有機栽培と炭水化物は相容れないものなのか
●ご招待券が出てくるコンコンポイントがあるらしい
「高級サロンにタダで行けるって話に、乗っかりたいやついるか?」
梯・剛士(ヴァリウードの随伴者・f12919)がその手にひらりと、なにやら紙の束を持ちながら、猟兵たちに声をかけていた。
差し出す紙を手に取って見てみると、「猟兵の皆様向け、一日ご招待券。入館料無料」と書かれている。シリアルナンバーも振られている辺り、ちゃんと発行されたものらしい。
剛士が小さく肩を竦めながら話すことには。
「キマイラフューチャーの中央街にある、めっちゃでっかいサロンがあるだろ?『プリマヴァーラ』。あそこの招待券なんだよ。
久しぶりにキマフュー行って適当にコンコンしてたら、どさっと出てきてさ。俺だけじゃとても使い切れないから、こうして配ってるってわけ」
そう話す剛士に、訝しむ視線を向ける猟兵たち。ただ招待券を配りたいだけなら、わざわざこうしてグリモアベースに立つ必要はないはずだ。
そのことをそれとなく指摘すると、剛士はぺろりと舌を出した。
「まー、やっぱそうなるよな。その通り、俺がここに立っているのにはそれなりの訳があるってわけ。
この『プリマヴァーラ』に、オブリビオンの連中が出現することが分かったんだ」
出現が予知された場所は、「プリマヴァーラ」内のお食事処「オルガニカ」。
オーガニックと語源を同じくするその店名にふさわしく、有機栽培された野菜を中心とした、健康に良い、身体を綺麗にする食事を売りにしているこの店に、炭水化物トリオなる怪人トリオが出現するのだ。
「健康に良い食事など邪道!食事とは不健康になって然るべき!炭水化物を食え!」と店の理念に真っ向から反抗するようなことを宣いながら、食事中のお客さんに白米やら食パンやら肉まんやらを押し付けてくる。はた迷惑なことこの上ない。
「で、このオブリビオン、ただお食事処に食事に行くだけじゃ出てこなくてな。
サロンで身体をしっかり休めたり、疲れを取ったり、老廃物を排出したりして身体をスッキリさせた状態でお食事処に行かないと、出てこねーんだ」
なんとも面倒くさそうに、ため息をつく剛士。確かに、ここから先に戦闘が控えていることを分かっていながらリフレッシュするというのも、心から楽しめなさそうで悲しい。
「その日は『猟兵ご優待デー』ってことにしてもらってるから、一般のお客さんがそんなにいないはずだ。
お前らがリフレッシュを満喫している最中に、オブリビオンが一般のお客さんに襲い掛かる、って状況にはならない……ようにしてくれてはいるんだが、もしかしたらってこともあるからな」
そう、お店の側もやって来るお客さんを拒むことはできない。不運な一般客が条件を満たしてしまい、炭水化物を押し付けられることもあり得るだろう。
炭水化物トリオは、炊き立てごはん兵器で攻撃してくるごはん怪人、焼き立てパン攻撃で超高速連続攻撃を繰り出してくるパン怪人、蒸したて中華まんてユーベルコードを相殺してくる中華まん怪人の三人組だ。三人はバラバラに行動して、店内でお客さんに炭水化物を押し付けている。
一人一人はそこまで強くないのが幸いだが、数が多いのでしっかり考えて対処しないとならないだろう。
「で、炭水化物トリオをサロンの中に連れ込み、暴れさせている元凶のオブリビオンが、サロンのどっかにいるはずだ。案外、屋上とか潜んでいるかもな」
剛士によると、高級サロン「プリマヴァーラ」の屋上にはイベントスペースが設けられており、ヨガレッスンや太極拳レッスンなどが行われるのだとか。
確かにそこなら、戦いやすいしオブリビオンも隠れていやすい。
「問題のオブリビオンがどんな奴かまでは、俺には分からなかった……けど、お前らなら何とか出来るだろ。何しろ先のバトルオブフラワーズを乗り切ったんだからな」
そう力強く告げて、剛士は手にしたグリモアを起動。ポータルが開いた先は「プリマヴァーラ」のエントランスだ。
「ご招待券で入館は無料、猟兵ご優待デーだから館内のあれこれが割引。美味しい話の裏には仕事があるってな。
頼むぜお前ら、きっちりオブリビオンを倒して、きっちり身体をリフレッシュさせようぜ!」
屋守保英
こんにちは、屋守保英です。
高級サロンでゆったり癒された後のお仕事です。
いいなぁ。やもりさんも行きたいなぁ。
●目標
・銀木犀×1体の撃破。
●戦場・場面
(第1章)
キマイラフューチャーにある高級サロン「プリマヴァーラ」です。
ボディケア、フットマッサージ、オイルマッサージ、温泉、サウナ、岩盤浴、なんでもより取り見取りです。
リラグゼーションスペースでゆったりお休みすることも出来ます。
(第2章)
「プリマヴァーラ」内、お食事処「オルガニカ」です。
炭水化物トリオが「健康的な食事など邪道!炭水化物を食え!」と暴れています。
この怪人は第1章で皆さんがしっかりリフレッシュすることで出現します。
(第3章)
「プリマヴァーラ」内、屋上のイベントスペースです。
銀木犀がステージの上で、怪盗よろしく皆さんを待ち構えています。
それでは、皆さんの力の籠もったプレイングをお待ちしています。
第1章 日常
『高級サロン体験』
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POW : 全身整体・足つぼマッサージをやってみる
SPD : オイルマッサージをやってみる
WIZ : 温浴・スパ・岩盤浴をやってみる
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紅狼・ノア
おぉ高級サロン‼
僕初めでなんだよねぇ、そもそも行けるほど裕福じゃないしね
せっかく来たんだし思う存分リフレッシュしよう‼
まず何処から行こうかな~悩むなぁ
そういえば最近肩こりや足腰が気になるんだよねぇ(依頼が掃除や力仕事ばっかりだったからな)
全身整体をやろうっと…ん?足つぼもあるんだ、前におじさんが言ってたなぁ、やったら20代頃に若返ったみたいにめっちゃビンビンだったなぁ
よし足つぼもやろう!
先に足つぼから…ってイッタアァァー‼‼えっちょ、まって!…
思ってたのと違う…でもなんか調子がいい!
次は全身整体…ふにゃ~気持ちかえぇ~(その後寝ていた)
めっちゃよかった~
最後に温泉に行こう♪
●最高のリフレッシュをあなたに!
キマイラフューチャーの中でも特にハイソサエティな店が集う、中心街。
ここにワンブロック全部を占有して店を構える高級サロン「プリマヴァーラ」は、キマイラフューチャーに生きるキマイラ達の中でも、グレードの高い人々が頻繁に訪れることで知られる有名店だ。
受けられるサービスはいずれも最上最良。当然のごとくお値段も相応。
貨幣の概念がないようであるようなキマイラフューチャーの中でも、高級店としてその名を轟かせる場所だ。
紅狼・ノア(捨て子だった人狼・f18562)も初めて足を踏み入れるハイソな空間に、目をキラキラと輝かせている。
「おぉ高級サロン!!僕初めてなんだよねぇ、そもそも行けるほど裕福じゃないしね」
そう独り言ちながら、足を向けるのはボディケアやフットマッサージをしてくれるエリアだ。
そういえば最近の依頼は掃除やら追跡やら、身体を使う仕事ばかり。当然、披露も溜まっている。
まずはボディケアで全身を解してもらおう、とカウンターのメニューに目を落としたノアはあることに気がついた。
「あれ、ボディケアとフットマッサージのセットになってるメニューもあるんだ?」
「はい、ボディケア60分とフットマッサージ20分の合計80分のセットコースをご用意しております。お値段も別々に頼むよりお得になっておりますよ」
「へぇ……前におじさんが言ってたなぁ、やったら20代頃に若返ったみたいにめっちゃビンビンだったなぁ、って」
過去に話を聞いたことを思い出したノアの瞳がキラリと輝く。現在11歳、まだまだバリバリに若い彼女がこれ以上若返ることがあるかどうかは分からないが、ビンビンになれるならそれに越したことはない。
「決めたっ、セットの80分のコースでお願いします!」
「かしこまりました、担当者のご指名が無いようでしたら今すぐご案内出来ますが……」
「大丈夫ですっ、よろしくお願いします!」
そうして案内されるのは、ヒーリングミュージックがかけられて、気持ちがほぐれるようなアロマの焚かれた癒やし空間。空間そのものからして癒やしを意識しているあたり、さすがは高級店である。
まずはフットマッサージを、ということで椅子に腰掛け、タオルをかけられ、台に足を乗せて脱力したノア。
「では、まずはフットマッサージから始めていきますねー」
「お願いしまーす……っ、あだだだだだ!?」
脱力したと思いきや、痛烈な痛みが足の裏から脳天まで駆け抜ける。
思わず身体をびくりと硬直させ、背もたれから跳ね起きるノアだったが。
「お疲れが溜まっているみたいですねー、この辺とか辛くないですかー?」
「えっちょ、まって!……思ってたのと違う……!いだだだだだ!!」
ボディケアのスタッフは意に介した様子もなく施術を続けていく。もしくは、この程度の凝り方をする客など日常茶飯事なのか。
想像していたよりも強烈な痛みにノアが悶絶すること20分。
ようやくフットマッサージが終わったところで、隣のエリアにある施術台へと導かれるノアが、じんじんと痛む足の裏を酷使しながらうつ伏せになる。
「それではここからボディケアに入りますねー、強さが合わないところがあったら言ってくださいねー」
「はぁい……あっ……ふにゃぁ〜」
先程の刺すような痛みとは違う、まさしく痛気持ちいいの感覚に、ノアの思考が蕩けていく。
そして60分が終わる頃にはすっかり全身を解されて夢心地なノアが、サービスの麦茶を飲みながらとろんとした目で言うことには。
「よーし、最後に温泉に行こう!」
まだまだ、ノアのリフレッシュタイムは終わらない。
成功
🔵🔵🔴
ルク・フッシー
友達に誘われて、全身整体を受ける事にしました
よ、よろしくお願いします……
(整体師に体を触られて)…あはっ、く、くすぐったいですぅ……
…あの〜…なぜ、ボクは拘束されているんですか?
え?くすぐったいのは疲れが溜まってるから?
久しぶりに全力でマッサージする?
あっ、あひゃんっ、くすぐったいたたただだだ!!!
いだっ、いたたた♡♡♡
れ、レパルさん(f15574)助けて♡
レパルさあああん♡♡♡♡♡
角の先から尻尾の先まで揉みしだかれて、たっくさん老廃物が出ました♡
古い鱗もたくさん取れました♡
整体師さんに「毎週来なさい」って言われてしまいました♡
来週も行こうと思います(おめめぐるぐる)
レパル・リオン
高級サロンですって!?しかもタダですって!?!?
これは行くしかないわ!行くわよルクちゃん(f14346)!
【猟兵放送!】これで動画にして投稿を…え、流石にダメ?音声だけなら…やったー!
そんなわけであたしは今、『プリマヴァーラ』の温泉に入ってまーす!(モニターには『Sound Only』と表示されている)
わっふぅ…やっぱり温泉はいいわね!芯まで温まるって感じ!
はあ…きもちいいぃ…
(レパルの幸せそうな音声が余すところなく録音される)
ルクちゃん、そっちはどうだった?……
……なんかすっごいツヤツヤしてる…あたしも整体に行かなきゃ!
アドリブ歓迎!
●当店の腕利きのスタッフが、あなたに最上の癒やしをプレゼントいたします!
他方では。
「高級サロンですって!?しかもタダですって!?!?これは行くしかないわ!行くわよルクちゃん!!」
「レ、レパルさん、引っ張らないでくださいぃぃぃ」
レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)がルク・フッシー(やると言ったらやる・f14346)の腕を引っ張り引っ張り、ボディケアのカウンターへと向かっていた。
事実、グリモア猟兵のもたらした招待券がなければ、入館料だけで結構な額を取られる場所なのだ。
具体的にはUDCアース換算で3,000円円とか、入館するだけで取られる場所なのだ。
それがタダ。さらには猟兵ご優待デーで諸々が割引。乗らない手は無いというもの、女子として。
そんなこんなで手続きを済ませ、早速中に案内されるルクを尻目に。
「あ、そうだ。宣伝も兼ねて施術の様子を撮影させてもらいたいんだけど、いいかしら?」
「え、えー……撮影はちょっと……あ、でも音声だけなら大丈夫です」
レパルが実況者よろしく、取材の交渉をしてはオールオッケーとは行かずに押しては引いてをしていた。
事実、施術をしてくれるスタッフのプライバシーのことを考えると、映像を撮ってそれを生放送、とはしにくいのがボディケアである。やりようによっては客の上に跨って体重を乗せてほぐす事もあるので。
ともあれ、二人して60分の全身整体のコースを予約して、なんの偶然か隣同士の施術台に寝そべる形になって。
「ハーイ、レパルです!私は今、高級サロン『プリマヴァーラ』に来ています!これからボディケアでみっちり解してもらうわよー!」
「よ、よろしくお願いします……」
すっかり実況モードのレパルと、慣れないボディケアに緊張しっぱなしのルク。そして施術が始まると。
「あっ、あひゃんっ、くっ、くすぐったいです……!」
「はぁぁぁ、あっ、ふぁぅぅ〜、気持ちいいわぁ〜」
ぐっ、ぐっ、と身体を押されながら、その腕前に満足している二人がいるわけで。
そうしてぐいぐいとほぐされていくレパルの隣で。
「あ、あのー、スタッフさん?」
「はい、なんでしょうフッシーさん、痛いですか?」
「あのー、なんで僕は両腕と両足を拘束されているんでしょうか……?」
ルクは何故か、うつ伏せの姿勢のままで両腕両足にベルトを巻かれ、施術台にはりつけにされていた。普通は、ここまではしないはずなのだが、どうやらスタッフの方のスイッチが入ったらしい。
「いやぁ、ここまで身体が凝っている方は久しぶりなので。ちょっと容赦なく本腰入れてほぐしたくなりましたので。
ちょーっと、どころかかーなーり痛いですけど、気絶しないでくださいねー」
「えっまっちょっ、あっ、あひゃんっ、くすぐったいたたただだだ!!!いだっ、いたたた♡♡♡
れ、レパルさん助けて♡レパルさあああああん♡♡♡♡♡」
「あぁぁぁルクちゃぁぁぁぁん」
スタッフの全力も全力の施術を受けて、痛いを通り越して恍惚モードに入っているルクの助けを呼ぶ声に、応えるものこそすぐ側にいるのだが。問題はレパルも施術中で動けないことである。
しかして、ルクが全力でほぐされて、九割方骨抜きにされた横で、シャッキリとリフレッシュしたレパルが両腕を突き上げる。
「うーん、身体が軽いわ!ついでに視界も明るいわ!」
「整体師さんに『毎週来なさい』って言われてしまいました♡来週も来ようと思います♡」
「ルクちゃーん、戻っておいでー」
おめめぐるぐる、すっかり夢心地のルクの前でレパルが手を振ると。
そのルクの手を、レパルが再びしっかと握った。
「さ、あとは温泉に入るわよ!さらにはあかすりもやっちゃいましょ!身体の老廃物を、まるっと取り去るのよー!」
「はぁぁい♡古い鱗も老廃物も、ぜーんぶ取りますぅぅ♡」
なお、温泉に入っている最中をレパルが再び生放送チャレンジしたものの、こちらも音声のみでご勘弁ください、と言われたとのことである。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
フィオリナ・ソルレスティア
【SPD】(アドリブ可)
「オイルマッサージ、ちょっとクセになるのよね」
■作戦
高級サロンでオイルマッサージを受けて心身共にリフレッシュ
■行動
うつ伏せとは言え素肌を晒すのは少し抵抗があるけど…
「確かに気持ちいいわね」
アロマの香りで癒されて、背中から肩、首、腕へ腰と揉み解されると
なんだか溶けてしまいそう。オイルの感触も気持ちいいわ。
あまり他人に触れさせないところを触られるとドキドキするのよね
・・・
最後はハーブティーを飲んで終了
「オイルマッサージ、やっぱりいいわ」
プリマヴァーラ、贔屓にしてみようかな。その前に仕事が待っているけど。
●当店のオイルはエクストラヴァージンオリーブオイルを使う他、ハーブを漬け込んだオイルをお客様の好みに応じて使い分けます!
さて、このプリマヴァーラの売りは通常のボディケアだけではない。
オイルをたっぷり使って身体を揉みほぐす、オイルマッサージもハイソサエティなマダムキマイラ達に人気が高いのだ。
「オイルマッサージ、ちょっとクセになるのよね」
フィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)も、オイルマッサージの魅力に取り憑かれている一人であった。
オイルによって滑りの良くなった肌の上を、施術を行うスタッフの手が滑っていく感覚。ねっとりと絡みつくように身体に触れては、揉みほぐす手伝いをしてくれるオイル。そのオイルに含まれる香り成分。
いずれも、猟兵としての仕事で凝り固まった筋肉を解すのに、一役買ってくれている。
故にフィオリナは、露にした自分の背中にオイルが塗られていくのを、ただ静かに、静かに堪え忍んでいた。
そうしてフィオリナがオイルを塗る手から開放された頃には、全身の殆どがオイルのテカりで反射したまぶしさを天井の明かりが揺れて癒やしている。
ここからが本番。フィオリナのオイルでテカる手に、スタッフの手がぐっと力を伴って触れた。
「あっ、いたっ
……!?」
かかる力にほぐされていく筋肉。痛みを伴うそれによって、フィオリナの身体の疲れが取り払われていく。
オイルの効果で滑りが良くなり、普通に揉みほぐすより力のかかり具合が変わってくるその効果を、フィオリナはだんだんと熱を帯びてくる自身の体を以て実感していた。
ほぐされ、ほぐされ、オイルの持つ香りも手伝って緊張が解けていく自分の身体。
施術が終わる頃にはすっかりオイルが拭われて綺麗になっているというのに、まるでサウナに入ったあとであるかのように身体が軽くて。
「このあとはお風呂に入って、身体を洗ってくださいねー」
サービスのハーブティーを提供しながらスタッフが笑う。
「(オイルマッサージ、やっぱりいいわ。プリマヴァーラ、贔屓にしてみようかな……)」
その前に仕事が待っているけれど。そう心の中で独りごちるフィオリナだった。
成功
🔵🔵🔴
フォルセティ・ソルレスティア
【WIZ】(アドリブ)
「うーん、なんだか岩盤浴ってすごそうだな」
専用の服に袖を通して岩盤浴に挑戦だ
【行動】
「ちょっとしたサウナみたいだね」
いろんな鉱石を利用した岩盤浴にびっくりだけど中はポカポカだよ
アロマの香る岩盤浴もあって、すごくリラックスするよね。
んーと、ロウリュウってなんだろう。うちわで扇ぐイベント??
「ぎゃー、熱い!」
ロウリュウにチャレンジしたら、熱風が駆け抜けて全身汗だくだよ。
慌てて外に出たけどびっくりしたー。
外に出たら冷たいジュースで喉を潤すよ。
汗だくでぐったりと思ったけど
「…あれ、ちょっと体が軽くなったかも?」
●ロウリュウイベントは毎日数時間おきに実施しております!
身体が温まると言えば、岩盤浴やサウナも忘れてはならない。
フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)は専用のウェアに袖を通しながら、高温サウナの中で緊張の面持ちをしていた。
熱した石にアロマを含んだ水をかけて蒸気を発生させ、その蒸気をタオルなどで吹き飛ばして身体を温めるロウリュウは、その熱気と風圧によらず、サウナに不慣れな人間でも楽しめるサービスだ。
岩盤浴の様々な温め方を体感し、既にたっぷりと汗をかいてきたフォルセティだが、初めてのロウリュウに心はドキドキ。
その鼻腔を、レモングラスの清涼感のある香りがくすぐる中で。
「それでは熱波をかけていきます。つらくなったらご遠慮なさらずご退出くださいね」
岩盤浴担当のスタッフが大きなうちわを手にしながら、高温サウナの中心に据えられた石へとアロマを含んだ水をかけつつトークを繰り広げる。
じゅわぁっという音と共に、立ち昇る蒸気。
それを確認したスタッフがうちわを振りかぶると。
「それでは、かけていきまーす」
ぶん、と勢いよくフォルセティ目掛けてうちわを振った。
高温の蒸気と、レモングラスの爽やかな香りをはらんだ熱波が、圧力を伴ってフォルセティの身体へと吹き付ける。
「ぎゃっ!?」
思っていたよりも強烈な圧に、声も出ない。
二度、三度と吹き付けられる熱波に耐えきれずに、自分の番が終わるやすぐさまにサウナを出たフォルセティだったが。
「……あれ、ちょっと体が軽くなったかも?」
かいた汗は身体を裏切らない。老廃物を排出した身体はその分だけ軽くなっていて。
やはり、汗をかくことは大事なことだ。そう認識しながら、フォルセティは冷たいジュースで喉を潤す。
出すものを出したら次は補充する番。これだけやれば、お食事処で美味しく食べられるだろう。
そう、彼は確信を持っていた。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『炭水化物トリオ』
|
POW : 炊きたてごはん怪人・ウェポン
【炊きたてごはん兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 焼きたてパン怪人・ジェノサイド
【焼きたてパン攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 蒸したて中華まん怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【蒸したて中華まん】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
●お食事処「オルガニカ」の料理は全て、有機栽培して作った食材を使っております!
サウナに岩盤浴、ボディケアにフットマッサージ、温泉にあかすり。
およそ思いつく限りの手段で身体の中の老廃物を排出してきた猟兵たちが、足を向けるのはお食事処「オルガニカ」。
オーガニックの食材を使った身体に良い料理を売りにしているそこで。
「野菜サラダしか食べないだと!?いかーん、それではエネルギーが足りん!」
「そんな淡白な肉だけでは身体が喜ぶまい!肉まんを食え、肉まんを!脂分を摂ってこそ身体が喜ぶ!」
お食事処の席にまばらに着席している一般人相手に、なんとも無茶苦茶な持論を繰り広げて迫っている、頭部が炭水化物な怪人たちの姿。
やはりと言うか何と言うか、猟兵たち以外の一般客をすべて排除、とはいかなかったらしい。
そして怪人たちの一人が、入り口で自分たちを見つめることに気が付いたようで。
「むっ、またしても愚かな健康志向の客が来たか!オーガニックなど邪道、食事は不健康で然るべし!炭水化物の力、思い知らせてくれる!」
そう、高らかに吠え立てながら、群れをなして猟兵たちへと襲いかかってきたのだった。
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【SPD】(アドリブ/連携可)
「オイルの効果なのか、肌がつやつやになったわ」
別行動だったフォルセティと合流後、お食事処へ
■作戦
NGワードでトリオを店外におびき寄せ、弟との連携攻撃で倒す
■行動
「そうね。中華まん自体、中身は炭水化物ではないし」
主食で揃っている感じでもないので説得力ないわねと、
バッサリ切り捨てながら[挑発とおびき寄せ]を兼ねて口撃する
怪人の注意を引いたところで[先制攻撃]の【トールの雷鎚】でビリビリにして、
リフレクションする間を与えずに[範囲攻撃]の【フィンブルの冬】で高速冷凍
「冷めたごはんや中華まんは美味しくないわよね」
パン攻撃は(見切り)で華麗に躱す
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【SPD】(アドリブ・共闘可)
「岩盤浴、すごくよかったよ」
リフレッシュできたから、頑張って炭水化物トリオをやっつけないとね
【行動】()内は技能
お食事処の入り口で大声で話すよ
「ねーねー、フィオ姉ちゃん。あの三人衆、一人だけヒョロヒョロしてるよ!」
炭水化物の力ってたかが知れているね、と軽く(挑発)しつつ
お食事処から店外に(おびき寄せ)るよ。一般人が巻き込まれたら大変だからね
三人衆が出てきたら(スナイパー)でクラロ・デ・ルーナを放つんだ
フィオ姉ちゃんが急速冷凍させたらイスベル・ウラーノで氷を追加しておくよ
「このまま冷凍庫送りでもいいかも?」
三人衆の攻撃は(見切り)で躱すよ
●当店のお料理の食材は全て、有機栽培したものを使用しております!
高級サロン「プリマヴァーラ」に併設されたお食事処の店名「オルガニカ」は、「オーガニック」と語源を同じくする。
その名の通り、売りは有機栽培された野菜と、合成飼料を使用せずに育てた食肉。
老廃物を排出した身体に取り入れるのに相応しい、自然そのままの食材を用いたレストランである。
そんな店の理念を根底から覆さんと暴れ回る炭水化物トリオに、店内に僅かに着席する一般客が怯える中。
別行動をしていたフィオリナとフォルセティのソルレスティア姉弟は、談笑しながらオルガニカ店内へと足を踏み入れた。
「フィオ姉ちゃん、肌がすごいつるつるになってるねー」
「オイルの効果なのか、肌がつやつやになったわ。フォルセティも肌のキメが整っているのではない?」
「うん、岩盤浴、すごくよかったよ」
そんな風に仲睦まじく話しながら、互いのリフレッシュ具合をそれぞれ口に出す姉弟。その声を聞きつけて、手近なところにいて一般客を脅かしていたパン怪人達がその真っ白な断面を二人に向ける。
「むっ!?」
「わわっ、フィオ姉ちゃん。あの三人衆、一人だけヒョロヒョロしてるよ!」
「あら本当。ご飯頭も中華まん頭もムキムキなのにね。そもそも中華まんは軽食、主食で揃っている感じでもないから説得力がないわね」
「炭水化物の力ってたかが知れているねー」
そんな具合に声を大にして挑発しにかかる二人の言葉に、入り口からほど近い距離にいたパン怪人と中華まん怪人が怒りを露わにした。唯一ご飯怪人だけが、「俺には関係ないしー」といった具合で放置を決め込んでいる。
早速仲間割れしていることなど気にも留めず、パン怪人が二人に中華まん怪人が二人、フィオリナとフォルセティのいるところへずんずんと歩み寄ってきた。
「黙って聞いていれば好き勝手言ってくれるな!」
「主食であるかどうかなど些細なこと!こやつらが身体を鍛えていないことも些細なことだ!炭水化物の持つ力を、お前達は侮るというのか!?」
「あ、その身体って炭水化物パワーで鍛えてきた訳じゃないんだ?」
「ますますたかが知れる話ね。そもそも、冷めたご飯や中華まんって美味しくないのではない?」
「ぐぬっ……!」
「炊き立て焼き立て蒸し立てを心情とする我らにその言葉は刺さる……っ!」
フィオリナの言葉に一瞬、中華まん怪人達がひるむ。
だが、それが逆に彼らの心に火をつけたようで。
「ぬぉぉーっ、ならば蒸し立て中華まんの威力をその身に思い知らせてくれるわぁぁーっ!!」
「ならばついでに焼き立てパンの威力も味わわせてくれるーっ!!」
逆上した四人の怪人、その彼らに対し、二人は踵を返してオルガニカの外へとかけていく。
追いかける怪人達が、お食事処の外へと誘い込まれたことに気付いたのはどのタイミングであったろう。
「逃さないわよ、七界へ轟け、雷神の鎚よ!」
安全な場所に達するや否や身体を反転させたフィオリナの手から、放出されるのは雷電の網。
虚を突かれた怪人がその網に絡め取られた次の瞬間に、頭上から一挙に落とされるのは雷撃をまとった巨大な鎚だ。
そうして怪人達の注意が上に向いた途端に。
「放て」
短く発せられるフォルセティの詠唱。
そこからまるで四発同時に放たれたかのように、エネルギー波が怪人達の身体を打つ。
衝撃と威力に怯んだそのタイミングで落とされた鎚が、プリマヴァーラの二階を揺らした。
そうしてオルガニカの店先にて煙が上がる中、怪人四人の姿は跡形も無く。
「呆気ないわ。冷凍してやろうかと思ったのに」
「炭水化物だから賞味期限が早かったのかな、フィオ姉ちゃん?」
手応えがないことを憂いながら、フィオリナとフォルセティがため息をついたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ルク・フッシー
う、うーん…確かに炭水化物もちゃんと摂らないと、それはそれで不健康ですけど…
どっちにしろ、偏った食事は不健康の元ですよ…
オーラ防御を張った大筆を使い、怪人の攻撃を武器で受ける事で、一般の方をかばいます
「に、逃げてください…!」
一般の方がみんな逃げ切れたら、反撃に移ります
大筆を振りかぶって怪人に向かって走り、すれ違いざまに怪人の体に裂傷を描きこみます
すごく…調子が…いいです!
●有機栽培の野菜のみと侮るなかれ、米も小麦も有機栽培!牛や豚、鶏も有機飼料で育てています!
入口付近での轟音に、店内に残された一般客も、残りの怪人達も、何事か起こっているのを察したらしい。
怪人達がオルガニカの入口の方に視線(と言っても目など無いが)を向けているスキを突いて、入口付近の席に座っていた一人のキマイラが席を立って駆け出した。
「あっ、こらっ!」
咄嗟の逃走。数瞬対応が遅れたご飯怪人が手を伸ばすも、その手は一般人に僅か届かない。
それを契機に、残る数名の一般人キマイラも次々に席を立っては駆け出した。目指すはオルガニカ入口、猟兵が居て安全の確保されている方。
「くっ、ここまで来て逃がすわけにいくかっ!」
「きゃあっ、やめてください!」
なんとかご飯怪人が、最後に逃げようとしたキマイラの女性の手首を掴む。女性が逃げようと藻掻くそこへ。
「に、逃げてください……!」
ルクがオーラを纏わせた大筆を手に、筆先で掠めるように怪人の腕を打った。
筆の柔らかい先端での一撃、それも掠る程度の攻撃、並みの筆なら撫でられた程度の威力しか持たぬだろうが。
「ぐぅぅっ!?」
走る鋭い痛みに、ご飯怪人の腕の力が確かに緩んだ。その隙に手を振りほどいた女性が、入り口に向けて一目散。
「ありがとうございます……!」
ルクへと投げられるその一言に、本人がそっと胸を撫で下ろすと、腕を押さえるご飯怪人が忌々しげにルクへとそのご飯茶碗を向けた。
手で押さえられたそこからは、確かに鮮血が垂れている。
「貴様……!」
「え、えっと……確かに炭水化物もちゃんと摂らないと、それはそれで不健康ですけど……どっちにしろ、偏った食事は不健康の元ですよ……」
「黙れっ!炭水化物は人体のエネルギーを生み出す源!それを欠いては、如何に健康的な食材を取ったとて意味がない!
だから我々はここに訪れる不届き者に炭水化物の恩恵を与えんとしているのだ!」
「だとしても……む、無理矢理はよくないです……!」
ご飯怪人の言葉の勢いに気圧されそうになりながらも、ルクはぶんと大筆を振った。
言わんとすることが間違いではない。ただし、手法が問題だ。
この事実に気付いてほしいとの思いを込め、ルクの振るった大筆から塗料が飛ぶ。
そして怪人の肩から腰にかけて、一直線に赤い筋が奔ったかと思うと。
ぱっくりとその筋に沿って、肉体が切り裂かれた。
「ぐぉぉ……!」
苦悶の声を上げながら消滅していくご飯怪人。その後に何も残らない様を見て、ルクは申し訳のなさそうに目尻を下げるのだった。
成功
🔵🔵🔴
レパル・リオン
きっとアンタ達も…アンタ達なりに幸せになりたいだけなのね…ただ、それが誰かの幸せを傷つけてしまうだけ…
(※癒されすぎて若干悟っている)
一般のお客さんがいるなら、神風脚で蹴散らすってわけにはいかないわね!
「不健康?脂分?そんなものに健康は負けないわ!」
焼きたてパン攻撃…って、具体的に何するのかわからないけど、挑発して攻撃を誘って背後にまわり、急所に【瞬打】延髄蹴りを叩き込むわ!
動きがよく見える…体が飛び上がりそうに軽い…何より、あたしの心…なんて穏やかなの…!
これが…健康の力よ!
●どうしてもお酒を飲みたい、という方向けにオーガニックのワインも取り揃えております!でもお酒は程々に!
逃げていく一般人を見送りながら、レパルは穏やかな笑みを湛えてこちらに向き直る怪人を見ていた。
「きっとアンタ達も……アンタ達なりに幸せになりたいだけなのね……」
「えっ」
突然に諦観した表情で心を見透かしたような言葉を投げられて、怪人は一気に困惑した。
彼らが幸せになりたいかそうでないかはこの際置いておくとして、しかしレパルの悟りモードは留まらない。
「そう、ただ、それが誰かの幸せを傷つけてしまうだけ……だからあたしたちはその誰かの幸せを守るために戦うの……」
「えっ何突然に、何これ?」
「俺達は……幸せになりたかった……?」
困惑し通しの怪人達がレパルのペースに巻き込まれ始めたところで、彼女はまっすぐに駆け出した。
「不健康?脂分?そんなものに健康は負けないわ!」
「あっやっぱり戦闘ですよねそうですよね!」
「分かってたんだ!どうせ猟兵が相手ならこうなるって!」
レパルの標的になった食パン頭のパン怪人が、彼女を迎え撃つ為に湯気の立つ拳を突き出す。
しかしそれをやすやすと喰らうほど、レパルは甘くない。
ぐっと身を屈めながら体を入れ込み、攻撃のために体重を前にかけたパン怪人の背後に一瞬で回り込む。
そして。
「よっ」
「おぶぅっ!?」
身体が伸び上がるその勢いを利用して、パン怪人の後方から鋭く放たれる回し蹴りが、怪人のパン頭の直下、延髄を正確に打ち抜いた。
もんどり打って吹き飛ぶ怪人が、オルガニカのフロアを飛び越えて入り口向こうの広間の床に直撃。パンがぺっしゃんこに潰れながら、怪人の身体が塵と消えていく。
振り抜いた足を戻しながら、レパルはまたも恍惚とした表情をしていた。
「動きがよく見える……体が飛び上がりそうに軽い……何より、あたしの心……なんて穏やかなの……!
これが……健康の力……!」
「ヤバい、なんかキマってる!」
「だからボスの言う通りに、リフレッシュして来た人を狙うなんて嫌だったんだ!」
レパルの様子を見て、どんどんその顔色を恐怖に染めていく炭水化物トリオ。無理もない、敵を蹴り飛ばして恍惚に浸るなど、よほどのサイコパスか何かがキマった者くらいだ。
そうして恐れを抱いた怪人達は、しばらくレパルの蹴りに怯えて逃げ惑いながら、次々と蹴り飛ばされて骸の海に強制送還されたのであった。
成功
🔵🔵🔴
紅狼・ノア
にゃ~いい湯だったなぁ
スッキリしたしお食事処に行こう~
ん?なんか変な奴らがいる…え、何この状況カオスなんだけど…
パンとご飯と…肉まん⁉そこはラーメンかうどんとかじゃないの⁉
襲ってきた怪人共を【第六感・野生の勘・カウンター・怪力】で蹴散らす
てかお前ら何がしたいの?食ってもらいたいわけ?
それなら不健康したら意味ないだろう…あのなぁお前ら飯ってのはな(以下略)
はぁ喋ったら腹が減った…(怪人を見て)
焼きたてパン・ご飯・肉まん作れんの?…なら食わせろ!【大食い】
怪人共がもう無理だって音を上げるまで食らい尽くす
体調は崩れないよ!なぜなら僕の胃は頑丈だからね
てかまだ~?早くしないと食うぞ…お前達を…【殺気】
●食べ過ぎ厳禁!腹八分目が大事です!
そうして数を着実に減らされつつある怪人が逃げ惑う中で、ノアは困惑の色を隠せずにいた。
「ぬぉぉぉこの局面で更に新手だと!?」
「え、何この状況カオスなんだけど……」
ノアが混乱するのも無理はない。
戦いは完全に猟兵側が優勢、一般人のキマイラ達は既に避難が完了しており、店員も奥へと引っ込んだ状態で、猟兵がオブリビオンを追い回しているのだから。
そして更に、ノアを混乱させる要因が一つ。
「というか、パンとご飯と……肉まん!?そこはラーメンかうどんとかじゃないの!?」
「言うな!だが麺類ではスープやつけ汁がこぼれた時に大惨事になるし、器は重いし、そもそも投げられないではないか!?」
「そこ!?」
何とも現実的な理由に再びノアが目を見張る。
しかし生まれた驚愕の心に流されることなく、ノアの手は向かってくる怪人の大きな身体に伸ばされている。
そうして、ノアの拳が一発、ご飯怪人の茶碗を揺らし、ご飯怪人の腕がその頬を掠めるようにスレスレを通ると。
頬に走った赤い筋を手の甲で拭いながら、ノアはその瞳をすっと細めた。
「てかお前ら何がしたいの?食ってもらいたいわけ?それなら不健康したら意味ないだろう……あのなぁお前ら飯ってのはな」
「ひ、ひいっ!?」
「ダメだ、こいつもキマってる奴だ!」
別方向からのアプローチ、怪人達が俄に慄き始める。
そのまま勢いで押し返すように、ノアの講釈が始まった。食事とはどうあるべきかに始まり、何をどう食らうべきか、食らう順番はどうするのがいいか、どんどん勢いに任せて喋り倒していく。
やがて、粗方話し尽くしてノアが深く息を吐き、怪人達が軒並み地に倒れ伏している中で。
手近なところで倒れていた中華まん怪人の襟首を、ノアの手ががしっと掴んだ。
「ひいっ!?」
「はぁ喋ったら腹が減った……で、お前は肉まん作れんの?」
「い、え、いいえ……!」
恐怖に慄きながら手を弱々しく振る中華まん怪人。しかしノアの勢いは止まらない。
「早くしないと食うぞ……お前達を……!」
「いぃぃぃぃっ!?や、辞めてください辞めてください!!ボスの居場所を、教えますから!」
命乞いを始める中華まん怪人、実に哀れである。その姿にふん、と息を吐きながら、ノアが襟首を掴んだままでぐっと顔を近付けた。
「本当なんだな?嘘を言ったらお前を食うぞ……で、どこなんだ?」
「ひいっ……お、屋上です、この建物の屋上ですっ!だから命だけは」
「分かった、骸の海に返してやるよ」
「ほぎゃんっ!?」
一切の容赦の無いノアの拳が、中華まん怪人の白く柔らかな表面に突き刺さった。
哀れ。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『銀木犀』
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POW : 頂戴
【予告状】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : 手刀
【残像さえ残る格闘術】による素早い一撃を放つ。また、【下駄を飛ばす】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 巾着切り
【スリ】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
👑7
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●プリマヴァーラ屋上では日替わりで、ヨガや太極拳、エクササイズのレッスンをしています!
炭水化物トリオから聞き出した情報をもとに、猟兵達はプリマヴァーラ屋上、イベントスペースへとやって来ていた。
タイルカーペットが敷かれ、素足でも問題なく立ち入れるそこに、一見してネズミのキマイラと思われる少年の姿があった。
一段上がったステージの上で、あからさまに存在を主張している少年が、姿を見せた猟兵達の姿を認めるや、パッとその首に巻いたマフラーをなびかせて声を張る。
「来たな、猟兵!ボクの差し向けた炭水化物トリオは撃破されてしまったようだな!
ボクの名は怪盗・銀木犀!世のキマイラの健康を盗むため、いざここに参上!」
しっかと名乗りを上げた銀木犀の姿を、しばし無言で見つめていた猟兵は。
無言のままに各々の武器を構えた。
「えっ、名乗りなし!?お約束ってものが分かってない連中だな!
いいよ、ボクの力で問答無用に叩きのめしてやる!」
乗っかってこない猟兵達に若干やりにくさを感じたらしいが、銀木犀もすぐさまに戦闘態勢を取った。
相手はオブリビオン、そのお約束に乗っかる必要は無い。高級サロン「プリマヴァーラ」の安全を確保するため、猟兵達の戦いが始まろうとしていた。
紅狼・ノア
(腹減りのせいで凄い【殺気】を放っている)
…あの野郎、肉まん怪人なのに作れないってどうゆうことだよ!
ん?…(ガン見)
あの鼠を捕まえて焼いて食っちゃいますか…ん?なんだよガルム?
不味いからやめろって?確かに不味そうだな…うん
さであの子鼠をどうしょうか?
【オーラ防御・第六感・野生の勘】をフル活動し【仲間との連携】ガルムと共に敵をスピードで翻弄してやろうか
一瞬隙を見て【怪力・暗殺】を仕掛けよう
しかも【二回攻撃】(殺気を消し楽しんでます)
にゃり?その袋なに~?気になるなぁ、ねぇガルム?
ついでに確認させてよ【盗み攻撃】
怪盗・銀木犀さん(ニコ)
食い物だったら嬉しいなぁ♪
ルク・フッシー
……えっと…今回の事件も、世界を滅ぼす為の活動なんですよね…うーん…(しっくりこない)
【花宴描画】で大筆を火属性の花びらに変えて、怪人を物量で押し流し、ボクに近づけないようにします
倒すよりも脚や予告状を燃やして破壊、機動力や攻撃力を奪うことを優先します
どうしても近づかれそうなら、真の姿を使用。翼で空を飛び、ビルから離れて距離を保ち続けます
…それにしても今日のマッサージ、凄かったです…ここみたいな高級なお店は無理でも、普段からマッサージしてもらった方がいいんでしょうか…
レパル・リオン
この騒ぎはアンタの仕業ね、ドロボー怪人・銀木犀!
人々を不健康にしてじわじわと苦しめるなんて、とんだ外道もいたものね!
(ジャンプして)【変身】っ!とおっ!
健康の為に、未来の為に!あたし達がやってきた!
魔法猟兵☆イェーガー・レパル参上!(決めポーズ)
予告状を投げる動きを見切り、【獅鬣盾】を使ったオーラ防御で弾き、魔法のステッキでたたき落とすわ!
マッサージと温泉でとびっきり健康になった今のあたしなら、これくらいワケないわ!
健康になって威力アップしたアッパーカットでシメるわ!骸の海まで…飛んでけーっ!
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(共闘/アドリブ可)
「自称する怪盗って、大抵コソ泥みたいなもんだよね」
フィオ姉ちゃんと一緒に銀木犀を倒すよ
【行動】()内は技能
まずは牽制とばかりに(先制攻撃)でウィザード・ミサイルを放つよ。
フィオ姉ちゃんの機械兵器で時間を稼いでいる間に、聖箒を高く掲げて詠唱するんだ。
フィオ姉ちゃんと目配せしてから一斉攻撃だよ
「まかせてフィオ姉ちゃん」
タイミングばっちりの(全力魔法)でカラミダド・メテオーロを叩きつけるんだ
銀木犀の巾着切りはグアルディアン・サトゥルノで相殺するけど、
接近戦はなるべく避けるつもり
「ボク、もう一回岩盤浴行ってみたいなー」
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(連携・アドリブ可)
「そうね。さっさと倒してスパで汗を流したいわね」
■作戦
弟と息ぴったりの遠距離攻撃で銀木犀を撃破する
■行動
「下手に近づくと危険だから距離をとって戦うわよ」
銀木犀と距離をとりながら、[先制攻撃]で【エレクトロレギオン】を放ち
機械兵器で時間を稼ぐ間に詠唱する体勢を整える
弟にアイコンタクトを送って
「いくわよフォルセティ」
発動タイミングをあわせた[全力魔法]で【バベルの光】を叩き落す
銀木犀の攻撃は【アイギスの盾】で相殺する
「せっかくリフレッシュしたのに汗かいたわね」
銀木犀を倒すことができたら、弟と一緒に岩盤浴かな
お食事処でオーガニックな食事でもいいけど
●プリマヴァーラの屋上は総タイルカーペット敷き!素足でも気持ちよく上がることが出来ます!
「あの野郎、肉まん怪人なのに作れないってどうゆうことだよ!」
ノアが肉まん怪人への呪詛を撒き散らして殺気を纏う中、ルクは悩んでいた。
銀木犀がばっとマフラーをなびかせるのを見て悩んでいた。
「……えっと……今回の事件も、世界を滅ぼす為の活動なんですよね……うーん……」
「考えちゃだめよルクちゃん、キマイラフューチャーのオブリビオン・フォーミュラはもう倒した後でしょ」
どうも状況にしっくりこないでいるルクを、レパルがそっと窘めた。
キマイラフューチャーに過去を染み出させていたオブリビオン・フォーミュラが倒されて、もう既に二ヶ月が経過しようとしている。残ったオブリビオン、もとい怪人の数こそある程度はいれども、もう彼らに世界を過去で埋め尽くすほどの力はない。
まぁ、それでも彼らオブリビオンは、人々を害し、世界を少しでも停滞させんと活動するのであるが。
ルクの隣に立っていたレパルが、その指をびしりと銀木犀へと突き付ける。
「人々を不健康にしてじわじわと苦しめるなんて、とんだ外道もいたものね、ドロボー怪人・銀木犀!
変身っ、とおっ!」
「なにっ!?」
突然にジャンプしたことに驚いた銀木犀だが、すぐにその目の前に、自身の腕を翳すことになる。
ぴかーっと全身を眩い光で包み込んだ後、そこからしゅたっと華麗に降り立ったレパルの装いが、先程とは大きく変わっていた。
マゼンタ色のフリルスカートが目に鮮やかなノースリーブワンピースから、ヒマワリ色をしたスカートのプリーツが見目麗しいパフスリーブワンピースへ。
その手にはハートを模したステッキ。ステッキの柄から鉄球が伸びているのは、まぁ、置いておくとして。
正しく、そこに立つのは魔法少女である。
「健康の為に、未来の為に!あたし達がやってきた!魔法猟兵☆イェーガー・レパル参上!」
「くっ……こんなの、どう見たってボクが悪役じゃないか!」
変身したレパルの姿を見て、ぎり、と歯ぎしりする銀木犀を、フォルセティとフィオリナが憐れむような視線で射貫く。
「悪役も何も、自称する怪盗って、大抵コソ泥みたいなもんだよね」
「そうね。さっさと倒して、改めてスパで汗を流したいわね」
既にこの戦闘が終わった後のことを考えているソルレスティア姉弟の傍で、全身からこれでもかと殺気を撒き散らしていたノアが、ステージ上で立ち尽くす銀木犀をぎろりとねめつけた。
「ん?……んー、ん。あの鼠を捕まえて焼いて食っちゃいますか……」
「ひぃっ!?」
「ガゥッ!」
怯える銀木犀の声に被せるように、ノアの相棒ガルムが一声吼える。それによっていくらか冷静さを取り戻したノアが、傍らの相棒に視線を落とした。
「ん?なんだよガルム?」
「ガゥーッ、ガウガァッ!」
「不味いからやめろって?確かに不味そうだな……うん」
「そういう問題じゃないと思うんだけど!?あぁもう、やりにくいな!」
そう一声叫びつつ、がしがしと頭を掻きむしる銀木犀。彼と彼らの決戦の始まりは、こうしてなし崩し的に始まった。
●屋上ではヨガレッスンや太極拳レッスンなど、ゆったりと身体を動かせるプログラムを毎日開催中です!
まず最初に、銀木犀目掛けて飛び出したのはノアだった。
傍らにガルムを引き連れて、一直線に矢のように飛び出す彼女の身体は、すぐさまに銀木犀へと肉薄する。
「さてこの子鼠をどうしょうか?」
「くっ、させるかっ!」
まっすぐ自分に向かってくるノアを、銀木犀は体を入れて受け流すことで躱した。そのまま流れるように手刀一閃。
手による一撃とはとても思えないその鋭さを、生身で受ければ確実にただでは済まなかったことだろう。しかしその手刀がノアへと達する手前。
飛びかかったガルムが手刀を放つ腕に食らいついた。
「あっ!?く、このっ!」
「隙ありよ!」
ガルムに腕へと食らいつかれ、手刀の打ち筋がぶれた銀木犀がなんとかガルムを引き離そうとしている隙を突いて、遅れて飛び出したレパルが手に握るステッキを振り下ろす。
ステッキの柄についた鉄球の重量も相俟って、見た目以上の重量を持つステッキの一撃を。
ばっと腕を振ってガルムを引き剥がしながら後方に飛んだ銀木犀が、その一撃をギリギリで躱した。
そうして一歩飛び退きながら彼は懐に手を突っ込む。そこから抜き取ったのは一通の便せんだ。便箋の裏側に鼠とサングラスを組み合わせたマークが印字されている。
「くそ、これでも食らえ!」
「おぉっと、危ない!獅鬣盾」
まっすぐレパルに向けて放たれた封書の予告状。レパルはそれを、防御魔法で打ち消してみせる。
そのままの勢いで地面を蹴ると、再び拳を以て襲撃。ぞれを的確に防いでくる銀木犀を、ノアが的確な打撃とガルムとの連携で押し留めていく。
「にゃり?その袋なに~?気になるなぁ、ねぇガルム?ついでに確認させてよ、怪盗・銀木犀さん?」
「させるかよ!?ていうか別に美味しいものとかは入ってないからな!?」
ノアの食欲が留まるところを知らない中で、銀木犀も困惑気味だ。
そのままノアとレパルが二人で前衛を担い、銀木犀を思い通りに動かせないようにする後方で。
ルク、フォルセティ、フィオリナの三名はそれぞれの魔法の詠唱を行っていた。
と言ってもルクの場合は、文言を唱えることはない。その手に握っていた大筆を塗料で出来た花びらへと変え、自身の想うがままに操るだけだ。
「……っ!」
「わっ!?」
前衛の二人に対処する中で、途端に自身に纏わりついてくる花びらに気が付いた銀木犀は目を見開いた。
花びらが付着したその場所から、燃えるような熱が発生している。
慌ててそれを取り払おうと拭ったり腕を振ったりするものの、塗料は塗料、伸びては熱を帯びる範囲が広がるだけだ。
「なんだよ、もうっ!」
いらだった様子で手足の塗料を払おうとする銀木犀が一瞬、完全に足を止めたその時である。
「いくわよフォルセティ」
「まかせてフィオ姉ちゃん」
後衛で魔法の詠唱を行っていたフィオリナとフォルセティが、互いに視線を交わし合った。
そして、二人同時に、高らかに声を張る。
「ただの魔法使いだと思った?――貫け!」
「悠久に揺蕩う無限の星屑よ。星柩満ちて此へ集うは漆黒の紅炎!」
フォルセティがその手に握った箒を向けて、フィオリナが照準を銀木犀へと合わせて。
その照準が同時にピタリと、銀木犀へと合わさるや。
「バベルの光よ!!」
「カラミダド・メテオーロ!!」
天から刹那の間に、銀木犀の身体を包み込むように光が降りる。
それと同時に、轟音を立ててプリマヴァーラ屋上へと落下してくる巨大隕石。
「う、わ、わ……!」
銀木犀の悲鳴も、隕石落下の轟音と高出力レーザーの熱量に阻まれて微かに聞こえるのみ。
猟兵たちが急いで後退した次の瞬間。
落下した巨大隕石が、プリマヴァーラの建物を大きく揺らした。
そして土煙が晴れ、レーザーの光が消え去ったそこには。
大きくひしゃげたステージだけが残され、銀木犀の姿は影も形も残っていなかったのである。
●プリマヴァーラはいつでも何度でも、皆さんをお待ちしております!
壊れたステージを片づけて修理して、建物に大きな衝撃を与えたことを謝罪して。
やるべきことを全て済ませた猟兵たちは、再びプリマヴァーラの建物内へと散っていった。
「せっかくリフレッシュしたのに汗かいたわね。フォルセティ、どうする?」
「ボク、もう一回岩盤浴行ってみたいなー」
「いいわね、そうしたらお食事処でオーガニックな食事でもしましょうか」
フィオリナとフォルセティは仲良く連れ立って岩盤浴エリアへと向かい。
「……それにしても今日のマッサージ、凄かったです……
ここみたいな高級なお店は無理でも、普段からマッサージしてもらった方がいいんでしょうか……」
「そうねー、どこかいいサロンを見つけておくといいんじゃない?あ、そうそうこないだUDCアースでね……」
ルクとレパルはいい感じの整体院について情報交換をして。
「あー、お腹空いた。今度こそお腹いっぱい食べるぞー!」
「ガゥッ!」
ノアは改めてオルガニカへと向かって行った。
こうして無事に、高級サロン「プリマヴァーラ」の平和は保たれた。
キマイラフューチャーの中心街で、高級サロンは今日も明日も、身体を癒したいあなたのために、その扉を開くことだろう。
成功
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