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虚栄美術館と怪物たちのパーティー

#UDCアース


●虚栄美術館
 UDCアースの一角。ある偏屈な男が個人資産によって作り出した美術館。
 来る者を拒み去る者を追わない主人の性格から世に殆ど出ることのない、そして作者すらもわからない美術品がいくつも展示されては社会の闇へと埋もれた。
 そんな中での出来事である。
 展示室の手入れをしていた主人がひょんなことから足を滑らせて転び展示ケースを倒したことが、事件の始まりであった。
 ケースから転がり出た奇妙な能面がかたかたと動き始め、宙を飛び主人の顔へと張り付く。まるで奇っ怪な虫のように無数の節足を伸ばし顔面に自らを固定させると、主人の肉体をぼこぼこと変容させ始めた。
 あなたはもしかしたら、知っているかもしれない。
 この仮面……もとい、このオブリビオンの名前を。

●暗黒面、デビルズナンバー、そして都市伝説
「ある個人所有の美術館……といっても客の全く入らない主人専用の展示室のような場所から、『小面の者』という邪神が召喚されてしてしまった。
 決して意図したものではないんだろうが、集めた美術品や主人の性質が偶発的に召喚の手順として完成してしまったんだろうな」
 所は変わってこちらはグリモアベース。
 ナンシー・アラタメは背景に流れる風景からこちらへと振り返り、ため息をついて見せた。
「『暗黒面』という連中は知ってるか? 『小面の者』はそこに連なる邪神で、生贄に寄生して身体を乗っ取ることで顕現すると言われている。
 行動の特徴は収集……階段や都市伝説を再現し恐怖や狂気を収集するというものだ。
 放置すれば周辺地域が得体の知れない恐怖に呑まれることになるだろう」
 なので『小面の者』が外に出る前に叩き骸の海へ還してしまおう……という話ではおわらない。
 この段階で一区切りをつけて、ナンシーはノートへ新たに二つの名前を書き記した。
「『小面の者』が再現しようとしている恐怖と狂気にはモデルがある。
 それがデビルズナンバー六一一、『はくし』。
 紙に寄生し操ることで人間を襲うという厄介な怪物。
 そしてもう一つは都市伝説――『八尺様』だ。
 噂話が集まって顕現したタイプの怪物らしく、気に入った人間を取り殺すというオーソドックスながらもかなり強力な邪神だ。
 こいつらが、『小面の者』の力を狙っているという予知が出た。
 自分自身を再現できるような奴は、格好のエネルギー源だろうし味方にいれば便利だろうからな……」
 つまり、『小面の者』を倒しきったとしてもすぐにデビルズナンバーとの戦いが始まり、そしてそれらを支配している八尺様との戦いへともつれ込むのだ。
「激戦に次ぐ激戦になるだろう。途中でノックダウンしないように気合いを入れて行かなきゃあな。さて、と……!」
 ナンシーはグッと拳を握り、グリモアを展開させ始めた。
「世界を救う準備は出来たか? いくぜ――!」


空白革命
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第一章は暗黒面のオブリビオン『小面の者』との対決です。
広くはないが狭くも無いという微妙な美術館屋内での戦闘になるでしょう。
『小面の者』は純粋な戦闘能力によってイェーガーを倒そうとする筈です。
また相手はこちらよりもずっと基礎レベルが高く強力です。工夫なしで戦おうとすると敵のユーベルコードを受けて苦戦してしまうかもしれません。
相手の使う各ユーベルコードに対応したプレイングを用い、回避や防御を行ないつつ攻撃を仕掛けましょう。

今回の戦いで余裕をもって勝てたなら、もてた余裕の分だけ第二章からの戦いが有利になります。
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第1章 ボス戦 『暗黒面・小面の者』

POW   :    私は暗黒面。私は小面の者。恐怖と狂気の蒐集家。
見えない【自爆する仮面に寄生された生物】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
SPD   :    七という数字に秘められし謎を知っていますか?
レベル分の1秒で【7発同時に7方向から対象を追跡する怪光線】を発射できる。
WIZ   :    私は恐怖と狂気の蒐集家。これは蒐集品の一部です。
【今までに喰らった生け贄】の霊を召喚する。これは【異常なまでに超高音の金切り声】や【召喚者のレベルに比例した威力の自爆】で攻撃する能力を持つ。
👑11
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グウェンドリン・グレンジャー
レディ・ノウ・マスク……の、くせに、なまいきだ
かちわったる
何事……も、暴力、で、解決するの、が、一番

【POW】
私は暗黒面(略)が来た場合、寄生された生物に【生命力吸収】を使って絶命させる。
生物、と言っているからには、命のない有機物になれば軽減可能と推測。
七(略)は【第六感】で軌道予測し、回避できない場合【激痛耐性】
恐怖(略)はImaginary Shadowから【属性攻撃】の虚数属性で作った、虚数空間へ霊をクシャポイ

ザトウムシ、みたいな、体、しやがって
(【空中戦】とMórríganの翼で飛び上がり)

その、メン、踏み潰して、やる……!
【属性攻撃】で虚数属性乗せて、Angel 's Hammer!



 美術館のなかをゆっくりと歩く『小面の者』。もとが人間であったと思えないようなひょろながい手足をぶらさげ、美術館の出口を探しているようだった。
「そこまで……」
 大きな屏風の裏から歩み出たグウェンドリン・グレンジャー。
 身体を捻るように振り返った『小面の者』に、グウェンドリンは右手を小指から順にこきりこきりと握り込んで見せた。
「レディ・ノウ・マスク……の、くせに、なまいきだ。かちわったる」
「――」
 首を180度、どころか270度ほど傾げ、まるでバネ仕掛けのようにぎゅるんと元の位置にもどす『小面の者』。その瞬間にグウェンドリンの周囲で次々に爆発が起きた。
 Ebony Featherを広げて咄嗟に防御するグウェンドリン。
「見えない……寄生体……!」
 攻撃が防がれたと考えたのか、『小面の者』は長細い手を翳し、周囲の物体を浮かべてグウェンドリンへと飛ばし始めた。
 ポルターガイストのように飛んでくる彫像を、Imaginary Shadowで対抗。黒い蝶の姿をとった念動力が彫像を掴み、ばきばきと破壊していく。
「ザトウムシ、みたいな、体、しやがって」
 駆け出すグウェンドリン。
 その周囲で幾度も爆発がおこるが、グウェンドリンはそれを無理矢理かいくぐり、強烈な跳び蹴りを繰り出した。
 防御もろくにせず、派手に吹き飛ぶ『小面の者』。
 周囲の展示物が巻き込まれるように壊れ、『小面の者』は背後の壁を突き抜けてバウンドしていった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

蛇塚・レモン
既に犠牲者が出ちゃったんだね……
でもこの美術館から外には出させないよっ!

生贄の霊を召喚するなんて悪趣味だよねっ!
金切り声には激痛耐性+狂気耐性+オーラ防御かつ耳を塞ぐよっ!
霊の自爆は念動力で空中浮遊して霊から距離を取る&空中戦で敵の頭上からロープワークを駆使して蛇腹剣クサナギの範囲攻撃の破魔付きのなぎ払い!

悪い奴は蛇神様に懲らしめてもらっちゃおうっ!
小面の者の背後に魔法陣を生成してだまし討ち
蛇神様の呪詛と念動力+マヒ攻撃、おまけに敵の全身を怪力で締め上げて動きと敵UCを封じるよっ!

あいつの弱点はズバリ能面!
動きが止まったら空中からオーラガンの指鉄砲で能面を狙撃っ!
衝撃波で能面を吹き飛ばすよっ!



 突き破られた壁のがれきがころころと落ちる中、『小面の者』は糸で上から引っ張られたかのように仰向け姿勢から不自然に立ち上がった。
 そして大きく空いた窓の外を見つめ、首をカタカタと傾げる。
 遠い町の風景が見えたのだろう。行けばきっと恐怖や狂気を収集できる。そう考えたのだろう。
 だが――。
「これ以上犠牲を出させたりなんてしないよ!」
 通路の先から駆け込んできた蛇塚・レモンが蛇腹剣を展開。
 『小面の者』めがけて鞭のように放つと、『小面の者』はそれを長細い手でがしりと掴んだ。
 面が僅かに寄生体との隙間を作り、内側から生贄の霊を煙のように吹き出していく。
 霊は金切り声をあげながらレモンへ突進。
「うぐっ……!」
 歯を食いしばり金切り声の衝撃に耐えながら、レモンは大きく跳躍した。
 至近距離で爆発を起こす霊――のすぐ上の天井にぺたんと両手両足をつき、蛇腹剣を引き回転しながら『小面の者』の前へと着地。
「悪い奴は蛇神様に懲らしめてもらっちゃおうっ!」
 と叫ぶやいなや、『小面の者』の足下に光の魔方陣が出現した。
 本能で危険を察したのだろうか。素早く飛び退いた『小面の者』を追いかけるように巨大な大白蛇の霊体が出現。腕や足にぐるぐると巻き付き、新たな霊の出現を封じた。
 バランスを崩してがくりと傾く『小面の者』。
 その隙にレモンはブレスレットで霊力の光を増幅させ、指鉄砲から発射した。
 放たれたオーラは、狙い澄ましたように『小面の者』の面へと直撃した。

成功 🔵​🔵​🔴​

庚・鞠緒
コイツとは初対面だな
ま、何だろうがブチ殺すだけだ

対策
POW:即接近するから関係ねェ
SPD:致命的な箇所への命中は避けて【激痛耐性】で耐える
ってか多少ダメージ受けたほうがウチにはいいンだ
WIZ:金切り声は正直対策しようがねェ
耳栓して音聴こえなくするのも嫌だし
声のするほうを把握して自爆に耐える用意しとく

基本戦法は小面の者に【ダッシュ】で接近して「鉤爪」で【2回攻撃】
そんだけ細いンだウチの短い爪でもどっか切断できて【部位破壊】できっかもな
ダメージ受けたら「Touch of red」を使う
高めた【生命力吸収】能力で
鉤爪で斬りつけながら命を喰らい尽くしてやる
ウチよっか強ェんだろ、いくらでも吸えるよなァ?



 吹き飛んだ面が通路を回転しながら滑っていく。
 これで無力化できただろうか……と思った矢先、戦いの衝撃で倒れた武者鎧とぶつかった所で異変は起きた。
 能面が鎧の顔面部分に張り付き、ばきばきと鎧の形状を細長い怪物のそれへと変化させていくではないか。
 鎧の隙間から煙のように新たな霊体をはき出し、金切り声と突撃を再開させる。
「ワンパターンだな。けど、『そいつ』は貰っておく」
 割り込むように壊れた壁から歩み出た庚・鞠緒。
 彼女が右腕を翳すと、肉を突き破り一本のブレードが出現した。
 霊が金切り声を上げ――るより早く急接近し、ブレードを突き立てる。
 幽霊に物理攻撃がどうだなどという常識は、もはや鞠緒には通用しなかった。
 彼女に流れる邪神の血が、幽霊ですら切り裂くのだ。
 悲鳴をあげ、自爆する霊。
 至近距離でうけた衝撃で肉がさけ血が吹き出るが……鞠緒はそれをよしとした。
「ああ、こっちの方がウチには都合がいいンだ」
 爆発を抜け、まっすぐに飛びかかる鞠緒。
 振り払おうと念動力を発動させた『小面の者』に対し、鞠緒は眼前で突如赤い霧を発生させた。
 いや霧というより煙と呼んだほうが正しいくらいに濃密な、手を伸ばした先すら見えないような景色の中で、鞠緒は『小面の者』の胸にブレードを突き立てた。
 負傷によって強化された鞠緒の腕力が、鎧をも貫いていく。
 そして。
「ウチよっか強ェんだろ、いくらでも吸えるよなァ?」
 鞠緒による生命吸収が始まった。

成功 🔵​🔵​🔴​

テルプ・ステップアップ
はじめまして
暗黒面の小面さん!
悪いけどお外で大暴れされると困るからここで退治させてもらうね。
…そして中の人ごめんなさい助けられなくて。(軽く黙祷)
いくよー!
SPD対応「七という数字に秘められし謎を知っていますか?」
POWとWIZは科学的には難しそうだけど見える7方向からの攻撃なら
僕のオービットグルーヴィーで対応できる!
僕の予想は「7の方向」は七芒星を表してるんじゃないかと思うの。
だからこれを計算式に入れて予測するの!
あらゆる角度からの攻撃に対応する「眼」と僕の身のこなしで
避けきってみせるよ。
その後は僕の渾身の蹴りをそのおたふくのお面にお見舞いするよ!



 蓄積していた生命力を奪われると察したのか、『小面の者』はイェーガーを振り払って美術館の外を目指して走り出した。
 大きな窓ガラスを突き破り、人里目指して走り出す。
 が、そんな『小面の者』の行く手を空から舞い降りたテルプ・ステップアップが阻んだ。
「はじめまして、暗黒面の小面さん!
 悪いけどお外で大暴れされると困るからここで退治させてもらうね」
 着地の姿勢から顔を上げ、うち捨てられた美術館の主人を視界に納める。
(ごめんなさい、助けられなくて)
 小さく、そして短く心の中で祈ると『小面の者』へと身構えた。
 一方の『小面の者』はテルプを邪魔だと判断したのか能面から黒い怪光線を発射した。
 七発同時に放たれた光線は全て別々の軌道を描いてカーブし、テルプを逃がすまいと迫る。
 どのような軌道で迫るかその全てを予測することはきわめて難しい。
 が、テルプには秘策があった。
「『オービットグルーヴィー』!」
 目の中に光る文字列。彼女にだけ見える軌道予測だ。
 七つ同時とはいえ攻撃対象が決まっているなら描く軌道は限られる。
 どころか、相手を翻弄し別の方向から打ち込むとなれば、どうしても『あざとさ』が生まれてしまうもの。
 テルプはそれを敏感に読み取り、あえて『小面の者』へと突撃した。
 カーブした光線がテルプを追いかけるが……。
「こういうのには、弱いはず!」
 飛び膝蹴りが『小面の者』の能面に激突。
 一方で光線は自滅を防ぐためにテルプをさけてあちこちの地面や木々、美術館の壁へとぶつかっていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

火奈本・火花
「偶発的に召喚されると、事前の対処が出来ない分厄介ですね。オブジェクトを事前に収容出来れば防げる事案ではありますが……」

■戦闘
奴が怪光線を発射する前に、9mm拳銃による『クイックドロウ』での『先制攻撃』を試みよう
更に、奴のスピードが私より確実に上回っていたり、仲間の攻撃に紛れられる事が事前に分かったなら、美術館の彫像など身を隠せる場所を『地形の利用』で使い、『暗殺』するつもりで奇襲を仕掛ける心算だ
銃弾は対UDC用の『呪殺弾』を装填し、『2回攻撃』で機先を制したい

怪光線に対しては宿木乱舞の、無差別攻撃での相殺を狙うつもりだ
追跡するなら、弾は確実に私に集中するのだろう。軌道の予測は付けられるはずだ


ウィルマ・シャーオゥ
ここがあの噂に聞こえる美術館!
どうせなら他の展示も堪能してみたいところだけど、まずはこの騒動を片付けないとネ。戦闘は得意じゃないけど、面白そうな展示品が壊されちゃうのはご勘弁かな。

『錬成カミヤドリ』で本体古書を複製して、三冊一組のフォーメーションで盾として活用するよ。とはいえ、間断なく射撃されるようなら複数冊重ねてもボロボロになるのも早そうかな?
なら、盾が生きてる間に直接本体にちょっかいをかけてくしかないかも。フック付きワイヤーでの拘束チャレンジと参りましょう!
面を分離しても別のものに憑りつくだけみたいだし……それならあのひょろっとした身体ごと、行動阻害の呪詛を込めてふん縛ってみたいかな吾輩!



 よろめくようにのけぞる『小面の者』。
 一度野外に出ることをやめ、美術館屋内へばたばたとした足取りで戻っていった。
 その辺に置かれていた武者鎧では寄生対象として不十分だと判断したのだろう。手っ取り早い生け贄を探すようにして、美術館のなかをうろうろと歩き始めた。
 そこへ――。
 自動式9mm拳銃による射撃が連続で浴びせられた。
 衝撃に身体を傾け、首だけをぐにゃりと捻って振り返る『小面の者』。
 通路に飛び出し両手でしっかりと銃をえた火奈本・火花が、油断なく距離をとりながら『小面の者』を威嚇していた。
「偶発的に召喚される邪神とは。事前の対処が出来ない分厄介ですね。オブジェクトを事前に収容出来れば防げる事案ではありますが……いや、してしまいますか、いっそ」
 更に連続しての射撃。
 細長く引き延ばされた武者鎧の胴体や翳した腕、そして能面に銃弾が命中し、『小面の者』は数歩後じさりをした。
 勿論だがエージェント火花が発射しているのは通常弾ではない。
 寄生型オブリビオンに対抗して開発されたジャミング弾である。寄生対象への情報伝達を妨害することで動きを鈍らせるというもので、『小面の者』はそれをひどく嫌がった様子だった。
 だが逃げても無駄だと判断したのか、それとも火花を倒せると考えたのか、『小面の者』は全身から五本の怪光線を発射した。
 本来七本あったはずのうち二本は火花による妨害で不発に終わったようだ。
 そして残る五本は――。
「頼んだよ、我輩の可愛いページたち」
 複雑な軌道を描いて飛んだ怪光線が、シェルター状に展開した無数の紙片によって阻まれる。
 それもただの紙片ではない。
 ウィルマ・シャーオゥがおぞましい狂気に染まってまで古今東西様々な世界からかき集めてきた呪術が記された狂気のページたちである。
 読めば発狂触れれば混乱。当然ページそのものにも恐るべき呪力がかけられていた。
 シェルター内側。火花を庇うようにして手を翳していたウィルマは振り返り、片眉だけをあげて笑った。
「へえ、ここがあの虚栄美術館……どうせなら他の展示も堪能してみたかったけど、早速壊されちゃってるみたいだね。
 これ以上『いわく』つきの品が壊れるのは嫌だし、手伝うよ?」
 何をすればいい?
 そうジェスチャーするウィルマに、火花は右手で『反転』のジェスチャーをしてみせた。
 あー、と大仰に頷くウィルマ。
「じゃあ、せーのでいこうか。せーの――!」
 ウィルマが盾として展開していたページが紙飛行機のように折りたたまれ、一斉に『小面の者』へと殺到。
 全身にぺたぺたと張り付くと、持ち前の呪力で『小面の者』の寄生情報をハッキングし始めた。
 びくびくとけいれんしたように動く『小面の者』。このままでは分が悪いと判断したのか能面だけ離脱しよう――とした所で、火花の腕から飛び出した暴れ狂うヤドリギの蔦が能面を絡め取った。
 いや、からめとり、しめつけ、握りつぶして能面を破壊してしまった。
 するとどうだろう。寄生されていた鎧もがらがらと崩れ、能面に宿っていた邪神の力も消え失せていた。
 破片をつまみあげるウィルマ。
「おや? 器を壊されただけで死ぬとは随分もろい邪神だね?」
「儀式魔術によって『存在したこと』になっていたのでしょうね。偶発的に顕現した神にはままあることです」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『六一一『デビルズナンバーはくし』』

POW   :    悪魔の紙花(デビルペーパーフラワー)
自身の装備武器を無数の【白い紙製】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    悪魔の紙飛行機(デビルペーパープレーン)
【超スピードで飛ぶ紙飛行機】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    悪魔の白紙(デビルホワイトペーパー)
【紙吹雪】から【大量の白紙】を放ち、【相手の全身に張り付くこと】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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 戦闘を終え、そろそろ後片付けだ……と思ったその矢先。
 突然あちこちに散っていた紙束が舞い上がり始めた。
 コピー用紙や巻物、掛け軸や紙細工といった品が意志をもったように飛び上がり、ぱたぱたと自らを折り曲げて攻撃的な形態へと変化していく。
 ちらりと顔を見合わせるイェーガーたち。
「我輩なにもしてないよ?」
「こっちを見るな。ウチじゃない」
「僕も知らないよ? お片付けのために念動力つかった?」
「え、あたい? ちがうちがうっ!」
 誰も何もしていないことが分かった瞬間、その場の全員が戦闘姿勢に入った。
 銃を構え、エージェントが叫ぶ。
「デビルズナンバー六一一……『はくし』!
 周囲の紙に寄生するタイプのオブリビオンです!
 奇襲に気をつけて!」
「奇襲……どんな、紙でも、敵の武器に、なる……?」
 気づけばイェーガーたちは大量の空飛ぶ紙片に囲まれていた。
 紙飛行機のように自らを折りたたみ、一斉攻撃を開始する六一一『デビルズナンバーはくし』。
 まずは、この場を乗り切らなければ……!

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 第二章、六一一『デビルズナンバーはくし』との集団戦闘です。

 彼らはイェーガーの使用ユーベルコードに対応したPSWそれぞれの攻撃方法を用いて襲いかかってきます。
 P:全体攻撃を使用してくるため、自分を含めた仲間を守るプレイングを仕掛けましょう。
 S:切断能力をもって直接飛んでくるのでそれを回避または迎撃しましょう
 W:次々に張り付く紙吹雪に動きを止められてしまうまえに引きはがすか、全て破壊してしまいましょう。

 途中参加やグループプレイも大歓迎。プレイングをお待ちしております!
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火奈本・火花
「連戦になるとは聞いていたが、息つく間もないな。……同時に襲われなかっただけ、良しとするか」

■戦闘
大量の舞い散る紙束が相手となると、王道の手が1つか
まずは天井を見ての『情報収集』を行い、火災用のスプリンクラーを探そう

発見出来れば『地形の利用』だ。偽装爆弾を天井に投げ、9mm拳銃で撃って起爆。スプリンクラーを作動させる
守ると言うには遠回りだが、紙の花びらに大量の水を降らせてしまえば奴の動きを阻害し仲間も避けやすくなるだろう

消火設備が無ければ
爆弾を直接投擲して奴の回避動作から中心を見極めたい
『捨て身の一撃』による『おびき寄せ』で、鋼糸で中心となる紙を捕獲
奴の攻撃範囲から仲間を遠ざける事で貢献しよう


グウェンドリン・グレンジャー
神は、言って……いる
特に、サイタマ、に、いる、白いライオン、の、神が
『攻撃こそ最大の防御』だと……

【POW】
真の姿。うおー

【第六感】で、攻撃、タイミング……を、予測。
みんな、に、教えて、声掛け

全体攻撃、に、自分も、全体攻撃……Fether Rainを、放って、相殺
【属性攻撃】で、炎属性を、乗せて、威力、あっぷ
他の皆……の、攻撃の、隙、作る
もうちょっと、頑張って、はくし、本体にも、何発か、当てたい

自分の、ダメージ。紙の、切り傷……は、【激痛態勢】で、緩和
これくらい、あとで、しっかり、食べれば、平気ー


ウィルマ・シャーオゥ
本体がちょっとざわざわするなー落ち着かないなーこれ!
とりあえず複製は全部消して再使用も中断だネ。逆に利用されたらたまったものじゃないや。

変形して直接飛んでくるならば、こちらは罠をもって迎え撃ちますとも。『レプリカクラフト』で捕縛用の網罠をれっつらクッキング!
素材は切断に強いアラミド繊維。それを細かく編んで束ねた網が、物体の接触を感知すると飛び掛かるような感じ?
二十五メートル四方ならこの部屋の天井も巻き込める範囲だと思うし、作動に必要な機構は天地に融合させちゃえないかな?
難しそうならとりあえず手動でそいやっと網投げるね!

動きを止められたら後は煮るなり焼くなり。燃やしたいけど吾輩じゃ力不足かなー。


蛇塚・レモン
<POW>
このままじゃ仲間も巻き込まれちゃうっ!
目には目をの要領で同系統のUCを使うよっ!

武装神格解放(ゴッドアーマメント)! 目を醒ませ、クサナギ!

蛇腹剣をロープワークを駆使して振り回して、不可視の神聖なる霊力刃(火属性付与)を発射してなぎ払い+範囲攻撃!
標的は『紙の花びら』と『はくしたち』
あたいから半径48m以内の敵とその攻撃を全て切り刻んで焼き焦がすよ!
花びらは霊力刃の衝撃波で吹き飛ばしてもいいかも?
これで範囲内の味方への攻撃を防ぎつつ、敵を殲滅できるよっ!

自分のダメージは黄金霊波動のオーラ防御と鏡盾の盾受けで最小限に抑えるね
仲間の怪我は、あたいのリュックの中の救急キットで手当するよっ!


ベイメリア・ミハイロフ
【WIZ】
Red typhoonを使用し全破壊を試みたく存じます
呼吸ができなくなるようでは困ってしまいますので、
予め絶望の福音にて攻撃を予見し目鼻口はオーラ防御又は武器受けにて防御したいところ
その他の箇所はとりあえずは張り付かれても
高速詠唱・2回攻撃も交えて
ただひたすら撃破したいと思います
指が使えますようであればジャッジメント・クルセイドも織り交ぜ
弱っている個体からていねいに1体ずつ攻撃し引き剥がしてまいります
自分に張り付いたものがあらかた片付いて
他のお仲間さまがピンチでいたっしゃった場合には
加勢、また著しく疲労された方がいらっしゃいましたら
生まれながらの光にて治療を試みますね


庚・鞠緒
デビルズナンバーとはあんま面識ねェンだよな…何なンだこいつら
勝手に来たのか呼ばれたか知らねェが喧嘩売った相手が悪かったな
ウチの「鉤爪」で斬って裂いて何の折り紙にもならなくしてやるよ

対策
P:UC「You're Better Off Dead」使って血の刃で飛んでくる紙を切って落とす
完全破壊ができなくても血に塗れたら動きは鈍るだろ
S:紙飛行機なら最後は頭から突っ込んで来るってことだよな
ウチの【視力】で軌道を【追跡】できンなら【カウンター】で鉤爪を突きたてて逆に切断してやる
W:UC「You're Better Off Dead」で吹っ飛ばすか…できねェなら全身に張り付く前に本体を切裂くしかねェな


テルプ・ステップアップ
【SPD悪魔の紙飛行機(デビルペーパープレーン)対応】
お~すごいね。紙飛行機の編隊飛行なんて普通じゃお目にかかれないの♪
今回も「オービットグルービー」を使うよ。
僕もワンパターンだねー
今回は僕だけが避ければいいものじゃないから他の人も支援するよ。
僕も避けるけど皆への攻撃も対処・指示する。
「む、前方10時から2時まで数10!後方7時の死角から2来てるよ!」
みたいな。
皆の回避に重点をおいて行動だから多少は怪我しちゃうかもだけど気にしなよ。
皆を鼓舞(11)しつつオーラ防御4、逃げ足4、時間稼ぎ3で乗り切る。



 四方八方から襲いかかる無数の紙吹雪。
 コピー用紙の端で指を切って意外な鋭利さに驚くことがあるというが、勿論それにも理由がある。適切な圧力と適切なスピードで肉体を摩擦すれば肉体を切断することも可能でありそれがたとえ一枚一円以下の紙片であっても例外ではない。
 六一一『デビルズナンバーはくし』は紙を自在に操ることで、社会にありふれた物理資源をそのまま凶器にかえる恐ろしい特性をもっていたのだ。
「そっちが、その気なら」
 グウェンドリン・グレンジャーはぴょんと飛び上がり、自らを黒い大量の蝶で包み込んだ。
「うおー」
 卵の殻を破るように。蝶の繭を裂くように。
 表情はとろんとしたまま、グウェンドリンは真の姿を現わした。
 白く清らかな乙女の四肢という繭を破り、異形の手足と蝶の羽根。そして彼女を取り巻く大量の蝶型エネルギー体の群れへと変化したのだ。
 『はくし』の放つ大量の紙片に対し、自らの放つ大量の蝶をぶつけることで反撃。
 高速で衝突しあった紙片とエネルギー体がばすばすという小さな音を大量に連鎖させ、豪雨の窓辺めいた凶暴な音を打ち鳴らした。
「今」
 グウェンドリンの合図に従って、ボールペン型小型爆弾の安全スイッチを『抜く』火奈本・火花。
 放つは『はくし』……ではなく、自分たちの頭上に設置された火災報知器である。
 いかに外の者を拒むといえど美術館として登録する以上災害対策基本法にそう必要が生じる。火災報知器はそのひとつだ。
 そして美術館という特性上かならず設置しているのが――。
「スプリンクラー、出ます!」
 火災報知器のすぐそばへ至った小型爆弾に、ハンドガンで狙い澄ました銃撃を打ち込んだ火花。
 弾頭が細長い信管をうち、その摩擦と破壊によって爆薬に点火。激しい炎と衝撃が辺りを包んだ。
 直後、天井に設置されたスプリンクラーが激しく水をまき散らす。
 簡単な火災なら消し止められるほどの水分量が散布されたことで『はくし』が操っていた紙片がその構造上の特性として水分を吸い込み、結合の完全性を失った。
 それでもなんとか攻撃を続行しようとするが……。
「重くなった紙なら簡単に狙えるはずっ!」
 水に濡れた蛇塚・レモンが跳躍。
「武装神格解放(ゴッドアーマメント)! 目を醒ませ、クサナギ!」
 蛇腹剣クサナギが封じられた神格を解き放ち、不可視の霊刃が飛来する紙吹雪と取り囲む『はくし』たちへと次々に発射された。
 『Feather Rain』によって勢いを削がれ、『≪捕獲工作≫爆弾投擲』によって完全性を喪った紙片はついに『武装神格解放術・蛇神霊刃波』によって残らず粉砕されたのだった。
 どころか、攻撃をかわそうとした『はくし』たちまで巻き込まれてはらはらと水浸しの床に落ち力を失っていく。
「連戦になるとは聞いていたが、息つく間もないな。……同時に襲われなかっただけ、良しとするか」
 濡れた髪を払い、息をつく火花。
 ふと見ると、グウェンドリンの肩にほんの小さな切り傷が走っていた。
 最初の攻撃に飛び込んだことでちょっとした怪我を負ったらしい。
「大丈夫ですか? 治療薬ならありますけど」
「これくらい、あとで、しっかり、食べれば、平気ー。それより……」
 ぱたぱたと異形の手を振ってみせるグウェンドリン。
 彼女の視線の先には体中から出血した庚・鞠緒があった。
 視線に気づいて顎をあげる鞠緒。
「ン? ああ、こりゃあ前の戦いでウチがわざとやったもんだ。痛くもかゆくもねェよ。
 ンなことより、あのかみっぺらは何なんだ? たしかデビルズナンバーつったよな」
 鞠緒はグリモア猟兵の説明をちらりと思い出していたが、実像とあまり結びつかなかったらしい。小首を傾げて説明を待っている。
「『紙』を本体とするオブリビオンだね。それも概念浸食するやつだ」
 あーやだやだ、といってウィルマ・シャーオゥは手をぷるぷると振った。
「我輩の知ってる呪術でいうと、看做しの呪いに近いかな。
 『似たものは同じものになる』っていうナーサリーマジックの法則ね。
 『はくし』が存在してるだけで周りにある似たような物体が全部『はくし』の一部になっちゃうワケ。
 おかげで吾輩もなんか本体がざわざわするよ。落ち着かない」
 言われてみれば、ウィルマは既に複製本体を消してヒューマンボディと本単体だけを残していた。
 はいはーいといって手を上げるテルプ・ステップアップ
「ねえ、また攻撃されたら面倒じゃない? 一旦外に出よ?」
 テルプの提案に頷いて、イェーガーたちは美術館の出入り口へと向かった。
 と、その途中で。
 展示された掛け軸がばらばらに散り、イェーガーたちを巻き込んだおおきな紙吹雪へと変化した。
「またさっきの攻撃をっ?」
「いや、これは――」
 先程は紙の鋭さによる斬撃を目的としたのに対し、今回は物量そのもので相手を覆い、身動きを封じるという攻撃手段であった。
 斬撃に対抗しようとしたことで反撃をすり抜けられ、腕や足にまとわりつかれる火花たち。
 そこへ――!
「お待たせ致しました」
 よく通る声と共に薔薇の花びらがフロアじゅうに舞った。
「ベイメリア・ミハイロフ――参上いたしました」
 テレポートによってフロア中央に現われたベイメリアは半分まで減った十字のメイスを振りかざし、残る全てを薔薇の花弁へと変化。
 風圧と衝撃によって仲間たちから紙片を振り払い、『いまです』と出入り口を指さした。
「たすかったー! ありがと!」
 ぱたぱたと手を振るレモン。
 ベイメリアは彼女たちについて走り出すが、すぐに『はくし』の攻撃手段が変化したことに気づいていた。
「皆さん、次が来ます!」
 花弁の群れを武器に戻し、武器から放つ聖なる光で障壁をはるベイメリア。
 障壁にいくつも紙片が阻まれるが、紙による切断能力ですり抜けるようにしていくらかの紙片が飛び込んできた。
「ったく――鬱陶しいンだよッ!!」
 鞠緒は走る足でブレーキをかけて反転。
 あえて紙片の群れへと飛び込むと、両腕からブレードを展開。
 豪速の回転斬りを繰り出した。
 もし紙吹雪に回転斬りは効果が無いと考えたなら、鞠緒というグールドライバーを知らないと言わざるを得ない。
 彼女が前の戦いで『わざと』出血をしていたことには、このときのためなのだ。
 彼女から伸びるように散った血液が霧のように広がり、霧は風のように激しく動き、紙片よりも小さいサイズになって横殴りに紙片を破壊していく。
「今のうちに行け!」
 回転をとめ、ブレードをかまえる鞠緒。
 『はくし』たちはしびれを切らしたように本体を表わし、紙飛行機のように自らを折りたたんで見せた。
 突撃の姿勢である。これまでの紙片のように簡単には破壊できないだろう。
 そんな『はくし』たちがまとめて、そして一斉に突撃を仕掛けてきた――ところへ。
「最後にはそう来ると思ったよー」
 逃げるそぶりを見せていたウィルマが、左右非対称ににやりと笑って振り向いた。
 鋼のワイヤーによって作られた巨大な網が、『はくし』とウィルマたちの間に素早く展開した。
 それも――。
「三番から六番までを展開! 包囲開始!」
 テルプ・ステップアップの『オービットグルーヴィー』による軌道予測によって正確に計算された位置とタイミングで、である。
 突っ込むという動作。そして紙という性質。
 ウィルマにとってそれは『手足のように』身近な存在であった。
 それゆえにやられれば嫌なことも知っていた。
 水で濡らされるよりも、火であぶられるよりも嫌なこと。
「止められて握られるのが、一番嫌だよねー」
 ネットをブチブチと切断しながら無理矢理通り抜けようとする『はくし』たちだが、幾重にも展開したネットの全てを破ることはできなかった。
「いまだー!」
 テルプはネットを操作するためのロープをひき、『はくし』たちをネットで包み込むように覆っていく。
 逃げだそうとターンをかける『はくし』たちだが、下をスライディングで抜けてネットごと反転んさせたテルプによってその動きが大きく阻害され、体勢を立て直そうとしている間にテルプの素早い縄さばきによってネットが固定。
 ついには身動きがとれないどころかぐしゃぐしゃと圧迫され、巨大な紙の団子と化してしまった。
「いっちょうあがりっ!」
 ぱしぱしと手をはらい、笑うテルプ。
 がさ、と動くのは最後の抵抗か。
 それとも恐怖への震えか。
 呪術によって青白い炎をあげるウィルマや、ブレードを翳した鞠緒。シューズを高く頭上に振り上げたテルプ。
 メイスを握って祈るベイメリアに、手の上に無数の黒い蝶を舞わせるグウェンドリン。
 オーラガンの構えをとるレモンと拳銃を握った火花が、同時に『はくし』に銃口を突きつけた。
「さあ、焼却処分の時間だ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『都市伝説』八尺様』

POW   :    八尺ノック
単純で重い【蹴り、又は拳などの打撃系の技】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    恐怖怪談イミテーション
対象のユーベルコードを防御すると、それを【身体に吸収して、自身を超強化する。また】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    【常時発動型UC】フレキシブルボディ
自身の肉体を【物理ダメージを軽減する、柔軟な身体】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「「勝利ーーーー!!」」
 ぱしーんとハイタッチするイェーガーたち。
 一方でクールな者たちは破壊してただの灰と化した『はくし』たちを見下ろして考えを巡らせていた。
「『小面の者』を倒したすぐあとに襲われたのは、何か理由があるんでしょうか」
「すぐ近くで見ていたなら戦いを直接妨害するはず。直後に現われたということは何か別の意図があったのでは?」
「意図ってなんだよ。ここから外に出さないためとかか?」
「仮にそうだとして、出さないことによるメリットって――」
「もしかして……あれ、かな」
 ぴ、とひとりが指をさす。
 振り返ると。
 そこには。
「ぼぼ、ぼ」
 天井に首を傾けるようにして頭をつけた、きわめて長身の怪物がこちらを見下ろしていた。
 いつからそこにいたのか。
 どうやって自分たちの背後に立ったのか。
 まるで分からないまま、怪物は長い腕を振り上げた。
 怪物の名は――。
「『八尺様』!!!!」

================================
 ついに最終決戦! 『都市伝説』八尺様との戦いです!
 八尺様は『しへん』を使って皆さんの攻撃を一度だけ受けた扱いになっています。
 そのため強靱なパワーと柔軟性、そしてブレードとネットの展開。そして飛び道具の使用という強化バージョンになっています。

※今回に限っては皆さんのプレイングはぜんぶひとまとめで扱うので、PSWにそったユーベルコードでなくても構いません。
 強化版八尺様に対する渾身のカウンタープレイングを、自慢のユーベルコードによって叩き込んでやりましょう!
================================
火奈本・火花
「我々を罠に嵌めようとする知性はあるようだが……我々はUDC組織。UDCを発見し、捕獲し、収容する存在だ。我々に発見された時点で、お前の捕獲は始まっている」

■戦闘
機先を制したい
ペンライトの光を最大出力に、『クイックドロウ』による『先制攻撃』で『眼潰し』を狙う。次いで短針銃の追撃で『2回攻撃』を仕掛け、『催眠術』で一瞬でも忘我させるつもりだ

隙をこじ開けたらエージェントグローブの鋼糸を飛ばして捕獲
『怪力』で鋼糸を絞り、そのまま切断する事を試みる。胴体や首を捉えて輪切りに出来れば最善だが、手や足を切断して行動を制限させる事が出来れば成功だな
切断した部位は破壊するか、エージェントとして捕獲・収容したい


テルプ・ステップアップ
なんかさっきの小面さんに肉ついたみたいだねー。おっと仮にも女性に対して失礼かな?
さっきははくしに纏わり付かれたから今度は僕のが纏わりつかせて
僕たちの苦労を体験してね。
今度は僕のエレクトロレギオンで八尺様に囲んで攻撃だよ!
おっと八尺様、うかつに手を出すと張り付いて自爆しちゃうからね♪
これが数の暴力っていうんだよニヤリ😳


庚・鞠緒
人型で生き物、やっとやり易い相手だぜ
柔軟な体つってもウチの攻撃は斬る、刺すだしあんま関係ねェ

八尺ノックはまともに喰らいてェもんじゃねェし
正面には立たず横や後ろから攻撃する
まずはダッシュで接近して側面を【スライディング】しながら脚を鉤爪で斬っていく
ま、切断できなくてもバランスさえ崩せばな

体勢を崩せたらすかさず「Hate Crew Deathroll」をブッ込む
全力の【怪力】でハラワタに手ェ突っ込んで内臓を【部位破壊】してやるよ
柔軟だ吸収だ体ン中で出来るならやってみやがれ
立てねェならもう一発、次は頭狙ってブッ壊してやる

ぼちぼち腹減ってるし血も足ンねェし
じっくり付き合うなんてしてやらねェからな


ベイメリア・ミハイロフ
八尺様…身の丈もさることながら
お髪の長さが、洗うのが大変そうでございます
確か、ぽ、ですとか、ぼ、ですとか仰るのでございますよね
一体何と仰っていますのでしょうか

絶望の福音にて攻撃を先見、第六感と見切りも活用し
何が来るのかを予測して回避
不可であればオーラ防御にて防ぎたく
こちらからの攻撃は、単体攻撃のジャッジメント・クルセイドにて

SPD攻撃の、防御時に自身の技を使われますのは
厄介でございますね
防御されぬよう高速詠唱を試みます
それにしても、八尺様とは
案外、肉体派なのでございますね
POW攻撃は直撃を避け回避できますよう特に注意したく存じます


※お仲間さまと共闘の際は連携を意識
アドリブ・お遊び歓迎いたします


ウィルマ・シャーオゥ
ひとまず、あの振り下ろしを落ち着いて回避しないことには。今こそ逃げ足の速さが問われる時!
広域攻撃で一回は不可視の刃が飛んでくるんだよね。さっきの応用で、もっかい『錬成カミヤドリ』の頁を散布させよっか。見えなくても存在するなら、触れた瞬間紙に変化が起こるはず。切られそうだけど、せめて回避や防御の目安になるといいネ。ネットは回避や適当な武器で巻き取っちゃうのがおすすめかな!

残る複製本を再度盾にしつつ、物理・ユーベルコード以外の攻撃をメインに挑みたいところ。これ以上強化が蓄積するかは謎だけど、念には念を入れておこう。

終わったらこっそり所蔵品の鑑賞を……濡れてる! そして壊れてる!
……芸術は、儚いネ。


アララギ・イチイ
はーい、お久しぶりぃ
あ、この言葉を理解する必要は無いわぁ
私だけが知っている理由、的な物だからぁ♪(説明する気無し

【Q.E.D~】を使用するわぁ
通常攻撃に自らの宿敵のみに有効な自壊因子を流し込み攻撃よぉ

そういえばこれは有効なのかしらねぇ?
と思うので、【早業】で塩を【投擲】してみるわぁ

八尺ノックを警戒、距離を確保、敵の飛び道具を含めて攻撃された場合は【見切り】、【ダッシュ】で回避、又はシールドで【早業・盾受け】よぉ

砲身+砲機関部+動力炉を【早業・武器改造・メカニック】で合体、大型砲を構築、大出力ビーム兵器の【範囲攻撃】で攻撃するわぁ

前衛として機械人形のフギン、ムニンを配置、【時間稼ぎ】させるわぁ


グウェンドリン・グレンジャー
都市伝説……妖怪、日本のフェアリー、デーモン
零落した、女神……と、推測

引き続き、真の姿

……グールドライバー、の、前に。大きな、人間の、姿……で、現れた、のが。運のつき

私は、なんでも、ムシャムシャ、くっちまう、女

ヘヴンズドライブ起動。
私の、刻印が、持つ、全ての力、で、貴女、を、むしゃむしゃ、する。

八尺ノック、を、ギリギリまで、ひきつけて……【第六感】で、タイミング、掴んで。高速で、飛び上がって、回避

そして、飛び上がった、ところから。
身を丸めて、八尺様、目掛けて、飛び込む
物理ダメージ、軽減されないよう。【生命力吸収】を乗せて、激突と同時に、背中から、生やした、クランケヴァッフェ、突き刺す


蛇塚・レモン
<WIZ>
敵がどんなに強化されようがお構いなしっ!
だってあたいと蛇神様の『嫉妬』で全て無効化できちゃうからねっ!

黄金霊波動で念動力全開
空中戦で素早く動いて敵の攻撃を第六感と戦闘知識で軌道を読んで回避するよ!

八尺様の身体はブラックラールみたいなのかなっ?
だったらそれはズルくて反則だから禁止だよっ!
召喚した蛇神様を空中浮遊させて破壊念動波を撃ってもらうよ!
(念動力+鎧無視攻撃+呪詛+マヒ攻撃+恐怖を与える)
フレキシブルボディを封印して敵の身体にダメージを与えたら、蛇腹剣クサナギで敵の四肢を削ぎ落とすよっ!
(なぎ払い+武器落とし)
最後は2回攻撃で再び破壊念動波と蛇腹剣の斬撃で八尺様の頭を潰すよっ!



●都市伝説『八尺様』
 UDCアースにおける怪談伝記のたぐいにおいて、特に情報化社会の影響を強く受けたのがインターネット都市伝説である。
 真偽の不確かな噂話が土地と時間にかかわらず飛び交い続ける環境のなかでそれらは醸成され、一種の魔術基盤となった。
 儀式魔術において『大衆が知っていること』は大きな力を持ち、それが一単語で通じる程となれば桁外れの魔術効果をもたらす。
 かつて口裂け女の都市伝説によって社会現象が巻き起こり児童の登下校から夜道の警備に至るまでが変貌したように、今現在もある種の変貌をもたらした。
 そして変貌は幻想を生み、幻想は現実を生む。
 人知れぬ現実の怪物。
 噂話によって顕現した『大衆の作った邪神』。その名も――。
「見つけた、『八尺様』。お久しぶりねぇ……そして、今日で最後よぉ」
 虚栄美術館の閑散とした門扉を開き、黒い角の女は黒檀のキセルをくわえた。
 女の名はアララギ・イチイ。都市伝説を狩る者。
 吹いた煙が、夜空のようにきらめく。

●破壊のイメージ
 振り上げた長い腕が火奈本・火花へと迫る。
 火花は敵の気配を察知した時には既に短針型記憶消去銃を抜いており、それが敵だと確認した時には既に引き金をひいていた。
 確かに八尺様より早く放たれた針が対象の胸元へと刺さり、八尺様の意識を支配しにかかる――が、人間の記憶を強制的に消失させる薬物の効果は神の意識をわずかコンマ五秒ほど奪うのみに留まった。
 放たれた腕はまるでゴムのようにしなって伸び、火花へとぶつかる。
 火花の主観風景が高速で回転し、頭と腕と膝と腰に連続した痛みが走った。
 横殴りの打撃で吹き飛び壁をぶち抜いてフローリングの上を縦向きに転がったがゆえの風景である。
 常人であれば三半規管が麻痺するか気を失うかといった所だが、訓練されたエージェント火花は回転の途中で地面に手を突き足をつき、眼鏡のずれを中指でなおしながらブレーキをかけた。
 壁ギリギリで止まり、エージェントグローブのセーフティー解除スイッチを押し込む。
「エレクトロギオン!」
 イェーガーはトラブルも怪物も慣れっこだ。テルプ・ステップアップは部屋中に電脳ポインターを飛ばして約二百体にも及ぶ小型レーザータレットを召喚した。
「攻撃、攻撃ー!」
 八尺様を取り囲むように出現したレーザータレットが一斉に赤い熱光線を発射する。
 攻撃を受けた八尺様のあちこちが焦げ付く……が、それも一瞬のこと。
 すぐさま発射された不可視の刃がレーザータレットを次々に破壊、小爆発させていく。
 勿論これで終わりにするつもりはない。テルプは一旦フロアを飛び出して距離をとりつつ、孤立した火花へと駆け寄った。
 追いかけるように足を踏み出す八尺様。そのスピードたるや凄まじく、全速力のテルプをゆうにおいこして顔を覗き込むように背を丸めた。
 次の攻撃が来る――よりも早く、赤白いブレードが走った。
 庚・鞠緒の腕からはえたブレードである。血がべったりとついたブレードで鋭く狙ったのは八尺様の足。
 機動力とバランスをまず奪おうという作戦である。対人戦慣れした鞠緒ならではだ。
 対する八尺様は長く伸びた腕から骨のようなブレードを露出。地面に突き立てるようにして鞠緒の斬撃を防御した。
「こいつ……さっきの戦闘からパクりがやったな!」
 反撃にと顔面めがけて突き出されるもう一本のブレード。
「離れてください!」
 というベイメリア・ミハイロフの声に応じて、鞠緒はその場から大きくバク転移動した。
 と同時に天井を貫いて打ち込まれる聖なる光。
 ベイメリアは八尺様へ向けて『慈悲の剣』を向けポインティングすると、地上を見守る聖なるものより光を次々と打ち込ませていく。
 そうそう防御できるような攻撃ではないのだろう。八尺様は身体全体をバネにして飛び退いていく。
 ベイメリアはポインティングと祈りを連続し次々に光を落とすが、八尺様はジグザグに室内を飛び回りそれを回避していった。
 その途中、八尺様が周囲に地蔵の頭のようなものをばらまいていたことにふと気づいた。
「これは一体……」
 小首を傾げるベイメリア。同時に鞠緒の『パクりやがった』という言葉を思い出した。鋭く叫ぶ火花。
「爆弾です!」
「わわわわ、蛇神様!」
 蛇塚・レモンが素早く伏せ、祈りの念を飛ばした途端、部屋中に巨大な白い蛇神がほんの一瞬だけ出現した。
 いわゆる見做し魔法の一種であり、この場に神が『在ったことにした』のだ。
 そうすることによって生まれる激しい破壊の念動波が爆弾を無力化し、同時にあちこちの美術品を吹き払っていく。
 部屋を隅々まで舐めるような衝撃の中、グウェンドリン・グレンジャーは蝶の翼を広げてまっすぐ八尺様へと突撃。
「……グールドライバー、の、前に。大きな、人間の、姿……で、現れた、のが。運のつき」
 異形の腕でもって八尺様へ殴りかかった。
 顔面を直撃――したと同時に回り込んだ八尺様の拳がグウェンドリンの頬に直撃した。
 ぐねんと大きくのけぞるように曲がる八尺様。
 一方でグウェンドリンは回転しながら吹き飛び、天井や床にワイヤーフックのように細長く分岐して伸ばしたクランケヴァッフェでブレーキをかけた。
 銃を突きつけるように構える火花。
「我々はUDC(アンダーグラウンド・ディフェンス・コープ)。UDCを発見し、捕獲し、収容する存在だ。我々に発見された時点で、お前の捕獲は始まっている」
「ぼぼ……」
 ようやく声を出し、のけぞった姿勢のまま振り返る八尺様。
 きわめて人間的な衣装や縮尺を覗けば人間的なシルエットとは裏腹に、その動きはまるでブラックタールのようであった。
 直後、八尺様は両手から再度露出させたブレードを振り回し血の霧を展開させる。
 防御しようにもしきれない微細な刃がイェーガーたちを襲う……が。
「『はくし』は実際、紙の扱いが下手だったよネー」
 ダンと激しく床を叩いたウィルマ・シャーオゥ。
 複製された魔導書のページ群が一斉に持ち上がり、壁のように八尺様を覆い隠した。
 発射された微細な血の刃はページに吸い込まれ、真っ赤に染まった紙片となってぼろぼろと滲んでいく。ページに込められた呪力が血の呪力と混じり合って崩壊したのだ。
「妖怪や悪魔みたいに固定化した存在と違ってね、都市伝説っていうのは厄介なんだよ。
 口裂け女は時速ウン十キロで走るとか花子さんはどこのトイレにもいるとか、噂次第で変容するんだ。そして噂を語る人間は恐怖を煽るために隙を埋めていき、絶対的な恐怖へと変えていく。
 けど……その分弱点もあるんだよ」
 崩れて落ちていくページの向こうで、八尺様は両腕をだらんとさげていた。
 ブレードは抜け落ち、血の刃も不可視の刃も地蔵爆弾ももう出せない様子だった。
「噂が広く信じられなければ長く顕現できない。そして、『信じていない対象にとってはただの暴力でしかない』」
「……っ」
 ベイメリアが何かに気づいたようにハッと顔をあげた。
 例えば無敵の格闘家がいたとして。
 そんな人間の無敵さや伝説を信じた人間が前にすれば絶対に勝てない絶望かなにかに見えるだろう。
 だが全く知らない人間からすればそれはただ強そうな人間であり、きっと新幹線でもぶち当てれば死ぬだろうと考える。
 その違いこそが、『絶対的な恐怖』を倒す糸口なのだ。
「取り囲め!」
「ペーパーロギロン!」
 ウィルマは温存していた数冊の魔導書を分解。テルプの召喚した自走タレットへ鎧のように装着させていく。
 八尺様は呪力を持った集中砲火を防御し全く同じ召喚術で反撃しようとする――が。
「それはズルいから、ナシ! 蛇神様っ! あいつにお仕置きしちゃって!」
 レモンが両手を掲げて召喚した大蛇の放つ衝撃によって、召喚途中の奇っ怪な怪物たちが吹き払われていく。
「動きを止めるのです!」
「ああ、一瞬だけでいい……!」
 火花はエージェントグローブからワイヤーを放つと、八尺様の腕や足に巻き付けた。
 引きちぎろうとする力に対抗してワイヤーを引く火花。
 その拮抗がたった一瞬。
 たった一瞬あっただけで、決定的な隙を生んだ。
「そのシャレた帽子ごとブッ壊してやる!」
 飛びかかった鞠緒の右手が捕食形態へと喧嘩し、八尺様の頭部へばくりと食らいついた。
 と同時に、天空から斜めに打ち込まれたベイメリアの聖なる光線が八尺様の胴体を貫いていく。
 そしてトドメとばかりにグウェンドリンの繰り出した拳が、八尺様へと直撃した。
 否、直撃したのは拳だけではない。彼女から無数に分岐して発射されたクランケヴァッフェが八尺様を貫き、引き裂き、めちゃくちゃにした上で吹き飛ばしたのだ。

 美術館の壁を破壊し、大きな放物線を描いて飛ぶ八尺様。
 芝生をバウンドし、ぐねぐねと転がった後、頭のない身体で起き上がった。
「はーい、お久しぶりぃ」
 声に振り返る。
 アララギの声に、身体ごと振り返る。
 自らを決定的に消滅させうる存在に、八尺様は声にならない声をあげて襲いかかった。
 うねる腕が伸び、アラタギへと叩き込まれるも、魔方陣を通して召喚された壱号型戦闘人形フギンの太刀によって止められ、弐号型戦闘人形ムニンによる砲撃で吹き飛ばされる。
 アララギの周囲に無数の魔方陣が浮かび、無数の兵器が召喚された。
 ビーム砲と105ミリリニア榴弾砲。
 そして加粒子ビーム機関システムと八門のミサイル発射筒。
 アララギのシールドビットにそれらが次々と組み合わさり、恐ろしく巨大な大砲となって宙に浮かんだ。
 それらを呼び出したアララギはただ片手を上げ、必死にこちらへ襲いかかろうと走る八尺様はむけて、指を『つい』と下げるだけであった。
 目もくらむような砲撃が大地を破壊し、八尺様を破壊する。
 そして最後に残った『白い塩の柱』へ、アララギはゆっくりと歩み寄った。
 塩の柱を掴み、握り込む。
 ざらざらと崩れ落ちた柱をよそに、アララギは手の中の塩を口の中へと注ぎ落としていった。
「ふふ、回収完了。ご苦労様ぁ」
 ぺろりと舌で上唇を舐めるアララギ。
 そうして、八尺様を骸の海へ帰せるまで徹底的に痛めつけてくれたイェーガーたちに手を振り、アララギはその場を立ち去ったのだった。

 美術館から出てきたテルプがきょろきょろと火花たちとアララギの背を見比べた。
「えっだれあのひとだれ? 遠くてよく見えないけど知り合い?」
「ええ……ちょっとした有名人ですよ」
 新しい敵かと身構えていた火花は、向けていた銃を下ろした。
「アララギ・イチイ。都市伝説を『終了』させ、記憶を回収している……いわゆる奴らの宿敵ですよ」
「火花様とはご職業が異なるのですか?」
 あまりよくわからないらしいベイメリアに、コトが済んで缶コーヒーをちびちびやっているグウェンドリンが振り向いた。
「世界のための、回収と……自分のための、回収」
「別にどっちでもいいじゃねェか。要はブッころしたんだろ? 二度と蘇れねえように」
 同じく缶コーヒーをちびちびやっていた鞠緒。レモンが何処で買ったのそれと尋ねると、黙って崩壊した自動販売機を指さした。
「うわー、とりほうだい……」
 とはいえここら一帯が地獄と化すのを防いだ料金がコーヒー一本なら安いもんかもしれない。
「で、ウィルマさんはなにやってるの?」
 レモンが指さしたさきでは、ウィルマがなんだかしょんぼりしていた。
「虚栄美術館……一度見てみたかったのに、展示品がことごとく破壊される……儚いネ」
 肩をすくめるウィルマに、グウェンドリンが缶コーヒーを差し出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年07月26日
宿敵 『『都市伝説』八尺様』 を撃破!


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🔒
#UDCアース


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は虚偽・うつろぎです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアララギ・イチイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト