夏といえばやっぱ山っしょ
●夏といえば
「夏、世間の目は海に向いていますが、オブビリオンというのはそんなことを全く考えてくれません」
梅雨に入ったこの頃。蒸し暑くなってきたため装いを夏の物へと変えたチャーリー・ライドゴー(ぶらり自転車週末紀行・f03602)がグリモアベースに集まった猟兵達に説明を行っていた。
「実はアックス&ウィザード世界の村で食料が盗まれる事件が多発していまして、調べたところオブリビオンの群れがある山を根城にしていることが分かりました。皆様にはこのオブリビオンの討伐を行っていただきたいのです」
そこまで言うとチャーリーは猟兵たちの前に地図を広げた。マーカーがされている山の周辺にはいくつかの村が点在しているのが見受けられた。ここが被害に遭っている村々なのだろう。
「この山は元々清流が流れ、様々な動植物が存在し村の人々の憩いの場であり恵みを享受する場所となっていたのですが、今はオブリビオンが蔓延る危険な地域となっています。
山中の森には『護理羅』と呼ばれるものが身を潜め、頂上付近にこの山の首魁であるオブリビオンの『貝塚の女王』がいます」
先ほどの地図の上にもう一枚地図を広げる。先ほどより縮尺が小さい、山の姿が鮮明に描かれていた。
「この山には頂上までの山道がありますのでここを歩きながら『護理羅』を討伐。討伐が終わりましたらそのまま山の頂上へ向かい貝塚の女王の撃破という流れになります。なりますが――」
ここまで淡々と現場の説明を行っていたチャーリーが一旦説明を止める。
「この護理羅という敵は警戒心が強いため普通に歩いていてもなかなか遭遇できません。また、地の利はあちらに有ります。下手に道から外れ森の中に入れば奇襲を仕掛けてくるでしょう」
じゃあ無視して大丈夫かと言われれば良い訳はなく、倒せないと貝塚の女王戦で援軍としてやってくるのでここで倒してほしい。
警戒心が強い敵、地の利はあちらにある。どうすればいいんだ、と猟兵が難しい顔で質問すれば、チャーリーは実はですねと言葉を続けた。
「護理羅は貝塚の女王に食料を納める様に脅されているようで、ノルマを達成しないと大変な目にあるようなのです。山の食料を探したり山から下りて、近隣の村々から食料などを奪っているのもそういった理由からです」
護理羅に課せられたノルマはかなり厳しいようなのでとにかく食べ物が欲しい。故に不自然に食料が落ちていても考えずに飛びついてしまう。この習性を使えば彼らを罠に嵌めて一網打尽も夢ではないだろう。
典型的だが食料を餌に罠を仕掛けるがベターだろう。他にも山に大きなバスケットを持ちながらピクニックに来た一般人を装う、釣果を少し離れた所に置きながら釣りするふりをするなどを行っても良いだろうとチャーリーは言葉を続けた。
「そして護理羅を倒せばあとは貝塚の女王だけとなりますが……貝塚の女王もこれはまたちょっと特殊な敵でして。察しの良い方はお分かりでしょうが彼女は貪食です。食材、料理、特に肉を見ただけでそちらに注意が行ってしまうほどの。この特性を活かせれば戦闘が有利になるかと思います」
貝塚の女王は肉をも溶解する水を生み出したり、相手に食らいつくことで体力を回復する事も可能なので油断をすれば瞬く間に彼女の胃の中に納まる結果となるだろう。
しかし、自前で用意した食材や料理、もしくは現地調達した食材を彼女に向けて放り投げればそれを食わんとするためその隙に攻撃をすれば比較的楽に倒せるだろう。
「そしてこの貝塚の女王と接敵する場所なのですが、ここは元々近隣村人の憩いの場です。そのためちょっとした休める場所やバーベキューができる道具も一式揃っています。」
一部の猟兵が心なしか少しそわそわしながらチャーリーの次の句を待つ。
「近隣の村々に確認しましたところ、それらは自由に使ってもらっても構わないと言う事です」
そう、つまりは戦闘後はバーベキューが楽しめる。材料は持ち込んでも良いし山から取ってきた物を出してもいいだろう。
ちなみに占拠されている山には食材となる動植物が豊富にあるので、貝塚の女王との戦闘後、もしくは護理羅と戦うついでに探してもいいかもしれない。
「と言う事で、皆さま貝塚の女王を倒した後はゆっくりしていってください」
ガッツポーズを取ったり誘い合う猟兵たちの姿を見るとチャーリーはにっこりと笑いながらグリモアを起動させた。
7月、梅雨はまだ明けないものの、オブビリオンが蔓延る山から猟兵たちの夏が始まる――かもしれない。
遭去
●
山と海どっちに行くと言われたら山に行きたい派の遭去です。
以下補足となります。
●1章
『戦闘種族『護理羅』との戦いになります。
が、OP本文でも言っているように敵をいかにおびき出してボコるか書いてください
なお山の地形が変わるようなことをしたり、燃やそうとする、それに値するプレイングは流すかマスタリングさせていただきますのでご了承ください。
ちなみに山道を通るのが正規ルートですがあえて道なき道を歩いて頂上まで上り詰める感じでもオッケーです。
●2章
『貝塚の女王』との戦闘です。彼女も普通に戦えば苦戦必至ですが食材、食料(特に肉が好き)で興味を釣れれば攻撃はあっさり入ります。ただし同じような物が続くと釣られにくくなります。
食材や料理は猟兵の持ち込み他山中で狩ってきたのでも通用します。
●3章
おまちかねのバーベキュータイムです!持ち込みもオッケーです
バーベキュー以外にも肉を取ったり山野草を取る事が可能です。
夏にはあまり山野草がない?いやいやここはA&Wの世界。この時期にあるとここにあるといえば大体ありますとも。
それではご参加お待ちしております!
第1章 集団戦
『戦闘種族『護理羅』』
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POW : 魔闘武術『瞬力』
【自身の属性+武術を合体させた技】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 魔闘武術『歩闘』
【自身の属性+武術を合体させた技】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ : 魔闘武術『連魔』
【属性攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【自身の属性+武術を合体させた技】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
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スコッティ・ドットヤード
【セピア:f20332と協力】
…で、俺に弁当を作れと。(妹であるセピアの言葉にため息をついて)
わかったよ…ちゃんと大量に作っておく。
…少しくらいは自分でも食えよ?
全部餌に使われたらお兄ちゃん泣くからな?
(妹と共に参加…戦闘は妹に任せ、自分は最初の弁当作成と道中の支援のみ)
(元々戦いは得意ではない。愛する妹が無事オブリビオンに勝てる様に、腕を振るう)
(さて。妹に長年振舞い続けた俺の●料理●の腕前を披露しよう)
(肉料理中心に数十品。その素晴らしい香りは敵すら●誘惑●されるだろう)
(超巨大バスケットは妹に背負わせ、共に山中へ向かう)
(ゴリラが来たら、妹がゴリラパワーで返り討ちにしてくれるだろう)
ネピア・ドットヤード
【スコッティ:f20279と協力 アドリブ歓迎】
そーゆーこと!戦いは僕に任せてくれていいから!
あ、終わった後のバーベキューも期待してるからね?
(笑顔で兄が作った大量の料理が入ったバスケットを●怪力●で背負って共に山頂を目指す)
(山に入り、早速おびき寄せるためにバスケットを空ける。それだけでおいしそうな香りが漂う)
(香りに釣られて出てきたうかつな護理羅には、躊躇いのないゴリラパワーで迎撃)
お兄ちゃんの料理を簡単に食べられるとは思わないでね!
(護理羅を匂いでおびき寄せて迎撃しながら、自慢の拳で血道を切り開き、兄をカバーしながら山頂に向かうのだった)
「……で、俺に弁当を作れっていうのはそういうことか」
「そーゆーこと!戦いは僕に任せてくれていいから!」
スコッティ・ドットヤード(どこからどう見ても女の子な少年・f20279)の問いにネピア・ドットヤード(サイキックゴリラパワー妹系幼女・f20332)が笑顔で答える。
妹の無茶ぶり。大きな籠を前にスコッティは呆れる様にため息をつく。
「言うならば早く言え。一晩で作るの大変だったんだからな……!」
いくら大変でも妹のお願いを無下にはできない。いくら無茶でも可愛い妹の為ならなんのその。それは彼の後ろの大きな大きなバスケット……もはやバスケットではなく背負い籠状態だ……がどんと置いてあるのが証拠だ。
「さっすがお兄ちゃん!……それじゃあしゅっぱつしんこー!」
「……転んで中の物を落とすなよ?」
バスケットをネピアが軽々と背負い、足取り軽く山の中へ入っていく。スコッティも彼女の背後をついていくのだった。
「ここらへんで良いかな?」
山の中腹の道の真ん中でネピアは足を止める。道のすぐ横は木々で覆われているものの道幅が広いので戦うには十分だろう。
よいしょっと、とバスケットを降ろしワクワクとした表情でバスケットの蓋を開ける。
開けた瞬間中に充満していた美味しそうな匂いがぶわっと飛び出し、ネピアの鼻腔をくすぐった。
「わぁ~やっぱりお兄ちゃんの作る料理はどれも美味しそうだね!」
そこにはスコッティが朝早くから準備した肉料理がぎっしりと詰まっていた。
「少しは自分の分もとれよ……流石に全部餌に使われたら泣くぞ」
「分かってるって、お兄ちゃんの料理を全部罠にする訳ないじゃないか!」
ネピアは目を輝かせながら目の前の料理の山を見やると、袋に包まれた一品を取り出す。
紙の包みを破けば出てきたのは肉巻きおにぎり。俵型に成形したおにぎりに豚肉を巻き火を入れた後甘辛く味付けしたそれは砂糖醤油の香ばしさと豚肉の匂いと交わり食欲を喚起する。通常よりほんの少し甘みが強いのは妹のことを考えか。
ちなみにおにぎりの方には細切れにした青じそが混ぜらているため、くどさが軽減され食べる手が止められなくなる仕様である。
「わぁっ!」
『うほっ』
『『『『『『『『『「良い匂い
!」』』』』』』』』』
少女の声と男の声が綺麗に重なる。少女の声はもちろんネピアのもの。男のはというとスコッティの物ではない。じゃあこれは?
スコッティが指さす先をネピアがちらりとみやる。
そこには彼女が持つ肉巻きおにぎりに釘付けになる護理羅『達』の姿。
先ほどの肉料理の芳醇な香りに誘われ、罠だという考えなしにさっそく食らいついてきたのだ。
『『『『『『『『『にくよこせぇぇぇぇぇぇぇ
!』』』』』』』』
「お兄ちゃんの料理をみすみす渡せるわけないでしょ!」
肉巻きおにぎりほか籠に入ったスコッティの手料理を奪い去ろうとする護理羅と達それを阻止しようとするネピア。
こうしてゴリラの様な見た目の護理羅とゴリラの様なサイキックゴリラパワーで戦う幼女の戦いの火蓋が今落とされた。
(俺元々戦闘得意じゃないしなぁ)
ゴリラ的なすごいパワーで本来空を飛ばないような物が空中を飛び交う中、スコッティは己とバスケットが戦禍に巻き込まれないようにバスケットをずるずると安全圏まで引っ張ると自身もその場でその激戦を見守ることにした。
どの位の時間が経っだろうか。
そこには大乱闘を繰り広げ護理羅の屍の山の頂に立つネピアの姿が。
「勝った、勝ったわ……!」
ネピアはその場で腕を高く空に突き上げ勝利宣言。
「はいお疲れさん」
そんな妹にスコッティは先ほどとは違う肉巻おにぎりをネピアの口に押し込む。
口に入れれば肉のうまみと肉汁を受け止めたご飯がまた美味しい。
目をキラキラと輝かせながらネピアが口を動すその様を見ればスコッティもつい口元がほころぶ。
「ほら、そろそろいかないと。まだ上に敵がいるんだろ?」
「あっ、そうだった! ここのボスも倒さないとね! あと……バーベキュー、期待してるからね!」
「はいはい」
口の中のおにぎりを胃に収めてネピアは再びバスケットをしょい込み、兄のスコッティと共に意気揚々と山頂へと向かうのであった。
大成功
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イーファ・リャナンシー
食べ物収集のノルマね…山の首魁っていうのはどれだけ腹ペコなのかしら
ともかく相手のホームで戦う以上、付け入らない手はないってことになるんでしょうけど…
山に入ったら山道を使った正規のルートで進むわ
それで、進む間に見つけた開けたところを選んで食料を仕掛けておこうかしら
貝塚の女王っていうのがお肉好きみたいだし、置いとくのもお肉がよさそうね
仕掛けたら物陰に身を隠しておいて、護理羅が出てくるのを見守るの
出てきたら、小さな体を活かして死角から【フラッシュ・フライト】で近づいて【全力魔法480】で攻撃を仕掛けるの
もし敵に見つかって、相手が攻撃の予備動作に入ったら、上空で死角になる場所に退避してから攻撃に戻るわ
小宮・あき
同じく、山派!
●おびき寄せ
自身が運営するホテル(自旅団)から食べ物を持って来ましょう。
UDCアースの食材ですが、護理羅が飛びつきやすいように…ジビエ肉にしましょう。
野兎(解体前)を、持参した罠装置に嵌めて、山道から少し入った場所に設置。
いかにも「罠に掛かった野兎が死んだ」ように見せかけます。
自身は物陰に隠れる。
(目立たない)(おびき寄せ)(罠使い)
敵が罠に食いついたらUC【愛雨霰】を静かに展開。
敵の背後・側面、最後は正面に配置し、最後は360度に銃を配置し攻撃。
(一斉斉射)(零距離射撃)
場所を特定されないよう(忍び足)で位置を変えながら
(視力)(聞き耳)(第六感)(野生の感)をフル稼働で攻撃。
「食べ物収集のノルマね……山の首魁っていうのはどれだけ腹ペコなのかしら」
じりじりと夏の日差しにアプローチに汗を流しながらイーファ・リャナンシー(忘都の妖精・f18649)はゴリラに置かれた状況に少しばかりの同情を抱く。
「とにかく相手のホームで戦う以上、付け入られないようにしないといけないわね」
山道を歩くこと十分ほどたっただろうか。開けた場所を見つけたイーファは処理が十分にされていない肉を置いた。
(綺麗すぎる肉を置くのは怪しすぎるしね)
一方、イーファが罠を仕掛けた山道から少し離れた場所では桃色の長い髪を揺らして小宮・あき(人間の聖者・f03848)が罠の準備を始めていた。
罠を設置し終えたイーファがしげしげと見ているうちに麻袋から取り出したのはあきが運営するホテルから持ってきた野兎。今回はこのために解体せずに持ってきたのだ。
あきは慣れた手つきで地面に隠す様にくくり罠を設置。そこに先ほどの野兎の足を踏ませ罠を作動させて足にワイヤーを巻きつけさせる。罠にかかって力尽きたウサギを演出するのだ。
「……本格的ねぇ」
「これくらいしないと気づかれちゃうかもしれないので!……と、これでよしっ」
後は待つだけですよ。不自然な証拠を隠滅すると2人は二つの罠が見える木陰に身を隠した。
2人が近くの茂みに隠れて待つこと十分ほど経っただろうか。罠の近くの茂みが揺れると、姿を現したのは護理羅。その上の木からまた護理羅。護理羅いっぱいコレクション。
護理羅達は肉を見つけると二つの行動に出た。一つは道端に落ちていた肉に多くの護理羅が群がると我先にと奪い合いが始まる者たち。
もう一つのグループは奪い合う者たちと肉には目も向けないで罠にかかったウサギ罠に手を駆け、罠を外し始めた。
それが自分が罠にかかったとも知らずに。
護理羅が罠にかかったのを確認すると、森の茂みからイーファが飛び出す。
「見せてあげるわ。この翅が飾りじゃないってことを」
彼女は背中に生えた透明な羽を広げ、夏色のドレスを爽やかな緑色へと変えると、銀の燐光の軌跡を作りながら護理羅の元へ駆ける。
護理羅達は決して鈍い訳ではない。しかし時速240kmを駆ける30㎝もない少女を捕まえるのは彼らの反射神経、そして武術をもってしても非常に難しい。イーファは彼らが気づくよりも早く彼らの死角―頭より少し上の辺りに舞い上がるとそのまま指を打ち鳴らした。
瞬間、護理羅が立つ地面が割れると大地が彼らを飲み込まんと地響きをあげながらその咢を広げる。彼女の周辺にいた咢に捕まった憐れな護理羅達は嫌な音をたてながら瞬く間に大地の胃袋へと収まっていく。
罠を解除するため離れた場所にいた護理羅達はその様を見て慌てて逃げようとする。しかし、それは次の瞬間に無理だと悟る事となった。
「本日は晴天ですが、時々雨が降るでしょう」
あきの力によって彼女の大事な人の名を刻むマスケット銃、彼女の力によって46丁まで複製されたそれが護理羅たちの上を、前を、真後ろから銃口を向けていた。
あきはマスケット銃を愛おしそうにふわりと柔和な笑顔を向ける。
彼女に笑顔に応える様に愛する者の名を刻むそのマスケット銃は一斉に乾いた音を立て続けに響かせた。
発砲音が収まり、あたりが硝煙の匂いに包まれる。マスケット銃の包囲網の中に立つ者は何もいなかった。
大成功
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テニエ・ミスチヴァス
アドリブ・連携歓迎
海のお魚も食べたかったなぁ……
でも山の幸も考えてみれば色々あるか。
川魚や動植物、バーベキューにオブリビオン!
今から楽しみでしょうがないねっ。
【UC】で一般人の女の子に変化、【変装】【演技】を
駆使してピクニックに行こう。
バスケットには近くの村で用意したお弁当を入れ……我慢だ我慢。
獣人の嗅覚を活かして道中で果物や山菜を発見したら
道を外れて収穫に向かう。
護理羅が迂闊にも油断しながら襲ってくるだろうから
そこを【見切り】後に【カウンター】で仕留めるよ。
まだ残っているなら今度は護理羅のどいつかに変化して
誰が敵か分からずに混乱しているのを【だまし討ち】だ。
……こいつらは不味そうかな。
「川魚や動植物、バーベキューにオブリビオン! 今から楽しみでしょうがないねっ」
テニエ・ミスチヴァス(変幻自在の虹縞猫・f20445)が山道の入り口で一つ伸びをする。
普段の虹色に輝く髪はユーベルコードと変装のスキルによって隠れ、若草色のワンピースに身を包んだその姿はまさにピクニックに来た村娘のもの。
村で用意したお弁当――鶏肉の照り焼きが挟まれたサンドウィッチが入ったバスケットを持てば蓋をしていても美味しそうな匂いが漂って来る。
(が、我慢だよ我慢!!)
これから食べられるであろうご馳走の為にバスケットの中の弁当を食べたい衝動をぐっとこらえ、バスケットを携え山道を歩いていく。
夏の日を浴び薄く汗ばむ頃、ふと彼女の鼻にふわりと甘い匂いが舞い込む。その匂いの元、森の中にお目当ての物を見つけた。
「おや、あっちに美味しそうな果物があるね!」
わざと大きな声をあげて山道の脇へと入るテニエ。甘い香りのする桃の木の前に立ち、さぁ取ろうとバスケットを地面に置く。
次の瞬間、近くの木が揺れ、何かが飛び出してきた。
「ざんねーん、あげないよ?」
何か――護理羅がバスケットを掴む寸前にテニエはバスケットの持ち手を掴み、そのままくるりと一回転。そのままバスケットを掴めなかった護理羅の首の後ろにナイフを突き刺せば護理羅は低い呻き声をあげ、そのまま動かなくなった。
「まだまだいるでしょ? 出てきなよ」
周囲に聞こえる様に声を発せれば途端に上の木々から護理羅が降ってきた。数は1,2,4――10体程か。
「さ、流石に数が多いかな?」
目の前の敵の数の多さにテニエは顔を引きつらせた。
多数で挑めば勝てる――そう踏んだ護理羅達は咆哮をあげながら一斉に襲い掛かった。
各々得意の武術がテニエの立つ場所に炸裂すれば湿った土が、木の根っこが粉々になって舞い上がる。
護理羅が武術を披露した場所を見ればテニエの姿はおろか、誰かがいた痕跡も無くなっていた。
やり過ぎたか、まぁ肉をもって現れたあいつが悪いな。等と好き勝手に言いつつ護理羅達が喜々としてバスケットに手をかける。
瞬間、バスケットに手にかけた護理羅の手が吹っ飛んだ。一拍置いて後ろにいた護理羅の首が体と別れを告げた。
何が起こったのか、彼らが混乱する間にも仲間が1体、また1体命を落としていく。
最後に残ったのは赤い護理羅が1体。いや――
「ふふん、思う存分惑わされてくれたね?」
護理羅の姿が風景に溶ける様に消え去り、代わりに可愛らしい笑顔を浮かべるテニエが現れたのだった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『貝塚の女王』
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POW : おいしいおいしい、モットチョウダイ
自身からレベルm半径内の無機物を【肉を溶解する水流】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
SPD : 痛いトお腹ガへっちゃうモン
自身の身体部位ひとつを【無数の貝殻でできたドラゴン】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ : アナタもトッテモおいしソウ!
対象のユーベルコードに対し【精神力を弱らせる邪光】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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様々な方法で護理羅をおびき出し、倒す事に成功した猟兵たちは目的の山頂付近へと到達した。
そこは本来なら綺麗に整備され、村の人々の憩いの場になっていた場は今は見る影もなく、所々に食べ物が散乱している。
そんな中、ひときわ大きな山――骨と貝でつくられたその山の上にそれはいた。
「あら、あいつらいなくなっちゃたの? 持ってくる物が少なくなったからあいつらを食べようとした矢先に死んじゃうなんて、ほんっと使えないわねぇ」
獣耳を生やし、足がある部分には魚の尾があるまるで人魚――貝塚の女王はゆったりと上半身を起こす。
「まぁいいわ。せっかくご馳走が自ら来てくれたんだし楽しませてもらおうじゃない」
小宮・あき
後衛火力型。前衛さんと組めたら嬉しいです。
UC【神罰】
「神罰を与えましょう」
祈りの力によってレベルm半径の光の柱で攻撃するUC。
現役聖職者である私の【祈り】は常に神に注がれています【先制攻撃】。
【全力魔法】の半径「47」m、物質を伴わない光の柱は【範囲攻撃】になり、
水流も、ドラゴン頭部も、敵本体も攻撃するでしょう。
精神力は、聖職者の強靭な精神力で負けません。負けませんとも。
(覚悟・鼓舞・破魔・精神攻撃に関する知識など、多数技能あり)
耐性:毒・呪詛・激痛・狂気など、全ての耐性を会得済み
周囲の様子は【視力】【聞き耳】【第六感】【野生の感】で気を配る。
【回避】は脚武器の【ダッシュ】と併せて軽やかに。
イーファ・リャナンシー
まったく…あきれた食欲ね
悪さしてたとはいえ、護理羅さんたちもちょっと気の毒に思えてくるわ
食べることしか考えてないみたいだけど、今回はあんたが狩られる側
もちろん、私はあんたのこと食べたりしないけど
小さな体を活かして敵の隙をうかがいつつ、【全力魔法504】を込めて【フェアリー・ランド】を発動するわ
2回目以降はどうなるか分からないし、最初で決めるくらいのつもりで
魔力干渉も物理干渉も受け付けないこの迷宮…その気持ち悪い光で打ち消せるかしら?
迷宮に敵を閉じ込めて仲間がクラウドオベリスクを攻撃するための時間を稼いだり、真の姿を開放してたった1つの出口の前で【全力魔法504】をぶつけるために待ち伏せをするわ
テニエ・ミスチヴァス
◎アドリブ連携歓迎
まさか海のお魚が敵のボスだったなんて感動……
うん?川魚?というか猫?蝙蝠?人間?
まぁ魚部分は美味しそうだからヨシ!
■戦闘
早速食べ物を囮に……うう、照り焼きサンド……
やっぱりつらい……!
……せめて美味しく食べられないようにしてやる。
【毒使い】の知識で採取してきた毒草を混入
毒草サンドにしてあげる。ほうらお食べ!
気を取られている間に【忍び足】で接近して【暗殺】
近距離は危ない技ばかりだから、そのまま【逃げ足】で
距離を取ってから【UC】発動、三日月状の真空の刃で切り刻むよ。
不意に近づかれたら採ってきた甘い桃を放り投げて気を惹いてから
【だまし討ち】してまた距離を取る、ああ、勿体無い……!
テニエが駆ける。そのまま貝塚の女王の後ろに回り込み、ナイフを手に首を落とそうとすれば女王の髪がドラゴンの頭へと変わりテニエに襲い掛かるのを慌てて体を捻って回避。
あきとイーファがユーベルコードを発動させるために精神を集中させれば敵の目から邪な光が輝く。
「っ、そんな?!」
邪な光を見たイーファは精神がかき乱され、攻撃を中断せざる得なくなる。
「私に効きませんよ。さぁ神罰を――っ!」
強靭な精神力を持ち、精神攻撃に耐性があるあきがそのままユーベルコードを展開しようとした矢先、近くに合った岩が水に、肉をも溶かす水流となりあき達を襲う。
慌てて攻撃を中断。イーファはその場から上へと飛び上がり、あきは踊る様にステップを踏み、水の流れを避ける。
「惜しいわねぇ、あと少しで丸呑みできたのに」
「……まったく、呆れた食欲ね」
貝塚の女王から距離を取り、イーファは呆れを含めてに女王の見やる。
「っ、一瞬でも隙があればよいのですが」
「それならば!」
あきの言葉に答える様にテニエが自分のバスケットから取り出すのは先ほどの照り焼きサンド。
「うう、照り焼きサンド、囮の為とはいえやっぱりつらい……!」
フードファイターであるテニエにとって今からとろうとしている行動は辛い決断。しかし意を決して照り焼きサンドを貝塚の女王へと投げつけた。
「ん? なんだこれ!」
すかさずキャッチして咀嚼する貝塚の女王。
鶏肉の柔らかい肉質からあふれだすうま味と肉汁、照り焼きの甘じょっぱいソースがパンに受け止められたその照り焼きサンドをほおばると女王は嬉しそうな表情を見せる。しかし。
「あ、あれ……体が、動かしにくい!?」
先ほどとは打って変わって見えない鎖に縛り付けられた様に動きが鈍くなったことに驚きを隠せない貝塚の女王にテニエが勝気な笑みを浮かべる。
「すっっっごく勿体ないけど、さっきの照り焼きサンドには毒草を入れてあったのさ!」
テニエが作った隙をイーファは見逃さなかった。
「しばらく遊んできなさいよ」
イーファが両手を目の前にかざせば生まれてくるのは魔力で生まれた糸。それが貝塚の女王の周りを覆い尽くし、全力を籠めて紡ぎ出すのはいかなる干渉を受けない迷宮。
「長くは持たない……でも」
「ええ、少しだけ、少しだけ時間があればいいのです!」
テニエが呼吸を整え、あきが精神を集中させる。
幾ばくの時間が経っただろうか。迷宮がみしりみしりと小さな音を立て始めた。
あき、テニエ、そして額に汗を浮かべながら迷宮を維持するイーファが目配せをする。
音は小さく、迷宮の奥から聞こえてきたそれは徐々にこの迷宮のただ一つしかない出口へと近づいて――
「見つけたぞお前らぁ!」
貝塚の女王が怒りで顔に歪ませながらすぐさま右手を白い竜の咢へを変え、猟兵をすり潰さんと襲い掛かる。
「さっきはよくもやってくれたなぁ! アンタらは美味しくいただかないで食べてやるわ!」
「いつからあんたが狩る側だと思っていたのよ。あんたは狩られる側、狩るのは私たちよ」
イーファの体が光に包み込まれる。光が収まると春を思わせた妖精の姿は夏の化身のような姿へと変えると、そのまま魔力を解放し辺り一真夏の輝きと思わせんばかりの光球を女王へとぶつけた。
「――捕らえたよ」
まばゆい光をを背景にしてテニエが躍り出て、腹部へとフォークを突き立てた。
「っ、きさまぁ!」
怒りのあまり貝塚の女王はそのまま右手の咢で薙ぎ払う。
「山なのに海のお魚がボスだったなんて感動……! 色々な部位があるけど魚部分はおいしそうだからヨシ!」
すぐに距離を取ったテニエはチシャ猫の様に三日月状の弧を顔に浮かべる。
「空を飛ぶ愉快な嘲笑を浴びせてあげる」
何もない空で獲物のナイフで空気を斬りつける。それは三日月状の真空波となり、貝塚の女王の右腕をすぱり斬りつけた。
「それでは、神罰を与えましょう」
あきが手を組み合わせて空を仰ぎ見る。その口から紡がれる聖句は貝塚の女王が出るまでに間に精神を統一しきって生み出された物。
「皆さん、離れていてくださいね……!」
彼女の願いを聞き届けたかのように、天から半径47mの光の柱が戦場全体を包み込みむ。
それは貝塚の女王はおろか、腕のドラゴンの咢も周りを流れるすべてを溶かす水流すらも包み込み、清め――そこには貝殻となった元ドラゴンの咢、清らかな水流、そして
「いっぎぎぎ……!」
そこには痛みで苦しむ貝塚の女王の姿だけがあった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ネピア・ドットヤード
【スコッティと共闘】
お兄ちゃんの料理で気を取られている隙に僕が攻撃と防御を兼任!大変だよ!?
でも泣き言言ってられない!【ブレイブバースト】発動!僕の怪力で動きを止めてやる!
(大きくなった体で、肉を溶解する水流は地面ごと蹴り飛ばして凌ぐ)
(兄が完成させた料理を投げつけて食べさせている間に拳や蹴りを見舞う)
美味しいものを食べるにせよ、人から奪わなければよかったのに!
自分がどんなに苦しくても…他人にそれを押し付けちゃダメなんだ!
【怪力・覚悟・かばう・気合・衝撃波・オーラ防御・グラップル・拠点防御】
スコッティ・ドットヤード
【ネピアと共闘】
んー…気の毒だが、俺にできるのはせめて美味い料理を食べさせてやるくらいだな。
【選択UC発動】
(簡易キッチンを召喚し、運んできた料理を温め直す)…出来立てのほうがいいだろ。
(料理中の防御はネピアに任せる。料理はとんでもない早業で作られて次々お出ししているわけだが)
美味い香りが漂ってきて…これオブリビオンだけじゃなくて俺も妹も匂いに釣られる奴だな?
まぁいいや…トドメを受ける前にせめて一つや二つ、腹に貯めてから逝ってくれ。来世はいい奴になれよー。
【料理・優しさ・早業・コミュ力・誘惑・マヒ攻撃】
先ほどの攻撃でボロボロになった貝塚の女王。しかし、まだ彼女の目から憎悪と食べる事へ執念は消えていない。
そんな様子を見てスコッティは少し考え込み、そして。
「ネピア、少しの間だけで良い、あいつを引き付けていてくれ!」
言うが早いかスコッティは自前の簡易キッチンを召喚、先ほどのバスケットから肉を取り出し、何やら料理を始めてしまった。
「ちょ、お、お兄ちゃん?! ああもう、またお兄ちゃんの悪い癖が出ちゃってる!」
ネピアが兄の突発的な行動に慌てる横で貝塚の女王は上半身を起こし、ネピアを指さす。すると周囲の地形が再び液状へと変わり、ネピアとスコッティに襲い掛かる。
「もう、仕方ないなぁ!」
ぎゅっとこぶしを握り兄を守る勇気で体を満たす。すると呼応するかの様にネピアの体が普段の2倍、いや3倍と大きくなる。
そのまま地面を勢いよく踏めば地面がめくれ上がり畳返しの様に水流から兄妹の身を護る。
めくり上げた地面を踏み台として使い、跳躍。貝塚の女王の真上で踵落としを決めるも、女王は即座に左手を貝殻でできたドラゴンの頭に変形。貝が砕ける音が響くも女王の身には届かない。
「お兄ちゃんのために隙に僕が攻撃と防御を兼任! 大変だよ!?」
再び跳躍。今度は貝塚の女王の前にすとんと降り立つ。
「でもどんなに怖くても、痛くても!お兄ちゃんがいる限り!絶対に!!負けるもんかー!!!」
どの位の時間が経っただろうか。命と命を削り合う戦場では何かが溶ける臭いと、血の臭いが混ざり合っていた。
しかしそこに、ふわり。戦場に似つかわしくない匂いが鼻腔をくすぐる。
「ネピア、待たせたな」
スコッティは完成したばかりの料理を紙に包むとそのままネピアに放り投げる。
「全く、美味しそうな匂いがする横で守りに徹するって大変だよ! あとで僕にも食べさせてね!……それっ、くらえー!」
スコッティから受けとったそれを今度はネピアが貝塚の女王へと投げつける。
投げつけられたそれは狙った通りに女王の口の中に入り、そして――
「こ、これは一体
……?!」
最初は訝しんでいた貝塚の女王の表情が噛むごとに徐々に和らいでいく。
「米を使ったハンバーガー…パティはもちろん肉さ(紙ごと食ってるけど問題ないのか……)」
パンバンズの代わりに焼きおにぎりを使い、パティを挟んだ料理だ。パティは牛肉。甘辛く味付けされた牛肉と一緒に入った玉ねぎをはじめとする夏野菜が牛肉の味をさらに際立たせる。そしてその汁をバンズが吸い込みご飯とパティに見事な調和をもたらす。
先ほどの肉巻きおにぎりと違いこちらは具材豊富で栄養も豊富な一品となっている。
「し、知らなかった……こんな美味しい物があるだなんて」
普段生肉か保存用として貯蔵されていた塩漬け肉しか知らなかった貝塚の女王にとってこのハンバーガーも先ほどの照り焼きチキンサンドも未知の味。感動に打ち震えていた。
「アナタ、凄いのね。私の専属奴隷にしてもいいのよ?」
「あー残念だけど遠慮しておくよ。トドメを受ける前にせめて一つや二つ、腹に貯めてから逝ってくれ」
「え?」
スコッティの言葉に女王がふと後ろを見るとネピアが右腕を大きく振りかぶる姿が見え、そして――
「美味しいものを食べるにせよ、人から奪わなければよかったんだよ!」
少女の拳が振り下ろされる。
大きな音が炸裂すると同時に土が間欠泉のように大きく湧き上がる。
「自分がどんなに苦しくても……他人にそれを押し付けちゃダメなんだ!」
土煙が収まった時そこにあったのは大きなクレーター。そしてその中心にはネピアの姿。
「来世はいい奴になれよー」
クレーターの上からひょっこり顔を覗かせたスコッティは中心に向かい手を合わせるのであった。
大成功
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第3章 日常
『幻の珍味を求めて ~一丁狩り行こうぜ!~』
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POW : 数打ちゃ当たるさ。迷宮で肉を狩って狩りまくれ!
SPD : 採取こそ素材集めの王道。香草、植物を集めよう!
WIZ : 生で駄目なら加工すれば良い。食欲は進歩の糧!
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オブリビオンと戦闘の影響を受けた山頂をあらかた片付けた猟兵達。
努力のかいあってその場は先ほどまでの荒廃した雰囲気は姿を消し、穏やか憩いの場として再び息を吹き返した。
開けた場所にはバーベキュー器具と簡易キッチン、そしてテントが立てられるスペース。簡易キッチンには専門的な機械は無いが、普通の料理を作るには不便はないはずだ。
近くの湖には大小さまざまな魚が優雅に泳ぎ、森に行けばモモやキイチゴをはじめとした果実とウサギなどの動物たちが生息している。採取や狩猟が得意な人がいればここで今日の夕飯の食材を見繕ってきても良いだろう。
猟兵たちは今日の夕ご飯の材料を現地で調達したできるほかに料理を作ったりそれを堪能することができる。明るい時間帯ならば湖で遊ぶこともできるし、夜遅くなれば満天の星空を眺めるのも楽しいだろう。
さぁ、夏の山を楽しもう!
ネピア・ドットヤード
【アドリブ歓迎・連携歓迎】
ここに来るまでに食材を使っちゃったし、僕はちょっと狩りに行ってこようかな?BBQの準備はお兄ちゃんに任せよう!
(第六感・野生の勘・視力・聞き耳を使い野生動物を狩る。狩った動物はせっせと運搬して)
僕は料理できないから食べ専かな!いっぱい食べるぞー!(BBQが始まれば楽しそうに表情をほころばせる)
着火するならいつでも言ってね!【ブレイブフレイム】使うから!(ぼわ、とネピアの手が真っ赤に燃えだす。サイキックの炎だ)
…あ、でも火力強いから燃やし過ぎちゃうかも?炭や薪に火をつけるだけに留めておこっと。
それじゃ、いただきます!お外で食べるごはんって美味しいよね!
スコッティ・ドットヤード
【アドリブ歓迎・連携歓迎】
とうとう俺の出番がやってきた。BBQ…腕がなるぜ…!(髪を結い上げ、愛用のエプロンに包丁に三角巾を締めて)
(【ブラザー・クッキング】発動)さぁ料理だ!みんなが持ち寄ってくれた食材の下ごしらえは任せてくれよ!
(初見の猟兵ともコミュ力発揮して楽しく会話しつつ、自分だけが料理を楽しまない様に気を遣って)
(持ち寄った食材を、愛用の二丁包丁を振るって焼きやすい大きさ、食べやすいサイズに丁寧に下ごしらえ)
(焼くのも楽しみの一つと知っているため、串に刺した肉や野菜を焼くのは人に任せる)
(焼き終わった後の後片付けも料理の一環。掃除もてきぱきとこなしていった)
テニエ・ミスチヴァス
◎アドリブ連携歓迎
あの食欲、他人とは思えない相手だったなぁ……
でも美味しい物とか食べた事無かったのかな?ちょっと可哀想かも。
うん、今回は食べるのは止めてあげようかな。
さぁ気を取り直して、待ちに待ったバーベキューだ!
まずは森で色んな果実を採りながら、食材になる動物も探して投擲や忍び足を
駆使して沢山狩ってくるよ。
後はバーベキューにして食べる、とにかく食べる。山の幸を堪能するよ!
山の上で食べるご飯ってなんでこんなに美味しいんだろう?
もし料理が得意な人がいるなら、採ってきた食材をどんどん提供して
ご相伴にあずかるよ、死ぬ気であずかるよ。
綺麗な景色も好きだよ。風景や満点の星空を見ながらのご飯、最高だね!
頂上の広場から離れた山の中。うっそうと木々が生い茂る場所にテニエとネピアは目の前にいる獣と対峙していた。
彼女たちの目線の先にいるのは――熊。二人で山菜や果物を取っていた時に突如として襲い掛かってきたのだ。
「もしかしてテリトリーだったりしたのかな?」
「でもこのまま逃げても追ってくるだろうし……やるしかないね」
二人は視線を合わせて頷き合う。そしてテニエは器用に木の上に跳躍し、ネピアが熊の前に構える。
熊の鞭の様にしなるパンチがネピアを襲う。普通ならば当たった部位が吹っ飛んでもおかしくないその暴力。
しかしネピアは持ち前の怪力を使い、腕を補足。あまりの勢いに足が少し後ろにずり下がるも完全に固定し、そして
「とりゃぁ!」
そのまま熊を放り投げる。少女の怪力に熊の体が宙に踊り、どんっ、という音と共に地面に体を打ち付けられる。
「テニエさん今だよ!」
「はいはーい、これでトドメだ!」
木々を伝って熊の近くの木の上に立つテニエが持ち前のフォークを投擲。フォークは正確に熊の首に突き刺さると、熊はぴたりと動かなくなり、やがて前のめりに体が倒れた。
「「やったぁ!」」
熊が倒れた事を確認すると二人は駆け寄り、ハイタッチしたのだった。
「お兄ちゃんただいま~!」
「食材持ってきたよー」
ネピアは動物を抱え、テニエは果物はじめ山の幸を抱えて広場まで戻ってくる。
「おお~凄いな二人とも。鳥とか兎はあると思ってたけど熊もか」
愛用のエプロンと三角巾を頭に巻いて臨戦態勢を整えたスコッティは二人の成果物を受け取る。
そしてスコッティは受け取った獣たちを手早く解体。部位ごとに綺麗に分け、更に筋を取り焼肉用へ成型。
スコッティはひと段落するとユーベルコートで炭火に火をつけているネピアとそれを見守るテニエにその肉と串と一緒に手渡した。
「悪いけどこれを串に刺してくれないか?これとは別に好きな物もさしていいからさ」
「分かったよ」
「任せてよお兄ちゃん! ネピアさん何を刺す?」
「うーん、悩むけどここはオーソドックスに玉ねぎと肉かな」
「じゃあボクは肉オンリー串だ!」
二人でわいわい喋りながら作業を始める二人を確認すると、スコッティはさらなる料理の準備に取り掛かるのだった。
網の上には先ほどの串のほかにも焼肉用に薄く成形された肉がじゅうじゅうと油を落としながら食べられるのを今か今かと待っている。
「そろそろいいんじゃないか」
「それじゃあ」
「みんなで一緒に」
「「「いただきまーす!」」」
挨拶もそこそこに一斉に肉を取り食べ始める猟兵達。
一口食べるとそこはパラダイス。肉のうまみと油の甘みが最高のハーモニーを奏でる。
夢中で箸を進める猟兵達。そこにキッチンで調理していたスコッティが猟兵たちの前に料理の乗っていたお皿を差し出した。
「良かったらこれも食べてみてくれ。熊肉だ」
差し出したのは今網の上に乗っているのと大差ない肉。いぶかし気に皿の上の肉をとり、口に運ぶ猟兵達。
「あれ、これなんか違う……?」
「うん、なんか柔らかい?」
テニエとネピアが顔を見合わせる。その肉はテニエが持ってきた果物に漬け込んだで焼いたものとスコッティは説明した。
「果物と一緒に漬けると身が柔らかくなるんだよ」
「なるほど酢豚にパイナップルが入ってるのと一緒の原理だね」
スコッティの解説にテニエは熊肉をほおばりながら補足を付け足す。
「テニエさん詳しいんだね?」
「そりゃあもう一応フードファイターだからね」
ネピアの問いにテニエはふふんと胸をそらすのだった。
空が暗くなり、星が輝きだすころ。バーベキューの情熱は今残り火とある物に注がれていた。
「バーベキューで焼くマシュマロってなんで美味しそうなんだろうね?」
「分かる、凄い期待しちゃうんだよね……」
ネピアとテニエは串に刺したマシュマロを残り火に近づけ、くるくると回しはじめる。
白いマシュマロは段々と蕩けはじめ、先ほどよりも滑らかな肌を露出させる。そのタイミングで甘さ控えめなビスケットに挟んで食べる。
「「美味しい!」」
とろとろふわふわのマシュマロとちょっと硬めで塩味が効いたのビスケットのこの風味、なんと素晴らしい事か。この食べ方は外ならではのおいしさの一つかもしれない。
「こういうのも良いと思うんだ」
片方のビスケットにチョコレートを乗せてその上に焼いたマシュマロを乗せて挟む。
「これは……スモア
………!」
「えっ、それって最近流行りの?」
「そう、とある世界でのとある国で作られている伝統的お菓子だよ!」
テニエが解説をしながらスコッティの手からそのお菓子を受け取ると一口。先ほどの物にチョコが乗っただけ。されどそのチョコが大きな革命を齎す。
「ああ、良い、とても良い……!」
「そ、そんなに……?! お兄ちゃん私にもはやくはやくー!」
「はいはい、ちょっと待っててな」
妹の催促に少し困った、されど満更でもない表情を一つこぼしスコッティはもう一個スモアを作りネピアに手渡す。
「いっただきまーす!」
「火傷すんなよ」
「するわけないでしょ…あちちっ」
「ほら言わんこっちゃない」
心配する言葉をかけた兄にネピアが軽口で答えながら一口がぶり。その表情はまるで花が咲いたかのよう。
「他にもさっき取ってきてもらった果物を使った作ったデザートもあるから食べてくれよ」
そういって再びキッチンから持ってきたトレイの上には先ほどとってきた果物がメインで使われたスイーツがぎっしりと置かれていた。
「えっ、本当!?」
「スコッティさんありがとう!」
トレイの上のスイーツの前で猟兵たちは喜色の声をあげながらスイーツを食べるのだった。
宴と片付けが終った時には夜も深く、灯りが無いと歩くのにも不安を覚える。
「外で食べるご飯ってやっぱ美味しいね~」
「そうそう、満天の星空を眺めながらのご飯は最高だよ」
「やっぱりいつもと違う場所で食べるからだろうな」
宴の余韻に浸りながら空を見上げる3人。
3人の目の前には夜空一面に輝く白い星々が瞬いていた。
大成功
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