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マグロもいいけどカレーもね

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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 文明崩壊後の世界にありがちな悲壮感や喪失感といったものは、キマイラフューチャーに暮らすキマイラ達には無縁である。

「コンコンコン♪今日のごはんはなーにかな?」

 滅亡した人類が遺した都市からは、生活に必要なものが全て供給される。何不自由のない暮らしの中から、働かざる者食うべからずなんて言う非合理な思想はまず生まれない。
 出てきたごはんを食べたら、今度は真新しい服を出しにコンコンやって、今日もキマイラ達は楽しい事だけを考えて暮らしている……が。

「うう、今日もツナマヨおにぎりだった……」

 同じ場所からは同じものしか出てこないのが都市の仕様だが、3日間街中をコンコン叩き周ってもツナマヨおにぎりしか出てこないのは流石におかしい。

「そろそろお肉か甘いものが食べたいよぅ……」

 半ば自棄気味に衣類が出るポイントを叩くと、出てきたシャツには「鮪LOVE」とプリントされている。しかもちょっと魚くさい。

「ノーッ!!?」

●ツナマヨはサンドイッチ派
「俺様はキマイラじゃないけど、コンコンやってるとお姉ちゃんが出る所知ってるぜ。
 毎日コンコンやってたらこの間おまわりさんに変わってたけどな」
 それはストーカーというのじゃないか、という問いに、ガン・ヴァソレム(ちょっと前流行ったアレ・f06145)は不敵な笑みで答えた。あとおまわりさんにはしこたま怒られてた。

「で、お前らにはお姉ちゃんじゃなくてツナマヨをコンコンしてもらいに行くわけだ」
 グリモアベースが起動し、キマイラフューチャーのとある街角を投影する。

「最近この辺一帯の都市機構で動作不良が頻発してるらしくてな」

 ベースの機能で、周辺のキマイラ達がピックアップされていく。
 その誰もがLOVE鮪Tシャツを着てツナマヨを口に咥えており、その表情はキマイラフューチャーの住人にしては珍しい絶望感に満ちていた。

「……超だせえ!」
 その感想だけには同意する事ができた。

「今の所はウンザリで済んでるが、ニホンジンと違ってキマイラは毎日別の色で生きてないと死ぬ類の連中だ。ほっといたらマズいかもな。あと、こいつ」

 ガンが叩いた画像の中で、鮪の頭部を備えた半裸の男が疾走していた。
 あっこれ絶対こいつの仕業だ。

「ツナマヨだらけになった前後で、こいつがちらほら見つかってるそうだ。マグロだけに追いつくのは面倒そうだが、まずはコイツをシメるとこからだな」

 都市の住人や、異変の起こった都市自体も重要な情報源となるだろう。

「頼んだぜ相棒。街が元に戻ったら俺様も高級ワインとバラの花束をコンコンして、お姉ちゃんに侘び入れにいかないといけねえからよ」

 返事すると相棒呼ばわりを肯定したことになりかねない。
 やっぱりストーカーじゃないか、という言葉をぐっとこらえて、猟兵達は転送に備えた。


荒左腕
 初めまして、荒左腕です。まだ自分の名前が変換候補に入りません。
 初依頼で手探りの部分が多いですが、ご容赦ください。

 あとOPにカレー入らなかったのでどなたかお願いします。

 まずは冒険パート、事件の調査が主となります。
 都市や住民から解決の糸口を探すもよし、
 怪しいマグロを片っ端からカマ焼きにするもよしです。

 猟兵のクールな推理と熱いチェイスをお待ちしております。
 熱い漁猟とクールな調理でも、多分何とかなると思います。
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第1章 冒険 『ライフライン・パニック』

POW   :    偶然現れたオブリビオンの後を追う。彼らに付いていけば何か分かるか?

SPD   :    実際に住む人達に聞き込みを行う。長く住んでいる人ほど何かを知っている可能性があったり……

WIZ   :    コンコンして出てくる物品を調べてみる。もしかしたら何か手がかりがあるかもしれない。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

マルグリット・エーレ
わかる。甘い物美味しいから。けど、ツナマヨだって捨てたものじゃない。私は三食甘いものがいいけど。

「ダッシュ」を使用して、さらにユーベルコードで反射速度も上げて、「POW」でオブリビオンを追いかける。

甘い物もちゃもちゃ食べながら。うん、こんな時でも私ってばかわいい。
あなたがいわゆるオ鰤ビオンってやつね。わかるわ。もちゃもちゃ。

三食ツナマヨは正直、しんどいし、甘い物のほうが美味しいから。
私のスィーツ生活のためにオ鰤ビオンは犠牲になってもらうというのだよ。

あ、ブリじゃない?マグロ?だいじょうぶ、どっちもお魚だし。


唐木・蒼
ツナマヨは人類の叡智だと思うんだけど流石に毎食はちょっとねー。あと何よりあの服が酷いわ…奇をてらった一発ギャグ的ならアリかもだけど、鮪だけに。…口に出すんじゃなかったー(悶)
【POW】
聴き込んで推理よりは直接的な方が性に合ってるし、例の半裸鮪ヘッド…鮪マンとかでいいかしら?が現れるの待って追いかけよっと。キマイラフューチャーのゴテゴテした街中を鬼ごっこってのも面白そうね♪
軽い障害物とか、もし鮪マンからの妨害とかあったら避けるのも面倒だから叩き壊して突き進むわ!ユーベルコードと見えざる拳の「鎧砕き」の力業、私の得意分野で。
得た情報はどんなに些細でも味方猟兵と共有するわ。



「わかる。甘い物美味しいから」
 甘いものが食べたいとべそをかくキマイラに、マルグリット・エーレ(秘せるフラクタル・f09722)は優しく語りかけた。
 何故か都内老舗の栗羊羹を丸ごと一本握りしめていたが、日常をツナに塗りたくられたキマイラには黒い輝きが確かな希望として映る。
「なんでも!なんでもお話しますから!そのヨー」
 カンをください、と言おうとした刹那。
「もっと!もっとツナを満たさなければ!」
 マルグリットの眼前を標的が通り過ぎた。
「……直接聞いた方が早そうね」
「あのっ!おは」
「大丈夫、ツナマヨだって捨てたものじゃない」
 無情にも、丸ごと羊羹は恵方巻きよろしくマルグリットの口に詰め込まれた。

『私は何で出来てるの?ってそれは砂糖と生クリームとなんかいろんな素敵な何かがふんだんに……』
 口いっぱいに羊羹を詰め込みながらも、淀みない詠唱。伝統のこしあんと栗金時に含まれる絶大な糖分がユーベルコードを生成し、マルグリットに虎の如き俊敏さをもたらす。
『だって、おしゃれはデコレートだもの』
 でも顔には立派な頬袋。
「ひ、ひィ!でかいハムスターが追ってくる!?」
「逃がさないわ、オ鰤ビオン」
 全力疾走とはいえ所詮は陸に上がった魚。ユーベルコードで強化された脚力は徐々にマグロ頭の怪人を追い詰めつつあった。
「このままではいけない!なんとしても生き延び鯛!」
怪人はマグロの矜持を捨て去り、急カーブで路地へと逃げ込んだ。

『そこに黄金の右ストレートッ!』
 ウナギのように潜り込んだはずの路地裏が、建物ごと吹き飛ばされる。
 同じくマグロ怪人を発見した唐木・蒼(喰らい砕くはこの拳・f10361)の二連拳骨であった。
「私は!やられたら!2倍近くでやり返す系女子っ!!」
「随分エキサイトしてるわね」
 まだ羊羹をもごもごしながら追いついたマルグリットに、蒼は堰を切ったように憤懣を吐き出した。
「ツナマヨは人類の叡智よ、まだ許せた!ダサTも……まあ年末だから1回までは我慢した!だのにあいつ」
 蒼が叩きつけたのは別の場所から取り出された下着だ。
「パンツまでマグロにしてたのよ!」
 ピンクのフリルとともに脂ののったマグロがでかでかとあしらわれていた。よせばいいのにTバックだ。
「意外とかわいいの履いてるのね」
「履いてないわよまだ!!」
「ならば是非履いてみるといい、吸湿性と保温性を両立した暮らしに優しい構造だよ?」
 いつの間にか復活した挙句会話に混ざるマグロ怪人。それがよくなかった。

『さらに黄金の右ストレートッ!』
 二連撃って多分そういう意味じゃない。そんな言葉をエラの奥に飲み込んで、マグロ怪人は香ばしい匂いを立てながら吹き飛んでいった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

イーシェン・チェンズイ
住んでいる人達に聞いてみるネ!もし、良い情報入ったらそれに従って動くアル!もし、無かったら別の人に聞いたり、おいしそうな物持ってたら聞いて実食してみるアルヨ!



「あーあー、ごめんください?この辺に何かおいしいものないアルか?」
 一方、イーシェン・チェンズイ(ヤドリガミのフードファイター・f04164)は都市の住民に聞き込みをしていた。と言って何かマグロ以外のあてがあるわけでなし、自分の興味を先行させてしまうのも無理からぬ話だ。
「んー、今はツナマヨとコレ以外なら、何でもおいしいかもね」
 イーシェンがそのキマイラに声をかけた理由はたった一つ、彼がガリガリ齧っているそれがツナマヨではなかったからである。
「それ、チョトもらってイイ?」
「いいけど、ほんとおいしくないからね」
 素焼きの陶器のような、白っぽい板状の破片。煎餅の一種だろうか?思いがけない未知の食材との遭遇に感謝しながら、イーシェンはそれを口に運んだ。
「……うぇッ」
 結論から言うと、まずい。粉っぽいのに変にしっとりとした食感、おまけに薬臭い。これを料理するにはかなりの情熱が必要そうだ。
「すっごい地下まで潜ると、コンコンしなくてもコレが出る場所があるんだよ。ダメ元で久々に食べてみたけど、これならやっぱツナマヨでいいかなー」
「フム……」
 ツナマヨに支配されているのはまだ都市の表層部だという事だ。出所の方向性は掴めたかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユキノ・サーメッティア
え?マグロ頭の赤褌変態怪人?
…ただのイロモノキャラじゃないの、それ?
10年以上前に打ち倒されたはずだって?いや、何のこと?
まぁ、いいや…


中身をわざわざ入れ替えてるのかな?
コンコンして中身調べてみようかね
てか、なんか魚くさいなぁ
(件の奴の匂いでも移ったのか?)
匂いの追跡って出来るかな~
私は犬とかみたいに嗅覚強いってわけでもないけど…
あ、でも魚の匂いって結構強いし、
匂いが強く感じる場所を【追跡】して辿ってみようかね

見た限りでもあの褌変態も魚臭そうだし
匂いが強烈に感じる場所ならそこに長居してたってことだろうし
そんな場所は重点的に調べようか

でも、目的がさっぱりだね
キマイラ達が死んだ目にしちゃってるし



「……何でシャツまで魚臭いのよ」
 ユキノ・サーメッティア(ミレナリィドールのマジックナイト・f00911)は現場百遍とばかりに、ツナマヨやマグロTシャツの出てきた箇所をコンコンして回っていた。
 既にツナマヨは30食、LOVE鮪Tシャツは20着の大荷物である。魚の臭いを辿ることも考えたがいかんせん数が多く、絞り込めない……と、そこへイーシェンからの連絡が入る。
「最下層まではツナマヨになってない、か」
 地道に行っていた調査がここで効いてきた。これまでコンコンしてきた箇所と先程の情報を照らし合わせれば、確かに下層に行くほどツナマヨの出所は減っている。ツナマヨしか引かなかった事が怪我の功名となって、出現が徐々にとある一角へ収束しつつあることまでわかってきた。
「あの褌変態!見つけたらこの気色悪いTシャツと一緒に生ゴミにしてやるわ」
 標的は目の前。勢いごんで走り出したユキノだが、調査の疲労がたたって足がもつれてしまう。

「Ca va? 平気かな、お嬢さん?」
 目の前に標的がいた。あとまたキャラブレしてきた。
「いやアンタだよ!!」

成功 🔵​🔵​🔴​

久世浦・穗積
おい、OPにカレーの文字がないぞ
一体どういう事なんだということを問い詰めるためにも
鮪頭の男を追いかけます
ちなみに私は毎日カレーでも生きていけるぞ
まあそれはそれとして、一晩煮込んだめちゃくちゃ美味しいカレーを
コンコンするためにも、まずは事情を探らないといけない!
え?出ない?いや出るかもしれないだろう
むしろ出るに違いないと信じて―!
出るか出ないかも分からないカレーのために駆けずり回ることで
【カレー・ジャスティス】が発動
謎のマグロを追い詰めてとっちめて事情を聞き出すんだ!



「OPにカレー入ってないじゃないの!カレーどこカレー!?」
 ピンチ、と言っていいのかどうかはわからないが、そこへ到着したのが久世浦・穗積(戦争論・f01538)だ。ユーベルコードを引き出すためにマグロだらけの都市であえてカレーを探して駆けずり回っていたが、丁度いいタイミングだったようだ。全身から迸る加齢臭じゃなくてカレー臭こそ、カレー・ジャスティス発動のサイン。
「ううっ、なんという臭いだ!洗髪時に耳の後ろを良く洗っていますか?」
「魚類に言われたくないわー!!」
 仕方がないとはいえあんまりな言われ様に即ギレした穗積は勢いのままにマグロ怪人からユキノを引きはがし、脂ののった頭部に頭突きをくれる。
「こ、このままでは赤身がターメリックに染まってしまう!撤退だッ」
 言うが早いか踵を返して逃げ出すマグロ怪人。

「あいつ魚の癖に足早いな!」
「大丈夫、もう逃がさないわ」
 虚を突かれた穗積に、助け起こされたユキノは冷静にメモの地図を拡げ、とあるポイントを指差した。
「あの道の先でツナマヨが出てきた所は1つだけ。逃げ込む先は……ここよ」

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『マグロ怪人ツーナー』

POW   :    止められない止まれない
【食べられるという恐怖心から無限のスタミナ】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD   :    そんなことより助けて欲しい
レベル分の1秒で【腕を振り払うことで自らに噛み付いてる猫】を発射できる。
WIZ   :    水を得たお魚
【水鉄砲】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を水浸しにし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「……多い!」

ツナマヨの流れとマグロ怪人の追跡から、ついにそのアジトを突き止め、乗り込んだ猟兵達。
そこでは、目を覆いたくなるほどに凄惨な光景が繰り広げられていた。
ひとつひとつ愛情を込めてツナマヨおにぎりを握るマグロ怪人、新しいLOVE鮪シャツのデザインに情熱を注ぐマグロ怪人、完成した鮪パンツを試着して品質向上につとめるマグロ怪人……。
狭い部屋に十数人のムキムキ半裸マグロ怪人がすし詰めになっているだけでも、繊細な人間にはトラウマ必至である。

「何だね君たちは、限定ツナマヨフィギュアの配布は明日からだよ」
「そんなもの配られて誰が嬉しいのよ!」
「その優しさの感じられない言動、さては我等のロジスティックスラインを狙う邪悪な冷笑系か」
つらい。つっこむっていうか、会話を続けるのがもうつらい。
「皆立ち上がれ!我等の夢と命を守るんだ!」
部屋中のマグロ怪人が一斉に猟兵達に向き直り、戦闘態勢をとる。
大量のマグロに見つめられるのも相当つらいが、殴れば黙る分いいかな、と全員が考えだす程度には猟兵達は追いつめられていた。心が。
久世浦・穗積
鮪が泳いでいいのはツナカレーの中だけなんだよ!
という偏見からマグロ怪人たちを糾弾することにします
…ツナカレーを食べながら。
あ、ちょっと待ってね。もうすぐ食べ終わるから(もぐもぐもぐ)
よし、カレー分補給完了!これでまだ10分くらい戦うことができる!
なんかマグロの言ってることも訳わかんないし殴って黙らせよう!
さっき食べたツナカレーの分を【カレーの神髄】により
カレーパワーへと変換![POW]に物を言わせてカレースプーンを振り回します
まとめてなぎ払ってやるう!



「鮪が泳いでいいのはツナカレーの中だけなんだよ!」
 言うが早いか、穂積は懐からランチポットを取り出した。隙あらばカレーを食べるため、彼女の全身には常に数日分のほかほかごはんとカレーソースが仕込まれている。破れると大惨事必至だ。

「とくと見るがいい、カレーの真髄!」
 その姿、スピーディ&クイックリィ。
 まるで早撃ちガンマンのごとく、淀みない動作でごはんにカレーをドローし、そして食う!(バキューン)食う!(バキューン)食う!(バキューン)

「やだあの人、一口食べるたびにバキュンバキュン言ってる」
「食事中に騒ぎすぎるのはどうかと思うな」
「うるさいよ!」
 身の丈ほどのカレースプーンが踊るように舞ってマグロ怪人を凪ぎ払うと、一瞬で数匹が地に伏した。そのパワーはまさに穂積と一体化したカレーの成せる技であり、決して海鮮食材に食事のマナーを説かれて逆ギレしたわけではないのだ。
「さあ、次にカレーになる奴はどいつだ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

イーシェン・チェンズイ
遠距離戦はできないから、噛みついてくる猫を避けるように姿勢を低くして一気に近づくネ!そしてマグロ怪人の前に着いたら、愛用のフォークを力いっぱい振り回して、刺したり叩いたりして戦うヨ!
あと、周りに何体居るかで立ち回り帰るネ!
一杯に囲まれたら危ないからフォークを台風の様に振り回してタイマンになるようにした立ちまわって戦うアルヨ!



「これでもくらえ!そして末永く可愛がってくれ!」
「ゴメンよ、ワタシ犬派ネ」
 マグロ怪人に噛みついていた猫が射出され、にゃーんとイーシェンに襲い掛かる。
 イーシェンはすんでの所でこれを回避し、怪人の懐へもぐりこんだ。

「解体ショーの始まりネ!」
 遠距離攻撃や複数相手に分が悪い以上、接近しての攻撃以外に道はない。
 イーシェンはそう判断し、獲物のフォークを深々と突き刺した。
「痛たたた!脂の乗った肌になんてことを!」
 だが、内蔵(鮪の位置で言えば)に達するほどの一撃を受けても怪人の攻撃は緩まない。
 オブリビオンを打ち倒すには、やはりオブリビオンと同じ超常の理――ユーベルコードの力が必要なのだ。

 動揺を悟られたか、他のマグロ怪人が背後からにゃーんと近づいてくるのを感じた。取り囲んでにゃんにゃんするつもりだろうか、じりじりと距離が詰まる。
 「んー、これは一旦仕切り直しアルね」
 良い調理に心の乱れは禁物。イーシェンは竜巻のようにフォークを振り回し、高く跳躍して囲みを飛び越えた。一旦距離を取り、深く呼吸を整える。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ユキノ・サーメッティア
うわぁー!?
魚臭い!男の汗臭いー!?
あと半裸褌達が部屋にみっちり大量って地獄絵面がー!?
よし、殺ろう!(錯乱)

【全力魔法】でヴォ―ゲンレーレ
いつもと違って風と炎で
まとめて【なぎ払い】、追撃の【2回攻撃】で
変態褌魚を焼き焦がすっ!
…焼き筋肉?魚?どっちだろう?
(すごくどうでもいい)
あ、攻撃の勢いで床の水浸し吹き飛ばしちゃおうか
って、水鉄砲がなんか魚臭いというかこれ汗じゃないよね…?

ところで猫飛ばしてきてもすぐに戻っちゃうじゃないの?
餌っぽいのあっちだし
(ツナマヨお握り30食所持中)
…あげればお握りに食い付くかなぁ?
「そんな怪人食べたら絶対にお腹壊すよ!」
(お握りを猫にポイッして与えてみる)



「秘儀・マグロ水流ゥォ!!」
「うわっ、なんかばっちい!」
 無駄に巧みに組み合わせた両手から飛び出す水鉄砲を、ユキノはすんでの所で回避する。
 安堵して反撃の体勢に入ろうとしたユキノだが、マグロ怪人の攻勢はまだ終わっていなかった。
「人が傷つくようなことをさもあっさりと!反省したまえ、トゥォッ」
 外れた水鉄砲でできた水溜りに隣のマグロ怪人が飛び込むと、まるでそこに深い水場があるかのような速さで泳ぎ始める。
 数匹のマグロ怪人がそれに続き水鉄砲を放つと、見る間に辺りは一面海のような空間となった。狭い部屋で何やってるんだ。
「ハハハ、水を得た我々のスピードに追い付けるかな?」
 孤島のようになった床の上で必死に回避するユキノを挑発するかのように、マグロ達はユキノを遠巻きに回遊する。
「そんな所でじっとしてないで、僕たちといい魚油かこうぜ☆」
 シンクロよろしく上半身でポーズをとり、ウインク。これがよくなかった。
「……あ?」
 なにか、太い繊維のちぎれる音がした。

「ヴォーゲンレーレ!!」
 溢れる怒りのままに詠唱もすっ飛ばし、手持ちの装備から委細構わずありったけの効果を付与した特大の魔法。それはたやすく暴走して炎熱の嵐と化した。自分や他の猟兵にも若干の被害を出しつつもマグロの狩場を浜焼き居酒屋に変え、調子にのったマグロ達は須らくカマ焼きとなった。

成功 🔵​🔵​🔴​

唐木・蒼
うん、まあ、なんだ、ブッ飛ばす(にっこり)
まさかあんな下着を掴まされるとは…しかもはいてみろとか変態ここに極まれりね。あと微妙にデザイン性あるのが余計にイラッとくるわ。
【POW】
いや多いわ!ボコるにしてもこっちの体力もあるから…ゆっくり1匹相手にできる様になるまではとにかく数減らす事を考えよう。喉が痛くなるまでUCをブチ撒けて、なお近づく敵は見えざる拳で頭…はより生臭そうだから鳩尾に力一杯の右ストレートを。
数が減ったら1匹捕まえてサンドバッグね、溜まりに溜まった鬱憤晴らさせてもらうわよ?
あ、ちなみにどんなにお腹減ってもあんたらは食べないから、そう死んでも!



「うおああぶっ飛ばす!!」
「酷ぶごォ」
 何匹ものマグロ怪人をまとめて吹き飛ばす咆哮衝撃。蒼は先程から間髪入れずにこの戦法を続けていた。
 ――もう会話したらダメだ。絶対なんか気色悪い事しか言わないんだこいつら。
 だが、大技の濫用は蒼の体力と喉に著しい負荷をかける。
「げほッ……くそ」
 たまらず咳き込んで体を折ったその時。
「お嬢さん、背すじを伸ばしてお腹に空気を入れるんだ!無理な姿勢で声は出ないぞ」
「さぁ、ローヤルゼリーの入った魚油ドロップで喉を潤しなさい」
「声は腹の底から頭のてっぺんへ抜けるように」
「あきらめないで、さあもう一度!」
 マグロ怪人が次々と飛び掛かって丁寧なアドバイスを入れる。消耗のためにされるがままになってしまう蒼。すると、枯れたはずの喉からは先程より力強い歌声が響くのだった。
「やったわ先生!私、まだ歌える……って」
 喜びの表情を翻し、鬼の形相でマグロの鳩尾へ一撃。
「なんで!」
 返す拳で次のマグロに二連撃。
「魚に!」
 アゴなのかエラなのかわからない場所へ、とどめの回し蹴り。
「背すじのダメ出しされなきゃいけないのよ!!」
「つっこむところそこなん……ゲぶォ」
 拳の道を志す蒼に今、のりつっこみという新たな地平が開いたのだった。
「絶対開くな!」

成功 🔵​🔵​🔴​


「お嬢さん!私の肉体を見てください」
「いえ私の肉体から見てください、さらに味わって」
 脂の乗った肉体美を見せつけるため、何匹ものマグロ怪人がマルグリットへ迫りくる。お前ら今何してるか覚えてるか。
「ユルユルね」
 マチョパーン!(擬音)
 肉と魚肉がぶつかり合う猛々しい音と共に、マグロ怪人が吹き飛ばされる。その中心にはマグロ怪人と全く同じポーズ、しかしさらなる美しさを誇るマルグリットの姿があった。その口には丸2本の羊羹。暴力的な糖分は彼女に比類なきマスキュラリティを与えていたのだ。
「な、なんと美しい広背筋……!」
「肉体美と美意識。嫌いじゃないけど、やっぱり私のような美少女がモデルの方がよいとは思わない?」
 次々とポーズを決めるマルグリットに次々と敗北を悟る悪しき肉体美。
「そう!私は甘い物と!」
 漲る上腕二頭筋!
「スイーツとスパイスと!!」
 輝き叫ぶ腹直筋!
「あとなんか素敵なもので構成された肉体!」
 最後に控えし大胸筋!!
「Oh……ゴッドマッスル……!」
 神々しいばかりの肉体の前に、マグロ怪人は(勝手に)散っていった。
「……これは……なんか違う気がする……!」
 結果は圧勝。しかし、我に返ったマルグリットは心底微妙な表情であった。
マルグリット・エーレ
羊羹もっちゃもちゃしながら、ユーベルコードの恩恵を受けた膂力で、どでかいスプーン型グルメツールで撲殺する。わりと問答無用で。
数の暴力って知ってるけど、近付かれる端から、ぶん殴っていく。近づいてこなくても近づいてぶん殴るけど。

そういう肉体美と美意識、きらいじゃないけど。
やっぱり私のような美少女がモデルのほうがよいとは思わない?
いや、私は甘い物とスイーツとスパイス他なんか素敵なもので構成されているから、ツナマヨが入り込む余地はあんまりないんだけど。

私をツナマヨまみれにしたい気持ちはわかるけれど、そういう猛る気持ちはオ鰤ビオン同士でやって。

でも、私に群がる気持ちはわかる。だって、私かわいいし。



「お嬢さん!私の肉体を見てください」
「いえ私の肉体から見てください、さらに味わって」
 脂の乗った肉体美を見せつけるため、何匹ものマグロ怪人がマルグリットへ迫りくる。お前ら今何してるか覚えてるか。
「ユルユルね」
 マチョパーン!(擬音)
 肉と魚肉がぶつかり合う猛々しい音と共に、マグロ怪人が吹き飛ばされる。その中心にはマグロ怪人と全く同じポーズ、しかしさらに美しさを誇るマルグリットの姿があった。その口には丸2本の羊羹。暴力的な糖分は彼女に比類なきマスキュラリティを与えていたのだ。
「う、美しい広背筋……!」
「肉体美と美意識。嫌いじゃないけど、やっぱり私のような美少女がモデルの方がよいとは思わない?」
 次々とポーズを決めるマルグリットに次々と敗北を悟る悪しき肉体美。
「そう!私は甘い物と!」
 漲る上腕二頭筋!
「スイーツとスパイスと!!」
 輝き叫ぶ腹直筋!
「あとなんか素敵なもので構成された肉体!」
 最後に控えし大胸筋!!
「Oh……ゴッドマッスル……!」
 神々しいばかりの肉体の前に、マグロ怪人は(勝手に)散っていった。
「……これは……なんか違う気がする……!」
 結果は圧勝。しかし、我に返ったマルグリットは心底微妙な表情であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イーシェン・チェンズイ
こんな黒く、悪魔のような顔をした姿で戦いたくなかったけど、こうなってしまったら仕方ないわね。炎の魔術を銀フォークに宿して火炎を纏いながら戦うわ。なるべくタイマンになるように誘い出して、奴らの体を炙り焼きにして戦い続けて見せるわよ…。



「に、逃げようみんな!ガスの元栓は最後の1匹が締めてね」
「あっ母さんオレオレ、ちょっとイェーガーがきちゃって示談金が」
 数こそ残り少ないが、未だ健在のマグロ怪人が逃走や増援を呼ぶそぶりを見せる。このままでは被害が人知れず続くことになりかねない。示談金は多分無理だが。
「……仕方ないわね、この姿で戦いたくなかったのだけれど」
 イーシェンがため息をついて深く身構えると、マスクに描かれた笑顔が不意にぐにゃりと歪む。口元と思しき場所から黒い滲みが溢れ出して半身を覆った瞬間、その場にいた誰もが空気がビリビリと振動するのを感じた。捧げ持った巨大なフォークからは、ぬらぬらと炎が伸びてゆく。
「あれっお嬢さん、なんか口調違」
「黙って」
 マグロ怪人の1体が口を開いた瞬間、イーシェンはその背後で背びれにフォークを突き立てていた。先程より深く刺さったフォークから蛇のように炎がはいずり、怪人の五体を余すことなく加熱していく。
「……炙り焼きのつもりだったけど、身がスカスカじゃしょうがないわね」
 フォークを抜いた後に残ったのは、皮を残して全焼した怪人だったものの形。パリッパリの香ばしさである。

「ね、ねえあなたちょっと様子が」
「……いっけなーい、ツナマヨに当たっちゃったアル!ポンポンいたーい」
「いや食べてないでしょ」
 最後のマグロを片付けた蒼が声をかけた時、イーシェンのマスクにはいつも通りの笑顔が貼り付いていた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『機関車怪人』

POW   :    トレイン・フリーク
【時刻表】【鉄道模型】【鉄道写真】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    出発進行!
自身の身長の2倍の【蒸気機関車】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    アクシデントクラッシュ
対象の攻撃を軽減する【高速走行モード】に変身しつつ、【煙を噴き上げながらの体当たり】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『……間もなく、四番線ホームにM地区統括・スチームミサキ様が到着いたします。のこのこやってきたお客様は、白線の前で覚悟してお待ちください……』
 突如、朗らかなアナウンスが部屋に鳴り響く。
「な、なになに!?」
「4番線……あら、ここね」
 見上げれば、マーガレットの頭上にはいつの間にか大きく「4」と書かれた看板。
「……みんな避けろ!!」
 穂積の声で全員が散開した次の瞬間、巨大な機関車が部屋をぶち抜いて現れる。
「あいつがボスか!?」
「いかにも。私が統括、機関車怪人スチームミサキ号だ」
 機関車から落ち着いた声が響くと、ガシャガシャと重い金属音を立ててヒト型に変形した。
「キマイラ共の自堕落な生活を支える都市機能に綻びをもたらし、旧人類への畏敬の念をゆっくり叩き込む計画、邪魔をするとは暇な連中め」
『間もなく皆様の息の根が止まります、ご注意ください……』
 ファンシーな発車メロディと共に流れるアナウンスは不気味ですらあったが、猟兵達の心はむしろ穏やかですらあった。

 ――良かった、この電車ちゃんと話できそうなやつだ。
唐木・蒼
うん、あの、目的はわかった。結果としてキマイラ達も死んだ目をして活力をなくしてたからまあ上手く行ってたんでしょうね。……なんでツナマヨ?人類の叡智とも言える発明だとは思うけど、なんでツナマヨ??しかも首謀者が機関車って。もっとこう、何かなかったの?…カレーとか?
【POW】
まあ何にせよぶっ飛ばすんだけどね。手下のマグロ共にはそりゃあもう良くしてもらったからさー(超笑顔)
見えざる拳「鎧砕き」とUCで硬そうな表面を叩き割ってやりたいわ、ストレス解消に良さそう。
機関車出てきたら力比べも面白そうかも…味方の為の時間稼ぎにもなるだろうし。内気功の「激痛耐性」あるから多少の痛みはドンと来い!


マルグリット・エーレ
というわけで、最終章!
いやぁ、流石にマッスル怪人との激闘はアツかったわね。
このままの流れで、機関車怪人……ん?あれ、マグロではなく?マグロ機関車?どちらにしたって、止まったら死んでるのと同じよね

ユーベルコード!撮影ドローンをどろんっと飛ばしてね。私の活躍を生配信しながら、応援してもらって力に変えるって寸法よ。
撲殺圧殺なんでもござれの魔法のスプーンでぶんぶんがんがん。

あっ、お約束の洋服破けるシーンもあるよ!閲覧数が増える増える。あと、大事なところは不思議な謎の光線が入るので安心。

機関車シュッポシュッポって、なんかえっちよね。えっち怪人め!私に乱暴するつもりでしょう!えっ(言わせないよ)みたいに!


イーシェン・チェンズイ
うーむ、機械はどうすれば良いのかわからないネ。食べられないから。とにかく、難しい物は自分一人では無理ネ!いっぱいの人で必要アル!人いっぱい、難しい食材調理、みんな笑顔!を目指してイーシェンを一杯作って戦うネ!相手がどこを強化したのかを確認して戦い続けてみるアルヨ!攻撃力だと負けてしまいそうだから離れて、防御力なら叩き続けて、状態異常ならもっと強く攻めて戦っていくネ!



「いやいやいや、なんでSLがマグロに命令してツナマヨ配ってんのよ」
「漁業とは本来、陸上輸送と組み合わさって初めて文明の基盤足りうるものだ。彼らが作り、私の線路を通す。自然な分担だろう」
「おのれそれっぽい事をすらすらと!」
 至極当然な蒼の疑問に、怪人はさらりと答えて見せた。滅茶苦茶なロジックだが、端的にわかったことがひとつ。「私の線路を通す」――つまり、この怪人の力で都市のシステムに横入りしてツナマヨを流しているという事だ。
「結局ぶっ飛ばせばOKってことよね!なら」
 蒼は一瞬で怪人との距離を詰める。すれ違い様に振るった見えざる拳が、強固に見える装甲の一部を砕いた。
「ファイアホォックスか、素晴らしい威力だ。ならばこちらも」
 懐から玩具のような電車を取り出すと、胸元のスリットに吸い込まれる。
「車種変更・クモハ103系!」
 全身から吹きだす蒸気が力強さを増し、蒼を上回る速度で繰り出される。捌ききれず、蒼はすんでの所で後退した。
「こいつ!?急に強く」
「列車は常に進化する!この速度、ついてこられるかな?」
「103……聞いたことがあるわ、高度成長期の日本首都圏で主力となっていた車両!敵は既に蒸気機関車ではなく電車だというの!?」
「よく知ってんな!?」
 姿こそ変わらないが、確実に怪人の動きが良くなっている。

「動きを追うなら、私の出番ね」
 マルグリットはわざわざ胸元からドローンを取り出し、撮影を開始する。
 ドローンは彼女の周りをねちっこくまとわりつき、
「いや自分じゃなくて相手録りなよ!分析とかすんじゃないの?」
 彼女の狙いは分析ではない。動画配信で自身の能力を高めるユーベルコードだった。
「マイナス成長でも人を動かすことはできるのよ。そう、お色気配信ならね」
「早速身もフタもないな!」
 肌もあらわな生配信で閲覧数うなぎのぼり!……と思ったが、

『いいよー大胸筋が歩いてるよー!』『肩に小っちゃいジープ乗せてんのかい!』

 あらわになった肌にはまだマスキュラリティが残っていたため、仕上がったボディビル動画になってしまう。ちなみにページ登録数は200くらい上がった。

「おのれ!キマイラ共の退廃文化の象徴、動画配信を許すわけにはいかん!二次産業の威力を見せ付けてくれる、ビークルモードだ!」
 怪人はスペックアップした機体を変形させ、キモハ103系となった。なったのに何故かまだ蒸気を噴いている。そのまま体当たりでドローンごと破壊するつもりだ。
「そこはやらせない!」
 体勢を立て直した蒼がマルグリットの前に立ち塞がり、今度はその横面――今は電車なので運転席側面――に狙い澄ました二連拳骨を叩きつける。
「むぅ……っ!」
 変形すると脚部が車輪になるが故の弱点。車体のバランスを大きく崩されると、派手に転倒してしまうのだ。
「今よ!」
「閲覧数3000……まあまあね」
 マッチョ女子マニアが3000人も集まっている事実を丁寧に思考から追い出し、マルグリットはスプーンを構えた。
「マグロも機関車も、止まれば死んだも同然ね」
 横倒しで動けない怪人の腹部へスプーンを叩き込む。連続の殴打によって、堪らず怪人は変形を解除した。

「……おや?アレは何アルかね」
 単独での突撃は難しいと判断し、様子を探っていたイーシェンは怪人の身体から何かが排出されたことに気付く。
「電車のオモチャあるか?」
 ユーベルコードで複製した自分を操作して回収する。壊れてはいるが、それは鉄道模型であった。その側面に書かれた文字は。
「……クモハ103……」
 マルグリットが急に解説してくれた車種である。イーシェンはもう一度怪人を見た。ダメージが残っているせいかとも思ったが、先程に比べて明らかに動きが悪い。
 このクモハが出てきたせいだとするなら、敵のパワーアップには必ず何かの媒介とそれを取り込む動作が必要だという事だ。弱体化している今なら、次の一手を必ず準備するだろう。
 やがてイーシェンは、怪人が何度か腰の後ろに手をやっている事に気が付いた。
「……あの辺が料理のしどころネ?」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

イーシェン・チェンズイ
なんだか弱点らしく所発見したアルヨ。ならば、一気に攻めるアル!マグロ怪人たちが作ってたツナマヨ握り、魚肉アル!魚肉食べてパワーアップし、フォークを槍のように投げて怪人の腰を貫くね!その後、みんなに情報を伝えて、そこを叩き続けるアル!イーシェンもすぐにフォーク回収して、めちゃくちゃに解体するアルヨ!



「なら、一気に攻めるアル」
 イーシェンが取り出したのは、既にお馴染みのツナマヨおにぎり。
「いただきますアル」
「えっ、あんたそれ、食べんの!?」
 言うが早いか、イーシェンのマスクにぽっかりと大きな穴が開き、おにぎりを丸ごと吸い込む。
「来た……キタキタキタキタ!」
 非酸化性の油脂、DHA、ミネラル等々、マグロだけでなく魚類には様々な栄養素が含まれる。だがイーシェンの身体に超常の力をもたらすのは、もっとシンプルな概念。自分以外の動物の身体ーーつまり、肉だ。
「狙いはーーそこネ!」
 動物性蛋白質が全身に行き渡り、力がみなぎる。何となく頭も冴えているように感じるのは、DHAの働きだろうか?
 イーシェンは片手にフォークを握ると力強く身体を捻り、槍投げよろしく発射した。
 十分な引きをもって解き放たれたバネ仕掛けのように鋭い軌道を描き、フォークが怪人の腰部に取り付けられたラックを貫く。
「しまった、私の愛蔵品が!」
 破壊されたラックから時刻表や鉄道写真などが零れ落ちた。
「オタグッズでパワーアップしてたなんて……」
 何故か裏切られたような目を向ける蒼。だが、これで肉体強化のユーベルコードは封じられた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユキノ・サーメッティア
この怪人はここら一帯をツナ路線に変えるつもりだったのか?
何のためにやろうとしてたのかわからんけど!
住んでるキマイラ達がむしろ嫌気さすほどに瞳が死んでたし…
むしろ失敗だったんじゃないのだろうか
いや、何があろうとさせないけど!

機関車の「WIZ」攻撃に対して
こちらからも突撃ぃ!

【ダッシュ】にさらに【ダッシュ】を重ねて超加速して接近
突進を【見切り】で避けつつも
UC『ナーデゲヴァル』ですれ違い様に斬りつける!
「さんざん歩かせられたお返しだー!」

とりあえず、ツナマヨお握りは…うん、お土産にしよう…
キマイラ達に振る舞うにも飽きてるだろうし
30食なんて一人じゃ食べきれないし
シャツはお返しするね
(顔にかける)



「そもそも街中ツナマヨだらけにして、何がしたいのよ?みんな目死んでるし」
 態勢を立て直す怪人の背後にユキノが回り込んだ。
「無論、旧人類の復活だとも!」
「いや、だからどうやって」
「蒸気機関とツナマヨが起こすイノベーションによって!」
「あー、うん……」
 ユキノは何となく理解できた。要は何も考えていないのだ。
 キマイラ達が滅びた昨日に興味を持たず今だけを楽しんでいるのと同じように、怪人達も旧人類の復活なんて大目標を掲げながら、今を破壊することにしか考えがいかない。
 ある意味似た者同士、この世界らしい生き方だと言える。
「だからって、させるわけないけどね!」
 ユキノの脚から超常の力が立ち上り、一気に距離を詰める。負けじと怪人が再変形し、速度を上げるが、それこそユキノの狙いだった。

「走ってる最中が一番効くはずよね?」
 ゼロ距離からのナーデゲヴァル。蒼の拳で歪んだ動輪にさらなる一撃が加わった。歪みはシャフトに至り、辛うじて直進していた車体がバランスを保てなくなる。怪人はもんどり打って地面に投げ出された。

成功 🔵​🔵​🔴​

アレクシア・アークライト
機関車の怪人を相手にするのは貴方で3人目だけど、みんな性格が違うのね。
1人目は野球の素晴らしさを広めようとしていた。
2人目は正々堂々の勝負に命を懸けていた。
だけど、貴方からはツナマヨへの想いが何も感じられないわ。

軸がない怪人なんて、ただの“雑魚”。マグロ怪人の方がよっぽど“大物”よ。
そんな貴方には、ツナマヨおにぎりをその10個ある排気口いっぱいに頬張らせてあげる。(念動力、サイコキネシス)
ツナマヨが焼ける臭いを胸に抱いて、死んでいきなさい。

ところで、ツナマヨおにぎりはあるのに、カレーおにぎりが売ってないのって、何故なのかしらね?[タイトル回収]
ま、私は紅シャケが一番好きなんだけど。[台無し]



「機関車の怪人を相手にするのはあなたで3人目。でも貴方からはツナマヨへの想いが何も感じられないわ!」
 畳みかけるように現れたのはアレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)であった。
「軸のない怪人なんてただの"雑魚"。自らが撒き餌扱いしたマグロ怪人の情熱を思い知りなさい!」
 アレクシアの全身から不可視の力が立ち上り、辺りに転がったツナマヨおにぎりの山を持ち上げていく。
「このツナマヨおにぎり、その排気口いっぱいに詰めたらどうなるのかしらね?」
「ど、どうなるのだ?」
「知らないわよ、自分の身体でしょ」
 まさか素で返されるとは思わなかったが、やることは同じだ。アレクシアが浮き上がったおにぎりに思念を飛ばすと、全身10カ所の排気口に20人前はくだらないおにぎりが次々吸い込まれてゆく。

「こ、このままでは!?」
 いっぱいに詰まったツナマヨおにぎりに、排気口を流れていた高温の蒸気が衝突。
 パァン!とはじけ飛ぶ金属片に混じって、香ばしくかつふっくらとした塊が舞った。
「くっ、ツナチャーハンになったか……!」
「なるの!?」

 激しい応酬とは裏腹に、辺りには食欲を誘う油と蛋白質の焦げる香りが立ち込める。

 お昼まだかな。

成功 🔵​🔵​🔴​

久世浦・穗積
機関車とツナマヨの関係性がやっぱりイマイチわからない
これはやっぱりアレだな
「カレー」が足りなかったんだ!(ばばーん)
ツナマヨと機関車にカレーを足すことによって
怪人の恐ろしい深淵なる計画が明るみに……(ぷすぷす)

うん、考えても分からないからとりあえずぶっ飛ばそう
ちっちゃくてもPOWはすごいぞ!覚悟しろ
【召喚・華麗魔神】!!
全長54㎝程度のムキムキマッチョなナイスインド華麗魔神が
華麗にカレースプーンを振り回して襲い掛かります
そろそろトドメを刺さないとね
でもお土産にツナマヨは勘弁な!
ああ、カレーが食べたい



「まだだ!!」
 穂積には確信があった。
「お前には……いや世界には、カレーが足りない!」
「なんだと!?私の引いたダイヤの中に、不足などあり得ない!!」
「不足してるだろ!何よりも論理性が!」
「ぐぬッ!?」
 よろめく機関車怪人。ちょっと自覚があったようだ。
「ならば!出でよ臨時急行・スチームミサキ2号!!」
 機関車怪人の破れた配管を食い破り、もう1両の巨大な機関車が出現する。
「我が最後の力で不足する全てを補ってみせよう!」
 瀕死の身体を鞭打って、怪人は機関車に飛び乗った。

「上等だ!だったらこっちも見せてやる、涅槃より現れ出ずる淘汰の魔神!!」
 穂積が振りまいたガラムマサラが中空で魔方陣を描いた。スパイスまみれで目に痛い風の中から現れるのは、逞しき上半身と富を示すぽっちゃり体型、ダンディな口髭のナイスガイ。その名も華麗魔神だ。
『ごきげんよう皆さん、チャイはいかがかね?』
 しかも紳士だ!だが全長は54㎝だ(ルール裁定)。

「そんな小型の紳士など!!」
 背丈だけで5倍近い体格差。だが魔神の身体を駆け巡るカレーの奔流は、巨大な鉄の塊をも凌ぐ紳士の力を生み出していた。
「ツナマヨ日和はもうおしまいだ!全員今日から毎日カレーを食え!!」
 突然無体を言う穂積の動きに合わせて、魔神の太い腕が機関車に振り下ろされる。
「ばかな……我がミサキ市場直通線の野望が……!」
 変則2両編成の機関車は今度こそ機能を停止し、爆炎と共に鉄屑と化した。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月16日


挿絵イラスト