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エンパイアウォー⑤~中段・真ん中の穴

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー


 徳川幕府は10万の軍勢を率いて進軍を開始した。
 それと同時に全国の商人から兵糧などの補給物資を購入しようとしたようだ。
 しかし、補給物資の値段が天井知らずに高騰していた。
「大悪災『日野富子』が、莫大な個人資産で買い占めをしていたんだよ」
 ルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)はこのように説明を続ける。
 大悪災『日野富子』の買い占めが続けば、予定される規模の幕府軍を動員する事ができない。この買い占めに対抗するには、徳川埋蔵金を探し出し、それを使うしかないと言うことだ。
 神君家康公が有事の為にと遺した『徳川埋蔵金』。これは、徳川家に伝えられた『徳川埋蔵金の地図』があれば探し出すことができると言う。
 ただし地図に示された場所に向かうだけでは、埋蔵金を得ることはできない。
「神君家康公が埋蔵金の盗掘を防ぐために残したという『謎』があるんだよ。この謎を解くことができれば、埋蔵金も手に入るよね。みんな、謎を解いて埋蔵金を探し出してきて!」
 そう言って、ルビナは徳川埋蔵金の地図と謎の書かれた紙を差し出した。
「この地図に書かれた洞窟の奥に、大きな扉があるんだって。そこには1~9までの数字の木札が9枚あるはずだよ。扉には札をはめ込む穴が9つ空いているの。中段・真ん中の穴に正解の札をはめ込むと、扉が開くらしいよ」
 さらにルビナは説明をつけ足す。
「ちなみに、一度はめ込んだ木札はロックされるみたいだよ。順番にはめて試すことはできないみたいだから注意してね」

●中段・真ん中の穴
 地図に従い現地に向かった猟兵たちは、洞窟の奥で扉と木札を発見した。
 扉には縦横3列ずつ、合計9つの札をはめ込む穴が空いている。
 木札には、それぞれ1~9までの数字が一つずつ書かれていた。
 猟兵たちは謎の書かれた紙を見る。

 上の段の三つの数を足すと7。
 左の列の三つの数を足すと14。
 右の列の三つの数を足すと21。
 下の段の三つの数を足すと21。

『9枚すべての札を使用するとなれば、中段・真ん中の穴へはめ込む数字札は何か』

 以上、提示された謎である。
「みんな、頑張って考えて、そして埋蔵金を手に入れてきてね」
 ルビナの言葉を思い出し、猟兵たちは謎に挑んだ。


陵かなめ
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 ⑤徳川埋蔵金探索を行いましょう。
 プレイングには、必ず『謎の答え』を記入してください。謎を推理するシーンや正解を思いつくシーン、または埋蔵金を発見した時の反応をプレイングで頂けますと嬉しいです。
 オープニングが公開された時点からプレイングを受け付けますので、よろしくお願いします。
 それでは、プレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『神君家康公の謎かけ』

POW   :    総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、埋蔵金を手に入れます。

SPD   :    素早く謎の答えを導き出し、埋蔵金を手に入れます。

WIZ   :    明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、埋蔵金を手に入れます。

👑3
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竹城・落葉
 【SPDで判定】
 我が故郷にも、この時がやってきたか。元武将として、この戦いには負けられん。しかし、物資を買い占めるとは、敵も大胆だな。ならば、この暗号を解き、徳川家の埋蔵金を入手してしんぜよう。
 我は紙と筆を用意し、素早く数字を確認していくぞ。
 124
 6?8
 759
 ……という風になったな。つまり、真ん中のの数字は『3』だ。
 我は徳川家の埋蔵金を目の当たりにして、思わず見つめてしまうだろう。だが、今は戦争中、大金に目を奪われている場合ではない。すぐさま、軍へと埋蔵金を手早く運んでいくぞ。


リステル・クローズエデン
【WIZ】
答え
124
638
759

【解法】
まず考えるべきは右と下の数字。
1から9までの内三つを足して21となる組み合わせは、
【498】と【597】の二種。
ここで注目すべきはどちらも9が入っている事。
つまり右下の数字は9です。
次に上段の数字の組み合わせは
【124】のみ。
よって上段と右の列共通の数字は4なので
右上に4が入り、右の列は上から【489】で確定
上段が【124】か【214】
下段が【579】か【759】。
後は、左の列のみ。
残った数字は3と6なので
左上【1か2】+左中【3か6】+左下【5か7】で合計が14になればいい。
その答えは【1】【6】【7】
最後に残った3を真ん中に入れれば……
これが答えです


中村・裕美
答えは3……かしら?……全部埋めたわけじゃないけど

上の段で合計数が7にできる組み合わせは「1,2,4」のみ
上の段が上の数字しか使えないなら、右の列は合計21にするのに「4,8,9」の組わせしか使えない
左の列は上で「1,2」が使われているなら残った数字の合計は12か13
下の段は右で「8,9」が使われているなら残った数字の合計は12か13
残ってる数字「3,5,6,7」で12か13を作るのに「3」ではどうしても組み合わせられない
だから真ん中の数字は「3」
試しに3,4,7の位置を固定して数字を埋めたら

124
638
759

214
539
768

開いたら思わず小さくガッツポーズだが、人目に気づいて恥ずかしくなる


雷田・龍子
【POW】
「頭のいい猟兵さんなら数式で解くのかもしれませんが……」
龍子はメモをとりつつ直感で組み合わせを試すことにした。

●解説
とりあえず上段に1 2 4、右下に9を置くと右列の中央は8

1 2 4
. . 8
. . 9

下段は残り12なので5と7が入る。
左列の残りは13なので6と7が入る。
つまり左下は7で、左列の中央は6、下段の中央は5
1 2 4
6 . 8
7 5 9

よって、中央には【3が入る】

●埋蔵金を発見した時の反応
「意外と手間取りませんでしたね。」


コノハ・タツガミ
a+b+c=7からa,b,cは1,2,4の組み合わせさね
残:3,5,6,7,8,9

c+f+i=21はこう書き換えて
20>=f+i>=17
これを満たす、f,iは8,9の組み合わせさね
残:3,5,6,7

g+h+i=21はiが8か9だからこう書けるね
13>=g+h>=12
これを満たす、g,hは5,7の組み合わせさね
残:3,6

あとはa+d+g=14だから
14-Min(a+g) >= d >= 14-Max(a+g)
8 >= d >=5
となるとdが6で、残った中央は3さね。1例としてはこんな感じかね

1,2,4
6,3,8
7,5,9

さ、謎は解けたし知恵熱を出しているミズチにUCでも使っておくかね



●地道にメモを取りながら
 9枚の木札と洞窟の扉を前にして、猟兵たちは謎解きをはじめた。
 竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)は表情を引き締めつぶやく。
「我が故郷にも、この時がやってきたか。元武将として、この戦いには負けられん」
 とは言え、物資を買い占めるとは、敵も大胆だ。
「ならばこの暗号を解き、徳川家の埋蔵金を入手してしんぜよう」
 そう言うと、落葉は紙と筆を用意した。
 雷田・龍子(人派ドラゴニアンの剣豪・f14251)も、メモを取り出す。
「私もメモを取りながら考えましょう」
 メモを取りつつ、直感で組み合わせを試すことにしたようだ。
「頭のいい猟兵さんなら数式で解くのかもしれませんが……」
「こうして素早く数字を確認していけば、答えにたどり着くだろう」
 落葉は励ますようにそう言って、筆を走らせる。
「なるほど。それでは、とりあえず上段に124ですね」
 頷いた龍子も手元のメモと謎の書かれた紙を見比べ数字を書いていく。
 上段3つの数を足すと7になるので、この組み合わせとしては124が浮かんだ。
 それは落葉も同様のようだ。
「その次ですが、右下に9を置いてみましょう」
 龍子は思いついたと言う表情を浮かべて、メモの右下に9を書き込む。
「そうなると、右の真ん中は8だな」
 右の列の合計は21なので、右上を4、右下を9とするならば、真ん中は8となる。二人は簡単に計算しながら、それぞれ手元のメモに数字を書き足した。
「次は、左の列か?」
 落葉が手元のメモを指さすと、龍子は確かめるように言う。
「左の列を考えるのなら、すでに1が入っていますので残りは13です。ですので、6と7が入るのでしょう」
「6か7のどちらかと言うわけだな。ああ、下の段も一緒に考えれば――」
 真剣な表情で、落葉が手元の神を覗き込んだ。
「はい。下の段は先ほど9が入りましたから、残りは12です」
「それなら、5と7か」
 つまり、左下に7が入り、左列の真ん中の段には6が入った。
 二人のメモは、揃ってこう書かれている。

 124
 6 8
 759

「……という風になったな。つまり、真ん中の数字は『3』だ」
「ええ、そのようです。中央には『3』です」
 落葉と龍子は互いに導き出した答えを確かめ合った。

●順に思考を巡らせて
 リステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)がまず考えたのは、右と下の数字だった。
 謎の文章によれば右の列の三つの数の合計は21、下の段の三つの数の合計も21だ。
「1から9までの内三つを足して21となる組み合わせは、『498』と『597』の二種ですね」
 この2つに共通する数字は9。つまり、右の列と下の段が重なる右下の数字は9に決まる。
「次に、上段合計7になる組み合わせは『124』しかありません」
 すると、上段と右の列が重なる右上には、共通の4が入ると言うわけだ。
 自動的に右の列は上から489となる。
「この時点で、上段の並びは『124』か『214』になります。下段は『579』か『759』です」
 一つずつ順を追って数字を当てはめていくと、徐々に数字の並びが見えてきたようだ。
 リステルは残った左の列も考える。
 今、使用していない数字は3と6だ。
 左上に入る可能性のある数字は1か2、左の列真ん中には3か6、左下は5か7、と考えを進める。それらの数の組み合わせで14になればいいのだ。
「その答えは、『167』です」
 と、言うわけで、最後に残るのは3になる。あっと言う間に答えを導き出した。
「答えは3です」
 リステルがそう言うと、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)が隣でコクリと頷いた。
「答えは3……私もその結論ね……」
「同じ考えですか?」
 リステルが問うと、裕美は眼鏡の端を持ち上げながらぽつぽつと話し始める。
「私は……、最初に……上の段を考えたのよね」
「ああ、上の段からですね」
 右の列と下の段から考えたリステルとは少し違い、裕美は上段から考えていったようだ。
 上の段で合計数が7にできる組み合わせは『124』のみ。上の段にこの3つの数字しか使えないのなら、右の列の合計21にするには『489』の組み合わせしかないのだ。
「左の列は……、上段で1と2が使われているのなら……はめ込む残り数字の合計は12か13なのよね」
 そして、下の段については、右で89が使われているので、使用する他数字の合計は12か13になる。
「なるほど、数字を一つ一つ決めていくのではなくて、残った数字の合計を考えるのですか」
 リステルに言われ、裕美はまたコクリと頷いた。
「……今使われていない数字は、3と5と6、7ね……。12か13を作るのに……3ではどうしても組み合わせられないのよね……」
 裕美の言う通り、3を使って12か13を作ろうとすると、9か10がいる。どうあっても無理なのだ。
「だから……真ん中の数字は『3』」
「全部の配置を決めなくても答えが分かりますか?」
 裕美は試しにと、メモに書いて見せる。
 3、4、7の位置だけ固定して数字を埋めてみると――。

 124
 638
 759

 214
 539
 768

 2つのパターンが出来上がると言うわけだ。
 リステルはなるほどとそのメモを覗き込んだ。

●式で考え
 さて、皆の考えを裏付けるようにコノハ・タツガミ(放蕩亜神・f17939)も考えを披露する。
「a+b+c=7からa,b,cは1,2,4の組み合わせさね」
 これで残っている数字は、3,5,6,7,8,9である。
「c+f+i=21はこう書き換えて、20>=f+i>=17とするね」
 つまり、合計21になるのだから、cが1ならf+iは20になる。cが2ならf+iは19、cが4ならf+iは17。
 この条件を満たすfとiの組み合わせは、8と9だ。
 これで残った数字は3,5,6,7。
 コノハは続けた。
 g+h+i=21はiが8か9だから、13>=g+h>=12と書くことができる。
「これを満たす、g,hは5,7の組み合わせさね」
 これで、残った数字は3と6。
 あとは、a+d+g=14だから、

 14-Min(a+g) >= d >= 14-Max(a+g)
 8 >= d >=5

 となる。
 となれば、とコノハは皆に考えを伝えた。
「dが6で、残った中央は3さね」
 なお、すでにはめ込むパターンは出ているが、一つの例としてと数字の並びを書き出した。

 124
 638
 759

「こんな感じかね」
 考えを数式で表すことで、一層中央にはめ込む木札の数字が確信させられた。
 ふと、聖痕である蛟(ミズチ)を見る。翼を持った蒼い蛇の姿をした龍は、とても難しい話を聞いて、知恵熱でも出したかのように目を回していた。
「さ、謎は解けたし知恵熱を出しているミズチにUCでも使っておくかね」
 コノハは生まれながらの光をミズチに注ぎ込む。
 これで、ぐるぐる目を回しているミズチもすぐに回復するだろう。きっと。

●出そろった答え
 全員の答えが出揃った。
「中段・真ん中の穴の穴にはめ込む木札は『3』」
 共通の答えを導き出し、3の木札を扉の中央の穴にはめ込んだ。
 すると、重い音を響かせながら、ゆっくりと扉が開いたのだ。
 大正解。
 裕美は思わず小さくガッツポーズをする。
「良かったですね」
 その姿をリステルが見ていた。
「……! これは、その……」
 途端に恥ずかしくなり、裕美は体を小さくする。
「意外と手間取りませんでしたね」
 龍子はそう言いながら扉の奥へと足を踏み入れた。
「すぐに解ける謎でよかったさね」
 コノハも続く。
 そこにあったのは、いくつもの宝箱。試しに一つ蓋を開けてみると、金銀財宝が詰まっていた。
「徳川の埋葬金、これほどとはな」
 落葉は一瞬目を奪われるように、鈍い色を放つ金や銀を見つめる。
 しかし、今は戦争中だ。
 大金に目を奪われている場合ではない。
 すぐに軍へ運んでいこうと仲間に声をかける。
 猟兵たちは手分けして埋蔵金を軍へと運び届けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月02日


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト