泡沫の夢に微睡んで
●
雨の知らせが届き始めるアルダワ魔法学園では地下からの侵略があるも地上では学生たちが青春を謳歌し、日常生活を過ごしていた。
「ちょっと~なんで先に行くのよ! 今日は一緒に食べようって言ったじゃない!」
「うるさぇ、ほっとけ!」
久しぶりに顔を見せた太陽が空の真上に到達した頃。この二人は姉弟だろうか。ずかずかと歩を進める弟とそれを姉が追いかける形で目的地へと向かっていた。
「そんなこと言わないでよ、今日お弁当作るの忘れたのは悪かったけど……あら?」
二人の目的地食堂に差し掛かる長廊下。そこには普段はいるはずのない物が。
さび付いたそれは機械人形。女性を模しているのだろうか、滑らかなフォルムを取り、その上にはボロボロのドレスを身に着けている。
『キッ、キキキ
・・・・・・』
錆び付く付いた体の中心に埋め込まれた狂った調子の円盤から音の外れた音を鳴ると廊下のいたるところが切り裂かれ、崩壊していく。
「姉さん!」
「まさか災魔が!? っ、構えなさい! 」
彼女の言葉と学園の至る所から悲鳴が上がるのはほぼ同時だった。
●
「皆さん、急ぎの事件が発生しました。至急アルダワ魔法学園に向かってください!」
現れた矢先にチャーリー・ライドゴー(ぶらり自転車週末紀行・f03602)は近くに居た猟兵たちに声をかけ始める。
「アルダワ魔法学園の災魔、オブリビオンは基本地下迷宮にしか出ません。しかし今回はこの迷宮の上、つまり魔法学園にオブリビオンが出現したのです。このままでは学生達の身に危険が及ぶどころか外部にまで影響が出る可能性もありえるのです」
学生達で対処はできるのかと猟兵が問うとチャーリーは難しい顔をする。
「群れを成すオブリビオンとの戦いなら難しくないでしょう。しかしいきなりの事で学生達は混乱しており、この状態ではかなりの苦戦を強いられるはずです」
更に強力な力を有する敵がおり、それを撃破するのは猟兵にしかできないだだろうと付け加えるとそのまま説明を続けた。
「現時点では学園の至る所に『螺子式ディーヴァ』『マーチフェザー』というオブリビオンが出現しています」
チャーリーが空中に電子画面を開く。そこにはドレスを身に纏った機械人形型の災魔が音を奏でながら学園を歩いている姿が映される。
「本来ならば同時に倒すのが最適なのですが、デーヴァがもたらす被害が現在進行形で進んでいること、マーチフェザーはある一か所に集まり今の事頃被害出てない事から先にデーヴァを倒してください。また、学生たちはデーヴァと交戦、もしくは負傷して動けない状況となっていますので見かけた際には治癒や指揮などをお願いします」
単純に敵を倒すのも集中できるが、如何せん今回は敵の数が多く出現範囲も広い。指示をすれば学生達は集団戦では十分な戦力として活躍するので彼らを活かさない手はないだろう。
「デーヴァを大体討伐できれば『マーチフェザー』が集まる場所へ侵攻可能となり討伐が可能となるでしょう。ここでも災魔の群れには学生たちも猟兵の力になります」
画面が切り替わればどこかの施設の前で自由に飛び回る小さな少女の姿。可愛らしい外見をしているが決して油断はしないようにとチャーリーは念を押す。
「そしてこのマーチフェザーの群れの近くに巨大な力を有する敵がいるのですが……今回の予知では分かりませんでした。ディーヴァとマーチフェザーに対して何かしらの指示を出している。わけではないようなのですか……」
ボスは今のところ明確な危害を加えてはいないが、動き出したらどうなるか分からず取り逃がせば学園の外も大変なことになるだろう、と付け加える。
なお、このオブリビオン戦では学生に対処させると危険なので猟兵だけの戦いになる。
ここまで説明を済ませるとチャーリーは猟兵たちに向き直った。
「平和な場所にある訪れた緊急事態。学生たちの安住の地をぜひ守ってあげてください」
それでは皆様ご武運を。チャーリーはグリモアを起動させ、猟兵をテレポートさせる準備に入った。
遭去
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遭去です。今回は蒸気が魔法が発達したアルダワ学園内で災魔が出現したのでオブリビオンを討伐する依頼となります。依頼の流れは集団戦×2→ボス戦×1となっています。
学生たちを助けながらカッコよく戦っていただければ幸いです。
●学生たちについて
傷ついて動けなくなっている学生や奮闘する人など様々います。自分のサポートに入ってもらう、別の場所の敵を倒してもらうなど色々指示してあげてください。
なお2章までは皆さんと共に戦っていますが3章のボス戦では参戦しません。
第1章 集団戦
『螺子式ディーヴァ』
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POW : 楽シキ歌
【狂った円盤から】【楽しい記憶を呼び起こす音色を対象に放ち】【動きを一時的に封じる幸せな夢に捕らえる事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : 哀シキ歌
【狂った円盤から出鱈目な衝撃波の慟哭】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 愛シキ歌
【狂った円盤】から【愛しい記憶を呼び起こす音色】を放ち、【幸せな夢に捕らえる事】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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アンテロ・ヴィルスカ
【WIZ】◯◯・諸々ご自由に…
学生達の力量に見合った敵が勝手に出てくるのなら良い授業になりそうだが、そう都合よくはいかないようだねぇ?
己の足元からUC【不香の花】を展開
床も敵も無機物の全てを雪に、壁の雪は生徒たちの頭上より降らせる
歌が心を捉えて邪魔をするならば、音を雪に吸わせて軽減を
雪から逃れた敵は銀鎖で捉え、黒剣で斬り伏せるよ
自分を守ってくれる者の指示を待つのかい?
それでは普段の授業と変わらない
敵の動きを見極め、自分に出来る事を探すといい
負傷者に手を貸して共に逃げるのもその一つ…
突然のパプニングは、自分に出来ない事を知れる良い機会だよ
「学生達の力量に見合った敵が勝手に出てくるのなら良い授業になりそうだが……そう都合よくはいかないようだねぇ?」
優しいメロディーが流れる空間に突然聞こえた男の声に少女ははっと目を覚ます。
慌てて声が聞こえた方を向けばそこにはモノトーン長の服で統一し口元に笑みを湛える偉丈夫――アンテロ・ヴィルスカ(白に鎮める・f03396)の姿。
剣を指揮棒のように振ればそれに合わせる様にまず彼の足元が、続いて周囲の壁が、飾られていた物が白い物となりちらちらと降りはじめた。
(綺麗……)
少女がそっと手をかざすと手の上に舞い降りるのは白い雪。普通の雪の様に冷たくも掌に載せても溶けない、不思議な魔力を持っていた。
「やはり此れが一番落ち着くな」
雪が降りしきる空間で彼はぽつりと呟く。
『不香の花』。周辺の無機物を雪に変えるその力は廊下の壁を飾りだけではなく機械人形の体さえも蝕んでいった。
足元から段々と雪に浸食されていく事に気づいた機械人形たちは慌てて逃げようとするも足が雪へと変わったことでそれも叶わず。そのまま音もなく精巧な雪像の群れへと変わり、そして崩れていった。
だが一体、その魔力から逃れた機械人形がいた。それは胸の円盤を動かしアンテロを安息の夢へ誘おうと胸の円盤をカタカタと歪な音を響かせる。
「夢を見せてくれるのかい?だが残念。私を捉えるには足りないようだ」
雪に覆われたその空間ではあらゆる音が雪に吸い込まれ、包まれる。その為音を介して発せられる魔力も少なく、アンテロを泡沫の夢に誘い大きな隙を作るには足りなかった。
アンテロの左腕に絡めた銀の鎖が意志を持つかの様にひとりでに動き出し、機械人形に絡まり動きを封じる。
「それでは良い夢を」
距離を詰め、十字架を模した黒い剣で機械人形の円盤を穿つ。
鎖の中で暴れていた機械は糸が切れたかのように突然動かなくなり、そのまま塵となって消えていった。
「助けていただいてありがとうございます。私戦闘が得意じゃないのに突っ走ってしまってあんな事に。ご迷惑をおかけしました……」
戦闘の後、先ほど襲われていた少女がうなだれていた。
幸い夢に捕らわれていただけで大きな外傷は無いようだ。
「あ、あの私に何かできることがあればお手伝いしますが……」
おどおどとアンテロの意見を伺うように少女が顔をあげる。それに対しアンテロは少し考えた後、彼は少女と目線を合わせて口を開いた。
「自分を守ってくれる者の指示を待つのかい?それでは普段の授業と変わらない」
「で、ですけどこの緊急時にそんな事……」
「突然のパプニングは、自分に出来ない事を知れる良い機会だよ。敵の動きを見極め、自分に出来る事を探すといい。負傷者に手を貸して共に逃げるのもその一つ……」
「自分に、できる事……」
アンテロの言葉は彼女にゆっくりと染みこんでいって。
少女はそのまま頭を下げる。だがそう長い時間が経たない内に再び顔をあげた。
「あの、私、他に傷ついている仲間を助けに行きます!」
少女はそのまま勢いよく立ちあがり、歩き出したかと思えばまたアンテロの方に向き直った。
「あの、えっと……お名前は……?」
「アンテロだ」
「アンテロさん。本当にありがとうございました! まだ災魔はいますのでお気をつけて!」
一礼をすると今度こそ彼女は仲間を助けるために走り出した。
少女が走り出していった方とは別の道からまた何か音が聞こえてきた。
それは一定のリズムで金属が擦れ合う音と、優しい旋律のオルゴールの音。響く音の数だけでも多くの敵が集まっているのが分かる。
「プリマ達が舞台に立つというなら鑑賞させてもらおうか」
そんな状況でもアンテロは笑みを崩さず、黒い剣を構えるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
鈴城・有斗
とりあえず行く前に時間をもらって、現地で役に立ちそうな薬や治療に使えそうな物を急ぎで集めるだけ集めてアイテムボックス(仮)に入れていく。
戦闘ではアイテムボックス(仮)からバスタードソードを取り出し使用
バリアで攻撃を防ぎつつバスタードソードで切り付けたり薙ぎ払っていく
道中で見つけた生徒には、怪我をしているなら持ってきた薬等で治療、動けるなら連れていくが無理ならカノンとドランを護衛に置き周囲を捜索
動ける生徒を見つけ次第戻ってくる
ある程度の人数になれば、怪我をした生徒を連れて移動、どこかの部屋に拠点でも作る
生徒には拠点からある程度の集団行動での戦闘と他の生徒の捜索と治療を頼む
アドリブ・連携歓迎です。
『がう、がうう!』
「こっちだね、ドラン!」
先行する相棒の白いドラゴンに案内されるまま少年、鈴城・有斗(人間のヴィジランテ・f18440)は長く広い廊下を疾走する。
「来ないで、来ないでぇ……!」
廊下の曲がり角を曲がれば10歳程度の女児が機械人形の群れに囲まれていた。
「っ、待ってて今行くよ!」
有斗は駆けながら右腕をアイテムポケット(仮)へと差し入れ、中からバスターソードを勢いよく引き抜いた。
有斗の姿を認めた機械人形が彼の方を振りむけば胸元の円盤から優しい音色が響く。それを手の甲から発せられるバリアで防ぎながら進撃。
それでも音の攻撃を完全に防ぎきることはできず、有斗は段々と眠気に襲われ始める。一度捕らえられれば最後、幸せな夢に彼の足が膝を突こうとするその時だった。
『~♪』
「……っ、ありがとうカノン!」
突如上から被せる様に響くそれは聞きなれた心地よい旋律。有斗のもう一体の相棒、カノンが自らの体を楽器として音を奏で機械人形の音を和らげたのだ。体を蝕む眠気から解放されると彼は再びその歩を進める。
「これで、終わりだ!」
そのまま機械人形たちの懐に滑り込み、体を全身を使ってバスターソードを薙ぎ払えば、彼女たちの体は腰のあたりを境に上下で綺麗に別れを告げたのだった。
「この子達、凄くかわいいね! カノンちゃんとドランちゃんっていうの? あたしの名前は……」
「はは……ほら、怪我したところ見せてごらん?」
戦闘が終わり、怯えていた少女がカノンとドランに気を引かれているうちに有斗は治療を始めることにした。
(すまない、二人とも少しそのまま我慢していてくれ……)
もみくちゃにされる己の相棒に多少の同情を抱きながらアイテムポケット(仮)から取り出すのは処置に必要な薬や道具類。ここに来る前にアイテムポケット(仮)に詰め込んできたのだ。
てきぱきと患部に薬を塗り、包帯を巻く。少女の傷は浅いが一人に行かせるには心配なため相棒のどちらかを護衛に置こうか思案していた時、先ほど来た道から足音が聞こえてきた。
新たな敵か。不安そうな顔をする少女に心配はいらないとジェスチャーを送るも、バスターソードを握る力が強くなる。
その足音が曲がり角を曲がってくると目の前の少女の顔が突如笑顔になる。
「お兄ちゃんー!」
「その声は……無事だったか!?」
曲がり角を曲がって来たのはこの学園の制服を着た少年。兄と呼ばれたその少年は妹の姿を認めると安堵の表情を浮かべ、そして少女の前にいる有斗に向き直る。
「アンタが妹を助けてくれたのか?……妹が世話になった。礼の代わりにもならないが、何か足りない物とか、困ったことがあれば言ってくれ!」
「そう言ってもらえると助かるよ。実は今とある教室に怪我が軽い生徒たちを匿っているんだ。君はそこに行って生徒たちを合流してほしいんだ」
有斗はこの少女に会う前から保護してきた動ける生徒はある教室に待機してもらっていたのだ。
有斗が拠点としている教室の名前を教えれば、生徒は場所がすぐ分かったように頷く。
「今動ける皆には探索も兼ねながら拠点周辺の敵の掃討や他の生徒たちの保護を行ってもらっているんだ。君もそれに参加してくれないか」
「お安い御用だ。ならその教室に行ってみるわ……よしっ、いくぞ。静かにしてろよ」
「うん分かった……ばいばいお兄ちゃん! カノンちゃん! ドランちゃん! また会おうね~!」
静かにしてろって言ったろうが!と兄に軽く注意されながら指定された教室へと向かう兄妹を有斗は手を振って見送る。
「さて」
彼らの姿が見えなくなってから有斗は一つ伸びをする。今までは拠点が自分が不在時に襲撃される心配もあったが彼らがいればまず大丈夫だろう。そう思うと心配事が一つ減って気が楽になった。
『ぎー!』『ー♪』
「ん、あっちにもいるんだね。任せて」
心配事は減っても忙しいな。苦笑しながら有斗は相棒が再び指示した方へと歩みを進めるのだった。
成功
🔵🔵🔴
クラウン・アンダーウッド
アドリブ・台詞修正・共闘 大歓迎
興味深い人形だねぇ。是非とも研究したいなぁ。
UCで[懐中時計]を量産して周囲に展開、機械人形の機動性、脆弱性を【情報収集】【第六感】で常時徹底的に調べ上げる。
機械人形に対して、様々な実験を行い【撮影】していく。
[ガントレット]【怪力】【鎧砕き】で殴り、[投げナイフ]【投擲】【鎧無視攻撃】を当て、 [七つ道具]【破壊工作】で分解してみる。
音色には音楽で対抗する。[応援特化型人形]を複数展開して即興オーケストラを形成。【楽器演奏】による【パフォーマンス】で周囲を【鼓舞】する。
適時、学生への攻撃を[からくり人形]で防ぐ。
負傷者がいたら[カバン式移動工房]に収容させる。
二種類の人形と人たちがそこにはいた。
一方はこの学園を脅かす災魔、螺子式ディーヴァ。狂いつつも優しい音色を響かせるその機械人形は学生たちを苦しめる。
もう一方はクラウン・アンダーウッド(探求する道化師・f19033)が指揮する応援特化型人形。持ち主の命に従いトランペット、ドラムなど様々な種類の楽器を取り出し陽気な音を奏でその場にいる学生たちを鼓舞する。
「反応速度はやや遅いかな。もともと戦闘用じゃなかったのかもしれないね」
そんな中クラウンは錬成ヤドリガミで生み出した己の分身――懐中時計を30個近く作り出し、それを時に突撃させ、またある一個は後ろから忍び寄らせていつ気づくかの反応時間を探るなど、デーヴァの動きをつぶさに観測していた。
――チチッ、チキキキキ……ギギギギ……
「ま、また来ますよぉ!」
デーヴァの音が変化したのを学生たちは身構える。一拍置いて奏でられる出鱈目なその音は、狂った音しか出せないことを嘆くのを体現するが如く全てを切り裂く衝撃波となって彼らを襲う。
「そうはさせられねいよ」
衝撃波が学生を飲み込むそのすぐ目の前で衝撃波は何かに当たり止まる。
彼らの目の前には複数の人形の姿。彼が左手で操りまさに身を挺して学生たちを守ったのだった。
「さて、名残惜しいがここでフィナーレと行こうか!」
クラウンがガントレットを装備する拳を握りしめ、そのままデーヴァに突撃する。
避けようとする機械人形。だが足が動かない。機械人形たちが足元を確認するとそこには先ほどまでなかったナイフが足へと刺さり、彼女たちを地面へと縫い付けていた。
まもなくクラウンの拳が機械人形へと届けば、その瞬間機械人形は動きを停止させる。
「い、一撃
……?!」
「この子達の脆い部分は先ほど調べたからねぇ」
先ほど得たデータを活かしながら一体は殴り、二体目は投げナイフで刺して。こうして機械人形は一体一体、確実に動きを停止させていったのだった。
「ここら辺の敵は駆逐できたな」
「それじゃあ次は……」
「クラウンさーん?」
「なるほどこの歯車を使う事で構造の単純化を図り、動きをスムーズにしていたんだね。となるとこれは……」
機械人形たちをあらかた倒し尽くし、次の場所へ行こうかとする中、学生たちの声に気付かずクラウンはデーヴァの体……構造を解明せんと熱心に調べ上げていた。
「え、えーっと……あの、次行きませんか?」
「ん? ああ、そうだね」
おずおずと声をかける少女の声にはっと気づくと彼は名残惜しそうに機械人形から離れる。
「ああ、そういえば怪我をしていた子がいなかったかい?もしいる様ならこの中に入っていけば楽だよ」
そういいながらクラウンは手に持つ鞄を指さす。
その鞄はぱっと見で人など入りそうにないが、実はこれ移動工房である。先ほどまで音楽を奏でていた応援特化型人形もこの中から出しており、物を大量に入れられる位には広いのだろう。しかし……
「今回は歩けないほどの怪我人はいないので大丈夫です!」
中の居心地はどうなっているのか。それを確かめる勇気は学生には無かった。
成功
🔵🔵🔴
ワトラー・ルヴィンジャック
負傷生徒がいれば歩み寄り高速治療を
さあ僕の傍へ、僕を見て
安心なさい、もう大丈夫だ
ひとつ、お手伝いくださいますか?
僕も魔法を扱うのですよ
あなたのその成果、どうかお借りしたい
各ディーヴァへ円盤を目掛け杖より呪縛魔法を一撃ずつ
その隙に生徒へ攻撃の指示
たとえ心を惑わす歌へ誘われたとしても
僕の本体は香水瓶
フィールドへひとしずく、ふたしずく、瓶から香を広げれば
偽の幻になど溺れることはない
立てますか?
よく頑張りましたね
あまり走り過ぎるのは宜しくない
手を取り合いながら戦うというのも
ひとつの勇気ですよ
それにしてもレディを壊すのは、あまりいい気分ではありませんね
災魔の被害は何も広い廊下だけではない、それは図書館でも引き起こされた。
「い、痛い……」
図書館の一角、そこには15、6くらいの線の細い少年が本棚にもたれかかり呻いてた。
彼の周りにはぶつかったり、避難する過程で倒れただろう本棚とその周辺に散乱する本は血にまみれていた。
寒くて、もう眠ってしまおうかと目をつむった瞬間。暖かな光が彼を包み込む。
「安心しなさい、もう大丈夫だ」
少年が目を開くとそこには金髪の麗しい青年、ワトラー・ルヴィンジャック(priya・f15036)の姿があった。
「ありがとうございました! 魔法について調べていたら敵に気づくのが遅くなてしまって……」
「あなた、魔法使えるんですね……ひとつ、お手伝いくださいますか?」
「て、手伝い? 僕にできる事なんて」
「そんなことありません」
ワトラーは少年の手を優しく包み込み目を見つめる。
「僕も魔法を扱うのですよ。あなたのその成果、どうかお借りしたい」
「わ、わかりまし、た。それでは何をすれば……?」
ワトラーの色気に当てられつつこくこくと頷く少年。その少年へワトラーは優しく語り掛ける。
幾ばくの時間が経ったろうか、やがて見回り行っているディーヴァの群れが彼らを見つけ、彼らを夢の中に誘おうと優しい旋律を響かせ始めた。
安らかな眠りに誘われる、その時ワトラーは懐から何やら瓶を取り出しその中身を床へと数滴落とす。
床に液体が吸い込まれた瞬間ふわりと香りの波が辺りを包み込む。液体の正体は香水、ただその匂いはどこかこの空間に蔓延っていた眠気を晴らい情熱を沸かせることができる不思議な力を持っていた。
音の力を匂いの力で相殺すればワトラーは持っていた杖を構え呪文を唱える。途端、デーヴァの周りに光の輪が生まれ、彼女たちを拘束した。
「さぁ、今ですよ」
「……はっ。はい!」
音楽からは逃れても今度は匂いに当てられていた少年はワトラーの声ではっと現実に引き戻される。そして少年が呪文を唱えれば魔法で出来た炎の矢を機械人形へと放ち、彼女たちを貫いた。
戦闘が終わった瞬間、少年は緊張の糸が解けたのかそのまま尻もちをつく。
「立てますか? よく頑張りましたね」
「い、いや。貴方のおかげです!」
そんな学生に手を差し出すと少年はしっかりと握りしめ手に引かれるまま立ち上がる。
「あの、他にも助けを待つのがいると思うので早くいきませんか?!」
「あまり走り過ぎるのは宜しくない。手を取り合いながら戦うというのも、ひとつの勇気ですよ」
「はっ、はい!」
ワトラーの声を熱心に聞きながらこくこくと頷く少年の姿に青年は少し笑みをこぼす。
そして少しばかりの休憩を入れた二人は救援を待つ学生たちを探しに広い図書館の奥へと向かうのであった。
成功
🔵🔵🔴
ザフェル・エジェデルハ
樒(f10234)と連携。他参加者との連携やアドリブも歓迎。
色んな所から音が聞こえてくるようだが、歌姫はどんだけいるんだ?
オブリビオンじゃなきゃ、どんな幸せな夢を見させてくれるのか
試してみたいところだがな。
敵を見つけ次第ドラゴニックエンドを撃ち込んで行く。
敵が防御力を上げてきた場合は【力溜め】も併用。
また、樒が動き等を封じた敵は確実に、漏らすことなく仕留めて行く。
学生達には周囲の負傷者の搬送や治癒を優先するよう指示する。
その上で戦闘に加われる者がいれば、加勢してもらう。
敵の数は多そうだからな。学んだ事をしっかり活かしてもらうぜ。
ただし無茶は禁物だ。そういうのは俺達の仕事だからな。
奪うなよ!!
織部・樒
ザフェルさん(f10233)と行動
連携・アドリブOK
【WIZ】
成る程、この数では如何な優秀な生徒でも手に余るでしょう
微力ながら我々も手をお貸しします
ザフェルさんのフォローしつつ敵がUCを使う際を見計らい、
行動に移らせたら符を懐から取り出して【高速詠唱】と共に
敵の円盤に貼り付け、七星七縛符を発動させます
オルゴールの音色は此方の獣奏器による【楽器演奏】で
敢えて不協和音を狙います
UCを防ぐ事は出来ないでしょうが、暗示には掛かり難くなるかもしれません
生徒さんたちは怪我人が多ければ手当を優先にお願いします
体力に余裕がありそうな方にはざっと付近を視認し
苦戦を強いられているチームの援護をお願いしましょう
「ごめん姉ちゃん、にげ……」
「しっかりなさい! ここであんたも倒れたら他の子が……!」
襲撃が始まり数刻が経ったか。近くに居た者が集まり災魔たちを退けんと戦闘を続ける学生たちもいた。
しかしその数の差は大きく、学生達は徐々に追い詰められていく。彼らもそう、大多数が優しい旋律に捕まり、膝を屈し、もしくは眠りに落ちている。
そして最後の二人が膝を屈しようとした時だ。
「ここにもいたか……やれやれ、歌姫はどんだけいるんだか」
突如後ろから声が聞こえてきたかと思えば、学生二人の前にいたディーヴァの脳天に槍が突き刺さる。
慌てて二人が後ろを振り返るとそこには使い込んでいると一目で分かる鎧に身を包む肌黒の青年、ザフェル・エジェデルハ(流離う竜・f10233)と乳白の姿を黒い和服に身を包む少年織部・樒(九鼎大呂・f10234)の姿。
樒がちらと倒れる学生達見やる。
「成る程、この数では如何な優秀な生徒でも手に余るでしょう。微力ながら我々も手をお貸しします」
「そう、ここは俺らに任せときな! 嬢ちゃんたちはその間他の生徒の救護に回ってくれや!」
「っ、はい!」
突然の事に放心していた女子学生が我に返ると同じく放心していた男子学生に声をかけ二人で救援に回っていく。
「それでは行きましょうかザフェルさん」
「おうよ、援護は任せたぜ」
「お任せください。しかし油断はしないでくださいよ」
樒は懐から竜笛を取り出すと演奏をはじめる。その音はデーヴァのそれよりも繊細でしかして大胆な音色。その場にいた学生がつい聞きほれてしまうような演奏だ。
その旋律を背にザフェルは先ほどのデーヴァから槍を引き抜き、構え、そのまま駆け出していく。
先ほど倒れた機械人形には目もくれず周りのデーヴァから音楽が奏でられる。その音は樒の音楽には負けていたがそれでもザフェルを捉える力はあった。
気に入った物が手に入った時のでも見ているのだろうか、それとも商隊にいた時の事の思い出だろうか。ザフェルの足取りは徐々に緩慢になり、その場で彼は立ち止りかける。
(油断しないでと言ったでしょう)
樒は器用に演奏しながら懐から護符を取り出し、デーヴァへと投げる。護符が正確にデーヴァの胸に護符が張り付けば今度は円盤の動きが緩慢になり、やがて動かなくなった。
「っと、へへっ、樒サンキュー!」
ふつりと音が消えれば夢から醒めたザフェルが再び駆け、そして跳躍。
「もらったぁ!」
鍛えられた体から放たれた槍はデーヴァの反応速度を超えた速さでデーヴァの肩に食い込む。
「やってやれイルディリム!」
『ギィ!』
肩に刺さる槍が赤い鱗を持つ小型の竜へと姿を変わりその咢を持って食らいつき、爪を振るうといともたやすくデーヴァの体をバラバラに切り裂いていった。
「おっさんたちすげぇ!」
「俺らもやるぞ!」
ザフェルの技が決まり、機械人形が倒れれば音の呪縛から放たれ、復帰した学生達から歓喜の声が上がる。そうして動ける者は我も我もと機械人形を倒さんと駆けだしていく。
「よっしゃ、ここの学園で学んだこと見せてもらおうじゃねえの! お前ら遅れんじゃねえぞ!」
「おっさんこそ!」
「お兄さんと呼べ! まだ29歳だぞ!」
軽口をたたきながらザフェルは手本だとばかり巧みな槍術を持ってデーヴァの体を槍で貫いていった。
「ああ、もう! なんであの子ああやって考えなしに突っ込むのよ!」
「ザフェルさんもあまり奥までいかない方が……あの様子だともう聞こえてないですね」
ザフェルと少年達はじめ数人の学生達が競う様に群れの中に飛び込んでいく。その様を後ろで救援を終えた女子学生が憤る。
樒はその様子に小さなため息をつくと、後ろに控えていた学生達の方を向いた。
「君たちと同じように苦戦している人がいるはずです。動ける人はその人たちの救援に向かってください。音の攻撃は旋律が流れる前に倒すか、他の音で掻き消すようにすれば影響が少なくなるでしょう」
『はいっ!』
「私はザフェルさんとここの学生の支援を行います」
「あ、あの私もご一緒しても良いですか?!さっき突っ込んでいったの私の弟なんです!」
先ほど憤っていた女子学生がおずおずと手をあげる。それに続いて数人が手をあげた。
「ふむ、それでは希望者は私たちと支援に徹しましょう。いきますよ」
「はい、頑張りますっ」
樒は数人の学生と顔を見合わせると先行する彼らに続くのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
グラデウス・ミースミ
このような形できょうだいしまいと対峙することになるとは。
あなたのソレはこんなことをするために与えられたのですか?
と同じ機械人形として問いかけます。
相手がオブリビオンであることは承知の上です。
ですがやはり、それとこれとは別なのです。
ミレナリオ・リクレクションを駆使して
進攻を阻止すべく立ち回ります。防衛線を押し上げるイメージでしょうか。
今回の騒動の意図を正確に探る必要があると思うので、
動ける学生さんには単独行動禁止で探ってもらえればなと思います。
剣をふるうだけが戦いとは限りません。
・・・なんて。私が言うとちょっと偉そうですね。
イーファ・リャナンシー
迷宮へ侵攻しようとする時は迷宮もこちらへ侵攻しようとしている…って感じかしら
まぁ、まさか向こうから攻めてくるなんてなかなか予想できないものね
被害が広がる前に及ばずながらお手伝いってことで
もたもたしないで!諦めるのはまだ早いわ!
【ブレイブ・フェアリー】を発動して生徒たちを奮起させるわ
自分で自分を守れる力があるのなら私がもう少しだけ背中を押してあげるの
自分自身は小さな体を活かして敵の死角に入りつつ、【全力魔法396】で敵を攻撃するわ
この世界の敵って私くらいのサイズの敵とはあんまり戦ったことないんじゃないかしら
愛しい記憶を呼び起こす…ね。靄がかかって見えないわ?あんたには悪いけど、私、記憶喪失なの!
その学生たちは善戦を繰り返していた。夢に誘う旋律が流れればそれに対抗するように励まし合い、音を奏でる。傷ついたものがいれば治療を施し動けるなら再び前線へ。敵の攻撃への対策とチーム内での役割配分がしっかりとしていた。
しかし、誰かが音への対策をすればその分攻撃の数が少なくなる。負傷者の数が治癒速度を超えれば動けない者が増えていく。そして倒した数より増えるデーヴァたち。
「これじゃあジリ貧よ、何とかしないと……!」
真綿で絞められるように徐々に追い詰められていく。追い詰められたその時自分たちはどうなるのか。
焦りが集団全体に伝わり始めたその時。
「まだよ、まだ諦めるには早いわ学生の皆!」
どこからかはっきりと真っすぐ通る声が戦場に響く。その場にいる学生たちは焦りに捕らわれていたことに気づき、かぶりを振る。
しかし少女の声はどこから?
「ここよ!」
学生たちが聞こえた方向に目をやればそこには花をあしらい、黄色を基調とした服を着た小さな少女――イーファ・リャナンシー(忘都の妖精・f18649)の姿がそこにあった。
「まさか向こうから攻めてくるなんてなかなか予想できないものね。被害が広がる前に及ばずながらお手伝いするわ」
学生たちの物珍しそうな視線に応える様にイーファは笑顔で手を振る。
「ええ、これ以上あの子達による被害を増やすことはできません」
学生の後ろから歩を進めるのは白と緑のドレスを身に纏うグラデウス・ミースミ(昨日見た夢の続きを。・f12178)。彼女は白い靴を鳴らしながら学生たちの間をすり抜け、デーヴァたちの前に立った。
「このような形できょうだいしまいと対峙することになるとは……あなたのソレはこんなことをするために与えられたのですか?」
グラデウスとデーヴァ。機械で作られた体を持つ者同士、いや本来は誰かを楽しませる事を目的とした者としてどうしても目の前の彼女たちをただ倒すことは憚られたのだ。
躊躇うかのような間がデーヴァたちの間で広がる。しかしそれもわずかな時間だけ。一体が狂った音を奏でればそれに呼応するように一体、また一体が旋律を奏でていく。
グラデウスは悲し気に一瞬目を瞑る。そして再び前を見据え、彼女も音に応える様に歌を歌う。
それは目の前の機械人形と全く同じ旋律。生身の人間なら再現がむずかしいであろうその音を再現できるのも彼女達と同じ様な体を持つゆえか。
「私が彼女たちの攻撃を相殺します。その分皆さんは攻撃に集中してください」
「オッケー! さぁいくわよ! 諦めるのはまだ早いわ!」
「わっかりましたー!」「やるぞ-!」
イーファの良く通る声に学生たちの士気は上がり、皆胸を高鳴らせながら攻勢に出る。そんな学生たちがグラデウスの横を通り過ぎていく中、彼女はある学生に声をかけた。
「貴方とその横の方。ちょっといい?」
「えっ、な、なんでしょう?」「ご用ですか?」
小柄で引っ込み思案な印象を受ける少女と快活そうな少年は足を止める。
「剣を振るう事だけが戦いとは限りません。貴方たちには一つ、頼みたい事があります」
グラデウスの話を聞くと学生たちはお願いを達成する為一度戦場を離れるのだった。
幾度目かの旋律が周囲に響く。それは愛おしい記憶を見せ夢に捕らえる旋律。
「愛しい記憶を呼び起こす…ね。靄がかかって見えないわ?あんたには悪いけど、私、記憶喪失なの!」
愛おしい記憶を見せると言う事は過去を見せると言う事。グラデウスの声が響く中で機械人形が奏でるその音は記憶を持たないイーファにとっては特に効果が薄かった。
彼女は魚の様に優雅に光の軌跡を作りながら学生たちの間をすり抜けてデーヴァの懐に入る。
「それじゃあいっくわよ! 私の全力!」
超至近距離からデーヴァに向けて両の手をかざせば掌から一条の光が発せられる。
目の前のデーヴァだけは無く直線状にいた機械人形の体も光に飲み込まれ、光が収まると同時にその姿も消え去っていた。
「これであらかた倒したかしら?それじゃあ次の学生たちを助けに……」
「猟兵さーん!」「みつけましたよー!」
イーファが一つ伸びをして次の学生を救おうと考えていると先ほどの学生が息を切らせながら戻ってきた。
「えっと、おねがいされた、こ、となん、」「いや、凄い。てき、」
「お疲れさまでした。ですがまずは息を整えましょう。何かあったのですか?」
グラデウスが労いの声をかけると学生二人はその場で息を整え、今度はよどみなく言葉を発した。
「え、えっとこの学園を襲った理由は分からなかったんですが……」
「ある施設の前に災魔がいっぱい集まってる箇所があったんです。もしかしたらそこが災魔にとっての重要拠点なのかもしれません!」
成功
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第2章 集団戦
『マーチフェザー』
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POW : ミュージカル・スコア・シュート
レベル×5本の【パッション】属性の【輝く五線譜】を放つ。
SPD : スモール・ワールド
小さな【♪】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【賑やかで楽しい世界】で、いつでも外に出られる。
WIZ : サウンド・オブ・パワー
【演奏】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
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次々と襲い掛かるデーヴァを倒しマーチフェザーの集まる施設に向かう猟兵と学生達。
猟兵の活躍により進路を阻むのは残りわずかなデーヴァたちのみとなった。
倒さんと剣を構えるとどこからか幼い声が聞こえてきた。
「あれれー、ディーヴァたちいなくなっちゃったの―?」
「あんなにいたのに困ったねーこれじゃああの子起きちゃうかも?」
「起こすの悪いもんねー」
「じゃあ起こさないように私たちがんばっちゃおー!」
おーっと可愛らしい号令をかけると妖精たち……マーチフェザーは残ったデーヴァたちと共に曲を奏で始めたのだった。
イーファ・リャナンシー
マーチフェザー…そう、迷宮の中にもこんなに可愛い妖精さん達がいるのね
ただ、それが災魔だっていうのなら放っておくことはできないわ
さっきのディーヴァにこの子達が魔法学園まで出てきた理由って一体…
さっきみたいに【ブレイブ・フェアリー】を使ってこっちも戦力増強…っていきたいとこだけど、そればっかりじゃ芸がないわね…やっぱり取り消しちゃうのが一番よ
【フェアリー・リング】で演奏、もしくは増強分の戦力そのものを亜空間に飛ばして強化をなかったことにするわ
反対に、向こう側の演奏を聞いた限り、共感しても戦闘に支障なさそうな内容だったら、大いに共感してこっちも戦闘力を増強するわ
攻撃は【全力魔法396】を使って行うわ
鈴城・有斗
あの子、ってのが今回の問題の大元なのかな。
とりあえず話を訊いてみたいけど、戦闘しながらだと難しいかなぁ
やるだけやってみるか
起こさない様にとか言いながらこんなに騒いで良いのか?
あの子っていうのは何なんだ?
お前たちがここに集まってるのはどうしてなんだ?
戦闘になったら
アイテムボックス(仮)からバスタードソードを取り出し使用
バリアで攻撃を防ぎつつバスタードソードで切り付けたり薙ぎ払っていく
カノンとドランには学生達のそばで衝撃波で援護を頼む
自分も「手」が届けばダークハンドで援護を行う。
スモール・ワールドには抵抗してみる
状況が判らない今は遊んでる場合じゃない
アドリブ・連携歓迎です。
打楽器の音は絶え間なく唸り、トランペットが高らかに歌う。それらの楽器が奏でるのはマーチ。明るいその音楽は学園中へと響き渡り、災魔の心を奮い立てる。
音符の形をした攻撃を避けながら有斗はマーチフェザー達の演奏に負けないように声を張り上げた。
「なぁ、君達はあの子っていうのを起こさない様にしてるんだろ?」
「そだよー」「頑張ってたからねー」「ちょっとお寝坊しても罰は当たらないよねー」
「こんな曲演奏したら起きないか?」
そう、先ほどまでデーヴァたちが流していたのは狂っていたにしても優しい夢に誘う音だった。対してこのマーチフェザーが流すのは真逆の音。マーチ。
ぴたっ。マーチフェザーの演奏が止まる。彼女たちは顔を向き合わせ……
「「たしかにー!」」
満場一致で意見が合致。その様に有斗は脱力。
「フェアリーっていうのは皆こんな感じなのか……?」
「全員がこうとは言わないわ。一部こういうのがいるのも否定はしないけど」
目の前のマーチフェザーがきゃいきゃいと楽しそうにする様を同じフェアリーであるイーファは少々呆れながら有斗の言葉に答えたのだった。
「あなた達のような可愛い妖精も迷宮にはいるのね……何はともあれ、このままあなた達災魔を放っておく事はできないわ」
「そうなのー?」「可愛いって照れるー」「でも放っておいてほしいのー」
なんだかんだとそれぞれ好き勝手なことを言いながら彼女たちは心なしか先ほどより静かな曲を流し始める。静かと言えどその音は聞いた者の心を静かに奮い立たせる。
「この音楽……自分の味方を強化する力があるみたいだね。このままだとやりにくい!」
先ほどより動きが機敏になった敵を有斗は少し苦戦しながら斬り伏せていく。
「分かった、それじゃあ私が何とかするからあなたはこのまま戦ってちょうだい!」
了解、有斗はそう答えるとアイテムポケット(仮)からバスターソードを取り出しマーチフェザーの群れに切り込んでいく。
(何とかするとは言ったけどどうしましょう。こちらも同じように戦力を増大させる?いや、そればっかりじゃあ芸が無いわね。なら……)
「あっちへ行っちゃいなさい!」
一拍置いてイーファが花の腕輪を付けた腕を上に伸ばすと光のゲートが出現。ゲートが輝き始めるとどうだろうか、妖精たちの演奏はそのままだが先ほど感じられた高揚感が薄まり、それと同時に敵の動きが緩慢になっていく。
「ありがとうイーファさん!……カノン、ドラン! 援護を頼む!」
「がうっ!」「~~♪」
敵の動きが鈍くなったことを確認すると、有斗は学生たちを守る様に動いていた2匹の相棒に声をかけて再びバスターソードでマーチフェザー達を一閃。戦場に浮かぶ無数の音符を手の甲から展開されるバリアで全身を包むことで攻撃を防ぎながら、二匹の相棒から発せられる衝撃波で打ち消していく。
「ところで君たちに聞きたいことがあるんだ「あーずるいー!」
「ずるくない」
「おにーさん、素敵な空間の中でお楽しみしませんー?」
「しません。今は遊んでる場合じゃないからな」
色々聞きたかったんだけどなぁ。埒が明かないと判断すると有斗はバスターソードを持たない左手を黒い鞭の様に変化させる。通常の腕より何倍も長くなった左腕でそのまま薙ぎ払えば、妖精たちを打ち据えながら一か所に集める。
「今だイーファさんっ!」
「ありがとう!それじゃあ全力でいっくわよー!」
集められた妖精達に向けてイーファが極太のビームを放つ。光が消えると同時ににぎやかだった妖精の姿はいなくなっていた。
成功
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クラウン・アンダーウッド
アドリブ・連携 大歓迎
《真の姿》顔の左側がひび割れ崩れ落ち、激しく燃える地獄の炎が顔を出し、両手のガントレットが炎に包まれる。
唯唯、相手をぐちゃぐちゃにしたい欲求に支配される。
「ボクの音楽を聞かせてあげようじゃないか♪」
複数の[応援特化型人形]によるオーケストラで【楽器演奏】による【パフォーマンス】を行い、おどろおどろしい曲を奏でる。
[懐中時計]の【第六感】【情報収集】で敵の攻撃や行動を掌握する。「ごめんね。先に謝っておくよ」
敵の攻撃を防御又は回避し、[ガントレット]の【怪力】【鎧砕き】をもって攻撃する。
拳で破壊し、敵の手足を折り、悲鳴を上げさせる。
「素晴らしい音色だねぇ♪もっと聞かせてよ」
クラウンのその姿は今までとは大きく姿を変えていた。
顔の左半分が剥がれその内側からは炎が躍る。同様に両の腕のガントレットも炎に包まれておりその姿はまさに異形。
「さぁて、ボクの音楽を聞かせてあげようじゃないか♪」
先ほどと同じ様に鞄から出てきたその人形たち――ピエロの形を模したその人形も主と同じ様に顔の片側が剥がれ落ち、そこから炎が見えていた――がカタカタと関節を鳴らしながら出てくるとオーケストラの様に列を組み、指揮者と思わしき人形が腕を振り上げると同時に各々の楽器をかき鳴らし曲を奏で始める。
その曲は今流れている人の心を奮い立たせる物ではなく、先ほどの物とも違う、地の底から響くような、聞いた者をすくませる力を持っていた。
「なんだかこわいのー……」
オレンジ色の五線譜を紡ぐ一体の妖精がクラウンの姿と行動を見て不安げにぽつりと呟く。
クラウンはその妖精の方を向くと彼女に優しく笑みを浮かべた。
「ごめんね。先に謝っておくよ」
「えっ?」
言うが早いか、クラウンは自分の体を掻き毟った。強く掻き毟った体から滲み出てきたのは赤い血ではなく赤より暗い色を浮かべる炎。
そのまま炎は意志を持つように先ほど声をあげた妖精の方へ飛びつくと、瞬く間に彼女と五線譜を包み込んだ。
「きゃー!」
「はわわー!」
声をあげることもできず突然炎上した仲間を見てに慌てふためく妖精達。その隙に彼は音もなく彼女たちに近寄ると一体の妖精にガントレットを振り上げた。
「きゃー! い、痛いよー!」
「素晴らしい音色だねぇ♪もっと聞かせてよ」
妖精の体からは折れる嫌な音と感触が伝わり、同時に彼女からは悲鳴が上がる。
「さぁ、もっともっと!骨が折れる音を! 筋肉の繊維が切れる音を! 肉と臓物が混ざり合う音を聞かせてくれ!」
それはパッション属性の攻撃によってクラウンの気分を高揚させたからなのか、それとも元々だったのかわからない。
分かるのはそこには真の姿となった彼はいつもの飄々とした感じの仮面を取り払い、自分の欲求を妖精にぶつけているという事だけだ。
その様を見てまた別の妖精たちは逆に震えあがり、身を寄せ、抱き合う。
「こわいー!」
「にげるのー!」
恐怖に負け逃げていく妖精達。その様を満足げに見るとクラウンは追い詰める狩人の目をしながら彼は妖精たちの逃げた方向へ歩を進めたのだった。
成功
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グラデウス・ミースミ
躊躇うのは何故?動揺?
気のせいか、ミレナリオ・リフレクションの感触も心なしかいつもと違う気がします。
しかしながら、確かに侵攻で攻撃で、傷つく人がいる以上看過できかねます。
と、状況整理がてら指向して勇敢な学生さんが発見した場所へ向かいましょう。
あなた方の目的は一体何なのですか?
と問いかけます。
理由如何によっては協力も可能かもしれません。
ただの無秩序でないことを祈りたいです。
誰かが傷つくのであれば躊躇はありません。これでも猟兵の端くれですので。
ミレナリオ・リフレクションで攻勢を削ぎます。
相手のサウンド・オブ・パワーはこちらにも効き目があるのか少しだけ興味があります。
ザフェル・エジェデルハ
樒(f10234)と共闘。他者との連携・アドリブ歓迎
学生達には負傷者の救出を優先してもらい、
攻撃可能な者は俺とマーチフェザー討伐を行ってもらう。
支援の方が得意な学生は樒の指示に従ってくれ。
攻撃はユーベルコードの届く範囲全ての敵に対して行う。
今回も数が多そうだからな。学生達と協力し、撃ち漏らしは互いに補い、
きっちり片付けて行く。
敵の攻撃は【武器受け】で防ぎ、【カウンター】を狙う。
また、出来るだけ学生達に敵の攻撃が及ばないような立ち位置を心がける。
可愛らしい感じの敵だから、ちょっとやり辛さも感じるが、
躊躇したらこっちがやられっからな。
ディーヴァの時は少し油断したこともあるし、容赦無しで行くぜ!
織部・樒
引き続きザフェルさん(流離う竜・f10233)と行動
連携・アドリブOK
ううん……無邪気な様子で少しやり難いですが
引き続き突出する方々(前衛)の支援を行います
動ける生徒さんたちは是非援護をお願いします
UCを技能で何とか出来るとも思えませんが
微量でも阻害出来るなら、獣奏器を使い【楽器演奏】にて
敵の旋律を乱すことを試みます
戦闘力アップは少々厄介ですね
敵が演奏を始めたら共感者が増える前に【高速詠唱】と共に
懐から符を出し七星七縛符を使用
とにかく彼女たちの行動の阻害を可能な限り試みます
可能なら支援の生徒さんたちとも連携を取り
ザフェルさんを先頭に切り込む皆さんを最大限援護します
先ほどの学生の案内の元、災魔が集まっているという施設の元へ向かうとそこには数多くの妖精が宙をふよふよと舞っていた。
「今日はいかがですかー?」
「げんきでーす!」
「ならもう少し寝ててもらいますかねー」
「いやーお寝坊さんではー?」
「お寝坊さんにはどんなご飯がいいでしょー」
「とうふー?」
「ではそれでー」
「全く訳のあかないことを言ってるな……」
「ううん……無邪気な様子で少しやり難いです」
「ですが傷つく人が出る以上、彼女達を放ってはおけません」
その楽し気な妖精たちにザフェルと樒、グラデウスはいささかやり辛さを感じながら後ろで待機していた学生たちの方に向き直る。
「っつー訳でやるぞお前ら、負傷者の救出優先だ! 余裕があるならこっちの討伐に付き合えや!」
「うぃっす!」
「支援が得意な方は引き続きザフェルさんたちの援護を頼みます」
「負傷した人が出た場合は救護に回ってください」
「分かりました!」
(さっきは油断しちまったし、気を引き締めてかねぇと)
さっきみたいに攻撃を食らうわけにはいかんしな。一呼吸の間を置いてザフェルと学生達がマーチフェザーの元へ駆けていく。それと同時にザフェルの後方から樒と一部の学生たちの合奏曲が響き始めた。
ザフェルと数名の学生の姿を認めた妖精たちは、パッション属性の五線譜を指揮棒の先から展開する。
オレンジ色の五線譜に籠められた魔力はパッション属性。奮い立たせる能力があるそれは特に被害がなさそうに見えた。
「死ねー!」
「ぎゃっー!」
「い、いきなりどうしたのよっ!?」
しかし一部の学生が五線譜に触れた瞬間それは起こった。触れた学生が激情に駆られると周りの学生に攻撃を始め、あるいは猟兵の指示を無視した行動を始めたのだ。
「ちっ、お前らいったん下がれ! 同志討ちなんて洒落になんねぇ!」
五線譜を槍で砕き、手ごろの妖精たちに攻撃を加えながらザフェルは学生たちを戦線離脱させていく。
「パッションというのは良い事だけでは無いようですね」
樒が負傷した学生を誘導しながら呟くうちにもマーチフェザーの一部が味方の気分を向上させる音楽を奏で始めれば五線譜は更に戦場へと拡散する量を増やしていく。
「戦闘力アップというのは少々厄介ですね……グラデウスさん、私があの曲を防ぎますのであなたは五線譜の方を」
「ええ、これ以上は見過ごすことはできませんもの」
樒が詠唱を始めると同時、グラデウスは指の先からオレンジ色の五線譜を紡いでいく。彼女の出した五線譜は妖精の出した五線譜とぶつかると空中で光を発して消えていった。
詠唱を終えた樒が懐から護符を出すと妖精に向けて投擲。一人の妖精の顔にべたっと張り付いた。
「ふわーっ!?」
「だいじょうぶー?!」
貼り付いた護符を剥がそうと周りの妖精たちは音楽を中断し、貼りついた妖精の元へ駆けよっていく。
攻撃をあらかた無力化できた所でグラデウスは妖精たちに問いかける。
「あなた方の目的は一体何なのですか?」
「……うふふーなんでしょー」
「世界を我が手にー?」
「いや存在証明ではー?」
貼り付いた護符を剥がしながらグラデウスの問いに楽しそうに答える妖精達。
だがそこには一瞬の躊躇いがあったことをグラデウスは見逃さなかった。
(先ほどのミレナリオ・リフレクションの時もそうですが、何かいつもと違う気がするのは何なのでしょう……)
「可愛らしい感じの敵だから、ちょっとやり辛さも感じるが……それでさっき油断したからな、容赦なしで行くぜ!」
ザフェルは槍を握り直し彼女たちのいる方面へ投擲する。
槍は上空へ駆けていくと1本、2本、3本……その数を増やし最大高度に達した時点で数え切れない程の本数となっていた。
「我が槍よ、嵐が如く敵を穿て」
その声に応える様に槍が妖精めがけて降下。槍の雨がマーチフェザーへと降り注ぐ。
「あーれー」
「大豪雨けいほーはつれーですねー」
「きゃーん!」
その攻撃を避ける術を持っていない彼女たちはそのまま槍の穂先に穿たれ、姿を消していったのだった。
「生徒たちも大きな怪我は無いようですね」
樒が先ほどの攻撃の影響を受けた学生達を見て回る。先ほどは興奮状態だった学生たちはマーチフェザーが消え去ると同時に影響は徐々に薄まっていたのが確認できた。
「しかし先ほどの彼女たちはなぜ侵攻を始めたのでしょう……」
学生たちに混じって怪我をした学生達の治療をしながらグラデウスは考え込む。先ほどの妖精たちの会話を聞くと無秩序では無いと言う事は分かったが、イマイチ彼女たちの真意は掴めなかった。
「多分その理由っていうのもこの先にあるんじゃねぇかな」
ザフェルが槍の穂先で施設の入り口を指し示す。そこは先ほどまで数多くの妖精たちが守っていた場所。
この先に何がいるのか。彼らは互いの顔を見合い頷くと、意を決してその施設の扉に手をかけた。
成功
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第3章 ボス戦
『アンリ・クロスライト』
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POW : ロイヤルコード『クロスライト』
レベル×5本の【斬撃】属性の【体から伸びる光の帯】を放つ。
SPD : マジカルコード『ニュークリアバースト』
見えない【高エネルギーの波動】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ : エクストラコード『ライトニングミューテーション』
【胸元のリボンに手を触れる】事で【『光速のアンリ』】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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猟兵たちが意を決して扉を開けるとそこは日の光が優しく入り込み、緑が溢れ、鳥が囀る空間――温室だった。
入口からまっすぐに大きな通路が伸びその脇には色とりどりの草花が優雅に、しかし競い合う様に咲き乱れる。
大きな通路の先、温室の真ん中には大木が根を張り、その根元には一人の少女がいた。
体を丸め眠り込んでいたが猟兵の気配に気づいたのだろうか、やがてその瞼が薄く開かれる。
「夢を見ていたわ。妹達と共にお茶会をするあり得ない、素敵な夢……」
ぽつりと呟くとゆっくりと体を起こす。赤く長い髪を揺らしながら立ち上がると猟兵たちの前へと進み出る。
「そうあの子達……ディーヴァとマーチフェザーはいなくなってしまったのね……でも誰もいなくなったとしても、私は進まなければいけないわ」
少女は猟兵たちのから少し離れた場所で立ち止まると、これからダンスに誘うかのように、スカートの裾を軽く持ち上げて片膝を曲げる礼のポーズを取った。
「私はアンリ・クロスライト。私の魔導の力が世界に、妹達に通用するのか。まずは貴方たちで試させていただきます」
織部・樒
引き続きザフェルさん(f10233)と行動
連携・アドリブOK
【WIZ】
妹たち……何か事情があるようですが、私たちもそう簡単に
やられはしませんよ
敵の行動は常にしっかりと見ておき不意の攻撃に備えます
また仕草や声色で攻撃が予測できればザフェルさんや
周りにも注意喚起
タイミングを計り、胸元のリボンに触れられる前に
七星七縛符にてUC封じを試みます
あまり素早く動かれては厄介です
彼女の好きにはさせません
遮蔽物があれば活用しますが、何らかの攻撃が
及ぶ場合は持っている竜笛にて咄嗟に受け流します
ザフェル・エジェデルハ
樒(f10234)と共闘。他参加者との連携・アドリブ歓迎
ついにボスのお出ましか。見かけによらず、かなりの手練れのようだな。
【投擲】技能を併用してユーベルコード(UC)で敵を穿つ。
樒が敵のUCを封じた場合は好機と捉え、すかさずUC【槍嵐】を撃ち込む。
なお、UCで作り出す槍は全て敵本体への攻撃とするが、
敵の【光の帯】が発生した場合はUCでの相殺を試みる。
敵からの攻撃は通常回避の他、【武器受け】や【カウンター】も使用する。
また、相当な苦戦を強いられる場合は【捨て身の一撃】も厭わない。
何が目的か知らねぇが、先へ進ませるわけには行かねぇな。
ここで終わってもらうぜ!!
鈴城・有斗
なにやら事情がありそうな相手だけど、このまま進ませるわけにもいかないんだよね。
生憎だけど、試すだけでお帰り願おうか。
UC鉄の騎士を使用し鎧を纏う
攻撃は右手の突撃槍による切り付け、薙ぎ払い、突撃、左手の大盾による殴りつけ
防御はバリアを纏わせた盾と、カノンとドランの衝撃波による迎撃
早くて動きが捉えられないなら、盾の表面にUCダークハンドを影状にして這わせて、防いだ瞬間にハエトリグサみたいに「両手」でバクンと捕まえてやる。
それでも捕まえられなければ、もうこうなりゃ持久戦だ。
どっちが先に力尽きるか我慢比べといこうか。
アドリブ・連携歓迎です。
イーファ・リャナンシー
妹達って言うのが何なのかは知らないけれど…迷宮の外へ出て来たからには排除される覚悟だって出来てるんでしょうね?
小さな体を生かしつつ、敵の死角を狙って接近するわ
敵が変身してくるようなら、すぐさま【フェアリー・リング】で打ち消すわ
【フェアリー・ランド】で迷宮に閉じ込めようかとも思ったけれど…あそこまでの覚悟でダンジョン出て来たんだもの…どれだけ寿命が削れようが躊躇せずに攻めかかって来るに違いないわ
敵を射程に収めたら【全力魔法444】で攻撃するつもりよ
あなたがどんな目的を持ってようが関係ない
私たちだって守らないといけないものがあるんだから!
それはあなたが何度オブリビオンとして蘇っても変わりはしないわ
グラデウス・ミースミ
連携アドリブ〇〇
・・・あの子たちはさしずめ目覚まし時計のアラームの様なものだったのでしょうか。
私たちにしてみればただの侵攻でしかなかったわけですが。
そのまま眠っているわけにもいかないのでしょうね。
ゆめはいつかさめるもの。
こちらは引き続きミレナリオ・リフレクションで行きます。
難しい相手のようですので一挙手一投足を見逃さぬように。
受け止めることも視野に入れて動きます。
上手く同調できれば狙いが読めるかもしれませんが、
その辺はできたらラッキーぐらいですね。
味方への被害を抑えられれば十分です。
必要であればプランタニエを使用します。
あいにくお風呂はありませんが
眠りを誘うことならできるかな?
アンテロ・ヴィルスカ
【SPD】◯◯、引き続きアドリブ等歓迎
地下迷宮から世界を見る、か…敵ながら中々志が高い
最後まで素敵に踊ってみせて欲しいねぇ。
氷の舞台など如何かな?
素早く防具改造で強化した甲冑を纏い、応戦
UC【jääpuikko】でフィールドの天いっぱいに氷柱を作り出し、一斉に砕き落として頭上より敵を狙う
当たらずとも構わない、そのまま障害物としてしまおう。
目視出来ずとも、刺さった氷柱で衝撃波の進む道を見極められれば…
自らの背後にはより大きな氷柱を一つ
投げるに丁度いいだろう?
…幕引くお役ならば、喜んで
ぐだぐだと続く劇はつまらないよ。
クラウン・アンダーウッド
アドリブ・連携 大歓迎
引き続き《真の姿》で戦う。
「さぁ、ショータイムの始まりだ!最高の舞台にしようじゃないか♪」
複数の[応援特化型人形]による人形楽団で【楽器演奏】による【パフォーマンス】を行い、舞台を盛り上げる。
複数の[からくり人形]に炎を纏わせた[投げナイフ]を持たせて、UCを使用。人形は技能を駆使し、激しい攻防を行いながら空中を踊る様に動き回る。「ボク達と一緒に踊ろうじゃないか!」
[懐中時計]で相手の動き・弱点を掌握。[ガントレット]で執拗に攻撃する。「さぁ、キミの歪んだ顔を見せてくれ!」
「ついにボスのお出ましか。かけによらず、かなりの手練れのようだな」
ザフェルは飄々としたその口調とは違い油断なくアンリを見る。
見た目こそ愁いを秘めた可憐なる少女。だが、彼女はこの事件の首魁であり、世界を滅ぼす存在だ。決して油断はできない。
「妹達って言うのが何なのかは知らないけれど」
ひらり。イーファがアンリの前に踊り出る。
「迷宮の外へ出て来たからには排除される覚悟だって出来てるんでしょうね?」
「そう、あるわ。私が貴方達に倒される覚悟も……貴方達を倒す覚悟も」
少女は自然な動作で胸元を飾る黄色のリボンに触れる。
瞬間。目の前にいた彼女が光となって消えた。
どこに消えた、周囲を警戒しながら消えた少女の姿を探す猟兵達。
「有斗さん、うしろ!」
突如樒が声を張り上げる。振り返るとそこには有斗の背後から手を伸ばし今まさに呪文を放とうとするアンリの姿があった。
「っ、いつの間に!?」
有斗はすぐさま振り向きざまに盾を構え攻撃を防ごうと試みる。だがそれよりも彼女の掌から膨大の魔力の波が彼を包みこむ――
「地下迷宮から世界を見る。なるほど志は高い。しかし、クライマックスの演出としてはいささか急すぎないかい?」
アンリと有斗の間にアンテロの赤黒い剣が割って入る。剣がそのまま彼女に向け横凪に振るわれれば少女はたまらず魔法を放つことを中断し、バックステップで避ける。
「私にとってこの戦いはまだ序章に過ぎないの。時間をかけられないわ……」
少し困った顔で笑う少女は、そのまま口の中で何かを呟くと光り輝く帯が彼女の周りに纏わり付く。
「だから、終わりにしましょう?」
彼女の言葉に従い光り輝く帯が放たれる。光の帯が触れた草木があっという間に分断された。
猟兵の元へと届く、そんな時猟兵の背後から同じように光の帯が走り、前方の帯と接触。二つの帯は音もなく光の粒へと形を変え得て空へと消えていった。
「何が理由かは分かりませんが、貴方たちの行っていることは私たちからすればただの侵攻でしかないわ」
自分が暮らす学園をこれ以上荒らさせない、そんな決意も込めてグラデウスはアンリを真っすぐと見据える。
「さぁ、ショータイムの始まりだ!最高の舞台にしようじゃないか♪」
戦いの火蓋はクラウンの一声によって切られた。
体の一部が欠け、所々から火を噴くクラウンが鞄を乱暴に床に置く。
ガリガリとひっかく音が聞こえる鞄を開ければ複数のからくり人形が這い出る様に顔を出す。
簡素なつくりをしているからくり人形は主人から投げられた火が付いたナイフを受け取ると、けたけた狂った笑い声をあげながらアンリへと向かっていく。
そして一部のからくり人形――応援特化型人形はそのまま上空へと飛び上がり、曲を奏で始めた。
音楽を背に最後の戦いが始まった。
アンテロの袈裟斬りと有斗の横凪がアンリを挟み撃ちにするように仕掛けられるも次の瞬間には彼女の姿が掻き消え、そのまま互いの攻撃が危うく当たりかける。
背後から狙ったザフェルの突きは身を捻りながら受け流され、カウンターとばかりに少女の手から魔力が溢れればそのままイーファが亜空間へと繋がるゲートを生み出し攻撃を打ち消した。
「……あの子たちはさしずめ目覚まし時計のアラームの様なものだったのでしょうか」
「うーん、虎の子の尾を踏むとはこの事かもしれないね」
グラデウスがアンリの攻撃を同じユーベルコードで防ぐもそれを掻い潜った衝撃波をクラウンの操るからくり人形が身を挺して庇う。
幾分の時間が経ったのか分からないが、戦いは拮抗していた。
猟兵達の攻撃はアンリ自身の命を削り得たスピードと反射神経で躱され、アンリの攻撃はグラデウス、イーファ、樒のユーベルコードによって打ち消される。
あちらは命を削って回避するのだからいずれはあちらが自滅するだろう。しかし――
「持久戦も上等と思ったけど……!」
「流石にこちらの動きも見切られ始めてきましたね……」
有斗と樒の額に汗が伝う。アンリは光速のスピードを活かしての不意打ちはもちろん、こちらが反応できない距離や角度から攻撃を行う様になっていったのだ。
攻撃を防ぎ、避けきれなければ持久戦もままならない。ならば彼らができることはここで戦況を変える事。猟兵たちが互いに目配せをして頷く。
クラウンが上空で音楽を奏でる人形たちに指だけで指示を出せば先ほどまで狂った様な音をなりを潜め、オーケストラさながらの曲を奏で始める。
「物語は佳境を超えた。フィナーレと行こうじゃないか」
最後の幕を引くためアンテロが動く。彼が指揮棒の様に剣を構える。急激に気温が下がると空気中の水分が集まり、それは無数の氷柱となって空中に現れた。陽光を浴びてシャンデリアと見間違う位に輝く氷の槍がアンリめがけて降り注ぐ。
アンリは持ち前の速さと反射神経で氷の槍を避け、時には魔導の力で防ぐとすぐさま衝撃波を繰り出す。
「ふむ、見えない衝撃波もこうすれば可視化できるわけだね」
目に見えない衝撃波。戦場に突き刺さったままの氷の槍を砕きながら押し進む。
それは見えない衝撃波がどの方向に、どの程度のスピードで通過していくのかが分かってしまう事となった。
衝撃波によって砕けた氷の欠片がキラキラと宙に舞う。その時彼女の懐に何か小さい物が飛び出した。
「つ・か・ま・え・たぁ!」
「なっ
……!?」
イーファは小柄な身を活かし先ほどアンテロが放った氷の槍に隠れる様に身を寄せ、氷が砕け散るのと同時にアンリの元へと飛び出したのだ。
「アンタは光速を超えるスピードで動く事ができるけど、こんなに近くに居たんじゃ逃げることはできないでしょ?」
イーファは右手でアンリの白いワンピースの裾を掴むと、強気な笑みを浮かべ左手を突き出す。
「あなたがどんな目的を持ってようが関係ない、私たちだって守らないといけないものがあるんだから!」
瞬間、光の奔流が辺りを包み込み、彼女達を起点に大きな爆発が起こった。
爆発は周りを巻き込み、温室の道路の石畳をめくり上げ、天井のガラスを砕く。
もうもうと粉塵が巻き起こる。視界が煙に覆われけほけほと咳き込む少女の耳に誰かが駆けて音が耳に入った。
「あいにくだけど、試すだけでおかえり願えるかい?」
「そうは……いってられないの!」
少女が咳き込みながら声のする方向へ魔法を放つ。
「誇りある意志は今ここに。現れろ!」
少年の声が響くと白い甲冑の騎士の霊が寄り添うように現れ、そして二人の姿が重なり合う。
瞬間、すさまじい音が轟いた。
やったか、しかしそれは目の前に現れた少年の姿によって掻き消される。
煙を引き裂きながら盾を前に突き出した甲冑の騎士の姿が目前にまで迫り、そのままの勢いで有斗は彼女に突撃。
アンリが盾の衝撃にひるむと同時に彼の盾からハエトリグサのような黒い影が滲み出て彼女をその場に縛り付けた。
「くっ……! これで動きを止めたつもり?!」
悔しさを滲ませた声を放つと光速をもって逃げ出すためリボンに触れようとする……。
「あなたにも何か事情があるようですが、私たちもそう簡単にやられはできないのですよ」
この戦場を、彼女の動きをしっかりと見ていた樒はそのタイミングを決して見逃さなかった。彼女がリボンに触れようとする前動作を確認するとすぐさま懐から護符を取り出し彼女の元へと投擲。
アンリがリボンに触れるか否かのタイミングでリボンに貼られた護符はリボンが持つ力を封じる。得られるはずだった力が作動しなかった事とそれを封じられたと判断するまでの時間は彼女にとって大きな隙となった。
「ザフェルさん、今です!」
「おっしゃあ! いくぞ、我が槍よ、嵐が如く敵を穿て!」
樒の声に応えザファエルが咆哮と共に槍を上空に放り投げると無数の槍へと姿を変える。
身を縛る黒い手と護符を引きちぎり、抜け出そうともがくアンリ。
ぞくり。突如彼女の背筋に冷たい物が走る。目の前に集中しなければいけないのに、つい後ろを見てしまう。
そこには炎を纏う道化が笑みを浮かべてガントレットをはめた腕を振り上げんとする姿。
「さぁ、キミの歪んだ顔を見せてくれ!」
そのまま拳を振り上げ背中を強打。ぽきりぼきりとあばらの折れる音と感触がクラウンの手に伝わる。
同時にクラウンの攻撃と同時に槍の雨が驟雨の如く彼女の胴体を、四肢を討ち貫く。
「あっ、あああ……!」
上からの槍の衝撃と下からの拳の衝撃は上にも下にも逃げることができず、少女の体を砕いていった。
痛みが神経を伝い体を、脳味噌を焼き付ける。
ザフェルの槍の雨が止んだ時、少女、アンリに起き上がる力は残されていなかった。
「まだ、まだよ……!」
少女は上半身を起こし這いずる。
「私は妹達に勝たなきゃいけないの……!」
立ち上がる力は残っておらず、腕の力を使い、赤い奇跡を描きながら猟兵へと近づいてくる。
彼女は妹達と呼ばれる誰かと戦ってその先の目的もこなすことはおろか、持ってあと数分の命だと言う事はこの場にいる誰もが分かることだった。
ただ少女だけがその運命から目を背ける様に身を捩り、血を吐きながら猟兵たちを睨み付ける。
ぴしゃり。彼女の血にまみれた手に何か液体が触れると彼女はピタリと動きを止めた。
「あら、皆……?ここは……?」
先ほどとは打って変わり、少女はまるで愛しい物が目の前の虚空に語り掛け始める。
「アレは私のプランタニエ……?」
アンリが先ほど触れた液体、プランタニエ。グラデウスが調合した、春の日向の様に暖かいぬくもりを持つ回復薬だ。先ほどの戦闘の際にグラデウスが持っていた物が衝撃で零れてしまったのだろう。
幸か不幸か、回復薬にはアンリの致命傷を癒す力は持っていなかった。しかし、回復薬に別に籠められたの『深い眠りにつかせる効果』『望む夢を見せる効果』は血にまみれた少女に最後の夢を映した。
「可愛い妹達……そうね、またお茶を、しましょ? でもその前に少し……少しだけ……」
誰かに優しく語り掛ける様に呟くとそのまま少女は日の中で微睡むかのように目を閉じる。
その顔は先ほどの表情が嘘のように穏やかな物だった。
「終わったか……」
目の前の少女が動かなくなってどの位だったのだろうか。誰かが息を吐くとその場に張り詰めていた空気が一気に弛緩し、やがて猟兵たちは構えを解く。
「さて、無事にオブリビオンは倒す事が出来ましたが……これはどうしましょう」
「他にも温室はあるので授業には支障はないと思いますが……元通りになるには時間がかかるでしょう」
樒がぐるりと辺りを見渡す。そこは数刻前の温室の面影をほとんど残していない元温室の姿。
ここの学生でもあるグラデウスの言う様に他にも温室はあるので授業に大きいな影響はないだろう。
そうはいってもこのままにはできない、さてどうした物か。目の前の状況に猟兵達が少々途方に暮れていると入り口付近に複数の足音が近づいてきた。
「猟兵の皆さんご無事ですか?!」
「こっちも災魔の残党も倒し尽くしたぞ!」
「うひゃあ怪我してるじゃないですか! おまけに炎上して……あれ、違う?」
「いやー派手に行きましたねーまぁ他の場所も似たようなもんですけど」
入口から顔をのぞかせるのは先ほど助けた学生。口々に猟兵たちに声をかけ、身を案じる。
「こちらも負傷者は出ましたが幸い死者は出ていません。皆様がいなかったらどうなっていた事か……」
「あんたらも怪我してるんならあっちで今治療してるから行くぞ」
修理とかは後回しと言わんばかりに学生たちは猟兵たちの背中を押す。
猟兵達は温室を出る際にふと背後を見やる。そこには温室の真ん中で眠る様に力尽き、体が光の粒となり徐々に消えていく少女の姿。
誰かが、もしくは全員が心の中で声をかけた。
「おやすみ、良い夢を」
成功
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