ハロー・アリス・ニューワールド・ウォーキング・キラーズ
気が付けば、霧の濃い無人の街の中に彼女は迷い込んでいた。
理由も判らずに異形の巨兵に追われ、命からがら廃墟に身を隠して息を整える。
(ここは何処? わたしは……あれ? わたしは誰?)
彼女は重大な事に気が付いた。
(わたしの記憶が、ない。思い出せない!)
狼狽する彼女の背後に、忍び寄る人影はひとつ。
紳士然とした男性の口元が、いやらしく歪に歪む。
「見つけましたよ……『アリス』……」
「えっ、ひっ
……!?」
彼女は振り返るべきではなかった。
さすれば、自分が無数の凶器の刃で身体を貫かれる光景を見ずに済んだものを……。
「新世界、発見だよっ! その名も『アリスラビリンス』! そして、早速、猟兵のみんなには人助けしてもらいたいんだよっ!」
蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)はグリモアベースへ集まった猟兵たちへ手早く資料を渡して予知の内容を説明した。
「この『アリスラビリンス』って世界は、人肉を喰らうオブリビオン、ここでは『オウガ』っていうんだけど、それらが支配する無数の『不思議の国』が繋がってできた、奇妙な複合世界なんだってっ! 人間は皆、オウガの餌として『アサイラム』と呼ばれる場所から召喚された異世界人で、召喚された人々は『アリス』って呼ばれてるんだよ。『アリス』は以前の世界の記憶がない上に、召喚s慣れた世界の知己も持ち合わせていないから、本当に心細いだろうね……。今回の予知は、その『アリス』の女性を『オウガ』から守り抜いてほしいんだよっ!」
この『アリス』はオウガから逃げ延び、故郷に帰ろうとしている。
だが、殺されてしまっては帰る事は決して叶わない。
「まずは、みんなは『アリス』の女性と接触してほしいんだよ。ただ、『アリス』の女性は恐怖のあまり錯乱しているうえに、容赦なく『オウガ』たちが襲い掛かってくるよっ! 上手く猟兵のみんなで『アリス』の女性の身の安全を確保してあげてねっ!!」
それと、何故か『アリス』はユーベルコードを使えるようだ。
自我を取り戻すことが出来れば、猟兵のアシストくらいは出来るかもしれない。
「新しい世界だけど、いきなりハードモード! でも、みんななら絶対に『アリス』の女性を守り切ってくれると信じてるよっ! それじゃあ、出発だよっ!!」
レモンの頭上のグリモアが、明滅しながら転送を開始する。
いざ、新世界『アリスラビリンス』へ!!
七転 十五起
新世界『アリスラビリンス』へようこそ。
七転十五起、なぎてんはねおき、でございます。
新世界シナリオにつき、もう一度、本シナリオのおさらいをしましょう。
『アサイラム』と呼ばれる場所から召喚された異世界人『アリス』の女性を救出が目的。
『アリス』の女性は現在、恐怖で錯乱中、かつオブリビオン『オウガ』に追われている。
『アリス』は何故かユーベルコードを使用できるが、錯乱状態では正常な判断が出来ない。
『アリス』が『オウガ』に見付かると殺されてしまうので、急ぎ猟兵が合流して退治せよ。
以上です!
とってもシンプル! 判りやすいですね!
併せて『アリスラビリンス』の世界設定を一読すると、プレイングが捗るでしょう。
それでは、皆様の挑戦、お待ちしております!!
第1章 冒険
『狂乱の「アリス」』
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POW : オウガを圧倒的な力で迎撃し、「アリス」を守って安心させる
SPD : 「アリス」を連れて安全そうな場所へ迅速に逃げる
WIZ : 優しく根気強く話しかけ、「アリス」の感じている恐怖を和らげる
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アーサー・ツヴァイク
※何でも歓迎、🔵過多なら不採用可
新世界観光…って感じじゃねぇな。まあ、人助けってんならヒーローの出番だろ!
【フルスピード・スカイドライブ】を発動して上空から出現。お空から救助対象の「アリス」と殲滅対象の「オウガ」を探すぜ。アリスは分からなくても…オウガはオブリビオンだからな、猟兵だから見れば分かるぜ。
オウガを見つけたらライドランから【ジャンプ】で降りて急降下、スーパーヒーロー着地で【存在感】を出してオウガの注意をこっちに引き付けるぜ!
何だったらオウガの真上に降りてもいいぜ!
戦場に着いたら、後はオウガをボッコボコにするだけだぜ。【怪力】で投げ飛ばしたり、ぶんなぐって【吹き飛ばし】たりだ!
時雨・零士
POW
無理矢理呼び出された上に殺されるなんて堪ったもんじゃねぇな…。
罪も無い彼女をやらせはしない!必ず守ってみせる!
来いよオーガ共!さぁ、ショータイムだ!
アクセラレイターでオウガを跳ね飛ばし、オウガと女性の間に立ち塞がる様に登場!
女性の無事を確かめ、一声かけた後「変身」!
【ダッシュ】で接近し、【怪力、グラップル】の「カオス・インパクト」で吹き飛ばした後、【グラップル、早業、怪力】での挌闘戦で次々吹き飛ばしていくぜ!
最後は集団まとめて【捨て身、力溜め、ダッシュ、ジャンプ】の【カオス・ストライク】で片づける!
俺は時雨・零士。君と同じ異世界の人間だ。
安心しな、必ず元の世界に帰す。俺が最後の希望だ!
アーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)は正義のヒーローである。
予知の内容を聞くやいなや、真っ先にアリスラビリンスへ転送されてきた熱血漢、それがアーサーなのだ。
霧の濃い無人の街を大型のバイク『ライドラン』が駆けてゆく。
「ここがアリスラビリンスの世界か……。新世界観光……って感じじゃねぇな。まあ、人助けってんならヒーローの出番だろ!」
アーサーがアクセルをふかして更に加速する。
その後方から急接近してくる人影がひとつ、敵か? 味方か?
いや、あれは猟兵だ! そして、ヒーローだ!
「来いよオーガ共! さぁ、ショータイムだ!」
時雨・零士(仮面ライダーデオルム・f04112)はアーサーを愛用のバイク『カオス・アクセラレーター』で追い抜くと、猟兵たちの行く手を阻もうと飛び出してきたオウガたちを次々と轢殺してゆく!
これにアーサーは興味深そうに口角を吊り上げた。
「俺以外のヒーローがいるなんて、これは面白れぇな! 負けられないぜ!」
アーサーは腰に巻き付けたサンドライバーに、ライズツール【ライフォン】をかざす。
すると、謎の電子音声と共にユーベルコードが発動される!
【Select……FLYING ACTION!!】
「行くぜ、ライドラン! 大空でも宇宙でも、どこまでも飛んで行くぜえええ!!」
全力を出したライドランから発せられる蒸気がアーサーの全身を覆い尽くすと、一気に霧の漂う空の中へと高速飛翔!
「思ったよりも霧が濃いぜ……!」
上空からのアリス捜索を行おうと眼下の景色を眺めるも、視界不良で人影しか把握できない。
「だが、それで充分だぜ! 空を飛ぶことでハッキリ目的地が見えたからな。前方の大通りの交差点! あそこにオブリビオンの群れがいる! きっとそこにアリスが居るはずだぜ!」
アーサーはマッハの速度で上空を飛行すると、空中でライドランから飛び降りて急降下!
群れの中のオウガの頭上に目掛けて膝立て着地! オウガはしめやかに圧死!
これは、スーパーヒーロー着地だ!
「こ、今度は誰!?」
女性の悲鳴がアーサーの耳に届く。
そしてアーサーは顔を上げると、目の前に探していたアリスの女性が真っ青な顔で彼を見詰めていた。
アーサーが自己紹介を行おうとした矢先、そこへ突っ込む時雨のバイク!
次々とオウガの群れを撥ね飛ばしてアリスの元まで駆け付ける時雨に、女性はもはや言葉を失っていた。
「俺は時雨・零士。君と同じ異世界の人間だ。安心しな、必ず元の世界に帰す。俺が最後の希望だ!」
時雨が差し伸べる右手に、思わず縋るアリス。
「あ、ああ! 助けに来てくれたのね!? ああ……!」
「おいおい、俺もいるぜ?」
近寄ってくるオウガを、紋様の刻まれた左拳でぶん殴った後にアリスへ快活に笑ってみせる。
「俺はアーサー・ツヴァイク! こいつ、いや時雨と同じ、猟兵(イェーガー)だ! アリス、あんたを助けに来たぜ!」
女性は号泣しながら何度も頷いてみせる。
そんなアーサーに時雨が問いかけた。
「アーサーって言ったか? まさかと思うけどよ、アンタ、俺と同じ匂いがするんだが?」
「奇遇だぜ、時雨! 俺も不思議とアンタを他人のように思えないぜ!」
2人はオウガの群れに立ちはだかると、互いにポーズを構えて同時に叫んだ!
「「変身ッ!!」」
鳴り響く電子音声の共演、今ここに実現!
【ソウゥルバーニングッ! コンプリートッ!】
『デオルム! マテリライゼイション! ライダーッフォームッ!』
アーサーの全身をマゼンダカラーの装甲スーツが覆ってゆき、時雨はバックルから呪紋が全身に広がり、グールドライバーの力とサイボーグの完全戦闘形態の力を融合させた、メタリックな装甲に包まれたヒーローに変貌する!
「暁の戦士! ドーンブレイカーッ!」
「仮面のサイボーグ戦士、デオルムッ!」
変身猟兵ヒーロー、揃い踏み!
変身した猟兵ヒーローたちに、アリスは驚きで開いた口が塞がらない!
そんなアリスに時雨が背中越しに語り掛けた。
「無理矢理に呼び出された上に殺されるなんて堪ったもんじゃねぇよな……。何の罪も無いアンタをやらせはしない! 必ず守ってみせる!」
両拳を掲げたデオルムは、左隣のドーンブレイカーを見遣る。
「行くぜ、ドーンブレイカー! お前となら、行ける気がするぜ!」
「やるぞ、デオルム! 俺たちに前振りなんかねえぜ! 徹頭徹尾、クライマックスだぜ!」
ドーンブレイカーはライドランを呼び寄せて再び騎乗!
上空からの体当たりでオウガたちを蹴散らしてゆけば、デオルムは地上で全力疾走!
「カオス・インパクトッ!」
魔力を拳に込めてオウガを殴打!
吹っ飛ばされたオウガが、後続のオウガと玉突き事故を起こして爆散してゆく!
更に倒れたオウガの両足を掴んで振り回し始めた。
これはジャイアントスイング!
「吹っ飛べッ!!」
オウガの群れに絶命したオウガの死体をストライクさせた直後に、デオルムは大技を繰り出す!
「コイツでトドメだ……!」
ベルトのバックルが光り輝くと、再び謎の電子音声が轟く!
『マジヤベー! カオス・ストライク!』
デオルムが天高く飛び上がってキックの構え!
そこから先行して放たれた混沌の魔力が、オウガの群れの中に呪紋を描き出す!
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
裂帛の気合と共にに混沌のオーラを纏いながら、デオルムは彗星めいた飛び蹴りが呪紋の描かれた地点へ高速ドロップキック!
キックが呪紋に命中すると、混沌の魔力が溢れ出して大爆発!
周囲のオウガは爆発に巻き込まれて木っ端微塵になっていった。
「やるな、デオルム!」
ドーンブレイカーも高速飛来でオウガを蹴散らし、アイスの周囲へ近寄らせまいと奮戦する。次第にアリスの周囲にオウガの近寄れない空白区域が出来上がっていた。
成功
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シノギ・リンダリンダリンダ
……これはまた、なんとも言えない世界が見つかってしまったものですね。
彼女を放っておくのはあまりにも目覚めが悪い。
少しでも力になれるといいのですが……
とりあえず、少しでも恐怖を和らげてあげたいですね。
それなりにコミュ力や鼓舞の技能はあります。
「こんな状況では混乱してしまうでしょうが、落ち着いてください。
私は、いえ我々は味方です。何も分からない何も覚えていない貴女はいまとても心細いでしょうが……
安心してください。
貴方を確実に元の場所に帰すために、我々はお手伝いをします。絶対に、助けます」
なるべく相手の目を見て。
優しく、何度でも話しかける。
ロベリア・エカルラート
ふふっ、夢の世界にしては素敵だと思うけど、望んでも居ない相手に見せるのはNGじゃないかな?
演出家としてもマナーがなってないね
さて、この世界を私好みの喜劇に変えてあげるよ
●行動
ユーベルコード【眠り姫の夢】で、愛用のハサミを投擲
ハサミに巻き付いているイバラを地面に根付かせて壁を作るよ
これでオウガとアリスを分断、アリスを連れて避難する
敵が多いようなら、私も残って迎撃かな?
他の猟兵も居るし、役割分担だね
「大丈夫大丈夫、案外こんな所でもどうにかなるって」
「私達みたいな物好きも居るし、捨てたもんじゃないでしょ?」
【存在感】【礼儀作法】で、私に目を向けさせつつ誠実に対応
【鼓舞】して落ち着きを取り戻させるよ
他の猟兵の奮戦により、アリスの周囲にオウガが近付きにくくなった。
そこへ駆け寄る別の猟兵2名がいた。
(……これはまた、なんとも言えない世界が見つかってしまったものですね。彼女を放っておくのはあまりにも目覚めが悪い。少しでも力になれるといいのですが……)
シノギ・リンダリンダリンダ(ロイヤルドレッドノート船長・f03214)は険しい表情のままオウガの群れを掻い潜り、アリスの元へと急いだ。
ほぼ同時に真向いからロベリア・エカルラート(花言葉は悪意・f00692)もアリスへ接触を試みるべく駆け寄ってくる。
「ふふっ、霧立ち込める無人の街って、夢の世界にしては素敵だと思うけど、望んでも居ない相手に見せるのはNGじゃないかな? 演出家としてもマナーがなってないね」
歌と劇が好きなロベリアは、今回の新世界はなかなか心が躍るものがあるようだ。
だからこそ、脚本を嗜むものとして断固としてこの状況を許すわけにはいかなかった。
「さて、この世界を私好みの喜劇に変えてあげるよ」
ロベリアはいきなり愛用の鋏『ロメオジュリエッタ』をアリスの足元へ投擲した。
石畳に突き刺さる大鋏には、茨によって雁字搦めに巻き付いている。
「深い、深い森の奥。茨が囲う城の中……。夢の中こそ私の居場所。連れ出せるなら……やってみなよ!」
その詠唱を合図に茨が勝手に伸び始め、大鋏が穿った石畳の隙間へするりと滑り込んでゆく。
すると、おお、見よ!
アリスの周囲の石畳が途端に隆起し、石畳の下からは呪いの茨の壁がせり上がり、アリスとオウガを隔てたではないか!
「な、なに? これ!?」
「こんな状況では混乱してしまうでしょうが、落ち着いてください。私は、いえ我々は味方です。何も分からない何も覚えていない貴女は、今とても心細いでしょうが……」
茨の壁の中へ滑り込み、すかさず駆け寄ったシノギは、アリスの手を取って彼女の双眸をじっと見つめた。
「この茨の壁は、あの赤毛の美人なお姉さんの異能力……ユーベルコードでしょう」
「そうだよ。『眠り姫の夢(レーヴ・ドゥ・ターリア)』。これで少しは時間稼ぎが出来るはず」
「ありがとうございます。ええと……」
「そういえば名乗ってなかったね。ロベリア・エカルラート。君は?」
「シノギ・L3(リンダリンダリンダ)です。気軽におシノギちゃんとお呼びください」
「おや? ミレナリィドールさんなんだね? 指先を見るまで人間だと思ってたよ」
「私自身、精密に作られている機械人形である事は自負してます。それより……」
2人はアリスを見遣る。
先程よりは落ち着きつつあるが、まだ彼女はこの状況を現実の元して受け入れられていない様子だ。
アリスは頭を掻きむしりながら絶望の色に表情を染める。
「も、もう嫌……! 頭がおかしくなりそう……!」
「大丈夫大丈夫、案外こんな所でもどうにかなるって」
ロベリアはアリスの眼を見て語り掛ける。
「ここはね、怖い鬼(オウガ)が出る夢の国なんだよ。君はそこに無理矢理に呼び出されてしまったんだ。怖かったよね? でも、もう大丈夫。私たちが助けてあげるからね」
するとアリスも自然とロベリアの眼を見詰めて、その言葉に耳を貸すようになる。
彼女の不思議な存在感、砕けた口調に垣間見える礼儀正しさが、アリスの心を奮い立たせる。
シノギもロベリアに同調してアリスをなだめてゆく。
「安心してください。貴方を確実に元の場所に帰すために、我々はお手伝いをします。絶対に、助けます」
「そういうことだよ。私達みたいな物好きも居るし、捨てたもんじゃないでしょ?」
「……え、ええ。つまり、これは現実、なのね? 私、助かるのね?」
アリスの震える背中を、シノギは優しく擦ってあげていた。
「残念ですが、悪夢ではありますが現実です。こんなところで貴方を死なせて堪るものですか。猟兵は、世界を救う存在です。貴方のことも、必ず救ってみせます」
目を見詰めて根気強く訴えかけるシノギの言葉に、アリスは大粒の涙をボロボロとこぼして何度も頷いた。
だが、茨の壁がオウガの物量に耐え切れず、次第に崩壊し始めている。
ロベリアはすかさず状況判断。
決断的にシノギへ告げた。
「ここは私が引き受けるよ。おシノギちゃんは、彼女を連れて遠くへ避難してね」
「いえ、ロベリア様も一緒に……」
「駄目だよ。私が囮になって惹き付けて逃走の時間を稼がないと、この物量はすぐに追いつかれてしまうからね」
不安そうに見上げるシノギの桃色の髪を、ロベリアは優しく撫でた。
「役割分担だね。大丈夫だよ。私も後から追い掛ける。だから、……行って!」
茨の壁が決壊! 餓えたオウガたちが乙女の柔肌に牙立てんと飛び掛かってくる!
それらをロベリアは愛用の鋏を投げつけて刺し殺し、新たな茨の壁を生成……!
「早く! 後ろを振り返らないで、走って!」
「……武運長久をお祈り申し上げます、ロベリア様」
アリスの手を連れ、シノギは全力でその場から走り去る。
それを見送ったロベリアは、茨の壁で自身とオウガを取り囲んで閉じ込めた。
「さて、と。この状況、どうやら最高の喜劇脚本が書けそうだよ」
ロメオジュリエッタの切っ先をオウガへ向けるロベリアの表情は、喜色に満ちて静かに微笑んでいた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ロコメルン・ルケッタ
よくわからない世界…不安だよね
でも、だからこそ慎重に動かなきゃ。まずは落ち着いて対策を立てないと
その事を伝えたいね。上空からアリスさんを探して行き先に回り込んでみるよ
誰なんて言われるかも。えっと…猟兵っていっても伝わらないよね…
世直し屋さん?分かりやすく伝えようと悩んじゃったり
話を聞いてもらえたら帰ろうとしている故郷について聞いてみるよ
来られたんだから戻る方法もある筈だよ。ぼくたちだってそうだし。安心してもらおう
もしオウガが居た場合は話をする前に戦って安全を確保するよ
マフラーで滑空しながらシックラーで攻撃
アリスさんを狙っているみたい
もし間に合わない場合はマフラーにアリスさんを連れ去ってもらうよ
ウルフシャ・オーゲツ
はっぴいいいいばああすでえええええい!
その言葉はいったい誰に向けたものか。
始まったばかりのこの世界か、はたまた迷いこみ、記憶を失ったアリスに対しての新たな旅立ちに向けてか。
なぜか言わなければならない気がしたのである、今年もよい一年を祈っております。
というわけで捜査は足じゃな!
つれて逃げるにしてもまずは見つけなければなるまい。
不思議な国に唐突な未来感と現実感をお届けする、実はスターライダー、自分もたまに忘れそうになるウルフシャちゃんは颯爽と爆走じゃあ!
「見つけましたよ……『アリス』……」
なぁんて、な?
あえて音は大きめ、騒がしくすることでアリスも気になって見に来るやもしれん、とにかく走り回るのじゃ
アネット・レインフォール
▼心情
成る程…ここがアリスラビリンス。
だが、のんびり観光という訳にはいかないみたいだな。
『――ならば、見せよう。ウェポンマスターの矜持を!』
▼POW
先ずはオウガの排除か時間稼ぎをした方が良さそうだ。
単車をアクセル全開で移動するが、
1人ぐらいは他の猟兵を運べるので必要なら。
救出対象も近くにいればいいんだが…。
(手掛かりが無ければ【俯瞰ノ眼】を使用)
接敵したら単車は乗り捨て【閃滅仭】を即行で展開。
周囲を刀剣で覆い、アリスに手を出せない状況を作る。
武器を換装しながら攻撃し、有用な攻撃方法を探るが
アリスが狙われた時は念動力で複数の刀剣を操り
盾代わりにするなどフォローしよう。
▼他
連携、アドリブばっち来い
「はっぴいいいいばああすでえええええい!」
ウルフシャ・オーゲツ(しょしんしゃ・f00046)は新世界で愛機ステラドラグーンに跨りながら思いっきり叫んだ。
その言葉はいったい誰に向けたものか。
始まったばかりのこの世界か、はたまた迷いこみ、記憶を失ったアリスに対しての新たな旅立ちに向けてか。
だが、ウルフシャは何故か言わなければならない気がしたのである。
「今年もよい一年を祈っておりますのじゃー!」
ほら、ウルフシャちゃんは女神、はっきりわかんだね。
ありがとう!
そんなウルフシャと並走するのはアネット・レインフォール(剣の教導者・f01254)だ。
彼は単車【三頭黒狼】に乗ってウルフシャと共にアリスの元へ急行していた。
そしてウルフシャの祝いの言葉は敢えてスルーした。
「成る程……ここがアリスラビリンス。だが、のんびり観光という訳にはいかないみたいだな。既に他の猟兵は交戦に突入しているらしい」
「というわけで捜査は足じゃな、と思っておったのじゃが既にドンパチしておったのじゃな? ならばそこへ急行するのじゃ! ロコメルン殿、上からの捜索は任せるのじゃー!」
無人の家屋の屋根を『スカイステッパー』で飛び移りながら爆ぜるように駆け抜けてゆくのはロコメルン・ルケッタ(幸福の追求者・f15638)だ。
屋根の上から霧の奥の街を見据えてアリスを探していたのだ。
「よくわからない世界……きっと不安だよね。でも、だからこそ慎重に動かなきゃ。まずは落ち着いて対策を立てないと」
ユーベルコードで階段を上るように高度を上げてみれば、霧の向こうに集団に追われる人影が見えた。
「前方11時の方向、誰かが追われているよ……!」
「きっとそれじゃな! さぁ、時々自分でも忘れがちなスターライダー要素をここで遺憾なく発揮するのじゃ! 不思議な国に唐突な未来感と現実感をお届けする宇宙バイクで、ウルフシャちゃんは颯爽と爆走じゃあ!」
ロコメルンへ先導させる形でウルフシャちゃんとアネットは現場に急行してみれば、アリスはオウガたちに追われていた。
それを目視したウルフシャは、いきなり暴走族の如くラッパを吹きならしながら暴走を開始!
♪ぱら(↑)らら(↑)らら(↓)らら(↓)ら~(→)
マフィアの首領を称えるBGMのような旋律がオウガたちの注意を惹きつけ、集団の足を止めた。
「ちわーなのじゃ! 暁の流星亭の猟兵デリバリーサービスなのじゃー!」
ウルフシャは足を止めたオウガの群れに容赦なくバイクを突っ込ませて撥ね飛ばしていった!
割と血なまぐさくて無慈悲な行為だ!
ウルフシャ自身はユーベルコードでバイクと合体してパワーアップしているので無傷!
更にアネットもバイクを敵集団に突っ込ませて鉄塊としてぶつける!
猟兵は防人めいてバイクを突っ込ませるのが好きなのだろうか!?
彼はバイクから飛び降りると、自身が装備している武装を無限換装と闘気で顕現させ、敵集団を包囲してみせる。
「出し惜しみはなしだ。――ならば、見せよう。ウェポンマスターの矜持を!」
葬剣【逢魔ガ刻】を換装、形状を鋼糸状に変化させてアリスへと近付かせまいと包囲網を狭めてゆく。
「裏壱式・閃滅仭(センメツジン)――俺の武装が相手になってやる!」
襲い掛かるオウガを、腕を振るうたびに斬り刻んでゆくアネットに戦闘を任せ、ロコメルンは屋根から飛び降りてアリスへ駆け寄る。
「えっと……ぼく達は猟兵、っていっても伝わらないよね……世直し屋さん? なんか違う……」
「ああ! 貴方達も猟兵なのね? さっき、他の猟兵の女の子が助けてくれたわ。その子は化け物を食い止めるために私を逃がしてくれたけど……」
アリスの言葉にロコメルンはほっと胸を撫で下ろした。
「そっか。ぼく達の事を理解できているようでよかった。
「見つけましたよ……『アリス』……」
その時、アリスの後ろから不気味な声が囁かれた。
「ひっ!?」
恐怖で飛び上がるアリスが振り返ると、チョコレート色の肌の桃髪豊満少女が満面の笑みを浮かべていた。
「なぁんて、な? さぁ、三十六計逃げるに如かずじゃ!」
ウルフシャはアリスにバイクへ乗るように急かす。
だが、それをロコメルンが待ったを掛けた。
「ウルフシャさん、闇雲に逃げても駄目だと思う。……確か、故郷へ帰るためには『自分だけのドア』を見付けないと駄目で、それはアリスであるあなたしか感じ取ることしかできないんだ」
だから、とロコメルンはアリスに問いかけた。
「あなたの“故郷”は、何処かな……?」
するとアリスは目を閉じてしばらく考え込むように念じ始めた。
そして、確信を持った所作で東を指差した。
「あっちだわ、あっちに『扉』がある。判るわ!」
「よし! ならばそちらへ向かって逃げるのじゃ! アネット殿ー!!」
「ああ、心得た! 来い、俺の単車!」
戦闘でオウガを単独で抑えていたアネットが叫ぶと、その声に反応した単車が自立駆動してオウガを轢殺しながら向かってくる!
それに跨ると、殿を務めながら武装を操ってオウガを惨殺してゆく。
ウルフシャはアリスを後ろに乗せてフルスロットルで『扉』のある方向へ爆走してゆく。
「ぼくも加勢するよ……」
マフラーを解いたロコメルンは、それの上に乗っかって空に浮かんで滑空する。
そして空間に顕在させたポータルから二振りの巨虫の大腕鎌『ミストシックラー』ですれ違いざまにオウガの命を刈り取ってゆき、アネットと連携してオウガ追撃をかわしてゆくのだった。
成功
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第2章 集団戦
『トランプの巨人』
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POW : 巨人の剣
単純で重い【剣】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : トランプ兵団
レベル×1体の、【胴体になっているトランプのカード】に1と刻印された戦闘用【トランプ兵】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : バインドカード
【召喚した巨大なトランプのカード】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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目指すべき『扉』の方角が判明した猟兵たち。
だが、オウガたちの追走は執拗に続く。
『この街での乗り物の仕様を禁ずる! 違反者は死刑の後に解体して喰らってやる!』
『この街での武装抵抗は重罪だ! 見つけ次第、生きたままの捕食刑に処す!』
巨兵――トランプの巨人が、理不尽な法律を振りかざしながらアリスを追い掛ける。
このままでは埒が明かない!
猟兵たちよ、こうなればこの巨兵たちを駆逐するほかあるまい!
僅かながら、アリス自身もユーベルコードの仕様が可能だ。
さぁ、剣を取れ、弓を引け、銃を構え、拳を掲げよ!
理不尽なデスゲームに叛逆せよ!
※アリスの使用可能なユーベルコードは『アリスナイト・イマジネイション』のみ。
※ただし、まだアリスは自身の力に半信半疑のままである。
※武器は『長い髪の毛』のみを所持。
ウルフシャ・オーゲツ
な、なんかむっちゃはずかしいテロップ流れんかった……?
気のせい?
弓を引けと言うし、普通に弓を引こう。
いでよ弓を引くのに最も適したウチ!
力があふれ胸が無い!
弓を引くには邪魔じゃからのう。
体が軽くて動きやすいし、普段からもこれでいいような。
まぁよい。
どこからともなく取り出した大きすぎる弓を全身を使って引き絞り、放て二本の箸!
『天野川』と『流星』を矢として放つぞ。
「アリスよイメージするのは何物にも負けることのない存在というだけでよい」
「疑う余地がないほどに恐ろしいすべてのものを喰らい尽くす悪魔であろうと、お主が生み出せば何よりも心強い仲間であろう?」
(なおふしゃが想像しているのは某星のカー〇ィ)
シノギ・リンダリンダリンダ
……ふふ。そうですか。ここでは武装抵抗は重罪ですか。
生きたまま捕食ですか。
では、果たして『死んでいる者』はどういった刑罰を与えてくれるのでしょうか?
指を鳴らし、魔法陣を展開
魔法陣から32体の死霊従者を召喚する
騎士やならず者、海賊に山賊といって様々な風貌の死霊を次々にぶつけていく
傷ついているなら傷口をえぐり、固いなら鎧砕き、魔力のこもった属性攻撃をしかけます
この子は必ず連れて帰ると約束しました。
ロベリア様とも、そしてこの子自身とも。
それが罪だと言うのなら、これが法だと言うのなら、無法者の海賊らしくさせていただきます。
さて、それでは。
惜しげもなく、リッチにいかせていただきます。
ロベリア・エカルラート
よしよし……この際だし、アリスたちにも一緒に戦ってもらおうかな
もちろんフォローはするけどね
●行動
ユーベルコード【月下の舞台に夢を】を発動
さっき有ったアリスたちからはある程度頼れる味方だと思われてるだろうし、その信頼を力に変えて自己強化
引き続き【存在感、鼓舞】を使ってアリスたちを勇気づけつつ、私の強化を進める
こんな不思議な世界だし、夢と勘違いしてもしかたないけど……だからこそ戦えるって面もあるよね
「よし!一緒に戦おうか」
「それじゃ、君たちは騎士の役に任命しよう。さ、お手本を見せるよ」
戦闘は鋏型の剣をつかった白兵戦
できる限り華麗に、この戦い方に憧れてもらえるように、ってね
※アドリブ、連携歓迎
宇宙バイクのステラドラグーンを駆るウルフシャ・オーゲツ(しょしんしゃ・f00046)は、顔を赤らめなら周囲を見渡していた。
「ふしゃぁ!? な、なんかむっちゃはずかしいテロップ流れんかった……? 気のせい?」
「え、テロップですか……? そのような物は見えませんが……?」
ウルフシャの言動に困惑するのはシノギ・リンダリンダリンダ(ロイヤルドレッドノート船長・f03214)だ。
地の文=サンと会話はできない。いいね?
「それにしてもしつこいのう!? しかも法令法令と喚いてやかましいのじゃ!!」
ウルフシャはバイクに乗りながら振り返ると、オウガ巨兵ことトランプの巨人たちが口々に理不尽な法律を喚きながら追走している姿を目視する。
しかもかなりの数だ。通路一杯にひしめき合っている。
「逃すな! アリスを捕らえろ、猟兵はその場で処刑だ!」
しびれを切らした巨兵たちは、遂に猟兵たちとアリスへ攻撃を開始する。
巨兵1体につき80体のトランプ兵たちが召喚され、通路を雪崩の如く押し寄せてくる!
「ふしゃぁ!? 物量戦にも限度があるのじゃが!?」
トランプ兵団に飲み込まれそうになるウルフシャ!
南無三!
だが、突如として現れた死霊従者――騎士やならず者、海賊に山賊、様々な姿の死霊たちがトランプ兵を押し留める!
魔法陣を展開したのはシノギだ。
何故かその表情は半笑いである。
「……ふふ。そうですか。ここでは武装抵抗は重罪ですか。生きたまま捕食ですか」
指を弾いてパチンとならせば、シノギの周囲に更なる魔法陣が描かれ、死霊従者たちが中から這い出てきた。
「では、果たして『死んでいる者』はどういった刑罰を与えてくれるのでしょうか?」
その数、総勢32体!
巨兵が召喚したトランプ兵の波など取るに足らぬと、千切っては投げ、千切ってはまた投げてと追撃を食い止めた!
死霊たちの一撃は防御無視の魔法攻撃、堅牢な防具など物理防御など死霊たちの前では無意味であり、その気になれば傷口を抉り魂ごと切り裂く魔手である。
足止めを喰らった巨兵たちは、大剣の切っ先をシノギへ向けて叫んだ。
「この街で誰の許可なく死霊を操るなかれ! 斬首刑に処す!」
「我等には向かう行為は叛逆罪だ! 首を差し出せ!」
「なんじゃ、こやつら? 言動がまったくもって支離滅裂じゃのう?」
守られたウルフシャも、巨兵たちの言動にげんなりとした表情でドン引きである。
シノギは毅然と巨兵たちを睨み付けると、後ろに控えるアリスを庇うようにオウガたちと対峙する。
「この子は必ず連れて帰ると約束しました。ロベリア様とも、そしてこの子自身とも」
ロベリア・エカルラート(花言葉は悪意・f00692)は、アリスとシノギのために自ら足止め役を買ってでた。
有象無象のオウガの群れの中にロベリアを置いてきたことが、シノギは心残りであった。
だから、後ろで怯えるアリスは、自分が守らねばならないと強く心に誓う。
「この子を基の世界に帰す優しさが罪だと言うのなら、人肉を喰らうしか能がないオウガたちの理不尽が法だと言うのなら、不肖シノギ・L3(リンダリンダリンダ)……無法者の海賊らしくさせていただきます」
ネクロオーブの輝きが漆黒に染まり、霧の街を怪しく照らしてゆけば、召喚された死霊従者たちが一斉に天へ咆哮、凶暴化!
「さて、それでは。惜しげもなく、リッチにいかせていただきます」
ユーベルコード『飽和埋葬(リッチ・システム)』発動!
前線を押し留めている死霊たちのパワーが一気に跳ね上がる!
トランプ兵をなぎ倒し、斬り刻み、踏み潰し、蹂躙してゆき、形勢逆転、猟兵たちが前線を押し返してゆく!
「ウチも援護するぞ! いでよ、弓を引くのに最も適したウチ!」
ウルフシャも反撃の好機を逃すまいと、自身の仮初の身体からスポンッと古びた開かずのお菓子箱が飛び出す。
おいおい、あのウルフシャ死んだわ。
しかし御心配無用である。
すぐさまこの戦闘状況に適した新しい仮初の身体が出現し、お菓子箱がその中へINッ!
以前に比べて凹凸の少ないウルフシャの肉体に乗り換え完了である。
ヤドリガミのユーベルコードってスゴイと思いませんか?
「力があふれ胸が無い! 弓を引くには胸は邪魔じゃからのう。こっちのほうが体が軽くて動きやすいし、普段からもこれでいいような。……まぁよい。ウチの弓術をとくと喰らうがよい!」
超巨大な真紅の弓『スプンタ・アールマティ』に、星屑から鍛えられた木刀サイズの巨大箸『天野川』と『流星』のふたつを弦に番えて引き絞る。
ウルフシャはフードファイターなので箸を矢の代わりの撃ち出すことも造作ない。
なにもおかしくはない、いいね?
「ウチの2連斉射でなぎ払ってくれるぞ! せりゃー!!」
弦から手を放すと、対物ライフル弾の如き鋭さで2本の箸は空を切り裂き、オウガの群れに突き刺さると、石畳を巻き上げて瓦礫を四方八方へと吹き飛ばす!
その光景を先程から眺めていたアリスは、茫然としたままその場から動こうとしない。
ウルフシャはアリスに自信を持ってもらおうと声を掛けた。
「アリスよ、イメージするのは何物にも負けることのない存在というだけでよい。疑う余地がないほどに恐ろしいすべてのものを喰らい尽くす悪魔であろうと、お主が生み出せば何よりも心強い仲間であろう?」
当惑するアリスに、ウルフシャは一瞬だけキリッと表情を引き締めて微笑んだ。
「故に自分が信じる、自分の強さを信じよ!」
「そういうこと!」
何処からともなくスポットライトめいて降り注ぐ月光!
霧の中、オウガの群れを蹴散らしながらマッハ4弱で月光を浴びながら飛び出してきたのは、長い赤毛と翡翠とアメジストのオッドアイの女性、ロベリア・エカルラート(花言葉は悪意・f00692)!
「よし! 一緒に戦おうか! もちろんフォローはするけどね?」
まるで舞台の一場面のようにロベリアは立ち振る舞い、月光のスポットライトを浴びながら霧の街で気丈にオウガへ立ち向かう。
「ロベリア様! よくぞ御無事で!!」
シノギは息を飲んで声を震わせた。
そんなシノギの元へ駆け寄るロベリアは、ニコリと微笑んで優しくシノギの頭をひと撫で。
「おや、心配させてしまったようだね? けれども、もう心配無用だ。私はここにいるよ、おシノギちゃん? それに、アリスもね」
シノギが無言で頷く。
もうこれで憂いなく戦える。守る存在が増えた。ならばやるべきことはひとつ!
「死霊の皆さん、ここが踏ん張りどころです!」
ネクロオーブに注ぐ魔力量を増強!
死霊たちが遂にトランプ兵を蹴散らし、巨兵たちを駆逐し始めた!
「それじゃ、君たちは騎士の役に任命しよう。さ、お手本を見せるよ」
ロベリアは鋏型の剣を振るい、その言動によって周囲から向けられる正の感情により自己強化した戦闘力で巨兵を次々と斬り伏せてゆく!
「“私たちは夢と同じモノで作られ、この命は眠りと共に終わる"。……さあ、夢が覚める前に、この輝きをキミに届けてあげる」
ロベリアの戦闘は霧を払い除け、アクロバティックな立体駆動による斬撃でオウガたちを圧倒してゆく!
ウルフシャの援護射撃も相まって、押し寄せる巨兵は砕け散ってゆけば、アリスの心境にも変化が生じる。
「わたしも、みんなみたいに戦いたい……!」
「アリス、戦う最強の自分を想像してごらん? そうすれば、私のように華麗に戦えるようになるよ」
ユーベルコード『月下の舞台に夢を(アドミラシオン・エトワール)』で敵を斬り払ってゆく姿は、確実にアリスを勇気付けてゆくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
アーサー・ツヴァイク
※何でも歓迎、🔵過多なら不採用可
…なあ、アリス。急に想像しろって言われても…イマイチピンと来ないよな。
でも君の想像力…イマジネーションを発揮すれば、こんな巨人だって簡単にぶっ飛ばせるんだぜ?
手本が要るか…ちょっと見てな!
俺が取り出すのは新武装・ウェポンボックス。こいつは俺のイマジネーションで形を自在に変化できる。そして…新技【アブソリュート・ペネトレイション】! こいつでウェポンボックスを、巨大なドリルアームに変形だ!
後はドリルを腕に装着して、片っ端から巨人共をぶっ飛ばす!!
大事なのは、理不尽なんかに絶対負けねぇって思う心さ!
さあ、【勇気】を出して! 君のイマジネーションを爆発させよう!
時雨・零士
テメェ等の勝手な法律に付き合ってやる必要はねぇな!
アリスを守る様に立ちはだかりながら戦闘。
【フォームチェンジ】フロストリヴァイアサンの凍気【属性攻撃】で巨人達を凍結させて身動きを封じ、ストームドラグーンの雷撃で感電させ、「カオス・インパクト」で吹っ飛ばす!
兵団やカードはブレイズフェニックスの焔で焼き尽くすぜ!
敵の攻撃は【見切り、第六感】でその場で回避するか、巻き込みそうならアリスをお姫様抱っこで抱えて飛行で回避する等、アリスの身優先で行動。
その鉄と機械っぽい身体はさぞかし雷撃がよく効きそうだな!一気に蹴散らすぜ!
ラストは「カオスエクストリーム」で一気に蹴散らし、アリスを乗せて扉を目指すぜ!
アネット・レインフォール
▼心情
…うーむ。
救出作戦の筈が、まるで人攫いのように感じるのは
俺の気の所為だろうか…。
しかし乗り物に武装禁止か…。
そんなものを守る奴もいないと思うが、
ここは一つ、趣に則る事でオーガ達の反応を見てみよう。
『アリスよ。これが――イェーガーだ』
▼POW
敵の追走を回避しつつ【武人覚醒】。
隙を見て単車のフレームを持ち、それをオーガ達へブン投げよう。
…まあ、そのまま鈍器として使ってもいいんだけどな。
葬剣を手の形状にして単車を掴み、
モーニングスターのように振り回すことで一掃しよう。
エンジンも点ければチェンソーのような効果もあるだろう。
何か言われたら、乗ってないし刃物の類でもないと反論しとく。
▼他
アドリブ歓迎
ロコメルン・ルケッタ
乗り物と武装を禁止、か
法律は守るけど、手を出さないでくれるのかな?
武装を持たない魔物達を召喚してアリスさんを守ります
それってつまり、何をしても食べるってことなんじゃ…
止まない攻撃にため息をついて真剣な表情へ
魔物に防いでもらっている間に、アリスさんと話します
故郷に繋がる扉は、アリスさんしか分からないみたいなんだ
扉に辿りつけば、故郷に帰れる
でも、其処までアリスさん自身で進まないといけない
一つ一つ消えていく魔物を尻目に、守り続ける難しさを伝え
アリスさんはぼく達と同じ力がある
どんな力か分からないけど。抵抗できる力を持ってる筈
もしぼく達がサポート出来なくなっても、進んで、不思議な力を信じて
帰ろう、故郷に
猟兵たちに勇気を貰い、少しずつ戦う意思が芽生えてきたアリス。
そんな彼女にアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)こと暁の戦士ドーンブレイカーは語り掛ける。
「……なあ、アリス。急に想像しろって言われても……イマイチピンと来ないよな。でも君の想像力……イマジネーションを発揮すれば、こんな巨人だって簡単にぶっ飛ばせるんだぜ?」
「そんな力が、あたしに……?」
未だに半信半疑のアリス。
そこへアネット・レインフォール(剣の教導者・f01254)が愛車の単車で巨兵の群れを撥ね飛ばしながらアリスの元へ突っ込んできた!
後部座席に跨るのはロコメルン・ルケッタ(幸福の追求者・f15638)。
ヴァリアブルマフラーで巨兵たちを斬り刻みながらアネットの道を切り拓き、単車から飛び降りる。
「この街での乗り物の仕様を禁ずる! 貴様等を死刑に処す!」
巨兵たちは狂ったように断罪の言葉を発すると、アネットは無表情でオウガたちを睨み付けた。
「乗り物に武装禁止か……。そんなものを守る奴もいないと思うが」
「えっと、ぼくもアネットさんも乗り物から降りたし、武装も解除したよ。乗り物と武装を禁止……。ほら、法律は守ったから、手を出さないでくれるのかな?」
ロコメルンが両手を挙げて無抵抗をアピール。
アネットも同じく言われるがままに従い、ひとまず巨兵たちの動向を窺うことにした。
すると巨兵たちは、左手に持つ巨大な剣を掲げ、こう宣言した。
「この街は猟兵立ち入り禁止だ! 故に斬首刑に処す!」
「それってつまり、何をしても食べるってことなんじゃ……」
ロコメルンは思わず呆れ返り、溜息を吐いた。
そして、アネットはすかさず単車を咄嗟に持ち上げたではないか!
「零式・武人覚醒。……アリスよ、これが――猟兵(イェーガー)だ」
ユーベルコード発動!
ウェポンマスターの極致によってパワーアップ!
「貴様! この街での武装は大罪……」
「お前はこの単車を武器だと判断するのか? これは乗り物だろう?」
アネットの反論に巨兵は思わずたじろいだ。
確かにあれは武器ではない。
あれで殴られれば痛いだろが、アネットはただ“持ち上げただけ”であって、実際に“攻撃”ではない。
その反応にアネットは目を細めた。
「そう、持ち上げただけだ。刃物でなければ銃でもない。だから、たとえ振り回したとしても武器ではない。たとえこれがお前らがぶつかって怪我をしてもそれは事故だし、俺は乗ってないので法令遵守している」
アネットは葬剣【逢魔ガ刻】の形状を巨大な手型へ変化させると、単車を握る込むように包み込ませた。
そして勢いよく振り回し始めると、剣で斬りかかってくる巨兵をものともせずに次々とと殴打して撃ち下してゆく!
バイク型モーニングスター! エンジン点火で車輪も回転!
振るわれるたびに見ているこっちが痛い!
無茶苦茶な屁理屈だが、法令を守っている以上、攻撃への躊躇いが巨兵たちに生じる。
その隙にロコメルンは『バトルキャラクターズ』でポータルを拡大して出現させた“ゲート”から27体の魔物を呼び寄せ、トランプ兵団を必死に抑え込んでいた。
「故郷に繋がる扉は、アリスさんしか分からないみたいなんだ。扉に辿りつけば、故郷に帰れる。……でも、其処までアリスさん自身で進まないといけない」
「でも、わたしを守ってくれるんでしょう……?」
懇願するアリスだが、ロコメルンは首を横に振った。
「ぼくの呼び出した魔物たちだって無敵じゃない。ほら、あの通り……」
トランプ兵団と相打ちになって消滅する魔物たちを見遣り、ロコメルンは告げる。
「もう時間がないから手短に話すよ。アリスさんはぼく達と同じ力がある。それがどんな力か、ぼくには分からないけど。でも、目の前の脅威に抵抗できる力を持ってる筈。もし、ぼく達がサポート出来なくなっても、進んで、不思議な力を信じて」
「手本が要るか……ちょっと見てな!」
ドーンブレイカーはベルトからウェポンボックスを顕在化させる。
「これは俺の新武装・ウェポンボックス。こいつは俺のイマジネーションで形を自在に変化できる。そして…新技のアブソリュート・ペネトレイション!」
アプリを操作したライズツール【ライフォン】を変身ベルト『サンドライバー』にかざし、ユーベルコードを発動させる!
【Select……BUILD ACTION!】
「こいつでウェポンボックスを、巨大なドリルアームに変形だ! 無敵だろうが何だろうが! 全部ぶち破ってやるぜ!!」
ドーンブレイカーは巨大ドリルアームで巨兵の集団へ突貫!
渦巻くモーター音と巨兵が掘削される破壊音が戦場に轟く!
「大事なのは、理不尽なんかに絶対負けねぇって思う心さ! さあ、アリス! 勇気を出して! 君のイマジネーションを爆発させよう!」
「……やってみるわ!」
アリスは自身の創造力をフル回転させると、自身の身体に白金の頑丈な鎧を具現化させて身に纏うことに成功する!
そこへ振り下ろされるオウガの巨大剣!
しかし、アリスは毅然とした態度でオウガヘ向かって叫んだ!
「そんな剣じゃ、この鎧は切れないわ!」
甲高い金属音と共に、巨大剣が真ん中からへし折れて切っ先が宙を舞う!
「はぁぁぁぁっ!」
そしてアリスの髪の毛が渦巻くと、ドリルとなって巨兵の心臓部を一気に貫いてみせた!
ドーンブレイカー、これには思わず唖然!
「まさかドリルまでやってくれるとはな!?」
「そうだぜ! やればできるじゃねぇか、アリス!」
時雨・零士(仮面ライダーデオルム・f04112)ことサイボーグ戦士デオルムもまた、アリスへ激励の声を贈った。
「つうか、テメェ等の勝手な法律に付き合ってやる必要はねぇな!」
遂にデオルムは法令を無視してぶん殴る決意を固めた。
「行くぜ、超変身!」
いきなり強化型のクロスメモリ・フォームへと変身!
『蒼き水のガーディアン! デオルム・フロストリヴァイアサン! リアラァーイズッ!!』
水と氷を操るフォームへと変身したデオルム、周囲の霧を利用して巨兵たちの身体に霜を降らせて凍結、まとめて身動きを制限させる!
これで剣の一撃を封殺することに成功したデオルムは、次の一手を放つ。
「お次はこれだ! いくぜ、ドラグーン!」
クロスメモリを切り替え、今度は暴風と雷の力を宿す!
『風雷の覇王ッ! デオルム・ストームドラグーン! リアラァーイズッ!!』
「テメェ等、俺の強さに痺れろ! 勝利の法則は決まった!」
ドライバーのスイッチをオン! クロスメモリを再セット!
『フィニッシュ・アーツ! ストームドラグーン!』
「その鉄と機械っぽい身体に氷を纏った状態、さぞかし雷撃がよく効きそうだな! 一気に蹴散らすぜ!」
暴風の檻がトランプ兵ごと巨兵たちを閉じ込めると、デオルムは上昇気流に乗って天高く跳躍!
頂点で全身に暴風と電撃を纏いながら、一気に両脚で急降下キックを放った!
「カオスエクストリィィィム!」
暴風の檻をデオルムが貫くと、辺りが一瞬、白と黒の明滅に包まれ、紙や金属が焼けこげた匂いが街中に拡散していった。
「……帰ろう、故郷に」
ロコメルンがアリスの手を取る。
そしてデオルムのバイクに乗せると、そのまま扉があると思しき方角へ疾走させてゆく。
「……うーむ。救出作戦の筈が、まるで人攫いのように感じるのは俺の気の所為だろうか……?」
アネットは再び単車に跨ってエンジンをふかせると、この状況のシュールさにひとりツッコミを入れるのであった。
大成功
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第3章 ボス戦
『切り裂き魔』
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POW : マッドリッパー
無敵の【殺人道具】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD : インビジブルアサシン
自身が装備する【血塗られた刃】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : 殺人衝動
自身が【殺人衝動】を感じると、レベル×1体の【無数の血塗られた刃】が召喚される。無数の血塗られた刃は殺人衝動を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
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遂に、目の前に『扉』が見えてきた。
あそこへアリスが入れば、元の世界へ戻ることが出来るはずだ。
だが、その『扉』の前に、異形の紳士が立ち塞がる。
「見つけましたよ……『アリス』……」
巨大な手と鋭利な爪、血濡れた衣装、顎と一体化した襟元!
これが予知で見掛けた、この街のボス級オウガに間違いない!
「いけませんねぇ。私たちの貴重な食料と娯楽を奪うような真似は無粋ですよ?」
しゃりんっと刃物同士が擦れ合い、甲高い音が響いた。
「猟兵(イェーガー)……なんと忌々しい存在でしょうか。ならばアリスごと斬殺してその血肉を喰らって差し上げましょう」
オウガ『切り裂き魔』は両手を広げ、猟兵たちを斬り刻まんと襲い掛かる!
未知の敵に恐れず、戦え、猟兵たち!
※アリスの戦闘力では太刀打ちできないため、ボス級オウガが猟兵で対処すること。
※隙あらば『切り裂き魔』はアリスを狙うので、上手に立ち回る必要がある。
ロベリア・エカルラート
やれやれ、帽子屋にしては剣呑だね
アリスを下がらせて、正面から相手するよ
●行動
邪魔者である私たち相手に随分と苛立ってるみたいだし、それを利用させてもらうよ
ユーベルコード『花言葉は悪意』を発動
このオウガから向けられる敵意で私のイバラを強化するよ
そのまま巨大化したイバラを操って遠距離攻撃しつつ、隙を見て剣で切り込む
ついでに【存在感、精神攻撃】で相手の注意を私に向けてアリスを狙いから外す
こっちの攻撃が当たる度に【精神攻撃、傷口をえぐる、恐怖を与える】で相手のユーベルコードを弱体化させるよ
「ほらほら、どうしたのかな?」
「大層な武器だけど、このイバラの蔓も切れないようじゃ園芸鋏の代わりにもならないよ?」
シノギ・リンダリンダリンダ
……アリス、少しだけ離れていてください
あなたのその鎧はとても強固です。貫けるものなど存在しない
ですが、あの親玉は我々の獲物です
少しだけ、お待ちください
アリスの近くに【飽和埋葬】で召喚した死霊の騎士の半分を合体させて護衛させておきます
人攫いのよう。大いに結構です
私は海賊。この気持ち悪い刃物野郎からアリスを略奪するのが私の仕事です
召喚した死霊たちでとことんオウガの邪魔をします
時間稼ぎ、傷口をえぐる、だまし撃ち、フェイント
様々な方法でとにかく邪魔をします
アリスには近づかせません
死霊たちを使いながら近づいていき、拳が届く範囲になったなら、
あとは【力いっぱい殴るだけ】です
時雨・零士
彼女を襲い、食糧だの娯楽だの好き勝手言ってるんじゃねぇよ!罪も無い人達を襲い、幸せを奪う方がよっぽど無粋だぜ!
テメェの罪はここで裁く!
さぁ、おまえの罪を数えろ!
【アクセルフォーム】で超加速。ブラスターのバーストで血塗られた刃を迎撃しながら超高速で接近し、【怪力、早業、グラップル】による連打から「カオス・インパクト」!マッドリッパーで無敵の殺人道具を創造しても、幾ら道具が無敵でも当たらなきゃ意味がねぇ!【見切り、第六感】と高速で回避して翻弄し、最後は【ストームドラグーン・オーバーロード】によるカオスエクストリームで仕留めるぜ!!
さぁ、フィナーレだ!
後はアリスを扉へ送って元の世界へ還せればOKだな
ロコメルン・ルケッタ
食料。手の込んだ事をしてまでどうしてアリスさんを?
ただの娯楽と食料にするためならアリスと名付けて呼ばない筈
ぼく達猟兵とも呼び方が違う。何が目的なの
戻ってもまた呼び出されるかもしれない
安心して故郷に帰れるように、聞き出さなきゃ
…理由はともあれ、食料として見てるなら抵抗させてもらうよ
アリスさんの側で近接攻撃に備え、マフラーを飛ばし遠方から攻撃
接近はシックラーで受け流し迎撃を狙う
距離を取って戦う。きっと弱らせないと扉まで辿り着けない
血塗られた刃が飛び交ったら、マフラーを走らせ亀裂を空間に生成させます
亀裂の内部から魔物の腕を引き出し刃を掴ませます
亀裂から飛び出した魔物の攻撃を浴びせる間、アリスさん扉へ
アーサー・ツヴァイク
※何でも歓迎、🔵過多なら不採用可
…下がってな、アリス。アイツはガチだな
相手の武装は…無敵の殺人道具と来たか、殺意半端ねぇな。【サウザンド・フラッシュエッジ】による光刃の圧で敵の攻撃を相殺してみるか。
それとアリスばっかり狙おうとしているみたいだが…そっちを狙わないと無敵が証明できないってか? 無敵と言い張るなら…俺らを殺らなきゃ意味ないぜ!
それにアリスに余所見してたら…こっちの攻撃を捌ききれないぜ?何しろ、光刃は2000を超える数だ。無敵の殺人道具…攻撃は凄そうだが、防御に関してはどうなんだろうな?
衣服から漂う死臭、刃から滴る血液、禍々しい殺気!
目の前のオウガ――切り裂き魔は、空間から突如として鋭利な巨大剃刀を想像力から想像し、猟兵の後ろにいるアリスへ切っ先を向けた。
それを庇うようにロベリア・エカルラート(花言葉は悪意・f00692)が肩を竦めて立ち塞がった。
「やれやれ、帽子屋にしては剣呑だね。……アリス、下がってて」
ロベリアがアリスを下がらせようとするが、アリスは身に纏う鎧を理由に下がろうとしなかった。
「大丈夫よ、この鎧に貫ける刃なんてありはしないわ! 猟兵の役に立ちたいの!」
そんなアリスにシノギ・リンダリンダリンダ(ロイヤルドレッドノート船長・f03214)がアリスの肩に手を添えて告げた。
「……アリス、少しだけ離れていてください。あなたのその鎧はとても強固です。貫けるものなど存在しない」
「だったら!」
シノギはアリスの口に人差し指を押し付け、塞いでみせた。
「ですが、あの親玉は我々の獲物です。少しだけ、お待ちください」
ユーベルコード『飽和埋葬(リッチ・システム)』にてアリスの周りに死霊従者を呼び出し、16体分の死霊を合体させて護衛として配置させた。
残る16体の死霊従者と共にシノギは前に進み出ながら、彼女はアリスへ頷く。
「アリス、私は必ず、約束を守ります」
「そういうことだ」
アーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)こと暁の戦士ドーンブレイカーは、シノギと肩を並べてアリスを守らんと身構えた。
「……下がってな、アリス。アイツはガチだな」
「加勢するぜ! ドンブレイカー!」
時雨・零士(仮面ライダーデオルム・f04112)ことサイボーグ戦士デオルムも、いつでもベルト型魔術装置デオルム・ドライバーを起動できるように、その機会を虎視眈々と窺っている。
「彼女を襲い、食糧だの娯楽だの好き勝手言ってるんじゃねぇよ! 罪も無い人達を襲い、幸せを奪う方がよっぽど無粋だぜ! テメェの罪はここで裁く! さぁ、おまえの罪を数えろ!」
「罪……というのは、私が食べた『アリス』の人数の事でしょうか? だったら教えて差し上げましょう」
切り裂き魔は想像した巨大剃刀を回転投擲!
「私が食べた『アリス』の数はァッ! 8万跳んで71人だァッ!!」
剃刀が空を切り、猟兵たちへ迫る!
そこへロベリアとロコメルン・ルケッタ(幸福の追求者・f15638)が跳び出し、茨とマフラーで剃刀を受け止めた!
「随分と苛立っているようだね? おかげで遠慮なくこっちもユーベルコードをぶつけられる。“やるべきか、やらざるべきか”ってね」
敵対者からの負の感情を爆発させたロベリアは、普段は巨大鋏剣に絡み付く彼女の真の姿の一部である茨を巨大化させ、更には自身の影から溢れさせ、切り裂き魔を引き裂かんとしなって強かに振るわれた!
「花言葉は悪意(ソルシエール・ドゥ・マルヴェイヤンス)! 眠りに誘う呪いの茨ロンヴィ・デ・ラ・ソルシエールの棘は、傷口を抉り、その精神を蝕む!」
「ぐぬっ!? これが、猟兵の力
……!?」
茨に打ち据えられてたたらを踏む切り裂き魔に、ロコメルンは自身のマフラーを自立駆動させて戦わせながら問い掛けた。
「あなたは彼女を食料と呼んだ。手の込んだ事をしてまで、どうしてアリスさんを? ただの娯楽と食料にするためならアリスと名付けて呼ばない筈……。ぼく達猟兵とも呼び方が違う。何が目的なの?」
「目的? どうやら貴女は勘違いをされてらしゃるようだ……」
茨で殴られて動けない自身に代わり、切り裂き魔が装備する血塗られた刃を90個複製して、個別に操ってロコメルンを襲わせる!
「勘違い……? ぐっ!?」
全方位から迫る鋭利な刃を、左右二振りの大鎌『ミストシックラー』で払い除け、噴き出す冷気で凍結させて地面に霜で固定させた!
痺れる手の感触に戸惑いながら、ロコメルンは再度問いただす。
「ぼくは納得したいだけなんだ。だから目的を……」
「目的ではないんですよ! 『アリス』を様々な世界の『アサイラム』から召喚し、我々が喰らう! それが我々の世界のルールであり、これが我々の生き様なのです!」
ロベリアの茨を掻い潜り、切り裂き魔は一気にアリスへ向かって肉薄せんと飛び掛かる!
「そうはさせるかっ! ひとっ走り付き合えよ!」
『Start UP! デオルム! トップギアァッ! アクセルフォームッ!』
1秒間を1000倍の速度で攻撃できるデオルム・アクセルフォームに変身すると、迫りくる血濡れた刃を熱線銃の高速連射で撃ち落とし、近付いた切り裂き魔の身体に1秒間に1000回ものキックを叩き込んだ!
『デオルム! アクセル・サウザンド・キィック!!』
「ぬおぉっ!?」
蹴り飛ばされ、扉の元まで転がる切り裂き魔!
「アリスの元へは行かせません」
シノギが死霊たちをけしかけて追撃を果たし、ダメージを蓄積してゆく。
ここでロベリアは攻撃と“口撃”で敵のユーベルコードの弱体化を図る。
「ほらほら、どうしたのかな? 大層な武器だけど、この茨の蔓も切れないようじゃ、園芸鋏の代わりにもならないよ?」
大振りに振るわれた茨の鞭を、切り裂き魔は自身の鋭利な爪で受け止めて掴んだ!
「確かに、どうやら認識を改めねばなりませんね。この殺人衝動……解き放ってしまうと食事どころではなくなるのですが、止むをえません!」
切り裂き魔は茨を爪で弾き返すと、血塗られた90本の刃が周囲に召喚された!
「殺人衝動を駆り立てた貴方たちを執拗に追跡する刃! もう逃げられませんよ!」
切り裂き魔の合図で、猟兵たちを掠めてゆく無数の刃たちが高速飛来!
ロベリアは茨で払い落し、シノギは死霊と共に刃を撃ち落としてゆく。
デオルムもブラスターでクイックドロウを繰り返すが、その一部がアリスに殺到!
「「あぶないっ!」」
ドーンブレイカーとロコメルンが身体を張って刃を受け止める!
突き刺さる刃から噴き出す鮮血!
シノギが残した死霊も併せて3方向、アリスを囲って猟兵たちは庇ったのだ。
「……2人とも、大丈夫!?」
「こ、これくらい、平気だよ、アリスさん……」
「ロコメルンの言う通りだぜ、アリス! アリスばっかり狙おうとしているみたいだが……そっちを狙わないと無敵が証明できないってか? 無敵と言い張るなら……俺らを殺らなきゃ意味ないぜ!」
飛び交う刃に警戒するドーンブレイカーは、ハッと何かを思い付いた。
「ロコメルン、アイツを遠距離から殴れないか? 俺がサポートするぜ!」
「……やれなくは、ないよ」
それは今まで運用した機会が少ないユーベルコードだ。
ほとんどぶっつけ本番での運用だ。
「だとしても……」
ロコメルンの両目に強い意志が宿る。
「……理由はともあれ、食料として見てるなら抵抗させてもらうよ。きっと弱らせないと扉まで辿り着けない」
「よし、だったら行くぜ! ライズツール【ライフォン】アプリ起動! アナザーフォーム【キングオブブレイド】!」
アプリを起動し、ドーンブレイカーの変身ベルト『サンドライバー』へライズツールをかざすと、謎の電子音声が鉄火場に轟く!
【Select……SLASH ACTION!】
ライズツールを投げ捨てると、2300本余りの光の刃がドーンブレイカーの背後から生成されたではないか!
「全部まとめて……ぶった切るぜ!! サウザンド・フラッシュエッジ!!」
光の刃が飛び交う血濡れた刃を撃ち抜き、次々と爆砕してゆく!
「小癪なッ!!」
再び切り裂き魔は想像から殺人道具を創造!
今度は爪が6連チェーンソーへ変化した!
「アリスは私が喰らうのだァー!!」
飛び掛かる切り裂き魔の駆動刃がアリスを軌道上に捉えた!
「捕らえたッ! 真っ二つだ!!」
「そうだね、ただし、あなたがだけどね」
ロコメルンが呟くと、空間のひび割れから唐突に跳び出す巨大な腕に切り裂き魔が掴まれてしまう!
胴体を万力めいて握り潰され、悶絶の悲鳴を上げる切り裂き魔!!
「ぎゃあアアアアッ!? な、なんですか、これはっ!?」
「魔性の者達が仲間と認めたみたい。あなたのことを……」
ロコメルンのユーベルコード『魔性の瞳』により呼び出されたのは、武器庫として異空間に封じているポータルの中の魔物たち。
「ドーンさんの光の刃に紛れさせて、ぼくのマフラーで次元干渉を起こして空間にヒビを入れたんだ。そこから覗く魔性の者達に、ぼくはあなたを攻撃させたんだ。……上手くいって良かった」
「は、離せ! はなせっ!! 無敵の殺人道具があれば、こんな巨腕など斬り落として……」
だが次の瞬間、切り裂き魔の腕が無数の光の刃で射抜かれ刎ね飛ばされた!
「アリスに余所見してたら……こっちの攻撃を捌ききれないぜ? 何しろ、光刃は2000を超える数だ。その無敵の殺人道具……攻撃は凄そうだが、防御に関しては紙よりも薄っぺらかったようだな?」
「そ、そんな、ありえない、ありえないいいい!?」
無敵を覆された切り裂き魔は恐慌状態に陥る!
そこへ走り込むのはロベリア、茨から解き放たれた大鋏を解体すると、二振りの剣となって切り裂き魔の下半身を斬り刻んで削ぎ落す!
「さぁ、もうどこへも行かせないよ?」
「――ッ!?」
もはや言語化できない断末魔を上げる切り裂き魔へ、引導を渡すべくデオルムが動く。
『デオルム! オーバーロードフォームッ! ドラグーン!!』
「雷光の竜よ! 真の力を俺に!! 超変身!!」
『電嵐纏いし絆の王! デオルム・ストームドラグーンッオゥバーロォォォドッ!』
デオルムの体が暴風と雷光の鎧と風雷を自在に操る緑の装甲に覆われる!
「さぁ、フィナーレだ!」
ベルトのギミックを操作し、デオルムは必殺技を繰り出す!
『フィニッシュ・アーツ! ストームドラグーンッオゥバーロォォォドッ!』
「ロコメルン、そいつを手放せ! ロベリア、茨で宙に打ち上げろ!」
デオルムの子と兄2人は即座に反応。
切り裂き魔の上半身は魔物の手から解放されると、茨の蔦で引っ叩かれて鈍色の空へと打ち出された!
「もっと打ち上げてやるぜ! もってけ全部だ!!」
ドーンブレイカーが残りの2000本近い光の刃を真下から切り裂き魔へ突き上げ、オウガはさらに高度を上げてゆく!
「ハァァァッ!!」
デオルムは竜巻を纏ってロケットの如く急上昇!
切り裂き魔の頭上を捕らえると、マッハ3.7の速度で繰り出される雷光急降下スクリュードロップキックが炸裂!
『カオスエクストリーム・オゥバーロォォォドッ! スパーキィィィィングッ!!』
「グワーッ!?」
蹴り飛ばされた切り裂き魔!
それを地面で待ち受けるは……シノギ・リンダリンダリンダ!
「どなたかが仰ってましたね、人攫いのようだと。大いに結構です。私は海賊。あなたのような気持ち悪い刃物野郎からアリスを略奪するのが私の仕事です」
黄金の蜂蜜酒『バッカニアミード』を一気に呷れば、不思議と全身に力がみなぎってくる!
「では、そろそろ終焉(おわ)らせましょう。こういう時、一番手っ取り早い方法があるんです。それは……」
「やめろぉぉぉおおおっ!!」
地面に激突寸前になる切り裂き魔の上半身へ、シノギは力任せに拳で突き上げた!
「が……ハッ!?」
「力いっぱい殴るだけ、です。動かないでくださいね。残り159発、当たらないので」
酔拳が如く残りの蜂蜜酒を飲み干して空き瓶を投げ捨てると、シノギはアリスへの仕打ちへの怒りと共に怒涛の拳の弾幕を切り裂き魔に叩き付け始めた!
「打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打!」
無敵の殺人道具が! 漂う血塗られた刃が! シノギの拳で瞬時に砕かれてゆく!
「打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打!」
御自慢の巨大な爪も! 『10/6』のラベルが張られた帽子も! 全て、全て!!
「打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打!」
砕ける! 砕けてゆく! もはや跡形も残さず、塵へと拳が、無に帰してゆく!!
「打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打打!」
遂に地面に叩き付けられたオウガは、石畳とシノギの拳のサンドイッチ状態だ!
「打打打打打打打打打打打打打打打打打打ッ!」
衝撃で石畳が砕け散り、切り裂き魔ごと減り込ませ、最後の一発に全力を籠める!
「打ァァァァァァーッ!!」
地鳴りと共に打ち込まれた特大の一撃!
全部で160発!
全弾打ち込まれた切り裂き魔は、もはや概念諸共砕かれ、消失してしまった……。
「本当に、ありがとうございました。おかげで生きて帰れます……!」
涙ぐみながらアリスは猟兵たちと握手を交わしてゆく。
「もうこの世界へ来ないようにね……」
ロコメルンが心配そうに声を掛ける。
「そうだな、でも、あんたならどこへでも逞しく生きてゆけるぜ、きっとな!」
変身を解いた時雨が笑いかける。
「無限の想像力、これがあんたの最大の武器だぜ、アリス!」
こちらも変身を解いたアーサーがアリスを激励。
「アリス、どうかお元気で」
シノギが手を振れば、その隣で佇むロベリアはアリスの背を押す。
「ほら、早く扉を開けたら?」
「……はい、では、さようなら!」
アリスが扉を開けると、眩い光が辺りを覆い尽くしてゆく。
猟兵たちが再び目を開けると、アリスも扉も霧の如く消えていった。
これで、あの女性は元の世界に帰れたはずだ。
しかし、このアリスラビリンスというデスゲーム世界のシステムは残酷だ。
これからもこの世界の数多の予知が発生することになるだろう。
だとしても。
いずれこの世界を救う日まで、猟兵たちは抗い続ける。
今日、救えた命が、その確固たる証拠なのだから。
大成功
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