その滴る雫に舌を伸ばして
●
ああ、神様――……私は何か悪いことをしたのでしょうか。
そんな風に感傷に浸ってしまうくらいには、まだ私の心に余裕があるのだろうか。
ミリィが両親の言いつけで隣の村におつかいをした帰り道で、見知らぬ男に攫われて幾日経っただろう。
着の身着のまま馬車の狭い荷台に放り込まれたところで、生きては帰れないと絶望していた。
『いいかい、ミリィ。悪い子は人攫いに遭ってしまうよ。この村で人攫いに遭ったら――領主様の供物となる。だから、良い子にしてなきゃダメよ』
領主様は若い女の子の生き血が大好きなんだって。
若くて健康な女の子に育ったミリィは、良い子にしなきゃ攫われちゃうわねって。
おかあさん、おとうさんからずっと聞かされてた。
嘘じゃなかったのね、と光の無い瞳で、一緒に攫われたらしい女の子たちを見る。
人攫いが喋っているのを聞いてしまって、怖くなって、今更涙が出てきた。
――もうすぐ、お城に着くって。
●
「みんなーっ、大急ぎで行って欲しい依頼があるのっ!」
グリモアベースに、愛らしい声が響き渡る。
グリモア猟兵の風雅・ユウリ(バーチャルアイドル☆・f00972)が、お気に入りの可愛らしいふわふわしたドレスを翻して猟兵たちに声をかけていく。
「ダークセイヴァーで、オブリビオンと悪い人をやっつけて欲しいの」
ユウリは予知した事件について話し始める。
「私が見たのはダークセイヴァーの、オブリビオンが支配している辺境の村。そこではオブリビオンの息がかかった悪い人たちによる人攫いが沢山起こってるの」
人攫いの行きつく先がオブリビオンと知って、抵抗する者はいない。
住人が100人に満たない村で、月に数人の若い女子供が攫われていく。
人々にできたのは、『悪い子は攫われてしまう』などと言い聞かせて、一人で出歩くことを禁じことぐらいだった。
「人攫いは、女の子たちを攫いながら領主……オブリビオンのお城に運んでいるの。運ばれてる女の子たちはミリィちゃんを含めて10人くらい、人攫いの数は4人で全員男の大人の人だったわ。1人がリーダーみたいで、他の3人を従えていて指示を出したりしてるの。少しは頭が回るタイプみたい。その他の3人の部下は、少し抜けている感じね。リーダーに従ってると手際が良くなったりするみたいだけど、自分たちから率先して何か行動をすることはなさそうね」
普段は上手く役割分担をして、人を攫い城主に届けてを繰り返しており、今まで攫った女の子を逃がしてしまう、ということはなかったらしい。
また、攫われた女の子たちを上手く脅して抵抗する気力を失くさせ、従順にさせているようだ。
「オブリビオンの領主直々の息がかかった人攫いだから、オブリビオンの情報を持っていると思うの。だからまずは、人攫いに接触して情報を引き出してほしいの」
力に自信があれば、痛めつけてやって情報を吐かせたり。
器用ならば彼らの懐に潜入して、情報を入手したり。
その知力で彼らを騙り、言葉巧みに情報を聞き出したり。
まずは猟兵それぞれの持ち味を生かした情報収集を行う必要がある。
「皆のこと、人攫いのグループが拠点にしている領主の城から近い町に送るわね」
本当は私も同行したいけれど、と呟いたユウリの、愛らしい微笑みが翳る。
詳細を予知してしまったからこそ、何の罪もない人を助けたい、そして人攫いとオブリビオンは許せないという義憤に駆られて。
しかし、猛る気持ちは飲み込んで猟兵たちにキラキラなアイドルの笑顔を向ける。
「同じ女の子として、人攫いなんて許せないし……オブリビオンもきっと碌なことしないんだから!」
言葉の始めに『ん?』と猟兵数人が首を傾げるが、お構いなしに転移の門を開いて猟兵を送り出していくユウリ。
「私の分まで、オブリビオンと悪い人攫いをやっつけてきてね!」
胡蝶
こんにちは。
初依頼はダークセイヴァーです。
●補足
第一章は人攫いのアジトが舞台となります。
皆様の得意な方法で、オブリビオンの情報を収集してください。
騒いで猟兵たちの目的を察されてしまったり、全滅しないようにお気を付け下さい。
開始時の状況は夜。オブリビオンの城下町、繁華街の中の人攫いのアジトの目の前に転送されています。
以上、皆様のご健闘をお祈ります。
よろしくお願い致します。
第1章 冒険
『「命」を扱う商売』
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POW : 人身売買業者を痛めつけて、オブリビオンの情報を吐かせる。
SPD : 人身売買業者のアジトに忍び込み、オブリビオンの情報を入手する。
WIZ : 人身売買業者の同業者等を装い、オブリビオンの情報を聞き出す。
👑11
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黒城・魅夜
「人攫いですか。外道に堕ちた咎人ども。一人たりとも逃さず悪夢の底に沈めたいところですが……」
いえ、オブリビオンの情報を入手するのが現在の優先事項。私の感情はひとまず抑えましょう。
ユーベルコード『朧なること陽炎の如く、虚ろなること不知火の如く』を使用して透明化。【SPD】を活かして潜入を試みます。
アジトに入り込むことが出来たら『情報収集』『第六感』の技能を使って内部を探りましょう。リーダーとやらの私室には何か覚え書きのようなものがないでしょうか。
領主の城の内部構造、警備状況、攫われた少女たちがどこにいるのか、そして領主の素性とその能力、などは知りたいところですが……。
モリオン・ヴァレー
【SPD】
力で痛めつけるのは苦手だけれど
器用さで痛めつける事もありかもね
そっちの方があたしらしいし
<忍び足>で慎重に敵のアジトへ潜入
ターゲットは人攫いの部下の一人
<敵を盾にする>背後から敵を拘束
そのまま右手に持った針を喉元近くへ
<殺気>もちらつかせておけば本気だと感じてくれるでしょう
質問に答えてくれない?
あなた達の雇い主……どんなお方で何を企んでいるの?
領主様の他の手下とかは居るのかしら?
一応確認だけれど、本当でしょうね?
<毒使い>言い忘れてたけれどこの針には毒が塗ってあってね
嘘だったら……
脅しながら確認を
確認したら持ってる針で一刺し
<気絶攻撃>死ぬ程の毒じゃないわ
寝てなさい
<忍び足>で退却を
太秦・臣継
粗末な現地の服を用意し、全身を汚し、顔に殴られたような跡をつけ、奴隷同然の同業者の小間使いを装う
業者の拠点に行き、近くの旗揚げした同業者の挨拶であることを告げる
手土産として酒を差し出す
その場で飲み始めて酔ってくれればしめたもの、現在の業者からこちらの業者に移りたいという態で情報を聞き出す
「なんて立派な拠点でしょう。うちとは大違いだ。さぞうまくやられているんでしょう?太客がいらっしゃるので?」
「今のご主人様たちはすぐに手が出るそれに比べたら皆さまは神様だ。同じ子供同士なら獲物を誘い出すこともできると思うんです。僕にも使い道はありますでしょう。こちらで働かせてはいただけないでしょうか」
スター・レイガン
「同じ女の子」…?
あー、コホン
聞かなかったことにしよう
【POW】
情報からするとまずはリーダーの男を抑えるべきだな
騒がれると厄介だ、迅速に近づこう
まずは【空中戦】で可能ならば窓等気付かれ難い場所からアジトに侵入を試みよう
そして機を窺い【2回攻撃】【クイックドロウ(技能)】【クイックドロウ(UC)】で業者の誰か(リーダーの男を優先)が一人になったところを狙い
騒がれる前に銃を近距離で素早く突き付け速やかに情報を吐くように迫るぞ
君が知っている事を話したまえ、速やかに
業者が迷うそぶりを見せたら無言で銃の撃鉄を操作しダブルからシングルアクションに変えよう
待っている時間はないよ。生きるか、それとも死ぬか、だ
四季乃・瑠璃
本体:瑠璃、分身:緋瑪
わざと無用心な少女を装って、繁華街を人目につくよう適当にうろついた後、手を出されやすくする為に人気の無い方へ移動し、わざと捕まってアジトへ潜入。
人攫いのリーダーが品定め等で近づいて来た瞬間、【オルタナティブ・ダブル】で分身してからのダガーと拳銃による【だまし打ち】を仕掛けて拘束。
アジトのリーダー以外は拘束か皆殺しにして制圧。リーダーはそのまま死なない程度にダガーや拳銃で拷問して情報吐かせるよ。
「キミ達は人攫いのプロかもしれないけど…こっちは人殺しのプロなんだよね♪」
「いつまで我慢できますかね…」
「わざと捕まってたとはいえ、わたしの瑠璃に酷い事した罪…じっくり後悔してね♪」
キア・レイス
アジトの目の前か、探すところからではなくて手間が省けたな。
潜入して情報を盗み出す、まず装備の自動拳銃に減音器を取り付けておく。
目の前とはいえそのまま正面からいくわけにはいかない、横や裏に回りクライミング技能で窓や屋上から入り込む。
入り込んだら聞き耳をたてつつ忍び足、人のいそうな部屋は避けて探索し、鍵開け等も駆使しつつ情報を盗む。
万一人拐いのメンバーに出会ったら自動拳銃で暗殺を試みる。
また、拐われた少女達も見つけるかもしれないが…今は助けている場合ではないな。
「後で必ず助けだす、今は黙って何か聞かれても変わりはなかったと答えてくれ」
と信頼させつつ念をおす。
●
夜を彩る街の光は、オブリビオンの支配に怯える住人といよりは共存を選んだ、または支配されることを受け入れた人々が住むにふさわしく思える。
色めいた繁華街の裏通り、真っ先に人攫いのアジトの前に現れたのはスター・レイガンだ。
彼がなぜ最初に到着したかと言えば、転移直前に『同じ女の子?』と言いたげな視線を向けられたでは断じてない、とユウリは後に語る。
聞かなかったことにしたんだがなぁ、と急かされるままに転移させられたスターは屈強な身体を物陰に隠しながら苦笑する。
「人攫いですか。外道に堕ちた咎人ども。一人たりとも逃さず悪夢の底に沈めたいところですが……」
黒城・魅夜は、眉を顰めて呟いてから、感情的になるべきではないと自分に言い聞かせて口を紡いだ。
●
アジトを訪ねた太秦・臣継を迎えたのは目付きの悪い男だった。
街の雰囲気に合う衣服を纏う臣継を不審そうな顔で睨みつける男に、近場に旗揚げした同業者の遣いであると説明し深々と首を垂れる。
臣継の装いと態度を見て、不審そうに小さく開けてた戸を、もう少しばかり開ける男に酒瓶と、もう一つ。
手土産とばかりに少女の手を引いて男の眼前に晒す。
不用心にも攫われた少女を装う四季乃・瑠璃は、怯えた様子で男を見上げる。
「はん、小間使いを寄越すたぁ、舐めてると思ったが用意が良い」
臣継の手土産に、すっかり信用したのか男は二人をアジトへ招き入れた。
長い階段を下った先、地下の扉を開けるとそこは檻に囲まれた空間。
中心には見張り男が一人おり、周りの檻の中には憔悴し、あるいは昏い瞳のまま力なく居る少女たちが収容されていた。
招き入れた男は瑠璃に近づき乱暴に腕を掴むと、檻の一角に放り投げるように収容する。
「……なんて立派な拠点でしょう。太客がいらっしゃるので?」
「まぁな」
動揺を表に出さずに、臣継は手土産の酒を彼ら勧めながらそう一言向けると、男たちは酌を受けながら笑う。
「同じ子供同士なら獲物を誘い出せたりと僕にも使い道はありますでしょう……?」
男たちを煽て、檻の中の瑠璃を示しながら仲間になりたいと交渉しつつ、男たちの口の滑りが良くしてゆく。
●
臣継と瑠璃が部下の男たちの注意を惹いている間に、全く気付かれる事無くスムーズに潜入した猟兵たちは、檻のある部屋の先へ進んでゆく。
魅夜が『朧なること陽炎の如く、虚ろなること不知火の如く』の効果で透明化すると先行する。
聞き耳を立て慎重に忍び足で後に続くキア・レイスと、更に後方を警戒しながら進むモリオン・ヴァレーの三人は、明らかに装丁の凝った部屋の扉の前で立ち止まる。
「リーダーとやらの私室なら、何か仕事関係の覚え書きのようなものはないでしょうか」
聞き耳を立てて中に人がいないことを確認し、キアが扉を解錠し三人は慎重に部屋に侵入する。
その部屋は予想通りリーダーの私室だったらしい。
三人はそれぞれ調べ始めると、本棚にて疲労の為透明化を解いた魅夜は自分の第六感が告げる場所を手当たり次第に調べ始め、ピンときた薄い本を手に取る。
その本は人攫いたちの仕事の手引書のようなもので、少女たちの条件、城への入り方などが書いてあった。
また、モリオンは机の引き出しから昨晩の領主へ献上した商品の納品書――実際は攫われた少女たちの名前の載ったリストを見つける。
「これは……」
記載された名前の中に、ユウリの予知の話の中で聞き覚えのあった『ミリィ』という名前を見つけたところで。
「俺の部屋で何をしている、女共」
入り口の扉が開かれ、そこには険しい顔で銃を向ける男と、ナイフを向ける男二人が立っていた。
●
時刻は少し巻き戻る。
潜入した五人の仲間の後に、リーダーらしき男とその部下の男がアジトに入っていくのを見届けたスター。
彼らの後を追うようにアジトに入り、階段下の扉を少し開けて様子を見ると、リーダーと他に男二人が更に奥の部屋へ入っていくのが見え、手前では臣継が部下の男一人と話しているのが見えた。
スターが男の背後から素早く『クイックドロウ』を発動させ、二発の熱線は男の両肩に風穴を開ける。
「さて、人攫い君。君が知っている事を話したまえ、速やかに」
痛みと驚きで男が叫ぶ前に、背中に銃口を突き付けると冷たい声で脅しの言葉を掛けるスター。
痛みもあって酔いが醒めたのか、すっかり怯えて男は話し始める。
領主はヴァンパイアで、特に16歳前後の生娘を欲しており、条件を違えれば少女は殺され返品されるということ。
これ以上は本当に知らない、と震えながら白状した男の頭を、スターは無言で銃底で殴り気絶させた。
同時刻、リーダーの私室。
銃とナイフを構えたまま男三人が部屋に入ってくる。
その時だった。
チュンッ、と減音した自動拳銃の短い音が聞こえたと同時に、キアの前に立っていた男が崩れ落ちる。
「貴様――ぐっ?!」
銃の照準をキアに合わせようとすると、今度はモリオンの前に居た男がドサリと力なく倒れる。
何が起こったのか把握する間もなく、いつの間にか背後に立つモリオンに後ろから拘束され身動きが取れなくなる。
「貴方達の雇い主について、話してもらいましょうか」
毒針を喉元に添えながら脅され、彼女たちが只者ではないと理解したのか、男は雇い主の領主について、聞かれるがままに答える。
内容を魅夜の持つ資料と確認し、眠らせようと針を刺すところで、一瞬の隙を突いて男が逃げ出す。
三人が男を追い、檻の部屋に入ると――
スターたちの手で檻から解放された瑠璃が『オルタナティブ・ダブル』で自分の分身と共に、リーダーを制圧していた。
「わざと捕まってたとはいえ、わたしの瑠璃に酷い事した罪…じっくり後悔してね♪」
瑠璃が多重人格の『緋瑪』と話しながら楽しそうにリーダーへ拷問を始めようとしていた。
そんな中、キアは檻から出ずに動かない少女たちに近づき、優しく告げる。
「領主を倒した後、必ず助け出して故郷に帰らせるから、待っていてくれ」
成功
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第2章 集団戦
『篝火を持つ亡者』
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POW : 篝火からの炎
【篝火から放たれる炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤々と燃える】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : 篝火の影
【篝火が造る影に触れた】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : 新たなる亡者
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自分と同じ姿の篝火を持つ亡者】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
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人攫い達から領主の情報を得た猟兵たちは、領主の居城へと向かう。
知り得た情報を共有し、猟兵たちはオブリビオンを討つべく城の内部構造とオブリビオンが鎮座している部屋までの順路を確認し、領主の手下である城の警備役の『篝火を持つ亡者』の徘徊位置や順路、個体数を頭に叩き込む。
全て駆逐したいが、本命であるオブリビオンを確実に倒す為に、最短最適な進攻ルートを割り出す。
準備を整え、目指すは領主の部屋――城の最上部。
人々の悪夢を終わらせるべく、猟兵たちは城門をくぐり進んでゆく。
ヴィゼア・パズル
【WIZ】
仲間が手に入れた侵攻ルートに従う。道中出てきた動物へは【動物会話】で抜け道や罠等を聞き出せるか試そう
敵が沸く前に素早く抜けたい所だ
敵へは常に【カウンター・2回攻撃】を狙い、【マヒ・属性攻撃】の【全力魔法・2回攻撃】で確実に仕留めるよう狙う
「通路なら充分に狙い易い…纏まっていれば更に良いのですが」
出来る限り静かに花弁を招来、【串刺し】兼ねて刃と変えて切り刻もう
騒ぎで敵が集まらないよう静かに慎重に。
囲まれないよう位置取りには特に注意し、可能であれば敵や柱を盾に【地形を利用】した奇襲でも仕掛けようか
「…さて、後続の路は拓けたかね。」
キア・レイス
最短最適なルートを通るために、道中の敵は私が始末しよう。
事前に猟兵達と決めたルートを進み、ルート上に現れた敵はアサルトライフルで狙撃し暗殺する。
多少距離が離れている場合、ユーベルコード【ホークアイ】も使用し確度を上げる。
他の猟兵が先行しているなら援護射撃に切り替えるぞ。
モリオン・ヴァレー
まあ、曲り形にも領主様だから
護衛が居るは当然よね
さて、どう攻めるか……
まずは安全な道の少しでも確保することから、ね
<忍び足>での潜入を
狙いは比較的見張りの少ない場所
巡回してきた相手に対し<暗殺>背後から
【ナムネス・スティング】を使用
<誘導弾><毒使い><マヒ攻撃>
逃がす気も無いし、今回は毒を緩める気も無いわ
勿論動けなくなった相手には<傷口をえぐる>トドメを
<オーラ防御>守りは杖由来の重力のオーラで
なるべく音を立てない様
見つからない範囲でこの狩りを続けるわ
ある程度道を確保できたら欲張らずに<忍び足>で撤退
次の人へバトンタッチを
その過程で見てきた現在の敵の巡回の様子も
伝えておきましょう
我人・百四子
もしかしたら領主は今もその毒牙をかけようとしているのかもしれない。
そう思ったらとにかく早く最上部へ向かわないといけないわね!
私の武器の、念動力で浮かせたチャクラムを使って敵を切り裂いて攻撃するわ。
「数が多いならこちらも手数で勝負よ」
敵の数が多すぎるようなら無力化を考えないといけない。
敵は布きれを纏っているから、チャクラムで縫い付けるみたいにして壁や天井に固定し、その隙に仲間を先に行かせたり、強い攻撃手段を持つ仲間に討ってもらいましょう。
「仲間の歩みを止めるわけにはいかないの!」
四季乃・瑠璃
緋瑪が本体、瑠璃が分身
【オルタナティブ・ダブル】使用
共有情報から最短ルートを確認。道中、戦闘等で敵に潜入がバレた後は、道中の分岐点で敵が増援に来そうな道等に感知式ジェノサイドボム(以下ボム)を置いて通った敵を足止め、爆殺。
戦闘は炎と影に触れない様に立ち位置に注意して戦闘。隠密行動中は二人ともダガーとK100による【2回攻撃】【クイックドロウ】を用いた連携(囮や集中、連続攻撃等)で対応。バレた後は接触式ボム【範囲攻撃】と連携を使って手早くまとめて敵を吹き飛ばし、強行突破を狙う。
「吸血鬼狩り楽しみだね、瑠璃♪」
「捕まってる子達もいるはずだし、城を倒壊させないように注意だよ、緋瑪」
スター・レイガン
Hmm、舘の守りは亡者か。
品の良い使用人がお出迎え、とはいかないようだね。
ある程度のダメージはしょうがない。
それよりも、攫われている罪なき市民達を助け出す為にもいち早く領主を叩かねばならん。
速やかに敵を散らし道を切り開くぞ。
【POW】
体から淡い光を放ち【オーラ防御】を展開し
その光を盾としながら舘内の通路を走り抜けていくぞ。
近くの仲間への攻撃が有れば前に出て【庇おう】。
亡者と遭遇したら【スターパンチ】を【2回攻撃】で加速して、亡者を殴りふっ飛ばして道を開けさせよう。
広い場所で多くの敵がたむろしているようなら【空中戦】を活用だ。
敵の攻撃回避を行ったり、天井や柱を蹴って加速して【スターパンチ】だ。
太秦・臣継
「下種な芝居までしたんじゃ。ここで禍根を断ちたいのう」
捕われていた少女たちのありさまを思い出して決意を込めながら
ユーベルコードで出した狐火で【誘惑】して敵を1匹ずつおびき出せないか試してみる
「名付けて幻惑妖火なのじゃ」適当に言う
孤立させられたら、【破魔】、【属性攻撃】の力を含む1つに合体させた狐火で攻撃する
「燃えるのじゃ燃えるのじゃ。帰るべき場所にどうか戻っておくれ」
おびき出せなかったり、敵のユーベルコードで造兵されたりした場合は、【範囲攻撃】でまとめて攻撃する
黒城・魅夜
ぐずぐずしている暇はありませんね。亡者どもを蹴散らしていきましょう。【SPD】重視の戦法で、群がる亡者どもに攻撃。『二回攻撃』『薙ぎ払い』の技能を使って、群れごと始末してしまいましょう。
相手の能力はいずれにしても「篝火」とやらがカギとなっている様子。その篝火を叩き落とすか、あるいは炎を消してしまえば、無力な骸が後に残るだけ。狙えるものなら「篝火」を狙った攻撃を行います。
「悪夢の中に帰りなさい、悍ましき亡者ども」
城門を潜り、城内部へ潜入する猟兵たち。
招かれざる客人の入城に、城内部の空気が徐々に張りつめていくのを肌で感じてゆく。
●
先頭を行くヴィゼア・パズルは、ふと壁の隙間を通過しようとするネズミに視界に捉えると、手招きして動物会話を試みた。
進行上のルートの敵、罠の有無について簡単に尋ねて、礼を言って見送る。
「罠は無いらしいが……」
階段や一部の部屋の付近には亡者が多い、との情報を得たヴィゼアは直ぐに仲間に情報を共有する。
「道中の敵は私が始末しよう」
ヴィゼアと共に先頭にいるキア・レイスは、歩みを進めながらそう声をかけ――遠方のルート上で漂う篝火を持つ亡者に、アサルトライフルで照準を定めて『ホークアイ』を使用する。
「邪魔さえなければ外さない、それが難しいのだがな…」
障害物の無い開けた通路も功を奏したのか、一撃で射線上の亡者を葬り去るキア。
スコープを覗きながら美しい藍色の瞳を細めると、更に出現した亡者たちを、スナイパーと2回攻撃の技能を効果的に作用させながら、猟兵たちを気付かせることなく次々と葬ってゆく。
通路途中の骸に躓かないよう注意しながら、階段付近に差し掛かると不意に二人の周囲に次々と亡者が出現し、包囲しようと数を増していく。
その時――ヴィゼアの歌うような声が通路に反響した。
「時渡り風に乗り、姿変えし蝶の翼よ」
彼の纏う『風霊』のオーラが揺らめき、『零虚』『宵珠』『翠煌翼刀』『フロゥラ』より無数の黒蝶ダリアの花弁を生み出すと、それは刃の如く変化してゆく。
「……遊べや遊べ」
彼の声に呼応し、音もなく花弁は舞うように周囲の亡者たちを切り裂いてゆく。
更に風霊や他の武具装備たちが呼応した2回攻撃の全体魔法に加えて、仕留めきれなかった亡者をマヒさせてゆく。
「これは狙い易い」
遠距離射撃から援護射撃に切り替えたキアが、僅かに口角を上げるとマヒした亡者たちを次々と葬り去ってゆく。
「……さて、後続の路は拓けたかね」
亡者の篝火が消えた通路で、ヴィゼアが静かに猟兵たちに言葉を向けた。
●
「まあ、曲り形にも領主様だから……護衛が居るのは当然よね」
階段を昇った先の通路は下の階層よりも多くの篝火が揺らめく。
モリオン・ヴァレーは小さく息を吐いてから、どう攻めるかと呟きながら忍び足で物陰に潜む。
彼女は単独で徘徊する亡者に狙いを定める。
「大人しくしていてくれない?」
背後からそっと囁かれる彼女の声を、亡者は聞くことは出来たのか。
彼女の囁きと同時に彼女の袖から複数の針が放たれ、亡者は麻痺毒によって亡者は動きを封じらる。
そしてその傷口をえぐられるように『鋼針ギべオン』にトドメを刺されていく。
モリオンには、亡者たちを逃がす気もなければ、毒を緩める気も毛頭なく。
黒基調の『礼装ファントム』の誘導弾の効果で、指先から伸ばした霊力の集合体『霊糸』を操りながら、『鋼針ギべオン』の針と紡ぐ糸により亡者たちを彼女の毒によって永遠に目覚めぬ眠りへと誘うのだった。
モリオンが単独の亡者を次々暗殺している中、我人・百四子は、念動力で浮かせた九尾輪で見通しの良い通路に固まっていた亡者たちを音もなく切り裂いていく。
「数が多いならこちらも手数で勝負よ」
普段は争いごとは好まない百四子だが、領主は今もその毒牙をかけようとしているのかもしれない――そう思うとチャクラムに力が篭る。
狐の羽衣で地形を利用し天井に張り付き、亡者たちの死角から攻撃し、ダメージを与えていく一方、傷ついた仲間には、彼女の慈愛の心の現れのような『もし私が慈母ならば』を使用し回復を試みる。
「もし私が慈母ならば、私はあなたを救いたい」
言葉を聞いた仲間たちを癒すそのユーベルコードは、彼女が正に慈母であることを示すように傷ついた肉体へ響いてゆく。
「仲間の歩みを……止めるわけにはいかないの!」
亡者を睨みつける百四子の援護を受けながら、仲間たちは一層歩む足を止ることなく前へ、上へと進んでいく。
「おお、助かるぜ!」
百四子が切り裂いた亡者を片っ端から『スターパンチ』で蹴散らしながら百四子に礼を言うのはスター・レイガン。
身体から淡い光を放ち『オーラ防御』で身を固め、近くで戦う仲間を『庇い』ながら進むスターの傷が癒されると、その動きにキレが増す。
「スター・レイガンの必殺の拳を受けてみよ!」
篝火から放たれる炎を、通路の柱や天井を利用して空中を駆けて回避しながら、百四子が切り裂いた亡者の傷を目掛けて、光る右腕を唸らせ超高速かつ大威力の一撃を放つ。
光を纏う腕『ライトハンド』から放たれるスターの拳の『2回攻撃』を受けた亡者は、その拳を受けた箇所から弾けて散ってゆき、手に携えた篝火も冷たい石の通路にガチャリと落ちた瞬間に消える。
「Hmm、舘の守りは亡者か。品の良い使用人がお出迎え、とはいかないようだね」
着地すると腰に手を置いたスターは、やれやれ、といった様子で笑ってみせた。
●
「吸血鬼狩り楽しみだね、瑠璃♪」
「捕まってる子達もいるはずだし、城を倒壊させないように注意だよ、緋瑪」
『オルタナティブ・ダブル』を使用し、分身と共に通路を駆けるのは四季乃・瑠璃。
別人格である『緋瑪』が『瑠璃』とお喋りしながら、通路に現れる亡者たちを葬っていく。
隠密行動中は『ダガー』と『K100』で『2回攻撃』と『クイックドロウ』で静かに亡者を葬っていたが、派手な戦闘が始まれば道中『ジェノサイド ・ボム』で感知式の爆弾を生成しばら撒き、二人を追う亡者を発破し爆風に巻き込んで倒していく。
落ち着いた性格の『瑠璃』と明るく小悪魔的な性格な『緋瑪』の連携した広範囲への爆弾さばきと攻撃に、彼女たちを追う篝火は一つ、また一つと消灯する。
爆風で乱れる藍色の髪を撫でながら、『緋瑪』も『瑠璃』も仲間と共にどんどん階段を駆け上がる。
一方、爆風を躱しながら彼女たちを追うように通路を駆ける黒城・魅夜も、群れに対する戦い方に長けていた。
『血浴みの女王』なる名を冠する短剣と、悪夢の中で魅夜自身を拘束していたという、先端に鈎の付いた鎖『呪いと絆』を巧みに振るい、魅夜は『範囲攻撃』で亡者たちを『なぎ払って』ゆく。
亡者たちの能力の根源に篝火があるのでは――と読んだ魅夜は、亡者たちの持つ篝火を狙いながら群れへ斬りかかる。
各個撃破で篝火に影を作らせぬように、その篝火を狙うのは難しかっただろう。
しかし、魅夜は違った。
回避することを許さぬというように鎖を操り、亡者の群れを纏めて攻撃し、篝火を消してゆく。
「悪夢の中に帰りなさい、……悍ましき亡者ども」
短剣と、手元に返った鎖をジャラリと鳴らして、倒れ散ってゆく亡者の骸に吐き捨てる。
そして顔を上げると、進む先に屯する亡者の群れへむかって駆け出すのだった。
「下種な芝居までしたんじゃ。ここで禍根を断ちたいのう」
人攫いのアジトで見た少女たちの有様を思って、太秦・臣継は『火符』を操る手に力を込めていた。
高階層に進むにつれ、群れて行動する亡者を隠れて見遣ると、アジト潜入時の鬱憤を晴らすかの如く『フォックスファイア』による狐火を篝火に紛れるように漂わせる。
「名付けて幻惑妖火なのじゃ」
狐火に誘われたように群れから孤立した亡者を、
警戒しざわめく亡者たちを『破魔』と『属性攻撃』を持つ火符で焼き払う。
燃える仲間を視認すると、通路に落ちている骸を使い亡者を増やしながら臣継に向かってくる篝火を持つ亡者の群れ。
その異様な光景に息を呑むが、キッと亡者の群れを見据えると、各個撃破から全体攻撃へと体勢を変える。
火符で『範囲攻撃』をしながら、燃える亡者たちの脇をすり抜け進んでいく。
「燃えるのじゃ燃えるのじゃ。……そしてどうか、帰るべき場所にどうか戻っておくれ」
カラン――と、篝火の亡者にされた骸が、骨が石畳に落ちる音が反響する。
臣継の紡いだ祈りの言葉は、亡者を燃やし尽くす狐火の熱風に溶けていった――。
大成功
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第3章 ボス戦
『ヴァンパイア』
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POW : クルーエルオーダー
【血で書いた誓約書】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : マサクゥルブレイド
自身が装備する【豪奢な刀剣】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : サモンシャドウバット
【影の蝙蝠】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑17
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城内の篝火を持つ亡者たちを倒し進んでいく猟兵たち。
最上階へ続く階段を昇りきり、眼前に現れたのは一際大きく、凝った装飾に飾られた扉だった。
気品漂うその扉の奥に、確実に領主が居るのだと彼らは確信する。
扉の奥から漏れるのは間違いなくオブリビオンの禍々しい気であり、猟兵たちに緊張が走る。
同時に、少女の叫ぶ声が彼らの耳に届き、気付いてしまう。
そう、まさに扉を隔てたその向こうに。
攫われ、そして昨晩領主に献上されのであろう少女も共にいるということに――
蹴破るように領主の部屋に入った猟兵たちが見たのは、今まさに領主によって絶命させられた可憐な少女と、その血の雫を舐めとるヴァンパイア。
そしてその場から離れた位置で、枷に繋がれ恐怖に怯える3人の少女たちの姿だった。
「なんだ貴様らは……食事の邪魔とは無粋な」
ヴァンパイアは鮮血に染まる口元を舌で舐めとりながら一瞥すると、啜り終えた少女の骸から手を離し、猟兵たちへ向かってくる。
「不快だ、全員殺してやる――だが、ああ。女は喰ってやろう。こやつ等に比べて味は落ちそうだがな」
控える少女たちを見てから猟兵たちに向き直ると、ヴァンパイアは下衆じみた笑いを向けのだった。
四季乃・瑠璃
本体:緋瑪、分身:瑠璃
「こんな美少女相手に不味そうなんて失礼しちゃうな~」とか言いながら、無防備に近づいていき、さり気なく床に閃光式のジェノサイドボム(以下ボム)で目晦まし。
瞬間【ダブル】で分身し、緋瑪は正面からK100による【クイックドロウ】【2回攻撃】の連射。瑠璃は少女達と敵の間に入る位置で横から接触式ボムを直接ぶつけて吹き飛ばし、少女達の枷を小型ボムで破壊して解放。
その後は二人掛かりで接触式ボムで城を倒壊させる勢いで連続爆破。
ブレイドとバットも爆弾の雨でまとめて吹き飛ばす。
「アハハ♪アナタみたいな下衆にはこっちから願い下げだね、瑠璃♪」
「キモチワルイ…下衆な目で見られるだけで不快ですね」
キア・レイス
ハァ、こっちも不快なんだが…今から奴は殺すが、人拐いたちも報いがないとな、亡くなった子の親に引き渡すぐらいはするか。
アサルトライフルの銃口を向け牽制しつつ3人の少女に近づき銃床で殴るか撃って枷を破壊。
少女の自由をある程度は確保しておく。
少女を部屋から出すべきか悩むが…亡者が残っている可能性を考え自分の目につく範囲で守る方が良いと考える、最悪かばう、死ぬほど痛いぐらいなら慣れているからな。
戦闘は少女を守る分、援護射撃しかできない。
ただ奥の手はある、【衛星兵器支援射撃】用のビーコンを拳銃に装填し好機を見たらクイックドロウで抜き撃ち。
当たりさえすれば、支援射撃が城の外壁をぶち抜いて蒸発させてくれる。
黒城・魅夜
「ではどうぞ召し上がれ。悪夢に味付けされた私の血肉、あなたごときが喰らえるものなら、ですが」
蔑みはします、しかし侮りはしません。下賤な相手とて、その力を軽視するのはそれこそ愚か者のすること。
ユーベルコード【篠突く雨のごとく罪と罰は降りつのる】を発動。我が呪われし鎖に絡めとられれば、相手の能力は封じられるでしょう。
成功か否かに関わらず、さらに追撃を行います(二回言攻撃)。【SPD】を使い、短剣の鞘を払って肉薄、その心の臓に突き立ててあげましょう。
「……まさかその程度で苦痛の悲鳴など上げないでしょうね?あなたの悪夢はこれから始まるのですよ」
(アドリブ共闘歓迎です)
「ハァ、こっちも不快なんだが……」
ヴァンパイアの下衆じみた笑い声を遮ったのはキア・レイスの呆れたような呟きだった。
もっとも、呟き、と言うには少々声量は高く、声が耳に届いたらしいヴァンパイアは眉をピクリとさせて銀髪の美しい女性――キアに目を向ける。
「……フ。此処まで態々食事になりに来た事だけは誉めてやろう。だが――イキが良すぎるのは喰い難いからな。大人しく……していろッ」
ヴァンパイアの周囲に豪奢な刀剣が十数本現れる。念力により操られたその刀剣は、キアを切り刻もうと舞い踊る――が。
「こんな美少女相手に不味そうなんて失礼しちゃうな~」
場の緊張にそぐわぬ、少々気の抜けた声がヴァンパイアの横から掛けられる。
ヴァンパイアが視線を横にずらせば、藍色のポニーテールを揺らしながら無防備――を装って近づく四季乃・瑠璃の姿が一つ。
彼女に不意を突かれたヴァンパイアは、彼女が手から落とした『ジェノサイド・ボム』の閃光爆弾に眩まされるその瞬間まで気づくことはなく。
「グオオッ、目が……ッ」
ヴァンパイアが目を眩ませると同時に『オルタナティブ・ダブル』で分身すると、瑠璃――今は別の人格である『緋瑪』がヴァンパイアの正面から、邪神や怪物等に致命傷を与えるよう強化された自動拳銃『UDC-K100カスタム』による『クイックドロウ』『2回攻撃』の連射を、更に小型爆弾でヴァンパイアごと『マサクゥルブレイド』をも撃ち落とし、吹き飛ばしていく。
「アハハ♪アナタみたいな下衆にはこっちから願い下げだね、瑠璃♪」
『キモチワルイ…下衆な目で見られるだけで不快ですね』
別人格と会話をしながら、怯える少女とヴァンパイアの間に立つ瑠璃。
その後方、少女の前に庇うように構えるキアは、瑠璃が撃ち漏らした『マサクゥルブレイド』を捌きながら援護射撃を行う。
瑠璃がヴァンパイアを惹き付けている間に銃床で少女たちの枷を外して置いたキアは、少女たちの自由を確保しつつもヴァンパイアから守護するように位置取ったままアサルトライフルを構える。
(今からヴァンパイアの奴は殺すが、……人拐いたちも報いがないとな。それと……亡くなった子の親に引き渡すぐらいはするか)
ちらりと怯えたままの少女たちの顔を見遣ってから、流麗な藍の瞳でヴァンパイアを見据えるとビーコンを銃に装填し、『クイックドロウ』でヴァンパイアを撃ち抜く。
「ビーコンの取り付いた対象に対して支援射撃を要請する、焼き付くせ!」
撃ち抜いた瞬間、『衛生兵器支援射撃』を発動させるとキアの銃で被弾したヴァンパイア目掛け、天井を破壊して上空から降り注ぐ多数の極めて太い熱光線が殺到する。
「グァアア……ッ」
熱光線に焼かれ、よろめくヴァンパイアを鈎の付いた鋼鎖が音もなく巻き付き捕縛してゆく。
「最果て知れぬ悪夢の深淵から滴り落ちたのは私?あなた?…それとも?」
歌う様に唱えながら、相手のユーベルコードを封じる『篠突く雨のごとく罪と罰は降りつのる』を発動させたのは黒城・魅夜。
冷たく光る漆黒の瞳に捕縛されたヴァンパイアを映しながら蔑む様に細められて。
「"女は喰ってやろう"――でしたか。ではどうぞ召し上がれ。悪夢に味付けされた私の血肉、あなたごときが喰らえるものなら、ですが」
蔑むような声の色を滲ませながら、魅夜は言葉を向けた。
蔑みはする――だが、侮らず。
下賤な相手とて、その力を軽視するのはそれこそ愚か者のすることと考えている彼女の鎖を操る手には、一切の油断もない。
ユーベルコードを封じられ、念力により操られていた剣が石畳に落ちる。
「グウウ……貴様ァ……何をしたァ!」
鎖を破ろうと、唸りながらその力を増幅させるヴァンパイアに、魅夜は更に捕縛の力を込める。
「……まさかその程度で苦痛の悲鳴など上げないでしょうね?あなたの悪夢はこれから始まるのですよ」
猟兵たちによる攻めの一手は、まだ終わらない。
鎖で捕縛しながら――毎秒寿命を削られながらも、魅夜は冷たい声で告げたのだった。
大成功
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「グオオオオッ……!この私が、下賤な民どもに傷を負わされるなどォッ!」
猟兵たちの攻撃に、ヴァンパイアの憤怒の咆哮が響き渡る。
捕縛されていた鎖を力任せに打ち破ると、赤い瞳を光らせながら腕を振るう。
「許さぬ……許さぬぞ……!」
怒りに任せて剣を振るいながら、黒羽の遣いを召喚し、猟兵たちへと仕向けていく。
太秦・臣継
「過去よ過去よ、もはやお主の居場所はここではない。海に帰るんじゃ」
黒き煌きを全身から放つ真の姿を開放する
少女たちのそばに駆け寄り、後ろにかばう。もし敵の攻撃が少女にいきそうになったら身を挺してかばう。
「落ち着いて後ろに隠れているんじゃ」
【破魔】【属性攻撃】【範囲攻撃】で狐火を無数に出して敵の攻撃を迎撃しながら攻撃する。
攻撃しながら、部屋の様子を探り、逃げられるような出入り口や仕掛けがないか【世界知識】で判断する。
なにかあれば狐火を操り、ボスがそちらに行って逃げないようにけん制する。
コロッサス・ロードス
ルチル(f03867)と同行
「遅かったか。だが、これ以上貴様に喰わせる命はない。無論、俺の女もやらぬ。」
ルチルの言葉を聞いて前進
基本戦術は『武器受け』『盾受け』『オーラ防御』等の防御技能を活かす為、また仲間を『かばう』事で被害を抑える為にも、敵に肉薄して『おびき寄せ』攻撃を誘う
攻撃時は『2回攻撃』と『怪力』を活かした『鎧砕き』で相手の装甲を削り
【クルーエルオーダー】に対しては、誓約書が現れた瞬間を素早く『見切り』、『カウンター』を合わせる為に相討ち『覚悟』で敵の懐に飛び込み、ルール宣告前に『捨て身の一撃』【黎明の剣】を放つ
「貴様に喰わせる命はない。が、これは選別だ。我ら猟兵の刃とくと味わえ!」
ルチル・ガーフィールド
ご主人様(f03956)と寄り添うように行動、その彼の言葉に「も、もぉ!! コロッサス様
…!!」(ほのかに頬を赤らめ)「わたくしのことはよいのです!!」(ぴょんぴょんと跳ね、言霊をかき消すように両手を振る)「……それよりも、あの方たちをお救いいたしませんと!!」『優しさ』「…後ろはお守りいたしますから!!」/戦闘においては、コードで相手のコード迎撃しご主人様を援護する(手を大きく振り)「炎よ・・・鏃に纏い彼のモノを迎え撃て!!」ご主人様のピンチには「コロッサス様ぁぁぁ!」と、悲痛な声を上げる。戦闘後勝利ならば「お疲れ様でございました~♪」と言い、頭をなでられ、つかの間の幸せにひたる。
モリオン・ヴァレー
全く、ここまで悪党だといっそ清々しいわね
ならばこちらも、遠慮無くできるわ
【ナムネス・スティング】使用
流石領主様だけあって立派な鎧ね
でも<鎧砕き><投擲><誘導弾>霊力の籠もったこの針は
そんなモノでは止められないわよ
<毒使い><マヒ攻撃>あなたにはあたし達の血はもったいないわ
代わりにこれでも味わってなさい
<情報収集>あり得ない形や動きをしている周囲の影を捜索
影に対しても【ナムネス・スティング】を
残しておくと何をされるか判らないしね
討伐に成功したら
まだ生きている女の子達の元へ
<医術>怪我や体調の様子を調べるわ
何とかあなた達だけでも救う事が出来てよかった
だけど一人……
間に合わなくて
ごめんなさい
忍足・鈴女
コロッサス・ルチルと共に行動
【礼儀作法】で丁寧に御挨拶
「お初にお目に掛かります~。
ふふふ、そんじょそこらのじゃりン子よりは自信あるんやけどなあ…
御領主様のお気には召しませんやろかあ…?」
【誘惑】【存在感】で相手の意識を此方に惹きつける
値踏みされている間に、相手を視界に入れ
『女王様の絶対命令権(クイーンズ・ルール)』を発動
「せやけど、猟奇趣味のある御領主様っぽいし怖いわあ…
せやから…御領主様が博愛主義に目覚めるようご協力させて
もらいますわぁ…≪あんたはんが血を見るのを禁ずる≫」
ユーベルコード発動後は少女の救助に向かう
とりあえずこっちに来そうなら、何か【盾にして】回避する。
●
怒り狂うヴァンパイアの前に新たに現れたのは、背の丈が2メートル程の全身隆々とした筋肉の鎧を纏う偉丈夫、コロッサス・ロードス。
床に落とされたままの事切れた少女を一瞥してから。
「遅かったか。だが、これ以上貴様に喰わせる命はない。無論、俺の女もやらぬ。」
隣で彼に寄り添う蒼髪蒼眼の愛らしいルチル・ガーフィールドを逞しい腕で抱き寄せながらクク、と笑う。
「も、もぉ、コロッサス様……!わたくしのことはよいのです!」
ほのかに頬を赤らめながら、ぴょんぴょんと跳ね、コロッサスの言葉にふるふると両手を振るルチル。
「……それよりも、あの方たちをお救いいたしませんと……後ろはお守りいたしますから!」
赤い顔のままウィザードロッドを構えるルチルに小さく笑うと、コロッサスはヴァンパイアへと足を進める。
「下賤の種族がァァ……貴様らは――ぬぅ?!」
ヴァンパイアが怒りのままにコロッサスたちに向けて『クルーエルオーダー』を発動させようとした時だった。
「お初にお目に掛かります~」
存在感のある艶声に、意識を逸らされるヴァンパイア。
「ふふふ、そんじょそこらのじゃりン子よりは自信あるんやけどなあ…御領主様のお気には召しませんやろかあ……?」
何時の間にかヴァンパイアの懐に入り込んだのは忍足・鈴女であった。
「貴様、何を……」
突然現れた媚びる言葉と艶めいた雰囲気の女に、怒りで沸騰しかけていた頭が醒めてゆく。
何者だと問うまで鈴女を見つめていたヴァンパイア。
だが、その一瞬の時間こそが彼女の狙い。
「せやけど、猟奇趣味のある御領主様っぽいし怖いわあ……」
クスクスと微笑みながら、鈴女はヴァンパイアに視線を固定させて、囁く。
「せやから……御領主様が博愛主義に目覚めるようご協力させてもらいますわぁ……≪あんたはんが血を見るのを禁ずる≫」
『女王様の絶対命令権』――鈴女のユーベルコードがヴァンパイアに発動した。
「これで、うちの命令には絶対服従や」
「小癪なッ……!」
ニンマリ笑って離れようとする鈴女を掴もうと、手を伸ばすヴァンパイア。
だが、その腕は鈴女を捕えることは叶わない。
「……我、神魂気魄の閃撃を以て獣心を断つ」
その腕を切り落とさんばかりにコロッサスの『黎明の剣』――顕現せし紅き神火と払暁の輝きを宿す神剣による高威力の一閃が放たれたのだ。
「ヌゥゥ…ッ!」
慌てて腕を引くが、その一閃はヴァンパイアを袈裟に斬り付ける。
その屈強な肉体を裂かれはしなかったものの、ヴァンパイア自身の血飛沫が、コロッサスと鈴女に跳ねて――彼の目に、映る。
「ガァァァァッ!」
「おお、怖ぁ」
鈴女の『女王様の絶対命令権』のルールである"血を見ない"ことを破ったため、ヴァンパイアの肉体が内部から軋みだす。
苦痛の声を上げるヴァンパイアに追い打ちをかける様に、更に降り注ぐのは80本の炎の矢の雨だ。
「炎よ……鏃に纏い彼のモノを迎え撃て!」
ルチルの構えたウィザードロッドから放たれる魔法の矢を豪奢な刀剣で打ち払いながらも、苦痛に苛まれるその身体は掠めた矢に、貫いた矢に焼かれる。
ルチルに斬りかかろうとするヴァンパイアに、庇うように二人の間に立つと、オーラに包まれながら盾でその刃を受けながら肉薄するコロッサス。
「貴様に喰わせる命はない。が、これは選別だ。我ら猟兵の刃とくと味わえ!」
盾で受け止めた剣をその怪力で弾きながら連続で斬りかかっていく。
怒りで冷静さを欠いたヴァンパイアに、もう余裕は見えない。
目の前の弱者を殺す。
かの高貴で領民たちに恐れられたオブリビオン――ヴァンパイアの思考は今、その一点に満たされていた。
●
「過去よ過去よ、もはやお主の居場所はここではない。……海に帰るんじゃ」
怒り狂ったヴァンパイアと対照的に、静かな声を向けたのは太秦・臣継だ。
臣継は全身から黒き煌きを放つ真の姿を開放しながらヴァンパイアの背後に立つ。
後ろには枷から解放されても身を震わせ動けぬままの少女たち。
臣継の真の姿にも怯えた様子で、振り返ればヒッ、と短い悲鳴が少女たちから漏れる。
「落ち着いて後ろに隠れているんじゃ」
ヴァンパイアから身を挺すように、少女たちとヴァンパイアとの間に立ちながら、優しく少女たちへと声をかけると、臣継は無数の狐火を召喚びだす。
「クッ……矮小な種族がァ……俺に刃向おうなどッ」
刀剣を構えながら吼えるヴァンパイアを、落ち着き払った様子で見据えながら、臣継は『フォックスファイア』の無数の狐火をヴァンパイアを囲むように操り、一気に豪雨の如く集中させる。
部屋ごとその身体を焼き尽くさんばかりに振り注ぐ狐火に、影の蝙蝠と念力で操る刀剣で防ぐように自身を覆うヴァンパイア。
だがそんな守りの手を許さぬように、ヴァンパイアの死角から数十本の毒針が投擲される。
「ガァァッ…!目がァァ……おのれェ!」
モリオン・ヴァレーの操る、振り払っても誘導弾のように的確に狙う毒針に、ハリネズミのように全身を指されて疫痛に悶えながら、打ち漏らした臣継の操る狐火に肉を焼かれてゆくヴァンパイア。
(全く、あそこまで悪党だといっそ清々しいわね。こちらも、遠慮無くできるわ)
先の亡骸となった少女へ、そして仲間たちへ対するヴァンパイアの様子を赤色の冷たい瞳見ていたモリオンは、『ナムネス・スティング』の構えのまま小さく息を吐いた。
針から滲み出た麻痺毒に苛まれ、遂には石畳に膝を着くヴァンパイアに、容赦なく毒使い――モリオンの針が数十、また数十と刺さってゆく。
「な、何故だ……この俺が……貴様らに……負ける、など……あり得ぬ……あり得ぬ
……、……」
憎々しげに猟兵たちを睨みつけながら、無数の針の毒に侵されヴァンパイアは地に伏せる――その瞬間、灰となり崩れ落ちたのだった。
「……終わったかの」
「いえ、まだよ」
普段の姿へと戻りながら呟く臣継の言葉に、灰を見下していたモリオンが静かに答える。
ヴァンパイアが完全に葬られたことを確認してから捕えられていた少女たちの元へ近づいたモリオンは、医術知識を以て彼女たちを診る。
生き残った三人の少女の健康状態を確認してから、一応もう一人の動かぬ少女の元へ行き、生死を確認する――が。
(間に合わなくて、ごめんなさい)
心の音は鳴らず、その小柄な体躯は冷え切っており、直ぐに亡骸だと悟り、目を伏せる。
「何とかあなた達だけでも救う事が出来てよかった」
●
猟兵たちが人攫いの館で見た名前は四人だった。
そのうちの三人の少女の命が救えたこと、そして領主たる邪悪なオブリビオンであるヴァンパイアの一人を討ち取った健闘を、猟兵たちは傷だらけのままに互いに讃えたのだった。
かくして領民の娘たちを攫い喰らう邪悪な領主は討ち滅ぼされ、周辺の町や村に一得の平穏が訪れた。
城下町にアジトを敷く人攫いたちについては、全てを駆逐は出来ずとも大半のグループに対しては猟兵たちによるキツイお灸が吸えられたとともに、領民たちからの監視がついた。
「おかあさん…!おとうさん……!」
「ああ……ミリィ!ミリィ!……また会えるなんて……!」
泣きながら両親と抱き合う少女を見守る猟兵たち。
領主の城から少女たちを救出し人攫いたちにお灸をすえた後、猟兵たちは攫われた少女たちを故郷に返していた。
最後の少女たちを無事に送り終えると、彼らは元いた世界へ帰還する。
願わくばこの世界にこんな不幸が訪れないように――そう祈りながら、猟兵たちは転送の門をくぐるのだった。
大成功
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