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森の迷宮を踏破し、ゴーレムを撃破せよ!

#アルダワ魔法学園

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「ダンジョン攻略、って言うと、なんだかわくわくしませんか?」
 そういう切り出したのはアックス&ウィザーズ出身のファータ・カンタータ(遥か彼方の花びら・f02060)。
 冒険者がいる彼女の世界ではそういったことも頻繁に行われているのだろうか。しかし、今回行く世界はそこではなく、“アルダワ魔法学園”である。
「あ、今回は予知が割と先の方まで見えたので、詳しくお話できそうです。」
 彼女の話の概要はこうだ。
 どうやら迷宮の奥に巨大なゴーレムのオブリビオンが出現したらしい。到底学園の生徒達が敵う相手ではなく、猟兵の力が求められるとのことだ。
「問題は、そのゴーレムの場所なのですが……。」
 迷宮と呼ばれる場所だ。さすがに一本道の先にいるわけではないだろう。ゴーレムにたどり着くには、大きくわけて二つの迷宮区画……ファータの言うダンジョンを踏破する必要がある。
 一つ目のダンジョンは、呼称するなら森林ダンジョンだろう。地下迷宮に何故か沢山の木々が立ち並び、行く手を阻むらしい。
「なんだか、生き物の気配はするのですけれど動物や虫さえいなくて、まっすぐ進んでいるはずなのにいつの間にか来た道に戻っているような場所でした。『方角を示すもの』や『道標』なんかがあるといいかもしれません。そこのダンジョン内部は殺気がそこまで感じられませんでしたが念の為、攻撃の用意なんかもしておいてくださいね。」
 あと、風は吹いていないはずなのに妙に木々がわさわさなってたような……と彼女は溢している。

「そこを抜けて現れる二番目のダンジョンは、巨大なダンジョンです!」
 ファータの言葉に猟兵達は首を傾げた。元々迷宮アルダワ自体は巨大だろう。言葉が伝わらなかったことに気付いたファータは、わたわたと捕捉をし始める。
「え、えっとですね。まるで私達が小さくなったかのような、すっごく大きなダンジョンなんです。例えるなら……そう、皆さんが普通に見えたり使ったりするものが、妖精の私には大きかったりするんですけど、そうやって、まるで皆さんが私サイズになってしまったかのようなダンジョンなんです。」
 つまり、周りの物がすべて巨大になっているダンジョンか。内部の詳細は開けた森の中で、若干の山道。それとキノコが沢山生えてる場所らしい。
 ちなみにキノコの他にも、フキなどの野草や花々なんかが生えている。言わずもがな、ほとんどが身長の三倍以上あるくらい大きい。もちろん妖精等の小さな種族も更に小さくなっているらしい。
 出口近くには水たまり――猟兵から見れば巨大な湖もあって、どう渡るかは各自工夫して欲しいとのことだ。
「それと、皆さん身体能力が高いので、ある程度の障害は大丈夫だと思いますが……。」
 その森の中には、野生の生き物風の小型魔法生物が住み着いてるらしい。
「小鳥だったり、蝶々だったりはまだ害はないかもしれませんね。問題はヘビ、肉食の蜂、アリとかでしょうか……。戦ってもなんとか倒せるかもしれませんが、うっかりご飯にならないようにしてください……。見つからないように立ち振る舞うのもいいかもしれませんね。」
 ファータは似たような経験があるのか遠い目をする。
「……失礼しました。とにかく、そこを抜けたら、あとはゴーレムを倒すだけですので!」
 ゴーレムが一番大変なような気がするのだが、道中も油断してれば痛い目を見ることは間違いないだろう。
 猟兵達は各々準備を進めると、ファータの開いたゲートに入っていくのだった。


苗木 葉菜
 はじめまして。あるいはこんにちは! 苗木と申します。
 今回が二本目のシナリオとなります。戦闘少なめのダンジョン攻略です。
 知恵を絞ったり、工夫したりしてお子様達を冒険させてみてください!

 戦闘少なめと言いましたが、戦闘しなくてもなんとかなる場面が多い、というだけで、ご希望であれば戦闘で切り抜けることもある程度は可能です。
 今回は一人ずつの描写が多くなりそうな気もします。協力プレイをご希望の方はそれっぽい記述をお願いします。困ってる子がいたら適宜協力プレイにしがちです。
 道具の持ち込みもありです。アイテム欄になくてもホームセンターにある小型程度のものならご自由に。
 ヤバそうなモノだったらマスタリングさせていただきますのでご了承の上いろいろやってみてください。
 一章はどんな感じなのか明記はしません。OPや序章を見てどう進んでいくか判断してみてください。
 二章はなんとなく引っこ抜かれて貴方に従うあの作品の世界をイメージすると行動しやすいかなって思います。生物たちを味方につけるのもありかもしれません。
 こんな世界に降り立ったら、お子様はどんなことを考えるだろう、どんな風に行動するだろう?と考えながらプレイングを書いていただければ!

 長々とすみません。以上です。
 それではお子様がどのように冒険するかを楽しみに、プレイングお待ちしております!
 もちろんゴーレム戦闘も頑張りますよ!
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第1章 冒険 『森林迷宮』

POW   :    森の中を体力勝負で進む。植物を切り拓き、災魔が出れば排除する。力押しで乗り切ろう。

SPD   :    森の中を素早く駆け抜ける。ちんたらしていたら、危険は増すばかり。速いに越したことはない。

WIZ   :    森の中を知識を活かして進め。どんな危険が、どんな障害がありえるのか。事前に分かれば、対応できる。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


アルダワ迷宮内部の一角にて。
 そこは奇妙な木が生えていた。
 普通木というのは、互いの養分を奪わないためある程度離れて生えているものである。
 それがこのダンジョンの木というのは、人が通れる隙間がないほどにびっしり密集して生えているのだ。
 その木はまるでなにかを誘導するかのように立ち並び、蛇行して道を作っているように見えた。
 地面はまるで掘り返されたかのように、もこもこと柔らかい。足場がいいとはいえないだろう。
 風はないはずなのに奥の方でわさわさ、わさわさ、と木々が蠢いているのがわかる。
 蠢いているのに、動物の気配は、ない。歪な森だった。
 入り口の近くには、掘り返されてない土に小さな花が咲いている。
 その花はまるで生き物のように、侵入者を見てクスクス笑った。
 花の厭らしい笑みを聞きながら、猟兵達はダンジョンに足を踏み入れる――
アリア・ヴェルフォード
「真っ直ぐ進むにはどうするか!そう!常に同じ方向を歩ければいいんです!」

探索方法【POW】
木をユーベルコード【剣刃一閃】で伐採(斬り倒し)しながら進んでいく
伐採の都度、年輪を確認して方角を確認して方向を決定
何かでてきても一閃して切り抜けていきます
そしてとにかく口数が多いです(アドリブ歓迎)

「切り株の年輪の幅で方角が分かると聞きましたからね!これで同じ方向に進めるはず!」
「よし…次はこっちですね!あれ?こっちは来た道?…もう一本倒してみましょうか!」
「あれ?今木じゃない物を斬ったような…」

※必ずしも年輪で方角は分からないらしいですね…
はたして彼女は体力が尽きる前に偶然でも辿り着けるのか…



●アリアの場合
 真っ直ぐ進むには、どうするか。
「答えは簡単! そう!! 常に同じ方向を進めばいいんです!!」
 そう豪語するのはアリア・ヴェルフォード(謎の剣士X・f10811)。
 彼女はアホ毛をぴょこんと揺らしながら「いざ、突撃!」と光と闇、二本の剣を構えその森に突撃する。
 森の道はカーブになっているが、そんなことはお構いなしだった。
 コーナー部分の木に狙いを据えると、ふかふかの土をぐっと踏み込む。
「喰らえ! “剣刃一閃”!!」
 アリアのユーベルコードが決まり、木には一筋の線が入った。その線はやがて辺と辺が離れていき、片方はずぅんという音を立てていなくなる。
 見事伐採された木。方向を確かめるためにその年輪を確認しようと覗き込むアリアだったが、彼女は目の前の光景に目を見開いた。
「あ、あれ……っ? 年輪が、ない……?」
 アリアの言う通り、年輪が見当たらず、まるでのっぺりとした一色の茶色がそこにあるだけだった。
「そういえば、切った時の感触も木らしくなかったような……。」
 そう言って切り口を見て考え込んでいた時。
 わさわさっ、わささっ!と周りの木がざわめく。情報の通り風はない。
 上を見れば、枝自身がゆらゆらと忙しく動いているのがわかった。
 しかしその動く様はぐにょんぐにょんとしなっていて、木の枝が揺れるそれではない。
「な、なな、な、なんですかこれぇえ!?」
 その気味悪い動きにぞっとしながらも、目の前の切り株に足をかけ前へ進む。踏んだ感触は、微妙に柔らかい。木に似たなにかであることは確かだろう。
 切り株の先はちょっとした空間があったが、すぐ先に見えるのはまたびっしりと並んだ木々。
 年輪で方角がわからない以上、とにかく突っ切って進むしか無い。
「よし…次はこっちですね! あれ? なんか道が変わってる? ……もう一本倒してみましょうか!」
 心なしか横目に見える並んでる木々が動いてる気がするが、前を進むアリアには関係なかった。幸い襲いかかってくる様子もない。
 再び“剣刃一閃”で切り倒し、ひたすらまっすぐ、まっすぐ、まっすぐ進む。
 アリアが木を切るたび森に「そぉれ!」や「でぇい!」や「斬!」などの掛け声が響いた。
 森といっても迷宮という建物内なので、方向が間違ったとしてもいずれは壁に突き当たるだろう。
 その壁にたどり着き、沿って進めば、おそらく出口にたどり着けるはずだろう。そう、おそらく、きっと、多分。

成功 🔵​🔵​🔴​

蒼汁之人・ごにゃーぽさん
ほむ、風もないのにざわめく木々の迷いの森ねぇ。
フィクションだとトレントとかがお約束だね☆

愛騎のハルキゲニアに騎乗して、怪力の念動力での空中戦による浮遊移動。
最短こそ最速♪地形の利用で障害物すら足場や道とする移動術で真っ直ぐに突っ切るよ☆
災魔だってボクにとってはただの足場、動くアトラクションだよ☆
方向は第六感頼り。
ガジェットショータイムで羅針盤とかその辺の方向計タイプのガジェットが召喚出来れば楽なんだけどなぁ、見た目がカンブリア生物模してるのはしゃーないとして。



●ごにゃーぽさんの場合
 「風もないのにざわめく木々の迷いの森ねぇ……。」
 そう言いながらまじまじと木を見上げるのは、蒼汁之人・ごにゃーぽさん(戦慄の蒼汁(アジュール)・f10447)。
 二十数センチという身長の彼女には、この木一本一本がさぞかし巨大に見えることだろう。
 フィクションだとトレントとかがお約束だね、とぼやきながら取り出したしたのは自身のペットロボ。
 機械仕掛けのそれは足が沢山あり、顔と胴体は細く長く、背からもひゅんひゅんとしたヒゲのようなものが生えている。
 ごにゃーぽさんは取り出したその魔改造宇宙バイク――ハルキゲニアと呼ばれるカンブリア生物に模したものを騎乗すると、自身の技能である念動力でふよふよと浮き始めた。
 本人もバイクも小型だからか、その速度は思ってる以上に早い。
 ゆったりと動く機械の脚が、しゃかしゃかと音を立てた。
「最短こそ最速♪ 真っ直ぐに突っ切るぞー☆」
 そういう彼女は、いつの間にか木の高さほどまで浮いていた。そのままひゅぅん!と走るハルキゲニア。
 あいにく前方はわさわさと枝が生えており出口らしきものは見えないが、彼女は走る。方向は己の直感のみ。
 進んでいると、足元の木々がわさわさ動いているのを感じた。
 下を見ると、うにょうにょと動いている枝。ごにゃーぽさんはそれをさして気に留める様子もなくひょいひょいと先へ進んでいくが、その直後。
 わさっ!と大きな音が背後から聞こえる。思わず振り向くと、自分の真後ろに無いはずの枝と葉がもっさり生えていた。
 どうやら木が突発的に伸びたらしい。それに呼応するように、その横の木、その前の木も、わさっ、わさっ、と伸びていく。
「わぁっ!」
 そして自分の真下にある木も音を立てながら伸びた。伸びた拍子に吹き飛ばされるごにゃーぽさん。くるんとまわって体制を整えると、そこから逃げるように前進していく。
 するとまた真下から枝が伸びてきたが、今度は逆にそこを足場にして更に加速した。
「ふふん、そんなものボクにとってはただの足場、動くアトラクションだよ☆」
 ハルキゲニアによってひゅるるるる、と空気が切られていく音がする。
 しかし道中余裕があれば“ガジェットショータイム”で方角が確認できるものを召喚できればと思ったがそれは厳しそうだ。
 幸い木の伸びる速度は自分の移動速度より遅い。このまま逃げ切り森を抜けられれば御の字というところだろう。
 そう思いながら後ろの木を確認していたときだった。
 わさぁ!という音と共に自分の視界が緑に染まる。
 ごにゃーぽさんはわけも分からないままあちこちを枝にぶつけ、そのままよれよれと地面に着地した。見上げれば自分の前方の木が伸びているのが確認できる。
 うっかり前の警戒を怠っていたか。再び飛ぼうと試みるが、周りの木はどんどんと高くなっていく。
 幸い、落ちたところは出口近くである。その出口を落ちる間際彼女も確認していた。
 先ほどと違い方角を確認する余裕もある。木々の隙間も小さな彼女ならなんとかすり抜けられるだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

竜胆・エレナ
お姉さん、実はダンジョンって好きなのよね。
こういう所に巣を作って冒険者を待ち受けるのって、竜族なら一度は夢見るんじゃないかしら?
まぁ、今回は攻略する側なのだけれど。攻略終えたらこのダンジョン貰えないかしらね?

【WIZ】
うんうん、とってもファンタジーでメルヘンね。
こういう類の迷いの迷宮にありがちなのは、空間認識や方向感覚に影響を与える魔法よね。
方位磁石を持ち込んで方角を確認しつつ、ループ対策に木に印を付けていきましょうか。
後は、木々のざわめきに耳を傾けましょう。きっと意味もなく騒めく事はないはずだわ。

ま、面倒臭くなったらウィザード・ミサイルで片っ端から焼いていけば良いわよね♪



●エレナの場合
 こういうダンジョンが実は好きだというのは竜胆・エレナ(ドラゴンお姉さん・f08680)。奇妙だと言われる森を興味深そうに見上げる。
 いずれは自分もこのような場所に巣を構え、冒険者を待ち受けたいものだ。もっとも、今回は攻略する側なのだが。
「攻略終えたらこのダンジョン貰えないかしらね?」とぼやきながら、彼女はまず森を調べてみることにした。
 こういった類で良くあるのは、空間認識や方向感覚に影響を与える魔法だろう。
 自分の仮説を確かめるべく歩を進めていく。
 持参した方位磁石で方角を確認しつつ、手持ちの武器で木に印をつける。その時だった、違和感を感じたのは。
 普通木の表皮は固く、何度か切りつけなければはっきりとした印は付けられないだろう。
 しかしこの木は一度の切りつけではっきりと印がついたのだ。しかもその感触、木のそれではない。
 冷静にそれを見る彼女は、持っている武器に何かがついているのを見つける。慎重にそれを手で触りこすり合わせながら凝視すると、土であることがわかった。
 しかしその粘り具合的に、土というよりは土粘土、というのが正しいだろうか。
 見た目は完全に木なのだが、直接触れると別物だ。
 エレナが考え込んでいると、少し上の木がさわっ、と蠢く。
 情報にあった通りだ、風はない。彼女は見上げるとその枝を注視した。
 しかしそれは僅かなもので、すぐ音は収まってしまう。幹を傷つけられたから動いたのだろうか。
 ひとまずここに立ち止まっていてもしょうがないため、方角を確認しつつ前へ進む。印を付ける度にその木がざわついたが、段々とそれに慣れていった。
 着々と進んでいたかに見えたが、ぴたりとその足が止まる。聞こえるのはあのざわめき。
 わっさ、わっさ、わっさ、という音がだんだんと移動しているように聞こえる。
 後方、自分の真横、前方とその音が移動するが、周りの木々というよりは、その奥の木々のように思える。様子は他の木に遮られよく見えなかった。
 不審に思いながらも進むと、やがて見えたのは自分が付けたはずの印。
 近寄ってみると、微妙に傷が小さくなり、再生しているのがわかる。
 一瞬元の場所に戻ってきたのかと錯覚するが、エレナは冷静に方位磁石を確認し、方角は合っていることを確かめた。
 つまりこれは、空間認識や方向感覚影響を与える魔法ではなく、木が、生きて動いている?
 見るに、ゆっくりとだが幹は再生していっている。そして傷つけられたにもかかわらず、襲いかかってくる様子はない。
 それを見るに凶暴なモノでもないようだ。しかし、こうなっては自分の進む方向はこの木に誘導されるままになりかねなかった。
 木の行動メカニズムや真相をより詳しく読み解いてもいいが――
 「面倒臭くなったし片っ端から焼いていきましょ♪」
 そう言って放たれたのは“ウィザード・ミサイル”。おそらく土である幹の部分に撃っても効果は薄いだろう。試しに上部、つまり枝や葉の方に火の矢を飛ばした。
 葉に矢が直撃してしまった木の枝はまたたく間に焼け、やがて上からぼろぼろと崩れていく。それを見た周りの木が、火移りを避けるようにぐにょんと幹から曲がった。
 意外にも葉への攻撃が有効なんだろうか? エレナは崩れたところをまたぎしっかり方位磁石を確認しながら、ひゅんひゅんと矢を飛ばしていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エルシー・ナイン
森林ダンジョンですか。方向感覚が狂わされるようですが、ウォーマシンのワタシのセンサーを持ってすれば、突破など容易いはずです。

とはいえ念のため、【エレクトロレギオン】で小型機械兵器を呼び出し、一定距離ごとに目印代わりに、来た道に配置していくことにしましょう。
作戦名『ヘンゼルとグレーテル』発動です。

どうも木そのものが怪しいような気がしますので、木や花の動きにも充分注意します。試しに花を一輪積んでみて、解析してみるのもいいですね。

他の猟兵の方達とも情報を交換し合って、無事このダンジョンを突破して見せるのです。


グロリア・グルッグ
「いつの間にか来た道に戻っている……? ループ構造らしいのは分かりますが、まさか単距離ワープが存在しているのだとしたら驚きです。魔法ってすごいや」

電脳魔術とエレクトロレギオンを使い、散開させたレギオン達の位置情報から正しく進めるルートを割り出します。
その作業に集中したいので、どなたかと同行できれば助かります。
使用する技能としては【地形の利用】【世界知識】【情報収集】でマッピング作業を補佐し、【メカニック】【高速詠唱】で電脳魔術やレギオン達の制御に集中します。

「正解ルートにレギオンを置いてロードストーンにしますか。こういうアナログな手段でちょっとずつ進めていくのって何か楽しいですねー」



●エルシーとグロリアの場合
 青々とした森に、長いピンク色の髪を靡かせながら入る猟兵が、二人。
「森がループ構造らしいのは分かりますが、もし単距離ワープが存在しているのだとしたら驚きです。」
 魔法ってすごいや。と呟くのはそのうちの一人、スペースノイドのグロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)だ。
 彼女は“エレクトロレギオン”で八十五体もの機械兵器を召喚すると、それらを森へと放った。
 それを横目に見るのは、同じタイミングで入ってきたエルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)。彼女もまた“エレクトロレギオン”を使用していた。
 傍から見ればちょっと親近感を覚えそうな二人は、目が合うなりにこりと微笑み合い、そしてどちらから言い出すともなく、共にこのダンジョンに進むこととなった。
「森林ダンジョンなどウォーマシンのワタシのセンサーを持ってすれば、突破など容易いはずです。」
 が、念には念を入れて、こうして機械兵器を目印代わりに、一定距離ごと配置していくことにしたというエルシー。「作戦名『ヘンゼルとグレーテル』発動です。」という彼女の横で、グロリアは電子パネルを操作していた。
 彼女の機械兵器操作は精密さが要求されるため、自身のことが疎かになりがちだ。同行者がいてくれるのは心強い。彼女の電脳魔術で遠隔にいる機械をも操作し、更には座標信号を送ることが可能である。
 しばらくは足音と、機械兵器が動く音、そしてグロリアが電子パネルを操作する音が響く。
 普段から研鑽しているという電脳魔術の腕前はさすがと言えるもので、またたく間に電子パネルは機械兵器からの情報で埋まっていった。
 しかし、突然ぴたりとグロリアの動きが止まる。不思議に思ったエルシーが覗き込むと、そこには怪訝な顔をしている彼女。
「……この先に進めば、普通に森を抜けられますね。」
 そう言いながら正解ルートに機械兵器を配列していく彼女。後ろにはエルシーの機械兵器が、前にはグロリアの機械兵器が置かれる形となった。
「うーん、なんかもっと凄い仕掛けやモノが来ると思ったのですが。」
 拍子抜けかのように言う彼女。
 まだあまり進んでないというのもあるのだろうか。「もっと進んでくと何かあるかもしれませんね。」と自らの機械兵器を配置しながらエルシーが言った。
「ワタシはどうもこの木自体が怪しい気がするんです。」
 そう続けると彼女は木の近くへと歩く。地面は掘り返されたようにもこもこになっているが、時折ぽつぽつと花が咲いている。花は土が柔らかいせいか、泥にまみれていた。ちなみに花は咲いているが、草だけの植物は、ない。
 エルシーは試しに傍らに咲いてた花を、ぷちっと摘み取ろうとしたが、そうとは行かなかった。
 いや、正確には摘み取れたのだが、うにょーんとその茎が伸びたのだ。どうやら泥で汚れてるだけかと思いきや茎は元々茶色かったらしい、その茎は限界まで引っ張られやがてぷつんと切れた。
「……土、でしょうか」
 茎の部分を潰し、すんすんと臭いをかぎながらそういう彼女。ではこの花部分はどうなってるのかと思いきや、普通の花だ。
 しかし、ぶるぶると小刻みに動いているように見える。
 しばらくしないうちに、ひとりでに花部分だけが切れた。その花はぽとりと地面に落ちると、なんとぴょんぴょん跳ねながら木々の隙間に消えていく。花があった場所を見れば、摘み取った下部分がぼろぼろと崩れていっていた。
 その様子を見た二人は目を見合わせる。木も同じ構造なのだとしたら、どうやらエルシーの木自身が怪しい、という説は当たっているのかもしれない。
「ふむ、なるほど。おそらく先へ進んでいくと木がなにかしてくるかもしれませんね。」
 グロリアは冷静に言いながら進んでいく。なにかあれば、道標となっている機械兵器が反応するだろう。
 後方に何か合ったときはエルシーの機械兵器もいる。二人は開示された地図を見ながら進んでいった。
 しばらくしてから、後方からわささっ!という音と共に、ぱんっ!と乾いた破裂音が響く。
 エルシーがぱっと振り向き、自身の機械兵器が破壊されたことをグロリアに伝えた。
 ゆっくりとだが、近づくわさわさ音。襲いかかってくるか、と二人は武器を構え警戒するが、後方からは音ばかり近づいてきて姿が見える気配はない。
 やがて音は真横を過ぎる。その姿は、他の木に遮られ確認はできないが。
「私達を迂回している?」
 怪訝そうな顔をするグロリア。突如、前方でも先程と同様、機械兵器が破壊される音が響いた。
 すぐさま彼女は電子パネルを操作し確かめる。壊れたのは出口であろう場所に配置された機械兵器である。つまり、その場所までは安全に行ける確率が高い。
 二人が急ぎ足でそこに向かうと、そこには機械兵器の爆発によって倒されたであろう木が横たわっていた。
 倒れた木の向こう側は出口らしき穴。どうやらその出口に立ちはだかろうとしたところを機械兵器に相打ちでやられたらしい。
 爆発があった周りの木達は、ぐにょぐにょと枝をしならせ不気味な様子だった。やがて真横にいる木の根本からもこっと何かが出てくる。
 それはのっぺりとした茶色い足で、出て来る際上の枝たちが大きくわさっ!という声をたてていた。
 なるほどこうして移動をしていたのか。しかしこの場面で移動する目的があるとしたら、逃亡か、あるいは襲いかかってくるか。
 どちらにせよ、動きはかなり遅かった。無闇に戦闘をするより、目の前にある出口へ走るほうが堅実的だろう。
 二人は走り、横たわっている木を飛び越えると出口へと急ぐ。
 出口に入ったエルシー達を、木達は追ってこなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ペーナァ・キャットハウス
pow
この学園は今もちょくちょく来るけど…こんな面白そうなダンジョンうち初めてかも

うちは“ゆうしゃ"を目指してるからね、こういう森もガンガンいくで~
草でも敵でもルーンソードで切り払っていくよ
流石に木を切るのは大変そうやからやめとくけど…と思ってたら
あれ、よく見たらなんか木が切り倒されててずっとそれが続いとるね
うーん、怪しいけどうちもこの通りに進んでみようかな?
(もし切った木が再生してるとかでしたらスルーでお願いします)

もし戦闘ならルーンソードで戦う
切り札のUCは流石にここではまだ使わへんから!


マックス・アーキボルト
「迷宮探索は初めてじゃないけど…中の変わりようにだけは慣れそうもないなぁ…。」
【SPD】による探索

まずは【ガジェットショータイム】で、グリモア猟兵さんにすすめられた「方角を示すもの」と「道標」の準備。
僕の足跡を記録する簡単なマッピング機械とマーキング用の機械型の杭数本。
まずは素早く【ダッシュ】で道を進んでみよう。もし見覚えのある場所に出たら、そこに杭を打ち込んで別の道を進む。
それを続けていけば出口には着けるハズ!聞いた限りでは脅威も少ないし対処は可能だ―考えられる不安は残るけど―。

「"杭が移動させられてる"可能性とか、あとはまあ、置いてく杭がもったいな―いやいや、これは必要経費だ!うん。」



●マックスとペーナァの場合
 マックス・アーキボルト(ブラス・ハート・f10252)は悩んでいた。
 自身のユーベルコード“ガジェットショータイム”でマッピング機械とマーキング用の機械型の杭数本を召喚し、時折杭を打ち込みながらダッシュで森を駆け抜けていたのだが、わっさわっさという不審な音に思わず足を止めてしまった。
 音が鳴り止み進むと、そこには自身が打ち込んだはずの杭。
 念の為方角を確認してみるが、自分が戻ってきてしまったという可能性はなさそうだ。
「"杭が移動させられてる"可能性……。」
 考えてはいたが、実際にそうとは。おそらく木自身が移動し続け、侵入者を撹乱、疲弊させることが目的なんだろうか。
 このまま木に沿って走っていっても出口にはたどり着けないかもしれない。いっそ強硬手段に出るか、それともまた別の策を考えるか……。
 悩んでいると、後ろから足音が聞こえる。
 振り向いてみると、そこにはペーナァ・キャットハウス(お外でゴロゴロ・f05485)がいた。あちらもマックスを見ると同じ猟兵ということで挨拶を交わす。
 こういうダンジョンが好きだというペーナァ。ルーンソードを片手にここまで来た彼女は、マックスからこの森の木が動くかもしれないという情報を聞いた。そういえばさっきわっさわっさと音が聞こえたような気ぃするなあとぼやく。
「うーん、せやかて、流石に木を切るのは大変そうやからやめときたいところやけど……。」
 そう言いながらペーナァは木をまじまじとみると、その木の一つに一筋の線が入っているのが見えた。
「ん? なんやろ、これ……。」
 その線は先の猟兵の一人が倒した木の幹だったものだが、今は再生しかけているものだ。
 ペーナァはその線に手をあて、軽く押す。それは僅かな力だったかが、木はずずず、と音を立ててそのまま倒れてしまった。
 ざわざわざわ、ざわざわざわ、と周りの木達が蠢く。ゆっくりゆっくり木自体も動いているように感じた。
「……なんか道開いたし、こっちにすすんでみよか!」
 が、そこまで害もなさそうだ。ペーナァの提案に、マックスも頷く。
 線の入った木は、よくよく見ればそこかしこにあった。マックスが方向を確認しながら、時折その線のついた木を倒しながら進んでいけば、いずれ出口へつきそうだ。
 問題は、出口近くになればなるほど木の速度が上がっていくことだが、それでもゆっくりではあるのでこの二人なら問題はないだろう。
 こうして二人はこの森林迷宮を進んでいくのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『アルダワンダーランド』

POW   :    自慢の力で巨大な障害を乗り越える

SPD   :    持ち前の速さを活かして巨大な障害を迂回する

WIZ   :    知恵を駆使して巨大な障害をどうにかする

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


最後の二人が出口をくぐると、そこには細く狭く、暗い通路が続いていた。
 そこには他の猟兵もちらほら見える。
 そういえばゲートをくぐった時も他の猟兵と同タイミングだったと思ったのだが、一人の仲間としか遭遇しなかったり、先にいった猟兵の形跡があったりしたので、もしかしたら突入タイミングで時空のずれがあるのかもしれない。おそらく次のダンジョンもそうだろう。
「むむむ?『第一の試練、突破おめでとう諸君。魔法生物である木に惑わされずここまで来ることが出来たようで何よりだ』とか書いてありますね……。」
 猟兵の一人が壁に書いてある文字を読み上げる。すると念動力で浮いて移動をしている小さな猟兵が「このダンジョンは学生達の試験? 訓練? かなんかに使われてたのかな?」と言った。
「ふぅん、そう考えると直接的な危害が少なかったのも、納得がいくわね。」
 そう言いながらコツコツとブーツを鳴らしながら歩いていくドラゴニアンの猟兵。彼女は魔法で辺りを軽く明るくしながら進んでいく。
「するとこの先にある巨大なダンジョンというのも、おそらく試練のひとつ、ということでしょうか。」
「ふむ、すると巨大なのにもなにか魔法的な仕掛けがあるのかな? それとも単純にそういう場所なのか……。」
 口々に推測をしていく猟兵達。
「けれど、さっきのダンジョンと違って敵性を持つ生き物もいるみたいだし……変に何かしようとして目立ったらよくないかもね。」
 最後に来た猟兵は、そう言うと壁に何かボタンがあるのを見つけた。
「なんだろ、このボタン……。」
 暗いので顔を近づけて見ると、傍らには教員用通路、と書いてある。危険はなさそうか周りの猟兵と相談した上押して見ると、ガコンと音を立てて人一人が通れる程度のトンネルが空いた。どうやら先程のダンジョンの入り口に繋がっているもののようだ。
「お、これで他の猟兵も着やすいかもしれへんね。今度はどんなダンジョンなのか、今から楽しみやね!」
 “ゆうしゃ”を目指している猟兵は、ルーンソードを構えて楽しそうに歩く。
 この通路を通った時点で、姿が小さくなる魔法に掛かっているとも知らずに。
☆☆☆

 扉をくぐると、そこは明るい森だった。
 木漏れ日がちらちらと眩しく、草花が立ち並んでいる。
 ちゅんちゅんと小鳥の鳴き声が聞こえ、木々の傍らにはキノコが生えているのも見えた。
 普通に立ち寄れば思わず散策したくなるような、気持ちの良い森だろう。
 問題は、どれもかれも、異常に大きいということだが。
 通常では障害にもならない露出している木の根さえ、今の猟兵達には大きな壁だろう。
 先程とは違い、虫や動物など、様々な気配が感じる。
 グリモア猟兵の話によれば、出口近くには大きな水たまりもあるとのことだ。
 物珍しい景色を堪能しつつ、いかにこの森を突破するか。
 小さな猟兵達の、大きな大冒険が今始まる。
蒼汁之人・ごにゃーぽさん
まぁ、ボクの身長だと普段と誤差の範囲だけどねー。
ハルキゲニアライドで召喚した愛騎ハルキゲニアとテンペストで合体☆
それでも身長50センチ弱だがなw
で、ガジェットショータイムで立体機動に有効なモノを召喚☆
ふぁ!?ごにゃーぽ神ごずなり様が召喚された、いや祈り捧げてる場合じゃない、えっとここがこーなってあそこがあーなって、なるほど。だいたい使い方はわかった☆多分きっとメイビー。

地形の利用、ジャンプ、クライミング、ダッシュ、水泳、念動力、空中戦、第六感、見切りの技能を駆使した変態機動で森を駆け抜けて行くよ☆
あらゆるエクストリームスポーツを修めたボクの前に障害物は無い、あるのは道とアトラクションだけさ☆



●ごにゃーぽさんの場合
 広がる森、森、森。そこに足を踏み入れたのは、猟兵の中でもひときわ小さな猟兵だった。
 蒼汁之人・ごにゃーぽさん(戦慄の蒼汁(アジュール)・f10447)は辺りの巨大な景色をしばらく見た後、「ボクの身長だと普段と誤差の範囲だね☆」とつぶやいた。
 くるっと周りを見渡すが、仲間の猟兵はいなさそうだ。ごにゃーぽさんは先程のダンジョンでも使用したペットロボのハルキゲニアを取り出すと、自身のユーベルコード“テンペスト”を使用した。
 ハルキゲニアはパーツごとに分裂したかと思うと、がしょんがしょんと音を立てながらごにゃーぽさんと合体していく。
「見よ、四億六千四百万ナノメートルのこの威容☆」
 そうして合体が完了したごにゃーぽさんは、身長が約二倍となっていた。もっとも、それでも五十センチ未満なのでこのダンジョンでは焼け石に水なのかもしれないが。
 合体したごにゃーぽさんは更に“ガジェットショータイム”を発動し今回のダンジョンに最適なガジェットを召喚する。今回のような場所では立体機動機能が備わったものがいいだろう。そう思いながら手をかざす。
「ふぁ!? ごにゃーぽ神ごずなり様が召喚された!?」
 すると出てきたのはおそらくカンブリア期の生物を模した機械っぽいのだが、本人の目から見たらさぞかし神々しく見えるのかもしれない。
 思わず祈りを捧げるごにゃーぽさんだったが、そんなことをしている場合ではないと正気に戻ると、ガジェットを舐め回すように見て機能を確認する。
「えっとここがこーなってあそこがあーなって、なるほど。だいたい使い方はわかった☆ 多分きっとメイビー。」
 そう言ってごにゃーぽさんはガジェットを装着するとこの広大な森を駆けていった。
 木の根は召喚したガジェットから噴射したガスを使い軽々と飛び越え、猟兵から見れば絶壁のような段差も、その機械を使い走るように登っていく。
 フキのような葉っぱをトランポリン代わりにぴょんぴょんと飛んでいった。
 道中蝶に出くわしたが、この巨大な蝶でさえごにゃーぽさんにとってはアトラクションの一つでしかない。
 高々と飛び蝶の背中に乗ると、そこからまた跳ねて花に着地した。
 最後の湖もなんのその、ガス噴射を駆使しながら泳ぐ様はまるで小型船舶のようだ。
「あらゆるエクストリームスポーツを修めたボクの前に障害物は無い、あるのは道とアトラクションだけさ☆」
 決め台詞も忘れない。かくして彼女はこのダンジョンを踏破したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペーナァ・キャットハウス
【SPD】
何ここすごい!
めっちゃわくわくするやん!

絵本の中の様な世界に興奮しています
進む方向は概ね他の猟兵さんについて行く感じです

道中はとにかくはしゃぎっぱなしで
装備の【フック付きロープ】を駆使して半分遊びながら進みます

大きな葉っぱやキノコ等他なんでもいいですが反動を付けて跳べそうなものが好みです

ガチで大変そうな所はロープを引っ掛けて登ったり下りたりします

もし戦闘になりそうな場合は極力逃げたいです
自分の小ささを逆手に取って上手く地形を使いながら技能【逃げ足】を発揮します

※アドリブや猟兵さんとの絡み全然オーケーです


アリア・ヴェルフォード
「絶好の散歩日和ですね!散歩している暇があまりないのが残念ですが!」

探索方法【POW】
【ダッシュ】と【ジャンプ】を駆使し、方向は【第六感】任せで森を駆け抜けていきます
草木の障害物は跳躍したりよじ登ったり剣で切り捨てたりと正面突破を図ります
動物等の障害物には無理に戦わず【残像】で攻撃を誘導しその間に逃げます
水たまりは・・・木の幹を斬りそれを元に即席のいかだを作成して【衝撃波】をエンジン代わりに抜けていきましょう
そしてあいも変わらず独り言が多いです(アドリブ歓迎)

「いざ船出の時!(衝撃波ドン)結構揺れますが・・・まぁこれくらいなら気合で切り抜けてみせましょう!」



●ペーナァとアリアの場合
「何ここすごい! めっちゃわくわくするやん!」
 ずっと遠くに感じる空、先程のダンジョンとは比べ物にならないくらい大きく太い木々、自分と同じ背丈の苔。
 いつものサイズであれば見向きもしないような小石でさえ、今のペーナァ・キャットハウス(お外でゴロゴロ・f05485)には大きなオブジェだった。
 大きなキノコは立ち並び、時折花も咲いている獣道。まるで絵本の中に入ってしまったような場所である。
 胸を躍らせながら、半ば駆け足気味で先へ進んでいく。すると目線の先には、先程まで一緒にいたはずのアリア・ヴェルフォード(謎の剣士X・f10811)がいた。
 おそらく少しではあるが先に来ていたのだろう。ダッシュでこのダンジョンを駆け抜けようとするアリアに、ペーナァは声をかけた。
「おや! さっきの通路まで一緒だった人ですね!」
 それに気付いたアリアはペーナァに改めて挨拶すると、一緒に行くことを提案する。このダンジョンでは小さな二人だが、共に行くことで出来ることは二倍以上に膨れ上がるだろう。
 二人はその身軽な跳躍で、草やキノコを足場にしながら着実に進んでいく。
 絶壁とも言える大きな段差は、ペーナァの装備であるフック付きロープが大いに活躍し難なく突破した。
 順調に進んでいたが、アリアがケマンソウの先端からキノコに飛び移ると、その反動でぼふんと胞子を撒き散らす。
「ん゛っ!?」
 そのキノコの近くにいたペーナァはまともに胞子を浴びてしまい、げほんごほんと咳き込んだ。
「うわあ! すみませんすみません!」
 平謝りするアリア。しかしそれもつかの間、生き物の気配を感じ辺りを見回した。
 いたのは巨大なアリ。まだこちらに気付いてないが、胞子に反応しているようだ。
「こちらへ!」
 進む前に極力戦闘は避けようと相談した二人。アリアはペーナァをなるべくアリから遠い位置に連れて行くと、花粉を払い、自身の技能である残像を発動させた。
 物凄い速さでアリに急接近するアリア。しかしそれは一瞬で、すぐにペーナァと合流すると急ぎ足でその場から立ち去る。
 アリはアリアの残像に夢中で、二人が離れたことなど知る由もなかった。
「ふふん、“アリ”同士うまくいきましたね!」
「なんて?」
 そう口走るアリアにペーナァが首をかしげるが、アリアは顔を背けながら「なんでもないですスミマセン……。」と小声で返す。
 出口はもう目前だ。話に聞いてた湖に到着した。湖は木漏れ日を反射しきらきらと輝いていて、その水面の揺らぎ具合から風はほとんどないことがわかる。
 どう渡るか。ペーナァが考え込んでいると「でぇい!」と後ろからアリアの掛け声が響いた。
 見れば、彼女は木の幹を削ぎ切りにしている最中で、木の表皮がめくれかけている。
「うちも手伝う!」
 恐らく船にするつもりだろう。はっとしたペーナァは表皮にフック付きロープをかけると、そのまま引っ張りみしみしと木の皮を引き剥がした。
 ペーナァの協力のもと、二人はうまい具合に反った木の板を手に入れる。
 水の上に置けば、軽いそれは悠々と浮き、二人が乗っても沈む気配がなかった。
 しかし風はない。ペーナァは手頃な葉でも取ってきて扇げばその風力で進められるかなあと思っていた時、アリアが「しっかり捕まっててください!」と言った。
 訳も分からず、言われるがまま伏せて船の縁に手をかける。すると背後から「いざ、いざ船出の時!」という声が聞こえた。同時に大きく揺れる船。
 揺れの正体は彼女が大きく剣を振りかぶり叩きつけたときに発生した衝撃波で、それにより勢いよく船が進んでいるのがわかる。
「おっとっと、結構揺れますが……まぁこれくらいなら気合で切り抜けてみせましょう! 引き続き揺れますよー!」
 伏せているペーナァに対して、アリアは仁王立ちだ。かなり揺れるが、進み具合はなかなか早い。
 凄い揺れと風圧、そして水しぶきにペーナァは思わず叫び声を上げるが、それもそう続かないうちに出口へたどり着けるだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

サイラス・レドモンド
【POW】
試練と聞くと心滾るが、頭を使うのはオレァ苦手でなァ
力で押し進むぜ!

ネコだからって甘く見んなよ?こんな障害、ぶっ飛ばしてやるぜ!
進路なんてぇもんは『野生の勘』と『第六感』に任せんのがオレ流よ!
理屈に沿って歩くなんざつまんねぇ!

移動の際は歩きが基本だが、危険を察知したら『ダッシュ』も駆使
登りの障害物には『地形の利用』『クライミング』でどんどん行くぜ!
他の危険な箇所も『勇気』と『覚悟』を持ってすれば何とかなんだろ!
まァ慢心し過ぎも良くねぇ、冷静に状況を見極めなきゃあなァ!

仲間が困ってたら協力だ!
オレに出来る事ならとことん力になるぜ!
だがまぁ…オレァ力任せの脳筋だ、頭使うのは勘弁してくれよ!


マックス・アーキボルト
学生への試練―。先程の言葉で目の前の巨大な景色が壁のように感じられる。
「ちょっとした失敗にくじけちゃいられない。壁は―乗り越えるだけだ!(POW)」
もったいなくて回収した杭をメカニック技能で刺さりやすく改造!リサイクルって素晴らしい!
【魔導式空中製地】と杭を使ったクライミングの繰り返しなら、乗り越えられない壁はない―!
生い茂る大きな植物も、【魔導式空中製地】を駆使して突破!
事前に聞いてた水たまりには属性攻撃、アームキャノンから氷属性の【エレメンタル・トーピード】だ。氷の足場で出口へ渡ろう。
協力は厳しいかもしれないけど、仲間の猟兵の存在には常に気を配ろう。



●サイラスとマックスの場合
 大きな大きな世界に小さな猟兵が、二人。
「“試練”って聞くと心滾るなァ!」「学生への“試練”か……。」
 同時にそう呟くと、お互いを見合わせる。
 一人は新たな援軍、サイラス・レドモンド(野生のままに・f09014)だった。彼はこのダンジョンにいるだけで絵になる精悍なケット・シーだ。
 もう一人はマックス・アーキボルト(ブラス・ハート・f10252)で、その面持ちは試練という言葉を見た後なのもあってか、若干緊張が滲み出ていた。
 その緊張を感じ取るサイラス。人情に厚い性格だからか、放っておけずに「お互い頑張ろうぜ!」と声を掛ける。
 するとマックスははっとしてサイラスの目を見て、力強く頷いた。
 ちょっとした失敗にくじけちゃいられない。壁は――乗り越えるだけだ。
 サイラスとマックスは共に、というわけではないが、どことなくお互いに気をかけながら進んでいく。
 第六感に任せたサイラスの動きは野生そのもので、猫らしく柔軟な身体で障害を難なく切り抜けていった。
 対するマックスも、先程のダンジョンで使用した杭を使い、堅実に障害を突破していく。その顔にもう緊張の色はない。
「魔力噴出、足場生成完了――!」
 道中トゲのある草花も自身のユーベルコード“魔導式空中製地”で跳躍を繰り返し、慎重に超えていった。
 その様子を横目で見ていたサイラス。やるじゃねぇかとひとりごちると、自身の身体能力をフルに活かし、木々の根っこをかい潜っていく。
「うおっと!」
 途端、巨大なミミズと鉢合わせしたが、敵性がないと判断するなり移動スピードをぐんと上げてその場を離れた。情熱的な性格とは裏腹に冷静な対応だ。
 それをキノコの上から見ていたマックス。凄いや、と呟くと、自身も空を蹴って先へ進んでいく。
 サイラスに追いついたと思ったら、そこに広がるのは広大な湖。
 もう出口近くまで来ていたのか。すたっと傍らに降り立つと、サイラスが準備体操をしていた。
 一体何をしようと言うのか。思わず聞くと、この広大な湖を身一つで泳ぎ切るつもりらしい。
「オレァ頭を使うのは苦手でなァ……。なァに、覚悟を持ってすれば何とかなんだろ!」
 今にも飛び込みそうなサイラスを、マックスは慌てて止める。
 さすがにこの距離をなんの装備もなしに泳ぎ切るのは無謀だろう。
 この奥にはゴーレムも待ち受けているのだ。体力は温存しておいたほうがいい。
 マックスは考え込むと左手に装備しているスチーム・アームキャノンを装填する。
 感じるのは、氷の魔力。その冷たさにサイラスの鼻がぴくりと動いた。
「属性変換、ターゲット捕捉――!」
 打ち出された六十五本もの魚雷は、水の中を扇状にまばらに進んでいく。そして一つが着弾した途端、連鎖するように沢山の爆発音が湖に響いた。
 しばらくしないうちに爆発音が鳴り止み、水蒸気が晴れる。すると二人の目の前に一面の氷床が広がっていた。
「おいおい、こりゃ壮観だなァ!」
 そういうサイラスを尻目にマックスは氷の上に降り立つ。「これで渡れるはず……。」とマックス。
 サイラスも彼に見習い氷の上に飛び乗ると、そのまま湖を駆けていく。
 マックスの“エレメンタル・トーピード”はさすがのモノで、完璧なまでに凍った湖の表面は滑りさえしなかった。
 恐らくすぐに木漏れ日によって溶かされてしまうだろうが、それは一人と一匹がこの湖を渡り終えてからの話だ。
「助かったぜ!」
 気持ちのいい笑顔でそういうサイラスに釣られるように、マックスも微笑みを返したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

グロリア・グルッグ
「……どゆこと?」

デジタル万歳な宇宙世代なので魔法の力とか理解できない感じ。
とりあえず電脳魔術で【世界知識】や【情報収集】を行って、現状を分析しながら落ち着きましょうか。

いざ進むとなればソロは不安なので誰かと組みたいですね。
障害物は騎兵走法と【ジャンプ】等を合わせて乗り越えましょう。
周辺の【地形の利用】をし電脳魔術で仲間の行動サポートも忘れずに。

進路上の障害物を排除または破壊する必要がある場合は、アームドフォートの砲撃で粉砕してやりましょう。
多少硬くても【鎧無視攻撃】でぶち抜けますし、【誘導弾】や【属性攻撃・雷】も使えば何とかなりますきっと。

「魔法のある世界ってすごいんですねぇ……」


竜胆・エレナ
ふぅん、なるほどねぇ。学生向けの試験用洞窟だったのね
んー……まぁ攻性防壁とかは後からつけていけば良いわよね。うんうん、やっぱりここ譲ってもらえないかしらねー?

【WIZ】
あら、広い場所……じゃないわねこれ
私達が小さくなってるのね、興味深いわ
でも魔物の気配はなし……いるのは動物だけね
まぁそれはそれで脅威だけど
動物は気配を殺して隠れながらやり過ごすのが良いかしら
誰が気を引いてくれるならその間に抜けちゃいましょう

後は大きな水たまり……私達には池か湖みたいなものよね
んー……あ、そうだわ
ドラゴニックエンドで呼び出した召喚ドラゴンに、対岸まで運んでもらいましょう!
ま、断られたら迂回するしかないわね



●グロリアとエレナの場合
 目の前には森が広がっていた。
 グロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)のいた世界にはこういった場所はほぼなかったが、データベースで見た事はある。
 先ほどのダンジョンでも見たが、自分の身長の何倍もある木というものが込み合うように生え、草は生い茂り、地表には苔という植物に覆われ、キノコと呼ばれる担子器果も生えている。
 しかし、自分の目の前にある木というものは何倍どころか何百倍の太さと高さがあり、草も資料とは段違いに巨大。苔は自分の膝くらいの高さだ。
 キノコと呼ばれる物らしき形も確認できるが、それも見上げるほどに大きい。自分の身長以上に背丈のあるキノコなど、データベースにはなかった。
「……どゆこと?」
 思わず漏れるこの言葉。目の前の非現実的光景はVRでもホログラムでもない。魔法の作用ではあるのだが、そういった物にあまり触れずに育ったためしばし呆然とした。
 しかしずっとそうしてもいられない。聡明な彼女は電子パネルを取り出すと、電脳魔術で位置情報プログラムを具現化する。
 この世界の知識を収集、自分の置かれてる状況などを冷静に判断していった。
「あら、広い場所……じゃないわねこれ。私達が小さくなってるのね、興味深いわ。」
 すると背後から聴こえる声。振り向くとそこには竜胆・エレナ(ドラゴンお姉さん・f08680)が辺りを見渡しながら優雅に歩いてきていた。
「私達が小さくなっている? このダンジョンの物が巨大なのではなく?」
 挨拶も早々にそう問うグロリアに、ウィザードであるエレナは頷く。
「ええ。おそらくさっき移動した通路に魔法仕掛けがあったのではないかしら。魔法を掛けられていることに気付かせないなんて、さすが魔法学園と言ったところね。……しかしよく出来ているわ……攻性防壁とかは後からつけていけば良いわよね。うんうん、やっぱりここ譲ってもらえないかしらね……。」
 と後半声を小さくしながら言う彼女、どうやらまだ巣を構えたいという思いは消えてないようだ。
 そんなエレナに、グロリアは協力してこのダンジョンを進むことを提案した。
 元々単独で突破するのは不安だったし、魔法に精通しているウィザードであれば尚更ありがたい。
 グロリアの提案に、エレナは「もちろんいいわよ。」と微笑みながら頷いたのだった。
 こうして始まった二人の冒険。ドラゴニアンのエレナは、持ち前の身体能力で不安定な苔の上を難なく超えていく。
 グロリアはそんなエレナを気にかけつつ、自身のユーベルコード“騎兵走法(ラン・アンド・ガン)”で上空から地形を把握しつつ、比較的安全なルートを確認していった。
「エレナさん、こちらのルートがオススメですよー。」
 エレナのサポートも忘れない。
「あら、ありがとう。助かるわ。……水の匂いが近い、もうすぐ出口かしらね?」
 幸い敵性生物には遭うことなく、二人は湖にたどり着く。
 話には聞いていたが、思っていた以上に広大だ。迂回して歩けばそれだけ危険にも遭遇する確率が上がるだろう。
「うーん、どうしましょうか。何か渡れそうな道具でもあればいいんですけれど。」
 そういうグロリアにエレナはそうねえと相槌を打ちながら考え、しばらくしてぴんとひらめいた顔をした。
「本来はこういう使い方ではないのだけれ、どっ!」
 そう言いながら放ったのは自身のドラゴンランス。勢いよく放たれたそれは地面に突き刺さり、出てきたのは召喚ドラゴン。
「私達を対岸に運んでくれないかしら?」
 そう頼んだが、召喚されたドラゴンからサイズ的に人を運ぶのは厳しいものがあると、身振り手振りで伝えられる。
 困ったわね。迂回するしかないのかしら、と考え込むエレナに、電子パネルを操作しながらグロリアが言う。
「ふむ。恐らくそのドラゴンの筋力を推測するに、船のようなものを用意して、引っ張ってもらうくらいなら可能だと思います。」
 電脳魔術でドラゴンをスキャンしたのだろうか。
「ふぅん、なるほどね。それなら話は早いわ。」
 エレナはそれを聞くなり近場で巨大な葉を調達してきた。
 裏には細かい毛が生えていて、撥水性もある。人が二人のれば少し沈んだが、大きな衝撃などを与えなければ問題ないだろう。
 ドラゴンに引っ張られ、ゆっくりと進んでいく葉の船。出口は目と鼻の先だった。
 もうこの巨大な景色ともお別れだ。
 グロリアはそれを見上げながら「魔法のある世界ってすごいんですねぇ……。」と独りごちる。
「あら、私からしたら電脳魔術だって凄いわよ?」
 その独り言に応えるエレナ。グロリアはきょとんとして「そういうものですかねぇ。」と返すと、エレナもまた「そういうものなのよ。」と言い、優雅に微笑んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『ストーンゴーレム』

POW   :    ゴーレムガード
全身を【硬質化して超防御モード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    ゴーレムパンチ
単純で重い【拳】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
WIZ   :    ゴーレム巨大化
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【岩石】と合体した時に最大の効果を発揮する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


再び細く狭く、暗い通路が続いている。
 猟兵の一人が、教員用通路を開くためのボタンを既に押していた。これでゴーレムへの援軍にも駆けつけやすいだろう。
「『第二の試練も突破したようだな。おめでとう』?」
 別の猟兵が、壁に書いてある文字を再び読み上げる。
「『最後はオブリビオンとの戦闘訓練だ。それと同等の魔法生物を用意したので、心して掛かって欲しい。』……ふぅん、なるほどね。」
 この文字に一部の猟兵達は顔を見合わせた。ここの学生達はこうして実践的な訓練を積んできたのかもしれない。
 しばらくしないうちに、通路を抜ける。猟兵達の大きさは元に戻っているようで、感触を確かめるように手を動かしたり、身体を確認している者もいた。
 目の前には、苔むした石造りの空間が広がっている。
 そこの中心には、巨木が佇んでいた。
「……トレントかしら?」
 猟兵の一人がぽつり言う。よく見れば木の幹には顔のような模様と、腕らしき枝が生えていた。
 しかし、ぴくりとも動かない。それどころか見れば見るほど所々砕けていて、枝は折れ、ボロボロなのがわかった。
 恐らく、学園側が用意した魔法生物だろう。オブリビオンと同等ということはそれなりの強さだったということだが、それを容易く打ち破ったのが、今回の相手。
 刹那ごごご、と地響きがした。同時にトレントだったものは、縦に割れる。
 大木を叩き割った音と共に現れたのは、巨大なゴーレム。
「ラスボスってやつですね。」
 なるほど学生達の手に終えそうもない。
「よっしゃ、いくで!」「頭使わなくて済みそうだなァ!」
 意気込む猟兵たちは次々に武器を抜き、構えた。
 このダンジョン最後の戦いが、今始まる。
アリア・ヴェルフォード
「先陣は貰ったぁ!」
「この一撃を受けてみよ!」

【POW】
まずは【先制攻撃】、ユーベルコードで開幕の一撃を
その後は光と闇の【属性攻撃】を基本とした剣撃で攻撃していきます
相手の一撃は重そうなのでしっかり【見切り】で避けて行きましょう
そして相変わらず口数が(ry
(アドリブ歓迎です
動かなくなったら破壊力が必要ですね、ユーベルコードのいい的です破壊しつくしてやりましょう!

「ぱぱっと倒して帰り道を楽しんで帰りましょうか!」


グロリア・グルッグ
近くにいる猟兵の仲間達と連携しながら戦います。

「石のゴーレムという奴ですね。速度や硬度のデータが欲しいので、威力偵察がてら支援砲撃を開始します」

【ジャンプ】【力溜め】【ダッシュ】等と騎兵走法を組み合わせて空を駆け上がり、そのまま滞空して【空中戦】を仕掛けます。
敵の頭から【援護射撃】し、【誘導弾】や【鎧無視攻撃】の徹甲弾を使って敵の反応速度や防御力を【情報収集】します。
【高速詠唱】で電脳魔術を使い、【戦闘知識】【スナイパー】【視力】【地形の利用】等を合わせて敵の行動を先読みしていきましょう。

「これも騎兵の仕事なのできっちりこなしますよ。ついでにいくらか砲弾をぶち込んでいくのが礼儀ってやつです」



巨大なゴーレムに向かって疾走る閃光が、一つ。
「先陣は貰ったぁ!」
 それはアリア・ヴェルフォード(謎の剣士X・f10811)で、一目散に駆けていくと、薙ぎ払おうとするゴーレムの腕を足場に、そのまま一気に跳躍した。
「でぇぇぇえい!!」
 力の限り振り下ろした剣撃はがきぃんと大きな音を立てて弾かれる。
 むむむ!と唸り声を出すアリア。滞空時間の許す限り斬撃を繰り出したが、まるで刃の通る気配がなかった。
 ゴーレムは先程の薙ぎ払った体制のまま動いていない。恐らく“ゴーレムガード”を使用したのだろう。
「くぅ、かったいですね……!」
 悔しそうに歯を食いしばるアリアの横を、グロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)の援護射撃が通る。
 どぉん。という破裂音。着地するアリアと入れ替わるように、今度は彼女がゴーレムへ駆けた。
「石のゴーレムという奴ですね。速度や硬度のデータが欲しいので、威力偵察がてら支援砲撃を開始します。」
 そう言いながら使用したのはグロリアのユーベルコードである“騎兵走法(ラン・アンド・ガン)”だ。
 空気を蹴る彼女は、まるでそこが無重力であるかのように駆け回る。そしてゴーレムの上空へ位置取ると、再びアームドフォート・アルファを構え何発かゴーレムに撃ち込んでいった。
 着弾と同時に、敵から目を逸らさずに電子パネルを操作するグロリア。そのパネルには目まぐるしい速さでゴーレムのデータが書き込まれていく。
「なるほど。ゴーレムが動いていない時は硬度が格段に上がっているようですね。――ですが。」
 土煙の中から、ゴーレムの腕がグロリアへと伸びる。彼女はそれを予期していたかのように後ろへ飛ぶと、更に数発弾丸を放った。
 拳を振った時などの瞬間的な速度はなかなかだが、その動作一つひとつに気をつけてれば速さで負けることはまずなさそうだ。グロリアはそう思いながら着弾を見守ると、横目で電子パネルを操作した。
「ふむ、ゴーレムが固まって動かなくなった時は硬度が増しますが、それ以外の場合はある程度攻撃が通るようです。着弾時に損傷が大きかった箇所は、頭、手の指、膝、腕の関節辺りですかね。」
 グロリアがくるんと回転し着地をすると同時に「わっかりました!!」と言いながら再び駆けていくアリア。
「この一撃を受けてみよ!」
 目の前に迫りくる手のひらの動きを鮮やかな身のこなしで避けると、膝の辺りに切り込む。先程とは違い、確かな手応えを感じた。
 いよし!と喜ぶアリアだったが、ゴーレムも黙ってはいない。身体全体を使いのしかかるようにアリアを押し潰そうとするが、すかさずグロリアの援護射撃が炸裂する。
「これも騎兵の仕事なのできっちりこなしますよ。ついでにいくらか砲弾をぶち込んでいくのが礼儀ってやつです。」
 動きの鈍ったゴーレムは、アリアを捉えられない。何も潰すこと無く倒れたゴーレムは、次に来る攻撃に備えてかしばし動かなくなった。
 硬度の上がった敵に無駄玉を打つ必要はないとグロリアは射撃をやめたが、アリアは攻撃のチャンスと言わんばかりに再び突撃していく。その様子に思わず声を出して驚くグロリア。
「硬度が上がってるのならば! こちらも破壊力を上げればいいだけのこと! 動かないならいい的です!!」
 破壊し尽くしてやりましょう!というアリア。彼女の持つ光と闇、二つの剣が輝き始める。
「カタフラクティシフト! 王道の力を今ここに! 光と闇に飲まれて消し飛べ! “聖光闇勝利剣(エックス・カリバー)”!!!」
 刹那、光に包まれるゴーレム。遅れてくるごぉっという音は空間中に響いた。
 石畳はVの字に割れ、アリアの作り出した衝撃波により飛んでいく。
 辺りはしばし土煙に包まれたが、やがてそれも晴れていった。
「……さすが、ラスボスってやつなだけありますね……!」
 悔しそうに、でもどこか楽しそうに目の前の光景を見つめるアリア。硬化が成されていたゴーレムは、肩に少々の傷を受けただけだった。
 ゆっくり、ゆっくりと起き上がるゴーレム。来るべき攻撃に備えるために武器を構え直す二人。
「あれほどの攻撃力をもってしても、この程度の損傷……これは面倒なことになりそうですねぇ。」
 そう言いながらもデータ収集を怠らないグロリア。少しでも多くこのゴーレムを解析し、仲間の猟兵達と情報を共有していく。
 それがいずれ勝利への揺るぎない道になるであろうことを、彼女は知っていた。
「さーて、ぱぱっと倒して帰り道を楽しんで帰りましょうか!」
 大技を放った後だが、アリアにさほど疲れは見えない。剣の切っ先をゴーレムへ向けると、再び駆けていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

マックス・アーキボルト
ここまでくれば―いや、ここにきてやっと―もう迷いはない!
仲間と肩を並べてるんだ、必ず目標を撃破する!

真の姿を解放するよ。
機械鎧が全身を覆い、エンジンの力を限界まで引き出す!

まずは、仲間と連携して攻撃。
火属性の、吹き飛ばし能力を加えたエレメンタル・トーピードで相手を押しきる。

やつが防御したなら、その瞬間は見逃さない―!
ゴーレムガードで動けない時、僕の全力魔法―、
極魔導式:"ブリキの聖剣"
を発動する。
空間を切断するこの魔法なら、やつの硬い体も防御も関係ない。

チャンスは必ず来る、それを待つんだ―!


竜胆・エレナ
あら。トレントじゃなくてゴーレムなのね。
まあ、あの木々も土だったことを考えると鉱石の方が妥当かしら。
ま、お姉さんとしても頭を使わない方が気楽でいいわね。
さて……粉々になったらゴメンネ?

硬いみたいだし、大技で行った方がいいわよね。
動きはそこまで早くなさそうだし。
それじゃ、ドラゴンお姉さんの本領発揮、行くわよ!

ドラゴニアン・チェインを当ててゴーレムを雁字搦めにしてあげるわ。
お姉さん一応魔術師なんだけど……でも、力でも負けるつもりはないから、ねっ!!

しばらくは動きを抑え込んであげる。
でも、痺れを切らしたら後はドラゴニック・エンドで吹き飛ばすわよ!
やっちゃえ、ガーたん!今決めた名前だけど!



 かちゃん。かちかち、かちん。
 石造りの空間に、機械音が響く。
 機械音の正体はマックス・アーキボルト(ブラス・ハート・f10252)だった。
 みるみるうちに機械鎧と化していくマックスの身体。
 ――真の姿への変貌。
 彼はまだ、胸に手を当てて自身の機械鎧化に集中していた。
 真の姿へ移行するには時間が掛かりそうだ。それを察してか、竜胆・エレナ(ドラゴンお姉さん・f08680)武器を構え前へ出る。
 ゴーレムを惹きつけるかのように、マックスへの注意を逸らすように回り込むと、自身が装備している杖で威嚇射撃を行うがごとく魔法を放つ。
 大した魔力を込めなかったが、それでも大した傷がついてないのはさすがの防御力だった。
「……ま、お姉さんとしても頭を使わない方が気楽でいいわね。」
 小細工は、不要。
 彼女から出たのは威圧感溢れる力強いオーラ。
 恐らく一般人がこのオーラに当たればへたりこんでしまうであろう気迫を感じた。
 エレナはそのオーラを纏いながら素早くゴーレムの懐に回り込むと、そのまま壁を駆け上がるように登り、とんとゴーレムを蹴ったかと思うと、空中で一回転しながら大きく後退する。
 来た衝撃はほんのわずか。ゴーレムにダメージはない。思わず訝しげな仕草をするゴーレム。だがそれは一瞬だけだった。
『…!!!』
 気が付けば己の身体が鎖により拘束されていることに気付く。
 それはエレナの“ドラゴニアン・チェイン”で、彼女の身体から伸びゆくオーラの鎖はゴーレムの身体を雁字搦めに拘束した。
 すぐさま振りほどかんとするゴーレム。しかしエレナの鎖はそう簡単に壊れなかった。
「さーて……粉々になったらゴメンネ?」
 少し茶目っ気を交えながら足に力を入れるエレナ。彼女の鎖は強靭で、みしみしとゴーレムの身体を締め上げていく。
 しかしゴーレムも負けてはいなかった。膝を付いたものの、負けじとエレナの鎖を引きちぎろうと踏ん張っていた。
 逆に持っていかれそうになるところを、エレナはすんでのところで踏みとどまる。硬い石で出来た身体、自分よりもずっと巨大な図体、流石にこのまま締め続け破壊するのは厳しいだろう。
 自分は本来魔術師だが、それでも力で負けるつもりはない。
 かちゃかちゃ、かちち、かち。
 エレナの耳に届く機械音。その機械音に向かって、彼女は静かに言った。
「しばらくは、動きを抑え込んでてあげる。」
 ――かちん。
 機械音はしなくなり、後方にいた少年はゆっくりと前を見据える。
「ここまでくれば、……。」
 マックスはそう言い掛けて、否定するように一度首を振る。ここまできて、やっとなのだ。
 ――迷いはないと感じたのは。
 自身の魔力炉心であるマキナ・エンジンをフル稼働させ、ゴーレムに立ち向かうマックス。
 走りながら撃ち込んだのは火の属性を宿した“エレメンタル・トーピード”。物凄い数の魚雷はゴーレムに届く直前で爆発した。
 襲いかかる猛烈な爆風に吹き飛ばされ、思わず尻もちをつくゴーレム。その衝撃で地面が揺れるが、マックスは動じない。
 今こそ勝機だと、彼は確信した。
「マキナエンジン出力全開ッ!」
 出力熱で自身の身体が燃えるようだ。装備しているガジェットが、機械音を立てながら剣の形状に変化していく。
「……目標捕捉、空間座標測定、……空間裁断シークエンス確立ッ!!」
 ガジェットをゆっくりと振りかざす。その剣先は、少し時空が歪んでるように見えた。
 大量の魔力が集中したそれを、マックスはゴーレムへ向かって勢いよく振り下ろす。
「くらえっ!! 極魔導式(マキシマムコード)!」
 "ブリキの聖剣"。空間ごと切り裂いたそれは、ゴーレムの硬い身体にいとも容易く線を描く。
 描かれた線はぐにゃりとネジ曲がり、土埃と大きな音をたてた。
 ゴーレムの破片と共に切れるエレナの鎖が舞い上がったが、オーラで出来たそれは地に落ちること無く消えていく。
「……見事な魔術ね。」
 それを間近で見ていたエレナは思わずそう言った。
 ゴーレムは、先の猟兵が攻撃を入れた肩から胴体にかけてやや斜めに切られている。ぼろぼろ崩れていく石を静かにエレナは見届けていた――が、それもつかの間、慌てた様子でドラゴンランスを構えた。
 素早い動きで放たれた槍は、ふわりと浮いた石に弾かれる。
「――っ!!」
 ごとり、ごとりと、浮き上がる石。
「い、一体何が……。」
 戸惑うマックスに、エレナが距離を取りながら答える。
「このゴーレム、核(コア)があるタイプだったみたいね。さっき切断面からちょっとだけだけれど見えたわ。」
 先程槍を投げたのはそういうことだったのか。彼女の咄嗟の判断は見事なものだったが、それよりもゴーレムの再生のほうが早かったようだ。
 辺りの石が、核に秘められた魔力によって浮き上がり、そしてゴーレムに次々付けられていく。
 元々石造りの空間。石は腐るほどあり、石で創られたゴーレムの身体は目に見えて肥大化していくのがわかった。
 その大きさ、元の倍と言えるだろう。
 “ゴーレム巨大化”を使用した魔法兵器が、再び猟兵達に襲いかかる!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エルシー・ナイン
ゴーレム……つまりこの世界でいうロボットですね、把握しました。

とはいえこの巨体、ワタシの装備では有効打を与えられそうにありません。
ここは【エレクトロレギオン】で機械兵器を呼び出し、ゴーレムに纏わりつかせて【時間稼ぎ】を行いつつ、どこかに弱点がないか【情報収集】させましょう。

ワタシ自身はゴーレムの足元を駆け回りつつ、仲間達の【援護射撃】を行います。

もし弱点を見つけたら、【覚悟】を決めて【零距離射撃】で弱点となるポイントに熱戦銃の一撃を叩き込みます。
効果があるようでしたら、弱点の情報は仲間達と共有しますよ。


陸刀・秋水
陸刀秋水、微力ですが支援させていただきます。

他の方に遅れぬようにバトル・インテリジェンスを使用。
その後は【支援射撃】徹底を。
グロリアさんが収集した情報は本当に有り難いですね。感謝しながら活用させていただきましょう。
敵の動きを【第六感】でも見極めながら、仲間へ攻撃を加える挙動を見せたら【スナイパー】で膝と足の関節を狙います。
塵も積もれば山となると言いますし、ダメージを蓄積させるのは悪くないでしょう。
攻撃タイミングが効率化の為に挙動は常に【情報収集】して傾向を纏めて行きます。

こちらの存在は【迷彩】である程度誤魔化せれば良いのですが、回避は完全にAI任せですね。
(アドリブなどご自由に動かして下さい)



 目の前に立ちはだかるのは、巨大化したゴーレム。
 先の猟兵が真の姿となり放った一撃は強力なもので、敵に甚大なダメージを与えているのは確かだ。
 ゴーレムの生命線となる核も、個体によりどこに埋め込まれているかはばらばらであり、先程仕留めきれなかったことを責めるものは誰もいない。
 しかし、より巨大となったそれに、危機感を覚えないものもいなかった。
 そんなゴーレムの上空には、一機のドローンが飛んでいる。
 ドローンは新たな援軍である陸刀・秋水(スペースノイドの陰陽師・f03122)が“バトル・インテリジェンス”を使用し召喚したもので、ゴーレムの戦闘能力を演算し秋水を操作する準備に取り掛かっていた。
 回避はドローンに搭載されているAI頼みになるだろう。しっかり分析をしておかなければならない。
 秋水自身はというと、迷彩で身を隠し、援護射撃の準備をしていた。
「ゴーレム……つまりこの世界でいうロボットですね、把握しました。」
 そんな秋水を尻目に前線に出たのは、エルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)。
 ウォーマシンである彼女は、目の前のゴーレムと対峙し何やら分析をしているようだった。
「……この巨体。完膚なきまでに破壊したいところですが、私の装備では有効打を与えられそうにありません。」
 淡々と言う彼女。しかしそれは、戦闘放棄という意味で出てきた言葉ではない。
 有効打を与えられそうにないならば、それに繋がることをすればいいだけの話だ。
 自分には、数多くの仲間がいるのだから。
 ――“エレクトロレギオン”。
 エルシーの足元から大量に出てきたのは、小型の機械兵器。気付いたゴーレムが薙ぎ払おうとするが、いかんせん数が多かった。
 数匹は破壊されたものの、その腕を伝ってゴーレムへ向かう機械兵器。
 蟻が、群れて一つの獲物を仕留めるが如く纏わりついていく。
 手で自身の身体を払うようにするゴーレムだったが、既にその身体の内部にすら機械兵器は入りこんでいた。
 思っていたよりもゴーレムは機械兵器に気を取られているようだ。エルシーは機械兵器に意識を集中し、ゴーレムの身体を調べ上げていく。
 先程わずかだか露出した核は、ありあわせの岩でそう簡単に隠せるものではないだろう。仲間達が作り出したチャンスをこの場で失う訳にはいかなかった。
 ゴーレムに潰され減っていく兵器達。それに取り乱すことなく、集中していく。
 やがて彼女はゆっくりと目を開けた。
「……ゴーレムの動力源、捕捉しました。」
 内部にいる機械兵器に攻撃を指示したのと、ゴーレムが跳躍したのは、ほぼ同時だった。
 どぉん。と地面を大きく叩きつける音とともに、小さな破裂音が響く。エルシーはそのヒップドロップを間一髪で避けたが、機械兵器の攻撃は間に合わなかったようだ。先程の衝撃で全ての機械兵器の消滅を確認する。
「皆さんに通達します。ゴーレムの動力源である核(コア)は、胸部中心部に存在しています。」
 だが、役目は果たした。後はそれにたどり着くための活路を少しでも開いておくだけだ。
 エルシーはゴーレムに駆けていく。彼女を握りつぶさんと繰り出された巨大な手の指は、秋水の援護射撃によって何本か吹き飛んだ。
「微力ですが支援させていただきます。」
 大きさは倍になれど、先程別の猟兵が解析していた攻撃が通りやすい部位は変わっていないようだ。
 先人の情報に感謝をしつつ、秋水は慎重に狙いを研ぎ澄ましていく。
 自身の武器である改造熱線銃を構えると、その蒼白色の光線はゴーレムの膝に当たっていった。
 何発か撃ち込んでいると、エルシーと戦っていたゴーレムが突如膝をつく。
「塵も積もれば山となると言いますしね。」
 それを確認した秋水。今度は足の付け根に狙いを付けた、が。
 ゴーレムはこの射撃が脅威だと感じたのだろう、迷彩で隠しきれなくなった秋水の存在に一目散に走ってくる。
 剛速球のごとく放たれた拳に、上空にいたドローンがぴぴっと反応した。
 巨大な拳は、命中判定が大きい。秋水は素早く立ち上がると力を入れることなく、タイミングを合わせて両足を出し、その足裏にゴーレムの拳を付けた。
 物凄い勢いでそのまま宙へ放り出される秋水の身体。しかし外傷はなく、彼は身体を丸めながらくるくると回転すると、何事もなかったように地へ降り立った。
 人間離れしたその動きは、AIによる遠隔操作によるものだ。念の為準備しておいてよかったと、秋水は内心胸をなでおろしていた。
 秋水は再びゴーレムを見据えたが、ついさっきまで応戦していたエルシーの姿が見当たらない。まさか先程の攻撃に巻き込まれたか。
 彼は辺りを見渡したが、ゴーレムの挙動にはっとする。
 そして素早く銃を構えると、肘に向かって光線を繰り出した。
 動きが鈍るゴーレムの身体。その腕の先、ゴーレムの背中には、エルシーが張り付いていた。
 振り落とされまいと片手でゴーレムの肩に捕まりながら、もう片方の手で熱戦銃を構える。
 ゴーレムは未だ背中に手を回そうともがいていたが、秋水の射撃はそれを許さなかった。
 背中の中心部に、ぴたりとその銃口が当てられていく。
「……ただいまより、零距離射撃を開始します。」
 事務的に言うエルシー。しかしその直後、爆音と土煙が彼女を包んだ。
「っ……なんて無茶を……!」
 爆風により吹き飛んだ仲間の元へ駆け寄る秋水。失礼しますと一言断ると、AIに動きを任せ自分よりも大きなエルシーを後方の安全な場所へ運んでいく。
 エルシーはにこやかな顔のまま目を閉じていたが、ぱちりとその目を開くと真っ直ぐ指をさした。
 指した場所はゴーレムの背中で、その背中は銃撃により大きくえぐれている。核は、まだ見えなかった。
「あそこです。あそこの奥に、核が存在しています。」
 どうか、皆さんに通達を。
 エルシーの言葉に、秋水は目を見開くと、力強く頷いた。
「貴重な情報、ありがとうございます。」
 彼はそう言って立ち上がると、仲間たちの元へと駆けていく。
 少しずつ、だが確実に、ゴーレム撃破が見えてきていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ペーナァ・キャットハウス
色々助けてくれたアリアちゃんに感謝やね

まずは観察
相手は硬そうなので正攻法は難しいかな?
最初は剣を使ったUC(POW系)を考えてました

そして見出したのは「ゴーレムパンチ」
剣が通じない相手でも諦めないのが“ゆうしゃ"の戦い方!
他の猟兵さんに気を取られてる隙にレプリカクラフトで【仕掛け罠】を準備
罠のサイズは敵の拳が余裕で入るサイズに
整ったらその上でびしっと挑発!
「“ゆうしゃ"のうちを倒して名を上げてみたらええやん!」
みたいな事言いつつ小石とか投げつけます
誘いに乗ってきたら相手の挙動に集中
それまで見てきた動きから拳の速度を予測して【見切り】【逃げ足】を発揮
紙一重で避けるのを狙う
判定は勿論【SPD】で!


ルベル・ノウフィル
アレンジ・アドリブ歓迎
連携歓迎

WIZ
星守の杯を判定に使用

尻尾をパタパタさせながら杯を逆さに
天から星屑が舞い降りて仲間の皆様を癒すことでしょう

巨大なゴーレムはちょっと格好良いなと思ってしまって見惚れます
ああいうゴーレムに、僕は騎乗したい
男の浪漫でございましょう……?

ちょっと試しにワンコダイブ(謎)で腕から肩に跳ね頭の上にのぼってみましょう
わっふー!
そして多分ぺしっと払い落とされます、ハエみたいにぺしっ、
ころん
地面に転がってしょんぼりしつつ
ふと思い出してリザレクトオブリビオンを使えば蛇竜が出てきます
「僕の蛇竜も愛らしいのです」
なでなで。

え、何をしに来たかって?
あの……援護を、しにまいりました。はい



 猟兵の一人から、えぐれている背中を攻撃するよう指示が入る。
 分厚い岩盤を削るのは容易ではない。しかしそこに攻撃を集中すれば、核が露出するのは時間の問題だろう。
 しかし巨大なゴーレムとの戦闘で、猟兵達は満身創痍になっていた。
 そんな猟兵たちに降り注いだのは、小さな星。
 迷宮に差し込んでいる光を受けてきらきらと降るそれは、猟兵達にこつんと当たると傷を吸い取るかのように回復を施していく。
 「杯を逆さに、高虚より降り注ぐは夢の星粒――“星守の杯(コンペイトウレイン)”。」
 その声に猟兵の一人が振り向くと、ふさふさの狼耳に、ぱたぱたと揺れる大きな尻尾。援軍であるルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)が佇んでいた。
 途中から参戦した彼は自身のユーベルコードを使っても大して疲労せず、呑気にゴーレムを見上げる。
「ああいうゴーレムに、僕は騎乗したい……。」
 男の浪漫でございましょう?というルベルはなんと、とてとてとゴーレムに走って行く。
 巨大なゴーレムの薙ぎ払いを軽々避けると、そのまま腕を伝い、肩、頭まで移動すると、わっふー!と言いながら座った。攻撃をするわけでもなく、座ったのだ。
「あ、危なーい!!」
 その行動に呆気にとられていたペーナァ・キャットハウス(お外でゴロゴロ・f05485)だったが、ルベルに迫りくる手を見て大声を上げる。
 声に気付いたルベルは間一髪で回避したが、バランスを崩しぺしゃっと地面に落ちた。
「ああ……落ちてしまいました。」
 しょんぼりとしているルベルに「一歩間違えたらぺしゃんこになってまうよ!」と注意するペーナァ。
「でも、回復は助かったよ。おおきにね。」
 彼女はそういって剣を構える、が。今回の相手に自分の太刀筋が通る気がしない。
 自分を助けてくれた剣豪でさえ、やっとのことで攻撃が通ったほどだ。体格が小さい自分が正攻法で行くのは限度があるだろう。
 幼いながらに彼女は頭をフル回転させた。先の猟兵達との戦闘で、ゴーレムに対抗する一手を必死で考える。
 自身の剣は通らず、脆い部分を突いて行くにしても硬化されたらどうしようもない。
 そういえば戦いの最中、何度も硬化していたが、攻撃を食らっていても硬化をしていなかった時もあった。
 一つは、鎖に雁字搦めにされていたとき。
 もう一つは、機械兵器にまとわりつかれていた時。
 ――自身の体の自由を奪われる行動に、弱いのではないだろうか?
 試してみる価値は、ある。
 それが出来る術も、ある。
 ペーナァは弾かれたように後方へ移動した。
 取り残されたルベルはと言うと、
「ゴーレムもかっこいいですが、僕の蛇竜も愛らしいのです。」
 なでなで。
 自身が呼び出した蛇竜を愛でていた。
 テンションのギャップに移動しているペーナァが軽くこけた気がするが、目の前のゴーレムは容赦しない。
 蛇竜ごと掴みかかろうとするゴーレムだったが、ルベルはゆらりとした身のこなしで攻撃をかわす。
 わわっ、と慌てた声を出すものの、そこからは余裕が感じられた。
 ゴーレムがルベルに気を取られてるうちにと、ペーナァは“レプリカクラフト”を起動し、地面に仕掛け罠を設置していく。
 ゴーレムの拳が入るくらいの大きさの穴を掘り、中は簡単に抜けないよう返しを付け、底には返しが破壊されないよう衝撃を吸収するクッション材を敷き詰めた。
 穴の表面は完璧に石畳を偽装する。そのせいもあってかちょっとやそっとの重さでは発動しないが、ゴーレムほどの重さがあるなら話は別だ。
 ペーナァは罠の真上に位置取ると、手のひらほどの小石を拾い勢い良くゴーレムに投げた。
 幸いにも頭にクリーンヒットした石。ルベルへの攻撃をやめてぐるんと勢いよく振り向くゴーレム。
「一方的に攻撃して恥ずかしくないんか!」
 すぐさま出てくるのは挑発の言葉。続いて自身の装備である『でんせつのけん』を抜刀しその剣先をゴーレムに向けた。
「うちが相手になったる! さあ、“ゆうしゃ"のうちを倒して、名を上げてみたらええよ!」
 ずず、とゴーレムが動く音がする。
 石畳を折りながら巨大な足を踏みしめ、太く強堅な腕を振りかぶるのが見えた。
 “ゴーレムパンチ”が、ペーナァに襲いかかる。ペーナァはまだ動かなかった。命中地点が確定するその時まで、ゴーレムを引きつける必要があったからだ。
 まだ、まだ、まだ――
「……今や……っ、!!」
 地を蹴り後退するペーナァ。直後彼女のいた場所は粉々に破壊されていく。
 その衝撃波は凄まじく、攻撃をぎりぎりまで惹きつけたペーナァは直撃こそ免れたものの吹き飛ばされてしまった。
 体勢を崩され、受け身を取る余裕はない、下は石畳。
 落下のことを考えぞっとするペーナァ。思考する時間は山程あれど身体が動くわけでもなく、ただ衝撃に備えた。
 もふん。
 が、背中に感じたのはふわもふの感触。
 遊牧民である彼女は、この正体を良く知っている。獣のそれだ。
「ふぅ、間に合ってよかったです。」
 後ろを見ればルベルとその蛇竜がいて、彼の大きな尻尾がペーナァを受け止めていた。
 長く安堵の息を吐いたペーナァ。前を見れば、拳が地面に突き刺さり抜けないゴーレムがいた。
 ペーナァはルベルにお礼を言いながら立ち上がる。すると彼は「一応これでも援軍ですから。」と言って微笑んだ。
 再びゴーレムへ向き直り、武器を構える。えぐれているゴーレムの背中は隙だらけだ。
 核が露出するまで、後少し。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

蒼汁之人・ごにゃーぽさん
ごにゃーぽ☆こいつは遊びがいのあるアトラクションだぜ☆
つか、この身長差だと密着するぐらいの超近接戦の方がボクに有利。

愛騎ハルキゲニアをハルキゲニアライドで召喚し直して、武器改造でごにゃーぽ☆ツールを搭載してテンペストで合体☆グラップルモードだ☆
パルクールアクション(空中戦、ダッシュ、クライミング、ジャンプ、見切り、逃げ足)で攻撃を回避しつつ第六感でタイミングを計る。
ゴーレムパンチにタイミングを合わせてジャンプしその腕に飛び乗るよ☆
うまく飛び乗れたらパルクールで駆け登り、鎧無視攻撃の無限風神風幻影を頭部に叩き込むよ☆
一点でもダメが通るなら万回でも億回でも蹴り続ければその内倒れるだろおらー


ラティナ・ドラッケンリット
「遅れてすまない。状況は把握した。私は前衛でいかせてもらおう」
この手の巨大な魔物も、重装で防御を固めた者も、ドラッケンリット家の冒険者が得意とする相手だ。
反撃される前に壊れるまで叩けばいい。シンプルだ。
【ダッシュ】と【見切り】、それから【勇気】、必要なら【ジャンプ】でゴーレムの懐まで接近する。
【怪力】、【鎧砕き】、【鎧無視攻撃】、【捨て身の一撃】を込めて断山戦斧『しゅとれん』で『グラウンドクラッシャー』をゴーレムに向かって繰り出す。
これだけ大きければ地形のようなものだろう。
迷宮の地形ごと粉々に破壊してやる。


竜胆・エレナ
弱点も見えたし、みんなのおかげで倒す目処がついたわね!
さぁ!一気に倒しましょう!

コアへの攻撃を妨げる岩石はウィザード・ミサイルで弾いていくわ。
燃えにくい鉱石であっても、圧力を掛けたら動くでしょう?

味方の攻撃に合わせて、ドラゴニアン・チェインも使うわ。
真の姿を解放して、掛ける力を強める!
「ふふん、悪いわね。今度はもう少し力比べしましょうか!」

誰かがコアを破壊してくれればそれで十分。お姉さんは縁の下の力持ち。
でも、誰も機を得ずに倒し損ねているなら、ドラゴニック・エンドでガーたん(命名)を呼び出して倒しちゃうわよ。
「仕方ないわね!やっちゃえガーたん!」

ふぅ……これでこのダンジョン貰えるかしらね?



 先の猟兵が仕掛けた罠は効果的で、ゴーレムは拳を穴から出そうと躍起になっている様子だった。
「よし、皆のお蔭で弱点は見えた。後は倒すだけね!」
 一気に倒しましょう! そう仲間を鼓舞するのは竜胆・エレナ(ドラゴンお姉さん・f08680)。
 捨て身でゴーレムの動きを止めた猟兵の働きを無駄にせんと、“ウィザード・ミサイル”を使用し、ゴーレムの動きを妨害していく。
 それと同時に、コアが少しでも露出しやすいよう背中周りにも同じく炎の矢を放って行った。
 確実に、弱って行くゴーレム。
 そんなゴーレムの背後に忍び寄る、小さな小さな影がひとつ。
「ごにゃーぽ☆ こいつは遊びがいのあるアトラクションだぜ☆」
 それは“愛騎ハルキゲニア”に乗って登場したヒーローマスクの蒼汁之人・ごにゃーぽさん(戦慄の蒼汁(アジュール)・f10447)だった。
 彼女はカンブリア期生物を模したそれから降りると今度は“ハルキゲニアライド”を使う。
 すると今度は先程の倍はあろうハルキゲニアが現れた。それは分裂するとごにゃーぽさんに装着されていく。
「合体☆ グラップルモード☆」
 かっこよくポーズを決めながらペットロボと合体すると身動きの取れないゴーレムに向かっていくごにゃーぽさん。
 それに気付いたゴーレムはなんとか後ろ手に払おうとするが、合体をすることでパワーアップしたごにゃーぽさんは、朝飯前と言わんばかりに避ける。
 避けたごにゃーぽさんは目にも留まらぬスピードでゴーレムを駆け上がると、そのまま高く跳び攻撃の通りやすい頭部にへと狙いをつけた。
「これで決める! 真!神・風・特・攻!! おらおらおら~!!」
 合体し大きくなったものの、それでも小さな蹴りがゴーレムへと繰り出される。
 光速で繰り出される蹴りはその速さゆえ捉えきれず、遠くから見ればごにゃーぽさんがゴーレムの頭の上で浮いているように見えるほどだ。
 一つひとつのダメージは、小さなもの。しかしごにゃーぽさんの蹴りは何万、いや、もしかしたら何億かもしれないほどに打ち込まれていた。
 序盤であれば、ゴーレムも頭に手を伸ばし抵抗できたのかもしれない。だが猟兵達の戦闘で、ゴーレムに供給されている魔力にも限界が生じ始めていたのだ。
「おーらおらおらおらおらおら!!」
 やがてゴーレムの後頭部に亀裂が入り、
「おーららららららららららららぁあ!!!」
 広がる亀裂はゴーレムの頭全体を這う。
 ぱきん。
 その亀裂も蹴りにより除々に大きくなり、やがて折れ、砕け、ぼろぼろと地に落ちていった。
 目の前にあるのは、首なしの石像。
 核を失っていないゴーレムは、それでも動き続ける。しかし、視認をすることが出来ないそれは、明らかに反応速度が鈍っていた。
 更に追い打ちを掛けるがごとく、エレナの“ドラゴニアン・チェイン”がゴーレムを絡める。
 ごにゃーぽさんはそんなエレナを反射的に見ると、わーお☆と声を上げた。
 オーラに包まれるエレナは、真の姿へと変化しつつあったからだ。
「ふふん、悪いわね。――今度はもう少し力比べしましょうか!」
 そう言った彼女は、自身とゴーレムを繋ぐ鎖を強く握りしめる。
 小さく岩の割れる音が聞こえ、首のないそれは声すらも上げることができないまま膝を突いた。
 しかしエレナのパワーは凄まじくそれさえも許さない。締め上げられる上半身がバランスを崩し、ゴーレムは片腕を穴に突っ込みながらばたりと倒れる形になった。
 地に伏せるゴーレム。あとは核を破壊するだけだ。
 エレナは自身のドラゴンランスを構えるが、息は荒い。彼女も過酷なダンジョンと戦闘に、疲労の色が見えてきていた。
 倒れているゴーレムは、それでも尚動こうと抵抗を続けている。鎖を解いて槍を放つか、否か。
 自分の“ドラゴニック・エンド”は威力こそ高いものの、もし狙いを外してしまえば召喚ドラゴンのガーたんを呼び出し追撃を与えることは不可能だ。
 ちなみにガーたんという名前は今現在彼女が命名した。それはそれとして、この鎖を出しながら槍を放つのは厳しい。
 どうするか。エレナは長く息を吐くと、近づいてくる新たな気配を感じた。
 それを聞くなり彼女は槍を石畳の間に突き立て、鎖にすべての神経を集中し始める。
「お姉さんは縁の下の力持ち。それで十分。」
 だから、確実にお願いね。
 そう彼女が言うと同時に、真横を通り抜ける一人の猟兵。援軍が来たのだ。
 赤い短髪を靡かせ、ギリギリまで機動性を追求した鎧を身に着けた彼女は敵と、周りにいる仲間を見渡す。
「――遅れてすまない。任せてくれ、状況は把握した。」
 ドラッケンリット家が誇る屈強な蛮族戦士、ラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)。
 援軍として駆けつけた彼女は、改めて相手を見据えるとその瞳を爛々と輝かせた。
 ゴーレムのように巨大な、そして防御力の高い敵こそ、我がドラッケンリット家の冒険者が得意とする相手。
 仲間から背中を攻撃し核を破壊してほしいとの声が聞こえる。この状況であれば、防御を警戒することもない。
 ラティナは軽快に走りそのまま跳ぶと、自身の断山戦斧『しゅとれん』を大きく振りかぶる。
「粉々に破壊してやる!!」
 そして抉れたゴーレムの背中へ渾身の力を込めて一気に振り下ろした。
 “グラウンドクラッシャー”。そのユーベルコードは至極単純、単純明快。
 一点の力を込めて下ろされた斧は、真っ直ぐに岩盤へ突き刺さる。
 それが見えたのは一瞬で、収まりが効かなくなった力は周りへ、つまりゴーレムの身体全体へ広がり、やがてそこでさえも収まりきれず膨張していく。
 砕け散るゴーレム。ぶわっと舞い上がる岩石。その岩石の中にまぎれて、先の猟兵が見たという核らしき球体が見えた。
 ひび割れているそれは、岩石と共に舞い、そして落下すると完全に割れる。
 瓦礫の上、石の雨の中一人佇むラティナ。
 彼女は核が割れたのを確認するとふぅと一息つく。
「一撃で仕留められたのは、皆のお陰だ。ありがとう。」
 そして仲間に屈託のない笑顔を向けた。戦いは終わったのだ。
「ごにゃーぽ☆ 戦いが終わった後に飲む蒼汁は格別だぜ☆」
 瓦礫の上で仁王立ちをしているごにゃーぽさん。どこから蒼汁を取り出したのか、一人勝利の祝杯を挙げる。
 他にも、援軍に駆け寄る者や、後ろで胸をなでおろす者、行動はまちまちだが、勝利を喜ぶ気持ちは同じだった。
 そんな猟兵達に、突如さあっと葉が降り注ぐ。
 驚きあたりを見渡してみれば、その正体はゴーレムに倒されたトレントの葉であることがわかった。
 迷宮の隙間から吹き上げる風は、葉を舞い上げ、そして落としていく。
 トレントもまた、訓練用迷宮の主であることからオブリビオンを倒さんとするアルダワ学園の一員だったのだろう。
 なんだかお礼を言われている気がする、と猟兵の一人が漏らし、少しだけ静かな時が流れた。
「……任務は終わったし、撤収かしらね。」
 沈黙を破るようにエレナが伸びをしながら言う。
 このダンジョン、貰えるかしら?というエレナ。学園のものだし、掛け合ってみてはどうだというラティナ。
 援軍に来てくれた猟兵に周りの猟兵が、ここに来るまでの経緯や、ダンジョンのことを話していく。
 そうやって他愛のない話をしながら、やがて小さくなる猟兵の姿。それを見送る木の葉達。
 葉が散ったトレントの枝には、よく見ると小さく文字が彫り込まれていた。
『見事強敵を打ち破った諸君! おめでとう、君たちは学園が誇る立派な生徒達だ。これからの未来に祝福あれ!』
 誰にも届かない称賛の言葉は、やがて朽ち果て土へ還り、迷宮の糧へとなっていく。
 ――これからの未来に祝福あれ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月12日


挿絵イラスト