エンパイアウォー⑯~忍者屋敷大決戦
●風魔の棟梁
「猟兵とは目ざとい奴らだな。もうここが見つかったか。まぁよい、この百面鬼が直々に相手をしてやろう」
サムライエンパイアのとある忍者屋敷で面をつけた鬼が独り嗤う。
「さぁ来るがいい。風魔忍法の総てを見せてやる」
●グリモアベースにて
「皆様、此度の戦争お疲れ様です。ここまでの皆様の活躍により敵幹部の一人『風魔小太郎』の所在が判明しました」
そういって猟兵たちを出迎えたアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)は無表情ながらどこかいつもより気分が高揚しているようだった。
「風魔小太郎がいる今回の戦場となる場所は『風魔忍軍の忍者屋敷』となります。どうやらこの屋敷、忍者屋敷の名にふさわしく様々な仕掛けが隠されているようです。当機が予知した仕掛けは『隠し矢』どうやら壁や床、天井の至る所にスイッチが隠されておりそのスイッチが重さや衝撃を検知することでその場所に矢が放たれる仕掛けのようです。矢は火や毒など様々な種類がありますがユーベルコードではありませんので皆様にとっては大きな脅威にはなりえないでしょう。しかし対策を怠れば戦闘における邪魔の一つになりかねません。相手は強敵、少しでも隙を作ればそこを狙われるでしょう」
当機が今わかっているのはこれだけです。とアマータは言う。
「ですがこれまでも数々の強敵を打破してきた皆様であれば今回もまたこの困難を超え先へ進めると当機は信じております」
最後にカーテシーと共にアマータは告げる。
「どうかご武運を」
猟兵たちの転移が開始された。
灰色幽霊
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
どうも、灰色幽霊です。
予想より早い幹部戦でちょっと驚いております。
忍者屋敷の仕掛けもうまく使うと有利に事を運べるかもしれません。もちろん対策も忘れずに。
以下、注意事項です。
百鬼面・風魔小太郎は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
さぁ、皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。この戦争初の幹部戦。初陣を勝利で飾りましょう。
注意事項などはMSページをご覧ください。
第1章 ボス戦
『百面鬼『風魔小太郎』』
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POW : 風魔忍法『風魔頭領面』
自身の【身に着けた『面』】を代償に、【召喚した風魔忍者の軍勢】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【忍者刀と手裏剣】で戦う。
SPD : 風魔忍法『六道阿修羅面』
自身の【髑髏の面の瞳】が輝く間、【六本の腕で繰り出す忍具や格闘】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 風魔忍法『死鬼封神面』
【歴代風魔小太郎たち】の霊を召喚する。これは【極めて優れた身体能力を持ち、手裏剣】や【鎖鎌】で攻撃する能力を持つ。
👑11
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ヴィヴィアン・ランナーウェイ
アドリブ・連携歓迎
一定の衝撃を与えると作動する弓。
ふふ、相性最悪。
ですが、躊躇う理由はありませんわね。
多少の被弾は●覚悟の上。この脚に●勇気を込めて屋敷中。●ダッシュで駆けぬけ、スイッチの位置の傾向を探りましょう。よさげな個室を見つけておくのも欠かせませんわね。
あとは、忍者たちを上手く個室へと誘導。
1人ずつ個室に誘導できれば、槍で敵との距離を保ちつつ、スイッチの場所を打ち付けることで矢を起動。その隙に槍で撃破!
を、ひたすら繰り返しますわよ!
お待たせしました風魔小太郎!
体力はまだまだ余裕です!
我がUCは貴方と渡り合うための知恵をさずけてくれました。
その仮面ぶっ壊します!
燃えなさい覚悟の槍!
●勇猛果敢な悪役令嬢
「逃がすな! 追え!」
「そう簡単には捕まりませんわ!」
転移早々忍者屋敷の中を走り抜けるヴィヴィアン・ランナーウェイ(走れ悪役令嬢・f19488)。その背後には風魔小太郎の呼び出した風魔忍者の軍勢が血眼となり迫っていた。彼らは既知の屋敷故仕掛けの場所は把握している。しかしヴィヴィアンはそうではない。床に仕掛けられたスイッチを踏み抜き顔面目掛けて矢が飛来する。
「危ないですわね!?」
それを紙一重で躱すヴィヴィアンだが仕掛けはこれだけにとどまらない。屋敷中を駆けまわる間は常に仕掛けに気を配らねばならない。
(これでだいぶこの屋敷の構造は把握できましたわ)
ヴィヴィアンが危険を承知で屋敷の中を駆けぬけたのには理由がある。今回は多勢に無勢。風魔忍者全員を相手取り戦っていては本命の小太郎と戦う前に消耗してしまう。だからヴィヴィアンはこの屋敷自体を利用し相手の分断を図る。走りながら部屋の配置、仕掛けの場所、忍者の行動パターンを把握し忍者たちを各個撃破すべく誘導を始める。
ヴィヴィアンは迫る忍者の手裏剣を避けるフリをして通路に隣接する小部屋へと身体を滑り込ませる。そこへ先頭の忍者が足を踏み入れた瞬間ヴィヴィアンが手にする『アリスランス・烈火』が壁に設置された仕掛けを起動する。
「ビンゴですわ!」
それはヴィヴィアンではなく今まさにこの部屋に足を踏み入れた忍者を狙う火矢の罠。忍者も難なく矢を手にした忍者刀で切り払うが同時に距離を詰めていたヴィヴィアンの槍がその身体を貫き塵へと還していく。そのままヴィヴィアンは反転し別の出口から隣の通路へと駆け出していく。
「忌々しい猟兵め!」
ヴィヴィアンはこれを繰り返し着実に取り巻きの風魔忍者の数を減らしていく。
もちろん無傷とはいかないが多少の傷と引き換えに風魔忍者の軍勢は当初の見る影もなくその数を減らしていた。
「使えぬ奴らよ。結局はこの百面鬼が相手をせねばならんとは」
故に次に出てくるのは風魔小太郎本人。
「お待たせしました風魔小太郎!」
ヴィヴィアンもその身に傷はあろうともその心は未だ折れず、その表情は自信に満ちていた。たとえ相手がどれだけ強大だろうと【悪役令嬢は己を疑わない】。ヴィヴィアンがヴィヴィアンでいる限り勝利の可能性は常に存在する。
覚悟の槍に炎を灯し悪役令嬢は百面鬼と相対す。
「その足、斬り落としてくれる」
「その仮面ぶっ壊します!」
―――忍者刀と燃え盛る槍が交錯し屋敷に面の割れる音が鳴り響く。
成功
🔵🔵🔴
ユース・アルビトラートル
……ユーベルコードを畏れるべきか、自分の不器用を呪うべきか。
ボクの使用UCは、被害がある前提で効力を得る。攻撃を受けないことより、「風魔小太郎が」「主犯として」「自身を攻撃したことを」「確信すること」が重要。例えば霊を召喚する瞬間を目撃出来て、それがボクに攻撃して来ても成立する。ならば視線や意識を限定できて、かつ小型で空を飛ぶ存在が普遍的でないこの世界なら、射線も意識しないであろう天井側の廊下の角などを背に飛行しながら風魔を待ち受ける。目さえあれば、現行犯に手間もなし。
勇気はある。痛い目に遭う覚悟もある。知識も総動員した。さて、命は等価也。――此の肉斬れば、貴殿に釣り合う傷は如何程か。
●謹厳実直な法曹
「おのれ猟兵めぇ……」
割れた面を投げ捨てて風魔小太郎は立ち上がる。面を割った忌々しい猟兵の姿はもはやない。しかし未だこの屋敷から猟兵らしき部外者の気配は感じる。
「念には念を入れておこう。【風魔忍法『死鬼封神面』】」
印を結んだ風魔小太郎の呼びかけに応え現れる歴代の風魔小太郎たち。近代には及ばずとも一人一人が風魔忍軍の棟梁であった者たち。彼らが近代の命に従い屋敷の侵入者を炙り出さんと行動を開始する。
「……」
そんな様子を廊下の角から目撃する一人の猟兵。それはユース・アルビトラートル(見据えるもの・f03058)という一人の少年。ユースが数多の仕掛けが施されたこの屋敷で傷一つなくこの場にいるのはたった一つの簡単な答え。
それはユース自身が空を飛び、仕掛けを起動するほどの体重を持たぬフェアリーだからに他ならない。床のスイッチに接触することもなく壁のスイッチに触れても重さが足りぬ。この世界に存在しえない妖精だからこそ為し得たこの潜入。
被疑者が凶器を用意する様は目撃した。しかしまだ犯行は目撃していない。
つまりまだユースのユーベルコードは使用条件を満たしていない。だからこそここで次なる一手を打たねばならない。
勇気はある。痛い目に遭う覚悟もある。持てる知識も総動員した。
ユースは徐にその背にある壁に自身の身体を叩きつけた。
「何奴!?」
何代目かわからぬ風魔小太郎が音のした方向に手裏剣を放つ。音の発生源たるユースは迫る手裏剣を避けようとせずその身に刃が突き刺さる。
被疑者の犯行を視認。現行犯として対処する。
風魔小太郎が行った召喚。
召喚された風魔小太郎の攻撃。
この身に受けた傷。
条件は整った。ここに【同害刑】は成立する。目には目を歯には歯を。痛みには痛みをもって制裁を加えるユースのユーベルコード。被害者たるユースの腹部へと突き刺さる手裏剣の痛みを上限とし加害者たる風魔小太郎へ制裁が加えられる。
「さて、命は等価也。――此の肉斬れば、貴殿に釣り合う傷は如何程か」
「どういう意味だ!」
法の知識など皆無の風魔小太郎に説明したところで十全に意味を理解してもらえるわけもないだろう。故にここはたった一言。
「因果応報ってやつだよ」
ユースの手から落ちた『法典』が床の仕掛けを起動し歴代風魔小太郎の周囲へ矢が迫る。放たれた矢は被告人の身体を貫き裁きを与える。
成功
🔵🔵🔴
イデアール・モラクス
シノビマスターが相手か、愉しませて貰おう!
・対先制
『高速詠唱・全力魔法』で【自身の全周囲に雷撃を放つ魔法】を繰り出し、魔導ビットの『一斉射撃』を全方位に放ち、魔剣の回転斬りで周囲を『なぎ払う』という三種の『範囲攻撃』による『武器受け』で死角を潰し敵の繰り出す攻撃を防御。
「それがどうした!」
・反撃
UC【魔導覚醒】を『高速詠唱』行使。
両手から次々と『全力魔法』の力で威力を増した『属性攻撃』魔法【風の刃、聖なる光線、闇の球体、炎弾、氷の槍】を無詠唱連射、圧倒的弾幕の『範囲攻撃』と成して死角が無くなるほどの飽和攻撃で小癪な罠ごと敵を『なぎ払う』
「逃げてみろ、隠れてみろ、出来るならなァ!」
※アドリブ歓迎
ゲンジロウ・ヨハンソン
○アドリブ歓迎
○仕掛け
受けないならそのがええじゃろ、仕掛けボタンがありそうな壁や床は【怪力】で剥がしたり破壊したり。
罠が発動したら【クイックドロウ】の反応速度で【オーラ防御】を展開。
オーラで【盾受け】をし毒類との接触を避けるようにする。
○先制攻撃対応
「たった百面」しかないなら無駄撃ちはできんじゃろ、先制とっとるなら油断して代償も少なめにすると読もう。
ま、そうでなくても【激痛耐性】で耐えて【カウンター】で【気絶攻撃】じゃ。
全部相手してられんし早々退場願おうか。
○VS小太郎
己が無敵であるという【覚悟】を抱き【選択したUC】を発動。
覚悟で疑念を振り払い、【捨て身の一撃】で百面を叩き割ろう。
●破天荒解な魔女と不撓不屈な英雄
「シノビマスターが相手か、愉しませて貰おう!」
「随分元気なねーちゃんじゃがわしもご一緒させて貰おうかのぅ」
「次から次へと……」
身体中に刺さる矢を抜きながら風魔小太郎は悪態をつく。猟兵たちの息もつかせぬ襲撃が確実に風魔小太郎の体力を奪っていた。そんな中、次に現れたのはイデアール・モラクス(暴虐の魔女・f04845)とイデアール・モラクス(暴虐の魔女・f04845)の2人の猟兵。気分を高揚させ高らかに笑う魔女と全身を鎧に包んだ傭兵が風魔の頭領と相対する。
「もはや全力で叩き潰すほかあるまい」
その顔につけた面を外し呼び出したのは風魔忍者の軍勢。そして結ばれた印より再度召集される過去の風魔小太郎たち。
「本来であれば数で押すのが貴様ら猟兵の戦い方だろう? 形勢は逆転したな。かかれ!」
風魔小太郎の合図とともに風魔忍軍の総員が2人の猟兵へと襲い掛かる。
「このままじゃやばくねぇか!?」
「まだだ! ここではまだ足りん!」
飛来する手裏剣と鎖鎌、そして仕掛けの矢を2人は防ぎながら屋敷を駆け抜ける。それはイデアールの策を十全に発揮する場所へと戦場を移すため。
イデアールは迫る攻撃を自身の周囲に雷撃を纏うことで迎撃し、指を鳴らして召喚された自律式小型攻撃兵器『魔導ビット』を自身の周囲に滞空させて一斉射撃で迫る風魔忍者を撃ち落とさせる。放たれる飛び道具の数々は真紅の刀身を持つ禍々しき魔剣『暴虐の魔剣《ドミナンス》』を振るい斬り落とす。駆け抜ける魔女の顔は常に微笑しこの戦況と楽しんでいた。
「それがどうした! この程度か!」
対してゲンジロウは放たれる仕掛けの数々をその身を纏うオーラと盾を併用し自身の身体を接触することなく防ぎきる。手数が足りず歴代風魔小太郎の鎖鎌がゲンジロウの手足を絡めとる。しかしその程度の妨害を意に介さず痛みに耐えきりゲンジロウは自らの怪力をもって手足を振りぬき仕掛けの隠された壁や床に歴代の風魔小太郎たちを叩きつけ、その一撃は過去の風魔小太郎たちの意識を刈り取り仕掛けそのものも破壊する。
「ほーれまだまだいけるぞぉ!」
こうして2人の猟兵は少しずつ敵の数を減らしながら目的の場所を目指す。魔女が本領を発揮できる開けた場所を。
「よし! あそこだ!」
「おうよ!」
屋敷の中を駆け抜けた2人が目を付けたのは離れの道場。入口から入るなどという行儀のよいことはせず壁をぶち破りイデアールとゲンジロウは道場の中に滑り込む。
「袋の鼠だ! 追え!」
ほかの場所よりも多くの罠が仕掛けられた道場の中。そこが猟兵の死地とばかりに風魔小太郎の命により追撃するため後を追う。
それこそが2人の目論見だとは気づかずに。
道場へ足を踏み入れた風魔忍軍の目の前に飛び込んできたのは視界を埋め尽くさんばかりの魔法陣。それはイデアールが【魔導覚醒】により展開したルーン魔術の浮かぶ魔術による結界。
「私の本気を見せてやる、光栄に思えよ?」
その言葉と笑みと共に詠唱もなく放たれる風の刃、聖なる光線、闇の球体、炎弾、氷の槍の圧倒的弾幕。そのすべてが道場へ足を踏み入れた風魔忍軍を切り裂き、貫き、呑み込み、燃やし、凍てつかせる。この飽和攻撃は風魔忍軍のみならず2人がいる道場すらも仕掛け事破壊していく。
「逃げてみろ、隠れてみろ、出来るならなァ!」
そんな中相対する全身鎧の傭兵ゲンジロウと風魔忍軍の頭領風魔小太郎。
「よもやここまで追いつめられるとはな」
「まだ余裕がありそうに見えるがのう」
面が割れ、身体に矢傷を作ろうと未だ風魔小太郎は健在である。その強大さを前に立つゲンジロウは肌をもって感じていた。それでも倒さねばならない相手であり負けることは許されない。己こそが無敵だという覚悟を抱き、脳裏に宿る疑念を振り払い傭兵は【英雄志望】で想像から英雄たる武具を創造する。
それは今まで身に纏っていた武骨な鎧ではなくさながら冒険譚に出てくる英雄が如き純白の炎を纏う神々しい鎧。英雄が手にするのは盾と剣。英雄たるその身にはただそれだけで事足りる。
「ほう? いい剣だな。私も手を貸してやろう」
そこへ暴虐の限りを尽くした魔女が合流し、ここに英雄と魔女が揃う。
「英雄の剣と魔女の魔剣。お前さんは耐えられるか?」
―――交差する純白の剣と真紅の魔剣。その二振りが忍の面と腕を両断する。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
スヴェトラーナ・リーフテル
「南に炎、西に水、東に風、北に土。四大……転換期における聖人躯体の起動を確認」
「猟兵とそれに連なるものを聖、オブリビオンとそれに連なるものを俗とし」
「世界の加護よ、あれ」
すぐさま身体の延長である護符をばら撒くことで空間を聖域化し、環境を自ら有利に改変。これにおける聖と俗の別によって罠を無力化しつつ自らにはオブリビオンへの耐性と特効、オブリビオンにはあらゆる弱体化が生じます。
「これでひとたまりもあるまい……お前の席ねーから!」
以上の効果によって歴代風魔小太郎達の攻撃を耐え、機会があれば味方と共に彼等を消し、本丸の百鬼面打倒を護符で殴り殺します。
「ハレルヤ!罪人なきこの世界に祝福を!!」
●聖人無夢な実装者
「まだだ…まだ終われん……信長公のためにも」
腕を失い、いくつかの面が割れても風魔小太郎は傷だらけの身体を引きずり跡形もなくなった道場から忍者屋敷の本邸へと戻ってくる。この身体でも出来る事がまだある筈。
「して、お前が次の相手か」
「ええ、そうなりますね」
そんな風魔小太郎の前に現れたのはスヴェトラーナ・リーフテル(実装者・f03738)。護符の握られたその手を見て風魔小太郎は即座に再度歴代風魔小太郎を召喚する。何度消し飛ばされようと召喚し直せば歴代の風魔小太郎は無傷で現れる。今代の身体がどれだけ傷つこうと面さえ無事ならば戦い続けることができる。
「南に炎、西に水、東に風、北に土。四大……転換期における聖人躯体の起動を確認」
しかしスヴェトラーナはそんな風魔小太郎の動きを意に介さず護符を周囲にばら撒いていく。
「猟兵とそれに連なるものを聖、オブリビオンとそれに連なるものを俗とし」
その護符は猟兵とオブリビオンを別つ聖域を生みだす境界線。
「世界の加護よ、あれ」
その聖域では俗の連なるモノは効果を十全に発揮することはできず、聖となったモノは俗の万物に耐性を持ちその行動は俗の存在を否定する。
スヴェトラーナが歩を進めその足が仕掛けを起動し矢が飛来しても俗に連なるモノと認定されたその矢はスヴェトラーナの身体へ到達する前に勢いを失い地に落ちる。
「これはどういうことだ……行け!」
歴代の風魔小太郎もスヴェトラーナを狙うがその動きは先程までの物とはまるで別。鈍重な動きとキレの無い攻撃。放たれる鎖鎌もスヴェトラーナの身に触れることすらない。
「この世界があなたの存在を認めていないということです」
スヴェトラーナの歩みは止まらず今代の風魔小太郎の元へと近づいていく。矢も手裏剣も鎖鎌もその歩みを止めることはできず遂には手の届く距離まで到達した。
「あなたにもっとわかるように言いなおしましょう」
スヴェトラーナは護符をその右手に巻きながら微笑んだ。
「これでひとたまりもあるまい……お前の席ねーから!」
この世界にオブリビオンが存在する余剰はない。異物である彼らは排除されて然るべき存在。
「ハレルヤ!罪人なきこの世界に祝福を!!」
振り抜かれた聖なる一撃が祈りと共に忍の面を撃ち貫き粉砕する。
成功
🔵🔵🔴
リミティア・スカイクラッド
隠し矢のスイッチを踏まないよう「風に乗りて歩むもの」で「空中戦」を挑みましょう
先制攻撃に対して「高速詠唱」でUCを発動、歴代風魔小太郎の持つ手裏剣や鎖鎌をこちらの操る宝石に変換し、武器の奪取を試みます
成功してもその身体能力と百面鬼本人による攻撃は驚異
不滅の宝石を防壁にしてどうにか耐え凌ぎましょう
防御に徹している間に戦場に配置されている仕掛けを「情報収集」
宝石を使って一斉作動させ、大量の隠し矢を放ちます
一瞬でも隙を作れれば十分
宝石剣の「封印を解く」と変換した宝石と融合させた「全力魔法」の斬撃を
骸には火を、墓には花を
それがリムの願い。そしてこれがリムの全力の一撃です
受けてもらいましょう、百面鬼
ヴィサラ・ヴァイン
ニンジャ屋敷…キマイラFのアトラクションと違って雰囲気がピリピリしてるね…いや敵陣だから当たり前だけど
[第六感]で罠のスイッチを位置を感知し踏まないよう気を付けながら[目立たない]ように潜伏
…なんて言ってたらUC製の、歴代風魔小太郎の霊たちが先制攻撃しに来たね…でもそれは想定済み
【魔女の黒猫】を召喚して視界と《魔眼『コラリオ』》を黒猫と共有
屋敷内の障害物を利用し攻撃の来る方向を制限、死角から襲って来る霊達をも[範囲攻撃]で石化させる
石の重みでスイッチを押し飛来する矢の盾にするよ
石化の[恐怖を与える]事で本体の接近を牽制
その隙に黒猫を追跡させる
…後は黒猫が石化の魔眼で[暗殺]するのを見届けるよ
●晶瑩玲瓏な魔女と心堅石穿な蛇姫
「来ましたよ、ヴィサラ」
「うん、準備はいいよリム」
『風に乗りて歩むもの』に魔力を流し軽やかな足取りで空を駆けるリミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)と死角にその身体を滑り込ませながら屋敷を進むヴィサラ・ヴァイン(魔女噛みのゴルゴン・f00702)の二人。仕掛け罠は全て回避しここまで来た2人だが目の前に腕を失いその顔につけていた面も残り数枚となった風魔小太郎の影が。
「面も無くなり腕も欠けた。だがそれでもこの百面鬼は風魔の頭領。今代の風魔小太郎である誇りがある。故にその命、貰うぞ猟兵」
結ばれた印と共に歴代の風魔小太郎たちが再び姿を現す。
―――ここに風魔忍軍最後の戦いが幕を開ける。
「放て!」
今代の言葉と共に放たれる屋敷の通路を埋め尽くさんばかりの手裏剣たち。逃げ場のないその圧倒的数にリミティアは魔女たる智慧を術で対抗する。
「この不滅の輝きに、願いを込めて」
『妖精杖エリクシル』を振るい描かれる魔法陣。此度描かれたそれは周囲の物質を不滅の宝石へと変換する魔法。風魔小太郎たちの手から離れた手裏剣は色鮮やかな宝石へと姿を変え、その主を忍から魔女へと転換させる。武器を奪われた風魔小太郎たちだがそれでも彼らにはまだ鍛え上げられたその肉体が存在する。例え宝石の壁があろうと忍はそれを超え魔女へと迫る。
「それじゃあリムを助けてあげて、グリマルキン」
武器を防ぐのはリミティアの役目、忍を止めるのはヴィサラの役目。呼び出された【魔女の黒猫】はニャアと一鳴きし、空を駆ける魔女の後をついてく黒猫。その瞳は主と同じ石化の魔眼『コラリオ』を宿し見た物を石へと変える。それは歴代の風魔小太郎ですら例外ではなく宝石の壁を超えた忍は石化の視線へと晒されその身体を末端から石になっていく。
放つ武器は宝石に。その身体は石像に。
過去に栄華を誇りし風魔の頭領たちはリミティアとヴィサラの連携を前に為すすべなく石へと変えられていく。床へ転がるその石像はその重みで床の仕掛けを起動し周囲に矢の雨が降る。しかしその矢ですらリミティアの手により宝石へと変換され床には宝石が山となる。
「面妖な術を使う」
残ったのは今代の風魔小太郎ただ一人。既に6本あった腕も残りは4本。面も半数以上が砕け散りその姿は見る影も無くボロボロだった。
「だがその首一つはとらせてもらおう」
残った腕に忍者刀を構え只一人残った今代の風魔小太郎は2人の猟兵と相対する。
「その瞳に映らねば石化はしないのだろう?」
傷だらけの身体とは言え風魔の頭領。ヴィサラと黒猫の視界からズレるように位置を取り接近を試みる。
「リム、やっちゃって」
「確かにヴィサラの視界からは逃げられるかもしれませんがリムもいるのですよ」
転がる宝石たちを自在に操りリミティアはここに来るまでに確認した仕掛けを一斉作動させる。それは隠れながら移動を続ける風魔小太郎をあぶり出すための策略。屋敷の主たる風魔小太郎本人は仕掛けを起動することはないだろうが操られた宝石が打ち抜けば別。宝石と矢の2種類の弾幕が風魔小太郎を狙い放たれる。
「よもや自ら用意した仕掛けが牙をむくとはな」
迫る矢と宝石を斬り払いながら風魔小太郎がその姿を晒す。
「その隙を待っていました」
そこへリミティアが周囲の宝石を束ね『宝石剣エリクシル』の周囲に展開する。封印の解かれた宝石剣は散らばる宝石を吸収しその刀身を七色に輝かせ巨大化させる。
「骸には火を、墓には花を。それがリムの願い。そしてこれがリムの全力の一撃です」
願いを叶える宝石たちをその身に宿し宝石剣は光り輝く。主たる魔女の願いを叶えるために。
「させぬ!」
「こっちのセリフだよ」
光り輝く宝石剣に風魔小太郎が目を奪われている間に黒猫はその背後へと移動していた。
「くっ」
即座に気づき飛び退く風魔小太郎だったがその右足は既に石となっていた。
「受けてもらいましょう、百面鬼」
一筋の光が忍者屋敷もろともその主を両断し、光が晴れた時にはもう塵すら残ってはいなかった。
こうして猟兵たちの活躍により第六天魔軍将の一人である百面鬼・風魔小太郎は骸の海へと還された。しかし戦争はまだ続く。猟兵たちは新たな戦場へと向かっていく。
大成功
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