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Smiling Ocean𓇼

作者：Parmigiano

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●Bon voyage！
　猟兵達が今か今かと待ち侘びた“夏”が、とうとうやってきた。
　天気は快晴。スペースシップワールドのリゾート船を貸し切り喧騒を忘れて豪遊出来る喜びというものは、何にも変えられない。現に、猟兵達の中には浮き足立っている者もいるだろう。
　そんな君達に声を掛けてくる人物がいた。

「やぁ、みんな。夏がやってきたね。……とはいえ、先日から日照りがあったり暑い日もあったけれど」

　────それはグリモア猟兵、戎崎・蒼（暗愚の戦場兵器・f04968）である。
　彼もまた、君達と同じように水着を着用しており、すっかり夏の装いという感じだ。加えてリゾート船という事もあり、高揚した様子を見せつつ少しだけ嬉しそうにしながら話している。

「今日は依頼の事も忘れてくれて構わないよ。その代わりと言ってはなんだけど、リゾート船の1つ、『ラ・メールリュミエ号』を存分に遊び尽くして楽しんでくれるかい？」

　それは勿論！
　彼の言葉にそう思い返事を返したのなら、蒼も今一度笑みを浮かべて分かったとばかりに快諾する事だろう。………これは一時の休暇。心を休ませるにも持って来いの、そんな“依頼”であるのだから。

「ちなみに、僕はいつでも甲板付近にいるから声を掛けてくれてもいい。呼んでくれたら駆けつけるから────と、じゃあ早速リゾート船へ行こう！」

　そう言うや否や君達の眼前は白み、間もなくしてグリモアで移送された事が理解出来るだろう。

　夏はまだ始まったばかり。
　猟兵達にとって夏の清遊であり、紀行譚が今、幕を上げたのであった。

第1章 日常 『猟兵達の夏休み』

POW   :    海で思いっきり遊ぶ SPD   :    釣りや素潜りに勤しむ WIZ   :    砂浜でセンスを発揮する 👑5 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　移送されたそこは、青々とした海と空が一望出来るリゾート船『ラ・メールリュミエ号』。
　周囲には延々と広がる海原と砂浜、そして釣り道具が一式揃いぶみの遊泳スペースがある。折角のリゾート船なのだから、これを楽しまない訳にはいかないだろう。

　君達は海で遊んでもよいだろうし、釣りや素潜り等をして楽しんでも構わない。
　もしくは砂浜で城を作ったり、貝殻拾いをしたりしてもいいだろう。

　兎も角、常夏のバカンスを楽しむのには最適であるこの場所で、十分に羽を伸ばして体を休めるよう………各々好きなように過ごす事となったのだった。

　※御手数ですが『マスターより』の項目を熟読の上、プレイングをお送り下さい。




●コバルトブルーの錯視と策士
　ザザーン………………ザザー………。
　海底がある程度覗ける程に透明度の高い海が、さざなみを立てている。照りつける日光が海面に反射し、キラキラと輝いているのはとても魅力的だ。そして、その波間を縫うようにぽっかりと浮かんだ2艘のボートには、同数の人影が視認出来るだろう。

「─────釣りね」
「─────釣りだ」

　それは羽を伸ばしにやって来た猟兵、アメリア・イアハッター（想空流・f01896）とフェーズ・ワン（快音響・f06673）の2人だ。
「ふふん、私の方が大物釣ってやるんだから！
　今のうちに負けゼリフ考えておきなさいよ！」
「はん、俺の方が珍しいの釣ってやるからな。
　後で吠え面かくなよ」
　さながら仁王立ちと言った感じで自信満々にそう宣言するアメリアだが、フェーズはといえば……否、こちらも自信満々に答えていた。

　……どうやらどちらも引く気はないらしい。

　そんな風にメラメラと闘志を燃やし、血気盛ん(？)な様子の2人の猟兵。然しながら、今日という日は彼等も夏の装いに身を包んでいた。

　アメリアはオフショルダー＆ショート丈のシンプルなトップスに、黄緑の鮮やかなショートパンツという可愛らしい姿(インナーとして着ている水着が一部透けて見えている気がしないでもない)。頭に被ったボーラーハットとキャペリンの中間のようなピンクの帽子には、水色のリボンが彩られているのが分かる。

　一方、フェーズもまたシンプルな海パンを着用しており、まさに夏といった感じのアロハシャツを着ていた。麦わら帽子はストローハットよりはややフリンジハットに近い形の鍔で、自然に馴染んでいる。その姿はまるで海賊のよう……(そも海賊のようななりをしているだなんて思ってはいけないのだ)。

　───兎も角、そんな2人はそれぞれ気に入ったポイントを見つけると早速釣り糸を垂らして開始し始めたのだった。

「ふふ、この勝負は私が絶対に貰うわ！ワンワンがいくらキャンキャン吠えて、負け犬の遠吠えを言ったって無駄なんだからね！」

　挑発するように言うアメリアは、始まって間もなく直ぐにヒットした様子が見受けられる。釣ってみると小ぶりではあるが魚が早速掛かっていた。
　全くもって幸先の良いことだ。

「キャンキャン吠えるか。なんたって勝つのは俺だからな」
　しかしフェーズはそんな様子を見ても慌てる様子はないだろう。─────何故なら。

（こっちには秘策があるからな）

　そうして一人ほくそ笑むフェーズ。そう、彼は事前準備を行っており、勝率を上げる算段を立てていたのだった。
（……アメリアの奴は気づいてねーみてぇだが、まず船の性能が格段に違う）
　思うに、あまりボートのモーターの振動が少ないように思う。加えて音も静かだ。………つまりは、彼の乗る船は“既に改造済みのボート”なのだということだ。そんじゃそこらの鈍らなボートとは、ひと味違う。
　そんな完全に釣り用に静音仕様に改造された船は、物の見事に魚に気付かせない。正にメカニックならではの技術の賜物だろう。

「（よし…………そろそろ頃合いか？）」

　そうして、着実に大物の気配が近付きつつあるフェーズの釣り竿。それを感じ取った彼は、決してアメリアにバレることのないようにユーベルコード【S-Search】を発動させ、Lookというサーチドローンを召喚した。
　するとドローンは、トポンと海中へと一気に潜り、やがて視認出来なくなるだろう。
　…………これは魚の進行方向はどこなのかをサーチして貰う為だ。(無論、それだけではないのだが)
　何はともあれ、ドローンは大きな魚影と魚群を捉えることに成功しその位置情報をフェーズに送る事だろう。見る限り、偶然にも近い位置であることが分かる。
　これなら少しの移動で済みそうだ。

「釣れねぇなぁ………少し場所でも変えるか」
「あら、耐え性がないわね。そんなんだから釣れないのよ？」
「うっせぇ、こっからが本番なんだよ！」
「そう………じゃあ期待し過ぎない程度に応援してるわね！」

　さて、そんな彼の限りなく黒に近いグレーゾーン的な行動に気付く事のないアメリアは、1人呑気に空を見上げていた。

「作り物の空とはいえ、空には変わりないものね。………きっとこの世界で空に憧れる人が作った空なんでしょう」
　紛い物、作り物の空だとしても………それは十分アメリアに伝わる。それ程に美しい、コバルトブルーの空だったから。
「この空を見れるなら、只管待ち続ける釣りも楽しいものね」
　ぽつり。今だ弛んだままの釣り糸がゆらゆらと揺られるのを見ながら、彼女はそう思った。空が青く見えるのも、海が青く見えるのも…どちらも同じ。
（きっと空と海が好きな人が作ったものだから、こんなにも素敵にみえるんだわ。）

　と、考えていたその時。

「─────っしゃ！」
　ザパァアアアアアアン！！！！

　そんな音に驚きそちらに意識を向ければ、丁度大物をフェーズが釣り上げていた。けたたましい音が鳴り響き、小雨になって飛沫が海に沈む。そして、立て続けに魚をどんどん釣り上げていくだろう。
「な！？……………むっ、ワンワン釣れすぎじゃない？
　むー、こっちは全然釣れないのに、悔しい！」
「はっはっは、だらしねぇなぁアメリア？」
　ドローンでの追い込み漁に成功したフェーズは、からからと笑い声を上げる。これで勝利は確定的。そう確信を得た彼は、もういいだろうとネタバラシをする。

「何それ！？ズルいズルい！！！！」
「はっ、狡いも何もねぇよ。これは策略だ。俺は勝負で手は抜かねぇ主義なんでな？」

　勿論、それを許す筈のないアメリアは怒ってそう抗議するが、フェーズは策略だ何だと相手にしない。負けず嫌いの攻防である。
　しかし、だ。
　アメリアはこの程度で諦める少女ではない事を、…………フェーズは忘れていた。

「〜〜〜〜〜っ！！
　─────そっちがその気なら、こうしてやる！」

　ドボォオン！！

　それは、またも水しぶきが上がったかと思えば、今度は帽子を投げ捨てたアメリアが着の身着のまま海へとダイブしたのだ！

「は、おい！！！」
「魚を直接獲ってきてやる！狙うは大物だー！」

　フェーズは思わず止めようとするが、そんな制止の声も虚しく、彼女は高々に拳を突き上げたあと、素潜りするように海中へと姿を消していくだろう。

「───ちょっと待てそっちの方がずりぃだろてめぇ！」

　青空と青い海の元、彼のそんな声が響き渡る。

　そうして……彼がアメリアに続いて海へダイブするまで、あと数秒。

　2人はこうして、一時の休息を彼等なりに楽しんでいたのだった。…………ちなみに、釣り勝負が素潜り勝負へと移り変わってしまっていたことは言うまでもない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●うさみっちの夏はこれからだ！
　青い海が波打ち際までさらさらと砂を運んでいく。白い砂浜にはパラソルが立てられていたり、他の場所に目を向けるのならレジャー施設のような物も目に入るかもしれない。
　────そう、これが『ラ・メールリュミエ号』の船内である。
　まさにバカンスに丁度良い美しい景色と、充実した店の数々。これだけ物品が揃えば、何をするにも困らないだろう。

　そしてそんなリゾート船に乗り込んだ猟兵が1人。

「スペースシップワールド来るのも久しぶり～！
　でも海があったり空があったりで全然宇宙って感じがしないな！」

　そう言いつつも期待を両耳に引っさげ、夏の装いに身を包んでいるの猟兵が榎・うさみっち（うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902）。彼もまた、ここに休暇として訪れた猟兵のうち1人だ。
　彼が言った通り、完全にリゾート化した船内では宇宙などは一切感じさせられることがない。それ故、ここがスペースシップワールドだという事を忘れてしまいそうになるというわけである。
　そうして暫く船内に忙しなく視線を向けていたうさみっちであったが、ここへ連れて来たグリモア猟兵を見つけると声をかける。

「いよぅ蒼！どや、俺のこのナウでヤングな水着姿は！」

　そんなうさみっちの声掛けに気付いたグリモア猟兵は、彼の方に寄ってくることだろう。

「やぁ、榎くん。その水着、凄く似合ってるね？特にトレードマークのうさぎが水着だけじゃなく、サンダルとか浮き輪だとかに入っているのも良いデザインだ」
「そうだろー！いかにもバカンスに来たセレブメンって感じだろー！」
「あはは、確かにセレブっぽいかもしれないな。サングラスも凄く似合ってる。もっと可愛らしい感じになると思っていたんだけど……結構格好良い感じのアイテムも合うんだね」
「当然！」

　頭上にサングラスを押上げていたのを目線まで戻し、トロピカルジュースを片手に持ってポージングをとっていたうさみっちは、ふふんと得意げだ。

　実際に見ていくと、彼が身に纏っているのは夏らしい白と青のボーダーのスイムウェア。赤いリボンの髪飾りはそのままに、色合いを合わせた赤いビーチサンダルがアクセントになっていて可愛らしさを演出している。しかも蒼の言う通り、水着にもサンダルにもうさぎのマークが入っているというのもポイントの1つだろう。
　勿論、パッションピンクの浮き輪にうさぎのマークが入っているのも忘れてはならない。

　しかし彼の魅力は可愛いだけではないのだ。

　日光を照り返すサングラスがこれほど似合うとは…セレブ………いや、やはり可愛いのか……？
　兎も角、サングラスが格好良さ(？)を演出しているのは間違いない(？？)だろう。そんなうさみっちであるが、彼もまた蒼の水着姿を褒める。

「蒼の水着の着こなしもいいじゃんいいじゃん！特にその超オシャレな水鉄砲がいかしてるぅ！」
「そうかな？有難う。僕もこのウォーターガンは気に入ってるんだ」

　すると、彼も嬉しそうに目を細めて笑うだろう。……それはそうだ。誰だって“夏”という、ある意味特別な季節を迎えたのなら、嬉嬉として楽しむのも当然なのだから。
　そうしてジュースを飲み切ったうさみっちは、何を思ったのかグラサンをポーイと投げ出して、海へと砂浜を駆けていく。

「よーし、夏はこっからが本番だー！！！」

　そう、海を遊泳して楽しむのだ。

　こうして海に入ったうさみっちは、浮き輪に掴まったままバタ足で泳いだり、彼にとっては大きな魚にしか見えない群集にまとわりつかれたり……彼なりの楽しみ方でこのリゾート船を満喫する事が出来るだろう。

「ちょ、ま、そんなに追いかけてくるなぁあああ！」

　……………しかしながら大きい魚に追いかけられ、ぴゃああああああ！と半泣き状態になっていたのはまた別の話。

大成功 🔵​🔵​🔵​

●海色のミルククラウンでパーティを
　夏特有の強い日差しが、砂浜、海と───海水浴を満喫しようとしている人々を照りつけている。それはリゾート船『ラ・メールリュミエ号』も同様で、すっかり日が高くなり暑さも感じさせる場所へと変容していた。
　………勿論、その中には沢山の猟兵の姿もある。

「さて！念願の海だ！思う存分楽しもうじゃないか！」
「おお、本当に海だー！」
「しかもリゾート船！」
　ハリソン・エイブラムズ（あぁ、素晴らしき世界よ・f19314）がそう言えば、次いで華やいだ声でラフィ・シザー（【鋏ウサギ】・f19461）とアイナ・ラティエル（星の国のアリス・f19388）の2人が感嘆の声を上げる。
　…………想像に容易いかもしれないが、彼等は同旅団のメンバーであり、このリゾート船の話を聞きつけてやってきた猟兵だ。
　しかし、それは彼等だけに限った話ではない。

「リゾート船ですか。
　────アリス＜救助対象＞はいないけれど、アリス＜猟兵の仲間達＞はいる。ならばウサギもおりましょう。…………俺もアリス達＜旅団の皆様＞と参上と行きましょうか」
「なるほど、これがリゾートクルーズ………お船の中にお空と海が。海も初めてでございますが………世界とは、広いものですねえ………」
　傍ら、砂城・真紅（嗤う遡行時計・f19328）がくすりと笑み、一方ではモモシュ・モントハーゼ（導く玉兎・f19546）が浮き足立ったようにうさ耳をぱたぱたと揺らしながらそう述べる。……そう、この2人も同じ旅団のメンバーだ。

　加えて、話を聞く限りモモシュは海を見るのが初めてらしい。
　それは何故なのか、という点については彼等の故郷が関係していると考えた方が良いだろう。
　何故なら彼等の故郷は、“アリスラビリンス”という閉鎖された……そしてどんな“御伽の国”にも繋がる不思議な世界。
　そんな、開放的であるにも関わらずクローズドな世界であるのだ。アリスラビリンスの出身者からすれば案外、外の世界を知らないというのも珍しい話ではないのかもしれない。
　そして、それに同調する猟兵もいた。

「海もそうだけど……そもそも、わたしは外の世界で遊ぶのは初めてなのよね」

　そう述べた猟兵は、フェアー・ウェルフェア（とまったとけいはうごかない・f20053）。彼女は、そも“遊ぶ”という事に関して意識を向けた事はなかったのだろう。
　何せ、復讐の為に日々を浪費していたのだから。

　────しかし今日という日は、特別な日。こんな時ぐらいは、そういった哀しみの感情を忘却してしまっても良いのではないだろうか。少なくとも、今だけは。

　兎も角、ハリソンがフェアーが初めてだと言うのを聞いて、それならと提案する。

「初めてなら尚更の事、楽しまなきゃ損だろう！
　────さぁさ、それなら海の定番(パーティ)、バーベキューでもやろうじゃないか！」

　その提案は皆の考えていた意見にも合致したらしく、彼等は同意を示してくる事だろう。

「おぉ………バーベキューだなんて楽しそうでございますね…………！」
「皆とバーベキュー？やりたいやりたい！ボクは賛成だよ♪︎」
「バーベキュー！やった！あ、でも遊びたいし……食べたいし……そんでもって遊びたい………ぐぬぬぬ」
「どちらも逃げては行きませんから、両方やってしまえばいいのですよ。その為に訪れたのですから」
「ふふ、そうね。…それに敵の心配もないなら思いっ切り楽しめそう！───お友達と過ごすこの一時、大切にしましょう」

　朗らかに笑い合いつつ話す猟兵達は、こうしてバーベキューの準備をし始めることとなったのであった。


　先ずはバーベキューをするのなら、準備をしなければ。そう考えた猟兵一行は、準備の為に各々別れて行動することに。

「さて、まずは食料調達……釣りからね」
（これまた初めてなのだけれど、教えて貰いながらやればきっと大丈夫でしょう！
　………………………大丈夫よね？）
　釣りをやったことがないフェアーは少し不安に思いつつも、同じく釣り担当のハリソンにそう声を掛ける。
「そうだな！釣り、は…まぁ、得意ではないがなんとかなるだろう！なに、皆があっと驚くような大物を釣るさ！」
　彼がそう元気づけるように言えば、フェアーの顔からも自然に疑念と不安の表情は消えるだろう。
　そうだ。楽しむという事が目的なのだから、態々そういった感情など思い起こさなくてもよいのだ。そう思う事の出来たフェアーは、ハリソンと二人で早速釣り道具を借りに行く。

「船で色々と借りれるとは聞いていたが…ここまでとは！」
「凄い………色々種類があるのね？長い竿に、短い竿……それと餌の種類も沢山！」

　2人が訪れた道具を貸し出してくれる店舗には、凡そ釣り専門店のように豊富な(※“釣り”だけに限る)種類の道具が並んでいた。

「ふむ！これなら釣れる気がするな！なんたって一人で釣るわけではないのだからな！」
「そうね、これなら沢山釣れそう。それに、ふふ……二人で釣りをするだなんて夢にも思わなかった出来事だわ」
「確かに猟兵になって依頼に来て釣りをする……というのも何だか奇天烈な感じはするな？おっと、こっちには銛もあるのか！さて、どんな得物を使おうか……キミは何を借りるんだ？」
「私はスタンダードなタイプの釣竿にしようかしら。何でも店員さんオススメの扱い易い竿なんですって！」
「へぇ！それは良いな！それなら俺も沢山捕れるように、スタンダードなものにしよう！」

　和気藹々と話す2人は道具を一通り借りると、また海へと戻っていくだろう。いよいよ、釣りの開始という訳だ。

　そうして堤防の方にやって来たフェアーとハンソンは、各自釣りの準備をする。竿にリールを付け、道糸をガイドに通していく。ルアーはイワシを型どった店員さんお墨付きの、海釣りで人気のものだ。

「……こんな、ものかしらね？……結構準備だけでも手間取ってしまったわ」

　幾分慣れてないものだから、少し難しい。針に餌を付けるだけでも一苦労だ。それはハリソンにとっても同じで、彼も少しばかり手間取っていたようだ。

「よっと……確かに難しいが、これはこれで達成感はあるな！」

　しかし彼はそんな苦労も楽しむように、からりと笑って見せる。同時に、ポイと投げられた餌付きの糸がポチャンと軽い音を立てて、波紋を作った。

　丁度2つ分の波紋だ。

「こうして見ると………釣り糸を垂らした瞬間はミルククラウンのようにも見えるな！」
「ええ、まるで紅茶に角砂糖を入れた時みたい」

　水面をゆらりと揺蕩う糸を見つめて、2人は話す。それから、すうと呼吸を1つ吐くと、フェアーは花のような微笑みを零すだろう。

「────釣れるかしらね、楽しみだわ！」


　一方その頃、バーベキューの準備を進めるもう1組は準備に取り掛かろうと話し合っていた。
「バーベキューですから、色んな食材も必要でしょう。私は美味しそうなものでも調達しておきましょうか」
「ハリソン君達は釣りに行くみたいだし……ボクもちょっと買い出しをして支度しつつ、遊んで待とうかな？……という事で真紅君、一緒しても良い？」
「ええ、勿論ですよ。アティ様」

　砂城が買い出しに行くと言うと、アイナも買いたいものがあるらしく彼に着いて行くようだ。無論、砂城はそれを快諾するだろう。そこに、おずおずと遠慮がちな様子でラフィーがやってくる。

「BBQの手伝いもしたいけど…ちょっと遊んできていいか？遊んだら手伝うからー！！」

　途端、お願いのポーズでそう述べる。やはり遊びたくてうずうずしていたのが、我慢出来なくなったのだろう。それはそうだ、とも思う。なんたって“海”に来たのだから。
「いいよー行ってきなよ！もちろんボクも後から加わっちゃうよ♪︎」
「ふふ、であれば早急に買い出しを終えませんと」
「うんうん！それじゃあレッツゴー！」
　それを汲み取った2人はそれを了承し、買い物に出掛けることだろう。

　このリゾート船ならではなのだろうが、意外にも食材は一通り揃いそうなピンナップの店舗がずらりと立ち並んでいた。食材は勿論のこと、スペースシップワールドの物だけでなく世界中の食材もちゃんとある。
「食材がこれ程揃っているとは、よもや驚きも通り越してしまいますねえ」
「ホントだ！凄い、何でもあるね。あ、これ何だろう……スペースシップワールドのお菓子かなぁ？」
「ふむ、特産品でしょうか？成程、興味深くはありますね」
「………紅茶もあるよ？」
「……スペースシップワールドの紅茶、ですか。常軌を逸していそうな気もしますが、どうなのでしょうね？」
「うーんと……時間経過で色が変わるって！」
「ほう……ブルーマロウのハーブティーのようなものでしょうか？───入れた瞬間＜その時間＞は青く澄んでいて、次第に夕焼け＜琥珀色＞へと変わる。レモンを加えれば朝焼け＜薄桃色＞に変化して……見ていて飽きませんよ」
「へ〜見ても楽しめるってやつだね！んーそれじゃああんまり紅茶は変わんないのかな、ボク達の世界と」
「そうかもしれませんね。………そうだ、お茶会ではありませんがそれも買って行きましょうか。夏にはピッタリでしょう」
「夏にピッタリなの？……紅茶、暑いーってならないかな？」
「ええ、大丈夫かと。ブルーマロウが青くなるのは水出しの時だけですから。氷を入れて飲まれたりもするんですよ」
「そっか、ならいいかも♪︎本当に真紅は物知りだね♪︎」

　そんな風に話す2人は、必要な物を買い揃えて行く。バーベキューに使う野菜、飲み物にその他諸々と……。
　そうして協力し合って買い物を済ませれば、幾分早く終える事が出来るだろう。フェアーとハンソン、そしてモモシュが戻ってくるまで、まだ時間がある。
　すると、2人で運ぶにしては少し量の多い買い物袋を置いたアイナは、おもむろに靴を脱ぎ捨て、バシャバシャと海に足を浸からせた。

「ちょっと休憩～！………冷たくて気持ちいい…」

　暑い中荷物を運んだアイナにとって、海の冷たさは天国である。暑さが消えるのなら、じりと肌を照りつける日光も気にならないといった様子だ。そこで、ラフィが水鉄砲で遊ぶのが目に入るだろう。
「あれ、あっちで水鉄砲するみたい。おーい、アティも入れてよー！」
　手をブンブンと振りながらラフィに近付くと、彼も丁度遊び相手が欲しかったらしく、
「お、アイナが遊んでくれるのか？OK！楽しもうぜヒャッハー！」
　と、乗り気だ。彼の手にはやたら格好良い水鉄砲が握られており、どうやら近くのレンタルショップで借りてきたよう。

「ふふん、やるからには全力だよね☆
　負ける気はないよ！」
「いつもは鋏がメイン武器な俺だが、別の武器でも強いってトコ見せてやるぜ！」

　水鉄砲を構える2人の熱いバトルは、こうして幕を開けたのだった。ウサギとアリスの、負けられない(？)戦いである。


　─────はたまた一方では、ハリソン、フェアーと釣りをしていたモモシュが浜辺を竿を揺らしながら歩いていた。遊ぶ気満々のアロハシャツ＆短パン、ビーチサンダルという夏の満喫セットを身に付けた彼は、キョロキョロと足元を見ている。

「おーい、モモシュ、どうしたんだ？」
「ラフィさん！実は何か海らしいものを、この旅の思い出にしようと思いまして……貝殻を探していたのでございます」
「へえ、いいじゃん！デカいのとか、キレーなやつ見つけよう！」
「え、なになに？面白そう！ボクも探そうかなぁ…あ、砂で遊ぶのもいいかも」
「いいでございますね！海には沢山の面白い遊びがありましょうし、貴重ですから是非やりましょうとも！」

　すると、モモシュが探しているのに感化されて、遊んでいた2人も貝殻探しをしたり砂浜で遊んだりし始めたのだ。

「お、青い貝殻見っけ！縁が茶色っぽい？感じだけど……キレーだな！」
「それは多分、シマメノウフネガイでございますね。瑪瑙とあるように、綺麗な色です♪︎」
「本当だね！ちなみに、このピンクの貝殻は？」
「それはサクラガイでございますよ、アティさん！小さいですが、とても綺麗で鮮やかな色合いをしていますねえ………」

　散策しながらも貝を探すと、それだけでもういっぱいの思い出が出来たようで、モモシュは嬉しくなる。帰ったら、この貝殻をブレスレットなり何なりして思い出の品にするのも良いかもしれない。………きっと、ただ飾るよりかは身に付ける方が、何時でもこの日の事を思い出せるから。
　そうしてある程度貝殻を探し終えれば、今度はアティが砂で遊び始める。勿論、モモシュもそれに乗じることだろう。

「…あ、アティさんのそれはお砂のお城というやつでございますね！わたくしもやります♪︎」

　言ったモモシュは、立派に出来上がりつつある砂の城のわきにちょこんとウサギを作る。何とも可愛らしい砂のオブジェだ。

　そしてそんな姿を眺める優しい双眸が、同じ旅団の仲間を捉えていた。
（全くもって、微笑ましいことです）
　目を細めてふっと笑う砂城は、殆ど準備を終えたバーベキュー場所から遠目でそれを見ていたのだ。思えば何時ぶりだろうか。……これ程、穏やかな気分になったのは。

　決して荒んだ毎日を送っていたわけではない。ましてや、不満がある訳でも。

　しかしながら本当に心の底から、悠々と解放された気分になるのは少なかったように思う。
（それが猟兵になった者の、宿命なのでしょうが）
　それでも、今ここに旅団の皆と来れた事に嬉しいと感じるのだから、やはり自分もこういった時間が欲しかったのだろう、と自覚するかもしれない。
（例え微々たるものでも、ね）

　そう考えた所で、どこかの時計が時間を告げる。

「そろそろパーティーの始まりの時間でしょうか？」


　時計から時間が告げられた後、釣りをしていたフェアーとハリソンが戻って来て、遊んでいた猟兵も一同に会していた。
「楽しかった！うへーびしょびしょだー。BBQ手伝っ…もう終わってる！？
　ごめんなー遊びすぎた！」
「ボクもずぶ濡れになっちゃったけど楽しかった！
　それとハリソン君達はおかえり、お疲れ様。色々釣れたみたいだね？」
「あぁ、ただいま戻ったよ！楽しんでいるようだな？ふっふっふ、こちらはなかなかの結果さ！」
「初めてにしては上出来でしょう？慣れないことをするのって難しいけれど………案外楽しいものなのね」
「わ、大量でございますね！わたくしは釣りはあまり上々とは行きませんでしたが……代わりに貝類を捕ってきました！」
「流石でございます、モモシュ様。つぼ焼き等も作れて、海産物も豊富になりましたね」

　そうやってわいわいと戦利品を持ち寄っていた猟兵達だったが、手早く準備を済ませてパーティの準備整える。
　バーベキューも皆の飲み物も準備出来たところで、ハリソンがパーティの開始を告げるだろう。

「さて、これより浜辺のパーティーを盛大に始めようじゃないか！」

『乾杯！！！！』

「へへっ、お腹空いちまったし、もう食べてもいい？」
「えぇ勿論ですよ。アティ様も此方をどうぞ」
「ありがとう♪︎……ん〜美味しい！あ、そうだ。
　ねえ、実はこれ買ってきたんだよね！」

　そう言いアイナが取り出したのは、ミックス粉やトッピングの数々。
「魚介や野菜も必要だけど、やっぱり途中で甘い物欲しくならないかい？
クレープも作れるから好きな物乗せて食べれるよ！」
「おお！デザート付きか！」
「まぁ、素敵ね！ふふ、ますますパーティが楽しくなりそう！」
　そんな気の利いたサプライズに、猟兵達も益々華やいで楽しむことだろう。

「ふふっ…みんなで遊ぶの楽しいなぁ♪︎」
「仲間がいればどこでも楽しい！のでございます♪︎」
「……満足するのはまだ早いでしょう？」

「そう、まだまだパーティはこれからだもの！」

　色とりどりなウサギ達とアリス達のパーティは、まだ始まったばかり。
　夏の訪れと共に始まったそれは彼等の身体と心を癒すために、セッティングされた一時の休暇。彼等もまた、こうして今日という忘れがたい日を過ごす事が出来たのだった。

　記憶の1ピースのように時計に刻み込まれた………そんな日として。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●シーサイド・ジェミニ
　夏といえば、海！というものはよもや決まっているようなもので、綺麗な空の青を反射する海には沢山の人が集まっていた。
　そしてそれは彼女達も例外ではない。

「ボク達の水着どうかな！どうかな！？」
「遠慮は要らないわ、蒼。───カデルの水着、とっても可愛らしいのよ！」

　方や無邪気にそして快活に笑う少女と、方や淑やかさを損なわない上品な出で立ちの少女。───どちらにせよ一際目を引く少女2人が、グリモア猟兵の元へとやって来ていたのだ。
　それは、マリアドール・シュシュ（蜜華の晶・f03102）と瀬名・カデル（無垢なる聖者・f14401）の2人なのだが、如何せん自分達が注目を浴びていようとは気付いていないらしい。

「2人とも、依頼に来てくれて有難う。……水着、とても似合っているね」

　声を掛ければ、蒼は快い笑顔で迎えてくれる。そして水着姿について感想を求めたのなら、個人的な範疇で話し始めるだろう。

「先ずはカデルだけれど、ガーリーなストローハットが凄く活発さを感じさせて良いと思う。ホルターネック＆ショート丈のトップスによって肋骨が強調されてるのも、中々のポイントだね。この水着だと羽根が益々綺麗に見えると感じたよ。そして髪飾りと同じ花があしらわれた、オーガンジーのパレオ。縁にレースが織り込まれているのが可愛さを演出しているし、カデルの髪の色とピッタリのものになっていて素敵だなと思ったよ」
「そうなの！ピンクのスカートや麦わら帽子もよく似合っているの。快活なカデルらしいのだわ」
「ほんと？えっと………嬉しいけど2人共に褒められると何だか照れちゃうなぁ…でもでも、すーっごく嬉しい！」

　初対面の蒼だけでなく、いつも一緒にいるマリアドールに褒められ少し照れ気味になるカデル。頬は赤みを帯びているものの、やはり褒められるのは手放しに嬉しいのだろう事が伝わってくる。

「そしてマリアドール。マリアはいつもは下ろしている銀の髪を、緩く二つ結びに纏めているんだね。髪飾りの華水晶のパッションピンクが、髪に反射しているのが綺麗だと思う。水着はなるだけ肌を見せない構造だけれど、透け感のある所もポイント。特にマーメイドラインで且つフィッシュテールなデザインなのが凄く可愛らしいな。日傘の裏地が海色だったり、所々にジャスミンが添えられているのも細やかな所まで気の利いたデザインで、マリアにピッタリだと思う」
「うんうん！マリアの水着、とっても綺麗！
　素敵な蒼い色で、お姫様みたいなスカートがついていて、いつもとは違う髪型もお日様の光でね、特別にキラキラなんだよ！」
「まぁ！……ふふ、有難う2人とも。カデルが言ってた通り、何だか恥ずかしくなってくるのだわ…」

　マリアドールも嬉しそうに頬を赤らめながら、礼を言う。なんと言っても夏の勝負服とも言える水着であるのだ。褒められて嬉しくない者などいないだろう。
　………それが親しい者なら尚更のこと。

「兎も角、2人ともゆっくり堪能していって。遊泳道具にしろ釣り道具にしろ、一通りは揃っている筈だから」

　そう蒼は告げると、それじゃあ楽しんでとその場から離れる。

「うん、ありがとう！蒼も楽しんでね！」
「私からも有難う、蒼。……お互い良い休息の一時を」

　2人が礼を言い手を振れば、彼も軽く振り返してくれるだろう。そうしてカデルとマリアも早速移動を初めたのだった。………折角の転送されたリゾート船、楽しまない事には損だろう。

「それにしても本当に素敵ね、カデル。スカートが靡くのも、風を切るオラトリオのあなたにとてもピッタリ！麦わら帽子も似合っているわ」
「マリアの方がすっごく綺麗だよ！いつもお姫様みたいだから水着はどうなのかなって思ってたんだけど………やっぱりお淑やかで綺麗！」

　互いの水着を褒め合う2人は、しばらくそうやって話しながら浜辺を散策していた。素敵で綺麗なものを沢山詰め込んで、カデルは一生懸命に伝えようとする。マリアもそれを聞いて、頷き返しながら同じ熱量のステキなものを伝える。
　───喉が乾いてしまっているのにも、気付かないくらい。

　しかしそれに気付いたカデルが、立ち並ぶ露店の方を指さして飲み物を飲もうと提案するだろう。勿論、マリアドールもそれを快諾する。
　そうして吸い寄せられるように寄ったのは、人気のトロピカルジュースを売る売店だった。

「なんて、可愛いらしい！それに美味しそうね」
「本当だ！それと2人で飲む用だ〜！水色とピンクの透明なストロー………ぐるぐるしてて可愛い……」

　パラソル付きのテーブルに置かれた、先程買ったトロピカルジュースを眺め、2人は目を細めて笑う。
　キラキラしたトロピカルジュースは、微量に炭酸が入っているのかシュワシュワとしている。オレンジと赤のグラデーションが掛かったそれはテキーラサンライズのようになっていて、綺麗だとも感じるだろう。
　しかもグラスの中には沢山の凍らせたフルーツポンチが入っていて、オシャレさも抜群だ！

　そんなジュースを2人で飲んでは、額が触れたりして笑い合う。飲み終われば、今度は海へと駆けて行きはしゃぐ事だろう。大人びて見えるマリアドールも、こういった時は年相応に笑うのだ。

「リゾート船の中は広いのね！白い砂浜に青い海────今日は沢山遊びましょう！」

　浮き輪を持ってカデルの手を引くマリアドールは、そう言うやいなや海へと入ろうとする。
　が、しかし……カデルはオラトリオだ。海を泳ぐのは苦手な筈だ。

「カデル、御免なさい。私ったらはしゃぎ過ぎてしまって…………」

　申し訳無さげにこうべを垂れるマリアドール。だが、カデルはかぶりを振ってそれを否定するだろう。

「ううん、大丈夫だよ！ボクね、この間泳げるようになったんだよ！
　だからマリアとこうやって海で遊べるのとっても楽しみにしていたんだ………！」

　彼女はそう言うと、見事に泳いで見せた。するとマリアドールも自分の事のように拍手をし、喜ぶことだろう。

「まぁ！カデルったら泳げるようになったの？凄いわ！」
「そうだよ！だからいっぱい、いっぱい遊ぼう！
　お水えーい！」
「きゃっ！カデルったらもう………マリアだって、えいっ」

　バシャバシャと水の掛け合いをして遊ぶ。それが1等楽しい事なのだと言うように、2人は時間の許す限り堪能していくことだろう。
　それに疲れたのなら、今度は浜辺にいる生き物に目を向けて歓談を交わす。白い砂浜にいる生き物も、中々猟兵をやっていても出会えない貴重な生き物だ。興味津々といった様子で眺めて、観察をする。
　定番の砂遊びも、2人でお城を作ったりして楽しむだろう。途中、上手く砂が固まらないと言うマリアドールに、カデルがこうすると上手くいくよ！と教えたりする場面があったとかないとか。

　兎も角、2人はこうして休暇の一時を過ごすことが出来たのだった。共に遊び、笑い、話す。それだけでもう、彼女たちは嬉しかったのだ。

　その仲睦まじい姿はまるで、血を分かつ姉妹のような…………双子星(ジェミニ)のような、そんな関係にも見えたのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2019年07月30日