●UDCアース
「いらっしゃいませ~♪」
そこは御客にとって、憩いの場であった。
出迎えてくれるのは、可愛らしい猫達と、猫の恰好をした執事とメイド……。
この時間が永遠に続けばいいと思ってしまう程の癒しに満たされ、その時だけは嫌な事も忘れる事が出来た。
そういった意味でも、御客にとっては、聖域ッ!
どんな事があっても、失いたくない場所であった。
だが、ここ最近になって、怪しげな連中が店を出入りしているようである。
そのせいで、常連客ほどストレスに感じる事が多くなってきたらしく、怪しげな連中とトラブルになっている事も少なくはないようだ。
しかし、そう言った常連客ほど、大きなトラブルを起こした後は、人が変わってしまったように大人しくなってしまい、店にも来なくなってしまうようである。
それが何なのか分からぬまま、店内には不穏な空気が漂っていた。
●ガジルからの依頼
「ボクも、にゃんこと遊びたいんだよ」
ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が羨ましそうにしながら、今回の依頼を説明し始めた。
どうやら、にゃんこ喫茶の常連客達が、UDCの怪異に巻き込まれるという予知されたらしい。
そこで猟兵達に調査をしてもらうため、にゃんこ喫茶に行ってほしいという事である。
にゃんこ喫茶は現在、経営難に陥っているため、廃業の危機に陥っているらしく、御客であっても、従業員であっても、大歓迎ッ!
危機的状況を打破するため、あれこれ策を練っているようである。
そういった意味でも調査をする事自体は難しくないため、マッタリとした時間を過ごしつつ、怪異の原因となっているオブリビオンを撃破してほしいという事だった。
ゆうきつかさ
この依頼は、難易度が低めの依頼です。
キャラクターらしいプレイングを掛けていれば、何となく解決できる仕様になっています。
またOPで説明されていないモノに関しては、自由に設定していただいて構いません。
一緒に物語を作っていく感覚で、プレイングを考えてください。
世界観に問題が無い限り、採用していこうと思います。
第1章は怪異が発生するまで、にゃんこ喫茶であれこれします。
POWを選択した場合、食事に関するプレイングを掛ける事が出来ます。
御客として食事をしたり、従業員として新メニューを作ったりします。
SPDを選択した場合は、従業員と接したり、御客と接したり、にゃんこ達と接したりします。
WIZを選択した場合は、贅沢気分を味わうため、御金を使いまくったり、使わせたりします。ここでのお金はガジルが豚の貯金箱を壊して提供してくれるようです。
第2章はガラの悪い連中が、借金の取り立てに来ます。
POWを選択した場合は、力技でガラの悪い連中を大人しくさせます。
SPDを選択した場合は、論理的に交渉します。
WIZを選択した場合は、情に訴えて説得を試みます。
第3章は『都市伝説』ドッペルゲンガーとの戦闘です。
ドッペルゲンガー達は、怪しげな連中が暴れ回っているドサクサに紛れ、猟兵達の姿になっているため、面倒な事になる前に倒しておきましょう。
場合によっては、同じ人物が何人もいるような事態に陥ります。
相手の許可があれば、ドッペルゲンガーが化ける相手を指定しても構いません。
もちろん、自分そっくりなドッペルゲンガーを相手にするプレイングを掛けても構いません。
第1章 日常
『ようこそ、メイド&執事喫茶へ!』
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POW : メイドや執事からの行き届いたサーブで食事と紅茶を心ゆくまで満喫する
SPD : メイドや執事に気さくに話しかけご主人様気分を味わう
WIZ : メイドや執事を傅かせてラグジュアリーな気分に浸る
👑5
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槙島・未幽
目標
従業員やお客から、怪しげな客の情報を聞き出す
ガジル君の話を聞いた直後、「にゃんこを苦しめる奴らをブッ飛ばす」と呟く。そのために参戦する。
従業員かお客かで数時間葛藤するが、
従業員の方が情報を入手しやすそう、という結論に達し、面接を受ける。「にゃんこぉぉぉ!!って、叫び続けたら受かるかなぁ?」
店では、何故か執事服を渡される。女だよと言おうか迷うが、「にゃんこと過ごせるからいっか」と思い直して袖を通す。
まず、教育係の先輩、現場で最古参の先輩に狙いを定めて話をきく。
休憩時間には、必ず店でにゃんこと戯れるようにし、客から話しかけられやすいようにする。
織銀・有士郎
【SPD】
ネコかーネコは良いよなーネコは人の心を満たしてくれる。
何というか猟兵になってから仕事が多くてな……しかも戦闘系の仕事が多くてちっとも楽ができないと。
やれやれ、自分もお前さんたちのようになれれば、楽に生きていけるのかねー。
あ、従業員の方々は余り構わなくていいぞ? 他にもやる事多そうだからな。
自分はにゃんこの皆さんと適当に和んでいるから。
……まぁ実際は仕事で来ているから、余り和んでいる訳にもいかんだのが。
そうさなぁ、適当な客から『怪しげな連中』について聞いてみるか。
ただ妖弧だから猫耳メイドとかと間違われなきゃ良いんだが……ま、服装が明らかに違うから大丈夫だろ。
アマネク・アラニェ
※連携・アドリブOK※
【SPD】
*心情*
「オブリビオンが来るなら放ってはおけないわね。
だから仕方なく待機するのよ、仕方なくよ仕方なく」
と口にしながら猫ちゃんとの触れ合いに内心結構浮かれてます。
そして「この猫ちゃんと触れ合える時間や場所を失わせられないわ」と
ここを守る意思を強く固めます。
*行動*
客として訪れて猫ちゃんと触れ合うわ。
遊んでほしそうな猫ちゃんを猫じゃらしやおもちゃで『釣り』、
嫌がられない程度に撫でたいわ。
……勿論仕事も忘れないわよ。怪しいお客がいないか『野生の勘』で探るわ。
目が四つもあるんだもの、そのくらいはやれるはず。
(飲み物を描写する際はハーブティーとコーヒー以外でお願いします)
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎
■行動
猫さん、可愛いですよねぇ。
何か起きるまでは、まったり楽しませていただきますぅ。
メニューを見せていただいて、「パスタ」と「パンケーキ」をいただきますぅ。
デザートは「カフェオレ」と「ケーキ」、「パフェ」も良いですねぇ。
[大食い]の経験は有りますので、量が多くても大丈夫ですぅ。
後は、猫さんの御飯が有れば購入し、猫さん達と戯れましょう。
「茹でささみ」の様な「人間も猫も食べられる品を御用意」、人間は何かをつけて、猫さんはそのままで、一緒に食べられたりしたら楽しそうですぅ。
猫さんの栄養管理や衛生面等も有り、難しいでしょうが、無い様でしたらご提案させていただきますぅ。
インディゴ・クロワッサン
UDCアースだし、●●アース世界用の私服でいこーっと(ポニテBU参照)
【POW】
幾らお仕事とはいえ、流石にグリモア猟兵の貯金で豪遊する気は無いからねぇ
自分のお金で\じゃかじゃかちーん/
メイドと執事はガン無視で、にゃんこをチラ見しつつ食事を楽しもうっと
「何にしようかなー…オススメのやつでいいか」
所で、にゃんこにおやつとかあげてもいいのかな?
「そういや、前に私用で行った猫カフェはおやつにとりささみあげてたっけ」
足元にすり寄ってきたにゃんこを撫でたら、周囲の常連さんとかの話に【聞き耳】をそばだてて【情報収集】しつつ、運ばれてきた食事に
「いっただきまーす」
舌鼓を打つ事にしようっと♪
火奈本・火花
「にゃんこ喫茶が経営難と言う事は、此処に努める従業員はもちろん猫達も路頭に迷う可能性があると言う事……放ってはおけませんね」
■行動(WIZ)
こういった時は調査をしつつ、お客としてお金をきちんと落とす事でにゃんこ喫茶を潤わせなくてはいけませんね
……コリアンダーさんの貯金箱を壊すのは忍びないので、私のポケットマネーで豪遊します。お料理は勿論、私の『撮影』技術を駆使してにゃんこや執事、メイドさんとの写真も撮りましょう
にゃんこにご飯をあげるのも忘れません
最終的には『早着替え』で猫メイドのコスプレに変身しても良いでしょう。とにかく戯れます
(にゃんこまみれになりながら)
……天国ですね、これは
■
アドリブ可
ヴィサラ・ヴァイン
にゃにゃにゃ。にゃっにゃにゃー。にゃにゃー♪にゃにゃにゃ…?(うにゃうにゃ)にゃうにゃう…にゃん!!
…え、何してるのかって?
私は動物によく怖がられるからね(恐怖を与える)
にゃんこと同化して、にゃんこの気持ちになって接してみようかなと…てめっちゃ怖がられてるね!?
にゃんこ店員さんにも生温かい目で見られてるし…!
…え、リム(f08099)がにゃんこと仲良くなるのを手伝ってくれる…?
ありがとう!
最悪にゃんこ店員さんと戯れるしかないと思ってたよ…!
ってあれ、リム。そのあらぶるトマトにゃんこの構えは…!?(トマト苦手)
ちゃんとにゃんこと戯れるから許すにゃん…!(必死)
※この後めちゃくちゃ記念写真撮った
リミティア・スカイクラッド
ここがにゃんこ喫茶ですか
ほんとうににゃんこがいっぱいですね……それで、ヴィサラ(f00702)は何をしているのですか?
なるほど、にゃんこと同化……にゃーにゃー言ってるヴィサラは可愛かったですが
リムで良ければヴィサラがにゃんこと仲良くなる手伝いをしましょう
魔女と猫は古くからの友。その接し方もよく知っています
猫と接する時は距離感が大事です。触りにいくのではなく、向こうが触らせてくれるのを待ちましょう
しっぽや仕草を見れば猫の気持ちもだいたいわかりますよ
……ん、店員さんと戯れる……?
(ナンパかな?と無表情に首をかしげる)
いえ。いいのですよ、戯れても。明日の朝食はトマトですが
※記念撮影したら機嫌は治った
●強い決意ッ!
(「……にゃんこを苦しめる奴らをブッ飛ばす」)
槙島・未幽(体はミルクティーでできている・f20363)は強い意志を胸に秘め、にゃんこ喫茶の面接に訪れていた。
……従業員か、御客か。
数時間ほど悩んだ結果、導き出された答えが、従業員としてにゃんこ喫茶に潜入する事だった。
「にゃんこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
真っ先に口にしたのは、にゃんこに対する……愛だった。
……それは魂の叫び。
だれにも文句を言わせぬ勢いで叫ばれた、その言葉は面接を担当した招来猫・権三郎(まねきねこ・ごんざぶろう)の心を掴んだ。
「採用ッ!」
それ故に、即採用。
採用を決めた権三郎に迷いはなく、その瞳は綺羅星の如く輝いていた。
「んじゃ、今日からよろしくにゃ」
中年男性とは思えぬほどの猫なで声で、権三郎がでっぷりとした腹を揺らし、未幽に執事服を手渡した。
「……と言うか、あたしはおん……」
そこまで言って、未幽が言葉を飲み込んだ。
ここで自分が女性である事を伝えたとしても支障はないが、これも運命だと自分自身に言い聞かせ、執事服に袖を通す事を決意するのであった。
●にゃんこ喫茶
「……ここがにゃんこ喫茶ですか。ほんとうに、にゃんこがいっぱいですね」
一方、リミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)はヴィサラ・ヴァイン(魔女噛みのゴルゴン・f00702)と一緒に、にゃんこ喫茶にやってきた。
店内は猫達で溢れかえっており、二人を歓迎するようにして、一斉にニャーンと鳴いた。
それに合わせて、猫の恰好をした執事とメイドが、猟兵達を御出迎え!
みんな可愛らしくポーズを取り、身も心も猫になっていた。
「にゃにゃにゃ。にゃっにゃにゃー。にゃにゃー♪ にゃにゃにゃ……?」
それに気を良くしたヴィサラが猫語で、まわりにいた猫達に話しかけた。
「……!」
だが、猫達は警戒ムード。
両目をギョッとさせながら、全身の毛を逆立て、まるで結界があるが如く勢いで、ヴィサラと距離を取っていた。
「一体、何をしているのですか……?」
そんな空気を察したリミティアが、不思議そうに首を傾げた。
どう考えても、猫達が警戒ムード。
おそらく、意図した結果と違うモノ。
それが何となく分かってしまう程、微妙な雰囲気に包まれていた。
「にゃんこと同化し、にゃんこの気持ちになって仲良くなるはずが……。ひょっとして、めっちゃ怖がられてる!?」
それにショックを受けたヴィサラが、薄っすらと涙を浮かべた。
別に悪意もなければ、悪気も無いのだが、未だに猫達は警戒ムード。
まわりにいた執事やメイド達も生暖かい目で見守るか、苦笑いであった。
「リムで良ければヴィサラがにゃんこと仲良くなる手伝いをしましょう。魔女と猫は古くからの友。その接し方もよく知っています。猫と接する時は距離感が大事です。触りにいくのではなく、向こうが触らせてくれるのを待つのです」
リミティアがヴィサラにアドバイスしつつ、猫達と一定の距離を取った。
そのためか、猫達もリミティアに、興味津々。
今にも近寄りそうな勢いで、瞳をランランとさせていた。
「ありがとう! 最悪、にゃんこ店員さんと戯れるしかないと思ってたよ……!」
そのため、ヴィサラが天の助けと言わんばかりの勢いで、リミティアに対して感謝の気持ちを表した。
だからと言って、別に執事やメイドが嫌いという訳ではないのだが、せっかくにゃんこ喫茶に来たのだから、沢山の猫達と戯れなければ意味がない。
そうおもっているせいか、他に選択肢が無いようである。
「……ん、店員さんと戯れる……?」
リミティアが無表情のまま、再び首を傾げた。
『もしかして、ナンパが目的……?』と思ったりもしたが、ヴィサラのメインは猫なので、おそらく勘違いだと思い、まわりにいた猫達を呼び寄せた。
「……ってあれ、リム。そのあらぶるトマトにゃんこの構えは
……!?」
それに気づいたヴィサラが、青ざめた表情を浮かべていた。
何故なら、ヴィサラはトマトが苦手。
いわば、天敵。
最悪の場合は、ばたんきゅーするレベルである。
その構えをリミティアが取っていたため、嫌な汗が止まらない。
「こうする事で、にゃんこが……ほら、寄ってきました。それでは、にゃんこ達と戯れましょうか。ただし、明日の朝食はトマトですからね」
リミティアが沢山の猫に埋もれつつ、ヴィサラを見つめてキッパリと断言。
それがヴィサラには、死刑宣告のようにも聞こえたが、ここで拒否すれば猫達と遊べない。
「ま、まあ、にゃんこと戯れる事が出来るなら、許す……にゃん!」
ヴィサラがぎこちない笑みを浮かべ、必死になって猫の事を考えた。
(「にゃんこが一匹、にゃんこが二匹……トマトにゃんこが……ひゃあ!?」)
だが、思ったよりもトマトは強敵ッ!
油断をすれば、トマトの暗黒面に飲み込まれていきそうな勢いで、脳内に広がっていった。
「んにゃ?」
そんな空気を察した子猫が、心配した様子でヴィサラの顔を覗き込んだ。
「にゃ、にゃんこ~」
その途端、ヴィサラの脳内が猫一色になり、子猫をギュッと抱き締めた。
その後、ヴィサラ達は沢山の猫と戯れながら、めちゃくちゃ写真を撮りまくった。
●気になる噂
「ネコかー、ネコは良いよなー、ネコは人の心を満たしてくれる。何というか猟兵になってから仕事が多くてな……しかも戦闘系の仕事が多くて、ちっとも楽ができなかったせいか、この場所は癒されるな」
それと時を同じくして、織銀・有士郎(織りなす銀の一振り・f17872)は猫達と戯れながら、物思いに更けていた。
その間も猫達は自由気ままな様子で、有士郎に擦り寄ったり、猫パンチを繰り出したり、おやつを要求したりしていた。
「……とは言え、オブリビオンが来るのであれば、放っておけないわね。だから仕方なく待機するのよ、仕方なくよ、仕方なく……!」
アマネク・アラニェ(ユビキタス・アラニェ・f17023)が言い訳するようにしながら、ぎこちなく猫達の相手をし始めた。
しかし、猫達は全く気にしておらず、全力でアマネクの指に飛びつき甘噛みしたり、お昼寝ポイントを見つけてゴロ寝したりと、やりたい放題。
そのため、内心浮かれているものの、表面上はクールフェイスを装った。
「やれやれ、自分もお前さんたちのようになれれば、楽に生きていけるのかねー」
有士郎が苦笑いを浮かべて、トラ猫の喉を撫でる。
それに気を良くしたトラ猫が、喉をゴロゴロ。
他の猫達も羨ましそうにしながら、有士郎に擦り寄ってきた。
「せっかく、にゃんこ喫茶に来たんにゃから、もっと楽しむ……にゃ」
そんな中、現れたのは、執事服を着た未幽であった。
まだ接客に慣れていないため、喋り方がぎこちないものの、そんな空気を察した猫達が未幽をフォローするようにして、有士郎達に愛嬌を振り撒いていた。
みんな、遊びたくて仕方がないのか、有士郎達の前でゴロンである。
「し、仕方がないわね。仕方なく、遊んでいるだけよ。全然、嬉しくないし……」
その誘惑に負けたアマネクが、思わず表情を崩してしまいそうになりながら、猫達の喉を撫で始めた。
それに誘われるようにして、猫達が順番待ち。
みんなナデナデして欲しいのか、瞳がランランと輝いていた。
「そう言えば、最近……怪しげな連中が来ているって話だが……」
有士郎が未幽の顔色を窺いながら、接客中に得た情報を聞き出した。
「どうやら、最近‥‥、借金取りが来ている……にゃ」
未幽が辺りの様子を窺いながら、有士郎達に聞こえるようにボソリと呟いた。
その相手はオブリビオンではなく、一般人。
どうやら、高利貸しから金を借りているらしく、にゃんこ喫茶が経営難に陥っているようだ。
そのため、借金が雪ダルマ式に膨らんでいき、怖いヒトが店まで来ているようである。
「今時、そんな事をしている人達がいるなんて……。だからと言って、猫ちゃん達と触れ合える時間や場所を失う訳にはいかないわ。アタシ達で此処を守りましょう」
そう言ってアマネクが、拳をギュッと握り締めた。
●猫達の楽園
「猫さん、可愛いですよねぇ」
一方、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は仲間達と一緒に、マッタリとした時間を過ごしていた。
にゃんこ喫茶の売り上げに協力するため、パスタに、パンケーキを頼み、デザートにカフェオレ、ケーキ、パフェを頼んでいたのだが、どれもボリューム満点。
採算度外視のボリュームだったため、大食いの彼女でなければ、グッタリしているところである。
「にゃーん♪」
猫達も、るこるのおごりで御飯を食べ、感謝の気持ちを表すようにして、ウニャウニャニャニャニャと歌っていた。
「にゃんこ喫茶が経営難と言う事は、此処に努める従業員はもちろん猫達も路頭に迷う可能性があると言う事。これは……放ってはおけませんね」
そんな中、火奈本・火花(エージェント・f00795)が、自分自身に気合を入れた。
しかも、相手は高利貸し。
かなり違法性が高いものの、相手が文句を言う事が出来ない程、強面のメンツを集めているのだろう。
「だからと言って、グリモア猟兵の貯金で豪遊する気はならないから、自分の御金で支払いをするけどねぇ」
インディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)が、ガジルの想いだけを受け取るようにして、自分の考えを述べた。
他の猟兵達も自腹で支払いをしているらしく、誰もガジルの貯金箱には手をつけていなかった。
「……そうですねぇ。猫さん達に罪はありませんし、たくさん頼んで売り上げに貢献しましょうか」
るこるが納得した様子で答えを返し、追加の注文をした後、近寄ってきた猫達に茹でささみを食べさせた。
そういった意味で、猫達にとって、るこるは女神。
とっても美味しいモノを食べさせてくれる御馳走の女神と化しており、猫達が拝むようなポーズでるこるを眺めていた。
「何にしようかなー……オススメのやつでいいか」
インディゴも足元に擦り寄ってきた三毛猫を撫でつつ、同じように注文をいると、サービスで貰ったとりささみを食べさせた。
その間、常連客達は、ほんわかムードで、猫達と接していた。
とても経営難であるとは思えないが、噂を聞く限り取りたてが厳しい事は間違いないようだ。
「やはり、お客としてお金をきちんと落とす事で、にゃんこ喫茶を潤わせなくてはいけませんね。私もポケットマネーで豪遊します」
火花が使命感にも似た感情を抱きつつ、次々と料理を注文していった。
そのせいか、猫達も上機嫌な様子で、喜びの猫ダンス♪
それが、あまりにも可愛かったせいか、執事やメイドも呼んで、撮影会が始まった。
「いっただきまーす」
その間にインディゴが注文した料理がテーブルの上に並んだため、執事やメイド達をガン無視しつつ、猫達と一緒に舌鼓を打った。
猫達もご機嫌な様子でメニュー表に猫パンチを繰り出し、追加の注文ッ!
「……天国ですね、これは」
火花も早着替えで猫メイドのコスプレに変身した後、猫達に埋もれてマッタリとした時間を過ごしていた。
「おいコラ! 随分と儲けているようじゃねえか! だったら早く金を返しやがれ!」
そんな空気をぶち壊す勢いで、ガラの悪い連中が釘バットを肩に担ぎ、我が物顔で店内に入ってきた。
大成功
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第2章 冒険
『取り立てに参りました。』
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POW : やっぱこういうのは迫力だよね!真っ向から取り立てに行く。
SPD : 差し押さえますよ、返しなさい。ロジカルに取り立てる。
WIZ : 故郷のお袋さんも泣いてるぞ。情に訴えて取り立てる。
👑11
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アマネク・アラニェ
※連携・アドリブOK※
【POW】
*心情*
「いかにもってのが来たわね……」
絵に描いたようなガラの悪い借金取りに三つの眉間をしかめます。
猫を怖がらせるような相手に怒ってます。
「先に凶器を出したのはそっちよ、文句は聞かないわ」
今回は暴力には暴力で返します。まあ、死なない程度に。
*行動*
『秘め糸:妙法』を何処からともなく取り出し、『武器落とし』で
相手の凶器を取り上げようかしら。
そのまま『秘め糸:妙法』を使って『敵を盾にする』とか、
足を縛って『釣り』上げるとかで相手の動きを封じるわよ。
動けなくなった相手は店の外に蹴り出したり縛ったまま放り出すわ。
「ここは癒しの聖域、アンタたちみたいのはお呼びじゃないの」
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎
■行動
これはまた、典型的且つ物騒な方々がいらっしゃいましたねぇ。
猫さん達を怖がらせたり、巻き込んではいけませんから、茹でささみであやしつつ、陰になる場所に誘導しますぅ。
無事に完了しましたら、物騒な方々の前へ行き、物騒な品の持ち込みについて、注意しますねぇ。
『釘バット』を掴んで【指定UC】も伴った[怪力]で奪い取り、目の前で軽く折って見せましょう。
『もっと危ない物』を壊したり、握り潰して見せられれば、より効果的でしょうかぁ。
その上で、もう一度注意致しますぅ。
正規の『取り立て』なのでしたら、相応の手順でお願いしますねぇ?
そうでないのでしたら、その時は?(にこにこ)
槙島・未幽
SPDに挑戦
目標
取り立て屋たちを辟易させ?
・・・お前らしばくぞ?でも、ここは論理的に諭した方が迷惑かからないよね。
取り立て屋達の前に立ち塞がる。
「失礼ですが、アポイントメントはお済みでしょうか?もしまだでしたら、申し訳ありませんが、アポイントメントをお取りくださいますようお願い致します」
そういや、借金がどうこう言っていたな
「借金・・・?何か、それを証明できるものはお持ちですか?拝見させてください」
書類を見ながら、妙に感じた箇所(誤字脱字なども含む)を事細かに伝える
「ここの字が違っているようです」「全体的に、書類が読みにくくで辛いです」
インディゴ・クロワッサン
ごちそうさまでしたー(ぺろりと完食)
【POW】
「にゃんこが怯えるでしょー 止めなよー」
とか言いながら【怪力】と【早業】で釘バットをへし折りつつ【殺気】を飛ばしながら【恐怖を与え】るよ。
ついでだから言葉攻めって言う【精神攻撃】で更に【傷口をえぐ】っとこー。うさ晴らしも兼ねて。
相手が実力行使してきたら【カウンター】で拳なり釘バットなりを(怪力で)掴んで、動きを止めちゃおーっと。
「うっわー野蛮! 僕、そーゆーのきらーい」
※掴んでいる釘バットがミシミシ音を立てている
…あ、反撃?
怪力発動してるから、一般人が受け止められる威力越えちゃってるし…
悲惨な現場にはしたくないから、今は自重しなきゃねー(笑)
リミティア・スカイクラッド
まだ営業中なのに、無粋な取り立てですね
丁重にお帰り願いましょう……それで、ヴィサラ(f00702)は今度は何をしているのですか?
なるほど、にゃんこの魅力を……しかしそれで伝わるのはにゃんこではなくヴィサラのかわいさだと思うのですが
はい、やっぱり通じていませんね
リムは見てて楽しいのでもう少し続けてくれてもいいのですが
え?最終兵器りむにゃーとはいったい?
ん、なんだか視線を感じ……なぜ怒っているのですかヴィサラ
よく分かりませんが謝ったほうがいいですよ取り立て屋の皆様。ヴィサラを怒らせると大変なことになりますよ
(グッドコップ&バッドコップ作戦)
皆でにゃんこを愛でて癒やされましょう。そうすれば平和です
ヴィサラ・ヴァイン
にゃにゃにゃ。にゃっにゃにゃー。にゃにゃー♪にゃにゃにゃ…?(うにゃうにゃ)にゃうにゃう…にゃん!!
…え、何してるのかって?
取り立て屋はにゃんこの魅力を理解してなさそうだったから、魅力を伝えようとだね…これ全く伝わってないね??
それなら仕方ない、最終兵器りむにゃー(f08099)を投入するよ
これで取り立て屋達もにゃんこの魅力を…って何りむにゃーに色目使ってるんです
???(【最悪の恐怖】で[恐怖を与える])
悪い人達にはにゃんこの洗礼を受けてもらうよ…やっておしまいなさい!!
…怖がらせたら可哀そうだって?
にゃんこがいうなら仕方ないにゃあ…[動物と話す]
にゃんこを渡して癒しを提供するよ(飴と鞭)
織銀・有士郎
よりにもよって高利貸しか……本格的にどうにかするなら、しかるべき所にいって相談するしかないような。それとも元を壊滅させるか。
どっちにしろ、まずこいつ等をどうにかしないとな。
「お前さん方、ちょっと待った方が良いな」
取り立てに来た連中はそんなに儲かっているなら~と言った。
しかし、こいつ等がいると妨害行為になって儲けが落ち、返せるものも返せなくなる。
本当に返して欲しいなら、お客のいない時に改めて訪れた方が良いのではないだろうか?
……みたいな感じで一旦帰ってもらうか。
説得が無理なら仕方ないので、
【ダッシュ】【早業】【気絶攻撃】……素早く背後に回って手刀叩き込み、暫くお寝んねしててもらうかね。
火奈本・火花
猫メイドコスプレのままだが
「にゃんこ達の楽園を脅かしにくるとは良い度胸だ。彼らに恐怖を与えた罪、しっかり償って貰うぞ」
■行動(POW)
しかし、あまり全力で戦うわけにもいかないな
格闘による『気絶攻撃』で相手をしよう
総合格闘技の要領で顎を狙って殴ったり、後ろから羽交い絞めにして首を絞める事で意識を落としたりするつもりだ
また『クイックドロウ』で短針銃を撃ち込み、『催眠術』で目的を忘れさせてやる
もし連中のリーダーに目星をつけたら、拘束式尋問術だ
尋問術の質問は
「もう二度と、この店に無理な取り立てをするつもりはないな?」
となるな。今回のような取り立ての意思がある限り、ダメージを与えるだろう
■
アドリブ歓迎
●俺達が法だッ!
「うわっ、いかにもってのが来たわね……」
アマネク・アラニェ(ユビキタス・アラニェ・f17023)が、絵に描いたようなガラの悪い連中を目の当たりにして、三つの眉間をしかめた。
ガラの悪い連中は、いかにもゴロツキと言った風貌で、オラついた様子で店内を歩き回っていた。
そのため、辺りは警戒ムード。
猫達に至っては、全身の毛を逆立て、今にもゴロツキ達に飛び掛かっていきそうな勢いであった。
「これはまた、典型的且つ物騒な方々がいらっしゃいましたねぇ」
そんな空気を察した夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が茹でささみを取り出し、まわりにいた猫達を陰になる場所まで誘導した。
それに導かれるようにして、子猫達がヨチヨチ歩きで、るこるの後を追いかけた。
しかし、大人の猫達はガラの悪い連中を威嚇したまま、その場から動こうとしなかった。
「よりにもよって高利貸しか……」
織銀・有士郎(織りなす銀の一振り・f17872)が、ゴロツキ達を見つめて嫌悪感をあらわにした。
事態を収拾するためには、この一件を然るべき場所に相談するか、ゴロツキ達を差し向けた大元を壊滅させるしかないものの、まずは目の前の敵を倒す必要があった。
「にゃんこ達の楽園を脅かしにくるとは良い度胸だな」
火奈本・火花(エージェント・f00795)が猫メイド姿で、ゴロツキ達をジロリと睨む。
ある意味、ゴロツキ達は聖域を穢したようなモノ。
そういった意味でも、容赦をする必要などない気もするのだが、相手が一般人である以上、そう言う訳にもいかなかった。
「まだ営業中なのに、無粋な取り立てですね」
そんな空気を察したのか、リミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)が深い溜息を洩らした。
その間もゴロツキ達が我が物顔で店内を歩き回り、辺りに殺気を撒き散らした。
それが原因で御客達が怯えており、執事やメイド達も、どうしていいのか分からず、オロオロとしていた。
「俺達だって、営業中だ! それとも、時間外に来いってか! こっちは残業しても、金が出ねぇんだよ!」
リーダーと思しきゴロツキが、ブラックな事情を叫ぶ。
まわりにいたゴロツキ達も、『ウチの会社、マジでヤベェんだぞ!』とばかりの勢いで、『そうだ、そうだ』と連呼した。
「だからと言って、こんな事をしたら、客が興醒めして儲けが落ちる。そうなれば、返せるモノも返せない。本当に返してほしいのなら、御客がいない時に改めて訪れてくれないか……? 例え残業代が出なくても、手ぶらで帰るよりはマシだろ」
有士郎が色々と察した様子で、ゴロツキ達を説得しようとした。
「そりゃあ、そうだが……」
リーダーと思しきゴロツキが、しばらく言葉を失った。
おそらく、有士郎の言葉にも一理あると思ったのだろう。
何やら考え事をしている様子で、険しい表情を浮かべていた。
「ところで、この店が借金をしている証明が出来るものはお持ちですか?」
未幽が交渉をするつもりで、リーダーと思しきゴロツキに問いかけた。
「俺達が来ている事が、その証明だ!」
リーダーと思しきゴロツキが、自信満々に叫ぶ。
おそらく、きちんとした書類が存在していないのだろう。
例え、存在していたとしても、見せる事が出来ない程、問題があるのかも知れない。
そう思わせてしまう程、ゴロツキ達は開き直っており、話にならなかった。
「ひょっとして、私達に見られるとマズイ事でも書かれているんですかぁ? 法律に触れる程の利息を取っているようですし、怪しいですねぇ」
それに気づいたるこるが、ゴロツキ達に対して、疑いの眼差しを送る。
「法律に触れる程の利息だと? そんな訳がないだろ。俺達が法だ! だから俺達が正しいに決まっている……!」
リーダー格のゴロツキが、俺様理論全開で、キッパリと言い放つ。
この時点で問題が山積みになっているため、弁護士が間に入れば、すぐに解決できそうな勢いであった。
「にゃにゃにゃ。にゃっにゃにゃー。にゃにゃー♪ にゃにゃにゃ……? にゃうにゃう……にゃん!!」
そんな中、ヴィサラ・ヴァイン(魔女噛みのゴルゴン・f00702)が、猫語でゴロツキ達に語り掛けた。
そのため、ゴロツキ達は、キョトン。
訳が分からず、キョトンである。
「ところで、ヴィサラは、何をしているのですか?」
リミティアもキョトンとした表情浮かべ、不思議そうに首を傾げた。
「……え、何してるのかって? 取り立て屋は、にゃんこの魅力を理解してなさそうだったから、魅力を伝えようと……」
ヴィサラが『よくぞ、聞いてくれました』と言わんばかりのノリで、リミティアに説明をし始めた。
「なるほど、にゃんこの魅力を……。しかし、それで伝わるのは、にゃんこではなく、ヴィサラのかわいさだと思うのですが……」
リミティアが腑に落ちない様子で、自分なりの考えを述べた。
その間も、ゴロツキ達は、キョトン。
まるでコントを見ているような感覚に陥り、どうリアクションしていいのか分からず、悩んでいるようだった。
「確かに、これ……全く伝わってないね??」
ヴィサラがゴロツキ達に視線を送り、気まずい様子で汗を流した。
そのためか、自分とよく似た人物も、同じようにキョトンであった。
「……仕方ない。最終兵器りむにゃーを投入するよ。これで取り立て屋達も、にゃんこの魅力……って、何りむにゃーに色目使ってるんです?」
ヴィサラが話している途中でイラッとしたのか、ジト目でゴロツキ達を睨みつけた。
「そ、そんな事より、金だ、金!」
その途端、リーダー格のゴロツキが我に返り、殺気立った様子で叫び声を響かせた。
流石に手ぶらでは帰れないと思ったのか、このまま金を取りたてる事にしたようだ。
「……失礼ですが、アポイントメントはお済みでしょうか? もしまだでしたら、申し訳ありませんが、アポイントメントをお取りくださいますよう、お願い致します」
そんな空気を察した槙島・未幽(焼きたての魚は旨かった・f20363)が、リーダー格のゴロツキに釘を刺した。
「……ん? アポイント? 俺達が来たら、それがアポイントだ!」
リーダー格のゴロツキが、逆ギレ気味に叫び声を響かせた。
他のゴロツキ達も、アポイントの意味が分からなかったのか、同じように叫び声を響かせた。
「にゃんこが怯えるでしょー。止めなよー」
すぐさま、インディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)は、目のも止まらぬ早業で、鉄仮面を被ったゴロツキから釘バットを奪い取り、殺気を放ちつつ力任せにへし折った。
それに合わせて、アマネクも何処からともなく蜘蛛の糸を取り出し、モヒカン頭のゴロツキが持っていた釘バットを叩き落した。
「んあ!? 何をしやがる!」
その事に腹を立てたモヒカン頭のゴロツキが、イラついた様子でアマネクを睨む。
「こういったモノの持ち込みは御遠慮願いますぅ」
それに合わせて、るこるが【豊乳女神の加護・豊饒現界(チチガミサマノカゴ・ホウジョウノアラワレ)】で怪力になると、無精髭のゴロツキが持っていた釘バットを軽くへし折った。
「マ、マジか!」
それを目の当たりにしたゴロツキ達が、青ざめた表情を浮かべて後ずさっていく。
先程まで強がっていたモヒカン頭のゴロツキも、ようやく状況を飲み込めたのか、ドン引きムード。
「先に凶器を出したのはそっちよ、文句は聞かないわ」
アマネクがモヒカン頭のゴロツキを睨みつけ、猫達を守るようにして陣取った。
その間も猫達は全身の毛を逆立て、ガラの悪い連中を威嚇していた。
「ひょっとして、怖いの? あんなに強がっていたのに、怖くなっちゃった?」
インディゴが何やら察した様子で、ゴロツキ達を言葉責め!
「そ、そんな事はねぇよ!」
リーダー格のゴロツキが、釘バットを持ったまま、ガタブルと身体を震わせた。
本当は怖くて仕方がないようだが、手下に恥ずかしいところを見せる訳にはいかないのか、涙目になりつつ強がっていた。
「この程度の事で驚いてもらっては困りますよぉ」
そこに追い打ちをかけるようにして、るこるがイイ笑顔を浮かべながら、今度は髭面の男が持っていた鉄パイプをひん曲げた。
そのため、ゴロツキ達はドン引き。
ヤバイ奴を敵に回してしまったとばかりに、ドン引きであった。
「彼らに恐怖を与えた罪、しっかり償って貰うぞ」
火花がゴロツキ達の前に陣取り、警告混じりに呟いた。
「な、何をする気だ!」
これにはリーダーと思しきゴロツキも、身の危険を感じて釘バットを握り締めた。
「それじゃ、暫くお寝んねしててもらうかね」
その間に、有士郎が素早くゴロツキ達の背後にまわり、トントントンと手刀を叩き込んだ。
「うっわー野蛮! 僕、そーゆーのきらーい」
それに合わせて、インディゴがカウンター気味にリーダー格のゴロツキが持っていた釘バットを掴み、ミシミシと音を響かせた。
「や、野蛮なのは、どっちだ!」
ボサボサ頭のゴロツキが薄れゆく意識の中、ドン引きした様子でツッコミを入れた。
しかし、もう武器はない。
すべて壊され、後は素手。
その状況で勝てる可能性は、ゼロであった。
「そろそろ謝ったほうがいいですよ、取り立て屋の皆様。それに……ヴィサラを怒らせると大変なことになりますから……」
リミティアが最後のチャンスと言わんばかりに、ゴロツキ達に語り掛けた。
「ふざけるな! 絶対に……謝らねぇぞ!」
顔に傷があるゴロツキが、吐き捨てるようにして叫ぶ。
半ばヤケになっているのか、謝る気持ちもゼロである。
「悪い人達にはにゃんこの洗礼を受けてもらうよ……やっておしまいなさい!!」
次の瞬間、ヴィサラが殺気立った様子で、まわりにいた猫達を嗾けた。
その指示に従って、猫達がゴロツキ達に、一斉ダイブッ!
「ぎゃあああああああああ! やめてくれええええええ!」
これにはゴロツキ達も驚き、その場に尻餅をついた。
だが、猫達はもふもふ。
しかも、肉球ふにふに。
故に、拷問と言うよりも、御褒美だった。
その隙をつくようにして、アマネクが蜘蛛の糸でゴロツキ達の足を縛り、釣り上げるようにして動きを封じ込めた。
「もう二度と、この店に無理な取り立てをするな」
火花も【拘束式尋問術(アンサー・アンド・クエスチョン)】を使い、グローブから高電圧を流しつつ、リーダーと思しきゴロツキに警告した。
「わ、分かったから、やめてくれ!」
リーダーと思しきゴロツキが、観念した様子で火花の要求を受け入れた。
「ここは癒しの聖域、アンタたちみたいのはお呼びじゃないの」
そう言ってアマネクがゴロツキ達を掴み上げ、そのまま店の外に放り出した。
途端に辺りから歓声と拍手が響き渡り、猫達が喜びのダンスを踊り始めた。
しかし、店内の様子が何か様子がおかしい。
先程と比べて、明らかに人が増えている。
その上、自分達と同じ顔をした者達が、店内にいるのであった。
大成功
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第3章 集団戦
『『都市伝説』ドッペルゲンガー』
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POW : 自己像幻視
【自身の外見】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【全身を、対象と同じ装備、能力、UC、外見】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : シェイプシフター
対象の攻撃を軽減する【対象と同じ外見】に変身しつつ、【対象と同じ装備、能力、UC】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 影患い
全身を【対象と同じ外見(装備、能力、UCも同じ)】で覆い、自身が敵から受けた【ダメージ】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
👑11
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槙島・未幽
絡みOK
目的
ドッペルゲンガーの撃破
「ん?あたしがいる?そうか、あれがドッペルゲンガーか。よくできてる」
まず、にゃんことお客を避難させよう。
『見えない射手』で火災報知器を作動させればそのキッカケになるはず。
「皆さん避難してください!」と店外へ誘導しつつ、『サイキックブラスト』でチンピラ共へ仕返ししておこう。これで、スッキリした状態で戦える。
店を破壊するわけにはいかないから、武器は使わない。
自分をボコボコにするのにさして抵抗ないから、あたしの姿されても全然堪えないね。
「どうやら、今回は相手が悪かったね。にゃんこの平穏のため、綺麗に消えてくれ。じゃ、『見えない射手』、捻ってトイレに流してやるよ」
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
外見が同じ、というのは厄介ですねぇ。
同士討ちを避ける為、『パフェのコースター』を『目印』として胸に挟んでおきますぅ。
此方は『私の持ち物』では有りませんから、コピー対象外でしょう。
また、猫さん達でしたら、直感的に見分けてくれる可能性も?
他のお客様も居る店内ですし、【指定UC】で強化、自分の「現身」を中心に「見分けのつく方」を『刀』でお相手致しますぅ。
『余剰カロリー』が物を言う【指定UC】でしたら、写し取れても『先程まで「量のあるメニュー」をいただいていた私』と『来たばかりの「現身」』では、強化量に差が出ますので。
……自分の体を傍から見るのは、恥ずかしいですぅ(ぷるぷる)。
織銀・有士郎
サラっと出てくるんじゃないサラっと。
人が変わってしまったように大人しく……という事は、ドッペルの方は人間味のない、活力が余りないのだろうか。それなら元となった人物と比較し易いし、可能なら一般人の避難誘導もできそうだ。
店の中で戦闘は避けたいが……敵を誘導できる手段がない。
小回りが利いてコピーされても被害を抑えられるコードを使うしかないな。
一般人もしくは一般猫を襲おうとしているドッペルを優先的に狙う。
【ダッシュ】で接敵後、【早業】で『剣刃一閃』を使い縦に斬りつける。
敵の攻撃は【野生の勘】による【見切り】で避けるか、【武器で受けて】対処。
自身の癖は自身で把握している。対処は難しくないはずだ。
ヴィサラ・ヴァイン
にゃにゃにゃ。にゃっにゃにゃー。にゃにゃー♪にゃにゃにゃ…?(うにゃうにゃ)にゃうにゃう…にゃん!!
…え、何してるのかって?
この場にはりむにゃー(のドッペル)がいっぱいいるからね
ヴィサにゃんの魅力を存分に出せばメロメロに出来るかなって
そんな訳でりむにゃー(f08099)も猫語で歌うのにゃ
それでヴィサにゃん(のドッペル達)を魅了出来るはず!
にゃんこ達の踊りに合わせヴィサにゃん、りむにゃー連合(本物・ドッペルゲンガー混合)が猫語で合唱
あ、密かににゃんこ達の中に【魔女の黒猫】放り込んでおいたから
これでにゃんこのモフモフを堪能…違う。共有した《魔眼『コラリオ』》の[範囲攻撃]でドッペル達を石化させるよ
リミティア・スカイクラッド
こちらの姿と能力を模倣するとは面倒ですね
……それで、今度はどうしたのですかヴィサラ(f00702)?
なるほど、ヴィサにゃんの魅力でリムに化けた敵をめろめろに……確かにリムなら効き目がありそうですが
え、リムも?……にゃにゃ。うにゃにゃー。にゃっにゃっ。ふにゃー。にゃにゃにゃにゃ……にゃっ♪(歌うねこ)
……これでヴィサラのコピーを魅了できましたかにゃ……?
こうなったら思いっきりやってやりますにゃ
【魔女の火葬】で炎を舞い散らせ、歌い踊るにゃんこの饗宴を盛り上げる演出に
このUCはオブリビオンだけを焼く炎。お店に被害は出ませんし模倣されてもこちらは無害です
最後はぱーっとドッペルを燃やしてフィニッシュです
インディゴ・クロワッサン
へー…無表情な僕って以外と冷たい顔立ちしてるんだねぇ…
「ま、正体が知れてる以上、特に何とも思わないけどね。はい、お外行くよー」
僕のUC、店内で暴れるのには向かないから…(笑
【POW】
外に出たら、愛用の黒剣:Vergessenを構えてから、UC:限定降臨・藍薔薇纏ウ吸血鬼 を発動。
そしたら素早く近付いて【踏みつけ・鎧砕き・鎧無視攻撃】を組み合わせた蹴りを一発。
命中してもしなくても、即座に回避を主軸に立ち回って、隙が出来たら、UC:絶える事無き血の渇望 を発動して首元にガブリ。
…何この、飲んでるかも怪しい味の無さは…
「…僕の血の味を確かめられると思ったんだけどなー」
…期待した僕が馬鹿だったかな…
アマネク・アラニェ
※連携・アドリブOK※
【WIZ】
ドッペルゲンガーは自分の姿で。
*心情*
「アラーッ、何処の絶世の美女かと思ったらアタシの顔だわ」
と軽くジョークを口にします。
このオブリビオンたちが何故ここに目をつけたのかはわからないけど、
猫ちゃんたちに害を与えるなんて許せないので叩きのめそうとします。
*行動*
UC『機蛛縦横』で召喚した高機動蜘蛛型兵器で囲んでビームを撃つわ。
高機動なだけあって『地形の利用』もバッチリ、
天井に貼りつかせて上からも攻撃をしかけるわ。
眼前にだけ気を付けてもダーメ。
合間合間に糸で『釣り』あげての行動阻害も試みるわよ。
「同じ姿でもアタシと違って猫ちゃんのよさがわからないようでザンネンね」
火奈本・火花
「いつの間に浸入したのか……とにかく店に被害が出ないよう、早急に対応しなくてはいけないな」
■戦闘
それにしても奴の姿……猫メイドの私か
自分で着ている分には構わないが、改めて見ると恥ずかしいな
速攻で片付ける為に、格闘術での攻撃を。9mm拳銃などの武器は置き、身軽になるつもりだ
奴も同じ攻撃をするらしいが……!?
わ、私は武器を置いただけだぞ! 脱ぐな脱ぐな!
下着(白地に黒猫柄の上下)までコピーしているのか!?
くそ、なんで癒されに来てこんな羞恥を……もういい、速攻で倒してやろう
私も服を脱ぎ、下着姿で格闘に移る
互角だが、にゃんこ達が奴の足元で妨害してくれて有利になりそうだ
首筋に手刀を叩き込んで、決着だ
●もうひとりの自分
「……ん? あたしがいる?」
槙島・未幽(ゲストハウス野郎と誤字って恥ずかしい・f20363)は、自分と同じ姿をしたモノをマジマジと見つめていた。
「なんで、あたしが
……!?」
未幽と同じ姿をしたモノも、同じようにリアクションを取った。
何処から、どう見ても、瓜二つ。
まるで生き別れの如く、ソックリな外見をしていた。
「……そうか、あれがドッペルゲンガーか。よくできてる」
未幽が納得した様子で、もう一人の自分に視線を送る。
何から何までソックリだったため、まるで鏡を見ているような錯覚に陥った。
だが、それは偽り。
自分の姿を模した何か別のモノである事は間違いない。
「アラーッ、何処の絶世の美女かと思ったらアタシの顔だわ」
一方、アマネク・アラニェ(ユビキタス・アラニェ・f17023)は、自分と同じ姿を見て軽く冗談を言った。
「そりゃ、綺麗よね。だって、アタシだもの」
アマネクと同じ姿をしたモノも、軽く冗談を言い返した。
だが、何故かイラッとする感じの言い回し。
悪意はないが、毒はある。
そんな印象を受ける言い回しであった。
「……とは言え、外見が同じ、というのは厄介ですねぇ」
そんな中、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は同士討ちを避けるため、パフェのコースターを目印代わりにして、胸の谷間に挟み込んだ。
「これで同じですぅ」
るこると同じ姿をしたモノも、るこるを真似て胸の谷間にコースターを挟み込んだ。
「ま、真似したら駄目です」
それに気づいたるこるが、自分と同じ姿をしたモノを叱りつけた。
これでは全く意味がない。
しかし、みんな自分の現身を相手しているため、間違う事も無さそうである。
「まず、にゃんことお客を避難させよう」
その間に、未幽が『見えない射手(ビヨンドアーチャー)』を使い、目には見えないサイキックエナジーを放つと、火災報知器を作動させた。
「皆さん避難してください!」
未幽が大声を上げながら、執事やメイド、猫達を店の外に誘導した。
「あたしの姿をされても、全然堪えないんだけど……」
未幽が躊躇う事無く、自分と同じ姿をしたモノを攻撃した。
「だったら、死んで! あたしの偽物ッ!」
未幽の姿をしたモノが吠えた。
すぐさま、【サイキックブラスト】を使い、両掌から高圧電流を放って、未幽を感電させた。
「なかなか、やるようだけど……あたしも負けない」
未幽が痺れた右手の感覚を確かめながら、【サイキックブラスト】で反撃をした。
「一体、どんな意図があって、ここに目をつけたのか分からないけど、猫ちゃん達に危害を加えるつもりなら、倒させてもらうわよ」
アマネクが未幽を守るようにして陣取って、【機蛛縦横(キチジュウオウ)】を使い、小型で戦闘用の高機動蜘蛛型機械兵器を召喚した。
それに合わせて、アマネクと同じ姿をしたモノも、高機動蜘蛛型機械兵器し、同士討ちをするような形で消滅した。
「へえ、なかなかやるじゃない。でも、アタシと違って猫ちゃんの良さが分からないようでザンネンね」
アマネクが皮肉混じりに呟きながら、蜘蛛の糸を巧みに操って、自分と同じ姿をしたモノに攻撃を仕掛けていった。
だが、実力的には同等ッ!
まるで鏡を見ているような感覚で、同じような行動をしていた。
「これは負けていられませんねぇ」
その間に、るこるが【豊乳女神の加護・白翼衣(チチガミサマノカゴ・ハクヨクノコロモ)】を使い、体型と美貌を引き立たせる乳白色のオーラを纏った。
るこると同じ姿をしたモノも、【豊乳女神の加護・白翼衣(チチガミサマノカゴ・ハクヨクノコロモ)】を使い、同じように乳白色のオーラを身体に纏った。
「それでは本当にコピー出来ているのか確かめてみましょうかぁ」
るこるが霊刀『純夢天』を握り締め、自分と同じ姿をしたモノに攻撃を仕掛けていった。
それを迎え撃つようにして、るこると同じ姿をしたモノも、霊刀『純夢天』を握り締め、るこるに斬り掛かっていった。
しかし、力の差は歴然。
同等の実力であるはずが、るこると同じ姿をしたモノだけが、大苦戦ッ!
「こ、こんなはずではぁ……」
るこると同じ姿をしたモノが、るこるの攻撃を喰らい、血溜まりの中に沈んでいった。
「残念でしたねぇ。余分なカロリーが物を言う私のユーベルコードでは、コピーする事が出来ても先程まで量のあるメニューをいただいていた私と、来たばかりのあなたでは強化の量に差が出て当然なのですぅ」
るこるが勝ち誇った様子で、えっへんと胸を張る。
「どうやら、今回は相手が悪かったね。にゃんこの平穏のため、綺麗に消えてくれ。じゃ、『見えない射手』、捻ってトイレに流してやるよ」
それに合わせて、未幽が再び『見えない射手(ビヨンドアーチャー)』を使い、目には見えないサイキックエナジーを放った。
未幽と同じ姿をしたモノは、仲間のドッペルゲンガーが倒された事にショックを受けたのか、その攻撃を避ける事が出来ず、断末魔を上げて息絶えた。
「何とか、終わったようね」
アマネクも自分と同じ姿をしたモノを倒し、ホッとした様子で溜息をもらした。
何とか勝つ事が出来たものの、危うい状況が続いていたため、身も心もヘトヘトだった。
そんなアマネク達に感謝するようにして、猫達がまわりに集まってきた。
●似て非なるモノ
「いつの間に浸入したのか……とにかく店に被害が出ないよう、早急に対応しなくてはいけないな」
一方、火奈本・火花(エージェント・f00795)は、自分と同じ姿をしたモノと対峙していた。
どうやら、ゴロツキ達が暴れ回っている間に入り込んでいたらしく、自分達が本物であるかのように振舞っていた。
「それにしても、奴の姿……猫メイドの私か」
火花が複雑な気持ちになりつつ、気まずい様子で汗を流した。
冷静になって見ると、結構恥ずかしいモノである。
そんな空気を察したのか、自分と同じ姿をしたモノが、わざと挑発的なポーズを取った。
「……そこまでだ」
そのせいで、火花は余計に恥ずかしい気持ちになり、その気持ちを誤魔化すようにして、火花が9mm拳銃などの武器を置くと、身軽になって拳をギュッと握り締めた。
「まさか、やる気か? だったら、もっと身軽に……!」
火花と同じ姿をしたモノが、躊躇う事なく服を脱き、白地に黒猫柄の下着姿になった。
「……って、ちょっと待て! 羞恥心は何処に行った!?」
その途端、火花が焦った様子で、自分と同じ姿をしたモノに、ツッコミを入れた。
現在、羞恥心に捜索願が出されているのか、火花と同じ姿をしたモノには恥じらいが無かった。
「何も驚く事はないだろ。見慣れているんだから……。何なら、もう一枚脱いでもいいが……」
火花と同じ姿をしたモノが、含みのある笑みを浮かべ、下着も脱ごうとした。
「だから私の話を聞けえええええええええええ!」
こうなるとノンビリと戦っている場合ではないッ!
一気に間合いを詰め、首筋めがけて、手刀をスパァーン!
その甲斐あって、最悪の事態だけは避ける事が出来たようである。
●命を懸けた戦い
「どうでもいいが、サラっと出てくるんじゃない、サラっと」
それと時を同じくして、織銀・有士郎(織りなす銀の一振り・f17872)も、自分と同じ姿をしたモノと対峙していた。
「へー……、無表情な僕って意外と冷たい顔立ちしてるんだねぇ……」
インディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)が感心した様子で、自分と同じ姿をしたモノに視線を送る。
鏡で見た時とは、異なる感覚。
だが、自分と同じ姿をしたモノは、『……話す時間さえ惜しい』と言わんばかりの勢いで襲い掛かってきた。
(「店の中で戦闘は避けたいが……」)
それに気づいた有士郎が錆びた名刀『涼鳴』を握り締め、複雑な気持ちになった。
その気持ちを叩き斬る勢いで、自分と同じ姿をしたモノも、錆びた名刀『涼鳴』を握り締め、一気に間合いを詰めてきた。
この状況で、考え事は命取り。
考えるより先に行動し、自分と同じ姿をしたモノを倒さねば、被害が拡大するだけである。
「ま、正体が知れてる以上、特に何とも思わないけどね。はい、お外行くよー」
インディゴが自分と同じ姿をしたモノを挑発するようにして、勢いよく店の外に飛び出した。
「ま、何処に行こうが、僕は負けないけどね」
その後を追うようにして、インディゴと同じ姿をしたモノが店の外に飛び出し、インディゴの前に陣取った。
「その言葉……後悔する事になると思うけど……。ま、いいや」
すぐさま、インディゴが愛用の黒剣:Vergessenを構え、【限定降臨・藍薔薇纏ウ吸血鬼(テンポーレア・アオフヴァッヘン)】を使う。
それと同時にインディゴの身体に変化が起こり、藍薔薇纏うヴァンパイアに変身した。
インディゴと同じ姿をしたモノも、同じように【限定降臨・藍薔薇纏ウ吸血鬼(テンポーレア・アオフヴァッヘン)を使い、藍薔薇纏うヴァンパイアになった。
「見た目は真似できても、僕には勝てないよ」
インディゴが自分と同じ姿をしたモノに飛び掛かり、【絶える事無き血の渇望(モード・ヴリコラカス)】で血を吸った。
同じようにインディゴと同じ姿をしたモノが首元にガブリと食らいつき、貪るようにして、インディゴの血を吸い始めた。
その間も、有士郎は自分と同じ姿をしたモノと戦っており、一進一退の攻防を繰り広げているようだった。
(「……何この、飲んでるかも怪しい味の無さは……。はぁ、期待した僕が馬鹿だったかな……」)
そんな中、インディゴがゲンナリとした様子で、自分と同じ姿のモノに視線を送る。
自分と同じ姿をしたモノはユーベルコードを使った反動で、寿命が大幅に削られ、血を吸っている途中で力尽くてしまったらしく、まるでミイラの如く干からびていた。
「ば、馬鹿なッ! アイツが倒されるなんて……」
有士郎と同じ姿をしたモノが、信じられない様子で唇を噛み締めた。
「戦いの最中に余所見とは……余裕だな」
その隙をつくようにして、有士郎が一気に間合いを詰め、【剣刃一閃】で自分と同じ姿をしたモノを真っ二つに斬りつけた。
それは、一瞬の出来事。
有士郎と同じ姿をしたモノも何が起こったのか分からず、口をパクパクさせながらガックリと崩れ落ちた。
「にゃー♪」
その途端、猫達が有士郎達の勝利を祝うようにして、ワラワラと集まってきた。
●ヴィサにゃんと、りむにゃー
「にゃにゃにゃ。にゃっにゃにゃー。にゃにゃー♪ にゃにゃにゃ……?」
一方、ヴィサラ・ヴァイン(魔女噛みのゴルゴン・f00702)は、猫語で楽しそうに歌っていた。
その歌声に合わせて、まわりにいた猫達が一斉ダンス!
楽しそうに尻尾をフリフリ、お尻をフリフリしながら、誰かを招くようにして、前足を交互に上げた。
「ところで、今度はどうしたのですか、ヴィサラ」
それを目の当たりにしたリミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)が、不思議そうに首を傾げた。
状況的には、最悪。
まわりには自分と同じ姿をしたモノ達がいる。
その状況で、ダンスは……ない!
「……え、何してるのかって? この場には、りむにゃー(のドッペルゲンガー)がいっぱいいるからね。ヴィサにゃんの魅力を存分に出せば、メロメロに出来るかなって」
しかし、ヴィサラは全く気にしておらず、可愛らしくポーズを決めながら、猫達と一緒に歌い出した。
その歌声に誘われるようにして、物陰に隠れていた猫達も現れ、まるでミュージカルの如く賑やかになった。
「……なるほど、ヴィサにゃんの魅力でリムに化けた敵をめろめろに……確かにリムなら効き目がありそうですが……」
リミティアが複雑な気持ちになりつつ、ある程度の理解を示した。
確かにヴィサラの現身相手であれば、硬化がある……かも知れない。
「にゃにゃにゃにゃにゃー!」
その期待に応えるようにして、ヴィサラと同じ姿をしたモノ達が一斉に踊り出し、楽しそうに猫語で歌い始めた。
(「もしかして、これも作戦
……!?」)
リミティアが半信半疑のまま、ヴィサラを二度見。
まったく何も考えていないノープランな表情を浮かべているものの、実は策士ッ!
そう思えてしまう程の大成功を収めていた。
「……あっ、にゃんこ達の中に魔女の黒猫(グリマルキン)を放り込んでおいたから大丈夫。十分、にゃんこのもふもふを堪能できたから、そろそろ石化するよ」
その途端、ヴィサラが何かを思い出した様子で【メドゥーサの魔眼(ペトロゲイズ)】を使い、両目から魔力を込めた視線を放つ。
それと同時にヴィサラと同じ姿をしたモノ達が、次々と石化していった。
「こ、こうなったら思いっきりやってやりますにゃ」
リミティアも覚悟を決めた様子で、魔女の火葬(マギア・クリメイション)を発動させた。
それと同時に、オブリビオンのみを焼却する勿忘草色の炎が放たれ、自分と同じ姿をしたモノ達が断末魔を上げて消し炭と化した。
そして、戦いは終わった。
未だに問題は山積みではあるものの、この一件で団結力が高まったため、状況が悪化する事はないだろう。
そんな中、猫達がニャーニャーと歌うようにして、鳴き始めた。
それに応えるようにして、ヴィサラがリミティアにアイコンタクトを送り、再び猫達と一緒にダンスを始めるのであった。
大成功
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