にゃんことお花とご馳走と
「みんな、聞いて聞いて~! 倒して欲しい組織があるの!」
フィーナ・ルリス(陽だまり・f04597)が、大慌てで現れた。
「見た目がとっても可愛い組織さんで『常春の幸福』を目指している、その名を『春の魔法』!」
それからそれから、とフィーナは続ける。
「で、その『春の魔法』っていう組織のリーダーは、とっても可愛い女の子で、花を使った魔法を使うの。そして、その配下にいるのが魔法使いのにゃんこちゃん達! まずは、にゃんこちゃん達が魔法を使って、村の人達を混乱させて、そこを女の子が村を強制的にお花畑にしちゃうの! ……こう言うと、何が悪いの? って感じになるかもしれないけど、村の人達が作っていた野菜とか牧場とかが全部お花畑になっちゃって、野菜の収穫も出来なくなっちゃうし、牛さん達もご飯が食べられなくなっちゃうの! だから、とっても困るの! ……向こうは良い事をしていると思っているかもしれないけど、実際は村の人達も凄く困ってるんだ。一回、お花畑になっちゃったら、畑も牧場も一から作り直しになっちゃうから」
そして、フィーナは手をぐっと伸ばす。
「でね、その『春の魔法』の根城を見つけたの! 一面の花畑があって、そこにある大きなお家で女の子とにゃんこ達が暮らしているんだ。だから、まずは、にゃんこ達を誘い出して倒して、それから女の子を倒して組織を壊滅させて欲しいの!」
そう言ってから、フィーナは溜息をつく。
「……確かに相手は可愛いし、悪気も無いから戦いにくいかもしれないんだけど……でも、凄く困ってる村の人達が一杯いるの。だから、みんなにしか頼めないの!」
そして、フィーナは力いっぱい、最後の言葉を伝える。
「無事に倒してくれたら、村の人達がお礼にパーティーを開いてくれるんだって! だから、みんなに頑張って欲しいんだ! 宜しくお願いします!!」
白鳥美鳥
白鳥美鳥です。宜しくお願い致します。
今回は、魔法にゃんこを従えた女の子の組織の壊滅をお願い致します。
相手はとっても可愛いです。可愛いですが、やっている事は、村人の生活を奪い、下手をすると命にも関わってきますので、心を鬼にして頂ければと思います。
無事に組織を壊滅させた後は、村で感謝パーティーが開催されます。料理大会も開催されます。素敵な料理を作って、みんなで美味しく戴きましょう!
最後だけ参加も有りです。その時は、戦った方々や苦労した村人の方々も労って頂ければと思います。
リプレイのタイミングは、今回は戦いがメインの為、ある程度プレイングを戴いてからお返しする傾向が高くなるかとは思います。
ただ、今まで通り基本的にはその時々なので、何かで遅れそうな場合は自己紹介とツイッターでご連絡致します。
もしプレイングが流れてもリプレイ出ていない場合は、同じプレイングを送って下さって大丈夫です。勿論、新しくされるのも大丈夫です。更新に関しては、申し訳ないですが、細目に見て頂けると幸いです。
ご参加、お待ちしております。
第1章 集団戦
『にゃんこ魔道師』
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POW : 消失魔法~インヴィジブル~
自身と自身の装備、【幻蝶の群れが包み込む魔法攻撃を受けた】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
SPD : 混乱魔法~パニック・パウダー~
【幻覚を見せ互いを攻撃させる幻蝶の鱗粉】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 相殺魔法~キャンセル・コード~
対象のユーベルコードに対し【反属性の盾となる幻蝶の群れ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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テト・ポー
おいしいごはんがつくなら参加せざるを得ない!
どんなにかわいくても心を鬼にして……戦闘のどさくさに紛れてちょっともふもふ……いや、集中集中。
戦いが始まったら、基本的には他の人の盾役に徹する。
にゃんこ魔道師の「消失魔法~インヴィジブル~(POW)」に、ユーベルコード「フードファイト・ワイルドモード」を使って他の人の身代わりとして耐えて、攻撃する隙を作れたらいいな。
お肉については装備アイテム「食料カバン」から携帯用の干し肉を食べる。コンコン産だから、品質はよくも悪くもないはず。塩辛いけど。
ひとつでも行動を封じてしまえば隙もできるだろ?
僕がぐったりするのは問題ないから、あとは他の人に頑張ってもらおう。
紅葉・智華
※アドリブ・連携歓迎
その行為が善意であれ悪意であれ、人々の生活に悪影響を及ぼす存在とあらば、見逃す訳にはいかないでありますよ。
さて、敵は小細工しているようでありますが、電脳魔術による【情報収集】で丸見え。そう、音や温度は丸見えでありますから。
そこに右手の『刹那』や左手の『[K's]Sirius』(鎧無視攻撃)による【選択UC】(スナイパー,2回攻撃)による手数で攻めていく。私の射撃は必中、動き回ろうとも、そこにある的と変わらない。
敵の攻撃にしても直感(第六感,見切り)や経験(戦闘知識)を活かして回避。
「――悪い子にはお仕置きであります」
カタリナ・エスペランサ
「やぁ、キミたちがウワサの魔法使いさんだね? 世界を花で一杯に、とても素敵なコトだと思うよ」
「でもね、ヒトや動物の食べるものまでお花になったら皆困っちゃうんだ。笑顔にも、幸せにもなれない――だから止めてあげる」
常通り軽薄な笑みを浮かべ、律儀に己のスタンスを明確にして。
序盤は《空中浮遊》で三次元駆動しながら《範囲攻撃》《属性攻撃》。ダガーの斬撃と双翼からの雷羽で集団を翻弄しつつ数を減らそうとします。
敵の混乱魔法が発動すれば《空中浮遊》《スライディング》を活用して後退。効果範囲外に離脱、幻覚の影響を逃れてからUC【世界の不完全証明】に攻撃手段を切り替えて敵の制圧を試みます。
※アドリブ・共闘歓迎。
イーファ・リャナンシー
可愛いにゃんこが村人相手に可愛くないことをしてるってわけね
ちょっと気が引けるけど、困ってる人がいる以上は放っておくわけにはいかないわ
何でもかんでも花畑にすればいいってわけじゃないのを分かってほしいけど、その子もオブリビオンなのよね
小さな体を活かした死角からの攻撃で視認されないよう対処するわ
隙あらば【全力魔法528】もガンガン使っていくようなつもりで
周囲で他の猟兵が戦っている場合には、仲間が敵のユーベルコードで不利益を被らないように、【フェアリー・リング】で幻蝶の群れを打ち消そうと思うわ
そうすれば仲間も安心してユーベルコードを使えるでしょうし
成功率を高めるために、しっかり敵の行動を観察しておくわ
そこは一面のお花畑だった。可愛らしい沢山の花が咲いているその場所には春を思わせる優しい色合いをした大きな家がある。そこに、可愛らしい賑やかな声が聞こえてくる。
その可愛らしい光景に、相手が可愛らしい存在と改めて思った。
だからこそ、村の人達を困らせているやっかいな相手である事が残念でならない。
「にゃんにゃんにゃあ~」
楽しそうな声で、家の中からにゃんこ達が出てくる。
このにゃんこ達がどうやら、『春の魔法』のにゃんこ魔導師達だ。
「にゃんにゃん☆」
楽しそうなにゃんこ達。
(「どんなにかわいくても心を鬼にして……戦闘のどさくさに紛れてちょっともふもふ……いや、集中集中」)
そんなにゃんこ達の様子を見て、テト・ポー(腹ペコ野郎・f21150)は、心揺れつつ、しかし心を鬼にすると改めて決意する。
そんな時、にゃんこ魔導師の一匹が猟兵達に気が付く。
「……はっ! 侵入者にゃ!」
その言葉に、他のにゃんこ魔導師達も猟兵達の方へと振り向いた。
「ここは、立ち入り禁止なのにゃ!」
「侵入者は追い出せなのにゃ!」
「出ていくのにゃ!」
きらきらと光る蝶を纏わせながら、にゃんにゃんとにゃんこ達がこちらに突撃してくる。
「やぁ、キミたちがウワサの魔法使いさんだね? 世界を花で一杯に、とても素敵なコトだと思うよ。でもね、ヒトや動物の食べるものまでお花になったら皆困っちゃうんだ。笑顔にも、幸せにもなれない――だから止めてあげる」
カタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)は、空中に浮かび上がると、ダガーと、自らの双翼を使って雷を帯びた羽根を放っていく。
「――悪い子にはお仕置きであります」
紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)は、そう言うと構える。本当は可愛らしいものが好きなので、可愛いものを相手にするのは少々気が引けるのだが、今回は致し方が無い。
智華の装備している銃火器から銃弾が、魔法にゃんこに命中した。だが、向こうも負けてはいかない。
「そうはいなかいにゃ!」
にゃんこ魔導師は幻の蝶を放って自分自身と智華の姿が消えていく。
「これで終わりではないでありますよ!!」
しかし、まだ智華の攻撃は終わっていない。第二撃が更に魔法にゃんこを襲う。それに、智華にとって相手の姿が見えなくても、自分の姿も分からなくなっても相手の音や温度は分かるから、まだまだ攻撃を繰り出せるのだ。
「僕は盾になるよ」
テトは鞄に入れていた干し肉をもぐもぐと食べる。グルメな彼が食べるのは、産地に問題は無い、まあまあの品質の干し肉。塩辛いのが欠点ではあるのだが。
干し肉をごくんと飲み込むと、その肉の力を自らの力として、テトはにゃんこ魔導師に向かって行く。
「消えちゃうのにゃ!」
当然、テトの姿は消えるが、一緒に消えたにゃんこを抑え込む事に成功した。
(「わ、もふもふ……もふもふ」)
もふもふ温かいにゃんこ……特に尻尾のふさふさ具合が気持ちいい。
「にゃにゃにゃ、くすぐったいにゃ!」
姿は消えても声は消えない。テトに捕まったにゃんこ魔導師の位置は簡単に分かる。テトに当たらない様に、声の位置と温度を感じながら智華の弾丸が撃ち込んだ。
イーファ・リャナンシー(忘都の妖精・f18649)は、小さな身体を上手く使いながら戦闘の間を縫ってにゃんこ魔導師達に当てていく。蝶の鱗粉にも気を付けつつ魔法を使ってにゃんこ魔導師達と戦っていくが、やはり幻蝶の数が多い。イーファだけでなく、他の猟兵達の攻撃にもどうしても邪魔になってしまう。
「あっちへ行っちゃいなさい!」
イーファはにゃんこ魔導師達の放っている幻蝶を、亜空間へ繋がる光のゲートへと導く。しかし、にゃんこ魔導師達は更に盾の様に幻蝶を展開させてくる。互いに盾の様に光と蝶達が相殺し合い消えていった。
「みんなみんな、混乱しちゃうと良いにゃ!」
幻覚を見せる幻蝶を放ち始めるにゃんこ魔導師達。それを見て、カタリナが動く。
「見るがいい、思い知れ、そして戦慄せよ! 是こそ此世の脆弱たる証左である!! ――なんてね?」
カタリナは自身の身に宿した魔神の機能を限定的に解放し、視認できる範囲のにゃんこ魔導師達に向かって空間ごと圧潰させる重力破壊を起こし、混乱を収束させていく。
テトの捨て身の攻撃、智華から繰り出される銃弾、イーファの魔法攻撃、そして重力による攻撃が、幻蝶が美しく舞う花畑の中で、光と花びらを巻き上げながら激しくぶつかり合う。……そして綺麗に舞う蝶が消え、舞いあがる花びらが地面に落ちた時、静かに戦いの幕が閉じた。
「皆さん、大丈夫でありますか?」
「はい、大丈夫です、他の方々は?」
「……ぐったりしたけど、でも、もふれたし」
智華の言葉にイーファも頷く。テトはそれなりにダメージを受けた様だったが、にゃんこをもふもふ出来た事に満足している様だ。一方、カタリナは周囲を見回して、少し肩を落とす。
「私は大丈夫だけど、結構花畑は壊しちゃったな……」
確かに、にゃんこ魔導師達の戦いで、綺麗に咲き誇っていた花達がぐちゃぐちゃになってしまっていた。重力を使ったから、どうしてもこうなってしまうのは避けられないのだけれど、この状態は哀しくなる。
そんな中、高い悲鳴が上がった。
「何の騒動ですか!? ああ、私の可愛いにゃんこちゃん達が……!」
悲痛な声が響き渡る。そこには、可愛らしくも美しい妖精の様な姿をした少女が真っ青な表情で立っていた。……彼女が『春の魔法』の首領、何でもお花畑に変えてしまうというオブリビオン。
「何でもかんでも花畑にすればいいってわけじゃないのを分かってほしいけど……」
イーファはぽつりと呟く。彼女がオブリビオンである限り、倒すしかないからだ。……説得できればどんなに良いか、そう思うのだけれど、それが出来ない。
少女は泣きそうな表情で猟兵達を見た。
「あなた達が……あなた達が……私の可愛いにゃんこちゃん達をこんな目に遭わせたのですか!?」
泣きそうだが、流石、首領だけある。哀しみと怒りを湛える彼女の瞳は、しっかりと猟兵達を見据えていた。
大成功
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第2章 ボス戦
『麗らかな隣人』
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POW : 紅涙の理由
【花咲かす魔法の杖】を向けた対象に、【毒性を増したアネモネ】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD : 毒を食らわば
自身の装備武器を無数の【毒性を増した鈴蘭】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : 不幸な西風
【小型爆弾へと変わるヒヤシンス】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を一面の花畑に変え】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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テト・ポー
僕がこの人に言いたいのはひとつ。「どうせ花を咲かすなら野菜の花にして」ってこと……美味しい野菜の仇だ。
戦闘が始まったら、支援に徹したいな。盾役はできそうなら。ちょっと疲れてるし。
UC「フードファイト・ワイルドモード」をもう一度使って、さっきの干し肉を食べながら花をむしって回ろう。戦闘中でも花畑を広げるのは気にくわない。これは100%私怨。
野菜の恨みだ思い知れ! あなたがやったのはこういうことだからな!
ただ、隙があるなら……一度でいい、全力で殴っておきたい。武器を使うのももったいないから素手でいい。ごはんを粗末にするものはすべからく僕の敵で許されざる者だ。神が許してもこのテト・ポーが許さない!
カタリナ・エスペランサ
「そうよ、私がやったの。そして次はあなたの番」
「こんな役あなたには似合わないわ? 猫ちゃんたちと一緒に眠らせてあげる」
世界を侵蝕するオブリビオンの少女へと、妹を寝かしつける姉のように静かに告げて。
序盤は懐に飛び込みダガーの斬撃、シューズからの《衝撃波》、翼から放つ雷羽による《属性攻撃》で苛烈に攻め立てる方針。仲間への攻撃は《かばう》で適宜フォローします。
「毒を食らわば皿まで、だっけ。私はそんなに豪快じゃないんだけど……慣れてるのよね、そういうの」
ボスの【毒を食らわば】にはUC【失楽の呪姫】を発動。元より力の代償で毒を受けつつ、宿した劫火で花びら諸共に敵を焼き払います。
※アドリブ・共闘歓迎です。
ヴィオレッタ・スノーベル
にゃんこと聞いて……っ
…ど、どうやら、乗り遅れてしまった、かしら…?
さて、さて。
……きれいなお花畑…きれいな妖精さん。だけど、おいたはいけないわ。
あなたは楽しくても…それは、周りを不幸にしてしまうもの。
わたしは、基本的に【目立たない】【暗殺】【空中戦】を使った奇襲を仕掛けるわ。
他のひとが攻撃している間に、UC【陽光に消える淡雪】で姿を消し、目立たないように空に飛びあがるわ。
相手を見失わないように、しっかりと確認しつつ、
それから選択UCを使って大鎌で攻撃を。
もし爆弾が来ても、極力他のひとに迷惑がかからないように、仲間のいない方向から攻撃を仕掛けることにしましょう。
※連携・アドリブ歓迎
紅葉・智華
※アドリブ・連携歓迎
花畑と言ってもただの花畑ではないようでありますね。余計に質が悪い。仕留める他ない。
有毒であれば、遠慮する理由はどこにもないでありますよ。
【選択UC】(第六感,見切り)や経験(戦闘知識)を下に敵の攻撃を回避しつつ、両手の得物による手数(2回攻撃)で反撃。【ダッシュ】や【ジャンプ】していても、射撃に乱れはない(スナイパー)。手数で押し込めば、味方の【援護射撃】には少なからずなるでありますよ。
(以下、素の口調)
「――ああ、それと。私、犬派なんで、そういうの(にゃんこ)いいです」
いやま。動物愛護的には心は痛かったケド。オブリビオンである以上、ねぇ? 愛護とか言ってられないでしょ。
「私の可愛いにゃんこちゃん達に、なんて事をしたの!?」
「そうよ、私がやったの。そして次はあなたの番。こんな役あなたには似合わないわ? 猫ちゃんたちと一緒に眠らせてあげる」
泣き腫らし、こちらを睨みあげる少女にカタリナ・エスペランサは、妹を寝かしつける姉のように静かに告げた。
「いいえ、そうはいきません! あなた達こそ、私達のにゃんこちゃんと一緒に花に包まれて眠りについて貰います!」
「ちょっと、待って。僕、あなたに言いたい事がある」
少女とカタリナが一閃触発状態になっている中で、テト・ポーが話しかけてきた。彼はとても真剣な顔をしている。
「どうせ花を咲かすなら野菜の花にして」
美味しい野菜が採れなくなる事は、テトにとっては許せない事なのだ。
しかし、その言葉に少女は首を傾げる。
「野菜のお花なら良いのでしょうか? それでしたら、菜の花はどうでしょうか? あれはお野菜のお花ですよ? それなら、問題ありませんか?」
「菜の花……いや、ちょっと待て。菜の花まで咲いちゃったら食べられなくなる野菜が! やっぱり、野菜の花だけ咲かるのも駄目だ!!」
やはり、花を咲かせるという行為自体だけでも野菜となると色々と難しい。勿論、花を咲かせて初めて実を生らせるものも沢山あるのだけれど。
「……ちょっと待って、一つ聞いても良いでありますか」
「はい、何でしょう」
智華は、先程までのやり取りを聞き、少女に念のために確認してみる。
「もしかして、花なら何でも咲かせるのでありますか? 毒花ではなく?」
「当たり前では無いですか。春の花こそ至高。美しさは幸せを育むのです。……まあ、私や私の可愛いにゃんこちゃんに何かあった場合は話が別と言いますか……」
そこまで話して、彼女は固まる。最初の現状を思い出した。
「そうです、私の可愛いにゃんこちゃん達が……! 大体、私達の何が悪いと言うのですか! 綺麗な花は心を豊かにすると言うでしょう? 何故、駄目なんですか?」
「……きれいな妖精さん。おいたはいけないわ。あなたは楽しくても……それは、周りを不幸にしてしまうもの。綺麗なお花畑は素敵よ……でも、それで食べる事が出来なくなってしまえば本末転倒だと思うの……」
ヴィオレッタ・スノーベル(白き野に咲く・f18000)は、静かにその理由を伝える。
少女は頷いた。
「私達の理想はあなた達の考え方はよく分かりません。でも、同志でも無く、そして、私からあの可愛いにゃんこちゃん達を奪った事は許す訳にはいきません。お覚悟を……!」
少女は毒性を増した鈴蘭を舞いあがらせると、猟兵達に向かって放つ。
吹き荒れる鈴蘭の中、未来を計算したように智華はそれを回避すると、銃弾を連続で放つ。
「毒を食らわば皿まで、だっけ。私はそんなに豪快じゃないんだけど……慣れてるのよね、そういうの」
一方、カタリナは終焉を招く劫火の欠片を宿すと、次々と鈴蘭の花びらを燃やしていった。
目立たない様にヴィオレッタは翼を上手くつかいつつ、飛んでいく。なるべく、仲間に被害がいかないように、自分の方へのみ攻撃が行くようにと移動した。
「紫は、あなたを逃さない。……さあ、わたしたちと遊びましょう?」
ヴィオレッタは少女を見据えると、大鎌《昧爽の青》による一閃を喰らわせる。
「負けてなるものですか!」
今度は少女からヴィオレッタに向けて小型爆弾へと変わるヒヤシンスを放つ。ヴィオレッタは何とかかわすが、そこにはヒヤシンスが一面に咲き溢れた。
その花畑を見て、テトは干し肉を食べ、身体能力を上げると、その新しく産まれたヒヤシンスの花畑の花を抜いていく。
「な、なんて事をするのですか! 止めてください!」
少女は花を咲かす魔法の杖を使って、テトに毒性を増したアネモネを放つ。その攻撃を受けつつ、テトは少女に言い返す。
「野菜の恨みだ、思い知れ! あなたがやったのはこういうことだからな!」
「!?」
テトのその言葉に、少女は一瞬意味が分からなかったらしい。その隙をついて、テトは思いっきり少女を全身全霊、全力で殴りつけた。
「ごはんを粗末にするものはすべからく僕の敵で許されざる者だ。神が許してもこのテト・ポーが許さない!」
殴られつつも、少女は得心がいったらしい。
「……あなた達が怒っている理由は分かりました。……でも、私は多くの幸せの為に花を咲かせたい。食べ物を困らす事無く、どうやったら花畑をつくる事が出来るのか……」
彼女なりに考えてはいる様である。ただ、花が咲いてしまえば食べられない野菜もあるし、花畑の様に花が咲いたところで、収穫が出来るかと言えば、それは非常に難しい。
「……中々両立は難しいものです。仮にあなたが作った収穫できる花畑が、あなたの感じる幸せなのかも分からない……」
「まあ、分かりあうというのは難しいよね」
ヴィオレッタとカタリナは、そう頷く。綺麗なお花畑に生産性が無いとは言えない。だけど、人々の暮らしを侵食するとなると、話は別になって来るのだ。
智華は場所を変えつつ、続けて連続しての銃弾を少女に撃ち込んでいく。すると、再び、鈴蘭の花弁が猟兵達に襲い掛かる。それを、相殺すべくカタリナは花弁を燃やしていき、出来る限り、被害が少なくても済むように努めた。
ヴィオレッタは、やはり仲間に被害をこうむらせない様な位置に静かに移動しつつ、大鎌による一閃を少女に叩きつけた。少女がアネモネを放てば、テトがなるべく隙を狙いながら殴りに行き、余裕がある時にはカタリナの翼による雷を帯びた羽根による攻撃、また、テトへの庇う等の支援も行う。智華は、ひたすら銃弾を撃ち込んだ。
……そして、舞い上がる鈴蘭の花弁が燃えていき、ヒヤシンスの爆弾と大鎌が対峙し、銃撃戦や肉弾戦が繰り広げられ……。
「……花は……こんなにも……美しいのに……」
そう言いつつ、少女は倒れ……骸の海へと還っていったのだった。
大成功
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第3章 日常
『厨の勇者達』
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POW : 豪快な料理を振る舞う
SPD : 美しく飾った料理で魅せる
WIZ : 斬新な料理で勝負する
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フィーナ・ルリス(陽だまり・f04597)が嬉しそうに飛び回る。
「みんな、お疲れ様! 村の人達がパーティーを開催してくれる事になったよ! 料理大会もあるんだ! みんなで美味しい物を食べて、疲れを癒し、村人達にも元気になって貰おうよ! このパーティだけの参加もOKだよ! みんな、楽しんでね!」
テト・ポー
オブリビオンとはわかりあえない、とはいうけど……対話は無駄じゃなかったような気がしたな。
でも、根本的にはわかってもらえてなかったかな。
まあ、いいか。おいしいごはんは守られた!
つまりおなかすいた! おなかすいた~っ!
料理大会があるなら僕は食べる専門! ……って訳にもいかないだろうし、ちゃんと料理もするかあ。
といっても僕は基本的に食べる専門だから、お肉を焼くくらいしかできないんだよな。
とりあえず豪快に肉を焼くか……!
焼く! 塩をふる! 食べる! おいしい!
……焼いた肉がいつのまにか味見に消えてる気もするけど、まあいっかおいしいし!
みんなの料理も食べていくからな……! おいしいごはん! ばんざーい!
カタリナ・エスペランサ
「お疲れ様ー! ふふっ、パーティー楽しみだなー♪」
村に戻れば《礼儀作法》と《コミュ力》をフル活用して皆と交友を深める傍ら《情報収集》、振る舞う相手の好みに合わせてクッキング。
集めた情報から料理や食材のバランスを見て足りないところを補いつつ、余裕があるなら焼き菓子を用意。
「いぇーい、皆楽しんでるー!?」
パーティーが始まれば再び《礼儀作法》《コミュ力》《情報収集》で空気を読み、イケそうなら場を更に盛り上げに適宜《楽器演奏》でBGM用意してUC【スカイステッパー】。
上空に舞い上がり皆を《鼓舞》《誘惑》するダンス的な《パフォーマンス》を披露します。
(なお不要そうなら食べ専)
※アドリブ・共演歓迎です。
(「オブリビオンとはわかりあえない、とはいうけど……対話は無駄じゃなかったような気がしたな。でも、根本的にはわかってもらえてなかったかな」)
少女と交わした会話は、分かりあえなかったけれど、それでも意味はあったとそう思う、テト・ポー。
しかし、それよりも重要な事がある。
「おいしいごはんは守られた! つまりおなかすいた! おなかすいた~っ!」
「お疲れ様ー! ふふっ、パーティー楽しみだなー♪」
カタリナ・エスペランサも、にこにこである。
村で開催されるパーティー。そして、料理コンテストと盛りだくさんだ。
「料理大会があるなら僕は食べる専門! ……って訳にもいかないだろうし、ちゃんと料理もするかあ」
とは言っても、テトは普段、食べる専門なので、出来ると事といえばお肉を焼く事位だ。とはいえ、これも勿論料理。豪快に肉を焼く事にする。
焼く! 塩をふる! 食べる! おいしい!
……料理大会に出すはずの焼いたお肉は、味見と言う名の元に、テトのお腹に収まっていた。
村人達と交流を図りながら色々な料理を作っているカタリナは、そんなテトの様子に気が付く。他の料理を物色しているが、何だか物足りなさそうにも感じた。戦いの時も、ずっと干し肉を食べていた。だから、彼にとって新鮮な肉の料理はさぞかし美味しいだろうし、もっと食べたいだろうと思ったのだ。
「テト、お肉……ステーキとか、もっといる?」
「カタリナさん、良いの!? ありがとう!」
「じゃあ、待っててね」
目を輝かすテトを見て、カタリナは微笑む。自分の料理を楽しみにして貰えるのは嬉しい。
村の人達と、この先の生活について話したりしながら、色々な料理を作っていく。その話を聞きながらテトは料理を美味しそうに食べながら、ご飯の大切さについて語ったり、カタリナは料理以外にも焼き菓子も作ったり。
「いぇーい、皆楽しんでるー!?」
「楽しんでるよー! 料理もおいしい!」
賑やかなパーティーの中、カタリナは皆に元気に声をかける。それに、楽しそうに応じる村人やテト。それを確認してから、カタリナは場を盛り上げるBGMを流し、上空に舞い上がると皆を元気づける鼓舞、そして魅了しながらダンスの様に踊る。
それを見て、村人達の顔色も、より一層元気になっていく様で……。村人達はカタリナの踊りや、料理やお菓子をテト達と食べて……この先の生活に明るい未来を見出してくれている――そう感じる。
このパーティーが村人達にとっても勇気づけるものになる事を願う、楽しい一時だった――。
大成功
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