エンパイアウォー⑲~神に騎乗する者
●騎乗する者
「ふん、ここには捧げるに価するモノは無いかもしれんな」
と、侵略渡来人『コルテス』が不満そうに言うと、ケツァルコアトルは何も答えない。
いや、答えたところでこの男には敵わぬ事は、自身が居た国で嫌という程に見せられた。
「……あれが、下等が助けを求めた猟兵というヤツらか? どうでもよい」
転移されてきた猟兵を一瞬だけ視線を向けるが、直ぐに興味なさそうに視線を空へと向けた。
●グリモアベース
「皆さん、日々サムライエンパイアでの戦いお疲れ様です。さて、喜ばしいという……べきなのでしょうか? 百面鬼『風魔小太郎』、大悪災『日野富子』、軍神『上杉謙信』に続き、侵略渡来人『コルテス』の居場所が判明致しました。はい、彼はケツァルコアトルに騎乗して厳島神社で高みの見物をしております」
藤色の髪飾りを揺らしながら神山・琥珀(白銀の妖狐・f01799)は、目の前に居る猟兵達に向かって静かに言った。
「そして、本来ならば強敵と言える相手なのですが……攻撃されるとは思っておらず、安全な場所から侵略や殺戮を楽しんできています」
琥珀は、現在のサムライエンパイアの厳島神社で写された侵略渡来人『コルテス』を指しながら説明を続ける。
「そう、つまり――彼は戦い慣れてない否、戦い方を忘れたサムライと言えば良いでしょうか? 今の侵略渡来人『コルテス』ならば倒せるかもしれません」
紅玉の様に赤い瞳で琥珀は、じっと猟兵達に視線を向ける。
「ですが、戦いを忘れているとはいえ……強敵ですので気を付けて討伐に向かってください。皆さん、よろしくお願いします」
と、言って琥珀は、猟兵をサムライエンパイアの厳島神社へ転移させた。
龍真 神
OPに目を通して頂きありがとうございます。
このシナリオを書いた、龍真 神(タツマ シン)と申します。
よろしくお願いします。
それでは、皆さんのプレイングをお待ちしております。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 ボス戦
『侵略渡来人『コルテス』』
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POW : 古典的騎乗術
予め【大昔にやった騎馬突撃を思い出す 】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : マスケット銃撃ち
【10秒間の弾籠め 】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【マスケット銃】で攻撃する。
WIZ : 奴隷神使い
【ケツァルコアトルの噛みつき 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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蛇塚・レモン
技能はフル活用!
<WIZ>
自分好みの渋カッコいいイケおじオブリビオンにテンション上がっちゃう
めっちゃ友好的態度で敵意のなさをアピール
「きゃーっ♥ コルテスおじ様~っ!!」
「その御姿を一目見てからっ! あたいは、おじ様の虜だよっ!」
「乗ってる竜もカッコいいっ! おじ様には到底かなわないけどねっ?」
相手がドン引きする程に褒め殺す
此方に興味ないとはいえ悪い気はしないはず
「ケツァルコアトルって神様なんだ? あたいも神様と仲良しだよ?」
咄嗟の一撃で指鉄砲の呪殺弾
竜の顔面に目潰しのだまし討ち!
同時に蛇神様を召喚、おじ様へ念動力と衝撃波どーんっ!
あとは噛み付かれないように2回攻撃で結界を張ってね、蛇神様っ!
●“趣向”
ケツァルコアトルに跨り、自然が豊かな厳島神社の上から侵略渡来人『コルテス』は、コバルトブルーの美しい海から吹く風を受けていた。
その横顔を見ていた蛇塚・レモン(黄金に輝く白き蛇神オロチヒメの愛娘・f05152)は、紅玉と琥珀の様な瞳をキラキラと太陽の光で輝かせながら視線はコルテスの横顔に釘付けだ。
「きゃーっ♥ コルテスおじ様~っ!!」
両手を握り締めながらレモンは、コルテスに向かって黄色い声を上げた。
「その御姿を一目見てからっ! あたいは、おじ様の虜だよっ!」
思わず飛び跳ねながら声を上げる姿は、ステージに上がった推しに声援をおくる女性達の様だが、ただ違うのはコルテス自身はその言葉に何も反応を見せない事であった。
「乗ってる竜もカッコいいっ! おじ様には到底かなわないけどねっ?」
ケツァルコアトルがちらり、とレモンの方を一瞬だけ視線を向けるが、主の反応がないので静かに屋根に顎を乗せる。
「ケツァルコアトルって神様なんだ? あたいも神様と仲良しだよ?」
と、レモンが言うと、ケツァルコアトルがスッと頭を上げて彼女を瞳に映した。
それを狙っていたレモンが手を銃の様な形にすると、人差指から呪殺弾が放たれるとケツァルコアトルの顔に当たり悲鳴に近い鳴き声を上げた。
「っち、聞き流せば良いと……っ!」
コルテスがレモンの方に視線を向けた瞬間――
彼の眼前に白き巨大な蛇が現れ、ギロリと邪眼から念動力が放たれた。
「どう! 蛇神様の実力は!」
レモンが胸を張りながら言うと、ケツァルコアトルの鳥にも似たドラゴンの様な口を開けて首を伸ばして噛みつく。
そして、レモンの頬を牙が掠めた。
「どうした、何故だ!」
確実に頭を潰したハズなのに、目の前のレモンはかすり傷だけで済んでいた事にコルテスはケツァルコアトルを睨んだ。
「コルテスおじ様には教えてあげるよ! あたいの蛇神様は結界だってお手の物なんだよ!」
レモン好みである渋くカッコいいイケおじであるコルテスに、彼女は嬉しそうに召喚した巨大な白き蛇神様に視線を送りながら言った。
コルテスの顔を近くで見ながら『あぁ、カッコいい……』と、恋する乙女の瞳を向けた。
成功
🔵🔵🔴
ヨナルデ・パズトーリ
何を諦めきって居るか馬鹿者が!
其れでも妾の、テスカトリポカの好敵手と同じ名を持つ者か!
ならば妾の手で!
海と森の傍に或るという宮島の『地形を利用』
『殺気』を抑え『迷彩』で『目立たない』様にして『暗殺』の要領で隙を伺う
隙を『見切り』『高速詠唱』で己の司る煙の『属性攻撃』を『範囲攻撃』で
放ち視界を遮る『先制攻撃』
間髪入れずUC発動
『空中戦』で肉薄し『怪力』により振るわれる『鎧無視攻撃』で傷をつけ
其の『傷をえぐる』様に『霊距離射撃』の『呪詛』の籠った『全力魔法』を
叩き込む形での『二回攻撃』を放つ
敵の攻撃は動きを『見切り』『第六感』に従いつつ『残像』で回避
当った場合『捨て身の一撃』の『カウンター』
●“憤怒”
(ならば妾の手で!)
ただ従うケツァルコアトルに対しヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)は、憤りを感じながら自然に溶け込みながら近付く。
素早く煙を撒くとコルテスとケツァルコアトルの視界を奪うと同時にユーベルコード『今は亡き対なす神の残り香(ナワールケツァルコアトル)』を発動させた。
「力を貸して貰うぞ! 妾と対なす者、戦友にして好敵手にして兄妹だった者! 神である事に囚われ壊れ妾が過去へと送った伴侶! 翼ある蛇よ!」
天高く跳躍し、翼を広げると手にした『黒曜石の戦斧』を振り下ろして、コルテスの肩に刺した瞬間に呪詛を込めた魔法を放とうとする、が――
「芸が、ないな」
コルテスが抑揚のない声色で言うと、ヨナルデに向けられたのはマスケット銃の銃口であった。
「……お主!?」
ヨナルデが舞い上がろうと翼を羽ばたかせた瞬間、発砲音と共にマスケット銃から弾丸が射出されると翼を射抜かれた。
「何を諦めきって居るか馬鹿者が! 其れでも妾の、テスカトリポカの好敵手と同じ名を持つ者か!」
と、ヨナルデはケツァルコアトルに向かって叫びながら天に向かって飛ぶが、その後を追わずに煙が晴れつつあるその場からコルテスはマスケット銃に籠められた弾丸を――
全てヨナルデを貫いた。
苦戦
🔵🔴🔴
宇冠・龍
由(f01211)と連携
そうですか、富士での仔竜はその竜のお子さんでしたか
(神を騎乗云々はさておき、母親に無理矢理生ませた我が子さえ使役し贄に使う……いい気分はしませんね)
相手は3次元的な騎乗術の担い手、単純な攻撃では見切られてしまいます
由が引き付けてくれている間、【魚質竜文】を展開し、多方面から不可視の霊を高速で突撃させます
最高速は勝てなくとも加速と小回りではこちらが上、油断している相手を上空から叩き落します
狙いはコルテス唯一人、手綱を切れば親竜も意識を戻すかもしれません
ケツァルコアトルさん、お子さんは皆無事ですよ
意識を取り戻すかは正直賭け
しかし子を想うのが親なら、応えてくれるかもしれません
宇冠・由
お母様(f00173)と連携
私は空飛ぶヒーローマスク
しかしこと空中戦では相手の方が一枚上手でしょう
意表を突く必要があるのなら、私は盾として囮になります
【七草仏ノ座】で30Mの鬼に変身
その圧と存在感で、意識を私に引き寄せます
この身体は修復が可能、持久戦なら得意です
唯でさせ避けられやすいので、直線的な拳では反撃されるのがオチ
ですが私も空中での戦い方は心得ております
空中全域に私の分け身たる炎のオーラを障壁として進行上に先回りして展開
相手が思う様に飛べなく妨害、接触したら延焼で攻撃
きっとあの竜には炎耐性があります。しかし搭乗者は別でしょう
私に注意を向けてくれればいいのです
本命はお母様の攻撃なのですから
●“母子”
「そうですか、富士での仔竜はその竜のお子さんでしたか」
コルテスの言葉を聞いて宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)は、ケツァルコアトルに哀れむ様な視線を向けた。
(神を騎乗云々はさておき、母親に無理矢理生ませた我が子さえ使役し贄に使う……いい気分はしませんね)
「手加減は致しませんよ」
宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)の燃える体が厳島神社周辺の空気を奪うかのように、ごうごうと音を立てながら炎の範囲を広げて行く。
ユーベルコード『七草仏ノ座(コオニタビラコ)』により、由の体は30mもある鬼の姿と変わり巨大な手をコルテスに伸ばす。
「これは……どういう事だ?」
掴まる寸前にケツァルコアトルが飛翔して回避すると、由の周りをぐるりと飛びながらコルテルはただ驚きの声を上げるばかりだ。
「無駄、ですよ」
ケツァルコアトルが離れようとした瞬間、厳島神社を覆う様に炎のオーラが展開されており、まるで竈に突っ込まれた様な状態であった。
「……あの巨人を倒せばいいんだろう?」
コルテスが手綱を握り締め、ケツァルコアトルを操り由に向かって突撃させる、が――
掠めただけでもかなりの熱さで、無意識に逸らす様に手綱を動かしてしまう。
(喉が、焼ける……ようだ)
熱風が体を覆い、息をしても喉が焼ける様な程に熱い。
「死海に還りし息吹達、視界を寡黙に泳がれよ」
ユーベルコード『魚質竜文(ギョシツリョウブン)』を発動させると、龍の周囲に見えない浮遊する十匹の魚の霊が大地の底から呼び覚まされた。
見えぬ魚の霊達は龍の指示に従いゆらり、と空という名の海を泳ぐようにコルテスの元へ向かう。
「ケツァルコアトルさん、お子さんは皆無事ですよ」
と、ケツァルコアトルに向かって龍は声を上げる。
「そんな事、どうでも良いだろう!」
コルテスが手綱を引こうとする、が――
見えない魚の霊が千切り、ケツァルコアトルを操れぬようにした瞬間、由が腕を伸ばしてくる。
「どうでもよくないです! 親として子を想うのは当然の事です!」
龍はコルテスを睨みながら叫ぶ。
「はっ、たかが下等生物のクセに何を偉そうなことを言うか! ケツァルコアトルは私の操るただの傀儡だ!」
コルテスの言葉とは反対に、ケツァルコアトルは動きを止めて戸惑いの色を見せている。
「そんな見下した言葉で言われようとも、親と子の繋がりは強いのです!」
龍は更に声を上げると、コルテスに向かって見えない魚の霊達が攻撃してケツァルコアトルの背中から落とすと、由が追撃するかのように自身の炎で包み込んだ。
地面に落ちたコルテスを見て、ケツァルコアトルは慌てて傍に着地すると彼を背に乗せる。
(ダメではないでしょうが……コルテスが居るかぎり)
ケツァルコアトルは、解放されない――
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ネージュ・ローラン
全てを見下した態度には腹が立ちますね。
ですが慢心している今なら大技を撃ち込む隙もあるでしょう。
厳島の山の上で魔力を溜め、準備が整ったら全力で開放して広域への【エレメンタル・ファンタジア】です。
起こす現象は氷属性の暴風雨。
荒れ狂う氷の嵐は周囲の気温を一気に下げ、飛び交う氷の破片が襲いかかります。
ケツァルコアトルさんはアステカの蛇ということで、この寒さに耐えられますか?
コルテスさんもこんな気候の中でマスケットの着火をスムーズにできますか?
このまま魔法を維持しつつ他の仲間のサポートの為に下がりましょう。
塩崎・曲人
クックック
戦い方忘れた?良いじゃねぇか、センソーなんて野蛮な行いだしよ
このままラブ&ピースの精神で友好を深めようぜ?
「まずは一緒にスポーツでもして、なぁ」
戦う気もなさそうな悠然とした歩調で歩いて登場
余り接近せず視界と声が通る程度の距離で止まり、軽く挑発
「いやなに、おっさんに楽しいスポーツ遊戯のルールでも教えてやろうと思ってな。この国由来のもんじゃねぇけどな」
【野良野球】で予め拾っておいた石を射出
顔面にぶち当ててやるぜ
万が一避けられても、顔を大きく降るとバランスが崩れる
クク、騎兵のメジャーな死因の一つは、落馬しての墜落死だったな?
どっちのケースでも油断せずに、できるだけ追撃しよう
【アドリブ歓迎】
●“翼は折られて”
氷を見に纏った様な容姿のネージュ・ローラン(氷雪の綺羅星・f01285)が、厳島の山頂で両手を広げたまま潮風を受けながら静かに魔力を溜めていた。
丁度コルテスの醜態を見た塩崎・曲人(正義の在り処・f00257)は、喉で笑い声を出しながら鉄パイプを肩に担いだまま空を見上げる。
「まずは一緒にスポーツでもして、なぁ」
ゆったりとした歩調で厳島を歩きながら曲人は、鉄パイプで肩をトントンと軽く叩きながら明るい口調で言った。
「下等が……舐めた事をっ」
口元を歪めながらコルテスが呻くと、ケツァルコアトルは方向転換すると曲人に向かって滑空した。
「いやなに、おっさんに楽しいスポーツ遊戯のルールでも教えてやろうと思ってな。この国由来のもんじゃねぇけどな」
ユーベルコード『野良野球』によってあらかじめ拾っておいた石をばらっと、宙へ投げると鉄パイプを両手で握り締めると素早く尚且つ、力強くスイングして野球のボールの如く石を打った。
それはまるでショットガンを至近距離で放たれた弾丸の様に、小さい石であれど、数と威力は小さくとも――
コルテスの顔面を掠め、いくつかの小石は彼の顔面を打ちつけられてマスケット銃を向けようにも狙いが定まらない。
「クク、騎兵のメジャーな死因の一つは、落馬しての墜落死だったな?」
喉で笑いながら言うも曲人の視線は、コルテスから逸らさずに再び足元の石を拾うとまたそれを打った。
「悪いですが……」
ネージュがゆっくりと瞳を開け、腕にはめられたブレスレットの契約の宝玉が青白く光る。
徐々に周囲の空気が冷たくなっていき、空気中の水分が凍っていく最中で、風がコルテスを中心にヒューヒューと耳元で鳴る音は徐々に大きくなる。
「っち、上だ!」
コルテスがケツァルコアトルに指示を出すが、冷たいからだろうか、それとも戦いの傷が増えたからだろうか、やけに動きが鈍くなっていた。
「ケツァルコアトルさんはアステカの蛇ということで、この寒さに耐えられますか?」
風は暴風と化し、その中で凍った水分は集まり針の様に尖ったモノになると、中心にいるコルテスとケツァルコアトルを襲う。
「コルテスさんもこんな気候の中でマスケットの着火をスムーズにできますか?」
ネージュの問いにコルテスは答えない否、答えても声は風にかき消されるだけであった。
冷たい風の中で火を点けるなんて事は難しい、そして彼――コルテスは戦い方を忘れているから余計に出来ないであろう。
「追加だぜ!」
曲人が更に石を打つと、ボキリと何かが折れる音が響く。
それは、心が折れる音なのか?
それとも、翼が折れた音なのだろうか?
その答えは、暴風が消えた後に地面に足を着けたケツァルコアトルを見て理解した。
成功
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黒玻璃・ミコ
※スライム形態
◆行動
おやおや、竜種の付属品風情が何やら粋がってますね
そもそも征服者等と言う過ぎた名は魔女である私に返上して頂きましょうか?
【空中戦】の要領で不規則かつ軽やかに【第六感】の感じるままに跳躍しながら【水泳】?し
ぽよよんと厳島神社の水上で戦いを挑みましょう
はい、跳躍する際には【毒使い】で生成した五感を鈍らせる神経毒を【念動力】で風をお越して散布し
隙を見せたらこの魅惑のボディを震わせて【誘惑】し
【気合い】充分の【黒竜の接吻】による神をも殺す致死毒を体内に送り込みますよ
うふふ、キスのついでにケツァルコアトルからも【生命力吸収】もしてしまいましょうか
◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブOK
クロウ・タツガミ
アドリブ、連携は任意
【POW】
さて、同じ龍つかいお相手させて貰おう
【戦闘知識】を基にサカホコ(ハルバート)を手に、【2回攻撃・怪力】で敵と対峙するとしよう。まずはガントレットによる【盾受け】で自身への攻撃や味方を【かばい】、【シールドバッシュ】で反撃と行くか
ケツァルコアトルか、サカホコやマガホコに似ているが、そちらはこういうことが出来るかな
敵の攻撃をハルバートで受け止め【時間稼ぎ】をして、【黒帝九相】を使うとしよう。サカホコが変ずるは、磔台、串刺しの杭、車裂きの車輪と様々な拷問器具、それらを敵に放つとしよう
侵略者か、ならば自らが拷問された経験はあるかな?
●“奪う側のキモチ”
「おやおや、竜種の付属品風情が何やら粋がってますね。そもそも征服者等と言う過ぎた名は魔女である私に返上して頂きましょうか?」
まんまるブラックボディが愛らしい黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)は、地面に膝まづいているコルテスに向かって言い放った。
「どういう事、だ?」
傷付いてもなお、コルテスの瞳は屈しない医師の光を宿したままミコを睨んだ。
「こういう事ですよ」
ぽよよーんと体を揺らしながら宙へ跳びあがると、まるで空を走っているかのように軽快な動きで鳥居が映し出されている海面に着地した。
ブラックタールだ、海水の方が重くて彼女が軽いだけで浮いている様なモノだ。
「まぁ、この時点で……そちらは、不利――ですがね」
見た目はふざけている様にしか見えないが、ミコの声色は魔女と呼ぶべきソレらしき圧が“ある”――
「……ゴッ!」
コルテスの口から溢れたのは“言葉”ではなく“鮮血”であった。
ミコは跳躍しながら毒を周囲に散布し、ソレは潮風に乗ってコルテスの元へと届けてくれただけである。
「いあいあはすたあ……拘束制御術式解放。黒き混沌より目覚めなさい、第肆の竜よ!」
ユーベルコード『黒竜の接吻』の詠唱を口にしながらミコは、素早く間合いを詰めると血に濡れた口に接吻をして猛毒を更に流し込む。
「き、貴様! ガハッ! 下等生物のクセに!」
口を素早く拭い、コルテスはミコを睨むも蝕む毒に体は悲鳴をを上げ、言葉より多く口から溢れるのは黒い血――
「さて、同じ龍つかいお相手させて貰おう、と言った所でこれは……」
龍騎士であるクロウ・タツガミ(双龍の担い手・f06194)がハルバート形態の『サカホコ』を手に駆け寄るが、ミコの毒によって弱っているコルテスをただ見詰めた。
しかし、言葉は出ずとも動ける――血に濡れた手を伸ばす。
「なんと、諦めの悪い」
クロウのハルバートの先でコルテスの手を貫き、呆れた声色で猛毒によって喋れない敵に視線を向ける。
「ケツァルコアトルか、サカホコやマガホコに似ているが、そちらはこういうことが出来るかな」
ケツァルコアトルが弱っているのは目に見えているが、コルテスを助けようと間に頭を滑り込ませると口を開けて牙を向けた。
しかし、クロウはガントレットで牙を受けとめるとはじき返した。
「侵略者か、ならば自らが拷問された経験はあるかな?」
と、クロウが低く呟くと、ユーベルコード『黒帝九相』が発動しサカホコが変化出来る拷問器具を放った。
串刺しの杭がコルテスの四肢を地面と繋ぐ、が――
ケツァルコアトルが、最後の力を振り絞って
コルテスを乗せて空へ跳びあがった――
大成功
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ゼット・ドラグ
「いい加減にしろよコルテス・・・どれだけ親子の絆を利用すれば気が済む
・・・!」
普段は冷静な竜殺しが怒りに燃える。本来ならば、竜を殺す事が目的だが親子に対して思う所があるらしい。
相手の先制攻撃は、【怪力】と【咄嗟の一撃】を併用した一撃で相手の突撃の方向を逸らせ、コルテスを狙って左手首からミサイルを発射する。
ケツァルコアトルは救ってやりたいがコルテスを倒せば連動して死を迎えるだろう。
ならば、苦しまぬよう一撃必殺かつ絶対命中の武器をUCで作成。
超巨大な斧をコルテスとケツァルコアトルの周りを包むように振るい、空間ごと二人を消滅させる。
「俺が切り裂いたのはお前らじゃねえ、お前らの居た空間そのものだ」
●“終わりを求め”
「いい加減にしろよコルテス……どれだけ親子の絆を利用すれば気が済む……!」
空へ逃げる一人と一体に向かってゼット・ドラグ(竜殺し・f03370)は厳島中に響かせん程の声で叫んだ。
本来ならば冷静な龍殺しの魂に火が点けられたかのように怒りで燃え、龍を殺す事が役目であるのにケツァルコアトルとその子供達――親子に対し思う所があるからだ。
痛みによってコルテスは、わずかながら思いだした騎馬突撃の要領でゼットの方へケツァルコアトルを飛ばす。
懐かしい気持ちと、戦う快感を思い出しコルテスの口元は吊り上げた。
「その笑みは、コルテス……お前自身がするもんじゃねぇんだよな?」
ゼットはコルテスを睨みながら、突撃してきたケツァルコアトルの頭を掴み逸らすと同時に左手首を外すと“バトルハンドmk2(左手)”からミサイルが射出された。
ミサイルが当たり爆風によってコルテスと離されると、間髪入れずにユーベルコード『フェイタル・イマジネーション』を発動させた。
「これが竜殺しとして生きてきた俺の中の一つの究極の形だ!」
眼前にいるケツァルコアトルを救いたいが、コルテスを倒せば一緒に消えてしまうだろう……ならば――
ゼットが手にしたのは竜を殺す為の武器“超巨大な斧”を握り締めると、ゆっくりと瞬きをして覚悟を決めるとそれをコルテスとケツァルコアトルの周囲を包み込むように振るった。
「俺が切り裂いたのはお前らじゃねえ、お前らの居た空間そのものだ」
ゼットが静かに言い終えると同時に、その場からコルテスとケツァルコアトルの姿は消滅した。
これが最善な方法なのかは分からない。
ケツァルコアトルを助けたい、と思う猟兵達は浅瀬に佇む鳥居を見上げる。
もし、助けれる方法があれば――きっと
一握りの希望を胸に、彼らはまた別の戦場へと向かった。
大成功
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