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氷の様に残虐的な

#アリスラビリンス


●残虐的な愛
「……」
 物言わぬアリスをオウガは、そっと柔らかそうな頬に指を滑らせた。
 ひんやりと冷たく凍った感触を感じると、オウガは口元を吊り上げて笑みを浮かべる。
「悲鳴を聞くのも良いが、こうして凍らせて美しい姿のアリスは美しいわ」
 オウガの王妃が辺りを見回すと、そこには凍ったアリス達がずらりと並んでいる。
「成熟したアリスは汚いわ」
 王妃は凍ったアリス達の顔を見て呟くと、巨大な剣が振り下ろされると砕けてしまう。
「未熟で美しいアリス、ここで凍らせて愛してあげますわ。永遠に、ね」
 砕けたアリスを兵が無骨な手で鷲掴みにすると、口に放り入れるとぼりぼりと氷の咀嚼音が響いた。
「早く、次の未熟なアリスを探してきなさい!」
 と、王妃は兵士達に指示を出すと、巨体を揺らしながらお城の周辺を歩き出した。

●グモリアベース
「皆さん、お集まりいただきありがとうございます。アリスラビリンスにて複数のアリスがオウガに氷付けにされる予知をしました」
 神山・琥珀(白銀の妖狐・f01799)は集まった猟兵達に笑みを向けた。
「オウガである王妃は、不思議の国に彷徨う若きアリス達を凍らせているそうです。大人のアリス達に対しては厳しく、食料にしてしまっています。中には親子、兄弟で捕まって凍らせてしまい……肉親が、食べられてしまっているアリスもいるでしょう」
 少し複雑そうな表情で琥珀は説明を続ける。
「これ以上、呼ばれて彷徨うアリス達が犠牲になる前に、今凍らされているアリス達の救出とオウガの王妃の討伐をお願いします! どうか、よろしくお願いします」
 と、言って琥珀は、猟兵達をアリスラビリンスへ転送した。


龍真 神
 オープニングに目を通して頂きありがとうございます。
 龍真 神(タツマ シン)と申します。
 よろしくお願いします。

 一章:冒険『アイスにされたアリス!』
 二章:集団戦『トランプの巨人』
 三章:ボス戦『拷問王妃エリザベート』
 以上の構成となっております。
 最低限の文字数でも、ステータスシートを見ながら書かせていただきますので、『まだよく分からないけど、シナリオ参加したい!』という方でも遠慮せずにご自身の文で書いて送って下さい。
 それでは、皆さんのプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『アイスにされたアリス!』

POW   :    食べてしまえば助かるかもしれない

SPD   :    表面のアイスを削ってみる

WIZ   :    お湯につける等、安全に元に戻す方法を探してみる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
槙島・未幽
「あの女王、いつか腹壊すな。きっと」、「何でこんなことをするかなぁ?」などぼやく
まぁ、きっと、理解できる日は来ないだろうとも思っている

凍ったものを溶かすからお湯、と、思ったが、そういえば、昔読んだ漫画で、凍らされた人を流水で溶かした描写を読んだな、と思い出した。
サイキックで近くの水場(池か川)から水を運び、彼らの頭上からその水を流すことにした。



●流水
「そのオウガの王妃、いつか腹壊すな。きっと」
 中世的な美しい横顔でグリモア猟兵が説明していた事を思いながら眼前に広がる光景、氷漬けにされたアリス達を眺めながら槙島・未幽(体はミルクティーでできている・f20363)は呟いた。
 さらり、と短髪を揺らしながら金の瞳で周囲を見渡す。
「何でこんなことをするかなぁ?」
 と、ぼやきながら未幽は、不思議の森で絵に描いた様な川が視界に入る。
 凍ったならば湯で溶かせば良い、と思いながら水を探していたのだが昔に読んだ漫画には流水で溶かしていた事を思い出した。
 オウガはアリスを食らう、それ以外の事だけは基本的な猟兵の知識としてあるが、それ以外の事で何を考えているかはオウガ自身にしか分からない。
 読み飽きた本を投げ捨てる子供の様に、凍らせた理由は頭の隅に置くと未幽は腕に装着されているサイコキャノンを起動させた。
「冷たくて、重たいね。運ぶとしたらこうするしか」
 サイコキャノンが鈍く光ると、未幽のサイキックエナジーを強化して凍ったアリスをサイキックで持ち上げる。
 そして、流れる川に凍ったアリスを浸けるとゆっくりと溶かしていく。
 冬になっても、極寒の地であっても川が溶けない理由は流れているからだ。
 時間はかかるかもしれない、突然目覚めたら川の中でびっくりさせるかもしれない、とそんな事をぼんやりと考えながら未幽は幼いアリスに視線を向けた。
「1人でも沢山のアリスをあたしが助けるからね」
 穏やかな笑みを向けながら未幽は、腕に付けられたサイコキャノンをぐっと握り締めた。

 あたしよりも、力が弱いアリス達はこんな過酷な世界に呼ばれる。

 ならば1人でも助けて、この不思議な国から脱出させるんだよ。

 それが、あたしの出来る精一杯の事――

成功 🔵​🔵​🔴​

槙島・未幽
目標:アリス達を氷漬けから解放し、起こしてやること

「早く氷漬けから解放してやらないと」
「このままだと寒いものな」

試しに、一人の表面を触る
剥がれるなら、脇腹をこそばして起こす
剥がれないなら、手持ちの矢で氷を削る

氷がとれた上で、まだ意識が戻っていないなら、耳元でハエが飛んでいる時の音を真似して出す
「これで大概のやつは起きるって、テレビでやってたぞ。多分効く、筈」

起きたアリス達には、
「一緒に逃げるぞ。そうだね、逃げた後には温かいやつでも一緒にどうだい?オススメは、ホットミルクティーだ」と声をかける

もし、兵士が現れたら、千里眼射ちで手足を射ぬいて動きを封じる



●救出
 1人のアリスを解凍させて生きている事を確認した未幽は、未だに凍っているアリス達の元へと駈け出した。
「早く氷漬けから解放してやらないと」
 小さな頬に手を伸ばしひんやりと冷たい感触を感じながら未幽は、どうにかして早く氷から出せるのか考える。
「このままだと寒いものな」
 心配そうに幼いアリスの顔を見詰めると、ぺたぺたと全身を触り氷の薄く脆い部分を見付ける事にした。
 ふと、手を止めて頭の隅にあった記憶を引き出すとアリスの耳に向かって言葉を放つ。
「そうだった、そうだったね」
 幼くともアリスだ。

 ユーベルコードは使えるハズ――

 内側から発動させて氷を脆くし、後は未幽と目の前のアリス次第で早く助ける事が出来るだろう。
 氷に亀裂が走り、氷の破片が不思議の国の花畑にぽろりと落ちた。
「そうだ、その調子。大丈夫、あたしが守るから」
 未幽がそっと凍ったアリスを抱きしめ、優しい声色で励ますと氷は吹き飛ぶと小さな体を受けとめた。
「うわぁぁぁぁ!」
 震える小さな手は未幽の服を握り締め、大粒の温かな涙を大きな目から溢しながら泣き声を上げる。
「一緒に逃げるぞ。逃げた後には温かいやつでも一緒にどうだい? オススメは、ホットミルクティーだ」
 白馬は無いが王子の様にアリスの手を取ると、未幽が優しい笑みを溢しながらそっとハンカチで涙を拭う。
「……うん」
 少し不安そうな表情で頷くとアリスの手を引いて未幽は、氷から助け出したアリス達の安全を優先にしてその場から離れた。
 大丈夫、オウガの王妃の目当ては幼いアリスを食べる事ではない。
 今は、来るであろう他の猟兵達に任せるしかない。

 1人では限界があるのを理解している彼女は、ただ前を見据えてアリス達を安全な場所まで護衛するだけだ――

成功 🔵​🔵​🔴​

ルミア・フィーベル
こういう人たちを助けるためにヒーローになったんだから頑張らないとね。ちょっと方法は地道だけど・・・・

氷用のノミや固めのアイスピックなどの氷の解体用の道具を使って地道に氷を割っていきます。中にいるアリスを傷つけないよう細心の注意を払います。
「もう少しで出してあげるからね」



●理由
「こういう人たちを助けるためにヒーローになったんだから頑張らないとね」
 弱い体を強化させて復讐の為に得た力、だけれどもそれだけがダークであってもヒーローであるルミア・フィーベル(ハードバイオレット・f16955)は、幼いアリスと親しい人を救うべく不思議の国へ足を踏み入れた。
 氷漬けにされ、まるで標本の様に閉じ込められたアリス達の傍に近付くとルミアは、黒のセーラー服のポケットから氷用のノミやアイスピック等の氷を解体する為の道具を取り出す。
「ちょっと地道だけど、助ける方法はこれしか思いつかないのよね」
 小さく息を吐くとルミアは、氷にアイスピックを突き立てると冷たい氷の破片がキラキラと光りながら飛び散った。
 ふと、顔を上げると氷の中のアリスが恐怖で微かな呻き声が聞こえる。
(あ、あれ? でも……)
 ルミアはアイスピックを握った手を力なく下げると、瞳を伏せて恐怖で出す呻き声の原因であるソレに視線を向けた。
(助けなきゃ……お家で家族が心配しているのに!)
 ゆっくりと首を振るとルミアは、氷を削る作業を足元から再開する。
 氷が厚い部分は全て削ったものの、薄くなった部分を削るのにルミアの手は小さく震えた。
「もう少しで出してあげるからね」
 不安を隠して、明るい声で氷の中のアリスに言いながら傷付け無いように注意しながら削る手は、やはり震えて思う様にならない。
(まるで……)
 仲間が目の前で殺されて行く姿が脳裏を過ぎる。

 あの時みたいに――

「ううん、今は違うのよ」

 誰かの笑顔を守る為のヒーローは、困難を乗り越えてこその“ヒーロー”

 心がある事は、悪い事と良い事の他に弱さや強さも知っている。
 ぎゅっ、と胸元を握り締めて顔を上げたルミアの表情は“ヒーロー”であった。
「大丈夫、悪いオウガが来ても守るからね。私はヒーローだからね!」
 氷を丁寧にかつ慎重に削り終えると、冷たくなったアリスを自身の体温で温めるかのように抱きしめた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

リカルド・マスケラス
「氷漬けも許せないっすけど、砕くのはもっと許せないっすね~」
バイクに乗った狐のお面が颯爽と登場
「いやー、宇宙バイクに仕込んだ調理機能がこういうところで役立つとは」
バイク搭載のビーム砲『ミルキーウェイ』の別機能、遠赤外線放射モードにして、中身が温まりすぎない程度に火力を調節しつつ氷を溶かす。
「川が近いのも幸いしたっすね」
簡易キッチンセットにある鍋でお湯を沸かしつつ、ある程度氷が溶けたら、お湯で溶かしていく。それと並行して別の鍋で【料理】をする
「動けるようになったら、温かいスープでも飲ませてあげないとっすねー」



●温かな
「氷漬けも許せないっすけど、砕くのはもっと許せないっすね~」
 颯爽と宇宙バイク『アルタイル』に跨って現れた狐面の男、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)は少し仮面をずらしてヘリオライトの様なオレンジの瞳にアリス達を映す。
「いやー、宇宙バイクに仕込んだ調理機能がこういうところで役立つとは」
 バイクの一部がウィーンと機械音をさせながら開き、リカルドは簡易キッチンセットから鍋を取り出すと水を入れて温め始めた。
 それと同時にバイクに搭載されたビーム砲【ミルキーウェイ】を遠赤外線放射モードにし、凍らされたアリスにむかってオレンジ色の温かな光が放たれる。
 勿論、氷の中に閉じ込められている幼いアリスが火傷してしまわぬように火力を調整しつつ溶かす。
「川が近いのも幸いしたっすね」
 ぐつぐつと鍋の中で湯が揺れているソレを徐々に溶けていく氷にばしゃ、と掛けた。
 また水を入れ温めている鍋の隣に別の鍋を置き、同じように水を入れて温めているがその中にインスタントのスープを沈める。
「動けるようになったら、温かいスープでも飲ませてあげないとっすねー」
 氷から出てきたら体も冷えているだろう、と口笛でお気に入りの曲を奏でながらリカルドはマグカップを川の水ですすいだ。
 そして、覆っていた氷が溶けるとリカルドが幼いアリスを抱えて、遠赤外線の威力を下げるとビーム砲【ミルキーウェイ】の前でロングコートを地面に敷いて横たわらせた。
「後は小さなアリスが目覚めるだけっすね~」
 カップにスープを注ぎ、丁度良い温度に下がるまでリカルドはスプーンでかき回す。
「う、う~ん……あれ?」
 小さな呻き声を洩らしながら幼いアリスが目を覚ますと、周囲を見回しながら両目をごしごしと擦る。
「おはよう。ほれ、寒いだろうから飲むっす。あ、氷漬けにしたこわーいおばさんの知り合いじゃないっすよ! アリスを助けに来た……宇宙のプリンスってことで!」
 リカルドがニッと人懐こっそうな笑みを幼いアリスに向け、スープの入ったカップを差し出しながら言った。
「うちゅーのおうじさまってへんなの~」
 小さな口元か綻び、クスクスと小さく笑いながら幼いアリスはカップを受け取ると口を付ける。
「うんうん、宇宙のプリンス的にはその笑顔は100点満点の花丸あげるっすよ~」
 片手で包める程の小さなアリスの頭を撫でながらリカルドは、その笑みを曇らせない様に明るく振る舞った。
 まだ、氷に閉じ込められているアリス達を助ける為に、1人でもその笑みのまま家に帰す。

 それが自分の役目だ。

 そう、笑顔で暮らせる世界を作る為に――

大成功 🔵​🔵​🔵​

槙島・未幽
目標:グリモアベースへのアリス達の退避

優先順位①アリス達②自分達、を基に、アリス達を連れてグリモアベースを目指す。
「グリモアベースに辿り着ければ何とかなるだろ。後は琥珀君に任せるか」

ユーベルコード『千里眼射ち』は、基本的に周囲の安全確認のために使う。

アリス達へは、気を紛らわせるため話し続ける。
「昔から男によく間違われててね。妊婦さんの隣にいただけなのに、その旦那さんに間違われたり。店員さんには何の迷いもなく男子トイレに案内されるし、ちくしょう(泣くフリ)」

アリス達をグリモアベースに連れていったら、戦場に引き返す。
「あの、何とかコンの女王・・・えーと、名前忘れた。あいつらしばき上げに行くかな」



●障害
「グリモアベースに辿り着ければ何とかなるだろ。後は琥珀君に任せるか」
 逃がさなければ、と未幽はアリス達の小さな手を握って歩き出そうとする。
 しかし、その幼いアリス達の顔は今にも泣きそうな表情で首をただ横に振った。
「どうしたんだい?」
 アリス達の視線を合わせる為に屈むと未幽は、優しい笑みを浮かべながら小さく首を傾げる。
「おねえちゃんがいないの……いっしょにきたのに……」
 1人の幼いアリスが喉からやっと言葉を絞りだすと、他のアリス達は涙を溢しながら一緒に来たハズの家族の事で声を上げた。
「あたしもそうだけど、沢山の猟兵が皆を助ける為に頑張っているんだよ。だから、心配しないで」
 心配させまいと未幽は、幼いアリス達に現状を分かりやすく説明する。
 しかし、氷漬けにされた時点で幼い瞳には何をされたか理解出来ず、ただ怖い何かにされていつの間にか家族が居ない――その現実を見て恐怖と不安で小さな体を震わせていた。
「昔から男によく間違われててね。妊婦さんの隣にいただけなのに、その旦那さんに間違われたり。店員さんには何の迷いもなく男子トイレに案内されるし、ちくしょう」
 唐突に未幽がオーバーリアクションで肩を落とし、話を終える時には地面に座り込むと両手で目を覆いながら泣くフリをする。
「え、おにーさんじゃなくて……おねーさんだったの?」
 泣くフリする未幽をアリス達は、目をまくるして彼女の姿をまじまじと見つめながら小さな手が頭に乗せられた。
 自分達の家族の事よりも目の前で泣かれ、衝撃的な内容の話を聞いて不安や恐怖が吹き飛び驚きの声を上げながら出来る範囲の慰める方法をする。
「そうだよ。皆……優しいね」
 涙を拭うフリをしながら未幽は、アリス達を見上げて嬉しそうに微笑むと小さな頭を優しく撫でた。
「家族が先に待っているかもしれないから、帰ろう?」
 と、言って未幽は、幼いアリス達をグリモアベースへ送り届けると踵を返した。
「あの、何とかコンの女王……えーと、名前忘れた。あいつらしばき上げに行くかな」
 静かに瞬きをした後の未幽の瞳には、元凶のオウガを幼いアリス達の為に倒す決意した光を宿すと駈け出した。

 再び、オウガによって悲しい思いをさせない為に――

苦戦 🔵​🔴​🔴​

白川・美依
使用能力:WIZ

氷漬けにされたアリス? ふぅん…変わった趣味してるのね、オウガって…

【ディヴァイナリィ・ホワイトフレイム】を使って氷を融かしていきましょう。複数の炎を囲うように配置して、熱で徐々に融かしていくと安全かしらね?

だけど、炎は一つだけ手元に残しておくわ。これだけ大規模に氷漬けされているんですもの…言うまでもなく作為的に行われた事よね。
氷漬けにした張本人かその手先かは知らないけれど、そろそろ猟兵が介入していることに気づく頃合いじゃないかしら? だから、最後の炎は護身用。

まあ、何も気付かず呑気に助けさせてくれるなら、それはそれで楽なんだけどね?

※何でも歓迎



●遭遇
「氷漬けにされたアリス? ふぅん……変わった趣味してるのね、オウガって……」
 オウガの王妃がどんな趣向を持っていようが白川・美依(プリンセス・ホワイトムーン・f19433)は、ふーんと興味なさそうに呟くと琥珀の様な瞳で幼いアリス達へ視線を向けた。
「さあ、炎で溶かし尽くしてあげる」
 美依がユーベルコード『ディヴァイナリィ・ホワイトフレイム』を発動させ、視界に入る凍ったアリス達に向かって複数の灼熱の炎で囲む。
(……これだけ大規模に氷漬けされているんですもの……言うまでもなく作為的に行われた事よね)
 “アリス”と呼ばれる者達は、子供から大人までと様々な年齢なのはグリモアベースで見掛ける猟兵を見て知っていた。
「氷漬けにした張本人かその手先かは知らないけれど、そろそろ猟兵が介入していることに気づく頃合いじゃないかしら?」
 1人、1人、溶かすもの確実な方法ではあるが美依自身が懸念しているのは、溶かして救出している事をオウガ達が薄々気づいていると思っているからだ。
「まあ、何も気付かず呑気に助けさせてくれるなら、それはそれで楽なんだけどね?」
 美依の周囲に浮かぶ灼熱の炎がごうごう、と燃え上る音が響く最中で地面が微かに揺れるのを感じ、森の木々がギシギシと軋む音を響かせながら巨大なオウガがヌッと草むらを手で分けるかの様に顔を出す。
「簡単にはいかない事は……知っていたわ」
 巨大なオウガの頭部に向けて灼熱の炎を放ち、咆哮に近い悲鳴を上げながらオウガは燃える顔の炎を消そうと激しく首を振る。
「今のうちよ。あの道を真っ直ぐに進めば、安全な場所へ行けるわ」
 と、救いだしたアリス達に言うと、美依は踊る様につま先でくるりと回ると銀の髪を靡かせながらオウガを見据えた。
「これ以上、進ませはしないわ。そして、赦しはしないわ――」
 再び灼熱の炎が周囲に浮かばせ、美依は森から次々と進軍してくるオウガと対峙した。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『トランプの巨人』

POW   :    巨人の剣
単純で重い【剣】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    トランプ兵団
レベル×1体の、【胴体になっているトランプのカード】に1と刻印された戦闘用【トランプ兵】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    バインドカード
【召喚した巨大なトランプのカード】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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●狂兵
 アリス達の救出は、順調だと思われていたが――
 異変に気が付いたのは王妃の方なのは、“トランプの巨人”を見て直ぐに分かった。
 全身を鎧に身を包み、唸り声を洩らす口の隙間からは人を食らうモンスターを思わせる鋭い牙が生え並んでいた。
「フーッ……グルルル……」
 話し合いなんてしても理解する理性は持ち合せてない、という事は経験豊富な猟兵達は直ぐに理解する。
 炎を振り払い、トランプの巨人は巨大な剣を抜き身のまま、じりじりと距離を縮める。
「ウォォォォォッ!」
 戦闘のトランプ兵が空に向かって咆哮をすると、川の反対側や何も無い獣道がある方向から兵が地面を揺らしながら進攻を開始した。
 だが、美依が先手を打っていたのでトランプの巨人は、燃やされた森や花畑を必ず通るしかなか状況の中で戦いは始まった。

※最初の2~3プレングのみ『トランプの巨人』に対し、判定が甘くなっておりますので成功~大成功が出やすくなっております。
※炎のダメージにより『トランプの巨人』の耐久が減っております。
リカルド・マスケラス
「アリスの避難が終わるまで待って欲しい……なんて悠長なことは聞いてくれそうもないっすね」
守りながらの戦いも【仮面憑きの舞踏会】ならカバーできる
「怖い兵士をやっつけるのに、ちょっと力を貸して欲しいっす」
リカルドの仮面(の分体)をつけることで、リカルド並の戦闘力と技能を得られる。【戦闘知識】である程度の立ち回りはできるようになり、戦士系UC使いなら【盗み攻撃】でトランプ兵の武器を奪ってからの【怪力】【2回攻撃】、魔術系UC使いなら【属性攻撃】で援護など。どうしても怖いなら逃げるよう立ち回ってもいい。
「まあこれ、長くは持たないんすけどね」
毒や呪縛に苛まれながら、自分はアリス達を【かばう】立ち回り



●“戦い”
「アリスの避難が終わるまで待って欲しい……なんて悠長なことは聞いてくれそうもないっすね」
 迫りくるトランプの巨人達を見上げながらリカルドは、少し焦っているかのように早口で呟いた。
 “理性”やら“知性”等のソレを持ち合わせていない事は、赤く光る巨大な双眸を見れば戦闘知識を有している自身でも分かる。
「怖い兵士をやっつけるのに、ちょっと力を貸して欲しいっす」
 氷の中から助けた幼いアリス達に言うと、命の恩人であるリカルドに少しでも恩を返せるならばと思ったアリス達はこくりと頷いた。
「だいじょうぶ……が、がんばる」
 酷な事かもしれない、それでも最前線に出るのはリカルド自身であり、この場所にいる全ての幼いアリス達を守る為の最善の方法であった。
「さあ、楽しい宴の始まりっすよ!」
 ユーベルコード『仮面憑きの舞闘会(マスカレイドパーティ)』が発動されると、リカルドが付けている狐面の分体が召喚されると幼いアリスの小さな頭に憑依する。
 明るい表情の裏では、ユーベルコードの代償により体を毒が蝕み口の中がピリピリと痛み、体が毒を拒むのを感じながらも幼いアリス達と共に駈け出した。
「なーんだ、真っ黒焦げになっていて、アリスより弱いなんて……好都合っすね!」
 大半のアリスが距離を置いてユーベルコードを放っている中で唯一、近接可能な1人のアリスがリカルドの知識を得てトランプの巨人から大剣を奪ってユーベルコードで破壊する。
 ただ、問題点を言えばアリス達はユーベルコードを使えるだけで、オウガを倒すまでの力は有してない。
「まあこれ、長くは持たないんすけどね」
 自身を笑うかの様に笑みを浮かべながら呟くと、毒の所為で足の力が抜けてガックリと地面に膝を付けた。
 しかし、お願いした手前で倒れるわけにはいない。
 ぐっ、と唇を噛み締めながら再び立ち上がり、リカルドはユーベルコードで応戦してくれている幼いアリス達をその身を呈して守る為に――

 傷付けさせは、しないっすよ!

 口元の血を拭いながら、その巨体が振り下ろす大剣を受けとめた。

成功 🔵​🔵​🔴​

白川・美依
使用能力:WIZ

あらあら…折角炎の帽子でオシャレにしてあげたのに。もう外しちゃったの?
…ああ、炎は嫌いだった? 氷の女王に仕えている位だし…そういうものかしらね…。
それじゃあ、代わりに花をあしらってあげるわ…喜びなさい?

【ビューティフル・ホープストーム】で私の装備品・エナジージュエルを無数の花びらに変え、巨人共にプレゼントしてあげるわ。無粋なトランプカード毎、その身を花で包んであげる。
【全力魔法】を乗せてるから、威力は保証するわ。安心して包まれて頂戴?

地味な色合いしているんですもの、最期位は着飾らないと…ねぇ?

※何でも歓迎



●“白き”
「あらあら……折角炎の帽子でオシャレにしてあげたのに。もう外しちゃったの?」
 少し残念そうに美依が呟くと、ハッとした表情になると胸元で両手をパチンと合わせた。
「……ああ、炎は嫌いだった? 氷の女王に仕えている位だし……そういうものかしらね……?」
 燃える森、炎で体を焦がしながらトランプの巨人はゆっくりと進むと、美依に向かって大剣を大きく頭上に掲げる。
「それじゃあ、代わりに花をあしらってあげるわ……喜びなさい?」
 無邪気な笑顔はプリンセスそのものだが美依は、それはどうでも良い話でヒーローとして活動もしていた事もあって振り下ろされた大剣を紙一重で避け、エナジージュエルを手の平に乗せた。
「私が貴方達の『最期』の希望になってあげるわ。喜びなさい?」
 と、妖艶な笑みを浮かべながら言うと、ユーベルコード『ビューティフル・ホープストーム』により手の平の『エナジージュエル』がパリッと表面が剥がれると、柔らかな白いスノードロップの無数の花びらがトランプの巨人を包み込むように舞った。
「気に入って貰えると嬉しいわ」
 美依がパチン、と指を鳴らすとスノードロップの花びらはトランプの巨人に向かって渦を巻きながら仕込まれた刃で、身に纏っている鎧を傷付ける。
 掠りキズ、ではなくて、鋭く威力の高い刃物で斬られたかの様にトランプの巨人達を切り刻み、作られた傷から吹き出す赤い液体が白い花びらを染めてゆく。
「地味な色合いしているんですもの、最期位は着飾らないと……ねぇ?」
 青、赤、緑、黒、色鮮やかとは言い難いが、トランプのマークに合わせた血で染められていく光景を美依は理解されぬであろう、分からないであろうともトランプの巨人に問う。

 武骨なその姿でも、色を与えれば絵本の様に鮮やかね――

成功 🔵​🔵​🔴​

槙島・未幽
絡みOk

目的
トランプ巨人の撃退

「トランプ兵なのに、紙製じゃないんかい!」
気になることを取り敢えずツッコむ。

援護射撃でアリス達を逃がす時間稼ぎに努めるか。アーチャーだし。
「姉ちゃん、アイツらボコしてくるよ。大丈夫、絶対に君達に近づけさせやしないから」
とアリス達に言って送り出そう。

広い範囲を見渡せる高所に行って、まず『見えない射手』で巨人達を集める。
「まるで雪だるまみたいだ」
巨人の塊に向かって、『サイキックブラスト』で電気を纏わせた矢を、『千里眼撃ち』で次々放つ。
「バラバラに砕かれる気分はどうよ?巨人共」

射撃優先順
巨人(アリスに近い→遠い)→猟兵への攻撃


ルミア・フィーベル
悪いけどここから先にはいかせないよ。

降魔化身法を使い攻撃していきます。特にトランプ兵団で召喚されたトランプ兵が増えた場合、合体を阻止するように倒していきます。
また退避しているアリスに攻撃が行くようならば【盾受け】でかばいます。



●守護と射手
「悪いけどここから先にはいかせないよ」
 ルミアがトランプの巨人達の前に立つと、凛とした声で紅玉と蒼玉のオッドアイでじっと見上げる。
 彼女の体に【妖怪】【悪鬼】【幽鬼】が手を伸ばし吸い込まれる、そう――ユーベルコード『降魔化身法』が発動したのだ。
 強化されている体でさえ、その代償はセーラー服の生地に吸水されシミを作っている。
「でも、守るべきアリス達の前で弱っている所はみせられないよね!」
 ハードバイオレットをしっかりと握り締めると、ルミアは白い花びらに翻弄され、炎に焼かれて弱っているトランプの巨人に向かって弾丸の様に駈け出す。

「トランプ兵なのに、紙製じゃないんかい!」
 と、トランプの巨人に向かってツッコミを入れるのは未幽だ。
 しかし、その言葉を理解したのか、それともルミアのユーベルコードに反応したのだろうか、トランプ兵が花畑を覆い尽くすさんほどの数が召喚される。
「いや、あれは正にトランプ兵だけど……って、そういう理由で増やしても良いというワケでないんだよ!」
 トランプ兵が足並みを揃えて行進しながら幼いアリス達へ向かう、それに気が付いた未幽は後ろに居るアリス達の肩に手を乗せた。
「姉ちゃん、アイツらボコしてくるよ。大丈夫、絶対に君達に近づけさせやしないから」
 と、言って未幽は、グリモアベースに転送されるアリス達を見送りながら仲間が戦う花畑へと駈け出した。
「一猟兵からの贈り物だ。ちょーーーっとばかし痛いかもしれないけど、ま、大丈夫さ」
 高台は見つからなかったが丈夫そうな木の上に上りユーベルコード『見えない射手(ビヨンドアーチャー)』を発動させると、見えないサイキックエナジーでトランプの巨人を掴んだ。
「こちらへ!」
 ズウゥンと激しく大地が揺れたので猟兵やアリス達は周囲を見回すと、そこにはルミアが超強化された力を使いハードバイオレットをぶつけて出来たのは巨大なクレーター。
「助かるよ!」
 サイキックエナジーで掴んでいたトランプの巨人を穴へ放り投げると、未幽はまた他の巨人を捕まえて入れられる限りの数を穴へ詰めた。
「まるで雪だるまみたいだ」
 穴の中でもぞもぞと動く姿を見て未幽が呟くと、両掌を穴の中に向けて深く息をして掌に集中するとバチバチと静電気が弾ける音が響く。

 そして、それは大きくなり高圧電流を放った――

「バラバラに砕かれる気分はどうよ? 巨人共」
 と、問う未幽の眼下で元からダメージがあったのだろう、トランプの巨人は高圧電流を受けるとあっけなく灰塵と化した。
「アリス達が支援してくれているとはいえ……」
 雲行きが怪しいとルミアが思った瞬間、トランプ兵が次々と召喚され戦闘経験も無いいうえに体力も少ない幼いアリス達に疲れの様子が見える。
「無理しないでよ! 疲れた子は下がって、まだユーベルコードを使える子は逃げる子の手伝いをしてあげてね」
 ルミアが指示を出しながら、トランプ兵達が合体しようとするのを阻止しながら確実に数を減らす。
 だが、彼女のからだもまた代償で流血しているので、守ったり長期戦は難しいかも知れない。
 それでもルミアは、ヒーローとして倒れるまで戦い守るだろう。

 仲間を信じて――

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


●幼いアリス
 小さな体、小さな手足、守る為にユーベルコードを使っていたのだが――
「もう、むり……」
 小さな肩が激しく上下に動き、やや青ざめた顔で頬を伝う汗を拭う。
「……っ!」
 もう、幼いアリス達に限界が来ているのは誰が見ても分かる程であった。
 そして、森を燃やしていた炎は鎮火するのを“理解”したのだろうか?
 トランプの巨人達はアリス達の元へと急ぎ足で進め、召喚されたトランプ兵達も小柄な体を活かして猟兵達の間をすり抜け、アリス達を捕獲しようと跳び付く。
「クソッ!」
 捕獲はさせぬ、と言わんばかりに猟兵は直ぐに幼いアリス達に手を伸ばした。

 瞬間、巨人の剣が振り下ろされると地形が破壊されると同時にアリス達は、森の中へと吹き飛ばされてしまった。

※ここから~3章は難易度がグッと上げさせていただきます。
槙島・未幽
絡みOK

目的
アリス達を集める

「散らばったな・・・。さっさと探さないと、あの子達がまた氷漬けにされてしまうな」

UCを使い、アリス達の捜索を開始する。
アリスを感知したら、他の参加者に知らせるため、その方向へ向かって笛付きの矢を放つ。

「他の人が気付いてくれるといいんだけど・・・。というか、頼むから気付いて」



●伸ばす手の先には
「散らばったな……。さっさと探さないと、あの子達がまた氷漬けにされてしまうな」
 恐怖で逃げ惑う幼いアリス達が森に逃げ込むのを見た未幽は、トランプの巨人達を他の猟兵に任せると後を追って駈け出した。
 もし、トランプの巨人達に捕まるか、最悪の状況として王妃が居る城まで迷いこんでは幼いアリス達は再び凍らされてしまうだろう。
 最悪、殺して喰らう――そんな悪い考えが脳裏を過ぎるが、未幽がユーベルコード『影の追跡者の召喚』でシャドウチェイサーを召喚するとアリスを追跡するように指示を出す。
(っ! 手助けして貰えるとはいえ、あの子達はまだ10歳前後の子供……限界を読めなかったあたしは――)
 唇を噛み締めながら思うものの未幽は、過ぎた事だと割り切って目の前の事に集中する為にただ森の中を駆け抜ける。
 薄暗い森、花畑の華やかさとは違い不気味だ。
(まるでヘンゼルとグレーテルもしくは、森に捨てられた白雪姫の気分だよ)
 苦虫を噛んだような表情で未幽は、やっとシャドウチェイサーで追いかけていたアリスを見付ける事は出来た。

 だが――

「大丈夫……大丈夫だよ」
 怯える幼いアリスを抱きしめると、優しい声色で言いながら小さな頭を撫でる。
 周囲に視線を巡らせるものの他に幼いアリス達の姿は目視出来ず、シャドウチェイサーで近くにいるアリスを指定して追跡させる指示を出す。
「他の猟兵達に知らせないとね」
 未幽がロングボウを手にすると、矢に笛を括り付け弦に矢を番えると森の上空へ向けて放った。
「他の人が気付いてくれるといいんだけど……。というか、頼むから気付いて」
 花畑では戦闘中で聞こえないかもしれない、それでも未幽は信じて矢を放ったのだ。

 何度か放てば、1人でも聞こえるだろう――と

「さ、皆を探して安全な場所に送り届けからね」
 幼いアリスの小さな、小さな手を包むように握ると未幽は、歩調を合わせながらシャドウチェイサーと共有している五感から得られた情報を頼りに森を進む。
 1人でも多くのアリスを見付けだすと、彼女は素早くロングボウで矢を放ってヒューと笛が音を奏でながら知らせた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

リカルド・マスケラス
【仮面憑きの舞踏会】継続
(身体能力が猟兵並みに強化されているとは言え、さすがにアリス達も負担がきついっすかね)自分も負担がやばいことは黙ってはいるが

宇宙バイク『アルタイル』に乗って【操縦】し、戦況の悪い戦場まで駆けつける。身体が呪縛を受けても【念動力】でアクセルやハンドルを操作。
敵の横っ腹に【怪力】任せの体当たりで敵の体勢を崩し、バイクから鎖分銅を射出して相手の動きを拘束し、ビーム砲による【なぎ払い】で一掃する。

体力的に限界が来たら、人型の部分が消え、本体のお面だけになる。そして、近接系のUCが使えていた子にお願いをする。
「女王を倒すのに、もうちょっとだけ力を貸して欲しいんす」
第三章に続く


槙島・未幽
絡みOk

目的
アリスの逃亡の援護

「もうこうなったら、最短経路を開拓してやる!」

『見えない射手』で、アリス達がまっすぐ自分のもとに来れるよう、障害物を破壊していく
(近くの岩や、倒された巨人兵などを利用する)

追いかけてくる敵があれば、動かしていた物で敵を上から押し潰す
「邪魔だ邪魔だー!アリス達が通るぞ!」



●逃亡と決意
「もうこうなったら、最短経路を開拓してやる!」
 未幽が吼える様に叫んだ。
「一猟兵からの贈り物だ。ちょーーーっとばかし見渡しが良くなるかもしれないけど、ま、大丈夫さ」
 ユーベルコード『見えない射手(ビヨンドアーチャー)』を発動させ、見えないサイキックエナジーが放たれると森の木々やトランプの巨人達を粉砕されて見事な更地を作った。
「こっちだよ!」
 一気に森から木々が無くなり、トランプの巨人達の姿も消えて幼いアリス達は目を丸くしつつ周囲を見渡しながら未幽の元へ駈け出す。
(リカルド君もあれでは……)
 視界の隅でアリス達を守りながら戦うリカルドを見て、未幽は内心焦りつつも追いかけて来る小さなトランプ兵を見えないサイキックエナジーを放って次々と倒す。
「邪魔だ邪魔だー! アリス達が通るぞ!」
 と、声を上げながら未幽は、幼いアリス達をグリモアベースまで避難させながら、追いかけてくるトランプの巨人達をサイキックで大きな物を頭上に浮かしソレを落として押し潰した。

(身体能力が猟兵並みに強化されているとは言え、さすがにアリス達も負担がきついっすかね)
 大人なら兎も角、リカルドの仮面の分体を付けた十歳前後の子供から一番小さければ5歳位であろう、捕まる恐怖を胸に抱えて戦う事を選んだアリス達は次々と地面に膝を付ける。
 無論、リカルド自身も代償により仮初めの体が毒で蝕まれていく事に一切の弱音を吐かずに、ただトランプの巨人をこれ以上進ませぬように足止めやアリスへの攻撃を受けていた。
 宇宙バイク『アルタイル』を呼び寄せて素早く跨ると、ユーベルコード『仮面憑きの舞闘会(マスカレイドパーティ)』を持続する為に新たな代償である呪縛を受けたまま、念動力でアクセルとハンドルを操作しバイクを走らせる。
 スピードを上げ、アルタイルの後輪を横滑りさせながらそのままトランプの巨人に体当たりさせ、バイクに仕込んでいた鎖分銅をその巨体に向けて射出された。
「これでお互い様っすね……いや、自分の方が有利っすね」
 鎖分銅が体に巻き付けられて身動きできないトランプの巨人を見上げながらリカルドが呟くと、アルタイルに搭載されたビーム砲【ミルキーウェイ】の砲身がむき出しになり、砲口からビームが放たれると同時にアルタイルが横に滑る様に動く。
 ビームがトランプの巨人をなぎ払う様に放たれ、リカルドの仮初めの体から力が抜け限界が来ているのに気付いた。
「女王を倒すのに、もうちょっとだけ力を貸して欲しいんす」
 ただ1人、前衛で戦っていた12歳程の少年に向かってリカルドは言うと、少年は小さく頷きながら傍に駆け寄った。

 その瞬間、幼いアリス達の悲鳴が響き渡った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『拷問王妃エリザベート』

POW   :    さあ、調教の時間だよ!
【死角から突如として出現する拷問磔台】が命中した対象に対し、高威力高命中の【拷問器具(形状は毎回変わる)による攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    足掻け、足掻け! もがき苦しみ屈服するがいい!
【締め付けにより骨を砕く拘束ベルト】【目隠しと猿轡】【焼けた鉄の靴】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    お前の痛みと苦しみが、全て私の糧となるのよ!
【痛みや苦痛、恐怖といった負】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【有刺鉄線のような鋼の茨の塊】から、高命中力の【苦痛を快楽に変え、生命力を吸収する鋼の茨】を飛ばす。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

●氷の王妃
「若い美しさは永遠にしなければならない……美しいモノを愛でたいだけですわ」
 優雅な足取りで現れたのはオウガの王妃こと“拷問王妃エリザベート”本人だ。
 幼いアリス達を見る瞳は、“食べる”獲物としてではなく“芸術品”を見ているかの様な視線であった。
「それ以上は若くとも、食べるか血を抜いて浸る……あぁ、汚れてしまった場合はトランプの巨人の餌にしかしないわ」
 と、言うと拷問王妃エリザベートは、眉間にシワを寄せながら猟兵達を嫌そうにな視線を向ける。

 つまり――

 王妃はお気に召さなかった、という事は嫌でも猟兵達に伝わってきた。
白川・美依
使用能力:WIZ

表舞台には立たないけど…一応私もヒーローやってるし。貴女のようなのを見るととっても『良い』気分になっちゃうの。今すぐ…捻り潰したくなる位に、ね?
でもこういった感情を持つと敵のUCが発動するからとても厄介ねぇ…。しかも生命力を奪うだなんて、卑劣極まりないのね?


だから、やり返させてもらうわね?


敵のUCに対し【トゥインクル・マジカルフォース】を発動。相手から私が感じた負の感情を全部魔力に乗せて…【全力魔法】で攻撃するわ。
ついでに私から無許可に持って行った生命力も返して貰わないと。当然、無許可で持って行ったのだから割増料金よ? 足りない分は、貴女の命で補いなさい?

※何でも歓迎



●必要最低の悪
「表舞台には立たないけど……一応私もヒーローやってるし。貴女のようなのを見るととっても『良い』気分になっちゃうの。今すぐ……捻り潰したくなる位に、ね?」
 口元を吊り上げ、ただエリザベードに対して悪を感じると同時に美依の胸に湧き出るダークヒーローとしての“正義”が倒せ――と、その一言だけで彼女は花畑を駆け抜ける。
 ふわり、と甘い花の香りと柔らかく冷たい花びらが二人を包み込んだ。
(でもこういった感情を持つと敵のユーベルコードが発動するからとても厄介ねぇ……。しかも生命力を奪うだなんて、卑劣極まりないのね)
 知っていた、理解しているハズの事なのに――
「お前の痛みと苦しみが、全て私の糧となるのよ!」
 声高らかにエリザベートが言うと、“怒り”という負の感情を感じ取った様子で有刺鉄線のような鋼の茨の塊がドンと花畑には不つり合いなモノが召喚される。
 その塊から獲物に噛みつこうとする生き物の様に伸び、美依の白い肌に赤い無数の線――茨で付けられた傷から鮮血がじんわりと滲み出る。
 苦悶の表情になるとエリザベートは喜ぶ、それは彼女の言行動から理解しているのでただ無表情で耐えるしかなかった。
「つまらないわねぇ」
 悲鳴の一つも上げない美依に対し、エリザベートは不服そうに呟くと美依は狂った様な笑い声を上げた。
「ふふ……あははっ! だから、やり返させてもらうわね?」
 不敵な笑みを浮かべると美依は、ぎらぎらと琥珀の様な瞳を光らせながらエリザベートを見詰めながら腕に装着されているマインドリングが、感情という心の力に反応して黒い光の模様が浮かび上がる。
「貴方が奪った生命力を返して……そして、貴方の精(イノチ)を頂戴?」
 ユーベルコード『トゥインクル・マジカルフォース』が発動すると、美依の全身が白く輝く魔力の波動に包まれるとエリザベートに対して感じる負の感情が――彼女の力を増幅させる。
「返してもらうわ……それでも足りないなら――あなたの命で補いなさい?」
 と、呟くと同時に美依がエリザベートへ急接近すると、手にしていた“ムーンライトスティック”を振り下ろす。
 魔法少女が使う杖は鮮血に濡れ、花や花びらを赤く染め上げた。
(しぶとい、流石にオウガを従える王妃ね。この程度では倒せないだろうけど……)

 他の猟兵と共闘すれば、必ず倒せるハズ――

苦戦 🔵​🔴​🔴​

槙島・未幽
目的
攻撃を回避した後に電撃を食らわせる

「どれも食らいたくないなー。苦痛を快楽に、とか、そんな要素持ち合わせてないし」

とにかく回避しまくって、隙見てサイキックブラストで電撃を食らわせるスタンス
「あっちの攻撃って、どれも金属製?電気通るんじゃね?王妃サマ、感電させられるかも・・・」

以下、王妃に言いたいこと
「若い美しいを永遠にしたくて、美しいものを愛でたいだけなら、対象のものを石板に彫るとか、石像を彫るとかすればいいのに」

「ということは、王妃サマは自分自身のことを『年老いてブサイク』と思っているのかい?あ、本心突いちゃったならごめんさい」



●皮肉
「どれも食らいたくないなー。苦痛を快楽に、とか、そんな要素持ち合わせてないし」
 エリザベートの手にしている鞭は、敵を倒すだけではなく人に苦痛を与えながら殺す為のモノはのは明らかであった。
(あっちの攻撃って、どれも金属製?電気通るんじゃね? 王妃サマ、感電させられるかも……)
 四方というより、美依に向かって伸ばされた鋼の茨を見て未幽はハッとした表情になると、こちらに意識を向ける為に声を掛ける。
「若い美しいを永遠にしたくて、美しいものを愛でたいだけなら、対象のものを石板に彫るとか、石像を彫るとかすればいいのに」
 呆れた様子で言いながら未幽は、肩を竦めると“どうして、そんな簡単な考えが出来なかったのだろうか?”と伝わる様に言葉を投げた。
 もし、死んでしまえば腐敗して原形は残らない。
 もし、必ずしも永遠に同じ姿で居られないかもしれない。
 ただ、未幽は必ずしも永遠の美しさなど無いと知っているからだ。
「ということは、王妃サマは自分自身のことを『年老いてブサイク』と思っているのかい? あ、本心突いちゃったならごめんなさい」
 小さく鼻で笑いながら言うと、未幽はエリザーベートの顔を見て表情を見せない様に恭しく一礼しながら謝罪をする。
「その言葉、鏡に映る自身に向かって言えるのかしら? わたくしは過去、オブリビオンよ。血肉さえ得れても老いないわ」
 そう、エリザベートは“人間”ではないので老いる事はない。
 手にしている鞭をしならせ、花畑の花が打たれると吹いてきた風に乗って視界を奪う。
「それじゃ……あんな小さな子供達を集める必要はないんじゃないかい?」
 キッとエリザーベートを睨みながら、未幽がやや声を低くして目の前の王妃に向かって呟く。
「それはそれ、これはコレよ」
 もう一つ召喚された“有刺鉄線のような鋼の茨の塊”は、しゅるしゅると茨を未幽に向かって伸びていくが――
「アリス達に代わって君を」
 茨を両手で掴むと、高圧電流を流すとエリザベートの体は雷を纏い感電すると、聞いた事も無い断末魔に近い悲鳴が花畑に響き渡る。
 黒焦げになった茨をそこらへんに放り投げ、未幽は感電して動けぬエリザベートを見下ろしながら“自業自得”だと思いながら、地面に這いつくばっている姿を金色の瞳に映す。
 “甘い”と自覚はしているからこそ、握り締めた拳に力を込めた。

 その非道な行為をする者が1人でも減らす為に、倒す、と――

成功 🔵​🔵​🔴​

槙島・未幽
絡みOK

目的
エリザベートへのダメージ追加

「その言葉、鏡に映る自身に向かって言えるのかしら? わたくしは過去、オブリビオンよ。血肉さえ得れても老いないわ」
を受けて
「あ、そ。老いないのか。なら、少なくとも、自分のことをブッサイクとは思ってるわけだ。よくわかったよ」

『見えない射手』で、エリザベートをあちこち振り回してダメージを追加する
「言っておくが、泣いても命乞いしても駄目だからなー?」

相手が攻撃してきた場合は、回避を優先する

最後に、その辺から集めた巨人兵などを集めた無数の塊をぶつける
(エリザベートを指差しながら)「フィニッシュってやつな・・・『流星召喚(スターコール)』」


レイチェル・ノースロップ
・SPD
永遠(とわ)に美しく、ね
気持ちは分からなくもないわ、同じ女ですもの
ですが、氷漬けで囚われたAliceの気持ちを私が代弁すれば、Death Becomes Her、死んだ方がマシ、よ
あらやだ、お姉さんったらつい地が出ちゃいマシタね
何時ものConditionに戻って戦いマース
Queenから放たれた拘束ベルト、目隠しと猿轡、真っ赤な鉄の靴はクナイ・ダートの【投擲】とワイヤード・ウィップで【武器落とし】シマース
それでも潜り抜けたらギリギリの所まで引きつけて【見切り】…【ジャンプ】!
UCがCLASHした隙に『アゲハ・ジツ』で宙を舞い、ニンジャシャウトと同時にザンテツブレードでKESAGIRIよ!


ラプラス・デーモン
友の呼び声に応じ馳せ参じた。
この拳をもってまかり通らせてもらおう。

敵は拷問を好む王妃か。
敵とはいえ女を痛めつける趣味は自分にはない。
圧倒的なパワーでもって速やかに粉砕してやろう。
痛みや恐怖はあるかもしれんがそこはそれ。
己の所業を省みれば、慈悲など与えられぬと納得できるだろうさ。

POWと怪力を存分に活かしてファイティング・スピリットを燃やすぞ。
筋肉をもりもりと増やして筋肉の悪魔と化そう。
戦闘スタイルは体に染みついたボクシングだ。
スパーヘビー級の戦いを見せてやろうじゃあないか。

戦いが終われば氷漬けのアリスたちを解放しよう。
その後は現世へと帰る扉を探すぞ。
子供に優しいのはヒーローの基本条件だからな。



●“終わり”があるこその“今”
「あ、そ。老いないのか。なら、少なくとも、自分のことをブッサイクとは思ってるわけだ。よくわかったよ」
 と、未幽が冷やかに言う。
「その程度の安い挑発は買いませんわ。私の本質は――拷問をする事に喜びを見出しているのよ」
 痺れている体を無理矢理動かし、エリザベートがゆっくりと立ち上がると未幽を見詰める。
 不服そうな表情で顔を逸らし未幽が小声で『その醜い顔を近付けるなよ』と、呟いた瞬間――
 視界は暗転した、ツンとした鉄の錆びた様なニオイが鼻腔をくすぐり、そして“何かを焼いた”ニオイは更に不快であったのだろう。
 体が拒絶反応を起こして、胃から喉に向かって中のモノが逆流してきた。
(出ないと……!)
 口と鼻を手で覆い暗闇の中を片手で探り、未幽は現状の打開を有線せざるえない状況であった。
「貴女はどんな鳴き声を出すのでしょうね?」
 エリザベートの声が響くと同時に、未幽が居る場所が徐々に熱くなっていくのを感じる。
 だが、新たに不思議の国へはせ参じた猟兵の『ザンテツブレード』で、ファラリスの雄牛を横一閃に斬って『ワイヤードウィップ』で中に入れられていた未幽を助け出す。
「永遠(とわ)に美しく、ね」
 金の髪を風に靡かせ、空の様に青い瞳がマスクに開けられた部分から覗かせているレイチェル・ノースロップ(ニンジャネーム「スワローテイル」・f16433)は、エリザベートの方へ振り向きながら言う。
「気持ちは分からなくもないわ、同じ女ですもの」
 美しさを保つ事は全ての世界で一般女性達でさえ、努力して色々な方法を試して綺麗な自分でありたいと思い“美”を求める。
 同じ女であるレイチェルもその1人である故に、エリザベートの美を求める気持ちは理解出来た。
「ですが、氷漬けで囚われたAliceの気持ちを私が代弁すれば、Death Becomes Her、死んだ方がマシ、よ」
 と、レイチェルが口にしたのは、不老不死になったものの醜くなり死ねぬ悲しみを背負った女の物語りだ。
「あらやだ、お姉さんったらつい地が出ちゃいマシタね。何時ものConditionに戻って戦いマース」
 レイチェルではなく、いつものニンジャヒーロー『スワローテイル』としてエリザベートをその青い瞳に映す。
「ありがとう、助かったよ。言っておくが、泣いても命乞いしても駄目だからなー?」
「当たり前の事をしたダケ、ワタシはninjahero『Swallowtail』デース」
 未幽の言葉にレイチェルは、ウィンクして自信満々に言った。
「足掻け、足掻け! もがき苦しみ屈服するがいい!」
 過去の自分さえ忘れ、オブリビオンとしての『エリザベート』となった王妃は、ただ記憶にあった『拷問』と『美しいのを愛する』という事をしているだけだ。
 だからこそ、今を、未来を、掴んでいく猟兵の考えは胸の中で煮えたぎる何かでいっぱいであった。
 きゅっと唇を噛み締めると、締め付けにより骨を砕く拘束ベルト、目隠しと猿轡、焼けた鉄の靴をレイチェルと未幽に向かって放つ。
「一猟兵からの贈り物だ。ちょーーーっとばかし痛いかもしれないけど、ま、大丈夫さ」
 ユーベルコード『見えない射手(ビヨンドアーチャー)』を発動させ、未幽は見えないサイキックエナジーを放って跳んで来るソレを叩き落とす。
「Queen。ninjaheroに跳び道具はSpecialtyデース」
 レイチェルが人差指を振りながら言うと、指の間に挟んでいた『クナイ・ダート』を慣れた手つきで飛んで来る拘束ベルト等の拘束具を叩き落とした。
「危ない!」
「これくらいninjaなので楽勝デース」
 焼けた鉄の靴を見て未幽が思わず声を上げるが、レイチェルはワイヤード・ウィップを巧み操り鉄の靴を叩きを落とす。
「Beautifulに、Butterflyのように跳びマース!」
 そして、間髪入れずにユーベルコード『アゲハ・ジツ』でアゲハ蝶の様に舞いあがると、エリザベートに向かって滑空する。
「TEN! CHU!」
 レイチェルのザンテツブレードでエリザベートを袈裟斬りすると、右肩から左の脇腹に向かって大きな斬り傷が出来た。
「この拳をもってまかり通らせてもらおう」
「OH! cattle walking very slowlyじゃないデスカ」
 遅れて到着した巨漢ラプラス・デーモン(デモニッシュ・パンチャー・f16755)に向かって、同じ旅団の仲間であるレイチェルが明るく言った。
「すまない。これでも急いで来たんだが……あれが拷問を好む王妃か」
 3m弱ある躯体の頭部には顔を半分覆い、一つ目から広がるように刺繍が施されているフード付きの白いコートが風に揺れていた。
「敵のオウガとはいえ、女を痛めつけるような趣味はない。だが――」
 拳を握り締めファティングポーズを取ると、ラプラスはエリザベートがやってきた所業には赦せない。
 それに加え、氷漬けにされた子供達を“物”や“芸術品”扱いなんて事をされるは、やはりヒーローとしては倒さなければならぬ、と。
「最早言葉は不要、拳で語り合うのみ!」
 ラプラスが拳を胸元で合わせると、ユーベルコード『ファイティング・スピリット』により闘志の感情が爆発する。
「スパーヘビー級の戦いを見せてやろうじゃあないか」
 通常の人の二倍もある鍛えられた体の筋肉が更に隆起し、バイオモンスターであるが故になのだろう繰り出される拳は風を起こす程だ。
 花畑の花々の花びらがラプラスを中心にして、外側へと吹き飛ぶと同時にエリザベートの細い四肢が殴られた力に耐えきれずに後方へ吹き飛ぶ。
「……か、はっ!」
 木に背中が当たり、悲鳴を上げる事も出来ずにただ口から肺の空気が吐き出されるだけだった。
 幸か不幸か、トランプの巨人が持っていた折れた大剣が落ちるのと同時に木が倒れてきたので、エリザベートの最期はアリス達の眼に移される事はなかった。
「さぁ、まだ助け終えてないアリス達を氷からだしてやろうか」
「デスネ! これもheroのお仕事デース」
 ラプラスを始め他の猟兵達も凍ったアリス達で溶かしたり、各々が出来る手段で助けていく。
 子供には優しいヒーローが必ず、この不思議な国から幼いアリス達を無事に家族の元へ帰す。

 ここは不思議の国。

 きまぐれな時計うさぎがいざなう事もあれば、オウガが喰らう為に呼ぶ。

 沢山の危険がある世界、まだまだ猟兵達がアリスを助ける依頼は続くだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月08日


タグの編集

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🔒
#アリスラビリンス


30




種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠パトリシア・パープルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト