ドラゴン&ドラゴンズ
●柱の守護者
遥か地の底で、その竜は待ち続けていた。
いつか、『勇者』と呼ばれる者達が、己の前に立ちはだかるその時を。
その巨大な黒竜の背後には、禍々しい黒い瘴気を纏わせた、長い長い柱が聳え立っている。
それは、その竜が命を賭してでも守り抜くべきもの。
竜は予感する。
もうじき、この柱を破壊するべく、何者かがこの地の底を訪れることを。
それが、己に挑むに相応しい『勇者』であることを、竜は願う。
相手が強ければ強いほど、その力をさらに上回る圧倒的な力で蹴散らし、蹂躙し、殺戮する喜びは何物にも代えがたいものとなるのだから。
相手の恐怖と、絶望と、悲嘆に歪んだ顔を思い浮かべるだけで、竜の心は踊る。
『サア、早ク来イ。勇者ドモ』
この地で柱を守り続けて幾星霜。だが、そんな無為で空虚な日々も終わりだ。
殺戮の宴の時は、もう近い。
●クラウドオベリスク
「みなさんが勇者の伝説を追い求めて下さった結果、群竜大陸に関する重要な情報を得ることができました」
グリモアベースに集った猟兵達に、エルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)は嬉しそうに微笑んだ。
「群竜大陸が噂レベルでも未だ見つかっていない理由が判明したんです。世界各地に存在する『クラウドオベリスク』と呼ばれる邪悪な柱。その柱が、群竜大陸の所在地を隠しているようなんです」
だが勇者の伝説を紐解いた結果、幾つかのクラウドオベリスクの所在地が判明したのだという。
「そこでみなさんには、その内の一本、『滅びの岩山』の地下に存在するクラウドオベリスクの破壊に向かってもらいたいのです」
『滅びの岩山』は、草一本も生えていない、文字通りの岩山だ。そしてこの山には昔から、『崩竜』と呼ばれるオブリビオンが棲み付いているのだという。
「『崩竜・ヴァッフェントレーガー』は、その名の通り生物・非生物を問わず全てを崩壊させる力を持っています。幸い崩竜は滅びの岩山から動くことはなかったので、そこに近づかなければ被害を受けることはなかったのですが……。今思えば崩竜は滅びの岩山でクラウドオベリスクを守っていたのでしょう」
崩竜が一旦力を解放すれば、その崩壊の力は崩竜自身にも制御できなくなる。そうなれば滅びの岩山すら、崩れ去る可能性も出てくる。
「おそらく戦闘になれば、滅びの岩山は崩落を始めます。一箇所に長く留まっていては足場が崩壊し、崩落に巻き込まれてしまいます。充分に注意してください」
さらに、滅びの岩山の地下には広大な洞窟が広がっており、その最深部にクラウドオベリスクは存在しているようだ。
「ですが、その洞窟には崩竜以外にも複数の竜が棲み付いているようです。特に洞窟の最深部、クラウドオベリスクの前には、崩竜すらも上回る力を持った、強大な守護竜が存在しています」
ただでさえ強大な力を持った竜達との、連戦となるということだ。
「厳しい戦いになると思いますが、みなさんが竜達を退け、無事クラウドオベリスクを破壊してくれることを、ワタシは信じています」
祈るようにそう言って、エルシーは転送の準備に入ったのだった。
J九郎
こんにちは、J九郎です。
今回は第1章から第3章まで、ひたすらドラゴンとの戦闘になります。
第1章の相手は『崩竜・ヴァッフェントレーガー』。
戦闘の舞台となる岩山すらも崩壊させてしまう恐るべき相手です。
崩れる足場に対する対策を考えておかないと、思わぬ苦戦をすることになるかも知れません。
第2章は集団戦、第3章はさらに強力なドラゴンとの戦闘になります。
それでは、皆さんが無事クラウドオベリスクを破壊できるように祈っています。
第1章 ボス戦
『崩竜・ヴァッフェントレーガー』
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POW : ネーベルヴェルファー
【自身の周囲に生じた魔法陣】から【何もかもを“崩壊させる”火球】を放ち、【超遠距離からの面制圧爆撃】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : ヴィルベルヴィント
【顎】を向けた対象に、【消失や崩壊を与える速射のブレス】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : ホルニッセ
【自身の“崩壊”すらも省みない状態】に変形し、自身の【射程距離】を代償に、自身の【巨体による攻撃力や機動力】を強化する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠フォルティナ・シエロ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●崩竜の覚醒
何者かが近づいてくる気配に、『崩竜・ヴァッフェントレーガー』はゆっくりと目を開いた。
もう長き年月、この『滅びの岩山』に近づこうとするものはいなかった。人や獣はもちろん、一羽の鳥も、一匹の虫さえも。
元より何も存在しないこの岩山に、敢えて近づこうとする者がいるとすれば、それはすなわち崩竜たる自分の敵以外にあり得ない。
崩竜たる自分の命が狙いか、それとも地下に眠るクラウドオベリスクの破壊を目論んでいるのか。
いずれにせよ、崩竜のやるべきことはただ一つだ。
――全てを、崩壊させる。
デナイル・ヒステリカル
足場は不安定で敵は強大。
普段ならばあまり相手にしたくないシチュエーションですが……
群竜大陸に繋がる案件です。避けて通ることは出来ません。
全力を尽くしましょう。
UC:オーバークロックを開始
顎を向けるだけという簡易動作で放たれる攻撃は厄介ですが、
攻撃の放たれる方向を予測回避することは可能です。
僕は竜の動きを良く観察し、常に動き回って死角へと移動しながら雷で攻勢をかけましょう。
足場の崩落についても気を払わなければなりません。足を止めては的になってしまいますから。
●奔る稲妻
(「足場は不安定で敵は強大。普段ならばあまり相手にしたくないシチュエーションですが……」)
早くも崩壊を始めた岩山を注意深く駆け抜けながら、デナイル・ヒステリカル(架空存在の電脳魔術士・f03357)は鎌首をもたげる『崩竜・ヴァッフェントレーガー』を見据える。
だが、相手を見据えているのは崩竜も同じだ。ヴァッフェントレーガーが顎をデナイルに向けると、ほぼ時差なく崩壊を呼ぶ無色のブレスが放たれた。
(「顎を向けるだけという簡易動作でブレスを放てるというのは厄介ですが」)
ブレスがデナイルに直撃し、彼の体を崩壊させた――かに見えたその刹那。
青白く瞬く稲妻が、駆け抜けた。
いや、稲妻を纏ったデナイルが、正に紫電のごとき高速の動きで崩竜のブレスをかわしたのだ。
デナイルがブレスを受ける直前に発動させたユーベルコード【セルフ・オーバークロック】は、自らの肉体の質量そのものをエネルギーに変換することで、高速移動を可能とする。バーチャルキャラクターであるデナイルだからこそ扱うことのできる技だ。
だが初撃を外しても、ヴァッフェントレーガーは動じない。青き稲妻の走る先に、ただ顔を向ける。崩竜のブレスの特徴は、溜めの時間が必要ないことだ。ゆえに、他のドラゴンとは違い、ブレスの速射ができる。
崩壊を呼ぶブレスが、デナイルの進路を塞ぐように連続して放たれた。
「それでも、攻撃の放たれる方向を予測回避することは可能です」
対して、デナイルは崩竜のわずかな首の動きから、ブレスの放たれる先を見切り、かわす。
続けざまにブレスをかわされて、だがそれでもヴァッフェントレーガーは焦りも苛立ちも見せていなかった。なぜなら、放たれたブレスは確実に岩山を抉り、デナイルの駆ける足場を崩していたのだから。それだけ、デナイルが駆けまわれる範囲も限られてくる。
「足場の崩落についても気を払わなければなりませんね」
デナイルは残された足場と、崩竜の動きを常に観察し分析して移動先を決定していった。もし足を止めては崩竜の格好の標的となってしまう。だがこれでは、ヴァッフェントレーガーに接近して格闘戦を仕掛けるのも困難。
ならばとデナイルは、崩竜の死角へと回り込んでいく。そして、ヴァッフェントレーガーが首を巡らせるよりも速く、体に纏った青白い稲妻を腕に集めて電撃として放出した。
崩竜はその巨体ゆえに動きはそれほど俊敏ではない。死角から高速で迫る電撃を避けることはできず、直撃を受けて唸り声を上げる。初めて、ヴァッフェントレーガーの目に怒りの色が浮かんだ。素早く巨体を反転させると、そのまま立て続けにブレスを放つ。
「一瞬のミスが命取りになりますね……。ですがこれは群竜大陸に繋がる案件です、避けて通ることは出来ません。全力を尽くしましょう」
ブレスをかわしつつ、足場の状況を確認、崩竜の死角に回り込みつつ隙を見て電撃を撃ち込む。一瞬で判断すべきこと、計算すべきことは多く、わずかの判断ミスも計算違いも許されない。そんな状況下で、デナイルはしかし、着実にヴァッフェントレーガーにダメージを与えていったのだった。
成功
🔵🔵🔴
月隠・望月
ドラゴン――竜、強そう。戦ってみたい、ね。是非とも
竜の力で足場が崩れる、のか。厄介、だね
ひとまず【式鬼・鴉】を上空に飛ばして、辺りの地形を把握、しよう。あれとは五感を共有している、ので、周囲の状況を俯瞰できる
崩れそうな場所は避けて移動、しつつ、足場の崩落に巻き込まれないよう、可能な限り【ダッシュ】で動き続け、よう
真正面から挑むのは危険、かな。敵の後ろに回り込んで、背後から攻撃、しよう(【暗殺】)。刀の間合いであれば斬撃を、届かなければ銃撃を(【2回攻撃】【早業】【鎧砕き】)
敵の攻撃はできる限り躱し(【見切り】【第六感】)、避けきれなければ陰陽呪符で障壁を張って受けよう(【オーラ防御】)
ミフェット・マザーグース
世界の中心につながる戦い
ミフェットは戦いが得意じゃないけど
この世界には、いっぱいだいじなものがあるから
ミフェットの力じゃ、ドラゴンをやっつけたりできないから
歌でみんなのお手伝いを頑張るね
一人できたから、連携できる猟兵さんがいたら、できるだけ一緒がいいな
UC【一人ぼっちの影あそびの歌】
竜の力を見て「学習」して、それを歌にして「歌唱」でものまね
みんなに力が届く前に「見切り」して同じ力で打ち消すよ
すべてのものをこわせる力 くだいてつぶして こわしてけして
ヒトもケモノも 山も地面も
ぜんぶぜんぶ けしちゃって さいごにのこるものはなに?
さいごに残るのは お空の青 それがすべてをこわす色
●竜と忍と歌
「ドラゴン――竜、強そう」
崩落しつつある岩山からわずかに身を浮かせる『崩竜・ヴァッフェントレーガー』の巨体を遠目に眺めつつ、月隠・望月(天賦の環・f04188)は淡々と思ったままを口にした。
だがその顔には恐怖の色は欠片も浮かんでいない。
「戦ってみたい、ね。是非とも」
静かに放たれたその言葉に込められた戦意そのままに、望月は跳んだ。同時に、
「行って」
得意とする陰陽術を用いて【式鬼・鴉】を招来し、遥か上空へと飛ばす。
「世界の中心につながる戦い。ミフェットは戦いが得意じゃないけど、この世界には、いっぱいだいじなものがあるから」
ミフェット・マザーグース(沼の歌声・f09867)は、崩竜へと向かっていった望月の姿を心配そうに見守りながら、彼女を支援すべくおもむろに歌い出した。
『すべてのものをこわせる力 くだいてつぶして こわしてけして』
ミフェットが歌うのは、戦うべき相手である崩竜の歌。そんなミフェットの歌が岩山に木霊する中を、望月は次々と岩場を跳んでいく。既にこれまでの戦いで『滅びの岩山』は崩壊を始め、足場になるべき岩場も一つ、また一つと崩れている。無計画に跳べば、次に跳ぶべき足場を失い、孤立しかねない。だが、望月にためらいはない。なぜなら彼女は、この岩山の足場になるべき岩場を全て把握していたからだ。
式鬼である鴉と望月は一心同体。ゆえにその五感も共有される。鴉が俯瞰して捉えた岩山の状況は、そのまま望月自身も即座に把握できる。
自らに迫りくる望月の存在に気付いたヴァッフェントレーガーは、巨大な顎を開き、崩壊を呼ぶブレスを放った。だが、
『ヒトもケモノも 山も地面も ぜんぶぜんぶ けしちゃって』
ミフェットの、ヴァッフェントレーガーそのものを歌うその歌は、かの竜が放つブレスさえも写し取る。
『さいごにのこるものはなに?』
ミフェットの歌が次第に現実を歪め、遂には崩竜のブレスに干渉していった。次の瞬間、崩竜のブレスと、歌が写し取ったブレスが相殺し、打ち消し合う。
「ありがとう。けど、やはり真正面から挑むのは危険、かな」
望月は、ブレスを打ち消され戸惑った様子のヴァッフェントレーガーを隙なく観察した。
これまでの戦いの様子から、望月は崩竜の動きがあまり素早くないこと、そして岩山から距離を取って飛び上がることができないことは把握している。それほどの飛行能力を持っていないのか、それとも柱のガーディアンとして何らかの制約を受けているのか、そこまでは分からないが。
(「ならば、後ろに回り込んで、背後から攻撃、しよう」)
忍の里の若頭たる望月にとって、気付かれずに相手の背後を取ることなど容易いことだ。相手があれほどの巨体でなければ、そして足場が限られた状態でなければ、一撃で相手の急所を突くことだってできただろう。
「――この間合いなら、いける」
崩竜の真下の足場を蹴って跳び上がった望月は、『無銘刀』で崩竜の腹部を斬りつけた。さらに落下しつつ、もう一撃。その巨体ゆえ、致命傷とはいかないが、充分な手ごたえはあった。
「グガアアアアッ!!!」
ヴァッフェントレーガーが、憎悪の咆哮を上げる。無為に上空に向けて放たれたブレスが、天に浮かぶ雲を消失させた。
「もう一撃、次はもっと深く」
崩竜の死角にある岩場に着地し、望月が無銘刀を構え直した時。
「まって。なにか、おかしいです」
ミフェットの声が、望月を制止した。見れば、ヴァッフェントレーガーの身に、異変が生じている。ただでさえ大きなその体が、さらに一回り膨れ上がっていたのだ。そして、その巨大な顎から覗く牙が、その足先に生える爪が、より鋭く、より長く伸びていく。崩竜の体は急激な変化に耐えきれないかのように、表面を覆う鱗が剥がれ落ち、肉が腐ったかのように溶けだしている。まるで、崩壊の力がヴァッフェントレーガー自身を破壊しているかのように。
「じぶんの体を崩壊させてまで、力をもとめてる」
ミフェットが、まるで我が事のように体を抱きしめ、痛みに耐えるように身震いした。
鴉からの俯瞰の視線で変貌した崩竜の全容を確認した望月は、これ以上の接近戦は危険と判断し、『無銘刀』を『霊子小型拳銃・壱式』に持ち替える。
だが、変身を遂げたヴァッフェントレーガーの能力は、望月の想像を遥かに超えていた。望月が武器を持ち換えていたわずかの間に、崩竜は彼女の存在を感知し急降下。先程よりも伸びた尻尾を、思い切り望月に叩きつける。反射的に『陰陽呪符』を構えて障壁を張っていなければ、全身の骨が砕け散っていたことだろう。だが障壁を展開してもなお、その衝撃は望月を吹き飛ばし、岩壁へと激突させる。
「あ」
その衝撃で、ミフェットが立っていた足場が崩れた。姿勢を崩しつつもミフェットはヴァッフェントレーガーの姿をその目に焼き付ける。そして、ブラックタールの柔軟な身体を活かして落下の衝撃を最小限にとどめると、怪我をものともせず再び歌い出した。
『さいごに残るのは お空の青 それがすべてをこわす色』
その歌声が崩竜の耳に届くと同時に、まるで映像を巻き戻すかのようにヴァッフェントレーガーの姿が縮んでいく。いや、元の大きさに戻っていっているのだ。
「ミフェットの力じゃ、ドラゴンをやっつけたりできないから。歌でみんなのお手伝いを頑張るね」
先程の一瞬に竜の変身能力を学習し、即興で歌に織り込みその力を相殺してみせたミフェットの奮闘に応えるように、今度は望月が動く。足音もなく崩竜の真下に回り込むと、
「これで、決める」
その首に向けて『霊子小型拳銃・壱式』の銃撃を連続で撃ち込んだのだ。
「グアアアアアアアッ!!」
体の他の部位よりも鱗の薄い首への攻撃に、崩竜・ヴァッフェントレーガーは苦しむように激しく身悶えしたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
清川・シャル
足場がおっと…な訳ですね
スナイパーモードでちょっと攻めてみます
ぐーちゃん零で数km先にドラゴンをスコープで確認
よし、とりあえず散弾で行きましょう
視力スナイパーで狙い、毒使いしつつ、念動力で確実に当てます
目とかいいかな
ヒットしたらグレネードの射程内まで走りフレシェット弾を発射しつつ走ります
火には水というか氷かな、氷の全力魔法で火を打ち消しながらのUC
成功すればそーちゃんを持って近距離行きます
フルスイングとチェーンソーモードで殴りますとも
敵攻撃には見切りカウンターで対応
あとは第六感と地形の利用ですね
(ふふ、頑丈で巨大な敵は殴れますね!良い!)
エル・クーゴー
●POW
破壊目標:クラウドオベリスク
これより、障害の完全排除まで――ワイルドハントを開始します
【嵐の王・空中行軍】、発動
躯体番号L-95、高出力空戦モードへ移行
足場に囚われない【空中戦】にて交戦を開始します
「バレルロール」や「ここぞの急加速退避の為に序盤は見せずにおく最高速付近」を用いて回避機動に専心
並行して、敵攻撃起点たる魔法陣の構成と火球の大小や弾速・攻撃半径の関連を観察します(情報収集+学習力)
火球一発あたりの面制圧半径の試算と実測の照合に精度が得られ次第、制圧面外縁を掠めつつの最高速で接近を開始
L95式アームドフォート及び全追随武装による【一斉発射】を展開、即ヒット&アウェイを図ります
シーザー・ゴールドマン
【POW】
群竜大陸には興味があってね。クラウドオベリスクは破壊させて貰うよ。
『ウルクの黎明』を発動。オド(オーラ防御)を活性化させて戦闘態勢へ。
中遠距離の間合いでは光の鉄槌を放ち、
(属性攻撃:光×範囲攻撃×全力魔法)
近距離ではオーラセイバーを振るって攻撃します。
(2回攻撃×怪力×鎧砕き)(2回攻撃×鎧無視攻撃)
基本的には飛翔状態で戦います。(先制攻撃×空中戦)
敵POWUC及び通常攻撃に対しては直感(第六感×見切り)で回避してのカウンター攻撃
或いは竜の周囲に生じた魔法陣に光の槍(属性攻撃:光×投擲×串刺し)を放って破壊。
「手強い竜だ。この後、より強力な竜がいると思うと、期待が膨らむね」
●空の戦い
『滅びの岩山』は、もはや岩山の体を為していなかった。度重なる戦闘と崩竜・ヴァッフェントレーガーの崩壊の力によって、崩落し瓦解し、その名の通り滅びを迎えようとしている。既に足場となりそうな岩もほとんどが崩れ去り、これ以上の戦闘続行は困難に思われた。
だが、
「破壊目標:クラウドオベリスク。これより、障害の完全排除まで――ワイルドハントを開始します」
崩落した岩壁の上に器用に立つエル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)は、淡々とそう告げると、上空のヴァッフェントレーガーに視線を定めた。そして、
「【嵐の王・空中行軍】、発動。躯体番号L-95、高出力空戦モードへ移行」
転送されてきた空中戦用強化パーツを全身に装着すると、出力を最大限まで高め、一気に空中へと舞い上がったのだった。
空中戦であれば、足場を気にせずに戦うことができる。そう考えたのは、エルだけではない。
「群竜大陸には興味があってね。クラウドオベリスクは破壊させて貰うよ」
シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)もまた、空を飛ぶことができる猟兵だ。自身の強大な魔力をもって、全身を輝く真紅のオーラに包むことで飛翔能力を得る【ウルクの黎明】。そのユーベルコードを発動させ、シーザーもまた、宙へと優雅に舞い上がった。
「グガアアアアッ!!」
ヴァッフェントレーガーは、これまでの猟兵との戦いで少なからぬ手傷を負い、気を荒立たせていた。その猛る心を反映するかの如く、崩竜の前方に巨大な魔法陣が浮かび上がる。そして、魔法陣から礫の如く、何もかもを“崩壊させる”火球が連続して放たれた。その内の一つ、岩山に激突した火球が、たちまちの内に岩を消滅させる。
「敵の攻撃を確認。分析開始」
エルは螺旋の軌道を描くようにバレルロールで崩壊を呼ぶ火球をかわしつつ、攻撃の起点たる魔法陣の構成と、火球の大きさ、そして弾速から攻撃半径に至るまで、事細かに分析していく。L95式電脳ゴーグルが間断なく瞬き、取得した情報をエルにフィードバックしていった。
「なるほど。魔法陣による攻撃か」
そしてシーザーは、直感的に火球を回避しながらもオーラセイバーを構え、ヴァッフェントレーガーへの接近を試みていた。だが火球の連続攻撃の前に、崩竜への接近は容易ではない。
「カウンターは難しいか。ならば」
そこでシーザーは、崩竜ではなく魔法陣に対して、光の魔力の結晶たる槍を投じた。槍は火球の間をすり抜けて飛ぶと、狙い違わず魔法陣を串刺しにする。光の魔力と崩壊の魔力が干渉し合い、激しい破砕音と共に、魔法陣が砕け散った。
「グルルルルァッ!!」
魔法陣を破壊された崩竜が猛る雄叫びを上げる。
そんな戦いの様子を、もう一人の猟兵が、遥か戦場から離れた岩場で見守っていた。清川・シャル(ピュアアイビー・f01440)は、今も崩壊を続けている滅びの岩山を、12連装式グレネードランチャー兼30弾アサルトライフル、通称『ぐーちゃん零』のスコープ越しに眺めている。
「足場がおっと……な訳ですね」
シャルのいる岩場は、戦場から数キロメートル。崩壊の力も及ばない。だが、シャルのスナイパーとしての腕前なら、この距離でも狙撃が可能だ。
「よし、とりあえず散弾で行きましょう」
シャルは『ぐーちゃん零』に散弾を込めると、即座に狙いを定め、引き金を引いた。
散弾は拡散しつつ超高速でヴァッフェントレーガーに殺到。狙撃に気付いた崩竜は身をかわそうと試みる。が、シャルがスコープを覗きながら微調整を行えば、弾はわずかに軌道を変え、崩竜を追跡した。元々巨体で動きはそれほど俊敏ではないヴァッフェントレーガーはそれ以上かわしきれず、頭部に散弾の直撃を受けた。
「グルル……!!」
崩竜にとっては目潰しを喰らった格好だ。当然崩竜の注意が、シャルに向く。ヴァッフェントレーガーは口から崩壊のブレスを放つが、射程外なのかシャルまでは届かない。
「そんなに慌てなくても、こちらから行ってあげますよ」
シャルは岩場を離れ、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら崩竜に接近していく。
そんなシャルに崩竜は立て続けにブレスを放とうとするが、
「私を相手によそ見とは、随分と余裕だな」
シーザーが、宙を舞いながら光の魔力の結晶たる鉄槌を放ち、ヴァッフェントレーガーの翼の付け根を打ち据える。そして、崩竜がバランスを崩した隙に、エルのL95式アームドフォートが火を噴き、弾幕で崩竜の動きを封じた。
「グガアアアアッ!!」
3人の猟兵からの続けざまの攻撃に、ヴァッフェントレーガーはますます猛り狂う。再び崩竜の前方に魔法陣が浮かび上がり、火球を生み出し始めた。そして一斉に放たれる崩壊の火球は、まさに周囲の全てを巻き込む面制圧爆撃。
けれど。
エルはこの瞬間をこそ待ち続けていた。
火球一発あたりの面制圧半径については、先程の攻撃で試算済み。後は今回の実測値と照合し、確実な計算結果を求めれば――。
「L95式アームドフォート及び全追随武装、起動」
計算の結果求められた面制圧範囲のぎりぎりの外縁を掠めつつ、これまで切り札として使用せずにいた最高速度による飛行でヴァッフェントレーガーに急接近。崩竜に最大効率でダメージを与えられる距離に達すると、全武装の砲身を崩竜に向ける。
「照準合わせ。全武装、セーフティー解除。一斉射」
満を持して放たれたエルの最大火力による一斉射が、ヴァッフェントレーガーに降り注いでいった。砲撃が鱗を砕き、ビームとレーザーが翼の被膜を貫通し、ミサイルの群れが崩竜の頭部に炸裂し、五感を撹乱する。
その激烈な攻撃の前に、崩竜の巨体が、体勢を崩し落下し始めた。
「おっと、そのまま大人しくしててくださいね?」
いつの間にかヴァッフェントレーガーのすぐ近くまで駆け寄っていたシャルは、崩れた岩塊の上を器用に走り回り、時には瓦礫を盾代わりにしながら、フレシェット弾を牽制に連射する。
「火には水というか氷かな?」
そして、その間にユーベルコード【𦀗(ツカマエタ)】を発動。氷の魔法で火球を打ち消すと同時に、出現した紅い無数の有刺鉄線が、崩竜を絡めとっていく。
荒れ狂った崩竜は、有刺鉄線を引きちぎらんとするかのように腕を、脚を、尾を、首を、出鱈目に振り回し始めた。
ヴァッフェントレーガーに接近していたシーザーは、思わぬ崩竜の動きに対応しきれず、振り回された爪にわずかに胸を割かれ、すぐさま距離を取る。
「手強い竜だ。この後、より強力な竜がいると思うと、期待が膨らむね」
だが、シーザーはその程度では動じない。むしろ嬉しそうに目を輝かせると、その手にしたオーラセイバーを構えつつ、逆に崩竜の懐深く飛び込んでいった。狙うは、これまでの戦いで既に傷を負っている腹部。どんなに硬い鱗で覆われていようと、シーザーの見た目からは考えられない怪力から繰り出される鋭い斬撃は、紙でも裂くかのようにヴァッフェントレーガーの腹部を深く鋭く致命的に切り裂いた。
そして、
「ふふ、頑丈で巨大な敵は殴れますね! 良い!」
シャルが、全力で跳ねた。そして、その手に握られた桜色の鬼の金棒『そーちゃん』をチェーンソーモードに移行すると、全力のフルスイングで思いっきりヴァッフェントレーガーの頭部を殴りつけた。
「グルアアアアアアッ!!」
崩竜が、ひときわ高い絶叫を上げる。怒りに満ちた眼差しで猟兵達を見据え、反撃せんと咢を大きく開き、尾を振り上げ――、だがヴァッフェントレーガーにできたのは、そこまでだった。見れば、その巨体が徐々に崩壊を始めている。
度重なるダメージで、遂に自身の崩壊の力を制御しきれなくなったのか。
崩壊速度を次第に加速させつつも、ヴァッフェントレーガーは今やただの瓦礫の山となった『滅びの岩山』へと、一直線に墜落していったのだった。
大成功
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第2章 集団戦
『戯れる仔竜』
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POW : じゃれつく
【爪 】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 未熟なブレス
自身に【環境に適応した「属性」 】をまとい、高速移動と【その属性を纏わせた速いブレス】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 可能性の竜
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●崩壊のその先に
自らの崩壊の力で崩壊し墜落した崩竜・ヴァッフェントレーガー。その落下地点もまた、崩壊の力で瓦礫も岩塊も残らず砕け散り、巨大な穴と化していた。
その穴のさらに奥に。天然の巨大な洞窟が広がっていた。グリモア猟兵の話によれば、この洞窟の奥にクラウドオベリスクが存在しているはずだ。
洞窟へと降り立った猟兵達は、ほぼ一本道のその洞窟を、下へ下へと進んでいった。
そして、洞窟はやがて、天然の大空洞に辿り着く。そこで、猟兵達は違和感に気付いた。
地面に、弾力があるのだ。まるでトランポリンのように、ただ歩くのも困難なほど、床が弾む。
そして、その部屋いっぱいに、赤い光点が輝いた。それは、小さな竜の瞳だった。
10匹はいるであろう幼竜達は、侵入者の存在に気付くと、じゃれつくように一斉に猟兵へと飛びかかってきたのだった。
エル・クーゴー
●POW
ゴーグル経由視覚情報を暗視仕様へ調整(メカニック)
洞穴の内部探索に移行します
敵影複数捕捉
迎撃開始
――コール、ジャイアントマネギ
(地面が弾むので、降臨させる時は気持ちそっと下ろす)
超近接戦による敵戦線展開を確認
当機はこれよりメタ戦術を実施します
(巨大マネギの「内部に」搭乗)
ジャイアントマネギの体表面は、内部に搭乗した当機よりも半径30cmを超えます
よって敵に接近された際、マネギは爪で削られこそすれ、完全崩壊を見るまでは当機自身は無傷で攻撃動作を継続可能です
・マネギを内から操縦、射撃武器で全周へ応射(誘導弾)
・重いマネギに搭乗し定点気味にどっしり布陣することで、地面に弾まされぬようにする
デナイル・ヒステリカル
対多数、高速移動、属性を纏った吐息の速射
幼体とはいえ油断できない相手ですね…
とはいえ弱点が無いわけではない
反動で寿命を消費するほどのユーベルコードということは、それだけ肉体への負担も大きいということ
直接的に打倒に繋がらなくとも、僕が彼らを翻弄し続ける時間の分だけ後続の猟兵が戦闘しやすくなるはずだと判断します
UC:終焉洞観を発動
彼らの情報を些細なものまで逃さず収集し演算、短期的な未来予測を可能にします
どんなに素早い移動も、驚異的な吐息も、事前に範囲を見切れれば避けることなど容易い
高い効果を得られるとは思いませんが…
拳銃を手に取り、時折反撃して程よく挑発しながら戦いましょう
存分に疲労を重ねて下さい
●消耗戦
「――敵影複数捕捉。迎撃開始」
飛びかかってくる仔竜達を、エル・クーゴーは冷静に見つめていた。すでにゴーグルからの視覚情報は、洞窟内の探索に適した暗視仕様へ調整済みだ。薄暗くとも仔竜の動きを見逃すことはない。
「対多数、高速移動、属性を纏った吐息の速射……。幼体とはいえ油断できない相手ですね……」
デナイル・ヒステリカルも、仔竜達の愛らしい姿に惑わされることなく、冷静に敵の戦力を分析していた。一匹一匹は崩竜などの成竜には及ばなくても、10匹が連携して襲い掛かってくれば、充分な脅威となるだろう。
ゆえに、デナイルは仔竜達の一挙手一投足を見逃すまいと、その動きを事細かに観察していた。
「あぎゃあっ!」
仔竜達が猟兵に殺到する――その直前に。
「――コール、ジャイアントマネギ」
エルがそうコマンドを唱えると、洞窟の天井付近から、巨大な何かが降ってきた。それは、エルが招聘した翼の生えた巨大なデブ猫――もとい、猫型機械兵器『マネギ』だった。突然のデブ猫の出現に、仔竜達がびっくりした様子で動きを止める。いや、何匹かは勢いあまってマネギに激突したり噛みついたりして、痛そうに飛び跳ねていたが。
ゆっくりと地面に降り立ったマネギは、柔らかい地面で一度ぼよんとバウンドした後、どっしりとした体躯を弾む大地の上に固定した。
「超近接戦による敵戦線展開を確認。当機はこれよりメタ戦術を実施します」
エルは弾む地面の反動も利用して跳び上がると、マネギの内部へと飛び乗る。エルを機体内部に格納したマネギのカメラアイが輝き、周辺を興味津々といった様子で漂う仔竜達をロックオン。エルの武装であるL95式アームドフォート及びその追随武装の巨大版を展開すると、一斉に全方位に発射し出した。
「ぎゃぎゃっ!?」
直撃を受けて痛がる仔竜、慌てて四方八方に逃げ散る仔竜。戦場はたちまち大混乱に陥った。だが仔竜の中には、或いは爪を振り上げ、或いは火炎のブレスを吐き出して、果敢に反撃を試みるものもいる。
「仔竜とはいえ、ブレスの威力は侮れませんが、とはいえ弱点が無いわけではない」
その反撃を、デナイルは冷静に分析する。まだ未熟な仔竜のブレスは、その反動で寿命を削っている。ということは、それだけ肉体への負担も大きいということだ。
「であれば、直接的に打倒に繋がらなくとも、僕が彼らを翻弄し続ける時間の分だけ、後続の猟兵が戦闘しやすくなるはず」
そう判断したデナイルは、仔竜達を倒すための戦いではなく、消耗させるための戦い方にシフトすることにした。
「さあ、来なさい。僕にはミライが見えていますよ」
仔竜が吐いた炎のブレスを、デナイルはあらかじめ予知していたかのように回避する。ユーベルコード【焉影洞観システム】は、これまでに収集した情報を用いて、未来予知の如き予測を可能とする技だ。次から次へと群がってくる仔竜達の爪を、ブレスを、炎の竜巻を、デナイルはことごとく見切っていく。
ただ、彼に計算外の要素があったとすれば、それはトランポリンの如く跳ねる地面だ。仔竜の攻撃を見切れても、思うように動くことができず、躱しきれない場面も出てくる。
「あなたの戦術的に、その足場での戦いは不利と判断します。よければ、当機を足場代わりにご利用下さい」
エルの申し出に、デナイルはジャイアントマネギに目を向ける。地面にどっしりと沈み込んでいるため身動きのできないジャイアントマネギは、ほとんど固定砲台状態だ。仔竜達にとっては攻撃をかわしまくるデナイルよりもよほど攻めやすい標的だろう。
だが、ジャイアントマネギの特性はその火力の他にもう一つ。それは、その分厚い脂肪――もとい装甲にあった。30cmを超える分厚い装甲は炎のブレスや竜巻をぶつけられても焦げ目こそつくものの延焼することはなく、内部まで熱が及ぶこともない。そして仔竜程度の爪に削られても、内部まで達するまでには相当の時間がかかるだろう。
「では、すこし肩を貸してもらいましょうか」
ジャイアントマネギの肩の上に飛び乗ったデナイルは、拳銃を手に取り、牽制するように仔竜達に撃ち込んでいった。それもダメージを与えることが目的ではない。自分を脅威と思わせることで、標的とさせることが狙いだ。
「あぎゃあっ!!」
デナイルの拳銃とエルの全周への弾幕を前に、仔竜達は接近戦を諦めたのか、力を溜めこむと、一斉に高速で飛行し始めた。そして、銃砲をかわしつつ、炎のブレスによる攻撃を浴びせ始める。
「言ったでしょう。見えていると」
だがそれは、デナイルにとっては望むところ。高速移動とブレスによる攻撃は、もっとも仔竜の体への負担が大きいのだ。そして、どんなに素早く動き回ったところで、動きを分析しきっているデナイルにとっては回避は容易だ。曲線的な面で構成されているジャイアントマネギの表面は動きやすいとは言えないが、弾む床よりは遥かにマシだった。それに、どんなに高速で動いていても、ブレスを吐く一瞬だけは動きが止まる。
「その一瞬が命取りですよ」
デナイルがカウンター気味に拳銃を撃ち放ち、直撃を受けた仔竜がびっくりしたように後退していった。
「こちらもまだまだ弾薬もエネルギーも残っています。装甲が持つ限り、戦闘を継続します」
エルも全方位に誘導弾を発射し、仔竜に回避を強いることで体力を使わせていく。
仔竜を倒すことよりも消耗させることに重点を置いた二人を相手に、仔竜達は徐々に戦意と体力を消耗させていったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シーザー・ゴールドマン
【POW】
ふむ、物語の定番では弾力のある地面は実は生き物だった、などがあるが。
さて、次の竜は……ほう、なかなか可愛いものじゃないか。
オブリビオンでなければ連れて帰って育てても良いのだがね。
少しだけ残念だ。
『じゃれつく』を見切って回避、すれ違いざまに『ラハブの割断』の魔力を纏わせたオーラセイバーを振るって両断する。
(見切り×カウンター)
……全部で10匹ほどか、あと何匹かは始末した方が良いかね。
月隠・望月
今度の竜はさっきのより小さい、けど、油断は禁物、だね
敵の数が多い、そしてこの地面では、踏ん張りが利かない……となると、範囲攻撃の【雷遁・霹靂の圏】を使うのがいい、かな。術なら足場が悪くても問題なく発動できる、からね
味方を巻き込まないくらい離れてから、【雷遁・霹靂の圏】を使う。なるべく多くの敵を巻き込むため、術の発動前に銃撃で敵を挑発しておびき寄せられないか試して、みよう
問題は、この地面では移動がしにくいこと……いや、歩こうとするからいけないの、かな。逆に、この地面を利用して飛び跳ねるように移動してみたらうまくいく、かもね
敵の攻撃は躱すか、呪符で障壁を張って(【オーラ防御】)防御、しよう
●囮作戦
「今度の竜はさっきのより小さい、けど、油断は禁物、だね」
仔竜の姿を目視した月隠・望月がそう呟けば、
「……ほう、なかなか可愛いものじゃないか」
シーザー・ゴールドマンもそう応じる。
10匹の仔竜達は大空洞をふわふわと飛び回っていたが、その姿はどこかお疲れ気味で、中にはこのままお昼寝タイムに突入しそうな仔竜までいる。これまでの猟兵との戦いで、かなりの消耗を強いられたのだろう。
「オブリビオンでなければ連れて帰って育てても良いのだがね。少しだけ残念だ」
そう嘯きつつ、シーザーは魔力でできた光の剣『オーラセイバー』を構えた。
「問題は、この地面では移動がしにくいこと……さてどうしよう、かな」
「ふむ、物語の定番では弾力のある地面は実は生き物だった、などがあるが、この地面はどうやら魔力的なもので弾力を得ているようだな」
弾む足場を踏み込んで弾力を確認しつつ、望月とシーザーは対応策に頭を巡らせる。
「敵の数が多い、そしてこの地面では、踏ん張りが利かない……となると、うん、決めた。ここは、シーザー殿に任せて、いい?」
何か作戦を思いついたらしい望月に問われ、シーザーは大仰に頷いた。
「どうやら策があるようだな。いいだろう、ここは私が引き受けた。君は君の思うがままに戦うがいい」
「ありがとう」
望月は一言礼を告げると、大空洞の奥に向かって駆け出していく。が、やはり地面が弾み、思うように走れない。
(「……いや、走ろうとするからいけないの、かな」)
逆に、この地面を利用して飛び跳ねるように移動してみたらどうだろうかと、望月は試してみる。果たして、無理に反動に逆らわないようにすることで、予想以上にうまく移動することができた。むしろ反動を利用することで、普通に駆けるよりもスピードアップが可能だ。そして一度コツを掴めば、戦闘面に関しては天才的な望月のこと。自在に弾む地面を駆けることができるようになる。
「あぎゃっ!?」
仔竜達から見れば、倒すべき敵が一目散に逃げ出したように見えたのだろう。まるで小学生のサッカーのように、一斉に望月を追い始めた。
だが、
「私に無防備に背中を向けるとは、随分と余裕だな」
最後尾を行く仔竜に、シーザーが音もなくオーラセイバーで斬りつける。
「あぎゃあっ!」
背中を切られた仔竜が悲鳴を上げ、何匹かの仔竜が振り返った。シーザーが弾む地面に足を取られていなければ、致命傷となっていただろう。シーザーの存在も無視できないと思ったのか、半数の仔竜が反転し、シーザーを遠巻きに包囲する。結果的に、仔竜達は半分ずつに分散することになった。
「よし、計画通り」
望月は、仔竜達が自分への追跡をやめないように、時折『霊子小型拳銃・壱式』で牽制しつつ、他の猟兵と充分に距離を取ったところで停止した。その動きを、仔竜達は望月が逃げるのを諦めたと見たのか、一斉に爪を伸ばし、或いは息を深く吸い込んでブレスの準備をして飛びかかってくる。
「《雷》《領域》――悉く撃ち滅ぼす」
その瞬間、望月を中心に轟音と共に激しい雷が迸った。飛び込んできていた仔竜達には、躱す余地すらもない。何が起きたのかも分らぬまま雷撃の直撃を受け、5匹の仔竜達が悲鳴を上げて飛び散っていく。
望月のユーベルコード【雷遁・霹靂の圏】は、自身を中心に無差別に電撃を放つ。故にシーザーら他の猟兵達から距離を取る必要があったのだ。
「さあ、おいで。何度でも、雷撃を、お見舞いしてあげる」
一方で、残った仔竜達を相手取るシーザーは、じゃれつくように爪を振るってくる仔竜達の動きを見切り、華麗な動きで回避すると、
「全てを――断ち斬る」
どんなものでも切断する【ラハブの割断】の魔力を纏わせたオーラセイバーを、電光石火の速度で振るった。次の瞬間、真っ二つに切り裂かれた仔竜の体が弾む地面に落下し、地面の弾力で血をまき散らしながら数度バウンドした。
「あぎゃぎゃっ!?」
一撃の下に仲間を切り伏せられた仔竜達が、動揺の声をもらす。
「まずは1匹。……全部で10匹ほどだったか。あと何匹かは始末した方が良いかね」
まるで狩りでもしているかのように悠然とそう言い放つと、シーザーはオーラセイバーに付いた仔竜の血を払ったのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
清川・シャル
おっと、チビ竜達が…
ていうか何この地面!
櫻鬼でジェット噴射してホバリング試みますね
使えなくても地形の利用を使用で上手く動いてみます
近寄らなきゃいいんですよね?
とりあえずぐーちゃんでふるぼっこです
UC使用
あとはそーちゃん(なぎ払い、範囲攻撃)を振り回しておけば30cmも近付かないはず!
間合いに入られたら、桜雅乱舞(グラップル、怪力、衝撃波、咄嗟の一撃)で殴り飛ばせないかな…
敵攻撃には見切り、カウンター、それと第六感で対応したいところ
シャル、貴方がた(小竜)と遊ぶほど暇では無いんですよね〜
ミフェット・マザーグース
本当は、やっつけるしかないって、わかってるんだけど
もう戦いは、はじまっちゃったんだけど
やっぱりヤだな・・・
仔竜の攻撃を打ち消して、疲れさせちゃうね
「歌唱」で作り出した影たちに、仔竜の相手をさせたいな
「パフォーマンス」で注意を引かせて「見切り」でうまく相手できるように
ほかの猟兵さんとも、連携するよ
一人じゃ、やっぱりなにもできないから
UC【一人ぼっちの影あそびの歌】
生まれたばかりの ちいさなドラゴン
みじかい手足にウネウネしっぽ
ぴょんと一緒に 跳ねましょう
前へ進み 後ろに下がり
ツメがぶつかり でんぐり返り
ぴょんぴょん一緒に 飛びましょう
ぐるっと一回り回りましょう
吐息がぶつかり パチパチ花火
●掃討戦
「本当は、やっつけるしかないって、わかってるんだけど。もう戦いは、はじまっちゃったんだけど。やっぱりヤだな……」
遅れて大空洞に到着したミフェット・マザーグースの顔が、悲し気に沈む。例え相手が竜であっても、そしてオブリビオンであっても。子供を相手にすることは、ミフェットにとってはつらいことだ。
既にこれまでの猟兵達との戦闘で、7匹からの仔竜が命を落とし、残る仔竜はあと3匹。
「おっと、チビ竜達が……、ていうか何この地面!」
ミフェットと共に駆け付けた清川・シャルは、仔竜の存在より弾む地面の方に驚きの表情を浮かべていた。
「これならいけますかね……よっと」
シャルは、魔力によるジェット機構を内蔵したピンク鼻緒の厚底高下駄『櫻鬼』で、ホバリングを試みる。だが、仲間達を殺され気の立っている仔竜達は、シャルの準備が整うのを待っていてはくれなかった。3匹が一斉に、鋭い爪をシャルに突き立てようとする。
『生まれたばかりの ちいさなドラゴン
みじかい手足にウネウネしっぽ』
そんな戦場に響き渡ったのは、ミフェットの澄んだ歌声だった。
『ぴょんと一緒に 跳ねましょう
前へ進み 後ろに下がり
ツメがぶつかり でんぐり返り』
その歌詞に合わせるかのように、仔竜そっくりの影が3つ、唐突に仔竜達の前に姿を現す。仔竜の影はまるで鏡写しのように、仔竜達と全く同じ動きで爪を振り上げ、互いに爪をぶつけあった。お互いの攻撃が相殺し合い、仔竜の影はポンと姿を消す。取り残された仔竜達は、空中でひっくり返りながらも、何が起こったのか分からないというように、ポカンとした。
「おっと、感謝ですよ」
シャルはその隙に仔竜の包囲をぶっつけ本番のホバリングで抜け出し、仔竜達と距離を取るとピンク色のグレネードランチャー兼アサルトライフル『ぐーちゃん零』を構えた。
「要は近寄らなきゃいいんですよね? とりあえずぐーちゃんでふるぼっこです」
そして、『ぐーちゃん零』のグレネードとライフル弾を、仔竜達に向け一斉発射。爆発的な銃声とマズルフラッシュが洞窟内を染め上げる。
「さあ、戦場に響きし我が声を聴け!」
やがてその光と音の饗宴が止んだ時には、1匹の仔竜が力尽きて仰向けに地面に倒れ、残る2匹も満身創痍となっていた。
「あぎゃぎゃあっ!!」
残った仔竜達は、追い詰められて狂乱したように2匹で力を合わせ、風と炎の竜巻を生み出した。制御できないのか最初から制御する気がないのか、竜巻は無軌道に大空洞内を荒れ狂いつつ、どんどんその大きさを増していく。
「うわわ、これはまずいんじゃないですか!?」
武器を桜色の鬼の金棒『そーちゃん』に持ち替えたシャルだが、これでは仔竜達に接近するどころではない。
「任せて」
再び、ミフェットの歌声が空洞内に広がっていく。
「ぴょんぴょん一緒に 飛びましょう
ぐるっと一回り回りましょう
吐息がぶつかり パチパチ花火」
その歌声は竜巻の起こす轟音を突き抜け、凛として響き渡った。
歌の乗せてふたたび現れた仔竜の影が、仔竜達にいたずらでも仕掛けるように影のブレスを吐きかける。仔竜達も、負けじと炎のブレスで応戦し――仔竜達の集中が途切れたことで、風と炎の竜巻が見る間に霧散していった。
「おっと。今なら、全力で殴れそうです!」
『そーちゃん』を振り回しながら、シャルが仔竜達に突っ込んでいく。
「あぎゃっ!」
仔竜の影とじゃれ合うように戦っていた仔竜達は、あわててシャルを迎え討とうと爪を振り上げる。だが、シャルは巧みに爪の間合いの外から、『そーちゃん』で仔竜達に殴りかかっていった。
「シャル、貴方がたといつまでも遊ぶほど暇では無いんですよね〜。必殺の『桜雅乱舞』、行きますよ!」
そう叫んでシャルが『そーちゃん』を振り抜くと、発生した強烈な衝撃波が、2匹の仔竜を軽々と吹き飛ばした。吹き飛ばされた仔竜達は勢いよく岩壁に激突し、半分体を岩の中にめり込ませ、そしてそのまま動かなくなった。
「こうするしかないって、分かってたけど。やっぱり、つらいね」
ミフェットが、悲しそうに目を背ける。
ともあれ、仔竜達を全て撃破した猟兵達は、さらに地下に続く洞窟へと、足を踏み込んでいったのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『黒皇竜ディオバルス』
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POW : 黒皇竜の一撃
単純で重い【自身の爪や尻尾】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : インフェルノ
【口から放つ「地獄の炎」】が命中した対象を燃やす。放たれた【紅蓮の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ : カタストロフィ・ノヴァ
【極大規模の球形の大爆発】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ノエル・スカーレット」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●立ちはだかる黒皇竜
仔竜達のいた大空洞からさらに地下へ地下へと下った先に、その大広間はあった。
先程の大空洞もかなりの大きさがあったが、この大広間は広さも高さもその比ではない。城一つがすっぽり収まるのではないかと思えるほどの巨大さだ。
その大広間の最奥部に、その柱はあった。禍々しい瘴気を吹き出すその柱こそが、群竜大陸の所在を隠しているという『クラウドオベリスク』に間違いないだろう。
そして、その柱の前に立ちはだかっているのは、一匹の巨大な竜。
漆黒の体躯に、体の所々に埋め込まれた緑色の結晶体。大きさは崩竜よりはわずかに小さいが、その圧倒的な威圧感は、崩竜を遥かに上回る。
『来タカ、小サキ者共ヨ』
大気を震わせる重い声で、竜は猟兵達に語り掛けた。
『崩竜ヲ降シ、仔竜共ヲ退ケテ此処マデヤッテキタ貴様達ハ、勇者ト呼ブニ相応シイ』
黒竜は、喜びに打ち震えるように、翼をはためかせる。
『我ハ黒皇竜ディオバルス。貴様達ニ、絶望ト恐怖ノ果テノ死ヲ齎ス者ダ!!』
その黒竜の雄叫びが、戦いの開始を告げる合図となった。
エル・クーゴー
●SPD
敵性に対し射線を取れる戦場の後尾へ布陣
狙撃モードに移行
躯体番号L-95、【援護射撃】を開始します
目標――「インフェルノ」発動時に開放される口腔内の都度狙撃による与ダメージ累積、及びコード使用の妨害
L95式アンチマテリアルライフル、展開
バトルスーツへ当該環境下に於ける被視認性を欺瞞する【迷彩】を展開しつつ、敵性の口腔がこちらを向いて開き次第、狙撃を敢行(スナイパー+クイックドロウ)
発砲後は離した距離を保ちつつ即座に弧状に移動
炎に及ばれる前に【空中戦】用バーニアを噴射し射線上から自身を【吹き飛ばし】退避します
ウイングキャット『マネギ』を観測手として運用
狙撃精度の都度向上に努めます(学習力)
月隠・望月
最初の竜より少し小さい……けど、最後の竜が一番強いみたい、だね
あの竜はとても強い。わたしも【真の姿】になって戦おう
敵の巨体に加えてこの威圧感は伊達ではない、攻撃を受けるのは厳しい、と判断する。敵の攻撃は躱すしかない、ね(【見切り】【第六感】)
加えて、敵に狙いを定められないために【残像】を生みながら【ダッシュ】で移動、しよう
敵に飛ばれるのは厄介、だね。わたしはあの翼を攻撃する
敵が高度を下げたとき、後ろに回り込んで【剣刃一閃】で斬りつけよう。あるいは、敵がこちらを攻撃してきたときに【カウンター】を叩き込もう(【咄嗟の一撃】)
真の姿:頭の黒曜石の角が大ぶりなものに変化。尖った黒曜石全身を覆った黒鬼
●後に続く者の為に
「最初の竜より少し小さい……けど、最後の竜が一番強いみたい、だね」
目の前に立ちはだかる黒皇竜ディオバルスを見上げ、月隠・望月は我知らずそう呟いていた。
「我ノ力ガドレホドノモノカ、ソノ身デ試シテミルガイイ」
その小さな呟きを聞き漏らさず、ディオバルスが傲然とそう言い放つ。次の瞬間、まるで鞭を振るうかのように高速で、鋭い棘に覆われた尾が振るわれた。
「!!」
天才的な望月の戦闘の勘が、この攻撃を受けるわけにはいかないと告げている。例えそれが黒皇竜にとっては小手調べに過ぎない一撃だとしても。この巨体に加えてこの威圧感は伊達ではないのだと、肌身をもって理解する。
巨大な尾の直撃が、望月を捉えた。と見えたその時。
「ム?」
手応えのなさに、ディオバルスが唸る。かの竜が尻尾を叩きつけたのは、望月の残像だったのだ。直撃の瞬間、真の姿に変じた望月は、瞬時に尻尾の軌跡を見切り、超スピードで回避していた。
「この竜はとても強い。攻撃は躱すしかない、ね」
頭の黒曜石の角を大ぶりなものに変化させ、さらに全身を尖った黒曜石で覆った鬼。それが、望月の真の姿だ。
「黒キ鬼カ。面白イ」
ディオバルスが、深く息を吸い込む。その予備動作は、仔竜達が見せたものによく似ていた。
「炎の、ブレス……!」
望月の予測を裏付けるかのように、黒竜の咢から、炎が漏れ出る。
「一面ヲ焼キ尽クス地獄ノ炎。先程ノヨウニ、容易ニハ躱セヌゾ」
そして、黒皇竜が今まさに業火のブレスを吐こうとしたその時。
「躯体番号L-95、狙撃モードに移行。援護射撃を開始します」
大広間のはるか後方から、そんな機械的な声が聞こえた。次の瞬間、飛来した銃弾が、口を開いたディオバルスの口腔内に吸い込まれ――そして炸裂した。
「!?」
今まさに吐き出されようとしていた炎のブレスが、その爆発で指向性を失い、周囲に無為に拡散していく。
「オノレ……何奴」
鱗に覆われた外皮と違い、口腔内は竜といえど柔らかいはず。にもかかわらず、黒皇竜は大してダメージを受けた様子も見せず、弾の飛んできた方角へと首を巡らせる。
そこにいたのは、『L95式アンチマテリアルライフル』を構えるエル・クーゴーだった。エルはL95式バトルスーツを洞窟に溶け込むように光学迷彩で覆うことで、黒皇竜の視覚を欺瞞。ディオバルスがブレスを吐くために口を大きく開くその瞬間を、身じろぎひとつせずに待ち続けていたのだった。
「狙撃手カ、小賢シイ」
ディオバルスは翼をはためかせてその巨体を宙に浮かべると、再び息を吸い込み、炎のブレスをエル目掛けて吐き出した。今度こそ放たれた地獄の業火は、エルのいた地点を火の海へと変えていく。
だが、既に攻撃を予測していたエルは、炎が吐き出される前に空中戦用バーニアを噴射し、弧を描くように宙に飛び上がり炎の直撃をかわしていた。さらには、熱風の風圧を逆に利用して、ディオバルスと距離を取る。
「空中デ我ト渡リ合ウツモリカ。愚カシイ」
その巨体からは考えられぬ加速度で、見る見るエルとの距離を詰めた黒皇竜は、鋭くとがった爪を振り上げた。
「ウイングキャット『マネギ』、射出」
追い詰められたエルは、デブ猫型ドローン『マネギ』をディオバルス目掛けて放つ。
「目クラマシノツモリカ。無駄ナコトヲ」
自らに向かって突っ込んでくる『マネギ』を、ディオバルスは虫でも追い払うように腕を振るって払いのけると、もう片方の腕をエル目掛けて振り下ろした。
「大丈夫。無駄じゃ、なかった」
「何!?」
鋭利な爪がエルの身体を切り裂く直前。黒皇竜のバランスが、大きく崩れた。
気配を完全に殺してディオバルスの背後に回り込んでいた望月が、エルを攻撃するために竜の動きが止まった隙に大きく跳躍すると、無銘刀を一閃。黒皇竜の翼を付け根から深く切り裂いたのだ。
「馬鹿ナ!?」
「わたしの存在を失念してたのが、最大の過ちだった、ね」
片翼を失って墜落しつつも、ディオバルスはその殺気を隠そうともしない。黒皇竜の背を蹴って距離を取ろうとする望月へと、その長い尻尾を叩きつけた。直撃すれば、致命傷となったであろう一撃。だが、
「狙撃ポイント、算出完了。援護射撃、開始」
空中で振り向いたエルが、即座にアンチマテリアルライフルの引き金を引いていた。弾丸は狙い違わずディオバルスの尾に命中。その力点をずらすことで、望月への直撃を防ぐ。
「コチラヲ碌ニ見モセズニ、射撃ダト!?」
「それは違います。私の『目』は、あそこにも存在しています」
エルの指さす方向に浮かぶのは、ウイングキャット『マネギ』のでっぷりとした姿。
「成程。先程アレヲ撃チ出シタノハ、目クラマシデハナカッタノカ」
『マネギ』の本来の用途は観測用ドローンだ。そしてその観測データは、常時エルとリンクしている。
「我ノ片翼ヲ奪ッタ事ハ誉メテヤル。ダガ、我ノ本当ノ力ハ、コンナモノデハナイゾ」
大広間の地面へと軟着陸したバルディオスは、不敵にそう言い放ったのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
デナイル・ヒステリカル
相手の強大さも問題ですが、なによりもこの場所が地下の大空洞である事が懸念事項です。
何度も何度も超規模の爆発を起こせば、当然ながら崩落・生き埋めの危険が……
そしてクラウドオベリスクの切除に必要な労力が跳ね上がることでしょう。
つまり今回の戦いでは相手を打ち倒す事と同じくらい、相手の攻撃を阻害することが重要だと判断します。
UC:インタラプトコードをセット
他の猟兵が戦闘行為に命を懸けるのならば、僕が心身を注ぎ込むべきはこの場所を保つとこ
皆さんよりも一歩引いた位置へと下がり、自分の仕事に集中します
どんな攻撃であれ、それがUCならば、超常的な現象のはず。
同じく超常現象であるUCならば干渉も可能です。
ミフェット・マザーグース
大きな竜さん
ミフェットが、勇者にふさわしいかは、わからないけど
あなたがこわくても、ぜったいに、絶望したりしないんだから
もちろん、ここにいるみんな、誰だって、そう
UC【嵐に挑んだ騎士の歌】
みんなが戦い続けられるように「祈り」をこめて、「歌唱」で「鼓舞」するね
「勇気」をふりしぼって、竜から目をそらさずに、攻撃を向けられたら「見切り」と「盾受け」、いたくても「激痛耐性」で耐えて、ずっと歌うよ
うまく連携できるようにがんばるね
ごうごうと風が鳴り 雷がまたたく 嵐の中
立ち上がる騎士 その胸には
絶えぬ勇気の炎と 闇を照らす希望の輝き!
その輝きは 矢となって 竜をつらぬく
かならず かならず かならず
清川・シャル
おお、でっかい。
殴ったら堅いかな?
ちょっとそこの柱に用があるので退いてもらえません?
まぁ聞いてくれないよね…
Amanecerを召喚
聴いてくださいね?
超音波と音圧による、振動と圧の集中力低下の催眠術を試みます
耳痛いし重たい
同時にスピーカーから熱光線出して焼き切る攻撃しかけますね
攻撃は何とか当たらなきゃいいわけです
見切りとカウンターと地形の利用と氷の盾展開で凌ぎましょ
UCで捕獲を試みます
決まればそーちゃんをチェーンソーモードにして殴りに行きますね
手順は気にせず、できる範囲で全力ですよ
シーザー・ゴールドマン
【POW】
あれが『クラウドオベリスク』か。なかなかの禍々しさだね。
それでは最後の障害たる黒皇竜を降して群竜大陸への道を切り拓くとしよう。
『ウルクの黎明』を発動。
オドを活性化して天を舞って戦闘態勢へ。(オーラ防御×空中戦)
中遠距離の間合いでは連続して「貫通する雷槍」を放ちます。
(属性攻撃:雷×串刺し×投擲×全力魔法×2回攻撃)
近距離では剛柔、変幻自在な剣術でオーラセイバーを振るって。
(先制攻撃×怪力×鎧砕き)(フェイント×2回攻撃×鎧無視攻撃)など
敵POWUC及び通常攻撃に対しては直感での回避からのカウンター。
(第六感×見切り→カウンター)
或いは腕、尻尾の動きを見切ってオーラセイバーで切断。
●地底の決戦
「おお、でっかい」
片翼を失い、口腔内にダメージを負いながらも、未だに傲然と佇む黒皇竜ディオバルスの姿を見上げながら、清川・シャルは見たまんまの感想を漏らす。
(「殴ったら堅いかな?」)
そんなことを考えつつ、シャルは気楽な様子でディオバルスに声を掛けた。
「ちょっとそこの柱に用があるので退いてもらえません?」
「断ル」
即答だった。
(「まぁ聞いてくれないよね……」)
当然、シャルとて聞き入れてもらえるとは欠片も思っていなかったが。
「あれが『クラウドオベリスク』か。なかなかの禍々しさだね」
攻撃態勢に入った黒皇竜を目の端に捉えながら、シーザー・ゴールドマンの視線はどうしてもクラウドオベリスクへと向けられる。群竜大陸にこそ興味を持つシーザーにとって、その関心がディオバルスよりもクラウドオベリスクへと向けられるのは仕方のないことだろう。
「大きな竜さん。ミフェットが、勇者にふさわしいかは、わからないけど。あなたがこわくても、ぜったいに、絶望したりしないんだから」
他の猟兵達とはやや距離を置いた地点で懸命に震えを堪えて。ミフェット・マザーグースは黒皇竜へと毅然とそう言い放った。
「もちろん、ここにいるみんな、誰だって、そう」
ミフェットの言葉に、シャルが、シーザーが、そしてミフェットよりも更に後方に布陣するデナイル・ヒステリカルが頷く。
「面白イ。ナラバ、オ前達ガイツマデ絶望セズニイラレルカ、試シテヤロウ」
ディオバルスの全身に埋め込まれた緑色の結晶体が、黒皇竜の言葉に呼応するかのように激しく輝き出し、かの竜の全身を、緑色のオーラが包み込んでいった。
「来るか。ならば、こちらも楽しませて貰おうか」
対抗するように、シーザーは【ウルクの黎明】を発動させて、自身の全身を輝く真紅のオーラで覆う。
「我ガ奥義【カタストロフィ・ノヴァ】、受ケルガ良イ!!」
黒皇竜が吼えると同時に、膨れ上がった緑色のオーラが、ディオバルスを中心に大爆発を引き起こした。荒れ狂う緑色のエネルギーが大空洞を駆け抜け、大広間全体を震わせる。地面には亀裂が生じ、天井からは岩塊が無数に降り注ぐ。
「これは、当たっちゃまずいやつですね」
シャルは咄嗟に氷魔法で盾を生み出しつつ、隆起した岩の影に身を隠した。大爆発の衝撃はその岩をも粉々に粉砕したが、シャルは直感的に飛んできた岩塊を氷の盾で防ぎつつ、なんとか致命傷を避ける。
「これは、想像以上の威力だな」
シーザーはオドを活性化して天に舞い上がると、高速飛行で爆発の衝撃から逃れていた。だが、これではディオバルスとの距離が開いてしまい、オーラセイバーが届かない。
「いたくても、耐えてみせるよ」
ミフェットは、髪を触手に変えて盾代わりにして大爆発に耐えた。例えどんなにつらくても、傷だらけになっても。みんなを支援するためには、これ以上後退するわけにはいかないのだから。
「なんて破壊力だ……」
爆発が止んだ後の大広間の惨状を見て、デナイルは息を飲んだ。ただ一人大爆発の範囲外にいたデナイルだからこそ、今の一撃の残した爪痕を、冷静に見極めることができる。
「ディオバルス自身の強大さも問題ですが、なによりもこの場所が地下の大空洞である事が懸念事項です。何度も何度も今のような超規模の爆発を起こせば、当然ながら崩落、生き埋めの危険が……。そしてクラウドオベリスクの切除に必要な労力が跳ね上がることでしょう」
ならばと、デナイルは自らの為すべきことを見定めた。他の猟兵が戦いに専念するのであれば、デナイルが心身を注ぎ込むべきは、この場所を保つこと。その為にデナイルは、先程の大爆発のデータを解析し始める。
「みんな、くじけないで。まだ戦いは、はじまったばかりだよ」
誰よりも傷だらけのミフェットが、けれど全員の心を鼓舞するかのように、声を振り絞ってそう言った。そして、祈りを込めて歌い出す。
「ごうごうと風が鳴り 雷がまたたく 嵐の中
立ち上がる騎士 その胸には
絶えぬ勇気の炎と 闇を照らす希望の輝き!」
それは、聞く者の心に勇気の炎を灯し、戦う力を湧き上がらせる奇跡の歌。
「いい歌ですね! それじゃ、即興のセッションとしゃれこみますか!」
そう言ってシャルが召喚したのは、『Amanecer』と呼ばれるインカムとスピーカー&アンプ一式。
「聴いてくださいね?」
シャルはインカムを頭部に被り、スピーカーとアンプを背負うと、ミフェットの歌をかき消さない程度の音量で、音楽を奏でだす。その曲は、仲間を鼓舞するミフェットの歌とは違い、竜の鼓膜と精神に作用し、その集中力を乱す一種の音響兵器だ。
「騒々シイゾ、虫ケラ!!」
超音波と音圧による見えない打撃に苛立ったディオバルスが、尾を伸ばしシャルを薙ぎ払わんとする。
「こっちも耳痛いし重たいのに」
シャルはぼやきつつも、後退しつつスピーカーから熱光線を出して、黒皇竜の尻尾を焼き切ろうとした。だが、熱光線を受けて表面を焼かれても、尻尾は止まらない。そうして尻尾がシャルに直撃する寸前に。
「その尾は厄介だからな。串刺しにして縫い留めさせてもらう」
シーザーがその強大な魔力で生み出した『貫通する雷槍』が連続して飛来し、尾を貫くとそのまま地面に縫い付けた。
「グッ、小癪ナ」
ディオバルスは尾に力を込め、雷槍を弾き飛ばさんとする。
「丁度いいから、そのまま大人しくしててくださいね? どんなに強力な尾や爪も、当たらなきゃいいわけですから」
だがそこに、シャルがユーベルコード【𦀗】を放った。どこからともなく出現した紅い無数の有刺鉄線が、ディオバルスの全身を絡めとっていく。
「コレハ……動ケヌ!?」
流石に、黒皇竜の声にも焦りが混じった。
「これならば、安心して殴れるですよ」
シャルは桜色の鬼の金棒『そーちゃん』をチェーンソーモードに切り替えると、一気にディオバルスとの距離を詰めていく。
「さあ、決着といこうか」
シーザーもまた、オーラセイバーを構え上空からディオバルスに迫っていった。
「……コレデ我ヲ追イ詰メタナドト、本気デ思ッテイルノカーッ!!」
その時、黒皇竜の全身の結晶体が輝きを増し、発生した緑のオーラが、まるでバリアのようにシャルとシーザーを吹き飛ばした。
「きゃあ!」
「くっ……」
ダメージはそれほどないものの、これでは接近戦を仕掛けられない。
「あれは……まずいですね」
それがディオバルスの奥義たる【カタストロフィ・ノヴァ】の前兆であることに気付いたデナイルは、自身の周囲に架空のコンソールを生み出し、高速で何かを打ち込み始めた。
もしもう一度【カタストロフィ・ノヴァ】が発動すれば、例え全員が回避しきれたとしても、この地下空洞自体がもたないだろうことは、既に計算済みだ。
「貴様ラ全員、恐怖ト絶望ト共ニ、コノ地ノ底デ果テルガ良イ!!」
ディオバルスの全身を覆っていた緑色の球形のオーラが臨界を迎え、今まさに爆発しようとしたその時。
「僕には、こういう戦い方もあります」
突如緑色のオーラが何かに侵食されるかのように灰色に変色を始めた。そしてその変化は加速度的に広がっていき、球形のオーラ全体を灰色に変えると、ついにはそのまま自壊し消滅してしまう。
「どんな攻撃であれ、それがユーベルコードならば、超常的な現象のはず。同じく超常現象であるユーベルコードならば、干渉も可能です」
デナイルのユーベルコード【インタラプトコード】は、機械的なものだけでなく、超常現象にすら干渉し、ハッキングすることでその現象を無効化することができるのだ。
「馬鹿ナ……コノヨウナ事ガ……」
さすがの黒皇竜が、言葉を失う。
既に口腔を潰されていることで、炎のブレスを吐くことはできず。
有刺鉄線に縛られ、爪や尻尾を振るうことも適わず。
そして切り札たる【カタストロフィ・ノヴァ】は、たった今打ち消されてしまった。
今この瞬間、黒皇竜ディオバルスは全ての攻撃手段を失っていた。
「今です! チャンスはこの瞬間しかありません!!」
デナイルのその叫びに、シャルとシーザーが頷き、再び黒皇竜への接近を試みる。
「その輝きは 矢となって 竜をつらぬく
かならず かならず かならず」
ミフェルの勇ましい歌声が、2人の心から恐れと迷いを振り払う。
「全力中の全力で、殴り飛ばしますよっ!!」
シャルが、ディオバルスの身体を、その結晶体を足場に駆け登っていく。
そしてチェーンソーモードの『そーちゃん』を、思いっきりその首に叩きつけた。鱗と回転する刃が激突して激しく火花が迸り、裂かれた黒皇竜の首から血が飛沫となって吹き上がる。
「オノレェェェッ!!」
ディオバルスは全身を縛る有刺鉄線を、自らの身が傷つくのも構わず強引に引きちぎると、鋭い爪をシャルに叩きつけた。シャルの小さな体が弾き飛ばされ、地面に叩きつけられる。
そしてその爪は、目前まで迫ってきていたシーザーにも向けられた。
「我ヲココマデ追イ詰メタノハ見事ダッタガ、最後ニ勝ツノハ、コノ我ダッ!!!」
大気ごと切り裂く勢いで振るわれたその鋭い爪を、だがシーザーは冷静に見切っていた。
「最後の障害たる黒皇竜、貴様を降して群竜大陸への道を切り拓くとしよう」
爪を掻い潜ったシーザーは、先程シャルが傷つけたのと全く同じ個所に、オーラセイバーを叩きつけた。輝く真紅のオーラを纏わせた刃は、鱗など無かったもののようにディオバルスの首へと吸い込まれていき、そして、
「さらばだ、黒皇竜」
黒皇竜の二つ名を持つ柱の守護者、ディオバルスの首を、真っ二つに切り落としたのだった。
巨大な竜の首が地面へと落下し、巨大なクレーターを作り出す。
「見事ダ、勇者共……」
ディオバルスの首が最後の力を振り絞ってそう吐き出した直後。
首を落とされた黒皇竜の身体が、ドウッと音を立てて倒れ伏したのだった。
●砕ける柱
『滅びの岩山』の地下深く。洞窟の最深部に聳え立つ黒き瘴気を纏った柱・クラウドオベリスク。
黒皇竜ディオバルスの護っていたその柱は、先程までの激戦にも関わらず、傷一つ付いていなかった。黒皇竜の放った【カタストロフィ・ノヴァ】の直撃を受けていたにも関わらずだ。
それだけに、猟兵達は柱の破壊に手間取るのではないかと危惧していたのだが……。
猟兵達の攻撃を前に、驚くほどあっけなく柱は砕け散った。
もしかしたら、全ての守護者を倒さない限り、何人にも傷つけられない特殊な魔法がかかっていたのではないかと、猟兵達は推測したが、真相は分からない。
ともかく猟兵達の活躍で、群竜大陸を覆い隠していたクラウドオベリスクが一本、消滅した。
群竜大陸が猟兵達の前に姿を現す日も、そう遠くないことだろう。
大成功
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