●
グリモアベースの片隅に、少女はいた。
いつもの場所、背もたれの無い椅子に腰掛け、猟兵達を見つめる肆陸・ミサキ(狩られるモノ・f00415)だ。
ふと、これもいつものように集まってきた彼らにミサキは笑いかけ、そして言う。
「お疲れさま、みんな。お陰さまで、風魔小太郎の居所を予知出来た」
進展だ。
世界の命運を分ける戦い、その大きな転機を告げる。
いいかい? と、前置きを一つ入れて、
「いいかい、みんな。風魔小太郎が潜むのは、風魔忍軍の屋敷だ。他のオブリビオンは存在しない屋内だが、小太郎のユーベルコードで喚び出されるのは想定出来るし、魔軍将である本体の戦闘能力はユーベルコードに由らない力を持つだろう」
それに、それだけが問題ではない。
人差し指を立て、ここが重要だ、と、注目を集めて言う。
「戦場は、風魔が育つ、忍者の屋敷だ。そこにあるのは侵入者を排除し、忍を鍛え上げる為の殺意装置」
例えば、竹槍の敷き詰められた落とし穴だ。
針天井の押し潰しもあるだろう。
壁から吹き出る矢が有ったり。
そもそも小太郎が居る部屋へ辿り着けるまでに迷うことだってあるかもしれない。
「ただでさえ強力な小太郎の前に、その仕掛けを突破する必要がある。と言っても、それらはユーベルコードではないから、脅威ではないんだ。
──ただ、小太郎に集中したい今、些細な懸念は致命的だろうさ」
わかるかい?
「忍者屋敷へ侵入し、罠を退け、小太郎へと対峙し、倒す。これから君たちがやることは、そういうことだ」
よろしく頼むよ、と。
そう締めたミサキは、グリモアを使って忍者屋敷の前へ繋いだ。
ぴょんぴょん跳び鯉丸
百鬼面・風魔小太郎は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
という感じで戦争の続きですね。
やることはいつも通りなので、考えを巡らせたプレイングをお待ちしております。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
第1章 ボス戦
『百面鬼『風魔小太郎』』
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POW : 風魔忍法『風魔頭領面』
自身の【身に着けた『面』】を代償に、【召喚した風魔忍者の軍勢】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【忍者刀と手裏剣】で戦う。
SPD : 風魔忍法『六道阿修羅面』
自身の【髑髏の面の瞳】が輝く間、【六本の腕で繰り出す忍具や格闘】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 風魔忍法『死鬼封神面』
【歴代風魔小太郎たち】の霊を召喚する。これは【極めて優れた身体能力を持ち、手裏剣】や【鎖鎌】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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忍者屋敷の前。
静寂を持つその建物から漏れ出る禍々しい気配は。
猟兵の背筋を冷たく撫でた。
レイ・アイオライト
暗殺者が忍びと相対するなんて……馬鹿馬鹿しいとは思うけどね。
転移前に濃厚な影のオーラを纏ってオーラ防御、攻撃系の罠はオーラで防御するのと、落とし穴は『闇ノ足音』で影を足場にして回避する。
影のオーラは相手の視界を眩ませることも考えてるわ。
影のオーラで闇が蔓延する空間の中、忍具や格闘で突撃してきたら『影縫ノ暗剣』で行動不能にする。
いくら高速攻撃が可能でも、動きが封じられれば意味がないでしょ?
UCで闇に潜んで『目立たない・だまし討ち・暗殺』。
自分が暗殺される側になる気分はどうかしら?
●
転移の感覚の中に在って、全身を覆っていく影の感触を確かめる。
今、この体は闇と同じになって、飛び込む敵の懐へと適応すべく変じていた。
「……暗殺者が忍と相対なんて、馬鹿馬鹿しい話だと思うけどね」
似た印象があるが、その実、有り様は全く違うものだと思う。
が、一先ずそれは思考から追いやって、転移後の着地と同時に屋敷へ飛び込んだ。
……聞き及んだ罠は、幾つかあるわね。
それは大まかに、動きを阻害する物と直接的な攻撃の二種類。
なら、それ自体はこの影の身で対処が可能だ。
カチリと、踏んだ床板が噛み合う音と共に、歩む筈の足元が墜ちる。
「っと」
浮遊感。だが、問題はない。足へ意識を集中させて、進む先の縁へと影を伸ばして道を造って上る。
「──!?」
と、目の前には矢の群れだ。
前へ進みながら影のオーラを前面へ。弾くイメージで広げたそれに矢は逸れて、廊下をただ駆ける。
そして。
「徳川の刺客か」
最奥の部屋、その中央にそいつは居た。
四隅には明るいほどの火が付いた蝋燭が立っていて、おぼろ気な印象を受ける。
「安土への道を拓くために来た、と、そういう事だろう」
そいつは、百面鬼、魔軍将の一人である、
「風魔小太郎……!」
認識すると同時に行く。
身に纏う影は、暗く透明度の低い物だ。
それを広げる様に前へ払って目眩ましに──
「浅はかだな幕府の者よ」
「ッ!」
するより速く、面が至近距離に来た。
速いと、そう思う間も無いほどに、速く。
「ぐっ……!」
まず拳が来た。
多腕を見せる内の一つ、異様に異常の大きさを持つ腕の、重い拳だ。
オーラを重ねた腕で受け、軋んだ悲鳴を上げる骨身に顔をしかめる。
「でも、ここ……!」
タイミングは想定と違うが、狙うべきは今だ。
影を縫い、動きを封じる剣。それを刺すべき瞬間だ。
だから吹き飛びかけた動きの中、取り出したそれを小太郎の足元へ振り上げ、
「……これは……!」
投げつけた影は薄い。
四隅の灯りにバラけた影は、それぞれが掠れる様な濃度だ。
「余所見とは余裕だな?」
失敗した。思う直後に刀が振り下ろされ、魔刀で逸らし、即座に後ろへ跳ぶ。
それを追う様に、小太郎は鎖鎌の尻に付いた分銅が更に迫ってきた。
「この……!」
弾く。続いて再度の肉薄が為されて、間隙の無い連撃が来る。
だから、
「──!」
振り抜く蹴撃、そこに無数となるはずだった黒影の刃を乗せて、
「おおお!」
小太郎の拳撃に合わせてぶちこみ、衝撃に弾かれた体は壁を突き抜けて外へと追い出された。
苦戦
🔵🔴🔴
アイリ・ガングール
ひとまずは忍者屋敷,ねぇ。脅威ならずとも、些細な懸念が致命的っていうなら、「懸念しない」という覚悟を抱こうかね。幸い苦痛に対する耐性もある。敵の攻撃でもないなら幾ら喰らっても構わんてな。かつての地獄より苦しいこともあるまい。
で、使うは愛刀。新谷守・宗光。とはいえ相手は軍勢なんやろ?じゃったらせやねぇ。同じUCに相対する味方もおるやろうて。そいつの助けになるように動こうか。存在感を増して注目を集めようか。そのうえで時間稼ぎじゃ。大丈夫大丈夫。時間稼ぎの術は心得ておる。集団対個人も嫌ちゅう程やったから戦闘知識として心得ておる。ババァが頑張ってる間に本丸、頼んだよ。
ルーナ・ユーディコット
複雑な事は苦手なんだけど
屋敷の罠を利用して、敵の手勢を減らす……とかかな
落とし穴の罠を探したうえでわざと発動させて回りながら小太郎の元へ
後は発動させたことが分かっている罠を飛び越えながら逃げつつ追っ手を罠に落とす
ある程度逃げたら、反転攻勢
壊狼【流星】の全速力で手勢の隙間を駆け抜けて小太郎に突撃を仕掛ける
……本当は私が手勢を引き付けてる隙をついてくれる人が居ればいいのだけど
そこまで望むのは贅沢かな
懸念は忍者の強さと小太郎自身が追って来るかどうか
後者は真っ向勝負に切り替えるけど
罠を発動させてるうちに忍者が襲ってきたらむしろ好機ね
迎撃しながら安全な進路を見出して、小太郎を襲撃する
●
猟兵達の進む屋敷内。
ズレたタイミングで侵入した彼らの先頭、アイリはただ、真っ直ぐに進んでいた。
罠がある。
そう聞いて、しかし彼女の疾走に淀みは無い。
「懸念はあるけど脅威ではない。のであれば、そもそも懸念しないと、そう考えるだけさね」
覚悟だ。
正面、飛んでくる矢の群れへと、前傾のままに駆け抜ける。
肩や、腹や、脚を傷付けるそれに、痛みはあるが。
「……痛いだけじゃのぅ」
苦痛かと、そう問われれば、首は横に振るだろう。
この程度かと、そう済ませられるだけの経験が内にあって、だからアイリは罠の仕掛けに当たっても、止まらずに行った。
●
「……複雑な事は苦手なんだけど」
一本道の廊下の上、ルーナは立ち止まって視線を落としていた。
その先には床があり、板の溝に不自然な重なりを見る。
……かたり、ガタリ。
暫くの思考の後、その部分を脚を伸ばして踏む。すると、作動した仕掛けは目の前に大きな落とし穴の口を開けた。
「……使えるだろうか」
考える。
敵、風魔小太郎を引き寄せて、この穴へ落とす事は可能だろうか、と。
……どうだろう。
ここは敵の本拠地だ。小太郎本人は勿論、呼び出す忍者軍だって、この屋敷の仕掛けを熟知していておかしくない。
「それに、気付かない他の罠に、私が引っ掛かる可能性もある……」
数歩を下がって腰を落とし、助走を付けて穴を飛び越える。
考えすぎてもハマるだけだ。
上手く行かなければ、正面からのぶつかり合いに切り換えよう。
そう結論を出したルーナは、小太郎が潜む場所へと急いだ。
●
「この刀はの」
抜く音も静かな刃は、緩い曲線を描いていた。
軽く握って自然体に流し、アイリは目の前にいる存在達へと口を開く。
「新谷守・宗光。ババァの愛刀じゃ」
「そうか。その一振りで、何を為す」
対した小太郎の足元には握り潰した面の欠片が転がっていて、その対価として現れた風魔忍軍が横並びに揃っている。
それらは今にもアイリへと襲いかかる気配を纏っていて、
「無論」
来る。
「首を獲るだけさね」
迫るそれに、アイリは左へ行った。
その目の前に、手裏剣がある。
「っ、う!」
地面に手を着いて姿勢を横に寝かせ、爪を立てて力を込めて前へ加速する。
「逃げるだけか?」
なじる様な小太郎の声に連動して、風魔の忍が忍者刀を振り上げていた。
「ああ……」
これは避けられないと、鋭くなった感覚が告げる。
スローに映る忍の刃は、こちらの胸に突き立つ様に来ていて、
「じゃあ、やめようかねぇ」
素手で掴んで引き、薙ぐ様に刀を通して殺した。
「望み通りに攻めへ転じようか」
行く。
握る愛刀を腰に溜め、自分自身に蓄えた精気を注ぎ込む。
「──!」
そうして起こるのは、大太刀へと変じた愛刀の姿だ。
間合いと鋭さを増したその一振りで、忍者の軍勢を払いながらアイリは一歩を下がる。
「いや、やっぱりやめようかねぇ?」
下がって、床を踏み、蹴って離れる。
「罷り通るか、そんなことが……!」
面が更に砕け、増した忍軍が逃げる妖孤へ追い縋り、
「……ココココ」
女は笑った。
●
ルーナは、アイリと小太郎の動きを見る。
個対軍の戦いは、まず勝ち目の無いものだ。
だから援護に行こうと、そう思ってしかし、一瞬こちらに向けられたアイリの瞳が細く笑うのを見て悟る。
……待て、って事?
まるでわざと引き付ける様な動きに、思い当たるのはたった一つだ。
機会を作ろうとしている。
そしてその機会は、自分の為に作られようとしているのだ。
だから、待つ。
手裏剣や刀が、目の前で仲間を傷付ける様から目を逸らすことなく待ち、そうして。
「例え、この戦いで燃え付き、刃と輝きを失うとしても私は──」
息を吐く。
そして、大きく吸い込んで、止める。
「この一撃の結果を、私は恐れない」
決意は青い炎となって体を覆い、ルーナの体を浮かび上がらせ、
「壊狼……流星!」
全速力での突撃を行った。
疎らに残る忍者を炎で弾き飛ばし、全身全霊の力を乗せた薊の刃を振り下ろす。
「貴様……!」
それは、迎撃の拳を深く裂き、しかし自身も吹き飛ばされて、床を転がった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
トリテレイア・ゼロナイン
忍者…騎士としてはどちらかといえば仮想敵
ですが相手は魔将軍。完全な格上として心して掛かりましょう
罠は●破壊工作の知識や和風建築物の構造の●世界知識に照らし合わせ●情報収集。●暗視も活用し配置を●見切り、作動時は●スライディングで回避
軍勢に対しては手裏剣を●盾受けで防ぎつつ大盾を●怪力で投げつけ、回避した忍びは格納銃器での●スナイパー射撃で排除しつつ刀は●武器受けで防御し●怪力で●なぎ払い、小太郎への道を切り拓きます
そのままスラスターでの●スライディングで小太郎に急速接近
斬りつけると見せて投光器で●目潰しの●だまし討ち
その隙にUCで大盾を回収。その勢いにのせ●ロープワークで鉄球宜しく叩きつけます
メーティオル・スター
※アドリブ・連携歓迎です。
おお、手と顔が沢山。八面六臂ってやつ?一人でもジャンケン大会ができるね。
屋敷の罠は、局所的近未来予測システムで予知して回避。
何べんも致命傷を喰らう場面を見るのは結構堪えそうだけどさ。
戦闘はPOWで判定。
刀も手裏剣も、主な材料は鉄。だから、磁石に吸い寄せられるはず!
ハイパー電磁ヨーヨーのハイパー電磁石をMAXパワーに!
そして自分の前で振り回して、まずは風魔忍者が投げてきた手裏剣をヨーヨーの電磁石で没収!
手裏剣多数がくっついて重くなったヨーヨーで刀を叩けば、
その衝撃で握った手も緩むだろうし、これで刀も没収!
そして仕上げに、殺傷力が上がったヨーヨーを叩きつける、武器攻撃だ!
●
屋敷の廊下で、彼らは出会った。
トリテレイアとメーティオルの二人だ。
知識と機能を使って罠の配置を見破るトリテレイアと、局所的な予知能力を駆使して自分の凄惨な姿を事前に見る事で回避したメーティオル。
「……大丈夫なの……か?」
「ええ、ご心配なくメーティオル様」
比較的に安全な道を選ぶ。それは、部屋を何度か経由するものだ。
和風の家屋は基本的に、鴨居を低くした昔ながらの造りが大半で、
「む」
身長が高いトリテレイアはその度に屈む事になっていた。
幸い、部屋の天井は高く、
「ヤバイここ落ちてくる……!」
見上げたモノが針を生やして落下してきた。
咄嗟に脚部のスラスターに出力を回し、メーティオルの腕を掴んだトリテレイアは加速。
「うわっ」
壁をぶち破る勢いで部屋から脱出した。
急停止して、地に足を付ける。
「あ、危なかった」
「いや、どうもここからが本番の様です」
「え?」
と、見る先。
佇む巨躯が居た。
「……曲者ー!」
瞬間、面が割れる。
出現するのは、部屋の半分を埋め尽くす程の軍勢だ。
「忍……!」
戦闘態勢は、こちらも万端だ。
トリテレイアは騎士として、忍者への相対には思う所がないではないが、しかし。
「魔将軍が相手、格上を相手に油断はしません」
心して掛かるべき相手だ。
その為にまず、道を作らねばと思い、構えを強くする。
「うーん、八面六臂ってやつ? 一人じゃんけん大会でも出来そうだね」
その隣で対照的に、メーティオルは軽口と共に前へ。
両手にそれぞれ握ったヨーヨーの丸みに指を添えて、軽く伸ばして縮めてを繰り返す。
そうして、一息。
「──!!」
一斉に放たれた手裏剣へとそれを伸ばした。
「ジャンク屋として解ることがあるよ!」
まるで、黒い虫の大群みたいだ。
視界一杯の攻撃にそう思いながら、放ったヨーヨーの出力を最大にする?
それは、電磁力によって動く磁石の役割で、
「手裏剣は鉄で出来ている……ッ」
飛んでいた鉄を全て引き寄せる。
そうすればあとはこれを使い、振り回してぶつけて……。
「……って重い!?」
引き寄せた手裏剣の数は、数えるのがバカらしくなる量だ。
そんなものをヨーヨーとして振り回すなんて出来ず、ましてや引き戻すなんて自殺行為でしかない。
そして更に言えば、手裏剣の予備はいくらでもあった。
「マズ……!」
だから二度目の手裏剣は、メーティオルには防ぐ手立てが無い。
メーティオルには、だ。
「行きますよ」
トリテレイアが床に突き立てた大盾が、凶器を弾く。
それから、抜いて一息。溜めを作って振りかぶった盾を、横回転を加えてぶん投げた。
「道を!」
「了解……!」
トリテレイアは、脚部のスラスターに出力を回す。
盾は忍者を弾きながら小太郎へ向かい、しかし容易く弾かれ天井に突き刺さっている。
あとは、接近戦を試みるだけだ。
だから、
「行く!」
メーティオルのヨーヨーが忍者を牽制しつつ、トリテレイアが体に内蔵させた銃器の掃射で経路をこじ開ける。
その先にいる敵へ、一撃を加える為に。
「絡繰か……!」
だがその目の前に、鎖鎌の分銅が来た。
それを、体を捻って回避し、
「フラッシュだ!」
頭部に備えた投光器を光らせた。
目を眩ませるそれに、小太郎は武器を手放し、
「なに
……!?」
分銅に引かれた鎖鎌が、トリテレイアの胸を裂いた。
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
緋翠・華乃音
先ずは仕掛け罠の踏破か。
種の割れてる仕掛けだからと油断はしない。
優れた聴覚・視覚・直感及び戦闘経験を便りに屋敷を進む。
常に警戒を怠らず、罠の形跡と発動予兆を知覚する事に専念。
風魔に恨みは無いがこれも戦争だ。悪く思うな。
先手を取られる事が分かっているのなら最初から後の先を狙えば良い
そも6本の腕を効率的に動かすには高度な戦闘技術が必要だ
死して得たUCの能力も確かに理不尽に強い
だがお前は元々人だろう? 2本の腕を振るって積み重ねた技能は無い筈だ
技術に裏打ちされてない強さなど所詮は付け焼き刃
多腕が視界や別の腕を邪魔する事だってあり得る
――理不尽には不条理を以て対抗だ。
その攻撃、見切って反撃させて貰う。
●
「まずは、仕掛け罠の踏破からだ」
敵の領域に踏み込んだ華乃音は、形跡を見つけた。
それは、先に入った猟兵達の物。始まりは同じで、進む先はバラバラの方向へ向かっている。
その内の一つを、華乃音は直感で追い掛けた。
「種の割れてる仕掛けだ。後は、警戒を怠らなければ……」
作動後の、微かに傾いた床。壁に突き刺さったままの矢。それらから予測できる罠の作動を避けて、そうして辿り着く最奥。
「風魔に恨みは無い。が、これも戦争だ、倒させてもらうが、悪く思うな」
数々の猟兵を押し返してきた鬼、風魔小太郎が居る。
「戦だ。怨み、憎しみ、苦痛と悲しみは常であろう。だが、貴様程度に倒される程、風魔の名は軽く無いぞ」
一拍。
睨み合う二人の間に緊張が走る。
そして、先に動くのは、
「おお……!」
小太郎だ。
華乃音のユーベルコードが発動するより速く、その拳が到達する。
……一撃目で、決まるな。
先手を取られるのは分かっていた。だから、後の先を狙っていて、
「つ、ぅ……!」
その為に必要なユーベルコードの発動まで、攻撃をやり過ごす必要があった。
勿論厳しい条件だが、こなせると思うだけの根拠がある。
それは、
「その六腕、強力だけど、元々人間だったお前には違和感なんじゃないか?」
研鑽の密度だ。
二本の腕で戦国を生き抜いた頃とは違い、オブリビオンとなることで六つの腕を手に入れた。
その強さは、言ってしまえば付け焼き刃であるはずだと。
「当初はな──!」
だが予想に反して、続く連撃に停滞は無い。
拳で弾かれ、離れる体に鎖鎌の振り抜きが来る。
「使えぬ忍が主に仕える事はしない、それが忍だ!」
「くっ……!」
咄嗟にしゃがみ、抜いた拳銃を向けて射撃。それを忍者刀で弾いた小太郎は、鉄扇を投げつけて華乃音の手から武器を取り落とす。
……全く、理不尽だな、本当に……!
再度の接近はやはり速い。残り何度の攻撃が来るのかはわからないが、しかし、華乃音の目は諦めていなかった。
正面だ。
六つの腕はそれぞれが独立していて、その瞬間までどの攻撃が来るかはわからない。
「──いや、わかった」
瞬間、振り上げのそれが来る。
忍者刀だ。素早く縦に落ちてくる。
それを黒剣で逸らす様に弾き、前へ一歩を踏み出して、横薙ぎに刃を小太郎へ通す。
「ッ!」
瞬間、華乃音の体に蹴りが入る。爪先から鳩尾への鋭い一撃だ。
息が詰まり、膝が折れた所へ、
「ぶち抜きのアッパーカットだろう……!」
言葉通りに来た追撃を、華乃音は身を捩って回避し、横倒れする動きからダガーを投擲して小太郎の腹を傷付ける。
「いい眼を持っているな?」
「理不尽な強さには、不条理な予測しかないだろ……!」
成功
🔵🔵🔴
ナイ・デス
矢などは全身【オーラ防御】で触れたもの【吹き飛ばす】からと無視
屋敷と地縛鎖繋げ【ハッキング情報収集】情報吸い上げながら【忍び足ダッシュ】
仕掛け見破り
天井落ちる前に駆け抜け、落とし穴は【地形の利用ジャンプ】
【第六感】に従い、迷わず
忍術披露はもう十分、骸の海へ、帰ってもらいます!
9倍攻撃に致命傷受けるは【覚悟】
ただ僅かでも、粘る【カウンター】狙う
勘と小柄さと身のこなしで避け、防ぎ、反撃試み
【激痛耐性】で怯まず、念力で身体壊れていても動かし
発動する為の思考、脳と視認する為の片目は【かばう】して
限界で『フェイタルムーブ』
死角から【鎧無視する暗殺】剣
刺して【生命力吸収】殺せなくても動き鈍らせ仲間の助けに
●
ナイが進む道は廊下だ。
幾つかの分岐路があり、左右に別れた道が連続している。
音もなく駆け、右か左かの判断は、瞬間的な勘に頼って進んでいく。
「……っと」
不意に、浮遊感がある。
足元を見れば前後に割れた床が開いていき、奈落に通じる穴のただ上に自分は居た。
「あぶ、ない、です」
落ちながら、足を伸ばす。急斜面と化した元・床へ爪先を引っ掻け、力を入れて無理矢理に跳ねた。
「と」
そうして体を反転し、落ちるのは天井の板の上だ。足を着け、力を込めてまた跳び、落とし穴の向こう側へと着地する。
問題は無い。
廊下を迷い無く曲がり、進む先、最奥の部屋へ辿り着く。
襖を開けて、中心にいる存在へと、ナイは歩んだ。
「忍術の披露は、もう十分です」
手袋に包んだ手を、確かめるように握って開き、
「骸の海へ、帰ってもらいます!」
「断る。どうしてもというならば、押し通るがいい」
刹那で投擲された苦無を弾いた。
「──!」
その秒に満たない間、既に小太郎の拳は打ち抜く軌道にあって、回避から防御へ意識を切り替えたナイは左腕でそれを受ける。
「ぎっ……!」
折れた。その音が、痛みより先に意識へ届く。
覚悟していたとはいえ、実際そうなると痛い。痛いが、耐えられないという物でもない。
だからナイは、続く膝蹴りを屈んで回避し、折れた左腕に仕込んだ短剣を念動力で放った。
「無駄な事よ」
しかしそれは、忍者刀の弾きでナイの膝へと突き立つ。更に、そのまま振り下ろされた刃が足の甲を貫いた。
「まだ……!」
止まらない。
動く右手にある、手袋だった黒剣を本来の形へと戻し、目の前にある小太郎の腹を裂く為に振るう。
「無駄なのだ」
だがその間合いは、見抜かれている。
一歩を下がった小太郎に避けられ、即座に鎌の横薙ぎを返される。
念動力で無理矢理に、上体を90度反らして回避したナイの、しかしその中心へ、
「終わりだ」
小太郎の拳が打ち落とされた。
「ぁ、ふ……ッ」
砕ける。
肉体が、骨が、文字通りバラバラにされる感覚だ。
失われていく意識は戻せず、手放した肉体の力は消え去って。
「私はここにいて、ここにはいない」
「!?」
小太郎の背後、死角から、新しい肉体へと移ったナイの刃が突き立った。
「小細工を……!」
その瞬間、左右から挟み込む腕に掴まれたナイの体は、思い切り床へと叩き付けられバウンドし、襖を突き破って外へと投げ出された。
成功
🔵🔵🔴
月宮・ユイ
アドリブ◎
*身に<呪詛>宿す
忍びと万全の準備がなされた屋敷で対峙とは…
今のままでは地の利は完全に敵側ですね
<第六感>併用全知覚強化<情報収集・学習・見切り>
転送直後の奇襲にも警戒しつつ、
[マーレ]を屋敷に刺し<呪詛型ハッキング>
屋敷侵蝕探査<拠点防御・知識>基に罠等掌握。
落とし穴は[コスモス]保有の飛行や縛鎖足場に対処。
<念動:オーラ>纏い行動補助と耐性・防御力強化。
[ステラ+ケイオス]剣槍形態:伸縮自在、変則二刀流も
<早業:高速詠唱>《縛鎖》<呪詛>込め鎖の力強化
六本腕から繰り出される攻撃に縛鎖召喚で対抗
弾き吹き飛ばし、鎖砕かれれば呪詛と共に鎖の力残し攻撃弱める。
百鬼面…その面砕いてあげます
●
不安がある。
デバイスを屋敷の壁に刺し、大体の造りをデータとして現したユイはそう思う。
こちらは、敵のホームへと飛び込む形で、しかし相手は万全の準備で構える忍だ。
地の利は、完全に敵側にある。
例え進む道の中。
把握した落とし穴を飛行で突破し、矢の作動を回避して、容易く敵の元へ辿り着いたとしても。
「いえ……やるしかありませんね」
右手には剣のステラ、左手に剣槍へと変わったケイオスを握り、踏み入る。
「な」
瞬間、両手に握った刀が上段から落とされた。
両手の得物を交差させてなんとか受けるが、その重さにユイの膝が笑う。
だが、それに驚く暇も無い。
ふっ、と重さが消えたかと思うと、即座に足刀を腹へぶちこまれる。
「っ、共鳴・保管庫接続──!?」
対抗のユーベルコードを使うより早く、三撃目が来る。
刀の袈裟斬りだ。
「概念、制御……っ」
ステラで受け、ると同時に刀は逃げて逆袈裟の軌道でユイの体を切り裂く。
次いで、揺らいだ体へと追撃の五撃目は、正拳だ。
身を捻り、肩で受けて距離を取ったユイは、そこでユーベルコードを発動させた。
背後、虚空に展開した三色三種の無数の鎖。
それらを小太郎へと殺到させる。
「無駄!」
対した動きは、鎌の尻に付いた鎖での防御だ。
前面に円を描かせて回し、鎖を絡め取った一瞬でユイへ追い付き、振り上げた丸太の様な拳を放つ。
「無駄かどうかは、今にわかります」
それに、ステラとケイオスを振り下ろす。
正面からのぶつかり合いは、当然の様に力負けする。
弾かれるように吹き飛ばされたユイの体は上方向へと回転し、小太郎を飛び越える動きを取って、
「百面鬼……その面、砕いてあげます」
その回る遠心力を乗せた二刀で、面の顔へ叩きつけた。
堅い感触は手応えで、
「無駄よ」
砕いた面は下部、覗く口歯に刃は挟まれていた。
「砕かれるは、貴様の体よ!」
そうして反撃の拳が、浮いた体にぶちこまれた。
苦戦
🔵🔴🔴
清川・シャル
貴方が風魔小太郎さん…
ここで倒れて頂きましょう
さぁ鬼が通りますよ?
先制攻撃対策は、カウンターでの返し。
撃ってくるんでしょうね、どんな感じなのかな?
背中のぐーちゃん零でのUCの返しに、
氷の盾を展開、オーラ防御と激痛耐性も念のために
あちらが撃ってきたら、直後撃ちます
但し追加でAmanecerを召喚。隠し玉になるかな…?
宙に浮くスピーカーからも熱光線、ぐーちゃん零もグレネード12連弾、アサルト30弾を撃ちきります
撃ち終わったら金棒のそーちゃんを片手に走ります
風魔法で追い風、櫻鬼のターボでダッシュで一気に距離を詰めます
チェーンソーモードのそーちゃんでのフルスイング
敵攻撃には武器受け、見切りで対処を
カイム・クローバー
忍者って奴は影に生きて影に死す、だっけ?
おいおい、話と違うじゃねぇか。自己主張が強過ぎる忍者も居たもんだ。
屋敷内部は【第六感】、【見切り】で避けてくぜ。消耗は避けたいトコだが…こんだけ他の猟兵がドンパチやってりゃ音で小太郎の居場所は見当が付くだろ。そこに向かうぜ。
攻撃回数半端ねぇな。けど、やりようはある。距離取るぜ。接近戦を避けて、銃撃の距離をキープする。忍具ってのは厄介だが、少なくとも格闘は避けられる。【見切り】【第六感】【残像】で躱しながら紫雷の銃弾【属性攻撃】【二回攻撃】【範囲攻撃】【一斉発射】にUCを交えて、その面とやらを狙うか。リロードは【早業】。相手の距離に付き合わねぇようにするぜ
●
シャルは、奈落に片足を突っ込んでいた。
それは落とし穴、大きく開いた口の中。警戒無く進んだ者の末路だ。
だが、まだ落ちてはいない。
寸での所で掴んだ、壁の様に落ちた床の板に、指をめり込ませて固定していた。
「落ちる……!」
猟兵として、落ちた程度で死ぬ事はない。だが、怪我をしない保証も無いし、万全ではない状態で戦えるほど甘いボスでも無いのは明らかだ。
だから落ちられない。そう思い、しかし上がれない現実にシャルは困って。
「……何してるんだ」
その様を、カイムは見下ろした。
知り合い、所ではない存在が、まっ逆さま寸前でいる。
その事実に肩を落としながらも、手を伸ばして引っ張りあげた。
「……来るのが遅い!」
「おっとそう来たかぁ」
●
合流からの歩みは速い。
カイム先導のもと、辿るのは戦闘の気配だ。
先に突入した猟兵と衝突した騒ぎは、微かにでも耳に届いていて、あとは罠に注意を払えば辿り着くのは難しい話ではない。
「本丸前に消耗は避けたいトコだしな……」
「私のこと言ってる?」
「ちげーって」
喋りのノリは軽い。緊張が無いわけではないが、し過ぎている風では無いだろう。
だから、
「行くぜ」
「うん!」
最奥の部屋へと突撃するのは同時だ。
瞬間、出迎えるのは忍者の大軍で、
「ガード!」
殺到する手裏剣に、シャルは前面へと氷の盾を重ねて作る。
一枚割れて、迫る直撃までの猶予に、背に担いだアサルトウェポンのぐーちゃん零をシャルは用意した。
トリガーに指を掛け、最後の盾がひび割れた所で息を深く吸い込む。
そして、ピキッと鳴った盾の最期、耳に掛かるインカムを喚び出して。
「戦場に響きし我が声を聴け!」
左右に配置したスピーカーから増幅した音圧を放った。
物理的な音の波は手裏剣を弾き、刀を手に迫る忍者の群れにはグレネードをぶちこんで、リロードの間隙を埋める様にアサルトライフルの弾をばら撒いて行く。
「忍者って奴は、影に生き、影に死す。って、聞いてたんだけどよ」
その銃撃、爆音から遠ざかる動きで忍者の側面へ、カイムは行った。
とんでもない派手さだと、そう思う。
「話と違ってずいぶんと自己主張が強すぎるんじゃねぇか、おい」
だがおかげで、小太郎へと銃を向けられると、そう思った。
だから射線の開く横手へ移り、両手にある双頭の獣を構えていて、
「うおッ!?」
飛んできた苦無に肩を貫かれた。
「浅はかだな」
続いて二本、三本とそれは数を増し、カイムの肉体に深い傷を付けていく。
「そりゃ、どうかな!」
ダメージだ。しかし、距離は開けられている。
「俺の間合いだ……!」
2丁拳銃、オルトロスが、連続して火を吐く。
次々と飛んでくる苦無に弾丸はぶつかり、弾けるようにして雷光を瞬かせた。
「紫電の銃弾だよ」
電撃は、苦無を辿って小太郎へ。片方で撃ち続けながら逆をリロードし、連続した銃撃を浴びせていく。
「協奏曲だ」
銃弾の。
ではない。
「さぁ、鬼が通りますよ……!」
二人のだ。
忍者を突破したシャルが、ジェットを利かせた下駄の推進力で加速し、棘を高速回転させた金棒を引き絞って突撃を仕掛けていた。
「ド派手に行こうぜ!」
「ここで倒れて頂きます!」
挟み撃ちだ。
迫る二つの暴力に、小太郎は息を整える。
銃弾、電撃には目を瞑り、回転させた鎖で半身を犠牲に受ける。
鬼、金棒には、硬く握りしめた拳を振りかぶり、フルスイングにフルスイングをぶちこんでいく。
「お」
圧して、行く。
「おおおおお!」
棘の回転が肉を削るが、些細な事だ。
押して、圧して、弾き飛ばす。
そして鎖に延々と浴びせ、纏ったそれが散る前に、カイムへと尻に付いた分銅を投げつけた。
「返すぞ」
稲光が、カイムの目の前で弾けとんだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
野良・わんこ
【むにー】
連携行動として、まず一番最初に風魔に突っ込み攻撃を食らいに行く。
「風閂の使えぬ風魔などカスですよ、カス!」
相手の攻撃は「念動力」「衝撃波」「吹き飛ばし」で畳返しを行い手裏剣を防いで、念動力でふすまを飛ばして接近を防ぎ、近接攻撃を「残像」と「第六感」で回避。残像の足元にはダイナマイトでも置いておき爆発に巻き込む。
それでも食らうのは激痛体制で我慢。
耐えきったらアブソリュートフレンズを使用。味方に無敵をバラまく。
これで味方へのUCは無効化できるはず。
「わんこの友達の概念はゆるっゆるですからね」
その後はアリスティアをひっつかんで風魔を攻撃します。
使用UCはアリスティアーに準ずる。
エミリィ・ジゼル
【むにー】
ここまで忍ぶ気ゼロな忍者初めてみました
これがサムパイアの忍者スタイル…
ゲイシャスキヤキセップク!セップク!
まあ見た目がどうあれやることは変わりありません
ここはいっちょ忍者討伐と洒落込みましょう
罠はフェリス様の共有を元に『破壊工作』で対処
状況に応じて『空中浮遊』も駆使して無効化や回避していきます
小太郎との戦闘では、先制攻撃は『見切り』やオペラグローブのシールドを使った『盾受け』で致命傷を防ぎつつ相手の攻撃の隙間にこちらもUCを使用
敵の軍勢をかじできないさんズで抑えながら他の方が攻撃する隙を作ります
「さぁ、皆様!わたくしたちが抑えてるうちに!はよ!はよ!」
アリスティアー・ツーハンドソード
【むにー】
さて幹部戦だ、僕の名剣っぷりを見せないとね
【戦乙女モリガン】に僕を装備してもらっておいて、本体は彼女だと【フェイント】をかける
罠を探すフェリスをカバーしつつ、いざとなったら【ブレイクミラー・ホッパーション】を使って穴は飛び越え、飛び道具は反射させてしまおうか
敵が現れた即座にユーベルコードを発動、先に忍軍を出しておいてシノギの盾にしよう
また敵はユーベルコードを防ぐためにモリガンの方を攻撃するだろうが本体は剣の方なのさ
モリガンに僕をわんこへ【投擲】させ、そのまま装備してもらおう
無敵鎧をこの身に纏って自分を強化、折れず曲がらず最強の一振りとなって小太郎に一太刀浴びせよう
法月・フェリス
【むにー】
「危険な作戦だが、ぼくがみんなを生かしてみせる」
屋敷の罠は情報収集、野生の勘、世界知識、見切りでどこにどんな罠があるか精査。
事前に罠と屋敷の仕掛けを発見することに集中する。
対処は仲間に任せるよ。
道に迷わないよう、事前に上空から屋敷の形を見ておき、電脳ゴーグルでマッピングを行う。
敵の先制攻撃は反撃に移らない代わりに集中して避ける。見切り、野生の勘、地形の利用、空中戦でふすまや罠を盾にしたり、落とし穴を利用して身を潜めたり。
激しい攻撃だけど、仲間達と協力しながら防いでいこう。
一歩引いた位置で敵の動きを見て、どこにどんな攻撃が来るか予測したり、隙を見つけて攻撃できる人に指示を送るよ。
シノギ・リンダリンダリンダ
【むにー】
私の知識にある忍者とだいぶ違うのですが、これが忍者なのですね…
罠はフェリス様のサポートを聞きつつ、見切りで避けていきましょう
風魔の先制には出ているであろう召喚した忍者を敵を盾にしたり、見切りで避けます
それでも当たる場合は激痛耐性、覚悟で耐え抜きます
この痛みを百倍にして返すまでは倒れる事はできません
反撃は【飽和埋葬】(SPD)で死霊騎士を召喚
相手は手数が多いので、死霊達で傷口えぐり、目つぶし、フェイント、だまし討ち等で邪魔したり攻めたりします
仲間達が作った隙も見逃さず、そして自分自身も仲間のために隙を作る
風魔小太郎。貴方たちオブリビオンにないもの
それはこのコンビネーションです!
法月・志蓮
【むにー】
忍者というより傾奇者っぽいよな……
だがあれでも忍者の頭領の筈だ。油断せずに行こう
罠はフェリのナビに従って見切りや破壊工作で対処する
しっかり避けて、壊せる罠なら壊しておけば安心だろう
敵の先制攻撃は第六感、見切り、暗殺、戦闘知識、地形の利用で凌ごう
この戦場自体が敵のホームだ。勘と経験と知識を総動員するしかない
常に最後方を進み、常に奇襲に警戒しながらフェリの護衛をこなそう
もし彼女が狙われたらかばって激痛耐性で耐えるぞ
本格的に戦闘に突入したら拳銃でUCを使用。スナイパー、鎧無視攻撃、早業で前衛が作った隙を的確に撃ち抜く
ライフルに比べると威力は落ちるが問題ない。その分撃ち込めばいいだけだ
●
罠があるらしいと、法月嫁が言った。
「どうですいっそ、死霊の漢気突貫解除とか、行けたらいいなと思うのですが」
船長として、意見の投げ掛けは必要だろう。
屋敷の入り口前に立ったシノギはその思いに口を開き、横並びに揃ったクルーへと問いかけた。
「わんこ的にそういうの、ちょっとわかりかねますねー」
「忍者の癖に隕石落としたり派手すぎて忍ぶ気ゼロなの凄いですね、サムパイア忍者スタイル……ゲイシャスキヤキセップク! セップク!!」
「ついに敵の幹部と戦いだ。僕の名剣っぷりを見せて、雑に扱わないでおこうと思われるといいな!」
思ったより纏まりが無かったし、精神異常系のデバフが疑われた。
「……うんまあ、ちょっと脳筋多めですからね、この海賊団」
筆頭が自分なのがらしいと思う。
「いいんじゃないかな。頭脳はぼくが担当するから、みんなは安心して脳筋しててもさ」
と、腰の羽を羽ばたかせ、フェリスが空から降りてきた。
上空から屋敷の全体を見渡して、その視覚をデータとして電脳ゴーグルに納めた彼女は一歩を先に行って、
「行こう。罠は、出来る限りぼくが見つける。対処はその時々でみんなに任せるから」
安心感のある笑みを向けて号令した。
それは全員の意識を纏める物で、少なくとも敵の元へ辿り着くまでは、各自、予想外など起こさないだろうと思わせる。
「頼りになるだろ、俺の嫁さんなんだぜ」
志蓮はそう言って笑い、眼鏡を外して屋敷へと踏み入った。
●
進む道、屋内にて、代わり映えのしない風景は現在位置を惑わせる。
それを、電脳ゴーグルに撮した全体像を俯瞰したフェリスが、移動速度や方向転換と照らし合わせていく事で攻略していく。
「……罠だ」
進路を定めた後は、仕掛けへの対処が出てくる。
罠に対して取る行動は、大まかに二つだ。
「ここ?」
見付けられた作動前の物、床を踏むことでスイッチが入り、侵入者を撃退するという代物は、エミリィが破壊を担当した。
「かじできないさんでも壊すのは出来ますので」
切れ味鋭い聖剣を斜めに刺し込んで伝達を断つ。
「おっと、皆僕の後ろへ」
それから、作動してしまった物。感知により自動発射される射殺しの矢に対しては、アリスティアーが請け負う形で行く。
一歩を前へ。左右と正面の壁から放たれるそれに対して、半円を描く様に魔法の鏡を展開して受け止めた。
「わ」
瞬間、ひび割れと同時砕ける鏡は、外方向へ向かう強い弾きの力を返す。
「よし、行こうか」
危なげ無い進行だった。
話す事はたまに関係なく逸れて、緊張感がこれもたまに無くなるが、やるべきことの分担とこなすだけの力量をそれぞれが持っている。
だから、辿り着く場所には万全で臨んで、す、と息を吸い込み、
「風閂の使えぬ風魔などカスですよ、カス!」
襖をぶち抜いてわんこが突撃した。
●
出番ですよとわんこは思った。
突っ込む速度は最大で一直線、カスだと罵った敵のボスへと迫る。
「乗ってやる」
面が割れた。
小太郎がわんこを認識すると同時の現象だ。
即座に出現するのは一面の忍で、それらはノーモーションから手裏剣を投擲する。
「よい」
両手で万歳した。
「しょお!」
一歩踏み込んで急停止し、上げた掌を思い切り床へ叩きつける。
そうして起こる衝撃は、目の前に敷かれた畳をふわりと浮かんで立たせ、
「どん!」
わんこの念動力で盾を兼ねた攻撃として発射される。
「──ッ」
その刹那、横に忍者が迫っていた。
思ったよりも速く、確認するだけの間も無い瞬間を感じたわんこが咄嗟にしたのは、逆方向への横飛びだ。
残像を見せる程の俊敏さで回避し、追加でもう一度跳び、
「ダイナマイトー!」
設置しておいた爆発物を炸裂させた。
「無茶をするではないか、小娘」
常人なら決め手となる攻防は引き分けた。
そう思った小太郎は素直な感想を告げる。
「無茶ではないです。わんこ達、無敵なので」
そして、言われた少女が返すのは、反撃するための宣言だった。
●
強化されたか。
風魔小太郎は、相対した猟兵六人に対してそう感じた。
きっかけは、一番槍を果たしたわんこの発言。
伝播する様に広がる気配は、魔軍将足る自身を以ても油断出来ないモノだ、と、そう感じるのだ。
「行かせてもらう!」
だから、後に続く様に迫る金色の髪をした軽鎧の女に対して、
「なら、こうだ」
自身の顔を覆う面、それ以外のあらゆる面を砕いた。
「来やれ、来やれ、代価を浴びし我が忍軍。風魔の法、その下へ」
そうして現れる、風魔の名を冠する忍の軍勢は、一体一体が相当の強さを持っていて。
「アリスティアー君下がって!」
「遅い!」
囲む八方からの凶刃に、剣を握った乙女は斬り裂かれた。
「無敵と言ったな」
進軍する。
無音の踏み込みで加速し、忍のただ中を移動する。
狙いは、
「エミリィ君だ! 構えて!」
「受けましょう……!」
メイドだ。
フェリスの声に反応するや否や、両腕を覆うグローブ、そこに納められたビームシールドを前面に展開する。
「無敵の盾受けです!」
どっしりと腰を落とした、対衝撃の構え。
そこに、打ち下ろす拳がぶちこまれる。
「い──っ!」
瞬間、膝が折れた。
「この……!」
「ダメだ志蓮、屈んで!」
堪えの基盤である支えを無くしたエミリィに、間髪入れずに蹴りが迫る。
それを遮ろうと、マグナムを構えた志蓮の左右から、忍びよる刃が空を薙いだ。
……間に合わない。
大砲を至近距離からぶちこまれた。そんな威力の攻撃を食ったのは、
「危険、ですね……!」
割って入ったシノギの、仕留めて盾代わりにした忍者の体だ。
衝撃に二人、絡み合う様に床へ転がって壁に激突した。
「これが頭領の実力か……」
単体であろうと猟兵をはね除ける実力は、魔軍将の脅威を現していた。
「無敵、と、そう言ったな?」
単純な強さだけではない、状況への対応と視野の広さだ。
「結果はこうだ」
その小太郎が、倒れた忍者の一人をつまみ上げ、振りかぶって投げる。
その先は。
「っ、フェリス!」
司令塔の役割をこなしていたフェリスの方向だ。
先読みによる警告を封じるために狙ってきた。
と、そう取れて、だから庇うために割り込んだ志蓮は忍者へ銃撃する。
「違う志蓮、敵の狙いは──」
弾丸は体にめり込み、しかし貫通はせずに衝撃に踊って、瞬間、爆発した。
志蓮と、フェリスを巻き込んで、だ。
「無敵とは、攻撃が効かないというわけではない」
斬り裂かれて、倒れた者がいる。
守りに入り、叩きのめされ、吹き飛ばされた者がいる。
仲間を庇い、本当の狙いを察せず、爆発に呑まれた者がいる。
「叩けば折れる。斬れば裂ける。殺せば死ぬ。無敵であっても」
残るのは、わんこだけだ。
「無敵とは、並び立つ者が居ないほどの高みにある者だ」
対面する。
面から覗く瞳が見下ろし、見上げる焦茶色の瞳と視線が交錯する。
「それじゃあ、やっぱり」
わんこは、区切る様に言葉を吐いて、一息を唾と一緒に飲み込む。
それから、吐いて、吸って、それから。
「みんな無敵では?」
踏み込んだ。
●
違和が合った。
いや、気付いたと言うべきだろう。
「?」
思考が疑問を提議した。
足元に転がる体の数が多いのは何故だ?
喚び出した忍者達は確かに、戦闘の中で打ち倒されていたし、おかしくはない。
だがそこに、見覚えの無い者が混じっているのは、なんだ。
いや、その疑問は正しくない。
そうだ、これは。
「ええまあ、騙し討ちです」
38+45。
エミリィとシノギが喚び出した、死体に紛れさせた目隠しの数だ。
それらは出来る限り、忍者の影で目立たない配置を考慮されていて、息を潜めた二人はその中で、一撃の為の機会を待っていた。
そしてその機会は、誰しもが持ち得る、勝利を確信した瞬間にこそある。
「だから今です」
短身の散弾銃を向け、小太郎の顔面に向かってぶっぱなす。
「ぐおぉ!?」
咄嗟に顔を逸らした様だが、砕いた右半分の面は真っ赤に裂けているのが見て取れた。
「メイド術をご披露しましょう」
続く。
エミリィ──ではなく、額に数字を書いたコピーが、同じく本体からコピーされたチェーンソーを小太郎の足へと突き立て、突き立て、突き立てて行く。
残りのコピーと、それからシノギの死霊が敵の体へと纏わり引っ付いて、
「さぁ、今ですよ! わたくしたちが抑えてるうちにはよ! ……はよ!!」
その場に固定した。
「オッケー、じゃあ行こうかわんこ!」
行く。
距離を詰める為に走るわんこの元へ、縦回転でアリスティアーは宙を駆けた。
元々倒されたのは、自分を持たせたゴーレムだ。
剣である自分には汚れはあっても曇りは無く、鋭さに光る刃に欠けも無い、万全の状態と言える。
「無敵だからね!」
「まーわんこの友達達は概念ゆるっゆるですしね!」
握った。
「行くよ……アリスティアーちゃん!」
踏み込み。跳んだ。
「一太刀だ」
小太郎の上。
振り上げた剣は決して折れず、
「貴様ら
……!!」
振り下ろす軌道にブレも無いそれは。
「これが、最強の一振り……!」
受ける様に構えた二本の腕と共に、屈強な体へと線を刻んだ。
小太郎の膝が、片側だけ折れる。
斬り飛んだ断面から、血を吹き出させる。
それでも、
「負けられぬ……!」
倒れはしなかった。
「……ダメ押しが、いるな……」
酷い姿だと、志蓮は思う。
相手もそうだが、自分も負けてないと。
片膝を付き、マグナムへ弾を込め、静かにシリンダーへ納めて、震える腕を伸ばして照準を小太郎へ向けた。
「……ん」
と、震えが止められた。
下から支える様に、フェリスが肩を置いたのだ。
真っ直ぐに伸びた銃口は確りと敵へ向けられている。
「悪いな、フェリス」
「いいよ。戦いやすいように整えるのが、ぼくの役目だ」
そうして、不意に漏れる笑みの一拍。
「虎の子の弾丸だ……食らって逝け」
志蓮はトリガーを引いた。
一射ではない、弾倉にある物を撃ち切るだけ、ありったけをだ。
死霊を、コピーを、小太郎の肉体をもろともに破壊する。
「ば、かな──」
消滅していく風魔小太郎は、信じられないと言いたげに声を漏らした。
崩れる肉体は間もなく塵へと果てるだろう。
「風魔小太郎。貴方たちオブリビオンに無いものを、私達は持っている。それがこの、コンビネーションです」
それをシノギは見届けて、もう遮る者の無い屋敷の外へと、仲間と共に出た。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴