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キマイラフェス！～ザ・炭水化物フェス

作者：北瀬沙希

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●遊園地開催フェスは炭水化物オンパレード
「バトルオブフラワーズ、ご苦労だった」
　ハーブティーを配りながら、グリモア猟兵藤崎・美雪が猟兵たちを労う。
「もっとも、怪人の残党はまだ残っているのだが……住人らは全く気にしないのだよな」
　というわけで、ちょっと退治して来てくれないだろうか、と軽いノリで告げる美雪の表情が引き攣っているのは……何故だろう？

「近々、ある遊園地でフェスが開催されることになった」
　ところでフェスってフェスティバルの略ですよね？
　お祭りでいいんですよね？
　対決要素なしでいいんですよね？
　世界を二分するような戦争はもうたくさんですよ？
　……等と猟兵たちが立て続けにツッコむと、美雪は非常に重い口を開く。
「それがだな……世界中の炭水化物メニューを集めた【炭水化物フェス】らしい」
　何だその栄養素が偏る事必至のフェスは。

「皆が到着した時はまだフェス開催に向けて準備中だ。だから、スタートまでは遊園地で思いっきり遊んで時間を潰してほしい」
　絶叫マシンや観覧車、果てはフードコートやレストランなど、この遊園地は何でもそろっている。せっかくなので思いっきり堪能したいところ。
「フェスが始まって少しすると……突然怪人が現れてキマイラたちに大食いバトルを仕掛けてくる。キマイラ達では勝ち目がないので、代わりに皆で受けて立ってほしい」
　登場する怪人は炊き立てご飯怪人、焼き立てパン怪人、蒸したて中華まん怪人……全部炭水化物じゃねえか！！
「彼らを大食いバトルで退けると、ボスの……か、かまんどー……」
　あ、美雪さんが噛んだ。コホンと咳払いして仕切り直し。
「訂正、カマンドゥーラ・コゲットが登場する。彼女……彼女か？　彼女も竈炊きの炊き立てご飯で大食いバトルを仕掛けて来るので、なんとか勝ってほしい」
　事実上の大食いバトル２連戦予告。これは美雪の表情も引き攣るはずだ。
「ちなみに大食いバトルの食材は怪人が用意したものとなるが、補助食材を持ち込むのは構わないらしい。たとえば炊き立てご飯に海苔や佃煮とか」
　その場でさらに調理しても構わないらしい。何てアバウトな大食いバトルだ。

「皆の胃袋と体重にとっては大敵となる戦いになるが、キマイラたちのために頼めるだろうか」
　胃薬と整腸剤と消化を手助けするハーブティーは用意しておくから……と、美雪は冷や汗をたらしながら猟兵たちに告げ、グリモアから音符を展開して転送ゲートを開いた。

第1章 日常 『巨大遊園地でエンジョイしよう！』

POW   :    絶叫マシンやお化け屋敷などスリルいっぱいにエンジョイ SPD   :    観覧車やショーなどのんびりエンジョイ WIZ   :    ショップやレストランなどアトラクション以外でもエンジョイ 👑5 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●フェス前に遊園地を満喫しよう！
　猟兵らが炭水化物フェスの会場でもある遊園地にたどり着くと、グリモア猟兵の言通り、まだフェスは始まっておらず、キマイラたちが楽しそうに準備中。
「あー猟兵さんだー」
「もう少ししたら始まるから、それまで遊園地で遊んできて～な～」
　キマイラたちにも誘われ、猟兵らは巨大遊園地に足を踏み入れた。

　入り口の案内板で確認すると、アトラクションはジェットコースターやメリーゴーランド、観覧車など、定番のアトラクションが一通りそろっているようだ。探せば変わったアトラクションもあるかもしれない。
　もちろん、土産物のショップやレストラン、ショーなど、アトラクション以外の施設も一通りそろっている。こちらも探せば一風変わった施設が見つけられるかもしれない。

　さあ、怪人たちとの大食いバトル前に、しっかりと遊園地を満喫しよう！
　大食いバトルの後は楽しめるかどうかわからないからね！

※マスターより補足
　マスターコメントにも記した通り、この遊園地にどんなアトラクションがあるのか、どんな施設があるのかは、皆様のプレイングで決まります。
「一番楽しみたい施設」を１か所プレイングで指定し、しっかりと行動を記されることをお勧め致します。


●アスレチックで目いっぱい動きましょう！
「遊園地＆大食い対決ですかぁ」
　夢ヶ枝・るこる（豊饒の使徒・夢・f10980）は豊かな胸に期待をいっぱい詰め込んで遊園地に一番のり。
（「遊園地と大食い対決、何方も楽しんで参りましょう」）
　ウキウキ気分で巨大遊園地のゲートを潜り、まずはお楽しみタイム！。

　この後の大食い対決のことを考えると、少し空腹感を高めておくとより楽しめそうだと考えたるこる。
　――空腹は最高のスパイスとも申しますし、ね。
「体を動かせるアトラクションを探しましょうかぁ」
　るこるが案内板に目を凝らし、じっくりとアトラクションを探すと、案内板の隅に見える『アスレチックス』の文字。どうやら最近、運動不足のキマイラの来場を当て込んで作ったらしい？
「ここなんて良いですねぇ」
　身体を動かすのは大好きなるこる。即断即決、アスレチックスに決定！

　アスレチックスに到着したるこる。さあしっかり身体を動かして楽しみましょう、と意気込んで挑戦したのはいいが、彼女には悩みがひとつ。
　――それはズバリ、未だ成長を続ける胸とお尻。
（「あれ、お尻が……」）
　四つん這いで潜り抜ける狭いトンネルを抜けようとすると、どうしても豊かなお尻が引っ掛かって抜けられず。
（「あれ、胸が……」）
　ボルダリングで壁を登ろうとすると、豊かな胸で足元を遮られて足場が見えず、探せない。命綱があるとはいえ、猟兵は落ちたら普通に怪我しますから危ないよ！
「お姉さん、これ挑戦してみない～？」
　なかなか先へ進めず落ち込むるこるを見かねて、スタッフのキマイラが勧めてくれたのは、アスレチックネットの坂。傾斜角は地面から４５度程度とかなり緩やかだが、ゴールの高さは２０ｍほど。結構登らないといけなくない？
　るこるが登り始めてみると、これが意外とキツイ。ただし網の目がかなり小さいためか、足元が見えづらくても誤って踏み外す心配はほぼない。おかげでるこるも安心して登り切りました。

その後も引っ掛かりを気にせず楽しめる丸太橋や運てい等で一通りしっかり動き、そろそろ頃合いだと思ったるこる。
（「大いなる豊饒の女神、《楽園の地》の豊かなる恵みと力をお貸しくださいませ」）
　たくさん動いてお腹は十分空いているけど、さらにユーベルコードで量を食べられるように戦闘態勢（？）を整え、フェス会場へれっつごー！

大成功 🔵​🔵​🔵​

●そもそも目的を誤解していない？
「なるほど、食べる前に運動して、お腹を空かせて来なさいって、グリモア猟兵の人からのメッセージだね！」
　拳をぐっと握り締め力説する城田・紗希（人間の探索者・f01927）さん、多分それ違います。グリモア猟兵は普通に遊園地を楽しめばオッケーと言ったつもりなのです……。
「うん、メッセージ通り身体を動かすアトラクションを探そう！！」
　聞いちゃいねえ！？　それ絶対誤解、誤解だから！！

「とりあえず、キマフーなんだしなんかあるよね」
　紗希が目をつけたのは、ゲームセンター。
「指定されたポーズと一致すればポイントになるようなゲームってあるかな？」
　というわけでゲームセンター内をうろついてお目当てのゲームを発見した紗希さん、さっそく挑戦……と思いきや、ゲームマシンをちらちら見つつ、赤い瞳を不安げに揺らしております。
「ここキマフーだし、ポーズ不一致だと死んじゃうとか……？」
　紗希さん想定が過激すぎだよ！？　犠牲者続出のアトラクションとかどんな呪いがかかってるの！？
「そこまで過激じゃないよ～点数が低かったら上からタライが落ちてくるくらいだよ～」
　スタッフらしき律儀なキマイラさんに突っ込まれ、はっと我に返る紗希さん。
　それなら安心して楽しめそうだけど、短いスカートから下を見られたら恥ずかしい……よね？
「キマイラさん、ジャージがあったら貸してくれませんか？」
「はいよ～」
　紗希さん、借りたジャージを履いてれっつぷれい！

　最初は簡単なポーズから始まり、持ち前の運動神経で難なくこなしていく紗希。
しかし徐々に複雑、かつ早くポーズを取るように求められ、さすがの紗希も表情が苦しくなっていく。
「く、苦しいです……」
　中にはこれ人間にできるのか？　と首を傾げたくなるようなポーズもあったけど、頭にタライを落とされたらたまらないから紗希も必死！　死ぬよりましでもタライは恥ずかしい！
　ちなみに点数はそこそこ良かったため、どうにかタライ落としは回避しました！

「ふー、いっぱい動いてお腹空いた！」
　満足してゲームセンターから出てきた紗希のお腹はぐぅ、と音を立てている。
「とりあえず、ごはん探す前に水分摂らなきゃ！」
　運動の後の水分補給は大切ですよね……って本来の目的がアトラクションを楽しみすぎて脳内から追い出された気がするよ！？

　……これから大食いバトルだけど、大丈夫？

大成功 🔵​🔵​🔵​

●遊園地はぼっちでも楽しめるのです！
「人生初！　の遊園地！！」
　グリモア猟兵さんお誘いありがとー！　と虚空へ手を合わせ拝むのはルーファ・カタラ（神のフォースナイト・f18662）。
「この後の炭水化物も楽しみだなー」
　ルーファの脳裏には、ご飯にパン、ピザにケーキ……その他諸々の炭水化物メニューが次々と浮かんで止まらない！　それに先日、旅団の皆と食べた肉は格別の味だったから、炭水化物も皆で食べるのが楽しみ！
「よし！　たくさん食べられるようにいっぱい遊んでお腹空かせておこう！！」
　ルーファさん、ウキウキ気分で遊園地の中へごー！！

　ルーファが向かったのは、一番人気がありそうな絶叫マシン。
（「お化け屋敷は驚いたときにうっかり攻撃しちゃいそうだし……」）
　キマイラたち、本気で驚かせにかかりそうだから、避けたのは正解かもしれないね？

　しかし、ルーファは今、ひとりで遊園地を回っている。
　――すなわち、ぼっち。
　一緒に回る相手もおらず、グリモア猟兵もついて来れないので、仕方なくひとり。

「どうせなら怪人も早く来て一緒にエンジョイしてくれてもいいのになー」
　というわけで、キマイラフューチャーではたぶん珍しい、コースの骨組みが全て木材でできている絶叫マシンの最前列に座りながらぼやくルーファ。
　……いや、怪人の目当ては炭水化物であって遊園地じゃないから！
「まあ、神は群れないって誰かが言ってたから、ボッチでも気にしなーい！」
　潔いですなルーファさん！　ならばその潔さに免じて（？）、絶叫マシン出発！！

　――数分後。

「絶叫マシン……なかなかやるじゃない……」
　あまりのスピードと振動、さらに極限のスリルを味わい、目を回した挙句足どころか頭もふらふらになったルーファが出口から出てきましたとさ。
「最大の敵は乗り物酔い……ってヤツ……うっぷ」
　すっかり酔っているルーファさん、仕方ないので気分の悪さが収まるまでしばらく座っていたが……。
「よし！　次はあの絶叫マシンに行こう！！」
　収まった途端、垂直に近い角度で落下する別の絶叫マシンを指差すルーファ。さっき酔ったのに懲りてないな！？

　なんだかんだで一通り絶叫マシンを制覇したころには、ちょうどいい時間。
「あーお腹空いたなぁ」
　ルーファのお腹も程よくいい感じに空いてきたらしく、先ほどからぐぅ、と音を立てている。これはたくさん食べられそう。
「この後の炭水化物、超楽しみー」
　あくまでも怪人とのバトルなので、それだけは忘れないで……ね？

大成功 🔵​🔵​🔵​

●だよなぁ系女子のキマイラフューチャー紀行？
「炭水化物と言えばお米、お米と言えばおにぎりだよなぁ！」
　炭水化物が……というよりはおにぎりが楽しみで仕方のない大月・嵐（神の猟奇探偵・f23315）もフェス会場に到着。
　しかしふと周囲を見渡すと、見慣れた幻朧桜は全く見当たらず、あるのは人工物だらけ。
「……おにぎりに釣られて来てみたけど、ここどこなんだよなぁ？」
　明らかにサクラミラージュではないんだよなぁ……と嵐が考え始めたのもつかの間。
　――ぐぅぅぅぅぅ～～～。
　空腹を知らせる音で、我に返る嵐。
「おっと、そんなことよりおにぎりなんだよなぁ！！」
　慌ててフェス会場に駆け込む嵐だが、入り口でスタッフのキマイラにやんわりと制止されました。
「えっ、フェスはもう少ししてから？」
　ごめんよ～と申し訳なさそうに謝るキマイラさんを、嵐は鳴りやまないお腹を押さえながら悲しげなピンクの瞳でじっと見つめて。
「お腹が減ったんだよなぁ……」
「あそこにレストランがあるだよ～」
　キマイラが指さす先にあるのは、なんと巨大レストラン！
「はっ！　きっとフェスやってる遊園地だし、おにぎりもメニゥにあるはずなんだよなぁ！！」
　空腹に耐えかねた嵐、レストランに猛ダッシュ！
　ちなみにメニューにおにぎりがあったため、嵐は無事に腹を満たせました。

　おにぎりを堪能し、満足げにフェス会場に戻ってきた嵐に、通りすがりのキマイラが声をかけまして。
「そこの猟兵さん、ちょっと手伝ってほしいのだ」
「手伝え？　どういうことなんだよなぁ！？」
　自分、年齢的に労働基準法完全アウトなんだよなぁ！？　とキマイラに詰め寄る嵐。サクラミラージュやキマイラフューチャーに労働基準法があるのかという疑問はひとまず横に置いておくとして、詰め寄られたキマイラはきょとん、としています。
「ろうどうきじゅんほう、って何なのだ？」
「えっ」
　きまふゅにそんな言葉はない？　と戸惑う嵐に、キマイラはさらに頼み込み。
「手伝い、といってもその辺をコンコンコンしてテントを出してくれるだけでいいのだ」
「こんこんするだけでいい？！」
　嵐、絶句。
　そして恐る恐るコンコンコンしてみたところ、組み立て済みのテントが出現したものだから、嵐は強いカルチャーショックを受けしばし呆然。

　――数分後。
「……ええい、こうなったらやるしかないんだよなぁ！！」
　我に返り開き直った嵐さん、あちらこちらをコンコンコン！
　おかげでフェス準備はほとんど終わりました！！

　さあ、美味しいおにぎりが嵐を待っているよ！
　……その前に怪人撃退も忘れないでね？

大成功 🔵​🔵​🔵​

●やきゅみっちたちの　ぼうけん
「美味しい物いっぱい食べられるんですかやったー！！」
　榎・うさみっち（うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902）は、巨大遊園地の入り口でくるくるきらきら飛び回り、喜びの舞。
「炭水化物は美味い物の宝庫だからな……俺はいくらでも食える自信がある！」
　自信ありげに胸をそらし自慢する、胃袋底なし沼のフェアリー、うさみっち。ご飯に麺類、パンにケーキ……期待は尽きない！

　フェススタートまで時間があるなら、うさみっちがやることはひとつ！
「遊園地エンジョイして準備運動だー！！」
　ぴゅーっ！！　とゲートを潜り遊園地へ潜入！
「うおー、でっかい遊園地！！」
　驚きながらも偵察偵察、と（文字通り）空を飛び回り、アトラクションやショップ、レストランを見て回るうさみっち。しっかり視察して『ゆめのくにうさみっちランド』の運営に役に立ててね！

　ところで、遊園地はひとりで楽しむより大勢の方が楽しいもの。
「やきゅみっちファイターズ、かもーん！！」
　うさみっちの掛け声とともに、お揃いのユニフォームを身に着けたうさみっちの集団が登場！　本体もお揃いのユニフォーム姿に早着替え！
　……ってその手に持っている釘バットや鉄球はしまってくれ、頼むから！！
「ちぇー」
　いや凶器はさすがに困ります、お客様……。
　それはさておき、やきゅみっち達が向かったのは、スリル満点のウォーターライド。
「皆で乗り込むぜー！！」
　スタッフがフェアリーサイズのウォーターライドを用意してくれたので、これで安全に楽しめるね！

　ウォーターライドに揺らり揺られて時折流れて、いつの間にやら最高地点。
「落ちる時に遊園地の全景が目に映るよなー」
　この瞬間がとっても好きだ、とぽつりと呟くうさみっち監督……つまり本体。

　しかししんみりしたのもつかの間。

　３。
　２。
　１。

　ウォーターライド、落・下♪

＼ぴゃああああーー！！／
＼ぴゃああああーーー♪／
＼ぴゃああああ～～～～／

　うさみっちたちは　おどろき　はしゃいでいる！

＼スリルあるぜーー！！／
＼水しぶきが気持ちいいぜー！／
＼ぴゃあああ怖い～～！／

　スリルを楽しむやきゅみっち。
　水も滴るいいやきゅみっち。
　涙目になりつつ座席にしがみつくやきゅみっち。

＼こんなところにいられるか～！／

　そして驚いたはずみで座席から飛び出したやきゅみっち……あれ？

＼あーれーーーー！！／
＼おーい５番が落ちたぞー！／
＼大丈夫かー？　大丈夫なのかー！？／

　うさみっち監督とやきゅみっち達が慌てるがどうすることもできず。
　ウォーターライドはゆっくりと戻っていくのでありました。

　後に落下中に撮影された写真を購入し眺めると、しっかりと５番のやきゅみっちが落ちる瞬間が映し出されておりました……。
　もちろん、はしゃぐやきゅみっちや涙目のやきゅみっち等も映っていましたが。

　ちなみにやきゅみっち（５番）はぷかーと浮いて戻ってきましたとさ。
　ユーベルコードで召喚されていなければ大惨事でしたね……。

●フェス開始！
　うさみっち達猟兵が遊園地を堪能していると、突然流れる場内アナウンス。
「えー、あー。準備が整っただよー」
　声の主は、おそらくフェス会場の入り口にいたキマイラかな？

「今から炭水化物フェスを始めるだよー」

　どうやらキマイラたちの準備が整ったようです。
　ではここに、炭水化物フェス、開幕！

大成功 🔵​🔵​🔵​

第2章 集団戦 『炭水化物トリオ』

POW   :    炊きたてごはん怪人・ウェポン 【炊きたてごはん兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。 SPD   :    焼きたてパン怪人・ジェノサイド 【焼きたてパン攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。 WIZ   :    蒸したて中華まん怪人・リフレクション 対象のユーベルコードに対し【蒸したて中華まん】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。 👑7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●雑に襲撃する怪人たちと大食いバトル（ファーストラウンド）
　炭水化物フェスの会場には、世界各地の炭水化物料理が勢ぞろい！
　ご飯にパン、麺類に限らず、ケーキやクッキーなどのスイーツも豊富にそろい、キマイラたちにも大ウケ！

　……と思われたのもつかの間。

「キマイラたちだけ美味しい目はさせないぜ♪」
「おれたち炭水化物トリオが食いつくしてやるぜぇ♪」
「このフェスをめちゃくちゃにしてやるからな……ひひっ」

　突然、頭がごはん茶碗と食パン、そして中華まんの怪人の集団が乱入！！
　見境なく会場内の炭水化物料理を食べ尽くし始めたぞ！！

「あーーっ、困るだよー」
「お願いだから邪魔しないで～」

　慌ててキマイラたちも制止するが、怪人たちに対しては為す術なく。
　むしろ怪人たち、キマイラたちにこう言い放つ始末。

「「「やめてほしけりゃ、おれたちとの大食いバトルに勝つことだなぁ♪」」」

　困ったのはキマイラたち。
　襲撃の流れは極めて雑だが、怪人たちと勝負ができる程大きな胃袋の持ち主はいないのです。

　しかし怪人たちを止めなければ、フェス会場に並ぶ数々の料理は、全て怪人たちに食い尽くされてしまいます。
　ならばここは、大食いに自信のある猟兵の出番！！

「おっと猟兵がいたとはな♪」
「おれたちの用意するごはんにパン、中華まん……食べ尽くせるかなぁ？」
「ひひっ……わしらの炭水化物、食い尽くせるものなら食い尽くしてみるがいい」

　勝負できれば誰でもいいや、とにやりと笑う怪人たち。
　でも怪人たちは猟兵を侮っているぞ？

　猟兵達は急遽キマイラたちの手も借りてバトル会場を誂え、準備完了。
　さあ、皆の強靭な胃袋を見せて、フェス会場を救ってくれ！！


※マスターより補足
　第２章は大食いバトルとなります。
　この章は「いかに怪人より多く食べられるか」を重視して判定致します。

　怪人たちが用意するメニューは、以下の３種類です。

【Ａ】炊きたてごはん（ふっくらつやつや、熱い）
【Ｂ】焼きたてパン（ふっくらもちもち、熱い）
【Ｃ】蒸したて中華まん（皮はふかふか、具は熱々）

　皆様には、どれか１種類を選択し、大食いバトルに挑んでいただきます。
　プレイングの１行目に、必ず選択したメニューを記載してください。
　この際、選択したメニューと指定ユーベルコードの能力値が異なっていても構いません。
（例：メニューは炊きたてごはん、指定ユーベルコードはＳＰＤ→ＯＫ）

　なお、大食いを助けるための補助食材は持ち込んでいただいて構いません。
　用意済みの食材に、さらに手を加えてもっと食べられるように加工するのもＯＫ。
　２人以上のグループで参加し、調理役と大食い役に分かれて挑むのも良いかもしれません。この場合はプレイングの２行目に【同行者の名前＋ＩＤ】ないしは【グループ名】の記載をお願いします。

　ただしお残しは厳禁です。
　また、怪人への妨害行為も禁止とします。

　しっかりと大食いバトルに勝つための対策を練っていただければ、戦闘は「やっつける」という記述とユーベルコードの指定のみでＯＫです。
　ただし、第３章も大食いバトルとなりますので、その点を踏まえてお考え下さいね。

　それでは、大食いバトル、レディー……ファイッ！！




●さあ大食いバトル……あれ誤解モード継続中？
　真っ先にバトル会場に立ったのは、城田・紗希さんと夢ヶ枝・るこるさんの２人。なお、本リプレイはノリを重視するため、あえて名前の後ろに「さん」をつけさせていただきます。
「さて、それでは沢山いただきましょうかぁ」
　にこやかに勝利を予言するるこるさん。聞くところによると、普段から店やフェスのメニューを全種制覇しているそうですが、先日は屋台のメニューを全制覇した上、売り上げが芳しくない店にアドバイスまでしてきたと聞いております。
　……その裏でこっそりと鏡の加護を重ねて用意していたのは、見なかったことにしておきましょう。

　一方、紗希さんはと言うと。
「なるほど、お腹を空かせたみんなへの、グリモア猟兵の人から差し金だね！」
　もしもし紗希さん？　予知された状況なのだけど、その事実が脳内からすっぽ抜けていない？
「……差し金？　差し入れ？」
　この場合表現はどっちだっけ、と可愛く首を傾げているが……どっちでもないよ！　差し金でもないし差し入れもしていないから！！
「まぁ、どっちでも美味しければいいよね！」
　サムズアップしながら開き直る紗希さん。しかし顔にはしっかりと「空腹に耐えきれない」と書いてあるからね！？

　片やメニュー全制覇の常連。
　片や腹ペコの女子高生。

　この２人にかかれば大食いバトルも目じゃない……かも？
　キマイラたちの期待の目が、紗希さんとるこるさんに注がれていますよ！

　なお、るこるさんがフェス開催前にかけた大食い強化の加護は、普通は効果が切れていそうですが、なぜか続いているということで。
　……豊穣の神様もあらぶっておられるのでしょうか？

　それでは大食いバトル第１戦、スタート！

●２人の向かうところ敵なし（敵とはいったい？）
　紗希さんとるこるさんが選択したのは、「蒸したて中華まん」
「ひひひ……熱々の具と皮に苦しむがいい……ひひっ」
　蒸したて中華まん怪人がそろえたのは、バリエーション豊富な中華まんの数々。

　定番の肉まんにあんまん。
　ちょっと変わり種のピザまんにカレーまん。
　傍やチョコレートまんやさつまいもまん。
　その他、エトセトラエトセトラ。

　……最近はバリエーションも豊かになりすぎたもので。
　
　それはさておき、紗希さんの取った作戦は「冷たい烏龍茶で口内を冷ましながら食べる」作戦。
「飲食店スタッフさーん！　冷たい烏龍茶たくさん用意お願いしまーす！」
「あいよ～」
　事前に冷たい烏龍茶をジョッキいっぱいに注いでもらい、肉まんだけに手を伸ばす紗希さん。
「熱々には冷たい飲み物だよね！　肉まんには烏龍茶だよね！」
　喜び勇んで肉まんを一口頬張り、一瞬微妙な顔をする紗希さん。
（「キマフーって変わった肉を使うんだなぁ……」）
　どんな肉を使っていたんでしょうか？
（「ま、美味しければいいよね！」）
　時々烏龍茶で口内の熱と油を流しながら、空腹の勢いで次々と肉まんを口にする紗希さんに、蒸したて中華まん怪人もびっくり！
「ひひっ……おぬし同じものばかり食べて大丈夫なのか？」
「は、はいひょうふはお」
「だ、大丈夫だよ」と言いたかったのだと思いますが、頬を膨らませながら言っても説得力ないですよ、紗希さん……。

　一方、るこるさんの取った作戦は「同じ種類の中華まんが続かないように選びながら食べる」もの。紗希さんとは異なり、逆に水分は最小限！
（「飲み物は胃の中で皮が水分を吸ってしまいそうで……」）
　これでは量が食べづらくなりそうだから、というのがるこるさんの弁。しかし、事前に豊穣の神様の加護に鏡の加護を重ねて胃袋を強化していた以上、おそらくそこまで気にしなくても大丈夫だったかと。
「はふはふ、美味しいです」
「ひひ？　おぬし熱くないのか？」
　熱さで悶絶するであろうと睨んでいた蒸したて中華まん怪人、熱さをものとせず余裕で咀嚼していくるこるさんを見て目を点。さすが熱々の大盛ラーメンを余裕で完食するだけのことはございます。
「猫舌ではありませんので、熱いのは大丈夫ですぅ……はふはふ」
　肉まんを飲み込んだ後はあんまんに手を伸ばし、その次にカレーまん、さらにピザまん……味と種類のバランスを考慮しながらも次々と平らげていくるこるさんに、キマイラたちもびっくり！！

　空腹の勢いで次々と平らげる女子高生と、底なしの胃袋を持つ少女を前に、蒸したて中華まん怪人も次々平らげるもなすすべがなく。
　大食いバトル第１戦は、圧倒的な差で猟兵側の勝利！！

　なお、用意した中華まんを全部食べ切られた蒸したて中華まん怪人は、紗希さんとるこるさんに腹ごなしがてらボコられました。
「ひひっ……我がやられても、第２、第３の中華まん怪人が……！！」
　ちゅどーん！！

　蒸したて中華まん怪人、しめやかに爆発四散！　やったね！

　しかし残った怪人の頭部を見て、悲しそうな顔をしている紗希さん。そんな顔をしてどうしたのかしら？
「……これ、温める前のやつじゃん。食べられない……」
　まだ食べる気だったのかよ！？　その余裕は次のバトルに取っておいて！？

　一方、るこるさんは鏡の加護の反動でかなり体重が増えてしまい、動きづらそうにしています。
「反動は気になっていたのですけどねぇ」
　次のバトルまでに少しでも体重が減っていることを祈ります……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●やっぱり「お代わり」が出てきたよ
　蒸したて中華まん怪人が爆散して数分後。
　どこからともなく現れたのは……蒸したて中華まん怪人！？

「ひひひ……前の蒸したて中華まん怪人はただの小物」
　うん、そうだよね。代わりの怪人が出てくるのはお約束だよね。
「さらに強化されたわしに、勝てるものなどいなぁい！！」

　……しっかりフラグを立てたのは気のせいかな？

※マスターより補足
　というわけで、引き続き【Ｃ】蒸したて中華まんを選択いただいても、大食いバトルには全く支障ございません。
　もちろん、【Ａ】【Ｂ】で挑んでいただいてもＯＫです！

　多数の方の挑戦をお待ちしております。




●そう言えばこのトリオ、ツッコミどころ満載でした
　続いてバトル会場に姿を見せたのは、ユニフォーム姿の榎・うさみっちさんとやきゅみっち９名、合計１０名。
「やきゅみっちファイターズのお出ましだぞ！！」
　しかし、うさみっち監督が怒り心頭のご様子で。
「炭水化物大食いバトルなのに麺類が無いじゃないか！　解せぬ！」
　言われてみればそうですね……。
「何でご飯・パン・中華まんなのか！」
　何ででしょうね？　麺類だと伸びるから？
「それに中華まんはパンカテゴリ寄りなのでは！」
　皮を重視するか、中のあんを重視するかで変わりそうですが、どうなのでしょう？
「ひっひっひ、うるさいチョウチョはつまみ出すぞ？」
　復活したばかりの蒸したて中華まん怪人、煩いと感じたか、喚くうさみっち監督の羽を掴んで遠くへぽーい！
「……アッごめんなさいつまみ出さないでぇぇぇ……」
　放り投げられましたがご安心下さい。数分後には飛んで戻ってきますから。

　うさみっち監督が戻ってくるまでの間に、バトル会場に新たに姿を見せたのは、榎木・葵桜（桜舞・f06218）さん。
「大食い、いいね、心躍る言葉だよねこれ！」
　ウキウキ気分の葵桜さんですが、ところで背後に付き従う身の丈３ｍを超える巨大な古代の戦士の霊は？
「あ、この人は田中さん！」
　葵桜さんに合わせてお辞儀をする田中さん。巨大化には慣れていないのか、妙に動きが緩慢ですが、気にしないでおきましょう。
「巨大化田中さんも大食いバトルに参戦していいかな？」
　唐突な葵桜さんの提案に、集まって協議する怪人たち。
　１分後、炭水化物トリオを代表して焼きたてパン怪人が頷いた。
「いいけど、その代わり、おれらも同じ人数で挑ませてもらうからな？」
　勝負はあくまでも公正に。変なところで律儀な怪人たちデスネ。

「おうおう。それなら俺もやきゅみっちファイターズ全員で挑戦するぞ！」
　いつの間にか戻って来ていたうさみっち監督、腕組みしながらやきゅみっち達と共に怪人に詰め寄るが、焼きたてパン怪人の返事はもちろんＹＥＳ。
　かくして、バトルの準備は整った。

　猟兵チームは、うさみっち監督及びやきゅみっちファイターズ、そして葵桜さんと田中さんで合わせて１２名。
　そして怪人チームは、蒸したて中華まん怪人、焼きたてパン怪人、炊きたてご飯怪人の混成軍。こちらも合わせて１２名。

　それでは大食いバトル第２戦、スタート！

●１２対１２のバトルはそもそも食材供給が追い付くのか？
　うさみっち監督と葵桜さんが選んだのは「炊きたてご飯」。
「おいらのご飯に目をつけるとはね♪」
　炊きたてご飯怪人が用意したのは、米粒が一粒ごとにしっかりと立っている、ふっくらつやつやの炊きたてご飯。しっかり噛んで食べると、コメの甘みが口内に広がり至福のひと時を味わえるのだが、今回はその余裕がなさそうなのが残念。

「そんなちっちゃい身体で食べられるのかなぁ？」
　体長１８ｃｍ弱のフェアリー集団、やきゅみっちファイターズを挑発する炊きたてご飯怪人だが、負けじと言い返すうさみっち監督。
「俺は身体は小さいけど、【大食い】には自信あり！」
　かつてパートナーあての義理チョコを食い尽くして、後にめちゃくちゃしばかれたと聞いておりますが。
　それは横に置いておいて、監督の宣言通り、やきゅみっちファイターズ全員、食べる食べるとにかく食べまくる！！
「特にご飯は、ちょい足し素材次第でいくらでも食が進むからな！」
　熱々ご飯にバターを乗せて醤油をかければ、ご飯の熱で溶けるバターと醤油が絶妙に絡み合い、これだけでむしゃむしゃと食べられる。
　さらにバター醤油ご飯に卵を加えてＴＫＧ――卵かけご飯にするもよし。
　新鮮なたらこを加えてたらこバターご飯にすれば、たらことご飯がバターと共に絡み合ってこれまた美味し。
　たらこの代わりに納豆を加えて定番の納豆かけご飯にしても、箸が進む。

「んーっ美味い！　もう一杯！」
＼ぴゃああああーーー♪／
＼うまいーうまいぞー♪／
＼もっとよこせー！／

　うさみっちかんとくと　やきゅみっちたちの　しょくよくは　とまらない！
　……ところで、やきゅみっちファイターズだけで全部食い尽くす勢いなのですが。

　一方、葵桜さんと田中さんのコンビも、選んだのは「ちょい足し食材と共に食べる」作戦。
「炊きたてご飯だと、お供がなくても数杯はいけるけど、折角だし色々載せて食べたいなぁ」
　とはいえ、最初の数杯はお供なしでしっかりと味わって、甘みと粘りをしっかり舌で確かめて、至福の笑顔を浮かべる葵桜さん。
「ん～美味しい！」
　怪人が用意したものではあっても、美味しいものは美味しいのです！
　炊きたてご飯そのものの美味しさを満喫したら、いよいよお供と共に味わう時。
　葵桜さんが持ち込んだちょい足し食材は、バラエティに富んでいて。
　明太子に塩辛、味付け海苔と言った定番から。
　長年ＵＤＣアースで皆に愛されている、わかめに赤紫蘇のふりかけ。
　さらになめ茸、鮭フレーク、豚味噌。
　そしてやはりこれは外せない、卵かけご飯♪
（「ご飯をたくさん食べることが大事だろうから、載せるお供はホントにちょこっとずつ、だね」）
　今回は大食いバトルだから、お供はご飯１杯につき１品、少しずつを厳守しながら、田中さんと一緒に味わいながら早く多く食していく葵桜さんだが、おかず系のちょい足し食材ばかりだと、やがて飽きが来るもので。
「ちょっとだけ冒険してこれを！」
　葵桜さんが取り出したのは、なんとこしあん！　ＵＤＣアースにはこしあんをご飯の上に乗せて食べる郷土食があるそうですが、そのお味は？
「あ、思ったよりイケる！　おはぎみたい！」
　よほど気に入ったのか、その後はおかずちょい足し食材とこしあんを交互に載せて食べる葵桜さんと田中さんでした。

　１２対１２とはいえ、限度を知らない食欲のフェアリー軍団と、ちょい足し食材を豊富にそろえた少女と古代戦士の霊の組み合わせに、怪人軍団は全く歯が立ちませんでした。
　大食いバトル第２戦も、圧倒的な差で猟兵側の勝利！！

　その後、怪人軍団は全員まとめてやきゅみっちファイターズの釘バットと鉄球、葵桜さんと田中さんの一斉攻撃で沈み、しめやかに爆散四散したのは言うまでもございません。
　まあ、すぐ別の怪人が戻ってくるのだけど、果たして何人目だろう？

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●ようこそ、食べ放題の世界へ……え？
　最後にバトル会場に駆け付けたのは、ルーファ・カタラさん。絶叫マシンで受けたダメージ（？）も癒えて準備万端！
「お楽しみの食べ放題！」
　……ちょっとルーファさん？　これ大食いバトル！
「どの食べ物もおいしそうで迷っちゃうなぁ……」
　聞いちゃいねぇ。
「どれにしようかなぁ……」
　食材選びに迷うルーファさんの目に入ったのは、焼きたてパン怪人。
「どれでもいいよ……」
　焼きたてパン怪人がやさぐれています。１度も選ばれていないからかしら。
　考える事数秒、ルーファさんが選んだ食材は？
「うん、すごく悩んだけど焼きたてパンにするよー」
「おおおおおおっ！！」
　焼きたてパン怪人は喜んでいる！

　それでは大食いバトル第３戦。
　ルーファさん対焼きたてパン怪人、スタート！

●パンとお肉は合うものです
　ルーファさんの作戦もちょい足し食材持ち込み、なのですが。
「パンと言ったら肉！　だよねー」
　なんと、ちょい足し食材として持ち込んだのは、既に焼いてある肉！　ホント肉好きだね！
　予想外のちょい足し食材に唖然とする焼きたてパン怪人を前に、ルーファさんは嬉々として焼きたての食パンをスライス。焼きたてだけあって熱い上に切り辛そうにしていますが、何とかスライスはできたようで。
　食パンがスライス出来たら、持ち込んだ肉を挟んでサンドイッチ風に仕立てて。
「味に飽きないようにいろんなソースも用意したし、あとは食べるだけだね」
　ずらりと並べた中からルーファさんがまず手に取り肉にかけたのは、シンプルに塩コショウ。
　では、有難くイタダキマス！
「ああ……美味しい！！」
　一口噛むと口内に広がる、焼きたてパンとシンプルな味付けの肉の、素材が持つ旨味。最高の組み合わせを存分に味わい、至福のルーファさん。
「ごはんが美味しいと幸せな気持ちになるよね」
　……その言葉に妙に実感が籠っている気がしますが、今は理由を聞かないことにします。

　その後もケチャップやバーベキューソース、マスタードやサルサソース等、様々なソースをかけた肉をパンにはさみ、次々と食していくルーファさん。
「肉だけだとバランス悪くないかい？」
　一方、見物客のキマイラが、野菜分がほぼないことを指摘するが。
「大丈夫！　ケチャップあるから！」
　トマト入っているからケチャップは野菜であるとのルーファさんの弁ですが、それ以上に野菜が入っているサルサソースもあるし、今は気にしたら勝負にならないかと……。

　豊富なソースと、何より大好物の肉をちょい足し食材として持ち込んだ思い切りの良さに、焼きたてパン怪人に対抗する術はございませんでした。
　かくして大食いバトル第３戦も、猟兵側の勝利！

　その後、焼きたてパン怪人は、ルーファさんの腹ごなしも兼ねてサイキックエナジーでボコられ、しめやかに爆発四散しましたとさ。
「お、おいらが最後だと思うなよぉ？　すぐにあの方が……！」
　ちゅどーん！！

●はい、「あの方」の登場です
　炭水化物トリオは、フェス会場に一切の（物理的な）損害を出すことなく、全員爆発四散しました。律儀だな怪人たち。
　何はともあれ、大食いバトルは猟兵＆キマイラ側の勝利！

　……と思われたのもつかの間。

「おーほっほっほ。炭水化物トリオはただの前座にすぎませんわ？」
　尊大な高笑いとともに、大食いバトル会場に現れたのは……？

大成功 🔵​🔵​🔵​

第3章 ボス戦 『カマンドゥーラ・コゲット』

POW   :    汝、釜炊きを愛すべし 【杓文字扇】が命中した対象に対し、高威力高命中の【天から降ってくる羽釜による一撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。 SPD   :    我、釜炊きの化身なれば 全身を【本格釜炊きならではのオーラ】で覆い、自身の【本格釜炊きごはんの美味しさ】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。 WIZ   :    汝も釜炊きにしてやろうか 【本格釜炊きを可能とする竈から召喚した炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【本格釜炊きの】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。 👑7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●一応真面目に襲撃している怪人と大食いバトル（ファイナルラウンド）
「おーほっほっほ。炭水化物トリオはただの前座にすぎませんわ？」
　尊大な高笑いと共に、いつの間にか大食いバトルの場へと変化していた炭水化物フェスの会場に姿を現したのは、漆黒の優雅なドレスの貴婦人。

　ただし、頭は黒光りする釜。
　……どう見ても怪人ですね。

「しかし全く役に立たない怪人たちですわ。特に炊きたてご飯怪人……あれでは全く美味しくないですわ」

　純白の羽根扇子を優雅に仰ぎながら、仲間であるはずの炊きたてご飯怪人をさりげなくディスっている彼女こそが「カマンドゥーラ・コゲット」。
　薪を用いた本格釜炊きご飯こそ至高とする炊飯貴族だが、釜炊きを愛しすぎる故、電気やガスを用いた炊飯を見下している。今は堕落した炊飯器を駆逐し、釜炊きの復権と覇権を狙っているらしいので……炊きたてご飯怪人をディスった理由もわかる気がします。

「まあいいわ、あなた方にはこれから大食いバトルを通して、釜炊きご飯の素晴らしさを骨の髄まで叩き込んで差し上げましょう」

　その後でこのフェスを完全にぶち壊してあげますわ、と優雅に物騒なことを語るカマンドゥーラ・コゲット。あ、やっぱり怪人だった。
　キマイラたちが尻込みしている以上、彼女との大食いバトルに挑めるのは、もはや猟兵たちしかいない！　さあ大食いの準備は整っているか！？

　……実はおこげをどう攻略するかが課題かもしれません。

　と、とにかく猟兵たちよ。
　カマンドゥーラ・コゲットとの大食いバトルに勝利し、今度こそフェス会場を守ってくれ！！


※マスターより補足
　第３章もメインは大食いバトルとなります。
　この章も「いかに怪人より多く食べられるか」を重視して判定致しますが、既に猟兵側はかなりの量を食していることから、第２章よりほんの少しだけ厳し目に判定致します。

　第３章の食材は「釜炊きご飯」で固定となります。
　ふっくらつやつや、おこげも美味しい炊きたてご飯をお召し上がりください。

　食材以外のルールは第２章と同じですが、念のため再掲致します。

・大食い補助のための補助食材の持ち込み可
・食材（釜炊きご飯）にさらに手を加えるのも可
・２人以上のグループで参加し、調理役と大食い役に分かれるのも可。
　　※１行目に【同行者の名前＋ＩＤ】ないしは【グループ名】を記載願います。
・お残し、怪人への妨害行為は禁止。ただし怪人からの妨害もありません。

　なお、第２章で「炊きたてご飯」を選択されていた方への連絡となりますが、カマンドゥーラ・コゲットは第２章の大食いバトルを全く見ておりませんので、第２章の作戦と同じ作戦にしていただいても判定にペナルティはございません。もちろん、新たな作戦を練っていただいても構いません。
　ただし、カマンドゥーラ・コゲットは１体しかいませんので、「ユーベルコードで大食いバトル参加人数を増やす作戦」は不可とさせていただきます。

　しっかりと大食いバトルに勝つための対策を練っていただければ、戦闘は「やっつける」という記述とユーベルコードの指定のみでＯＫです。

　それでは、大食いバトルファイナルラウンド、レディー……ファイッ！！




●開始前にひと暴れ……ってなんで？
「貴様が犯人かー！」
　キマイラたちが突然の叫び声に驚き、叫び声が聞こえた方向に目をやると、そこにはフック付きワイヤーで手近な看板を絡め取り、カマンドゥーラ・コゲットめがけてぶん投げる城田・紗希さんの姿がありました。
　傍から見ると突然暴れ出して看板をぶん投げたようにも見えますが、どうしてこうなったのか、紗希さんの口からその理由を聞いてみましょう。

「牡丹と桜はまだいいよ、動物性の肉だし！」
　猪肉と馬肉を使った肉まんでも口にしていたのでしょうか？　しっかり味付けすれば肉まんのあんとしても美味しくいただけそうですが、おそらく味付けが薄かったのかな？
「途中に小豆入ってたじゃない、あんこは肉チガウ！！」
　どうやらあんまんを途中で取ったようですが、それは単に紗希さんが間違えただけではないでしょーか……？
「すり替えて持っていった肉まんを返せー！！」
　紗希さん、炭水化物トリオやカマンドゥーラ・コゲットが肉まんを持って行ったと思っているようですが、それ明らかに誤解が積み重なった末の濡れ衣だから！！

　検証の結果、うっかりと誤解が積み重なったことで怒りが爆発し、看板が飛んだようですね。
　しかしこの看板、明らかに紗希さんの腕力だけではぶん投げられない重さの看板ですが、テコの原理でも遠心力でもなく、単に追い込まれて瞬間的に怪力を発揮しただけかと。ほら火事場の何とやらと言うじゃないですか。

　もっとも、ぶん投げた看板はカマンドゥーラ・コゲットの居場所から明後日の方向にすっ飛んだ上、別の屋台を直撃して破壊しておりますが。
　……あ、壊された屋台を見てグリモア猟兵が頭痛そうにしている。

●反動を利用できる加護のご利用は計画的に
　一方、暴れる紗希さんを横目に、マイペースで準備を進めているのは夢ヶ枝・るこるさん。
「さて、まだまだ余裕ですし、いただきましょうかぁ」
　鏡の加護の反動で体重がかなり増えたはずなのですが、まだまだ余裕そう。こっそりと女神の加護で鏡の加護の反動を消し、さらに胃腸の消化機能を強化しているのは皆には内緒だよ！
（「問題は「最後に使用回数分の『反動』が纏めて出る」ことでしょうかぁ」）
　反動が出る加護やユーベルコードの使用は計画的に。

　それはさておき、るこるさんの大食い対策は「海苔や卵かけご飯、ふりかけ等で味を変え、楽しむ」作戦。ちょい足し食材作戦とも言いますね。
　海苔といっても、パリパリに焼かれた焼き海苔、味付け海苔、ごま油で風味をつけてある海苔、海苔の佃煮……加工のバリエーションは豊富。
　ふりかけも「のりとたまご」や「カツオ」をはじめとしたベーシックなものから「しらす」や「明太子」などのちょい足し食材の定番のふりかけ、最近だとカレー味とかせんべい味など、変わったふりかけもあるとか？　その種類は枚挙に暇がありませぬ。
　ずらりと揃えた豊富な種類の海苔やふりかけで黙々と釜炊きご飯を食べ続けるるこるさん、どれを加えても美味しそうにいただいておりますが、最も気に入ったのは卵かけご飯。
「醤油や麺つゆ等、味の種類も豊富ですしねぇ」
　最近は卵かけご飯のレシピも豊富。知る限りのレシピを片っ端から試し、その都度至福の表情を浮かべながら食べるるこるさんを見ていると、キマイラたちも幸せな気分に。
「どれだけ食べるつもりなのかしら？　このお嬢さんは！」
　一方で次々と釜炊きご飯を食べ続けられるカマンドゥーラ・コゲットにとっては面白くないようですが……声音が微妙に嬉しそうなのは気のせいでしょうか。

　しかしるこるさん、おこげはどうするのでしょう？
「お湯を入れてスープにしますぅ」
　おこげだけを別の椀に移し、お湯を注ぎ、醤油や塩等で味を調整して、いただきます！
「あ、美味しいですぅ」
　水分で適度におこげが柔らかくなって食べやすくなりました。これにはカマンドゥーラ・コゲットもびっくり。ナイスな対策でした！
「このおにぎりもお茶漬けにするといいですねぇ」
　最後は残ったお湯に粉末出汁を加え、おにぎりを入れてお茶漬けにして締めました。

　……え、おにぎり？
　るこるさん、用意していないよね？

●せっかく握っておいたのに
　ここで少しだけ時間を遡ります。

　看板をぶん投げて溜飲を下げた紗希さん。気が抜けたのか急にお腹が空きました。
「うー、なんかお腹空いた……。なんでかお米あるし、ご飯食べよう……」
　ご飯がある理由もわからず手を伸ばしたんかい！！
　一方でよそって食べてよそって…と繰り返すのは面倒だと感じた紗希さん、おにぎりで事前に量を確保することにして、せっせとおにぎりを握り始めます。
「２０個くらい作ったよね？　そろそろ食べ……」
　……ようとしておにぎりを置いた皿を見た紗希さん、おにぎりが１個しかない皿を見て目を点に。
「なんか減った……？」
　減っていますね。　なぜでしょう？
「しょうがないから、もう少し確保してから食べよう……」
　再びおにぎりを握り始める紗希さん。

　――ひょいっ。

　皿におにぎりを置いた傍から伸びる、謎の手。
　正体は、紗希さんが肉まんの恨みや怒りから召喚してしまった餓鬼ですが……紗希さん本人は気づいていないようで。

　数分後。再び皿を見た紗希さんがあげたのは、驚きと嘆きの声。
「また減ってるーっ！？」
　なかなかおにぎりを食べられない紗希さんの嘆きなどどこ吹く風、餓鬼たちが美味しくおにぎりを頬張っていましたとさ。
　もちろん、紗希さんがほとんど食べられなかったのは言うまでもありません。

　……こっそり１個だけるこるさんが頂戴していたのは、黙っておきましょう。

　ちなみにるこるさん、大食い後に加護の反動がまとめて来たからか、体重が異常に増加してしまい、しばらく動けなくなりました。
　さすがにドクターストップ（？）がかかりましたので、ここで選手交代！！

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●電気炊飯器と釜炊きの違いを比べたい！
　ドクターストップ（？）がかかった猟兵に代わり、新たに大食いバトル会場に立ったのは、榎・うさみっちさん。
「うさみっち様の【大食い】ぢからはまだまだ健在！」
　ふんっ！　とふんぞり返る全長１８ｃｍ弱のフェアリー、なぜか存在感がハンパない！　今回はやきゅみっち達がいなくてうさみっちさんだけなのに、キマイラたちの注目を集めているぞ！
「ご飯の次はまたご飯かーと思ったけど、釜炊きご飯とな！」
　炊きたてご飯怪人のご飯はどうやら電気釜だったようですし、違う味わいが楽しめそうですね。
「我が家も普通に電気炊飯器だから、本格釜炊きはいかなる味わいなのか気になるぜ！」
「いいでしょう、その生意気なお口を釜炊きご飯以外味わえないようにして差し上げますわよ？」
　うさみっちさんの素直な期待を挑発と受け取ったカマンドゥーラ・コゲットの憎まれ口とともに、大食いバトル、再開っ！

　人間サイズの茶碗に盛られた釜炊きご飯は、ふっくらつやつや、かつ米粒ひとつひとつがしっかりと立って自己主張。今にも食べて食べてとうさみっちさんに訴えかけているようで。
　それに惹かれたうさみっちさん、まずはそのまま、一口ぱくり。
「おぉ……！　このふっくら感！　甘み！　絶妙なおこげ！」
　美味しさを素直に褒めるうさみっちさん。作戦ではなく本心ですよ？
「あらあら、褒めても何も出ないわよ？」
　カマンドゥーラ・コゲットは　ごきげんに　なっている！

　ある程度カマンドゥーラ・コゲット……ではなく釜炊きご飯の美味しさを褒めたら、いよいよたくさん食べるための作戦発動！
「色んな雑炊を作っていくぜ！」
　うさみっちさんがどんっ、と取り出したのは、重厚感抜群の土鍋が数個。
　それら全てに釜炊きご飯とお湯と出汁を入れて、しっかりと沸騰させて雑炊に。
　そのままでも十分おいしそうな雑炊に追加するのは、卵にニラ、ネギ、梅干し、鮭、キムチなど、さっぱりして食べやすい具材や、食欲を増進しそうな具材！
　ご丁寧に食材ごとに土鍋を分けて異なる味を楽しめるようにしたり、いくつかの食材を組み合わせて新たな食感と味を楽しめるようにしたり、たくさん食べて飽きないようにするための工夫がこらされて。
　雑炊が完成したら、片っ端からイタダキマス！
「うおおおお美味い美味い美味い！」
　片っ端から雑炊をかきこむうさみっちさんの頬は緩みっぱなし！
「おこげも最初に食べるか後に食べるかで、違う味わいを楽しめる！」
　最初にしっかりした固さを味わうもよし、後で柔らかくなった状態を楽しむもよし。がっつり雑炊を堪能しましたよ！

　しかし、いかに雑炊であっても、食べすぎると消化するまでお腹はパンパンになるもので……。
「あぁら、わたくし、まだまだ平気ですわよ？」
　うさみっちさんがげぷぅ、とげっぷを吐きつつお腹を上にしてばたんきゅーとなっても、カマンドゥーラ・コゲットはまだまだ平然としている！
　さあ、誰か彼女をぎゃふんと言わせる猟兵はいないのかー！？

大成功 🔵​🔵​🔵​

●唐突ですが、バトルの内容が変わりました（変わってない）
　仰向けに倒れて苦しそうにしているピンク髪のフェアリーが担架で運ばれていくのを横目に、榎木・葵桜さんとルーファ・カタラさんの２名が大食いバトル会場へと現れた！
「おっけー、ラスボスさん登場だね」
　と軽く口にする葵桜さんの藍色の瞳は、なぜかカマンドゥーラ・コゲットの胴をじーっと見つめていたり。特に胸とか。
「……ていうかスタイルめっちゃいいのな……」
　葵桜さん、自分の小さな胸に視線を落とし、しょんぼりして。
　その後でカマンドゥーラ・コゲットの大きな胸を羨ましそうに見上げると、妙な対抗意識がめらめらと沸き上がる！　って落ちつけ葵桜さん！
「あぁら、胸の小さい小娘が私とスタイル勝負に来たのかしら？」
　カマンドゥーラ・コゲットよ、お前も煽るな！！
「私、負けない……っ！」
　煽られたことで藍色の瞳に何か（お察し下さい）の炎をめらめらと天高く上がる程にまで燃やし始めた葵桜さん、両手をぐっと握りしめてやる気満々！
　……ってそれもはや違う対決になってるから！？　本筋に戻してお願い！！

　一方その頃、ルーファさんはと言うと。
「炊きたてのご飯ってヤバイくらい美味しそうな匂いがするよね。おこげも美味しいから大好きー！」
　よかった、こちらはちゃんと大食いバトルしてくれそう。
　しかしルーファさん、その傍らに置かれているクーラーボックスの中身は何でしょう？
「好きと言ったら肉！！　と、いうことで今回も肉を持ち込みまーす！」
　蓋を開けたらぎっしりと肉が詰まっている！？　これ全部補助食材ですか！？
「うん、そうだよー！」
　ホント肉好きだね！（２回目）

　と、とにかく、頼みますよ葵桜さんとルーファさん！
　では、大食いバトル、再開っ！

●ちょい載せとがっつり載せでフィニッシュだ！
「そういえば、今回も炊きたてご飯は炊きたてご飯よね？」
　首を軽く傾げる葵桜さん。あ、ちゃんと本筋に戻ってきた。
　そうですね。炊き方が違うだけで炊きたてであることに変わりはないです。
「じゃあ、さっきと同じく、ご飯のお供なちょい載せで行くよ」
　炊きたてご飯怪人との対決は一通りご飯のお供を試したのですが、今回は試した中から豚味噌、味付け海苔、練り梅、おかかの４種類をチョイス。おかず系で美味しく頂く作戦です。
「いただきまーす♪」
　まずは豚味噌をちょっと載せて一口。濃厚な味噌と豚肉との相性はご飯とばっちり！
　続いて味付け海苔。パリッとした海苔と炊きたてご飯との相性は最高♪
　さらに練り梅。酸っぱい味が良いアクセントとなってくれます。
　最後におかか。ご飯のお供の定番中の定番ですが、鰹節そのものの風味と少し甘みのある味付けが最高にマッチするのです！
　ところで、おこげはどうやって食すつもりでしょう？
「これでお菓子っぽく食べるよ」
　葵桜さんが取り出したのは、先ほども食したこしあんと……チョコレート！？
　葵桜さんいわく、お餅に載せたりするから案外合うかも、とのことですが……。
「チャレンジも混ぜつつ楽しんでみるね！」
　なお、パリパリおこげとチョコレートの組み合わせがいかなるハーモニーを奏でたかは想像にお任せします。
「……そこの小娘、ご飯のお供なしで味わってはくれないのかしら？」
　葵桜さんの食べっぷりにあからさまに不機嫌になるカマンドゥーラ・コゲット。そういえば葵桜さん、今回はそのままでは味わっていないような気がします。
　しかし、カマンドゥーラ・コゲットもずっと釜炊きご飯をご飯のお供も何もなしで食べ続けてきただけに、そろそろ限界が近いぞ？

　一方、肉を補助食材として大量に持ち込んだルーファさんは。
「私は肉なら好き嫌いはないよー。みんな平等に好きだよ！」
　その言葉通り、クーラーボックスから出てくる肉は、牛や豚、鶏に限らず、鹿や猪、鴨にヘビ……どれだけあるの！？
「どれも炊きたてご飯にのっけて丼にするよ！」
　早速コンロで肉を調理し、出来上がったら片っ端から丼に盛ったご飯の上に載せていくルーファさん。
　まずは厚切りの牛サーロイン肉でステーキ丼。
　次に豚ロース肉に衣をつけて揚げ、最後に濃厚なソースにくぐらせたソースカツ丼。
　さらに鶏もも肉を一口大に切って焼き、たれで味をつけた焼き鳥丼。
　ほかにも鹿肉を生姜やネギなどの香味野菜と一緒に痛め、濃い目に味をつけた鹿のそぼろ丼。
　……などなど、次々と肉を丼の具材に調理して食していく。
　そもそも牛肉を使う丼だけでも、ステーキ丼やローストビーフ丼、牛丼等。
　豚肉を使う丼と言えばかつ丼、鶏肉を使う丼と言えば親子丼もありますよね。
　鴨肉はさっと焙って載せて食べるだけでも十分美味しいですし。
　ヘビの肉は淡泊と言いますから、少し濃い目に味をつけてかば焼き丼にできますし。
「丼ものは種類が多いから、飽きずにたくさん食べられていいよね」
　その言葉通り、仕上がった丼を口に運ぶルーファさんの表情は幸せいっぱい！
「あー美味しい……！　これはご飯がすすむ！」
　丼に盛られているご飯だけでもかなりの量なのに、それに加えて具材を乗せれば何杯も食べるだけでも厳しいはず。それなのにルーファさんはどんどん丼を食していくのでありました。
　一通りぺろりと平らげたら、最後の締めは牛しぐれでお茶漬け。これもまた美味し。
「お米が美味しいと、どう調理しても美味しいよね！」
「あら、褒めても……何も出ないわよ？」
　ルーファさんの素直な感想に、カマンドゥーラ・コゲットは照れている……？

　ご飯のお供のちょい載せと、肉を丼にするというがっつり載せで挑んだ２人。
　さて、カマンドゥーラ・コゲットは……？
「あなた達、どれだけ食べれば気が済むのかしら！？」
　ドレスで膨らむのを無理やり押さえつけられているお腹をさすりながら出た言葉は、悪態とも降参ともとれるのですが、それは事実上の白旗宣言でよろしいでしょうか？
「……負けたわ、あなたたちの食欲旺盛ぶりにね」
　カマンドゥーラ・コゲットは、白旗を上げて降参したぞ！！

　――おおおおおおおーっ！！

　観戦していたキマイラからの称賛の声が、惜しみなく葵桜さんやルーファさん、そして参加した全ての猟兵に注がれたのでありました。

　ちなみにカマンドゥーラ・コゲットは、葵桜さんの衝撃波を放つなぎなたやルーファさんのサイキックエナジー、そしてどこからともなく振り回されたピンク色の長いお耳でボコスカ叩かれ、骸の海へと還されましたとさ。
「私なんてご飯いっぱい食べても胸大きくならないってのに！　その胸私にも分けてよ！」
　……八つ当たり気味に葵桜さんがなぎなたを振り回していたことは黙っておいてあげましょう、ね？

　おしまい。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2019年11月25日