極彩色に放たれる黒き少女
●不思議の国の花畑
綺麗に咲き乱れる色とりどりの花々。花畑の中央には黒いパーカーを来た少女が一人。しかし短い悲鳴が聞こえた後、花畑は赤一色に染まった。
●グリモアベース
「さて猟兵。さっそく新世界に関する予知だ。グリモアベースと繋がった途端、その世界に関して予知ができるようになるんだから不思議なもんだな」
エコリアチ・ヤエ(悪魔の呼び声・f00287)はグリモアベースで集まっている猟兵たちに声をかける。
予知がされたのはアリスラビリンスの世界。いくつもの小さな不思議の国が繋がって出来ている複合世界だ。今回事件が予知されたのはそのうちの1つの国。
その国は綺麗な花々が咲き乱れる美しい世界なのだが、すでにオウガと呼ばれるオブリビオンたちに支配されていた。
本来美しく咲く花の一部はオウガに支配され、凶悪な人肉植物へと改造されている。その中に一人のアリスが迷い込み、食い殺されてしまう事件が見えたのだ。
「このアリスってのは通称のようだな。ユーベルコードが使える一般人だ」
今回予知に見えたのは高校生ぐらいの年頃の少女。黒のホットパンツに黒いパーカーを着ておりフード部分には猫耳がついている服装だという。
「アリスという人間はオウガが食べるために呼んでいるらしい。だが呼ばれた拍子にユーベルコードが付与されることと、記憶が曖昧になることが分かっている」
なぜ自分がこのような場所におり、花畑を彷徨っているのか本人は把握が出来ずに居る。服装からしてUDCアースから呼ばれた人間だろう。記憶が曖昧になっているが、どうにもこのアリスは精神的にムシャクシャしている状態のようだ。
「まずは人食い花畑に迷い込んだアリスを助けてやってくれ。なぜムシャクシャした状態なのかなどは助けながら聞き出せば判明するだろう」
アリスは人食い花畑から助けてくれる猟兵のことは信じ、従ってくれることだろう。
「花畑の後は間違いなくオウガがアリスを狙い襲ってくる。アリスを助けてやれば、アリスは自分で帰るための扉を見つけることができる。なんとか家に返してやってくれ」
よろしく頼んだぞ。そう事件を託し、エコリアチは転送ゲートを開き、猟兵たちを送り出すのであった。
鬼騎
第一章:花畑大乱闘(花は猟兵からすれば激弱)
第二章:オウガ集団戦
第三章:オウガボス戦
以上です。UDCアースから迷い込んだであろうアリスを助けてあげてください。よろしくおねがいします。
第1章 冒険
『食欲旺盛なお花畑』
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POW : 食人花をなぎ払いつつ助けに行く
SPD : 道具などを駆使して助ける
WIZ : 巧みに指示を出して脱出させる
👑11
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草野・千秋
新しい世界とはアリスでしたか
童話は子どもの頃よく読みましたが
アリス・イン・ワンダーランドなんて
平和なわけにはいかないようで?
アリスを囲む花もここでは食人花
花は美しく優しく咲き誇るべきなのに
気を引き締めていきますよ!
POW
UCと範囲攻撃で食人花をなぎ払い
武器改造で銃に炎属性を付与
邪悪な花は徹底的にお掃除ですよ?
オウガに支配さえされなければ
本来は綺麗な花だったんでしょうね
……可哀想に
と思いつつも食人花を徹底的に駆除
アリスの方、大丈夫でしたか
見たところ僕と同じ世界
UDCアース出身のようですが
良ければなんでムシャクシャしていたのか
お聞かせ願えませんでしょうか
差し支えのない
出来る範囲内で構わないので
「アリスの世界ですか」
草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)は周りを見渡す。
綺麗に咲き誇る色とりどりの花畑。その様子を見て、千秋は童話であるアリスは幼い頃よく読んだと思いふける。
「でも僕が呼んだアリスはもっと平和でしたね」
少なくともアリスを食べる食人花なんてものは登場しなかった記憶がある。
そんな事を考えながら辺りを見渡していれば視界に入る黒い塊。件のアリスだ。
花畑の中に突っ立っている後ろ姿が確認できた。
「気を引き締めていきますよ!」
アリスの元へと駆け始めればアリスの元へといかせまいと食人花は千秋へと牙を向き襲いかかる。
しかし手に構えるのはordinis tabes。炎属性を付与されたそれは火炎放射器のごとく襲いかかってくる花を燃やし尽くしていく。
「可哀想ですが……」
オウガに支配されていなければ綺麗な花として咲き誇れていたであろう花々に申し訳ない思いを寄せながらも、今はアリスを優先しなければならない。
千秋は武装を全て展開し、ユーベルコードをアリスに当たらない全方位に向け一斉発射を行う。
「っ…!?」
ぼうっと花畑の中に立っていたアリスはようやっと騒動に気が付き、千秋の方へと振り返る。
気づかれたが最後、花々はアリスを獲って喰らおうと牙を剥いたが遅い。
一気に詰め寄った千秋によって花々は焼却され、アリスは難を逃れた。
「アリスの方、大丈夫でしたか」
「あ、あぁ、うん……」
自分の身が危険だったことは把握できているようだが、アリスの答えは煮え切らない。助けられたことに感謝はしているようだが、そわそわと、あるいはイライラとしてるかのような態度である。
「何か……ムシャクシャとしているようですが、どうしてなのかお聞かせ願えませんでしょうか?」
千秋は、もちろん差し支えのない範囲でと言葉を添える。
「……あたしにもよくわかんないよ。よく思い出せない。でも、自分に対してのような、他人に対してのような、イライラした感情を感じるんだ」
猫耳が付いたフードを被りぎゅっと顔まで隠すようにひっぱった。
しかし次の瞬間、千秋はアリスの次の言葉より早く行動を起こし辺りを見渡す。
気がつけば辺りには食人花の群れ。地面を見やればどうやら根っこごと移動してきたことが伺い知れる。
「ではアリスさん、色々と考えてみてください。自分は誰で、ここに来る前に何があったのかを」
千秋は武器を構えた。他の猟兵たちが駆けつけてくるまでの間、アリスを守る決意を固めて。
大成功
🔵🔵🔵
ウルフシャ・オーゲツ
ふっふっふ、わかっておるぞヤエ殿、極彩色な黒、つまりうちのことであろう?
……なに、違う?
た、ただの冗談じゃ、さて黒猫アリスのお嬢さんを助けるかの。
お菓子っぽい甘い香りを身にまとい、颯爽と少女の元に現れ危機を救って得点(?)アップじゃ!
「よいか少女よ。一見、近づけばなすすべなく食われてしまいそうなこの食人植物じゃがな」
単純なこと、相手より大きく口を開ければ良い。
「逆に食えば良い。意外とうまいでな」
この食人植物が今まで何を食べていたのかを想像してしまったあなたは正気度チェックしそうじゃが、食えるものは食うべきじゃろう。
「ほれ、食べやすいように切り分けておいたぞ」
「どうした、食わぬのか?」
にっこり。
「ふっふっふ、わかっておるぞヤエ殿、極彩色な黒、つまりうちのことであろう?」
確かに間違ってはないだろう。グリモア猟兵の呼びかけにより、このアリスラビリンスの地に降り立ったのはウルフシャ・オーゲツ(しょしんしゃ・f00046)。
色も柄も華やかな衣装を身にまとった褐色肌の少女だ。
「……なに、違う?」
送り出された瞬間、グリモア猟兵の否定の声が聞こえた気がしなくもないが今はもうそれどころではない。
「あれじゃな! さて黒猫アリスのお嬢さんを助けるかの」
目の前に見えるのは黒猫パーカーを着たアリスと、アリスと守る一人の猟兵が食人花に囲まれている様子だった。
「ここでさっそうと現れ危機を救ったうちの内申点はアップ間違いなしじゃ!」
ふふん、と鼻を鳴らしさっそくアリスのもとへと向かうウルフシャ。しかし道中何やら見てはいけない光景が繰り広げられる。
この少女、本当にこのままアリスのもとへと向かうのだろうか。
「よいか少女よ」
結局のところ、そんな光景を繰り広げながらアリスの元へと駆け付けたウルフシャ。ウルフシャを見るアリスは唖然とした、あるいは驚愕した表情をしている。
「一見、近づけばなすすべなく食われてしまいそうなこの食人植物じゃがな」
ぐわっと大口を開けたウルフシャはそのまま近くにいた食人花をムシャリ。
「逆に食えば良い。意外とうまいでな」
ぶちゅ、という音を立てながら咀嚼される食人花にアリスは思わず目をそらした。
そう、アリスの元に駆け付けるまでの間、なんとウルフシャはかたっぱしから食人花をむしゃむしゃと食べ散らかしてきたのだ。
この状況、深く考えないのが吉だとアリスの本能が訴えていた。
「ほれ、食べやすいように切り分けておいたぞ」
「っひえ!?」
いつの間にか食べやすい一口サイズに刻まれた食人花。切り口から滴る汁は赤い。しかもなんだかウルフシャからは甘い菓子のような香りまで漂ってくるから脳みそは大混乱である。
「どうした、食わぬのか?」
にっこりと微笑みながらえげつないものを勧めてくる猟兵に対してアリスは全力で首を横に振る。
こんなに個性が強い人がこんなに自由な笑顔を浮かべてられるものなのだな、などとアリスは頭のどこかで考える。
どことなく今抱いている感情がどんなものだったのか、思い出せそうな気がした。
大成功
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天乃河・光
綺麗なバラには棘がある、というけれど……些か過剰じゃないかな?
まあいいさ。無粋な植物は刈り取ってしまえばいいんだからね。
こんなことに使うのもどうかと思うけど、可憐な『アリス』が危ないからね、時間が惜しい。【ラディアント・ブレイブ】で『輝剣サザンクロス』から光の刃を横薙ぎに。一気に刈り取らせて貰うよ!
それにしても、あの服装、かわいい。……っとと、いけないいけない。
やあ、初めまして子猫ちゃん。そんなにカリカリしてどうしたんだい?
はは、ごめんごめん。おちょくってるわけじゃないよ、性分でね。怒らないでくれると嬉しいよ。
「綺麗なバラには棘がある、というけれど……」
天乃河・光(アリス適合者の王子様・f19385)は食人花の花畑を見て少しばかり眉をひそめる。
綺麗な薔薇には棘があるとはいうが、些か過剰なようだと光は思う。せっかくの美しい花畑が台無しだ。
だが光は考え直す。無粋な植物は刈り取ってしまえば良いのだと。
眼前に見えているアリスの元にたどり着くには手前に大量の食人花が立ちふさがる。
「あのアリス、随分とかわいい服装を着て……っといけないいけない」
いくら他にも猟兵が居るとはいえ、可憐なアリスの危機だ。花畑や服装などに気を取られている場合ではない。
光はユーベルコード、ラディアント・ブレイブを発動。
星々の輝きと共に豪華絢爛な王子服姿に変身し、手にした輝剣サザンクロスが光り輝く。光は輝剣サザンクロスで食人花を横薙ぎにし、地を蹴った。
剣から放たれた光の斬撃とともに宙に浮いた光の身体は殲滅させた食人花の上を飛び越え一気にアリスの元へと駆けつける。
「やあ、初めまして子猫ちゃん」
「は、はぁ?!」
アリスは訝しげに光を見返す。助けてくれたことに対しては感謝しているが、声のかけられ方が解せないといった様子である。
「っと、ごめんごめん。おちょくってるわけじゃないんだよ、性分でね。それにしてもそんなにカリカリして何かあったのかい?」
「え……っと、その……」
アリスは一度言い淀むが、不思議と話ても良いかという気持ちになっている。
それは助けられた安心感からか、あるいは全てを受け止めてくれそうな光の雰囲気のおかげなのか。
「あたしは、苛ついてたんだ……周りや、親が求める"普通"ってやつが嫌で」
周りの誰かと比べられる自分という存在。
「なんであたしは周りと"一緒"じゃないのかって」
同じになることなど有り得ないとわかる苦痛。
アリスは、自分という存在に対してどうにもならない憤りを感じているのであった。
大成功
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ハヤト・ノーフィアライツ
POW分野で行こう。
アドリブ・連携も歓迎さ。
いやぁ。いっそ清々しいレベルでおじさん浮くな。
ま、いいや。お嬢さんを助けに行きますかね。
現着と共に指定UCを発動、ファルコン・フォース40機を召喚。
「ファルコン・フォース、スクランブルだ!」
自分は宇宙バイク【グランド・ファルコン】に【騎乗】して、毒草共を蹴散らしながら突っ込むぜ。
【戦闘知識】を生かして、彼女を【かばう】ような布陣を取りつつ、
他の連中の動きも見ながら脱出だな。
あとはまぁ、【コミュ力】を生かして軽口を叩いてみるかどうかかね。
「よう、お嬢さん。後ろ乗ってくかい?」
「いやぁ。いっそ清々しいレベルでおじさん浮くな」
ハヤト・ノーフィアライツ(Knight Falcon・f02564)は転送され、色とりどりの花が咲く花畑を前に己のおかれている環境を考える。
32歳、スターライダーであるハヤト。隼の名を持つ宇宙バイク、グランド・ファルコンにまたがり花畑に居る様子は中々にシュールであった。
しかし、いくら嘆いたところで似つかわしくない場所に居ることは変わらない。
「ま、いいや。お嬢さんを助けに行きますかね」
眼の前には他の猟兵に守られながらも、まだ花畑から脱出が叶わないアリスの姿。
転送されてすぐの状態だがハヤトはすぐさまユーベルコードを発動する。
「ファルコン・フォース、スクランブルだ!」
ハヤトの周りに召喚されるのは戦闘機や戦闘車両など、様々な戦闘用の乗り物から変形した1Mほどのロボットたちが召喚される。
それぞれのロボットたちの身体には『1』という刻印がされており、それぞれのロボットが合体することで強化される仕様となっていた。
40体もの召喚されたロボットたちはそれぞれ広範囲に渡る食人花を蹴散らしやすい構造になるよう合体。
各個ロボットたちが搭載された銃火器や本体の形状などを利用し食人花を蹴散らしていく中、ハヤトはグランド・ファルコンを操り花畑を駆け抜ける。
アリスの眼の前で食人花からかばうようにバイクを止めたハヤトは開口一番、アリスに問いかける。
「よう、お嬢さん。後ろ乗ってくかい?」
それはただ格好つけるわけでもなく、まるで友人にでも話しかけるかのように自然と問いかけられたセリフ。
アリスはそんなハヤトの態度につられるように、うなずいた。
アリスがハヤトの後ろにまたがれば瞬く間に食人花が蔓延る花畑から脱出成功だ。
「さて、アリスとやら。あんたはこれから恐らくもっと恐ろしい存在に襲われるだろう」
花畑から遠ざかった位置で、ハヤトはアリスに再び話しかける。
「そいつらは俺たちが倒してやるが、自分が家に帰れるかどうかは、あんた次第だ。アリス」
なぜ彼らは自分のような娘一人を危険な目にあってまで助けてくれるのだろうか。アリスは感謝すると同時に、己の価値に関してかねてからの疑問が噴出するのであった。
大成功
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第2章 集団戦
『グリードキャタピラー』
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POW : キャタピラーファング
【無数の歯の生えた大口で噛みつくこと】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 脱皮突進
【無数の足を蠢かせての突進】による素早い一撃を放つ。また、【脱皮する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 汚らわしき蹂躙
全身を【表皮から溢れる粘液】で覆い、自身が敵から受けた【敵意や嫌悪の感情】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
👑11
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「あたしなんかが帰ったところで、誰も喜ばないよ……」
人とは違う感性、人と同じを求められることへの苦痛。
アリスが帰る意志を持たねば元の世界へ戻るための扉は見つからないだろう。
しかし迷うアリスにオウガの群れは容赦なく襲いかかる。2メートルほどのサイズがある巨大な芋虫がアリスの元へと這い寄ってくるのであった。
草野・千秋
アリスの方、そんなに悲観しないで下さい
人はそれぞれ違って当然なのです
それは個性とも呼びます
僕は両性愛者ですが
特に虐げられる事無く過ごしてきました
……周りの人よりけりですね
UDCアースも危険に満ちた世界ですが
アリスラビリンスの狂った世界より
マシかもしれません!
そんなあなたを守り抜きます!
(変身)
断罪戦士ダムナーティオー!推参!
武器改造による
アサルトウェポンとヒーローソードの
チューニングを前もって行いますよ
2回攻撃を主軸に戦闘を行います
敵を怪力で持ち上げ投擲で投げる
仲間が傷つきそうならかばう
お怪我はありませんでしたか!?
ダメージを受けたとしても
激痛耐性と盾受けで耐えてみせる
この程度の傷ッ……!
食人花の花畑を抜けた先、森に囲まれた広場へと出てきたアリスと猟兵達。
「アリスの方、そんなに悲観しないでください」
21歳である草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)だが、さほど年の離れていない少女であるアリスよりも達観した様子で語りかける。
「人はそれぞれ違って当然なのです。それは個性とも呼びます」
僕も人と違う個性があるとアリスに向かい説明する。千秋は己がセクシュアル・マイノリティーであることを例にあげる。
「あなたはこれから大人になり、もっと別のコミュニティへと所属していくことができるでしょう。僕のような者でも虐げられない、理解してもらえる環境が必ずあります」
自分が今までそうであったように。だからこそ確信を持って言えるのだ。
「――それに」
千秋はふわりとアリスに対し微笑み、次には真剣な表情で辺りを見渡す。周囲の様子に違和感を覚え、素早くアサルトウェポンとヒーローソードを両手に構えチューニングを行う。ほどなく周辺の森から現れたのは鋭い牙を剥く巨大な芋虫の形をしたオウガだ。
「元いた世界も貴女からしたら苦しくて危険な世界だったかもしれませんが、この狂ったアリスラビリンスの世界よりマシかもしれません」
千秋は敵を見据えたまま変身ベルトを用い完全戦闘形態へと変身。オウガからアリスを庇う位置へと移動し武器を構える。
「断罪戦士ダムナーティオー! 推参!」
弱きを助け悪を挫くヒーローを目指す者として、必ずやアリスを守ることを心に誓い敵に向かって駆けていく。走る速度はそのままに距離がある場合は弾丸の雨をふらし、敵に近づけば剣を突き立て敵を確実に仕留めていく。
しかし敵の数は多い。全速力で突進してきた一匹のオウガが千秋へと突進し千秋の態勢を崩す。
その勢いのままアリスへと向かおうとしたこのオウガを千秋は不安定な態勢のまま剣を突き立て、その怪力で突き刺した剣でオウガの身体を持ち上げる。
「ぉおおおお!!」
一度浮いてしまえばこちらのもの。地から脚が離れたオウガを敵集団へと放り投げ敵の進行も妨害する。
「どれだけ傷つこうとも、絶対に守り通す!」
千秋はオウガの前へと立ちはだかり、敵を屠りアリスを守り通していくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ハヤト・ノーフィアライツ
…おじさんも大概だと思ったが、こいつも大概だな。
ま、いいさ。害虫は駆除しなきゃな。
アリスのお嬢さんにいい事を教えてやろう。
…喜ぶか喜ばないか、決めるのはお前さんじゃないんだぜ。
そして、悲しむのもお前さんじゃあないんだ。
ま、ここじゃ、自分の居場所を探しに行くことも出来ないしな。
帰ってみりゃあいい。どうせここには、何もないんだ。
先程展開した【ファルコン・フォース】にアリスを【かばう】よう指示。
【戦闘知識】で敵の動きを予測して【早業】で回避しつつ、
【範囲攻撃、鎧無視攻撃、誘導弾、一斉発射】を駆使して指定UCを発動。
芋虫共を一気に叩く。
回避が困難な場合は【武器受け、激痛耐性】で耐える。
アドリブ連携歓迎
「……おじさんも大概だと思ったが、こいつも大概だな」
まぁいいかとハヤト・ノーフィアライツ(Knight Falcon・f02564)は気持ちを切り替える。害虫は駆除しなければならないのだ。
ハヤトはバイクからアリスを下ろし、語りかける。
「アリスのお嬢さんにいい事を教えてやろう」
アリスが帰る事を喜ぶか喜ばないかは、決めるのはアリス自身ではないということ。そしてもし帰らなかった時、悲しむのもアリスではない、他の誰かだということを。
それを伝えるとアリスは俯き、考え込む仕草をする。
「ここじゃ、自分の居場所を探しに行くことも出来ないしな」
ここは不思議の国。他の人間がいない世界ではアリスが悩む居場所というものは探すことは難しいことだろう。
「一度帰ってみりゃあいい。それでどうにもならなかった時はまたその時に考えてみようぜ?」
ハヤトはアリスに向かいウインクを飛ばし、笑いかける。
そのおどけた様子にアリスは苦笑いを浮かべた。命をかけて守ってくれるだけでなく人生の相談にまで乗ってくれる彼らはいったいどんな人たちなのだろうか。
詳しくは知らない相手だが、アリスは猟兵たちの行動を見て、信用に足ることは十二分に理解していた。
「ま、人生色々とあるが、生きてなきゃ何もできやしねぇ。まずはこの場を生き延びることを考えなきゃだな」
先程花畑で展開し、一緒に移動をしていたファルコン・フォースにはアリスを敵から庇うように指示。現在他の猟兵によりアリスに向かってくるオウガは堰き止められているが、やがて他の方向からもオウガが向かってくる姿が見えてくる。
「行くぜ、グランドファルコンッ!」
新たに向かってくるオウガの群れへと宇宙バイクの進行方向を変えたハヤトは一気に加速。
先行している数体のオウガをファルコン・ショットで仕留めながら宇宙バイクで接近。オウガの群れの眼前で宇宙バイクから飛び降り、ハヤトは叫んだ。
「チェェェェンジッ!! シューティングフォーメーションッ!!」
すると宇宙バイクは金属音を立てバイク形態から砲撃形態へと変形。内蔵されていた武装を一気に展開。
砲撃形態のグランドファルコンは眼前のオウガの群れへと一斉射撃を放ち、見事敵を一掃するのであった。
大成功
🔵🔵🔵
天乃河・光
台詞削り・アドリブ・連携歓迎
君がどうしてそんなことを思ったのか私は知らない。
けど、諦めるにはまだ早いよ。君の帰還を喜ぶ人は必ずいる。今だけじゃない、未来にはもっと沢山ね。
もし、君に僅かにでも未練が残っているのなら、一度だけでいい――君の未来を信じる、私を信じてみないか?
続きは後だね。ここからはオウガ退治の時間さ!
正直な話、私も虫は得意じゃないからね。
必要以上に嫌悪感を抱かないように、直接斬りつけるのは避けて行くよ!
後ろにはアリスがいるからね。
勇気は十分、嫌悪はあれど、怯むことはない。
行くよサザンクロス!
猟兵たちがオウガを堰き止めている中、いまだ元の世界へと帰る決意が固められずにいたアリス。そんなアリスを見て、天乃河・光(一等星・f19385)はアリスの肩に手をかけた。
「君がどうしてそんなことを思ったのか私は知らない。けど、諦めるにはまだ早いよ」
光は真剣な表情でアリスに語りかける。中性的な顔立ちの光に見つめられているアリスはごくりと喉を鳴らす。
他の人からも感じたまっすぐな、信じているという力強い視線をアリスは感じる。
「君の帰還を喜ぶ人は必ずいる。今だけじゃない、未来にはもっと沢山ね」
戻らなければ会うことがない、未来に出会うはずだった人たち。それがどんな人たちかはわからないが、必ずそんな人たちが居ることだろう。
アリスは未来と言われ想像する。今が駄目でもこれから先受け入れてくれる人が出来た時、自分はどうなるのか。どう感じるのか。
しかしアリスは確信がもてない。今の自分に自身がないのだ、未来の自分に自身が持てるはずもなく。しかし光はふわりと微笑み、アリスに語る。
「もし、君に僅かにでも未練が残っているのなら、一度だけでいい――君の未来を信じる、私を信じてみないか?」
アリスは光の言葉に軽く頷く。大丈夫、この子はもう前を向き、少しずつ歩み始めている。そう光は確信する。
「さて、続きは後だね。ここからはオウガ退治の時間さ!」
正直な話、光は虫があまり得意ではない。だというのに目の前のオウガは虫な上に巨大サイズだ。嫌悪感を感じずにはいられない。
しかし光はその勇気をもって怯むことなくオウガへと立ち向かっていく。
「行くよサザンクロス!」
光は輝剣サザンクロスを手に構え、オウガに向かって走る。剣の間合いよりも遠い位置で剣を振るえば剣から光り輝く斬撃が飛びオウガたちを斬り刻んだ。
後ろにはアリスが控えている。一匹たりともオウガを通さぬよう迫りくるオウガたちを他の猟兵たちと連携しながら次々と撃破していく。
またこの戦いがアリスに対し、こんなにも貴女を守ってくれる人たちが居るのだという意思表示にもなることを祈り。
迫りくるオウガの群れも勢いが衰え始めた。勝負の時はもう近い。
大成功
🔵🔵🔵
ペコー・フラワリー
ペコーが来ました。
急いで来たのですか少し間に合わなかったみたいです。
見た目の通りペコーは戦闘は苦手です。
出来ればサポートに徹したいですね……上手くやれると良いのですが。
ペコーは攻撃します。
UCであの虫たちには生まれたての状態に戻ってもらいます。
はい。戦闘力を奪うことによる敵の無力化です。それが出来れば周りの猟兵の皆様の助けになると思います。
ペコー自身は対して強く無いので他の方に活躍してもらいます。
その間ペコーは紅茶を飲んで待機しています。
UC使用中に敵が突進してきたらジャンプで回避します。
ペコーはジャンプが得意なのです。
ウルフシャ・オーゲツ
妙なことを言うのうお嬢さん
同じ人などどこにも存在せぬというに
少なくともここにおる皆はお主が生きて無事に帰ることを望んでおるよ
ちなみにこの芋虫もなかなかな珍味なのじゃが
別のアリスに勧めたが誰も食うてくれなんだ
お主はどうじゃ
だめか?
そうか
なに、ならば十分普通ではないか
悩みすぎじゃよ
それに、同じことを求められることが苦痛なら
元の世界に戻った後に旅に出るとよい
この世界よりはよっぽど安全で楽しいぞ
一か所に居なければならない
そこに居なければだめ
等と思い込むから閉鎖的な考えになるかもしれぬぞ
さぁ旅をしよう
そのための扉はきっと近くにあるじゃろうて
(深く考えずに勢いでしゃべる、改変丸々変更等なんでも大丈夫です。
アリスが戦う猟兵たちの背を見守る中、アリスの近くに来た猟兵たち。一人は今しがたこの現場へと到着し、一人は迫りくるオウガと戦っていたところを切り上げアリスに近づいてきた猟兵だ。
「ペコーが来ました。急いで来たのですが、少し間に合わなかったみたいです」
ペコー・フラワリー(遅刻常習犯・f19807)はすでに戦闘が始まっている状態を見て、あちゃーといったポーズをとる。
しかしペコーの口調はさほど焦った様子がなく、焦っている様子はどうやらフリであることが見て取れた。
「それにしても妙なことを言うお嬢さんじゃの」
ウルフシャ・オーゲツ(しょしんしゃ・f00046)は不思議だな、という表情でアリスを見る。同じ人などどこにも存在するはずがないのに、他と違うことを比べようとするのはウルフシャにとって疑問でしかないのだ。
「少なくともここにおる皆はお主が生きて無事に帰ることを望んでおるよ」
アリスは見ず知らずの、己ですら何処の誰だか記憶があいまいになっているような小娘。その存在を肯定してくれた人たち。
命を張って助けてくれる人たちの背中を見ている。今現在それを身をもって実感している最中であり、ここで助けてくれる彼らの信頼を無下にしてしまっては、人としていけない気はしていた。
「アリスさんを無事におうちにお届けするために、皆さん戦っています。でも見た目通り、ペコーは戦闘は苦手です。それでも、ペコーにもできることはあります」
まだ幼い見た目のペコーは手にしている時計仕掛けのウサギ時計を見つめる。
すると時計は急速に逆回転をはじめ、その不思議な現象はその場に残っていたすべてのオウガの肉体へと影響を及ぼし始めた。オウガの肉体が時計の逆回転に合わせるように急速に縮み始めたのだ。
オウガが縮み始めたのはペコーのユーベルコードの効果だ。戦闘力が無くなる年齢まで若返らせることができる能力であり、オウガは通常の芋虫サイズまで縮み切ってその肉体の変化は止まった。
「ぉわー!? せっかく食べ応えのあったビッグサイズがぁあ!?」
アリスや他猟兵がその現象を見守る中、ウルフシャは驚きというより悲しみの声を上げる。そのウルフシャの口元は何かの汁が付着していた。
「はぁ……なかなかの珍味なのじゃったが……あ。アリスのお嬢さんも良かったらどうじゃ? 食べるのならばあのサイズでも採ってくるのじゃが」
オウガが片付けられれば確かに問題はないのだが、アリスはウルフシャの申し出に対し、全力で首を横に振る。
「だめか。他のものにも勧めたが誰も食うてくれなんだ。お嬢さんも十分他の者と同じようなのじゃ」
比べる根本的な問題が相当ぶっ飛んではいるものの、ペコーもあえてつっこまず水筒で持ち込んだ紅茶をのみながらその会話の様子を見守っている。
すべてのオウガの無力化が完了し、この場の安全は確保済みとなった。
あとはアリスが家に帰るための扉を見つけるための意思をもたなければ先へ進むことができない状態であるのだ。
「元の世界に戻った後、良かったら旅に出るとよいのじゃ。同じ場所にとどまり考えが閉鎖的になるぐらいなら、一度飛び出してみれば他の何かが見えてくることだってあると思うのじゃよ」
ぐるぐると悩みすぎて精神を病んでしまうぐらいならダメ元で行動を起こしてみることを笑顔ですすめるウルフシャ。
今もこの場にとどまっていても何も起きやしない。むしろさらなるオウガが送り込まれ状態は悪化していくことが目に見えている。
「さぁ、今からでも旅をしよう。そのための扉はきっと、お嬢さんの近くに存在しているのじゃろうから」
アリス本人にしか見つけられない元の世界へと帰るための扉。
人生という旅路。いまも元の世界から旅行に来ていたと思えばなんということはない。次の道へ進むための道中は、ここにいる猟兵たちが必ずや守ってくれる。
アリスは服の裾を握りしめ、顔をあげ、前を向く。
不思議と先ほどまでは感じられなかった扉の存在を感じ、その方向へ向かい一歩踏み出したのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『チェシャ猫』
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POW : キャット・マッドネス
【殺戮形態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : チェシャ・スクラッチ
【素早く飛び掛かり、鋭い爪での掻き毟り攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : ストレンジ・スマイル
【ニヤニヤ笑い】を向けた対象に、【精神を蝕む笑い声】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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アリスが向かった先は森の中。アリスはぽつりぽつりと思うことを口にし、猟兵たちに相談しながら歩みを進めていく。
まだどうすればよいかはっきりはしない。それでも戻ってみなければ行動することもできない。
私は私なのだと、しっかり伝えてみたい。共有はできなくても、理解はしてもらえるかもしれない。
そのようなことを話していると、突然目の前に現れたのはUDCアースの一般民家にあるような普通の扉。それが森の中にポツリと立っていたのだ。
「キシャシャシャシャ。来たなアリス。お前の頭をかじり取ってやるニャ」
しかしその扉の前には1メートルほどのサイズをした化け猫の見た目をしたオウガが立ちふさがる。
アリスが無事あの扉を潜り、元の世界へと戻るために。
猟兵たちはこのオウガへと立ち向かうべく戦闘態勢へと移行した。
草野・千秋
あれが元の世界に戻る扉ですか……?
そうであるといいのですが、アリスの方
ここまでお守りしたからには
必ずや無事に送り届けてみせますよ!
ああ、なんて不気味なチェシャ猫でしょう
僕の読んだ物語はあんなのではなかった
(変身ベルトが唸り)
断罪戦士ダムナーティオーいざ参る!
戦闘は2回攻撃を主軸に
ヴァリアブル・ウェポンを命中重視で当てていく
怪力で持ち上げた敵を投擲で投げ落としたりも
武器改造で炎属性を付与し属性攻撃も
敵からの攻撃は第六感で躱すか
激痛耐性、盾受けで耐える
この程度の傷ッ!
お前に負けはしないぞチェシャ猫!
仲間がいて傷つきそうならかばう
お怪我は!?
無事にアリスの方を元の世界に戻すために!
「あれがアリスの方が元の世界に戻るための扉ですか……?」
草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)は森の中に現れた扉を見て、そう呟く。
アリスはその扉の正体に気がつき、猟兵たちに告げる。なんでもあの扉は自宅の玄関にある扉そのものだという。
「帰るための扉であれば良いと思っておりましたが、ほぼ確定のようですね」
しかしあの扉をくぐるためには、目の間に居る不気味なチェシャ猫、もといオウガが邪魔であった。
「ここまでお守りいたしました。ここで最後の戦場となるでしょう。必ずや無事に元の世界へと送り届けてみせますよ!」
体中に力が伝わっていることを確認するように変身ベルトtonitrus transformatioは唸り、光が走る。
「断罪戦士ダムナーティオーいざ参る!」
千秋は正々堂々、正義のヒーローとしてオウガに正面切って立ち向かっていく。
名乗りを上げ間合いを詰めながら、千秋はそのサイボーグの身体に内蔵された武器を展開。
チェシャ猫は爪を振るい応戦しようとする。しかし千秋はそれを横に飛び、転がって回避を行う。
起き上がると同時に地を蹴った千秋は一気にオウガへと肉薄。蒼銀に光る断罪の剣、gladius damanatoriusを突き立てた後続けざまに内蔵武器を用いて狙いを定め攻撃を仕掛けた。
動きながらの至近距離射撃はいくらか攻撃が外れるものの、ほとんどの攻撃がオウガの身体に風穴を開けていく。
「キシャシャシャ、うっとおしい猟兵ニャ。その存在けしとばしてやるニャ!」
オウガの身体は突如メキメキと変形し、筋肉が隆起するのが見て取れる。牙や爪もより鋭く変形。
これがこのオウガの殺戮形態である。しかしその筋力と引き換えに一時的にオウガは理性を失ってしまったようだ。
これをどう対処するべきかと思っていた千秋だが、オウガのぎょろりと赤く光る瞳は間近で動く千秋ではなく、後方で顔を覗かせ動いていたアリスへと注がれたことに気がついた。
「っ!? そうはさせません!!」
千秋はアリスとチェシャ猫の間へと身体を滑り込ませ、猛スピードでアリスに突貫しようとしたオウガを身をもって遮った。
目の前に現れた動く物体。理性を失ったオウガはその本能のまま千秋へと攻撃対象をシフト。
その鋭い牙で、爪で、肉体で千秋に攻撃を浴びせ始めた。
「この程度の傷ッ!!」
しかし千秋は一切怯んだりなどしない。アリスを守ると誓ったその心で痛みを堪え、時には攻撃をいなしていく。
オウガとの戦いは始まったばかりだ。だがアリスを元の世界へ返すため命を張る猟兵たちにとって、どのような相手だとしても関係はない。
猟兵たちはアリスを守りながら目の前のオウガへと立ち向かっていくのであった。
大成功
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ハヤト・ノーフィアライツ
心は決まったらしいな。
じゃ、俺たちの番だ。お前さんの【勇気】の後押しをさせて貰うぜ。
…全くデカイ口だな。童話にゃ詳しくないが、こんな化物もいるのかね。
ま、いいか。ここは通らせて貰うぜ、化け猫さんよ。
【戦闘知識】を駆使し、相手の動きとUCの使用タイミングの予測を立て行動。
飛びかかってきた瞬間、指定UCを発動。
超加速し【ダッシュ】、横合いから【カウンター】を叩き込む。
【2回攻撃、鎧無視攻撃、早業、グラップル、串刺し】を駆使しながら、
破壊エネルギーの放射に、格闘とレーザーブレードを織り交ぜた接近戦を仕掛ける。
相手の攻撃は【戦闘知識】で予測を立て【早業】で回避。
困難なら【激痛耐性、武器受け】でガード。
「心は決まったらしいな」
己の帰る道へと続く扉を見るアリスを見て、ハヤト・ノーフィアライツ(Knight Falcon・f02564)はそう呟いた。
「じゃ、あとは俺たちの番だ」
アリスが前へ進むための最後の後押し。アリスの行く手を阻む者をなぎ倒し、その道を切り開く猟兵の出番だ。
先程まで理性を失い暴れまわっていたチェシャ猫のオウガだが、理性が戻り猟兵たちと距離をとっていた。
「しかし童話にゃ詳しくないが、ずいぶんデカイ口を持つ化物だな」
先に交戦していた猟兵に変わり、ハヤトが前へと出る。
「さあ来いよ」
ハヤトはオウガを挑発するように指でかかってこいとジェスチャーを入れる。
「キシャァー!!!」
「はは、単純だな。ここは通らせて貰うぜ、化け猫さんよ」
思った以上に簡単に挑発に乗ったオウガを見て、ハヤトは口元をにやりと笑みを浮かべると同時にユーベルコード、ファルコン・ブーストを発動。
「accellater on!」
ハヤトは己の身体に加速装置起動時の余剰エネルギーを身に纏い、オウガに向かい地を蹴った。
高速移動が可能になったハヤトが直線で向かってくるオウガとの衝突するのはほんの一瞬の出来事だった。
オウガは反応することすらできない速度に驚愕の表情を浮かべ、かろうじて視線だけはハヤトの動きを追い続ける。
ハヤトはオウガの横合いへと走り込み土煙を上げながらオウガの真横で急ブレーキをかけ、まずは一撃。その拳をオウガの横っ面へと叩き込む。
「ギャッ!?」
しかし速度のあがったハヤトの攻撃はこれだけにとどまらない。ファルコン・ブーストで得た破壊エネルギーを射出。それと同時にハヤトは再びオウガに向け地を蹴った。
放ったエネルギーがオウガの脇腹に巨大な風穴を空けると同時にオウガの元へと追いつくハヤト。オウガの頭を鷲掴みにし、近くの木へと叩きつけた。
「どうした、まだまだだぞ」
ハヤトは蒼く輝く双刃のレーザーブレードを展開。オウガを更に挑発し近接戦へと持ち込もうとしていく。
かなりの傷を負ったオウガだが、まだまだその戦意や動きは衰えない。
アリスの帰還を見届けるためにも、ハヤトはオウガが倒れるまで攻撃を続けていくのであった。
大成功
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宮落・ライア
はっはっは辻斬りごっめーん。
もう救われてるっぽいしボクはこの猫に注力するかな。
ねーこふんじゃったー。ねこふんじゃったー
ねこふんじゃーふんじゃーふんじゃったー。
ねこふんじゃったの歌詞を全て猫踏んじゃっただけで繰り返す
変な少女と化してる。
態度はすっごいお遊び気分だけれど、相手の攻撃を未来視によって全て見切って避けながら、間接という間接を斬りつける。
あそうだ。ありすー、キミの世界がボクの世界と同じだったなら、また思い悩んだらボクの家を訪ねるといいよ。宮落の墓地は生者の迷いも歓迎しよう。
戦いながら軽く言って置くか。
「はっはっは」
それはオウガの背後から突如響く笑い声。
「辻斬りごっめーん」
「ニギャー!?」
背後から斬りつけられたオウガは苦しげな表情で叫んだ。
突如オウガの背後に現れたのは宮落・ライア(ノゾム者・f05053)だ。
「ギャギャ!!」
「♪ねーこふんじゃったー」
すっ。
「フシャー!!」
「♪ねこふんじゃったー」
ひょい。
「♪ねこふんじゃーふんじゃーふんじゃったー」
「ミ゛ァアアアアア!!」
オウガの叫び声。鼻歌交じりに歌いながらライアは敵の攻撃を避けまくっていた。当たらない攻撃に遊ばれてるかのような猟兵の態度にオウガは怒り狂っている。
なぜこんなにも避けることができるのか。それは今、ライアには敵が攻撃してくるほんの少し先の未来がみえているのだ。
ユーベルコード、イグノラムス・イグノラビムスを使用したライア。本来の右目は溶けおち、その眼孔には魔眼が精製されている。そしてその魔眼が未来予測をライアの脳へと伝えてきているのだ。
しかも避けるついでに手にする刀と大剣で敵の関節部分を狙って斬りつけていけば敵の動きは次第に弱くなっていく。
「あ、そうだ。ありすー」
あいも変わらず敵の攻撃を避けながら、ライアはアリスに向かって声をかける。
「もしキミがボクと同じ世界の住人で、また思い悩むことがあるのならボクの家を尋ねるといいよ」
アリスのほうを見れば強く頷き返してきているのが見て取れる。
向こうの世界に戻ったとき、この世界での出来事をどれだけ覚えてられるかはわからない。だが覚えてられれば上々。
「宮落の墓地は生者の迷いも歓迎しよう」
もし忘れてしまっても、心の奥底のどこかでまだ居場所があるのではないかという疑問に繋がればそれで良い。
「それじゃ、あとはこの猫倒すだけだよね」
アリスの心はもう救われている様子。ならばあとはオウガを倒すだけだとライアは目の前の敵へと集中していく。
これまで他の猟兵とも戦闘をおこなってきたオウガはすでにかなりの痛手を負っている。アリスが帰るための扉はすぐ目の前にあるのだ。オウガを倒しきるまで後少しといったところであった。
大成功
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グロリア・グルッグ
話は全て聞かせてもらいました!
あとはこの謎の天才美少女電脳ハッカーにお任せですよ!
え、誰って? いやぁ、名乗るほどの者でもありませんよ。
言ってみたかっただけの台詞をキメられたので後は真面目に行きます。
視力と戦闘知識で敵の動きを先読みし、SPDを活かした早業で敵の飛び掛かりをジャンプで回避しましょう。
空に上がってしまえばこちらのもの。
騎兵走法で敵の頭上を飛び回り、空中戦の技能で姿勢を制御します。
後は直上からアームドフォートで砲撃し、鎧を無視する徹甲弾や逃げ道を塞ぐ誘導弾、雷の属性を帯びた雷撃弾をたらふく食らわせてやりますよ。
戦いが終わったらぶんぶんと手を振ってアリスちゃんを見送りますね。
「話は全て聞かせてもらいました! あとはこの謎の天才美少女電脳ハッカーにお任せですよ!」
あともう少しでオウガを倒す事ができる。ハラハラとしながら戦いを見守っていたアリスの横にさっそうと現れたのはグロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)だ。
きょとんとしたアリスの表情に今だと言わんばかりの嬉しそうな表情でグロリアはこう答える。
「え、誰って? いやぁ、名乗るほどの者でもありませんよ」
決まった。一度言ってみたかったセリフを決められたグロリアはちょっとした満足感を得るが、これで終わってしまってはいけない。
「アリスちゃん、後少し待っててください。今終わらせてきます!」
オウガに片を付ける。アリスにはまだその場を動かないよう指示し、グロリアは暴れまわるオウガの元へと駆け込んでいく。
「猟兵め、猟兵めぇえ! その皮膚を切り裂き内蔵引きずり出してやるにゃああ!!」
「やれるものならばどうぞ。ですが速さでは私のほうが上ですよ!」
オウガの素早い飛びかかりもグロリアの鋭い先読みにより予測され、グロリアはそれを避けるよう空中へと飛び上がる。
一度空中に飛び出せばグロリアの戦闘は本領を発揮。
騎兵走法。空を蹴れば重力に逆らいグロリアは更に空を駆ける。
上下左右と妨げられるものがない空中にて自在に己の姿勢を制御し、アームドフォートを展開。
敵の手が届かない位置から一斉に放たれる砲撃。それもグロリアが放つは徹甲弾や誘導弾、電撃弾など多種多様な砲撃だ。
「ニ゛、ギ、ァ……ァァ……」
一撃ごとの威力が強いわけではない分、有利な位置取りと手数で勝負するグロリアの先方は効果的だった。
いかなる反撃、防衛、逃亡も許さない構えにオウガは為す術もなく身を削られ、弱まり、消滅していった。
扉の元で待ち伏せをしていたオウガはグロリアや他の猟兵たちによって倒された。
戦場となった周辺はあらゆる攻撃により荒れてしまったが、森は静けさを取り戻す。
静寂に包まれた森に佇む一つの扉。猟兵たちによって近くにオウガも居ない事が確認された後、恐る恐るとアリスは扉へと近づいていく。
扉の前にアリスが立てば、自然と認識する。これは自分の家の玄関へと続く扉だと。
「思い出した……あたし、親と喧嘩して家を飛び出して……でもその後どうしたんだろう」
その後。おぼろげだが、全身に痛みが走り動けなくなるようなことが起こった気がする。だが今、アリスは生きてここにいる。なぜかはわからない。
しかし確かなのは今この扉をくぐれば、何かが変わるという事実。そう確信はあれど、扉に伸ばす手は震える。
「アリスちゃん、この世界で貴女はきっといろんな事をたくさん悩んで、たくさん励まされたと思います」
グロリアはにっこりと微笑み、少し大げさに手を振ってアリスを見送る姿勢を見せる。
「またどこかでお会いできれば! 生きていればそれが可能ですよ!」
この世界に残ったところで生き延びられるとは限らない。戻ればまた色々な悩みもあるかもしれないが、生きてさえいればどうとでもなる。
自分らしさを受け入れてくれる人たちにも、こうやって会えるかもしれない。
一度胸元に手を置き、アリスは大きく深呼吸する。猟兵たちが見守る中、今度はしっかりとした手付きで扉のドアノブに手をかけた。
「あのさ……ありがと。あたし、もう一回頑張ってみるよ」
扉をくぐる前。猟兵たちに礼を述べたアリスはふわりと微笑む。
黒を身にまとった少女は消え、あたりには極彩に彩られた世界と猟兵だけが残される。
猟兵たちはそれぞれの思いを胸に、帰路へとついていくのであった。
大成功
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