤーカードとダークネスカードを持って【オルタナティブ・ダブル】です
私は武蔵坂制服で殲術道具バベルブレイカーを持ちます
ボクは朱雀門制服で鮮血槍と鮮血の影業を扱うわ

攻撃の瞬間に2人に増えることで攻撃対象を分散させ
背中合わせで戦うことで多数相手でも隙を減らして対処しながら戦うわ

ある程度数を減らしたら2人で晴明に向かって突撃します

私は猟兵……いえ灼滅者、彩瑠理恵です。安倍晴明、あなたを灼滅します!
ボクは六六六人集番外位リエよ。ハハッ!白の王セイメイ!慄け咎人、今宵はお前が串刺しよ!



「昂っていますね」
 目の前の敵へ、内にいるリエの感情が溢れていると、理恵は思った。
 不思議と自分も、継ぐ者として、彼を放置してはならないという、謎の想いがある。
「行こう」
 だから戦おう。
 想いを胸に、彼女らは進む。
「乱暴な方の多いこと、貴女もその一人のご様子で」
 晴明は、憂いの息を吐きながら、その様子に大量の水晶兵を呼び出して、
「困りましたねぇ」
 理恵へと殺到させた。
「前者は合ってるかもしれないですが、後者は違います」
 高揚している。
 左右の手に握られた色違いのカードに力を込めて、彼女らは思う。
「少しだけですが」
「テンション高めよ!」

 理恵とリエの二人に分かれた少女は、異なる制服を身に纏い、背中合わせで多量の敵と戦った。
 多勢に無勢の戦況ではあるが、一体ずつ仕留めるならば対抗できる。
 そう示す様に、パイルバンカーを捩じ込んだ水晶兵へ杭を打設し破壊して、鮮血の槍を叩き付けて頭部からカチ割り、二人はその数を減らして行く。
「行ける……」
「行くわよ!」
 破壊し、お互いをカバーして、確実に一つ一つを潰す戦略で道を拓いた。
 その先にいる、晴明へと辿り着くために。
 そして。
「私は猟兵……いえ、灼滅者、彩瑠理恵です。安倍晴明……貴方を灼滅します!」
「ボクは六六六人衆番外位リエよ。ハハッ! 白の王セイメイ!慄け咎人、今宵はお前が串刺しよ!」
 程好い数を蹴散らした二人の突撃が始まった。
「なにやら聞き慣れない単語が出ていますね、私が王ですか、なるほど」
 その様子を、顎を撫でた晴明が見る。
 なるほど、と二度目の言葉を作り、薄ら笑いを浮かべて、一息。
「しかし貴女方、こちらに来るなら、全部潰してからがよろしかったのに」
 残りの水晶兵を合体させて、強力な個体としたそれを差し向けた。
「残念ですねぇ」
 一体ずつなら倒せたのに、と。
 嗤う様に晴明は言い、そして命じる。
「潰しておあげなさい」
「マズ──」
 水晶兵の打ち出した拳が、二人の少女にぶちこまれた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アウル・トールフォレスト
(※好きにお任せします)

たくさんの人たちに見られてる…?
まあいいや、わたし慣れてるもの
気にしたって変わらないもの。だったら手早く済ませちゃおう!

先制対策に使うのは、わたしの『聖痕右腕』。目一杯の破魔属性を乗せて、相手の攻撃の魔力を霧散させて防御するよ(破魔、属性攻撃、オーラ防御、衝撃波)

反撃は【祝福・怪物領域】(範囲攻撃)
地形の情報を『高き森』で上書きして、その上で爪を振るったりして戦うよ!『刻印左腕』で返り血を吸って、体力も回復できたらいいな(怪力、吸血、生命力吸収)

…痛いのはイヤだけど、
傷を確実に与えるまでは、わたし、退かないよ
お腹が空くのは、悲しいもの。あなたがやったのはそれでしょう?



 見られていると思った。
 視線だ。
 姿は見えないけれど気配はあって、それがあちらこちらに存在している、そんな感じだった。
「まあいいや」
 アウルはそんな感覚を知っている。
 いや、慣れていると言う方が正しい。
 気にしたところで自分に害があるわけではなく、まして益の有ることでもないと、そう知っている。
 だから。
「手早く済ませちゃお?」
「いい考えです」
 即座に戦闘行動へ移る。
 先に動くのは晴明だ。
 晴明が操る五芒星の陣が、面となって現れ、そして撃ち出される。
「わたしの、目一杯で……!」
 それを、アウルは右腕で防ぐ事を選んだ。
 大きく開いた手のひらが五芒星にぶつかって、瞬間、辺りを切り裂く怨霊の業が弾ける。
「……だいじょぶ!」
 手から肘までの裂傷。それに、溢れた怨霊はその場に滞留しているのが見える。
 だけど、大丈夫。
 確かめる様に開いた手を握り、振り払いながら腕を戻して、大きく息を吸い込んだ。
 腹を膨らませて、肺が張る程に空気を取り込み、一拍。
「──ふぅーーーっ」
 お返しの息吹を放った。
 多量の水分を含んだそれは霧を発生させて、怨霊を押し出す様に晴明へ到達する。
「これはこれは、神秘ですね?」
 それは容易く防がれ弾けるが、同時にその通り道を繁らせた。
「そう、わたしの住み処、高き森だよ!」
 行く。
 怨霊で上書きされた範囲をさらに上書きして、左手の爪を尖らせて駆けた。
「おっと……!」
 構えたチェーンソーに、爪がぶつかる。
 ぎゃりぎゃりと駆動する刃に爪は割れ、肉の削れが起こるが、アウルは引かずに一歩を踏み込んだ。
「退かないよ……!」
 押す様に、もう一歩を行く。
「痛いのは、イヤだけど、でも!」
 更に、また、一歩。
 押して、押して、チェーンソーを押して刃を晴明に押し付けて、
「退かない!」
 だめ押しの殴り付けをぶちこんだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

雨宮・いつき
京の守護者として名高い陰陽師が何故このような事を…
いえ、そもそもあれは僕が知っている安倍晴明なのでしょうか…?
…何にせよ、人の世に仇成すなら討つまでです

氷の障壁を冷撃符の【高速詠唱】で形成し、五芒符を受け止めます
続け様に【高速詠唱】で九頭龍様を室内に顕現できる大きさで召喚
【破魔】の力を籠めた神酒の霧を散布させ、溢れる怨霊を浄化し弱めつつ、水の刃を敵に放ちます
攻撃を当てながら、浄化しきっていない亀裂へ追い立てて下さい
亀裂に立ち力を強めようとした所で、九頭龍様の猛攻で気を引いている間に亀裂の中へ複数飛ばしておいた雷撃符から雷の刃を【全力魔法】で突き上げさせ、
水の刃と共に斬り伏せます!



「──!」
 最速の五芒星が眼前に迫った。
 腰を後ろへ退りながら落とし、地面を蹴って飛ぶことで距離を稼いだいつきは、懐から引っ張り出した符を乱雑にぶん投げる。
「お守りください……!」
 そうして言葉にした願いに応え、符は自然と壁の並びになって、瞬間、凍結する盾となった。
「なんと禍々しい……!」
 ぶつかり合う五芒星と氷盾は互いに砕けて、しかし飛び散る星の煌めきはどす黒い怨霊の叫びだ。
 いつきの周囲のみならず、空間を覆うほどの穢れがそこに満ちた。
「安倍晴明……!」
 いつきは柏手を鳴らす。
 見る先、薄ら笑みの男の名は、かつて京の都を守護した名高い者の名だ。
 その誉れと成した偉業は語り継がれていて、いつき自身も陰陽道に通じる者としての知見がある。
 それが、何故、このような事をするのだろうか。
「参りませ、九頭竜大明神!」
 考えは纏まらないまま、九つの頭を持つ龍神を呼び出した。
「浄化致します!」
 それぞれの頭部、口から放った清めの神酒が散布され、ひしめく怨霊を浄化していく。
 ただし、清めるのは全体ではない。
 わざと一部分だけを残し、そうすることで、晴明がそこを拠点とするのを誘導するつもりだ。
「なるほどなるほど、これは素晴らしい」
 だが、狙いに反して、晴明は緩やかな歩みをするだけだ。
 それならばと、九頭竜は一息を溜め、鋭く吐き出した水流の刃で敵を撃った。
「では、調伏しましょう」
 それを、晴明はジャンプして回避する。
 そのまま水を登る様な軌道で進み、振り上げたチェーンソーで龍神の首を削り落とす。
「この力は……」
 容易く行われたが、普通、ここまでスムーズに為されるだろうか。
 反撃の水刃を残りの首で放ちながら、いつきは思う。
 そもそも……そう、あれは本当に、名を残した安倍晴明その人だろうか。
 疑問と疑念は尽きないし、考えた所で答えは無いのだろうが、しかし。
「いえ。いいえ。何れにせよ、人の世に仇成しているのは事実なれば!」
 考えを振り切って、いつきは放つ。
 狙いは、首を落として回る敵、安倍晴明。その、足元。
「叩き付けます、雷の刃を!」
 忍ばせ飛ばした符から放つ、電撃を固めて固体化した剣を突き出させる。
「斬り伏せ、貴方を討ちます!」
 そして同時に、龍の息吹が横から放たれた。
「ほう、これは……中々……っ」
 五芒星の障壁がそれらを防いだ瞬間、強い衝撃に、晴明は大きく吹き飛ばされた。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

琶咲・真琴
…………何を、したのですか
ここにいる人(幽霊)たちに、一体何をしたんですかっ!?

死んだ人で、どこまで遊べば気が済むんだ、テメェはっ!
絶対に許さねえからな!


清明の先制攻撃には
存在感を迷彩で目立たなくし
逃げ足・ダッシュ・第六感・野生の勘・援護射撃を駆使して避ける


負けるわけにはいかねぇ(勇気・覚悟・気合い
彩色演舞で俺の白炎を喰らいやがれ!(全力魔法・高速詠唱・クイックドロウ・一斉発射

アンタがこの地形を変えるなら
更に塗り替えてやるまでだ
破魔の力を溜めた弾をフェイント・誘導弾・スナイパーで狙撃

外れた弾やfamilia pupaの光線は
怨霊が溢れ出た地形に当てて破魔の力で浄化させる



アドリブ・連携大歓迎



「……何を、したのですか」
 真琴の進む道には、何もなかった。
 視線の先には晴明の姿が在って、周りは戦いの余波に砕けて壊れた痕跡が残ってはいるが、見ただけならばそれだけだ。
 だが、真琴の眼には違った景色が見えていて、多大な負の感情を視界に視る。
「ここにいる"人"たちに、一体、なにをしたんですか!」
 詰問の言葉には怒気がある。
 だが、それを向けられた晴明は変わらずに涼しい顔で、ああ、と緩やかな吐息を吐いてから答えを言った。
「あなた、見える方のようで。いえしかし、私はなにもしてはおりませんよ。ここにあるのは、ただ苦しみもがいて、生きたかったと願いながら死んだ怨念があるだけ」
 戦国の世にあった事だ。
 それが、晴明自身の仕業や原因というわけではない。
 ただ、
「まあ、この中にある自分の有利を、強める為に利用しているのは、ええ、確かですけれどね?」
 道具としての利用価値があるから手元に置いた。
 それだけの話なのだと、そう語った晴明は前触れも見せずに手を翳して、宙に描く五芒星の光を放つ。
「……ッ」
 速い。
 回避の行動として右へダッシュをしながら、真琴は事実を認識する。
 回避成功までの距離と、五芒星の速度ならば、それは相手の方が速い。
「それなら……」
 一瞬でいい。
 押し止めるだけの力を加えてやれば、こちらが勝る。
 そう思い、だから真琴は二つで一つの人形を動かして、繋いだ手にエナジーの充足を与えた。
「撃って!」
 一拍を空けて、言葉の通りにそれは起きる。
 小さな人形達が翳した手の平から、強いサイキックエナジーを放出し、晴明の五芒星を押し止め、
「間に、合う……!」
 飛び込む様にして転がった真琴の後ろを通過していった。
 壁にぶつかり、溢れる怨霊が辺りに散らばって浮遊する。
「テメェは──」
「はい?」
 まただ。
 こいつはまた、今は亡い魂を使って攻撃を仕掛けてきた。
「死んだ人で、どこまで遊べば気が済むんだテメェは!」
「おやおや怖い、そちらが素ですか? それとも二重人格で?」
 真琴の怒りに、晴明は嘆息する。
 やれやれと肩を竦め、いいですかねぇ、と前置きを入れて、
「遊んでなどいません。使えるから使っているだけです。死んだ者の使い方など、それ位でしょう?」
「っ、人はテメェに使われる為に死んだんじゃないんだよ! 絶対、許さねぇ……!」
 語る言葉に真琴はキレた。
 背後に五種相反の陣を表して、それぞれに魔力弾を形成させる。
「アンタが人を使ってこの地を変えるなら、それを更に塗り替えてやる!」
 それは、配した位置で色を変えた特殊な塗料の混ざり物。
 真琴が彩る、200以上の破魔の弾丸だ。
「これは……陰陽五行の……っ」
 相生で破魔を強め、相剋により晴明を弱める。
 そういう射撃を高速で済ませ、憤りのまま、
「白炎を、喰らいやがれ!」
 渾身の一撃で晴明を貫いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

御伽・柳
本気で飽きているのならば、大人しく骸の海の一部になって思考を止めていればよかったんだ
まあ、骸の海に戻りたくないと言うならば叩き返します
それが俺たちの仕事なので

チェーンソーはちょっと怖いな……ですが、凡人の俺にはこれしかない
<見切り>ます、その動き
ですがどうせ避けきれないでしょう、まあ<激痛耐性>はある方なんですよ
かの有名な陰陽師だ、呪術が無いなんて事はないでしょう
そちらも<呪詛耐性>が多少なりはありますので
片腕だけでも動かせれば、至近距離でUCのトリガーになる<Aschenputtel>を叩き込むための余力があればそれで十分だ
絶対に外さない、その為なら腕や足ぐらい、いくらでも犠牲にしてやる



「何か、変わるやもと、期待が無かったと言えば嘘となりましょう」
 佇む場所で、天を仰ぐ様に見上げて晴明は言う。
「本気で飽きているのならば、大人しく骸の海の一部となって、思考を止めていればよかったんだ」
 その前に立つ柳は、ずらしたマフラーから口を出して息を吐き、再度隠す様に鼻上までそれをあげる。
「いえいえ、それでも試さずにはいられないのが性と言うものでありましょう? まだ、ね」
「そうか。まあ、戻りたくないと言うなら仕方がない。俺たちの仕事として骸の海に──」
 叩き返す。
 続けた瞬間に、柳を両断するようにチェーンソーが振り下ろされた。
「ぉ……ッ」
 見切れる。
 半身を引く様にして身を捩り、目の前を落ちていく刃を見送り、回避の確信を柳は得た。
 だが、チェーンソーはピタリと途中で止まり、クルリと90度回って、
「っう!」
 柳の腹を捌いた。
「ああこれは、申し訳ない」
 浅くはない傷だ。
 だが、内臓までは届いて無い。
「もっとぐちゃぐちゃに掻き回して上げなければね」
 だから晴明は、追撃のチェーンソーを柳の胸元へ突き入れた。
「それは、困りますね……」
「ほう」
 いや、届いていない。
 腕を盾に差し込んで、無理矢理に食い止めている。
「痛いでしょう。苦しいでしょう。例え防いでもこの刃、容易く骨を削ぎ貫くでしょう」
「確かに……」
 駆動する回転刃が、肉を挽き骨を削って、腕の半分以上を断ち切っていた。
「数瞬後には、腕が千切れてチェーンソーは俺の内側を掻き乱すでしょうけど」
 問題はある。が。支障はない。
 痛みへの耐性はあるし、腕は使えなくても足はあるのだ。
 だから柳は持ち上げた足を晴明の腹に当て、距離を空ける為に押す。
「無駄な足掻き……文字通りですね。これで私の攻撃から逃れられるとでも?」
「ああ、思っていないさ。逃げる為じゃないからな」
 ……一撃だ。
 必要なのは、それをするための余力とタイミング。
「俺があんたを押すのは、その方が丁度いいからだ」
 その為に、柳は足を押して、盾にした腕と逆の手を晴明に向ける。
 手に握った"お守り"に指を掛けて、装填したシルバーブレットを晴明の胸に当て、
「一撃の為なら、片腕くらいくれてやる。だから……喰らえ」
 ぶちこんだ。
「っはは、なるほど、この程度を──」
 ぶちこむと、柳の体から吹き出た魔力が、可視化出来るほどの密度を持った雷光に変じて、それが狼の様な形を取る。
「そう、この程度だ……!」
 雷狼は、咆哮の口を開けて、晴明の肩から胸へと噛み付いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒城・魅夜
あなたの興趣にもその気晴らしにも、付き合う気は毛ほどもありません。
存在に倦み飽いたというのなら、その苦痛を抱いたまま永遠に骸の海に沈んでおいでなさい。

早業・範囲攻撃・見切り・スナイパーで鎖を舞わせ、屍人たちの水晶を撃ち砕きます。
合体の鍵たる水晶を破壊されたならただの屍。
それでも油断できない攻撃を仕掛けてくるでしょうが、残像と激痛耐性・覚悟で凌ぎます。

ふふ、むしろ受けた傷は好都合。
その傷から血を噴き出して霧と為し、姿を隠しつつ高速移動で晴明への間合いを詰め
五感の低下したあなたを体内から引き裂く鎖でとどめとさせてもらいましょう。

……あなたこそ退屈でしたよ、自ら未来を捨てたつまらぬ者よ。



 行く。
 周りを取り囲む水晶兵の攻撃に、回避行動を取りながら手にした鎖を足元へはわせる様に投げながら、魅夜は晴明への距離を詰めていく。
「この身、もう保ちませんか」
 相手は気怠い様子だ。
 何を考えているのかはわからないが、終始その態度は覇気の無い、そう、ただ行っているだけというスタンスに見えて。
「存在に倦み飽いたというなら、その苦痛を抱いたまま、永遠に骸の海に沈んでおいでなさい」
 謎の存在だと思いながら、魅夜は辺りへ這わせた鎖の根本を握り、思い切り引っ張った。
 鎖のあちこちへつけた鈎が水晶兵に引っ掛かり、引かれる勢いにさらわれて転倒していく。
「これは失礼」
 だが折り重なったその兵達は、解け合うように混ざり在って一つになり、再度魅夜へとその巨体で突撃を行っていく。
「まだ消えるまでは猶予もありましょう?」
 透き通る両腕は鋭く尖っていて、晴明の意のままに動く巨体は薙ぎ払いの拳を打ち込んだ。
「見た目と違って、俊敏ですね……っ」
 魅夜は伏せる。
 寝そべる様に両手足を投げ出してやりすごし、そこへ振り下ろされる逆の拳は跳んで避けた。
 その過程に、二度、三度と振り回した鎖で水晶兵の体を貫いて、
「でも、お生憎様。それじゃ捕まらな──」
 瞬時に塞がる体に鎖が固定された。
 強いテンションの掛かったそれを、水晶兵は腕で巻き取り魅夜を引き寄せ、袈裟にした手刀で体を切り裂いた。
「残念、捕まえてしまいました。もう少し遊べるかとも思いましたが、ええ、本当に残念で」
 吹き出る鮮血は赤い。
 飛び散る飛沫が水晶兵にかかり、晴明の足元にまで届いて、ふと、疑問が浮かんだ。
 今晴明は、水晶兵の背を見ている。
 魅夜はその兵の向こうに居て、遮蔽物があるのにこちらへ届くほどの返り血の勢いはなんだろうかと。
「悪いのだけれど、あなたの興趣にもその気晴らしにも、付き合う気は毛ほどもありませんので」
 思って、聞こえる声と同時。
「──」
 目の前の水晶兵の体から、鎖が弾けた。
 金属が擦れ合う様な嫌な音を立て、引き裂き暴れて砕いていく。
「──?」
 晴明の耳に、音が届く。
 不明瞭で、くぐもった様な、聞き取り辛い音だ。
「……いや、違う、これは」
 聴覚がおかしいと気付いた。
 視界もどこかぼやけていて、握っているはずのチェーンソーも何故か判然としない。
 何より、違和感を覚えた腹部から生えた鎖は、痛みを伴わない。
「ふ……そういうことですか」
 機能しない五感の中、自身の消失する感覚だけは判っていて、
「あなたは退屈でしたよ、自ら未来を捨てたつまらぬ者よ」
 吐き捨てられた言葉は、動く口の形で理解し、安倍晴明は変わらない薄ら笑いのままに消えた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月17日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト