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守るべきものは

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 この世界は残酷だ。そう思ったのは今日が初めてではない。
 その村は以前から領主によって搾取を続けられていた。
 働き手となる村の大人たちは連れ去られ、明日を生きるための僅かな食料さえも奪い去られた。
 村に残されたのはもはや満足に動くことも難しい老人に小さな子供たちだけ、それでも生きるために頑張って今まで生きてきたのに。

 遠目に確認出来たそれは魔獣の群れ。
 それが今一直線にこの村に向かって走ってきている。
 その光景に村人たちは慌てるでも無く逃げ出すわけでも無く、ただただ絶望で立ち尽くす事しか出来なかった。
 魔獣がその村に到着するまで、あともう少し。

●選択
「皆、事件だよ」
 落ち着いた様子でプネヴマ・オフサルマパティ(旅人パラドスィ・f05392)は猟兵たちに向けそう告げる。

「場所だけどダークセイヴァーの村で魔獣の襲撃が発生するみたいだね。皆にはその村に行ってもらってその襲撃から村を守るのが仕事になるかな」
 襲われる村を守る、単純で分かりやすい内容だね。と付け加え話を続ける。
「幸いにも魔獣が村に到着するにはまだ時間はあるみたいだから、魔獣の侵入を防ぐために柵を作ったり、落とし穴みたいな罠を作るのも良いかもしれないね。他に何か思い浮かんだ作戦があればそれを実行するのも悪くないと思うよ」
 しかしそう話すプネヴマの顔は決して明るいものではない、むしろ先ほどに比べ暗くなっていた。
 その事に不思議に思っていると。
「ただ……足りないんだ、時間が」
 プネヴマが言うには村は広く、その全てを守るために柵や罠を設置しようと思うと魔獣の襲撃までに間に合わないらしい。

「だから非情に酷だけど、君たちには選んでもらわなくちゃいけない。何処までを守って、何処までを切り捨てるのかを」
 そう言ってプネヴマは村の地図を開き村の様子を簡単に説明する。
 村には村人が住む民家や生きるための食料を作るための畑、資材や食料を備蓄しておくための倉庫と言ったものがあるらしい。
 畑を捨てれば村人や倉庫を守りやすくなるし、その他も然り。
 ただ、捨てたからと言ってデメリットがあるわけでもないし、全てを守ったからと言って何かあるわけでもない、少なくともこの事件の間は。

「…君たちには辛い思いをさせるかもしれない、けど私にはこれ以上の事は分からないんだ。…だからもし、君たちが良い方法を知っているのなら……あの村を、彼らを救ってほしい」


リリィクラウン
 はじめまして、リリィクラウンです。
 このシナリオは救いがあるような無いような、そんなシナリオとなっております。
 そのためハッピーエンドをお求めの方には向かないかもしれませんのでご注意ください。

 上記にもあるように魔獣の襲撃までは時間はあるようで全てを守るには足りません。
 その時間の中で猟兵たちは何を守り何を残せるのかを選択していただきます。
 勿論その上で全てを守ろうとしていただくのも、逆に村人を守る事だけに集中していただいても構いません。

 それでは皆さまのプレイングお待ちしております。
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第1章 冒険 『残されるもの』

POW   :    畑や村の周囲に防衛のための柵などを設置する。

SPD   :    畑や村の周辺に迎撃のための罠などを仕掛ける。

WIZ   :    畑や村を防衛するための作戦を考える。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ルセリア・ニベルーチェ
*他の猟兵と協力歓迎です

村人よ、ルセリアさんが来た

よく、生き延びてくれたわ。私達が来たからには安心なさって!
立ち尽くす時間は惜しい、一分一秒を活用し、生きる希望を諦めないで

村人に希望を与える為にも全力を尽くす

【POW】防衛の為の準備

『念動力11』で村の上空へ移動
『情報収集11』村の全体を見て守りの薄い場所を把握

時間が足りない?至らないなら絞り出せばいい
村を簡易砦にするわ。ユーベルコード『血統覚醒』使用

寿命を削ってでも爆発的を得て短時間で陣地作成

『戦闘知識11』防衛戦・迎撃戦に適した配置・質や量を掌握

『範囲攻撃11』『属性攻撃11』『念動力11』土属性使用
村の外周の土や岩を盛り上げ、簡易砦を作成



●広く強く手を伸ばし
「皆さーん!ルセリアさんが助けにきましたよ!絶望するにはまだ早いわ、生きる希望を諦めないで今できる事をやりましょう!」
 村にいち早く到着したルセリア・ニベルーチェ(ルセリアさんは自由民・f00532)はそう言って村人たちを励ますと、念動力を使い自身を空に浮かばせ村全体の様子を把握するべく辺りを見渡した。
 それにより現在の村に守るための柵や罠と言ったようなものが殆どなくその全ての守りが薄いという事が把握できた。

「これは難しい…かもしれないけど、それでも諦める道理にならないわ!」
 難しいだけであって出来ないはずはない。ならこの村を守るために全力を尽くすべきだ。
 ルセリアは血統覚醒を使い自身の姿をヴァンパイアに変えると村にある資材や使えるものや、土や岩を盛り上げ簡易的な砦を作り上げるべく身体を動かし続けた。

 結果。範囲が広すぎたがために出来上がった砦は魔獣の侵攻を防ぐには心許なく、多少ましになった程度に収まってしまった。
 やれるだけの事はやった。これ以上は…いや、まだ魔獣は来ていない。ルセリアはそれを確認すると魔獣が来るその時まで砦の強化のために手を動かすのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

キア・レイス
時間がないのなら、守るべき物は選ぶしかあるまい。

村人と住居は最優先として…今を生きるための物資がある倉庫か。
長い目でみれば畑だろうが、今を生きれる物資がなければ畑もを維持する体力すらなくなってしまう、村人たちに復興する気があるなら手を貸してもいいしな。

そして守るための罠を作ることにする。
村人に釘やナイフ、鎌やピッチフォークの先端部分など鋭利な物を拝借し、木の板に打ち付ける。
踏むと刺さる爆発しない地雷のようなものだ、それを村人と一緒につくってもらい敷きまく。
まくついでにユーベルコード【衛星兵器支援射撃】の前段であるビーコンを4・5箇所ほど一緒に仕掛ける、無論魔獣が近づいてきたら発動するためだ。


ファラン・ウルフブラッド
取れる物がなくなったから後は魔獣の餌にしようってか? 人間を無礼(なめ)るなよ、化物どもが。 人間の強さ、恐ろしさをその身を持って知れ。

【行動:POW】
【技能:怪力】を使用し、防衛の為の柵を設置。予め村人には「時間が足りないから、全てを守りきる事は出来ない」事を説明し、幾つかの民家に寄り集まって貰う。倉庫と在宅民家の周辺を重点的に防衛強化する。

手が空いたら満足に動けないお年寄りや子供達の避難の手助けをします。

最悪畑は作り直しになるかもしれねぇな…。魔獣共が暴れてどれだけ無事な農地が残るか、ある意味賭けだな。(一応そういう時の為に育ちの早い葉野菜等の種を幾らか用意しておきます)


アーサー・ツヴァイク
仮に全てを守ろうとするにしても、優先順位は必要だ…だったら俺は村人の命を優先したい。生きてさえいれば…逆転の目を引くチャンスはあるさ。
例え絶望的な状況だとしても…死んでしまえばそれで終わりなんだ

俺は【POW】判定で民家や倉庫の柵を作るぜ。魔獣が村の中に入ってきたとしても…せめて人命を守ることはしなくちゃな。ウェポン・アーカイブでハンマーを取り出して作業の効率も上げておくかな
後は…逆に守りの薄い所に魔獣を誘い込めたりしないか? どれ位の知能なのかは知らないが、わざわざ守りの硬い所を狙うとは思えないしな。
まあ…頭の悪い猟兵の戯言と流してくれても構わないぜ



●彼らにとって大事なものを
 何を残し何を捨てるか、村人たちにとっては家も、倉庫も、畑もその全てが生きるために必要なものである。
 家が無ければ雨風を凌ぎ体を休める場所が無くなる、倉庫が無くなれば今すぐ使える食料や資材が無くなってしまう。
 畑が無くなればまた新しく作るまで不安定な食料で生活していかなければならない。

「民家は最優先で守ろう、村人たちの事を考えるなら此処が重要だ。終わった後の事を考えるなら使える物がおいてある倉庫も重要だな」
「あぁ、でも悪いが全部は守れねぇ、時間が足りないからな。少し不便な思いをするかもしれねぇが許してくれ」
 残った時間、今できる事を考え守れない場所も出てくると事前にファラン・ウルフブラッド(深淵を歩く剣王・f03735)はそう言い、それに伴い動けない人たちは一か所にどこか集まってほしいと村人たちに告げる。
 その言葉に村人たちはそれでも助かることが出来るのならばと頷き、動ける者が動けない者を連れ一番大きな家へと運んでいった。
 キア・レイス(所有者から逃げだしたお人形・f02604)は優先で民家と倉庫を守るべきと判断し、そのために必要な罠を設置するため、残った村人たちに木の板と鋭利なものや刃物を拝借できないかと聞き村人はそれならばと各々、倉庫や自身の家から鎌やナイフと言ったものを持ち出しキアの下に集った。

「じゃあそれを刃先を上にして板に打ち付けて、それを地面に置いていこう」
 キアが提案したのはまきびしやスパイクと言った設置型の罠だった。
 確かにこのくらいなら自分たちでも簡単に用意でき数を作れるだろうと村人たちはキアの指示通りに動き民家、倉庫の周りに罠を設置する。

 それを見ながらキアは村人たちと共に設置した罠の近くに自身のビーコンを幾らか設置する。
 設置した罠に魔獣たちがかかればそれを合図に自身の攻撃を発動すれば大ダメージを狙えるだろう。

 一方、ファランとアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)は他の動ける村人たちと主に防衛のための柵を作り民家と倉庫に立てていく。
 ファランが怪力で柵を運び、アーサーがウェポン・アーカイブでハンマーを使い柵を立てる事で作業効率を上げ、高速で作業を続ける中アーサーがふと何かを思いついたように。
「一つか二つこの柵で守られてない倉庫を作っておいてさ、そこに魔獣共を誘いこんだり出来ないか?奴らの知能は分からないけど、誘い込めれば其処で一網打尽って事も出来るんじゃないか?」
「それは良いかもしれねぇな、何処か村の中で使ってない倉庫とかあるか?あるならそれを使ってやろうと思うが…」

 その言葉に村人の一人がうちの倉庫を使ってくれとその場所を示す。
 其処は近くにその村人の家もある事に気づき本当に良いのか?と聞こうとするとその前に最初は明日すら来ないはずだったのだから、自分の家一つくらいならば大丈夫とそう答えるのだった。

「なら、有難く使わせてもらうぜ。必ずこの村を救って見せるからな!」
 そう言ってその倉庫辺りだけ、柵を設置せず無防備な状態にし逆に近くの民家の守りを強固にすることで魔獣の突撃しやすい状態へと作り上げた。
 もしここに魔獣が突撃すれば魔獣に対しダメージを負わせることが出来るだろうと、判断することが出来た。

 これで倉庫と民家、両方の守りを固めることが出来た。万全とは言えないがそれでも魔獣たちの侵攻を防ぐにはとても大きな役目を果たすだろう。
 そのことを確認しながらも魔獣たちの襲撃に備えるべく、各々の準備を進めていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

尾守・夜野
POW判定で頼む。

あんまり守るのは得意じゃねぇ。
だから他の奴が少しでも守れるように出来る時間を稼ぎに魔獣の群れにちょっかいをかけに行くぜ。
進路を少しでも変えたり、多少でも群れの中の数が減ればその分守れるだろうよ。
後は実際に戦う際の情報収集も兼ねている。
集めた情報は全員に共有するぜ。

正面から行っても屍が一つ増えるだけだろう
基本は【騙し打ち】だ。
正直に戦う必要なんざねぇんだ

時限式の音だけの爆弾を村から群れに向かう道すがらに仕掛けて置いたり

風下の木に登って血の入ったスキットルを群れのど真ん中に投げ込んで興奮させての同士討ちを誘ったり

群れの外側、または後方にいる奴をおびき出して処理しておくぜ


ロベリア・エカルラート
●心情
さーて、ヴァンパイアの悪趣味な遊びなのか、それともホントに偶々魔獣が来ただけか……どっちにしても運が無いね

●行動・WIZ
作戦を立てるよ
要は村で迎え撃つのが難しいなら、私が村の離れた所で敵を引きつけながら戦えば良いんじゃない?
まあ、取りこぼしはあるだろうけど駄目で元々だし、そっちは村に残る人に任せよう

魔獣は多分餌が欲しいんだろうから、食料庫から多めに肉類を借りていこう。なければ自前の食料で何とか。
これと私自身を餌にして、村の離れた位置で魔獣を引きつけて可能な限り迎撃するよ

「ま、駄目で元々だし?最悪でも時間稼ぎ程度にはなるでしょ」
「あ、食料は返すつもりだけど、食べられちゃったらゴメンね?」



●攻撃は最大の防御?
 柵による防壁、罠による迎撃。この村で戦うための準備をする事だけが出来る事ではない。
 魔獣共が村へ近づいている中、魔獣の一匹がふと血の匂いを嗅ぎ取る。
 下されれた命令の中には無いものの血肉の匂いを嗅ぎ其方に向かざるを得ない、はぐれた獣は臭いを頼りに獲物の方へと向かう。
 辿り、走り見つけた先にあったのは一人の女性。獣は何の疑問も抱かぬまま、女性を喰らおうと襲い飛び掛かろうとし。
 背後に急に現れたもう一人の男性に気づくことなく、二人の猟兵の手によって倒されたのだった。

「よし、まずは一匹目だ。この調子で後何匹か倒しておきたい所だな」
 魔獣の血に濡れた剣を軽くふき取りながら尾守・夜野(群れる死鬼・f05352)は魔獣の群れを見てそう呟く。
 ロベリア・エカルラート(花言葉は悪意・f00692)が村人に頼み持ち出してきた食料、夜野が用意した血を使い魔獣を誘い出し先に退治する事を選んだ二人だがその戦果は余り良くは無かった。
 魔獣共の気を引くように血を嗅ぎやすい場所に撒いたり、食料をちらつかせたりしてみたもののほとんどの魔獣はソレに見向きもせず村へと進むものが多かったのだ。
 
「それにしても、これだけの食料を無視して村に向かうなんて…彼奴らの目的食料じゃないのかな?」
「だったら彼奴らは村を壊すためだけに向かってるっていうのか?」
「そうなら…随分と悪趣味なヴァンパイアね。あの村にこれ以上の仕打ちをするなんて」
 軽く言葉を交わしながら、それでも引き付けられるだけの獣を引き付けようと二人は別の罠を仕掛けたり、より分かりやすく餌を見せつけるように動く。
 そうして何体か獣を狩った後ふと獣とは違う少女のような声が聞こえてきた。
 不思議に思い二人は手を止め隠れながら声のする方に顔を向ける。

『あははは。どうするの?どうしちゃうの?』
『逃げるの?戦うの?命乞い?どれでも助からないのけど、とてもいい玩具を見つけた気分だわ』
『あぁ、今からとっても楽しみ、いったいどんな悲鳴が聞けるのかしら?』
 其処には黒い衣を被り鎌を持った少女がまるで誰かと会話するように、しかし一人で喋る少女は不気味に、嘲笑うように村の方を見つめ獣たちに行進の指示を出していた。
 ケラケラと嗤いながら進その姿に少し悪寒を覚えるくらいだった。

「おい、彼奴が今回の黒幕って事でいいんだよな?」
「魔獣に指示を出している所を見るにそれで問題なさそうね…」
「なら一旦戻ってこの事を共有してこないとな」
 互いに黒衣の少女の事を確認すると、見つかる前に撤退するためにいくつかの血と食料を自身が向かう方向とは逆に撒き、それを餌に撤退するのだった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

シオン・ユークリッド
村に子供を放置しないで、寧ろ領主の館で洗脳教育し従順な働き手を生産した方が便利だと思うんだけど……そんな事を考えつつ。
「何かいい提案ある?村を護ったり獣を迎撃する為の手段って」
僕が思いついたのって、落とし穴と足を引っかけそうな紐を張るってくらい
あと、マカブルで僕が囮
血でも貰って放置された、無力な可愛い(強調)子供になる

あ、畑>倉庫>民家が個人的な優先順位
食料がなくなり、保存食もなくなり生産の手段も無くなれば……次は互いの肉を喰らいあう
当然な事
「(生きる為に他を喰らうのって自然な事だ……ならば、村人とか親しい他人に死を望まれる前に、他者に摘み取られる方がいい)」
それこそ、領主とかね


雛河・燐
さて、守る…攻める。違う、嫌がらせを考えようか。

まず【レプリカクラフト】でトラバサミなどの簡易な罠を大量に作り出す。
次に【コミュ力】でもって村人にそれを設置してくれるように説得。
「諦めるのを考え直すお時間だよ。大半がお人好しな集団に知られたからには、もう最悪は来ないさ。最善は確約出来ないけれど次善程度は約束するよ? その諦念に子供まで巻き込むわけにはいかないでしょ?」
「それに、もうじき世界が変わるって予言するよ」(考えの読めない笑みで)

村人が言うこと聞いてくれたら自分は【早業】と【ロープワーク】で魔獣が通るであろうルートに足払い用のロープを木に結んで幾つも設置していく。



●最後の守りを
 魔獣の襲撃まであともう少し、シオン・ユークリッド(審美的志向・f07977)は考えていた。
 搾取をするなら子供も拉致し洗脳すれば、よりよい働き手をつくれるはずだ。
 しかしそれをしないのは何か理由があるのかとそんな考えを頭に過らせながらもその思考を破棄し、村を守るための罠について考え始める。
「もう少し村に罠を設置したいけど…何かいい案ある?僕が思いついたのって落とし穴とか、足を引っかけそうな紐を張っておくとかそのくらいなんだよね」

 そう話すシオンに雛河・燐(笑って嗤って・f05039)はレプリカクラフトで大量のトラばさみを作り上げ。
「良いんじゃないか?シンプルなものほど引っかかったりするからな、それに時間が無いみたいだからな色々考えるより思いついた事をやるのが一番良いだろうな」
「それもそうだね。…そんなに作って全部仕掛けられるの?」
「あぁ、俺一人じゃ難しいかもしれないけど…此処には俺たち以外も居るだろ?」

 そう言って燐は村人たちが集まっている所に向かい、手の空いてる者に罠を設置するのを手伝ってくれないかと説得をする。
「諦めるのを考え直す時間だよ。状況は辛いものかもしれないけど大半がお人よしの集団に知られたのなら最悪は回避できるさ。
 だからと言って最善は確約できないけど次善程度は約束するよ?もし手伝ってくれるならその可能性がもっと増える」
 どうだい?と問う燐に村人は分かったとお願いを承諾し、燐から罠を受け取ると各自村の防衛に必要な場所に向かい始める。
 その村人たちの姿を見送りながら笑みを浮かべ。

「それに、もうじきこの世界が変わるって予言するよ」
 そう呟き、自身もまた村を守るための罠を設置するために動き始める。
 シオンと燐が重点的に罠を設置する場所として選んだのは畑だった。
 現状最も守りが薄い場所でもあり、民家、倉庫と守りが固く別の所を攻めようと魔獣が動いた場合、此処に罠が設置してあれば魔獣に大きな被害を与えることが出来るだろう。
 燐は早業で魔獣が通るであろうルートを予測し、そこを中心に足払い用のロープを幾つも木に設置していく。

「さぁ、皆さん時間がありませんよ。時間まで精一杯頑張っていきましょう!」
 超絶可愛いシオンはその可愛さを活かし、村人たちを鼓舞しつつ自分の仕事を果たすため罠を設置していくのだった。
 元々何も防衛出来る物が無かった村に、柵、罠、策。急ごしらえであるとはいえ迎撃戦を行うためには十分な準備が出来上がった。
 後は魔獣共が攻めてくるのを待つだけ、猟兵たちは来るべき時に備えその時を待つのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『暗闇の獣』

POW   :    魔獣の一撃
単純で重い【血塗られた爪】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    暗闇の咆哮
【血に餓えた叫び】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    見えざる狩猟者
自身と自身の装備、【自身と接触している】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アーサー・ツヴァイク
只の魔獣の襲撃ってわけじゃないらしいな…だがまずはこいつらだ!
皆が用意してくれた罠を有効活用するぜ。罠にかかれば音がなるはず、その位置を狙ってレイシューターの砲撃だ!【一斉発射】でまとめて攻撃してやるぜ!

あと魔獣が村人達に注目しないようにこちらに引き付けるぜ。最近用意した自慢のバイク・ライドランに乗って音で魔獣の気を引き付けたい所だな。
試運転だし…「ひとっ走り、付き合えよ!」…ってな!

黒幕がどんな奴だか知らないけどよ…お前らの思い通りにはさせねえからな!


キア・レイス
教会などの鐘楼や物見櫓など高い位置に、必要ならクライミングも駆使し陣取る。
装備はアサルトライフルと身体装着型カノン砲、肩に取り付けておく。
【スカウトドローン】を召喚、半数を偵察に残り半数を住居の守りに回し、私も聞き耳をたてつつ視力や暗視で見張っておく。

襲来を察知したら猟兵に発見したことを伝え攻撃開始。
ドローンが残っているなら偵察分を足止めに指示変更。
遠距離ならばカノン砲で攻撃、直撃や爆風による範囲攻撃でダメージを与える。
ある程度近づかれ出したら設置した罠が壊れかねないので砲撃は中断、次いで罠張りの時にまいたビーコンの位置に支援射撃を要請。
その後はアサルトライフルでの狙撃で援護射撃に終始する。



●魔獣の襲来
 時は来た。魔獣の軍勢は村へ突撃する。
 畑へ、倉へ、民家へと狙った目的は無くただ目の前にあった獲物目掛けて殺戮と破壊を始める。
 それが本来起こり得る出来事だった…しかし、今はそれは起こりえない。
 物見櫓から見ていたキア・レイス(所有者から逃げだしたお人形・f02604)が送り出したドローンにより魔獣の襲撃をいち早く察知し他の猟兵へと魔獣の襲撃を伝える。
「魔獣たちが来た、村人たちは民家に避難を!私たちは魔獣を迎え撃つ!」
 その言葉と共にキアはすぐさま偵察用のドローンに魔獣を足止めするよう指示を出す。
 ドローンが足止めを行う中、キアもカノン砲を使い魔獣共に爆撃を当てダメージをあたえていくも、数が多く倒すまでは至らずに爆撃を潜り抜けた魔獣が目先の畑へとたどり着く。
「流石に数が多い…けどその先には」
 魔獣共が畑にたどり着いた瞬間、仕掛けられた罠が作動し脚を引っかけ転倒してしまう。
 突然の事に吃驚したような声を上げた魔獣に向けアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)が一斉射撃を放つ。
 転倒した魔獣は真面に回避行動がとれずに直撃し、叫ぶような断末魔と共に動かなくなった。
「よし、まずは一匹目だ!この調子で次も仕留めていくぜ」
 動かなくなった魔獣から照準を逸らし、他の魔獣へと狙いを定める。
 キアも魔獣が村まで大分近づいたのを確認すると武器を砲からアサルトライフルへと切り替え、援護射撃を行っていく。
 魔獣共は倒れていく仲間を気にした様子もなく血塗られた爪で畑を破壊し、血に飢えた叫びを放ちながら民家へと突撃していく。
「っと、そうはさせないぜ!」
 民家へと走っていく魔獣を見つけるとアーサーは己の自慢のバイクであるライドランに乗ると魔獣を引き付けるように大きな音を出しながら魔獣へと近づく。
 その音に気付いた魔獣がアーサーを潰そうとアーサーを追いかけながら爪を振り回す。
「このままひとっ走り付き合ってもらうぜ!」
 魔獣の爪を華麗なバイクテクで交わしながらキアへと目配せし、それに気づいたキアはアサルトライフルである地点に銃弾を放つ。
 アーサーはキアが放った弾の位置に向けバイクを走らせ、魔獣はその後を追っていく。
 その地点につきそうになるとアーサーはバイクのギアを上げ加速させると。
「ひとっ走り付き合ってくれた礼だ。たっぷりと受け取りな!」
 その台詞と共にキアは事前に仕掛けておいたビーコンに支援射撃を要請し、着弾地点に居た魔獣に向け砲撃が発射される。
 直撃した魔獣は一溜まりも無かったのかそのまま倒れ動かなくなった。
「よっしゃ!良い攻撃だったぜ!」
「其方も良く引き連れてくれた、だがまだ魔獣は残ってる。油断するなよ」
 バイクに乗りながら片腕を上げサムズアップするアーサーにキアは返事を返すと残りの魔獣を倒すため各々武器を構えるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

尾守・夜野
真の姿:大量の黒剣が体中から突き出た姿に変わるぜ

村に影響が少なく、罠が多い所で【誘惑】…ブラッドガイストを使うことで流血をする
血臭には反応してたから
囮にぐらいはなるだろう

そして【恐怖を与える】ことで相手の動きを止め倒していく

村人がいたら【庇う】ぜ

俺の体力気力?
んなものは【生命力吸収】【吸血】で無理やり持たせる

動きは止めねぇ
他の奴との共闘は歓迎するぜ
というか、集めるときはそこも考えて集めるぞ


シオン・ユークリッド
「お気に入りのスカート、穿いてきちゃったんだよね」

魔獣の数を減らし、ゼロにする
ゆくゆくはゼロにする為、目視してリーダー役や負傷の大きな個体を攻撃
あとは連携や個体の動き方の癖も、視認しておく
魔獣の把握は視界だけでなく、音や雰囲気にも気を付ける……勿論、自分に傷がつかない為
勿論、可能であれば逃げようとした個体も殲滅する

他者と共闘OK
その場合、負傷の大きな個体の情報を共有
理由はゼロにする為



●ただ無差別に
「此処なら、余りモノも壊さず戦えそうだな…よし」
 尾守・夜野(群れる死鬼・f05352)は罠が大量に設置してある畑に陣取っていた。
 此処で魔獣共をおびき寄せるべくブラッドガイストで自身の身体に傷をつけ流血させることで血の匂いを漂わせる。
 その匂いを嗅ぎ取った魔獣共は動きを止めると誘われるように夜野の方へと標的を変え襲い掛かっていった。
「来たな……最初から全力で行かせてもらうぜ!」

 此方へと襲い掛かる魔獣共を目にニヤリと笑うと己の真の姿を解放させ、大量の黒剣が体から突き出しそれを覆うように漆黒の旋風が彼の身に纏わりつく。
 魔獣共は誘われた事にも気づかず目の前の獲物を狩ろうと血塗られた爪を振りかぶろうとするも、夜野から発せられる威圧感に臆し身を強張らせてしまう。
 魔獣が動きを止めた瞬間夜野は己の身体の黒剣で叩き潰すように魔獣を切り伏せる。
 その重すぎる一撃に魔獣は一溜まりもなく撃沈してしまうが、一匹二匹と威圧を押しのけ動き始めた魔獣共が夜野へと襲い掛かる。

「次から次へと…良いぜ、全員残らず叩き潰してやるよ!!」
 魔獣による血塗られた一撃を身に受けながらも黒剣を振り回し魔獣共に対しダメージを与えていく、己の体力がどれだけ削れようが関係ない。
 目の前にいる魔獣の生命力、血を喰らいながら夜野は魔獣を斬りつけていく。
 狂戦士の如く敵を切り伏せ続ける夜野に魔獣共の何匹かは逃げようと撤退を始めていた。

「ちっ…逃がすかよ!」
 此処で逃がしてはまた他の場所を襲いかねないと、何とか逃げた魔獣を追おうとするも残った魔獣共がそれを阻むように夜野に襲い掛かる。
 その処理に追われ動けずにいると、逃げ出した魔獣に向け無数の火の矢が飛んでいくと、その背に突き刺さり魔獣はそのまま倒れ動かなくなった。

「逃げた魔獣は仕留めておいたよ。だから目の前の敵に集中して大丈夫だよ」
「おう、助かった!」
 シオン・ユークリッド(審美的志向・f07977)は離れた所で杖を構えながら夜野にそう告げ、周囲を見渡しながら魔獣の位置を把握する。
 血の匂いに誘われ殆どの魔獣が夜野に向け襲い掛かっており、離れた位置に居るシオンに向け襲い掛かってくる魔獣は居なかったため、安心して魔獣の観察を行うことが出来た。

「お気に入りのスカート穿いてきちゃったんだけど…これなら汚さずに済みそうかな?」
 魔獣の観察を続けていると魔獣の中で連携を行ってる様子もリーダー役のような個体は見られず、目の前に見つけた獲物を襲い掛かっているように見えた。
 設置された罠に全て引っかかっている様子も見るに知恵があるわけでも無く本当に破壊させるためだけの存在なのだと認識出来た。

 その後も逃げ出そうとした魔獣に魔法の矢を放ち仕留めていき、魔獣を観察していると村の入り口に一人。
 魔獣の背に乗った少女がケラケラと嗤いながら魔獣に突撃の命令を出しているのが確認出来た。

「アレがリーダーかな…?ならアレを倒さなくちゃいけないけど…」
 しかし今の魔獣を置いて少女を狙えば仕留め損ねた魔獣による被害が出るだろう。
 そう考えたシオンはこの少女の事を仲間に報告するだけに留め、引き続き魔獣の数を減らすべく攻撃を続けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アリア・ヴェルフォード
「初陣は格好良く決めたいものですね!」

魔獣を聖剣による光【属性攻撃】で殲滅していき、相手の攻撃は【残像】で回避かつ攻撃場所を誘導する戦い方
戦っている最中はとにかく口数が多い(アドリブ歓迎)
夜の戦闘だと光る武器のせいで余計に魔獣が寄ってくるかも?

「って敵多すぎませんか!?私の得意分野は対単体なんですが!」
「いや、ものは考えようです!乱戦も全部単体戦の積み重ね…って今これと戦ってるのに普通に後ろから狙ってくるのはやめてくれませんか!?」
「あと私の周りに集まり過ぎでは!?もしかして弱いと思われている!?」
「あーお腹すいた!…この獣達って焼いたら食べれたりとか…終わったらやってみましょう!」



●初陣ではない
「初陣は格好良く決めたいものですね!」
 両手に光り輝く剣を持ち構えながらアリア・ヴェルフォード(謎の剣士X・f10811)は魔獣共を見据える。
 彼女の中では襲いかかってくる魔獣を一匹一匹切り伏せ倒す姿が思い浮かべられていた事だろう。

「さぁ、かかって来なさ…え、ちょ、一気に数来すぎじゃないですか!?」
 この薄暗い村で光り輝く剣は格好の標的となってしまったのだろう、魔獣共は揃って光の方へと向かい襲い掛かって来た。
 一匹の魔獣が血塗られた爪を振り下ろすもアリアは片方の剣で何とか受け、弾くともう片方の剣で魔獣を斬りつけ一息つく。
「いや、ものは考えようです!乱戦も全部単体戦の積み重ね…って今コレと戦ってるのに普通に後ろから狙ってくるのはやめてくれませんか!?」
 そう考えたアリアだったがそんな事魔獣共には関係ない。奴らは目の前にある獲物を仕留めようと襲い掛かってくるのだ。
 何体も襲い掛かってくる中何とか一匹切り伏せるも次から次へと魔獣共は襲い掛かってくる。

「よ、よしやっと一匹…って私の周りに集まりすぎでは!?もしかして弱いと思われてる!?」
 光り輝く剣が目立ち魔獣が集まっているのだがそれに気づく様子もなくアリアは懸命に剣を振るい魔獣を斬りつけていく。
 残像で幾つも攻撃を避けて良くも、やはり数が多く何度か魔獣の爪をその身に受けてしまう。
 しかしそれでも何体か倒し、負傷し逃げ出した魔獣を横目に一息つくとふと何か思いついたように。

「ふー、やっと片付いた…あーお腹空いた!帰ったらご飯でも……いえ。この獣たちって焼いたら食べれたりとか…終わったらやってみましょう!」
 そう言って見つめる魔獣の死体は何処か調理するために捌かれた風に斬られておりその準備がされているように見えていた。
 戦闘後の食事に胸を躍らせながら剣を握ると逃げた魔獣を仕留めるべく、追撃を仕掛けるのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

雛河・燐
あっはっは捕まえてみなー。
罠地帯で【逃げ足】を使って囮になりながら逃げ回ろうか。
ウィザードミサイルは近づかれすぎないようにと自分から敵が逸れそうになった時に数発ずつ打ち込んでいく。

問題は見えなくなってるやつだけれど…物音は忍び足で来られたらやばいけれど足跡は見える。態々簡易砦のために土を動かしてくれた人がいるから土も固くないだろうしね。



●後もう少し
「あははは。捕まえてみなー!」
 罠が大量に設置された村で雛河・燐(笑って嗤って・f05039)は自身を狙って追いかけてくる魔獣を煽りながら逃げ回る。
 目の前にある獲物を狩ろうと魔獣共は追いかけるも、仕掛けられている罠に引っ掛かり、獲物に近づくとウィザードミサイルで攻撃され思うように動けずにいた。

「ほらほら、こんな狙いやすい場所に居るんだから当ててみろよ」
 時間をかけながらも着実に罠とウィザードミサイルでダメージを稼いでいき、次第に動きが鈍り始める魔獣や別の獲物を狙おうと離脱を図る魔獣も現れ始めた。
「おっと、逃がさないよ…ちゃんと目の前に居る餌を処理していかないとだめだよ?」
 離脱を図る魔獣に向け、マジックミサイルを放つ。逃亡を図るために無防備となった背中に全ての矢が命中し魔獣は倒れ動かなくなった。
 残った魔獣共が燐を追いかける中、ふと追いかけて来ている魔獣の数が減っていることに気づく。

「逃げられた…?いや、逃げた所は見ていない……」
 仕留めた感覚もなく、逃げる所も見ていない…もしやと足元を確認すると、土が柔らかくなっていた部分に魔獣共が暴れまわった痕跡や足跡が無数に残って居るのがはっきりと確認できる。
「透明化しているなら不自然な足跡があるはず…」
 その中で不自然に足跡がついたり消えたりしている物がないかと、偶に足跡に目をやりながら逃げ回っていると突然、横から斬るような感覚で殴られ飛ばされる。
 すぐさま受け身を取りその方向を確認すると透明化していた魔獣がゆっくりと透明化を解きながら燐の方へと向かっているのが確認出来た。

「ぐっ、透明化…気を付けてはいたんだがな」
 魔獣が暴れ幾つも跡が残っていたせいで即座に把握できなかったのだろう。
 そう思い杖を持つと魔獣に向けマジックミサイルを放った。
「けど、場所が悪かったな。此処は大量に罠が仕掛けられてるんだぜ?」
 燐が放ったマジックミサイルは魔獣共目掛けて飛んでいき、動きの鈍っていた魔獣は矢が命中し倒れそれを避けた魔獣は仕掛けられていた罠にかかり動かなくなった所に新たな矢が飛んできま獣どもを射抜き仕留めるのだった。
 ダメージを負いながらも魔獣共を仕留めきり一息つく。
 残っている魔獣も後もう少し、その全てを仕留めきれば残りは黒幕だけだ。
 そう思いながら一旦体を休めるのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ファラン・ウルフブラッド
ふむ、魔獣を裏で操っている少女か。確かにその存在は気にはなるが、時間が足りねぇし、まずは目の前の脅威だな。

【行動:POW】
攻撃時は『技能:鎧無視攻撃・鎧砕き・二回攻撃・衝撃波』を乗せた王剣解放で真っ向勝負を挑みます。
防御時は『技能:見切り・第六感・残像』で受け流します。

常に視野を広く取り、戦場の動きを良く見ます。防衛柵を超えようとするヤツは最優先で叩っ斬ります。
「おいおい、目の前の飯を放って置いて何処行こうってんだ? 躾のなっとらん獣は殺処分行きだ!」

敵の攻撃に対して
POW:被害が最小限になるよう畑や建物の無い方向に攻撃を誘導。
SPD/WIZ:第六感で察知出来る場合は声を出して警戒を促す。


ロベリア・エカルラート
やれやれ、こうなれば倒せるだけ倒すしかないか。
とは言え1人で突っ込んでどうにかなる状況じゃなくなってるし、私は回復担当ってことで

【シンフォニック・キュア】で村に居る味方を回復するよ
シンフォニックデバイスを使って可能な限りの範囲に歌声を届かせる
猟兵の味方だけじゃなく、村人も多少は回復できるかも知れないしね

近づいてきた敵は愛用の黒剣で迎撃する
【歌唱】技能もあるし、可能な限り戦いながらでも歌を途切れさせないつもり

「さて、少しばかりお耳を拝借、ってね」
「息、きついなぁ……。もうちょっとトレーニングしとくべきだったかも……」

「はいはい、邪魔しない。ま、近づいてきたやつから斬るんだけどさ」



●回復、治癒
「さて、少しばかりお耳を拝借…ってね」
 ロベリア・エカルラート(花言葉は悪意・f00692)は自身の立ち位置を確認すると声量を調整し歌を歌い始める。
 シンフォニックデバイスにより拡散されていく綺麗な歌声はこの戦いに参加した猟兵達、この村に居る村人たちの心と体を癒していく。

 しかし味方を治療し続けるロベリアを無視するほど魔獣共も能が無い訳ではない。
 歌を歌っているという事は彼女の付近では彼女の声が響き、魔獣共の小さな足音は歌声でかき消されてしまう。
 その隙をついた魔獣はロベリアに向け死角から爪による一撃を与える。
「いっ…た…!」

 突然体に走る痛みに一瞬歌が途切れてしまうも攻撃された方向を認識し、其方に向き直り剣を構えると再び歌い始める。
 自分一人では突っ込んでどうにかできる状況と言うわけではない、ならば自身は味方の回復に務めた方が良いだろうという判断からだ。
 だからと言って此方を攻撃する魔獣は無視できない。攻撃時に透明化を解除し現れた魔獣に向け剣を振り下ろし斬りつけ魔獣を怯ませる。

「息、きついなぁ……。もうちょっとトレーニングしとくべきだったかも……」
 歌を歌いながらの戦闘は彼女の体力を多く削っていったのだろう、魔獣を何度か斬りつけダメージを負わせていくも仕留めきるには至らず。
 先に不利だと認識した魔獣が踵を返し別の場所を襲うべく其方に向け走って行った。

「逃げられ…いやアッチの方角なら…」
 体力の都合上味方の回復のため、下手にこの場から動けずにいたロベリアは逃げていく魔獣を見つめ、彼方の方角にはほかの猟兵が居た事を認識する。
 今追いかけて回復を途切れさせた方が不味いだろうと思ったロベリアは逃げた魔獣を味方の猟兵に任せ、自身は味方の回復のため歌を歌い続けるのだった。


●狩り尽くし
 どういう事だ。獲物は抵抗すら出来ない餌では無いのか。
 先の戦闘から逃げ別の場所を襲いに来た魔獣は倒されていった仲間を見てその動きを止める。
 主から下された単純な破壊活動、彼らにとって滅びかけの村を潰す事等容易いはずだったと言うのに、今は村人の一人すら殺せないでいる。

「どうした?格好の獲物が此処に立ってるんだ、狙わない手は無いぞ?」
 民家を守るように立ち塞がるファラン・ウルフブラッド(深淵を歩く剣王・f03735)に残っていた他の魔獣が襲い掛かる。
 爪による連撃を残像を使いながら避けていくも幾つか傷をつけられてしまう。
 負傷していくファランに魔獣は好機と思ったのか血塗られた爪による一撃を叩き込もうとする。

 しかし、魔獣の攻撃と言うのは力任せに振り下ろすものが多い。つまりは軌道が読みやすく避けやすい部類に入るのだ。
「威力はでかいが…動きが単調だな?」
 ニヤリと笑みを浮かべると爪が振り下ろされるそのギリギリに合わせ軽く身を捻らせ爪を回避する。
 魔獣にとってこの攻撃が回避された事が致命的だった。腕が完全に振り下ろされた事でそのまま回避行動に移る事も出来ず、もう片方の爪で攻撃を防ぐ事も難しい。
 ファランは自身が持つ最高の剣である王剣カラドボルグを両手で握りしめると無防備となった魔獣の身体に渾身の一撃を喰らわせる。

「これが我が剣、我が力!!その身に受けろ!王剣カラドボルグ!!」
 その強力な一撃を受けた魔獣は一溜まりもなく真っ二つに切り裂かれ動かなくなる。
 それを見た手負いの魔獣は敵わないと獣の本能で悟ったのか、ファランを無視しその奥にある民家を狙おうと柵を乗り越えようとする。
 だがそれを見逃す程彼は甘くなく、優しくもない。

「おいおい、目の前の飯を放って置いて何処行こうってんだ? 躾のなっとらん獣は殺処分行きだ!」
 防護柵を乗り越えようとした獣に向け剣を振り下ろし叩き斬り、魔獣を民家の傍から引き剥がす。
 叫び声をあげながら倒れる魔獣にトドメを刺すと辺りを見渡し全ての魔獣を狩りつくした事を確認する。

「これで終いだ。後は…敵大将ただ一人だけだな」
 見つめる先に居るのは一人の少女。
 彼女はただ不敵に不気味にケラケラと嗤い続けているのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『ゼラの死髪黒衣』

POW   :    囚われの慟哭
【憑依された少女の悲痛な慟哭】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    小さな十字架(ベル・クロス)
【呪われた大鎌】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    眷族召喚
レベル×5体の、小型の戦闘用【眷族】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は吾唐木・貫二です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●楽しくて、可笑しくて
 笑う、嗤う。
 少女は倒された魔獣を見て、それを倒した猟兵を見て、ケラケラと嗤っていた。

『あぁ、面白い。皆壊れちゃった、皆死んじゃった。本当はそっちが壊れちゃうはずだったのにね?』
 目に涙を浮かべなら嗤い続ける少女は猟兵達に不気味な笑みを向けると。

『ねぇ、貴方達私の僕にならない?強いし面白いし、興味が湧いてきちゃった』
『本当よ?悪いようにはしないわ。どうかしら?』
 その瞳に生は感じられない、その笑みに良い感情は得られない。その提案は何処か不気味に感じる。
 迷う理由などないだろう、武器を持ち少女を倒せばこの事件も解決する。
 ただ、それだけの話だ。
アリア・ヴェルフォード
何か色々思うことはありますが…ひとまずこの戦いを終わらせないといけませんね!

【WIZ】
やはり眷族が邪魔なので混沌閃光による光属性の魔法の槍を2回攻撃で撃ち落として行きましょう
相手の生成数の2倍の射撃数です多少の余裕もあるはず…
その余裕分は少女に対して放てば皆さんの援護にもなりますしね!
近づかれてしまったら聖剣による属性攻撃で切り捨てましょう!
回避手段は残像による誘導回避、回避できなさそうならオーラ防御で少しでも軽減しつつカウンターを狙うようにしましょう

私には貴女が何を抱えているかは知りませんが、考えるのは終わった後!
そして、少なくともここで終わるのは貴女です!




『どうする?どうするの?』
 少女は嗤う。今から起きる事が何でもないかのように、戦況は決して有利ではなくむしろ不利かもしれない。
 だというのに少女は唯々嗤い猟兵達を値踏みするように見ている。

「私には貴女の抱えている事は分かりません…ですが、私にも分かる事はあります。それは貴女を此処で倒さなければいけない事です!さぁ、覚悟してください!」
 彼女が選んだのは脅威の排除。少女が何を思い、何を抱え行動しているのか気にはなるが少女を倒さない事にはこの村を守ることは出来ない。
 考えることは後でも出来る。次善を用事できずして最善の結果を残せるはずがないと、アリアは武器を構え少女を見据える。

『残念。貴女はいい僕になると思ったのに』
「何が僕ですか、猟兵である私たちが敵である貴女の提案を受け入れるわけが無いじゃないですか!」

 アリアの言葉に少女はケラケラと嗤い、小さな眷属を呼び寄せ召喚する。
 眷属たちが召喚され襲い掛かる瞬間、光と闇が備わり最強に見える魔法の槍が突き刺さり眷属たちはそのまま消滅する。

「無駄です。貴女が召喚する眷属の数以上私は貴女に攻撃できます」
 少女はそれでも表情を変えず嗤い続け眷属を召喚し、アリアは同じように魔法の槍を眷属に向け放ち消滅させる。
 一撃で消滅する眷属に対し呼び出される眷属の倍以上の攻撃手を持ち有利を築くアリアは眷属を倒し、その余力で残った槍を少女に向け放ち確実にダメージを与えたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

尾守・夜野
女が本体ならいいんだがよ
予知の内容が引っ掛かるんだ
憑依された少女…なぁ

下手したらある程度ダメージ与えたら、別の村人に行くとか…ねぇよな?

だからこそ本体を探すところから始めるぞ

他の奴の攻撃を受ける時に注意を払ってる所が泣き所だろ?
ま、じゃなくても弱点は知れるな

UC使って物陰に移動し、そこから観察するぞ
使いすぎたら疲れるからな。
移動時だけだぜ?
あ、臭いは消せねぇから風下な

俺よりこういったのは、抜けているように見せてる【僕】のご得意だからそっちに変わるぜ

マントにくるまって暗がりに可能な限り溶け込もうとするぜ

何かわかったら大声で通達
暫く見てわからなければ、諦めて奇襲をかける
【騙し討ち】は大得意ってな!




「さて、戦況はどうかな…」
 予知の内容、憑依された少女。本当にこのまま攻撃しても大丈夫なのか?そう気になった彼は、消失事象を使い物陰に移動しそこから少女が他の猟兵達と戦う姿をじっと見つめていた。
 臭いの届かない風下、視界の悪い暗がりに居る事で少女は全く気付いた様子もなく他の猟兵と戦闘を続けている。

「彼奴の絡繰りを…そうでなくても弱点ぐらいは把握しておきたいけど…」
 少女を見続けるも不審な所は見受けられない、ただ嗤い、子供が玩具で遊んでいるようだった。
 懸念していた、ダメージを与える事で他の村人に被害が行くことも無いだろう。本当の黒幕が裏で手引きしている、そんな事も無いだろう。

「…考えていた最悪の事態は無さそうだね」
 でも、と彼は一つ違和感を覚える。彼は少女に対し幼い子供にある無邪気な邪悪さを感じた。
 他人が作った積み木の建物を壊すような、母の口紅でお絵かきをするような、そんな印象を抱いた少女が態々村の働き手を誘拐し食料さえも奪う、そんな真似をするだろうか。
 しかし性格の悪いオブリビオンたちだ、そう思わせておいてそう言った手口を何度も繰り返してきたのかもしれない。

 ただそれでも少女について分かる事があった。
 呼び出された眷属が他の猟兵と戦っている時、少女はそれを眺め面白そうにしているだけで特に何かしているわけではない。
 正面から近づいてきた猟兵に対しては鎌を振り、叫び声をあげる事もあるが基本的に眺めているだけなのだ。
 なら、隙をついて攻撃すれば直撃するのではないか?そう思い夜野はこっそり、ゆっくりと少女の背後へと近づく。

 気づく様子はない。振り向く様子もない、今だと夜野は黒剣を全力で振り被り少女へと大ダメージを負わせる。
「その隙、貰ったよ!!」
『ぎっ!?あ、はははは!!痛い、痛いわ!』
「気味が悪いね…でもコレでかなり傷を負わせることが出来たはず」

 直撃した黒剣のダメージに少女は吃驚したように、でも嗤う事は止めずただ悲痛そうに叫ぶ。
 其処に感情は感じられない、本当に痛いのかすら分からない。でも分かっているのは確実に致命傷へとつながる一撃を与えた事だった。

『許さない?許せない?あははは!』
「来るなら来なよ、ボクが相手してあげるからさ!」
 少女は夜野を見据え眷属を呼び出しけしかける、襲い掛かってくる眷属を斬り伏せながら少女を見てまた気づく。
 背後がまた、隙だらけだと。しかしこれを叫べば流石に少女も対策を練ってくるだろう。
 そう思い夜野はアイコンタクトでどうにか少女の隙を伝えようとしながら襲い掛かってくる眷属を倒していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

雛河・燐
あっはっは。残念ながら俺はもう別のの僕だからねー。
猟兵になった時から後悔の僕さぁ。

眷属はまぁ露払いに任せなさいな。端役の相手は端役が勤めるさ。




 少女が眷属を呼び出し燐へと襲い掛からせる、燐はそれを打ち落とすように魔法の矢を放ち眷属を消滅させる。
 この行為が繰り返され倒された眷属の数は既に二桁に突入してきた。

「流石にこう同じ事が繰り返されると手を変えてくると思ったんだけど…」
 ポツリとそう呟く燐にまた眷属が襲い掛かってくるが、既に何度も繰り返される同じ行為に耐性がついてきたのか魔法の矢を的確に撃ち眷属に命中させた。
 先ほどから少女の手が変わらず同じことを繰り返す状況に流石に違和感を覚え始めるが燐としてそこまで気にすることでは無かった。
 確かに行動が分からないでいるが燐はもとより少女本体を狙うのではなく、眷属を殲滅させることで他の猟兵達が少女を倒しやすくするためのサポートを行うつもりだったために少女の手が読めずともあまり関係ないと判断したのだった。

「ま、流石に同じことの繰り返しじゃ飽き飽きしてくるけどね」
 端役の相手をする時はこんなものか。と少女の動向に注意しながらも攻撃の手を緩めることなく矢で眷属を消滅させていく。
 相手の眷属を殆ど倒した頃だろうか、何を思ったのか少女がニコリと微笑み。

『変わった?変えた?』
 そう燐に向け問うて来たのだった。この言葉に燐はニヤッと嗤うと。
「あっはっは。確かに今の僕は俺じゃなくなってるからねー。猟兵になった時から後悔している時の僕さぁ」
『あははは。嫌なの?嫌いなの?それじゃあ…さっきの提案どう?楽しくなれるわ、きっと変われるわ』
 嗤いながら話す燐に、少女もまた嗤うように燐へと提案する。
 少女の真意は分からない、本気か。罠か。でも迷う必要はありはしない。

「残念…確かに僕は後悔したけど、だからってソッチに行くほど落ちぶれちゃ居ないし、何より生きづらそうじゃない?」
『あははは。残念、寂しいわ。さみしいわ、皆そうやって手を振り払っていくのね』
 笑ってそう返す燐に少女は不気味な笑みを浮かべ、楽しそうにそう話す。その言葉は悲しそうにも、寂しそうにも見えない。
 少女に気を取られていると背後から眷属が飛び出し、燐に向け襲い掛かろうとする。

「っ…これが狙いか!」
 ギリギリ眷属の接近に気づくことが出来、直撃は回避することが出来たものの軽くダメージを負ってしまう。
 改めて少女を見るとまた楽しそうに、嘲笑うようにケラケラと嗤っていた。

『あははは。面白いわ、楽しいわ!避けるのね、当たらないのね!』
「性格悪いな…君」
 燐は改めてこの少女は倒さなくてはならない、だが自分の役目はあくまで少女を倒すための場作りだと、そう思いながら矢を放ち眷属を殲滅させていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロベリア・エカルラート
「へぇ……わざわざ出てきたんだ。確かにコイツ、私達が見た黒幕だね」

けど、ちょっと違和感あるかな?面白半分で魔獣を村にけしかけるような性悪が、こんなにノコノコと出てくるなんて。

というか、こういう敵知ってる気がするんだよねぇ……

「正直ヴァンパイア関係の連中は見つけ次第叩き潰すつもりなんだよね、私」

「ただまあ、一応聞いておいてあげる。お前、この村で何がしたかったワケ?」
「正直、馬鹿みたいに攻撃仕掛けてもいい結果になりそうも無いし……。ちょっとアンタの正体、暴かせてもらうよ」

攻撃は咎力封じを使って、敵の自由を奪うよ
出来るなら武器や防具を敵から引き剥がしたいね


ファラン・ウルフブラッド
ダンスのパートナーを所望なら喜んで受けるんだけどな。生憎と俺に飼われたい願望はないんだよ、悪いな。 だがまぁ、せっかくの誘ってくれたんだ。一曲、お相手願ってもよろしいかな?マドモアゼル。(剣の切っ先を少女に向けて不敵に笑いながら)

【行動:POW】
攻撃技能は『鎧無視攻撃・鎧砕き・二回攻撃・衝撃波・マヒ攻撃・フェイント』

相手のPOW攻撃には『怪力・見切り・第六感・衝撃波』を使用。
『怪力』で剣を力任せに振り抜いて『衝撃波』を発生させ、慟哭の音にぶつけてみます。

依頼メンバーと共闘出来るなら極力合わせていきます。

「ダンスもそろそろ終わりだ。お前には12時の鐘の音もガラスの靴も必要ない。雷音と共に散れ!」




『どうかしら?どうするの?早く決めて?』
「生憎と俺に飼われたい願望は無いんだよ、悪いな」
『残念、残念ね?』
「だがダンスのパートナーを所望なら受けてやるぜ?」
『本当?本当!あははっは。それじゃあ踊りましょう?』
「早速の誘いだ、一曲お相手願ってもらうぜ?マドモアゼル」
 そう言いファランは剣の切っ先を少女に向け、少女も鎌を振りかざし対面する。
 射程だけで言えば身長の高いファランの方が有利を築いているだろう、だが何も武器だけで戦うのが戦闘ではない。
 少女はすぅと息を吸い込むとニヤッと嗤い。
『あああああああああああ!!』
 悲痛にも聞こえる大きな少女の慟哭は周囲に音波による衝撃波として散っていく。
 だがその攻撃が分かっているのなら対策が出来ないわけではない、少女が嗤った瞬間ファランは自らの大剣を思いっきり振りかぶり発生した衝撃波を少女の叫びにぶつけていく。
 衝撃波はぶつかり合いそして互いに相殺され消えていく。
『あははは。凄い凄いわ!もっと楽しめそうね!』
「そうだろ?ダンスはまだ始まったばかりなんだ、さぁ此処から盛り上げていこうぜ!」
 そう言って互いに踊るように、武器を振り回しぶつけあっていくのだった。

 その様子を見つめる者が一人。
「……わざわざ出てきたんだ。確かにコイツ、私達が見た黒幕だね」
 ロベリアはケラケラと嗤う少女を目に一つ違和感を覚えながら戦闘の様子を眺めていた。
 彼女が戦闘に参加していないでいるのは理由がある。
 こんな面白半分に魔獣をけしかけるような奴が態々この場にノコノコと出てくるだろうか?
 この少女自体が罠で、本体は別に…そうでなくても別の何かがあるのではないだろうか?
 そんな考えから少女の正体を暴くべくジッと見定めているのだった。

「正直ヴァンパイア関係の連中は見つけ次第叩き潰す予定なんだよね、私」
 だから此奴を倒す事は確定している。でも少女を攻撃してそれをトリガーに何かもっと酷い事が起きたら。
 無いとは言い切れないだからこそ貴女はタイミングを窺っている。
 けどこのまま見ていたところで何かわかる様子もない、ならばとロベリアは少女に言葉を投げかける

「聞いておきたいんだけどさ…お前、この村で何がしたかったワケ?」
 普通ならこの問いに答える奴は居ないだろう、だが此奴は普通じゃない。
 その言葉を聞き少女はファランから距離を取った後キョトンと不思議そうな表情を見せ、再び嗤い始める。

『あははは。そんなの知らないわ。ただ其処にいい玩具があっただけだもの』
「じゃあ、お前は偶々この村を見つけたから襲ったと…そう言うわけ?」
『そうよ?そうよ?当り前じゃない。貴方達は靴を履くのにどちらの方から履いた方が良いとか考えるの?』
「お前…!」
 理由は無い、ただ其処にあったから。
 その言葉はどんなに理不尽な事だろう、どんなに勝手な事だろう。
「本当に性格悪いね…!反吐が出るよ」
 吐き捨てられた台詞にイラつきながらも、少女がこの村に来たのは偶々である事を知った。
 それはつまり、この少女はこの村に対し何の仕掛けも施していないという事であり、この少女に攻撃を加える事で村の人に被害が行くことは無い事を意味していた。
「けど…馬鹿正直教えてくれてありがとうね。お陰で何の心配もなくアンタをぶっ倒せるわ!」
 そう言い放ちロベリアは猿轡、手枷、拘束ロープを少女に向け放つ。
 不意打ちではない、隙をついたわけではない。
 ならばこんな攻撃当たるはずがない、少女はそう嗤いながらその攻撃を避けようとする。
 だが横から迫りくる巨大な大剣に気づき動きを止め、結果としてロベリアの拘束具により少女は縛られてしまう。
「おいおい、今のダンスの相手は俺だぜ?他の奴に浮気だなんて悲しい事してくれるなよ」
『あは。あはははは!』
 命中した拘束具は手枷とロープ、口を塞ぐことは出来なかったがそれでも少女の戦力を削るには十分すぎる結果だろう。
 嗤う少女に何処か焦りが見える、その真意は分からないだが分かる必要もない。

「ダンスもそろそろ終わりだ。お前には12時の鐘の音もガラスの靴も必要ない。雷音と共に散れ!」
 満足に動けずにいる少女に向け彼は思いっきり王剣カラドボルグを振り下ろし叩きつけるように斬りつける。
 少女にとって身の丈以上の大剣、そこに追撃の雷撃が少女に命中した事で少女は先ほどとは違う悲鳴に似た叫びをあげる。
 明らかに弱ってきている少女を見、後もう少しで倒れる。
 そう確信した猟兵達は確実に止めをさすために油断することなく武器を構えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アーサー・ツヴァイク
憑依された少女を救う手立てがあればいいが…そんな甘っちょろい話がそうそうあるわけでもないか…
だが、足掻けるうちは足掻いてみよう。仲間のおかげで相手の腕は封じたようだしな

ウェポン・アーカイブでピストルを召喚、とりあえず大鎌狙いで命中率重視の攻撃をしてみよう
こいつの「本体」であることに賭けてみたいが…

当てが外れた時は、少女を撃つ。
どうにもならないなら、オブリビオンを倒すことに注力するぜ


アレクシア・アークライト
 黒衣を纏い、大鎌を携えている少女のことは聞いたことがあるわ。
 あの黒衣こそがオブリビオンで、少女はそれに操られているだけだって。
 他の皆はそのことに気付いていないように見えるわね。
 なら、あいつも私がそのことを知っていることに気付いていない筈。

・空中から接近する。(空中戦)
・身体を攻撃するように見せかけ、大鎌を叩き落す。(2回攻撃、グラップル)
・服を剥ぎ取る。(念動力、捨て身の一撃、サイコキネシス、全力の一撃)

 幾つの身体を乗り換えてきたのか知らないけど、それも今日で終わりよ。
 さようなら、過去の亡霊。また出てきたら、また殺してあげるわ。

 ……って、この子の傷、早く治してあげなくちゃ!



●少女は何者だったのか。
 憑依された少女の悲痛な慟哭。その攻撃を見て、受けて猟兵達は少女にトドメをさすのを躊躇っていた。
 それは何故かと問うまでもなく、彼らはこの少女を助ける手段が存在するのではないか?そう思っていたからだった。
 故に彼らが少女を助けるための方法を模索するのは必然に近かったのだろう。

(「救えるかもしれない命を見捨てる事はしたくねぇ…だがそんな甘っちょろい話がそうそうあるのか…?」)
 助けられるなら助けたい、だが方法が分からない。
 そもそもとしてそんな方法が無い可能性だってある。
(「だからって何もしないわけにはいかねぇよな」)
 でも今なら、動きを封じる事の出来ている今なら何かをする時間も余裕もあるだろう。
 そう考えたアーサーは少女の持つ大鎌が本体である事に賭け、ピストルを召喚し狙いを定めたのだった。

 一方、空中に陣取ったアレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)には考えがあった。
 彼女は過去同タイプのオブリビオンと接敵した事があり、それに似た状況に遭遇したことがあったのだ。
(「アレは黒衣が本体で少女はソレに操られているだけ…なら黒衣さえ取れればあの少女を助けることが出来るわ」)
 そしてその事に気づいているのは私だけ…彼奴も私がその事の気づいてるって知らないはずだ。
 そう考えたアレクシアは互いの行動の邪魔にならないようアーサーに合図を送りタイミングを見るのだった。

『あは。はは…あはは…どうしたのかしら?何をそんなに見ているの?』
 途絶え途絶えになりながらも少女は嗤い、猟兵達を見つめ返す。
「さてね、少なくともお前にとっちゃ良い事じゃないな」
『ふーん……そう。鐘の音もガラスの靴も本当に無いのね…じゃあ終わらせちゃおっか?』
 アーサーの言葉に少女はつまらなさそうにそう言うと、鎌を握り大きく振りかぶろうと持ち上げた瞬間。
 今だとアーサーは即座にピストルで少女の大鎌を狙い撃つ。
 放たれた弾丸は見事鎌に命中し、少女は急な衝撃に耐え切れず手を放してしまい鎌を地面に落とす事に成功する。

『あははは。あはははははは!!』 
「ちっ…アレは『本体』じゃなかったか!」
 自身の目論見は外れた。だが仕掛けたのは彼だけではない。
 空中で様子を見ていたアレクシアはアーサーが大鎌を落としたのを確認すると背後から一気に近づき少女の黒衣へと手をかける。
「捕まえた!幾つ身体を乗り換えてきたのか知らないけど、それも今日で終わりよ」
『あは。ははははは!!』
 嗤う、笑う。追い詰められたからなのか、それとも何かあるのか。
 だがこれで終わりと言うようにアレクシアは少女の身に纏う黒衣を引き裂くように剥ぎ取る。
 ロープで身体に縛られたのもあり完全ではないが殆どの黒衣をはぎ取り、少女は沈黙する。

「…助けられたのか?」
「そのはずよ。アレが本体のはずだから…」
 その後も動く様子の無い少女を確認した後、周囲を見渡し少女が呼び出した眷属も、魔獣たちも一匹も残っていない事を確認する。
 もう他には何もいない、これで全部終わったのだとそう思い傷だらけとなったとなった少女を手当てしようと身体に触れようとした瞬間。

 ぐるんっ!と頭がアレクシアの方を向き、そしてさっきと何ら変わらない。
 あの少女がやったものと全く同じ狂気に満ちた笑顔で。
『あは。』
 救ったはずの少女がそう嗤った。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​


「え…?」
 そう反応したのは誰だったか。
 救えたのでは無いのか、彼女は解放されたのでは無いのか。

 突然の出来事に動けずにいる猟兵を狙うように少女はゆっくりと手を伸ばし猟兵の首を掴もうとする。
 既に大きな傷を負い、拘束されている彼女の動きはとても遅く避けるのは容易い事だっただろう。
 それでも動けずにいたのは、完全に想定外だったからだろうか。

 狂気の笑みを浮かべた少女は何かを伝えるように口を動かし。
 次の瞬間乾いた音が数発、村の中に響いた。
キア・レイス
物見櫓から目立たず潜んでいた甲斐があった、オブリビオンはこちらに気がついていないはず。
呼吸を安定させ、アサルトライフルのスコープを覗き込む。
頭でも胸でも急所に撃ち込む準備はできている。

何人かの猟兵が攻撃を躊躇ったのを確認している、元は平凡な人間で乗っ取られた可能性を考えてだろう。
それらを見て、それでも撃つ。

彼女がオブリビオンの呪縛を解いて正気を取り戻しても、彼女が生きていれば村を壊され殺されかけた、私達が来なければ死んでいた村人たちは罰を求めるだろう、彼女が死ぬか死より惨い罰か。
生きていても辛いだけ。
万が一取り逃がしたらそれこそ別の誰かが死ぬ。

「邪魔さえ無ければ外さない」
殺した私を呪えばいい。



●『サヨウナラ』
「目標…完全に沈黙」
 倒れ動かなくなった少女を確認しキアは武器をしまう。
 辺りにはつい先ほど発生させた硝煙の匂いが漂っている。

 乾いた音の正体はキアが少女を殺すために放った銃弾の音だった。
 物見櫓から目立たず今の今まで少女を狙い続けていた彼女はその最後の役目を果たした。

「これで良い…これで良かったんだ」
 本当なら助けられた命だったかもしれない。
 平凡な少女がオブリビオンに憑依され無理やり暴れさせられた可愛そうな子だったのかもしれない。
 だが仮に彼女を助ける事が出来て、正気を取り戻したとしても村を滅ぼしそうとした彼女を村の人々が受け入れてくれる保証もない。
 もしかしたら少女は清算として死かそれに等しい罰を受ける事になるかもしれない。
 そんな状況になれば生きるだけ辛いだろう。
 それに彼女を生かそうとした結果、万が一取り逃がすようなことがあればそれこそ別の誰かが死ぬことになる。
 その結果だけは避けなければならない。
 キアはそう考えた末に少女を殺す事を選んだ。

 それを間違いだったと言えるだろうか。
 救うべきだったと言えるだろうか。
 少女が見せたあの笑みは間違いなくあの黒衣の時と変わりはなく。
 猟兵に対し敵意を持っていたのも間違いではないだろう。

「…恨むなら殺した私を呪え」
 それでも彼女がそう言ったのは救えた可能性があるからか。
 それは彼女にしか分からない。


 これでこの事件は本当に終わりを迎えた。
 この村を襲った少女は倒れ、魔獣も眷属も全て全滅した。
 決してハッピーとは言えない結末だったかもしれない。
 だが猟兵達は見事、滅ぼされるはずだった村を村人たちを救うことが出来たのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月16日


挿絵イラスト