消えた少女の行方を捜して
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UDCアースでは、今はあちらこちらで夏祭りの季節。
自治体規模で行われる催しは、各地域によって特色があり、参加するのは楽しいものだ。
とある地域の村落で開催される祭りのそのうちの1つ。
一見楽しい村の祭りのようにも思えるが、一部でこんな言い伝えが残っている。
――祭の日には、山に入ってはならない。
なんでも、祭りが行われる日だけは、山に立ち入ることさえ避けるべきだという話だ。
一説によれば、昔の大人達が祭りを楽しむ為に、子供達が目を離していてもどこかに行かないようにする為に作った話らしい。
村民達の解釈も色々あるようだが、神隠しに遭ってしまうという説も根強い。
一体、祭りの日、山では何が起こっているのだろうか。
村の高台にある神社の周囲に鳴り響く祭囃子の音色。
軽やかな笛のメロディに、合わせて鳴り響く和太鼓。それらが祭りを盛り上げてくれる。
子供達は楽しく会場を駆け回って屋台の食べ物をこれでもかと食べ、大人達はなかなか集まらないメンバーが勢揃いし、酒を飲み交わしながら積もる話を語り合う。
そんな楽しい祭りが行われている脇で、1人の少女がふらり、ふらりと歩いていく。
「行かなきゃ、行かなきゃ……」
少女は虚ろな瞳で、何かを見つめていた。
「おい、どうしたんね?」
街の大人が大声で声をかけたが、少女はぶつぶつと呟いて反応することなく、誰もいない山道へと足を踏み出す。
彼女の様子に皆思うことはあったが、祭りを楽しもうとする者がほとんどで、少女の様子を深く気に掛けることはなかった。
祭りが終わり、皆、満足した表情で家路につく。
ただ、翌朝になってようやく、少女が戻ってこなかったことが発覚する。
「やっぱり、言い伝えは本当だったんだ……」
村に伝わる伝承は正しかったのだと皆、口々に噂し合うのだった。
●
グリモアベース。
サムライエンパイアで起こっている戦争で現状は慌ただしい状況だが、その間にも他の世界で事件は起こっている。
――別の場所が注目されている今のうちに……。
オブリビオン達にはそんな思惑さえあるのではないかと感じさせる。
「UDCアースで、少し見過ごせない事件を予見したの」
セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)の話によると……。
その日、とある山間の村落にある神社では、祭りが開かれていた。
主催が村という規模もあり、規模は非常にささやかなもの。
中心に屋台が立ち並び、地元の団体によるお囃子が会場に鳴り響き、神社の催し物などが参加者を楽しませる。
ただ、祭りの間に、事件は起こってしまった。
「その日を境に、1人の少女が村から姿を消してしまったそうなの」
細かい状況は不明だが、彼女は祭りの日に山に向かったが為に、行方知れずになったのだとか。
なんでも、『行かなきゃ……』と呟き、少女が山へと向かっていったのが村民によって目撃されている。
少女が向かった山は、中腹に小さな神社があるのみで、木々もまばらに生える見通しの良い場所だ。
あとは、特に何もない山で、狂暴な動物などが確認されたこともない。
よほどのことがなければ、行方不明になるなど考えにくい状況なのだが……。
「予知では、少女の名前なども確認できなかったから、そこから情報を集める形かしら」
まずは聞き込みをして、少女がどこに向かったのか、向かった先の状況を確認したいところ。
果たして、少女はなぜ失踪してしまったのか。彼女は無事なのか。
いったい何が起こったのかを確認してほしいと、セレインは猟兵達へと願うのである。
なちゅい
猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
こちらは、セレイン運営の旅団『セレインのおうち』に寄せられた依頼を元にしたシナリオです。
こちらのシナリオでは、
第1章は、祭りの日の山の中、行方不明になった少女の捜索を願います。
第2章は、港の廃倉庫、邪教団の利用している倉庫を特定し、その企みの阻止を願います。
第3章は、今回の大ボスとなる存在の撃破を願います。
まずは、祭囃子のこだまする祭りの日、行方不明になった少女の捜索を願います。
章間はプレイングの幅を広げる為の情報を加筆しますので(前章終了から半日以内を目途に)、そちらが確認できましてからプレイングを手掛けていただければ幸いです。
最速のプレイングが届いてから、そちらが失効する前(3日以内)にリプレイを執筆いたします。
シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
それでは、行ってらっしゃいませ。
第1章 冒険
『神隠し伝説を追え!〜怪異は祭囃子と共に〜』
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POW : 山を直接散策して少女の手がかりを探す
SPD : 少女の足取りと言い伝えについて村民に聞き込みを行う
WIZ : 現地の神隠し伝説や迷信について書物やネットで調べる
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紅狼・ノア
*アドリブ歓迎
ん?何々神隠しだって~?
一人の少女が行方不明、それは大変だ早く見つけないと…厄介事にならないうちに…
さでと探す前に言い伝えとかを聞いてくるか【情報収集】
そのあと山に入って動物達に少女を見てないか聞いてみる、道案内もお願いしようかな【動物と話す・動物使い】
こういう時は猫の手が欲しい所だよね
ガルムにも手伝ってもらおう空から見てもらったり怪しい気配を探ってもらったり
僕も【第六感・野生の勘】を駆使し手掛かりを探す
痕跡があれば【追跡】だ
ジノ・シュナイダー
【POW判定】
謎の失踪を遂げた少女……か。
俺らにお鉢が回ってきたってことは、大方邪神がらみだよなぁ。
どうか、無事でいてくれよ。
取り敢えず山の中を捜索してみるぜ。
小さな神社があるらしいからそこを目指しつつ、道中を《サイバーアイ》の【視力】を活かして隈無く探すぜ。
暗い茂みなんかも【暗視】でバッチリなはず!
「おーい、女の子ー! 居ないかー?」
……名前分かんないと不便だな。
途中、誰かに会うことがあれば、行方不明の女の子を見なかったか訊いてみるぜ。
神社についたら、何か手掛かりがないか【情報収集】してみるかね。
俺自身がガキの頃、碌な生活してなかったからさ……。
こういう事件、許せねぇんだ。
黒木・摩那
【WIZ】
少女の行方不明ですか。
邪神絡みの事件に巻き込まれたのであれば、
生贄のためでしょうから、時間はあまりありません。
間に合えばよいのですが。
邪神絡みであるならば、この村には元より邪神と関わりがある何かがあると
思われます。
まずは、地域の古い資料や伝承から、神様の痕跡を探ります【情報収集】。
こういう資料は地域の図書館が一番充実しているものです。
民謡や踊り、言い伝え、迷信など調べてみます。
病院・玖珠理
うぅむ、少し貴様らを酷使しすぎているか?しかし便利だからな、すまんが働いてもらうぞ。
手遅れとは思うが捜索して必要があれば治療を施せ。
よし、行け!(救助活動、医術)
さて、オレは別口で調査をするとしよう。少なくともこの場所…このあたりに何か意味があるわけだからな、現場を足で探るかな(情報収集)
ふん、しかし面白くはない話だ。親がどう思っているか……何とかしてやりたいのはそうなのだがな、どうにもまぁ、いや、今は何も言うまい
UDC関係であるならば、間に合う可能性はあるにはあるのだからな
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UDCアース某所の集落。
そこに、事件を聞きつけた猟兵達が集まってくる。
「ん? 何々、神隠しだって~?」
赤い瞳、黒い髪に黒い衣装を纏う人狼少女、紅狼・ノア(捨て子だった人狼・f18562)がこの場の猟兵達に聞こえるように告げる。
「少女の行方不明ですか」
こちらも黒髪で腰にかかるほどの長さまで伸ばした眼鏡少女、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)が呟く。
「一人の少女が行方不明、それは大変だ。早く見つけないと……厄介事にならないうちに……」
ノアは少女が大事に至らぬようにと、全力でその捜査に当たる構えだ。
「謎の失踪を遂げた少女……か」
少年時代にサイボーグに改造された過去を持つ、ジノ・シュナイダー(お調子者系強化人間・f14166)は問題の山の方角を見て考える。
「俺らにお鉢が回ってきたってことは、大方邪神がらみだよなぁ」
そのジンの考えに、邪神絡みの事件に巻き込まれたのであれば、生贄であるのだろうと、摩那も同意する。
「時間はあまりありません。……間に合えばよいのですが」
「どうか、無事でいてくれよ」
ジノは子供の時、碌な生活をしていなかったと言う。
だからこそ、こういった事件を許すことができないのだとか。
そこに駆け付けた白髪、白衣の少年、病院・玖珠理(個人病棟・f20994)がすぐさま動き出す。
「うぅむ、少し貴様らを酷使しすぎているか?」
玖珠理が気にかけているのは、自身のユーベルコード『見境なき医師団』の面々だ。
とはいえ、医療行為を行うだけでなく、救助活動にも動いてくれる彼にとっては便利な存在であり、すまないが今回も働いてもらうと指示を出す。
「手遅れとは思うが、捜索して必要があれば治療を施せ。よし、行け!」
医師団は一斉に周囲へと散らばり、少女の捜索を始める。
なお、玖珠理としては、医師としてドライな判断をしたのだが、少女の無事を信じたい他3人にひんしゅくを買ってしまったようだった。
●
さて、調査に当たっては個々にやりたいことがあるようで、4人は散開していく。
「この集落に言い伝えとかないか、聞いてくるか」
ノアは直接、集落民に話を聞き、何か関わり合いのありそうな伝承など、情報を集めに向かう。
「邪神絡みであるならば、この村には元より邪神と関わりがある何かがあると思われます」
そう考え、摩那は地域の古い資料や伝承から神様の痕跡を探ろうと考え、地域の図書館へと足を運ぶ。
「こういう資料は地域の図書館が一番充実しているものです」
民謡や踊り、言い伝え、迷信など、摩那は地域に伝わるものについて、詳しく調べていく。
しかし、2人の期待に反して、邪神と言い伝えなどに関係性を見出すことができない。
どちらかと言えば、邪神の話は突発的に起こっている印象を抱かせる。
仮に、邪神絡みの話が古くからあったなら、山に生贄を捧げるなどという話が残っていてもおかしくないが、そういった物騒な伝承などを、摩那は確認できなかったのだ。
「では、あの社は……」
摩那は山にある神社について調べてみると、距離もそれなりに遠いこともあって、今は使われていない場所なのだとか。
ノアも山の神社の利便性が良くなく、祭りの行われた集落の神社を使うことがほとんどという話を集落民から耳にする。
では、山の社は現状どうなっているのか。
その疑問に2人が行き着くのは、それほど難しくはなかった。
玖珠理やジノは山へと入っていた。
「さて、オレは別口で調査をするとしよう」
医師団に集落周囲の広い範囲を捜索させる間、玖珠理は気になる現場に関して集落から山にかけて情報収集に当たる。
その少女の名は、後藤・彩夏、中学2年生。
彼女がぶつぶつ呟きながら山へと向かう様子は、集落民が目撃しているようである。
簡単に話を聞いた後、玖珠理は実際に何かがあったと思われる少女の足取りを追うような形で、現場を足で探る。
「少なくともこの場所……このあたりに何か意味があるわけだからな」
先程、医師団にはああ言ったものの、玖珠理とてUDC関係が原因なら間に合う可能性はあると考えている。
「ふん、しかし、面白くはない話だ」
少女の両親も娘が返ってこず、心配している。
どうにかしてやりたいのは、やまやまだが……。
「どうにもまぁ、いや、今は何も言うまい」
いずれにせよ、なんらかの足取りをつかんでおきたいところだ。
ジノも神社を目指して移動しつつ、その道中を『サイバーアイ』の【視力】を活かして隈無く捜す。
暗い茂みなどは暗視を使い、道中で事故に遭った可能性などもふまえ、少女を探す。
木々もさほど密には生えていない山だ。何かあれば発見は容易なはず。
「おーい、女の子ー! 居ないかー?」
名前がわからない不便さを感じながらも、ジノは声をかけ続ける。
集落民はおそらく、山へとほとんど入っていない。
雑草の伸び方がそれを表しているのを、ジノは確認していた。
ただ、それらを踏みしめ歩く何者かの足跡がこの場所に何かがいたことを証明してくれる。
「つっても、誰か会うのは期待薄だな……」
山が危険な可能性が高いと集落民もわかっており、わざわざ自分から危険な場所へと足を踏み入れたりはしないだろう。
遅れて、ノアも山へと入る。
彼女は動物達に少女を見ていないかと尋ねると、山に住むタヌキが教えてくれる。
「ありがとう。道案内お願いね」
動物と話し、ノアは山道を進んでいく。
途中、漆黒の毛並みと翼を持つガルムにも空を飛んでみてもらいながら、ノアも直観を生かして手掛かりを探す。
彼女もやはり、手入れされていない山に人の踏み入った跡があるのが気になっていたようだ。
そして、最初にジノが山の神社へと至る。
長いこと手入れされておらず、かなり寂れていたが、これまた誰かが入った跡を感じさせる。
「ただ、すでに人気がないんだよな……」
社の周囲を確認していると、程なく玖珠理やノアも合流してくる。
残念ながら、医師団もガルムも事件関係者と思われるものの姿を捉えることはできなかったようだ。
調べ物を続ける摩那以外のメンバー達が揃ったところで、社の中へと踏み入る。
そこに描かれていたのは、何らかの魔方陣だった。
「すでに動いていないな」
試しに玖珠理が石を投げ入れ、ノアが危険を承知で実際に陣へと入ってみるが、魔法陣は反応を見せない。
「陣は新しいと思うけどねぇ」
ノアが陣をぴょんぴょんと踏みしめながら告げる。
すでに機能はしていないが、それが使われたのは間違いない。何らかの転送がなされたのだろう。
「残念だが、少女はもう連れ去られた後みたいだな」
ジノはそう考えるが、どこに連れ去られたのかは結局分からず仕舞いだった。
少女を連れ去った犯人の目的は。
また、いずこかに連れ去られた少女の安否は。
結局、失踪事件の謎は深まるばかりなのだった。
大成功
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エウトティア・ナトゥア
※連携・アドリブ歓迎
チーム【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】
胡散臭い霊能者ムーブで登場。
ムムムッ!わしの巫女としての霊感(【野生の勘】)が囁いているのじゃ!
(ゲンDのインタビューに乱入しカメラ目線でどや顔して先導を始める)
これでつかみはOKじゃな。お茶の間の皆様にも美少女霊能者エウトティアの印象を刻み込んだ事じゃろう。
まあ、実は巫女の霊感など無いのじゃし、草木の精霊や地元の【動物の話】に【聞き耳】をたてながら、風の精霊を展開し広域を探索、呼び出した【狼達】の嗅覚も動員して数の力で少女を追跡するかの。
(【巨狼マニトゥ】を登場させ)
あれこそはこの山の守り神じゃ!わしらを導いておる、あの狼を追うのじゃ!
フローライト・ルチレイテッド
【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】チームで参加です。
音響係でしょうか?怪談はよく知りませんがー
BGMは適時流します。
山に入ったら、餌を撒いて小動物を【誘惑】し【おびき寄せ】、【コミュ力、動物と話す】で神社や、
最近山に入った女の子に対する【情報収集】を。
足取りが掴めたら指定UCの妖精たちを飛ばし、先行して偵察させましょう。
神社。そういえばシントーって宗教の施設なんでしたっけ。
普通に実物をよく知らないんですが。
ゲンジロウさん、騒いでも飛び跳ねてもOKですけど、ベティお姉さんにちゃんと目線くださいね。
と【撮影】側からのつっこみも入れつつ。
ベスティア・クローヴェル
アドリブ歓迎
【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】で参加
調査の類は不得手だけれど、付き合うと約束したし
まぁ、他の面々もいるし、大丈夫だろう。多分
カメラマン役として撮影の手伝い
カメラを構えてゲンジロウを中心に撮影しつつ、
〝Huginn & Muninn〟を飛ばして足跡等の痕跡が残っていないか情報収集
痕跡が見つかったり、村人から有力な証言が得られれば、それもしっかりと撮影
証拠があれば説得力も増すし、ドキュメンタリーっぽくなるはず
TV自体見ないから、あまり自信はないけれど
最後に、何かを見つけたらしいゲンジロウをアップで映して〆よう
トリテレイア・ゼロナイン
アドリブ歓迎チーム
【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】にて参加
少女の行方と安否が心配ですね…一刻も早く見つけなければ……って、ゲンジロウ様。「また」ドキュメンタリー製作ですか!?
お付き合いしますが人命が最優先ですからね!
撮影班のAD兼、●怪力での荷物運び兼、アシスタントとして参加。●礼儀作法を用いて撮影の許可を村民に頂きつつ聞き込みを行ったあとで、少女の捜索と撮影場所の下見を兼ねてUCの妖精ロボを山に放ち●情報収集します。
山の環境に関する●世界知識から少女と思しき足跡や痕跡を●見切り捜索に役立てます
ゲンジロウ様、いったい何を見つけたんですか? これ以上NGシーンが増えると編集が大変なのですが…
ゲンジロウ・ヨハンソン
アドリブ歓迎
【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】総人数5名で参加
『山間の小さな村に潜む恐怖!消えた少女の行方や如何に…』
今回も安っぽいテロップと共に登場する、ゲンジロウディレクター・自称ゲンD。
都市伝説、怖い話しってのは始めは子供らを守るために作られて、
いつしか子供らを恐怖させ…時には、こうして牙を剥いてくる。
わしらはその真相を暴き…この事件をただの怖い話に戻してやる…
それが使命じゃ。
(どこか物悲しく不安感を煽るBGMをバックに撮影班は行く!)
『ゲンDは持ち前の【コミュ力】を用いた聞き込みと地道な捜索で少女の痕跡を追う』
そして、遂に楽しい祭囃子の影に潜む『邪』の存在を突き止める…!
「こ、これはぁ!」
●
UDCアース……。
とあるさびれた集落には、一つの都市伝説がある。
――祭の日には、山に入ってはならない。
そんな集落で先日行われた祭り。
祭囃子が鳴り響く中、忽然と消えた少女。
これは、その謎に迫るとある男の戦いの記録である……。
ババーン!
『山間の小さな村に潜む恐怖! 消えた少女の行方や如何に……』
そんな安っぽいテロップと登場してきたのは、額から左目、鼻を通る傷のあるワイルド系のディレクター、ゲンジロウ・ヨハンソン(腕白青二才・f06844)。自称ゲンDである。
集落を、そして、その奥の山を見て、彼はこう語る。
「都市伝説、怖い話しってのは始めは子供らを守るために作られて、いつしか子供らを恐怖させ……時には、こうして牙を剥いてくる」
そんなゲンジロウを中心にカメラを回しているのは、銀髪ジト目の人狼の少女、ベスティア・クローヴェル(諦観の獣・f05323)。
ベスティアはゲンDの要望通り、カメラマン役として撮影の手伝いである。
そして、ゲンDはポーズを変え、腕組みをして視線をカメラへと向けて。
「わしらはその真相を暴き……この事件をただの怖い話に戻してやる……それが使命じゃ」
そこで、強引に乱入してくる赤茶色の金髪少女。
いかにもな胡散臭い霊能力者然としてやってきたのは、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)である。
「ムムムッ! わしの巫女としての霊感が囁いているのじゃ!」
実際、【野生の勘】を働かせるエウトティア。
インタビューに乱入したエウトティアはカメラ目線でどや顔をし、一行の先導を始める。
(「これで、つかみはOKじゃな」)
お茶の間の皆様にも、美少女霊能者エウトティアの印象を刻み込んだ事じゃろうと、彼女はしたり顔である。
ともあれ、このシーンの収録をひとまず終えて。
「カット! お疲れ様じゃ。次は集落民の聞き込みを頼む」
この場のメンバーへと大声で呼びかけたゲンジロウは、皆へと集落に向かうよう促す。
すると、長い銀髪に大きな角を生やしたキマイラの少年、フローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)が持っていたマイクを下げる。
手早く、皆が移動の準備を進める中、ここまで、撮影班のAD、アシスタントとして動いていたトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)が呆れ顔で叫ぶ。
「ゲンジロウ様。『また』、ドキュメンタリー製作ですか!?」
少女の行方と安否を心配し、一刻も早く見つけ出さねばと正義感を燃やすトリテレイアなのだが、この場を仕切るゲンジロウへと訴えかける。
ただ、当のゲンジロウは、あまり真面目には見えない顔でにやけて。
「なに、依頼はしっかりやるわい。ほら、ゆくぞい」
「お付き合いしますが、人命が最優先ですからね!」
ウォーマシンの体躯も生かし、トリテレイアは怪力を生かして機材を運んでいく。
ベスティアは調査の類は不得手だと自覚しているのだが、旅団の仲間に付き合うと約束したこともあって。
「まぁ、他の面々もいるし、大丈夫だろう。多分」
そう呟き、カメラを抱えたまま仲間達の後を追っていくのである。
今回はそんな5人、チーム【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】でお送りいたします。
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集落に入り、【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】の面々は集落民に撮影の許可を求めに向かう。
その窓口となっていたのは、トリテレイアだ。
彼は礼儀作法を使い、親切丁寧に集落の長へと事情を説明する。
事件が起きた状況ではあるのだが、集落民としては少しでも失踪した少女の情報が欲しい状況。
それもあって、集落側もトリテレイアの要望に了承してくれた。
状況を整え、撮影を再開する一行。
「怪談はよく知りませんがー」
早速、フローライトが流すBGMは、もの悲しくも不安感を煽る曲。
撮影班はそれぞれ、集落民へと聞き込みを行う。
集落では、ゲンジロウが主となって聞き込みを行い、コミュ力を生かして地道な捜索によって少女の痕跡を追っていく。
「あの日、うつろな表情で、彩夏ちゃんは山に向かって歩いておってなぁ」
少女の名前は、後藤・彩夏。まだ中学生だという。
その彼女はなぜ、山に向かうに至ったのか……。
そこで、とある集落の女性からこんな証言が。
「彩夏ちゃん、なんか知らない人に声を掛けられていたのよね。友達が引き離していたようだったけれど……」
だが、その友人、その出来事を一切覚えていないのだという。
有力な証言が得られれば、ベスティアはしっかりと撮影する。
後で、証言したこの女性はぼかしと声の加工が必要になるだろうか。
「証拠があれば説得力も増すし、ドキュメンタリーっぽくなるはず」
とはいうものの、テレビ自体見ないベスティアとしてはあまり自信がないらしい。
その知らない人、こういった集落では外部から来た者は目立ちそうなものだが、その目撃証言がほとんどないのも気になるところ。
(「まあ、実は巫女の霊感など、無いのじゃしな……」)
そこで、エウトティアは草木の精霊や集落を含め、動物達の話に聞き耳を立てる。
どうやら、その主犯は人間の口を封じることはできても、さすがに、動植物まではそうもいかなかったようだ。
何者かが山から集落へとやってきて、見つけた少女に声と暗示をかけ、目撃者の記憶を消して山に戻ったことをエウトティアは聞き出していた。
「ふむ、何者かにかどわかされたようじゃがのう」
調査結果を、ゲンジロウ……もとい、ゲンDはカメラに向かって呟く。
「やはり、山に何かあるようじゃ」
そう確信し、撮影班は集落民も立ち入らぬ山へと向かっていくのである……。
●
こうして、チーム【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】一行は集落を後にして少女が向かったという山へと向かうことにする。
集落の人々によれば、何もない山ということで、地元民すらもまず立ち入らぬ場所とのこと。
ただ、念の為にと、トリテレイアは妖精ロボを放ち、飛行させながら山の偵察を行わせる。
ベスティアもまたカメラを回しつつ、「思考」と「記憶」の名を持つ雌雄一対の鴉『Huginn & Muninn』を飛ばし、足跡などの痕跡が残っていないかと情報収集を進める。
手入れがなされず、荒れた山だが、木々がさほど生えてはおらず見通しは悪くない。
そんな中、先に移動したと思われる猟兵達の跡もあったが、それ以外に人が移動した後は見られない。
「少女がこの道以外を通っていないのは、間違いなさそうです」
現場の状況から、トリテレイアはそう判断していた。
BGMをかけつつ、フローライトも周囲に餌を巻いて小動物を呼び寄せ、コミュ力を働かせてこの場で何が起こったか尋ねる。
「怪しげな男性が通って……その後、女の子が通りがかったんだね」
フローライトの言葉に、リスやウサギ達は餌を食べつつ頷く。
その少女の特徴は、集落で聞いたものと合致していた。
エウトティアもまた、山に住む動物達の会話に聞き耳を立てる。
さらに風の精霊の力と、呼び出した狼達の嗅覚も動員して数の力で少女を追跡する。
「……やはり、この道を通ったのは間違いないようじゃ」
匂いを確認し、狼達からエウトティアはそう報告を受けていた。
できるなら、ベスティアとしてはこれも撮影したいが……。
一般人に見せるドキュメンタリーとしては、動物との会話は信憑性を持たせることはできないだろう。
さて、その足跡は蛇行していたが、山の中腹にある小さな神社へと続いていたのは間違いないようだ。
そこで、山の斜面の高いところに登場する巨大な狼。
アオオオオオオオ……ン!
「あれこそは、この山の守り神じゃ!」
それは、エウトティアが常日頃から使役している巨狼マニトゥなのだが、それはさておき。
しっかりとカメラも回っているし、音響も問題なし。
それを確認し、エウトティアはさらに真顔で呼びかける。
「わしらを導いておる、あの狼を追うのじゃ!」
「ふむ、社のほうか。行ってみるとするかの」
山に入ってからというもの、精霊や動物達との交信と、なかなか撮影できる部分がない状況だった。
しかし、ここにきて盛り上がる展開を見せ始め、一行は今回の事件に間違いなく関係があると睨む小さな神社へと向かっていく。
この場はフローライトの飛ばす妖精達が先行する妖精達が先行し、何か脅威がないかと偵察してくれる。
しかし、山には集落民の情報通りに何もないことを確認し、メンバー達は神社へと足を踏み入れる。
「神社。そういえば、シントーって宗教の施設なんでしたっけ」
フローライトは実物を見るのは初めてらしく、その建物をまじまじと見つめていた。
ただ、そばにいるディレクターの様子があまりに気になったらしく。
「ゲンジロウさん、騒いでも飛び跳ねてもOKですけど、ベティお姉さんにちゃんと目線くださいね」
フローライトの突っ込みがあれども、ゲンジロウは喜び勇んで神社へと近づいていく。
どうやら、彼は何かを発見したらしく、フローライトもマイクをそちらへと近づける。
「こ、これはぁ!」
「ゲンジロウ様、いったい何を見つけたんですか?」
これ以上NGシーンが増えると、編集が大変だとやや愚痴をこぼしながらも、トリテレイアがゲンジロウへと尋ねる。
そこで、ベティことベスティアのカメラがゲンジロウをアップで映し出し、社内部へ。
その床には、怪しげな魔方陣が描かれている。
「これが神隠しの原因なのか!?」
ゲンジロウ達がその社をのぞき込むが、少女の発見には至らなかった。
しかし、精霊や動物達から話を聞いていたメンバー達は聞いていた。
あの祭りの日、ここで怪しげな光が発し、少女がその中へと消えていった……と。
楽しい祭囃子の陰に潜む『邪』の存在とは……。
次回、その真相へとゲンDが迫る……!
この番組の提供は、『トミーウォーカー』がお送りしました。
大成功
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第2章 冒険
『第N埠頭X番廃倉庫』
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POW : 手当たり次第に港を回る
SPD : ネットなどで情報収集
WIZ : 物流等で怪しい動きがないか探る
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●
集落の祭りの日に起きた少女の失踪事件。
その模様はとある猟兵によって放送されたのだが、その際、山の中腹にある小さな神社に魔法陣が描かれていた。
その放送の後、視聴者からネットでこんな話が寄せられる。
『私の仕事先の近くの廃倉庫で、それらしき魔法陣を見た』
その報告を元に、猟兵達は現地へと向かうことになる。
そこは、とある港の倉庫街。
いや、今はほとんど使われてはいない為、廃倉庫街といったところか。
数ある廃倉庫の中のいくつか、何者かが出入りした形跡があるという。
どうやら、そのうちの一つにあの魔法陣が描かれており、各地から連れ去ってきた人々を別の倉庫に集めているらしいという話がネットでまことしやかに囁かれている。
距離があるので真否は疑われているが、その中には失踪した少女、後藤・彩夏もあったとか……。
こちらはテレビで顔も表示されていたこともあり、間違いないというコメントがSNSなどでも書き込まれていた。
猟兵としても、それが本当であれば看過できない事態だ。その真否を確認しておきたい。
このネットでの噂が本当であれば、人々を救い出す為にも、まず数ある倉庫の中から人々が捕らわれている倉庫の場所を特定する必要がある。
直接、歩き回って調査するのもいいし、ネットを調査してさらに確認するのもいい。
また、この近辺に運び込まれる物資や人の流れなど、物流に注目して調査するのもいいだろう。
ともあれ、この地で何か起きている可能性は高いので、その真相解明に当たってほしい。
猟兵達の検討を祈る。
紅狼・ノア
*アドリブ歓迎
なかなか手掛かりがないなぁ
【第六感・野生の勘・聞き耳】を駆使し探る
まずは怪しい気配・動きがないが探ろう
念の為【目立たない・忍び足】しとくか、鍵が掛かってる所があれば【鍵開け】で確認
怪しげなのがあったら【影の獣達】を何体が召喚し何かの手掛かりがあればいいんだけど…(入れないところも獣達に頼もう)
よし次は…港周りでも見てみるか
ガルム達にも手伝ってもらいながら隅々まで探すぞ!
ん?ネットでの情報収集は他の仲間に任せるよ
ジノ・シュナイダー
【POW】
山の次は海、ね。
これが夏休みの旅行だったら楽しめるんだが……ま、そうはいかねぇよな。
待ってろよ中二少女、お前に楽しい夏休みを取り戻してやるからな!
港に直接出向いて捜索するぜ。
失踪の首謀者に見つかると厄介だ、隠密行動を心掛けるかね。
抜き足、差し足、【忍び足】っと。
《サイバーアイ》で【情報収集】しつつ、怪しそうな倉庫の中を片っ端から調べてみるぜ。
扉が施錠されてたら、【SyG】で【鍵開け】を試みるか。
妙な術式が施されてたら【破魔】の気で祓ってやる。
力任せにやるのもいいが……ここは一つ慎重に、な。
他の猟兵達とも上手く連携を取りつつ、失踪者達の身の安全を第一に立ち振る舞うぜ。
※アドリブ歓迎
ゲンジロウ・ヨハンソン
○アドリブ歓迎
【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】総人数6名で参加
真髄恐怖映像!ゲンかい!? FILE-01:生首物語 のCMを挟んで第二部へ。
調査ちゅーとわしよりも他の子らのが優秀なんじゃよなぁ。
倉庫のあたりがつくまでは暇じゃの…スマホもあることじゃしな、
【コミュ力】でSNSを徘徊してこの類の情報に詳しそうな奴にコンタクトとってみるか。
お、倉庫のあたりがついたか…?
候補はいくつかあっても構わんぞ、絞ってさえくれれば扉の動いた形跡、
付近の地面の削れ具合なんかから推測はできるわ。
見事、邪教?の隠れ家と思しき倉庫をみっけたら後はカメラ回して突撃じゃな。
一応【気絶攻撃】のあるスコップ持ってくかのぅ。
フローライト・ルチレイテッド
引き続き【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】チームで参加です。
撮影時はBGM鳴らしたりしてます。ついでに指定UCを使用、必要に応じ【撮影】のサポートをする妖精達を呼びます。
WIZ分野でいきましょ。
餌を用意して、海鳥たちを【誘惑】し【おびき寄せ】、【コミュ力、動物と話す】で【情報収集】しましょう。
廃倉庫なら人や物の出入りはないはずですが…、捕まっている人達がいるなら色々な物を運び込むはず。
鳥さん、この辺りで何か変わったものを見てませんか?
また、妖精軍団の手を借りて【メカニック】で定点観察をする小型のカメラを【迷彩、地形の利用】で隠し事前に設置、
夜の倉庫の様子を【撮影】しようとしてみましょう。
トリテレイア・ゼロナイン
チーム【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】にて参加
後藤・彩夏様を始め多くの人々が連れ去られていたとは。目的は何らかの儀式への贄…?現状は推測に過ぎませんね。
先ずは倉庫の特定しなければ。
人が関わっている以上、倉庫には生活痕が残る筈。
UDC組織への協力を要請。警察、ガス、水道会社等から廃倉庫街の監視カメラの映像、電気、ガス、水道の使用状況等の●世界知識から●情報収集
公的機関にオブリビオン側の内通者がいる可能性も鑑みて●ハッキングで裏取りも行いつつ、最近使用した形跡のある廃倉庫を特定。
特定後は周りにUCの発振器を用意、●破壊工作で事前にセキュリティを無力化しつつ突入
…あれ?警察ドキュメンタリーのような…
ベスティア・クローヴェル
アドリブ歓迎
【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】で参加
今度は倉庫街での調査、か
ネット上での噂話が多いらしいけど、そっちの方はトリテレイアにでも任せよう
殆ど使われていないということは、犯人以外に出入りする人間が少ないということ
であれば、犯人の匂いが辿れるかもしれない
各自のインタビューシーンを撮りながら、匂いを辿って探してみよう
廃倉庫と言うくらいだから、電力は通っていないだろう
自前の炎を明かりにして倉庫内を照らしつつ内部を探索
まずは囚われている人の救助が優先
人がいれば呼吸音、衣擦れの音が聞こえるはず
助ける時に顔が映らないよう注意しないといけない
プライバシーの保護は大事。撮った映像が使えないのは困る
エウトティア・ナトゥア
【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】で参加
視聴者からの貴重な情報を頼りに廃倉庫街にやってきたのじゃ。少女よ待っておるがよい、わしが必ず助け出してやるからの。(と、決めポーズとドヤ顔のカメラ目線でアッピール)
『動物使い+動物と話す+目立たない』
カメラ写りを意識しつつ、【秘伝の篠笛】を吹き鳴らして、周辺全ての【ネズミを使い】倉庫街をローラー作戦で捜索するのじゃ。
よし、お主らなら目立たずに倉庫に侵入できるじゃろう。失踪した者共を探すのじゃ!
場所を特定できたら倉庫の壁と床を蔓植物に変えて進入路を作成し皆と共に突入するかの。進入後は邪教団を蔓で絡め取り、被害者が範囲内に居たら蔓で引き寄せて安全を図るのじゃ。
黒木・摩那
【WIZ】
今回の相手は無差別的に人を攫っているのかしら?
ともかく、倉庫街まで特定できたなら、行方不明者まであと一歩ですね。
被害者がいる最後の1区画の特定を試みます。
廃倉庫街も広いので、まずは車の出入りがあるところ、
タイヤ痕や油の滴下跡などで範囲を狭めていきます。
何者かが出入りした形跡がある倉庫があるのはわかっているので、
【胡蝶天翔】を使って、倉庫の壁を黒蝶に変換し、
中に侵入します。
中に入ったら、スマートグラスの熱センサーや集音マイクで改めて探査【情報収集】。
攫われた人たちや教団員を探します。
マディソン・マクナマス
チーム【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】で参加
【POW】
殆ど使われてねぇって事は、幾つか使われてる倉庫はある筈だ。
UDC組織に協力要請、幾つかの倉庫の持ち主の身分証明を偽造して貰う。
倉庫を引き払いに来た関係者を装いあえて堂々と敷地内を闊歩、複数の倉庫を巡回し、チームの仲間が調べた情報を元に現地を直接確認。
警備状況、侵入・逃走経路、確認可なら敵勢力の規模を仲間に共有するぜ。
敵と思しき相手と接触したら、少数なら一般人のフリをして【おびき寄せ】て隠密裏に排除。可能なら拘束して【恫喝】、情報を吐かせるとすっか。
倉庫突入時には味方の死角をカバーしながら、10mmサブマシンガンで周囲をクリアリングする。
●
UDCアース、とある港の倉庫街。
ネットのSNSにて、先日の祭りの中の少女失踪事件の放送を見た人々から、この近辺で行方不明になった少女と、山の神社にある社内に描かれていた魔法陣を見たという目撃情報があった。
猟兵達はその情報を元に、この地へとやってきたのだが……。
「なかなか手掛かりがないなぁ」
1人、先んじて廃倉庫の並ぶこの地にやってきたのは、漆黒の髪と白い肌を持つ人狼の少女、紅狼・ノア(捨て子だった人狼・f18562)だ。
ネットの情報収集は他の仲間に任せ、ノアは自らの直感と野生の勘を生かし、聞き耳を立てながら倉庫を探っていく。
それから少しして、猟兵達が続々とやってくる。
「今回の相手は、無差別的に人を攫っているのかしら?」
長い黒髪に赤い縁の眼鏡を着用した黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は、この場所……倉庫街まで特定ができたのであれば、行方不明者の発見まであと1歩だと気合を入れる。
「山の次は海、ね」
見た目は普通の青年だが、その体をサイボーグに改造されているジノ・シュナイダー(お調子者系強化人間・f14166)は、日の光を受けて煌めく遠くの海の水面に目を細めて。
「これが夏休みの旅行だったら楽しめるんだが……。ま、そうはいかねぇよな」
さすがに、正体不明の集団に攫われたと思われる中学2年生の少女を放置してまで遊ぶなど、ジノにはできないようで。
「待ってろよ、中二少女。お前に楽しい夏休みを取り戻してやるからな!」
倉庫街のどこかにいると思われる少女に対し、ジノは大声で呼びかけるのである。
さらに、今回も撮影機材を持参してきた集団の姿が。
流れる映像は、『真髄恐怖映像!ゲンかい!? FILE-01:生首物語』。
チーム【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】のメンバー達は早速カメラを回して。
――寂れた集落の都市伝説に巻き込まれた少女。
――その目撃証言がこの倉庫街にあるというタレコミがあった。
それらを腕組みして見据えていたのは、顔に傷があるガタイの良い色黒な中年男性。
彼こそは自称ゲンDこと、ゲンジロウ・ヨハンソン(腕白青二才・f06844)である。
周囲でかかっている曲は、マイクを持った音響担当、頭に1本の巻き角を生やしたフローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)が流しているもの。
ゲンDからの要望がなかったからか、今回は渋さ漂うムードのある一曲をフローライトは自らダブルネックギター『蛍灯』で書き鳴らしていく。
「視聴者からの貴重な情報を頼りに、廃倉庫街にやってきたのじゃ」
そんなゲンDを捉えるカメラに乱入してきたのは、金髪赤茶色の肌のキマイラ、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)だ。
カメラ目線のエウトティアはどや顔で決めポーズをしてみせて。
「少女よ、待っておるがよい。わしが必ず助け出してやるからの」
これでもかとアッピールするエウトティアに、銀の長い髪を潮風で靡かせるベスティア・クローヴェル(諦観の獣・f05323)がカメラを向けつつ呟く。
「今度は倉庫街での調査、か」
この噂話の出どころはネットらしいが、ベスティアは自分の捜索スタイルを貫き、ネットの調査に関しては別のメンバーに任せようと考える。
「後藤・彩夏様を始め、多くの人々が連れ去られていたとは」
そのメンバー、白と青を基調としたカラーリングのウォーマシン、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)が少女達を連れ去った者達の狙いを推察する。
「目的は何らかの儀式への贄……? 現状は推測に過ぎませんね」
ともあれ、まずはその倉庫を特定せねばならない。
その特定にと、今回新たに加わったメンバーが気合を入れていて。
「殆ど使われてねぇって事は、幾つか使われてる倉庫はある筈だ」
サングラスをかけた毛並みがボサボサのケットシー、マディソン・マクナマス(アイリッシュソルジャー・f05244)はすでにUDC組織へと協力要請をとるなど、抜かりはない。
ここに立ち並ぶ倉庫のいくつかに関して、持ち主の身分証明を偽造してもらうなど、後々の為にマディソンは策を巡らしていたのだった。
●
それぞれ、猟兵達は数ある倉庫の調査を始める。
闇雲に行動しても、敵に気取られて警戒を強められるだけ。
とりわけ、今回の事件の首謀者に見つかると厄介だと感じていたジノは、隠密行動を心がけて捜査に当たる。
「抜き足、差し足、【忍び足】っと」
サイボーグのジノは『サイバーアイ』を使い、怪しそうだと睨んだ倉庫は片っ端から調査していく。
これといった成果を実感できていないノアも、目立たぬようにと忍び足で移動していた。
廃倉庫ということだが、扉が壊れて放置されている場所もあれば、鍵がかかったまま、中身ごと放棄されている倉庫もある。
ノアは気づかれぬように鍵を開け、その内部の確認を進める。
扉の鍵が壊れており、中に入ることができない倉庫をノアは見上げて。
「皆、おいで……」
ノアが呼び寄せるのは、【影の獣達】。
小さく鳴いて応える彼らは扉と床の僅かな隙間から入り、中の状況を確認してくれる。
とはいえ、利便性の悪いこの倉庫が利用された形跡を確認できず。
彼女の連れていた幻獣『ガルム』も首を横に振っていた。
「よし、次は……港周りでも見てみるか」
気を取り直し、ノアは次の倉庫の調査に移っていく。
その近場では、摩那が倉庫ではなく、地面に着目していて。
廃倉庫街も広く、無数ある倉庫の特定は難しいが、まずは車の出入りがあるところを摩那は着目する。
タイヤの痕、油の滴下痕といったものに着目し、摩那は目的の捜索範囲を狭めていた。
こちら、【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】メンバー達。
ベスティアのカメラを意識するエウトティアは、秘伝の篠笛を吹き鳴らし、倉庫に住み着いていたネズミ達を呼び寄せる。
「よし、お主らなら目立たずに倉庫に侵入できるじゃろう。失踪した者共を探すのじゃ!」
エウトティアの指示にビシッとかしこまったネズミ達は散開していき、倉庫街へとローラー作戦を展開していく。
音響担当フローライトも、合間に餌を用意して上空を飛ぶ海鳥を誘惑して誘き寄せる。
廃倉庫であれば、人や物の出入りはないはず。
ただ、捕まっている人達がいるならば、色々な物を運び込むはずだとフローライトは考えて。
「鳥さん、この辺りで何か変わったものを見てませんか?」
コミュ力を生かし、フローライトは問いかける。
確かに、人の動き自体は海鳥達も目にしていたようだったが、彼らも常にこの場にいるわけではなく、倉庫の特定には至らない。
「殆ど使われていないということは、犯人以外に出入りする人間が少ないということ」
カメラを回すベスティアもそう考え、犯人の匂いがたどれるかもしれないと踏む。
メンバー達のインタビューシーンを撮影しつつ、ベスティアは匂いをたどってみていた。
トリテレイアはネットで調査をするのかと思いきや、力技である。
すでに、マディソンがUDC組織と連絡を取っていたが、トリテレイアも公共機関から廃倉庫街の監視カメラの映像、電気、ガス、水道といったインフラ関連の利用状況を確認してもらう。
それだけでなく、公共如何にオブリビオン側の内通者がいる可能性も鑑みたトリテレイアは、情報にハッキングして裏取りすることも忘れない。
いくつかの倉庫に利用された形跡を確認したトリテレイアは、それをゲンジロウへと報告していく。
一方、その間、ゲンDことゲンジロウはというと。
「調査ちゅーと、わしよりも他の子らのが優秀なんじゃよなぁ」
ある程度、あたりがつくまでは暇だと考えたゲンジロウはスマートフォンを手にし、コミュ力を生かしてSNSをチェックしていく。
その最中、ゲンジロウはこの手の類の情報に詳しそうな者とコンタクトをとることに成功していたようで。
「ふむ、協力感謝じゃ」
そこにやってくるトリテレイアは、かなり確信を持った態度である。
また、ここで、別途調べてくれていた摩那からも話を聞く。
それらの情報を合わせ、倉庫の位置をある程度定めていたようだ。
「お、倉庫のあたりがついたか……?」
多少、候補があっても構わない。
絞ってくれさえあれば、扉が動いた形、跡、地面の削れ具合などで推察ができるとゲンジロウは考えていたのだ。
一方、マディソンは、突入の為の手はずを整える。
用意した偽造の書類を手に、倉庫を引き払いに来た関係者を装うマディソン。
「この辺りか」
彼は堂々とした態度で敷地内を闊歩していき、怪しげな倉庫を巡回する。
すでに、この近辺には、フローライトがユーベルコード【BuildUp forcE】によって呼び寄せた妖精軍団が、迷彩を施しながら定点カメラを設置していた。
その映像を見ていたマディソンはこの近辺で移動していた1人の男の姿を確認し、素早く拘束して。
「ここで何してやがる」
『対UDC軽機関銃』の砲口をそいつの頭へと当てたマディソンはドスの利いた声で恫喝し、にやりと口元を吊り上げたのだった。
●
やはり、今回の事態を引き起こしたのは、邪神教団の1つ。
拘束した男から情報を吐かせ、猟兵達は倉庫の場所も特定する。
すでにその段階で夜になってはいたが、猟兵達は構わず突入を決行することにしたようだ。
ムードある音楽を奏でるフローライト。撮影のサポートには妖精達の力を借りる。
メインカメラマンであるベスティアは明かりを気にし、自前の炎を明かり代わりにしようとしていたが、どうやら目的の倉庫はしっかりと電気が通っているらしく、わかりづらいがほのかに明かりが灯っていたようだ。
扉の施錠には、別働のジノが当たる。
「力任せにやるのもいいが……、ここは一つ慎重に、な」
通常の鍵ではないらしく、妙な術式が施されているのを確認し、ジノは破魔の気を放って開錠する。
念の為にと、トリテレイアもユーベルコードで射出した杭状の発振器を用意していたが、出番がなかったようだ。
「……あれ? 警察ドキュメンタリーのような……」
ここには、ノアも合流しており、突入に加わる。
扉を開けて堂々と侵入するメンバーだけでなく、摩那が壁を黒蝶に変化して穴を開け、さらにエウトティアが同じく壁を蔓植物に変え、別の進入路を作って突入していく。
ベスティアは人々の気配を感じ、そちらへとカメラを回す。
緊張感漂う中、仲間の死角をカバーするように、『10mmサブマシンガン』を手にしたマディソンが周囲をクリアリング。摩那がスマートグラス『ガリレオ』の熱センサーや集音マイクを使い、内部の状況を探っていく。
「さて、何が出てくるかいのう」
一応とゲンジロウもスコップを担いで、中の様子を直に確認する。
フローライトの曲が鳴り響く中、彼らは見たものは……。
倉庫内にいたのは、10人程度の教団員。
そして、未知の植物の檻に10人程の一般人が捕らえられている。
カメラを回すベスティアは顔が映らぬよう注意しつつ、撮影を続ける。
その檻の中には、先日訪れた集落で失踪した女子中学生、後藤・彩夏の姿もあった。
そして、倉庫の奥には明らかに異形の姿をした存在が。
全身が真っ白な少女の姿をしていたそいつの下半身は植物の根のようになっており、足元は赤く染まっていた。
「それ以上は邪魔させぬ」
前に出てくる教団員達を、エウトティアが先程壁や床を変化させた蔓植物で絡めとっていく。
一方、敵の蔓植物の檻に捕らわれた人々はまだ、虚ろな表情のまま。
現状はまだ、人々は敵の手の内にあるということだろう。
「折角集めた獲物、猟兵なんかに渡さないわ……」
少女の姿をしたそれは小さく微笑み、人質の存在を示して向かい来る猟兵達を牽制してくるのである……。
――果たして、一行は捕らわれの人々を助け出せるのか。
――この真っ白な少女の正体とは。
続きは、CMの後すぐ!
大成功
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第3章 ボス戦
『隔絶閉鎖庭園『マリス・レプリカ』』
|
POW : 収穫ノ刻
【庭園全てを喰らう領域捕食形態 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : 成長ノ刻
戦闘中に食べた【犠牲者の血 】の量と質に応じて【肉体を構成する植物が強靱になり】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ : 豊穣ノ刻
自身からレベルm半径内の無機物を【未知の植物で構成された檻 】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑11
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|
●
とある倉庫へと突入する猟兵達。
そこにいたのは、連れ去った人々を未知の蔦植物の檻に捕らえたUDC怪物だった。
メンバー達は邪魔な邪神教団員を排除しつつ、その怪物の姿を見る。
一見すれば、全身が植物で覆われ、か弱い印象を抱かせる少女。
だが、その下半身は無数の蔓植物に覆われており、その先は赤く染まっていた。
間違いなくそれは人々の血だと、目にする猟兵達は疑わない。
「折角集めた獲物、猟兵なんかに渡さないわ……」
小さく微笑む少女は、檻に捕らえた人質を見せ、猟兵達の動きを牽制する。
彼女の名前は、隔絶閉鎖庭園『マリス・レプリカ』。
多数の人々を犠牲にし、その血を飲めば飲む程に強くなる怪物だ。
「本当なら、潰し合いによって流れる血を飲みたかったのだけれど、仕方ないわね」
檻の中の人々を最後に1人になるまで潰し合いさせ、流れ出す血を口にすることでマリス・レプリカはさらなる成長を目論んでいた。
余談だが、その最後の1人になったからと言って、ただ解放されるわけではない。
多数の人々の屍を目にし、正気を失ってしまうことは想像に難くない。
あちらこちらから人々を攫っていたのは、多数の人々を集める為。
わざわざ失踪したように見せかけていたのは、自らの力が高まるまでは表に出ないようにしていた、そんなところだろうか。
だが、見つけた以上、この怪物を野放しにするわけにもいかない。
このマリス・レプリカが捕らわれた人々の血を啜ってしまう前に、討伐する必要がある。
「へえ、私を倒すの……?」
やれるものならどうぞと彼女は怪しげに微笑み、こちらへと赤く染まる根を広げてきた。
捕まる人々の救出の為、そして、自分達が生き残る為、猟兵達はこのUDC怪物の討伐に当たっていくのである。
紅狼・ノア
見つけたと思ったら…にゃんたありゃ?
しかも面倒な敵だな、特に『収穫ノ刻』僕との相性最悪じゃんか!
【第六感・野生の勘・オーラ防御】をフル活動
早く動く物に攻撃するのか…なら遅い物には見向きしないって事…なんか動物と同じだな
なら影の獣達を囮にしよう
念のためガルムの闇のオーラで軽減しとくか
【忍び足・目立たない】背後・死角に回り【暗殺・怪力・部位破壊】
ガルムは闇に溶け同じように二人で破壊しに行く
上手くいくといいんだけど…ちょっと自信ないなぁ
この後は仲間との連携・サポートします(ガルム達と共に)
今回のはちょっと骨が折れそうだな
ジノ・シュナイダー
……やれやれ。
相変わらずお前らUDC怪物って悪趣味なのな。
ま、おかげで容赦なくブン殴れる! ってね。
敵から離れた位置で身構えたまま呼吸を整え、【破魔】の気を練って【力溜め】するぜ。
ここは一発デカイのをぶちかました方がいい、って俺の【第六感】が言ってるんでな。
悪いがちょっと時間もらうぜ。
頃合いを見て、【ダッシュ】で間合いを一気に詰める。
なんか攻撃が来たら《SyG防壁》による【オーラ防御】と、持ち前の【気合い】で耐えつつ突っ込むぜ。
相手の懐に入ったら【ジノ・S・コンバット】発動。攻撃力重視で拳の一撃を叩き込む!
可能なら、他の猟兵たちと息を合わせて動きたいな。
※アドリブ歓迎
マディソン・マクナマス
【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】で参加
連続誘拐犯がこんな可愛いお嬢ちゃんとは、世の中終わってんなぁ。こいつは現代社会の闇って奴だぜ……おじさん悲しくて鬱になりそうだわ、薬飲も。
大量の虹色の錠剤をブランデーで一気飲みし【ドーピング】、UC:【バレットタイム】発動。自身のUCで理性を失った敵の前に躍り出て、素早く動いて敵を【おびき寄せ】【時間稼ぎ】を行う。
発狂した軟体動物の様な異常挙動で回避に専念し、時に【逃げ足】で味方と入れ替わり、時に敵の攻撃を【零距離射撃】の【早業】で弾く。
幻覚で敵がカートゥーン調のイカに見えやがる……。
あぁそうか。今なら分かる、俺はイカを避ける為に生まれて来たんだ……!
ベスティア・クローヴェル
アドリブ歓迎
【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】で参加
撮影もついにクライマックス
諸悪の根源ついに現る、といった所か
撮り逃しがないよう、気を付けないと
戦闘開始と同時に「ダッシュ」で突っ込みながら、UC【終末を告げる炎剣】を使用
『Skoll』に炎を纏わせ巨大な炎剣を創り上げる
攻撃タイミングを「見切り」ながら、向かってくる攻撃を炎剣で「なぎ払い」迎撃
トリテレイアが救助してる間に、炎剣を敵に叩きつけ、
炎剣の発する熱で流れている血を蒸発させて捕食行動を防ごう
さっさと力を取り戻しておけば、もう少しマシな展開になっていただろうに
下手に遊び心を出すから、こういうことになる
お陰でこちらの目的は達成できたのだけれど、ね
トリテレイア・ゼロナイン
チーム【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】で参加
これ以上、貴女に血を飲ませるわけにはいきません
絶対に救って見せましょう
仲間の援護で敵が注意を引かれている間に、センサーでの●情報収集で敵、味方、人質の位置を●見切りスラスターでの●スライディングで人質の元へ急速移動。
●怪力での剣で檻を破壊し解放しつつ人質達を覆うようにUCの電磁バリアを防御重視で展開。彼らを●かばいます
領域捕食形態の蔦で人質を喰らおうとするなら格納銃器での●スナイパー射撃の迎撃、●武器受け●盾受けで弾き、切り飛ばし
仲間が攻撃に専念するため人質達の安全を確保
皆様ご安心ください
私達の仲間はとても強いのです。特等席で怪物退治をご覧ください
黒木・摩那
ついに見つけました、オブリビオン。
こんなところで犠牲者を増やしていたとは。
許しません!
まずは捕まっている方々の救出を図りたいところですが、
それは他の方にお任せして、自分はオブリビオンを攻撃します。
食事をさせる暇を与えません。
UC【偃月招雷】でルーンソードを帯電します【属性攻撃】。
こちらへの攻撃は【第六感】や【念動力】で回避しながら、
マリス・レプリカに突っ込みます【先制攻撃】【衝撃波】。
だいぶ根元のお手入れができてないようですから、
きれいに刈り込みますよ【なぎ払い】。
ゲンジロウ・ヨハンソン
○アドリブ歓迎
【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】総人数6名で参加
こりゃまた撮れ高の高そうな娘さんがきてくれたのぅ。
等と余裕を込めて息巻くゲンD、それも当然。
なにせ、彼よりも優秀な戦士たちがこんなにもいるのだから!
自分で撮りたい位じゃが…仕方ねぇ!UC【「ゲンジロウさん、援護させて頂きます!」】で槍翼の揮士【装備10】を喚び出し、
カメラを預け【空中戦】でアクロバティックな撮影をお願いするぜ!
さてと、行くか!この事件を…ただの都市伝説に戻すためにな!
頭部を狙った【気絶攻撃】で一瞬でも隙を作れたら、
スコップを振りかぶり【捨て身の一撃】で【選択したUC】を放つ!
敵も、根も、檻もまとめてぶっこわしてやるわ!
フローライト・ルチレイテッド
【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】チームで参加です。
BGMはあとで編集で差し替えましょう。
光るのはどうにもならないかなー。
さあ、狂気の庭を愛の光で、照らせ!照らせ!照らせ!
【地形の利用】をし相手の動きを制限しながら、直接攻撃しづらい位置取り、
【楽器演奏、歌唱、パフォーマンス、存在感、早業、援護射撃、範囲攻撃、精神攻撃、マヒ攻撃、催眠術】を駆使して指定UCを発動。
骸の海からいでし者に仁愛の感情を齎す光で攻撃です。
相手からの攻撃は、【野生の勘】で相手の動きを感知しつつ、【パフォーマンス】の身軽さや【早業】で回避を。
戦闘後は必要であればUC【Starlight Dance】で怪我人の治療にあたります
エウトティア・ナトゥア
※アドリブ・連携歓迎チーム
【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】で参加するのじゃ。
まずは人質の安全を確保しないといかんのう。トリテレイア殿が救助に向かう間、『マリス・レプリカ』の目を眩ませて動きを封じてやるわい。
『属性攻撃+歌唱』
【精霊の唄】を歌い精霊を呼び寄せ、【枯死属性】の【陽光】で照らして「豊穣ノ刻(WIZ)」によって生み出された植物を弱らせるのじゃ。
『動物使い+目立たない』
続けて、陽光の輝きに紛れて【巨狼マニトゥ】を敵に嗾け狼の爪や牙で攻撃させ更に気を引くとするかの。
トリテレイア殿が人質の元に辿り着いたら陽光を収束させた【灼熱】の【陽光】に切り替え、敵の蔓植物を焼き切るのじゃ。
●
UDCアースのとある倉庫街。
そのうちの倉庫の一つへと、猟兵達は突入していく。
「見つけたと思ったら……、にゃんたありゃ?」
黒い衣服を着崩し、上半身を露出させた人狼少女、紅狼・ノア(捨て子だった人狼・f18562)はそれを注視する。
一見色素の薄い少女だが、微笑を浮かべるその表情は寒気すら抱かせる。
それというのも、蔓植物と化した下半身の先が人間の血で赤く染まっていたからだろう。
「ついに見つけました。オブリビオン」
長い黒髪ストレートの眼鏡少女、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)が敵を見据えて言い放つ。
「折角、集めた獲物、猟兵なんかに渡さないわ……」
UDC怪物「隔絶閉鎖庭園『マリス・レプリカ』」。
未知の植物で構成された檻に捕らえた人質を見せ、そいつは猟兵達の動きを牽制する。
「こんなところで、犠牲者を増やしていたとは。許しません!」
摩那が手にするルーンソードを突きつけ、逆に敵の動きを制しようとする。
やや膠着状態となる中、後続のメンバー達も近づいてきて。
「こりゃまた、撮れ高の高そうな娘さんがきてくれたのぅ」
余裕を込めて息巻くのは、日焼けした肌に髭面のゲンDことゲンジロウ・ヨハンソン(腕白青二才・f06844)だ。
それもそのはず、ゲンジロウは自らを含むチーム【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】での参加。
彼は自身よりも、こんなにも優秀な戦士達を引き連れていたからだ。
「撮影もついにクライマックス。諸悪の根源ついに現る、といった所か」
カメラマンである白髪ジト目の人狼少女、ベスティア・クローヴェル(諦観の獣・f05323)は構えたカメラのフレーム内に敵の姿を捉えて。
「撮り逃しがないよう、気を付けないと」
RECランプを点灯させ、ベスティアはマリス・レプリカを撮影し続ける。
「BGMはあとで、編集で差し替えましょう」
背に小さな一対の白い翼を生やすキマイラ少年、フローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)は音響担当。そちらをどうすべきか一通り考えた後、彼は大きく首を傾げて。
「光るのは、どうにもならないかなー」
フローライトは何か、カメラ映りを気にしていたようである。
ベスティア、フローライトも人質のことを気にしていないわけではないが、失踪事件の起こった集落、倉庫街と、ここまでの撮影を無駄にするわけにもいかないと考えている。
彼らも依頼と合わせ、ゲンDの番組作りに心力を尽くしているのだ。
それに、人質の救出には、白とコバルトブルーの機体を持つウォーマシン、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)がメインとなって当たっている。
「これ以上、貴女に血を飲ませるわけにはいきません。絶対に救って見せましょう」
その救出の援護に当たるべく、金髪獣耳のキマイラ少女、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)は構えを見せていた。
「連続誘拐犯がこんな可愛いお嬢ちゃんとは、世の中終わってんなぁ」
チーム【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】最後の1人、コートの裾を引きずって歩くボサボサ毛並みの老猫、マディソン・マクナマス(アイリッシュソルジャー・f05244)が鼻を鳴らす。
「こいつは現代社会の闇って奴だぜ……。おじさん悲しくて鬱になりそうだわ」
マディソンはそうぼやき、大量の虹色の錠剤をブランデーで一気飲みしていた。
「……やれやれ。相変わらず、お前らUDC怪物って悪趣味なのな」
黒い皮ジャン着用の黒髪短髪の青年、ジノ・シュナイダー(お調子者系強化人間・f14166)がファイティングポーズをとって。
「ま、おかげで容赦なくブン殴れる! ってね」
この場の猟兵達は皆、ジノと同様に臨戦態勢へと入る。
「へえ、私を倒すの……?」
――やれるものならどうぞ。
マリス・レプリカは怪しく微笑んで下半身の根を広げ、赤く染まるその先端を猟兵達へと伸ばしてきたのだった。
●
倉庫の中、対峙していた猟兵とUDC怪物が動き出す。
「愚かな猟兵……あなた達も食らってあげる……」
マリス・レプリカは自らの檻で捕らえた人々だけでなく、この場の猟兵達をも食らおうとするつもりらしい。
「ふふ……、ふふふ……」
花で遮る両目を怪しく煌めかせ、この倉庫内のモノ全てを食らおうと力を高めてくる。
「面倒な敵だな。僕との相性最悪じゃんか!」
敵のその形態に、ノアが毒づく。
理性を失ったマリス・レプリカは、速く動く物を無差別に襲う。
ノアは素早さを生かした攻撃を得意とするだけに、どうしたものかと攻撃を躊躇してしまう。
そこで、ベスティアが先んじ、ダッシュしてマリス・レプリカへと仕掛けていて。
彼女は「太陽を飲み込む狼」の名を持つ大剣『Mass Blade〝Skoll〟』を手に、炎を纏わせていく。
そうして、そこには全長10mもの巨大な炎剣が創造されて。
「太陽を超えて耀け、炎の剣よ」
向かい来る蔓触手を跳躍して回避したベスティアは、勢いよく燃え上がるその剣を薙ぎ払って迎撃していく。
続いて、虹色の薬を飲み、己の体を【ドーピング】したマディソン。
「幻覚で、敵がカートゥーン調のイカに見えやがる……」
酩酊状態になった彼はトリップ状態になり、幻覚が見え始めていたらしい。
素早く伸びてくる赤黒い蔓に対し、マディソンは自らを囮となるように躍り出る。
「あぁ、そうか。今なら分かる、俺はイカを避ける為に生まれて来たんだ……!」
まるで、襲い来るイカの足を避けるかのように、マディソンは自らを捕らえようとする蔓触手を躱していく。
そんな仲間達を見ていたノアはオーラを纏って防御を固めながらも、直感を生かして。
早く動くものに攻撃するのであれば、つまり……。
「なら、遅い物には見向きしないって事……なんか、動物と同じだな」
ノアは自らの周囲へと影の獣達を呼び寄せて。
「頼む。しばらく囮になってくれ」
この場で動き回ってくれる獣達に対し、連れていた黒い毛並みの幻獣『ガルム』が放つ闇のオーラで包み、攻撃の威力軽減をはかる。
そして、ノアはそのガルムを闇へと身を潜ませながら、共にマリス・レプリカの破壊目指す。
(「とはいえ、今回のはちょっと骨が折れそうだな」)
目立たぬよう移動していく彼女は、この場の仲間達と協力して討伐を目指す。
「悪いが、ちょっと時間もらうぜ」
そんな中、ジノは身構えたまま動かず、呼吸を整えて。
「ここは一発、デカイのをぶちかました方がいい。……って、俺の【第六感】が言ってるんでな」
幸い、仲間達が敵の注意を引いてくれている。強力な一撃に全てを賭ける彼としては都合がいい。
ジノは破魔の気を練っていき、力を溜めていく。
一方で、マリス・レプリカが仲間達に注意を払う間、摩那が人質を気にかけて。
「まずは、捕まっている方々の救出を図りたいところですが……」
そちらには、トリテレイアがメインとなって動いている。
「人質の安全を確保しないといかんのう」
それを、気づかれぬようにと、エウトティアは精霊の唄を口ずさんでこの場へと精霊を呼び寄せる。
「精霊よ! 幻想のおもむくままに歌え!」
エウトティアの呼びかけに応じ、集まる精霊達。
彼らは枯死の力を持つ陽光で敵の作り出した檻を強く照らし、檻を構成する植物を弱らせていく。
重ねるように、フローライトも自らの技能を駆使して言葉を紡ぐ。
「翼を広げ、空を行き 星夜を越えて、天まで」
クールなパフォーマンスでダブルネックギターを弾き、フローライトはさらに歌う。
「歌おう 輪廻を忘れて声高く♪ 歌おう 今宵限りでも手を取って♪」
この場を照らす眩い光。それは、仁愛の感情をオブリビオン達へともたらす。先程、フローライトがカメラ移りを気にしていたのは、これのことだろう。
「さあ、狂気の庭を愛の光で、照らせ! 照らせ! 照らせ!」
フローライトの声に応じ、眩い光が捕食形態となったマリス・レプリカへと浴びせかけられる。
「ふふふふ……」
だが、敵は多少怯みこそすれ、動きを止めずに暴れ続けていた。
このまま、エウトティアは敵の気をさらに引こうと、巨狼マニトゥを嗾けて。
「マニトゥ、頼むのじゃ」
エウトティアの声を聞いて前方に跳んだマニトゥは蔓触手を爪で引き裂き、牙で噛み砕いていくのである。
その間、トリテレイアは『高感度マルチセンサー』を使って倉庫内の敵味方、人質の位置を把握し、『脚部格納型スラスター』を使って人質の元へと接近していた。
摩那はその仲間達の姿を見て、自身は攻撃に出ることにする。
放置していれば、捕らわれの人々はマリス・レプリカに生き血を吸われてしまう。
「ウロボロス起動……励起」
摩那は刀身にルーンが刻まれた魔法剣『緋月絢爛』へと、サイキックエナジーを流し込んで。
「昇圧、集束を確認……帯電完了」
刀身を帯電させた剣を手にし、摩那はマリス・レプリカへと突っ込んでいく。
素早く動けば、複数の蔓触手が彼女にも狙いに定めて伸びてくる。
直感を頼りにして、また念動力で蔓触手をうまくやり過ごしながら、摩那は接近した敵目掛けて刃を振るい、衝撃波を浴びせかけていく。
赤いものが倉庫内で飛び散る。
それはマリス・レプリカの根の一部に過ぎない。
摩那は真横から近づく蔓触手に気づき、大きく飛び退いて致命傷を避けていた。
「自分で撮りたい位じゃが……、仕方ねぇ!」
ゲンDことゲンジロウもこの救出劇を直接カメラに収めたいと考えるのだが、戦場傭兵としての血が疼いたのだろうか。
まず、彼はこの場へと槍翼の揮士を喚び出して。
「ちょっとこいつを預かってくれ」
「はい、ええ……?」
攻撃かと思いきや、投げつけられたカメラを揮士は落とさぬように受け取る。
「空中から、アクロバティックな撮影をお願いするぜ!」
「ええ、任せてください……」
戸惑う揮士に撮影を託し、ゲンジロウもまた暴れるマリス・レプリカを見据えて。
「さてと、行くか! この事件を……ただの都市伝説に戻すためにな!」
『超重鋼パイプ柄ロングスコップ』を握りしめ、ゲンジロウも強大な力を持つUDC怪物目がけて駆けていくのである。
●
理性がないまま、暴れ続けるUDC怪物マリス・レプリカ。
「ふふふ、ふふふふふふ……」
怪しい笑い声を上げ、敵は倉庫内へと自らの根を張り巡らし、この場で動く猟兵達を捕捉し、捕らえようとする。
その先端を突き刺されただけでも、根毛のようになった部分から血を吸い取ろうとする。一撃食らうだけでも非常に危険だ。
理性を無くしている間は、マリス・レプリカも人質へと意識を向けていない。
敵の作った未知の植物による檻に接近したトリテレイア。
すでに、檻を弱体化させていたエウトティア。
トリテレイアが檻へと近づいたことを受け、エウトティアは属性を灼熱に切り替え、蔓植物を焼き切りにかかる。
重ねるようにして、トリテレイアが怪力で『儀礼用長剣・警護用』を振るい、檻を切り裂いていった。
捕らえられた人々はまだ虚ろな表情をしているが、1人、また1人と正気に戻り始める者もいて。
「はっ……、助け、助けが……!」
笑顔を浮かべ、彼らはさらに別の人を正気へと戻す。女子中学生、後藤・彩夏も我を取り戻し、救出に来てくれた猟兵の存在に喜んでいた。
だが、倉庫の床のあちらこちらに、赤く染まったマリス・レプリカの根が伸びており、人質達は動くことすらままならない。
「いわゆる【檻】というものです」
そして、トリテレイアは【攻勢電磁障壁発振器射出ユニット】を展開していき、新たな檻を作って助けた人々を覆う。
その電磁バリアを防御重視で展開することで、トリテレイアは人々を敵から守りに当たっていた。
「早く、逃げ……」
状況を把握していなかった彩夏が思わず動いてしまい、こちらへと向かってくる蔓触手があったが、トリテレイアはすかさず肩部の単装銃で狙撃してその蔓を撃ち抜いてしまう。
「あ、ありがとうございます……」
「皆様、ご安心ください」
礼を告げる人質達へと、トリテレイアが胸を張る。
「私達の仲間はとても強いのです。特等席で怪物退治をご覧ください」
「「は、はい……」」
見上げる程に巨躯のトリテレイアも頼もしいのだが、その彼が言うのであれば。
人質になっていた者達は、その言葉に納得してしまっていたようである。
なおも、マリス・レプリカは発狂し、赤く染まった根を滅茶苦茶に蠢かす。
「ふふふふふふふ……」
マディソンは薬の力を借り、軟体動物のような挙動で回避に専念する。
周囲にはノアが囮とした影の獣達が駆け回ってくれており、敵の注意を引き受け続けているが、時間が経つにつれてその数は減っていく。
「上手くいくといいんだけど……、ちょっと自信ないなぁ」
影がいなくなってしまう前に、ノアはガルムと共に仕掛ける。
ガルムが大きく口を開いて食らいつこうとするのと同時に、彼女は敵の首筋を狙ってダガーを振るう。
飛び散る赤いもの。今度はマリス・レプリカ自身の体から流れる血だ。
「ふふ、ふふふ……」
それでも、笑い続けるマリス・レプリカはノア達目がけて蔓触手を叩きつけようとする。
その時、真横から同時にマディソンが近づき、仲間へと向いた触手を彼が零距離射撃で弾く。
さらに、フローライトが再度照らす光を浴びた敵。
「ふ、ふ、ふふふふふふふふふふ……」
徐々に敵の笑い声が狂い出してきたところで、ベスティアがそいつへと炎の剣を叩きつけてそこから発する熱で血を蒸発させていく。
「さっさと力を取り戻しておけば、もう少しマシな展開になっていただろうに」
ベスティアの煽りは理性を失ったマリス・レプリカには聞こえていない。
ただ、摩那が魔法剣『緋月絢爛』でその根元をきれいに薙ぎ払っていけば、敵も痛みで正気を取り戻して。
「ああっ、あああっ……!」
痛みで理性を取り戻したマリス・レプリカ。
捕食形態となったにもかかわらず、血を吸うどころか根をぼろぼろにされ、全身が痛んできている。
「ふふ、まだ、まだ終わっていないわ……」
再び、敵は自らの根を大きく広げ、倉庫ごと包み込もうとして。
倒れていた邪神教団員から、マリス・レプリカは血を吸い取っていく。
さらに彼女はこの場の全員から血を吸いとり、自らの力を高めるつもりだ。
しかし、そこに飛び込んだゲンジロウがスコップを振り上げ、その頭を強く殴りつけると、敵の蔓触手が一斉に動きを止めて。
「まだ、まだ……」
ただ、マリス・レプリカはなおも戦意を捨ててはおらず、再び力を入れた根を近づいてくるジノへと伸ばす。
対して、力を溜めていたジノは好機と、一気に間合いを詰めていて。
「シュナイダー機構、マッシブアクティベート。モード:ストライク。……“approved”」
彼は全身を包む『SyG防壁』による【オーラ防御】で、敵の根によるダメージを食い止めつつ、拳を握り締めて。
「……いくぜぇぇぇ!!!」
マリス・レプリカの腹部目がけて、ジノは強烈な一撃を打ち込んでいく。
「……く、くふっ……」
口から吐血した彼女目がけ、ゲンジロウが躍りかかる。
「敵も、根も、檻も、まとめてぶっこわしてやるわ!」
ゲンジロウのスコップが再度、敵の頭へと炸裂した。
倉庫の床ごと破壊されたマリス・レプリカの体のあちらこちらから亀裂が走り、赤いものが噴き出す。
「残念ね……もっと、力を蓄えていれば……」
「下手に遊び心を出すから、こういうことになる。お陰でこちらの目的は達成できたのだけれど、ね」
カメラを回すベスティアの一言を聞き終える前に、マリス・レプリカの白い身体は茶色に変わっていき、見るも無残に枯れ果ててしまったのだった。
●
今回の黒幕であるUDC怪物を討伐して……。
猟兵達は、人質となっていた人達の状態を確認する。
一部、精神的なストレスで衰弱していた者はいたが、フローライトが色とりどりに光るレーザー光を発して演奏を行い、人々の治療に当たる。
それもあって、失踪扱いされていた彩夏を含め、この場の人質全員が生存した状態で助け出すことができた。
ちなみに、邪神教団員は血を吸い尽くされており、全員が力尽きている。
それもあって、彼らが一連の事件で使った手口などは詳しくは分からなかったが、それらの謎は今後、誰かが解き明かしてくれるかもしれない。
なぜなら、【真髄恐怖映像!ゲンかい!?】の面々が記録した映像が残っているからだ。
「ふむ、なかなかの映像になったのう」
撮影した映像を確認していくゲンジロウは再び、ゲンDに戻ってうんうんと頷く。
それは、この世界の人々に対する一つの都市伝説として残ると思われる。
猟兵達は助け出した人々をUDC組織へと託し、事件の解決を持って戦場となった倉庫を後にしていくのだった。
大成功
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