タピオカドリンクにクリーム乗ってるの許せない女王
●めんどくさい敵があらわれたぞ
ここはキマイラフューチャーの大都会。流行の最先端。
「わたしね、タピオカドリンクにクリームが乗っているのが許せないの」
愛らしいピンクのポニーテールを揺らし、少女はそう言った。その手にはタピオカドリンク。アイスロイヤルミルクティにタピオカが入った、いっちゃんプレーンなヤツである。
「だってクリームよ? ソフトクリームにせよホイップクリームにせよ濃厚じゃない。主役じゃない。あんなん乗っけたら折角のタピオカが台無しになっちゃうわ」
ちゅうううう。少女はタピオカドリンクをストローで吸い、そのもっきゅもっきゅした食感を堪能する。はぁぁぁん、とうっとりした表情を浮かべ、そしてハッと我に返り咳払いひとつ。
「とにかく、許せないの。タピオカドリンクはタピオカが主役なんだから、他は極めてシンプルであるべき。基本はミルクティ。せいぜいいちごオレと抹茶オレ。そうよ、オレがミルクなのだから他の乳製品なんていらないのよ。そうは思わない?」
ものすごい暴論だが、彼女の取り巻きはそうだそうだと息を荒げる。
「あとはヘンにカラフルなタピオカも嫌。タピオカはタピオカなだけでフォトジェニックなのに、なんで過剰なSNS映えを追求する必要があるのかがわからないわ」
そして彼女は人差し指をびっと立て、配下に命令を下した。
「タピオカドリンクはシンプルイズベスト。他のヘンなオサレぶったエセタピオカドリンクは始末しておしまいなさい!」
「アイアイサー!」
配下はキマイラフューチャーの店を襲撃すべく駆けだした。尚、その姿は残念なことにソフトクリームそっくりであった。
●一応平和のためですから
「という怪人の襲撃事件が予知されたのですよ」
「はあ」
グリモア猟兵、無供華・リア(夢のヤドリギ・f00380)の真面目くさった顔に、収集をかけられた猟兵のひとりが気の抜けた返事をした。明らかに、顔にはこう書いてある。“めんどくさいやつだ”。
「一般の方が主張しているのならば言論の自由というものがありますが」
そんな大げさな話でしたっけ。
「残念ながら怪人なのでそうもいきません。彼女たちはクリームが乗っていたり見栄えを追求したタピオカドリンクを取り扱っているお店を襲撃し壊滅させ、怪人ならではの圧倒的説得力でもって自らの“タピオカシンプルイズベスト教”を布教します。猟兵である我々には道理が通っていない主張にしか聞こえなくても、一般の方々は容易く洗脳されてしまうでしょう」
「洗脳」
「そう。洗脳です。このままではタピオカの創意工夫が失われてしまいます。オブリビオンが未来を奪う存在だというのなら、今まさしくタピオカの未来が奪われようとしているのです」
ものすごい局地的だが、世界の可能性が奪われようとしている。
「皆さまはまず、この街で一番繁盛しているドリンクスタンド『未知との遭遇』に向かって頂きたいと思います」
「未知との遭遇」
「はい、未知との遭遇です。他にもたくさんのお客様がいらっしゃいますから、皆さまが敢えて怪人たちに喧嘩を売るようなタピオカドリンクをチョイスする必要はありません。各自好きなものを飲んで頂いて大丈夫ですので、まずは楽しんでくださいませ。ひとしきり楽しんだあたりで怪人が襲撃してくると思われます」
「ちょっといいかな。他のお客さんもいるって言ったね。そこで戦うの?」
「キマイラフューチャーでは猟兵の存在が知られていますから、皆さまが『逃げてね』と声を掛ければすぐに逃げて頂けますよ。ただし事前に人払いをしてお店が閑散としていると、怪人たちがもっと繁盛している他のお店をターゲットにしてしまう場合がありますから、それは出来ません」
「なるほど」
「あとひとつ注意して頂きたいことが」
リアの持つ人形が『ここ注目だよ』とばかりに指を立てる。
「おそらく皆さまが一般人の方を逃がしている間に、配下の怪人が自らの『タピオカシンプルイズベスト教』の教義を唱えるでしょう。内容は概ね冒頭の通りです。これに反論する手段がないと、一般人の一部が洗脳されてしまいます」
「するとどうなるの?」
「怪人が有利になるように動くので、下手をすると怪人の盾になり皆さまのユーベルコードで還らぬ人に」
「むっちゃ後味悪いじゃないですか!」
ふざけた教義からはかけ離れた展開に猟兵が青ざめる。
「どうしたら防げるのかな?」
「彼女らの教義よりも魅力的な主張をすればいいのです。クリーム乗せタピオカの魅力をPRしたり、手段はいろいろ考えられるでしょう。おそらくそれほど難しくはないと思います。もともとあんまり頭の良くない教義ですから」
あ、言っちゃった。
「説明はここまで。まあ、まずは楽しんできてくださいませ」
そう言ってリアは猟兵達を見送るのだった。最後にゲートを通った猟兵に、おすすめがあったら教えてくださいね、などと声をかけながら。
ion
お世話になっております、ionです。
鳥さんのボスを探してタイトルを「明王」にしようとも思いましたが、見つからなかったので可愛い女の子に女王になって頂きました。
タピオカブームが過ぎるまでにやらねばいけない。美味しいよね、タピオカ。
●
第一章はタピオカ店『未知との遭遇』でエンジョイタピオカ。
その名の通り、変わり種のタピオカが色々あります。勿論普通のもあります。
『100年に一度しか実らない伝説のキャッサバ芋を使ったタピオカ』とかそういうのは流石にありませんが、身近に手に入る材料なら一通りあります。色々楽しんでください。
●
第二章は集団戦。
こいつが一般人に謎の教義をかざしてきます。反論してください。
そちらがメインなので、最悪戦闘プレは「忘れてなければなんとかなります」。
●
第三章はボス戦。
教義をかざす元凶ですが、この頃には一般人の避難も済んでいる事と思われるので『一般人への説得』は不要です。
が、二章で説得できていない一般人がいた場合、あまり宜しくない展開になります。
それでは、皆さまのプレイングをお待ちしております(ごんぶとストローを吸いながら)。
第1章 日常
『魅惑のつぶつぶ、その名はタピオカ』
|
POW : タピオカダブル!
SPD : クリームてんこ盛り!
WIZ : 変わり種にチャレンジ!
|
アレクサンドラ・ルイス
貼り出されたメニューやサンプルを睨んで佇んでいる
(内心では「こんなに種類があるのか…」と
戸惑いとワクワクの狭間で揺れているだけ)
…迷う。迷う、が――
初体験はやはり、一番オーソドックスなタピオカミルクティーを
大きいサイズかつタピオカダブルで(カッ)
※列に並ぶ時は女性客を威圧しないよう気配を殺す
鍛えた肺活量で勢いよく吸い込みすぎてやや咽るも、
初めて味わうもちもちとしたつぶつぶの食感に心から感動する
(だが顔には出ない)
…はっ。そうか、タピオカを楽しむならば
Lサイズのカップを顔の横に持ち上げて小顔アピールしつつ
映える写真を撮るのが流儀だったな
オーケー、わかった
Say cheese!
(別人のような笑顔)
●
アレクサンドラ・ルイス(サイボーグの戦場傭兵・f05041)……いや、怒られると怖いからアレックスと呼ぼう。アレックスは張り出されたメニュー表を矯めつ眇めつ眺め、戸惑いとワクワクの狭間で揺れていた。だが、傍目にはスキンヘッドの強面ダンディが睨みつけているようにしか見えない。
列の後ろに並んでいるキマイラ女子たちがもの言いたげに視線を交わし合い、アレックスに悟られないようにスマホでメッセージのやり取りをしている。
――おかしいよ。あの人いかにもフツーっぽく振舞ってるっぽいけど、歩く時に音がしない。映画に出てくる殺し屋みたい。多分アレだよ、ウラシャカイの人だよ。ライバル店の視察に来たのかも。何それ。知らないの、タピオカって色々黒い噂があるんだって……。
「大きいサイズのタピオカミルクティをタピオカダブルでお願いします」
アレックスがタピオカを注文する声が響き、キマイラ女子たちは顔を見合わせる。
――ダブルだよ。ガチ勢かな。ガチのタピオカ好きかも。ウラシャカイの人じゃなくて?
無論、アレックスは裏社会の人間などではない。きわめて善良な猟兵である。足音がしないのは女性客を威圧しないように気配を殺していたからであるが、残念ながら全て裏目に出ていたらしい。
期待に弾む胸を抑えながらタピオカを受け取り、彼は店に併設されたカフェスペースに向かう。椅子に腰掛け、まずはタピオカとやらをじっくりと味わい……。
「んぐっ」
だが鍛えられた肺活量で吸い上げられたタピオカは口腔内の弱点に勢いよくクリーンヒット。噎せ込みながらもそれを噛みしめると。
(なんだ、これは)
未知の感覚がアレックスを満たす。雷に打たれたような衝撃だった。もちもちとした食感は今までに食したどの食べ物とも似つかず、そしてミルクティーとの相性も抜群。
(こんな素晴らしいものがこの世にあったとは)
噎せないように注意を払いながらも次々と吸い上げ、その食感を楽しんだ。
ふとアレックスが視線を逸らすと、いかにも流行に敏感そうな女の子たちがタピオカを掲げて写真を撮っていた。
(おっと、いかん)
アレックスは思わず居住まいを正す。そうだ、タピオカを楽しむのならばあれが流儀だったではないか。丁度自分はLサイズを頼んだ。顔の横に大きなカップを並べれば小顔アピールもばっちりだ。これは絶好の機会。
笑顔。笑顔。オーケー、わかった。彼も流儀に従いカメラを自分に向けて構え。
「Say cheese!」
別人のようなとびきりの笑顔でタピオカとのツーショットと決め込むのだった。
大成功
🔵🔵🔵
月守・咲凛
アドリブその他もろもろOK
アイスチョコレートスムージータピオカドリンクSサイズにホイップクリームとクッキークランチ大盛りマックスでおねがいするのです。
武装ユニットは際限なき弾薬庫にしまってあるので、完全にただの女の子になってます。
普通にタピオカ飲みに来てますけどこれで良いのかな?と若干頭に?を浮かべつつ普通にタピオカをタピってます。
アイススムージーだとタピオカが凍ってストローを通らなくなるので、備え付けのスプーンですくって食べるのです。
スプーンを咥えてむぐむぐと凍りかけたタピオカをゆっくり食べながら、まだかなー、とぼーっと周りの言葉に耳を傾けておくのです。
●
「アイスチョコレートスムージータピオカドリンクSサイズにホイップクリームとクッキークランチ大盛りマックスでおねがいするのです」
ひと息だった。
「はい、アイスチョコレートスムージータピオカドリンクSサイズにホイップクリームとクッキークランチ大盛りマックスですね!」
店員もひと息だった。
小さなカップから溢れてしまいそうなほどクリームやクランチが盛られていくのを、月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)はわくわくしながら見つめていた。6歳の彼女に店のカウンターは高く、背伸びした脚をぷるぷる震わせながらも、それでも懸命に見つめていた。
いつもならば翼型のユニットで飛行も浮遊もお手の物の彼女だが、今回はユニットをすべて収納している。名実ともに普通の女の子だった。ちょっと戦い慣れているだけの。
見本のようにきれいなカーブを描いたクリーム。その上に絶妙なバランスで振りかけられたクッキークランチ。
わくわくは店員にも伝わったらしい。きらきらと目を輝かす咲凛に極上のスマイルでタピオカスムージーを手渡してくれた。
「はいっ、どうぞ。ひとりでお買い物だなんてお姉さんだね」
えへへ、と咲凛ははにかみ笑いで受け取った。もちろん咲凛はひとりで買い物どころか世界を救うのだってお手の物。けれど年相応のかわいらしい笑みは演技などではなく、これもまた咲凛の一面。
席について備え付けのスプーンですくって食べると、シャリもちの食感が咲凛の口を満たしてくれた。
(んー、おいしいですっ!)
感想は心の中で。口はタピオカを咀嚼する事で忙しい。凍りかけたタピオカをむぐむぐと味わう。クリーム+クランチのふわザクとの相性も抜群で、トッピング盛り盛りにも関わらずあっという間に食べられてしまいそうだ。
もっきゅもっきゅとタピオカを噛みしめる口は休ませないまま、咲凛は周りの声に耳を傾ける。
きゃあきゃあはしゃぐ女の子たち。よく噛んでね、と子供に声をかける母。子どものほうは人生初タピオカだったらしく、目を丸くしてこれおいしー! と驚いている。
(平和だなあ)
普通に楽しんじゃってるけどこれで良いのかな? 若干頭に“?”を浮かべながらもタピオカを口に運ぶスプーンは止まらない。
そう、これはれっきとした仕事なのである。怪人がいつ襲い掛かってくるかわからないのだから、怪しまれないようにしっかりとタピオカを楽しむのが吉。
周りの言葉に耳を傾けながら、咲凛はタピオカをしっかり完食するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ジャスパー・ジャンブルジョルト
●注文する
店員さんよ。メニューの端から端まで全部くれ。そう、全部だ。
テイクアウト? いや、ここで飲むさ。俺は家に仕事を持ち帰らない主義だからな。
●飲む
というわけで、いっただっきまぁーす!
まずはタピオカマンゴージュース。うん、甘い!
お次は黒糖抹茶タピオカミルクティー。うん、濃厚!
そして、烏龍タピオカクリームチーズティー。うん……(以降、雑なコメントが続く)
●本来の目的を忘れて帰る
げっぷ!
全メニューを制覇したぜ。タピオカを一切使わずにあの独特の食感を再現した「タピオカモドキラテ」が一番美味かったかなー。
さて、帰るとするか……あれ? 俺、なにしに来たんだっけ?
※煮るな焼くなとご自由に扱ってください。
●
「店員さんよ」
タフでクールでダンディな声を放つ、艶やかな銀の毛並みを纏ったケットシー。ジャスパー・ジャンブルジョルト(JJ・f08532)は薔薇の花を口元に携えぱちりとウインクをしてみせる。決まった。
「はいっ、何でしょう?」
「メニューの端から端まで全部くれ」
店員が目を剥いた。そしてタピオカ全種類ぶんより明らかに体積の小さい客を見る。
「全部ですか」
「そう、全部だ」
声は真剣。どうやら冗談を言っているわけではないらしい。金もきっちり支払われた。
「テイクアウトでしょうか? それとも」
「いや、ここで飲むさ。俺は家に仕事を持ち帰らない主義だからな」
「はあ」
琥珀色の猫目を光らせてジャスパーは答えた。ニヒルな笑みがとても格好いい。だがその両腕には既にタピオカドリンク×2。テレビウムも楽しめる小型サイズ。
実の所ジャスパーは始めキマイラサイズで飲み切ってやろうと意気込んでいたのだが、サンプルを見て敗北を悟ったのだった。
でかい。ドリンク自体もだがタピオカが。
こんなものを吸ってしまったらたちまち口の中はもきゅで満たされ嚥下どころか咀嚼も叶わぬ窮地に陥る事であろう。むりだ。
「世知辛い世の中だぜ……」
哀愁を漂わせながら無数のタピオカを律儀にテーブルに運ぶ。その数、総勢47杯。
「というわけで、いっただっきまぁーす!」
前足をぽんと合わせてからタピオカ制覇に取りかかる。まずはタピオカマンゴージュース。
「甘い!」
次は黒糖抹茶タピオカミルクティー。
「うん、濃厚!」
そして烏龍タピオカクリームチーズティー。
「チーズ効いてる!」
更にヨーグルトタピオカミックスジュース。
「果物!」
コメントは大雑把だが、口をつけるたびに尻尾がふるふるしている。どうやら相当お気に召したご様子だ。
……1時間後。
「げっぷ!」
テーブルは空のカップで埋め尽くされていた。全てを飲み干した小さな英雄にあちこちから賞賛の声が上がる。
「すげーかっこいい!」
「ねーおじさん写真撮っていいー?」
「おにーさん、だぜ。お嬢さん」
向けられたスマホやらカメラやらにクールな笑みで応えながら、ジャスパーは飲んだタピオカ達を振り返る。
(意外とあれが一番うまかったな。「タピオカモドキラテ」)
タピオカを一切使っていないのにタピオカとしか思えない食感のアレ。新鮮な驚きがあった。
「さて、帰るとするか」
帽子を被りなおし帰路につこうとするタピオカヒーローを、ギャラリー達はキャーキャーと見送るのだった。
「……あれ? 俺、なにしに来たんだっけ?」
大成功
🔵🔵🔵
エスクルール・ラカーユ
チャーリー(f03602)といっしょ!
タピオカっていっぱいあるんだな。どれにしよう
メニューが多くて悩んだ(0.5秒)けどクリームが一杯乗ったイチゴのタピオカドリンクを注文する
タピオカはじめて飲む……食べる?けど面白い食感だな!もちもちだぁー!
初めての体験だからワクワクが止まらない。次はどの味が良いかなと悩む
もしチャーリーの小言が聞こえたら大体聞き流す
…でもカエルの卵とか言われると心が揺らぐ
これ水に入れておけばおたまじゃくしになるのか?
それはそれで楽しい気がするぞ!
嘘だと判明したら知ってた風で誤魔化すよ
し、知ってたし。知っててわざと乗っただけだからな!
チャーリー・ライドゴー
エスクルール(f12324)に同行
無難にミルクティーを頼みますね。
エスクルールは…もう既に別の奴を頼んでいる。はやい
しかしタピオカを飲み過ぎると体に悪いといいますからね
大量に飲もうとするときは止めに入ります
夕飯食べれなくなりますよ?
「あとタピオカって実はタピオカガエルの卵なんです
普通の人は多少食べても問題ないですが、体が弱ってたり小さいお子さんだとお腹の中で孵ったおたまじゃくしが暴れてお腹が
痛くなるのであまり食べない方が良いんですよ」
ここの部分だけは他のお客さんに聞こえないように小声で言います
エスクルールが本当に信じてたら大体嘘とだとは言っておきましょう
●
「タピオカとは、実にたくさんの種類があるものなのですね」
チャーリー・ライドゴー(ぶらり自転車週末紀行・f03602)がメニューを片手に悩んでいた。
「ええっ、そうなんだ。悩んじゃうなー決められるかなー」
心配そうに眉を顰めたエスクルール・ラカーユ(奇跡の迷子・f12324)がメニューを覗き込み。
「あっ、このクリームが一杯乗ったイチゴのタピオカドリンクにする!」
即決だった。一目ぼれだった。
「私は……そうですね、無難なミルクティーにしますか」
そうして二人は料金を支払い、無事に目的のタピオカにありついた。
「タピオカはじめて飲む……食べる? どっちかな。けど面白い食感だな! もちもちだぁー!」
エクスクルールはご機嫌でタピオカを噛みしめていた。こんもり盛られていたクリームもあっという間に減っていく。
「よく噛んで食べてくださいね」
平素から柔和な笑みを崩さないチャーリーだが、ゆっくりとタピオカを堪能するその表情はいつも以上ににこやかで。それはタピオカの美味しさゆえか、それとも。
「わかってるよ」
子ども扱いしないでよねとばかりに頬を膨らませながらも、一向に飲むスピードを落とさない旅の相棒の微笑ましさゆえか。
「はー、美味しかった! 次はどの味が良いかな」
氷の合間に詰まった吸い込みづらいタピオカまでしっかりと完食し、エスクルールはテーブルに備え付けられていたメニュー表に手を伸ばした。
「さっきのがクリームたっぷりで甘かったから、次はちょっと違う味にした方がいっぱい飲めるかな?」
「……はやいですね」
対するチャーリーのカップにはミルクティーもタピオカもまだまだ残っている。
「この南国トロピカルスムージーってやつにしよう!」
「あっ、ちょっと」
チャーリーの制止も聞かず、エスクルールは新たなタピオカを購入すべくレジへと一直線。
「二杯目にスムージーだなんてお腹を壊しやすそうなものを。ただでさえタピオカを飲み過ぎると体に悪いというのに」
残されたヤドリガミは人知れず溜息を漏らす。
「んー、これならいくらでも飲めそうだなー。もう一杯頼んじゃおうかな?」
ご機嫌でタピオカスムージーのシャリもち食感を堪能するエスクルールに、そろそろ一言必要だろうとチャーリーが口を開く。
「エスクルール。……夕飯食べられなくなりますよ」
「大丈夫だって」
お小言には慣れているとばかりにチャーリーの言葉は右のエルフ耳から左のエルフ耳へ。
(これは少し、アプローチを変える必要がありそうですね)
チャーリーはぐっと身を乗り出し、エスクルールへと顔を近づける。
「な、何?」
「実はですね」
ここだけの話ですよ、と声を低くし。
「……タピオカってタピオカガエルの卵なんです」
「へ?」
「普通の人は多少食べても問題ないですが、体が弱かったり小さいお子さんだとお腹の中でおたまじゃくしが暴れて痛くなるのであまり食べない方が良いんですよ」
「ウソでしょ?」
「本当です」
空色の瞳はどこまでも真剣で、エスクルールは思わずストローから手を離してしまう。
「これがカエルの卵……?」
言われてみれば、確かにそう見えなくもない。もし本当にそうならば、これだけ大きな卵なのだからさぞ大きな蛙が産んだのだろう。
「水に入れておけば大きなおたまじゃくしになるのか? ……それはそれで楽しい気がするぞ!」
おそるおそるカップの中を覗き込んでいた筈のエスクルールが、男の子らしい発想の転換で目を輝かせだし、たまらずチャーリーは噴き出した。
「何笑ってるんだよ」
「そんな事あるわけないじゃないですか」
「えっ」
あんまりにもあっさりと。
「こんなに簡単に信じて貰えるとは思わなくて」
「ししし知ってたし。知っててわざと乗っただけだからな!」
「はいはい」
「本当だからな!」
「はいはい」
耳まで真っ赤な少年をチャーリーはなだめすかし。
「でも、食べ過ぎると体に悪いのは本当ですよ。今日は折角の機会だから多少はいいですが、それで終わりにしましょうね」
「……はあい」
ホラ話が効いているのか、エスクルールは素直に承諾する。
「スムージーは急いで飲むと頭が痛くなってしまいますよ」
「わかってるってばー!」
お小言の多さは旅の相棒を大事に思うからこそ。チャーリーは微笑みながら、最後のタピオカを噛みしめるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
コルチェ・ウーパニャン
わーいコルチェ、これだーいすき!!
飲んだことはないけど!!
…コルチェがだいすきなのはカロリーなんだぁ。
節約中だから、出来るだけ一食あたりのカロリーをかせぎたいよね。
だからクリーム盛り盛りのタピオカチーズミルクティーをたのみまーす!!
これ、カツ丼一杯分のカロリーってほんとかなあ?
もしそうならなんか、節約出来てる感じだよね!!
(カツ丼の方が良コスパなのには気づかない
えへへー。おいしい!! それにおなかいっぱいになるね!
でも未知との遭遇ってどういう意味なんだろ?
コルチェ、お人形だから世の中知らないことだらけだよ。
もしかしてタピオカの正体は…ほんとうは…
…タピオカ…?
タピオカは…タピオカ??(迷宮入り
●
「わーいコルチェ、これだーいすき!!」
タピオカメニューを見てはしゃいでいるのはコルチェ・ウーパニャン(ミレナリィドールのブラスターガンナー・f00698)。表情だけではなく魔法光ファイバー製の髪もきらきら光って嬉しさアピール。
「それは良かったです。好きなものを頼んでくださいね」
つられて笑顔になるレジの店員に、コルチェも笑みを更に深くして。
「飲んだことはないけど!!」
かくり。漫画みたいに店員がコケた。
「ないんですか」
「コルチェがだいすきなのはカロリーなんだぁ。カロリーが沢山あるのはどれかな?」
すらりと伸びた細い四肢からは想像も事をさらりと述べる。実の所、コルチェは助けてくれた人への恩返しのために節約中。一食当たりのカロリーは手っ取り早く稼ぎたい。
「それですと、こちらのクリームタピオカチーズミルクティ辺りでしょうか」
「それにしまーす! クリーム盛り盛りでお願いします!」
かしこまりました! と元気に応じてくれた店員により、クリームを限界までこんもりもりにしたタピオカがコルチェにもたらされた。
「これ、カツ丼一杯分のカロリーってほんとかなあ? それにクリームいっぱい乗っけたら……うん、節約できてる感じだよね!!」
ご機嫌な表情でタピオカを吸い、濃厚な甘みともっちもちの食感を堪能する。うん、カロリーの味がする。
だがコルチェは間違いを犯していた。
カツ丼は安いお店で食べれば意外と安い。お店で飲むタピオカよりも遥かに安い。タピオカにクリームを追加するよりも、カツ丼のご飯を大盛にする方が安くてカロリーが増えてしかも腹持ちが良かったりもする。
そして……キャッサバ芋で作られたタピオカは確かにカロリーの低い食べ物ではないが、タピオカドリンク一杯でカツ丼と同じカロリーというのは『乾燥時の』タピオカ粉から計算された間違った噂であり、実際のタピオカドリンクはそこまででもない、らしい。
が、今回はチーズドリンクにクリーム盛り盛りなのでイイ線行っているかも知れない。それに美味しそうにタピオカという名のカロリーを摂取する彼女に現実を宣告するのは野暮というもの。
「えへへー。おいしい!! それにおなかいっぱいになるね!」
ふと、にこにこ笑顔のままドリンクスタンドの看板を見遣る。
――未知との遭遇。
(どういう意味なんだろ? コルチェ、お人形だから世の中知らないことだらけだよ)
もぐもぐ。
(未知……もしかしてタピオカの正体は……ほんとうは……まさか……)
むぐむぐ。
(タピオカは……タピオカ??)
もぐもぐ。
考えながらも、もちもちを咀嚼する口は休ませず。
彼女はまさに今日、未知との遭遇を果たしたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『自称『ウコンソフトクリーム』怪人』
|
POW : たべられません
【硬化させた頭部を回転させること】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : それじゃないプリ!!
【自分を排泄物扱いした相手に連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 芳醇な香り
【頭部】から【奇妙なニオイ】を放ち、【困惑】により対象の動きを一時的に封じる。
|
●
「れでぃーーーーす、あーーーんど、じぇんとるめーーーーん!!」
何の脈絡もなく甲高い声が響き渡り。
ぱぱぱぱっとスポットライトが当たる。
そこにはウコンのソフトクリームがいた。無論普通のソフトクリームは動かない。怪人である。
「皆、危ないから避難して!」
きゃあきゃあ。どこか呑気な悲鳴を上げて一般人キマイラ達が猟兵達の指示に従い逃げだした。彼らが残していったタピオカドリンクを見、怪人が眉(?)を吊り上げる。
「クリーム……スムージー……そんなチャラチャラしたもので飾り立ててほんっとーにタピオカ本来の美味しさがわかるの? クリーム入れたらクリームの味しかしないじゃん。タピオカ要らないじゃん。オサレなコーヒースタンドでなんちゃらフラペチーノ飲むのと変わりないじゃん」
あんまりにあんまりな意見だが、一般人の何人かがぴくっと身体を震わせ足を止めた。
「そういえばそうだな……」
「私達は何か大切なものを見失っていた気がするわ……」
多分そんな大それた話ではない。
「タピオカの原点に帰りましょう」
「そうだ。まずそのために」
洗脳された一般人達は店員が逃げもぬけの殻になったドリンクスタンドを睨みつけ。
「こんな邪道店はこの世から消し去ってしまえー!」
ざっ。猟兵達はその行く手を阻む。
「なんだお前達、邪魔するのか?」
このままではソフトクリームを倒しても一般人達の洗脳は解けず、のちに現れるボスにいいように扱われる駒と成り果ててしまう。
防ぐ為にはソフトクリームを倒す前に、彼らに自分の主張が間違っている・あるいは偏りすぎていると気づかせなければならない。
力を振るうだけが猟兵達の戦い方ではない。腕の見せ所だ。
コルチェ・ウーパニャン
ちょっとまったぁー!!
ハカイ活動はダメー!(髪がパトカーぽく赤くピカピカー
それにコルチェ…見破っちゃったよ!!
タピオカ自体に味はないってこと!!!
タピオカ本来のおいしさって言ったよね?
じゃあミルクティーも無しで良いじゃん!
それかただのミルクティーで良いじゃん!!
いろーんなものをトッピングして、
えへへカロリーだぁって味わうのがタピオカミルクティーだって、コルチェ見破りました!
だからみんなチーズクリームをのせるのだ!!
おいしかったよぉ。コルチェ、みんなにしあわせとカロリーを摂取してほしいの…
カロリーはしあわせのカタチだから…おいしいとカロリーで百倍しあわせ…えへへ…
あっ敵はピカブラでキュルーンだよ
月守・咲凛
SPDで戦闘、絡みアドリブOK
「あなた達は物を食べてる人の前に出てきてはいけないのです!!」
初手必殺技でとりあえずみんなの視覚を守らなくてはならないのです。
それはともかくとして、確かにシンプルなタピオカドリンクも美味しいのです。でも、大事な事を忘れてはいけないのです。
「タピオカドリンクにクリーム乗ってたら、なんか嬉しいのです!」
さながら異議あり!とばかりにビシィッと指差します。
起き上がってきたウコンさんは起き上がる度にキャノン砲で再度討ち滅ぼしておくのです。
あと、そもそもタピオカは元々味がないのです。
●
「武装ユニット全開放、撃ちます!」
凛とした少女の声が響き渡り、弾幕が訪れる。
「わわっ」
「なんだっ」
戦場に留まっていた一般人たちが咄嗟に頭をかばいしゃがみ込むが、武装ユニットから放たれた連続射撃は的確に彼らを避け怪人達を撃ち抜いていた。
「あたたたたっ」
ついでに織り交ぜた煙幕弾からの発煙で一般人の視界も防ぐ。それは勿論安全面の理由もあるが、
「あなた達は物を食べてる人の前に出てきてはいけないのです!!」
そう高らかに宣言するのは月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)。
「何でだよ、ぼくたち美味しいソフトクリームなのに」
ぶーたれる自称ウコン怪人。
「じゃあその紙はなんですか」
「ソフトクリーム食べるとクチが汚れるからこれで拭くの」
「そのスリッパは」
「ソフトクリーム屋の中は土足禁止なの」
あくまでウコンのソフトクリームだと怪人は言い張っていた。埒が明かないのでキャノン砲で討ち滅ぼしておく。
「とーにーかーくー、ハカイ活動はダメーー!!」
煙幕漂う中、コルチェ・ウーパニャン(ミレナリィドールのブラスターガンナー・f00698)の髪がぴかぴかと真っ赤に点灯して警告アピール。
「そんな事言ったって、このタピオカ屋がタピオカ本来の味がわからなくなるようなチャラチャラした飲みモン出してるのが悪いんだよ」
だから懲らしめてやるんだと意気込む一般人だが、コルチェの光り輝く不思議な髪に見蕩れてすっかり足を止めてしまっている。
「でもね、コルチェ……見破っちゃったんだよ!」
「何をだよ」
「タピオカ自体に味はないってこと!!!」
「!!!!」
一般人達の脳天に衝撃が奔る。
「嘘だろ」
「嘘だよな」
「本当ですよ」
咲凛も加勢する。
「だからこそ色々な飲み物にあうのです」
「まじか、すごいなタピオカ」
いつの間にか復活していて思わず唸る怪人。そんな事も知らずにタピオカ以下略教の教義を熱弁していたらしい。
ちなみに怪人は、声に反応して一般人がそちらを向く前に咲凛の砲弾の餌食となった。
「タピオカ本来のおいしさって言ったよね?」
コルチェがずずいとにじり寄る。
「じゃあミルクティーも無しで良いじゃん! それかただのミルクティーで良いじゃん!」
「確かにシンプルなタピオカドリンクも美味しいのです。でも、大事なことを忘れてはいけないのです」
「大事なこと」
「それはつまり」
息を呑む一般人。
「タピオカドリンクにクリーム乗ってたら、なんか嬉しいのです!」
「確かにな!!!幸せだよな
!!!!!!」
ズビシィッと指差し言い切る咲凛にあっさり言いくるめられた奴がいた。
「で、でも味はさておきカロリーが」
「そ、そうよね、クリーム乗せたら太っちゃうわよね」
中には往生際悪く反論する人たちもいたが。
「違うよー、いろーんなものトッピングして、えへへカロリーだぁって味わうのがタピオカドリンクだって、コルチェ見破ったんだよ!」
コルチェはにっこり。その顔は嘘偽りなく幸せで満たされている。
「だからみんなチーズクリームを乗せるのだ!!」
カロリー怖くない。カロリーは友達。
「おいしかったよぉ……カロリーはしあわせのカタチだから、おいしいとカロリーで百倍しあわせだよぉ……えへへ」
カロリーはしあわせ。
「カロリーはしあわせ……」
そうして残りの一般人達も洗脳から解き放たれた。いや、ひょっとしたら新たに『カロリーはしあわせ党』に入信したかも知れない。
「えっ、えっ? 何でみんな我に返っちゃってるの?」
気絶していた怪人が起き上がると、そこには一般人の姿はなく。
「クリームタピオカの勝利です」
「カロリーの勝利とも言う!」
キャノン砲と熱線銃のダブル攻撃で瞬殺されていきましたとさ。キュルーン☆
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジャスパー・ジャンブルジョルト
帰ろうとしたら、変なのが来たぁ!? ……って、そういえば、怪人がどうのこうのってリアが言ってたっけ。(ようやく思い出した)
はぁ? クリームを入れたら、クリームの味しかしないだと?
ばっきゃろー! タピオカがクリームなんかに負けるわけねえだろ!
あいつはなぁ……(溜め)……どんなに大量のクリームにまみれようとも、もきゅもきゅと自己主張するタフな野郎なんだよぉぉぉーっ!
こういう店に来るからには、おまえらもタピオカ愛好家なんだろう?
だったら、タピオカのもきゅもきゅ力を信じろよ!
おまえらが信じてやらないで、誰が信じるんだ!
(と、大昔の熱血青春ドラマのノリでアジる)
※煮るな焼くなとご自由に扱ってください。
●
「帰ろうとしたら変なのが来たぁ!?」
格好よく去ろうとした所をクリーム怪人に邪魔されて、慌てふためくジャスパー・ジャンブルジョルト(JJ・f08532)。
って、怪人?
「そういえば、怪人がどうのこうのってリアが言ってたっけ」
いけねえ俺とした事が忘れていたぜ。ジュストコールをはためかせ、ジャスパーは怪人へと向き直る。……と。
「あっタピオカ全種類制覇してた猫だ!」
「ねえねえやっぱりノーマルタピオカが一番美味しかったわよね? クリームなんて乗っけたらタピオカが駄目になっちゃうわよね?」
洗脳された一般キマイラ達がわらわら群がってきた。洗脳されてもその辺の記憶はあるらしい。
「ばっきゃろー! タピオカがクリームなんかに負けるわけねえだろ!」
一蹴。
「で、でも」
「でもじゃねぇ! あいつはなぁ……」
すうううう。大きく息を吸い込んで。
「どんなに大量のクリームにまみれようとも、もきゅもきゅと自己主張するタフな野郎なんだよぉぉぉーっ!」
魂の叫びがびりびりと空気を震わせる。
「こういう店に来るからには、おまえらもタピオカ愛好家なんだろう? だったら、タピオカのもきゅもきゅ力を信じろよ!」
「タピオカを信じる……」
「そうだ。おまえらが信じてやらないで、誰がタピオカを信じるんだ!」
どこの熱血青春ドラマ。
「……俺達が、間違っていたのか」
「そうね、信じてあげなきゃ。大好きなタピオカを」
「気づかせてくれてありがとうよ、小さな英雄さん!」
一般人達は目を輝かせ感謝の言葉を述べ出した。
「いいって事よ」
ジャスパーはとびきりクールな笑みをひとつ、
「さあ皆、海辺で青春の夕陽と共にタピオカのソコヂカラを味わおうz」
「勝手にボク達の仲間を洗脳するのやめてくれないかな」
【シメ】の言葉に被せ気味に怪人が文句を言ってきた。
「えーと……ああ、まだいたのか」
やっぱり忘れていた。
「洗脳したのはどっちだよ。皆タピオカの良さは知っていた、俺はそれを思い出させてやっただけだ」
「あーもーうるさい、こうなったらやっつけてやるー!」
怪人が頭部にチカラを貯めている。強烈なニオイでこちらの動きを封じる気だ。それは色々アブナイ。
「させねえぜ」
ネズミチアガールの応援を受け【名琴〈猫の爪研ぎ〉】が怪人の頭を殴りつけた。
「はぅッ」
あっけなく倒れ伏す怪人。こうして一般人とタピオカと言論の自由は守られた。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『ダークプルティア『ダーク・シュトレン』』
|
POW : 集まれ甘き闇の菓子!ダーク・シュトレンレッカー!
戦闘中に食べた【人々の欲望から作り出した菓子】の量と質に応じて【自身のダークティアパワーを増大させ】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD : 甘き闇に溺れちゃえ!シュトレン・ダークフルス!
【闇に染まった大量のクリーム状特大ビーム】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 甘き闇をあげる!ダーク・グーテンアペティート!
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自分の菓子を食べさせる事で怪人や戦闘員】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
|
●
と、思われたが。
「あーあ、だぁれも洗脳出来ていないじゃない、役立たずの〇〇〇怪人」
言っちゃいけない事を言いながら、予知に出てきたツインテールの少女が現れた。
「せっかく『オトモダチ』が増やせると思ったのに。仕方ないけどわたしが相手してあげる。――あなた達に甘き闇をあげるわ」
猟兵の献身的な行動(?)により一般人達は無事洗脳を解かれ、避難を済ませている。
あとは彼女を倒すことに集中できる様だ。
戦え、猟兵達。タピ界の平和のために。
コルチェ・ウーパニャン
やばっ、こわっ、ひええっ。
おともだちはコルチェも欲しいけど、コルチェの思ってるのとはだいぶ違うみたい。
コルチェのだいじなお友達、見せてあげるね。
ココちゃんと、ルルちゃん!
……じゃっかん、子供っぽい?
コルチェ、記憶がないから、ぜんぶのことを一生懸命やろうって決めてるよ。
だからおもちゃのお人形さんもお友達。…コルチェもお人形だしね!
ココちゃんはビーズの弾の銃でキュンキュン攻撃、ルルちゃんはひらひらのドレスで包んで守ってね。
あまーいお菓子、タピオカドリンク、どっちもお友達と一緒じゃなくちゃつまんないよ。
普段からの仲良しだからこそ、二人ともコルチェと一緒にがんばってくれるんだから!
ジャスパー・ジャンブルジョルト
●四十七杯分の満腹感を糧にしてUC発動
甘き闇だぁ? そんなものは辛口の炎で焼き払ってやるぜ!
いいか、お嬢ちゃん。俺がこうして炎を生み出せるのは、四十七杯ものタピオカドリンクを飲んだからだ。
もし、トッピングにクリームがなければ、味に飽きが来て、せいぜい二十杯しか飲めなかっただろうな。いや、三十杯かなー? ……まあ、とにかく、勝敗を分けた要因(もう勝った気でいる)はクリームってことさ。
甘い物が好きだからといって、クリームを甘く見ちゃいけないぜ。(ドヤ顔)
●戦闘後の描写があるなら
胃が空っぽになっちまったー。
店員さんよ。もっかい、メニューの端から端まで全部くれ。
※煮るな焼くなとご自由に扱ってください。
月守・咲凛
SPDで戦闘、アドリブ共闘OK
出ましたねボスウコン。
タピオカの自由のために、あなたも倒します!
しつこくボスウコン呼びしながら空を飛び回って敵の注意を引き付けます。敵がクリームを放って来たらユーベルコードの水弾で撃ち返して逆にクリームまみれにした上で、追い討ちの水弾で綺麗に洗ってあげるのです。水弾、水爆弾みたいに爆発しますけど、おそうじ、おそうじ。
見た感じ綺麗になった所で、おそうじ完了。今度は武装ユニットから射撃兵装一斉発射でオブリビオンをおそうじです。
●
「甘き闇だぁ? そんなものは辛口の炎で焼き払ってやるぜ!」
ジャスパー・ジャンブルジョルト(JJ・f08532)の所持する楽器たちが、彼自身の『満腹感』を糧に姿を変えてゆく。ジャスパーの背丈を超えるほどの巨大な火炎放射器にはご丁寧に凶悪な形状のトゲトゲが無数についており、それを構えるジャスパーはさながらハードロッカーのよう。
「ヒャッハー!!脂肪燃焼タイムだぜー!!」
ゴキゲンな叫びと共に火炎放射器が火を噴いた。闇と欲望の菓子で戦闘能力を増強させていたダーク・シュトレンもこれは避けきれず、自慢のツインテールがちりぢりになる。
「出ましたねボスウコン」
ユニットを展開させ空を翔けながら、月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)がシュトレンを挑発する。
「だーれーがーボスウコンですって?」
焦げてしまった髪を気にしながらも、シュトレンは咲凛を睨みつけた。
「ウコン怪人のボスだからボスウコンなのです! タピオカの自由のために、あなたも倒します!」
「ふざけないで。タピオカの未来を阻害しているのはあなた達じゃない」
シュトレンがホイッパーでボウルの中のクリームを攪拌する。
「ダークプルティアの力を魅せてあげる。レッツ・ラ・まぜまぜ☆」
色々とキケンな呪文と共にそれをステッキのように掲げると、クリームは極太のビームとなって咲凛に襲い掛かった。
だがこれは咲凛の水弾で押し返される。水の勢いで無数のクリーム弾に分散されたそれを、ホイッパーをくるくる回して相殺するシュトレン。
「決めた。最初にあなたを『オトモダチ』にしてあげる」
「やばっ、こわっ、ひええっ」
コルチェ・ウーパニャン(ミレナリィドールのブラスターガンナー・f00698)の髪が戸惑うようにめまぐるしく色を変える。
「おともだちはコルチェも欲しいけど、むりやり作るものじゃないんだよ。……ねえ?」
そう言いながらコルチェが芝居がかった動きで手を向けると、そこにはいつの間にか二体のちいさなお人形がいた。
ビーズのドレスのお人形は、コルチェのピカリブラスターを縮めたようなちいさな銃をシュトレンに向けて。
紙のドレスのお人形は、可憐なドレスを自慢げにゆらめかせてステップを刻んでいる。
「ココちゃんと、ルルちゃんだよ! コルチェの大事なお友達!」
ちいさな銃からビーズの弾が放たれ、シュトレンの周りを浮遊する力の根源たるスイーツを撃ち落としていく。
「いいか、お嬢ちゃん?」
ちっちっと指を揺らし、ジャスパーが火炎放射器を構えなおす。
「俺がこうして炎を生み出せるのは、四十七杯ものタピオカドリンクを飲んだからだ」
轟音が瞬き、熱が躍る。数多のカロリーを消費して放たれる強力な炎がシュトレンを焦げ付かせる。
「もしトッピングにクリームがなければ、早々に味に飽きてしまっただろうな。せいぜい二十杯……いや、三十杯はいけたかなー?」
どことなくドヤ顔。
「まあそれはともかく、勝敗を分けた要因はクリームってことさ」
圧倒的ドヤ顔。
「……っ、勝った気になるんじゃないわよ」
シュトレンのホイッパーがジャスパーに向けられるが。
「ボスウコンが怒っているのです!」
狙いすましたようなタイミングで上空の咲凛がシュトレンを挑発する。
「だーかーらー、誰がウコンですって?」
「そのクリームもウコン味ですか?」
「調子乗るんじゃないわよッ」
放たれたクリーム砲を、ジャスパーの火炎がどろり溶かす。
「悪くないと思うけどなあ、ウコンクリーム」
酒場で取り扱ったら食後のデザートに大人気だと思うぜ。そういえばウコンクリームは今日の店にはなかったな。そんなジャスパーの呟きは、咲凛の放つ水弾の音に掻き消えてしまった。
「お返しです!」
火炎に焼かれ勢いの衰えていたクリームビームは水弾に跳ね返され、今度こそシュトレンの全身に降り注ぐ。
「きゃあっ……あっ、おいしい」
悲鳴を上げながらも、ついつい頬についたクリームを舐めとってしまうのは甘党女子のサガ。
「……じゃなかった、なんてことしてくれるのよ!」
「ごめんなさい、お詫びにおそうじしてあげます」
追い打ちをかけるように水弾がシュトレンにクリーンヒット。綺麗になったついでに吹っ飛ばされる。
「そういえばコルチェきいたことある! 何かにウルサイ人のこと、ナントカ警察って言うんだって。そうするとシュトレンちゃんはタピオカ警察なのかな?」
ぴこんと電球のように髪を輝かせながらコルチェが言った。吹っ飛ばされつつも懸命に仕掛けられたクリーム弾がコルチェの元に襲い掛かるが、ふんわりドレスを翻した紙のお人形がそっとコルチェを護ってくれた。
「でもシュトレンちゃん、他のクリームのお菓子は好きなんだよね。クリームとタピオカだってお友達になれるんだよ」
「それはそれ、これはこれよ。タピオカにクリーム乗ってたらくどくて他のスイーツと合わせられないもの」
「でもクリームが乗ってたら幸せになれます」
ここで咲凛の真理がふたたび炸裂。
「うぐっ……」
歯噛みするシュトレンさん。本当は好きなんじゃ。
「それにあまーいお菓子もタピオカドリンクも、お友達と一緒じゃなくちゃつまんないよ。ココちゃんとルルちゃんは普段から仲良しだから、一緒にがんばってくれるんだ!」
コルチェの声に呼応するように、ちいさな人形たちがシュトレンへと向き直る。
「ああ、そうだ。友情ってやつは最大の調味料。無理矢理作ったオトモダチなんかじゃ意味がないんだぜ、お嬢ちゃん」
とびきりクールな笑みとともに、わかったようなわかってないような事を言うのは勿論ジャスパー。
「クリームのおそうじが終わったところで、今度はオブリビオンをおそうじです!」
咲凛の武装ユニットの銃口が一斉にシュトレンを捉え。
――そうして、タピオカ界に真の平和が訪れたという。
●
「激しい戦いだった。胃が空っぽになっちまったぜ」
ニヒルな声音で全然ニヒルじゃない事を呟く放浪剣士。摂取カロリーは全て炎となりて燃えてしまった。
「店員さんよ、もっかいメニューの端から端まで全部く……あっ、いない!?」
タピオカスタンドはもぬけの殻だった。
「さっきの騒ぎで逃げちゃったのかもねー」
「そんなぁ……」
へなへなと崩れ落ちる哀れな猫。
「でもすぐ帰ってくると思いますよ……あっ、噂をすればあの人たち!」
「まじか!」
秒速でしゃっきり戻って店員の元へ駆けていく猫。店員が「またですか!?」と驚いている。
「でも、そういえば私も、たくさん動いたからお腹が減ってきちゃったかもです」
「咲凛ちゃんも? えへへ、実はコルチェもなんだあ。みんなでワンモアタピオカしよー」
女子二人もきらきら笑顔を見合わせ、店員の元へ駆けて行った。
――おいしいは幸せ。一緒に幸せを分かち合えばもっとしあわせ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵