6
絶海のプリズンブレイカー

#ヒーローズアース #愚者の迷宮


●午後3時・豪華客船「グリーン・ドルフィン号」
「ヒャッハー!シャバの空気はうめーぜ!この船の金目のモンはみんな俺たちのモンだあ!」
「おらババア!そのネックレスをよこしな!殺されたくなかったらなあ!」
 突如として大量のヴィランが乗った船の襲撃を受けた豪華客船。船長を始め、船員たちはヴィラン達に捕らえられ、次々と海へと投げ落とされた。優雅だったはずのクルーズはここに終焉を迎え、船は脱出不可能の絶海の牢獄と化していた。絶望に包まれる船内で、一人の乗客が叫びが響く。
「ヒーローは...!ヒーローは来てくれないのか!?」

●グリモアベース
「みんな、ヒーローズアースで海底刑務所が破られ、脱獄した大量のヴィラン達が近くを通りかかった豪華客船を襲っている!すぐに救援に向かってくれ!」
 大声で近くの猟兵達に呼び掛けているのは、パンダ型ウォーマシンのグリモア猟兵、ルンバ・ダイソンだ。
「刑務所を破ったのはゴリラの姿をしたオブリビオンだ。奴は『愚者の迷宮』に眠る魔力を手に入れる為、部下を率いて刑務所を襲撃したようだ」
「愚者の迷宮」。ヒーローズアースでは、ユーベルコードを使用できるヴィラン達を収監する為の特別な牢獄が用意されており、それらを総称してそう呼ぶ。「愚者の迷宮の内部」では、ヴィラン、そしてヒーロー達はユーベルコードの発動を封じられるのだ。「愚者の迷宮」の正体は遥か昔に作られた遺跡を現代風に改良したものだ。その製法は今では失われて久しい。もしも愚者の迷宮に眠る強大な魔力がオブリビオンの手に渡れば、かの世界に深刻な打撃をもたらすだろう。
「最終目標は海底遺跡で魔力を吸収しているオブリビオンの撃破だが、諸君らにはまず、脱獄したヴィラン達に襲われている船の乗客たちや船員を救助して貰いたい。ヴィランを全員倒してもらってもいいし、速やかに乗客たちを避難させてもいい。救援の方法は任せるが、ヴィランたちは脱獄囚とはいえ、現地の法で裁かれるべき存在だ。必ず生け捕りにしてくれ」
 客船には十分な数の避難用ボートが用意されている。船外にさえ脱出すれば現地のヒーローや警察が保護してくれるだろう。
「現場は旅行者向けの客船だ。子連れや老人の乗客も多いだろう。孤立した船で助けを待っている弱き人々を救えるのは君たちだけだ。頼んだぞ」
 そう言うと、ルンバはその大きな頭を集まった猟兵達にぺこりと下げた。


大熊猫
 こんにちは。駆け出しMSの大熊猫です。今作で第四作目となります。水着コンテストも近いので今回は水場が舞台となる依頼を出してみました。
 第一章では、ヴィラン達の襲撃を受けた客船の乗客や船員達を救助して頂きます。ヴィラン達はオブリビオンより遥かに弱い為、猟兵なら簡単に勝利できます。ただし、グリモア猟兵から説明があった通り、ヴィランの殺害はNGとなります。
 二章は海底遺跡内部で黒幕の配下のオブリビオン達と集団戦となります。遺跡の大部分は水没している為、基本は水中での戦いとなります。ただし、水没していないエリアを戦場に指定することもできます。得意な方のフィールドで戦って下さい。
 三章は海底遺跡最深部でボス戦です。遺跡の魔力を手中にしようとしたオブリビオンの野望を阻止して下さい。
 合わせプレイングでのグループ参加の場合は、迷子防止の為プレイング冒頭にグループ名、ないしお連れの方の名前とIDを記載をお願いします。また、なるべく近い時間に送付頂けると助かります。
 また、文字数を節約したい場合はプレイング末尾か冒頭に次の記号をお使い下さい。
 連携歓迎→★アドリブ歓迎→☆
 以上です。皆様の熱いプレイングをお待ちしております。
72




第1章 冒険 『手を伸ばし、掴みとれ。君求める物。』

POW   :    海に落ちた者を探す

SPD   :    いち早く乗客の所を目指す

WIZ   :    脱出までの経路を導き出す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
オルカ・ディウス
★☆
■心情
……ほう?よりにもよってこの海で狼藉を働くとはな?
だがまぁ、まずは人命救助といこうか
いつ、この海が牙をむくかわからぬからな……

■対応
ゴッド・クリエイションを使用し、知性を人間以上にした人魚を大量に創造しよう
こやつらを船の周囲に放ち、海に落とされた者達の救助を行わせよう

※プレイング指定用のユーベルコードはPOWを選択しますが、実際に使用するユーベルコードはゴッド・クリエイションです



●母なる海、女神の慈愛

「……ほう?よりにもよってこの海で狼藉を働くとはな?」
 揺れる海面に立つオルカ・ディウス(神海戦姫・f16905)が眉を吊り上げて呟く。オルカはヒーローズアースの遥か昔から存在する「神」の一柱である。この地の海ならば、海神たるオルカの領域だ。ヴィランたちの暴挙はまさしくオルカの逆鱗に触れる行為であった。
「だがまぁ、まずは人命救助といこうか。いつ、この海が牙をむくかわからぬからな……」
 だが、オルカは愚か者共に鉄槌を下すよりもまず、海に投げ出された人々の救うことを優先した。今は穏やかな様相の海だが、海とは気まぐれなもの。いつ荒れ出すか分かったものではない。誰よりも海を理解する海神であればこそ、オルカは海に投げ出された人々の救出を急いだ。荒れ狂う海の如き恐ろしさと母なる海の如き慈愛。オルカもまた、海と同じく二面性を持つのだ。
「さて、始めるとしよう。我が意志に答え、生誕せよ!」
 船の近くに立ったオルカが集中すると同時に、辺りに蒼い神気が満ち、周囲の海は神代の海・超次元海域へと回帰してゆく。そして、全ての生命の源たる母なる海から、どこかオルカの面影を残す美しい人魚たちが次々と産声を上げていく。それはまるで、「ヒトは神に似せて作られた」という彼の地の国作りの神話の再現の如き光景であった。
「生んでくれて感謝します、オルカ様。さあ、御命令を」
 人魚たちの中でも一際オルカによく似た少女が一族を代表してオルカの指示を仰いだ。勝手にどこかに泳いで行ってしまうような個体はいない。人間以上の知性を与えられて創造された人魚たちは生まれて間もないにも関わらず、皆すでに物事の分別が付いている。
「この辺りで溺れている者たちを救うがよい。方法は任せる」
「かしこまりました」
 生み出された十二人の人魚たちはオルカに一礼し、人々を救助するべく散っていった。人魚たちは近くの救助用ボートに遭難者を乗せたり、意識の無い者には水を吐かせてから人工呼吸をしたりと、必要な措置をてきぱきとこなしていく。その様子を見て、オルカは満足そうに頷く。
「人の子らよ。我は贄など求めぬ。汝らが母なる海へと還るにはまだ早い」
 自身が生み出した人魚たちに無事に救助されていく人々を見ながら、女神は穏やかに微笑むのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リンカーベル・ウェルスタッド
★☆
【SPD】
ヒーローズアースに来るのは初めてですのでゆっくりしたいところですが、それはひと段落してからですねー。
それはさておき、まずユーベルコードを使用してから船内の捜索を開始です。
船内部の形とか、要救助者の位置とか、避難ボートの位置とか、ヴィランの位置とか。
ざっくりそういう情報を知りたいですね。
他の猟兵さんがいれば、情報交換も是非是非。
基本的には乗客さんの救助をメインに動きますが、交戦を免れない時は致し方なし、アーメンハレルヤデストロイということでひとつ。
あ、まだ見習いなんで懺悔とかいらないです。
という訳で武器落としして死なない程度に痛めつけたり、弓で他の猟兵さんを援護射撃していきますね。


天御鏡・百々
【WIZ】★☆

なんとも大きな船だな
しかし、どうやら悪人どもに襲われている様子
なれば、我が力にて救助するとしよう

『鏡渡り』を活用して救助を進めるぞ
まずは避難場所となるところに、持ち込んだ普通の鏡を置いてから
豪華客船の中へと進むとしよう

豪華客船ならば鏡も多く配置されているはずだ
鏡渡りを利用した奇襲で悪人(ヴィラン)へと奇襲をかけ
悪人どもを成敗(気絶させて捕縛)して、一般人を救助だな(救助活動20)

救助した一般人は鏡渡りの力で
最初に置いておいた避難場所の鏡から脱出して貰うとしようか

鏡さえあれば、壁も扉も関係ない
迅速に救助を進めるとしよう

●神鏡のヤドリガミ
●アドリブ連携歓迎


アイ・リスパー
★☆
「豪華客船を襲ったヴィランですか……
ヴィランを取り押さえるのは他の仲間に任せるとして、
私は電脳魔術士として乗客の避難誘導を担当しましょう」

まずはヴィランや乗客たちの現在位置を把握します。

【チューリングの神託機械】で電脳空間の万能コンピュータに接続。
情報処理能力を向上させ、船内の監視カメラをハッキングします。
また『偵察用ドローン群』も放ち情報収集です。

「この配置だと避難用ボートに一番近いルートは……」

ヴィランの監視が甘く、なるべく最短で船外に脱出できる経路を計算します。
計算が済んだら、そのルートを仲間の猟兵に共有しつつ、
乗客の避難誘導をおこないましょう。

「皆さん、こっちです!
はうっ」(こける



●まずはお祈りを

 豪華客船内部の上層階にて、首尾よく船の内部へと潜入を果たした修道服を纏った銀髪の少女が一息ついていた。
「ヒーローズアースに来るのは初めてですのでゆっくりしたいところですが、それはひと段落してからですねー。」
 甲板から客船に乗り込んだリンカーベル・ウェルスタッド(ルーベル・アニマ・f01718)は誰にともなく呟いた。ヒーローズアースは比較的最近発見された世界である。猟兵以外でもユーベルコードが使用できたり、神の実在が確認されていたりと、興味深い点は多い。それでなくても、異世界には心が躍るものだ。
「それはさておき、まずは船内の捜索を開始です。」
 リンカーベルは目を閉じて手を組み、祈りを捧げた。何故かは分からないが、調べものの前に「何か」に適当に祈ると、面白いように必要な情報が集まるのだ。それは「主の導き」というやつだろうか。主が一体なんなのかは見習いクレリックであるリンカーベルにはよく分かっていないが……ともかく祈りは終わった。さあ、情報を集めるか、と意気込んだリンカーベルが勢い良く船の廊下の曲がり角を曲がると、ごちん、と誰かとぶつかった。

●偶然の出会い

「はうっ」
 リンカーベルとぶつかって尻餅をついたのは銀髪の美少女だった。名はアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)。彼女もまた、この客船の乗客たちを救うべく乗り込んできた猟兵の一人だ。ぶつかった瞬間、反射的にメイスを取り出していたリンカーベルはメイスを降ろし、手を差し出してアイに問いかける。
「急に飛び出してごめんなさい。私はクレリックのリンカーベル・ウェルスタッドと申します。あなたも猟兵ですよね?」
「いえ、こちらも不注意でした。私はアイ・リスパー。電脳魔術師の猟兵です」
 アイはリンカーベルの手をとって立ち上がった後、自己紹介をした。
「ヴィランじゃなくて安心しました。私は今からこの船の構造とか必要な情報を集めようとしてたんですけど、アイさんは何か知っていますか?」
「はい。それでしたらここに監視カメラをハッキングして3Dデータに起こした船のマップが」
「凄い!じゃあ人質の居場所とか、ヴィランの配置とかは?」
「ええ。そちらも監視カメラと偵察用ドローンのデータリンクでリアルタイムで把握して、レーダーに反映させています」
「素晴らしい!じゃあ避難ボートの位置なんかも?」
「もちろんです。救助用のルート付きでマップに載せています」
「パーフェクトです!素敵!やっぱり祈りって大事ですよね!」
「そ、それほどでも」
 リンカーベルの絶賛に照れるアイ。しかし、その時アイはレーダーの異変に気が付いた。
「あれ?要救助者が消えていく・・・?」
 手元に出したホロディスプレイのレーダーに映していた、要救助者のアイコンが次々と消えていた。自力で逃げたような移動の仕方ではなく、忽然と消えていたのだ。
「他の猟兵の仕業ですかね?」
 二人が頭をひねっていると、
「げへへ。こんなところにもいやがった。二人とも可愛らしいじゃねえか。俺たちと遊ぼうぜえ。」
 囚人服を着たガラの悪そうなヴィランたちがどんどん集まってきた。

●鏡の回廊

 二人が出会った時より、時間は少し遡る。
「なんとも大きな船だな。」
 避難用のボートのすぐ近くに持ち込んだ鏡を置きながら、幼い少女の姿をした猟兵、天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は数百人は乗れようかという威容の豪華客船を見上げ、感嘆の声を上げた。
 「しかし、どうやら悪人どもに襲われている様子……なれば、我が力にて救助するとしよう」
 そう呟くと、百々は持ち込んだ鏡の中にするりと入り込んだ。「神鏡」のヤドリガミである百々は、鏡の中を通じて自在に空間を渡ることができるのだ。このグリーン・ドルフィン号は豪華客船。彼女の能力ならば客室は言うに及ばず、この船の至る所に迅速に移動できるだろう。船の詳細な見取り図などがあればより完璧なのだが、そこまでは望むまい。百々は下の階から順に鏡づたいに移動し、乗客を発見しては、ボートまで誘導する、という手順を繰り返していった。アイのレーダーから乗客たちの反応が消えていったのは、百々が空間を渡って救助活動をしていたからである。
 遭遇したヴィランには破魔の光を当ててすばやく気絶させていく。ヴィラン達は悪しき存在ではあるが、その多くは元人間だ。破魔の光を浴びたヴィランの中には悪の魂だけが浄化され、改心する者も出てくるかもしれない。百々は静かに、だが確実にヴィランたちの戦力を削りつつ客船の人々を救助していった。
 そうこうしているうちに、百々はずいぶん上の階層まで到達した。
「戦の気配がする……誰かヴィラン共と戦っておるのか」
 百々はすぐ近くでの戦闘の気配を感じ取った。激突音や悲鳴や怒号からすると、かなり派手にやっているようだ。
「一般人も巻き込まれているかもしれん。行ってみるか」
 百々は様子を見に行くべく、再び鏡をくぐった。

●さらなる出会い

「アーメン!ハレルヤ!デストロイ!」
「エントロピー・コントロール・プログラム、起動します!」
 鏡をくぐり出現した百々が見たものは、リンカーベルにメイスでボコボコにされたヴィランたちと、アイの電脳魔術で氷漬けになったヴィラン(死なないように顔は勘弁してあげた)たちが山のように積み上げられた姿だった。ちなみに悲鳴を上げていたのはヴィランの方である。
「……加勢は必要なかったようだな。」
 その後、情報交換をした後にパーティを組んだ百々たちは、手分けして乗客の大半を救助することに成功するのであった。なお、避難誘導の際にアイが何もない所で転んでいたのはここだけの秘密である。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

メンカル・プルモーサ
【ワンダレイ】で参加……まずは【夜飛び唄うは虎鶫】を召喚。ガジェットを要救助者の探索へ向かわせる……
ヴィランが狙ってくる可能性を考えて私は避難ボート近くで待機……ヴィラン寄ってきたら【世界鎮める妙なる調べ】で眠らせて無力化……ふん縛ってしまうね…
耐えてくるヴィランは【空より降りたる静謐の魔剣】で縫い止めて動きを止める……
仲間からの通信やガジェットで要救助者の位置を正確に「認識」したら【彼方へ繋ぐ隠れ道】を使い、私の元へ転送する……
…怪我している人が居たら医療製薬術式【ノーデンス】で治療を…
隙を見て船員達と協力して一般人を避難ボートに乗せて船外へと脱出させるよ…最後に船員達を送れば避難完了かな…


アルフレッド・モトロ
【ワンダレイ】出動!
皆!救助の方は任せたぜ!ドンパチやんのは俺の仕事だ!

周りは海!っつーことで【地形を利用】しよう。
アイン(f15171)のナビを聞いて仲間と連携を取りつつ、ヴィラン共を【怪力】で船外に【吹き飛ばし】て、海水浴を楽しんでもらうぜ!

…おっと、ヴィラン船からオカワリが来たら厄介だな?
UC【狂騒海域】でヴィラン船と豪華客船を切り離しておこう。

戦闘中に逃げ遅れた一般人を見つけたら、すぐメンカル(f08301)に連絡!

ある程度片付いたら番長(f01648)と合流しよう。戦闘中なら助太刀に入る!

…ふ〜!暴れた暴れた!久々に潮風に当たって気分も良い!やっぱり海はサイコーだな!


アイン・セラフィナイト
【ワンダレイ】で参加
海の上……一般人に逃げ場所なんてないよ……なんとかしないと。
ボクは船の上空で『黒翼・神羅の鴉羽』で飛ぶことにするよ。

まずは『情報収集』だね。【双翼の聲】で不可視の鴉たちを召喚、ワンダレイの皆に、乗客の場所、ヴィランの場所、避難経路を伝達する。

番長さん(f01648)と艦長さん(f03702)がヴィランを誘い集めたら、上空で【幽世の門】を開け放つ!
幻惑の鴉たちを視認しただけで、ヴィランたちの身体能力は奪われる。氷結の魔弾で完全に無効化するよ!

本当に危なそうな人がいたら、上空から急降下、その人を持ち上げて離脱……とかもできたらいいかな。子供だけになっちゃいそうだけど。


星群・ヒカル
【ワンダレイ】で参加
聞けーッ!おれは泣く子も黙る超宇宙番長の星群ヒカルだ!
泣いてる子はおれが全員助け出して笑顔にしてやるッ!大人もな!

なによりも一般人避難を最優先だ
『パフォーマンス・存在感・鼓舞』で皆を勇気付け、 船外の避難用ボートの下まで速やかに避難誘導するぞ
敵の妨害に対しては『超宇宙・武勇星舞台』で身体能力を上げ、 『地形の利用・ロープワーク』で殺さない程度にコケさせたり縛ったりして逆妨害だ!

げ、まだ敵いっぱいいるじゃねぇかッ
……と、追い詰められたと思ったか?
おれに注目して、他への注意が疎かになるといい
ワンダレイの仲間たちがバッタバッタと敵をなぎ倒してくれるだろうからな!(信頼)



●出動!飛空戦艦ワンダレイ!

「皆!救助の方は任せたぜ!ドンパチやんのは俺の仕事だ!」
「飛空戦艦ワンダレイ」の船長アルフレッド・モトロ(蒼炎のスティング・レイ・f03702)は窓をぶち破り、豪華客船内部へと豪快に突入した。その騒音にヴィラン達が気づかないはずもなく、アルフレッドはあっという間にヴィラン達に取り囲まれた。
「なんだてめえは!野郎共!やっちまえ!」
 ヴィラン達はそれぞれのユーベルコードや飛び道具を使い、一斉にアルフレッドへと襲い掛かる。
「いいぜ、かかってきな!」
 しかし、アルフレッドは肩に担いでいた錨を顔の前でぐるぐると旋回させ、ヴィランたちの放った技を全て弾き返してしまった。
「な、なんだと……!?」
「もう終わりか?ならこっちから行くぜッ!」
 アルフレッドは一番近くにいたヴィランに一瞬で詰め寄ると、片手でヴィランを掴み上げ、自分が破った窓の外へと放り投げてしまった。余りの衝撃にヴィラン達が混乱する中、アルフレッドは自慢の怪力で次々とヴィラン達を船の外へと叩き出していった。
「オラオラァ!たっぷり海水浴を楽しみな!」

●魔法と科学の才媛

「……派手にやってるみたい……」
 客船内に数か所ある避難用ボートのドックへと辿り着いたメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は猟兵達とヴィラン達との戦いが激化していることを感じ取っていた。船から一般人を脱出させるに当たってはドックを抑えるのが必須条件だ。ヴィランたちに一般人の脱出を邪魔される可能性を考慮し、メンカルはここで待機することを選んだのである。
「我が従僕よ、集え、出でよ。汝は軍勢、汝は猟団。魔女が望むは到来告げる七つ笛」
 早速メンカルは客船内を捜索する為、索敵用のガジェットを召喚した。数は250ほどだろうか。ガジェット研究者の一族として名高いプルモーサ家の次女であるメンカルは、ガジェットの専門家だ。ガジェットには熱探知や振動探知・音響探知などの多様な索敵機能に加え、通信機能も付いている非常に高性能なものだ。これを客船内に張り巡らせれば、仲間達と連携して円滑に一般人の救助が行えるだろう。
 メンカルがガジェット達が発進していくのを見送った後、ちょうど巡回役であろうヴィランが数名ドックへと歩いてくる姿が見えた。幸い、こちらにはまだ気づいていない。メンカルは素早く催眠術式を行使する。
『誘う旋律よ、響け、唄え。汝は安息、汝は静穏。魔女が望むは夢路に導く忘我の音』
 どさどさどさどさ。ヴィランたちは何が起こったのかも分からないまま、強烈な眠気に襲われ、皆その場で眠りに落ちた。一応耐えられた時の為に拘束術式の準備もしていたが、どうやら必要なかったようだ。
「……これで一安心……さあ、乗客と船員を探さなきゃ……」

●鴉の網

「海の上……一般人に逃げ場所なんてないよ……なんとかしないと。」
 背中に鴉の黒翼を顕し、空から豪華客船を一望したアイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)は一人呟いた。
「まずは情報収集だね。万象馳せる自在の翼、魔を震わす声を以て羽撃け!」
 自身と五感を共有する99羽の不可視の鴉たちを召喚したアインは鴉たちを客船に放ち、「ワンダレイ」のみんなに、鴉たちが視認した乗客の場所、ヴィランの場所、避難経路を伝達する。メンカルのガジェットとも情報を共有し、ほどなく豪華客船には鴉とガジェットによる情報ネットワークが構築された。

●超宇宙番長降臨!

「聞けーッ!おれは泣く子も黙る超宇宙番長の星群ヒカルだ!泣いてる子はおれが全員助け出して笑顔にしてやるッ!大人もな!」
 客船内に乗り込んだ星群・ヒカル(超宇宙番長・f01648)は一か所に集められた乗客たちを見るや否や、大声で叫んだ。
「ヒーローだ!ヒーローが来てくれたんだわ!」
 その堂々とした振る舞いに、乗客たちは目を輝かせる。ヒカルの登場は乗客たちにとってまさに希望の光となっていた。ちなみに見張りのヴィランはいない。船長が船内で派手に暴れており、そちらの対処にヴィランたちが向かったことを仲間から聞き、タイミングを計った上でここに来たのである。
 ヒカルはロープで縛られた乗客たちを手早く解放すると、メンカルが待機している避難用ボートのドックへと誘導を始めた。しかし、さすがにゴールまで無人というわけにはいかず、途中でヴィランたちとバッタリ出くわした。
「へっへっへ!そこまでだ、ヒーローさんよお!」
 行く手を遮るヴィラン達に対し、ヒカルは乗客たちを安全な距離まで下がらせると、戦闘力を強化する為のユーベルコードを発動した。
「姿を見せろ、ガントバス!超宇宙・『武勇星舞台(チョウウチュウ・ステゴロコスモフロア)』!」
 持ち主の命に従い、超宇宙望遠鏡ガントバスはヒカルの足元に宇宙色の戦士の影を映し出し、ヒカルの肉体の潜在能力を限界以上に引き出した。ヒカルは目にも止まらぬ速さでヴィランたちに迫るや否や、手にした牽引用ワイヤーを使い、一瞬にしてヴィランたちをまとめて縛り上げた。
「さあ、みんな行こう!おれの目が黒いうちは誰も傷付けさせはしないぜ!」

●避難完了

「船内の全ての一般人の避難完了を確認……さすがに疲れた……」
 ワンダレイのメンバーが位置情報を送ってきた一般人の避難用ボートへの転移を続けていたメンカルだったが、最後のグループを無事に避難させ、ようやく一息ついていた。この豪華客船の乗客は数百人規模である。クルーもそれ相応の人数。船に取り残されていた一般人の約半数をテレポートさせたメンカルの疲労は相当だろう。
「あとは、甲板にいる敵だけかな……三人共よろしく……」

●甲板上の掃討戦

 ヴィラン達を蹴散らしながら客船の甲板まで上がってきたアルフレッドは、追いかけてきたヴィランたちを相手に錨を振り回していた。遮蔽物の無い甲板では逃げ場もなく、ヴィラン達は次々と海へと墜落していく。その様子を見ていた、オブリビオンに貰った船に残っていたヴィラン達は増援を送るべく慌てて船を客船へと寄せるが……
「おっと!そうはさせねえぜ!『狂騒海域(ライオット・イン・ブルー)』!」
 アルフレッドはユーベルコードを発動し、海に幾つもの大渦を巻き起こし、潮流を変化さえて船の接近を妨害した。
「おい、操舵手!何をやってる!早く進め!」
「こりゃ無理だ!これ以上進んだら渦に呑まれて船がバラバラになっちまう!」
 ヴィランたちの船はアルフレッドの起こした大渦の前で立ち往生し、増援を送ることは不可能となった。そうしている間にも、アルフレッドは錨を振り回してヴィラン達を薙ぎ払っていく。
 その時、一般人の避難誘導を終えたヒカルが船の甲板に現れた。追ってきたヴィランをぞろぞろと引き連れて。
「げ、まだ敵いっぱいいるじゃねぇかッ」
 甲板に元々いたヴィラン達と、追ってきたヴィラン達。ヒカルはヴィランに囲まれてもはや逃げ場はない。アルフレッドがヴィランを蹴散らしてこちらに向かってはいるが、如何せん数が多すぎる。すぐにはヒカルを援護できないだろう。
 その様子を見てヴィランたちはにやにやと笑いながらヒカルへとにじり寄っていく。
「もう逃げられないぜ……クソガキ……簀巻きにして海に放り込んでやる」
 勝ち誇るヴィランのセリフを聞き、ヒカルはニヤリと笑う。
「……と、追い詰められたと思ったか?上を見てみな!」
「なんだと?」
 その時、船の上空に幻想へと繋がる門が開き、中から現れた光輝く鴉と光弾が降り注ぎ、甲板にいたヴィラン達をまとめて直撃した。
「現実と幻想の境界、逢魔ヶ刻に響く声、その『記憶』だけを幽世に誘え!『幽世の門(ゲート・オブ・ロスト)』!」
 光の鴉を視認したヴィランたちは、動くことを忘れ、そのまま降ってきた光弾に貫かれ、凍結して完全に無力化された。ヒカルはヴィラン達をまとめて倒す為、わざと逃げ回るフリをしてここまで誘導してきたのだ。
作戦が成功し、ワンダレイの三人は笑みを交わす。この場にはいなかったが、ガジェットで戦いの様子を見ていたメンカルも微笑んでいた。
 残るはヴィランの船に残る残党のみ。一般人の避難も完了した今、ヴィランには万に一つも勝ち目は無い。猟兵たちの活躍により、脱獄したヴィランたちは一人残らず捕縛されるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『スペクター』

POW   :    無音致命の一撃
【その時の状況に最適な暗器】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    不可視化マント
自身に【生命力で駆動する姿を隠せる透明化マント】をまとい、高速移動と【自身の気配を掻き消す超音波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    無法の手管
技能名「【恐怖を与える・傷口をえぐる・恫喝・殺気】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

●海底遺跡での戦い

 猟兵達の活躍により、刑務所を脱獄して豪華客船を襲ったヴィランは全て捕縛され、現地の警察へと引き渡された。だが、事件はまだ終わってはいない。猟兵達は破られた海底刑務所……『愚者の迷宮』の奥で魔力を吸収しているオブリビオンを討たねばならない。
 海底遺跡を改造して作られた水中刑務所は、オブリビオンが強引に壁を破ったせいか、至る所が水没していた。ある場所では水中を泳ぎ、また別の場所では歩いて慎重に遺跡の奥へと進む猟兵たちに、新たな脅威が迫る。
「我が主の邪魔はさせぬ。猟兵共よ。この先に進むと言うのならば、我らが鍛えし暗殺術、篤と味わうがいい」
 どこからか。女の声だけが遺跡に響いた。
●二章補足

 二章は海底遺跡での戦闘となります。半ば水没している遺跡なので、水中と陸上の2つの地形が存在します。どちらか好きな方の地形をお選び下さい。
 また、二章のオブリビオンは暗殺者です。遺跡のどこかに身を潜め、猟兵を攻撃する隙を伺っていますので、索敵に関するプレイングは判定にボーナスを加えます。
 以上です。皆様の熱いプレイングをお待ちしております。
オルカ・ディウス
☆★
■心情
ふん……海底遺跡を改造した刑務所か
思うところがない訳ではないが、我はジャスティス・ウォーを経てヴィランを止めた身、水に流しておこう
だが、オブリビオン共に対しては別だ……これ以上の狼藉、許す訳にはいかんな

■戦闘
地形は陸上……もっと言えば海底遺跡内を選ぼう
オブリビオンが暗殺者だというのなら、どの道仕掛けてくる際を狙うしかあるまい
敵の攻撃の察知は技能【第六感】に任せるとしよう。反応してもしなくてもそれでよい
なぜなら、遺跡内のものを利用して大神海を返しに叩きつけるからだ
さぁ、覚悟しろ



●海神領域

「ふん……海底遺跡を改造した刑務所か」
 オブリビオンを追い、愚者の迷宮へと侵入を果たしたオルカ・ディウス(神海戦姫・f16905)は遺跡の回廊を堂々と歩いていた。オルカはかつて、【侵略者の時代】に文明の発達によって自身の眠りが妨げられたことに怒り、ヴィランとしてヒーローたちと戦ったことがある。遺跡を改造して現代風の刑務所に仕上げたというこの海底遺跡にも思うところがない訳ではない。
「だが我はジャスティス・ウォーを経てヴィランを止めた身、水に流しておこう。だが、オブリビオン共に対しては別だ……これ以上の狼藉、許す訳にはいかんな」
 黒幕を守り、行く手を阻むオブリビオン達は明らかに暗殺者だ。居場所が分からない以上、どの道仕掛けてくる際を狙うしかあるまい。第六感に任せて攻撃を察知し、後の先を取れば良い。それが暗殺者達に対してオルカの下した判断だった。オルカが臆さず通路の真ん中をずんずん進んでいると、やがて、微かに肌が泡立つ感じがした。--来る。
 狭い通路を歩くオルカに向かって、前後から大量のナイフが飛来する。狭い通路を歩いていたオルカに逃げ場はなく、都合よく盾になるようなものもない。オルカが串刺しになる運命は必定かと思われた。だが。
「これよりここは我が神域!荒ぶる海よ、吠えたてろ!」
 叫び声と共に、オルカを包むように顕現した神代の海による水流の壁が飛んできたナイフの勢いを全て殺し切っていった。遺跡の壁を材料として取り込んで辺りの空間を丸ごと超次元海域へと変化させたオルカは、暗殺者たちの攻撃を全て遮ると同時に、暗殺者の居場所をも把握する。超次元海域こそはオルカの領域だ。その内部にいる敵の居場所を感知することぐらいは容易い。だからこそ、オルカには暗殺者の居場所を探る必要などなかったのだ。ただ、向こうが仕掛けてくる時を待てば良かった。
 オルカは暗殺者たちに向けて、逃れようのない規模の波濤を叩きつけた。
「さぁ、覚悟しろ!『大神海』(ゴッデス・オケアノス)!!」
 不遜にも神の首を狙った愚かなオブリビオンの暗殺者たちはまとめて激流に呑まれ、オルカの視界に映ることさえ無く骸の海へと還っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

天御鏡・百々
【陸上】★☆

元凶となるオブリビオンは海の底の遺跡の奥か
手遅れになる前に、討伐するとしよう

海の水にはあまり触れたくないな
なるべく陸地を選んで進むとしようか
(本体の神鏡が濡れないように、本体をオーラ防御で覆う)

どうやら敵が潜んでいる様子
なれば……数での対処といこうか
手に持つ人形の左右に鏡を召喚し
合わせ鏡に映った人形部隊を鏡の中から呼び出そう
我の周囲を囲うように布陣させ、全周を警戒させるぞ

我が第六感10も合わせて警戒し
敵を発見したら人形部隊を殺到させるぞ
殺気や恐怖も人形相手には効かぬ

●神鏡のヤドリガミ
●アドリブ連携歓迎



●雛祭り

「元凶となるオブリビオンは海の底の遺跡の奥か。手遅れになる前に、討伐するとしよう」
 天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)はオブリビオンによって破られた海底刑務所へと足を踏み入れた。この奥で黒幕のオブリビオンは今も魔力を吸収しているはずだ。だが、そこに辿りつく為には先に配下の暗殺者達を退けなければならないようだ。
「海の水にはあまり触れたくないな」
 壁を破壊されたことによる浸水で半ば水没している遺跡ではあるが、百々は極力陸地を選んで進んだ。神鏡のヤドリガミである百々にとって、海水は鬼門である。本体が錆びてしまってはたまらない。百々は神鏡の周囲にオーラで防御結界を張り、水気を弾きながら進んでいった。百々はある程度進んだ時、刺すような視線を感じとった。そう遠くない場所から誰かに視られている。人に見られるのが仕事である鏡という出自から、人一倍視線に敏感な百々は、暗殺者たちの気配を研ぎ澄まされた第六感ではっきりと感じ取った。
「どうやら敵が潜んでいる様子……なれば……」
 敵の数は4人、いや、5人か。気配を殺しているつもりなのだろうが、百々にはお見通しである。
「数での対処といこうか」
 百々は1対の雛人形のような和人形を両手に持つと、人形を挟むように左右に丸い鏡を召喚した。合わせ鏡が無限に奥へと続く回廊を映し出す。鏡に映る人形達も、鏡の世界の奥へと果てない行列を作り出していた。
「我が眷属、合わせ鏡に果てなく映りし鏡像兵よ、境界を越え現世へと至れ。」
 百々が呟くと、合わせ鏡の内側から百々の手にした人形達と寸分違わぬ人形が次々と溢れ出た。どこから調達したのか、弓矢や薙刀、を構えている。火縄銃や日本刀で武装した者もいる。鏡像の人形部隊が集まり、武器を構えて百々の全周を守るように並び立つ姿はまるで合戦の小さなジオラマのような光景であった。
 百々と合わせ鏡の人形部隊は陣形を崩さないまま、じりじりと慎重に遺跡の奥へと歩を進めていく。やがて、先頭を歩いていた斥候役の人形が「敵を見つけた」と主に身振り手振りで合図を送った。
「行け!」
 百々が号令をかけると、人形たちが曲がり角の奥に隠れ潜んでいた暗殺者達へと殺到する。鉄砲隊の火縄銃が火を噴き、弓兵達の矢の雨が降り、槍を手にした人形達が次々と突撃していく。先手を取られた暗殺者達は殺気を迸らせ、人形兵を威嚇する。殺気を矢のように飛ばして敵を怯ませ、その隙に命を断つ。彼女たちが生前属していた組織に伝わる『無法の手管』と呼ばれる暗殺術の一つである。たかが小さな人形。殺気に怯んだ隙に蹴散らしてやろう。だがーー。
 百々の人形兵たちは微塵の動揺も見せずにそのまま突き進んできた。
「!?」
 暗殺者達に動揺が走る。その隙を突き、逆に人形兵達が暗殺者達へと殺到し、猛烈な包囲攻撃を仕掛けた。
「殺気や恐怖も人形相手には効かぬ!」
 当然だ。人形が恐怖を感じるはずがない。小人と人形の区別がつかなかったことが暗殺者達の命運を分かつことになった。
「ぎゃああああ!!!」
 無数の人形兵たちに包囲され、逃げ場をなくした暗殺者達は絶叫を上げ、圧倒的な兵力差の前に成す術も無く散っていったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リンカーベル・ウェルスタッド
☆★
……ええと、暗殺者なんですよね?
天国の入り口で経典を売るかのようで恐縮ですが……。
猟兵が先に進まない訳ないのですから、問答無用で殺す方がいいと思いますよ?
それとも、割といいお方なのですか?
だとしたら残念です。処刑しないとならないなんて。

などと無駄口を叩きながら周囲の地形の確認を行います。
陸上戦を選びましょう。
まあ、UCで飛ぶのですけれどね。
空中から視力と暗視を活かし、射線が通りそうな所や不自然な影を探します。
加えて自分が暗殺するならどうするか、冷静に判断しながら動きます。

基本的には弓で狙撃したり援護したり。
接近されたら仕方ないので、痛みに耐えながら近接武器でアーメンハレルヤデストロイです!



●天より降り注ぐ神罰の矢?

「我が主の邪魔はさせぬ。猟兵共よ。この先に進むと言うのならば、我らが鍛えし暗殺術、篤と味わうがいい」
「……ええと、暗殺者なんですよね?」
 どこからか聞こえてきたオブリビオンたちの宣戦布告に、リンカーベル・ウェルスタッド(ルーベル・アニマ・f01718)は困惑するように呟いた。
「天国の入り口で経典を売るかのようで恐縮ですが……。猟兵が先に進まない訳ないのですから、問答無用で殺す方がいいと思いますよ?それとも、割といいお方なのですか?だとしたら残念です。処刑しないとならないなんて。」
 リンカーベルはオブリビオン達を挑発するように軽口を叩きながら、周囲の地形を確認する。通路は入り組んでいるが、遺跡の天井は4,5メートルの高さがある。『上』を通れば途中までは迷宮の構造を無視して進めそうだ。
「私は殺し、また生かす。私は傷つけ、また癒す――と、神様が言っています。『白き翼を此処に(アラエ・アルバエ)』」
 うろ覚えの経典の中のお気に入りの一節を詠唱しながら、リンカーベルは頭から聖水(自動販売機で買った水を自分で祈って聖別したもの)をかぶり、脳内で暗殺者の処刑シーンを思い浮かべる。すると、リンカーベルの体がなんとなく神聖な気がする光に包まれ、宙に浮かび上がった。天上すれすれまで上昇したリンカーベルは 空中から射線が通りそうな所や不自然な影を探した。遺跡の内部は薄暗かったが、目が良い上に夜目も効くリンカーベルは、泥棒顔負けの目敏さを発揮して通路の影で獲物を待ち構えているオブリビオン達を発見することに成功した。
(もし、私がもし暗殺者なら、出会い頭に必殺の一撃を叩き込んで相手に反撃する隙を与えずに倒します。なら、こちらから先に仕掛けて乱戦に持ち込んでしまいましょう)
 幸い、オブリビオン達は天井すれすれを飛ぶ自分にはまだ気づいていない。リンカーベルは灰色熊でも一撃で仕留められそうな大型の弓矢を取り出すと、オブリビオンの一体に向けて躊躇無く矢を放つ。命中。胴体に矢の直撃を受けたオブリビオンは一撃でバラバラになった。ちなみに破魔矢とかそういうのではなく純粋な運動エネルギーによる破壊力である。
「おのれ!よくもフレディを!」
 仲間を失ったオブリビオン達は上空にいるリンカーベルに向かってダガーを一斉に投げつけた。しかし、高速で飛翔するリンカーベルは飛来するダガーの雨を難なく躱し切る。今度はこちらの番だ。
「アーメン!ハレルヤ!デストロイ!」
 雄叫びと共にリンカーベルは手にした剛弓から次々に矢を放ち、翼を持たないオブリビオン達を一方的に殲滅したのであった。合掌。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイ・リスパー
★☆
「水没した遺跡ですか……
うう、私、泳げないのですが……」

こ、こうなったら、なるべく水に入らなくて済むルートを進みましょう……

「って、あ、暗殺術ですかっ!?」

どこからともなく聞こえてきた声に焦ります。
援護役の電脳魔術士としては、近接戦闘とか不意打ちとかは相性が悪いのですっ!

「し、仕方ありませんっ!」

敵の不意打ちを避けるため、水没した通路を潜って進みます。
泳げないですが、通路の出口までならっ!

水没した通路を抜けた先で、敵が追ってくるのを待ち伏せます。
濡れた状態なら相手が姿を消していても痕跡が残るはずっ!
敵が現れたら【マックスウェルの悪魔】による冷気で濡れた敵を氷漬けにしてあげましょうっ!



●電脳天使は泳げない

「水没した遺跡ですか……うう、私、泳げないのですが……」
 カナヅチの、もとい、電脳魔術師の猟兵アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)は困っていた。彼女は泳げないのだ。水陸両用戦車を持ってはいるが、ここでは狭すぎて使えない。仕方なく、水に入らずに済むルートを探して迂回しながら陸路で進んでいると、先行させていた偵察用ドローンが拾ったオブリビオンらしき者の声が聞こえてきた。
「我が主の邪魔はさせぬ。猟兵共よ。この先に進むと言うのならば、我らが鍛えし暗殺術、篤と味わうがいい」
 その声を最後に、ドローンからの通信が途絶えた。どうやら破壊されてしまったらしい。このまま進めば高確率で暗殺者のオブリビオンと鉢合わせするだろう。近接戦闘を不得手とするアイはあせり始めた。相手が手練れの暗殺者ならば、敵に気が付いた時には胴体と頭部が泣き別れになっていました、などという事態になりかねない。それはなんとしても避けなければ。
「し、仕方ありませんっ!」
 敵の不意打ちを避けるため、アイは水没した通路を潜って進むことにした。すうっと大きく息を吸い込み、ペンギンのペンダントを握り締め、意を決して水に飛び込む。
(泳げないですが、通路の出口までならっ!)
 華奢な手足をばたつかせ、犬かきで必死に水中を進むアイ。なんとか通路を抜け、通路の向こう側へと到達した時にはすっかり濡れネズミになっていたが、この際仕方がない。さすがに道の真ん中で水着に着替えるわけにはいかないし。アイは目立たぬ場所に伏せて身を隠し、追ってくるであろう暗殺者達を待ち伏せた。
 ざぱんっ!水が跳ねる音がした。
「そこです!『マックスウェルの悪魔(マックスウェル・デモン)』!」
 アイは電脳魔術で瞬時に周囲の温度を極低温まで低下させ、通路の入り口の空間を丸ごと氷の壁で埋めた。逃げ場の無かった暗殺者達はまとめて氷に閉じ込められてしまった。暗殺者達は念の為に透明化して気配を断っていたのだが、人型に押しのけられた水がアイに暗殺者の輪郭を教えてくれた。アイの作戦勝ちである。しかし一つだけアイが失念していたことがあった。
「くちゅん!」
 水に濡れた状態のまま氷結魔法を使ったせいで、アイの体は急速に冷えてしまったのである。辺りに可愛らしいくしゃみが響き渡った。

成功 🔵​🔵​🔴​

星群・ヒカル
☆【ワンダレイ】で参加
水中戦なんて初めてだが、艦長も一緒なら安心だなッ
それにおれにはこの『超宇宙学生服』がある
密閉環境が大事なのは宇宙と同じだ
宇宙空間に対応するモードにすれば水中にも対応できる!
あらかじめ通信機を口元につけておいて、艦長に話しかけられるようにしておこう

陰にコソコソと隠れた野郎どもを見つけ出せばいいんだな、だったらこのおれに任せろ!
『超宇宙望遠鏡・析光形態』をつかえば、どんなに姿を誤魔化していても敵の姿を捉えることができるだろう
あとは艦長にそれを伝え、苛烈な攻撃を繰り出してもらおう
おれは『ロープワーク・地形の利用・早業』で、ワイヤーで敵の動きを抑えて援護していくぞ!


アルフレッド・モトロ


【ワンダレイ】で参戦!

俺は水中担当だ。伊達に26年も海産キマイラやってないぜ!
皆と連携がとれるよう通信機を受け取って装備しておく。

【力を溜め】ながら番長(f01648)からの指示を待って、
敵の位置が分かり次第UCを爆発させる。
その時の瞬間的な推進力で、強烈な【捨て身の攻撃】をブチかますぜ!
えーっと…ほら、水中のロケット花火みたいな感じ!
せっかくの水中戦だし【地形を利用】しないと勿体ないじゃん?
急な方向転換でなかなかトリッキーな動きもできそうだ。
敵の攻撃もこれで避けよう。

番長と連携しつつ、即席ロケット花火からの蹴り・タックル等で攻撃だ!
秘儀!水中爆裂ワンダレイキックを食らえ!


アイン・セラフィナイト
☆【ワンダレイで参加】【陸上】
目に見えない暗殺者か。いつ後ろを取られるか分からないね。ここは……ボクの使い魔の出番だね。

【魔を滅ぼせ、我が神烏】を発動、『神羅』に周辺全てを覆い尽くす鴉羽の刃の怒涛を発生させてもらって……『万象』にお願いして周辺を看破の力で索敵してみるよ。
鴉羽が暴れる一角、明らかに羽根の動きがおかしい場所が発生するはずだ。
そこを狙って、鴉羽の刃とボクの魔法の光弾を叩き込む。(『動物使い・範囲攻撃・全力魔法』)

支援は【無銘の書】のUCで敵の『無法の手管』を複製、周辺に恐怖を込めた魔力の波動を撒いて足止めするね。(『恐怖を与える・恫喝・殺気』)


メンカル・プルモーサ
ワンダレイ】で参加。
んー…目に見えないと言っても……やりようはあるかな…【夜飛び唄うは虎鶫】でガジェットを召喚。各種センサー…振動センサーやソナーにより暗殺者の位置を特定・情報を共有するよ……
そして、【縋り弾ける幽か影】による自爆ガジェットを展開…撃破の必要な暗殺者を追尾、触れたら自爆させるよ……
遅発連動術式【クロノス】により、オブリビオンやその攻撃をトリガーに【煌めき踊る銀の月】の発動で自動迎撃するように仕込んでおく…全部が全部発見・撃破出来るとも限らないし……

……さて、ボスは魔力を吸収してるから流れを追えばボスにたどり着けそうだね……



●見えざる刃を打ち砕け!

 ヒュン。遺跡の暗がりから飛来した数本の片刃の短剣が、先頭でワンダレイのメンバーを先導していたアルフレッド・モトロ(蒼炎のスティング・レイ・f03702)を襲った。
「艦長!危ないッ!」
 しかし、それらの短剣は星群・ヒカル(超宇宙番長・f01648)が振り回したワイヤーによって全て叩き落された。彼の驚異的な第六感が不意打ちで放たれた短剣を捉えていたのだ。不意打ちに失敗したオブリビオン達は舌打ちし、再び遺跡の奥へと身を隠した。
「ありがとよ!……今、何も無いところから飛んでこなかったか?」
 ヒカルに礼を言うアルフレッドだが、どうにも腑に落ちない点があった。確かに暗がりからの攻撃ではあったが、さすがにオブリビオンの姿があれば攻撃の予兆に気づけたはずだ。
「どうやらこの遺跡に潜むオブリビオンは気配を消す能力を持っているようだね。単なる透明化じゃない。それなら神羅か万象が足音で気づいたはずだ」
 アイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)の言葉に、肩に乗っていた鴉、神羅が主に答えるようにカァと鳴いた。
「気配が無いときたか。そいつは厄介だな。みんな、何か良い作戦は無いか?」
 アルフレッドはワンダレイのメンバーに問いかけた。
「んー…目に見えないと言っても……やりようはあるかな…」
 船長の言葉に、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は呟いた。
「我が従僕よ、集え、出でよ。汝は軍勢、汝は猟団。魔女が望むは到来告げる七つ笛」
 メンカルが呪文を詠唱すると、召喚の光の共に振動センサーやソナー、魔力感知センサーなどの各種センサーを持つ探索用ガジェットがずらりと並んだ。
「生物は騙せても機械までは騙せないはず……」
 オブリビオンがどんな手段で気配を消しているのかは不明だが、光学迷彩なら振動センサーやソナーまでは誤魔化せないはずだ。もし仮にオブリビオンが実体の無い幽霊だったとしても、それならそれで魔力センサーには引っかかる。
「ならボクも。いくよ、『神羅』『万象』!ボクたちの魔法、見せつけてやろう!」
 アインの呼びかけに応え、神羅が「カァーッ!」と一鳴きすると、空間が裂け、中から大量の鴉の羽根が溢れ出る。それと同時に、魔力に隠れていた白い鴉・万象も姿を現した。
「神羅はこの鴉刃をドーム状に展開したまま維持してくれ。万象は『看破』の力で羽根の中をよく見張ってほしい。明らかに羽根の動きがおかしい場所が発生するはずだ。」
 神羅が操る鴉の羽根はただの羽根ではない。一枚一枚が鋼鉄をも切り裂く研ぎ澄まされた刃だ。オブリビオン自体の姿は見えなくとも、羽根を防御する為、何らかの行動を取ればその居場所が導き出されるという計算である。
「オブリビオン達は水中に潜んでるかもしれないから、そっちは艦長に任せていいかな?」
「分かった。水中戦なら得意だ。任せとけ」
 アインの言葉に、アルフレッドは力強く頷く。海産キマイラであるアルフレッドならば水中戦も問題なくこなせるだろう。むしろ陸よりも強いかもしれない。
「じゃあ俺が艦長の『目』になるぜッ!おれにはこの『超宇宙学生服』がある。密閉環境が大事なのは宇宙と同じだ。宇宙空間に対応するモードにすれば水中にも対応できるッ!」
 ヒカルも水中の捜索担当に名乗り出た。ヒカルは水中戦自体は初めてだが、艦長とヒカルのコンビネーションならばオブリビオンに遅れなど取らないだろう。
「……決まりだね。私とアインは地上からオブリビオンを探す。艦長と番長は水中をお願い。はい、これ通信機」
 メンカルから通信機を受け取ったヒカルとアルフレッドは水中へと飛び込んでいった。さあ、作戦開始だ。

●星の目と水中ロケット

「水中戦なんて初めてだが、艦長も一緒なら安心だなッ!陰にコソコソと隠れた野郎どもを見つけ出せばいいんだな、だったらこのおれに任せろ!」
 アルフレッドと共に水中に飛び込んだヒカルは不敵に笑う。
「この超宇宙番長の目を、欺けると思うなッ!」
 ヒカルは超宇宙望遠鏡・析光形態(ガントバス・スペクトルモード)を発動した。秘められた魔眼の力が発動し、ヒカルの瞳に星の模様が浮かび上がる。視た事象を超観測し真実を導く『星の目』ならば、どんなに姿を誤魔化していても敵の姿を捉えることができる。辺りを縦横無尽に泳ぎ回り、姿を隠して水中に潜んでいたオブリビオンの姿を見事に見つけ出したヒカルは、超宇宙学生服の内側に仕込んだ通信機でこっそりとアルフレッドにオブリビオンの居場所を伝えた。
「あそこだな!いくぜぇえええええええええ!」
 力を溜めてヒカルの指示を待っていたアルフレッドは水中花火の如く紅蓮の炎を両足から放出し、得た推力でオブリビオンへと突っ込んでいった。
 水中銃を構え、猟兵達を待ち構えていたオブリビオンは、魚雷のような凄まじい勢いで真っすぐに自身に突っ込んできたアルフレッドを見て目を見開く。慌てて回避するべく、身を翻すがーー。
「!?」
 アルフレッドの突撃と同時に、ウミヘビのようにうねりながら迫るワイヤーがオブリビオンの四方を取り囲み、その逃げ道を防いでいた。ヒカルの放ったワイヤーによる檻である。
「くらええええええ!」
 逃げ場を失ったオブリビオンはアルフレッドの突撃を背中に受け、木っ端微塵に吹き飛んだ。その衝撃音を聞きつけたオブリビオン達が次々と集まってくる。
「艦長、周りにまだまだいるぜッ!」
「上等だ!いくらでも来い!番長!ナビゲートは任せたぜ!」

●忍び寄る暗殺者の長

「忍び寄る破滅よ、潜め、追え。汝は炸裂、汝は砕破。魔女が望むは寄り添い爆ぜる破の僕。『縋り弾ける幽か影(ステルス・ボム)』」
「魔を滅ぼせ、我が神烏(レイヴンズ・スペル)!」
 アインの光弾が閃き、メンカルの自爆兵器の爆炎が舞い上がる。アインの鴉刃の結界とメンカルの探索ガジェットによって居場所をあぶり出されたオブリビオン達は次々と撃破されていく。居場所を晒された暗殺者達はもはや二人にとって脅威ではなくなっていた。だがーー。
 突然音も無く天井から降ってきた一体の女性の暗殺者がその細い首を切り裂かんと、腕に仕込んだ刃を振り上げてメンカルに背後から襲い掛かった。暗殺者のオブリビオン「スペクター」達のリーダーであった彼女だけは、神羅の放った翼の刃を全てすり抜け、ガジェットのセンサー類も全て掻い潜っていたのだ。スペクター・リーダーが放った必殺の刃が閃いた次の瞬間、夥しい量の鮮血が辺りに飛び散った。
 しかし、その鮮血はメンカルのものではなかった。勝利を確信したスペクター・リーダーだったが、ずたずたに切り裂かれ、血を流して倒れたのはメンカルではなく彼女の方だったのだ。何が起こったのか?
「魔書よ!恐怖の波動を放て!」
 今まさにメンカルに襲い掛からんとするオブリビオンを発見したアインは、咄嗟に暗殺者のユーベルコードを写し取った魔書に攻撃を命じた。自身らが扱う、『無法の手管』を受けたスペクター・リーダーは一瞬静止し、その隙にメンカルの反撃を叩き込まれることとなった。
『煌めき踊る銀の月(ダンシング・ムーン)』。メンカルはオブリビオンが発見できなかった時の保険として、遅発連動術式【クロノス】によって自身の杖を花びらの刃の群れへ変えるユーベルコードを発動待機状態にしていたのだ。
 単分子の刃に全身を切り刻まれたオブリビオンは塵となって消えていった。傷一つないメンカルの姿に安心したアインは安堵の溜息をつく。
「……ふう。無事で良かった。」
「……ありがとう。……さて、ボスは魔力を吸収してるから流れを追えばボスにたどり着けそうだね……」
 危機を脱した二人は微笑みを交わした。
「……二人とも無事か?こっちは片付いたぜ!」
 ちょうどその時、艦長からオブリビオン撃破の連絡が入った。いよいよ決戦の時が近いようだ。
 こうして、暗殺者達を壊滅させたワンダレイは黒幕に引導を渡すべく、遺跡の最深部へと進んでいくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『シュヴェルマー・ザ・プロフェッサー』

POW   :    バイオレンス・インジェクション
【自身が開発した薬を注射して筋骨隆々の巨体】に変形し、自身の【理性】を代償に、自身の【攻撃力と耐久力および攻撃範囲】を強化する。
SPD   :    デストラクティブ・サイクロン
【両腕を大きく広げ高速回転する事により竜巻】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    「行けィ!ワガハイの忠実なるシモベたちよ!」
【高い知能を持つ十一匹の猿の軍団】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

●再び自然の秩序を

 猟兵達は遺跡に潜む暗殺者達を退け、ついに遺跡の最深部・「核のクリスタルの間」へと辿り着いた。愚者の迷宮で最も重要な場所である為か、さすがにここは水没してはいなかった。
「やはり現れたか。猟兵共」
 核のクリスタルから魔力を吸収していたゴリラのオブリビオンは猟兵達の方へ振り向くと、着ていた白衣を脱ぎ捨て、拳法のような構えを取った。
「私はこの遺跡の魔力を手に入れ、この世界をあるべき原初の姿に戻す。誰にも邪魔はさせん!」
 
フローリア・ヤマト
「ウホウホうるさいわね…!」
そう言いながらゴリラと戦闘に入るフローリア。
刀を影で纏いながら戦うが、あえて隙を見せて一撃を受ける。
彼女を覆った影・黒繭(コクーン)はどんな攻撃も通さない。
しかし繭の状態では攻撃もできない…が。
「繭って孵化する為のものなのよ」
繭がひび割れ、出てきたフローリアは蝶へと変身していた。
紋黒蝶(ウィークフェイカー)の能力。
「ゴリラに捕らえられるかしら?」
空を舞い、滑空しながら攻撃を繰り出す。
体力を削り続けるフローリアだった。

(能力で出た猿軍団との戦闘でも大丈夫です!)



●呪われし蝶

「我が名はシュヴァルマー!ワガハイはこの世界に原初の秩序をもたらす者!人類は文明を発達させ過ぎた。自らも滅ぼすほどに。破滅に向かうこの世界を救う為、大地の掟こそが必要なのだ!」
「ウホウホうるさいわね…!」
 演説を始めたシュヴァルマーの下へ、ざわざわと蠢く黒い影を纏った少女が躍り出る。その手には飾り気の無い倭刀が握られていた。名はフローリア・ヤマト(呪いと共に戦う少女・f09692)。彼女が右手にしている指輪からはゆらゆらと禍々しい影が飛び出している。影の正体は彼女を蝕む指輪の呪いだが、フローリアは両親した受け継いだ聖なる力で呪いを抑え込み、己の武器としていた。フローリアは影を刀へと纏わせ、シュヴァルマーへと横一文字の居合を放った。フローリアの放った鋭い斬撃は、直撃すればシュヴァルマーの体を深々と切り裂くだろう。だがーー。
 シュヴァルマーは放たれた斬撃に対し、左腕を犠牲にし、あえて彼女の間合いの内側へと踏み込むことでダメージを最小限に抑えていた。左腕には深々と刃が食い込んでいたが、切断には至っていない。
「ぬおお!」
 シュヴァルマーは雄叫びと共に、フローリアを蹴り飛ばし、態勢の崩れたフローリアへと渾身の拳打を繰り出した。刀はまだシュヴァルマーに刺さったままだ。フローリアにシュヴァルマーの拳を防御する術はない!
 はずだった。しかし、シュヴァルマーの拳が触れる瞬間、指輪から放たれた黒い影がぐるぐるとフローリアに纏わりつき、シュヴァルマーの拳を弾き返していた。
『黒繭(コクーン)』。彼女の指輪の呪いの力で敵の如何なる攻撃をも遮断する球状の防御壁を作り出すユーベルコードだ。
「破れるものなら破ってみなさいよ」
 フローリアの挑発に乗り、シュヴァルマーは己の肉体と拳法を駆使し、猛烈な拳打と蹴りの連撃を叩き込む。その激しいラッシュは常人なら挽肉になってしまうのではないかというほどの猛攻だったがーー。
「ぬおおおおッ!!」
 しかし、繭は傷一つ付かなかった。彼女を覆った影・黒繭(コクーン)はどんな攻撃も通さない。しかし繭の状態では攻撃もできない…が。
「繭って孵化する為のものなのよ」
 繭がひび割れ、中から出てきたフローリアは黒い羽根を持つ美しい蝶へと変身していた。
『紋黒蝶(ウィークフェイカー)』。全身を指輪の呪いが生み出した黒い蝶の羽で覆い、飛翔する能力だ。その禍々しくも美しい姿にシュヴァルマーは。
「美しい……」
 思わず、溜息を吐いていた。
「あら、見惚れてる場合?」
 その隙を突き、フローリアはシュヴァルマーの左腕に刺さったままだった刀を強引に引き抜き、奪い返した。
「ぐおおおッ!!!」
 武器を取り戻したフローリアは高速で飛翔しながら、シュヴァルマーの周りを飛び回り、全身を切り刻む。
「ゴリラに捕らえられるかしら?」
 フローリアは空を舞い、滑空しながら攻撃を繰り出す。そのスピードはどんどん加速していく。速く。さらに速く。その余りの速さにシュヴァルマーは急所を隠し、防御に専念し続けるのがやっとだった。
 倒れるまで切り刻んであげる。黒い蝶となったフローリアは体力の続く限り翔び続けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

オルカ・ディウス
★☆
■心情
貴様の事情等知ったことか
その行いは、我が民の眠りを妨げるから妨害するのみよ
覚悟しろオブリビオン……この海での狼藉、これ以上見過ごす訳にはいかん
『神の怒りを知るがいい!』

■戦闘
やることはシンプルだ
技能【念動力】と超次元海域を叩きつけることによる技能【属性攻撃】で敵の動きを抑え、神海波動撃をその顔に叩き込むだけよ
敵の攻撃?多少は痛かろうが気にせず攻撃をしよう


天御鏡・百々
★☆
このような迷宮の奥底に潜もうとも
我ら猟兵は見逃さぬ!
我らが来たからには、貴様の企みもここまでだ!
すぐに討伐してくれようぞ!

『巫覡載霊の舞』を使用し、光を纏って敵に切り込むぞ
敵が召喚したシモベの猿の軍団は
真朱神楽(武器:薙刀)にてなぎ払ってくれる!(なぎ払い26)
防御は神霊体によるダメージ権限とオーラ防御64の障壁で行うぞ

配下を撃破したならば、そのままオブリビオンへ攻撃だな
筋肉の鎧の隙間を穿ち、致命の傷を与えてやろう(鎧無視攻撃5)

●神鏡のヤドリガミ
●アドリブ連携歓迎



●二柱の神

「ぬおおッ!」
 防御の姿勢を取り、じっと猟兵の攻撃に耐えていたシュヴァルマーだったが、攻め手の体力が落ちてきた隙を突き、裂帛の気合と共に床を強く蹴って距離を取り、部屋の奥へと避難することで仕切り直しを計った。だが。
「このような迷宮の奥底に潜もうとも我ら猟兵は見逃さぬ!我らが来たからには、貴様の企みもここまでだ!すぐに討伐してくれようぞ!」
「覚悟しろオブリビオン……この海での狼藉、これ以上見過ごす訳にはいかん」
 すかさず様子を見ていた「神」を出自とする二柱の猟兵……ヤドリガミの天御鏡・百々と海神戦姫オルカ・ディウスがシュヴァルマーを追撃する。
「……このままでは不利か。ならば。行けィ!ワガハイの忠実なるシモベたちよ!」
 シュヴァルマーの叫びと共に、空間の裂け目から大柄な黒い猿の軍団が飛び出した。オラン・ウータンと呼ばれる種類の猿だろうか。
「ウキャーーーーー!!!」
 シュヴァルマーに呼び出された十一体の猿達は、主を守るように陣を組んだ。防御陣形を取った猿達の下に、百々は朱色に塗られた薙刀・「真朱神楽」を振り上げ、眩い光を放ちながら飛び込んでいく。猿達は多勢で百々を殴りつけるが、神霊体となった百々の神々しいオーラの壁に阻まれて攻撃は届かず、逆に百々の放った薙刀から放たれる衝撃波で次々と吹き飛ばされていった。光り輝きながら身の丈ほどもある薙刀を軽々と振るう百々の姿は、神仏に捧げる奉納の舞を想起させた。
 百々が猿の軍団を薙ぎ倒していた間、シュヴァルマーは百々と同時に飛び込んできたオルカと対峙していた。
「喰らえィ!我が旋風を!」
 シュヴァルマーは両腕を大きく広げて高速回転した。『デストラクティブ・サイクロン』。両腕を高速回転させることで竜巻を発生させ、広範囲を薙ぎ払うユーベルコードだ。今発動すればオルカと百々を初めとする猟兵達をまとめて巻き込むことができるだろう。しかしーー。
 シュヴァルマーの竜巻は、オルカが生み出した「竜巻と逆回転の超次元海流」によって生成途中でかき消されていた。
「貴様ーッ……!」
 激昂したシュヴァルマーはオルカへと拳を振り上げ、接近戦を挑んだ。
「ワガハイの理想を阻む者は例え神々であろうとも許さぬ!」
 オルカは念力でシュヴァルマーの体を抑えつけるが、怪力を誇るシュヴァルマーはそれでもなお止まらない。その鋭い拳打がついにオルカを捉えんとするがーー。
「グホォー!?」
 シュヴァルマーの拳がオルカに触れる直前、猿の軍団を片付け終わり、飛び込んできた百々の薙刀がシュヴァルマーの背中を深々と刺し貫いていた。鎧のような筋肉の隙間を通し、心臓を狙った一撃だったが、シュヴァルマーは野生の勘で体をひねり、かろうじて急所は避けたようだ。
「部下達は先に逝ったぞ。あとはお主だけじゃ!」
「おのれェ……!あくまで我が道を阻むか、猟兵共!このまま人間に好き放題させていては世界は滅び去るということがなぜ分からん!?」
 シュヴァルマーはごぶりと口から血を吐き出しながら、怒りに満ちた眼で百々とオルカを睨みつけ、絶叫した。
「貴様の事情等知ったことか」
 オルカはシュヴァルマーの怒りを一蹴した。オルカの体はその神威により蒼く輝いている。津波が来る直前の海面のように、オルカは静かな怒りを湛えていた。今こそ裁きの時だ。文明の全てを破壊し、世界を零に戻さんとするシュヴァルマーの野望は、かつてオルカが愛した古代都市に眠る魂達の安らぎをも奪うものだ。猟兵としても、海底都市『ニーラ・カーナ』の守護神としても、決して許すわけにはいかない。
「神の怒りを知るがいい!『神海波動撃(テテュース・インパクト)』!」
「グホォッ!」
 顔面に海神の怒りを叩き込まれたシュヴァルマーは勢いよく吹き飛ばされ、壁へと叩きつけられた。シュヴァルマーがオルカと百々から受けたダメージは大きい。奇しくも共闘することとなった異なる世界の神々は初めて微笑みを交わした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アイ・リスパー
★☆
「ここは水没していないようですね。よかったです。くちゅんっ」

うう、早く帰って温かいシャワーを浴びたいです……

「というわけで、プロフェッサー気取りのオブリビオンには
すぐに退散してもらいますっ!」

【チューリングの神託機械】を発動。
電脳空間にアクセスし【ラプラスの悪魔】で敵の行動をシミュレートします。

「敵が竜巻攻撃でくる確率は78%……なら!」

計算による予測から、こちらも【バタフライ効果】による竜巻で
敵の竜巻を相殺しましょう!

そして竜巻が打ち消しあったところに【マックスウェルの悪魔】による炎の弾丸を撃ち込みます。

「プロフェッサーを名乗るのでしたら
もっと知的でスマートな戦いをしてほしいですね」


リンカーベル・ウェルスタッド
★☆
主よ、いと気高き万軍の王よ、どうか喜びの歌と共に朝を迎えさせて下さい――
って、あるべき姿とかあなたが神様気取りですか?
過去は過去
骸の海で揺蕩うが自然の摂理
何億何兆年先か分りませんが、戻す必要もなく終わりは必ず訪れます
平たく言うなら、でっかいお世話ですので骸の海に還って下さいません?

基本戦術は隙を突いたヒット&ウェイ
攻撃範囲広いようですし、避けられない場面は盾受けや武器受けして痛みに耐えつつカウンター
距離が開いたら弓で仲間の援護をしたり、武器落としの為にスナイプしたり…って武器はないから手足とかでしょうか?
チャンスがあれば、死角から力溜めまくった鉄塊剣による捨て身の一撃で流れを取りに行きます



●御使いはここに在り?

「この世界をあるべき姿に戻すのだ……!ワガハイは負けるわけにはいかぬ!」
 壁にめり込んだ体を引き抜いたシュヴァルマーは、再び戦闘態勢をとった。
「主よ、いと気高き万軍の王よーー」
 その時、聖典の一節の詠唱と共に、風を切り、目にも止まらぬ速さで二本の片刃の短剣がシュヴァルマーへと放たれた。シュヴァルマーは咄嗟に両腕で心臓を庇うが、ライフル弾並の威力で投げ放たれた短剣はシュヴァルマーの右腕をズタズタに引き裂いた。
「ぐおおッ!」
「ーーどうか喜びの歌と共に朝を迎えさせて下さい――って、あるべき姿とかあなたが神様気取りですか?」
 両手で短剣を投げ放ったのはリンカーベル・ウェルスタッド(ルーベル・アニマ・f01718)だ。
「今度は修道女か!おのれ、ヒトの神め!あくまでワガハイの邪魔をするか!」
 祭祀服に身を包み、見た目は聖職者そのもののリンカーベルの背後に一体何を見たのか。シュヴァルマーは吠える。
「過去は過去。骸の海で揺蕩うが自然の摂理。何億何兆年先か分りませんが、戻す必要もなく終わりは必ず訪れます。平たく言うなら、でっかいお世話ですので骸の海に還って下さいません?」
 リンカーベルは慇懃無礼な態度でシュヴァルマーをこきおろした。
「やはり猟兵とオブリビオンでは分かり合えぬか。……副作用が強い故、これは使いたくは無かったが、もはやそうは言っていられんようだな……!」
 シュヴァルマーはズボンのポケットから注射器を取り出すと、自身の左肩に突き刺した。すると、シュヴァルマーに全身の筋肉がみるみるうちに発達していき、元々大きかった体がさらに倍ほどに膨れ上がった。なんと先ほど破壊された右腕も再生している。
「見たか、これぞ我が叡智!伊達にプロフェッサーを名乗っているわけではないのだ!さあ、これを喰らって吹き飛べィ!」
 巨大化したシュヴァルマーはラグビー選手のような猛烈なショルダー・タックルをリンカーベルに仕掛けた。図体はでかくなったがスピードは落ちていない。リンカーベルは迫り来る巨体を前に、大量に抱えていた短剣の束(スペクター達から奪った戦利品)をその辺にぽいと捨て、背中に背負っていたシールドを両手で構えた。
 ドゴォッ!トラックと正面衝突したような音が響き、リンカーベルは3mほど後ろに吹き飛ばされた。
「いまだァッ!デストラクティブ・サイクロン!」
 ダメージこそ無いものの、ノックバックで態勢が崩れたリンカーベルに向かってシュヴァルマーは巨大化した両腕を回転させ、威力を増した竜巻で追撃した。轟轟と唸る竜巻がリンカーベルに迫る。その時、リンカーベルにとって聞き覚えのある声の少女がした。
「やはり竜巻で来ましたか。そうはさせません!大気中の気体分子の運動、解析完了。初期運動量コントロール。ローレンツ・アトラクタ・プログラム起動します!」

●風邪気味の天使

 リンカーベルとシュヴァルマーが激突する少し前。
「ここは水没していないようですね。よかったです。くちゅんっ」
 最終決戦の舞台である、核のクリスタルの間に辿りついたアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)は部屋に入るなり、可愛らしいくしゃみをした。道中で体を冷やしてしまったアイはすっかり風邪気味になってしまっていたのである。
(うう、早く帰って温かいシャワーを浴びたいです……)
 アイが部屋へと辿りついた時、シュヴァルマーはすでに猟兵との交戦を開始しており、アイに注意は向いていなかった。これ幸いと、アイは万能コンピューター【チューリングの神託機械】にアクセスし、未来演算プラグラム【ラプラスの悪魔】で敵の行動をシミュレートした。ラプラスの悪魔が弾き出した、敵が竜巻攻撃で来る確率は78%。そして、アイにも竜巻を作り出せるユーベルコードがある。ならば、割って入るならシュヴァルマーが次に竜巻を作り出した時ーー。

●ダブル・エンジェル

『大気中の気体分子の運動、解析完了。初期運動量コントロール。ローレンツ・アトラクタ・プログラム起動します』
 アイは電脳魔術で空気分子の運動ベクトルを加速。大気の動きの増幅によって竜巻を生み出した。
『バタフライ効果(エフェクト)!』
 二つの竜巻が激突する。相克する二つの竜巻はリンカーベルとシュヴァルマーの間で完全に拮抗していた。ちなみにあまり竜巻に近づきすぎるとミニスカートが大変なことになるので、術者のアイはかなり遠くから電脳魔術を発動している。
「貴様の仕業か!こざかしいわァ!」
 アイに気付いたシュヴァルマーは先にアイを始末するべく、全身の筋肉が生み出す爆発的な瞬発力でアイへと跳躍した。しかし、その行動も、ラプラスの悪魔の予測の範囲内だ。
「エントロピー・コントロール・プログラム、起動します!」
 アイは無策で突っ込んできたシュヴァルマーに対し、電脳魔術による炎弾を放つ。直撃したシュヴァルマーはそのまま火だるまになった。
「ぐおおッ!」
 そして、その隙を見逃すリンカーベルではない。
「白き翼を此処に(アラエ・アルバエ)!アーメン!ハレルヤ!デストロイ!」
 天使っぽい翼で飛翔したリンカーベルは竜巻の中を突っ切り、その勢いのまま巨大な鉄塊剣を思いっきり振り下ろしてシュヴァルマーの背中を後ろから切り裂いた。ちなみにユーベルコード発動に必要な儀式はさっき1回やったので省略。
「ぐはあぁああああああッ!」
 火だるまのまま、背中を一文字に切り裂かれたシュヴァルマーは地面に転がり、苦悶の声を上げた。
「プロフェッサーを名乗るのでしたらもっと知的でスマートな戦いをしてほしいですね」
 悶絶するシュヴァルマーの姿を見て、アイはぽつりと呟いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

メンカル・プルモーサ
☆【ワンダレイ】で参加……
ゴリラは優しい、って言うし友人(?)ゴリラは優しかったけど…あのゴリラは優しさが無さそうだね……そもそも原初の姿って、何。
……優しくないとは言えゴリラはゴリラ。その力は侮れない物がある……
なので、高速回転し始めたら【支え能わぬ絆の手】を用いてゴリラ足下の摩擦を0にして●デストラクティブ・サイクロンの発動の邪魔をするよ……
猿は【世界鎮める妙なる調べ】でおやすみなさい……下手に音楽を理解するほど知能が高かったのが良くなかった……
ヒカルが怯ませたなら【空より降りたる静謐の魔剣】を投射。氷結により動きを封じて仲間へと繋ぐよ……


アイン・セラフィナイト
☆【ワンダレイ】で参加
魔力の抽出かぁ……確かに無尽蔵の魔力はなんでも力に変わるけど、それはちゃんと正しいことに使わないと……こんな風になるよ。

【魂魄転換】で魔力をありすぎるとどうなるか、その身をもって体験してもらおう。
少しは、自分の行いがどれほど愚かなことか分かってくれるかも。

十一匹のお猿さん……ボクに近づくものなら、瞬時にその体がボクの魔力に変容するけど、それでもかかってくる?

番長さんが怯ませたと同時に、【魔烏の看破】でプロフェッサーに遠距離から攻撃だ!


星群・ヒカル
☆【ワンダレイ】で参加

白衣脱いだらほぼただのゴリラじゃねーか!
エネルギーかっぱらおうったってそうは行かねーな。てめーの舎弟はもう全員片付けた。年貢の納め時だ、覚悟しろよ!

派手な喧嘩には『超宇宙・武勇星舞台』がぴったりだ。
遺跡の『地形の利用』で、敵の目を欺き、更に攻撃を『逃げ足』で回避。
あのぐるぐる回るユーベルコードは強力だが、発動にはやや隙があるのではないだろうか?
『視力・第六感』で隙を見つけて『早業』で接敵。
『ロープワーク』で拘束すれば、腕を広げることはできないな?
その一瞬で仲間たちに攻撃を叩き込んでもらうぞ!

てめーが帰るのは自然じゃねぇ、骸の海だからなッ!


アルフレッド・モトロ
【ワンダレイ】のみんなと参加!
なんか俺より頭良さそうなゴリラだなあ(感心)

ってあるべき姿ってなんだよ!
勝手な妄想に他人を巻き込むんじゃねえッ!

番長(f01648)の拘束の上からさらに【敵を盾にする】を応用して【ワンダレイ・チェイン】で拘束。
お前はそこで動けなくなっとけ!

皆がそれぞれ戦っている間、UCの炎で【ワンダレイ・アンカー】を熱して【力を溜め】ておく。
敵がバイオなんちゃらを発動させる前に、【先制攻撃】して一撃でケリをつけたいんだ。
ブレイズフレイムを纏わせた錨を【怪力】で振るい、【鎧をも砕く】【捨て身の一撃】をお見舞いしてやる!!
これで終いだ!ゴリラ野郎!!



●決戦!飛空戦艦ワンダレイ!

 満身創痍となったシュヴァルマーの前に、4人の猟兵が立ちはだかった。飛空戦艦『ワンダレイ』のメンバーである。
「エネルギーかっぱらおうったってそうは行かねーな。てめーの舎弟はもう全員片付けた。年貢の納め時だ、覚悟しろよ!」
 星群・ヒカル(超宇宙番長・f01648)は真っ先にシュヴァルマーに啖呵を切った。
「ぬう……!次から次へと……!どこまでもワガハイの邪魔をするか、猟兵共め!」
「なんか俺より頭良さそうなゴリラだなあ」
「そうかあ?白衣脱いだらほぼただのゴリラじゃねーか!」
 飛空戦艦「ワンダレイ」の艦長アルフレッド・モトロはシュヴァルマーの佇まいに感心していたが、ヒカルには目の前のオブリビオンはしゃべるゴリラにしか見えなかった。ちなみに二人がここに来る前に確認した写真ではシュヴァルマーは白衣を着て眼鏡をかけていたが、今はズボンを履いただけの半裸ゴリラとなっていた。
「ワガハイはこの遺跡の魔力を手中にし、世界をあるべき姿に戻さねばならんのだ!」
 シュヴァルマーはすでに遺跡から奪っていた分の魔力を用いて空間の裂け目を作り出し、再び十一体の猿の軍団を召喚した。
「あるべき姿ってなんだよ!勝手な妄想に他人を巻き込むんじゃねえッ!」
 シュヴァルマーの理想は今を生きる人々を滅ぼし、過去で塗りつぶすオブリビオンの行動原理そのものだ。アルフレッドはその理想を妄想と断じた。
「ゴリラは優しい、って言うし友人(?)ゴリラは優しかったけど…あのゴリラは優しさが無さそうだね……そもそも原初の姿って、何。」
 メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)はそんなシュヴァルマーの様子を見て、自分のよく知るゴリラに思いを馳せた。彼は言葉こそ話さなかったが、いつもメンカルの友人をその身を挺して守っていた。目の前にいるゴリラは知性と力はあるようだが、心が伴っていない。シュヴァルマーが唱える『世界を原初の姿に戻す』という理想を聞いても、メンカルも艦長と同じようにそれは空虚な妄想としか感じられなかった。
「魔力の抽出かぁ……確かに無尽蔵の魔力はなんでも力に変わるけど……」
 あくまでも自身の理想の為に遺跡の力を手に入れるつもりのシュヴァルマーを見て、アイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)は眉をひそめた。
「それはちゃんと正しいことに使わないと……こんな風になるよ。聖霊封呪……解除。総ては……ボクの力になる。」
 アインがそう呟くと、あまりの危険性故にアインが自ら封じていた禁断の魔力が体から溢れ出した。『魂魄転換』(ソウル・イーター)。アインが解放したその力は周囲に在るモノ全てを魔力へと転換する。アインの周囲をオーラとなって包み込んだオーラには、遺跡の壁や床すらもチリチリと少しずつ削り、その量を少しずつ増大させていく。長時間放っておけばきっとアイン以外の全てを喰らいつくしてしまうだろう。
「十一匹のお猿さん……ボクに近づくものなら、瞬時にその体がボクの魔力に変容するけど、それでもかかってくる?」
 禍々しいオーラを纏ったアインは猿達に無表情で問いかけた。
「なんという魔力……!素晴らしい……!実に素晴らしいぞ!貴様は生け捕りだ!行けェ!ワガハイのシモベ達よ!」
 しかし、アインの放つとてつもない魔力に狂喜したシュヴァルマーはそれを我が物にせんと、部下達をけしかける。
「ウキャーーーーー!!」
 猿達は雄叫びを上げ、一斉にアインへと飛び掛かる。しかし、最初に飛び掛かった数匹の猿はアインに触れた瞬間、どろりと溶け、アインのオーラの中に溶けてしまった。
「ウキャ!?」
 仲間の死に、残る猿達はアインに飛び掛かるのを中断し、後ずさる。その表情には恐怖がありありと浮かんでいた。シュヴァルマーに召喚された猿達もまたオブリビオンである為、その全身は魔力の塊だ。当然『魂魄転換』の恰好の餌食である。主の命令に忠実に従ったが故に命を散らすことになった勇敢な猿に対し、アインは少しばかり同情した。
(みんな、頼むぞ。俺の「これ」は時間がかかるからな)
 ワンダレイのメンバーが戦いを開始した時から、アルフレッドは握りしめた錨に炎熱のユーベルコードの力を込めている。極限まで熱を溜め込み、渾身の力で叩き込んでやるつもりだ。その為にはもう少し、時間を稼いでもらう必要がある。
「ええい、ならば先に他の連中を狙うのだ!」
 アインへの攻撃をためらう猿達に対し、シュヴァルマーは新たな指示を飛ばした。しかし、その命令が実行されることはなかった。
『誘う旋律よ、響け、唄え。汝は安息、汝は静穏。魔女が望むは夢路に導く忘我の音。世界鎮める妙なる調べ(ロクス・アモエヌス)』
 メンカルの歌うような魔術の詠唱が部屋に響き、猿達は一匹残らずその場に崩れ落ちたからである。これは音楽を聞かせることで敵に睡魔を与える術式だ。猿達は下手に音楽を理解するほど知能が高かったのがかえって仇となった。
「ぬうう、不甲斐ない猿共め!」
 シュヴァルマーはすやすや眠りこけている猿達を怒鳴りつけると、ぐるぐると両腕を回し始めた。どうやら無力化されてしまった手下ごと竜巻で猟兵達を吹き飛ばすつもりらしい。やはりこのゴリラには優しさなど欠片もなかったようだ。しかし、優しくなくてもゴリラはゴリラ。その力には侮れないものがある。メンカルは大技の発動を黙って見過ごすつもりはない。
『繋ぎ止める絆よ、弱れ、停まれ。汝は摺動、汝は潤滑。魔女が望むは寄る辺剥ぎ取る悪魔の手。』
 メンカルはシュヴァルマーに干渉するべく、呪文を詠唱する。
『支え能わぬ絆の手(フリクション・ゼロ)』
 詠唱の完了と共に、シュヴァルマーの足元が光に包まれた。
「うおおおおおおッ!?」
 次の瞬間、床の上で高速回転していたシュヴァルマーはつるりと足を滑らせ、勢い余って頭から壁へと突っ込んでいった。当然、シュヴァルマーを中心に発生しかけていた竜巻も霧散する。
「貴様!何をしたッ!?」
 シュヴァルマーの問いにメンカルは答えなかったが、術のカラクリは至って単純だ。メンカルはシュヴァルマーの立っていた床の物理情報を魔術で改竄し、摩擦抵抗を0にしたのである。その状態で高速回転などすれば当然踏ん張りが効かず、先刻のように滑っていくこととなる。
 転倒したシュヴァルマーに対し、近くにいたヒカルは素早くワイヤーを投げつけた。
「喰らえッ!」
「甘いわ!フンッ!」
 しかし、立ち上がったシュヴァルマーはワイヤーを避け、反撃のパンチを繰り出した。ヒカルもバックステップでその一撃を軽々とかわす。今回はすでに『超宇宙・武勇星舞台(チョウウチュウ・ステゴロコスモフロア)』を発動済だ。限界を自身の潜在能力を限界まで引き出したその身のこなしはそう易々と捉えられはしない。シュヴァルマーは鋭く踏み込み、逃げ回るヒカルへと矢継ぎ早に連撃を繰り出すが、ヒカルはある時は柱に身を隠し、またある時は壁を蹴って上へと逃げる。シュヴァルマーの攻撃は全て空しく空を切った。
「おのれちょこまかと……!これでも食らえィ!」
 業を煮やしたシュヴァルマーは、再び両腕を高速回転させ、竜巻を作り出さんとする。だが。
「させるかッ!」
 ヒカルはフックを投げつけながら素早くシュヴァルマーの周囲を出鱈目に駆け回り、ぐるぐる巻きにして両腕を広げたシュヴァルマーをワイヤーで拘束した。宇宙船牽引用の頑丈なワイヤーだ。いかにゴリラのオブリビオンでもそう易々とは破壊できまい。
「おのれェ!こんなもの!ぬおおおおおおお!」
 しかし、ヒカルの予想に反し、シュヴァルマーが思い切り力を籠め、筋肉を膨張させると、ワイヤーはぶちぶちと音を立て始めた。
「嘘だろ!?なんつー馬鹿力だコイツ!」
 ヒカルが驚愕した時、シュヴァルマーに向かって艦長が錨の鎖を投げつけた。
「なら、コイツも喰らいなッ!」
 ワイヤーの上からワンダレイの鎖でさらに拘束を強化されたシュヴァルマーは、今度こそさすがに動けなくなった。
「お前はそこで動けなくなっとけ!ヒカル、そいつをしっかり押さえといてくれ!準備完了だ!」
「ぬおおおおおおッ!」
 それでもまだ拘束を解かんと暴れるシュヴァルマー。
「てめーが帰るのは自然じゃねぇ、骸の海だからなッ!いまだみんな!」
 シュヴァルマーを自由にさせない為、ヒカルはワイヤーの端を掴み直し、しっかりと地面を踏みしめて踏ん張った。今こそ決着の時だ。
『見透せ、万象!心眼・魔烏の看破(オーダー・ウィークポイント)!』
『停滞せしの雫よ、集え、降れ。汝は氷雨、汝は凍刃。魔女が望むは数多の牙なる蒼の剣。空より降りたる静謐の魔剣(ステイシス・レイン)』
 ヒカルの合図と共に、メンカルが召喚した総数二百五十本にも及ぶ魔剣と、アインが渾身の魔力を込めて放った極大の光の刃が同時にシュヴァルマーへと放たれた。さらに、アルフレッドもひたすら自身から生み出した炎熱を込め続け、もはや錨の形をした熱エネルギーの塊と化したワンダレイの錨をシュヴァルマーへと渾身の力で投げ放った。
「これで終いだ!ゴリラ野郎!!」
「うほぉおおおおおおおおおおおおおおッ!」
 三人分の必殺の一撃をまとめて叩きつけられたシュヴァルマーは最後の雄叫びを上げ、ついに骸の海へと還ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年07月29日


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ヒーローズアース
🔒
#愚者の迷宮


30




種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠麻上・若尓戈です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト