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食卓上のデスゲーム

#アリスラビリンス


 目を覚ますと、テーブルの上だった。
 背丈より高いティーカップ。シーソーのように乗れるスプーン。ペッパーミルは見上げるほどで、そこは広い広いティーパーティー・テーブルだった。
 いや、違う。私だ。
 私が小さくなったのだ。
 『名も無きアリスたち』は巨大なテーブルの中で無意識に、そして本能的に『扉』の存在を感知した。
 帰らなければ。この不思議なティーパーティーを抜け出して、自らの『アサイラム』へ……。
 アリスが歩き出した、その時である。
「やあアリス。おはようアリス。私の『矮小なるお茶会』へようこそ」
 声に顔を上げる。アリスのはるか頭上のこと。
 バニースーツとタキシードの中間にあるような格好をした女性が、宙に浮いた金色のテーブルフォークに腰掛けていた。
「私のことは黒兎とでもよびたまえよ、矮小なるアリス」
「矮小? 私たちが?」
「そうともアリス。決して裕福ではないアリス。私のような億万長者にとって君たちの価値はティーカップより小さいのだよアリス。可哀想なアリス」
 黒兎はゆっくりと首を振り、テーブルへと札束をばらまいた。
 アリスのなかの一人が声を上げた。
「なによ。あなただって小さいじゃない」
「私はアリスの尺度に合わせてやっているだけさアリス。身の程を知らないアリス。いいかね、私は君の時間と人生をこの札束で買い取ることにした。
 君がこれから一体何分間生きていられるかのゲームだ。
 もし私のベットした時間まで生きていられたら、特別にこのテーブルに下りてあげよう。それまで私は高みの見物をさせて貰うよ」
 そう言って、黒兎は風景に溶けるように消えてしまった。
 高みどころか、まるで干渉できない次元に消えてしまった。
「さあ――ゲームの始まりだよアリス。かわいそうなアリス」
 舞い散る紙幣が突然、首の無いフラミンゴ型オウガやハリネズミへと変化していく。
 それらはおそろしい奇声をあげ、アリスへと襲いかかる……!

●イェーガーのお茶会
「『アリスラビリンス』を知ってるよな。最近になって新たに発見されたワールドだ。
 ここではアリスとよばれる人間が不思議の世界へと迷い込み、オウガによって殺されてしまうという世界だ。今回も例によって『アリス』の出現とオウガたちによる狂気のゲームを予知したわけだが……」
 所変わってグリモアベース。ナンシー・アラタメは腕組みをしてガーデンチェアに腰掛けていた。
「この空間はまるで巨大なティーパーティーテーブルのようになっている。
 逆に、自分がテーブルの上で小さくなった状態を想像してくれればいい。
 テーブルから落ちたら……どうなんだろうな。あまり想像したくないが、『まず落ちてはいけない』と考えてくれればいい。テーブルから落ちた紅茶やスコーンがどうなるかなんて想像するまでもないしな」
 現状は風景に映っている通りで、アリスの上に絶えず大量の紙幣が降り注いでおり、紙幣がランダムでハリネズミボールにかわってダメージをあたえてくるという仕掛けが作られていた。
 他にもテーブル上に沢山配置された首無しフラミンゴが翼を使ってアリスを切り刻もうと襲いかかるらしい。
「落ちてくるハリネズミを防ぎつつ、フラミンゴたちを倒す必要があるだろう。
 私が予知した限りでは、このあと主催者の『黒兎』はハリネズミトラップやフラミンゴをひっこめ、かわりに巨大なトランプ兵をけしかけることでテーブル上の全てを始末する考えのようだ。
 それすらも倒し、アリスたちを守り切ることができれば、約束通りに黒兎はテーブルに下りてくることだろう。
 奴を倒せば。もう邪魔するものはない。扉からアリスを帰して一件落着ってワケだ!」
 要約すると……。
 降り注ぐ巨大ハリネズミを対処しながら首無しフラミンゴを倒し。
 その間襲われている複数のアリスたちを守護する。
 それが第一段階におけるイェーガーたちの役目となる。
「オウガ(オブリビオン)の好きにさせるってのも寝覚めがわるいし、アリスがゲームの餌にされるってのもムカつく話だ。
 横から割り込んで、このゲームをぶっ壊してやろうぜ!」


空白革命
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●第一章
 お札の降り注ぐ巨大なティーパーティーテーブルです。
 巨大ハリネズミが次々と降ってきてはダメージを与えるトラップが存在し、これをうまくはねのけるプレイングがあるとボーナスが加えられます。
 また『名も無きアリスたち』が無数にテーブル上に点在しており、これらを守ることも重要なポイントとなるでしょう。

・ハリネズミをはねのける
・アリスを守る
・フラミンゴを倒す

 この三つを念頭に置いてプレイングを仕掛けましょう!
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第1章 集団戦 『ネックラック・フラミンゴ』

POW   :    滅多刺しクロッケー
【全身が針で覆われたハリネズミ型のオウガ】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    気まぐれギロチン
【刃物状に変化させた羽根を飛ばし、その羽根】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    女王様のローズガーデン
戦場全体に、【赤く塗られた花と鋭いトゲを持つ薔薇の木】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
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天御鏡・百々
新しい世界が見つかったと聞いて任務に参加してみれば
これはなかなか奇妙な世界だな

人の命を遊戯として弄ぶなど、許してはおけまい
アリス達を休場した上で、我が力にてオウガを成敗してくれようぞ

救助を最優先としたいところだな
しかし、この罠と敵の蔓延るテーブル上では守ることも大変か
なれば『鏡渡り』にて、アリス達を鏡面世界に避難させようぞ

持ち込んだいくつもの鏡を念動力10にて操り
鏡を通じて移動することで、ハリネズミの罠を避けつつ迅速に救助するぞ
罠の回避が間に合わぬ時は神通力(武器)による障壁(オーラ防御61)で防御だ

敵との戦闘でも鏡渡りにて奇襲を仕掛けるぞ
真朱神楽(武器)にてなぎ払い25だ

●神鏡のヤドリガミ



「これはなかなか……変わった世界だな」
 シュガーポットの上に腰掛けるように現われた天御鏡・百々。
 空からは札束と巨大ハリネズミが降り注ぎ、地面(テーブル)には首無しフラミンゴが走り回る。
 そんな地獄とも童話ともとれるような世界の中を、アリスはばらばらに逃げ惑っていた。
「ともあれ。人の命を遊戯として弄ぶなど、許してはおけまい……」
 百々は軽やかにテーブルクロスへと飛び降りると、アリスとフラミンゴの間に割り込むように着地した。
 ギャギャ、と不思議な声で叫ぶフラミンゴ。
「だ、誰よあなた」
「説明は後だ」
 百々は鏡の中から朱色の薙刀を取り出すと、襲いかかるフラミンゴを豪快に薙ぎ払った。
 そして鏡をアリスへと向ける。
「お前をこの鏡の中へと避難させる。良いな?」
「ここよりマシならどこだっていいわ。早く!」
 飛び込むアリスにタッチして、百々は素早くアリスを鏡の中の空間へと避難させた。
 ギャギャ、というフラミンゴの声に怒りの色が混じる。
 と同時に、百々を逃がすまいと周囲を茨の迷路へと変化させた。
「我ごとを捕まえれば関係ない……というわけか。笑止」
 百々は薙刀をぐるぐると振り回し、飛来し跳ね回るハリネズミをジグザグに交わしながらフラミンゴへと接近。
 翼を刃のようにして斬りかかるフラミンゴよりも早く、その翼の下をくぐり抜け、テーブルクロスの上でスライディングブレーキをかけた。
 ぎらりと光る薙刀の刃。
 フラミンゴは翼を切り裂かれ、虹色の血を吹き上げて崩れ落ちた。
 ちらりと鏡を見やる百々。
「鏡の国の……か。少々出来すぎだな」

成功 🔵​🔵​🔴​

芦谷・いろは
これはこれは楽しそうなティーパーティですね~
混ぜてくださいなっ
《礼儀作法》で優雅に…って訳にもいかなさそうな緊急事態ですね

何人もアリスさん達が居るいうのが難しい点ではありますが
いろはに任せてください!
【傀儡の宴】を使用し、即座にヌイグルミさん達を散開!
数体でチームを組ませアリスさん達を守り
何処か守りに徹するのに良さげな1カ所(又は数か所)に誘導させますね
守る面積が広くても場所さえ絞れれば守り易いはずだと思いたいです!

あとはヌイグルミを合体させたり等臨機応変に対応しつつ、アリスさん達を守っていきますね
降ってくる《敵を盾にする》やら
フラミンゴでも掴んでバットみたいにして《なぎ払い》っていきますよ!



 はずむハリネズミや首無しフラミンゴたちから逃げ惑い走る、名も無きアリス。
 置かれたティースプーンに躓いて、クロスの上を転がった。
「ギャ、ギャ……!」
 リボンのような手を伸ばし、翼をナイフのように変化させたフラミンゴがここぞとばかりに飛びかかった――その時。
「これはこれは」
 鈴を転がしたような、無邪気な声。
 空から降ってきた小さなぬいぐるみが次々とフラミンゴにしがみつき、混乱したフラミンゴは翼を振り乱してぬいぐるみを払い始めた。
 が、本命はそこではない。
 ティーカップの影からゆったりとした歩調で現われた、芦谷・いろは。彼女が指をくいと上げたその瞬間、同じくティーカップの影から現われた大型からくり人形『襲』がフラミンゴの身体にサーベルを突き刺して破壊した。
「楽しそうなティーパーティですね~。混ぜてくださいなっ」
 まるで幼い子供が砂場のごっこ遊びに交ざりにいくような、悪意のまるで感じられない美しい笑顔でそう言った。
「あ、あなたは……誰?」
「あなたこそどなた?」
「私は……」
 自分の名前を思い出そうとして、頭を押さえて首を振るアリス。
 仕方ありませんねぇ、と言っていろはは高く指を掲げた。
「ヌイグルミさん達! 集合です!」
 あちこちから飛び出してきたヌイグルミがアリスを取り囲み、防御の構えを取り始める。
「思い出すのは後にして、今はこの場を切り抜けましょうね」
 いろはは倒したフラミンゴの足を掴み、ゴルフクラブのように降って落ちてくるハリネズミを殴り飛ばした。

成功 🔵​🔵​🔴​

植田・碧
人の命をなんだと思っているのかしら……
アリスを守りながら戦うってなると……姉さんにまかせたほうがいいかしらね。

sisterchangeで姉(茜)と入れ替わり早さと反応速度を活かして三日月と紫微垣でハリネズミをはねのけながら一気にフラミンゴに近づいて行きますね。
敵の羽の動きを観察しながら第六感と見切りで攻撃を避けて、アリスに向かっていくようであれば刀で切り落とせないか試しますね。
フラミンゴに向かっている途中でアリスの上にハリネズミが落ちてきたら苦手ですが熱線銃と拳銃を使って撃ち落とさせてもらいます。

☆他の猟兵との連携やアドリブ歓迎



 スコーンの並んだウッドボウルの縁を走りながら、植田・碧は眼下を拳銃で薙ぐように乱射した。
「人の命をなんだと思っているのかしら……」
 跳躍。お皿にのったティースプーンを着地と同時に踏みつけると、振り上がった柄を駆け上がって激しく跳躍。
 重なった小皿の上を飛び越えながら、ホルスターからもう一丁の拳銃を抜いた。
 咄嗟にこちらを見上げるアリスと、それを取り囲むフラミンゴたちが目に入る。 アリスの青い目と、碧の青い目が合った。
 『ふせていて』と唇の動きだけで伝えると、二丁拳銃を左右交互に連射。
 発射される弾丸とビームがフラミンゴたちを穴あきチーズに変えていく。
 着地、と同時に眼帯をパージ。素早く拳銃をホルスターに納めると、四方八方から羽根をナイフに変えて飛びかかるフラミンゴに対して腰の刀を二本同時に抜刀した。
 引き延ばされる体感時間。
 スローモーションになる景色の中で、三方向より同時に飛来する無数の羽根を目視した。
 その全てを刀の筋でなぞるように、そして踊るようにアリスの周りをぐるりとまわり、振り抜く姿勢で一時停止。
 通常速度に戻った世界で、全ての羽根が思い出したように打ち払われた。
「私は植田。暫く貴女を守ります」
 碧――もとい茜は薄く笑って振り返ると、アリスの頭上に落ちてきたハリネズミを刀で串刺しにするようにキャッチした。

成功 🔵​🔵​🔴​

テルプ・ステップアップ
おーテルプちゃんアリスの世界に初・参・戦!
今回はフラミンゴとハリネズミかー
流石に蹴ったら痛そうだねハリネズミは!
そんな触りたくない時は便利なこの子達!
カモン!エレクトロレギオン!
半分はアリス達を守護しつつ半分は攻撃だよ!
爆弾抱えて特攻だよ!
おっと僕を狙っても無駄だよ。
僕についてこれるかな?
オーラ防御3、逃げ足3、時間稼ぎ2で逃げまくるよ。
その間にエレクトロレギオン達殲滅よろ!

※アドリブ・他の方とのからみ歓迎



「うおー! テルプちゃん――初! 参! 戦!」
 コーヒーミルのハンドルからジャンプして、テルプ・ステップアップは大きく手足を広げ白鳥のようなポーズをとった。
 空に浮かぶ『初アリス』『テルプ推参』のテロップ。
「ぬがっ!?」
 直後、頭にハリネズミが刺さって回転。
 くるくる後ろ向きに回ってホットケーキの上に落ちた。
「いたたたた……この子が居なかったら即死だった。即死じゃないけど」
 頭に被っていたテロップ投影機一号ちゃんを脱いで放り投げると、ヘルメットめいたロボが手足を生やして着地。
「それじゃああとはよろしくね――『みんな』!」
「「イエーッサー!!」」
 卵形自爆特攻兵器はぜるちゃんズが立ち上がり、降ってくるハリネズミや目につくフラミンゴめがけて一斉に飛び出していく。
「ねえあなた。あなたもアリスなのですか?」
 ホットケーキの下から声をかけてくるアリス。
 テルプはひょこんと顔を出して、二秒ほど考えてから首を振った。
「ちがうよ。僕はテルプ。あなたは?」
「ごめんなさい。名前は思い出せないの。アリスと呼んでちょうだいな」
 スカートをちょこんとつまんでおしとやかに礼をするアリス。
 テルプはホットケーキから飛び降りると、投影機一号ちゃんをアリスにかぶせてやった。
「大変みたいだけど、ここは僕たちに任せて置いて。あんなフラミンゴぱぱっと――」
 背後で連続爆発。
 ギエーというフラミンゴの悲鳴が伴って聞こえた。
「やっつけちゃうから」

成功 🔵​🔵​🔴​

ファン・ティンタン
【POW】ギザギザソードの子守歌

ハリネズミ、ね
触れるモノ全て傷付けるのがあなただけの特権と思わないことだよ

【刀心習合】にて、自らの身に刃の鋭さと強度を宿す事で攻防一体の状態に
敵に先んじる【早業】で【先制攻撃】、近寄るハリネズミは丸刈りにしてあげようか

要救助アリスがいれば、頑丈さが取り柄の刃の身を呈して【かばう】【救助活動】もしておこうか
……ん、閃いた
敵には、返す(手)刀の【カウンター】でこう言っておこう

効かないね、刀だから(ドンッ!)

そう言えば、ハリネズミだけじゃなくフラミンゴも倒さなきゃだっけ
なら……
フラミンゴへ、刃の指で捕まえたハリネズミを【投擲】してあげよう
キャッチ&リリースってヤツだよ



「触れる者みな傷付ける……あなただけの特権だと思わないことだよ」
 ファン・ティンタンはティーポットの蓋のうえから駆け下りると、注ぎ口を駆け上がった勢いで跳躍。
 降ったハリネズミめがけて『天華』を抜刀、切断、返す刀で振りかざし、こちらに気づいて身構えたフラミンゴの胴体を左右真っ二つに切り裂いた。
「ちょちょちょ、ちょっとアナタ! そこのえっと、白くて綺麗な子!」
「それって、私のこと?」
 ティーカップの影から匍匐前進で現われたアリスに、ファンは腰をひねるように振り返った。
「あぶないわよ、ここ! しぬわよ!」
「我が身を省みないすごい発言だね?」
 といいながら刀を投擲。
 ティーカップの上から飛びかかろうとしていたハリネズミを貫いて、カップの側面にがきんと突き刺さった。
「ギャギャ!」
「ギャギャギャ!」
 音に気づいたのだろうか。奇声をあげ首無しフラミンゴが集まってくる。
 その声を聞きつけてか、無数の巨大ハリネズミも集まりファンとアリスを取り囲む。
「こ、こここ、ここは私に任せて先に行くのよ!」
「気持ちだけ貰っておくよ」
 ガクガク震える足で立ち上がったアリスをさりげなく足払いで転倒させると、飛びかかったフラミンゴに手刀。
 振り返って更に手刀。
 駒のように回転して次々に飛びかかるフラミンゴとハリネズミを打ち払い時には切り裂くと、ブレーキをかけて片眉をあげた。
「効かないね、刀だから」
「なにが?」
「手が?」
 ほらみて、と手刀を振り込みフラミンゴの首根っこを切断してみせるファン。
 アリスはんあーと深く頷いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ティアラ・パリュール
わたしもお茶会は好きですけど、こんなのダメですよ!

まずはアリスさんを探します
梟型ガジェットのフクちゃんに、高い所から探してもらいますね
「大丈夫ですか? 助けに来ましたよ!」
【優しさ】と【コミュ力】で、少しでも安心してもらいます
状況によって『時計仕掛けの世界』に入ってもらうかもしれません

合流したらハリネズミを避けやすいよう、飾ってあるお花の下とか、屋根にできる物がある場所に誘導

あとは魔導蒸気砲に、火事にならないよう、また敵の動きを阻害を兼ねて氷属性の砲弾をセット
連射性能を高める調整をして『カスタマイズ・グレネード』で【属性攻撃】【範囲攻撃】!
取りこぼした敵は……フクちゃん、フォローをお願いね!


アニスニニス・ミニチュリエ
むむっ。アリスいじめをゲームにするなんてっ。
これだから鬼さんはキライなのでごぜーますっ!
アンがぜったい守るでごぜーますなのよっ。

ドレス姿で勇気いっぱいっ。
プリンセスハートを振り撒いて
ハリネズミさんを追い払うでごぜーますっ。
「当たれーーっ」と≪祈り≫ますでごぜーますよっ!

ピンチのアリスはドレスの飛翔能力でしゅばっと救助でごぜーます!

フラミンゴさんにも特大ハートをぶつけるでごぜーますっ!
ワンパターンだと思うでごぜーますかっ?
「アンには槍もごぜーますなのっ!」
手にしたハートのまち針がアリスランスになるでごぜーます。
≪ランスチャージ≫でごぜーますよっ!

すてきなアリスたち、おケガはねーでごぜーますかっ?


フィオレッタ・アネリ
わぁ…
不思議の国のティーパーティーなんて、ホントに童話の世界みたい
すっごい高鳴るぅ…!

なんて言ってる場合じゃないってカンジだよね☆(てへぺろ)
すぐに助けてあげるから、わたしにどーんとまかせておいて!

まずアリスの子に攻撃が向かわないように
フラミンゴたちの注意を惹きつけて誘導

そしたら《花導》で先触れを識る花精を召喚
羽根の来る軌道やタイミングを教えてもらいつつ
空を踊り、スライディングで地を滑り、変幻自在に躱す

躱しながらいいカンジのタイミングで
全力魔法を乗せた花嵐を放って、次々とフラミンゴを倒していくよ

この物語は、わたしがハッピーエンドにしてみせるからね!

※アドリブ・連携・歓迎です!


郁芽・瑞莉
私達の大きさが変わってないのにまるで小人になった気分ですね!
アリスラビリンスは摩訶不思議に溢れてますね。

さて、人生と時間を札束で買い取るなんて不遜な輩に見せましょう!
今を生きる私達の命が札束なんてもので買い取れないことを!

今回は人手が必要、という事でまずは分身して。
一グループがハリネズミ担当で札束ごと、
剣や薙刀で衝撃波も使って広範囲を薙ぎ払ったりランスチャージして排除。

アリスを発見したら攻撃からかばって、武器受けやオーラ防御。
確保したら迷彩や残像で回避しつつ。

人海戦術で迷路を攻略しつつ、フラミンゴは符の高速詠唱からの
全力魔法の一撃や苦無を投擲して誘導弾の如く操り遠距離攻撃で仕留めますよ!


ロベリア・エカルラート
ふふっ……こうしてみると私自身がおとぎ話に迷い込んだみたいだね
素敵な場所だよ、この世界は

さて、多少のハプニングは人生のスパイスだしね
楽しみながら、みんなで脱出しようか

●行動
連れてこられたアリスに声を掛けつつ、彼女たちを守るように立ち回る
イバラの影をもしたオーラと鋏の形をした剣でハリネズミを防御しつつ、アリスたちを安心させるように声を掛ける
【存在感、誘惑、鼓舞】で彼女たちを励ましつつ、私自身が信用されるように
多少ダメージを受けても、余裕の態度は崩さない

アリスたちから信頼や好意を集められたらユーベルコード発動
高速飛行でハリネズミをすべて打ち払い、視界内のフラミンゴを撃破する

※アドリブ、連携歓迎



 アリスラビリンスでは今日も狂気のティーパーティーが開かれている。
 記憶をなくしたアリスはただうずくまり、群がるオウガたちの脅威におびえるばかり。
 プリンアラモードの山を前に、マカロンの平野に紛れ、名も無きアリスは飛来する鋼の羽根に目を瞑った――その、瞬間。
 暴風を纏った剣の閃きが、飛来する羽根を周囲の空気ごと吹き払った。
「人生と時間を札束で買い取るなんて不遜な輩……」
 握った剣を返し、飛びかかるフラミンゴを切り払う。
 郁芽・瑞莉は刀を水平に構え直すと、取り囲むフラミンゴたちをにらみ付けた。
「見せつけてやりましょう! 今を生きる私達の命が札束なんてもので買い取れないことを!」
「あなたは……だあれ……?」
「さあてね。誰だと思う?」
 赤いマカロンを飛び越えて、ロベリア・エカルラートが現われる。
 いばらの大鋏を振りかざし、咄嗟に振り返る首無しフラミンゴの肉体へと突き立てた。
「ふふっ……こうしてみると私自身がおとぎ話に迷い込んだみたいだね。素敵な場所だよ、この世界は。そう思わない?」
「本当に。私達の大きさが変わってないのにまるで小人になった気分ですね!」
 狂気の中にあって笑いあう瑞莉とロベリアの様子にアリスがぽかんとしていると、大きなキャンディドロップのような砲弾が放物線を描いて飛んできた。
 カラフルな爆発を起こし、吹き飛んでいくフラミンゴたち。
 肩に魔導蒸気砲を担いだティアラ・パリュールがぱたぱたと手を振りながら桃色の煙のむこうからやってきた。
「大丈夫ですか、アリスさん。助けに来ましたよ。大変でしたね」
「アリスいじめをゲームにするなんてっ。これだから鬼さんはキライなのでごぜーますっ!」
 まち針を槍へと変えたアニスニニス・ミニチュリエが、次々と降り注ぐ巨大ハリネズミたちに鋭い突きを繰り出した。目をばってんにして飛び退くハリネズミ。
「アリスはアンがぜったい守るでごぜーますなのよっ」
 だからアンにまかせるのでごぜーます! アニスニニスは自分の胸をどんと叩くと、たちまち豪華絢爛なドレス姿へと変身した。
 アニスニニスの周りを色とりどりの花びらが舞い散り、空飛ぶハートが強くドキドキを鳴らした。
 舞い散る花に紛れて、フィオレッタ・アネリが花束のような杖を振り回しながら飛び込んできた。
 ボール状になりバウンドしながら飛びかかるハリネズミを杖で打ち返し、ヒュウと口笛をふくフィオレッタ。
「話に聞いてたとおりだね。ホントに童話の世界みたい。高鳴るぅ!」
 振り返り『わたしに任せて置いて』とばかりにウィンクをすると、杖を両手でしっかりと握り込んで花精を召喚し始めた。
「ギャ、ギャ……」
「ギャギャ……」
 奇妙な声をあげ、あちこちから集まってくる首無しフラミンゴとハリネズミたち。
 フィオレッタやティアラたちはアリスを庇うように円陣を組むと、それぞれの方角に向けて武器を構えた。
「作戦は決めてますか?」
「いらないよ。みんな、やることは一つでしょ」
「違いねーでごぜーます!」
 おろおろと見回すアリス。
 彼女の手から金色の懐中時計が落ち、マカロンの上をはねたその瞬間。
 オウガたちが、イェーガーたちが、全員一斉に動き出した。

「当たれ、プリンセスハート!」
 大きく高鳴り、猛烈な速度で首無しフラミンゴを撥ね飛ばすアニスニニスのハート。
 縮小させたまち針を指揮棒のように振れば、アニスニニスのハートは手足のように飛び回る。
 ハリネズミはそれに対抗するように身体をボール状に丸め、アニスニニスめがけて三匹いっぺんに突撃をしかけてきた。
「アンを狙おうったって――」
「そうは行きませんよ!」
 横から割り込んだティアラが魔導蒸気砲に紅茶弾頭を装填。
 肩に担いでハリネズミたちへと発射した。
 爆発した紅茶がハリネズミたちを包み込み、たちまちの内に凍結してマカロンの上に貼り付ける。
 その隙に飛びかかった瑞莉が大量の苦無を発射。
 全てのハリネズミに突き刺さった上に、翼を広げて飛び退こうとした首無しフラミンゴたちへと誘導ミサイルの如く突き刺さっていった。
 次々と撃墜され、紅茶のカップへと水没していくフラミンゴたち。
 それでもなんとか逃れたフラミンゴが翼を振り回し、刃に変えた羽根を大量に飛ばしてきた。
「遅い遅い! 筒抜けだよ!」
 フィオレッタは空をフィギュアスケートのように駆け抜けると、飛来する羽根のナイフを次々と回避。そのたびに花の杖でたたき落としていく。
 フラミンゴたちよりもはるか頭上をとったフィオレッタが、花の魔法を行使した。
 宙にほうりなげた一輪の花が突如としてはじけ、激しい花吹雪になってフラミンゴたちへと襲いかかる。
 必死に回避行動をとるフラミンゴたちだが……。
「逃がさないよ」
 ロベリアはふわりと浮かび上がり、どこからともなく降り注ぐ月光を身に纏った。
 思わずその姿を見上げ、目を見開くアリス。
 ロベリアはもう大丈夫というように頷いてみせてから、『ロメオジュリエッタ』を高く掲げた。
「おやすみ、かわいそうなフラミンゴ」
 あちこちから大量の薔薇が生まれ、恐ろしい速度でのびたいばらによってフラミンゴが捕らえられていく。
 その全てが捕らえられ、花柄のお皿に山と盛りつけられたところで……。

「よかったなアリス。幸運なアリス。どうやら邪魔がはいったようだ」
 はるか遠い天井から、黒兎の声が響いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『トランプの巨人』

POW   :    巨人の剣
単純で重い【剣】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    トランプ兵団
レベル×1体の、【胴体になっているトランプのカード】に1と刻印された戦闘用【トランプ兵】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    バインドカード
【召喚した巨大なトランプのカード】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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 突然のことである。
 天井は近く床は遠く。ティーカップは手のひらほどに小さくなった。
 否、それまで立っていたはずのティーパーティー・テーブルは『本来の』大きさとなり、広い広いダンスホールの中央にぽつんと置かれていた。
 イェーガーやアリスたちはといえば、気づいた時には広いホールのあちこちに移動していた。
「これは……?」
「時は金なり。土地は金なり。つまり金を持っている私は空間を支配できるのだ」
 声と共に、テーブルの上に黒兎が現われた。
 お行儀悪く卓上に腰掛け、ティーカップをつまみあげる。
 中に沈んだ沢山のフラミンゴを指でくるくるとかき混ぜると、飽きたように足下へとひっくり返してしまった。
「勿論、人だって支配できる。諸君らは私のゲームを邪魔したようだが……そんな君たちをゲームの駒にしてもう一度遊ぶことだってできるんだ」
 パチンと指を鳴らすと、ホールの壁を破壊して無数の巨人が突入してきた。
 天井に頭がこするのではと思うほどの巨人たちが剣をとり、イェーガーたちを威嚇する。
 かと思えば、壊れた壁の穴から大量のトランプ兵たちが突入してきた。
「さあ、ゲーム再開だアリスたち。ここから生きて出られるかな?」

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 第二章。
 トランプ巨人による包囲網から脱出しましょう。
 みなさんのそばには無力なアリスたちがいますが、彼女たちは皆さんの影響を受ける形で何かしらのユーベルコードに目覚めています。
 基本的には第一章で助ける際に使ったユーベルコードと同じようなものを再現して使うようになっています。
 そんな彼女たちと協力し、トランプ巨人と兵隊たちを倒しましょう。

 とても広いダンスホールからスタートし、屋敷の通路を抜け広いバラ園へと出ればゴールです。
 その間トランプ巨人たちは皆さんを逃がすまいと必死に襲いかかってくるでしょう。
 また、ここで倒したトランプ兵とトランプ巨人はボス戦時に有利に働くカード🃏として手元に残ります。
 なのでできるだけ沢山倒すようにしてみましょう。(アリスと協力するのがコツです)

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植田・碧
今度はトランプ兵ですか

あの巨体で通路を塞がれたら通れそうにないですね。
それに数も多いですし、纏めてお相手させてもらいます。

ダンスホールでは見切りと第六感を駆使して敵集団の中心へ向かいます
敵の攻撃は基本的には避けますが難しいようなら三日月と紫微垣で防御、必要があれば私(茜)は拳銃の扱いは苦手ですが拳銃での牽制も入れながら突っ切ってBlode arts “Tempest”で一掃させてもらいます

通路では私が敵の攻撃を引きつけてアリスには攻撃に専念してもらう形で確実に倒していきましょう、武器が必要であれば三日月かblackshotをアリスに貸しましょうか

☆他猟兵との連携やアドリブ歓迎です



 無数のトランプ塀がホールの扉を開き、室内へと突入してきた。
「なるほど。今度はトランプの兵隊……ですか」
 植田・碧は妖刀『紫微垣』を握り込んだ。
 赤黒い刀身が乾いた血のように鈍く光る。
 一方、背後に庇われていたアリスが整列したトランプ兵に後じさった。
「危険よ植田さん、ここから逃げた方が……」
「勿論そのつもりですが」
 碧――もとい茜はホルスターから拳銃を抜くと、くるりと回してアリスへグリップ部分を突きだした。
「奴らを倒さない限り、この場から抜け出せはしませんよ」
「……」
 おそるおそる銃をとるアリス。
 しかしなぜだろう。その手触りが初めてのものでなく。まるで銃器全般に精通しているかのような自然さで銃をコッキングし、茜の横へと並んだ。その手際に、彼女自身が一番驚いているようだった。
「なぜかしら。私……」
「考えるのは後にしましょう。行きますよ」
 茜は新たな剣『三日月』を腰の後ろから抜刀すると、先陣をきって突撃を仕掛けた。
 勢いをそごうと槍を構え突っ込んでくるトランプ兵――の額に綺麗に一発ずつ、アリスによる銃撃が打ち込まれていく。
 声をあげる暇すらなく崩れゆくトランプ兵たち。その一人の肩を踏み台に、茜は派手に跳躍した。
「――!」
 対抗しようと剣を繰り出すトランプ巨人。だが目にもとまらぬ剣の閃きが幾重にも交差し、気づいたときには巨人の背中から茜が飛び出し、剣を振り抜いた姿勢で着地していた。
「……っ」
 振り返る……こともできず、トランプ巨人が崩れていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

ファン・ティンタン
【POW】柔よく剛を制す
ん、威勢はあるんだね、身体震えてるけど
折角だから、頑張ってみようか
何、失敗したら痛い思いして死ぬだけだよ
だから、死ぬ気でやってみよう

引き続き【刀心習合】
敵の剣撃はまともには受けず
身体の曲線と刀由来の強度を以て、力の向きを流し敵の自滅を誘う
凄い膂力、直撃したら危ないね
その威力が間違って仲間に向いたなら……痛いんじゃない?
地形を破壊するほどの威力、数居る敵を盾にしていこうか

アリスの人
別に全身が強くなくてもね、受け流すだけなら手一つでも足りるんだよ
イメージしてご覧、片手で巨人の攻撃をいなすあなたを
意外と何とかなるものだよ
だって、あなたは、主人公(アリス)の資格があるのだから



「こ、ここ、ここは任せて先にいってもいいのよ!?」
 ぷるぷるしながら振り返るアリスに、ファン・ティンタンは小さく手を翳した。
「置いては行かない。一緒に行くんだ」
「そ、そうね。それがいいわね。けど……」
 ファンとアリスは同時に振り返り、こちらへとゆっくりと近づいてくるトランプ巨人を見た。
「私、あれに勝てるかしら」
「なに、失敗したって――痛くて死ぬだけだよ」
 片眉を上げてみせるファン。
「死ぬ気でやってみようか」

 突進をしかけてくるトランプ巨人。
 ファンとアリスはそれぞれまっすぐ正面から向かっていった。
 巨大な剣が叩き込まれるのを、ファンは流水のごとき美しい曲線運動で剣を受け流し、巨人の股下をくぐり抜ける。
「凄い膂力、直撃したら危ないね」
「簡単に言うのねあなた!」
 アリスは助走をつけた跳躍によって手刀を構える――が、トランプ巨人の腕振りによって薙ぎ払われ、回転しながらホールの壁へと激突した。
「痛ったー! 頭打った!」
「それはそうだ。生きてるんだからね」
 ファンは巨人を翻弄するようにぐるぐると駆け回りながらも、アリスへと語りかける。
「別に全身が強くなくてもね、受け流すだけなら手一つでも足りるんだよ。
 片手で巨人の攻撃をいなすあなたを、イメージしてごらん」
「イメージ……?」
「なんとかなるよ。だってあなたは……」
 大きく吠え、飛びかかるアリス。
 トランプ巨人が再び拳を繰り出す――が、アリスは手刀を相手の拳に打ち当てることでくるくると回転。
 拳の衝撃を回転によって逃がしつつ、再びの手刀で巨人の腕を切断した。
「これは――」
「そう、アリス(主人公)になりえる力だよ」
 白い閃光のように駆け抜けたファンの手刀が、巨人の首を切り落とした。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロベリア・エカルラート
なるほど、私と似たユーベルコードが使えるワケね
……これ下準備が大変なんだよねぇ

ま、あの黒兎もずいぶん楽しい事をしてくれるけど、お仕置きが必要だよね
?(同意を求める)

●行動
近くにいるアリスからはさっきの戦いである程度信頼は得ていると思うし、引き続きユーベルコードで自己強化

アリスと一緒に、空を飛んで敵の頭上を越していくよ
まずは他の仲間と合流だ
アリスには手をつないで空の飛び方を教える
折角の童話世界だし、戦いも含めて楽しいことだって認識しておいてもらう

他のアリスからも信頼してもらえるように立ち回ることを、私の相方に伝えよう
「よし、それじゃ君は王子様役に任命するよ。さ、皆を助けに行こうか」



「あの黒兎もずいぶん楽しい事をしてくれるけど、お仕置きが必要だよね
?」
 茨の大バサミを肩に担ぎ、おどけた調子で振り返るロベリア・エカルラート。
「そ、そんな……わたし、なんて……」
 膝を突いて震えるアリスに、ロベリアは口の方端で笑いかけた。
「考えてごらん。自分にスポットライトがおりるさまを。たった一人でステージに立つさまをさ」
 ロベリアが手を差し出すと、アリスはそれをそっと掴んだ。
 深く、そしてゆっくりと頷くロベリア。
「観客たちは自分を見てる。自分の言葉で、振る舞いで、観客たちが感情を動かされる。案外、世界っていうのはそうやってできてるモノだよ。ステージの上の世界さ」
「ステージの上の……世界……」
「そう。それが分かれば、私たちは空だって飛べる」
 トンと地面を蹴った途端、ロベリアは吸血鬼のような翼を広げた。
「でも、私に見せるべき人なんて」
「いるよ、ここに」
 唇に指を当て、ウィンクするロベリア。
 その途端、アリスの背に妖精のような翼が生まれた。
 ロベリアとアリスを月光めいたスポットライトが包み込む。
「さあ、ここからは二人だけのステージだよ!」
 光を纏った二人は宙に浮かび上がり、捕まえようと手を伸ばすトランプ巨人の腕を切り裂いていった。
 ホールの天井を突き抜け、屋敷の屋根を抜け、広い広い不思議な風景の中に飛び出して尚、二人は飛ぶことをやめなかった。
「私……飛んで……」
「君を王子様役に任命するよ。さ、皆を助けに行こうか」
 手を繋ぎ、首を傾げてみせるロベリアに、アリスは花咲くような笑顔で頷いた。

成功 🔵​🔵​🔴​


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※新規参加ルールを補足します
 この章から参加したイェーガーは、『前の章でアリスをひとり助けていたもの』として扱います。
 アリスは今回PCが使用するユーベルコードと同種のユーベルコードを使用し、一緒に戦ってくれることでしょう。
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テルプ・ステップアップ
むー(怒)なーんか気に入らないなーあの黒兎って子。
最初っからこっちのこと下に見ててやな感じだね。
あーいうのは最後にぎゃふんって言わせなきゃ !
アリスちゃんもそう思わない?
よし、ならアリスちゃんも手伝ってくれる?
大丈夫君ならできる!
僕と同じようにこの子達に好かれてる。
攻めも守りもこの子達に任せて♪
君だってやられっぱなしじゃ嫌でしょ?
前衛は僕が惹きつけるからガンガンいっちゃえ!


アリスにエレクトロレギオンにて足止めと遊撃をお願いする
テルプは集団の中に飛び込んでグラン・フェッテ・ピケで各個撃破
アリスに攻撃がいかないように囮も兼ねる。
※アドリブ・ほかの方との連携も歓迎


フィオレッタ・アネリ
お金で支配するなんて、そんなの全然高鳴らないよ!
ゲームの駒にされたって、思い通りになんて動いてあげないんだからね

わたしの《花導》を再現したアリスの子と協力
予兆を読む花精を喚んでもらう

大丈夫、その子がぜんぶ教えてくれるから
落ち着いていこう!
にっこり笑って励まして、一緒に走り出す

重い剣の一撃を予兆を読んでうまく避けながら
花精に正しいルートへ導いてもらって
最短距離でバラ園に向かう
みんなと合流しないとね!

敵と出会った時は、花を一輪喚び出して
全力魔法の《花霞》
襲いかかってきた敵を、甘い花の香りで眠らせて動きを止めて
そのまま倒して切り抜けちゃう

力が強くなくたって、こういう戦い方もあるんだよ


郁芽・瑞莉
今度は盤上で駒たるトランプ巨人とトランプ兵との戦いですね。
戦に数は必要なのは認めますが……、
ですがただ数を揃えればいいという事でないことを教えてあげましょう!

秘幻に血を捧げて封印を解いて合一。
私は巨人担当で一気にトップスピードに乗って先制攻撃ですよ!
早業の抜き打ちで関節の隙間を狙って切り込み、
衝撃波を重ねて内部を破壊。
敵の攻撃にはダッシュやジャンプ、スライディングを駆使し、
残像や迷彩で避けつつカウンターで一撃目で鎧を砕いて、二撃目で砕いた場所を攻撃という2回攻撃を行って倒してますよ。

アリスは分身して貰って複数人で取り囲んで撃破して貰いますよ。
危ない時は苦無や符でかばってオーラ防御で守りますよ!


芦谷・いろは
今度は素敵なダンスホールなんですね
それでは一曲いかがです?名無しのアリスさん
こんなに数が多いと、いろはの手だけじゃ足りなさそうなのですよ
だから一緒にいきましょう
さぁさぁ!無礼で無粋なトランプ兵さんもご一緒にっ
ダンスマカブルなのですよ!

【傀儡の宴】を使用し、ヌイグルミさんを合体させ
トランプ兵さん達を《なぎ払い》ながら倒していきますよ!
名無しのアリスさんも一緒にダブルアタックしていきましょう~
大丈夫です、貴女なら出来ます

ばら園に向けて、名無しのアリスさんと一緒に《ダッシュ》していきますね



 ホールを抜けて走るテルプ・ステップアップ。
 彼女に手を引かれたアリスは、後ろから追いかけてくるトランプ兵たちを振り返った。
「ねえテルプ、走るトランプが沢山追いかけてくるわ」
「分かりやすくピンチだねー。でも僕はあの黒兎っていうのが気になるな」
 通路の先から飛び出してくるトランプ兵を跳び蹴りで倒すと、アリスと並んで走り始める。
「最初っからこっちのこと下に見ててやな感じだね。
 あーいうのは最後にぎゃふんって言わせなきゃ! アリスちゃんもそう思わない?」
「そうねえ、そうかも。けどどうやって?」
「そこはほら」
 テルプはパチンと手を合わせて見せた。
「僕と君とで、力を合わせてさ」
 テルプに言われて、アリスはポケットの中から人型クッキーを取りだした。
「私にできることは、多分このくらいだけれど」
 アリスは人型クッキーを放り投げると、沢山の戦闘機械に変えて突撃させた。
 ホールの通路を塞ぐように構えたトランプ巨人に次々と群がっていくクッキー兵たち。
 それを払おうと剣を振り回すトランプ巨人――に。
「そこをどいてて!」
 テルプの跳び蹴りが炸裂。トランプ巨人は派手に砕け、ばらばらのトランプとなって散っていった。
「これ以上先へはいくナ!」
「止まれ! 黒兎様の命令ダ!」
 独特のなまりが混ざった口調で、新たなトランプ兵たちが槍を構えて整列する。
 赤い絨毯の伸びる広い通路を塞ぐように何列もの陣が形成された。
 そんな連中めがけて走る速度をあげるフィオレッタ・アネリ。
「お金で支配するなんて、そんなの全然高鳴らないよ!
 ゲームの駒にされたって、思い通りになんて動いてあげないんだからね」
 フィオレッタがアリスにぱちんとウィンクをすると、頷いたアリスが花の精霊を呼び出した。
 意識がアリスやフィオレッタたちへと接続され、トランプ兵の隊列や次の動きが超感覚的に伝わってくる。
 トランプ兵が合体し、新たなトランプ巨人となって斬撃をしかけてくる。勿論、それも読んでいた。
「いくよっ」
 いちにのさんでアリスと一緒にジャンプしたフィオレッタは、トランプ巨人の剣を飛び越えた。
 そのまま腕を伝って肩まで駆け上がると、跳躍と共に『花霞(ソンノ・プロフォンド)』を放った。
「し、しまった……!」
 兵隊たちがぐらりと傾き、眠りにあらがおうと地に槍を突き立てる。
「こういう戦い方も、あるんだよ」
 通路の先。大きな扉。
 巨大な薔薇園めいた空間が見えていた。
 郁芽・瑞莉はアリスにアイコンタクトをとると、トランプ巨人めがけて加速を始めた。
「奴を足止めするのだ」
「「御意!」」
 ずらりと並んだトランプ兵たちが槍を構えるも、瑞莉からパスされたクナイをキャッチ。トランプカードのように扇状に開いて沢山複製すると、それをトランプ兵たちへと発射した。
「今です、瑞莉さん」
 打ち倒されたトランプ兵のボディを坂にして、瑞莉はトランプ巨人へと飛びかかった。
 咄嗟に振り込まれる剣を、空中で身をひねるようにして回避。
 紙一重で刃をすり抜け、自らの封印を解除。『秘幻』解放状態の姿となると、繰り出した剣でトランプ巨人の腕を切り落とした。
「ぬおお……!?」
 腕を押さえ、思わす後じさりするトランプ巨人。
 自らの巨体を活かしてなんとか体当たりで押しのけようとする――も。
「脆い」
 瑞莉の繰り出した突きはトランプ巨人の分厚い装甲を貫き、腹から背にかけて大きな穴を穿った。
 飛び出した薔薇園。
 追いついてきた沢山のトランプ兵が槍を構え、一部は合体して巨大トランプ兵となるが……。
「一曲いかがですか、名無しのアリスさん」
「ええ、喜んで」
 芦谷・いろはとアリスはそれぞれ手を取り合うと、大量のヌイグルミを召喚した。
「さぁさぁ!無礼で無粋なトランプ兵さんもご一緒にっ」
「「ダンスマカブルなのですよ!」」
 驚くトランプ兵へと殴りかかるウサギのヌイグルミ。
 隊列を大きくかき乱した所で、いろはの呼び出した熊のぬいぐるみが合体して巨大なヌイグルミに変身した。
 タックルをしかけるトランプ巨人に対し、真っ向からタックルで対抗する巨大クマヌイ。
「ぐ、ぬ……!」
 互角の様子に焦りを見せるトランプ巨人。
 彼は肝心なところを忘れていた。
 最も警戒すべきはぬいぐるみではなく、それを操るいろはなのだということを。
 いろはの走らせるあやつり糸が、トランプ巨人のあちこちに絡まっていく。
「さあ、今ですアリスさん! 貴女なら出来ます!」
 呼びかけられて、アリスはこっくりと頷いた。
「そうですね。あなたのやったように――」
 アリスはウサギのぬいぐるみを合体させると、巨大ウサヌイに変えてトランプ巨人を殴りつけさせた。
 ばらばらに砕けて散るトランプ巨人。
 そして……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ふてぶてしい黒兎』

POW   :    ほら代金だ。しばらくそこで止まっていたまえ。
【札束】が命中した対象に対し、高威力高命中の【金額に比例した秒数の時間停止魔法】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    私の時間を奪うなら、その分の代金を払いたまえよ。
戦場全体に、【あらゆる行動に対価を要求する不思議時空】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ   :    諸君の実力なら、これくらい払えば十分であろう。
全身を【時空間圧縮魔法】で覆い、自身の【支払った財産】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「やれやれ。随分と派手に、私のゲームを邪魔してくれたね」
 薔薇園の中央。巨大な黄金のバラに腰掛けた黒兎はどこからともなく札束を取り出した。
「黒兎様! 申し訳ございません!」
 慌てて駆け寄るトランプ兵――の眉間に、まるでレンガのように硬くなった札束がごすんと命中した。
 その瞬間時計がガチャンと鳴る音が響き、トランプ兵の時間が止まる。
「タイムイズマネー。金を持つ私は時間を自在に操れる。こんな風にね」
 黒兎は自らの時間を急激に凝縮させると、目にもとまらぬスピードで走りトランプ兵の全身に何十発もの蹴りや拳を叩き込んだ。
 悲鳴すらあげる間もなく砕け散るトランプ兵。
「まあ、台無しになったとはいえゲームクリアだ。私が相手をしてあげよう。ただし……」
 新たな札束を手品のごとく両手に取り出す黒兎。
「君たちの時間はここで終わりだ。死と絶望に泣くといい」

==============================
 ついに最終決戦が始まりました。
 莫大な資産で『時間』を買い取った黒兎は凄まじいパワーとスピードを誇り、そのためあらゆる攻撃が『先制攻撃』となります。
 PCは対応するユーベルコードのロジックを分析し、その穴をつくことで相手の攻撃を防御ないしは回避し、反撃に出ることができるでしょう。
 ただし『ユーベルコードでユーベルコードを迎撃する』選択をとると、次の攻撃が通常攻撃のみとなり与えられるダメージが少なくなってしまうでしょう。
 安全策ならUC迎撃。積極性を出すなら地力の工夫。というふうにしてみてください。

・ユーベルコード『私の時間を奪うなら、その分の代金を払いたまえよ』における『対価』は第二章で皆さんの倒したトランプ兵のカード🃏で支払うことができます。
 もし迷路に放り込まれたらこの限られたカード🃏で足りるような少ない手順で迷路の脱出をはかりましょう。

・今回の戦闘にはアリスが加わっています。
 第一章~第二章で用いたPCのユーベルコードをコピーして一緒に戦ってくれます。同じ技でコンビプレイを仕掛けたり、連係プレイでアリスに『迎撃』を任せたりしてみましょう。
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※新規参加ルールを補足します
 この章から参加したイェーガーは、『第一章でアリスをひとり助けていたもの』として扱います。
 アリスは今回PCが使用するユーベルコードと同種のユーベルコードを使用し、一緒に戦ってくれることでしょう。
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【2019/06/30 19:55】
🤩セルフみかんブレイカー発令!
 現時刻をもってシナリオルールと判定方式を大幅に変更します。

👍投稿されたプレイングを高速でリプレイ返却します。
👍リプレイの分量が下限基準値の『2倍』になります。
👍プレイングに一方的な攻撃方法しか書いてなかったとしても、アドリブによってボスUCへの対応やピンチを切り抜ける様子が描写されます。

🔔先着4名までを対象とします。
🔔ほぼ同着である場合『プレイングがグッとくる方』を優先とします。
 つまりこれは『美味なる半額弁当の争奪戦』であります!
 争奪戦開始時間に備え、狼の牙を研いでください。

🕘開始時刻は『午後8時30分』です。それ以前の投稿は無効となります!

📜これまでのあらすじとルール変更
 『アリスラビリンス』で突如行なわれたデスゲーム。
 無数のアリスはオウガ『黒兎』によって集められ、いつまで生きていられるかという遊びに利用されていました。
 それを察知したイェーガーたちはゲームに乱入。オブリビオンたちを撃滅し、ついに『黒兎』の元までたどり着くことに成功。いよいよデスゲーム主催者との決戦が始まったのでした。

※イェーガーの皆さんはオウガ『黒兎』を倒すべく行動してください。
 これまで助けられたアリスたちは自身のユーベルコードを用いて皆さんを支援するように動きます。(支援行動はアドリブで行なわれるためプレイングは必要ありません)

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館野・敬輔
【SPD】
アドリブ連携歓迎

遅くなった、ここから加勢する

好き勝手アリスたちを甚振ってくれたな。
あまりにも醜悪なデスゲーム、ここで終わらせる!

迷路対策は「無暗に走らない」こと
閉じ込められる前に「見切り、ダッシュ」で逃れられたらベストだが
閉じ込められたら「地形の利用、ダッシュ」で右手を壁につきながら走り出口を探る
他に閉じ込められた猟兵がいたら積極的に協力

脱出し黒兎の姿を認めると同時に【憎悪と闘争のダンス・マカブル】発動
「先制攻撃、2回攻撃、鎧砕き、マヒ攻撃」と共に18連撃を黒兎に叩き込む(代償は味方攻撃なしで寿命で払う)
敵の攻撃は「武器受け、見切り」で黒剣で受け
「オーラ防御、激痛耐性」で極力耐える



「さあ、君たちの時間はここで終わりだ」
 黒兎の放った無数の紙幣が刃のように地面に突き刺さり、大地が激震した。
「何!? これは――」
 身構えたアリスたちの大地を突き破り、薔薇でできた巨大な迷路が出現。アリスたちの身体へとイバラが巻き付き、激しい魔力電撃が走って行く。
 悲鳴をあげ、膝をつくアリスたち。
「この迷宮では全ての行動が『対価』を求める。貧しい君たちに出来ることなどないと知るんだな」
 悠々と迷路の中に立ち、アリスのひとりへと剣を繰り出す黒兎。
 全く身動きのとれないアリスの首をはねんと迫る刃――が、銀色の剣によって跳ね上げられた。
「――!?」
 目を見開くアリス、そして黒兎。
 二人の間に乱入したのは――。
「遅くなった、行動を開始する」
 館野・敬輔は剣を鎌へと変形させると、黒兎めがけて振り込んだ。
 飛び退き、バク転をかけて迷路の壁へと着地する黒兎。
「随分好き勝手にアリスたちを甚振ってくれたな」
「私は金をもっている。豊かな者が貧しい者を虐げるのは当然の権利ではないかね?」
「そんな権利はない。仮にあったとしても――僕がそれ(ゲーム)を終わらせる!」
「さて、できるかな」
 黒兎の放つ紙幣の刃。
 六枚の高額紙幣が敬輔へ迫るが、敬輔は鞭状態へと変形させた黒剣でそれらを弾き落とした。
 かすった紙幣が頬に一筋の傷を作り、敬輔に赤い血が流れた。
「君の行動には対価が発生する。一方私は自由に行動できるが……君はせいぜいあと一手か二手といった所じゃないかな?」
「ああ、そうだろうな」
 敬輔は不敵に笑い、右目に手を当てた。
 黒剣を二本の短剣へと変形させ、投擲の姿勢をとる。
「だが、一手で済む」
 投擲――の動作が突如として分裂した。
 まるで残像が実態をもったかのように九分裂した腕がそれぞれ短剣を発射。
「なっ――!?」
 飛び退こうとした黒兎の足に一本のイバラが巻き付く。アリスがなんとか放った支援の一本である。
 だがそれが、敬輔の放つ十八本の短剣全てを直撃させるに至った。
 肉体に次々と突き刺さる剣。
 黒兎は声にならぬ声をあげた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィオレッタ・アネリ
お金で時間を…そんなコトできるんだ!
『時は金なり』って言うしねぇ(感心したように)

でも、わたしの時間はわたしのもの
お金なんかじゃ譲ってあげないからね

引き続きアリスの子に《花導》を喚んでもらい、
飛翔してくる黒兎さんの軌道を読んで
ジャンプとスライディングでうまく避けながら
花の魔法で撹乱するね

せっかくだったらお金なんかじゃなくて
もっとステキなものの方がいいな
例えば、こんな感じの花吹雪とか!

攻撃を避けながら、花の精霊に黒兎さんの隙を見出してもらって、
全力魔法を乗せた《エレメンタル・ファンタジア》で
「花」の「竜巻」を起して黒兎さんを吹き飛ばすよ!

※アドリブ・連携・歓迎です!



 尋常ではない衝撃によって吹き飛ばされた黒兎。
 彼女のパワーによって維持されていた茨の迷路が消滅し、アリスたちは解放された。
「貧困層が、調子に乗るんじゃ無いぞ。私は時間をいくらでも買うことが出来るんだ」
 札束をライターの炎によって燃やし、自身の時間を大幅にクロックアップさせる黒兎。
 アリスたちを翻弄するかのように走り回り始めた。まるで目にとまらない速度だ。
 その様子にフィオレッタ・アネリは目を細める。
「『時は金なり』って言うしねぇ。さすがはアリスラビリンス、って感じ」
 でも、とささやき大きく跳躍。
 精霊の力を纏って飛翔し始める。
「わたしの時間はわたしのもの。お金なんかじゃ譲ってあげないからね」
「私に買えない時間はない!」
 超高速で通り抜ける黒兎。
 直撃コースの蹴りをフィオレッタは精霊の力でガードするが、すぐにターンしてきた黒兎の蹴りによって徐々に削られていく。
 どこから襲ってくるかまるで見えない。見えないけれど……。
「アリス、お願い」
 パチンとフィオレッタが指を鳴らすと、アリスの呼び出した花精のささやきがフィオレッタの意識に接続された。
 膨大な情報量が流れ込み、まるで時間を引き延ばされたように錯覚する。
 フィオレッタは情報を極限まで絞り込み、色や空間や感覚といったものを排除していった。
 モノクロの世界で黒兎が走る軌道が見える。
 8の字を描いてターンするさま、その一瞬先の未来。
 計算による先読みをしたフィオレッタはグーにした手をぴたりとつきつけた。
「――っ!?」
 まさかとらえられると思っていなかった黒兎は空中でブレーキをかけてのけぞった。たった一瞬のことである。だがその一瞬が、フィオレッタには無限のようにすら思えた。
「せっかくだったらお金なんかじゃなくて、もっとステキなものの方がいいな。例えば――!」
 黒兎の足下から風が舞い上がり、あちこちに散っていた薔薇が再生。
 フィオレッタの魔力に応じて膨大な竜巻となり、黒兎を包み込んだ。
 離脱をはかろうとする黒兎も、完全に取り囲まれた状態ではなすすべがない。
 フィオレッタが握っていた手をぱっと開けば、花の嵐が開いたように舞い散っていく。
 あとに残されたのは、激しいダメージをうけた黒兎だった。
「こんな、花吹雪とかね」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイシャ・ラザフォード
POW
アドリブ等歓迎

時間停止魔法、とても興味深い
他では見たこともない代物、私の研究に役立つかもしれない
お金で買った? そうだとしても、機能するには理由があるはず
それはどういう論理(ロジカル)で動いているの?

時間を買い取ったあなたは自在にそれを操れる
けれど、周囲との相違はどうなる?
どこまで大規模に時間を操ろうと、世界全体の時間は動き続ける
なら、どこかで微かなズレが生じるはず……はず。

上手くズレを突けたなら、時間を止められたフリをして【サイキックブラスト】を撃とう
予想しないタイミングでの雷撃なら、流石のあなたでも止められないだろうから

GG(グッドゲーム)……感謝を。とても有意義な『時間』だった



 傷だらけでよろめくように着地する黒兎。
 槍や剣を構えて取り囲むアリスたちに、黒兎は頬に流れる血を親指でぬぐって笑った。
「この程度で私に勝ったつもりかな? まだ私は資産の半分しか使っていない。まだまだ加速できるんだ」
 両手に取り出した札束を魔法で燃やし尽くすと、さらなる加速をかけて周囲のアリスたちを蹴り飛ばし始めた。
 なすすべも無く顔面に蹴りを受け――そうになった所で、テレポートしてきたアイシャ・ラザフォードの手が黒兎のつま先を受け止めた。
「時間を買い取る術式……なるほど興味深い。どういうロジック? 金と時間の間には何があるの?」
「……放せっ!」
 もう一方の足で蹴りつけることで逃れようとする黒兎。
 その動きを予め予測していたアイシャは黒兎を足ごと突き飛ばすようにして回避し、二メートルほどの距離をとった。
 ハンドサインでアリスたちを遠のかせると、その手で今度は黒兎を指さした。
 『相手になるぞ』という挑発のサインである。
 ギリギリと歯を食いしばる黒兎。
「私の姿をとらえられもしないくせに、君に払える資産などたかが知れているだろうに……!」
 アイシャを翻弄するように彼女の周りをぐるぐると走り回る黒兎。対するアイシャはあえて目で追うこと無く、どころか目を閉じてしまった。
「あなたには三つ、矛盾がある」
 立てた三本指。
「ひとつめ。仮に時間を購入できるとしてなぜあなたの肉体だけが加速する?」
 折り曲げる中指。
「ふたつめ。あなたの声は正しく届いているのはなぜ? あなただけが加速するなら声も加速して伝わるはず」
 折り曲げる親指。
 最後に立った人差し指を、自らの死角へと突きつけた。
「結論。あなたが買っているのは厳密には時間じゃない。買っているのは『結果に至るまでの所要時間』」
 死角から繰り出される黒兎の拳。
 突きつけられた指に驚きの表情を見せるも、アイシャは構わずサイキックブラストを発射した。
「がっ……!?」
 いかに札束を燃やしたとて、電撃よりも早く動けはしない。
 黒兎は激しくけいれんし、衝撃によってはじき飛ばされた。
「GG(グッドゲーム)……感謝を。とても有意義な『時間』だった」

大成功 🔵​🔵​🔵​

植田・碧
時は金なりと言いますが……全てがお金で解決できるわけではないことを
ここで証明してあげましょう

見切りと第六感を駆使して敵の攻撃はアリスを守ることも意識しながら紫微垣と三日月で対応させてもらいます
敵の動きに慣れてきたらAnticipate an attachで反撃を開始します
射撃は苦手ですが……これだけ近ければ外すことはないでしょうっ

アリスには武器の貸出と私が敵の気を引きつけている間にスピードヲ活かしてヒットアンドアウェイで確実に攻撃を当ててもらいましょう



 黒い煙をあげ、地面を転がる黒兎。
「この……貧困層がこの私を、ここまで傷付けることがあっていいと思っているのか!」
 黒兎が地面を殴りつけると、地面をわって飛び出した無数のアタッシュケースが展開。札束を吹き上げるようにまくと、その全てを燃え上がらせた。
「全員だ。この場にいる全員を殺す。その結果を『購入』する!
 ……もちろん、恐怖と絶望を存分に味あわせてからだ!」
 凄まじい加速によってその場からかき消えた黒兎。
 植田・碧は刀を抜いて攻撃に備えるが、目で追えるような速度ではなかった。
「植田さん、どうしたら……」
 背中をあわせ、彼女から借りた拳銃『BlackShot』を両手で握るように構えるアリス。
「そうですね。強いて言うなら……『全てがお金で解決できるわけではないことを
証明してあげましょう』、ですかね」
 意図がわからず眉を寄せるアリス。
 茜は口の方端だけで笑うと、アリスの前に割り込むように反転移動しながら刀を振り込んだ。
 瞬間。黒兎の繰り出したハイヒールキックが弾かれ赤い火花を散らした。
「180度反転、射撃」
「は、はい!」
 植田の言うとおりに反転して拳銃を連射するアリス。
 突撃をかけようとしていた黒兎が銃撃を腕でガードし、驚いたような顔をして飛び退いた。
「こ、これは一体……」
「黒兎は行動の所要時間を買い取って圧縮しています。
 そして今求めている行動は絶望を味あわせて殺すこと。
 これまでの動き方から考えるに、『スピードに任せて死角から接近し攻撃する』をとにかく繰り返すつもりでしょう。
 けどそれが分かっていれば、予め動くことができます」
 アリスと共に踊るように回り、黒兎の連続攻撃を二本の刀で打ち払っていく植田。
「今です、銃をこちらに――!」
 ここぞというポイントで刀を突き出すと、刀身が黒兎の腹を貫いた。
 刀を手放し飛んでくる拳銃をキャッチ。と同時にホルスターからもう熱線銃を抜いて至近距離から連射した。
 燃え上がる黒兎。
「嘘だ、こんなにお金が、あるのに……!」
 手を伸ばした黒兎は燃えかすの紙幣だけを掴み、ぐらりと仰向けに倒れたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年06月30日


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#アリスラビリンス


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はニィ・ハンブルビーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト