―――アリスラビリンスにある不思議な国―――。
ここは平和な不思議な国。争いもなく愉快な仲間達が仲良く楽しく暮らしている。
街道には歩く絨毯、掃除をする意思のある箒、カフェにはしゃべるポッドや卵人間、
この街の一番人気の靴屋さんには優しいおじいさんとおばあさん。
皆仲良く暮らしている。みんな楽しく暮らしている。
ずっとそう。
ずっとそうだ。
だが、いつまでも続く平和など存在しない。
誰か救ってほしい。
不思議で素敵な絵を。
残酷な黒色で塗りつぶされる前に…。
―—――グリモアベース―――。
「みんな集まってくれたか‥じゃあ今回の仕事の話をするぞ。」
猟兵の一人であるモース・レフレクソンはホログラフで映像を映し出し、表情を変えずに機械的に説明をし始めた。
「オウガの存在によって地獄と化しているアリスラビリンスだが…まだ一度も襲撃されていない国があった。だが、とうとうオウガの軍勢に見つかってしまったみたいでな…滅びるのは時間の問題だろう…。」
ホログラフに映し出される国はとても賑やかで、そこそこ栄えている綺麗な街だった。
この国を失うのは大きな損失だろうとモースは続けた。
「オウガの軍勢はこの世界特有の変な連中だが…一体一体が面倒くさい上に数もかなり多い。で、敵の詳細は赤い頭巾を被った猫だ…見た目は可愛いが、妙に小賢しい上にえげつない攻撃をしてくるから気をつけろ。さっきも言ったが数が多い…猟兵だけで戦うのはかなり厳しいが、この国の住民と協力すれば何とかできるだろう。不思議な国の住民特有の技能を有効活用して任務をこなしてほしい…。」
猟兵達に住民達のデータをホログラフで見せる。現実ではありえないような面白おかしな特徴を持った者ばかりだ。きっと面白おかしく活躍してくれるだろう。
「オウガの軍勢をある程度減らしたら、残りの敵は住民達に任せ、アンタ達は頭を叩いてほしい…戦争では敵将を討ち取る…当たり前だな。慈愛を与えると聞こえの良いことを言っているが、人を喰うことには変わりはない…迅速に仕留めてくれ。」
そういうとモースは敵将が映った映像にナイフを投げた。刺さった瞬間、ホログラフは煙のように消えた。
「無事に敵を倒すことができれば、その国で愉快な住民達と仲良くやることができる…ひょっとしたらいい思い出も良い物も手に入るかもしれないな。さぁ、行ってきてくれ…もし無事に帰ってきたら、一杯奢ってやる…もちろん、先着一名な。」
モースはふっと笑い、猟兵を見送った。
さぁ、不思議な戦争を始めよう。
ちゃばたろう
初めまして、ちゃばたろうです。今回はよろしくお願いします。初めてシナリオを書くということで、不安とわくわくでお手手がヌメヌメして、キーボードが大変なことになっておりますが、無事に綺麗に完結させて新しいキーボードを買いに行きたいですね。
今回のシナリオの説明をさせていただきます。
・第一章。
集団戦ですね。可愛い可愛い赤ずきんの猫ちゃんが出てきます。やってくるユーベルコードは記載の通りですが、結構翻弄してくると思います。
数も多い上に、一体一体がかなり厄介なので、不思議な愉快な仲間たちと協力して倒すという形になります。愉快な仲間たちは、童話特有の様々な形をした生きた物たちです。 皆それぞれ特有のの攻撃の仕方で支援してくれるので、ガンガン利用しましょう。例えば、熱々のお茶をかけることをしたり、その辺に生えているバネキノコで吹き飛ばしたり様々なことをします。
ひょっとしたら、今までに無い変わったことが出来るかもしれませんね。
・第二章。
ボス戦になります。ここでは愉快の仲間たちは参戦することが出来ませんので、猟兵達だけで何とかする必要があります。一章で不思議な戦いをしましたが、ここではガチ戦闘なとなりますので、ギャップが効いた感じになるかもしれませんね。
翼の生えた敵で、翼を使った攻撃をしてくると思いますので、そこに注意しつつ皆と協力して戦ってください。
・第三章。
平和になった不思議な国で、共に戦った愉快な仲間たちと触れ合うことが出来ます。一章で友情が芽生えた仲間たちと語り合うのもよし、触れ合うのもよし、修復のお手伝いをするのもよしです。最後までこの不思議空間を楽しんでください。
以上です。至らぬ点があるかと思いますが、どうぞよろしくお願いします。
第1章 集団戦
『にゃんこずきんちゃん』
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POW : 12時になると自爆するとは何か間違ってるのにゃ。
自身の身長の2倍の【12時になると自爆する『南瓜の爆車』】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
SPD : お魚やめるなんてもったいないのにゃ。
【相手が変形した部位や召喚物を魚】に変形し、自身の【自制心】を代償に、自身の【食欲と魚への反応速度】を強化する。
WIZ : どこかのおばあさんからもらった毒リンゴにゃ。
【毒リンゴを対象の口に放り込むこと】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
👑11
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赤凪・風珀
おやおやまぁまぁ、随分かわいらしいオウガですね。でも、せっかくの平和な国を狙うのはだめ。そんなの許さないです。
UC、影の追跡者の召喚を発動。相手が数多くいるのなら、その足止めをするためにも敵の動向を探るのです。
少しでも手薄なところが分かれば、みんなに伝えておきます。
軍勢は一ヶ所が乱れると一気に力を失うと聞きますし、少しずつ数を減らすことも必要でしょうし。
私自身は、そうですね。
皆さんへの情報伝達に努めます。追跡者の情報や他の方々が見つけた情報を伝え回ります。少数に攻撃対象にされても、最低限はダガーで応戦できますから。
せめて足を引っ張らないよう、頑張る、です。
☆アドリブ・連携等オールオッケーです。
―――――不思議で平和な国。
猟兵に事実を聞いた愉快な仲間たちは、絶望と不安で嘆いていた。
「とうとうこのような日が…。」
「いつまでも続くと思っていたのに…。」
「どうしよう!どうしよう!。」
だが、悲しんでいる暇はない。今、平和は確かに消え去ったのだ。だが、二度と戻ってこないものでは無い。取り戻すのだ…あの日々を、あの平和を。この不思議で美しい場所は燃え尽きたわけではないのだ。
猟兵は提案した。
「お願いがあります。手を貸してください。」
―――――広い森の中で。
不思議な国の近くの森に、愛らしくも不気味な声が響いていた。ソレは森を蹂躙しながら、着実に国の方へと進んでいた。
にゃあ――――。にゃあ――――。
小さな影が蠢く。一つではない、五…十…いやもっとだ。森の中を影が覆う。沈む夕日を追う影のように。
『かわいい子はいないかにゃ。』『つらい子はいないかにゃ。』『あの方に献上するにゃ。』『みんなそれで幸せにゃ。』
『いないかにゃ?いないかにゃ?』
「誰もいませんよ…私は今、この森の一部なんですから。」
森の空気に溶けるかのような小さな声で呟いたのは、大きな木の枝の上で見下ろしている赤凪・風珀(人間のシーフ・f19216)。彼女は戦いの前に、敵の情報を集めるべく、息を殺して偵察に来ていたのだ。
「今回は愉快な仲間たちが、手伝ってくれているので助かりました…では、仕事をするとしましょう。」
この森にも多くの愉快な仲間たちがいる。しゃべる動物やバネのキノコ…今、風珀が乗っている大きな木もそうだ。仲間たちは風珀の存在を自然の中へと溶かし、一切気づかれないようにした。
「情報無くして戦いは出来ません。数で負けても、戦いようはいくらでもあります…さぁ、行きなさい…。」
そういうと風珀は【影の追跡者(シャドウチェイサー)】を発動した。彼女の影から形を成したそれは、人の形へと変わり、木から木へと素早く移動し始めた。風珀は目を瞑り意識を集中させる。
「敵の数は見える範囲だけでも100以上…前衛の動きは揃っているとは言えませんが、後衛の方は後衛何かを守るように固まっていますね…おそらくあそこに…。」
風珀と影の追跡者の五感は共有することが出来る。この森全ての協力もあり、敵に気づかれることなく有用な情報を集めていく。本業は暗殺者である風珀は、この手の仕事は慣れていた。何がいるのか、何を見るべきなのか…頭の中で整理するとともに、彼女の中で戦略が組みあがっていく。
「思ったより個々が勝手に動いているようですね。後衛は少々固いですが…前衛をある程度崩せば、後ろの守りも崩れていくかもしれませんね。」
練度も高くない軍勢だ。そう確信した風珀は、ひょいっと木から降りた。そして他の猟兵や、愉快な仲間たちに得た情報を伝えに行くためだ。
「この戦い…勝機はあります。この無慈悲な現実でも…足掻く算段が。」
彼女は再び森の中へと消えた。この黒を拭い去る、確かな希望へと繋がる欠片を持って。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・スクアーロ
さぁ、お化け屋敷の開幕だ!なんてね、オウガ相手だ、ちょっと驚かすついでに命も置いて行ってもらおうか!
UCで対処できる数の敵を分断して取り込む、あとは煮るなり焼くなりというところさ。霧深く、視界の制限された迷宮で、怯えてそのままくたばっていってくれ
さぁ、愉快なお友達、お客様を驚かせて差し上げてくれ
あとは私がハチの巣にしておくからね(暗視、誘導弾、呪殺弾、クイックドロウ、援護射撃)
ま、これが上手く行かなかったらその時はその時さ、私とスクアーロで他の猟兵に紛れて後ろから撃たせてもらおう(援護射撃、2回攻撃、呪殺弾、誘導弾)
ゲンジロウ・ヨハンソン
○アドリブOK
…OH MY GOD!…なんてこった。
聞いてねぇぞ、こんなに可愛い猫ちゃんが相手だなんて…!
いや、聞いてたけど…!
聞いてた以上に、可愛い…!!!フゥゥゥウンン!!(思わず傷痕から怨嗟の炎が吹き出る)
○戦闘
にゃんこずきんちゃんの可愛さに翻弄され、役立たずとなったゲンジロウ!
ゲンジロウの大ピンチに【選択したUC】が発動し颯爽と登場した『蒼衣の剣士』がこの窮地を切り開く!?
「いや、貸しひとつじゃないから!?可哀想だろ、いぢめんな!!!」
まさかのゲンジロウもにゃんこずきんちゃんの味方に!?
どうなる、蒼衣の剣士!いや、†蒼刻の騎士†!!
未来はどっちだ、いざゆけイェーガー! ご期待下さい!
猟兵の働きによって、敵の規模や配置を把握することが出来た。ならば後は迎え討つのみ。だが、油断は禁物だ…何が起きるかわかったものではない。そう、戦場は予測出来ない事態のほうが多いのだ。
現場に真っ先に着いたのはゲンジロウ・ヨハンソン(腕白青二才・f06844)だ。完全武装の鎧の騎士。敵を探すその眼光と、にじみ出る覇気は歴戦の猛者ということを物語っている。
「可愛い猫だろうが容赦はしねぇ…さぁ…かかってこい。」
茂みの方から音がする…。何者かが蠢いている音が。
ガサッ…ガサッ…。
飛び掛かってくるのはいつだ。次か、次の瞬間か、瞬きの後か。構えるゲンジロウに隙などない。これは勝ったとフラグを立ててもいいほどだ。
ガサッガサッ…。
『にゃーー!!』
茂みから飛び出してきたのは、小さな体を包み込む真っ赤な頭巾を被った子猫達だった。パチパチと瞬きをしながら首をかしげてこちらを見つめる。実にあざとくキュートな姿だった。いや待て…本来ならこのキュートな姿は、次の瞬間鎧の騎士によって全て消滅していたはずだ。
「‥‥OH MY GOD…なんてこった」
ガシャリと膝から崩れるゲンジロウ。その身は震え、今にも噴火しそうな雰囲気だった。そして彼は叫んだ。
「聞いてねぇ…聞いてねぇぞ…!こんなかわいい猫ちゃん達が相手だなんて!いや、聞いてたけど…!情報にはあったけど!聞いてた以上に‥‥フゥゥゥゥゥン
!!!!!」
彼の傷痕から怨嗟の炎が噴き出した。いや、この場合は感嘆の炎だろうか。今回の敵…通称にゃんこずきんは、ゲンジロウの姿を見てかなり戸惑っている。
『にゃ、にゃあ…キミはぼくたちに危害を加えるつもりはないのかにゃ?聞いてほしいにゃ!ぼくたちに着いてきてくれたら、とってもいいことがあるにゃ!どうかついてきてほしいにゃ!』
ゲンジロウのテンションを見て若干引きつつも、誘惑して自陣へとおびき寄せようとするにゃんこずきん達。プロだ、この子達プロの猫集団だ。
「…何?行くぞ!ナデナデもしたいしモフモフもしたいぞ俺は!テンション上がってきた!」
決まった。完全に誘惑が決まってしまった。このままだと餌になるルートまっしぐらなのだが、彼のもとに青い閃光と共に助けが舞い降りた!それは彼のピンチ(?)に駆け付けるユーベルコード…【キュウユウノジョリョク】によって召喚された蒼衣の剣士だった!
「蒼衣の剣士…なんでここに!?」
自分でも予想外なことに驚くゲンジロウ。だが、お構いなしに蒼衣の剣士は剣を振り上げた。
「俺は†蒼刻の騎士†だ…もう安心だぞ、今片付ける…刻み付けろ…我が刻剣のs「いやいやいや!ストップストップ!!」
にゃんこずきんを攻撃しようとする剣士を必死に止めるゲンジロウ。歴戦の猛者ではあるが、敵とはいえ見た目が可愛い小動物を傷つけるのは、心優しい彼には難しいことだった。
「何を言っているんだ。敵だぞ。今倒すから、これで貸し一つな。」
「いや貸し一つじゃないから!?可愛そうだろ1?いぢめんな!」
ギャーギャーともめる二人。何しに来たのかわからないが、ここにいるにゃんこずきんの足止めをすることには成功している。
『にゃ、にゃにかよくわからないけど、今のうちに離れとくかにゃ…』
にゃんこずきん達は彼らをそっとしておいて移動し始めた。関わらないほうがいいかもしれない。本能がそう言っていた。
「待て!!逃げるな!!」
「おい!!襲うな!!そしてモフらせるんだ!」
にゃんこずきん達をそれぞれの理由で追いかけ始める二人。ギャーギャーにゃーにゃーと喚きながら走り回る。騎士と猫が走り回る図…まさしく不思議の国の光景だろう。
だが鬼ごっこはそこまでだ。突如彼らの目の前に、煉瓦の壁が出現した!
「なんじゃ!?」「なんだ!?」『なんなのにゃ!?』
壁に囲まれて狼狽える一同。これはユーベルコードによるものだと理解したときにはすでに閉じ込められ、あたりに濃い霧が立ち込め始めた。
「鬼ごっこはここまで…お化け屋敷の開幕だ!」
そう元気よく宣言したのはアリス・スクアーロ(硝煙の国のアリス・f19647)。彼女の【あゝ素晴らしき狩人の庭よ(ラビュリントス)】によって、完全ににゃんこずきん達を閉じ込めることに成功した。ゲンジロウ共々。
『お化け屋敷とかふざけてるにゃ!こんなのただの迷路にゃ!脱出するだけにゃ!』
逃げ回るにゃんこずきん達だが、一つ忘れていることがある。アリスは”お化け屋敷”と言った。
「うわぁぁー!!驚けーー!!!」
『にゃぁぁぁぁぁぁ
!?!?!?』
「うわああああああ!?」
突如角からお化けの格好をした愉快な仲間達が、驚かしに飛び出してきた!血まみれの喋るカップ、お化けの形を模した動くカーテン、特にメイクはしていないがひょこひょこ飛び回るキノコ。どれも気合の入った仮装だ。アリスは事前に、愉快な仲間にお化け役を頼んでいたのだ!流石ににゃんこずきん達も、驚き逃げ惑う。ついでにゲンジロウも驚き逃げ惑う。
「よしよし…いい感じに驚いてるね。ついでに命も置いて行ってもらおうか!」
彼女の敵を排除したいという心情が、弾丸の形状のバロックレギオンと拳銃を生み出した。そして目にも止まらぬ早撃ちと正確な射撃で、にゃんこずきん達を仕留めていく。視界が悪い上にパニックになっているにゃんこずきん達は、反撃出来ずにいた。
「まだおかわりはあるよ。最期まで楽しんでいってくれ!料金はその命だよ。」
視界が悪くてもアリスには関係なかった。正確に獲物を見抜くその目は、弾を外すことは無い。霧の迷路に容赦なく対象を撃ち抜くガンマン。おそらくこのお化け屋敷で、一番怖いのは彼女だろう。
『にゃー!もう怒ったにゃ!これでも食らうにゃ!!』
堪忍袋のをが切れた!一匹のにゃんこずきんが毒りんごを持って、物凄い勢いでアリスへ突撃した!が、しかし。
「怯えてくたばってればよかったのにね‥‥。」
ズダァンッ。
霧の迷宮に響く銃声と共に、毒りんごと共に崩れ落ちるにゃんこずきん。アリスと愉快な仲間たちにより、迷宮に閉じ込められたにゃんこずきんを、見事殲滅することが出来た。
「たのしかったー!」
「たくさん驚かせることが出来たね!」
「お姉ちゃん!またやろうね!」
大喜びしている愉快な仲間達。霧の迷宮のお化け屋敷は大成功で幕を閉じた。ちなみにゲンジロウと蒼衣の剣士は、たっぷりお化け屋敷を味わった末に、無事脱出できたそうな。
大成功
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ナギツ・イツマイ
鯨は元々空飛ぶ魚じゃあなかったっけ?
冗談だよ。そういえば今日の天気は何かな?
追い風が吹くといいね、重力航行の要塞鯨が出港だ、背には愉快な仲間たち、蒼鯨にて安全地帯へと送迎中。
魚(鯨)に夢中になって追いかけてくるなら…おっと、それはいらない荷物じゃないのかい、仲間たち。
くまさんが慌てて持ってきた、蜂の巣がぶんぶん言ってるし。台所仕事をしていたおばあさん、なんで煮えた油なんて持ってきているのかな?うるさいチェシャ猫を揚げるためならちょうどいい、下にたくさんいるよ。
いらないものは、みんなみんな捨ててしまおう。
高い空から、鯨の咆哮と涙で導こう、遥か地面まで
アドリブ絡み適当に。
中村・裕美
「……また厄介な」
これからの展開にため息をつきつつもしっかり仕事はします
「……レギオン展開」
【エレクトロレギオン】を散開させて【情報収集】し、敵の動きや地形などを調べ、愉快な仲間たちが有利に戦えるような場所(地形の一部に擬態しやすい等)をピックアップ、紙にまとめるなどして配っておく
戦闘ではレギオンに射撃攻撃等でチクチクと牽制を行って気を引かせつつ、別のレギオン部隊や愉快な仲間たちで【だまし討ち】
相手の毒リンゴを食らった場合、【毒耐性】で耐えつつデータ解析。電脳魔術で解毒プログラムが作れれば、毒になった味方の治療を行いたい
人見知りなので喋るのは苦手。戦闘より味方との会話が「厄介」かもしれない
暮陽・黎明
アドリブ連携歓迎
まさしく猫の皮を被る、だなー?
本物であれ偽物であれ面倒そうには変わりなさそうだしなー。
愉快な仲間たちと協力して罠使いで猫の好物をあちこちに仕掛けておくかー。敵UCからして魚は好物っぽそうだし積極的に使いたいところだな―。もしかしたら石ころを魚に擬態させるみたいな不思議な力を持ったやつもいるかもだからそれを利用するのもありだな。魚の匂いのするものをその石にかけておけば大量に釣れるってもんだろー
マタタビなんかも効果ありそうだから使っていきたいな。効力の強い実を使えば、酔っ払って戦いやすくなるんじゃね―かなー
纏まった所をUCで戦闘知識、範囲攻撃、2回攻撃、鎧無視攻撃、鎧砕き
で叩くぜー
にゃんこずきん軍団の三分の一は倒されたが、壊滅状態でも進軍を止めることはしない。不思議の国はもう目の前。勢いが衰えない敵は、厄介この上ない。だが相手は小賢しいが、本能には素直らしい。本能に抗わぬ者は、破滅する運命を辿るのだ。
不思議な国の土地に、大きな影が覆いかぶさった。最初は雲か何かかと思われたが、今日は快晴だ。地上にいる者は全員空を見上げた…その目に映った光景は…巨大な要塞鯨が、空を優雅に飛んでいる姿だった。
「…何で鯨が飛んでいるのよ…。」
静かに突っ込みを入れたのは、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)。彼女はこの鯨要塞の上から、【エレクトロレギオン】を操作し、情報収集をして敵の動きと地形を探っていた。
「鯨は元々空を飛ぶ魚じゃなかったっけ?‥‥冗談だよ、そういえば今日の天気は何かな?。」
この要塞鯨…【時津風】で召喚した青鯨を操るのはナギツ・イツマイ(天秤と物の怪・f19292)。呑気な冗談を言いながら、愉快な仲間たちをこの鯨の背中に乗せて、安全地帯へと送迎中だ。
「…」
お喋りが苦手な中村は、これ以上何も言わなかった。代わりに電脳魔術のデバイスで、解析を続ける。
「正確な数は32体…隊列は特に組まずバラバラ…おそらく、ここより西側の道を通る…道端にいる蝶々を、時々追っかけ回している…戦争している自覚がまるでないようね…。」
そして解析したデータを紙にまとめ、小鳥型の愉快な仲間達に渡し、ある猟兵へ届けるように頼んだ。
――――――。
「ふむふむ、敵さんの数と進行方向はこんな感じなんだなー。よし、ならお仕事始めるとするかー。」
ググっと背伸びをして呟いたのは暮陽・黎明(瑠璃色に染まる空の果へ・f00383)。小鳥が運んできた中村による解析結果に目を通し、移動し始める。そして、あるポイントまでついた時、鞄の中から何かを取り出した…マタタビだ。着いてきている愉快な仲間達にもそれを渡し、それぞれで道の真ん中にマタタビ罠を仕掛け、罠と周辺を見渡すことが出来る岩陰に隠れて、にゃんこずきん達が来るのを待った。するとしばらくして、数多の声が聞こえてきた。
『にゃー!ここまで来たにゃ!国はもう目の前…ここを乗っ取って、あの方に献上するのにゃ!』
可愛らしい無邪気な声で、国を乗っ取ると恐ろしいことを言いながら、中村の解析通りのルートを進行するにゃんこずきん達。
『にゃにゃ!あれはマタタビだにゃ!』『にゃー!これはいただきにゃ!』
全く疑うことも警戒することも無しに、暮陽が仕掛けたマタタビの方へ突っ込んでいくにゃんこずきん達。そしてマタタビを堪能し始め、見事に酔っぱらって道の真ん中でゴロゴロし始めた。
「えー…本当に単純なんだなー…まぁいいか。」
あまりに無防備な敵に、少し呆れる暮陽。とりあえず手筈通りだと切り替え、愉快な仲間達に合図を送る。それを見た鏡の姿をした愉快な仲間が、日の光を利用してキラキラと輝いて、鯨の上にいる中村に合図を送った。
「…射撃開始。」
中村の合図とともに、突然道の端の草むらの中に隠れていたレギオンたちが飛び出し、道で酔っ払っているにゃんこずきん達に、射撃による集中砲火を行った。突然の奇襲に何が起きているのか、サッパリわからないにゃんこずきん達は次々と倒れていく。
「罠の作戦は成功だね…おっと、それはいらない荷物じゃないのかい、仲間達。」
鯨の背に乗せている仲間達を見て、ナギツは指摘した。くまさんは慌てて持ってきた、蜂がブンブン飛んでいるハチの巣を…台所仕事していたお婆さんは煮えた油を…。なんで持ってきたんだと思うような物ばかりだ。
「うるさいチェシャ猫を揚げるためならちょうどいい、下にたくさんいるよ。いらないものは、みんなみんな捨ててしまおう。今日の天気は、やっぱり雨…いや、油時々はちみつかも。」
ナギツがそう言うと愉快な仲間たちは、鯨の背中から持っているものを真下にいるにゃんこずきん達に向かって投げ始めた。
『にゃ?にゃにか空から降ってきて…にゃあああああ!?!?熱い!熱いにゃ!。』『ハチの巣も降ってきたにゃ!?やめるにゃ!こっちくるにゃ!。』
完全にパニックになり、逃げ惑うにゃんこずきん達。泣きっ面に蜂…大火傷にはちみつだ。すると一匹のにゃんこずきんが、空から降ってくる物をに魔法をかけた。
『お魚になるのにゃ!』
すると、愉快な仲間たちの荷物の雨が、全てお魚へと変形した。道のあたりにぴちぴちと散らばるお魚。するとにゃんこずきん達は、さっきまでパニックになっていたのに、目の前の敵に目もくれずにお魚の方へ群がった。本能に抗えないにゃんこずきん達は、再び無防備になった。
「本当に単純すぎないかー?…頭お花畑かよ…。」
暮陽は妖刀を抜き、精神を集中させた。標的を捉え、間合いを一瞬で詰める。
「五ノ刻、黎明…十七ノ刻、薄暮…始り、終わりの交わり…来たりて――堕ちよ、黎薄創造!」
目にも止まらぬ斬撃。日の光が横切る地平線のような美しい剣の軌道…そのなぞりの上にいたにゃんこずきん達は、次々に真っ二つになった。
『にゃ…にゃにをーー!これ以上やらせるかにゃーー!!。』
暮陽の元へ突進するにゃんこずきん。毒りんごを片手に襲い掛かるが、突然暮陽の周りの景色が変わった。黎明時の地平線と、薄暮時の地平線が見える世界…白夜のように弱くも美しい光の世界に、暮陽は立っていた。そう見えた瞬間、にゃんこずきんは毒りんごごと真っ二つになった。
「これで大分片付いたわ…あとは仲間たちに任せて…行きましょう。」
戦闘している間にも、敵のデータを解析していた中村は、残りの敵を愉快な仲間たちに任せるために、解析したデータを愉快な仲間たちに渡した。
「よーし、みんなは安全地帯へ移ろう。風の機嫌に、身を任せて。」
戦闘員以外の仲間たちを乗せて、安全地帯へとナギツは運ぶ。鯨の咆哮と共に、戦場から離れていった。
敵の数はかなり減った。後は愉快な仲間たちに任せて、我々猟兵は敵の頭を叩くのみ。さぁ、取り戻そう…あと…あともう一息だ。
大成功
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第2章 ボス戦
『慈愛を与える者』
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POW : フェザー・スラッシュ
【指先】を向けた対象に、【飛ばした羽】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD : フェザー・フィニッシュ
【飛ばした羽】が命中した対象に対し、高威力高命中の【流星】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ : フェザー・ドーム
【翼より大量の羽】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
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猟兵達は、残りの敵を愉快な仲間達に任せ、この悪夢を率いるボスの元へと向かった。愉快な仲間達による援護と、猟兵達による解析で、敵の位置も動きも把握出来ているので、すんなりとボスの元まで行くことが出来た。今回の事の元凶…その姿が明らかになった。
『さぁ、受け入れなさい…これは神による慈悲…もう苦しまなくてもよいのです。戦わなくてもよいのです。私が今…貴方を楽にしてあげましょう…。』
”慈悲を与える者”。足掻く者、立ち向かう者、絶望する者達に手を差し伸べ、その者を苦しみから解放する…そう、魂を喰らうことによって。
『さぁ、こちらへ…戦わなくてもいい…抗わなくてもいい…貴方は楽になってよいのです。」
聖母のような優しい笑み、真っ白な翼は眩しいほどに輝き、この世界の地獄からすれば、一見救世主のように見えるだろう。
…だが、騙されるな。奴の目を見ろ。瞳の奥に潜むドス黒い闇。甘く優しい言葉で抱き寄せ、己の腹を満たすために喰らう醜悪な姿。
忘れるな…苦しみや絶望も、自分の一部だということを。それを安々と捨ててはならないことを。
さぁ、猟兵達よ。この甘く美しい”毒りんご”を破壊するのだ。
中村・裕美
「……苦しみを生み出している側が……何を言っているのやら」
そんなマッチポンプなんて胡散臭さしかない
【邪竜降臨】で身体強化。毒、呪縛、流血はそれぞれドラゴンエナジーを飲みながら【毒耐性】【呪詛耐性】【激痛耐性】で耐える
「……猛毒なら……慣れてる」
敵の攻撃は機動力で回避。羽が一発くらい当たったら、流星は追尾してくると腕回避困難と判断したら竜の如き破壊力によるドラゴンランスの【串刺し】で粉砕し、「……その程度?」と挑発。
大量の羽で攻撃して流星を呼び出したのなら、敵にひっつき羽交い締めにして、流星の攻撃に巻き込む
「……耐久勝負と……洒落込みましょう」
不眠不休のタフネスと激痛耐性でオウガが沈むまで耐える
赤凪・風珀
慈悲、ですか。
ふふふ、神様が慈悲を与えてくれるのなら、あの時母様や父様、姉様を救ってほしかったのに。
地獄に差し出される慈悲は蜘蛛の糸。ただ無数の魂を奈落へ突き落とすもの。ーーその慈悲と言う名の罪、裁きましょう。
ユーベルコード、虚構少女を発動。身体能力をあげるべく、慈悲を請う少女を演じましょう。さぁ、与えてみせてくださいよ。
その慈悲ごと、眩しい翼を切り落としてやりますから。
こちらに意識を向けたら、挑発でもしてあげますか。
他の方々が立ち回りやすいように。
ほぅらほら、慈悲を与えてくれるんじゃないんですか?他に目を向けてないで、私に全部くださいな。
まぁ、全部このダガーで切り落としてやりますけどね。
緋縅・善蔵
猫頭巾ちゃん達。モフらせて貰おうか!
えっ、終わった? しかも二回戦は綺麗なお姉さんだと?
まぁ良い。モフらせて貰おうか。
支援要請で全レベル分の高性能無人機召喚。
自分は【迷彩】で敵お姉さんの背後に【忍び足】
【オーラ防御】と【力溜め】に【激痛耐性】で備えておく。
支援機と敵姉さんが戦闘を始めたら敵姉の背後から【グラップル】で支援。(下心有り)
「そいつは残像だ」
とか言ってる間に愉快な仲間達の援護の中、敢えて【コミュ力】で会話を試みる。
「なんで慈愛に溢れるべき天使の様相で殺人を犯そうとするんですかね?」
オブリなりの珍妙な理由がありそうだが
ナックッルトーキング【コミュ力】も有り。
連携OK
ナギツ・イツマイ
羽の闘技場とは気が効いているね。
さて、大雑把でも多少は許される戦争とは違い、これからは細かな技巧と技能の世界だね。
手にはバンテージ(装備2)相手に向かい正中、足は肩幅に開いて、拳を掲げ、ベーシックなBOXスタイルだ
あーゆーれでぃ?
拳を振れば風が動き空気の密度が変わる、自然の摂理だね?
これの規模を少々拡大して焔の要素を足そう。
羽を堕とすような拳の振りと共に【衝撃波】として巨大な空気の塊をぶつける
その瞬間、過度に圧縮された空気へ高圧の焔をイグニッション!
ッ!…ファイアパンチだッッ…‼︎
フェザーなリングでフェザーなマッチが始まるぜ。
全てが終わる頃にはどちらかが灰になってるさ。
アリス・スクアーロ
毒りんごが好きだねぇ。私が安寧を、安心を得るためには…この世界は邪魔が多すぎる。お前も、私を、アリスを脅かす危険な存在だっ、消えてもらうよ!(呪殺弾、誘導弾、クイックドロウ)
なるほど、天使サマのような見た目だ。だけどね、見た目に何の意味もないんだよ、見た目だけ取り繕ってもね、醜悪な己が此処に居るんだ。居るんだよッ、畜生!頭にくる、吐き気がする、私の眼の前から消えろ、消えうせろッ。アレを削り取れ、この世から、消滅させろ、スクアーロッ!(呪殺弾)
ゲンジロウ・ヨハンソン
○アドリブ歓迎
○連携ご自由に
きっと恐らく多分お前が巻き込まなきゃ、あの猫ちゃんらが死ぬことはなかったんじゃ…
許さんぞ、エセ天使野郎…。
○戦闘
敵のUC見る限りじゃ、指と翼を潰せれば楽に勝てそうじゃが…。
ひとまず羽での射撃は、わしも射撃で対抗じゃ。羽射撃に対する【カウンター】で、武器【トラキュレンスライノ】に備わる射撃技能を駆使し、
【激痛体制】と各防御用の技能で耐えつつ【ダッシュ】でボスへ近付こう。
手が届けばこっちのモンじゃ。
【怪力】で【手をつなぐ】ことで、指を折り簡単にわしを指せないようにする。
あとはそのまま敵の攻撃を誘い【選択したUC】でボスが力尽きるまで振り回してやるとするわ。
私は救いたかった。大事な人も知らない人も、目の前で次々と死んでいく。生き残っても、新たな脅威に晒される。苦しいだけ…苦しいだけ…。
『なら…この力で皆を救おうよ。特別に貸してあげる…。』
目の前にいたのは、優しい笑みを浮かべた悪魔だった。私は頷いた…その直後、悪魔は私の中に入った。
―――
猟兵達の前に立ちはだかる脅威。天使のような悪魔…それは優しくも、不気味な笑みでこちらを見つめている。
「慈悲を…くださるのですか?私は…楽になれるのでしょうか…。」
悪魔の元へ震えながら歩み寄るのは、赤凪・風珀(人間のシーフ・f19216)。その目は恐怖と絶望で染まり、早く殺してくれと言わんばかりだ。風珀は悪魔の前に来ると、ぺたりと跪く。
『素直な方ですね…安心してください。今すぐ貴方を楽に…。」
そう言うと悪魔は、風珀に手を差し伸べた。その手が触れた瞬間、悪魔は彼女を喰らうだろう。
「良かった…本当に
‥‥‥‥‥本当に救いがあるなら良かったのに。」
風珀の目と声色は一瞬で、怯えから強烈な殺意へと変わった。目にも止まらに速さでダガーを振り抜いた。
ズシャァッ
肉が裂ける音と同時に、悪魔の左腕と翼の一部が無くなった。
『な…ぜっ…!!』
「救いなら…もっと昔に欲しかった…あの時は母様や父様、姉様を救ってほしかったのに…。その慈悲は…今の私には必要の無いものなので、お返ししますね。」
そう言うと、風珀は素早く悪魔から離れる。くいっと指を曲げ、挑発するような態度を取りながら。
『……っ!』
風珀に向けて悪魔は羽を飛ばした。その羽は刃物のように鋭く、殺すためのものだと言うことがわかる。だが次の瞬間、飛ばした羽が銃弾によって弾かれた。
「安寧を、安心を得るためにはこの世界は邪魔が多すぎる…天使のような悪魔…お前もアリスを脅かす存在だ!消えてもらうよ!」
「さぁ!猫ずきんちゃん達!モフらせて貰おうか!えっ?それは終わった?あの奇麗なお姉さんが相手だと…まぁいい、モフらせて貰おうか。」
羽を落としたのは、アリス・スクアーロ(硝煙の国のアリス・f19647)と緋縅・善蔵(首輪付き・f06737)だ。アリスは銃弾のような形状のバロックレギオン…スクアーロを展開。善蔵は支援要請で高性能無人機を召喚していた。
「じゃっ!後は頼みましたよっと!」
善蔵は、アリスと無人機に後を任せ一旦退いた。射撃を開始する無人機、それに対して無数の羽を飛ばす悪魔…激しい銃撃戦が始まった。
『くっ…なぜ抵抗するのです…私は救う者…救世主なのですよ…!』
そう訴えながらも、その目は黒く染まり、正に悪魔の目であった。
「信用できないね。天使サマのような見た目だけど、見た目に何の意味があるんだよ…飾った偽の言葉も意味なんて無い。いくら取り繕ってもね…醜悪な己が此処に居るんだよ!畜生ッ…頭に来る‥‥吐き気がするッ…!私の前から消えろッ!消え失せろッ!!」
アリスは頭を押さえながら声を荒げた。そして悪魔を嫌悪に満ちた蒼い瞳で睨みつけ、アリスの背後に弾丸の形状のバロックレギオン…スクアーロが多数展開される。
「アレを削り取れッ…この世から消滅させろ!!スクアーロッ!!!」
アリスの魂の叫びと同時にスクアーロが射出され、浮かんでいる羽を撃ち落とした。その内の一撃が悪魔の目に着弾すると同時に、弾丸の口が開き悪魔の目を喰らう。
『アアアアア‥‥ッッ!!!』
叫び声を上げ、その場にうずくまる悪魔。片腕片目を無くし、戦闘続行は不可能かと思われたが…。
『「アハッ…あははは…ハハハハハハハハ
!!!!」』
突如狂ったような笑い声を上げた。それは人の声と人ならざる声が重なって聞こえた。撃ち抜いたはずの右目から黒い瘴気が溢れ、その奥から紅い不気味な瞳が見えた。消耗したはずの翼は暴走するかのように肥大し、全てを包み込もうとしていた。
「敵の様子を見る限り、あの翼を潰さんといかんが…あれでは俺だけでは近づけんな。」
トラキュレンスライノに弾を込め、戦闘準備に入ったゲンジロウ・ヨハンソン(腕白青二才・f06844)は冷静に敵を観察する。
「私も行くよ、大雑把でも多少は許される戦争とは違い、これからは細かな技巧と技能の世界だ。」
「なら、私も行きましょう…複数で叩けば突破口も見つかります。」
愉快な仲間達を、安全な場所まで運び終えたナギツ・イツマイ(天秤と物の怪・f19292)と中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)が合流する。
「じゃあ、用意ドンで行くか…無理はするんじゃないぞ。」
「…では…いきましょう…!。」
中村はそう言うと、ドラゴンエナジーを飲み干した。そして【邪竜降臨】を発動し、邪竜の力をその身に宿す。通常の肉体では代償を受けるが、ドラゴンエナジーによりダメージは軽減された。確実な出力アップによる機動力で、中村はゲンジロウと共に一気に悪魔へと距離を詰めた。
『ヒヒ…慈悲を!救いを!!ヒヒヒヒ!!!』
膨張した翼から、凄まじい量の羽の雨が繰り出される。ゲンジロウはそれをトラキュレンスライノで撃ち落とし、多少被弾しながらも二人は近距離まで接近することが出来た。
『その程度で…!!』
悪魔はさらなる羽による攻撃をしようとする。だが次の瞬間、悪魔の羽に空気の塊がぶつかる。
「あーゆーれでぃ?」
空気の塊をぶつけたのはナギツだった。手にバンテージとしてお手入れ布を巻き、空気を思いっきり殴りつけ、空気方を生み出したのだ。だが、これだけでは終わらない。空気の密度が高くなったその空間に、【双皿秤の詩演】を発動して焔を叩きつけた。
「ッ!…ファイアパンチだッッ…!!」
密度が高くなり、可燃性が増した空気に高威力の焔が加わったことにより、大きな爆発が起きた。羽のほとんどが燃え、肥大した翼による猛威はこれにより無力化した。周囲が燃え盛る中、ドラゴンランスを持った中村が炎を斬り裂き、悪魔の体を串刺しにした。
『ギャアアアッ!!』
度重なる激痛に苦しみ、激しく暴れる悪魔。
「…その程度?」
中村は挑発しながらも、敵を抑え込むため必死にドラゴンランスを握る。悪魔は中村に指を差し、残り少ない羽を射出しようとした。
「やらせん
…!!!」
ここでゲンジロウが悪魔に突進し、悪魔の手を掴み力業で指を折った。そして、怪力で手を掴んだまま抑え込む。
「きっと恐らく…お前が巻き込まなきゃ、あの猫ちゃんらが死ぬことはなかったんじゃ…許さんぞ、エセ天使野郎…!!」
敵とはいえ、あの愛らしい姿を思い浮かべ、無念と怒りを露にするゲンジロウ。救済と言いながら、周りの全てを滅ぼそうとするこの矛盾した悪魔は、決して許されるものではない。
『くううう…アアアアアア
!!!!』
満身創痍のはずなのだが、恐ろしい力で二人を振りほどこうとする悪魔。二人係で抑えているが、投げ飛ばされそうになる。
「おまたせ!!自分も手伝いますよ!!」
ここで姿を消していた善蔵が、悪魔の背後から忍び寄り、【グラップル】でホールドして押さえ込んだ。
「…っ…聞きたいことがある…なんで…なんで、慈愛に溢れるべき天使の様相で殺人を犯そうとするんですかね?」
抑え込みながらコミュニケーションを試みる善蔵。そう、ずっと気になっていたのだ。オブリビオンとは言えど、理由も無しにこんなことはしない。たとえどんな理由でも許されることはないが、その理由がカギとなるかもしれない。
『な…なんで…そんなの、喰うためですよ…あは…アハハ…いや違う…私は救うため…なんで…こんなことを…いや、あなたは…わたしは…。』
突如力が弱まる悪魔。右目は相変わらず、吐き気がするようなドス黒い悪魔の目だが、左目は今までの邪悪な気は消えて、一筋の涙を流していた。
『救いたかったの…だか…ら…力がほしか…た…私に力をくれるって…これで皆を救えるって…なのに…私は何を
……‥‥‥アハハハハハハ!!救えるわけないだろぉ!?救う必要なんてないんだよ!!!喰うために!!お前を利用したに過ぎない!!あは!あはははは!!!」
か弱き女性の声と悪魔の声が交互に聞こえる。右目は裂けるように見開き、左目は涙を流しながら閉じる。
『もう…終わらせてください…お願い…します…。』
か細い声が聞こえる。
「わかりました…今、終わらせる!」
善蔵は拳を強く握りしめ、跳躍した。中村とゲンジロウは、善蔵が何をするのかを悟り、後ろへ思いっきり跳躍し、退避した。
『やめ!!やめろおおおおおお
!!!!。』
悪魔は叫ぶ。だが、抵抗は善蔵が許さなかった。
「悪魔にやる慈悲は無い…破ッ
!!!!」」
善蔵による【破壊絢】の一撃が、悪魔の体を周辺地形ごと吹っ飛ばした。大きな爆発と共に悪魔の体は消え去り、白い羽が舞い上がった。
「終わりましたか…。」
舞い上がる羽を見つめる猟兵達。慈悲を与える者…その正体は、邪悪な悪魔に身を乗っ取られた哀れな女性。だが、これで救われただろう。
――――
「あ、そういえば、愉快な仲間達は大丈夫かな。」
思い出したかのように、ポンっと手を叩くナギツ。すると丁度、遠くから殲滅完了の合図の信号弾が打ち上げられた。
「無事みたい…だね。これでアリス達の世界は一つ平和になった…のかな。」
アリスは小さく溜息をつき、スクアーロを解除する。
「とにかく、合流しましょうか…今回の戦闘でこの国も無傷では無いようですし。後片付けが大変そうですよこれ。」
風珀は冷静に次のことを考えていた。急いで国の方へ戻ろうとしている中、善蔵は悪魔がいた場所を見つめていた。
「どうかしたか?」
その様子を見て声をかけるゲンジロウ。
「…恐らくあの悪魔…いや、あの女性も被害者だった。そんな気がしてね。綺麗なお姉さんだった…仲良くなって、食事にでも誘いたかったよ。」
戦いは終わった。戦争による損害は大きいが、猟兵達の活躍により滅びの危機は去ったのだ。少し時間はかかるが、復旧すればまた元の平和な日常が戻るだろう。
猟兵達よ、よくやった。君たちの活躍でまた多くのものが救われた。
『…ありがとう…』
突然吹いた風の中から優しい声が聞こえてきた。救われた者の感謝の声が。
大成功
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第3章 日常
『館にて。』
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POW : 自分の出身世界の話を雄弁に語る。
SPD : ただ静かに、アリスの話に耳を傾ける。
WIZ : 学問の話をする。
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激しくも不思議な戦争も終わり、この国にようやく平穏が戻ってきた。建物や畑、郊外への道等は幾らか壊れてしまったが、これから少しずつ修復するだけのこと。だが、規模も規模だ、この国の住民だけでは骨が折れる。丁度、迷い込んだアリス達も手伝うようだが、まだまだ人手が足りないだろう。猟兵達よ、励ましてもいい、物資による支援でもいい…この傷ついた国に手を貸してやってくれないだろうか。
―――
追記。
後日談パートです。国の復興に向けて様々な支援をしてあげてください。支援ならば自由にやってOKです。建築を手伝ったり、材料を運んだり、炊き出しをしたりでもいいですし、サーカスを開いて愉快な仲間達やアリス達と楽しく過ごしたり、ライブを開いても全然いいです。とにかく、この国が笑顔になるようなことをしてあげてください。
ナギツ・イツマイ
一仕事終わったね、みんなでお茶でも頂こうか。
さあ、森のくまさん、皆さんのティー・カップにとれたてのはちみつを注いであげるのです、遠慮は要りませんよぉぉぉ⁉︎あの戦いで失った分の損失は今から食べる事でしか取り返せません!!さあ!さあ‼︎さあ‼︎!なみなみとぉぉ‼︎‼︎
以上の作戦を【オペレイション・ハニー・ビー】と呼称することは決定済みである。
おばあさん、チェシャ猫共の唐揚げは準備は出来ていますね?……よいでしょう。さあlet's serve‼︎捕食は世界の理ぃぃぃ‼︎
以上の作戦を【オペレイション・フライバイ・キャット】と呼称することは……
あ、私?何も関わらずみんなの話でも聞いてるよ。
ざわざわざわ。街の人気なお茶の店の一つに、人だかりが出来ていた。皆、驚いた顔をする者や可笑しくて笑っている者、悲鳴をあげる者がいるが、その中心を覗いてみると不思議な国でも異様な光景が広がっていた。
「さあ、森のくまさん、皆さんのティー・カップにとれたてのはちみつを注いであげるのです、さぁ、さぁ」
この人だかりを作っていたのはナギツ・イツマイ(天秤と物の怪・f19292)だった。ナギツの隣には、キラキラした目ではちみつの入った壺を抱き抱えている、森のくまさんがいた。
「え…は、はちみつをそのまま飲むのですか…?」
困惑する不思議な国の人々。
「Yes!!!!遠慮は要りませんよぉぉぉ⁉︎あの戦いで失った分の損失は今から食べる事でしか取り返せません!!」
まるで深夜明けの様な様子で、ぐいっと住民に顔を近づけ熱弁するナギツ。そしてティーカップを用意し、森のくまさんに指示をする。
「さぁ!さぁ!!さぁ!!!そそぐのです!!!なみなみとぉぉぉ!!!」
そういうと森のくまさんは、ティーカップにたくさんはちみつを注いでいく。並々というか…溢れている。恐らく、ベタベタで持つのが辛いのでは…。ナギツははちみつで彼らをもてなすこの行為を【オペレイション・ハニー・ビー】と呼称している。名前はかっこいいが、異質な作戦になっている。
「あ、茶菓子も用意しないと、おばあさん、チェシャ猫共の唐揚げは準備は出来ていますね?」
すると店の奥からおばあさんが、ニコニコ顔で唐揚げを乗せた皿を持ってきた。待つんだ、今"チェシャ猫共"と言ったのか。この唐揚げの材料はまさか…。
「つまりこれ、あの猫達の肉ですよね…?」
恐る恐る、住民の1人が聞いた。
「そうですとも!!食べるのに抵抗がありますか!?他の肉と同じで肉は肉!!さあlet's serve‼︎捕食は世界の理ぃぃぃ‼︎」
最早ごり押しな気もする。ちなみにコレは【オペレイション・フライバイ・キャット】と呼称するらしい。猫好きな猟兵がいたら、卒倒しそうなものである。だが意外と美味しそうな匂いなので、皆それを手に取り美味しそうに頬張った。
はちみつのお茶と猫の唐揚げ。不思議な不思議なお茶会は、夕方まで続くのであった…。
大成功
🔵🔵🔵
浜栗・あさみ(サポート)
「だってあたしがさいきょーじゃね?(きょとん)」
「あたしが来たから楽勝っしょ???」
●キャラ概要
自称最強!!
生意気ギャル系女子高生。
持ち前の怪力と運動神経を武器に舐めプをしがち。
●キャラのコンセプト
コンセプトは敗北・ピンチを楽しむ。
苦戦や敗北描写、痛い目にあう描写など歓迎です。
ほかのPCに助けられる、いわゆる引き立て役といった描写も◎
もちろん普通に活躍させて頂いてもOKです!
●性格・言動
とにかく生意気でイライラさせるコギャル
年相応の幼さ、無邪気さも残っており、どこか憎めない感じに(塩梅はお任せ)
普段の言動とは裏腹にピンチになるとすぐ泣きます
全体を通じて嗜虐心をそそる様な言動。
他お任せ NGなし
メイスン・ドットハック(サポート)
『めんどーじゃけど引き籠る為に』
アメジストのクリスタリアンで、熟練の電脳魔術師
攻撃手段は電脳魔術・もしくは電脳魔術や現代技術を使ったトラップ
電脳魔術はミサイルや機銃、大型兵器も精製可能
トラップは地雷、機雷、ワイヤートラップなど様々
またハッキング技術も長けており、機械コンピュータはもちろん、電脳魔術を応用することにより、空間に直接ハッキングを仕掛け、情報を収集することもできる
正々堂々よりかは、搦手で弱点を的確に攻撃するタイプ
心理誘導をしたり、囮を使ってなどもする
仲間との連携は歓迎
喋り口調は広島弁
「じゃけん→じゃけー」「じゃけえのう→じゃけーのー」と語尾を伸ばすのが特徴的
「またオウガが来た時に向け、備えをしといた方がええかもしれん」
一しきりお茶会を終え、「不思議な国」の観察を終えたメイスン・ドットハックは、そう結論付けた。
浜栗・あさみも同意を示す。
「分かる分かる。ここ平和だし、またオウガとか来るかも知れないじゃん。攻撃受けた時に、互いに連絡取れるスマホとかあると便利そうじゃね?」
「じゃけん、スマホがあっても、通信局が無ければ繋がらないけんのー。この世界じゃ役立たず」
「あっそっか」
電脳魔術師などは問答無用で通信を繋げてしまうが、普通の人はそうではない。
情報過多の21世紀日本に生きる女子高生あさみは、スマホやSNSが無い生活のことを考えてみる。
「……それってかなりキツくね?」
あさみは、長期間に渡ってアリスラビリンスで生活を送らねばならない、迷い込んだアリスたちのことを不憫に思う。
「大変そー……」
「まあ、この世界の他の大多数の地域がオウガに支配されていることを考えれば、この不思議な国は幸運じゃけーの」
アリスの中にも猟兵としての力を得て、グリモア猟兵の協力の元、世界を渡る者もいるが、そうでない多くのアリス達にとって、この世界は死と隣り合わせの過酷な世界だ。
翌朝から、メイスンは自らの電脳魔術と機械を組み合わせ、不思議な国の外周部に新たなトラップを仕掛けていく。
必然的に発生する力仕事を、あさみや不思議な国の住民達も手伝っていった。
「これがオウガが接近した時の警報、こっちが緊急通信、あとは対戦車地雷と機銃と……」
「威力過多じゃね?」
「普通ならそうじゃが、相手はオブリビオンじゃけーのー」
地雷を埋めるために地面を掘るあさみに、メイスンは虚空に浮かんだホログラムキーボードを叩きながら応じる。元が電脳魔術だけに、地形さえ整えてしまえば設置はメイスンだけの作業となる。作業時間は、通常の設置に比べればごく短時間で済んだ。
「ありがとうございました!!」
「ええんよ」
「おお、太っ腹!」
鷹揚に応えるメイスンを、尊敬混じりの目でみるあさみ。メイスンは一つ頷いた。
「こうしてちゃんと設備を整えておけば、また来た時に安心して引き籠れるからのー」
「そ、それはそれである意味すごくね?」
危険なアリスラビリンス世界でのオアシスのような、平和な不思議な国で引き籠り生活を送る……。それはもしかすると、果てしなく贅沢なことかも知れなかった。
成功
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