エンパイアウォー⑳~オペレーション ゴールドキャッスル
●グリモアベース 作戦会議室。
金に執着する女、日野富子。
「あるぇ~⋯おれ、なんかこいつにものっそい既視感を感じるんだけど⋯」
そんなことを言いながら首をひねるユウキ。
「欲望に塗れてそれで滅んだって⋯どこだったか⋯うーん⋯」
多分覚えてるだろうし、分かっていてふざけているのだろう。
「っと、まぁそんなことはどうでもいいな。さて、今回の作戦であるが、敵幹部、日野富子の居城が判明した⋯というか⋯なんで今まで気付かなかったんだこれ?」
そう言ってユウキの掲示した写真は⋯金色一色。
とてつもなく光り輝く建物が、写真には写っていた。
「うっへぇ⋯趣味悪⋯⋯この女、どういう脳みその構造してんだ、一体?」
目につく限り全てが金。
悪趣味にもほどがある建物である。
「場所は、京都。この場所には元々【花の御所】とかいう建物があったらしいんだが⋯それをこの女が改造したみたいだな⋯一体いくら使ったんだか⋯⋯」
終始呆れ顔のユウキは、淡々と作戦の説明を続ける。
「まぁ、おそらく脳みその構造が一般人とかけ離れているこの女だが、仮にもオブリビオンフォーミュラの幹部である以上、実力は相当のものだ。生半可な攻撃は返り討ちに合うだろう事は想像に難くない。まして、相手の居城に攻撃を仕掛ける以上、相手にとっては完全に熟知したフィールドでの戦いだ。向こうは確実に先手を打ってくるだろう」
そう言って、日野富子の写真を掲示する。
「こいつは生前の物だが⋯黙って愛想笑いを浮かべてりゃあ、まぁ美人と言って差し支えないんだがなぁ。如何せん趣味が悪すぎる。金、金、金。あー、やだやだ。間違ってもお付き合いしたくない女ナンバーワンだね」
話が脱線している気がする⋯。
「まぁ、なんだ。相手が強力なオブリビオンであることは間違いない。対策を怠るなよ、返り討ちにあっても責任は取れんからな」
そう言ってユウキはゲートを開く。
「それでは、金色の城作戦(オペレーション ゴールドキャッスル)を開始する。お前らも金に目がくらんで、あいつの攻撃をまともに喰らうんじゃあないぞ、金なんぞより、命の方が大切だからな」
ユウキ
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
大悪災『日野富子』は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼女を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
初めましてこんにちは。
ユウキです。
というわけで、悪趣味女の討伐が任務です。
もちろん、趣味が悪いだけではなく、非常に強力なオブリビオンである彼女を倒すのは並大抵のことではありませんが、皆さまであれば彼女を討伐できると信じております。
詳しい注意事項などはマスターページまで!
「それでは皆様、金に目が眩まぬようご注意を⋯」
第1章 ボス戦
『大悪災『日野富子』』
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POW : アタシの前に立つんじゃねぇ!
【憎悪の籠った視線】が命中した対象を燃やす。放たれた【爆発する紫の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : アタシのジャマをするな!
自身の【爪】が輝く間、【長く伸びる強固な爪】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 誰かアイツをぶっ殺せよ!
自身が【苛立ち】を感じると、レベル×1体の【応仁の乱で飛び交った火矢の怨霊】が召喚される。応仁の乱で飛び交った火矢の怨霊は苛立ちを与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
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落浜・語
いっそ清々しいほどの強欲傲慢さだな。
さて、俺にどこまでできるかな。
先制攻撃は【第六感】にも頼りつつ、【戦闘知識】でもって致命的な物を優先に奏剣で捌き、かわす。どうにもできないものは【激痛耐性】で耐える。【覚悟】はしてたからな。その為にも、本体は持ってこなかったんだ。燃えても後でなんとかなる。
それに、口が回れば攻撃はできる。
UC『白雪姫の贈り物』を使用
「その強欲傲慢さは、身を滅ぼすって学ばなかったか。まぁ、学んでてもこういう形でよみがえった時点で、意味はないんだろうなぁ?」
【挑発】し煽ればこの手の手合いは必ず意識を向けて反応する。それで十分。
さぁ、踊ってくださいな?
アドリブ連携可
目につく限りの黄金の城。
こんな場所で暮らしていれば、むしろ目が痛くなるレベルである。
「いっそ清々しいほどの強欲傲慢さだな」
そのいくら使ったのか計算することすら馬鹿馬鹿しくなる豪奢な建物の前に、落浜・語は立っていた。
――さて、俺にどこまでできるかな⋯――
相手は幹部、並大抵の相手ではない事は分かっている。
だが、それは覚悟の上だ。
事前にこの女が火矢を操ることは聞いている。
そのために、たとえ全力で戦えなくなるとしても、高座扇子は置いてきた。
「死ななきゃいくら焼かれようと問題なしってね⋯」
戦闘に噺家の物を持ち込まない。
それは彼にとっての最も大切な信条である。
だが、口が回って武器になる。
ならばこの口回して見せよう。
強欲女を黙らせて見せよう。
噺家ではなく猟兵として。
中に入れば少しはおとなしい装飾になるかと思えば、中も変わらず豪華絢爛。
金ぴかじゃないだけまだマシと言った所か。
「あぁ!? 何を土足で入りやがるんだこのクソ猟兵が!!」
ヒステリックな叫びと共に放たれるのは、火矢の怨霊。
意志ある殺意は真っ赤に燃えて、
噺家焼かんと飛び回る。
その口塞げと宙を舞い、
男に怨嗟が降り注ぐ。
「さぁ死ね! 今死ね! すぐに死ねェッ!!」
昔々、女は人々を苦しめ私腹を肥やし、そして死にました。
ですが、女はそれを恨み、悪霊となって甦ったのです。
そんな悪霊を退治するために、男は現れました。
悪霊は、現れた男を焼こうと、火矢を放ちます。
大声で醜い悲鳴を上げながら、男を焼こうとしたのです。
ですが、男は動じません。
自身に向かってぴゅうぴゅうと空を舞う火矢を、手に持った短剣で切り払い、
その身に迫る怨嗟を、次々と振り払って見せたのです。
女は言いました。
なぜ死なないのか? と。
私は金を持っている。お前なんかより私はえらいのに、
なぜ言う事を聞かないのか、と。
男は答えます。
「その強欲傲慢さは、身を滅ぼすって学ばなかったか。
まぁ、学んでてもこういう形でよみがえった時点で、
意味はないんだろうなぁ?」
女は更に怒り出しました。
ですが、どうした事でしょう。
突然足が熱くなり、転げまわって叫ぶのです。
男は言い放ちました。
「こっちを見たか?
じゃあ、そのまま炎上して、上手に踊ってくれ。
死ぬまで⋯な?」
男は意地悪女に真っ赤に焼けた靴を履かせて、
躍らせ続ける罰を与えたのです。
大成功
🔵🔵🔵
白峰・慎矢
金があれば何でもできるかもしれないけど、それだけじゃ幸せにはなれないよね。
伸びる爪による連続攻撃……厄介だけど、まずは受けるか。「ダッシュ」で常に間合いをとり、爪を伸ばして攻撃するよう誘導しよう。伸ばしている間に動きを「見切り」して、鞘で「盾受け」したり、刀や「念動力」で捌いて受け流すように防御だ。爪を伸ばしたまま切り裂こうとするなら、「残像」で避ける。
一通り避けて、爪を伸ばした状態で隙ができたら、反撃だ。その刀じゃ届かないって?だから俺は【霊速射】を使うよ。怨念の炎に燃やされないよう「破魔」の力を込めて矢を放つ。折角金の城を建てたところ悪いけど、そろそろ帰りなよ……!悪銭身に付かず、ってね。
焼けた靴を履き、踊り続けた日野・富子は、怒りに我を忘れていた。
いや、そもそも最初から理性なんてものは無かったかもしれないが。
「あぁ!! どこ行った!? あのクソ野郎はどこに行った!!?」
「彼はもういないよ」
そう言って立ちふさがったのは、白峰・慎矢。
「金があれば何でもできるかもしれないけど、それだけじゃ幸せにはなれないんじゃないかな?」
その言葉が⋯富子の怒りに油を注ぐ⋯
「あぁ⋯?」
何が分かるというのだ、この男に。
初めて生んだ我が子はその日に死んだ。
やっとの思いで生み落とし、溺愛した男児は、成長すれば自分を疎んだ。
「てめぇに何が分かるってんだよ⋯」
それでも愛し続けていたというのに、彼は25の若さで死んだ。
夫も息子も誰も⋯私を愛してはくれなかった。
「てめぇにアタシの何が分かるってんだよ!!」
自分が信じれるのは金だけだった。
息子のために⋯
集めた金だけが、私を癒してくれた。
そう⋯金だ。
それをこいつらは⋯私の金をこいつらは⋯⋯ッ!!
「アタシの⋯⋯ジャマをするなァ!!!」
その爪が怪しく輝き、慎矢を切り裂かんと腕を伸ばす!!
その攻撃を抜いた刀の鞘で受け、抜いた刀や念動力で受け流す。
伸ばした腕を切り裂くように振るってみれば、富子の爪は空を切る。
残像⋯それは慎矢の身体ではない。
だが、思ったように隙が出来ない。
怒りに我を忘れて繰り出される怒涛の連撃は、たとえUCの能力が切れたとて苛烈を極めた。
「幕府が!! 猟兵が!! お前が!! 憎イッ!!!」
隙が出来たのは⋯慎矢の方だった。
「ぐぅ⋯!?」
腹部を切り裂いた爪を叩き払い、とっさに距離を離す。
だが、ただでやられる慎矢ではない。
距離を取るその一瞬。
離れた慎矢に新たな一撃を加えようと飛び掛かった富子に向けて放った霊速射の矢が、同じ様に富子の腹を抉る。
「ガァ!?」
――⋯長居は出来ない⋯かな⋯⋯――
本体こそ無傷であったが、富子の怨嗟のこもった爪の一撃で刺し貫かれた仮初の肉体は、すぐに戦えるような状態ではない。
幸いにも、強い破魔の力に撃ち抜かれた富子も、すぐには動けないようだ。
慎矢は、激痛に耐えながらその場を撤退した。
苦戦
🔵🔴🔴
満月・双葉
「見習いたくない女性代表ですね」
戦闘中、戦いながらも、戦場全体や仲間の状態に常に気を配ります【地形の利用】【視力】【暗視】【聞き耳】
「誰かアイツをぶっ殺せよ!」に対し、「美華呪」を使うことで、召喚された敵を鬱陶しい攻撃を与える事により自分自身に惹きつけ、【早業】で動き回る事により混乱させ、他の猟兵達が本体に近づけるように画策
【オーラ防御】で防御したり【武器受け】をし【シードバッシュ】でそのまま殴り返す
最大の目的は、戦闘を有利に進め、勝利に導くこと
その為なら、ある程度のダメージはやむを得ないものとし、【激痛耐性】【気合い】で耐え、本体に対する虹瞳による【生命力吸収】攻撃で回復も試みる
ラザロ・マリーノ
まぁ金が大事ってのは解るがな。
なにせ金さえあれば武具、食料、医薬品、情報。それに人の心だって買えちまう…ああこの方法はアリかもな。
金貨の詰まった革袋を腰に下げていくぜ。
タワーシールド攻撃を受け流しながら、わざと金貨の袋に当たるように立ち回る(盾受け/オーラ防御/見切り)。
ここまで金に執着してる奴なら、金貨がばら撒かれりゃ必ず隙ができるはずだ。
そこに「竜の咆哮」を叩き込んでやるぜ!
使った金は回収してえところだが、金貨一袋で奴の隙が買えるんなら安いもんか。
全部テメエにくれてやるから、せいぜい地獄で使い道を考えるんだな!
※アドリブ・連携・ギャグ・負傷描写歓迎
腹部が痛む。焼かれた足もだ。
私は、私の金を奪った奴らへの復讐をしようとしているだけだ。
それを⋯それを⋯⋯
「見習いたくない女性代表ですね」
冷めた言葉に気付いた富子は、その声の主を睨む。
「まぁ金が大事ってのは解るがな。なにせ金さえあれば武具、食料、医薬品、情報。それに人の心だって買えちまう…」
ラザロマリーノのその言葉に、
冷めた声の少女。
満月・双葉は相槌を打つ。
「そりゃあそうでしょうね。まぁ、お金で買った人の心なんて、私はいりませんが」
何をごちゃごちゃと話しているのだ⋯この二人は⋯
意味の分からぬ会話をする二人の猟兵に、苛立ちが沸き上がって来る。
怨嗟の火矢が現れて、二人の猟兵を消し炭に変えんと飛び回る。
「⋯とっとと来いよ⋯クソ猟兵。てめぇら全員ぶっ殺して⋯幕府の連中と⋯信長の野郎もぶっ殺して⋯⋯」
「それで? おめぇはその後どうするんだ?」
ラザロ・マリーノの言葉に、富子はハッとする。
全部殺して⋯アタシは⋯私は⋯?
「ほら、よそ見なんてしてる余裕があるんですか?」
富子の放った火矢に対し、眼鏡を外した双葉のUC『美華呪』の虹色の薔薇が包み込む。
すべてを包み込む事こそ難しいが、それでも生命力を奪うその薔薇は、火矢の生命力を啜り成長し、ほかの味方を守る盾となる。
「ああ⋯くそったれが!!」
即座にその爪を輝かせ、満月双葉へと迫る富子の腕を、ラザロのタワーシールドが阻んだ。
かなりの重量を誇るそれを軽々と操り、富子の連撃をいなしていくラザロ。
だが、それでも限界はある。
ラザロのタワーシールドをすり抜けた一撃が、腰にぶら下げた革袋を掠ったのだ。
その瞬間、腰袋に仕込ませていた金貨が彼の足元へとばら撒かれる。
ジャラジャラと金貨がばら撒かれるその音に、富子に一瞬の隙が出来た。
「グルゥァァァァァァァァアアアアアッ
!!!!!!!!」
ドラゴンオーラの力がこもるラザロの咆哮が、無防備な富子の眼前で放たれる!!
それを喰らって吹き飛ばされた富子に、双葉の追撃が迫った!!
「そのまま焼けてしまえッ!!」
火矢の生命力を啜って強力に育った虹の薔薇を、一斉に富子の元へと放つ!!
燃え盛る爆炎が富子を包み込み、派手な炎が薄暗い室内を照らし出した!
燃え盛る炎の中、ラザロはしゃがみ込みながら双葉に聞く。
「やったか?」
それを聞いた双葉の顔が、みるみるうちにしかめ面になっていき、そして言い放つ。
「ああ、もう。なんでみんなそうなんでしょうね?」
きょとんとしたラザロは、しゃがみこんだまま何かを集めていた。
「多分やってないですよ。逃げられただけです⋯何やってんですか?」
ラザロは、ガハハハと笑いながら言った。
「いやぁ、金貨一袋で奴の隙が買えるんなら安いもんとは思ったんだが、流石にこの量は捨てるに惜しくてなぁ⋯」
確かに、全て本物の金貨であれば、UDC換算で100万は下らないだろう。
「少尉さんも言っていたでしょう?」
そう言った瞬間、炎で焼かれ崩れた天井がラザロの後頭部を直撃した!!
「うきゅ!?」
流石に死ぬようなダメージではないが、痛そうに頭を抱えてうずくまるラザロ。
「お金なんかより、命の方が大切だって⋯⋯もう遅いですか⋯」
燃え盛る炎に照らされて、巻き散らされた金貨だけが怪しげな輝きを放っていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
大神・零児
俺の知るUDCアースの日野富子とは随分違うな
UC全開・第六感・野生の勘併用
敵意や相手の攻撃しようとする意識は、相手の持つ武器や飛ばしてくる物、言葉などにも載る
UC範囲内の敵意は即座に感知、それらの「向き・速度」を捉え対処
(戦闘知識・範囲攻撃・衝撃波・オーラ防御・武器受け・フェイント・見切り)
爪が輝くならその輝きを無くす
マルチグレネードに暗い色の塗料も入れておき、敵に向かって投擲
敵が爪で切り裂くか、調整済みの信管等で爆発すれば塗料も撒き散らされ、爪に付着すれば輝かなくなるだろうし、爪そのものを破壊してもいいな
(メカニック・範囲攻撃・戦闘知識・咄嗟の一撃・部位破壊・2回攻撃)
(アドリブ、共闘歓迎)
咄嗟に撤退した富子だったが、
全身に受けたダメージは非常に大きく、戦いを続けるには回復を待たねばなるまい。
「そうはいかねぇぞ、オブリビオン」
そう言って現れた、新たな猟兵。
大神・零児。
またか⋯いったい何匹の賊の侵入を許したのか⋯
「俺の知るUDCアースの日野富子とは随分違うな」
目の前の富子の姿を見て言い放つ零児。
UDCと言われても、富子には何のことだかはさっぱりわからなかったが、少なくとも目の前のこの二足歩行の畜生を殺さねば、今度こそ自分は死ぬのだということは分かる。
「行く⋯ッ!?」
零児が、UCを起動しようとしたその瞬間だった。
「ナメんじゃねぇよ! 犬っころがッ!!」
本当に一瞬だった。
突き出された右腕が零児の右腹部を貫き、即座に放たれた左腕の一撃が、腕に突き刺さる。
とっさに投げたマルチグレネードが炸裂し、黒い塗料がまき散らされる。
それを防ごうと顔を覆った富子を突き飛ばし、零児は全速力で撤退する!
「くそったれが、私の服が⋯クソ!! クソ!!!」
腹部と腕から、止めどなく血が流れ出る。
「くそ⋯しくじった⋯」
痛む体に鞭を打ち、零児は来た道を引き返す。
富子の一撃は、想像以上の鋭さだった。
失敗
🔴🔴🔴
ヴィサラ・ヴァイン
火矢の霊…せっかく自分で建てたのに、自分で燃やすとかもったいないような…
また金で立て直せばいいとか言い始めそうだけど
「じゃあ、お言葉に甘えてこの金の屏風を盾にしますね」
[第六感]で攻撃の方向を感知して、御所内の物品を盾にして火矢を凌ぐよ
先制攻撃を凌いだら【ゴルゴンの試練】で魔石の壁で迷路を作り出して[目立たない]ように潜伏
霊が合理的に私を追跡しようと思ったら、壁をすり抜けて最短距離を詰めて来るかな
そんな横着、許さないけどね
『壁を無視する』存在を石化させる条件を付けるよ
[恐怖を与える]事で《魔眼『コラリオ』》の石化能力も強化
迷路の構造を知ってる優位性を活かして忍び寄り魔眼で[暗殺]するよ
敵の先制攻撃に対し、ヴィサラ・ヴァインには思うところがあった。
「火矢の霊…せっかく自分で建てたのに、自分で燃やすとかもったいないような…」
まぁ、また建て直せばいいと言えばそれまでなのかもしれないが、内部の調度品含め、全て集め直せばかなりの額になろうことは想像に難くない。
「お前らをぶっ殺して、すぐに作り直せばいいだろうが! クソガキがッ!!」
テンプレのような返答である。
目の前の富子のボロボロの姿を見ていると、恐らくはそう長くはないだろうことが想定できる。
あと一押しのはずだ。
「じゃあ、お言葉に甘えてこの金の屏風を盾にしますね?」
ささっと金の屏風に隠れて見せれば、少しは隙の一つもできるのではないか
「燃え尽きろッ!!」
そのふざけた行動に苛立ちを覚えた富子が召喚する火矢の群れが、屛風ごとヴィサラを焼かんと突っ込んでくる!!
「そうは言っても、やっぱり戸惑いはあるんですねぇ⋯」
だが、死にかけても守銭奴の精神は変わらずと言った所か。
屏風に当たろうとした瞬間軌道を変える火矢に対し、ヴィサラは微笑む。
「それじゃあ⋯」
突如火矢の前に、壁が出現する!!
行く手を阻むその壁を、まだるっこしいと突き抜けようとした火矢の一本が、たちどころに石となってボトリと落ちた。
「そんな横着、許さないですよ? しっかり迷路をクリアしてきてくださいね。まぁ、神々のものよりは易しいですよ」
戦場全体を覆った迷路。
だが、作った本人にとってはただの庭。
ヴィサラを探し右往左往するであろう火矢たちに対し、
こちらは先程富子が居た位置への最短ルートを歩んでいくのみである。
「さぁ⋯恐怖してください⋯石に変えてあげますから⋯⋯」
だが、迷路である以上、構造を熟知していても、富子が動けばこちらも場所が分からない。
第六感である程度の位置は察することもできるのだが⋯
「随分動き回っていますね⋯」
時間を与えれば回復され、あるいは火矢たちと合流されかねず、
下手を討てば自分が火矢に見つかり襲われる可能性もある。
この閉所でそうなれば、おそらく一巻の終わりだろう。
それならば、こちらは大方の場所が分かっている。
ヴィサラは先制し、ただ富子を“視れば”いい。
であるならば、だ。
富子が居るであろう方向を睨みつける。
「ッ⋯!!」
『ハンテッドレイライン』を解除し、ただまっすぐ富子を睨みつける!!
「ぐぅ!?」
一瞬で石化する富子の右腕。
だが、邪魔する者の居なくなった火矢は、一斉にヴィサラに襲い掛かる!!
全ての火矢を石化させ、周囲を窺って見れば富子の姿はすでになく⋯
「逃がしましたか⋯」
火矢との戦いで少なからずダメージを受けていたヴィサラは、これ以上の追跡を危険と判断し、その場を後にした。
成功
🔵🔵🔴
大神・零児
リベンジ
転移後すぐにありったけのスモーク仕様マルチグレードを起爆
塗料の霧を発生させ目眩ましかつ爪の輝きを奪う
(メカニック・範囲攻撃・戦闘知識・咄嗟の一撃・目潰し・見切り)
起爆後すぐに射程圏外へ
(逃げ足・ダッシュ・早業・第六感・野生の勘・見切り)
そしたら真の姿第三段階
血色のオーラを纏い血を滴らせる妖刀「魂喰」と黒光りする黒剣「黒鞘」を浮遊させ意のままに操る血色の瞳の白銀の狼の姿に
姿解放後UC発動
第六感で敵の動きを見切りダッシュで距離を詰め戦闘知識・咄嗟の一撃・部位破壊・2回攻撃・衝撃波・オーラ防御・武器受け・フェイント・見切り・念動力で攻撃
姿解放後のセリフはカタカナと漢字
二重三重と声が重なる
ありったけの塗料を霧散させるマルチグレネード。
その爆発と共に、人狼の復讐は始まった。
「くそッ、いきなり⋯げぇっ!?」
塗料の混じったその煙は、一帯を黒く染め上げ、更に富子の目と喉を潰す。
「またてめぇかよ! このクソ犬が!!」
一瞬視界に写った零児を認識し、悪態をつく富子。
先程痛めつけてやったばかりだというのに、また出てきたというのか。
だが、先程とは違う、零児の姿がそこにはあった。
鮮血の様な赤いオーラを身にまとい、白く輝く体毛に身を包んだ白狼がそこにいたのである。
血に濡れた妖刀「魂喰」と、その鞘であり、それその物が黒く輝く剣である「黒鞘」
その二つを携えて、男は現れた。
「クソがッ!!」
塗料に濡れた爪は、その輝きを鈍らせていた。
そして、先程の戦いで右腕を動けなくさせられた状態での富子の攻撃。
『遅イ!!』
もはや零児にとっては児戯にも等しい攻撃を、彼は真正面から受けて立つ。
大地を蹴り一瞬で距離を詰めた彼は石化した右腕を黒鞘で叩き砕き、本体を魂喰で切りつける!!
もはや、一方的な狩りにすらそれは思えた。
だが、富子とてまだ完全に爪の輝きを失ったわけではない。
「ぐぁあ!!」
残った左手で零児の攻撃を捌き、なおも迫る零児の頬を切り裂いて見せる。
一瞬の痛みに飛び下がった零児の前から、すでに富子は姿を消していた。
「⋯逃がしたか⋯⋯」
黒毛の人狼。
いつもの姿へと戻った彼はつぶやく。
すでに富子は瀕死だろう。
もう、どこに逃げたのかは見当がついている。
そして、そこにはすでに仲間が向かっていた。
大成功
🔵🔵🔵
クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎
「そのお金、私の故郷だと無価値なんですよね……」
「紙切れもしくは鉱物資源になればまだマシでしょうか」
【POW】
●反撃対策
「『視線』がトリガーなら、コイツで視界を封じる」
ライオットシールド型パイルバンカーで【武器受け】(身を隠し)&身体に光学【迷彩】。
同時に自身の機械化した持ち手:左腕を【ハッキング】&【武器改造】し、痛覚カット。
蒸気マシンガンを連射しながら特攻します。
●戦闘
「元は建設現場用のデプリ削岩機、爆発程度で壊れませんよ」
パイルバンカーを突き立て【スナイパー】&【零距離射撃】を叩き込みます。
「因果応報。爆発を喰らってもらいましょう」
パイル:杭内の液体火薬を起爆します。
● 花の御所 宝物庫
焼かれた足の感覚がない。
腹部は貫かれ、右腕は砕かれた。
あぁ⋯きっと私はこのまま死ぬのだろう。
また、あそこに帰らねばならぬのだろう。
暗い⋯暗くて何もない、あの場所に⋯⋯
「嫌だ⋯嫌だ⋯嫌だ嫌だ嫌だッ!!」
こんなにも金を集めたのに⋯こんなにも私は偉いのに。
こんなにも必死で⋯こんなにも⋯⋯
「そのお金、私の故郷だと無価値なんですよね……」
そう言って静かに富子を見ていたのは、クネウス・ウェギンシティだった。
「紙切れもしくは鉱物資源になればまだマシでしょうか?」
彼の故郷では、すでに貨幣などは役には立たない。
金などはまぁ、電子機器の部品などにはなるであろうが、それでも、流通量を考えれば大した価値のあるものではなかった。
「だったら⋯どうしたっていうんだよ⋯?」
この男は⋯私の生前の努力を笑うのか?
必死になってかき集めた私の生きた意味を笑うというのか!!
「まぁ、努力すること自体は笑いませんがね」
その憎悪のこもった視線を。その紫炎の爆発を、痛覚を切った腕と盾で防ぎながら一気に距離を詰める。
「元は建設現場用のデプリ削岩機、爆発程度で壊れませんよ。さて、因果応報⋯と言いたいところなんですが⋯⋯」
富子に肉薄したクネウスの左腕のパイルバンカーが、派手な炸裂音と共にその肉体を刺し貫いた。
ぐったりとクネウスにもたれかかる富子の腕に、クネウスは静かに3文餞を握らせる。
「まぁ、本当にこれが必要になるとは思いませんが、あなたが死ぬ前に持っているべきだったのは、大金ではなくこれです⋯⋯これだけで、十分だったんですよ」
ため込む必要などなかった。
どんなものであれ、形あるものは最後には価値を失うのだ。
「そう言えば、生まれてすぐになくなったお子様が居たとか。彼も⋯きっとあなたを待っているのではないですか?」
あぁ⋯あぁそうだ。
あの子が待っている。
あの子は、あの子を愛してあげられるのは⋯⋯
「ゆっくりとお休みください。お母さん」
あの子を愛してあげられるのは、お金でも何でもない。
私しかいないのだ。
あの子が待っている。
あぁ⋯今度こそ帰ろう。
⋯あの子の元へと。
大成功
🔵🔵🔵