【1:1】満天星
逢坂・宵 2019年2月11日
2月某日、夜。
そこはUDCアースのどこかの公園。
高台に位置し、都市の煌めく夜景を見下ろす場所には、1人の術師の姿があった。
頭上には雲ひとつない満天の星が輝き、
遠く眼下には地上の星が瞬いている。
(先着1名様との1:1RPスレッドです。お知り合いでも初見様でも、どなたでもどうぞ)
(キリのいいところ、または1週間返信なしで〆)
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逢坂・宵 2019年2月11日
(薄暗い公園を照らす街灯の明かりは遠い。闇に溶ける髪を揺らし、遥か眼下に広がる街の明かりを見下ろす。地方都市のここではあまりUDCがらみの事件は起きていないのだろうか。平和な明かりだと思いながら、男は指先に星の光を灯す)……(何事か詠唱する。星の光はひとつふたつ増えていき、男の周りをくるくる回る。今宵は天気が良かった。星の精霊も活きがいい)
萌庭・優樹 2019年2月11日
(初めて来た世界。眼下にある地上の星は、おれには見慣れない景色だった。なんて綺麗なんだ、ああ――もっと離れて見たらどんな風景だろう? 駆け出した速度は好奇心の表れで――辿り着いた先にはその公園) ……あれっ。宵さん? (白花の咲く場所で顔を合わせた覚えのあるその姿と、此処で再会するなんて)(……それから気付いたのは、あなたの辺りに舞い踊る光。空と大地の、どちらのものでも無いお星様に惹かれて――おれはあなたの方へ近づいてゆきます)
逢坂・宵 2019年2月12日
……おや、(聞き覚えのある声に名前を呼ばれた。振り返ると、やはり見知った相手がこちらに駆け寄ってくる。くるくる回る星の精霊の光が、ひとつ相手の方へ飛んで行った)……優樹さん。少しぶりですね、この場所でお会いするとは驚きました(夜の散歩ですか? と問うた。今日はそこまで冷え込んでおらず、夜の散歩にはちょうどいい)
萌庭・優樹 2019年2月16日
わぁッ。……ねっ、宵さん。これって何ですか? 生きてるの? すっごくキラキラしてて不思議です……!(此方へと来てくれた光に、おれは負けじと目を輝かせました。引き連れて一緒にあなたのもとへ)はいっ、おれもびっくりです。UDCアースに初めてお邪魔して、探検……うん、散歩みたいなモンかな――してたんですけど……まさかお知り合いに会えるなんて。宵さんもお散歩ですか? ってゆか、ここの世界に住んでらっしゃるのかなっ。
逢坂・宵 2019年2月16日
はは。はい、生きているというか……星の精霊ですよ(僕は精霊術師ですからと笑って手を振れば、己が周りに漂っていた煌めきが夜空へと螺旋を描いて飛んでいく)この世界は初めてでしたか。便利なものがたくさんあって、素晴らしい世界ですよ。ええ、僕の住まいはこの世界に構えています(何をするにも便利だからと。今日は夜空に惹かれて、足を伸ばしてここまでふらりと出向いたのだと答えて)ここは地上の星も、夜空の星も満遍なく鑑賞できる絶好の場所ですから。星の術師としては、とても心安らぐ場所なんです。
萌庭・優樹 2019年2月21日
精霊……! おれ精霊さんを間近で見るのって初めてだ。いいなぁ、術師さんって憧れなんです……(空にくるり浮遊する精霊たちへ、綺麗だと無意識にため息が零れて) この世界、電気? ってのが発達してると聞きましたっ。ね、あのピカピカも全部電気なんですか? (「地上の星」と呼ばれた、穏やかに点る街の光を見つめてから、高い背のあなたを見上げました) そうかぁ。宵さん、アストラーベの化わり身さんでもありますもんね。心安らぐ……お星様は、宵さんにとってお友達みたいな感じなんでしょうか。
逢坂・宵 2019年2月21日
優樹さんはシーフでしたか。機会があればアルダワにも行くと、さまざまな精霊に触れる機会もあるかもしれませんね(僕は星専門ですから星の精霊とばかり親しいのでとほんの少し苦く笑って述べた)そう、地上の……あの暗闇に輝くいくつもの明かりはすべて電気だそうです。なんでもエネルギーを光に変換する技術だそうで、この世界ならではですね(どのような仕組みになっているのか、興味を隠さないまま答える。続いた言葉にはふと、視線を合わせて是と頷いた)良い表現ですね。友……と言うよりは、半身のような感覚です。星がなければ、僕という器具は作られませんでしたからね。優樹さんは、半身のように……大事に思う存在はありますか?
萌庭・優樹 2019年2月27日
そうなンです、おれ魔法が全然使えないので羨ましいなって……なるほどアルダワ! 他にもどんな精霊さんがいるのか気になっちゃいます、今度行ったら精霊術士さんを探しちゃおう。 ……えねるぎーを光にヘンカン……(おうむ返しをした挙げ句、おれの頭では「スゴく進歩した技術なのだ」とだけ理解したのでした)半身……それほど欠かせない存在なんですね。お星様がいたから宵さんがいるんだ。……そうかぁ、だったらそんなステキなものたちとこんなに綺麗な夜空で出会えるなんて、ホントにすっごく嬉しいことでしょう!(改めて理解したおれは、こくこくと頷いて。それから語る目はゆっくりと細まる)……おれは、シーフとガジェッティアの能力持ちなんですけれど……そのワザを使う為の武器かなぁ。ダガーと拳銃、それぞれ父ちゃんとじッちゃんから受け継いだモンなんです。おれが旅に出るときに貰って、それからは大事な相棒なんですよ!
逢坂・宵 2019年3月1日
魔法が使えなくとも恥じ入ることなどありませんよ。僕なんかはシーフやガジェッテイアのような技術はありませんし……そもそも僕らにとって、ユーベルコード自体が一種の魔法のようなものですから。アルダワに行ってみたら是非感想を教えてくださいね。あそこは摩訶不思議の世界ですから、きみがどう感じたのかが気になります(続いたオウム返しには、「そうです」と笑って首肯してみせた)ええ。地上の星も、夜空の星も眺められるこの世界のここは、精霊たちにとっても興味深い眺めのようで(彼らも喜んでいます、と遠い夜空で煌めく精霊の光を見上げてから、相手へと視線を戻し)……なるほど、父方のご親族からの贈り物でしたか。代々受け継がれるものというのは時はもちろん、祈りも込められています。きっと、それらの宝物はこれからもあなたを守る心強い相棒となるでしょう。(もしかしたら近い未来、ヤドリガミになるかもしれませんねと笑って)
萌庭・優樹 2019年3月5日
つまり、おれもすでに一種の魔法使い……!? そうかあ、戦うための特別な力は、確かにそう言えるのか。(何だか恐れ多くて、確かめるように自分の掌をぐーぱー結んでひらいて)勿論ですっ。宵さんともお出掛けしてみたいな、アルダワにも他の世界にも!(涼しくも柔らかな笑顔につられ、にっと笑って見上げ。そのまま空へと目を移しました。遠くの「彼ら」は異なるひかりにも寛くやさしいのだと、その瞬きの眩さに知って――)ご先祖が大切にしてきたから、継がれておれに渡ってくれたンですよね。おれも見習うんです、ずっと一緒にいたいし…… はえっ。や、ヤドリガミ。……自分の持ち物が「そう」なるッてのは考えもしませんでした! 命を持ってくれたら、もっと仲良くなれちゃうだろか。 あ、でも体を持ったら自分で戦いたくなるのでは…… ……宵さんは、自分で自分を使うことも。誰かにアストロラーベの自分を使ってもらうのも、すきですか?
逢坂・宵 2019年3月8日
ええ、一般の方々にはない、彼らにとっての魔法―――それがユーベルコードでしょう。それが技術であれ魔術であれ、ね(手を握り開く相手の動作を微笑ましく眺めていれば、続いた言葉に笑みを深めた)もちろんです。機会がありましたら是非に、一緒に出掛けましょう(楽しみにしていますよ、と言い添えて。大事そうに自らの宝物について語る彼女を見ていると、まるで自分がひとのように思えてくる。不思議なものだ)もしかしたら、もしかするとです。僕がこうして在るように、きみの宝物にも常ならぬものが宿りかけているかもしれませんね。仲良くなれるかどうかは、きみの努力次第だと思いますよ(大切にしてあげてくださいね―――そこまで彼女に伝えてから、耳にした言葉に目を瞬かせる。ふむ、と考え込んでから)……自分で自分を使うことは、嫌いではありませんね。アストロラーベの自分を使ってもらうのは……もう遠い昔のことですので、わかりません。
萌庭・優樹 2019年3月15日
ホントですか!? やった……! おれ、いいトコ見つけたらすっ飛んでお誘いしに行きます!(快諾の言葉に、うっかり声は大きく。慌てて小声に抑えて)相棒達に命が……うん、絶対に大切にします。おれはこの子達が人になったって、物のままだって変わらず大好きだけれど。一緒にお話ができるようになったら……頑張って仲良くなれたら。それってすッごく、とっっても嬉しいことです! ……遠い昔。そンじゃ、アストロラーベにはもうずっと、自分自身しか触れていないということ? (「人」の限られた時間よりも、あなたはずっとたくさんの時間を生きているのだと思い出します。おれには想像もできないくらい――長い時を過ごしてきたあなたは、)ね、「今の宵さん」は……もし誰かに、例えばお友達だとかに。自分を使われるとしたら、うれしいだろうと思いますか。それとも、自分に触れるのは自分自身だけでいたい?
逢坂・宵 2019年3月15日
ええ、お誘いお待ちしておりますよ。きみの行きたいと思うところに、僕も連れて行っていただけると幸いです(元気よく跳ね返る声に、きみの選ぶ場所はどのようなところでしょうね、と笑みをともにして呟いた。それから)ひとが受け継いだものは、それ自体にもひとは価値を見出します。それと同じように、神もそれに価値を見出し命が宿るのかもしれません。いつかその時が来て、仲良くなれるよう祈っていますよ(そこまで伝えてから、返る言の葉に視線を泳がせる。暗闇に浮かぶ遠い地平線の輝きを、視界に入れてから)……本来の用途として使われたのは、もうずっと昔です。きみが思うより、長い時間(手入れぐらいには触れられてきましたが、と言葉を切ってから。向けられた問いに、その裡の純粋さに、考えさせられるものがある)……嬉しいですね。それが本来の使い方であるならば、なおさら。道具として生まれた身には、誰かに使ってもらうのが喜びです。
萌庭・優樹 2019年3月21日
楽しいところがいいですねっ。勿論お仕事ならちゃんとしますけど! 神さまも、人と同じように……なんだか不思議ですね。「神さま」なのに、そう聞くと親しみが湧いちゃう気がするや――(……おれは視力には自信がありました。仄暗い夜でも、ほんの少し泳いだ視線に気づきます。けれど目が良いだけじゃあ、あなたの心は見通せない) ……覚えていますか、ずっと昔のこと。 (無遠慮な質問なのかもしれないと、薄らおもいました)(人は忘れる生き物というけれど。あなたが自分を「物」というのならば、果たしてその性質すらも人とはちがうのか) それは、よかった! 宵さんってすごく格好良くって、美人さんで――(男の人に言うのは変わってるかもしれないけれど、おれはそう思いますと添え)だからきっと道具の姿もとっても綺麗なんだろうなぁって。いつかおれも、アストロラーベの姿の宵さんに会ってみたいです。
逢坂・宵 2019年3月24日
ええ、楽しいところが良いですね。それほどアルダワが気になるようでしたら、やはりアルダワの世界がよろしいでしょうか(あとで依頼書を見ておきましょう、そうして脳内で予定を組み立てる)……覚えていますよ。僕たちヤドリガミは、意識のないモノであったときでも自分が居た環境を憶えていることがあるんです(遠い世界。遠い異国。自分が辿ってきた道程と時間は気が遠くなるほど長かった)アストロラーベ姿の、僕ですか? さすがに本体をお見せするのは少々恥ずかしいですね……。普段持ち歩いていないこともあり(あまり人に見せないのだ、と気恥ずかしげに笑うのは少し素が出ているのだろうか。格好良くて美人であると評されれば嬉しそうに目元を緩めてから)錬成カミヤドリの複製なら今すぐにでもお見せできますが――いかがですか?
萌庭・優樹 2019年3月31日
はい! アルダワ学園での依頼、おれも探してみますねっ。へへ、今からすごく楽しみになっちゃいます。(るんるんと鼻歌でも歌い出したい気分で、帰ったらグリモアベースで情報収集を頑張ろうと心に決めました)人の体を持っていなかったときのことも…… ……ちっぽけな小娘のおれには、想像の及ばない世界に思えて来ちゃいます。宵さんにとっては、なんてことない昔のこと……なのかな。(笑顔の端にちらりと見えた照れの感情には、この上に可愛らしさまでも、なんて目を奪われるよう)(それから錬成カミヤドリと聞けば。あなたたちの種に備わっているコードだ、とすぐにわかったおれは)わっ、わっ。ホントに? いいんですかっ? ね、ぜひ見せてください、お願いします……!(ぎゅうっと自分の両手を組んで見上げました)
逢坂・宵 2019年4月6日
僕も楽しみですよ。都合のいい時期があれば、教えてくださいね(合わせますからと言葉を添えて。続いた言葉には、おや、と片眉をあげた)……ちっぽけ、だなどととんでもない。僕の場合、まだただのモノであったころの記憶はまどろむような、別の世界を眺めているような感覚ですから。ヒトは身体がある分、喜怒哀楽も……過ごす時間も濃密ですばらしいものになるでしょう。種によって感覚というのは違いますから(気にすることはありませんと、そう元気づけようとして言葉を紡いだ。見上げるまなざしがなんともかわいらしくて、目を細めて近くのベンチを指さした)では、立ったままでもなんですから……あちらに座りましょうか。
萌庭・優樹 2019年4月13日
(嬉しい約束!)(今日から楽しくって眠れなくなりそうだとワクワク瞬いて)まどろむ……。夢を見てるみたいな感じでしょうか。そうですねぇ、「ヒト」の時間は短い分、ぎゅぎゅっと思い出や気持ちが込められてるのかも! 宵さんから聞いて初めて、時間の感覚の違いを少しだけ知ったけれど……おれ、ヤドリガミさんのことがもっともっと気になってきましたっ。知れば知るほど好きになってゆく気がするんです。(あたたかい言葉に包まれるよな思いで、指差す方見て何度も頷き)はいっ、行きましょう行きましょう。 ふっふふ、こんなによいことがあるなんて、今日は夜にお散歩に来てよかったなぁ……!(てってと宵さんに付いてベンチへと向かいます)
逢坂・宵 2019年4月14日
そう……意識の浅瀬でゆったりとおぼろげな視界でぼんやり眺めていました。それはもう何十年、何百年も。だからこそ、人間の一生はあなたの仰るとおり、濃密に凝縮された実りあるものとなっているのだと思います。……僕のお話でヤドリガミに興味を持っていただけたなら、幸いですね。僕でよろしければ、感じたことをいくらでもお伝えしましょう(彼女に興味を持ってもらえることは、自分ひいては彼女に接するすべてのヤドリガミの印象にかかわることになるのだろう。自分もまた、彼女たち生きとし生けるヒトたちの思うところを知りたいと、強く思った)おや、そう言っていただけてなによりです。夜の散歩は時に思いがけない幸運に遭遇しますからね(あなたにとっての僕がそれであればよかった、と微笑んで、ふと。今夜はさほど寒くないとはいえ、屋外の設置物は冷え込んでいるだろう。ベンチに纏っていたマントを敷けば、どうぞ、とそこに座るように示して)
萌庭・優樹 2019年4月21日
嬉しいですっ。ヤドリガミさんの、宵さんの感じることや思うこと、たくさん聞きたいなぁ! おんなじだーってコトも、おれたちと違うんだってコトも色々知っていけたら、もっと仲良くなれますよねっ。(敷かれたマントに気付けば、シンシ的だ……! と憧憬の眼差しを送って。そうっと控えめにその上へ腰を下ろしてみました)(今の季節にしちゃあまり冷えていない夜だけれど、あったかな春にもまだちょっと遠い今の時期、こんなお気遣いがとってもありがたかったのです)そういえば――おれ、コードの名前は勉強して覚えたので、聞いたことがありますが。錬成カミヤドリを自分の目で見るのは初めてです! どんな風に錬成されるんだろうっ。
逢坂・宵 2019年4月26日
そうですね。僕がこうしてお話しすることで、きみのヤドリガミに関する知識はもちろん……僕の、きみたちに関する認識にも良い影響を与えることでしょう。そうして仲良くなっていけるのが、一番ですよね(朗らかな彼女の笑顔は周囲の心を落ち着かせるような笑みだった。マントの上に座った相手の隣に腰を下ろせば。おや、と片眉を上げながら両手を合わせた)そうですか。錬成カミヤドリの方法にもヤドリガミによって違うんです。僕の知っているとあるヤドリガミは、手のひらの上に息を吹きかけて錬成していましたね(僕の器物はそこそこサイズがあるのでそれは難しくて、と首をかしげて合わせた両手のひらを開いた。そこには壁掛け時計よりやや大きいサイズの鈍い真鍮色に輝く古風なアストロラーベが鎮座している)
萌庭・優樹 2019年5月3日
(いちばんですっ、と重ねて返して。些か驚かれたようだとあなたの表情を見、)手のひらに。こんな感じですか?(自分の手を引き寄せてふうっと吹く真似をして。なるほど、おれには慣れない仕草でした)手に乗る大きさのものなら、そんな風に錬成することもできるんだ! これも人……物、それぞれなんですねぇ。ヤドリガミさんってみんな宿る物が違うから、みんな一人一人違う種族みたいだ……(言い切る前に声が途切れるのはあなたの手元に魅入られたゆえに。目に飛び込んできた鈍く柔くきらめく真鍮色、厳かだけれど懐かしさを覚えるようなその佇まい)……きれい、です。それに――(見ているうちに湧き上がる思いを、すなおに表せば)使ってみたい! どんな風にして使うのでしょう。宵さんの――宵さんが宿るものの、示してくれる星はどんなでしょう!
逢坂・宵 2019年5月9日
そうそう、まさにそんな感じです。器物を常に顕現させて携行しているヤドリガミもいれば、普段は隠して錬成ヤドリガミで代用する僕のようなのもいます。僕が知らないだけで、もっと別の錬成方法のヤドリガミもいるでしょう(感嘆したような相手の様子に気をよくして、浮かべる笑みをさらに深める。手のひらに現れたずしりと来るなじみある重み、それに視線を注ぐ彼女の眼差しが明るくきらめいていた)僕のアストロラーベは特別製ですが、慣れると使い方はそんなに難しくありません。目盛りを現在の時刻に動かして、調節するだけです(そうしてきりきりといくつかの目盛りを操作する。天図盤に現れた天体の表示を説明しながら)ちょうど今は春の空……やや南東の空に明るい星が見えます。あれがスピカ、おとめ座の星ですね。12星座のひとつです(比較的なじみのあるだろう星を例に挙げて、彼女の様子を窺った)
萌庭・優樹 2019年5月16日
(トクベツセイだって!)(聞いて何だか背筋の伸びる思いだけれど、続く言葉に安堵の息を吐きました。あなた自身を扱う、あなたのその手際は丁寧で所作のひとつひとつ、美しくって)たしかに、最初は複雑な仕掛けになっているのかなぁって思ってたんですけど……目盛りを合わせるだけなんだ。これは意外と、お手軽! なのかもしれませんっ。(ひとつ学んだ、と頭にしっかりその手順を刻み込み。示された星の名前は勿論おれでも聞いたことのある、)おとめ座のスピカ……あっ! あれですか、あの明るいお星様……!(見つけたかも! と見失わないように高く指を差して、宵さんへと確かめます)
逢坂・宵 2019年5月22日
特別製とは申しましても、当時の技術で……というだけで、現代のUCDアースからしたらそれほどではないのかもしれません。まぁ、文化的・美術的価値はあると言われていますが(それに星を見るだけならば、現在の人々は量産される星座早見盤やインターネットを手にしていますからね、と言ってから。彼女の明るい表情に、素晴らしいですね、と微笑んで)ええ、そのとおりです。あの星がスピカ。意味は穀物の穂先というものですが、スピカはおとめ座になぞらえられた女神さまが持つ麦の穂なんですよ。
萌庭・優樹 2019年5月27日
そうなんですか? おれからすると、とっても繊細ですごい技術ですっ。見た目も、できることも。おれ、星の名前や知識って、ほんの少ししか。家族から伝え聞いた形でしか知らないし……(こんな風に広い空を教えてくれる「物」がある。なんて頼もしくステキなコトとアストロラーベを改めて見て)UDCの技術ってスゴいですよねっ、「電気」もそう。でもこっちが負けてるとは思いませんよ、おれ!(微笑みと共にたまわる豆知識に、仰ぐ星はいっそう深みを増して見えます)麦の穂……それじゃ、女神様は農業の神様なのでしょうかっ。なんだかお空から見守ってくれている感じがしますね……!
逢坂・宵 2019年5月29日
……ふふ。きみにそう言っていただけると、現在のUDCアースの技術にも負けない誇らしい品だと、より胸を張れるような気がしますね。星の名前や知識というのは、そうですね……生きるすべには直接結び付きはしませんが、人生を少しだけ豊かに、彩りを添えてくれる……そのようなものだと僕は思います(手元の複製に視線を落とす。鈍い黄金色に光るそれはいつもよりほんの少しだけ輝いて見える。ひとみを爛々と煌めかせて語る彼女の姿は、実に微笑ましく輝かしいもので)ええ、農業の……豊かな実りをもたらす女神さまです。そうですね、僕たちの道行きをああして、空から見守ってくれているのでしょう。
萌庭・優樹 2019年6月5日
知らなくても生きてゆける、コトなんでしょう。たぶん……でも知っていれば空をもっともっと綺麗だと思えますよね。この調子でたくさんお星様を知っていけたら、おれ、ジンセイ豊かになりまくりですよ……!(そうした道を彩る為の一休みや寄り道も、女神様は見守ってくれるだろうか。だったらどんなに心強いコトだろう!)おれ――自分の世界のA&Wに帰ったら、また夜の空を見上げてみます。今度は自分でスピカ探してみますっ、なんだかそれが、見守ってくれる女神様へのお礼になるかもと思って!(星の輝きを焼き付けて覚えようと、ぎゅっと目を細めて)……あ、でも。また探し方分かんなくなったら、宵さんを頼ってもいいですか?
逢坂・宵 2019年6月8日
はい。……星の知識というのは、きっとそういうことなのでしょう。夜、空を見上げたらそこにあるものですから……知識を積み重ねるたび、日々が少しだけ豊かになる。そんなものなのでしょう(街灯の明かりを反射してきらきらと輝く彼女のひとみを見つめながら、同意するように頷いて見せた)ええ。僕が教えるのは、夜空のみかた。そしてきみも自分で見つけられるようになれば、あれがスピカだと、他の人に伝えられるようになるでしょう。そうして人から人へ伝わってゆけば、僕も嬉しいです(きっと夜空の女神さまも微笑んでくださるでしょう、とほのぼのしく笑いかける。続いた言葉には、きょとんと眼を瞬かせてから)はい、僕で良ければいつでも頼ってください。探し方も、他の星からの辿り方もお教えしますよ。
萌庭・優樹 2019年6月15日
おれ、この後おうちに帰ったら早速スピカのお話を家主さんに教えてあげます……ッ! こんな風に広がってつながってくのって、なんだか気持ちイイですねぇ(はっと漏れ出る吐息が嬉しさの温度に満ちていたことが、自分でもよくわかりました)やった! へへっ。宵さんはおれの、お星様探しの先生ですねっ。星の名前も、星座や、星にまつわるお話だって……なんでも聞きたいです。……ねっ、自分の世界に帰る前に、もうちょっとだけ教えてくださいって、ねだってもいいですか?(遅くったって、夜更け前には帰らなければいけないけれど。こんなに穏やかな夜の街と、ステキな先生とお別れするのはまだ寂しいからと――そわりと、スピカの近くを見て気になった星々を指差しては、あなたに訊いてみるのです。夜の寒さがあと一段深まるまで、お願いします、なんて)
逢坂・宵 2019年6月23日
ふふ、そうですね。そんな人生が少しだけ豊かになるような知識を、他の人に伝えていく。そうして再び、他の方がまた別の人へと伝えていく。そうやって広がってゆくのも、とても素敵なことだと思います(その言葉を聞くだけで分かるような、はきはきとした喜びの感情が伝わってくればやんわりと緩く笑んだ)ええ、星にまつわることなら、アストロラーベの意地に掛けていくらでもお伝えしましょう。……ふふ、それではもうひとつふたつだけ。それをお話し終えたら、きみの世界までお送りします(猟兵とは言え、女の子に夜道は危険ですからねと首を傾げてみせた。指さされた星々を見上げては、あのオレンジの星はうしかい座のアルクトゥルス、そのやや斜め上の少し暗い星はしし座のレグルスです、と説明しながら。夜の星々の奥深さを、深々と興味を持ってくれた貴女にはしっかりとお伝えしたい)
萌庭・優樹 2019年6月30日
(おれに出来る、たった少しのこんなことでも、あなたの知識を皆へ繋げられる――宵さんのお役に立てる!――なんて、夢まで見て)はッ、なんと! 帰り道までご一緒してくださるんですか……!! それなら慣れない世界でも安心して帰れますっ。えへへ、ありがとうございます……!(お礼は何度も何度も重ねて。先の教えを聴き洩らさないように耳を傾けました。……アルクトゥルス、レグルス、――いつか古くに聴いたことは有ったかも知れない、記憶の深く深くに小さく眠っていた、星の名前が呼び覚まされます)お星様の光にも……いろんな色が、あるんですねぇ。明るさだって違うんだ。(橙色、ほんの少し暗いけれど確かに光る色。名前だけでなくその淡さまでも。この目に焼き付けられるように、と)
逢坂・宵 2019年7月6日
もちろん。このような深夜に女性が歩いては、治安の良い都市と言えども心配ですから。道すがら、いろんなお話もできるでしょう(星の話はもちろん、彼女と交わす言葉は話題の種に困らないだろう。丁寧に謝礼を述べられれば、いえいえと笑った)ええ、いろんな色があります。青白い色、オレンジ色、そして真っ赤な色――星によって宿す色が微妙に違うことも知られています。中には、日数をかけて明るさが変わる星もあるんですよ(変光星といいます、と説明しながら立ちあがって、足取り軽く踊るように数歩歩んだ。夜の空気を愛おしげに撫でたなら、まいりましょうか、と微笑みかけて。彼女と語らう帰りの道は、この日のいい思い出になるだろう)
萌庭・優樹 2019年7月12日
えっへへ、それじゃお言葉に甘えちゃいます! その間もお話沢山できちゃうし、一石二鳥ってヤツですねっ。(ぴょんと立ち上がって、大股で一歩、二歩。あなたの足取りについてゆき)お星様の色、少しずつ変わっていくんだ……生きてるんですね。(お星様は変わらず今もおれの手の届かないところにあるけれど。鼓動が聞こえるような気がしたのは、あなたのお陰で、今までよりも深く彼らを知れたから。ずっと近しく感じられるようになったから――)(ああ、なんてステキな夜! 染み入るよに胸に馳せながら、今日の最後のひとときまで、余さずに。語らいの道を楽しむのです)