エンパイアウォー⑦~車懸かりの少女剣士
徳川幕府軍を関ヶ原で待ち受ける信長軍。
そこには軍神『上杉謙信』と共に上杉軍精鋭部隊もあった。
「この上杉謙信ってのは、軍神車懸かりの陣ってのを組んでいてね」
厄介なその陣形を、苦い顔で九瀬・夏梅(白鷺は塵土の穢れを禁ぜず・f06453)が説明していく。
形としては円陣なのだが、全軍で風車の如く回転しながら、最前線の兵士を目まぐるしく交代させる、という超防御型攻撃陣形で。
前線を離れて次にまた前線に戻るまでの間、充分な回復時間を得ることができるため、相手は常に万全の上杉軍と戦わなければならなくなるという。
上杉謙信のずば抜けた統率力があってこその厄介な陣形だ。
さらに、上杉謙信は、自身の復活時間を稼ぐ為にもこの陣形を使っているため、上杉軍と上杉謙信双方を倒さなければ、上杉謙信を倒すことはできないそうで。
「上杉謙信には別の奴らが向かってる。
こっちは、上杉軍を撃ち崩す方に注力しとくれ」
言って夏梅は、対峙するであろうオブリビオンの集団を示す。
それは、異国の少女剣士。
サムライエンパイアにはない剣術を使う、徳川幕府軍には戦い難い相手だ。
しかも、少女剣士は車懸かりの陣の恩恵を受けている。
後方から出て来たばかりで最高のコンディション。
さらに、防御力が上がっているため、並大抵のダメージなら耐えきってしまい。
陣の流れで後方に逃げられれば、回復してまた後で前線に現れてしまう。
敵の防御を撃ち抜くような大ダメージの攻撃で、もしくは逃げられぬように連携攻撃を重ねて、1体づつ確実に撃破していく必要があるのだという。
「集団とはいえ、1人1体を狙う感じになるだろうね。
複数纏めて倒そうとすると、逃げられる算段の方が高い」
少しいつもと勝手が違うかもしれないと夏梅は告げて。
それでも、信頼を見せて猟兵達へと笑いかけた。
「陣の一角、見事崩して見せておくれよ」
佐和
こんにちは。サワです。
車懸かりの陣を見て、暑いからか扇風機を連想しました。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
軍神『上杉謙信』は、他の魔軍将のような先制攻撃能力の代わりに、自分の周囲に上杉軍を配置し、巧みな采配と隊列変更で蘇生時間を稼ぐ、『車懸かりの陣』と呼ばれる陣形を組んでいます。
つまり上杉謙信は、『⑦軍神車懸かりの陣』『⑱決戦上杉謙信』の両方を制圧しない限り、倒すことはできません。
このシナリオでは、車懸かりの陣を構成するオブリビオン『異国の少女剣士』を外縁部で撃破します。
陣形とか周囲のことは気にせず、目の前に現れた異国の少女剣士との戦闘だけを考えていただいて問題ありません。
ただし、陣により防御力が格段に上がっていますので、そちらはご注意ください。
確実に仕留めないと、陣の後方へ逃れてしまいます。
それでは、関ヶ原での剣戟を、どうぞ。
第1章 集団戦
『異国の少女剣士』
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POW : 跳躍飛翔
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
SPD : 縮地法
【瞬間移動】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【至近距離からの斬撃】で攻撃する。
WIZ : 憑呪宿奪
対象のユーベルコードに対し【その属性や特性を奪い取る斬撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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ティットリート・ポルカル
「こ、これが『軍神車懸かりの陣』かにゃ!?」
なんだか嬉しそうに見えなくも無いティットリートの様子。本物の『軍神車懸かりの陣』を見て、怖いと思いながらも、なんだかしっぽをぱたぱたさせて嬉しそうな様子。
「と、ともかく何とかするにゃ!」
そんな『ぱたぱた』尻尾を『ぴんっ』となおして、ガジェットを構える。
「これで、つるつるになるにゃ!」
ガジェットから発射するのは水……じゃなくて、特殊なつるつるにする水。縮地で瞬間移動してきたところへカウンターでつるつるにする作戦。しかし、カウンターは別に得意じゃないので、相打ちになるかも?
失敗したら
「うまくいかないのにゃ〜」
っていいながら、吹っ飛びます。
何でも歓迎!
祇条・結月
上杉謙信っていえばこの陣って感じだけどそれはエンパイアでも同じなんだね
……軍神の手勢に僕が通じるかわからないけど
できることを、する
他の猟兵と連携できそうなら積極的にする
防御力が上がってる、って言ってもそこは鍛えようがないだろうって予測して出会い頭に【先制攻撃】で苦無を目に【スナイパー】で【投擲】
ダメージが与えられるなら丸儲けだし、効かないとしても顔への攻撃は隙を作るだろうし、防御されたとしても問題はない
反撃してくるなら……瞬間移動に対応する能力はないから攻撃はもらう【覚悟】
【第六感】で斬られる刹那に集中して【激痛耐性】で止まらずに反撃に移る
銀の糸を絡めて拘束
後は至近距離から銀の光を放射して削る
「こ、これが『軍神車懸かりの陣』かにゃ!?」
上杉軍を目の当たりにして、ティットリート・ポルカル(お料理大好きなケットシー・f05382)が驚きの声を上げる。
聞くと見るとでは大違い、といったところか。
ぐるぐる回る円陣、というどこか可愛い想像に反して、次々と剣が押し寄せてくるような鬼気迫る様相は、恐怖すら感じる程。
それでも、ティットリートの尻尾はぱたぱたと忙しなく動いていて、本物を見れたという嬉しさに踊っているかのようでもあった。
「上杉謙信っていえばこの陣って感じだけど、それはエンパイアでも同じなんだね」
祇条・結月(キーメイカー・f02067)も、実際に目にできた車懸かりの陣に、どこか感嘆するかのような声を零す。
諸説あるものの、やはり上杉謙信といえば、と名が上がる陣形。
それを、オブリビオンとはいえ効果的に再現し、攻め上がってこれるのは、さすが上杉謙信の統率力、といったところだろう。
思わず見惚れてしまうティットリートと結月だけれども。
「と、ともかく何とかするにゃ!」
「そうだね」
我に返ったように、ぱたぱた尻尾をピンっ! と真っ直ぐ伸ばし、ガジェットを構えて見せるティットリートに、結月は静かに頷いた。
(「……軍神の手勢に僕が通じるかわからないけど」)
まずその手に握るのはクナイ・ダート。
作業道具としてや、近接戦闘でも使える苦無だが。
(「できることを、する」)
結月はそれを、前線に出てきたばかりの少女剣士へと、出会い頭に投げ放った。
狙うのは、白い前髪の間から覗く紫色の瞳。
防御力が上がっている、といっても鍛えようがない場所だろうとの予測から、そして、顔への攻撃は隙を作るだろうと狙っての投擲だ。
少女剣士はとっさに身体を捻り、何とか刃から目を逃がすけれども。
苦無はその白い頬を、ざっくりと深く切り裂いていく。
舞い散る鮮血。
だが、少女剣士はその負傷に片目を顰めつつも、その姿を消した。
そして次の瞬間には、結月の目前へと現れる。
縮地法、もしくは、瞬間移動。
その能力を知っていつつも、対応はしきれないと踏んでいた結月は、至近距離からの一撃を食らう覚悟で、むしろその斬撃に耐えてから反撃をと構えたけれども。
「これで、つるつるになるにゃ!」
刹那、ティットリートが構えたガジェットから、特殊な水が発射された。
それは、色々使えるツルツルの物。
水を受けた少女剣士が、そして足元の地面が、濡れてとってもつるつるになって。
結月へ一撃を放たんと踏み込んだ足が、滑る。
「やったにゃ!」
ガジェットを掲げて喜ぶティットリート。
しかし、つるっと滑った少女剣士は、その場で止まらず、つるつる濡れた地面を飛び込んできた勢いそのままに滑ってきて。
ティットリートへと直撃した。
「うにゃあ!?」
2人揃って転がって、車懸かりの陣から離れた普通の地面でやっと止まる。
「うまくいかないのにゃ~……」
目をぐるぐる回しながら、ティットリートが何とか身を起こす横で。
少女剣士も素早く立ち上がり、すぐに剣を振り上げるけれども。
その周囲を、細い何かが煌めいた。
少女剣士が気付いた時には、その身は銀の糸に捕らわれていて。
細さに反して強固な戒めにもがき、何とか剣を立てて断ち切らんとするけれども。
それより早く、結月が銀の糸を手繰るように間を詰める。
糸を生み出していた銀の鍵から、今度は時空を裂く光を発して。
至近距離から放つのは、触れたものを削り取る光の刃。
「これが、今の僕にできること」
呟きと共に、光は少女剣士を深く切り裂き、削り消した。
ふぅ、と小さく息を吐き、銀の鍵を握り締めると。
「すごいにゃすごいにゃ」
ぱちぱちぱち、とティットリートが肉球で惜しみない拍手を送ってくれる。
こちらを見つめてくるキラキラ輝く青い瞳に、結月は少し照れたような苦笑を見せた。
でもすぐに、首を振って気持ちを切り替えると。
「さあ、もう1体倒そう。手伝ってくれるだろう?」
「もちろんにゃ!」
ぴょこん、と立ち上がったティットリートは、再びガジェットを構えて。
結月と共に、再び車懸かりの陣へと向かっていった。
大成功
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非在・究子
こ、この陣を、落とさないと、幕府軍には、大損害、だし、軍神も、落とせないし、だから、な。か、確実に、削って、行かないと、だ。
しゅ、瞬間移動してからの、近接、剣術。
ま、間合が、読めなくて、厄介だ、な。
こ、ここは、UCで、TASさんの、力を、借りる。TASさん、なら、近接斬撃、見てから、回避も、反撃も、余裕だ。
こ、攻撃時は、【ハッキング】で、自分の攻撃力のパラメータを、瞬間的に、カンスト、させて、最大限の、攻撃力で、畳み掛ける、ぞ。
えっ、あ、はや、も、もうちょっと、余裕を持った、回避を……えっ、あ、アタシの、基礎スペックだと、無理しなきゃ、無理?ぐっ、ぐぇーっ。
雨煤・レイリ
オブリビオンであっても人の形を取られると
傷つけることにちょっと躊躇いはあるんだけど
…そうも言ってられなさそうだね
他の猟兵と協力できるなら協力しよう
いれば庇う事を重視
その人が攻撃に全力を注げるように
戦闘開始後ある程度経ったら後退を警戒
ジャンプしたらダッシュ+ジャンプで追いかけ、地面に叩きつけて逃がさないようにする
跳ぶときの呼吸音にも耳を澄ませて注意
基本は常時≪朱喰≫を展開
右手で自分を庇いつつ、攻撃の主軸はカウンター
微細な攻撃でも吸血しつつ体力を維持
「ごめんね。悪いけど俺も、手加減できる程強くはないから」
これはという攻撃を仕掛けてきたときこそ
自分の身を顧みず捨て身の一撃を仕掛け、巨腕で敵を握り潰す
非在・究子(非実在少女Q・f14901)は長めの前髪の下から上杉軍を眺めて。
「こ、この陣を、落とさないと」
どこか緊張気味に、訥々と言葉を紡ぐ。
「幕府軍には、大損害、だし、軍神も、落とせないし、だから、な」
それでもやらねばならないことは分かっているから。
「か、確実に、削って、行かないと、だ」
ユーベルコードで召喚するのはTool-Assisted Superplay。
現実をクラッキングし改変する仮想ツール。
それを手にしたその時、前衛に出て来た少女剣士が究子に気付き。
ふっ、とその姿を消した。
驚く間すら与えずに、白い髪の少女の姿は、究子の目前へと現れる。
手にした剣は既に構えられ、究子の胸へと向けて突き出されて。
だがその剣先が触れるより早く、究子はくるりと回るように身を躱していた。
瞬間移動により間合いを読めなくしてからの近接斬撃は、究子自身に読み切れるようなものではない。
けれども、Tool-Assisted Superplay……TASで自身を操り、戦闘力を上げた状態なら、瞬間移動して現れたのを目視してからの対処で十分に間に合う。
それだけの反応速度と身体能力が得られているからだ。
さらに、究子は回転の勢いを乗せて、反撃の回し蹴りを放った。
蹴り足は少女の身体を見事に捕らえ、剣士は苦し気に顔を歪めて後ずさる。
そのまま究子は……いや、TASは、少女剣士を追い込むべく、素早い動きで攻め込んでいった。
のだが。
「えっ、あ、はやっ、あ、アタシの、基礎スペックだと、無理しなきゃ、無理?」
攻撃を重ねる毎に究子自身がついていけなくなっていき。
ふらりとバランスが崩れたところに、少女の剣が襲い掛かる。
TASは当然回避行動をとらせようとするけれども。
「も、もうちょっと、余裕を持った、回避を……」
避けきれぬ究子に、鋭い刃が迫り。
刹那、究子の前に、柔らかな煉瓦色の髪が割り込んだ。
「間に合った、かな?」
盾となるように飛び込んできたのは雨煤・レイリ(花綻・f14253)。
肩越しに究子の無事を確かめると、薄黒の双眸を穏やかな笑みの形に歪めて笑う。
「えっ、え?」
唐突な展開が続き、混乱する究子へ、レイリは笑みを苦笑に変えると。
緑髪の頭をぽんっと軽く撫でるように叩いて、改めて少女剣士に向き直る。
次の相手は自分だと言うかのように。
新たな相手の出現に、少女剣士は紫色の瞳を釣り上げ。
警戒するかのように地を蹴り飛び上がる。
そのままさらに空中を蹴ると、跳躍飛翔を見せた。
上空から狙うようでもあり、逃げるようでもあるその動きに。
レイリは口の端で小さく笑うと、地を走って追いかけつつジャンプする。
少女の動きの先を読み、上空を取ったレイリは朱い右腕を振るうと、白髪の剣士を地面に叩き落とした。
「オブリビオンであっても、人の形を取られると傷つけることにちょっと躊躇いはあるんだけど……そうも言ってられなさそうだね」
遅れて着地したレイリの周囲を、花弁の幻影が吹雪く。
舞い散る花の中、掲げられた右腕は朱く、そして刺々しく巨大になっていた。
ひとたび戒めを解かれた『朱忌』の臨戦態勢。
元は右手の爪を朱く染めていただけのものとは思えない程に、レイリの右腕を覆い尽くして巨大化し、その攻撃力を視覚から訴えてくる。
現に、その一撃を受け、地面に伏した少女剣士は、起き上がれぬまま姿を消し。
息をつかせぬままに、車懸かりの陣から次の少女剣士が瞬間移動してきた。
躱しきれる速度ではないと、レイリは巨大化した右手を掲げてその剣を受け。
それによって少女剣士の動きを止めると。
「いけるかな?」
「こ、攻撃、し、仕方ない、な」
紫色の瞳を見据えたまま呟くように問えば、究子が横手から飛び掛かって来た。
剣を弾き、腕を蹴り、胴に拳を突き出して。
「あ、わっ、やっぱり、はやっ」
それでもやはりTASに振り回されてしまうけれども。
体勢が崩れきる前にくるりと後ろに回れば、究子の代わりに前へ出る朱い腕。
「ごめんね。悪いけど俺も、手加減できる程強くはないから」
再び少女剣士と相対したレイリは、巨大化した右腕を差し出して。
「貪れ――≪朱喰≫」
その巨腕は、白い剣士を朱く握りつぶした。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
鳴宮・匡
……さて、こちらも削らなきゃならないと来た
面倒……とは言わないさ
敵を殺すために必要なら、そうするまでだ
見た目からして身のこなしが軽そうだ
……けど、射程はこっちの方が長い
序盤は動きを制限するように牽制射撃を
移動直前の踏み切る足を狙う
武器持つ手を弾き、体勢を崩させるなど
ダメージを与えるより、自由に動かせないように
相手が焦れて、無理やり近づこうとしてくるなら
それを待ち構える
「確実に」至近距離に持ち込みたいんだ
懐に飛び込んできた相手の鼻先へ銃口を向け
【終幕の雨】、至近距離からの銃撃で迎え撃つ
遠くからの攻撃が得手と見えていたなら重畳
生憎、「殺し手」はこっちなんでね
回復の間は与えない
頭を狙って確実に潰すよ
「……さて、こちらも削らなきゃならないと来た」
別の場所で上杉軍と戦っていた鳴宮・匡(凪の海・f01612)は、場所を移して今一度、オブリビオンの軍勢を見据えた。
あの時倒した相手はもうなくとも。
こうして新たな相手が目の前に現れる。
それこそが、車懸かりの陣。
「面倒……とは言わないさ。
敵を殺すために必要なら、そうするまでだ」
今度は白い髪の少女剣士が姿を見せるのを、匡は淡々と見つめた。
小柄な身体は身軽そうで、身のこなしも素早そうだが。
手にした武器は、異国の剣。
(「射程はこっちの方が長い」)
匡は静かにBR-646C"Resonance"を構えると、牽制射撃を開始した。
当てることよりも、その動きを阻害するように。
剣を弾き、進もうとする先に弾を回り込ませ。
ならばと空へ跳び上がろうとした、その踏み切り足を撃ち抜いていく。
悲鳴は小さく口の中で噛み殺され、紫色の瞳が鋭く匡を射抜いた。
だが、匡は動じることなく、変わらず静かにアサルトライフルを構え続ける。
睨み合う、しばしの膠着の後。
しびれを切らしたかのように、少女剣士は地を蹴り、駆けた。
それまでの匡の死角を得ようとする動きではなく、真っ直ぐに。
距離を詰めて剣が届けば、ライフルよりも自身に利があると、接近戦を狙って。
そこまでの負傷は覚悟の上で、少女剣士は白髪を靡かせ走る。
牽制の銃弾に怯むことなく。
ライフルの射程を潜り抜け、剣の間合いまで詰め寄って。
「……遠くからの攻撃が得手と見えていたか?」
剣を振りかぶった少女剣士の目の前に、拳銃が現れていた。
BHG-738C"Stranger"……此処に居ても、何処にもいない。異邦人、の名を持つもの。
くっ、と息を飲んだ少女剣士は、気付いただろうか。
ライフル射撃は少女自身ではなく、この至近距離を得る事を狙っていたのだと。
誘い込まれた少女剣士に、匡は表情1つ変えずに呟く。
「生憎、『殺し手』はこっちなんでね」
そして、終幕の雨が降り注いだ。
連射を重ねて威力を増した銃撃は、ただ1点、少女の頭部を精確に狙って。
確実な終焉を剣士にもたらす。
軍神車懸かりの陣で防御力が上がっていようと。すぐに回復されようと。
それを上回る威力を撃ち込み続けて。
ふらり、と揺れた少女剣士の身体は、地面に倒れる前に消えた。
最後まで油断なく銃を構えていた匡は、ようやくその銃口を降ろす。
その表情は戦いの前から変わることはなく、ただ、静かで。
戦場とは思えない平穏さを纏って立つ。
そのまま振り向き、視線を巡らせると。
まだ車懸かりの陣はあったけれども、少女剣士の姿はもうなく。
次の面が現れ、次の猟兵達が戦い始めているのが見えた。
終わった戦い。そして終わらない戦い。
匡はじっとそれを見つめて。
いつものように銃を握っていた。
成功
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