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晴れ時々猟兵ところにより魔物

#アックス&ウィザーズ #群竜大陸 #クラウドオベリスク

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●地の底の方尖柱
 天を貫く山の下の、奥の奥。
 四方を岩肌に囲まれた薄暗い洞窟の最奥に、それは鎮座していた。
 ――古き伝承に曰く。
 それは、竜の眠りを守るもの。
 それは、竜へ至る道を示すものにして、それを阻むもの。
 その邪悪なるものの名、クラウドオベリスク。
 石碑は崩れ落ちた岩壁から刺し込む日の光を浴びて、ただ佇んでいる。
 その様を、暗闇の中で赤い瞳が一対、静かに見守っていた。

●お前本気で言ってんのか
「皆さん、勇者の痕跡の調査、お疲れ様です」
 ところ変わってグリモアベース。
 アックス&ウィザーズの豊かな自然の風景をバックに、シャルロット・クリスティア(ファントム・バレット・f00330)が猟兵達に声をかけている。
「皆さんの調査のおかげで、群竜大陸へ至る手段が少しずつ解明されてきたのは、ご存知の方も多いかと思います」
 クラウドオベリスク。
 古の勇者の伝承が語るところによてば、世界各地に隠されたそのモニュメントの存在が、群竜大陸へ至る決定的なものを隠しているというのだ。
 これまで噂ばかりで目撃談の無かった群竜大陸。その所在地がまったく知られていない一因はそれにあるのだと。
「伝承のいくつかには、クラウドオベリスクの所在地が記されているものもありました。今回私のグリモアが示した場所とも一致するので、信頼性は十分だと思います」
 その為、今回の任務の目的は『予知のあった現場に向かい、クラウドオベリスクを破壊、群竜大陸への道を拓く一歩とする』と言うことになる。
 もちろん、仮に魔竜がオブリビオン・フォーミュラだった場合、その居場所を守るクラウドオベリスクは重要な防衛目標だ。
 それを守るオブリビオンは間違いなくいると考えてよいだろう。
「それで、肝心の所在なのですが……少々厄介なことになっていまして」
 バツの悪そうな顔になって、言いよどむシャル。
 その様子は引っかかるところだが、そのままでは話が進まないので続きを促せば。
「アックス&ウィザーズの、とある死火山(※火山としての活動を終えた山の事)にある洞窟の最奥です。ただ、その洞窟の入り口がですね……『カルデラ湖』って、ご存知ですか?」
 シャルの急な質問に、何人かの猟兵が首を傾げた。
 カルデラ湖。詳しいメカニズムは省くが、要するに火山活動で地盤が沈んで底に水が溜まってできた湖と考えてもらえばよい。
 入口はその中。泳いで洞窟に侵入する必要があるのだと言う。
「さらに厄介なことに、この山は非常に複雑で険しい場所となっており、おまけに飛行型オブリビオン……ヒッポグリフの存在も確認されました。陸路での戦闘は危険極まりないですし、空から侵入するのも、ヒッポグリフからの攻撃は避けられないでしょう」
 もちろんオブリビオンである以上放置するわけにもいかない、だがそんな危険な場所での強敵相手は避けざるを得ない。
 それでは打つ手なしではないか。
 ざわつく猟兵達を、シャルロットが手で制す。
「ただ、一定以上の高度はヒッポグリフの縄張りから外れるということが判明しました。……なので、今回は転送の出口をカルデラ湖の直上、高高度に設定します」
 えっ。
 沈黙が走る。お前今なんつったと言わんばかりの。
「皆さんには転送後そのまま自由落下、目標上空のヒッポグリフにすれ違いざま攻撃を仕掛けて撃墜しつつ、直接カルデラ湖に飛び込んでもらいます。大丈夫、下は水で深さも十分。多少痛い程度です!」
 おいおいおいおい。
 再びざわつく猟兵を無視して、シャルロットの説明は続く。
「着水後、そのまま水中を通って洞窟内に進入、奥へと進んでクラウドオベリスクを破壊してください。道中にも別の魔物がいる可能性は高いので、連戦も視野に入れておいてくださいね」
 決行する前提で話が進んでいた。こいつ本気だ。

「あ、それともう一つ」
 結局押し切ったシャルが、準備を始める猟兵達に声をかける。
「以前、スペースシップワールドで提供していただいた『無色透明の宇宙服』あったじゃないですか。今回の作戦に当たって、貸していただけることになったのでどうぞご利用ください」
 宇宙ではないですけど、高高度の低酸素や水中でも、問題なく戦闘行動やコミュニケーションが取れるようになると思います。
 そうのたまうシャルの口調は穏やかだが、有無を言わせぬ何かがあった。
 なんかこう、私は悪くないと自分に言い聞かせているようなそんな感じの。
「難しい内容なのは百も承知です。ですけど、皆さんなら!できると!信じていますので!!」
 そう言うことらしいので諦めて出発しよう。


ふねこ
 親方!空から猟兵が!!
 はい、どうもふねこです。またアックス&ウィザーズです。
 思いついてしまったんだから仕方ないですね。
 例によって、更新タイミング等の大雑把な目安はマスター自己紹介にも随時書いていこうと思いますので、そちらもよろしければご確認くださいませ。
 以下、補足情報になります。

 第一章では、カルデラ湖目掛けてスカイダイビングしながらすれ違いざまにヒッポグリフを倒していただきます。
 撃破するまで攻撃し続けると言うより、数回(もしくは一回)攻撃しかけてそのまま落ちてハイさようなら、な感じになると思います。
 ちょうど最後の一人が攻撃したくらいで敵の体力持つ来てくれることでしょう、多分。
 第二章では着水した後のカルデラ湖で何かあり(水中戦です)、
 第三章ではその後洞窟に侵入した先でまた何かあり(地上戦です)ます。
 魔物狩りトライアスロン。

 それでは、皆様のご参加お待ちしております!
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第1章 ボス戦 『光輪のヒポグリフ』

POW   :    光輪の乱舞
【黄金の光輪から無数の光線】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    光輪の障壁
対象のユーベルコードに対し【障壁と化した光輪】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
WIZ   :    光輪加速装置
【無数の光輪を召喚、高速機動モード】に変形し、自身の【動きの小回り】を代償に、自身の【攻撃力と直線速度】を強化する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はガングラン・ガーフィールドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リア・ファル
共闘・アドリブ歓迎
SPD

作戦は理解したけど…え?
落下しなきゃ…ダメ? シャルちゃん? シャルちゃーん…!?(転送済)

イルダーナなら着水も平気だろうし…
分かったよ、落ちて行こうか、フルストライクで!

落下領域の周辺ヒッポグリフを検索(サーチ)、マークして、ロックオン
UC【召喚詠唱・流星戦隊】をコール!

「文字通りのメテオアタックだよ! 全艦突撃!」
機首前方に光粒子エネルギー(オーラ)を展開して、チャージ!
本体はヌァザの斬撃とセブンカラーズの銃撃のオマケ付き

「団長が居たら、これも良い空! って言うのかな!」
赤い帽子を思い浮かべつつ、落下していく

(技能:情報収集、操縦、先制攻撃、空中戦、オーラ防御)


ヘスティア・イクテュス
シャルロット結構無茶言うわよね
まぁわたしには問題ないんだけど

転送と同時にティターニアを噴かして加速よ
縄張りに入って向こうに気づかれる前に奇襲、離脱したいじゃない?
あぁ、あれがカルデラ湖ね
こんな時じゃなかったらゆっくり眺めてたのだけど…


フェアリーズを展開、全方位からのオールレンジ攻撃
周囲に気を取られてる内についでのすれ違い様にビームセイバーで一閃ってね

アベルに操作は任せて後は離脱
ここでフェアリーズが気を引いておけば他の猟兵も当てやすいでしょ


あっ、流石に突入時には逆ブースト全開でゆっくり飛び込むわよ
わざわざ痛い思いして飛び込む必要はないしね


アメリア・イアハッター
つまりスカイダイビングだよね!
わーい楽しそう!
仲間もいっぱいいるし、さながら流星群だね
よーし、私も星になっちゃおう……エアハートと一緒に!

宇宙バイク「エアハート」に騎乗しつつ降下開始
風を切って空を楽しみながらも、宇宙バイクならではの空中制御を行い敵の頭上をとるように軌道を調整
敵の姿を真下に捉えればUC発動
攻撃は至って単純
落下速度に質量を乗せて、思いっきり体当たりだ!
可能であればそのままどこかを掴んで、敵を引きづり落とすか、そのフサフサの羽毛や……まつげ?まゆげ?なんかを引きちぎっちゃおう!
羽がとっても綺麗だから、羽をむしれたら今度帽子につけちゃうのもありだなぁ

ところでエアハート
あなた泳げるの?



●オペレーション・メテオライト
 作戦は理解した。
 そう、理解はした。
 陸路も迂闊な空路も使えない以上、『真上』から攻撃目標を撃破しつつ、進入する。
 理解のできる話である。
 だが、リア・ファル(三界の魔術師/トライオーシャン・ナビゲーター・f04685)は知っていた。
 理解と納得は同じようでちょっと違う。
「落下しなきゃ……ダメ?」
 ダメ。
「シャルちゃん?シャルちゃーん!?」
 グリモア猟兵への抗議の声は、どこまでも青い空に溶けて。
 そう、既にこの身は転送済み。眼前に広がるのは、グリモアベースでの作戦会議などではなく、青い空と白い雲、そして眼下に広がる広大な大地である。
「シャルロット、結構無茶言うわよね……」
 その横で、ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)がやれやれと苦笑を零した。
 決して大きくはない声、ともすれば高速落下による空気の音に掻き消されそうなそれは、しかしリアの耳にはっきりと届く。
 さすがはスペースシップワールドの最先端技術。この程度の距離の通信は軽いものだ。
「でも団長が居たら、これも良い空!って言うのかな?」
「あー、言いそう。『つまりスカイダイビングだよね!』って感じに」
「つまりスカイダイビングだよね!これも良い空!わーい楽しいー!」
「「…………」」
 いたわ。言ってたわ。
 言葉を交わす二人のすぐ近くを一緒に落下していく、黒いカラーに赤のワンポイントの宇宙バイク『エアハート』。
 跨っているのは、飛んでいかないようにしっかりとテンガロンハットを括り付け、赤い髪をなびかせる凄く楽しそうな様子の少女が一人。
 二人の知ってるアメリア・イアハッター(想空流・f01896)その人だった。
「仲間もいっぱいいるし、さながら流星群だね!」
「……分かったよ、落ちて行こうか、フルストライクで!」
 気合十分のアメリアに思わずリアも笑みが零れ、自身も愛機『イルダーナ』の操縦桿を握りなおし、空いている手でコンソールを叩く。
 頼れる相棒なら着水も平気のはずだ。来てしまった以上、あとは覚悟を決めるのみ。
 センサーを広域に設定、感度を最大に。攻撃目標のヒポグリフを探す。
「……いた!直下、距離1000!」
 尋常の人間で言うところの自由落下の限界速度は時速200km程。空気抵抗を最大限に減らした姿勢をとったところで、時速250~300km。
 秒速に直すと、ざっと1秒60~70mほど落ちていくということになる。
 ……つまり、接敵まで約15秒。
「お先!」
 その中でヘスティアが、装備したジェットパック『ティターニア』に火を入れた。
 加速。自由落下速度に、さらに推力も追加させて、一気に降りていく。
 縄張りに入って向こうに気づかれる前に、一撃離脱の奇襲をかける。
 場所さえわかってしまったのなら、もう速度を遠慮する必要はない。
 残り、700。
「アベル!フェアリーズを展開!」
『かしこまりました』
 ウエポンコンテナ、オープン。ティターニアの装甲の内側から勢いよく射出されつ、幾つもの攻撃用ドローン。
 ヒポグリフが接近に気付いた。だがもう遅い!
「オールレンジ攻撃!ファイア!」
 指示と同時に、展開したドローンから放たれる無数の光芒。
 反撃に飛んだヒポグリフからの光線と交錯し、あるいは打ち合いはじけ飛びながら、あちらこちらへと光の帯が乱れ飛ぶ。
 触れれば焼ける光の檻。ヒポグリフの身をその中に捉え、しかしヘスティアはティターニアを駆り、その間隙を縫い速度を緩めることは無い。
 ――一閃。
 ヘスティアが握ったビームセイバーの刃が、ヒポグリフの脇腹を抉る。
 確かな手ごたえと共に下へと抜け、身を翻し上を見たヘスティアが見たのは、霧散していくビームの檻と、その上から降り注ぐ無数の流星だった。
「マテリアル転写生成完了。……文字通りのメテオアタックだよ!全艦突撃!」
 リアが操縦する制宙高速戦闘機『イルダーナ』。その周囲に複製した同型機を無数に展開し、それぞれに粒子を纏わせた様はまるで光り輝く流星雨のよう。
 ヘスティアの先制攻撃に気を取られている今この瞬間、ヒポグリフはこちらに回す余力は無い。
 次々と頭上から叩きつける雨。質量と粒子の刃を以て、ヒポグリフのその身を強かに打って行く。
「あとよろしくっ!」
「よーし、私も星になっちゃおう!行くよ、エアハート!」
 すれ違いざまにコクピットから銃撃を叩き込んでリアが言えば、応じるアメリアが愛機の機首をヒポグリフに向ける。
 元より真空中の機動も可能な宇宙バイク。飛行は無理でも空中での向きを調整するくらいはお手の物。
 細身のタイヤが高速回転を決めながら、ヒポグリフの脇腹に突き刺さる。
 耳元で響き渡る甲高い鳴き声。苦しさを孕むそれは、間違いなく有効打を入れた証。
 身を捩るヒポグリフに振り払われ墜ちながら、確かにアメリアは手ごたえを感じていた。
 ……が。
「(……あれ?そういえばエアハート、泳げたっけ……?)」
 アメリア自身は、支給された透明の宇宙服のおかげで水中の活動も支障はない。
 だが、エアハートの方は。
 ちゃんと防水かけてたっけ、どうだっけ。宇宙は大丈夫でも浸水とか問題なかったっけ。
 明確な答えを思い出す前に、アメリアの視界の端で制動をかけたらしいヘスティアとリアの姿が一瞬だけ写って……すぐに世界が青一色で塗りつぶされた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

リューイン・ランサード
(高高度から放り出されて)こ、こんな高い所から落ちるのは、いくら翼があっても、怖いし痛いです!

湖近く迄は泣きそうになりながら自由落下。
ヒッポグリフが近づいてきたら、「来ちゃったよ・・・<汗>。」とビビりつつもUC:スターランサー発動。

敵は『小回りはきかない』『直線速度はすごい』ので、敵と自分の間にスターランサーの光線190本を”X”の形で交差する様、半分ずつ分けて撃つ。
こちらから当てるのは難しそうですが、突っ込んでくる場所に攻撃設置すれば向こうから当たってくれそうな気がします。

敵の攻撃は翼を使っての【空中戦、第六感、見切り】による最小限の動きで回避し、そのまま湖にドボン。
うう、痛いです<泣>。


幽草・くらら
わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!
分かってはいましたけど高い!寒い!怖いです!

……まあ、冷静に考えれば魔女らしくブラシで【空中戦】できるんですけど。

ブラシを飛翔器として【騎乗】、皆さんと足並みを揃えるので浮遊したりせずあくまで下方向へ【ダッシュ】で速度を持たせたまま安定させます。
詠唱を保ったまま敵とすれ違いざま【全力魔法】でUCを炸裂させて、爆発を突っ切る形で進んでいきます。

着水前、余裕を持って制動をかけてブラシから降りつつ、着水する前に【クィックドロウ】【早業】を活かして船……というよりクッション付きの桶を描いて悠々と着水を試みます。
その、痛いのとか宇宙服の破損とか嫌ですし……



「うわああああああああああああああああああ!?」
「わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
 悲鳴×2。
 これまでここまでの声量を出したことがあっただろうか。もしかしたらあったかもしれないけどたぶんないと思う。
 リューイン・ランサード(今はまだ何者でもない・f13950)は、自分の目の端からこぼれ出る涙がすーっとゆっくり視界の上にフェードアウトしていくのを見た。
 つまり今、自分は涙よりも早く落下している。
 いくらドラゴニアンの翼があったところで、こんな高いところからのノーロープバンジー、怖くないわけが無い。
「分かってはいましたけど高い!寒い!怖いです!」
 その横で更にわめく幽草・くらら(現代のウィッチ・クラフター・f18256)の姿もあった。
 実際のところ全身を覆う透明の宇宙服のおかげで外気に直接は触れていないので『寒い』は該当しなかったりするのだが、それでも強烈な風圧は感じる。
 とんでもない高所でとんでもない風圧を身に受けている、と言う事実が本来感じない寒さを勝手に感じさせていた。イメージって怖い。
 実のところ、くららに関しては巨大ブラシと言う『魔女の箒』があって飛べはするのだが、置いていかれるわけにもいかないので他の面子同様自由落下同等の速度を以て急降下をかけていた。
 つまり彼女も時速250km。
「あぁ、来ちゃったよ……」
 リューインが呻く。
 眼下に先ほどまで広がっていた光の乱舞と流星雨は既になく、ヒポグリフがこちら目掛けて急上昇をかけてくるのが見えた。
 どうやらすでに落下した面々はそう追う気はないらしい。そのまま落下死したとでも考えたのか、単純に直近の脅威を優先したのかはわからないが。
 だが、二人にとって重要なのは『こっち来てる』の一点のみである。
 光輪を纏ったヒポグリフの速度は尋常を超えている。
 小回りこそ利かないようだが、人の動体視力ではピンポイントで直撃させるのはかなりの難度と言って良いだろう。
「だったら……!」
 泣き言は言ってもやることはやる。ビビったところでこの状況が何とかなるわけでも無し。
 ――天空の光よ、我が元に来りて敵を貫く槍と成れ。
 詠唱と共に生み出されるのは無数の光線。
 スターランサー。文字通りの星の光の槍を、目の前でX字に交差させるように展開する。
 その直線速度を前に直撃させるのは至難。ならば『進路上に先置きする』。
 小回りの利かないヒポグリフに対してその判断は正解だったようで、ヒポグリフはその身を自ら光の槍の中に突っ込ませることとなる。
「……今!」
 突き刺さり、動きの止まった一瞬をくららも見逃さない。
 その一瞬は、下へと抜けて行く絶好の瞬間であると同時に、確実に攻撃を叩き込むための瞬間でもある。
 詠唱は既に完了している。ならばあとは解き放つだけ。
 すれ違いざまに、全身全霊のウィザードミサイルを全弾纏めて叩きつける。
 轟音、爆発。
 ……だが、くららにはそれを確認する余裕は与えてはもらえなかった。
 だって、下を見れば、見る見るうちに湖が大きく。
「間に合う!と言うか間に合って!!」
 跨っていたブラシから降りる。この瞬間、ブラシは箒から絵筆へと変わる。
 ピクトマンシーとでも言えばいいだろうか。
 描いたものを一時的に実体化させる、彼女の魔術。
 描くのは……クッション入りの桶。
 ほら、だって痛いのとか宇宙服の破損とか嫌じゃん。
 攻撃の余韻に浸ることすらせずに即座に準備を始めたのが幸いし、空中に撒かれた塗料で描かれたそれは見事現世に顕現し、くららはそれを掴むと中へとすっぽり入り込み……落着。
 大きくその身を揺らしながらも無事水面に収まったくららの目の前に、一つの巨大な水柱があがった。
 リューインが落ちたらしい。けたたましい音と共に飛沫がキラキラと舞う。
「うーわ、痛そう……」
 なお、桶はその後次々と落ちてきた猟兵が生んだ波に揉まれ、あっさりと転覆した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

パルピ・ペルポル
冷静に考えなくても結構無茶してるわよね…。

私は飛べるから、他の猟兵のサポートに回りましょう。
落下中に回避行動とるの大変だろうから、他の人がなるべく攻撃を受けないように雨紡ぎの風糸でヒッポグリフの動きを阻害したり、敵の攻撃をそらしたり。
落下速度は他の人たちとある程度は合わせるけれど。
どうしてももう少し殴りたいって人がいれば、火事場のなんとやらを使えば風糸で一人ぐらいは支えられないこともないかしら。長時間は無理だけど。

水面に打ち付けるのはやっぱり痛いから、そこだけはゆっくり着水することにするわね。


アネット・レインフォール
▼心情
成る程…空中戦か。
一応、得意分野ではあるが連携がキモになりそうだな。

『足場の有無など関係ない。捉えた以上は貫き穿つ!』

▼行動
狙うのは死角からの一撃。

落下中に刀剣を展開し念動力で足場にしながら
真上か太陽が背になるよう移動。
位置調整したら落下方向にジャンプし一気に距離を詰めよう。

接敵時は頭か心臓を狙い【天帝ノ貫穿槍】で緋槍を全力投擲。
追い抜きざまに更に一太刀浴びせたら鎖を巻き上げ、
その勢いを利用し、攻撃が続くよう敵を他の猟兵達へ蹴り上げる。

水面が近づいたら葬剣を無数の鋼糸状に変化させ階段状に作り
落ちていく仲間を尻目に一段ずつ下っていく。

…結局、最後は飛び込むんだけどな。

▼他
連携、アドリブ歓迎


大虚・空
いや、いくらなんでも高すぎないか……?

普通の人はきつそうだが

まぁ自分は一応猫の端くれなので
高いところは平気ではあるがな

【準備】
貸し出された宇宙服をちゃんと着る
不備がないか確認する

【戦闘】
SPD重視

壊世を展開し空中に飛び出した後
壊世の背に乗るように落下しながら状況把握

他の面子の状況を窺いながらサポートを行う
隙を見てヒポグリフを拘束する

拘束が上手くいったら水面にヒポグリフ叩き付けて、トドメをさしたいとこではあるが

まぁ自分は戦闘の邪魔にならないように努めよう

……ヒポグリフをクッションにした方が、着水時の衝撃は緩和できそうだが

最悪のときのことは想定しておくべきだな……



「……いや、いくらなんでも高すぎないか……?」
 大虚・空(ヴォイドウォーカー・f03327)は空中でふと冷静になった。
 と言うか、なってしまった。
 自分たちはいったい何をやっているんだろう。
 眼下に広がる広大な大地は未だ遥か遠く。轟々と風を切る音が聞こえてきそうな風圧を宇宙服越しに一身に受けて、おちる、落ちる、墜ちる。
 猟兵と言う職業柄、トンチキな戦場は決してあり得ない話ではないのだが、それを差し引いたって超高空からの自由落下とか、常人には絶対きついだろうコレ。
「冷静に考えなくても結構無茶してるわよね……」
「だよなぁ……」
 隣で一緒に落ちているフェアリーのパルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)と一緒にため息をつく小さめ種族コンビ。
 幸い、空もパルピも片や猫の妖精、片や有翼種族。
 高所・空中への忌避感が薄い分、周囲を見る余裕はあった。
「空中戦は得意分野だが……連携がキモになりそうだな」
 そんな二人の間を、こちらは正真正銘通常サイズの人間、アネット・レインフォール(剣の教導者・f01254)が落ちる。
 その周囲には、無数の刀剣が配置され、共に落下を続けている。
 変に回ったりあらぬ方向へ飛んでいかず、整然と展開しているのは、ひとえにアネットの念動力によるコントロールの賜物。
 足場が無ければ作ればよい。単純な話である。
 そして、敵を捉えた以上は貫き穿つ、それだけの話だ。
「だったら、こっちで拘束する」
「そうね、私は飛べるし、サポートは任せといて」
「助かる」
 援護を買って出た空とパルピに短いながら礼を言い、アネットは手近な剣を蹴った。
 一つは減速。
 接敵までのタイムラグを作り、先に行く二人が先手を打つ時間を作るためのもの。
 そしてもう一つは位置取り。
 アネットの頭上には、煌々と輝く太陽がある。
 その眩い光を背にすれば、下から彼の姿を見上げることなどできようも無い。
 アネットが太陽の中に消えていくのを見届けた空が、からくり人形『壊世』の背中越しに敵の姿を追う。
 ……居場所はすぐに知れた。
 先んじて落ちていく猟兵達、会敵する攻撃目標。
 光り輝く光線は遠目に見ていてもよくわかる。
 接敵までそう時間は無い。ダガーを構える。……ヒポグリフと視線が合った。
 投擲。
 悠長に様子を伺っている暇はない。会敵時間は限られている。
 青白い猫毛の手を離れ飛翔する複数のスローイングダガー。だが、それはヒポグリフの身体には届かない。
 光が爆ぜる。ヒポグリフが放った光輪が、ダガーを一つ残らず叩き落とす。
 その光量に思わず目を細めながらも、空の顔は笑みを作った。
 眩しいのはこちらだけの話ではない。向こうにとっても光量は同条件なのだから。
 そして、その光の中に紛れるのは、糸。
 尋常でも視認が非常に困難な、パルピの手繰る『雨紡ぎの風糸』。
 だがその強度は決して侮れるものではない。絡め取った一瞬を逃さず、空が更に鋼糸で補強してやればなおのこと。
「今よっ!」
 パルピの叫びに応えるのは声ではない。
 太陽の中から墜ちる、一振りの槍。
 それは、死角からアネットが放った渾身の一撃。
 狙うは心臓。強靭なオブリビオンの筋肉は一撃でそれを許すほど柔ではないが、その肉には確かに喰らいついてみせる。
「まだだ……!」
 体勢を崩したヒポグリフを追い抜きざまに一太刀入れつつ、空いた手を掲げる。
 その先にあるのは、突き立った槍とを繋ぐ闘気の鎖。
 さすがに引きずり下ろすのは無理だろう。だが、その『逆』ならば。
 そして、その足元では。
「見た目だけで判断するのは……ねっ!!」
 パルピが張り巡らせた、糸の足場。
 火事場の何とやら。フェアリーの身なれど渾身の力で跳ね上げる。巻き上げる。
 更なる死角……『真下』からの三撃目。
 アネットの蹴りが、ヒポグリフの下腹部に突き刺さった。
 槍を引き抜く。ブチブチと糸が切れる音と舞い飛ぶ血飛沫を頭上に残して、また落ちる。
 後は他の猟兵に任せればいい。やれることはやり切った。
「……クッションにしたかったんだけどな」
 千切れた鋼糸を名残惜しげに空がボヤく。
 フェアリーのパルピは良い。この距離であれば十分制動は利くだろう。
 だが、翼の無い自分とアネットにとってみれば……と、彼を見やれば。
「問題ないさ」
 悠々と、得物を変形させて起用に足場を組み上げている真っ最中だった。
 ――ズルいぞお前。
 そう言いかけた空の姿は、台詞のすべてを言いきる前に水中へと消えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

御鏡・十兵衛
くはははは!落ちながら戦えとは無茶を言いなさる!
良い、良いでござるよ。流石にこれは某もやったことがない!

さあて、どうするでござるかな。
某は翼なんぞ持っておらぬし、攻撃の機は1度か2度か……抵抗を防ぎ、確実で有効な攻撃を仕掛けなければならぬ。
とすると彗連……では威力が足りぬな。やはり、ここは【水破】でござるか。

落下中は光線を見切ることに集中、多少標的直上から逸れたとて某の【水破】ならば多少『伸ばせる』上に、いざとなれば『飛ばせる』。
重要なのはすれ違い様の一瞬、最も威力の出るタイミングで抜き放つことよ。


ディアリア・ラプラシアン
にゃはは~!高い空からパラシュートなしで自由落下~!爽快!最高!滅多にない状況、楽しまなきゃ損なのです~♪……はや?そういえばどうしてこんな状況になったんでしたっけ?


●急転直下9回裏の攻防ですよ~
落下開始から、デコレーションズ・エアを構えてUC【叛逆戯画】を野球小僧風に纏って戦闘準備です。
そして、突っ込んでくるヒポグリフを出来るだけ避けて負傷を抑えつつ、エアを振ってタイミングを計りますよ。
そして戦闘力増強した最後の攻撃チャンス。狙うは一直線のストレート。計ったタイミングでー……思いっ切り全力の一振り!逆転ヒットを狙いますですよ~♪
「よく言うでしょう~♪試合は9回3アウトからと~♪……はや?」


霄・花雫
あははははっ、シャルちゃん無茶ぶりサイコー!
こういうのあたし大好き!
空に水中なんて、あたしのホームグラウンドじゃない?
行ける行ける、まかせてー
ちょーっと寒いのだけが難点かな?まあ、宇宙空間でも動けるんだし何とかなるでしょ

気負いもなく、嬉々として飛び込む熱帯魚
レガリアスシューズの大気の爆発で空中を蹴って、【空中戦、全力魔法、毒使い】!
思いっ切り蹴り抜いちゃお!
落下で狙いが定まり辛いようなら【誘惑、パフォーマンス、挑発】で敵をあたしに惹き付けて呼び寄せて、【野生の勘、見切り】で狙いをきっちり定めるよ

敵を蹴ってUC再発動
とりあえずこのまんま着水は痛そうだし、何度か空中蹴って勢い殺して水中ダーイブ!



 さて、そろそろお分かりだろう。
 と言うか最初から分かっていた人が大半だろう。
 この作戦、初手があまりにも無茶苦茶だと言うことに。
 恐らく、いや間違いなく参加している猟兵に異がある者はほとんどないことだろう。たぶん。
 だが、それでいてなぜそんなに楽しそうなのかと問われれば、御鏡・十兵衛(朧に揺れる・f18659)はこう答えるのかもしれない。
 『狂気の沙汰ほど面白い』と。
「くはははは!落ちながら戦えとは無茶を言いなさる!」
「あははははっ、シャルちゃん無茶ぶりサイコー!」
「にゃはは~!高い空からパラシュートなしで自由落下~!」
 高らかに笑い声を響かせながら落下していく人影、みっつ。
 そう、この状況を楽しんでいるのは十兵衛だけではない。
 霄・花雫(霄を凌ぐ花・f00523)とディアリア・ラプラシアン(のんきなトラブルクリエイター・f16673)もまた同様に、この状況を心底楽しんでいた。
 揃いも揃って女子なのはあまり気にしないことにする。おんなのこってつよい。
「滅多にない状況、楽しまなきゃ損なのです~♪……はや?そういえばどうしてこんな状況になったんでしたっけ?」
 あまりにも楽しみすぎて本来の目的を忘れつつあるディアリアなんてのもいるけど、ヒポグリフが視界に入れば流石に思い出すことでしょう。

「空に水中なんて、あたしのホームグラウンドじゃない?行ける行ける、まかせてー!」
 空は大きな大きな水槽のようなもの。自由自在に泳ぐのが気持ちいいのはどちらも一緒。
 空中を蹴って自ら加速していくかのような花雫の様相に、気負いや恐れの類は一切感じられない。
 今その身を躍らせている大空も、この後眼下に控えている湖も、言ってしまえばホームグラウンド。避けるべき要素が何処にあると言うのか。
「いやはや、元気の良い娘っ子たちでござるなぁ!」
 どんどん突き進んでいく花雫を目で追いつつ、十兵衛は笑みを深くする。
 だが、その笑みに対して頭の中は『どう斬るか』の一色。
 なにせ、こんな経験は幼少期から荒行を続けてきたこの身を以てしてもとんと経験が無い。
 攻撃タイミングはほんの一瞬。打てる攻撃は一撃、打てても二撃。
 そして細かい位置調整をし直すような暇もない。であるならば……。
「重要なのはすれ違い様の一瞬、でござるな」
「急転直下9回裏の攻防、ってやつですよ~!」
 わかってんのかわかってないのかよくわからないテンションで応じるディアリアもやる気は十分。
 巨大な絵筆で自らの衣服を塗り上げ、出来上がったのは野球少年もとい野球少女。
 未だ遠いヒポグリフの影に絵筆をバットの如く突きつけ、予告ホームランの構えである。
 ――先頭をゆく花雫との接触まで、10……9……。
 光が、爆ぜる。
 既に幾重にも手傷を負ったヒポグリフが、これ以上の被弾を許すものかと幾重にも光線を撃ち出す。
 だが、それがどうした。
 数十から数百メートル程度の距離の相手なら容易に捉えるであろうその閃光も、同様の距離を数秒も要せずに……いやむしろそれ以上の速度で駆け抜ける花雫を捉えることは決して簡単なことではない。
 ひらりひらりと光の中を踊る熱帯魚。自由自在に泳ぎ回る魚を軽々しく捉えられる道理は無し。
「よーいしょぉーーっ!!」
 閃光を抜けた先、至近距離に迫ったヒポグリフの横顔を、花雫の足裏が強かに打つ。
 そして、それは言ってしまえば足場だ。『空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる』ユーベルコード、回数リセット。
 あと41回も蹴ることが出来れば、着水までに体勢を立て直すことなど造作もない。
 ヒポグリフ向けてあかんべーをしながら落ちていく花雫。それを見る余裕は(仮に見れたとしても理解はできなかっただろうけれど)ヒポグリフには与えられない。
 ……光線は、後に続く十兵衛とディアリアにも襲い掛かっていた。
 翼も無い二人にとってすれば、花雫のようにひらりとはいかない。
 見切り、身を捩れば十兵衛の身は目標の直上からは離れることになるし、そのような技能も無いディアリアに至っては完全に避けきることなど不可能だ。
 だが、構うものか。
 直撃さえ喰らわなければ。この後の一撃でリターンは、取れる。
 ――交差まで、3……2……。
「……届く!」
「今ですよ~っ!!」
 十兵衛の抜刀、そしてディアリアのフルスイング。
 尋常の斬撃では届かぬ十兵衛の一振りは、だがしかしその身に纏った強烈な水流が『伸びる斬撃』を成し、その刃を身に届かせて。
 ディアリアの一振りは、多少の被弾すらも覚悟でストライクゾーンど真ん中。
 予告通りの強打を叩き込む。
「どこにいようと、某のやることは変わらないでござるよ」
「よく言うでしょう~♪試合は9回3アウトからと~♪」
 納刀の鍔鳴りの音を風の音に混ぜ、二人も花雫の後を追う。
「……それ、もう試合終了してるんじゃ……」
 制動していた都合で二人に追い越された花雫のつぶやきがディアリアに聞こえていたかは定かではない。
 ……実際のところ、もうちょっとだけ延長戦はありそうだが、少なくとも彼女達はここで降板。次の戦場……水中へとその身を躍らせた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

荒谷・つかさ
なるほど。
つまり、いつも通りにやればいいのね。

転送と同時に大剣「零式・改三」を振りかぶり【荒谷流重剣術奥義・稲妻彗星落とし】発動
風の「属性攻撃」及び剣の峰に取り付けたブースターで自身を「吹き飛ばし」て加速
敵の動きを「見切り」、「怪力」で重たい剣を的確に制御し、敵に「鎧砕き」技能を乗せた超重量級の一撃をぶつけてやる
光線による迎撃に備えて「オーラ防御」もきっちり展開、加速による「衝撃波」の「範囲攻撃」で「なぎ払い」することでの相殺も狙う

直撃すれば大地をも砕くこの一撃、当たればただでは済まないわよ。
……そういえば、このまま着水して大丈夫かしら。
湖消し飛んだら……ある意味、次の戦いが楽になるかしらね。


白斑・物九郎
●SPD



遮蔽ゼロの高高度
視界も射線も取り放題のこの狩場、まさにこいつの出番ですわな

――【開門】
(入口は落下する自身の目の前に
出口はヒッポグリフの死角側に創出しテレポート、接近)

空間跳躍射程、マックス1681m
視認されると相殺確率をアゲられちまうってんなら、見られる前に速攻ブチ込んでやりますわ(先制攻撃)

彼方に見た敵へ落下速そのままいきなり瞬間移動して一発
タイミングがアレな所業ですけども、ま、俺めの【野生の勘】で合わせてやりまさァ


・落下速+【怪力】を込めて操る巨大鍵で、目を狙っての刺突
・命中次第、重ねて抉り引き抜く
(目潰し+串刺し&2回攻撃)

・視覚を潰しておくことで後のSPD対処者を援護する企図


オリヴィア・ローゼンタール
……高いですね
自前で飛べるので高所恐怖症ではないのは幸いでした

【トリニティ・エンハンス】【属性攻撃】で聖槍と全身に炎と風の魔力を纏い攻撃力を向上
聖槍を突き出した姿勢で矢のように流星のように
後方に炎と【衝撃波】を放ち更に加速
放たれる光線を【見切り】、風を操り角度を調整して回避
すれ違いざまにというより直撃して槍で貫くつもりで突撃(串刺し・空中戦)
こういうのも一期一会というのでしょうか?

着水の瞬間にも【衝撃波】
【トリニティ・エンハンス】で水の魔力を全身に纏い水中への適正を向上させる



 今回の効果作戦に際し、猟兵達の反応は大きく三つに分類された。
 ビビる者。
 はしゃぐ者。
 そして最後の一つは、『狩り』に集中する者。
 人それぞれ、様々な事情があるとは言えど。どれだけ言ったところで、猟兵なんて存在の役目は、『オブリビオンを倒す』の一点に集約される。
 つまり。
「いつも通りにやればいいのね」
「そう言うことですね」
 恐れるでもなく、かと言って笑い飛ばすでもなく。
 いつも通りの落ち着いた表情のまま、荒谷・つかさ(風剣と炎拳の羅刹巫女・f02032)とオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)が言葉を交わす。
 高いには高いが、高所は別に怖くない。高速度もそれなりに慣れてはいる。
 だとするなら、二人にとってはちょっと特殊なだけのただの戦場に変わりはない。
 つかさは巨大な鉄塊剣、オリヴィアは黄金の聖槍を手に、一直線に空を墜ちる。
 剣の峰に備え付けられたブースターと、炎の魔力による爆発力で更に更にと空気抵抗を物ともせずに加速していくその姿は……。
「……まるで人間ミサイルですわな」
 二人に追いつかれた白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)のコメントがまさにぴったりと当てはまっていた。
「あら、物九郎。いたの」
「ン。……行くならそのまま行きなせぇ、すぐに追いつきまさ」
 つかさと物九郎との会話は一瞬。
 あくまで自由落下に任せる物九郎と加速を続ける二人とでは落下速度が根本的に違う。見送る物九郎を頭上に残し、つかさとオリヴィアは超高速落下を続ける。
「……良かったんですか?」
「あれで頭は回る男よ。喧嘩絡みなら特に」
 オリヴィアの問いに応じるつかさの声は淡々としていたが、その実疑いの色は無い。
 彼が『追いつく』と言ったのならそうするのだろう、と言う確信があった。
 そうこうしているうちに、視界の向こう、未だ小さな点でこそあるが、ヒポグリフの姿を捉える。
 手傷を幾重にも追っているとは言えど、まだ戦闘力の尽きぬその巨体。
 さすがに何度も情報からの強襲を許せば警戒は当然するか。
 光が爆ぜる。思った以上に迎撃行動が早い。
 雨とは真逆に下から上へと『昇り』注ぐ光線のシャワー。
「来ますよ!」
「わかってる」
 ふわりと風を纏うオリヴィア。
 落下に生じる空気の流れとは全く別の『加護』とでもいうべき風の魔力は、横方向への力を生んでオリヴィアの身を翻す。
 一方のつかさも、鉄塊剣のブースターを巧みに操って強引に軌道を調整。それでも避けきれないものは剣そのものを振り回して叩き落とす。
 力技であるという気こそあるが、それで躱せるのならば何の問題も無い。
「……おっぱじめましたな」
 二人が光の網の中を高速で抜けて行く様を見下ろしながら、物九郎は独りごちる。
 しばらくもしないうちに、つかさ、オリヴィア組との距離はかなり開いていた。
 物九郎の目は、ヒポグリフの姿を微かに捉えた程度。
 向こうの方が視力が良いにしても、注意は完全に先行した二人へと向いている。
 あの二人の開戦は……あと数秒、と言ったところか。
 ならば。
「……『塔を』『扉に』」
 ニィ、と。物九郎の口元が凶暴な笑みを形作った。
 ぐにゃり、足元の空間が歪む。
 落下速度はそのまま。その歪みに呑み込まれるのは必然。
 ――そして、一カ所が歪めばその埋め合わせとなる『どこか』も歪む。そこは何処かと言えば――。
「遮蔽ゼロの高高度、視界も射線も取り放題……」
 空間跳躍射程、マックス1681m。見えれば繋げられる。ならばこの何もない戦場で、注意の外から奇襲することに何の苦労があろうか。
 出口は、ヒポグリフの頭上1m未満。文字通りの『目と鼻の先』。
 タイミングなど、測るまでも無い。出現場所はこちらで決めたのだ、最初から合っている。
 突き出した巨大鍵。鍵穴代わりはその眸。
 落下速度は据え置き。墜ちるとともに手首を返し、その眼球を抉り取る。
「(さすがに両眼は無理。……ま、充分すわ)」
 眼ひとつ潰れたところで痛くはあろうが、死にはしない。
 ならばなぜその手を採ったのか?
 簡単だ。あとに控える『必殺』を当てるため。
 自らの手で仕留めることは出来なくともよい。仕留めるための道を作り、そして誰かが成せばいい。狩猟とはそう言うものだ。
 そして、後に控えているのは……そう、人間ミサイルが二発。
 オリヴィアの槍が、腹を抉る。
 つかさの剣が、片翼を圧し折る。
 ヒポグリフの甲高い悲鳴は、轟々と鳴り響く風の音に掻き消えた。
 加速に加速を重ねた超高速の一撃。斬って突き穿った相手がどうなったか。確認するにも当の相手は既に頭上、遥か上。
「……こういうのも、一期一会というのでしょうか?」
「ただの辻斬りで十分ですわ、ンなもん」
 湖面に今までで一番の、あまりにも巨大な水柱が上がる様を、物九郎はあきれ顔で眺めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユナ・アンダーソン
きゃー、落ーちーるー!?
パラシュートなしの自由落下なんて私達じゃなきゃただの自殺だよー!?
あ、でも
この感覚はちょっと気持ちいかも

UCで硬度を強化したブリキの人形みたいなオブリビオン・ゴーレムを召喚して
それにしがみつきながら降下
光輪が飛んでくるならオーラ防御、かばう、範囲攻撃を使って聖者のオーラでゴーレムや皆を護る
突進してくるなら落下速度と硬度を用いてそのまま体当たり
突進攻撃は強ければ強いほど
相手が硬くて重いほど反動も大きいはず
もし砕けちゃっても許してね☆
ゴーレム「えっ」
おまけで鎌の一撃を見舞いつつ
後はそのまま自由落下しつつ着水
激痛耐性があるからいいけど痛いものは痛いよー


非在・究子
※アドリブ歓迎
そ、空からダイブして、か、カルデラ湖泳いで、さ、最後は洞窟?
……ど、どこかの配管工の仕事じゃないか?
ど、土管からエントリーした方が、いいか?
……ま、まあ、アクションゲームは、得意分野、だし、やってやるけど、な。

と、取り敢えず、中ボスは、UCを、相殺、してきたり、するみたいだけど……望むところ、だ。
も、元から、アタシのUCも、相殺、狙いだ。
あ、相手の攻撃に、メガクラッシュ(ボム)を、合わせて攻撃を、相殺する。
の、残った無敵時間と、マシンガンに変形させた『ゲームウェポン』で翼を狙った牽制の攻撃をして、時間を稼いで、カルデラ湖に、ダイブだ。


向坂・要
紐なしパンジー、でしたっけねぇ
こういうの
なんてこんなこともあるさと諦観

自由落下しつつも冷静に
第六感もいかし辺りの様子を把握
念動力や守りのルーンを用いて光輪を回避&防御を試みますぜ
ついでに反動をいかして直線的に突っ込んできなさるあちらさんの攻撃を回避
可能な限り見切りやtoguz tailsを使いつつあちらさんのルートをこっちの狙い通りに誘導したいところで

ピポグリフは急には止まらない、でしたっけねぇ

上手いこと展開させた雷纏う暴風が形を成したふくら雀(エレメンタル・ファンタジア)の群れに突っ込んでくれりゃ幸い
まぁ無理なら突っ込ませる方向でひとつ

後は念動力や精霊の力借りて落下の速度や衝撃緩和ですかね



「落ーちーるー!?」
 ユナ・アンダーソン(星骸のスティグマテイカ―・f02647)は落ちていた。
 徹頭徹尾、見たまんま、文字通りの意味で落ちていた。
 巨大なブリキ人形にしがみつきながら、真っ逆さま。
 そりゃそうだ、そんな依頼なんだもの。わかってはいたんだ。
 だが頭で理解するのと実際に体験するのとではわけが違う。
「紐なしパンジー、でしたっけねぇ……こういうの」
 同時にダイブしていた向坂・要(黄昏通り雨・f08973)に関してはユナほど取り乱してはいなかったが、どこか呆れと言うか諦めにも似た表情が浮かんでいた。
 猟兵だもの、こんなこともあるさ。……いや、あるか?
「こ、これ……ど、どこかの配管工の仕事じゃないか……?」
 一方で同じく呆れ気味な非在・究子(非実在少女Q・f14901)。
 からダイブして、カルデラ湖泳いで、最後は洞窟。
 上へ下への大騒ぎ。どこぞの赤い帽子の配管工並みの大冒険。
 むしろ、あっちと違って空中に足場なんて物がない分、よりタチが悪いような気もする。
「ま、まあ……アクションゲームは、得意分野、だし、やってやるけど、な」
「そうね……それに、この感覚はちょっと気持ちいかも」
「適応早いですなお二人とも」
 まぁ、終始パニックよりはよほどマシかと要、ため息一つ。
 瞬時の判断が文字通り生死を分けかねないこの状況、冷静でいられるならばそれに越したことは無い。
 さて、目標は何処にいると視線を巡らせば、はるか下で朱が咲くのが遠目に見えた。
 先の猟兵達が何度も何度も通り過ぎざまに一撃を入れていく様が見える。
 ヒポグリフもよくやるものだ、あれほどの攻撃を立て続け受けながらまだ飛ぶとは。
「こっちに来ますかい」
「の、望むところ、だ」
 ブリキ人形と言う余計なものがある分、空気抵抗で落下速度の遅いユナに比べ、究子と要が先行する形。
 近づいてくるヒポグリフの片羽は、ここまでの攻防で半ばから圧し折れているように見える。
 それでも高速での飛行を為しているのは、ひとえにかの存在の能力である光輪が加速装置として機能しているからだ。
 敷かれた光のレール。真っ直ぐに敷き詰めて、ひたすら最短距離を突っ込んでくる。
 フェイントも何もない、馬鹿正直な突撃だ。
 そんな様子を見やり、究子が取り出したのは、真っ黒い球体。
 先端に導火線の突いた、あまりにもベタなデザインの、爆弾。
「3……2……」
 ぽい。爆弾を放る。爆ぜる。
 ――BOMB!!!
「ぐひひ……そ、相殺、成功だ」
 爆風の中をそのまま突っ切っていくヒポグリフ。明らかにその進路上にいた究子はしかし、無傷。
 爆弾の爆風には無敵判定がある。
 何を言っているのかわからないかもしれないが、関係ない。
 『そう言うことになっている』からそうなのだ。少なくとも究子にとっては。
 Uターンしてくるヒポグリフは、相も変わらず愚直なまでに真っ直ぐに仕掛けてくる。
 ……その片目が潰れていることを、ちゃっかり爆風に乗って身を翻して捌いた要は見逃さなかった。
 距離と言うものは、二つの瞳の見え方の違いによって判別するもの。
 片目だけでは、像は見えても距離は測れない。故に、軸を合わせる他に当てる手段が無いのだと。
「ぐ、ぐひひっ……そ、その、パターンは、見た、ぞ」
 ワンパターン。であるならばもう無敵時間に頼るまでも無い。
 現実改変。武装構築。
 もとよりゲームの世界で生まれた究子。その手のプログラムは頭に入っている。ただ、抽出するだけだ。
 手に取るのはマシンガン、二挺。突っ込んでくるヒポグリフに、弾丸の雨を叩き込む。
 避けるという選択肢はヒポグリフからはとうに失われている。突進速度が、弱まる。
「それじゃ、幕引きと行きますかぃ」
 攻撃誘導、不要。ルートは見えた。速度は落ちた。
 なら当てられぬ道理はない。
 蛇腹の刃に乗って放たれたのは、一見愛らしいふくら雀。
 だがそれは、バチリと雷撃を孕み、群れに群れてヒポグリフを襲う。
 それは雷の大嵐。見た目に騙されてはならぬ。それは荒れ狂う属性の顕現、自然界の力の暴威そのものなのだから。
 嵐が止む。
 雷撃と暴風に呑まれ、揉まれたヒポグリフの身体がぐらりと傾ぎ、そして立て直そうともがく。
 究子も要も追撃は無い。流石に落下が過ぎたし、何よりその必要もない。
 何故なら……。
「いい位置……!」
 最後の一人。二人に出遅れていたユナが、丁度射程圏内にヒポグリフを捉えていたのだから。
 相手が突っ込んでくる速度も質量も、もはや不要。息も絶え絶えな奴には、既にこの落下速度があれば十分だった。
 そして、片眼が潰れ視覚に不備のあるヒポグリフは、その接近に気付くのが遅かった。
 決した。
 ぐしゃりと、落下エネルギーをそのまま直接叩きつけたゴーレムが、粉々に砕け散る。
 地表へと降り注いでいく瓦礫の隙間、おまけと言わんばかりにユナの鎌が閃く。
 手ごたえは、十二分。
 既に消えかけていたヒポグリフの命の灯を、その刃は確実に刈り取った。
 散々に痛めつけられた肉体が瓦解し、光の粒となって消えていく。
 骸の海へと還っていくオブリビオン。
 その様を満足げに見送っていたユナは、しかし次の瞬間、水面に叩きつけられる痛みによって強制的に現実に引き戻されたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『激浪せし水棲馬』

POW   :    血染めの魔角
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
SPD   :    貪り喰らうもの
戦闘中に食べた【人肉】の量と質に応じて【魔力を増幅させ】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    欲深き者共へ
【欲深き人間達に対する怨嗟の呪い】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●第二ラウンド
 ざっぱーん。
 次々と、豪快な音と水柱をあげながら、猟兵がカルデラ湖へと着水していく。
 叩き落とされたその先、水中は意外なほど澄んでおり、視界は良好だ。
 だが、いかんせん広く、深い。
 あらかじめ用意してあった装備のおかげで呼吸やコミュニケーションの問題は無いにしても、洞窟の入り口を探すには時間がかかりそうだ。
 そして、もう一つ。
 視界が澄んでいるということは、水中に潜む『奴ら』の存在にもすぐに気づけたことだろう。
 上半身が馬、下半身が魚と言う異形の生物。
 地方によってはケルピーなどとも呼ばれる魔物、水棲馬だ。
 時に人肉をも喰らうと言われるそれらは、噂に違わぬ好戦的な瞳を突然の闖入者へと向けていた。
 ……そしてそれらは、かつて角や肉などを求めて欲深き人間の手によって絶滅させられた存在なのだとも言う。
 それを肯定するかのように、それらは嘶き代わりの気泡をごぽりと溢れさせると、一斉に猟兵達へと襲い掛かってきた。
幽草・くらら
水中だと塗料が滲んじゃって上手く絵描けないんですよね……
これで宇宙服がなかったらと思うとゾッとします。

先程と同じくブラシを推進器として【騎乗】して高速かつ安定した移動を試みます。
こちらに迫って来る敵に対し、逃げつつ魔力弾で手を出して挑発してみます。
出来そうなら【目潰し】もして遠距離攻撃がしづらいように状況を整えます。

そして途中で一度魔力をUCに回しつつ減速、相手が直接攻撃を仕掛けてきたタイミングで雷の塗料を放ってから全速力で退避します。

敵の攻撃もそうですけど、塗料から漏れる電撃からも逃げないと巻き込まれるので……


ディアリア・ラプラシアン
相手はこの水中戦はお手の物。我輩は水中戦なんて経験ありませぬ~。……そんな我輩でも!たった一つ!出来る事はあるのです!そう、それは……逃げるのですよぉぉぉ!

●逃げも戦術の一手です~
【悪役敗北のセオリー】を発動、【逃げ足】を倍増させ…転進~!260倍の逃げ水かきで逃げ切りますですよ~!
逃げ回りながら〈罠使い〉しますですよ~。『おやつポシェット』をひっくり返してマキビシを地味に痛い障害物にしたり、ロープを多重にあちこち結んで簡単なアスレチックネットを作って引っかかるよう〈地形の利用〉したりして逃げやすくするですよ~♪

「にゅふふふ…食べたのは肉だと思ったですか?…それは肉じゃない、バナナだ!」



「相手はこの水中戦はお手の物。我輩は水中戦なんて経験ありませぬ~」
「これで宇宙服がなかったらと思うとゾッとします……!」
 ディアリアとくららの二人は、端的に言って逃げていた。
 何匹もの水棲馬を背後に引き連れて、ディアリアは全身全霊の水かきで、くららは跨ったブラシを推進器代わりにして、全力で逃げていた。
 サブジョブとは言え二人とも共にゴッドペインター。それも、絵筆と塗料を用いる者である。
 そんなものを水中で使おうとするとどうなるか。当然滲んでペイントどころではない。
 経験も不足し、実力も発揮できない。そして相手は水中に適応した種。どちらが分が悪いかなど、指向を巡らすまでも無い。
 そんな彼女たちにも出来ること……それが。
「逃げるのですよぉぉぉ!」
 と言うわけなのである。
 とは言え、もちろん職務放棄してただ逃げ回っているだけではない。
 くららが後方にばら撒く魔力弾は一見ただ目立つだけでいたずらに追手を増やしているだけのようにも見えるが、その実他の猟兵から敵視を引き剥がすと言う点では貢献しているし、ディアリアもディアリアで撒き菱をばら撒いて地味ーにダメージを稼いでいたりもする。
 ……とは言え、繰り返すが水棲の相手と水中慣れしていない二人では泳ぐ速度の差も当然違うわけで。
 じわり、じわりと縮む距離。増え続ける追手。
 戦闘を泳ぐ水棲馬の角がついに二人を射程圏内に捉え……ようとしたところで、追撃の手が唐突に止まる。
 水棲馬の追撃を阻んだもの、それは簡易ながら縦横に張り巡らされたロープだった。
 ディアリアが撒いていたのは撒き菱だけではない。
 縦横無尽に逃げ回りながら、ポシェットからロープを流して、捉えるように『網』を形成していたのである。
 ……本来おやつポシェットであるはずなのだが、なぜ撒き菱やロープが一緒に入っているのかはこの際気にしないことにする。
 だが、何はともあれ『捕らえた』と言う事実には違いは無い。
 至近距離で動きを止められた水棲馬の群れ。それは間違いなく決定的な隙である。
 逃げに徹していたくららも、このタイミングは逃さない。
 180度ターン。魔力を推力から攻撃力に転換。
 ブラシを振り抜く。塗料をぶちまける。
 絵にならずとも構わない。塗料そのものに魔力を宿して、浴びせるだけなら、この距離であればやれる。
 水中にじんわりと黄色い塗料が広がっていき、ディアリアがくららの襟を引っ掴んだ。
 全力遊泳。
 引っ張られていくくららの目の前で、電撃が水棲馬を焼くのが見えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

御鏡・十兵衛
いやあ得難い経験であった。
とと、次は水中戦でござるな。
これでも某、水を操る剣の使い手。それなりに水の中での動きに心得はあるでござるよ。何せ鍛錬にて水面を歩ける様になるまで何度沈み溺れたかわからぬでござるからな!ははは!

それで、獲物の名はけるぴい、と。角が物騒でござるなぁ、流石水棲生物と言った所か、心得があると言っても泳ぎでは追いつけそうもない。
と、来れば戦法は決まったような物。
待ちの姿勢――即ち、回避、受け流しからの反撃。
見切り、流すは水鏡の十八番。
我が構えは流れる水の――またはみそ汁の中のなめこの、もしくは卵白に混じってしまった殻の欠片の如し?……つまりは、捉えられないってことでござるよ!


オリヴィア・ローゼンタール
(水面から空を見上げ)どうやら無事撃破できたようですね

【トリニティ・エンハンス】で聖水の魔力を身に纏い、水中への適正と攻撃力を強化
動くに不自由はありませんが、ガントレットやグリーブの分、重くて沈みますね……
仕方ありません、水底を歩きましょうか
なんだか観光みたいでちょっと楽しいですね

【怪力】を以って聖槍を振るい【衝撃波】を起こして竜巻や波を相殺
私の遠距離攻撃は炎を放つばかりなので分が悪いですね……

【ジャンプ】しながら魔力と【念動力】で水流を操り近接
聖槍で斬りかかり、水棲馬の角と剣を交わすように
伝説の槍には、海獣の骨を材料にしたものがあると聞いたことがありますが、こういう生物だったのでしょうか



「どうやら無事撃破できたようですね」
 だんだんと遠くなっていく水面を見上げて、オリヴィアは呟く。
 水を隔てた向こう側、遠い空でヒポグリフが霧散していくのが見えた。
「いやあ得難い経験であった!」
 はははと笑いながら、隣で十兵衛も潜行していく。
 そう、潜行である。沈んでいる。十兵衛は自発的に下へ下へと泳いでいるだけだけど。
 オリヴィアが放っておいてもどんどん沈んでいくのだ。
 決して彼女自身が重いわけではない。そもそも、(もし仮に)肉がついていたところで体積が増えて別に密度は人間たいして変わらない。
 何のことは無い、装備が重いのである。
 そうこうしているうちに、湖底が見えてきた。仕方ないので、足をつけて歩いていくことにする。
 これはこれで観光地を散歩しているようでちょっと楽しい。
 ……これで敵がいなければもっと良かったのだが。
 轟。
 水流が、巨大な渦となって二人へと襲い掛かった。
 オリヴィアがそれを聖槍を一薙ぎして両断する。
 怪力に任せて軽々と振るわれる重厚な槍も、水の抵抗は空気のそれとは大きく違う。
 彼女とてマジックナイトの素養はあり、水の加護を得てある程度は対策を施しているものの、尋常と比べて勝手が違うのは否めない。本来の得意属性が『炎』である分なおのことだろう。
「遠距離攻撃も、炎を放つばかりなので分が悪いですね……」
「なーら、某の出番でござるな?」
 ぼやきつつも一頭切り伏せるオリヴィアに、にっこりと笑ってみせる十兵衛。
 十兵衛は水を操る剣術の使い手。なればこそ、相応に水中での動きも心得ていると。
「何せ鍛錬にて水面を歩ける様になるまで何度沈み溺れたかわからぬでござるからな!ははは!」
「……苦労なさってきたんですね」
 一緒に笑って良いものか悩んだ結果、無難なコメントに落ち着いたオリヴィアであった。
 まぁそんな冗談だかガチなのかわからない十兵衛の言は置いておくとしても、その力量は本物である。
 いくら水中に慣れているとはいえ、泳ぐ速度は人間よりも水棲馬の方が当然上。故に取るのは『待ち』の姿勢だ。
 遠距離からの攻撃は最小限の力で受け、いなし、しびれを切らして寄ってきたところを見切り、断つ。
 そして、数に任せて物量で押してこようものなら、それこそオリヴィアのパワーファイトの絶好のカモだ。
「伝説の槍には海獣の骨を材料にしたものがあると聞いたことがありますが、こういう生物だったのでしょうか?」
「事実はそう言うものかもしれぬでござるなぁ……おっと」
 骸の海へと還っていく水棲馬たちの頭の先を見やるオリヴィアに応じつつも、十兵衛の動きに淀みは生まれない。
 ゆらりゆらりと流麗に流れゆくさまは、それこそ水のようであり、あるいは――。
「またはみそ汁の中のなめこの、もしくは卵白に混じってしまった殻の欠片の如し?」
「ミソ、シ……?」
「……つまりは、捉えられないってことでござるよ!」
「なるほど」
 そういうことらしかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アネット・レインフォール
▼心情
ふむ…水中戦か。
これも鍛錬の良い機会とさせて貰おう。

珍しい魔物ではあるが、魚である事に変わりはない。
漁師の真似事ではないが…一つ試してみるか。

…しかしアレは美味いのか?(馬肉と刺身を連想し)

▼POW
先ずは敵の動きや初動を冷静に観察。
岩や崖を利用し、フェイント交じりの三角跳びをしながら
【流水戟】で数を減らしていこう。

【流水戟】で駆け抜ける際には葬剣を網状にして
追い込み漁のように包囲を。
上手くいけば他の猟兵達と連携し一網打尽の合図でも。

戦闘の前後どちらかで時間がある時に
洞窟の入口の大まかな方角を探ってみよう。
【俯瞰ノ眼】で地形や水の流れを読み、何か分かれば情報共有。

▼他
連携、アドリブ歓迎



「ふむ……水中戦か」
 アネットが、崖に足を引っ掛けて立ちながら呟く。
 そう、崖。
 湖と言っても、カルデラ湖。本来は地盤沈下や土砂崩れなどで生じた窪地なわけであり、水で満たされたのはその後の話だ。
 当然、端には凸凹の斜面もあれば崖もある。
 見やる先には、無数の水棲馬。
 余裕があれば目的の洞窟の場所の目星もつけておきたかったところだが、どうやらそうのんびり探索はさせてもらえないらしい。
 仕方あるまいとため息一つ。ならば、鍛錬の良い機会とさせて貰おう。
 たんと岩を蹴る。衝撃で小さな気泡が後に残った。
「漁師の真似事ではないが……一つ試してみるか」
 魔物と言えば所詮は魚……いや馬?やっぱり魚かも。
 美味いんだろうかアレ。馬肉とか刺身とかは上手いけれど。
 そんなことが頭をよぎるが、すぐに思考を元に戻して。
 たん、たんと。決して岩場からは離れずに、あくまで地上戦の延長として。泳ぐだけでは成し得ない鋭角的な軌道で迫りくる水棲馬たちの攻撃を避け、引き寄せる。
「(十分か)」
 数はそこそこ。あとは他の猟兵へと向かっているのだろう。
 はらり、水棲馬とすれ違いざまに振り抜いた刃が解ける。
 まるでそれは追い込み漁の網。
 囲い落し、密集させて動きを止め、あとは……斬るのみ。
 文字通りの一網打尽。
 囲った網が剣に戻ろうとも、逃げる時間などは与えない。
 双手に構えた二振りの刃が、次の瞬間には水棲馬の群れを細切れに引き裂いていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

リア・ファル
WIZ

共闘・アドリブ歓迎

かつて欲深き人々の手によって、過去へを追いやられた幻想種か
じゃあ改めて、その水先案内、務めさせてもらうよ

イルダーナなら、気密性もあるし、機動力でも負けないはず
できるだけ他の猟兵を助けたり、連携を狙いつつ、

グラヴィティ・アンカーを使って絡め取ったり、
対象の怨嗟を感知して誘導する誘導弾を魔力精製して撃つ

UC【召喚詠唱・楽園の守護者たち】を召喚、
今回は海洋動物種や海の幻想種だ

「さあ、みんな! 彼らを…助けてあげて」

ケルピーのデータも解析して、ボクの今後のデータに納めよう
供養に…なれば良いと思って。

「もう狙われる事も無い、そんな場所でお眠りよ」


荒谷・つかさ
絶滅したのに復活した種、か。
……へぇ、良いじゃない。
一度食べてみたかったのよね、噂の水棲馬。
ま、今はお仕事あるからパスだけど、オブリビオンなら多少倒してもまた復活するわよね。

【五行同期・精霊降臨術】発動
水中故に圧倒的に水行が強く、また敵の攻撃はまず確実に水行属性を帯びると推測
なので下手に水に対抗する属性を降ろすよりは水行属性そのものを降ろし、同じ属性への抵抗力を以て受け流すわ(防御力強化)
あとは、大槌「流星」の質量を生かした打撃で打ち払いつつ、洞窟入り口まで一気に進んでいくわよ。

今は少し忙しいのよ。
食べられたいならまた今度にしてちょうだいね。


ヘスティア・イクテュス
水中の中って新鮮ね。
水棲馬、可愛くないわね…チェンジで!


水中戦…ビームは…使えるかしら?
こう水中専用装備整えておくんだったわね…
今言っても仕方ないんだけど…

アス、お願いね!
向こうがUMAならこっちもUMAで勝負!
騎乗して突撃して攻撃よ!
近づいたらビームセイバーを突き刺して
…この距離ならビーム使えるわよね?


馬刺しか焼き魚どっちの味がするのかしら?
誰か味見(毒見)してみない?



「水中の中って新鮮ね……」
 宇宙空間のような完全な無重力とも違うし、1Gの重力下ともまた違う。
 強いて言うならば低重力下が一番近いだろうか?そんなことをヘスティアは思う。
 時間が許すならゆっくり堪能していたかったところだが、まぁそう言うわけにもいかず。
「かつて欲深き人々の手によって、過去へを追いやられた幻想種か……」
 その隣の宇宙戦闘機イルダーナ@水中、そのコクピット内でリアが感慨深げにつぶやいた。
 その視線を追うと、先にいたのは何匹もの水棲馬。
 筋肉質な馬の上半身と、滑らかな鰭を持つ魚の下半身の異形の生物が、群れを成して近づいてくるのが見える。
「可愛くないわね…チェンジで」
「チェンジは困るわ。一度食べてみたかったのよ、噂の水棲馬」
「キミらね……」
 ジト目のヘスティアにどこかズレた抗議を放つつかさ。イルダーナ越しに繰り広げられる会話にリアはがっくりと肩を落とした。
 情緒も哀愁もあったもんじゃない。
 目に見える人型だったからか、そんなやり取りが聞こえたからかは知らないが、わらわらと明らかに敵意を持って近づいてくる水棲馬の群れ。
 咄嗟にビームライフルを構えるヘスティア。しかし。
「っ……!やっぱり粒子の減衰が……!」
 光を熱に変えるレーザーとは違い、粒子の集団であるビームは周辺環境の影響を大きく受ける。
 水中と言う特異な環境下では当然、等方向運動を長時間維持するのは難しく、射程は極端なまでに縮むこととなる。
 迎撃失敗。マズいと歯噛みするヘスティアの前に、つかさが躍り出た。
 迫る水圧を、大槌の一振りを以て薙ぎ払う。
「水中故に圧倒的に水行が強く、また敵の攻撃はまず確実に水行属性を帯びる……まぁ、読み通りと言うところかしら」
 よいしょと槌を肩に担ぎ直すつかさ。
 陰陽五行、木火土金水。
 一般的に土は水に克つとされ、普段ならばそれに準ずるところだが、こうも極端に気質の偏ったところでは、強い気を打ち消すのは難しい。
 故に、纏うは同属性。即ち水の気である。
 先陣を切る。水流を追い風代わりにして、洞窟までのルートを突っ切っていく。
 無論、そんな事をして他の水棲馬が黙っている筈がない。
 四方八方から泳ぎ回り、つかさに迫る水棲馬。
 だが、それを阻む魔力の塊が横合いから飛ぶ。
「さあ、みんな!彼らを……助けてあげて!」
 なだれ込むのは色とりどり、大小さまざまの水の生物たち。
 先頭でそれらを束ねるのは、宇宙戦闘機イルダーナ。リアだ。
 召喚したプログラム、データに過ぎないにしても、それらは確かに水の中に生きた生物たちの記憶。
 かつて欲深き人々の手によって、過去へと追いやられた幻想種。
 その水先案内人を務めんと、水棲馬へと群がり、骸の海へと還すべく切り込んでいく。
「キミのデータも解析して、ボクの今後のデータに納めよう」
 これで供養になればいいんだけど。
 そう呟くリア自身も、イルダーナに備え付けられたアンカーや魔力弾を用いて牽制と捕縛を。
 一頭が、アンカーに引っかかり動きを止めた。
 その一頭目掛けて、ヘスティアが突進する。
 水中では自慢のジェットパックも十全には使えない。
 代わりに彼女の脚となっているのが『アス』と呼ばれるロバ型プログラム。
 UMAにはUMAを。UMAは馬っぽいものと言う意味ではない筈だがそれは置いておく。
 そして突き入れるのはビームセイバー。
 先に言った通り、粒子の塊であるビームは水中では減衰と言う問題が浮上する。
 しかし、力場で粒子を閉じ込めるセイバーであれば話は別。
 アスの突進力そのままに、体重とビームの熱を水棲馬の腹に叩き込む。
「……馬刺しか焼き魚どっちの味がするのかしら?誰か味見してみない?」
「今はお仕事中だから、終わってからにしましょ」
「…………」
 水棲馬が人間に恨みを持つ理由が何となくわかった気がしたリアであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エル・クーゴー
【白斑(f04631)と】
●POW


目標、当該カルデラ湖内探査
当機は水中戦にもそこそこの適性を発揮します
躯体番号L-95、マスター・物九郎の援護を開始します

コール、攻城級マネギ
(マニピュレーターをガンガン稼働させ【メカニック】、巨大猫型メカ内部に搭乗スペースや計器類を設けて潜水艦っぽくする。外観には水中戦用の【迷彩】も仕込む)
改め――『サブマリンマネギ』

マスターと水中にて合流次第、二名で搭乗します
当機はサブマリンマネギの操縦及び射撃兵装の発射管制を担当
なお武装は水中戦仕様として水中銃や魚雷等に換装済です(武器改造)


・縦横に機動し現象攻撃を掻い潜る
・射撃は強めの初速発射(吹き飛ばし)で【誘導弾】を


白斑・物九郎
【エル(f04770)と】
●POW


着水次第、まずはエルを探して合流しまさ

アイツの準備した水ン中用のアシ・サブマリンマネギに搭乗
中は丁度二人は入れるくらいの大きさですよな


ザミエルシステム、起動
潜水艦に防御力特化を施すと共、俺めはシステムのアシスト+【野生の勘】で索敵と照準を担当しますでよ

これはエルを働かすコードですけども、エル一人じゃコード二発の並行処理なんざ出来ませんしな
つまり俺めは仕事してねえワケじゃナシ(大事)

水棲馬とやり合う最中、勘所で水中用の照明の向きと光量を操作しちゃ向こうの目をチカッと照らしてみたり(目潰し)
こんなトコのモンスターなら、さぞ人工の光にゃ慣れてないんじゃニャーですか?



 カルデラ湖には水棲馬しか生息していないのか?
 答えはNOである。
 オブリビオンではない、無害な魚もいれば湖底には水草も生えている。
 猟兵と水棲馬の戦闘と言うイレギュラーな事態こそ起こっているが、ここも本来は一つのちゃんとした生態系を生み出しているのだ。
 ほら、今も喧騒などどこ吹く風で一匹のデブ猫が水中をすいーっと。
 …………ん?
「無事合流出来て何よりです、マスター」
「ン」
 潜水艇だった。
 巨大なデブ猫に見えていたのは、全長3~4メートルほどの猫型ロボットだった。
 ふぐりの代わりにくっついているのは推進用のスクリューであり、羽が生えているように見えるのは舵だ。
 そして眼球代わりの窓の奥に見えるのは、一人のミレナリィドールと一人の猫型キマイラ。
 白斑・物九郎とそのおつき(?)のエル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)である。
「ユーベルコード『攻城級マネギ』改め『サブマリンマネギ』、問題なく稼働中です」
 だそうです。
 自身の大きさの二倍のなんやかんやを召喚して戦わせる猟兵は数いれど、それを改造して中に乗り込むなんて真似をするやつはいったいどれほどいるだろうか。
 ……意外といるような気がする。
 水棲馬も、「なんだアレ……」「人間じゃないよね……」って凄く遠巻きに見守っている。
 攻めあぐねているというか困惑している。
 まぁ、なにはともあれ、水中で無事合流した二人は、エルの用意したそれに同乗して水中を進んでいた。
 なお、操縦しているエルの後ろで物九郎はごろ寝してポテチをかっ喰らっている。
 サボってない。エルのシステムに干渉して働かせているもといアシストしているから決してサボっているわけではない。
 その証拠にほら、好奇心に負けた水棲馬が一頭、そろりそろりと近寄ってきたところで、物九郎の耳がピクリと動いた。
「エル」
「了解しました」
 短いやり取りと電子音。そしてポテチが砕ける音。
 潜水艇に取り付けられていた照明が一斉に水棲馬を向いた。
 深海のような光が届かぬ世界ではない。それなりに太陽の恩恵は受けている。
 それでも、こんな至近距離から人工の光源をもろに浴びせられれば、当然眩しい。
 水棲馬が嫌がるように身を捩る。その瞬間を見たサブマリンマネギの目(窓だけど)が光った気がした。
 ガコン。ガコンガコン。
 一斉に開かれる魚雷発射管。泡を吹きながら斉射される火砲。
 哀れ水棲馬。幻想の怪異は最先端科学の前に屈した。
「敵機撃墜しました」
「ン」
 ポテチを飲み込んだ物九郎の喉が鳴った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユナ・アンダーソン
うーん、動きづらい
流石にこの状況でこの数を相手にするのは厳しいわね
でも、やるっきゃない
それにこの子達を見ていると哀しくなる
救ってあげなくちゃ

呪詛耐性、狂気耐性、激痛耐性、オーラ防御で怨嗟の呪いを受け流しつつ
範囲攻撃でUCを範囲化し優しさ、精神攻撃を用い傷奪う星痕を使い
水棲馬から人間達に対する怨嗟の感情を奪い無力化しようとする

もういいんだよ
恨まなくてもいいんだよ
私が全部持っていってあげるから
だから心安らかに

奪った感情は自傷行為でもして晴らします
流石に仲間を襲うわけにもいかないしね

アドリブで他の方との絡み歓迎


向坂・要
まぁいきなり降ってこられちゃ怒りますよねぇ

用意されていたスーツの他に精霊の力も借りて着水の衝撃と浮かない我が身を守り

放たれる呪いに対抗するは水の精霊
相手のある空間ごと包み込み圧縮するそれは巨大な鯨の姿を模した深海の水圧を内包したエレメンタル・ファンタジアにより呼び出されたもの

水中戦はあんま好きじゃねぇんですねぇ
なんて嘯きつつ
第六感も生かして周囲を俯瞰で把握

アドリブ、連携歓迎ですぜ


パルピ・ペルポル
こんな人のこないところで静かに暮らしていたのに邪魔してちょっと悪い気もするわね。向かってくるなら容赦はしないけど。

それはさておいて。
水中ということは地の利は敵さんにあることだし。
基本は雨紡ぎの風糸で敵の行動を阻害しつつ、薔薇の蕾を絡ませていくことになるかしら狩りというより漁の気分ね。。

魔角が引き起こす現象が一番対処が大変そうだし、咎力封じで封じていけたらと思うわ。
食べられる人肉持っているかは知らないけれど、食べた奴は率先して倒したいわね。

入り口は落ち着いてからゆっくり探すけれど、普通の人間が通れそうな穴を見かけたら留意しておくわね。



「まぁいきなり降ってこられちゃ怒りますよねぇ……」
 自身の周囲に漂う精霊の加護。
 それが着水の衝撃や、自由の利かぬ水中においての我が身を守るのを感じながら、要は向かってくるそれらを見た。
 無数の水棲馬。
 どれもこれもが、一様に瞳に憎悪の色を浮かべ、こちらに向かって泳いでくる。
「向かってくるなら容赦はしないけど」
 その肩に掴まるパルピの言に要はひとつ頷きを返す。
 こんな人の来ないところで、静かに暮らしていたところへの突然の来訪。
 それも、自分たちが滅びる原因となった人間たちとなれば……この怒りも無理もないところだろうが。
 だが、それでも向かってくるならばと猟兵達は各々の武器を構え、迎え撃つ。
 ……あるいは、彼女にとっては『だからこそ』なのかもしれぬが。
「……救ってあげなくちゃ」
 ユナの瞳に映る水棲馬は、とても哀しく見えた。
 人によって滅ぼされ、憎しみによって蘇り、そして戦う。
 もし我々が来なかったとしても、いずれオブリビオンとして雌雄を決する運命にはあっただろう。
 だからこそ、今この状況下でユナは彼らを迎え撃つのだ。
 ぞわり、波も無いのに湖水が震えたような気がした。
 ぞわり、ぞわり。
 震えの元は水棲馬から。人間への怨嗟が、呪いとなって現世にまで影響を及ぼす。
「水中戦はあんま好きじゃねぇんですねぇ」
 そう要は嘯きながらも、術を編む。
 水中を満たす怨嗟に対抗するのは、強烈な水圧。
 水の精霊が、大鯨のように形をとって、その圧を水棲馬へと叩きつけに行く。
 押し負けた水棲馬が、散り散りになっていくのが見えた。
「囲い込んできますよ」
「おっけ」
 四方八方から包囲網を狭めてくる水棲馬。
 声を受けたパルピはそれを見やる。
 普段とは勝手の違う水中戦。特に、小さなフェアリーであるパルピにとっては、波の揺らぎひとつとっても大きな阻害となる。
 その上で、地の利は向こう側。
 下手に攻め急いでは返り討ちに遭いかねない。
 だからこそ、小さな身体で密やかに、目立たぬように。
 要とユナ目掛けて突っ込んでくる水棲馬が、その包囲網を止める。
「狩りというより漁の気分ね……」
 それは、水中に揺蕩う糸。
 そして一見水中には見合わぬ茨。
 パルピが張り巡らせたそれが、水棲馬の行く手を阻む。
 もがく。足掻く。
 糸が肉に食い込み、茨の棘が皮膚を破ろうとも、水棲馬はもがくのを止めようとしない。
 食らわせろ。恨みを晴らさせろ。
 ただひたすら、喰らうべき人肉を求めて、水棲馬はもがく。
 身動きのとれぬそこへ、要が再び水圧を差し向けようとし……それを、ユナが制した。
 滅ぶ前にと。せめてもと。
 肩を竦めて促す要の視線を受けながら、ユナはユーベルコードを発動させる。
 『傷奪う星痕』。
 本来は傷を奪い、癒すための星の光。
 だが今は、傷と共に流れ出る怨嗟の感情を、少しでもと。
 ――もういいんだよ。
 ――恨まなくてもいいんだよ。
 オブリビオンとなって蘇る程に、積りに積もった恨み。
 それが、この瞬間にどれだけ奪われ、水棲馬の中から消え去ったかは、解らない。
 だが、少しでも。
 水の大鯨に押しつぶされる、その最期の瞬間に安らぎが訪れたことを、祈らずにはいられなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

アメリア・イアハッター
宇宙と完全に同じ、とまではいかないけど、行けそうだねエアハート
宇宙戦の経験も生かしながら、立ち回ってみよう!

宇宙バイク「エアハート」に騎乗したまま戦闘
魔法のミサイルであれば、水中でも有効打を与えられる筈
敵から逃げつつ、後方に向かってUC発動
後方に打つことで、爆発したミサイルの衝撃にも乗って加速し、逃げ回ってみよう
別方向から敵が迫ってきても同じようにその方向にミサイルを放ち、爆発で距離を取ろう

宇宙よりも速度は出ない筈なので、常にフルスロットル
障害物も宇宙と同じくらい少ない筈だし、エンジンも常に冷却されてるから、ガンガンエンジン回しちゃおう!

エアハートが泳げるのはわかったけど…
私、泳いだことないや


霄・花雫
ふふ、甘い甘ーい!
水の中が自分たちだけの領域だとでも思った?
水の中もあたしの舞台だもーん!

空中に引き続き、水中も大好きでご機嫌
テンションは高い
着衣?関係ないない、幾らでも泳げるもん
まっかせて!
耳鰭も尾鰭も背鰭も開いて、姫ねぇさまが作ってくれた水流の道を勢い良く泳ぐよ
加速に加速を重ねて、敵の前で一回転して勢いを付けてレガリアスシューズで踵落とし!
大気の爆発と【全力魔法、毒使い】で蹴り抜くよ!

敵の攻撃は【パフォーマンス、誘惑、挑発】で引き寄せて、【見切り、野生の勘、ダンス】で避けるよ

ほらほら、あたしはこっちだよーおいでー?
ざーんねんでした!当たんないよー!

共闘するヒトがいたら手助けしなきゃね!



 往々にして、人間と言うのは陸上の生き物であり、水中での活動を想定した構造をしていない。
 武装、身体能力、技量など諸々の要素によってひっくり返すことはできても、基本的な『適性』で言ってしまえば、水生生物に劣るのは否めないものだ。
 ……だが、世の中にはいつも『例外』と言うものは存在する。
「水の中が自分たちだけの領域だとでも思った?水の中もあたしの舞台だもーん!」
 人間と他生物の特徴を併せ持つキマイラ。
 その『他生物』は何も、陸上生物に限った話ではない。
 熱帯魚の要素を含む花雫にとってすれば、水中は陸上にも劣らないホームグラウンドである。
 潜水用にほとんどの猟兵が装着している宇宙服すら彼女にとっては不要。
 水の精霊姫が道を作ってくれれば、あとは乗るだけ。簡単な話だ。
「ひゅう、あの子やるじゃん!これは負けてられないね、エアハート!」
 自由自在に水中を我が物顔で泳ぎ回る花雫を見やりながら口笛を吹くアメリア。
 こっちはちゃんと宇宙服着用なので水中でも口笛はふける。
 彼女の騎乗する宇宙バイクだってご機嫌だ。最初は不安もあったが、機能不全は見られない。
 むしろ水中と言う環境がエンジンを冷却し、稼働効率が上がっている節すらある。
 それに完全な無重力ではないとはいえ、三次元的な戦いができる水中はむしろ宇宙に近い。宇宙バイクの本領発揮である。
 水の抵抗で最高速度こそ落ちるが、常時フルスロットルであれば相応の速度は叩き出せる。
 ……アメリア自身は泳ぎの経験こそないが、それこそ相棒から離れなければいいだけの事。
 水中を猛スピードで駆け抜ける二人の猟兵。
 水棲馬の群れがそれを追う、戦場を縫ってのチェイスバトル。
 目立つ障害物と言えば、他の猟兵程度なもの。だとすれば二人を阻むものは皆無と言っていい。
「ほらほら、あたしはこっちだよーおいでー!」
 鮮やかな鰭を揺らめかせて泳ぐ熱帯魚は、よく目立つ。縦横に、これ見よがしに見せつければ注意を惹くのは当然の事。
 追われる。追わせる。
 言ってみれば、これは餌だ。それも、獲物を誘い込むための、質の悪い疑似餌の類だ。
 誘い出され、群がった水棲馬。それを余さず視界に収め、アメリアがくるりと指で円を描く。
「Go!」
 号令と共に放たれるのは無数の魔力の弾丸。
 十重二十重のマジック・ミサイルの嵐が、背後から雨あられと飛ぶ。
 花雫はその中へと突っ込んでいく。自分を狙っていないミサイルなど、避けることは造作もない。
 そして狙われている側、水棲馬の群れに四方八方から着弾していくミサイル。
爆風が連ね、重なり、連鎖する。
 全部を仕留めたわけではない。爆発から逃れた水棲馬もいる。
 だがそれらは、ミサイルを撃った張本人であるアメリアを、着弾前に確かに視界に収めたはずの彼女の姿を見失っていた。
「エンジンを切って風に乗る……なんてね」
 当のアメリアは遥か上方。風でなく水圧だがそこはそれ、爆発の衝撃をあえてそのまま受け、視界外に逃れていたのである。
 アメリアに注意が逸れ、そして見失った水棲馬はどうしても一瞬動きが止まることになる。
 そしてその結果訪れるのは、追う側と追われる側の逆転だ。
 水の流れが変わる。精霊姫の渦が、水棲馬を内に捉えた。
 それは道だ。彼女が通るための。
「こっちだって……言ったでしょ!」
 その声が響いた刹那、花雫の踵が水棲馬の脳天を砕き割った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『バリスカン』

POW   :    クラッシャー・ロード
予め【突進する為の道を作る】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    アースクラフト
合計でレベル㎥までの、実物を模した偽物を作る。造りは荒いが【集中して地形(形状は毎回変わる)】を作った場合のみ極めて精巧になる。
WIZ   :    ゲシュタルト・テラ
【自身の装備武器】から【対象を誘導する攻撃】を放ち、【作った地形】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルト・カントリックです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●大地の腕の中で
 水棲馬を退けた猟兵達は、改めて湖中に空いた横穴を入り、山の文字通り中に踏み入っていく。
 水面から出れば、広がっているのは鍾乳洞。
 氷柱のように尖った岩が上下から伸びるその道を進んでいけば、不意に猟兵達の目に光が差し込んでくる。

 そこは、自然の洞窟とは思えないような大広間だった。
 光の元は、高所に空いた大穴が山を穿ち、太陽の光を受け入れているから。
 広く平坦で、不自然なほどに凹凸の少ない開けた空間。
 その中央に、探し求めていたクラウドオベリスクがあった。
 あれの破壊が今回の任務の目的。
 それを果たすために、猟兵達がクラウドオベリスクへと歩を進めた次の瞬間。

 ――どぅん。

「グルルルゥ……」
 地響きと共に、壁面が砕き割れる。
 その中から現れ出でたのは、漆黒の重厚な甲殻に身を包み、これまた重厚な車輪付きの戦車に上半身を預けた、一体の竜であった。
リア・ファル
共闘・アドリブ歓迎

SPD

車輪付き…成程、竜種ゆえの重厚鈍重さを騎乗することで相殺しているのか
ボクもイルダーナに乗る訳だけど、敵にやられると…成程厄介だね

ならば機動力を奪うのが肝要かな
地形が増えても、イルダーナの踏破性なら張り合えるはず

まずは動きを抑制しなきゃね、
味方と連携しつつ、UC【封絶の三重錨】で絡め取る

チャンスが出来たら、
コードライブラリ・デッキから腐蝕と凝固をロード、
腐食弾とセメント弾を精製、セブンカラーズで撃つ

「射角入力…演算完了、車軸を狙う!」

スピンでもしてくれたらラッキーだね、
更に甲殻の内部に向けて腐食弾を追加サービスだ

(技能:情報収集、マヒ攻撃、援護射撃、スナイパー)


アメリア・イアハッター
乗り物に乗った亀……?
え、竜なのキミ
まぁどっちでもいいけど、相手も乗り物なら、最後までよろしく頼むねエアハート!

エアハートに乗ったまま戦闘開始
質量や威力は有りそうな戦車だけど、どーみても小回りは効かなそう
更に正面は装甲も厚く剣も咥えているけど、正面にしか強い攻撃ができないのでは
よって宇宙バイクの小回りを活かし、地形が変えられてもバイクごと跳躍することで動き回り、敵の側面や背後をとる

相手に追いつけばエアハートから飛び降り、相手の下に潜り込んでUC発動
下から上へと思いっきりかちあげる
うまくいったら、亀っぽいからひっくり返るかもしれないし
少なくとも戦車のバランスは崩せるはず
そこを皆に狙ってもらおう!


荒谷・つかさ
亀型の竜、か。
あのタイプの竜の血液は滋養強壮効果が高いらしいのよね。
あと肉はゼラチン質が多くて唐揚げに向いてるんだとか。
……ああ、考えるだけでお腹が空いてきたわ。

にしても、この地形でそんなわかりやすい代物持ち出してくるなんて。
「崩してくれ」って言ってるようなものね。

「流星」を担ぎ【荒谷流重剣術奥義・稲妻彗星落とし】発動
その場で地面を打ち地形を破壊
そのまま連続して地面を殴りつけ、地形をボコボコに破壊しながら亀竜に接近
逃げるようなら地形破壊を優先しつつ追尾継続
逆に突っ込んでくるならタイミングを見切ってジャンプして躱し
その頭なり甲羅なりに鎧砕き技能込みのコードをぶち込んであげるわ


オリヴィア・ローゼンタール
あれは、亀……? いえ、独特な風貌ですが、ドラゴンの一種ですか

豊富な【戦闘知識】と強化された【視力】で突撃の軌道を【見切る】
【ダッシュ】【ジャンプ】【スライディング】で脚力を活かして回避
強力な戦車と、それに最適化された地形の組み合わせ――厄介ですね
しかしどれだけ強力でも、軌道を見切ってしまえば!

聖槍を【投擲】【槍投げ】し、車輪のスポークに噛ませて強制的にブレーキをかける
動きが止まったところで甲羅の上に【騎乗】
【属性攻撃】により強化された黄金の炎を纏うガントレットで【鉄拳聖裁】
【怪力】【鎧砕き】により甲羅ごと粉砕する
甲羅があるからと背後の守りを疎かにしましたね
はぁあああああっ!


ヘスティア・イクテュス
あら、大きな亀ね。あれだけ立派な甲羅なら高く売れそう
亀肉ってどうだったかしら?滋養強壮とかあったかしら?
それにしても鎖と下の猫車どこからもってきたの?


とりあえずあの姿じゃ視界は真上は見づらそうね…
ティターニアを起動!頭の上からミスティルテイン撃たせてもらおうかしら

あの鎖で振り落とされないよう固定してるの?
突進中に焼き切ったらどうなるかしらね…


止めはミサイル一斉発射!、熱でこんがり甲羅蒸しよ!



「乗り物に乗った亀……?え、竜なのキミ」
「独特な風貌ですが、ドラゴンの一種のようですね」
 件のオベリスクの守護者と視線が合ったアメリアとオリヴィアの第一声がこれだった。
 その見た目は、端的に言って『戦車に乗った亀』だった。
 まぁ、亀も爬虫類。そして竜と一言で言っても、翼竜もいれば水棲竜もいれば、陸生の蜥蜴のような竜もおり様々だ。
 それを考えると亀のドラゴンがいたって決しておかしくは無いんだろう。
 学術的興味はそそられるが、だがしかし大事なのはそんな事ではない。
「あれだけ立派な甲羅なら高く売れそう亀肉ってどうだったかしら?滋養強壮とかあったかしら?」
「少なくとも、あのタイプの竜の血液は滋養強壮効果が高いらしいのよね。あと肉はゼラチン質が多くて唐揚げに向いてるんだとか」
「いや、大事なのそこでもないからねキミたち」
 むしろなんでヘスティアちゃんもつかささんもそこで思考一致してんの。イルダーナのセンサーを最大限に走らせながら、コクピットの中のリアは本日何度目かの溜息をついた。
 当の亀もといドラゴンが怒りをにじませた表情をしているのは、ナワバリへの乱入者に対するものか、そいつらの緊張感が無いからか、はたまた亀扱いされてあまつさえ味の予想までされているせいか。
 とりあえず、怒るのも無理はない気はした。
 冗談は程々にして、改めて地形や敵を見つめ直す一同。
 亀に近い風貌と言うことは、重厚で頑強な甲羅がまず目に入る。
 そしてその鈍重さを補うような車輪付きの戦車に、その突進に最適化されたかのような、均された地面。
「――厄介ですね」
 そのオリヴィアの評は、端的かつ的確のように思えた。
「来るよ!」
 アメリアが叫ぶ。
 同時に竜が後足で地面を蹴り、轟音とともに5人目掛けて突っ込んできた。
 最短距離、一直線。
 単調そのものの動きであれど、その巨体、そしてそこから繰り出される質量と速度はそれだけで十分に脅威となりうる。
 ヘスティアが背中のジェットパックを吹かし、飛ぶ。
 前もって軌道を計算していたオリヴィアが死角を抜け、つかさを乗せたリアとアメリアが愛機をフルスロットルにまで引き上げる。
 交錯。初手、回避成功。
「同じ乗り物でも、小回りならこっちが上だもんね!」
「踏破性なら、イルダーナだって張り合える!」
 各々の宇宙バイクをドリフトさせて竜に向き直る二人。
 対するあちらはどう見ても小回りは効かず、速度を緩めることも無く走り過ぎていく。
 戦車の衝角も口に咥えた剣も、明らかに『正面の敵』を相手にするためのものだ。
 そしてあの体勢では真上を向くのも難しかろう。
 だったらと、アメリアとヘスティアが後方と上方からそれぞれ追う。
 速度差こそあれど、追う側と追われる側では、このような空間では追う方が楽だ。
 追い込むことはそう難しくは無い……そう思われたが。
「……!待って、二人とも!」
 リアが二人を制した次の瞬間、地面がぐらりと揺れた。
 そして次の瞬間……竜が、壁を、昇った。
 よくよく見やれば、壁際の地面がバンクを描くように曲面に変わっていた。
 地形の作成。元よりこの空間もこの竜が生み出したものであろう以上は、壁の角を少し弄る程度容易いことなのだろう。
「ちょ、待゛っ!?」
「あぶなぁぁぁぁい!?」
 そして、正面からそのバンクに突っ込んだということは、追撃に真上を取っていたヘスティアが真正面に捉えられたということであり。
 間一髪追いついたアメリアが竜の横っ面を縛霊手でぶん殴って僅かに軌道を逸らしていなければ天井までご案内されていたところであっただろう。ヘスティアの頬に嫌な汗が伝った。
「地形を自在に変えられるのなら、地形を崩すのは効果薄いかしらね」
 鉄槌で地面をこれでもかと言うほどボッコボコにしていたつかさが言う。
 突進の際に車輪が取られてバランスを崩してくれれば一番良かったのだが、確かに、そのような能力もちであればすぐに戻されるのがオチであろう。
 崩すのが早いか直すのが早いか速度比べをしてみるのも一興だが、いささかリスクが大きいようには思える。
 ……なお、そんなつかさの行動にツッコミを入れる者はだれ一人としていなかった。
 だって元からこういう人だしこの人。
「そう言うことなら……」
「車軸を狙う!」
 ヘスティアとアメリアが予想外の対処に追われるアクシデントこそあったが、残りの三人は次の行動に移る程度の猶予はあった。
 リアの乗機から、次々と射出される光沢を放つ錨鎖。
 同時にオリヴィアからは、黄金の槍が一本、飛ぶ。
 壁をターンして空中で一回転するという芸当を見せつけながら着地し、再度突進してきた竜。
 狙うべきはその竜が乗る戦車……それも、車輪だ。
 地形で止められないのなら、本体を直接止めに行く。理屈としては単純であり、相手が力押しだからこそこういう小技への対処は疎かになる。
 距離はある。軌道を見切り、立ち位置を正面からずらすのは簡単だ。
 突進を避け、横合いから突き込まれた槍と鎖は、過たずに片側の車輪、そのスポーク部分に噛付いてみせる。
 戦車の素材も、本体に負けず劣らず頑強なのだろう。その回転の勢いと強度を以てして、噛んだそれらを捩り外してみせるが、それでも少しの間とは言え車輪の回転が止まった事実には違いなく、竜の巨体が横滑りを起こし、減速する。
「さっきはよくもやってくれたわね……!」
 動きを緩めた竜に、若干個人的な思いも籠ったヘスティアの放ったミサイル群が殺到し、爆炎が視界を奪う。
 そうすれば、体勢を完全に崩した竜がほんの一瞬とは言え完全に動きを止めて。
「甲羅があるからと背後の守りを疎かにしましたね」
「甲羅ごと砕いてあげるわ」
 そうなってしまえば、あとはこの二人。
 煙が晴れたころには、既に跳躍していたオリヴィアとつかさが、その背目掛けて鉄槌と己の拳を振りかぶっており。
「「はぁあああああっ!」」
 殴りつける。
 竜越しに地面にクレーターを穿たんばかりの威力を以て、二人分の質量が竜の背を襲った。
「……人間ミサイルかな」
「ほんと、息合うよねあの二人……」
 それでもあの明らかに強固な甲羅に亀裂入れてみせるんだからあの脳筋神職コンビ凄い。
 そんな事を思ったり思わなかったりしたアメリアとリアであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ミュリエル・フォルクエイン
連携アドリブ歓迎
「あれがクラウドオベリスク……」
「微力ながら助勢いたします」
自前の翼で空に舞い上がり、マヒと気絶攻撃を乗せた援護射撃で味方をサポートします
「上空に居る今、警戒すべきは――」
ゲシュタルト・テラを放たれた場合、見切り逃げ足を利用して回避を試みつつ回避が不能な場合は皮手袋から発生したレーザーシールドで盾受けしそこにオーラ防御を重ねてしのぐ
「当てます」
「外しません」
狙撃の余裕があれば戦車の車輪と本体を繋ぐ軸を狙う。次点は見たところ装甲のない後ろ足の左右どちらか
「車輪が外れてしまえば、戦車自体はほぼ無力化出来るはず」
「皆様、お怪我はありませんか?」
「固い装甲ですね」
「今の内に攻撃を」


向坂・要
こりゃまた斬新な…
ま、宝を守るのはドラゴンってのは定番ですがね
事後申請になりますがお邪魔してますぜ

なんて軽い口ぶりと裏腹に油断なく
第六感も生かし全体の様子を俯瞰で捉えるよう意識

精霊の加護を受け大地と共にありしもの、発動
見切り、第六感で攻撃に気をつけつつ敢えて相手の作る道、を阻害する様に大地や風、毒の属性を宿して攻撃しつつ動き回って撹乱を試みますぜ
それと相手の攻撃ルート把握や他にもなにか動きありゃ味方に声掛けしていきたいところで

なんかこう、ひっくり返ったら起き上がるの下手そうな見た目ですよねぇ

連携
アドリブ歓迎


幽草・くらら
戦車で轢き殺しに来るタイプの竜なんで初めて見ましたよ私!?

でもデフォルトで飛んでる竜よりはやりやすいかもです。
絵筆から出る電撃の塗料で相手の本体ではなく戦車目掛けて攻撃してみます。
当然それだけじゃ決定打にはなりません、またブラシに【騎乗】して【ダッシュ】で逃げます。
戦車にたっぷり電撃の塗料を纏わせて、突進を誘いつつ引きつけて躱すっていう流れを
鍾乳洞の広さを活かして何度か繰り返していきます。
上手いことやれば、多少歪でしょうけど突進の軌跡に残った塗料で五芒星が描けるはずです!
それを魔法陣として【全力魔法】で電撃を叩き込みます!

……本音を言うと突進を引きつけて躱すなんて凄く危険で怖いんですけどね……



「あれがクラウドオベリスク……」
 純白の翼をはためかせながら、ミュリエル・フォルクエイン(オラトリオのアーチャー・f01452)が最奥に鎮座するそれを見やる。
 群竜大陸への道を閉ざすと言われる巨大な石碑。それがどういう仕組みなのか、破壊することでどうなるのかは未だ謎に包まれている。
 だが、今はまだ、それをじっくり検証する暇は猟兵達には与えられていない。
「ま、宝を守るのはドラゴンってのは定番ですがね」
「というか、戦車で轢き殺しに来るタイプの竜なんで初めて見ましたよ私!?」
 ぼやきながら、ミュリエルの眼下で要とくららが竜の突進を避ける。
 竜が壁をぶち破って、洞窟の奥へと消えていくのが見えた。
 ……まぁ、斬新と言えば斬新と言えるかもしれない。
 突然お邪魔してご立腹なのもわかりますが、などと軽い口調の要ではあるが、その瞳に油断の色は無く。
 先の猟兵の一撃で背中の甲羅に亀裂が入っているのは見て取れた。
 だが、逆に言えばあれほどの一撃ですら亀裂ひとつで済ませてみせたということでもある。
 自在に空中を跳び回られるよりマシかもしれないが、それでも油断して良い相手ではない。
 壁の向こうから殺気を感じた要が、精霊の加護の元、その身を巨大(と言っても竜には大きく劣るが)な狼へと変じさせる。
 次の瞬間、別の壁を打ち破って猛進してくる竜。
 要はそれを、ギリギリまで引きつけて、そして避ける。
「(お構いなしですかい……)」
 その身は精霊の力により、風と毒の力を纏っていた。
 まともに打ち合えば反撃は必至と言えたであろうに、それでも構うことなく、進路を変えようとすらせずに突っ込んできた。
 余程防御に自身があるのか、あるいはリターンが勝つと踏んだのか。
 どちらにせよ、下手な攪乱はこちらの身を危険に晒すだけかもしれない。
 その交錯の一瞬の隙にミュリエルが上空から矢を射かけるが、ただでさえ高速移動を繰り返す竜相手には狙撃も効果は薄い。
 直線的なおかげで、当てることはできる。だが、狙った位置にピンポイントとなると、難易度は一気に跳ね上がる。
 車輪のジョイント部分とまでなれば、地形の少しの凹凸だけでも容易にぶれ、矢の一撃という点の攻撃では着弾点がずれるのも致し方の無いところ。
「固い装甲ですね……」
「やっぱりこれだけじゃ、決定打にはなりませんか……!」
 同時に、すれ違いざまに電撃の塗料を浴びせかけたくららも舌を巻く。
 魔力が不発を起こしているわけではない。単にこの程度ではダメージがほとんどないのだ。
 地面にぶちまけられた塗料を踏み、二筋の車輪痕を残しながら、再びドラゴンは壁の向こうへと消えていく。
 その塗料の轍を見て取ったくららが、ひとつ頷いて立ち位置を変えるのを要は見た。
 轟音、突撃。
 今度はくらら目掛けて放たれたそれを回避ざまに、また塗料を浴びせて。
 もちろん、これも有効打たりえない。再びもう二筋、追加で塗料が一直線に引かれるだけだ。
 それを見やったくららの顔は、満足そうではあったが同時に恐怖を押し殺しているようでもあった。
 要もミュリエルも、これで察せないほど鈍感なわけではない。
 彼女には策がある。だがそれはそれとして攻撃を引きつけるのは当然怖いと、そう言うことなんだろう。
「そう言うことなら、微力ながら助勢いたします」
「しっかり浴びせてやんなせぇよ」
「はへっ?」
 くららの傍に寄るミュリエルと要。理由?当然、狙いをブレさせないためだ。
 三撃目が来る。
 三度、言われるがままにくららが塗料を浴びせかける。
 それを見やったミュリエルが、身体を前に躍らせて竜の前に手を翳した。
 展開される光波の壁。無論、それで一撃を受け止めるのは無理だが、無理に力比べさえしようとしなければ、ほんの一瞬速度を緩めることは辛うじてできる。
 その一瞬で、要がくららの服の襟を咥えて竜の進路上から飛び退けば、ミュリエルもあとは身を翻して衝撃を流し、竜が行くに任せるだけ。
「次は!?」
「あっ……あっちです、あっち!」
 くららの指示が飛び、位置を変え、四撃目も同様に。
「あと何回!」
「あ、あと1回!」
「承知しました!」
 五撃目。
 そして……六回目の壁が砕ける音がした。
 今度は、迎え撃つのはくらら一人。彼女の頬を冷や汗が伝う。
「今です!」
「そら、やってやんなせぇ!」
 左右から、二人の声が飛んだ。
 くららが両手を翳す。目の前にまで、竜の巨体が迫ってきていた。

 ――ヴン。

 小さな音を立てて、今まで竜の車輪によって生み出されてきた塗料の線が五本、光を帯びる。
 その形は、少々歪であれど五芒星の形を取っており。
「いっけぇぇぇぇぇぇ!!」
 竜がその中心を横切ろうとしたまさにその瞬間。
 洞窟全体を揺るがすほどの雷撃が、弾けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

パルピ・ペルポル
火山の洞窟がここまで平らなわけないと思ったら、ですよねぇって感じね。
まぁ私のやることは変わらないんだけどね…。

真正面からやりあうのは分が悪すぎるし。
咎力封じで敵の攻撃を多少なりとも制限するわ。
地形さえ変えられなければ敵さんの行動は単純でわかりやすいものになるし。
あとは隙をついて穢れを知らぬ薔薇の蕾を絡みつかせて行動を阻害しようかしら。
頭とか首とかを狙えたらいいのだけれど。
さすがに甲羅を砕くのは私には無理だし…。
亀裂にダガーを突き立ててやるくらいは出来るけれど。


霄・花雫
なんか亀っぽい竜だー。
乗ってる……っていうか一体化してる?いや、なんかこれ鎖も掛けられてるね?
車輪が地面に着いたら手脚着かなさそうな見た目してる……。

地形作ってもさ、地面との接触が最低限ならあんまり関係なさそうじゃない?
【空中戦、空中浮遊】で蹴って飛んで跳ねて、レガリアスシューズに【全力魔法、毒使い】で集めた大気の爆発と共に蹴り抜くよ!
いくら硬くたって、毒入れちゃえば時間経過で弱るしかない、でしょ?
ほらほら、鬼さんこちら!
【挑発、パフォーマンス、誘惑】で敵を引き付けながら、【ダンス、見切り、野生の勘】で回避して側面や背面を取っちゃおう。
頭上を狙ったり、車輪を壊したりも有効かな?


ディアリア・ラプラシアン
いや~、とても楽しかったですね♪ではでは、最後の仕上げも楽しみますですよ~♪

●竜と陣取りゲームです~
UCを発動させて、敵に攻撃の<パフォーマンス>で<迷彩>したり、回避したり逃げ回りながら<目立たない>ようにこっそりとUCの我輩の陣地になる「道」を<アート>し描いて増やしていきますです。
そして頃合いを見て我輩の陣地と敵が作った地形の境目に移動して、攻撃を誘発し逆に我輩の陣地へ誘い込みますです。誘い込めたら我輩が縦横無尽に動き回って敵を倒すアートを描きますですよ~。

「追い込んだと思いましたです?残念ながら我輩が今立っているこ・こ・は♪我輩専用道路、名付けてwagahai-way!なのですよ~♪」



「火山の洞窟がここまで平らなわけないとは思ったけど……」
 電撃に伴い舞い上がった土煙。
 その中から現れた竜はいまだ健在で、手傷を負って追い込まれた分、更なる敵意を猟兵達に向けているようにすら思える。
 ズシンと身体ごと車体を地面に叩きつければ、崩れた壁面も抉れた地面も再び元の形を取り戻す。
 成程、確かにこの地形を自在に操る能力であれば納得な話だ、とパルピは思う。
 地上で戦う者たちにとっては、厄介極まりない能力と言えよう。
 だが、フェアリーであるパルピと、もう一人。
 空中を自在に泳ぎ回るスカイダンサーである花雫にとってみれば、やることは大きくは変わらない。
「地面との接触が最低限なら、あんまり関係ないってことでしょ!」
 たん、と何もないはずの空中で何かを蹴る軽い音がした。
 今までの戦いぶりから見てもわかる通り、この竜の攻撃は『地形をつくり』『突撃する』という極めて単純な構成をしている。
 地形に追い込まれる心配の少ない二人にとってみれば、突撃さえ捌けば少なくとも簡単にやられることは無い。
「とはいえ、真正面からやり合うには分が悪すぎるわね……!」
 しかしながらパルピがぼやくように、『やられない』ことと『勝てる』ことは必ずしもイコールにはなり得ない。
 小柄なパルピはもちろんの事、花雫が全体重を乗せ、さらに魔力爆発まで伴った蹴りを放っても、その固い甲殻を穿つのは至難の業だ。
 花雫が中空を蹴り、あるいは背中の甲羅を蹴り抜いて足場代わりにし、さらに跳ぶ。
「ほらほら、鬼さんこちら!」
 それでも彼女は楽しげに。上へ、後ろへ、側面へと、縦横無尽に飛び回って爆発を伴う蹴りを喰らわせ、竜の気を惹いていく。
 竜とて自身の長所を殺すような愚を犯すほど馬鹿ではない。近距離をとられたなら離れ、勢いをつけての再突進を徹底している。
 その中で竜を追い脆そうな場所を蹴り抜くのは流石に難しいと見えたが、それでも『気を惹く』と言う点においては間違いなく上手く行っている。
 そんな花雫を遠目に見やりながら、竜の地形変化の影響外でぺたぺたと塗料を地面に塗りたくっている人物がいた。
「最後の仕上げも楽しみますですよ~♪」
 戦場には不釣り合いなほどに、鼻歌でも歌うようなテンションでルンルンと。
 ディアリアが吾輩色(具体的にどういう色かは読者諸氏のイメージに一任する)で洞窟の一角を染め上げていた。
「ふふ~ん、そろそろ頃合いですかな~?」
 その『陣地』に満足そうにひとつ頷いて、竜の方を見やる。
 相変わらず花雫を追いかけ回している竜の動きが、目に見えて鈍化しているのが見えた。
 長期戦によるスタミナ切れではない。竜のタフネスを侮ってはいけない。
 原因は別。花雫が先ほどよりはなっている蹴りに伴う爆発。その魔力には、少なからぬ毒素が内包されていた。
 甲殻を穿つことは叶わぬとも、その隙間や気管を通じて少しずつ体内に入り込んだそれは、じわじわと竜の身体を蝕んでいたのである。
 だからこそ『頃合い』なのだ。
「は~い、こっちお願いしますです!」
「おっけー!」
 合図を受け取った花雫がディアリアの側へ跳び、二人して掌を打ち合わせる。
 バトンタッチ。
 即座に視界から消えていく花雫の代わりに、竜の目に映ったのはディアリア一人。当然、避けるそぶりも無いディアリアが攻撃対象になるのは必然である。
 突撃を駆けるその様は、最初よりも動きが鈍ったと言えど相応の威圧感を伴うし、そのままであればその陣地も地形を作り替えられ、リセットされて終わりだっただろう。
 だが、それを阻むものがあった。
「捕まえたっ!」
 ぎちりと竜の身体に絡みつく、植物の蔦。
 パルピが放った、穢れを知らぬ薔薇の蕾の茨たち。
 尋常であれば、この程度の拘束など物の数ではなかったであろう。
 しかし、毒で弱った状態ならば、少しの時間であれば注意は逸れるし、速度も緩ませられる。
 地形を変えるための意識の集中など、させやしない。
 ぶちぶちと茨を引きちぎりながら、しかしその体勢を大きく崩し、竜はディアリア目掛けて突っ込んでいく。
「追い込んだと思いましたです?」 
 しかしそれは大きなミステイクであったことは、わざわざディアリアが指摘するまでも無く、状況そのものが物語っている。
「残念ながら我輩が今立っているこ・こ・は♪我輩専用道路、名付けてwagahai-way!なのですよ~♪」
 竜の車輪が塗料に取られ、空転を起こす。その中で、ディアリア自身の動きは一切鈍ることも無く、その巨体の隙間を駆け抜けざまに、顔面に塗料をぶちまけてやる。
 してやったりと言わんばかりのディアリアの表情は、塗料に阻まれて竜の目には映らない。
 視界と足を奪われ、ついに竜の動きがこの瞬間、完全に止まった。
「これで……!」
「おしまいっ!!」
 そうなれば、あとは穿つのみ。
 動きが止まれば狙いは外さない。
 パルピの短剣が、仲間が穿った甲羅の亀裂に正確に突き入れられる。
 花雫の踵が、首筋に叩き落とされる。
 悲鳴を上げる暇すらなかった。
 背中から黒い血を噴き出させ、首をあらぬ方向へと曲げながら、竜戦車はここに、ついに沈黙を見た。
 その守護者の最期を、クラウドオベリスクはただ、微動だにせずに見下ろしている。
 その石碑に意志など無い。
 だがその様は、竜の亡骸と己が迎えるであろう近い未来とを、重ね合わせているようにも思えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年07月05日


挿絵イラスト