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勇者の伝説『花の聖女』

#アックス&ウィザーズ #群竜大陸 #勇者 #勇者の伝説探索


●月下にて
 空は宝石箱だった、真珠の如ききらめきを放つ満月と、それを彩る無数の星々が飾られていた。
 地は織物だった。赤、黄、青……鮮やかな色どりの無数の花が咲き誇り、人の手では生まれ得ない文様を描いていた。
 彼女はお姫様だった。星々の宝石も、花々の織物も、全て彼女への贈り物だった。彼女は一人鮮やかなる物の中で踊っていた。
 否、一人ではなかった。彼女の周りには目には捉えられぬ者達がかしずいていた。魔力の高まると言われる満月の晩は、彼女以外にもその姿をかすかに見る事はできた。
『たのしいね、たのしいね』
『ずっといっしょにいようね』
 人ならざる者達の声に、彼女は満面の笑みを浮かべてうなずいた。
「うん! 私たち、ずっと、ずーっと一緒よ!」

●約束は今も
「お願いがあるの」
 彼女はそこまで言葉を紡いでせき込んだ、思わず口を押えた手には生暖かい感触と鉄錆染みた臭い。赤い、吐き出された彼女の命がそこに在った。
 『だいじょうぶ……?』
 『つかれたの?』
 人ならざる者にはその赤い物の意味はわからない。けれど、人ではないからこそ感じ取れる命の輝きが、彼女の中から失われていくのは捉えられていた。
「えぇ、そう、ちょっとだけ疲れちゃったの」
『がんばったもんね』
『いっぱいたたかったもんね』
 瓦礫に腰を下ろした彼女に、人ならざる者達はねぎらいの言葉を投げかける。その周囲には破壊だけがあった。ありとあらゆる建造物は瓦礫と化し、周囲にはおびただしい数の魔物と竜と、そして人だったものが横たわっていた。
「うふふ、そうね、私、頑張ったわよね……いっぱい歩いて、あの人達と一緒に、旅をして、魔物と戦って、海を越えて……ねぇ、お願いが、あるの」
『なぁに?』
『あなたのおねがいなら、わたしたちなんでもきくよ』
 激痛で飛び出しそうになる悲鳴を噛み殺し、彼女は努めて平静であるかのように必死に振る舞って、願いを口にした。
「あのね、貴方達は、私を置いて先に帰ってほしいの」
『……』
『……』
「うふふ、いやね、違うのよ? 私ほら、とっても頑張ったから、いっぱい魔物と竜と戦ったから、ちょっと疲れちゃったの……だから、ここで少しだけお休みしたいの。でもね、故郷のみんなは心配していると思うの、悪い竜を倒せたのかなって、だから、空を飛べる貴方達が先に帰って、みんなに伝えてあげてほしいの。もう、悪い竜はいないんだよ、って安心していいんだよって……ね?」
『ちゃんとかえってくるって、やくそくしてくれる?』
『またあのおかで、いっしょにおどるってやくそくしてくれる?』
「……うん、約束、する……ぜったい、私はかえるから……」
『わかったよ』
『じゃあね、またあおうね、やくそくだよ……?』
 人ならざる者達は彼女の傍から離れた。空を駆け、風に乗り、海を越えてあの大地へ、あの丘へ、彼女の生まれた村へ、その道中、花を撒きながら、彼女達が悪しき竜を倒したことを触れ回りながら。
 そうしてたどり着いた、彼女との思い出の地、花咲き誇る丘で彼らは、彼女の帰還を待った。待ち続けた。
 今も、待っている。

●その『物語』に終止符を
「お手すきの猟兵の皆さん。どうか力を貸してください」
 グリモアベースの一角で、一人の少年が声を上げる。真月・真白(真っ白な頁・f10636)である。オブリビオンか、緊急性のある事件か、と彼の言葉を聞きつけて近づいた猟兵に、しかし真白は首を横に振って否と示した。
「いえ、アックス&ウィザーズ世界の『勇者の伝説』をご存知ですか?」
 猟兵達がかの伝説を調査し始めてからしばしの時が経つ。既知の猟兵も少なくはないが、真白は本を開き改めて概要を説明する。
「かつて帝竜ヴァルギリオスと呼ばれる存在が群竜大陸という大地に存在していました。恐らく現在帝竜はオブリビオンフォーミュラーとして蘇り、同時に群竜大陸も復活していると思われます」
 かの竜は群竜大陸へと赴いた数多の勇気ある冒険者達によって討たれた。その多くは沈みゆく群竜大陸と運命を共にし、生きて帰る事は無かったという。そして人は彼らを勇者として讃える様になった。
「各地にそんな勇者たちの逸話や遺品、あるいは本人が残した伝説などがあります。それらを調査することで群竜大陸へ至るより詳しい情報等が得られるかもしれません」
 今回調査してほしいのは『花の聖女』と呼ばれる者の伝説だ。彼女は幼少の頃から普通には見えない存在、妖精が見えていた。そして故郷の村近くの丘で妖精達と戯れていた。
 村が魔物に襲われたのを妖精達の力を借りて撃退した事をきっかけに、大好きな故郷と花の丘を守る為に妖精達と共に旅だったという。
 仲間と共に彼女は群竜大陸へと渡り、そして妖精達だけが帰ってきた。
「花の聖女は、妖精達に『必ず帰るから先に帰っていてほしい』と言ったのだそうです。妖精達は今もそれを信じて花の丘で彼女を待っているのだとか」
 彼女の故郷である村は今でも近くに存在し、帰らぬ花の聖女を待ち続ける妖精達を想って、特定の日に祭りを開くのだそうだ。彼女と妖精達が出会ったとされる、ある時期の満月の晩、村人達は広場で思い思いの歌と踊りを披露し、妖精達を慰めるのだという。
「今日が丁度その祭りの日になります。村のすぐそばへ送りますので、その祭りに参加しながら村人から、花の丘と妖精達の事を聞きだしてみてください」
 事前調査の後は実際に花の丘へ向かい調査を行ってほしいと真白は続ける。
「それがどのような終わりとなるかは、皆さん次第ですが。今宵が聖女を待ち続ける妖精達の『物語』の終幕となるでしょう。どうかみなさん、よろしくお願いします」
 願わくば、それが幸せな結末であるように。その言葉と共に真白は本を閉じ、猟兵達に深々と頭を下げるのだった。

●その日、村では
 村は沸き立っていた。年に一度の祭り、この時は村人だけではなく、村の外からも旅人や行商人が多く訪れる。それは、普段娯楽の少ない村人にとっての楽しみの一つだった。
 少女は鼻歌を立ながら、村の一番大きな通りに並ぶ屋台を友人と共に冷やかしている。
「それって聖女様の子守歌?」
「そーそー」
「今年はアンタが歌う役だもんねー、全然聖女様って感じじゃないけど!」

 村に唯一の酒場、普段は仕事終わりにささやかな宴が行われるそこは、今日は特別だとばかりに日の高いうちから酒が酌み交わされていた。だが、誰もが笑いあう中で、カウンターの端に座る一人の青年だけは浮かない顔つきだった。壮年の店主は声をかける。
「学者先生、大丈夫かい?」
「伝説の花妖精の聖女の丘……他の地域では見られない植物があると言うので何とか見て見たかったんですが、まさかたどり着くことすらできないとは……」

 南の端にある一軒家。裏庭には小さな花が咲き誇る。その花と、その先にある花の丘を一望できる場所に孫に見守られながら老人が腰かけていた。
「かえってきたんじゃ、せいじょさまは、かえってきたんじゃ」
「爺ちゃんすっかりボケちまって……」


えむむーん
 閲覧頂きありがとうございます。えむむーんと申します。

●シナリオの概要
 日常、冒険、集団戦というシナリオフレームでアックス&ウィザーズ世界の勇者伝説を探っていただきます。
 今回皆さまに調査していただきたいのは、妖精と仲良しだったという一人の女性についてです。
 第一章では彼女の故郷であるとある村で、彼女と妖精を想って始まったとされるお祭りに参加していただきます。
 到着するのは午後のまだ明るい時間帯です。村の大きな通りに屋台が用意されていたり、中央の広場には美しい花壇と、踊る為のスペース。そして歌を歌う為のステージが用意されています。
 そのまま日が暮れるまで祭りは続き、夜まで歌や踊りを楽しんで、程よい時間になったらお開きという流れのようです。
 プレイングに記載していただければ、登場する時間帯は指定できます。

 第二章では彼女と妖精の大切な場所であり、今でも妖精がいるとされる『花の丘』へ向かいます。道中には何らかの障害が待ち受けているようです。

 第三章では花の丘にて妖精達と戦っていただきます。今回登場する妖精達はオブリビオンではなく、現在も生き続けている存在ですが、妖精達にとって不可侵である花の丘への侵入者は排除対象となってしまいます。

●このシナリオ限定のギミック
 情報収集。
 今回は向かうべき場所等は最初から判明しています。ですので第一章では一切情報収集を行わず、ただひたすらにお祭りを楽しんでも、第二章以降で問題になる事はありません。

 情報共有。
 調査をするシナリオですので、第一章で得られた情報は必ず他の参加者様にも共有されます、秘匿する事はできません。第二章以降からの参加者様にも基本的に共有されているものとします。
 ただ、何も知らない状態のロールプレイをしたい方の場合は、その旨をプレイングにご記載いただければ、そのように判定させていただきます。

●合わせ描写に関して
 示し合わせてプレイングを書かれる場合は、それぞれ【お相手のお名前とID】を明記し、なるべく近いタイミングで送って頂けると助かります。
 それ以外の場合でも私の独断でシーン内で絡ませるかもしれません。お嫌な方はお手数ですがプレイングの中に【絡みNG】と明記していただけるとありがたいです。

 それでは皆さまのプレイングをおまちしております、よろしくお願いします!
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第1章 日常 『ダンス!ダンス!ダンス!』

POW   :    力強くパフォーマンスする

SPD   :    自身のテクニックを生かす

WIZ   :    伝統的な踊りを舞う

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クリストファー・ブラックランド
長命な妖精がうっかりヒトと約束しちまうとこうなる……んだろうな。
同胞……てなワケでも無いが、同じ妖精種として何とか出来ればいいんだが。

■祭り
それはそれとして、おっさんとしてはダンスすんのはちょっとしんどいので酒場に突き刺さって村人と飲もうか。

学者先生が居るっぽいし、店長やら村人相手にちょいちょい情報収集でもしよう。

花の聖女とその妖精について。
聖女のシンボルマークというか、象徴的な物品、遺産等。
丘って今どんな感じ?
普段から丘はこんな感じで入れないの?みたいな。

おっと、グラスが空いてるぜ。店長も祭りだしちょいちょい飲もう。
情報料ってわけじゃねえが、ヒト数人分のメシでも頼もう。
みんなで食おうぜ。



●盛り上がる酒場
 人が行き交う様子を眺めながら、クリストファー・ブラックランド(ホロウブラック・f04805)は花の丘に今もいるという妖精を想った。
「長命な妖精がうっかりヒトと約束しちまうとこうなる……んだろうな」
 そんな彼もまた人ではない。整った顔立ちをしているが、その身長は30cmも無いフェアリーだ。だからだろうか、「同胞……ってわけでも無いが」と言いながらも妖精達の境遇に何か出来る事があればと考えていた。
「それはそれとして、おっさんとしてはダンスすんのはちょいとしんどいな」
 そう、フェアリーという見た目、何よりその顔立ちから想像しづらいが、クリストファーはれっきとした成人男性、それも次の春が来る頃には40代の地平が拓ける年頃なのだ。中央広場のダンスは少々御免こうむりたい、とフラフラしていた所に酒気を帯びた空気が彼の鼻を突いた。見ればそこは中央とはまた別の賑わいを帯びた酒場だった。
 クリスファーは、偶然と出会いと縁結びを司る(と彼が主張する)神へ簡単な感謝の祈りを捧げて飛び込んだ。
「我らに偉大な安息たる酒をもたらした酒の神に感謝」
「おう、後は聖女様にもだぜ坊さん! 何せ聖女様のお蔭で、俺たちゃ今日は昼間から酒を飲んでもカアちゃんにどやされねぇんだ!」
 クリストファーの祈りの言葉に付け足した酔っ払いの言葉に、周囲の酔っ払いは次々に同意をしながら最後には大笑いをあげる。無論、いかに祭りの日といえど、泥酔するほどに呑めば雷が落ちる末路は同じなのだが、今の彼らに怖い物はないのだ。
「おっと、グラスが空いてるぜ。店長も祭りだしちょいちょい飲もう」
「あぁ、こいつはすみませんね」
 酒場に足を踏み入れた時、店内の酔っ払い達はクリストファーにやや不審な顔を向けた。お綺麗な聖職者然とした兄ちゃんがこんな所に何の用だ、と言った所だ。
 だがそんな不信感は夏場の氷のように一瞬で溶けて消える。普段から色々な種類の神の教えを説くクリストファーの鍛え上げられた話術と気前よく奢られる料理ですっかり気に入られていた。。酔っ払いにとってこの世で最も親愛すべき者は酒を奢ってくれる者であり、次いで親愛すべき者は飯を奢ってくれる者、最後に愉快な事をしたり話す者なのだ。
 もちろんそれはただの善意ではない。クリストファーはそうやって親しくなった酔っ払い達から聖女の事について聞き出していたのだ。
「遺品かぁ……つっても村を救ってくれる前はただの娘っ子だったそうだし、結局兄弟もいなかったからそのまま家も途絶えちまったって話だ」
「シンボルっつーか、花が好きだったんだけど、特に好きな花があったつー話なんで、それを祭りの時は飾る事が多いぜ」
「丘? あぁ丘はなぁ、昔聖女さんが村を守った時の名残とかで、不思議な草に邪魔されて近づけねぇんだよ。ほれ、あのカウンターの隅っこの、あれ街から丘を調べに来た学者先生なんだが、護衛に付けた冒険者が軒並み倒されて逃げ出しちまったんだとさ」
 こうして青年に狙いを定めたクリストファーは、マスターに酒を奢りながらうなだれた青年の隣に座ったのだ。
「ほら、あんたも」
「これは、すみませんありがとうございます」
 クリストファーが聞きだした青年の素性は植物学者だった。青年によると、この村が魔物に襲われた時、聖女は妖精の力を借りて植物を動かし撃退したのだそうだ。そうして魔物と戦う術を持った聖女は冒険者として妖精と共に村を出た。その時、その植物達は人間を守り村と丘を守っていた。しかし妖精だけが戻ってきた後、妖精達が村の周りのそれを解除し、花の丘の周りは魔物だけでなく人も動物も近寄らせないようにしてしまったの帰ってくるいう。
「聖女は帰ってくると約束したから、それまで大切な場所には誰も近づくな、ということだったらしいです。その結果あの花の丘は動物だけでなく花の種なども入り込めなくなっているのです。つまり、あの丘の植物は、遥か昔から隔絶されていて、外の種との交雑を起こしていない、非常に貴重なものなんですよ」
 まぁ聖女でもない私では近くで調べる事ができないんですが、と青年は再びがっくりとうなだれてしまうのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴァリアクルス・プロディクト
妖精と花の聖女……エルフとしてもクレリックとしても気になります。
踊りは得意ではないですが、エルフ流の魔法をお見せしましょう。UCで花びらを舞わせれば、下手な踊りでも見栄えはよくなるはずです。(もちろん、誰も傷つけないようにコントロールしますよ!)

……と同時に、シーフの技術で聞き耳を立てて、お祭りの催しを聞きつけます。
どうやら、女の子が聖女役になって歌を歌うみたいですね……彼女とお近づきになれば、歌の由来や内容を教えてもらえるかも知れません。
「聖女様と妖精の話を聞かせてもらえますか? 怖いお話では……ないですよね?」

【踊りと情報収集が前後しても構いません。他のPCとの絡みがある方が嬉しいです】


アテナ・アイリス
花の聖女のことについて、いろんな方に話を聞いていきますわ。
「誘惑」「存在感」「コミュ力」を使って、広場にいる村人達に話しかけて、伝説についてよく知っている人を紹介してもらいます。
花の聖女が妖精に本当に伝えたかった思いを含めたサーガを子守歌のリズムをベースに作ります。
UC「ファスシネート・ソング」を使って、オルフェウスの竪琴を引きながら夜のステージで披露しましょうか。

「花の聖女について、詳しい人を教えてほしいの」
「聖女様の子守歌って、どんな歌か聞かせてもらえないかしら。」
「聖女様ってどんな方だったんですか。」
「花の聖女の思い、私が必ず妖精たちに伝えますわ。」

アドリブ・連携好きです



●連れ立つエルフが二人
「妖精と花の聖女……エルフとしてもクレリックとしても気になります」
「えぇそうね。私もそこに語り継ぐべきサーガがあるのなら是非知りたいわ」
 ヴァリアクルス・プロディクト(泣き虫クレリック・f08857)とアテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)は連れ立って大通りを広場へ向かって歩いていた。というのも、二人とも広場で調査を行おうと考えていたからなのだが、それだけでなく、広場へ向かうと言った矢先にヴァリアクルスが明後日の方向へ歩き出したからでもあった。それをアテナが慌てて引き留め共に向かう事にしたのだ。
 今も周囲の屋台を物珍しそうにきょろきょろと見回すヴァリアクルスは、ともすればふらふらと何処かへ歩いていこうとする。
「ヴァリアクルスさん、そちらではないですよ」
「あっ、ごめんなさい」
 そんなやり取りをしながらも二人のエルフは村の中央広場へたどり着く。まだ日の沈む前ではあるが、軽快な音楽が流れ人々は思い思いに踊りを楽しんでいた。
「さて、それでは私は踊っていない人達に話しかけて、伝説についてよく知っている人を紹介してもらいますね」
 アテナが言えばヴァリアクルスは首肯する。
「ぼくは踊りに参加しながら聞き耳を立ててみますね」
「わかりました、ある程度時間が経ったら合流して情報を共有しましょう」
 二人のエルフはそうして各々人込みの中へと入っていった。

●聖女様の子守歌
「こんにちは、素敵なお祭りね」
 アテナは優しそうな笑みを浮かべながら、踊りを見物している村人に話しかけた。振り向いた村人はそのままアテナに釘づけになってしまった。宝石のように美しい瞳、金糸で出来ているかのような艶やかでなめらかな髪、白い肌には化粧が施されていて、それがまた、激しい主張をするようなものではないのに、白い肌の上で見事な調和を生み出し、アテナに強い魅力と存在感を与えていた。
「あ、あぁ、旅人さんかい? お祭りの観光?」
「えぇそんな所よ。ねぇ、このお祭りは花の聖女という方に纏わるものだそうだけれど、聖女について詳しい人がいたら教えてほしいの」
「詳しい人かぁ……」
 村人はちらちらと横目でアテナを盗み見ながら、腕を組んで考える。曰く、聖女が生きていたのは遥か昔であり、今の村にいる老人でも世代が違って会った事は無い。また旅立つ前のいくつかのエピソードはあるが、具体的にどんな事を旅先で為していたのかは、後の世に吟遊詩人が歌う物くらいでしかわからなかったのだそうだ。
「だからまぁ、今村で一番詳しいっていうなら、聖女様の子守歌を教えてくれる村長さんか、村長さんに習った今年の歌い役の子じゃねぇかなぁ」
「聖女様の子守歌?」
「あぁ、昔聖女様がこの村を守った時に歌った不思議な子守歌なんだとさ。村長は忙しいかもしれないが、歌い役の子なら夜にここで歌うことになってるから、ここでまってりゃそのうちくるよ」
 よかったらそれまで俺とお茶でも、と続ける村人に丁寧に礼と断りの返事をしたアテナは肩を落とす村人を残してその場を離れる。その後数人にも聞き込みをしてみたが、大体が同じ反応。
「こうなると、その歌い役の子にあってみるしかないわね」
そう結論付けたアテナは歌い役の少女に接触するため、容姿を訪ねはじめるのだった。
 一方そのころ、ヴァリアクルスは踊る人々の輪の中にいた。彼自身が得意ではない、と言う通り、専門的な踊り子などに比べてしまえば確かに劣るものではあったかもしれない。が、それを言えば周囲の他の踊っている者達も、この村の者でも、ヴァリアクルスのような外から来た客でも、大体は似たり寄ったりなのだ。なによりも祭りの場で共に踊るという連帯感、高揚感の前では多少の技量の差など誰も気にはしていなかった。そして彼には隠し玉もあったのだ。
「エルフ流の魔法をお見せしましょう……赤い薔薇の香りに包まれて、愛という名のダンスをしよう……」
 囁くような詠唱と共に己の異能を励起させる。そして懐から聖水の小瓶を取り出すと、蓋を開け中身を空中にばら撒いた。途端に、まき散らされた聖水は赤い薔薇の花びらへと姿を変え、ゆっくりと舞い散っていく。
 ヴァリアクルスの異能、『薔薇華円舞(バラノワルツ)』だ。本来は敵を傷つける為の薔薇だが、術者である彼が敵と認めぬ者を襲う事は決してない。故にこの場においては見事なパフォーマンスとして機能していた。
「うおおお、手品か、すげーぞねーちゃん!」
 観客からの声援に、「(お姉さん、じゃないですよ)」と心の中で抗議を上げつつ、手を振って応えるヴァリアクルス。その耳はシーフとして培った技術で周囲に聞き耳を立てていた。そして少女たちの気になる言葉を拾い上げる。
「(どうやら、女の子が聖女役になって歌を歌うみたいですね……彼女とお近づきになれば、歌の由来や内容を教えてもらえるかも知れません)」
 そう結論付けたヴァリアクルスは、アテナと合流し歌い役の少女に声をかける。
「聖女様と妖精の話を聞かせてもらえますか? 怖いお話では……ないですよね?」
「聖女様の子守歌って、どんな歌か聞かせてもらえないかしら」

●聖女の想い
 時は進み、太陽がその最後の輝きを西から伸ばす夕暮れも過ぎ、夜が訪れる。広場には灯りが用意され、いよいよ祭りのフィナーレとなった。
 花の聖女をイメージした衣装に身を包んだ歌い役の少女が登壇し、演奏者達は打ち合わせ通りに古くから伝わる音色を響かせ始める。
「―――♪」
 散々練習した歌で喉を震わせながら、少女は数刻前に会った二人の旅人を思い出していた。
「聖女様ってどんな人か、かぁ……」
 二人は花の聖女と妖精について、特に聖女がどんな人柄だったかを聞いてきた。
「私も、そんな詳しいわけじゃないわ、そもそもちゃんとした資料っていうの? そういうのがあるわけでもないしね……ただ……」
 自分の中に湧き上がってくるものを、表す的確な言葉を探して、少女は体を揺らしながら考える。そうしてひねり出した言葉、それは、「約束を大切にする」だった。
 花の聖女等と伝説になった人物だが、元々はこの村の、ごく普通の少女だったのだ。妖精を友として、その力を借りて魔物を退散させることが出来たといっても、只の村娘なのだ。危険な冒険になど出かけたいと思うだろうか?
 自分は村の外から人が沢山来る今日のお祭りは楽しみだった。それは、村にはない外の世界の未知と触れ合えるわくわくがあったからだ……けれど、それは男の子が憧れるような、血沸き肉踊る冒険譚ではない。
 聖女はもしかしたら男の子の様に冒険に憧れていたのかもしれないが……もしそうじゃなくて、自分と同じような感性だったとしたら、何故恐ろしい魔物と戦う冒険にでようとしたのだろうか……それは、妖精達と『ずっと一緒にいよう』と約束したからではないか。
 自分には想像もつかないが、当時は恐ろしい竜と魔物のせいで大変な時代だったと聞く。実際この村はその時に襲われている。妖精達とずっと一緒に暮らしていくためにも、竜を退治しなくてはと思ったのかもしれない。
「いやまぁ、全部私の妄想なんだけどさ……でも、そういう人だったんなら、最後に妖精とした必ず帰るって約束も、妖精を納得させるための嘘とかじゃなくて、本気で最後の瞬間まで帰ろうとしてたのかな、なんて思ったりするのよ」

●サプライズ
「~~♪」
 歌が終わると、割れんばかりの拍手が響く。大役を果たした少女はほっと息を吐き安堵しながらも、広場に集まった者達へ礼を返す。
 拍手が収まるのを待って口を開く。
「ええと、みなさんありがとうございました。それで、ですね……実は、ちょっとサプライズがあります」
 少女の言葉に集まった者達は一体何の話だと首をかしげる。
「今日、この村に来てくれたある人が、聖女様の子守歌の音楽で聖女様の物語を新しく作ってくれたの。それで、今ここで披露してもらいたいと思います……アテナさん、お願いしまーすっ」
 少女に呼ばれてアテナが登壇する。聖女を模した衣装ではない。何故なら彼女は勇者になるのではなく、勇者を見守りそのサーガを後世に伝える事を使命とする者だからだ。
 その腕には透き通った水の様な色をした竪琴を携えたアテナは、壇上から集まった者達へ笑みを投げかけると、竪琴を奏でながら語り始める。途端に赤い薔薇が彼女の周囲を舞い踊る。
「『これは、とある時代、とある場所の物語』……闇に閉ざされた混迷の世という嵐に翻弄されながらも、燦然と輝く命の花を咲かせた少女の物語……」
 朗々と語りあげながら、アテナは花の丘を見つめる、月明かりの下、様々な色の花が咲き誇っているのが見える。
「(花の聖女(あなた)の思い、私が必ず妖精たちに伝えますわ)」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『食獣植物の花畑』

POW   :    蔦を駆逐しながら花畑を突破する

SPD   :    食獣植物の蔦を搔い潜り、花畑を駆け抜ける

WIZ   :    食獣植物を見分ける方法を探り、安全な道を探し出す

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●只一人の見送り
 今年も花の聖女の祭りは大成功に終わった。
 家や宿へ戻り余韻に浸りながら夢へと旅立つ者、年に一度だからと朝まで飲み続ける者、大切な誰かと寄り添い合う者、偶然ただこの瞬間に居合わせたという縁を楽しむ者……様々な在り様を見せる村の中で、唯一村を出ていこうとする影があった。猟兵達である。
 夜も過ぎ、満月が中天へ差し掛かろうかとする頃合い。村の南端となる一軒家を猟兵達は通り過ぎる。花の丘を望む裏庭には、村の中でそこだけに群生している小さな花々があった。とある世界においては、シロツメクサ、あるいはクローバー等と呼ばれる物だ。その白き花はそよ風に吹かれ靡く、まるで猟兵達に何かを期待するかのように、声援を送るかのように、見送っていた。

●拒む心
 猟兵達が村を出て花の丘へ近づくと、明らかな異常が現れた。何の変哲もないただの草にしか見えなかったものが、意志を持つように蠢く。それは風に靡くのとは明らかに異なる動き、近づいてきた猟兵達を拒むかのように、敵意を見せるかのように伺っている。
 恐らくはこれが、妖精達が施した守りの術。聖女との大切な場所を何人にも、他の地域の植物にすら踏み入らせたくないという、妖精達の純粋な想いの結晶だ。
 植物学者の青年が雇った冒険者は、この動く植物達に手も足も出なかったのだろう。とはいえ猟兵達ならば、実力行使で道を切り開くことも可能ではありそうだし特に問題はなさそうだ。
 だが、何か他の手段もあるかもしれない。猟兵達は改めて各々が集めた情報を共有し合い、如何なる手段でこの障害を突破するかを考えるのであった。
アテナ・アイリス
わたしたちは戦いに来たんじゃないの。お願いここを通してほしいの。
事前に、シロツメクサを使って、花かんむりを作り、頭にかぶっていきます。
UC「ファスシネート・ソング」を使って、聖女様の子守歌を歌い、敵ではないことをしめしたうえで、敵意がおさまるのを待ちます。
力技で突破することは簡単だけど、それは本当に最後の手段にしたいの。

「なんとしてもここを抜けて、妖精たちに会わないといけないのよ。」
「あの村に伝わる歌なら、思いが伝わるかもしれないわね。」
「おねがいよ、花の聖女の事で話がしたいの、お願いだから通して。」

アドリブ・連携好きです


ヴァリアクルス・プロディクト
植物を保護したいのも山々ですが、明らかに魔法によって変質した植物です。放っておくと、あまりよい結果に葉ならないでしょう。
食獣植物の攻め手には、二通り考えられます。ひとつは、強い力で絡め取ること。もう一つは、毒で力を奪うこと……というわけで、ぼくは毒の対処を優先します。

幸い、神の加護によってぼくには高い【毒耐性】があります。魔法の障壁で身を守れば、やられることはないでしょう。そして、傷ついた仲間には順次ユーベルコードで回復と解毒をしていきます。あとは、目的地にたどり着くまで協力して草刈り、ですね。

……もし毒だけでなくちからづくで身動きを封じてくるようなら……他の猟兵が助けてくれますよね、きっと。


クリストファー・ブラックランド
遺品でもあれば埋めてやろうかとか、楽に侵入出来るかと思ったけど甘くねえか。

なら、古典だ。……鍵が無ぇなら合言葉しかねえな。
祭りで散々聞いた、聖女の子守唄を歌ってみるか。
伝承になって、この異常な丘が今でも続いてるのなら試した奴は居るかもしれねえ。
でも、聖女の気持ちに沿うなら「妖精に会いたい」という気持ちが有れば案外イケるんじゃねえかな。聖女どころか男でしかも妖精だが。
……女装しとけばよかったか?

ま、開かなくてもアレだ。
その歌に反応する植物が居たら、その種の植物が丘の防衛装置なんだろ。
視力で確認して、葉や花の特徴を共有して警戒促すぜ。

武装はダガーを備えておく。味方が蔦に絡まれたら切り払って救助だ。


木元・杏
空は満月

花の丘に向かう間に見た白い花の庭
月に照らされてそこだけあかりが灯ってるみたい
シロツメクサの花言葉は、約束…

皆から教えてもらったお祭りの様子も思い起こし
真っ直ぐに動く植物を見つめて

……うん、大切な場所
待ってる人はただひとり
わたし達、その人のことを伝えたいの

【絶望の福音】で蔦の動きを予知し
当たらないように見切り
避けられないものは
小刀にした灯る陽光からのオーラを纏ってオーラ防御で受け止める

進みながら花の聖女さまの子守唄を口ずさむ、
ね、知ってる?この歌
もし、植物が少しでも動きを止めたら
そっと手を伸ばし、祈りを込めて触れてみる

ずっと聖女さまを待っている妖精達
あなた達に会いたい

お願い、通して?



●聖女の子守歌
「遺品でもあれば埋めてやろうかとか、突破するための鍵になる物でもあれば楽に侵入出来るかと思ったけど甘くねえか」
 蠢く植物の群れを見たクリストファーはそういいながら油断なくダガーを構える。その隣で一歩前に出たのはヴァリアクルスだった。
「植物を保護したいのも山々ですが、明らかに魔法によって変質した植物です。放っておくと、あまり良い結果にはならないでしょう」
 そういうヴァリアクルスの顔色は優れない。他者を傷つける事を恐れる彼にとっては、この動く植物も出来る事ならば害したくはないのだろう。
「食獣植物の攻め手には、二通り考えられま……危ない!」
 ダガーに敵意を感じたのか、クリストファーへ向けて葉が飛んでくる。ヴァリアクルスは咄嗟に腕を伸ばしてクリストファーを庇う。
「っ!」
 ヴァリアクルスの袖口から覗く白い肌に僅かな傷が付き、赤を滲ませる。裂傷による痛みと共に、異様な熱を感じた彼は仲間に警告を伝える。
「これは、毒です。やはり毒で力を奪おうとするようです。ぼくは毒の対処を優先します!」
 植物は更に毒葉を飛ばすが、ヴァリアクルスには神の加護による毒の耐性がある。加えて魔法の障壁で身を守る事で安全を確保しながら毒葉の盾となっていた。
「神よ、このものの傷を癒やしたまえ」
 万が一彼を避けて他の猟兵が傷つけられたとしても、すぐにヴァリアクルスの口から聖句が唱えられ、その傷を癒す。万全の防御態勢だ。
「あとは、目的地にたどり着くまで協力して草刈り、ですね」
「(……でも、もしぼくの考えた通りならこのままではいかないはず)」
 しかしヴァリアクルスにはまだ一つ懸念があった。そしてそれは彼自身の身に降りかかる事で実現してしまう。
「うわああっ!?」
 不意にヴァリアクルスの身体が浮遊感に包まれる。いくら足をけっても空をかくばかりで地につかない。毒葉を阻まれ続けて業を煮やしたのか、ヴァリアクルスが要である事を判断できたのか、足元から密かに伸びた蔓が彼のの身体を縛り上げ宙吊りにしたのだ。
「くっ、やっぱり、もう一つの攻め手を行ってきましたか」
 物理的に締め上げられてはヴァリアクルスの毒耐性も通じない。さらに彼の獲物は鈍器なため蔓を斬る事も出来ない。しかしヴァリアクルスは慌ててはいなかった。
「させねぇっ!」
 矢の様に飛んだクリストファーがダガ―を一閃する。目にもとまらぬその素早い一撃は、瞬く間にヴァリアクルスを縛り上げていた蔓を切り裂き助け出す。
「うわっ!」
「おっと、大丈夫ですか?」
 支えを失ったヴァリアクルスはそのまま地面へと落下する。地面に激突する前に彼を受け止めたのは小柄なフェアリーたるクリストファーではない。アテナだ。
 ヴァリアクルスによって両手の塞がったアテナ、そんな二人を好機と見たか蔓が襲い掛かる。クリストファーは間に合わない。その蔓を防いだのは四人目の、新たな猟兵、木元・杏(微睡み兎・f16565)だった。
 杏の手には光が在った。白銀の煌きが夜の闇を切り裂けば暖陽の彩が花弁の如く舞散る。
 杏は異能の力で迫りくる全ての蔓が描く軌道を把握し、それを凌ぐ。その傍らで金色の瞳を細める。
 脳裏に浮かぶのはここに来るまでの事。村のはずれにあった白い花の庭。月に照らされそこだけあかりが灯っているように思えた光景。
 そして、他の猟兵から教えられた様子を思いながら杏は動く植物を真っすぐに見つめる。
 何度避けられ、受け止められても、蔓が諦める気配はない。まるで何かに怯える様に、大切な場所を奪われんとするかのように、必死の抵抗を見せているように杏には思えた。
「……うん、大切な場所。待ってる人はただひとり……わたし達、その人のことを伝えたいの」
 杏は蔓の猛攻を避け、受け流してきた。その手に携えた白銀の光は、彼女の意思に応じていくらでも鋭利な刃となるものだ。だが今その光の刃は蔓の攻撃を受け止めるのみ、彼女はまだ一本の蔓も傷つけてはいなかった。
 アテナもまた、植物を傷つけたくないと思っていた。力技で突破することは簡単だが、それは最後の手段にしたいと思っていた。 
「なんとしてもここを抜けて、妖精たちに会わないといけないのよ。花の聖女の事で話がしたいの、お願いだから通して」
 蔓を避けながら訴えるアテナの頭頂にはシロツメクサの花かんむりがあった。道中で見つけた花壇の花に何か引き付けられるものを感じ、家人の許可を得て分けてもらっていたのだ。
 勇者の行く末を見届ける事、それを己の存在意義に位置付けるアテナにとって、花の聖女という勇者の行く末を見届ける為には、なんとしても彼女の想いを妖精に伝えねばならない。
「あの村に伝わる歌なら、思いが伝わるかもしれないわね」
 そういうと竪琴を取り出し、聖女の子守歌を奏で歌い始める。

 さあさ さあさ おねむりなさい
 さあさ さあさ おねむりなさい

 同じ事を考えていた猟兵がいた。クリストファーと杏である。クリストファーは史跡や遺跡を巡るトレジャーハンターとしての知識とカンを働かせ、一つの仮説を立てていた。
「子守歌が伝承になって、この異常な丘が今でも続いているのなら試した奴はいるかもしれねぇ」
 しかし丘の封印が解かれたことはない、では間違っているのか? 否、歌を歌うだけでは足りないのだ。
「聖女の気持ちに沿うなら『妖精に会いたい』という気持ちが有れば案外イケるんじゃねぇかな」
 聖女どころか男でしかも妖精だが……女装しとけばよかったか? 等と軽口を叩きながらも、クリストファーもまた、アテナに合わせて聖女の子守歌を歌い始める。

 まあるい おつきが みおろしているよ
 きれいな おはなが ささやいているよ 

 杏もまた、ゆっくりと前に進みながら子守歌を口ずさむ。

 よるは わたしの じかん
 よるは ひみつの じかん


「(ね、知ってる? この歌)」
 動きを止めた蔓にそっと手を伸ばし、祈りを込めて触れる。
「(ずっと聖女様を待っている妖精達。あなた達に会いたい……お願い、通して?)」

 こどもも まものも おねむりなさい
 おとなも りゅうも おねむりなさい

 三人のユニゾンした歌声が響く中で、ヴァリアクルスは歌うことをしなかった。とはいってもそれは三人の行動に反対したからではない。草は刈り取らないといけないかと考えていたのは確かだが、彼も保護できるならしたいと思っていたのだ。
 彼が歌っていないのは仲間達を万が一の危険から守る為だ。腕に覚えのある仲間達だからそこまで心配する事でもないが、それでも気持ちを込めて歌いながら十全の戦闘行動がとれるとは限らない、そんな彼らをヴァリアクルスが守り癒せる状態にあるからこそ、彼らは安心して歌に専念できるのだった。
 そういう状態だったから、その変化にいち早く気付けたのはヴァリアクルスだった。アテナの花かんむりのシロツメクサがほのかに光った……ように見えた。その次の瞬間。先ほどまで激しく動いていた蔓や毒葉がその動きを緩慢なものへと変えた。そしてゆっくりと左右に引いていく。まるでそれは主の帰還に、従者たちが立ち並んで出迎えるかのよう。
「……行こう」
 それが誰が発した言葉だったかはわからない。だが思いは皆同じだった。行こう、あの丘へ、待ち続ける妖精に会うために。
 猟兵達は開かれた道を真っすぐに進んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『花と星の妖精』

POW   :    花を操る
自身が装備する【色とりどりの花】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
SPD   :    森の恵み
【食べると幻覚が見えるキノコ】【硬く巨大なきのみ】【どっしりと実った果実】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    星詠み
【占い】が命中した対象に対し、高威力高命中の【様々な結果】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​


 猟兵達は遂に花の丘へとたどり着いた。
 月光に花々が照らされるその場所には、二体の妖精が漂っていた。
『だれ?』
『だれ?』
『あのこじゃないよ』
『あのこじゃないのにはいってきちゃだめ』
『やくそくしてるんだから』
『あのこがかえってくるんだから』
『ここはあのことぼくたちのばしょだから』
『あのこがかえってこないのにきちゃだめ』
 二体の妖精は怪しく輝く、すると周囲の花々から同じ姿の妖精達が無数に溢れだす。
 これだけ妖精がいたのか? 否、これは花の妖精の力、花は地上に姿を見せたその葉や花弁を摘まれたとしても、地面に根付いた部分が生きていれば再び花を咲かせることもあるという。
 最初に居た二体の妖精こそが本体であり、現れたのはその要請にとっての一部分でしかないのだろう。
 本体妖精は分裂妖精達を維持するためにか動く様子は無い。力も消費しているようなので、恐らく分裂した妖精達を倒しきれば抵抗は出来ないだろう。
 また、分裂妖精の数を減らす間も、本体妖精に言葉を投げかける事も出来るだろう。
 本体妖精をどうするか、猟兵達がどのような決断を下すにせよ、彼らの『物語』の終わりはもう目の前に迫っていた。
ヴァリアクルス・プロディクト
聖女の帰りを待つうちに、あまりに長い時が過ぎてしまったのでしょうか。悲しいですね……いえ、憐れみでは解決しません。真実を伝えなければ。
自分と仲間の身を守ることに専念しますが、大事なのは彼らの気持ちを聞き出すことです。
少し強引ですが、ぼくのユーベルコードの鎖で妖精を捕らえて、話を聞き出しましょう。
「本当は、彼女が帰ってくることはできないとわかっているのではないですか?」
反撃を受けるかもしれませんが、甘んじて受けましょう。真実を知ることの痛みを、彼らと共有することができますから。


クリストファー・ブラックランド
戻るべき人がもう戻れない以上、何らかの決着は着けるべき、だろうな。

■スタンス
分身体の様子を見た上で本体はギリギリまで対話。
分身体は必要に応じて討伐。

■分身体
他の猟兵の護衛をしておこう。この段階では特に掛ける言葉はねえな。
攻撃してくる分身体にはダガーを投擲して減らそう

■本体
ま、こいつらも聖女が帰って来ないのは薄々解ってんだろ。
あの時、聖女と一緒に帰っていればという後悔と
裏切られたかもしれねえ、って考える自分への嫌悪感あたりでぐちゃぐちゃになってんだ。

約束を守る必要が無くなったわけじゃねえ。
ただ、帰りたかったけど帰って来れなかったんだと伝える。
あとは落ち着くまで面倒みよう。いっそ泣いちまえ兄弟。


アリス・フォーサイス
お話は結末が訪れて完成する。
それを妖精たちがどう思うかわからないけど、このお話を完成させていただくよ。

妖精の攻撃を受け止めて前に進むよ。
攻撃の脅威度をしっかり見切って、致命的なダメージを受けないよう、気を付けながらね。

キミたちの話、聞いたよ。
大切な子が帰ってくるところを守ろうとする気持ちもわかるよ。
でもね、人も動物も近づけない、今の状態を彼女は望んだのかな?
魔物を倒してもここを守ろうとしたのは、人や動物も含めてここを愛したからじゃないかな。

骸の海にお帰り。きっとそこで彼女と再開できるよ。約束した、思いでの丘でね。

ビー玉をアナロジーメタモルフォーゼで思い出の光景に変え、骸の海へ誘うよ。



●真実
「聖女の帰りを待つうちに、あまりに長い時が過ぎてしまったのでしょうか。悲しいですね……いえ、憐れみでは解決しません。真実を伝えなければ」
 分身体が飛ばしてくるキノコやきのみ、果実等から仲間を守る事に専念するヴァリアクルスだったが、そう決意するとメイスをぎゅっと握りしめ、本体へ向けて祈りの言葉を唱え始める。
 彼の意図を理解したクリストファーは、ヴァリアクルスの行動を阻止せんと襲い掛かる分身体へ、ダガ―を投擲する。疾風のような速さで空を裂く刃は、的確に分身体達に刺さり消滅させる。
 必殺の一撃、分身体相手ならばクリストファーの技量があれば、さして苦労すること無く数を減らせる。しかし彼は積極的に攻撃を行わなかった。あくまで自身と仲間の自衛に徹し、襲ってくる分身体のみを倒していった。
「(戻るべき人がもう戻れない以上、何らかの決着は着けるべき、だろうな)」
 彼はそのように考えていたが、その手段として武力を用いるつもりはなかった。
「本当は、彼女が帰ってくることはできないとわかっているのではないですか?」
 クリストファーに援護されたヴァリアクルスの口からその質問が投げかけられると共に、その胸から光で編まれた鎖が飛び出し、本体達へ命中する。
『かえってくるもん!』
『かえってくるっていったもん!』
 ヴァリアクルスのこの異能は彼が投げかけた問いに真実を答えなければ痛みを与えるものだ。妖精達の返答は、聖女の言葉を信じている事はわかるが、ヴァリアクルスの問いかけへの答えとはいえないものだった。そのため光の鎖からの痛みが妖精達を苦しめる。
 本体の苦しみに連動するように、分身体達が投げつける攻撃をヴァリアクルスは避けるそぶりをみせず、その身に受ける。
「くっ!」
 顔を歪めるヴァリアクルスだったが、それは己が苦痛によるものではない。他者を傷つける事を恐れる彼にとっては、真実を知らせるためとはいえ、妖精達が傷つく姿を見る事の方が辛いのだ。
『うぅ……やくそく、したもん』
『くぅ……かえって、くるもん』
 苦しむ妖精達の様子にクリストファーは嘆息する。
「ま、あいつらも聖女が帰って来ないのは薄々解ってんだろ」
 聖女と一緒に帰っていればという後悔、そして裏切られたかもしれないと考える自分への嫌悪感。そうした諸々でぐちゃぐちゃになってしまっているのだろう、というのが彼の見立てだった。
「お話は結末が訪れて完成する。それを妖精たちがどう思うかわからないけど、このお話を完成させていただくよ」
 そういってクリストファーの隣に立ったのはアリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)だった。
 年端もいかない少女に見えるアリスだったが、一切の躊躇を見せずに分身体の群れへと足を進める。
 分身体は直ぐに迎え討ち、アリスを占って様々な結果を引き起こさんとする。アリスはゴーグル越しにそれらを解析。各々の結果を脅威度別に分類し、致命的なものをピックアップする。そしてその小さな手に握られた、ウィザードロッドの形をした情報端末を振るう。アリスの干渉を受けた占いの結果は雲散霧消していく。その様は、見る者によってはハッキングを行う超高度なプログラマーにも、呪文によって因果を捻じ曲げる魔法使いにも見えた事だろう。
 分身体はアリスの本体接近を阻止できない。そして近づいた彼女は、いつの間にか取り出したビー玉を手の中でもてあそびながら語りかける。
「キミたちの話、聞いたよ。大切な子が帰ってくるところを守ろうとする気持ちもわかるよ。でもね、人も動物も近づけない、今の状態を彼女は望んだのかな? 魔物を倒してもここを守ろうとしたのは、人や動物も含めてここを愛したからじゃないかな」
 アリスの言葉に妖精達は意気消沈して肩を落とす。
『でも、ここがかわったら……』
『かわったら、ほんとうに、あのこがもうかえってこないきがして……』
 アリスはそんな妖精達へ向けて手を伸ばす。その手の中には先ほど取り出したビー玉が乗っていた。
 アリスの手の中でビー玉が、飴細工が熱で溶けるかのように消えていく。そして彼女はビー玉だった情報に新たな数値を書き込み再構成していく。
 それは一つの光景を描いていた。月明かりの下、満開の花々の中で踊る少女と妖精達。アリスがこの地で得た情報、仲間達が集めた情報を基に再現した過去が映し出されていた。
「(きっとそこで彼女と再開できるよ。約束した、思いでの丘でね)」
 この世界の過去は骸の海へと排出される。花の聖女という『過去』もまた同じだ。妖精達は今も生き続ける存在だが、いずれ終わりを迎え過去となる。躯の海にはあの日あの時の『過去(こうけい)』も眠っているのだ。いずれ会える。だから、もう無理に物語を続けなくていいんだよ、と。
 クリストファーは妖精達に寄り添っていた。
「約束を守る必要が無くなったわけじゃねえ。ただ、帰りたかったけど帰って来れなかったんだ」
 いっそ泣いちまえ兄弟。
 その言葉が呼び水となった。ぽろり、ぽろり。妖精達の瞳から滴がこぼれ、その頬を濡らす。わかっていたのだろう、心のどこかで。彼女はもう『過去(あえない)』のだと。だから妖精達は、この花の丘を外の世界から切り離したかったのだ。そうしなければ彼女の全てが消えてしまうように思えたのだ。
 気が付けば分身体は全て消えていた。そして花の丘を取り囲むように蠢いていた植物たちも、与えられていた魔法が消え、ただの植物に戻っていた。
 丘はついに解き放たれた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

アテナ・アイリス
UC「ファスシネート・ソング」を使って、聖女様の物語のサーガをつかって、妖精たちに聖女の思いを伝えようとします。
最後まで一緒にいたいと思っていたこと、妖精たちには幸せになってほしいから、先に帰ってもらったこと。そして、ここで永久に待つことが聖女の願いではないこと。
そのかわり、村を守ってもらい、村の人たちと一緒に踊ってほしいこと。
それが伝わるまで、たとえ攻撃を受けたとしても、必死に耐えて歌い切りますわ。

「お願い、わたしの歌を聞いてちょうだい。」
「(聖女様の思い、わたしが必ず伝えますわ。)」
「聖女様がくらしていたあの村を守ってほしいの。お願いできるかしら。」

アドリブ・連携好きです


木元・杏
ごめんね
うん、ここはあなたたちの、
聖女さまの大切な丘

わたし、あなた達と話がしたい
聞いて?
聖女さまは帰ってきてる
姿は変わっても
見えなくても
約束を守ってあなたたちのそばに
幸せだったことを忘れないで、って
見守ってる
シロツメクサの花冠と
村の方に見える白く光る花畑を指差し)

待ち続けたね、ずっとずっと待ってたよね

キノコ、きのみ、果実は第六感で感じ取りうさみみメイドさん(30センチ程の人形)で叩き落として。
皆の傷も、妖精たちも、回復薬で癒してね

ひたすらオーラ防御
どうしても倒さなきゃいけない時だけメイドさんで分体を攻撃

聖女さまはきっと
あなた達と村の人達と
この花の丘で躍りたいと思う
だから
こんな風に閉じ籠らないで



●もう一つの真実
 そうしてたどり着いた、彼女との思い出の地、花咲き誇る丘で彼らは、彼女の帰還を待った。待ち続けた。
 今も、待っている。
 待っていた。
 けれど、彼女は帰らない、約束は果たされないのだと、妖精達は受け入れた。閉ざしていた『丘(こころ)』を開く。
 そうして、花の聖女と妖精達の物語は結末を迎える。

「待って」
 猟兵達の半数は、妖精達を想って真実を伝えた。約束が果たされないとしても、もう彼らには自由になってほしいと。
 同時に残りの猟兵は、別の真実を見ていた。この『物語』の終止符はそこではない、あともう一節、付け加えるべきものがあるのだ、と。杏は前に出た。
「ごめんね。うん、ここはあなたたちの、聖女さまの大切な丘」
 あなた達と話がしたい。そう言って杏が語りだしたその内容は、聖女は戻らない、約束は果たされないと遂に認めた妖精達にとって、あまりにも寝耳に水の内容だった。
「聞いて? 聖女さまは帰ってきてる」
『……え?』
『……だって……』
 言葉の意味を直ぐには理解できなかったのか、ぽかんと口を開ける妖精達。金色の瞳がそんな妖精達をしっかりと見つめながら、言葉が紡がれる。
「姿は変わっても、見えなくても、約束を守ってあなたたちのそばに……幸せだったことを忘れないで、って、見守ってる」
 杏はそっと指をさす。その先には村の端、この花の丘を見上げるようにその場所にだけ群生するシロツメクサの花畑があった。月明かりの下で彼の花は、まるで淡く輝いているように見える。
 それは何の根拠も、証拠も無い話だ。はっきりいって杏の勘といえるだろう。けれど彼女は確信を持っていた。
 その杏の隣に並んだのはアテナだった。彼女は己を飾る白い花かんむりを外す。
「(聖女様の思い、わたしが必ず伝えますわ)」
 語り掛けるかのように花かんむりを見つめ、それを妖精達に手渡す。
「お願い、わたしの歌を聞いてちょうだい」
 そうして彼女は聖女のサーガを歌う。妖精達との出会い、旅立ち、苦難の果て帝竜との戦い、そして約束と別れ……これまで歌われてきたその物語に、アテナは続けて紡ぐ。
 最後まで一緒にいたいと思っていたから約束をした事、けれど妖精達には幸せになってほしいと先に帰ってもらったように、永久に待つこと縛られ続けるのは彼女の願いではないこと。
 そして、村を守って、村の人たちと一緒に踊ってほしい……と。
 杏も、妖精達が村の人達と踊っていられる状況をこそ願っていたはずだと語る。
「こんな風に閉じ籠らないで」 
『……』
『……』
 妖精達は信じられないものをみるように、手渡された端かんむりを見ていた。ぽろぽろ、と再び涙がこぼれ落ち、その頬を塗らす。けれどそれは、先ほどの悲しみの涙とは違って。
『おかえり』
『おかえり』
 直後、突風が吹き無数の花びらが巻き上がる。桃色と、青色と、白。花弁は猟兵達の視界を一瞬閉ざし、それが去った後には妖精達は消えていた。
 だが、異変は妖精達が消えただけではなかった。丘の中央、二色の花が並んで咲くその場所に、いつの間にか挟まれるようにシロツメクサが咲いていた。
 異変は背後にも、村にも起きていた。丘から望む村の全景に、今までなかったものが添えられていた。桃色と青色と、白の花、それが村の周囲に、そして村の中のあちこちに咲き誇っていた。飛び飛びに存在し、村を包み込むその花畑たちは、まるで誰かが踊ったステップの後のようだった。
 朝になれば村人たちは、様変わりした村の様子に大いに驚くことだろう。けれど、猟兵達は花の聖女の、この物語の結末を見届けた。それを伝えれば村人たちの驚きは大きな喜びへと変わることだろう。

 そうしてたどり着いた、彼女との思い出の地、花咲き誇る丘で彼らは、彼女の帰還を待った。待ち続けた。
 今も、待っている。
 けれど、彼女は帰らない、約束は果たされないのだと、妖精達は受け入れた。閉ざしていた『丘(こころ)』を開く
 開かれたことで、ようやくその『花(こえ)』は届いた。
『ただいま』

●そして月下にて
 空は宝石箱だった、真珠の如ききらめきを放つ満月と、それを彩る無数の星々が飾られていた。
 地は織物だった。赤、黄、青……鮮やかな色どりの無数の花が咲き誇り、人の手では生まれ得ない文様を描いていた。
 魔力の高まる満月の晩。そこには普段は見る事の出来ない妖精達の姿があった。桃色の髪をした妖精と、青色の髪をした妖精と、そして白色の髪をした少女の姿をした妖精が踊っていた。
『たのしいね、たのしいね』
『ずっといっしょにいようね』
『うん! 私たち、ずっと、ずーっと一緒よ!』
 約束は今、果たされた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年06月24日


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🔒
#アックス&ウィザーズ
🔒
#群竜大陸
🔒
#勇者
🔒
#勇者の伝説探索


30




種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
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 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト