●十二将軍議
街道が整備され、徳川幕府の威光が遍く世に行き渡っていて、なお。その光届かぬ場所は確かに存在する。
「――勅命が下った」
そのような闇に覆われた場所に集うのは12の影。
「あのお方のため、我らはここに集った」
闇に浮かぶ顔――それは細川ガラシャと呼ばれる女武将だ。
ここに集う彼らの姿形は千差万別だが、その共通点は彼らが皆、過去の残滓たるオブリビオンであること。
歴戦の風格漂わせる将から百鬼夜行の妖までが、ガラシャの元に集まっていた。
「この城を落とすため汝らの命、頂戴したい」
ガラシャが示した地図を囲い、それぞれの役割を告げる。
その声がやんだ後、一瞬の静寂を挟んで影たちは一斉に動き出す。
ここに産声を上げるはオブリビオンの大軍勢。過ぎ去ったはずの戦国が、今の世に蘇る。
●グリモアベース
「サムライエンパイアにて大規模なオブリビオンの軍勢が確認されました」
エルデラント・ズィーマ(ロストメモリーズ・f02581)が淡々と告げる。今回はサムライエンパイアのオブリビオン勢力である織田信長の軍勢が一つの城を攻め落とそうとしているとのことだ。
また、今回は複数のグリモア猟兵が同じ現場の別の場面での襲撃予知を確認しており、それぞれの担当区域が異なっている。
「ワタシの担当場所は、ええと……ハイ。屋根の上です。天守に至るまでの屋根の上ですね」
矢や鉄砲を掻い潜り上空から攻めてくる者、軽いな身のこなしで屋根を伝い登ってくる者、それを指揮する者――ここから転移する先で待ち受けているのはそういった軍勢であると言葉を続けていく。
「オブリビオンは天守閣への入城を狙っています。これを防がねば徳川軍は戦略的に大打撃を被ることとなるでしょう」
敵も馬鹿正直に正面だけから攻めてくるわけではない。中にはこうしたショートカットを利用して喉元へ喰らい付こうとする連中もいる。そうした連中を排除するのが主な目的となる。
「特に一番槍の相手は飛行することで大きなアドバンテージを取ってくるでしょう。そのままでも戦うことは可能ですが、相手を引きずり落とす手段か同じ土俵の上に立てる手段があるならば試してみるのも有効でしょう」
翼があるなら飛ぶ、翼に攻撃を当てて撃ち落とす、方法は色々ある。意表を突けばそれだけ効果が見込めるだろう。
「少し変わった場所ですが、排除しなければ落城までの時間は一気に短縮されてしまうでしょう。それに足場も悪いので充分に気を付けてください」
まるで忍のような屋根上の攻防。これから始まる大規模な決戦を胸にエルデラントは準備を整えると猟兵たちを送り出したのであった。
ぷっさん
こんにちは。ぷっさんです。
今回、ご縁がありまして第六天囲連動シナリオの末席に加えさせていただきました。ですが全ての依頼が個々のシナリオで完結致しますのでお気軽にご参加してください。
第1章:上空から単独で奇襲をしかけてくる鴉天狗を迎撃してください。
第2章:素早さと模倣がウリの紫陽衆の集団が天守へと登ろうとしますので阻止してください。
第3章:この一角を指揮する四華衆の一人が相手となります。
大規模な戦闘、それもやや変わった場所が舞台となりますが皆様でしたらきっと敵の野望を阻止することができるでしょう。
それでは熱いプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『鴉天狗』
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POW : 錫杖術
単純で重い【錫杖】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 大風起こし
【団扇から大風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 天狗火
レベル×1個の【天狗火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
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「物の怪が出たぞ! 全員矢を放て!」
「物の怪ではない! 儂こそは織田軍が一番槍、鴉天狗である!」
漆黒の翼をはためかせ、一体のオブリビオンが天守の頂に向けて進軍を続ける。防衛を試みる侍の矢をかわし、弾き、侍の誰しもが持ち得ない翼を有効に使い奥に進んでいく。
「ふぅむ、天守のてっぺんはちと高いのぅ。だが空を飛べば関係あるまいて」
道という道を無視して最短距離を狙う鴉天狗。これでは堅牢な城の守りも無視されてしまうだろう。
このままでは城が落城してしまう。その前に屋根の上から迎撃して地面に叩き落としてしまえ!
ナザール・ウフラムル
おっと、こっちは順路じゃねえぞ、カラス。関係者以外は立ち入り禁止です、ってなぁ!
放たれる大風には「シャルーア」の【属性攻撃】(風)で真空刃を放って切れ込みを入れる。真空になった空間に雪崩れ込む空気を追い風として、【ジャンプ】と【空中戦】で懐まで一気に踏み込む。
UCで狙うのは下への叩き落としだ。上に行かれちゃ堪らないからな。できれば翼もどっちか狙えりゃ言うことないけどよ……。まあ、欲張り過ぎるのはやめとくか。(一応「ジゼル」からの【属性攻撃】・風刃で追い討ちはかけておく)
アヤナ・サンドリオン
ジャッパニーズテングー!!
初めて見た!!今日の化粧のノリが悪いのもテングの仕業だ!許さない!なんつってマジやばいんですけどきゃはは!!
UCを使用しサイキックパワーでお空をびゅんびゅんするよ!
今回はスピード重視!オブリビオンの周りを飛びまくって撹乱するよ!
ほらほら、上から見下してる系男子はモテないゾー!
先ずは同じ目線に立たないとね!と言ってオブリビオンのはるか頭上に飛んで急降下してかかと落としをプレゼント!
地上に落とすよ!
どうだ!ってあー!!今見上げてあたしのスカート覗いたでしょー!!!!マジスケベテングなんですけど!!!!ちょーSMありえんてぃー!!!!
怒りのおまけで急降下踏みつけする!!!!
●
「カッカッカ!このまま一気に落城させてくれるわ!」
飛翔する鴉天狗。空を我が物顔で飛び回るその姿に空気をも断裂させる真空波をもって物申す者が現れた。
「おっと、こっちは順路じゃねえぞ、カラス。関係者以外は立ち入り禁止です、ってなぁ!」
ナザール・ウフラムル(草原を渡る風・f20047)は【シャルーア】と呼ばれる戦鎚を振り回し、続けざまに真空波による斬撃を飛ばす。見えない刃はその後ろに瞬間的に真空の空間を作り出す。
そのまま瓦を蹴り出しジャンプをして真空の空間に吸い寄せられる空気の勢いを追い風としてその懐へと肉薄を試みる。
「なにぃ!? 翼も無しに風の力のみで空を飛ぶだとぉ!?」
鴉天狗は懐から団扇のようなものを取り出すとナザールへ向けて一振り。すると大風が吹き荒れ真空波とぶつかる。乱れた気流が空気を揺らし、大気を激しく震わせた。
「カッカッカ! 危なかったわい。その勢いや儂も風を使えんかったらやられておったぞい」
「チッ、だったら押し込めばいいんだな?」
戦鎚と錫杖が擦りあい、ギリギリと音がする。
●
「ジャッパニーズテングー!! あたし初めて見た! マジウケるんですけど!」
そんな二人の姿を眺めていた猟兵も一人いた。アヤナ・サンドリオン(小悪魔的超常現象・f18188)は翼も無ければ風を吹かす力も無い。しかし、そんなことなどお構い無しにB.E.P(ブーストエンジェルパワー)によるサイキックパワーで空を舞っている。
「っていうか今日の化粧のノリが悪いのもテングの仕業じゃね?マジ許さないんですけど!きゃははは!」
今時の女の子特有の独特な言語を披露し高度をグングン上げていく。鍔迫り合いを繰り広げるナザールと鴉天狗の更に上まで飛ぶとサイキックパワーを逆方向に流し、今度は猛スピードで落ちてくる。
「ぎゃああああ!? おなごが飛んどる!? 物の怪じゃああああ!ゴハァッ!!」
アヤナのかかと落としはナザールの相手に手一杯の鴉天狗の脳天にヒット。一瞬頭部がグニャリと潰れると鴉天狗は重力に引っ張られるように勢いよく落下していく。
「それならもう一発くれてやるよ。北風は刻むもの……」
四肢に風を纏ったナザールも後を追うように降下する。その力は追い風の如く加速力を高めていく。
速く
疾く
夙く
その体は鴉天狗へ容易に追い付き――
「この身を刃と成す。風刃万化!」
最早斬撃とも思える手刀が落とされる。鴉天狗は更に加速して地面にめり込むように落ちていった。
「が、カァ、おのれりょうへ……ほグワァーツ!?」
「誰が物の怪だし! ちょーありえんてぃー! しかもスカート覗くとかマジスケベテングなんですけど!」
哀れ謂れなき罪状を叩きつけられた鴉天狗はその頭を更に踏みつけられたのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
紬雁・紅葉
空で天狗に挑むは愚策
なれど
敢えて愚かも一興☆
羅刹紋を顕わに戦笑み
UC発動の後飛翔
九曜、巴、鳳翔を適宜使い分け
射程に入り次第先制で破魔雷属性衝撃波の射撃を以て敵の足を止める
そのまま破魔雷属性衝撃波を以て回数に任せ範囲を薙ぎ払う
敵の攻撃は躱せるかを見切り
躱せるなら残像などで躱し
そうでなければ破魔衝撃波オーラ防御武器受け等で受ける
いずれもカウンター破魔雷属性衝撃波を以て地面への叩き落し(吹き飛ばし)を狙う
窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃
弱兵を補うため戦力の拡充に躍起、とは聞きましたが…
ここまで節操無しとは!?
織田信長…この目で見たくなってきました♪
※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※
九尾・へとろ
物の怪じゃろ。鴉天狗じゃろが。
さて、エンパイアの危機と聞いては呆けてもおれんからのー。
九尾へとろ、義は特にないが助太刀いたす。
一先ずはウチの異能でもって彼奴の目に色を飛ばしてやろう。
目隠しになれば良い、外れても足止め出来れば御の字じゃ。
同時に中空に固着する「属性攻撃」の色を放ち、点々と足場と成す。
他の猟兵様方の役にも立つじゃろ。
さて、この足場にて舞うは武舞。
エンパイアの闇に生きていた…いや、生きている「暗殺」術よ。
トントンと跳ねるように「ダンス」のように「アート」のように舞おう。
そしてその黒羽をことりと四肢の刀で落としてやろう。
鴉天狗に舞い戦うウチ。さながら演目は牛若丸かの。
アドリブ共闘歓迎
●
「ガガガ……カァーッ!! まずはお主らを排除してから天守をじっくり登って……アバーッ!?」
大地から飛翔する鴉天狗……のはずが突然空中で感電を起こす。ぷすぷすと黒煙を上げながら慌てて体勢を立て直す。
「な、何が起こった……? 物の怪の仕業かの!?」
「いや、物の怪はおぬしじゃろ。がっつり鴉天狗じゃろが」
感電の正体は九尾・へとろ(武舞の姫・f14870)が点々とばら撒いた雷属性を持った色の足場であった。空中に固着した小さな色の塊を足場として空を舞い踊るかのように動き回り空中戦を可能としている。
「儂は物の怪ではない! 一番槍の……」
「焼き鴉、ですか?」
刹那、上空から放たれるのは矢のように放たれる雷の衝撃波。
ユーベルコードを解放し、上空へと飛翔した紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)の持つ倭弓、【鳳翔】から轟く雷鳴が一発、二発、三発と唸りを上げて貫きにかかる。
「本来、空で天狗に挑むは愚策なれど、敢えて愚かも一興。ですね」
「のわぁー!? また雷か! おのれ猟兵、妖術を使うのであれば儂も妖術を使うまでよ!」
雷撃を数発受け既にこんがりしている鴉天狗が錫杖から妖しく燃える炎をいくつも生み出し、鴉天狗を中心に円状に炎を飛ばす。
「そんなもの、ウチには当たらんて」
「ええ、全部薙ぎ払ってしまえばいいんですよね?」
「それができるのは極限られた者だけだと思うんじゃが……まぁよしとするかの」
へとろは鴉天狗の放つ炎を足場を飛び移る勢いでかわし、紅葉は薙刀の【巴】を手に振り回し、強引に炎を切り裂いていく。
●
「な、なんと……炎を全て破るとは」
「そんな事を言う暇があるのかの?」
驚愕する鴉天狗の背にへとろが回り込む。無数の色付きの足場を縦横無尽に駆け回る姿は八双飛びをする牛若丸のように激しく美しいものであった。
しかし美しいだけに非ず。その舞踊は時に社会の闇を生きる武器となる。背後から放たれる手刀は鴉天狗に振り向く暇すら与える事なく、その黒い翼へと振り落とされる。
「ガァァァァァァッ!? 儂の翼がぁぁぁぁ!!」
黒い羽が数枚舞うと共に右側の黒い翼そのものが根元から切り落とされる。バランスを失ったその身体はグラリと揺れ、飛行能力を徐々に失っていく。
「それではおまけにもう一つプレゼントを差し上げますね?」
その微笑みは仏か修羅か。次いで紅葉の持つルーンソード【九曜】がその切っ先を叩きつける。白い雷光は瞬く間に鴉天狗を包み込みその身体を黒く焦がしながら地面へと叩き落としていく。
「な、なんと……この、儂が。儂の翼が……」
へとろと紅葉の見下ろす遥か下で鴉天狗は錫杖を支えによろよろと起き上がり、左側の翼だけをバサバサと動かし飛び上がろうとする。辛うじて飛行は出来るものの、そのバランスは悪く嘗ての様に自由に飛ぶことは不可能だろう。
空を舞う無法者を追い出すまで後一息である。
成功
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リステル・クローズエデン
確かに。合理的では、ありましょう。
ですが、わかっているならば。対処法もあります。
初期状態から、迷彩+目立たない+忍び足 で自己存在隠匿。
ユーベルコードを防具改造+早着替えで発動。
翼は当然、闇翼を選択。
その後、戦域を大きく迂回しかつ、相手の上をとるように、
空中浮遊+早業で飛行。
そこから、視力で相手の動きや戦闘状況を見切り。
学習力と第六感も駆使してチャンスをうかがい。
急降下して強襲する。
オーラ防御で身を守り
空中戦にて突貫
刀で串刺し+鎧砕き+鎧無視攻撃。怪力+グラップルで抑え込み。
2回攻撃+部位破壊で翼狙いの追撃を狙う。
初撃に失敗した場合。
そのまま、空中戦+残像で戦闘続行。
他の猟兵が狙いやすいように
真田・さな
*仲間の方で手の空いている方がいたら連携して戦います
*更に可能なら・・・飛び道具や遠距離魔法などを使用される方と連携して戦います
●相手の天狗火には特に注意が必要そう。。
まずは、相手がこれを使って来たら、なるべくウィザードミサイルで未然に防ぐように試みます。【一斉発射】を使用して満遍なくウィザード・ミサイルを発射。
●相手の攻撃の手が緩んだら。
仲間と協力して、ウィザード・ミサイルを使用します。
攻撃の隙を作らないで、常に相手に攻撃の手が届くように気を付けます。
織田といえば三段撃ちよね。
わたしも本家に負けない様な激しい、連続射撃で応戦させて貰うわ!!
ステラ・クロセ
誰も守れないところから侵入しようだなんてちょっと卑怯じゃない?
戦うんだったら正々堂々正面から!
守りを無視して城内に入るなんてそんなこと、アタシがやらせはしないよ!
屋根から【ジャンプ】してUC【紅蓮の灼翼】で矢より高く飛ぶ。
相手に先に攻撃させるようにしてから【武器受け】で防ぎつつ炎の中を突っ切ってさらに上へ。
相手の上を取れたら狙うは背後の翼。
背後を【なぎ払い】にいって翼を根元から斬ってしまえ。
翼を斬りつけたら頭を足で挟み込んで急降下。そのまま地面に叩きつけてやるんだから!
※アドリブ・連携など歓迎です!
●
(確かに。その手段は合理的なものではありましたね。ですが、一度手の内が分かれば対処法が無いわけではありません)
リステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)は瓦の上から敵の死角となる位置で戦況を確認し、その対策を練る。
「鎧装変換……斬刃の翼、断空の鎧。不意の一撃に全てを乗せます。引き寄せをお願いしてもよろしいでしょうか」
「いいわ! 援護射撃なら任せて!」
リステルの言葉に真田・さな(捨てられ王女・f05145)が呼応する。さなは瓦の上で炎を携え、リステルが飛翔したのを確認するとその形を矢に変化させ、一斉に発射を試みる。
「さぁ、あなたの相手はこっちよ!」
「ぬおお! 雷の次は炎か小癪な! それならこいつをくれてくれるわ!」
啖呵を切ったさなに怒りを覚えつつも片翼を失ったためか空中での機動力が明らかに鈍っている。そのため、旋回で回避する事をせずに空を覆い尽くさんとする天狗火を放ち、ぶつけて相殺させていく。
「やっぱり警戒して正解ね……なら、これならどうかしら!」
横一列に並べられた炎の矢が放たれる。その炎が相殺されるとその後ろから再び一列の炎の矢が放たれる。そしてさなはその間にまた魔力を込めて練り直し、炎を精製していく。
まるで天魔王の三段撃ちを披露するかのように矢継ぎ早に炎を打ち出す。鴉天狗が生み出す炎よりも圧倒的に速い錬成速度と怒涛の波状攻撃が徐々に鴉天狗の身を焦がしていく。
「ガァァ!? 儂よりも火の扱いに長けているだと
……!?」
「まだまだこんなものじゃないわよ!」
炎は激しく美しく空を彩っていく。そしてオブリビオンの動きを確実に制限していく。
●
「誰も守れないところから侵入しようだなんてちょっと卑怯じゃない?」
少し呆れた様子のステラ・クロセ(星の光は紅焔となる・f12371)もリステルが大きく上空を迂回し背後を取ろうとするのを見やると鴉天狗の方に向き直って敢えて大声を張り上げた。
「戦うんだったら正々堂々正面から! 守りを無視して城内に入るなんてそんなこと、アタシがやらせはしないよ!」
自分の矜持を守り、そして相手の注意をリステルから少しでも逸らすため、屋根から跳躍をするとその背中から紅く、熱を持った翼を生み出しどこまでも高く飛翔する。
数多くの天狗火が執拗にステラを狙うもさなのマジックミサイルがそれを妨害し、
「カァーッ!? お主も空飛ぶ物の怪か!? これで落ちるが良いわ!」
遂には放たれる天狗火は巨大な塊となっていた。見た目にそぐわぬ速度で今度こそステラにぶつかるも彼女は【新焔・関勝大刀】を壁にしながら強引に炎の中を突っ切って天へと登っていく。
「アタシはもっと強くなるために、この翼と共に乗り越えてみせる!」
誰よりも高い場所へと舞い上がったステラは、その名が示すように武器を手に赤い流星となって鴉天狗の元へと真っ直ぐに急降下を仕掛けていった。
●
「位置よし、状況解析。タイミング、到達時間計算……うん、いける」
ステラが急降下を始めたのとリステルが急襲を始めたのはほぼ同時であった。
迂回をし、まるで狩りをする肉食獣が飛び出す瞬間をその赤い瞳が戦局を瞬時に演算し、最適解を導き出す。
手に持つ刀に名前はない。無銘なれどその刀はリステルと共に在り続けた。その事実がこの刀が優れた業物であることの証左だった。
持つ手に力がこもる。絶好の一撃、狙うは急所、真正面から流れ落ちてくる仲間とタイミングを合わせて――
「僕達を一度に相手しなくてはならなくなったのがあなたの敗因です!」
「その翼、もらったぁ!でやぁぁぁぁぁッ!!」
ステラが前から、リステルが後ろからそれぞれの刀を手に一閃。
「ガッ……ハァッ……! なんと……」
一本は胸を貫通し、一本は左側の翼を切り落とす。鴉天狗の口からは血が溢れ、更にはその頭部をステラによってがっちりとホールドされている。
胸の刀もリステルが更に深く抑え込む形で突き刺さったままとなっており、二人に組み伏せられた鴉天狗は共に地面へと叩き落とされていった。
「信長様……無念なり」
「よし! まずは敵を一体撃破だね!」
「ええ、ですが戦場には依然として敵の集団がいます気をつけていきましょう」
空を飛ぶ事を誇りとする者は、地に顔を埋めたまま事切れるのであった。
ステラとリステルが血を軽く振り払い、再び上を見やる。遠くに見える屋根の上でさなが手を振っていた。まずは敵の先発隊を破ることが出来たのである。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第2章 集団戦
『模擬忍法・紫陽衆』
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POW : 苦無乱舞
【レベル×1の苦無】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 我らに理解できぬ戦術なし
対象のユーベルコードを防御すると、それを【即座に理解し時には秘術で種族や体格を変え】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
WIZ : 我らに唱えられぬ忍術なし
いま戦っている対象に有効な【忍術が書かれた巻物と忍具】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
👑11
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「鴉天狗がやられたか」
「単独で突撃をしたところでこうなるであろうことは分かっていただろうに」
「仕方あるまい。物の怪だし」
次々と城の外周部の屋根の上に降り立つ影。忍びの装束を身に纏い、苦無を片手にその全てが天守へと向かっていく。
彼らは素早さと模倣忍術が特技の紫陽衆の一味である。彼らもまた屋根を伝い、落城を目的としている。
猟兵の強い武器であるユーベルコードを模倣されるのは非常に厄介だ。ある程度の対策がしてあると相手取りやすくなるだろう。
リステル・クローズエデン
一度、基本に戻るのもよいでしょう。
移動は、地形の利用とダッシュにクライミング。
ジャンプと空中浮遊の併用でバランスを取りつつ。
相手の攻撃を視力+暗視で見切り。第六感も併用。
残像で回避し
武器受け、武器落とし、盾受けで防ぎ。オーラ防御で耐える。
攻撃は【我流闘法】適宜重視する部分を変え。
遠距離の相手は苦無を投擲(誘導弾+スナイパー、目潰しを応用。)
複数相手なら、そこに一斉発射と2回攻撃も追加。
近距離は刀で対応。
鎧無視攻撃+鎧砕きで攻撃。
場合によっては、左手に展開したオーラディフェンサーによる。
怪力+カウンター+シールドバッシュで殴り飛ばす。
「これもまた一つの変幻自在というものですよ。」
リステル・クローズエデンはオブリビオンを気配を察知すると素早く行動に移した。軽い身のこなしで再び壁を登り屋根を伝う。そしてその正面には三人の紫陽衆の姿が見えた。
「そこを退いてもらおうか。我らが君主の天下のために!」
「退けと言われて退くと思いますか?」
「なら貴様を殺して登るだけよ!」
言葉と同時に投げつけられる無数の苦無。その鋭利な切っ先がリステルの身体を貫かんとする。リステルの赤い瞳が飛び苦無の姿を認識する。その時には既に彼女の身体は動いていた。
一つ。脳内で素早く距離感を演算し、横へ跳ぶことで苦無を躱し――。
二つ。腰から【牙苦無】を抜き出すと刃の部分で投げられた苦無を垂直に受け止めながら払って弾き――。
三つ。その弾いた苦無を正確に別の苦無にぶつけることで自身に襲い来る牙を全て防ぎきるのであった。
「では、一度基本に戻って反撃といきましょうか」
そのまま手に持った苦無を真っ直ぐ投擲する。更に早撃ちをするガンマンの如く次々と苦無を引き抜いては投げを繰り返し、そして瓦を蹴り出し紫陽衆への距離を一気に詰めていく。
「ぐぁぁっ!」
「ぎゃあああっ!?」
「な、何故こいつこんなにも速いのだ!?」
リステルのユーベルコード、【我流闘法】による攻撃回数の増加が怒涛のラッシュを実現させていく。投げられた牙苦無は二人のオブリビオンの目に、頭に、胸に的確に命中し鮮血の花を咲かせる。
「見通しが甘過ぎます。出直してきてください」
名も無き刀を思い切り斜めに振り下ろす。攻撃力に比重を置いたその一太刀は紫陽衆の身体を真っ二つに切り裂いた。
「これもまた変幻自在というものですよ」
刀に付いた血を振り払うと再び刀を構える。紫陽衆の一部はリステル・クローズエデンという壁を越えなければ先へ進むことが出来なくなってしまっていた。
大成功
🔵🔵🔵
九尾・へとろ
天狗の次は素波とはのー。
よほど此度の大将様は早足がお好きなようじゃ。
ひょひょ。まぁよい、ちぃと遊んでやるとしようか。
拍を取り、跳ね舞うように武舞を舞う。此度の演目はへとろ舞。
三色を手足と尾とで描きたれば、彼奴らへほいと放ってやろう。
はたまた中空に固着させ動きを制限させても良いのう。
ま、三色に染まればお前様方はウチの手刀の餌食になるんじゃが!
ほぉ、ウチの武舞を真似ようというのかえ?
ひょひょひょ!これはこれは!
馬鹿にされたものじゃな。業腹じゃ。
九尾相伝の武舞を猿真似をした罪はこの世で最も重い罪じゃ。
猿真似忍者には最も痛苦を得る方法でじわじわと始末してやろう。
恐怖に染まり、骸の海に還るがいい。
●
「天狗の次は素波とはのー。よほど此度の大将様は早足がお好きなようじゃ」
九尾・へとろはひょひょひょ、と嗤うと手、足、そして狐の尾から橙色・紫色・桃色の色の塊を生み出す。たん、たんと拍を取ると跳ね舞うように雅で、しかし童が遊びに誘うようなどこかあどけなさを醸し出す舞を披露する。
その調子で次々と色の塊が紫陽衆の元へとポイポイ放り込まれていく。頭から色を被った者は全身を酷い脱力感が襲い、苦無を握る手が自然と緩くなっていく。
「なんだこの泥の塊は!?」
「しかし技を我らの前に晒したのが命取り!」
「我らが本領をここに見せてくれよう!」
紫陽衆がなにやら印を結ぶ。すると彼らもへとろと同じような舞を踊りだし、同じくそこから生まれた色の塊をぶつけて相殺させていく。
「ひょひょひょ! これはこれは!」
「な、なにがおか――」
次の瞬間、紫陽衆の一人の身体が崩れ落ちた。へとろによる手刀が首筋を一瞬で捉えたのだ。
「今のでウチの武舞を真似ようというのかえ?」
ひょひょひょと笑いながらもその目は笑っていない。
「業腹じゃ。九尾相伝の武舞を猿真似をした罪はこの世で最も重い罪じゃ。」
「ひ、ひぃっ!」
その顔を見た忍者は皆一様に恐怖した。彼らは虎の尾ならぬ狐の尾を踏んでしまった。絶対に踏み込んではいけない一線を。
そして次々と繰り出される色の塊。それによって動きを拘束された者から順に手刀によって手を下されていく。その追撃は執拗に、極限まで苦しめ、恐怖を植え付けさせた。
紫陽衆の一部は散り散りとなってただ逃げ出す他、生き残る術が無かった。
成功
🔵🔵🔴
真田・さな
*アドリブ・絡み大歓迎です
なんとか、第一陣は防ぐことが出来たようだけど・・・次の相手はかなり厄介そうね。
次の相手は忍び。信長といえば、戦術戦略はもちろんだけど、忍びを使った調略戦も得意とは聞いたけど・・・流石、信長ね。相手はかなり強力な忍びみたい。
●戦闘
技の解析が得意な敵だと下手にユーベルコードは使えないから、戦いの序盤は仲間と連携しながら、ウィザードミサイルで牽制を行っていきます。
持久戦になると思うけど、相手が焦ってこちらの懐に飛び込んできたところで、敵の攻撃に【カウンター】を狙って、大威力の龍鱗砕きを使用します。
●
「なんとか、第一陣は防ぐことが出来たようだけど……次の相手も厄介そうね」
真田・さなは天守の屋根から見下ろして一人言葉をこぼす。この戦いは防衛戦。基本的に相手が有利であるということを認識していた彼女は鴉天狗を仕留めてより一層警戒の意識を強めていく。
「いいか、位置取りは相手が有利とはいえ状況そのものは我らが有利であることには変わらん! 攻め落とすぞ!」
「応ッ!」
掛け声と共に紫陽衆が一斉に苦無を投擲する。その一部はさなを狙いに、残りは天守を登るために壁に向かって投げられたものであった。
「信長といえば、戦術戦略はもちろんだけど、忍びを使った調略戦も得意とは聞いたけど……流石、信長ね」
すぐさま術を展開。炎の矢をいくつもつがえて下に向けて放つ。高い場所では敵の配置が充分に把握できる。
殴りつけるような炎の矢の豪雨が上から降り注ぐ。それは苦無を包み溶かし、城に火を付けることが無いように瓦へ着弾する様、調整しつつ忍びを燃やしていく。紫陽衆は一人また一人と赤く包まれ黒い炭へと形を変えていった。
●
「お前ら! 一人相手に何をやっているんだ!」
「数では我々も負けてはいないはずだぞ!」
一方の紫陽衆は焦っていた。たかだか猟兵、そう侮っていた彼らは数を減らされ、侵攻を止められてしまった事実に驚くばかりである。
忍びとしてのプライド。先に進むことの出来ない怒り。そうした感情がないまぜとなって少しずつ判断力を鈍らせていった。
「クソが! あの火遁は模倣できんのか!」
「ここまで正確なコントロールは難しい、下手したら城ごと燃やしかねん」
「ええい、ならばゴリ押せ!」
紫陽衆の一人が前へ飛び出し、上へと登っていく。苦無を片手に卓越した跳躍でさなの目前まで迫ってきた。
「それならこの一撃をくらいなさい!」
止められた火の手。その代わりに繰り出されたのは斬撃と称すには余りにも生温い、剣による強烈な一撃が叩き込まれる。
頭から剣の腹を叩き込まれた忍びは断末魔の声を上げる余裕も無く叩き落とされ、地面にめり込むとそれきり動かなくなった。
仲間の惨事を目の前にいよいよどよめきが本格的なものとなる。残りの紫陽衆は圧倒的な防衛力に立ち往生せざるを得なかった。模倣による侵攻もあと一息で瓦解するだろう。
成功
🔵🔵🔴
紬雁・紅葉
…真似るも破るも構いませんが…
UC発動
うぬら、活路は無いぞ
羅刹紋を顕わに戦笑み
九曜、巴、鳳翔を適宜使い分け
正面からするすると接敵
射程に入り次第破魔空属性衝撃波UCを以て回数に任せ範囲を薙ぎ払う
敵の攻撃は躱せるかを見切り
躱せるなら残像などで躱し
そうでなければUC+破魔衝撃波オーラ防御武器受け等で受ける
いずれもカウンター破魔空属性衝撃波UCにて返り討ちを狙う
窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃
神に愛されし我故に寿命で済むこの業
剣に捧げぬ御身で耐えられますか…?
我等に退路なし
汝等に活路なし
何がどうあろうと行うべき事
斬る事に変わりなし
逝け、木端共
※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※
ステラ・クロセ
あれがNINJAなのですね!
その素早さ、見せてもらいましょう、でも勝つのはアタシだからねっ!
大刀は腰に納刀し、サイキックエナジーの刀だけで戦います。
用いるUCは【サイコキネシス】。
【ジャンプ】と【空中戦】で苦無を回避しながら様子を見て、苦無を投げてくるタイミングが見切れたらサイキックエナジーを飛ばし、手を摑まえにいきます。
奪えそうなら苦無をゲットして投げ返し、自分を紫陽衆に向かって引っ張って頭突きで叩きのめす!
真似されちゃってもこの刀は実体ないんだから引っ込めちゃえばアンタたちは何もできないよね?
※アドリブ・連携など歓迎です!
●
「あれがNINJAなのですね! その素早さ、見せてもらいましょう!」
ステラ・クロセが跳ねる。刀は納め、身軽な状態となった彼女は瓦の上を駆け抜けながら苦無の雨を潜り抜けていく。横に避け、時には苦無を踏みつけての跳躍を披露しながら接近する。
「でも勝つのはアタシだからねっ!」
「おのれ! 模擬忍法!」
飛び込みざまに繰り出されたのはステラの持つ刀【Now or Never】による一撃。そしてそれを受け止めたのはステラの持つ刀を模倣して生まれた刀だった。
両者の距離はほぼゼロ距離。その間を挟むのはサイキックエナジーで構成された刀による鍔迫り合いである。
「バカめ! 一人に集中していては背後がガラ空きだ!」
「その首、貰ったァ!」
二人の紫陽衆がステラの背後から左右に分かれ、それぞれが苦無と短刀を片手に飛びかかる。
「残念ですけど、そうはいきませんよ!」
ステラは刀を押し付ける様にして強引に相手に距離を取らせるとそのまま自身の脚力とサイキックエナジーを利用して真上へと跳躍する。
ステラが視界から消えた紫陽衆が次に見たものは空気の歪み。流れ来る衝撃波そのものであった。
「ぐぁぁぁぁぁぁ!」
「ぎゃあああ!」
「無念ッ……!」
3人纏めて見えない刃に切り裂かれる。その向こうに立っていたのは羅刹紋を顕にした紬雁・紅葉であった。
「……真似るも破るも構いませんが」
その微笑みは
「うぬら、活路は無いぞ」
その圧倒的なプレッシャーに気圧される紫陽衆の面々。戦いに慣れた者ですら恐怖に突き落とす覇気はまさに剣神と呼ぶに相応しい雰囲気を纏っていた。
●
「ならば対抗出来る術を用意するまでよ!」
「忍法、刀狩り!」
懐から取り出したのは巻物と小さな重りの付いた鎖であった。その得物を片手でブンブンと振り回し、勢いよく投げつける。
狙うは紅葉の持つ薙刀【巴】である。武器を奪う事で相手の戦力ダウンを狙おうという寸法だ。
「その様な小細工は通用しませんよ」
数の減った紫陽衆の攻撃を見切ることは然程難しい事ではなかった。横に流れる様にして鎖の一撃を躱すとルーンソードの【九曜】を振り上げ、斬撃を飛ばす。
鎖を持っていた紫陽衆の一人が真っ二つに斬られる。そして残った鎖は何かに吸い寄せられる様に宙を漂い続け、とある場所に収まる。
「奪われるのはアンタ達の方だけどね!」
サイコキネシスによってステラの手元に収まった鎖を振り回し、その獲物は本来の持ち主の仲間へと牙を向けた。
鎖は忍びの腕に絡みつき自由を奪うと、続けざまにステラはサイキックパワーで磁石のように猛スピードで相手に近づいて行く。
その勢いを乗せたまま頭突きを相手にぶつける。忍びの頭から砕ける様な音がするのを確認するとステラは鎖を手放し素早くその場から退避する。
「我等に退路なし。汝等に活路なし。何がどうあろうと行うべき事。屠る事に変わりなし」
トドメに降り注ぐのは紅葉の持つ【鳳翔】から放たれた矢の嵐。魔を断つ矢はそのまま悪しき忍びを次々と串刺しにしていく。
やがて地面には無数の紫陽衆の死体が瓦へ磔になる者もあれば崩れ落ち地面へと落下していく者もあったりと辺りに広がるのはまさに死屍累々といった有様であった。
残るはこの一角を指揮するオブリビオンだけとなった。猟兵たちは更なる戦いに向けてより一層の警戒を強めていくのであった。
成功
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第3章 ボス戦
『四華衆『剛勇拳刃の摩訶曼荼羅』』
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POW : さぁ受けてみな!鬼の全力の拳だぜ!
【全生命力を懸けた渾身の拳】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 脚は拳の三倍強いらしいぜ?知ってたか?
【目にも留まらぬ脚捌きからの上段回し蹴り】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ : やるなら全力で楽しまねぇとなぁ!?
予め【拳と拳を合わせ気を練る】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
👑11
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「チッ、結局鴉も紫陽衆もダメだったってわけか」
ドスン! と一際大きな音が屋根上に響き渡る。四肢に武器を携えた羅刹の女が一瞥をしてから猟兵たちへと向き直る。
「こうやってコソコソ動くのはやっぱりアタイの性には合わねぇわ。ガラシャの奴もやられちまったみたいだしねえ」
城の内部の攻防戦は雌雄を決していた。しかし、だからこそ己が代わってその使命を果たさねばならない。その思いがこの女にはあった。
「アタイは四華衆が一人! 剛勇拳刃の摩訶曼荼羅だ! 正々堂々お前らをぶちのめしてからゆっくりと登ってやるよ! さぁ血と、汗と、涙を流しな!」
ドス、ドス、ドスと歩みを進めるオブリビオン。最後の戦いの始まりだ。敵は逃げも隠れもしない、ただ己の全力をぶつけてくるだけだろう。
真田・さな
*佐藤くおんさん、佐藤柊那さんと連携しながら戦います
*アドリブ大歓迎です
多対一で悪いけど、貴方の正々堂々に答えるわ。
この二人との絆がいつも、私の背中を押してくれたから。
だから、二人と一緒に貴方を倒す!
いきましょう、くおん君! 柊那ちゃん!!
たまには元居候のカッコイイところを見ていってね。
●戦闘
くおん君の高い攻撃力を十分発揮できるように、ウィザードミサイルで敵をけん制して時間稼ぎ。相手をイラつかせるように攻撃しながら、ターゲットを私に絞らせます。
二人に攻撃がいきそうになったらウィザードミサイルで敵の攻撃を邪魔します
基本は牽制に徹しながら、くおん君の攻撃で威力が不十分なら龍鱗砕きで追撃します
佐藤・柊那
真田・さな(f05145)と佐藤・くおん(f02218)と連携して
なんや、暑苦しい人やな。
良い事でもあったんやろかね
まぁ、あってもなくてもここで倒さなあかんのやけど
戦闘
さなさんが牽制してくれてるから、上手く合わせて
毒でちくちく削っていく方針で
こちらに意識が向いて無い時は視界の端をかすめるように
背後に移動しながら攻撃を行い
こちらに意識が向いてる時は近づかないで回避に専念して
ダメージを受けないように注意
牽制役に向かう攻撃で威力が高そうなのはできるだけ
妨害して邪魔を行う
主攻撃はくおんくんにまかせようね。
佐藤・くおん
※さなちゃんと姉者と連携
さてさて、頑張らせてもらおうかな
時間稼ぎしてもらってる間に【力溜め】、【野生の勘】で攻撃に最適な瞬間を【見切り】全速力で【ダッシュ】、【怪力】でもって【喝采の一撃】を食らわせる。
●
「多対一で悪いけど、貴方の正々堂々に答えるわ」
「へぇ、それでアタイが満足できるんなら構わないぜぇ!」
摩訶曼荼羅の周囲の気の流れが変化する。次いで飛び込む身体、抉られる地面。真田・さなは後ろへ跳び下がると炎の矢を展開、その身体に撃ち込んでいく。
しかし摩訶曼荼羅はそれを避けようとすらせず真正面から浴びていく。炎に包まれ身を焦がしながらも臆することなく、むしろ戦う悦びすら見出していた。
「熱いねぇ! いいじゃないか! もっと滾らせてくれよ!」
「くっ……! なんて力なの!?」
その拳の一撃は文字通りの焼き籠手となって襲いかかる。さなはとっさに剣を横向きに構えてガードをするもその身体はズリズリと後ろへ押されていく。
●
「なんや、暑苦しい人やな。良い事でもあったんやろかね」
少し離れた位置で佐藤・柊那(ナイトウォーカー・f05554)が関西弁風の喋り方をしながらのんびりと口にする。
「まぁ、あってもなくてもここで倒さなあかんのやけど」
しかしその手にはダガー。言葉に反して動きは機敏にして冷静。切っ先をオブリビオンへ向けると摩訶曼荼羅の背後へと忍び寄り、注意が逸れているうちに斬り込みを仕掛ける。
「速いな。だが甘ェ! !」
さなから離れ、くるりと振り返って上段回し蹴り。脚に装備した刃とダガーが交差する。柊那は張り合おうとはせず、すぐに距離を置こうとする。そこを追撃せんと摩訶曼荼羅の拳が狙いを定める。しかし、その隙にさなが放った背後に迫る熱を感知すると攻撃を中断し、腕で強引に振り払い炎をかき消していく。
「ハッ、友達ごっこが美しいって……ん?」
ふと脚に違和感を感じる。見れば脛に僅かな切り傷が刻まれていた。しかし裂傷だけで感じるようなものではない。このジワジワと締められるような感覚は――。
「そうか……テメェ、毒を盛ったな?」
「今頃気付いても手遅れやんね」
気怠げに、しかし明確な意図があっての行動。表情には出さずともしてやったりな声音の柊那。敵の動きは最初よりも明らかに緩慢なものとなっていた。
●
「姉者、さなちゃん、ありがとう。準備は整った」
ずっとこの場を静観していた佐藤・くおん(らぶ&ぴーす・f02218)。敵の意識を二人に逸らしてもらいつつ自分は力を溜め、来たる瞬間に全てをぶつけるべくずっと緊張状態を保っていたのだ。
「そこだぁっ!」
「もう一人いたか! クソッ!」
兎ならではの脚力を遺憾なく発揮し、猛烈なスピードで接近するくおん。潜伏からの強襲、その緩急は風を切る音が流れるこの瞬間まで摩訶曼荼羅に悟られずにいたのだ。
反撃に拳を振り上げ対抗しようとするがもう遅い。不意を突かれ、毒で思考が鈍り、その上から抜群の瞬発力を発揮されてはとても間に合うものでは無かった。
「食らってくたばれ!」
「ガバァッ!?」
くおんの速度を乗せた捨て身のタックルが摩訶曼荼羅の鳩尾にめり込む。オブリビオンは赤黒い血を吐き出して吹っ飛ばされ天守の壁に激突する。
「チッ……今のは効いたぜ。おもしれぇじゃねえか」
よろよろと立ち上がる摩訶曼荼羅。くおんの渾身の一撃をノーガードで喰らい、更にはその身体を火傷と毒が蝕む。たった一人の猛将は、巧みなチームプレイを前に勢いを殺されたのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
石守・舞花
おくれてすまない
ポジションはクラッシャーで頼むです
なるほどー、今回のお相手は脳筋バカさんですかー
故郷(スペワ)には鬼とかいなかったので珍しい動物を見る気分です
あらかじめ【ブラッドガイスト】で懐の魔切り包丁を殺戮補食モードにしておいてから、薙刀を構えて戦闘開始
敵がただ力任せに殴ってくるなら、いしがみさんは技巧で勝負です
中段の構えで牽制してれば、敵もこちらに近寄りにくいでしょう
リーチを活かして敵の拳を横へ払い、小手を狙う要領で拳を【部位破壊】狙い
隙ができたら死角から急接近して、懐の包丁でぐさぁーっと【暗殺】【生命力吸収】
鬼の生命の一部をいただけば、もやしっ子のいしがみさんでも筋力がつくでしょうか
●
「おくれてすまない。ポジションはクラッシャーで頼むです」
「ポジ……クラ?何言ってんだテメェ?」
ぼんやりした様子で独特の言い回しを語る石守・舞花(神石の巫女・f17791)がユーベルコードを発動させると薙刀を構えた。
摩訶曼荼羅は理解することを諦め拳打を繰り出す。力強く素早い技ではあるがそれは舞花には届かない。
薙刀の圧倒的なリーチを武器に突きを繰り出し、踏み込もうとする敵の動きを確実に妨害していく。
「クソが、チマチマとよぉ!」
何度か続く攻防。摩訶曼荼羅の出す拳が徐々に乱雑になっていく。思うように前へ踏み出すことが出来ない焦燥感と別の戦いで脚に刻まれた毒が未だ身体中を巡り、集中力が完全に乱れきっていた。
「そこですよ」
「なっ!?」
繰り出された拳。それを舞花は薙刀の先で器用に横へ弾くと先端の刃を摩訶曼荼羅の右手首へと食い込ませる。
その一撃は肉と皮を裂き、パックリと割れた傷口からは血飛沫が飛散した。
「隙だらけです」
舞花は薙刀を一度しまうとすぐさま急接近を仕掛ける。ユーベルコードで殺戮捕食態へと禍々しく変化を起こした包丁が摩訶曼荼羅の脇腹へ一撃。ズブリ、と柔らかい手ごたえが包丁を通して舞花の手に伝わる。
「ポジション効果で威力二倍です」
「意味が……わから、ねぇ」
舞花が包丁を引っこ抜くとガクッと膝をつく摩訶曼荼羅。本当に二倍だったのかどうかはさておき、その威力は敵の懐から止め処なく溢れる赤黒い血溜まりがはっきりと物語っていた。
成功
🔵🔵🔴
ステラ・クロセ
正々堂々!アタシの好きな言葉だね。
そう言ってくるなら、アンタの挑戦、受けて立つよ。勝負勝負!
敵の正面から炎のサイキックエナジーを武器に纏わせた【属性攻撃】でやりあうよ。
攻撃は【武器受け】でしっかりと受けるけど、渾身の拳は体格が小さいアタシには不利。【ジャンプ】で横っ飛びして避ける。
敵が崩れたチャンスを作れたら炎を全開にした【焔轟熱風剣】で切り込む。
「定めには逆らえない!燃えろぉ!」
※アドリブなどなど歓迎です
リステル・クローズエデン
さてと、正面からぶつかるだけが、
戦いではありませんよね。
他の方々が戦っている間に、
忍び足+地形の利用、迷彩+目立たないで距離をとり姿を隠し。
視力+暗視+見切り+学習力で相手の動きを見切り。
【炸裂穿牙】を投擲+援護射撃+暗殺+武器落とし+吹き飛ばしで使用。
相手の腕や脚を狙って爆発する苦無を投擲し。援護します。
なお、攻撃後は素早く移動します。
同じ場所で狙撃続けるような真似はしませんよ。
近接戦時は、
見切りと第六感。オーラ防御と盾受けで回避と防御。
カウンター+だまし討ち+物を隠す+投擲+吹き飛ばしで【炸裂穿牙】。
あるいは捨て身の一撃込みで直に苦無を刺し【炸裂穿牙】を使います。
●
「アタシはアンタの挑戦、受けて立つよ! 勝負勝負!」
摩訶曼荼羅の性格に比較的好意的なステラ・クロセ。敵同士ではあるが、心情的には通じ合うところがあるのだろう。
ステラは刀に炎を纏わせ摩訶曼荼羅へと振るう。刀と敵が装備した刃がギリギリと甲高い音を立てて火花を散らす。敵は片腕しか使えなくとも互角に渡り合うだけの剛腕を有していた。
「へぇ、いい武器を持ってるじゃん。だけど少し力が足りねぇなぁ!?」
「くっ、それでもアタシは……負けないんだから!」
何度も繰り返される刀と腕の応酬。何回めであろうか、摩訶曼荼羅が片手で抑えながらもう片方の拳を無理矢理握り振りかぶろうとする。血塗れの腕。この拳で殴れば殴った彼女も相応の痛みを伴うだろう。だがそれすら厭わない程の戦意がその内に秘められていた。
ステラは必死に押し切ろうと力を込める。しかし摩訶曼荼羅の腕は鉄の棒の様にびくともしない。
体躯の小さな自分が食らえばタダではすまないことを頭では理解していた。だが刀を降ろせば空いた片腕も攻撃に転じてくるだろう。動くに動けない状態となっていた。
「だったらこれで潰れなァ!」
そして血濡れた一撃がステラのすぐ目前まで迫ってくるのであった。
●
「さてと、正面からぶつかるだけが、戦いではありませんよね」
ステラとオブリビオンが戦いを繰り広げている間、リステル・クローズエデンは姿を隠し潜伏をしていた。敵の入場からずっと悟られない様に潜み敵の動きをずっと観察していた。
リステルは苦無を一本持ち出し、柄の部分を強く握ってオーラを込める。ユーベルコードによってその力を纏った武器はただ鋭利になるだけでなく、武器そのものが爆ぜる特性を得る特殊な武器となる。
「だったらこれで潰れなァ!」
敵の拳は味方の目前まで迫っている。ならばこれが絶好の機会。その目で距離と到達までの時間を素早く計算し、答えを導き出すと苦無を構えた。
「この刃は牙。穿ち、引き裂き、そして爆ぜよ――炸裂穿牙!」
「なっ!?苦無だと……ぐぁぁっ!」
投げられた苦無は摩訶曼荼羅の振りかぶった腕に食い込み突き刺さる。そして一瞬の閃光の後、爆音と共に自爆をした。衝撃で敵の腕は吹っ飛び、その身体も激しくグラついた。
(体勢が崩れた! それなら今ッ!)
ステラの刀の炎が激しくうねり空へと立ち昇る。その真っ直ぐな心に勝るとも劣らない勢いと熱が辺りを包む。
「アンタ達は定めには逆らえない! 燃えろぉ!」
二刀の刀を交差して振り下ろす。斬撃は摩訶曼荼羅の胸を正面から斬り裂いた。
「がぁぁぁぁぁぁっ!」
ステラの燃え滾る闘志がオブリビオンの身体で燃え続ける。赤く、紅く、その身体を芯まで焼き焦がし、炎が消えた頃には満身創痍な状態の姿で膝をつく敵の姿があった。
「まだ終わりではありませんよ」
苦無を投げた直後にリステルが瓦の上を駆け抜け接近する。そして苦無を取り出すと続け様に背中へと思い切り突き刺した。
直後に再びの爆発。リステルは熱を被りながら爆風を利用して後ろへ下がる。
「アタイは……負けられねぇんだよぉーッ!」
雄叫びと共に黒煙が風に流されると、摩訶曼荼羅が喉から息を漏らしながら立ち上がる。しかし、その意思の炎は終わりを迎えようとしていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
遊馬・美湖
あははどうかーん! ミコもコソコソしてんの面倒くさいし嫌いだし。意見あうじゃーん。
別の戦場片付けてきたついでにこっちもお邪魔しにきちゃった☆
あ、でもガチ真っ向勝負ってがらでもないんだよね。ご愁傷さまー。
ってことでよっしゃいっちょ頑張ってきてちょ、子鬼ちゃんたち。
おしゃれ意識な子鬼を召喚して敵をぶっ飛ばしてもらうよ!
気を練ったりする動きを見せたら主に狙うのは腕とか拳。ミコ自身も可愛くデコったサバイバルナイフで応戦しちゃうぞ。
コソコソすんのは嫌いだけどちょこまかちょっかい出すのは大好きってね。必ずミコたち猟兵が倒してあげるから覚悟しなっ!
●
「ぐっ……アタイはまだ……」
傷だらけの身体に鞭を打ち、摩訶曼荼羅が立ち上がる。周囲の気は再び波の如くうねり、その身が溺れきるまで戦う意思を見せつけていた。
「あははっ、でもマジボロボロじゃん?つかミコもコソコソすんの嫌いだしその辺アンタと意見合うと思ったけど……」
この城の別のエリアを防衛しきった自由奔放な少女、遊馬・美湖(パワフルギャル・f12819)は今にも崩れかけの羅刹のオブリビオンを見てあどけなく笑う。
だがその目は摩訶曼荼羅を倒すべき敵としてしっかり見定めており、気の変化を機微を感じ取るとすぐさまユーベルコード発動の仕度を整える。
「オブリビオンのアンタ達に容赦はしないよ! 小鬼ちゃん達、いっちょ頑張ってきてちょ!」
美湖の号令で羅刹と同じ漆黒の角を生やした膝丈くらいの大きさの鬼が何処からともなく現れる。
「オラーッ! イクゾー!」
「ブットバスゾー!」
「スッゾコラー!」
次々と殴りかかる小鬼たち。拳がめり込み、痣と中で切れた血管が内出血をおこし肌を青黒く染めていく。
多勢に無勢。一体一体は大したことがなくとも集まればその力は無限大。更に手負いとくればその群れに飲み込まれていくのにそう時間はかからなかった。
「ガハッ! ゴハァッ! くっそがぁぁぁぁ!」
ドンッ! と空気が破裂するような音を響かせながら練った気を周囲に解き放ち、その衝撃で小鬼を吹き飛ばす。小鬼は散り散りに吹っ飛んでいく者もいればしがみついて抵抗する者もいた。
「ハァ、ハァ……アタイはまだ終わってねぇ……!」
「でもこれでおしまいだよ。そーれっ!」
それでもなお蹴りを繰り出そうと右脚を後ろに下げた摩訶曼荼羅。
しかしそれよりも早くガツンッと美湖の拳が飛ぶ。小鬼とは違い人並みの速度と重量の乗った一撃は、纏わり付かれ更にもう立つ力すら残っていない摩訶曼荼羅を戦の舞台から突き落とすには充分であった。
その羅刹の身体は重力に引っ張られていき力無く背中から土へ叩きつけられる。
「この手は天守に届かなかった……か」
「いったーい! でも落っこちちゃったね。ご愁傷さまー」
手をブンブンと軽く振りながら痛がる美湖。遥か下に落ちて動かなくなった摩訶曼荼羅の姿を見て確認すると一瞬だけ寂しそうな顔を浮かべ、この戦場の勝利を確信し、背中を向け去っていく。
――戦の先で光るのは白い輝きか、黒い輝きか。それは天ですら知る余地も無かった。
成功
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