エンパイアウォー㉔~剣刃大激突~
●天下無双の始まり
「まぁ城攻めと言ったらだよ諸君。手段は色々あると思うのだが……」
異界の天使スフィーエ・シエルフィートは集まってきた猟兵達に向けて悠然と語り始める。
手帳を開き、淡い金色を輝かせながらとある城の光景を映し出し、待ち受ける敵の姿を更に映し出しながら彼女は語る。
「今回は真正面から……殺陣の一つでも演じてみるがいいさ。こんな風にね」
冗談めかして腰に提げた刀を鞘に納めたまま、軽く振り回し改めて猟兵達を見回して彼女はいつものように語る。
「さぁ語ろうか。舞台はサムライエンパイア、戦争真っ盛り夏の陣だ。君達には上杉軍の本城を叩き潰して貰いたい」
猟兵達の活躍により、信州上田城の上杉軍を早期に退けた今、上杉軍は越後から関ヶ原に向けて移動している。
これにより上杉軍の本拠地、春日山城は手薄となり叩き潰す為の好機が出来たという。
「知っての通り謙信公は六魔将の一人だ。その本拠地ともなれば、制圧すれば得難い情報とかが手に入るだろう……確約は出来ないが、可能性は十分にある」
いづれにしろ、敵の本拠地を一つ潰すことは戦争という状況下においても利点が大きいので奮って戦って欲しいと語る。
「状況としては、私は君達を城門に転送する。そこから突入して貰う訳だが、防衛戦力が迎撃に当たってくるだろう」
それこそが先程秘宝(グリモア)で映し出した敵の姿――鉄仮面を被り血塗られた刀を振るう侍のような姿をした敵だ。
それこそは魔神兵鬼『シュラ』と呼ばれる、謎の悪の組織が遺した呪術による自動人型兵器なのだという。
見た目は人間と変わりはないが、中身は術具と絡繰りによる機械仕掛けで出来ているのだそうだ。
「見ての通り、この刀による攻撃を得意としている。斬撃も突きも強力だが、君達ならそう苦戦はしないだろう」
戦場も比較的開けた場所で伏兵なども無いので、ほぼ真っ向勝負になるが、一体一体の実力は猟兵に遠く及ばないのだと語る。
「まぁ私からはこれぐらいかな。よっぽど油断と不運が無ければ大して手古摺る相手じゃない。折角だから、新技なり新装備の実験なりするつもりで殴り込んでみるといいだろう」
一頻りの説明を終え、ゆっくりと語りを再開しつつスフィーエは転送の為の結界を作り上げていく。
如何な装備も新技も、実戦を経て試す以上のことはないだろうしある意味今回の相手はうってつけだとも語り。
「色々と得られる物は多分大きい筈さ。……では行ってくれ。健闘を祈るよ」
裏山薬草
●注意!!
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
またこのシナリオに成功する事で、春日山城の攻略度が5%づつ進みます。攻略度が100%になると、春日山城を制圧する事が出来ます。
どうも、裏山薬草です。
戦争は順調なようですが、今回も張り切っていきましょう。
今回はですね、上杉軍の本拠地である春日山城の攻略を行ってもらいます。
と言っても、単純に集団戦を行うだけですので難しいことはありません。
ですので、どうやって敵を倒すか考えるよりは、どうやって無双していきたいかをプレイングに書いて頂けた方が、リプレイに起こし易いと思います。
状況としては、城門に突入し待ち受ける魔神兵鬼との真正面からのぶつかり合いになります。
特に敵からは小細工なしですので、皆様も全力でぶつかると良いでしょう。
勿論、皆様の方が小細工で敵を引っ掛けるのも十分アリです。
それでは皆様の無双プレイングを楽しみにしております。
裏山薬草でした。
第1章 集団戦
『魔神兵鬼『シュラ』』
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POW : 剣刃一閃・奪命
【近接斬撃武器】が命中した対象を切断する。
SPD : 剣刃一矢・報復
敵を【近接斬撃武器による突き】で攻撃する。その強さは、自分や仲間が取得した🔴の総数に比例する。
WIZ : 剣刃一弾・止水
対象のユーベルコードに対し【近接斬撃武器による弾き】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:森乃ゴリラ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ジンガ・ジンガ
別にキョードアイとかねェけどさァ
一応、このセカイって俺様ちゃんの生まれ故郷なのよネ
俺様ちゃんっつークズ野郎のロクでもねー人生の出発点だけど
わりとシアワセな思い出もあるワケ
まァ、気に入らないわよねぇ~?
【ダッシュ】で肉薄し【先制攻撃】
【フェイント】かけて【武器落とし】からの
敵の獲物を【盗み攻撃】して明後日の方向に【投擲】ポーイ
敵の攻撃は【見切り】弾いて相殺
返礼の【2回攻撃】
死角から来ようが
染み付いた感覚が
実地で培ってきた【戦闘知識】が
【咄嗟の一撃】を叩き込む
ねぇ、おっとう
じんがには、すっかり相応しくねぇ意味になっちまった名だけどさ
今だけは、ちゃんと名乗っても許されるかな
――神賀 仁牙、推して参る
●いつくしみ
開かれた城門から現れたのは、黒の影に一つ浮かぶ赤き灯。
白の兜を持ち歯車仕掛けで動く奇怪人形の群――単眼の輝きと同時に、その懐に潜り込む影がまず一つ、短刀でその腕を突き刺し。
「別にキョードアイとかねェけどさァ」
ジンガ・ジンガ(神賀仁牙・f06126)は誰に聞かせるわけでもなく、機械と呪詛で動く人型の目へと短刀を突き刺す――と見せかけ。
注意を向けたその隙に、携える刀を奪い取り明後日の方向へ――尤も、投げ捨てられた刀は、別の人形の頭を落したが。
「一応、このセカイって俺様ちゃんの生まれ故郷なのよネ。俺様ちゃんっつークズ野郎のロクでもねー人生の出発点だけど、わりとシアワセな思い出もあるワケ」
続いてジンガを目掛け高速で駆けて刺突を繰り出す人形のそれを、短刀を交差させつつ下からかち上げて弾き。
続け様に顎を盛大に蹴り上げてから、手首に短刀を走らせ得物を落させつつ。
「まァ、気に入らないわよねぇ~?」
背後から忍び寄る人形が、その刀をジンガに突き立てんとしても。
咄嗟にしゃがみ躱すと同時、相対していた人形に刀を突き立てさせる形に持っていきつつ。
硬直する背後からの人形に、そのまま銃を押し当て――至近距離にて無類の威力を発揮する散弾がその腹部を跡形もなく消し去った。
この程度の不意打ち、染み付いた戦の感覚の前で不意にも成らず。
ゆっくりと立ち上がると同時、ジンガは遠く空を見上げる――視界の端で人形への警戒は怠っていないが。
「……ねぇ、おっとう」
――じんがには、すっかり相応しくねぇ意味になっちまった名だけどさ。今だけは、ちゃんと名乗っても許されるかな……どうせあいつらわかんねーだろうし。
いいよな。
「――神賀 仁牙、推して参る」
疾る短刀の刃は物言わぬ兵器の喉笛を貫き、歯車を打ち壊し。
神に賀(いわ)われし、仁(やさし)き牙が、呪詛に突き動かされた人型に引導を渡す――
大成功
🔵🔵🔵
シーザー・ゴールドマン
【POW】
ふむ、城攻めか。久しぶりだね。
『ダマーヴァンドの終末』を発動。
天を覆う巨竜を顕現させる。
その体から湧き出る悪魔の軍勢による春日山城への襲撃。
(様々な属性による魔法攻撃や剣や槍、斧による物理攻撃)
巨竜自身は攻撃せず。
「情報を得る事を考えれば消滅させるのは拙いからね」
シーザー自身はしばらく観戦した後、運動をしに最前線へ。
オド(オーラ防御)を活性化。
オーラセイバーを千変万化の剣術で振るう。
(先制攻撃×怪力×鎧砕き)(フェイント×2回攻撃×鎧無視攻撃)
(先制攻撃×衝撃波×なぎ払い×範囲攻撃)などなど
敵の攻撃は直感で見切って回避からのカウンター
(第六感×見切り×カウンター)
●終末齎す黙示録
「ふむ、城攻めか。久しぶりだね」
シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)は激戦に乱れる城門の戦場に於いても、一切の感情を揺るがせることなく悠然と鼻息を通した。
数多の亡霊と猟兵が混戦を極め、軍神の居城を制さんとしているならば、その一手を加えてくれよう。
「蹂躙せよ」
指を一つ鳴らし、戦場を影が覆う――突然の夜の到来か。
否、それはシーザーが呼びし巨大なる竜――突如として現れた竜が、軍神の居城を蹂躙する前にと亡霊が躍起になる。
しかしその亡霊達の放つ攻撃が竜に届くことはない――何故ならば。
竜の体より出でたる無数の悪魔の群れが、戦場の亡霊達に殺到していたから……そう、その竜は亡霊の敵、猟兵の味方。
槍を持つ悪魔達が、その長い柄を以て機械人形の群れを押さえつけつつ、剣を持った悪魔が抑え込まれた人形の動力炉を斬り伏せて。
その一方で爆炎や雷を放つ悪魔が、居城自体を責め続けては、それを援助するように斧を振るう悪魔が石垣を打ち砕く。
だが完全なる破壊まではいかない――そう、より多くを、防衛の為にやってくる機械人形を誘き寄せて斬り伏せる為に。
「情報を得る事を考えれば消滅させるのは拙いからね」
何より城内に入り込むかもしれない猟兵まで巻き添えにしては危険だろう……飛んで火にいるではないが、防衛の為に城へ舞い戻る人形を、それこそ悪魔の術が砕き、斧が首を刎ねる光景を繰り広げつつ。
「さて、と……良い頃合だ。少し運動でもするとしよう」
何のことはない様子で光剣をその手に携えて、その身に奔流を纏い。
防衛の軍勢を乱される人形達目掛けて斬り込む――人形から命を奪い去る勢いで放たれた必殺の居合を軽々と上方へ跳躍して躱し。
その勢いで空中で前方へ回転しつつ、その勢いを載せた兜割で人形の頭部を打ち砕き。
剣を引き抜く勢いで横から迫る人形の、その刀ごと切り落とし――暴君の如き侵略が続いていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
月凪・ハルマ
―よし。それじゃ城取り、始めようか
◆SPD
どうも向こうは接近戦しかできない様子
なら、わざわざこちらから近づく必要も無いな
という事で、基本的に敵とは距離を取りつつ戦う
まずは遠距離から【魔導機狙撃術】で狙撃して
減らせるだけ敵の数を減らしておく(【暗殺】+【2回攻撃】)
そういやこのUC使うの、滅茶苦茶久しぶりだな
【武器改造】【属性攻撃】で手裏剣に爆破属性を付与した後、
それを近づいてくるであろう敵集団に向けて【投擲】
更に【忍び足】で敵集団内へ移動して破砕錨・天墜のエンジン起動
そのままぶん回して更に追撃(【範囲攻撃】)。そして離脱
後は【忍び足】で気配を消しながら、魔導蒸気式旋棍で
個別に撃破していく流れ
●その綺麗でもない顔を
開かれた重い城門に待ち受ける数多の軍勢……輝く単眼と、血塗られた刀。
背後に控える敵の居城……月凪・ハルマ(天津甕星・f05346)は帽子の位置を軽く直し呟く。
「――よし。それじゃ城取り、始めようか」
まずはこの敵軍を倒すことだが、どうやら敵は刀の一撃こそ強力だが接近戦しかできないようだ。
だったら態々こちらが近づいて行ってやる道理はない、旋棍を一つ取り出し遠距離から仕留めると決意する。
「――ガジェット変形、スナイプモード」
変形機構が発動し、旋棍の一つが音を立てて変わる――変わった姿は狙撃銃。
長い銃身を持ち弾速の限りなく速く強力なそれの照準器を通し、白い兜を見据える。
(そういやこの技使うの滅茶苦茶久しぶりだな……)
いつ使っただろうか。
まぁどうでもいい――引き金を一つ引けば、白い兜が砕け散りその下の胴体が機能を失って崩れ落ちる。
そうして隣に立っていた別の人形が動き出す前に、また新たに照準を其処に向けては引き金を引き、その脳天を西瓜の如く吹き飛ばす。
ここで流石にハルマの狙撃に気付いたのか、人形達は駆動音を立てながら彼の下へ殺到していく。
それを次々に脳天へ狙撃を決めて数を減らしながら、とある地点に来た時点で狙撃銃を元に戻し。
「流石にもう間に合わないか……という訳で次はこれだ」
良く減らした方だ――銃の狙撃よりもこの距離で効果を発揮するは直接ばら撒くこと。
爆破の力を宿した手裏剣を次々と投げつけ、爆ぜる炎が人形達の統率を乱し。
その隙に忍び寄るように人形達の群れへと飛び込むと――破砕の錨を豪快に振り回し、人形の体を砕くと同時、数多の人形を巻き込み最前列の一隊を叩き潰す。
反撃の刺突が当然迫るも、ハルマはそれを軽々と下がり躱し、混迷を極める人形の部隊へとまた迫り。
旋棍が蒸気を噴き上げ、その遠心力と重量を載せた横殴りが、人形の刀を圧し折りその先の首を圧し折っていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
山北・樅
軍神、こっちにはいないのか。
必要な仕事だし仕方ない、今はこいつらを殺そう。
敵集団に突っ込んで撹乱しながら、一匹ずつ確実に殺す。
最初に【刺天】で貫いた奴を遮蔽にして次の奴へ接近、また刺して遮蔽に。
敵が順応してくるなら一旦駆け抜けて、集団から離れた奴を狙う。
他に接近戦をやる味方と連携して、奴らに反撃させないように殺し続けたいな。
私は軍神を殺してみたいんだ。
形だけ人間の紛い物なんかに、負けてられない。
「…私も同じ、か」
アドリブ歓迎
●血の雨の代わりに
山北・樅(自由隠密・f20414)は聳える軍神の城を見上げ、その中に軍神と呼ばれる上杉謙信公がいないことに気を落した。
「軍神、こっちにはいないのか……」
主が出兵している以上、ここにはいないのは仕方のないことだ。
残念そうに息を一つ漏らすも、乱戦の渦中を見て思い直す。
「必要な仕事だし仕方ない、今はこいつらを殺そう」
曲がりなりにも敵将の城を落すことに意味がない訳ではない……任務には忠実に。
深緑の眼が、赤黒い単眼を睨みつける――そのまま黒き残影を描きながら敵の集団へ突っ込む。
踊り込んできた侵入者に、人形達は機械的に血塗られた刀を振るい仕留めんとするが、その斬撃を紙一重で次々と潜り抜け、乱れぬ陣をそこはかとなく乱し。
「夜露一閃」
背後を取った人形を貫き、そのままそれを盾とし人形の振るう刀へ押し込むように進軍を進めていき。
やがては人形がこと切れ、樅を狙うことに順応を始めたと思えば、彼女は頃合を見計らい人形の隊より離脱し。
遊撃として動くのだろうか、大部隊から逸れたようにも見える人形の少数へと音もなく忍び寄り、その首を掻き切る。
時折、近接を以てぶつかる猟兵があらば、それが不意打ちを受けぬよう音もなく忍び寄る個体を潰しつつ。
「私は軍神を殺してみたいんだ。形だけ人間の紛い物なんかに、負けてられない」
血の雨の変わりに、機械人形特有の機構部品を散らさせて、逆手に構えし妖刀を構え人形達に闘志を向けて。
ふとここで樅はとあることに気付いたように身体を僅かに震わせた。
「……私も同じ、か」
自嘲気味に肩を竦め、被りを掴み目深に降ろすと微かに唇を震わせ。
掴んだ被りより手を離し、深緑の眼に何処までも殺意の冷たい輝きを物言わぬ人形に向けて。
再び群れから僅かに逸れた個体に斬り込んでいく――短刀より呪われた雫を、涙のように滴らせ。
……その彼女が、軍神に引導を渡すのは、また別のお話……
大成功
🔵🔵🔵
真宮・響
ふむ、城攻めか・・・いつになく心躍るねえ。しかも天下の猛将、上杉謙信の本城と来た。主がいない間攻めるのは少々物騒だが、国全体の危機、こんな策も許されるさ。まず城門を破るんだね。任せときな。
真紅の竜を発動して【騎乗】して、【ダッシュ】で敵の群れに飛び込む。竜で敵を吹き飛ばしたり轢いたりしながら、【先制攻撃】【二回攻撃】【串刺し】で攻撃する。近接攻撃には【カウンター】【武器受け】で対応して、遠距離の敵には【槍投げ】で攻撃。さあ、どいたどいた!!門は貰ったよ!!
真宮・奏
彼の越後の竜、上杉謙信の居城を攻める!!怖いようですごくドキドキします!!言葉が少し悪いかもですが、ワクワクしてます!!全力で行きます!!
敵はストレートに強い剣豪のようですので、トリニティ・エンハンスで防御力を高めた上で【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】で防御態勢で敵の攻撃の被害を減らしつつ、群れに飛び込んで、【属性攻撃】【二回攻撃】【範囲攻撃】【衝撃波】で攻撃します。敵の群れに押し切られそうなら【シールドバッシュ】で吹き飛ばします。
神城・瞬
まあ、城主が戦に出てれば、居城はがら空きになりますよね。主がいない城を攻めるのは卑怯かもですが、国の滅亡が掛かっている大戦、手段は選んでられませんよね。まずは城門を破るのですね。お任せを。
敵は時間を掛ける程に強力になるタイプのようですね。手数で押し切りましょう。月読の同胞と共に戦います。同胞の攻撃に【援護射撃】しながら【高速詠唱】【全力魔法】【二回攻撃】【範囲攻撃】で【誘導弾】を撃ちます。【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】【武器落とし】も乗せますね。
●侍帝国大無双
戦もいよいよ佳境、城を守る配下の一大勢力の半数以上が片付いた……となれば、残りの敵も一気呵成に片付けるのみ。
新たに転移結界を潜りやってきた三人は、機械人形の守る城を眺めていた。
「ふむ、城攻めか……」
真宮・響(赫灼の炎・f00434)は聳える城を見上げ、唇を吊り上げた。
「いつになく心躍るねえ。しかも天下の猛将、上杉謙信の本城と来た」
「彼の越後の竜、上杉謙信の居城を攻める!! 怖いようですごくドキドキします!! 言葉が少し悪いかもですが、ワクワクしてます!!」
その横で彼女の娘である真宮・奏(絢爛の星・f03210)は、その居城の主を思い浮かべ興奮を露わにする。
軍神・上杉謙信公といえば確かに名高き猛将、その当人は別の戦場で猛威を振るってはいるが主が主なら城を守る者も相応の戦力であることに興奮を隠せない。
「まあ、城主が戦に出てれば、居城はがら空きになりますよね」
母と妹の言葉に神城・瞬(清光の月・f06558)は冷静に現在の状況を把握した言葉を語る。
「主がいない城を攻めるのは卑怯かもですが、国の滅亡が掛かっている大戦、手段は選んでられませんよね」
「ああ。主がいない間攻めるのは少々物騒だが、国全体の危機、こんな策も許されるさ」
言葉通り卑怯と言えなくもないだろうが、そもそも守りの戦力を確りと置いているのだ。それを攻め落とした所で、卑怯と罵られる道理は増々無い。
故に響は赤熱を始まる大槍の石突で強かに地を叩くと、娘と息子に声を掛けた。
「まず城門を破るんだね。アンタ達、準備はいいかい?」
「もちろん!! 全力で行きます!!」
「お任せを」
いづれも頼もしい子供達――家族三人、強敵の主無きに落せぬ城無き。
頼もしき子供達の先陣を切り開くが如く、赤熱のより熱く揺らめく槍を掲げて、響きは真紅の巨竜を呼びつけた。
「さて、一緒に行くよ!! 気張りな!!」
竜に乗るや否や、その尾を叩き付けるように発破を掛ければ赤き竜が唸りを挙げて魔神兵鬼達へ駆けていく。
赤竜の放つ炎の息吹が、一列に並ぶ人形達の進軍を制するように吹き付けられれば、僅かな硬直の間に迫った竜がその剛腕を以て纏めて人形達を吹き飛ばし。
舞い上がる人形を、数体纏めて赤熱する槍を以て串刺しにすれば、団子の如く連なったそれを振り払うように地面に叩き付けた。
「私も行きますよ!!」
初撃の圧倒的な竜と騎士の進軍と蹂躙に人形達は臆さない――そうした感情に乏しきも人形が故の利点か。
数多の同胞の体そのものを盾に暴力の巨体に忍び寄り斬り捨てんとしたが――それは敵わない。
何故ならば、竜の脚を斬り伏せんと振るわれた刀を纏めて受け止めていた奏の盾がそこにあったからだった――!
纏う炎と水、そして風の圧倒的な魔力の加護は、数多の命を奪ってきた人形の斬撃を物ともせず受け止めて。
逆に力を以て押し込もうとしてきた人形の突撃を、盾を前方へ構えたまま逆に押し込み返すことで圧し潰す。
「月読の同胞、力を借ります!!」
戦いは優勢、一気呵成にこの母と妹とならば進んでいけるだろうが油断はならない。
敵は追い込まれれば追い込まれるほど、そして技を見れば見る程に強くなる……それで尚、猟兵の敵ではないだろうが油断しないに越したことはない。
手早く押し切らんと呼び出したのは、数多の同胞……月読の紋を体に刻み付けた、かつての同胞の霊であった。
母の操る竜に、そして妹の纏う三色の魔力に――呪力を載せた刀を以て弾き飛ばさんと一斉に刀を振り上げる人形達に、同胞の放つ弓矢が飛来し突き刺さる。
矢で穿たれることにより硬直した人形に別の英霊がその刀を突き刺せば、瞬自身の放つ魔力に依る誘導弾が次々と人形を貫き機能を停止させていく。
その瞬の英霊を見切り、別の人形達がそれを呪力を載せた刀で再び斬り伏せんとすれば、割り込んだ奏の水纏う盾がそれを受け止めて。
そのまま受け止めた勢いで盾を突き出し、強引に人形達の体を吹き飛ばせば、響の騎乗する竜がその牙で人形の体を真っ二つに噛み砕き、逃れた人形も振るう剛槍が脳天を穿ち、その頭部を跡形もなく散らす。
大規模を薙ぎ払い蹂躙する母。
後方より幾多の同胞と共に援護射撃をする兄。
そしてその二人を巧みに守り抜く妹……三者三様の家族の圧倒的な人の和の前に、人形達はその機能を発揮することは敵わなかった。
侵入者を押し返さんと真正面から殺到する人形達の往く手を、瞬の同胞から放たれる弓矢の雨あられが牽制を行い、刀を持った戦士の霊が一体に対し複数の数で縛り付け。
杖から放たれる光弾が捕縛を逃れた個体の手首を正確に狙い、得物を落させていき。
動きと武器を封じられた人形達を、響の竜がその強靭な爪と尾、そして炎の息吹を以て砕き散らしていけば、別の個体が果敢に飛び上がり響を切り付けんとするが、逆に突き出された槍がその腹部を貫き。
蹂躙の先に待ち構えていた敵軍には、防御を固めて斬り込んだ奏が敵の攻撃の悉くを受け止め、疾風の如き刃で次々と斬り伏せて。
例え反撃の刀が再び奏を斬らんとしても、纏う魔力と盾はその刃を一切合切通さずに、逆に正確に次々にその首を刎ね飛ばしていく。
「さあ、どいたどいた!! 門は貰ったよ!!」
「このまま城落としまで行きましょう!!」
「まあ余力があればですが……」
最後に残った一体を、瞬の放つ魔力弾が得物を弾き飛ばし、奏が滑り込むようにその足を疾風の如き刃で切り落とす。
ぐらつく人形の頭部を、剛速で投げられた赤熱せし槍が貫き完全に息の根を止めて。
三人家族、そして猟兵達は、春日山城を攻略せんと突き進んでいくのだった――
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵