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温水プールでゆったりバカンス!

#スペースシップワールド #【Q】 #お祭り2019 #夏休み


●リゾート船「マジョリカ・ブルー号」は温水プールで有名です
 グリモアベースにて。
 いつもはスーツ姿のロスティスラーフ・ブーニン(ドジっ子ライオン先生・f00470)がスパッツ型の水着に麦わら帽という、リゾート感満載の出で立ちで満足げに佇んでいた。
「ごきげんよう、諸君。今日は諸君らにいい報せを持って来た」
 そう満足げに目を細めるロスティスラーフの手元で、黄金色のグリモアがちり、と小さく音を鳴らす。
 そしてグリモアが表示したのは、青空の下で穏やかに水面を揺らす、巨大なプールだ。
 円形の巨大なプールの周辺に映像を移すと、ぐねぐねと蛇行しながら循環する流れるプールに、押しては返す白波が眩しい波打ち際、スリル満点に滑れるであろうウォータースライダーが映し出されている。
 数々のプールを映し出して、再び巨大プールに映像を戻したところで、ロスティスラーフが元々上がっていた口角をさらに持ち上げた。
「スペースシップワールドに数多あるリゾート宇宙船の一つ、『マジョリカ・ブルー号』の貸し切りに成功した。今映像に映っている大型の温水プールが特色あるリゾート船だ」
 その報告に、何名かの猟兵たちからおぉっと歓声が上がった。
 「マジョリカ・ブルー号」の温水プールは、男女問わず楽しめる上にバリエーション豊かなことで有名だ。広いスペースを取っている割に気軽な価格で楽しめることもあり、家族連れなどにも人気が高い。
 と、そこで数名の猟兵から手が上がった。曰く、これだけではないだろう、と。
 その言葉を受けたロスティスラーフが、無言のままにグリモアにそっと手を振れた。
 瞬時に切り替わる映像。次いで映されたのは水面から湯気を立たせる岩風呂だ。
 岩風呂だけではない、洞窟を模した薄暗い空間内に設えられた湯船や、湯船の壁から水流を吐き出し水面を泡立たせるジェットバス。奥の方にはサウナも見える。
 それらを映し出したロスティスラーフがこくりと頷いた。
「『マジョリカ・ブルー号』には見ての通り、温泉エリアも併設されている。こちらも男女が一緒に楽しめるエリアだ。まぁ、故に水着の着用は必須だがね。
 UDCアースやサムライエンパイアのように天然に湧出する温泉を使っているわけではないが、人工温泉であろうとその効能に遜色はない。
 私も下見がてら楽しんできたが、なかなか具合がよかったぞ。熱すぎずぬるすぎずでちょうどいい」
 そう話すロスティスラーフは満足げだ。やはり実体験しているが故に、言葉に説得力がある。
 グリモアから表示した映像を閉じると、彼はさっと腕を払った。自慢げな表情がますます、自身に満ちた目つきに変わっていく。
「この日は私が借り切ったため、一般の客は入ってこない。どれだけ騒いでもどれだけ長時間楽しんでも、誰も文句は言わん。
 温水プールで疲労した身体を、温泉で癒すもよし、泳がずに徹頭徹尾温泉を楽しむもよし。なんなら温水プールで心行くまで泳いでもよい。
 どうだね諸君ら、魅力的な話だとは思わないか?
 我こそはと思う者は遠慮なく来たまえ。スペースには十分な余裕があるからな」
 そう締めくくると、ロスティスラーフは頭に被った麦わら帽子をおもむろに被り直す。
 そのまま彼は我先にと、「マジョリカ・ブルー号」へのポータルを開いて飛び込んでいったのだった。


屋守保英
 こんにちは、屋守保英です。
 そういえばリゾートってフールが付きものだよな、と思って温水プールをご用意しました。
 温泉も併設です。お気軽にどうぞ。

●特記事項
 このシナリオは【日常】の章のみでオブリビオンとの戦闘が発生しないため、獲得EXP・WPが少なめとなります。
 どなたかと一緒に参加される場合は、お相手の方の名前やID、共通のグループ名の記載をお忘れのないよう、お願いいたします。

●場面
(第1章)
 スペースシップワールドのリゾート船「マジョリカ・ブルー号」です。
 巨大な温水プールを中心に、男女が一緒になって楽しめる様々なプールと温泉が用意されています。
 流れるプール、波打つプール、ウォータースライダー。ジェットバス、洞窟内温泉、ミストサウナ。他にもたくさんあります。
 水着の着用は必須です。脱いでいいのは更衣室とシャワールームだけです。
 この章にはロスティスラーフが同行しています。プレイングでお呼びいただいた時のみ、グリモア猟兵について描写を行います。

 それでは、楽しいひと時をお過ごしください。
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第1章 日常 『猟兵達の夏休み』

POW   :    海で思いっきり遊ぶ

SPD   :    釣りや素潜りに勤しむ

WIZ   :    砂浜でセンスを発揮する

👑5
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大崎・玉恵
(グリモア猟兵さん同行希望、水着はJC準拠)

こうして共に外に出るのは初めてかのう。
折角じゃ、共に泳がぬか?
おお、波が出ておる。山住まい故、新鮮じゃのう。

(暫く泳いで後)
少し疲れたのう。休憩せぬか?
お主の好きな葡萄酒はないのか?わしは飲まぬ、誤解を生んでも本意ではないしのう。

葡萄酒とは違うが、洋酒の面白い話を聞いたのじゃ。
椰子の乳とぱいん、らむ酒を混ぜた物。ぴにゃ・こらーだというらしい。
これはらむをうぉっかに変えると「ちち」と呼ばれるらしい。ちちじゃ、面白いと思わぬか?
酒を抜くと「う"ぁーじん」が付くらしいぞ?ここにはないかのう?

(玉恵はにやついている。思わせ振りな発言でからかう腹積もりらしい)



●せんせー「プールである!」
 ロスティスラーフ・ブーニンは水着姿で年甲斐も無くウキウキしていた。
 久しぶりに猟兵仲間と遊べる一時。わざわざリゾート船を一隻借り切る大盤振る舞い。
 これで参加者が少なかったらどうしたものかと思ったが、だいぶ集まってくれたことに彼はホッとしていた。
 いち早くポータルに飛び込んでくれた大崎・玉恵(白面金毛・艶美空狐・f18343)が、和服を模した水着姿でロスティスラーフの傍らに立ってにこやかに微笑む。
「こうしてロスティスラーフと共に外に出るのは初めてかのう。
 折角じゃ、共に泳がぬか?」
「うむ、泳ぐとしようか。あちらの波の寄せるプールなど、海らしさがあって良いのではないかね」
「おお、波が出ておる。山住まい故、新鮮じゃのう」
 そうして、親子ほどに年の離れた風に見える二人はプールサイドのカーペットを蹴った。人工的に設えられた砂浜へ一直線。
 そのまま砂を蹴上げて水の中へ、と思いきや。
「ぶはっ!?」
 砂で足を滑らせて、ロスティスラーフは砂浜へダイブ。何事かと振り返った玉恵が、腰まで温水に浸かりながら朗らかに笑う。
 顔の砂を払ったロスティスラーフが改めてプールの中に飛び込むと、そこからは楽しい水泳タイムだ。
 寄せる波を身体で感じながら、逆らうように、あるいは流されるように水面を揺蕩う。
 波を生み出すプールの奥側まで泳いでは、波に流されて水の中へ。
 程よく泳いだところで、玉恵が水に濡れた髪をかき上げた。
「少し疲れたのう。休憩せぬか?」
「そうだな、そろそろいい頃合いか。アルコールでも貰うとしよう」
 プールの底に足をつけて、蹴るように波打ち際へ。水から上がり、身体の水滴を払った二人が向かうのはプールサイドのバーカウンターだ。
「いらっしゃいませ、何になさいますか」
「そうだな、スプリッツァーを一つ。玉恵殿は何を?」
「わしは飲まぬ、誤解を生んでも本意ではないしのう。じんじゃーえーるでも貰おうか」
 店員に柔らかく微笑みながら各々の注文を告げる二人。アルコールを頼まなかったことに一瞬目を見開くロスティスラーフだが、玉恵の言わんとする事も理解できる故に、彼は何も言わない。
 そうして提供された飲料を手に、ベンチに腰掛けながら二人は言葉を交わしていた。
「葡萄酒とは違うが、洋酒の面白い話を聞いたのじゃ。椰子の乳とぱいん、らむ酒を混ぜた物。ぴにゃ・こらーだというらしい」
「うむ。トロピカルカクテルとしては定番の品であるな」
 玉恵の言葉に頷きを返すロスティスラーフ。それを見やった玉恵がほんのりと、いたずらっぽい笑みを浮かべた。
「これはらむをうぉっかに変えると「ちち」と呼ばれるらしい。ちちじゃ、面白いと思わぬか?
 酒を抜くと「う"ぁーじん」が付くらしいぞ?ここにはないかのう?」
「うむ、ここはリゾート船、子供が訪れることもありはするだろう。ノンアルコールカクテルを置いていることもあるのではないかね」
 平然と言葉を返すロスティスラーフ。その反応に玉恵が途端に真顔になった。
 その憮然とした表情を見て、ロスティスラーフが苦笑を零す。
「あのな、玉恵殿。そういう駄洒落は日本語が母国語の者に言わんと効果が無いだろうよ。私はロシア人だぞ」
「なぬっ……!迂闊じゃった!」
 やらかしたことを認識した玉恵がジンジャーエールを一挙にすするのを、ロスティスラーフはそれこそいたずらっぽい笑みを湛えながら見ているのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シン・ドレッドノート
高宮・夜宵さん(f02982)、高宮・朝燈ちゃん(f03207)と参加。
【SPD】
アドリブ歓迎です。

「色々なプールがありますね。まずは何から行きましょう?」
とりあえず最初は大き目の浮き輪を持って、流れるプールに。浮き輪に夜宵さんと朝燈ちゃんを乗せて、私は浮き輪を押しながらプールの流れに乗って回遊します。
浮き輪の浮き沈みに合わせて揺れる胸に胸を少しドキドキさせつつ、プールサイドや他のお客さんにぶつからないよう、浮き輪の向きを調整しながら波に乗って進みますね。

もちろん、夜宵さんや朝燈ちゃんの行きたいプールにも行ってみますね。
プールで周囲は水ばかりですが、家族の間には水入らずで楽しみたいですね。


高宮・夜宵
【WIZ】
再婚予定のシンさん(f05130)と娘(f03207)と参加。
水着は水着カードと同じセクシーなスリングショット。

シンさんや娘と楽しんだ後はミストサウナに入ってゆっくりと。
美容には気を使わないと♪
目を閉じてリラックスね。

アドリブ歓迎、何気ない仕草でも、胸は揺れます、たゆん。


高宮・朝燈
シンさん(f05130)とおかーさん(f02982)とで参加。

【POW】まるでUDCの温泉地のホテルみたいな船だねー。さすがにバール先生はお留守番かな。
カードと同じ、競泳っぽい水着に着替えたら、まずは3人で楽しもう。その後私は普通の温水プールで泳いでこようかな。もう溺れる事はないけど、まだ25m泳げないんだよね。
ところでシンさん、おかーさんはミストサウナの後に温泉に入ると思うから、一緒に入ったら?
私? 私の事は次でいーから。



●せんせー「家族団欒である!」
 他方、流れるプールでは高宮・夜宵(官能迷宮・f02982)と高宮・朝燈(蒸気塗れの子狐・f03207)が乗った大型の浮き輪を、シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)が押す形でゆらゆらと揺れながら流れに身を任せていた。流れに合わせて夜宵の大きな胸がぷるぷると揺れている。
 二人が乗った浮き輪は、時折水面の下に沈んでは浮かびを繰り返して、くねくねと曲がる流れるプールの中を動いている。貸し切りで他の客がいないから、ぶつかる心配もない。
「まるでUDCの温泉地のホテルみたいな船だねー」
「そうね、開放感もあってとても居心地がいいわ。船の中だから天候を気にしなくてもいいし」
「はい。でも二人とも、熱中症や日焼けには気を付けてくださいね?特に夜宵さん」
「あら、私は大丈夫よ?露出がこれだけあるのだから」
「おかーさん、多分逆、逆」
 そんなツッコミを入れながら、高宮親子と未だその姓を名乗るわけにはいかないシンが、揃って笑みを零した。
 シンと夜宵は、まだ正式に夫婦となったわけではない。婚約者、が立場として一番近いだろうか。
 まだ結婚はしていないものの、結婚を意識している二人が、こうして娘を連れながら歩き、泳ぎ、楽しんでいる。
 これほどまでに穏やかで、平和で、楽しい時間を、全くの縁のないもの同士が果たして過ごせただろうか。
 縁はあったことだろう、それはシン自身が、ようくわかっている。
 それを自分でも理解していた妖狐の男がふと視線を僅かに上へと向けると。
「船の中とはいえ、これだけ空が高いと居心地が良いですね」
「天気もいい、酒の具合もいい、さらには混んでなくて水面も穏やかになっている。これはこれで違う楽しみ方が出来そうです」
「いろいろなプールがあるのだから、折角の機会を楽しまなければ損というものよね!」
 シンに押される浮き輪の上でニコリと微笑み、彼へと言葉を返す夜宵と朝燈。
 そうして浮き輪がプールの縁に着くと、高宮親子二人は流れるプールから上がった。プールサイドに上がった拍子に夜宵の胸が、大きくたゆんと揺れる。
 さて、次のプールはどこを楽しもうか、と視線を巡らせたシンの側を離れ、朝燈がたたっと駆けていく。同時に夜宵も別の方へと歩いていった。
「朝燈さん?走っては危ないですよ」
「私、普通の温水プールで泳いでこようかな。もう溺れる事はないけど、まだ25m泳げないんだよね」
 振り返りつつ足を止め、首をこてんと傾げた朝燈である。女子小学生にとって、25m泳ぎ切ることは一種のステータス。練習するに越したことはない。
 それを聞いたシンが目をぱちりと見開くと、一歩足を25mプールの方へと向けた。
「では、練習にお付き合いしましょうか?」
「あ、いーよ、一人で大丈夫。私の事は後でいいから。
 シンさん、おかーさんはミストサウナの後に温泉に入ると思うから、一緒に入ったら?」
「しかし……保護者としては、子供を一人にするわけには」
 困り顔をしながら、夜宵の向かっていった温泉エリアの方に視線を投げるシン。夜宵と共に楽しみたい思いもあるが、まだ幼い朝燈を一人にするのも気が引ける。
 そんな言葉を返す未来の父親に、朝燈はニコリと笑みを向けつつ駆け寄った。
 目の前までやって来ると、人差し指を立ててシンの、整った口元に当てる。
「あんまり、私に気を使わせないでよね?」
 そう告げるや、再び踵を返して駆けていく朝燈だ。そのまま25mプールの端へと向かうと、ゆっくりと足から入って飛び込み台の前から泳ぎ始める。
 その様子を見ていたシンだったが、ふわりと笑みを浮かべて朝燈のいるプールに背を向けた。足を向けるのは温泉ゾーン。
「そうか……そうだな。二人でゆっくりと、話をするのも悪くない」
 そうして、また三人で顔を合わせた時に、また笑えるように。
 シンはゆっくりと、未来の妻の待つミストサウナへと入っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

セット・サンダークラップ
【猫鮫竜獅子】
【POW】遊んで疲れを癒すっすー!
電脳魔術師としての解析能力はともかく、本体は考えなしの少年なので感情の機微には鈍感っす

アガトさんどうしたっすー? とアガトさんについていって洞窟に行くっす
秘密のお話をする場というより、体験したことのないタイプの温泉にはしゃぐっす
事情がよくわからないのでアガトさんとレーヴェさんのやりとりには頭に「?」を付けて首をかしげてるっす・・・ダンスなども含めて。

お給料の多寡はともかく、誰かにものを買ってもらうのは嬉しいっすー。
じゃあレーヴェさん、プールに行ってから冷たいものでも飲みましょうっす! と手を引くっす
りんごジュースおいしいっすー!

アドリブ歓迎っす!


アガト・シレスティアル
【猫鮫竜獅子】
リゾート船にゃー!「しゃーん!」
欲望のままに流れるプールや波打つプール飛び込みたい気持ちを抑えて
にゃーとシャーくんはレーヴェにゃんとセットにゃんを洞窟内温泉に誘導するのにゃ!「……しゃーん?」
んにゃ?何故かって?レーヴェにゃんがセットにゃんを見る目はなんかいろんな気持ちがこもってる気がするにゃ
だからにゃーが攻めないレーヴェにゃんの代わりにセットにゃんにレーヴェにゃんの良さを教えるのにゃ
レーヴェにゃんはお金に困ってたらポールダンスで一稼ぎして……んにゃ!この財布で売店のスイーツをシャーくんと一緒に食べてきていいのにゃ!
「しゃっしゃーん!」早速出撃にゃ!パフェ食うにゃ!
アドリブ歓迎


レーヴェ・ナハトシッフ
【猫鮫竜獅子】
温泉か……普通ならゆっくり疲れを癒すんだが
鮫と猫がなんか企んでるのが不安なんだよな……
なんか善意で人の過去を暴露しそうな……非常時には予備の財布を持たせて、来る途中にあった売店に行かせるか

……セット。猟兵だから給料的にお金には困らないだろうが
何か困ってたら遠慮なく頼ってくれ。ポールダンス以外も色々できるからな
(アガトの気持ちは嬉しいが、俺はもう会えない人の面影をセットに重ねてるだけで、セット自身をはっきりと見てないから……ちゃんとした感情じゃないから今しばらくは、守りたいと思うだけでいいんだ)
温泉を出たら、お土産屋でも探すか?それかのぼせそうならプールに涼みに行くか?
アドリブ歓迎



●せんせー「秘密のお話である!」
 そして、温泉エリア。
 大きな岩風呂に、ジェット水流の噴き出すジェットバス、打たせ湯に寝転び湯、乾式サウナにミストサウナ。様々な形の温泉が、豊富に用意された人工温泉を使って用意されている。加熱循環式なのは、宇宙空間を駆ける船である以上、仕方がない。
 そしてそんな温泉エリアの片隅、大きな岩山をくりぬく形で用意された洞窟内温泉に、セット・サンダークラップ(青天に光を見る・f05234)、アガト・シレスティアル(この抱いた思いは忘れない・f03547)、レーヴェ・ナハトシッフ(風を纏う傭兵獅子・f04940)のグループ【猫鮫竜獅子】の三人と一匹は入っていった。
 洞窟内の薄暗く、しかし蛍光ランプの埋め込まれた仄明るい空間内に、お湯をかき分けるばしゃばしゃという音が響いている。
「こんな暗い中でお風呂に入るの、オレ初めてっすー!」
「アガト、なんでプールでなくこっちに誘ったんだ?プールは行かなくていいのか?」
「うん、まずはこっちに来たかったにゃ」
「しゃーん」
 先頭を歩き、温泉を泳ぐように進むシャーくんと一緒に洞窟の奥へ奥へと進んでいくアガト。その後ろでセットとレーヴェは止めるでもなく、そのままアガトの後をついていった。
 どうも何か意図があるらしいアガトの行動に、レーヴェが僅かにその空と太陽の色をした双眸を伏せる。
「(温泉か……普通ならゆっくり疲れを癒すんだが、アガトとシャーくんがなんか企んでる様子なのが不安なんだよな……)」
「レーヴェさん、どうしたっす?」
「いや、なんでもない……うん、なんでもない」
 レーヴェの悲しげな様子を感じ取ったか、それともただ表情の変化を不思議に思っただけか、セットが声をかけるが、レーヴェはぎこちなく笑って首を振るのみだ。
 その二人のやり取りにちら、と視線を向けるアガト。その表情はいつになく真剣で、真顔で、ほんのりと悲しそうに見える。
 とにかく、到着したのは洞窟の一番奥、小部屋のようになった場所だ。壁に埋め込まれたランプがぼんやりと光を点している。
 背丈の低いアガトは入り口付近の浅いところに陣取って、セットとレーヴェの二人を小部屋の奥の方、水深の深いところへと向かってもらう。
 そうして二人が腰を下ろし、肩まで温泉に浸かったところで、立ったままの状態で既に肩まで浸かった状態のアガトがふんすと鼻を鳴らした。
「さて、ここまで来たからにはもう逃がさないにゃ」
「逃がさないって、何で逃げるんっすか?」
「アガト、お前やっぱり――」
 状況を飲みこめていないセットに対し、レーヴェは呆れたように額を抑えて顔をしかめた。何か企んでいたのは、これでどうやら確定らしい。
 そしてさらに言い募ろうとするレーヴェに、アガトはびしりと指を突きつける。
「にゃーが思うに、レーヴェにゃんがセットにゃんを見る目は、なんかいろんな気持ちがこもってる気がするにゃ!
 だからにゃーが、攻めないレーヴェにゃんの代わりにセットにゃんにレーヴェにゃんの良さを教えるのにゃ!」
「……は?」
 アガトの言葉に、レーヴェは顎が落ちそうになるのをなんとか堪えた。
 何だか、盛大に勘違いされているか、勘違いしていないにしても盛大なおせっかいをされそうな気がしてならない。
 キョトンとした表情で首を傾げるセットに、レーヴェはゆっくりと近づいていく。その手に握っているのは密封式のジッパーバックに入れられた財布(予備用)だ。
「レーヴェにゃんはお金に困ってたらポールダンスで一稼ぎして」
「セット」
「なんっすか?……って、財布?」
 のっけから結構威力の高い爆弾を投下したアガトの話を遮るように、レーヴェは自分の財布をセットに押し付けた。
「猟兵だから給料的にお金には困らないだろうが、この中の金で好きなものを買っていい」
「んにゃ!レーヴェにゃんの財布で売店のスイーツをシャーくんと一緒に食べてきていいのにゃ!?」
「え、あ……ありがとうっす。お給料の多寡はともかく、誰かにものを買ってもらうのは嬉しいっすー」
 レーヴェの奢り、と聞いてアガトが早速反応した。セットもどことなく嬉しそうだ。
 その財布を手に握りながら、もう一つの手でセットがレーヴェの手を引いた。アガトは早速シャーくんと一緒になって洞窟の外へと駆け出している。
「早速出撃にゃ!パフェ食うにゃ!」
「しゃっしゃーん!」
「ほら、レーヴェさんも一緒に行きましょうっす!プールに行ってから冷たいものでも飲みましょうっす!」
「ああ、ついでにお土産屋でも探すか」
 レーヴェはセットに手を引かれて歩きつつ、先を行くアガトを追いかけつつ、自身の前でにこやかに笑うドラゴニアンの少年の後頭部を見つめては、改めてその目を細める。
「(アガトの気持ちは嬉しいが、俺はもう会えない人の面影をセットに重ねてるだけで、セット自身をはっきりと見てないから……ちゃんとした感情じゃないから今しばらくは、守りたいと思うだけでいいんだ)」
 その言葉は、心の中にギュッとしまい込んで。
 洞窟を出て一気に開け、明るくなる視界に、改めて目を細めるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

バロン・ゴウト
【CSF】
わぁ、なんだか冒険小説に出てきそうな、不思議な感じの温泉だにゃ。
ちょっと薄暗いし深さが分からないから、ルルエリさんに続いて慎重に進むのにゃ。
温泉内のあちこちを珍しそうに眺めながら、皆でゆっくり温泉に浸かるのにゃ。

露天風呂は聞いたことあったけど、洞窟の中の温泉も静かで落ち着いた感じが素敵なのにゃ。
えへへ、ボクが毎日楽しいのも、ルルエリさんやテンさん、旅団の皆のお陰なのにゃ!
温泉だったらサムライエンパイアのにも行ってみたいし、まだまだ皆で冒険に行きたいところはいっぱいあるのにゃ!
まだまだこの先も、大人になっても、猟兵じゃなくなっても一緒に冒険したいのにゃ!

絡み、アドリブ歓迎にゃ


ルルエリ・エールディール
【CSF】 絡みアドリブ大歓迎
村から出てから初めてばっかで飽きないね、洞窟温泉だってさ。
行かなきゃ損、ケットシー用の水深じゃないかもだけど、浅いところなら何とかなるでしょ
来てみたは良いけど、思ったより薄暗い。二人ともゆっくりね、足元に気を付けながらちょっと奥の方まで。
で、人気無くなったところでちとマナー悪いけど、仰向けにぷかっーとお湯に浮いて極楽極楽する!

だらっとしながら二人に話しかけるよ。
今が楽しいのは間違いなく二人と、アンシェさんのお陰だよ。一人だったら多分こんな楽しい生活なってなかった、ありがとうね。
…やべ、ちょっと口滑った。何か恥ずかしい。よし! 寝たふりで切り抜けよう、そうしよう。


テン・オクトー
【CSF】
洞窟温泉!雰囲気が素敵だね〜!温泉なのになんだか冒険に来てるみたい。深さはどう?ルル兄に続いて同じ背格好のバロンさんとドキドキしながら入るよ。洞窟内の景観、天井等を楽しんだりして3人でまったり浸かるね。

洞窟の温泉って、屋外温泉と違って少し静かな感じだね。水の音が響くし。
ん?ルル兄ってば。あらたまっちゃってヘンナノ〜。

(ボクも心の中ではルル兄と同じ気持ち。猟兵になって世界が広がり、故郷にいたらこんな素敵な時間は過ごせなかった。でも世界が平和になり猟兵でなくなったら一緒に時間過ごす事は出来なくなるのかな?複雑な気分)

首をフリフリ!にんまりニコニコして、
また、みんなで遊ぼうね!

アドリブ歓迎



●せんせー「改まった話である!」
 さて、同じく洞窟温泉の中。
「わぁ、なんだか冒険小説に出てきそうな、不思議な感じの温泉だにゃ」
「村から出てから初めてばっかで飽きないね。行かなきゃ損、ケットシー用の水深じゃないかもだけど、浅いところなら何とかなるでしょ」
「雰囲気が素敵だね~!温泉なのになんだか冒険に来てるみたい。深さはどう?」
 バロン・ゴウト(夢見る子猫剣士・f03085)、ルルエリ・エールディール(シュレーディンガーの顔面・f13370)、テン・オクトー(ケットシーのシャーマン・f03824)の【CSF】男子組三名も洞窟温泉の浅いところでまったりと温泉を楽しんでいた。
 三人とも揃ってケットシー。更に言えばバロンとテンは身長30センチも無い小柄な体格。40センチ弱のルルエリと比べると明らかに頭一つ分くらい低いわけで。
 通路部分の水深が概ね20センチ程度ということで、そこで充分に楽しめる三人である。人工的な洞窟のため、足元に段差が作られていないのが幸いだった。
「露天風呂は聞いたことあったけど、洞窟の中の温泉も静かで落ち着いた感じが素敵なのにゃ」
「あ~、極楽極楽……思ったより薄暗いけど、案外なんとかなるもんだね」
「洞窟の温泉って、屋外温泉と違って少し静かな感じだね。水の音が響くし」
 三人とも、これまでに経験したことの無かった洞窟温泉にご満悦の様子である。
 天井や壁に設えられた灯りが温泉の水面や湯気を照らしては、ゆらゆらとその上で揺れ動く。なんとも不思議で、幻想的な光景だ。人工の温泉ならではだろう。
 ちなみにこの手の洞窟内の温泉は、UDCアースには何ヶ所か存在している。鉱山などで坑道を掘っていたら温泉に掘り当たったというケースが比較的多いが、和歌山の忘帰洞のように海蝕洞窟に温泉が湧いたケースもあるそうだ。
 そんな、別世界の温泉にもバロンは思いを馳せつつ、宇宙を漂う中での湯を楽しんでいる。
「温泉だったらサムライエンパイアのにも行ってみたいし、まだまだ皆で冒険に行きたいところはいっぱいあるのにゃ!
 ……えへへ、ボクが毎日楽しいのも、ルルエリさんやテンさん、旅団の皆のお陰なのにゃ。まだまだこの先も、大人になっても、猟兵じゃなくなっても一緒に冒険したいのにゃ!」
「うん、今が楽しいのは間違いなく二人と、アンシェさんのお陰だよ。一人だったら多分こんな楽しい生活なってなかった……ありがとうね」
「ん?ルル兄ってば。あらたまっちゃってヘンナノ~」
「……やべ」
 バロンの言葉にルルエリが同調すると、どうやら何か余計なことまで言ってしまったらしい。その余計なことが大事だったのかもしれないが、テンに突っ込まれて慌てて温泉の水面に視線を向けるルルエリだ。
 そんな誤魔化しに入る兄貴分を微笑まし気に見て、テンは内心で複雑な心境だった。
「(……ボクも心の中ではルル兄と同じ気持ち。猟兵になって世界が広がり、故郷にいたらこんな素敵な時間は過ごせなかった。
 でも世界が平和になり猟兵でなくなったら一緒の時間を過ごす事は出来なくなるのかな?なんか、複雑な気分……)」
「テンさん?どうしたにゃ?」
「ううん、なんでも」
 内心の感情の揺れを見透かされたか、声をかけてくるバロンに首をふるふると振って、テンはにっこりと笑った。
 そしてバロンとルルエリにその笑みを向けて、はっきりとこう言うのだ。
「また、みんなで遊ぼうね!」
 その言葉に、異を唱える者は、この場には一人もいない。
 楽しいバカンスは、まだまだ終わらない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ブリッツ・エレクトロダンス
はぁー…温泉…
(ブリッツは洞窟内温泉にゆっくりと浸かっている。)

気持ち…いい………にゃー。
(あ。このねこ早速温泉の魔力で即堕ちしてねこ化してしまいました)

にゃーん………
……


(結論:長湯しすぎてのぼせました。助けてドジっ子ライオン先生!)


御宮司・幸村
おお……イイね!温泉ー
えっ?おじさんが誰だって?
(スチャッっとHMD装着)
おじさんおじさん、御宮司の幸村だよー

説明しよう!
奇門遁甲封鎖戦線で何やかんや疲れたおじさんは湯治に来たって言う訳(カメラ目線)
水着はコンテストに参加した物
パラソルはないよ?
おじさんはこう見えてTPOは弁えてるし!

ただ、癒されたい……時にはそんな日があっても良いと思うんだ

泳ぐとかはしゃぐとかは別の機会で良い
まあ、大人しくつかるのも暇だからムチムチのボン、キュッ、ボンのおねーさんを眺めたりしようかなー?
別に逞しいおにーさんでも良いんだけどねー!
猟兵さんの整ったボディラインを満喫するよー



●せんせー「長湯には注意である!」
「おお……イイね!温泉ー」
 洞窟内温泉の入り口に、なかなかにいいガタイをした中年男性が立っていた。
 ざぶざぶと中に踏み入っては、温泉内部の薄暗く、湯気が籠もる様子を物珍しそうに見ている。
 一見すればなかなかにいい見た目をしたナイスミドル。しかしその顔にはスポーツサングラス。手の中にはどう見ても場違いなヘッドマウントディスプレイ。
 誰あろう、御宮司・幸村(渚のインドアサマナー・f02948)である。こんな時でも愛用のヘッドマウントディスプレイは手放さないあたりが、なんとも彼らしい。
「奇門遁甲封鎖戦線で何やかんや疲れたおじさんは湯治に来たって言う訳。ただ、癒されたい……時にはそんな日があっても良いと思うんだ。
 あっ、パラソルはないよ?おじさんはこう見えてTPOは弁えてるし!」
 そう、どこにあるのかも分からないカメラに向かってカメラ目線をキメながら説明する幸村である。具体的には洞窟の入り口の方に向かってしゃべくっていた。
 そしてその入り口の方には。
「全く、誰に向かって何を説明しているというのだ」
 茶色の鬣に小麦色の毛皮、斑点模様の両腕両足。ロスティスラーフがそこにいるのであって。
 まさかそこに人がいるとは思わず、赤面する幸村が顔を一気に洞窟の奥の方へと向ける。
 別にロスティスラーフの、普段の姿からは想像もつかない豊かな腹筋に恥ずかしくなったとかは無い。無いったらない。
「いやーほら、お約束としてね?おじさん電脳魔術士だしね?」
「説明になっておらんが、まぁいいだろう。温泉に浸かりに来たのなら然るべき深さのところに行かぬか」
 そうしてさっさと幸村を追い抜いてざぶざぶと、洞窟内温泉の奥の方へと向かって行くロスティスラーフ。
 慌てた様子で幸村がその後を追いかけていくと、先を行くロスティスラーフが洞窟の一番奥、他と比べて広さのある小部屋の中で足を止めた。
 そこには。
「はぁー……温泉……気持ち……いい……にゃー」
 洞窟内温泉の岩壁にもたれかかるようにして、肩まで湯に浸かりながら温泉の魔力でねこ化しているブリッツ・エレクトロダンス(限定★4:真夏のクロヒョウ・f01017)がいた。
 一体いつからここにいて、温泉に浸かっていて、ねこ化していたのか。それは誰にも分からない。
 更に言えばブリッツは全身真っ黒。薄暗い洞窟内温泉の中では、随分と視認性が悪い。
 ただ一つ言えることとしては。
「にゃーん……うふぅ……」
「ブリッツ、おいブリッツ。しっかりせんか、お主いつからここに入っておる!?」
 駆け寄ったロスティスラーフが俄かに慌て始めるほどには、彼はすっかりのぼせ上がっていた。
 突然の騒ぎに幸村もただ事でないことを察したらしい。ブリッツの見事な腹筋と、それを覆う滑らかな毛皮に目を奪われつつも、このままではまずいと下した判断に誤りはなかった。
「ど、どうする!?」
「とにかく外に運び出すぞ、幸村殿はそちらを持て!」
 幸村に指示を飛ばしながら、二人でブリッツを挟んで肩を担いだロスティスラーフだったが。
 ブリッツの体重が微妙にロスティスラーフの方にかかるや。
「わっ、ぶ!?」
「のわっ、ロスティスラーフー!?ぶはっ」
 足を滑らせ、転ぶロスティスラーフが温泉にダイブ。次いで体勢を崩したブリッツと、それに引っ張られる形で幸村も温泉の水面へ。
 バシャーンという大きな水音が、洞窟内に木霊した。

 ちなみに何とかブリッツを運び出すことに成功したロスティスラーフと幸村は、しばらく洞窟の外で動けなくなっていたとのことである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月06日


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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト