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◆【1:1】廻桜

ノヴァ・フォルモント 2021年12月11日


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空を見上げればいつ迄も降り注ぐ桜の花弁。
それが雪に見える程、今宵は冷え込んでいた。

此の街の中心には広い運河が通っている。
河は繁華街を大きく二分し、
両岸を繋ぐのは大きな赤橋だ。

街に溶け込みつつも存在感のある此の橋は、
待ち合わせ場所にも、川沿いに街並みを一望するにも
丁度いい場所だった。

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レイラ・ピスキウム(f35748)
ノヴァ・フォルモント(f32296)

上記2名の1:1RPスレッド。
20~30レス程できりの良いところまで。

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ノヴァ・フォルモント 2021年12月11日
繁華街を軽く巡り終えて、そろそろ宿に戻ろうとした時だ。運河を架ける赤橋の中心でふと足が留まる。河の両岸を彩る様々な店の灯り。人々の往来と、雪の様に舞い散る桜の花弁が灯りを受けて煌煌と明滅する。橋から眺める街の美しさに惹かれて、思わず欄干に腕を寄せた。そのまま暫し街の様子を眺めていた時だった。
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ノヴァ・フォルモント 2021年12月11日
(ふと、後方から自分へ掛けられた声に振り返る。相手の姿を一目見れば、自分と同じ旅の者だというのは直ぐに分かった。地図を片手に問われた質問にそう感じただけだったけれど。)……ん、道を?俺も此の街に来たばかりだから詳しくは無いけれど。立ち寄った範囲で分かる程度なら。
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レイラ・ピスキウム 2021年12月12日
ああ、良かった……。
(呼びかけに応じてもらえたのか、振り向いた様子にホッと胸をなでおろして)

いえ。構いません。……僕より地図が見れるのでしたら、それだけで十分有り難いんです。
そしてあなたもやはり旅の方、なんですね。
この町の書店に行きたいと思って歩いていたんですが……どうにも迷ったらしい。
赤い印の付いた場所なんですが、近くを通った憶えはありますか?
(迷っている最中何度も広げたのか、くしゃくしゃになりつつある地図をノヴァに見せようと広げてみる)
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ノヴァ・フォルモント 2021年12月16日
(相手の安堵した様子に、改めて君の方へ向き直り。)
……まあ、地図は普通に見れるよ。長いこと旅もしてるしね。へえ、町の書店か。俺がさっき歩いた通りの方にはそれらしい店は無かったような気もするが…。(君が広げてくれた地図を横から覗き見る。皺だらけの紙を見れば、長い事持って歩いていたのだろうと察しつつ。)……うん、此の河の橋が今俺達が居る場所だから。店があるのは向こうかな。俺もまだ行ってない方かも。(地図に標された方角に軽く指を指して)
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レイラ・ピスキウム 2021年12月16日
……ああ!この形は、橋……だったんですね。
(道理で迷うわけだ、と自分自身に呆れつつ。やはり人に訊いて正解だった、と困ったように笑った)

道を訊ねておきながら、こんなお願いをするのも図々しいのですが……。
もしよろしければ、近くまで案内していただけませんか?
僕ひとりでは、やはりどうも心許無くて。
あなたが急いでいるのなら……その時は何とか頑張ってみます。
(指された方角に目を向けるも、少し自信が無さそうに眉を顰めて、再びノヴァの方に視線を戻す)
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ノヴァ・フォルモント 2021年12月21日
(地図を読むのが得意では無いのだろうか。相手の様子を微笑ましく見守りつつ。)
ふふ、俺で良ければ構わないよ。案内、と言うよりは。もう少し街を巡ってみるつもりだったから、その書店まで一緒にね。……せっかくだし、君の名前を聞いても良いかい?俺はノヴァというよ、見ての通りこの街へは旅で訪れた所だ。(話しながら、緩りと歩みを進めて。)
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レイラ・ピスキウム 2021年12月21日
(道案内のお願い事。良い返事をもらえたと知るや否や、何処か不安そうに見えていたレイラの表情は一層明るいものに)
助かります。……あなたに声をかけて良かった。

ああ、申し遅れました。僕はレイラといいます。
ノヴァさん、ですね。どうぞよろしくお願いいたします。
やはりあなたも旅をしているんですね。道理で、この街の人たちとは違う雰囲気だと思いました。。
あなたもこの街のことは、よく知らないだろうに……。本当にすみません。感謝してもしきれないな……。
ノヴァさんは何か目当ての物や、気になる文化があってこの街に?
(ノヴァと会話を交わしつつ歩き出す。……逸れないよう、半歩彼の後をついて歩くようにして)
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ノヴァ・フォルモント 2021年12月23日
ふふ、そう言って貰えて何よりだ。
……レイラか、此方こそ宜しく。(革張りのトランクケースを片手に提げて、街の様子を眺めつつ)うん?そんなに分かりやすいかな。そう云う君も、この辺りの人では無さそうだなって。ひと目見て感じたけれど。……いいよ、そんなに謙遜されると逆に困ってしまう。
俺は、特に何か目的があって訪れた訳ではないかな。此の街へ来たのは初めてだけど、以前にも似た様な別の街へは来たことがあるから。今回は久し振りにこの世界の景色が見たくなって足を運んでみた所だ。
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レイラ・ピスキウム 2021年12月31日
この世界の景色を……。
(ちら、と視線を泳がせれば宙を舞う桜の花弁。レイラ自身はあまり見慣れていない花。……改めて、綺麗だ、と笑みを溢し)
桜の降るこの世界の景色。良いですね。僕も好きになりました。
桜だけでなく……何処か懐かしさを感じてしまう建物の織り成す景観も、風が運んでくる甘い花の香りも。本当に心に残る素敵な場所。
僕はまだ旅を始めたてなので……ノヴァさんみたく、思い出の場所を巡る旅もいつかしてみたいです。
(迷わず無事辿り着ければいいけれど、と若干の呆れ笑いを自分自身にひとつ向けて)
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ノヴァ・フォルモント 2022年1月5日
うん、俺もこの世界の景色は好きだな。冬の寒さに春色の桜、少し不思議な光景だけれどね。建物の景観は、俺にとってはあまり馴染みが無いけれど。聴いた話によると此の世界は長い間同じ時代が続いているんだとか。まるで時が止まっているみたいで、だから懐かしさを感じるのかもしれないね。
……そうか、旅の始めたて。それなら行く場所が全て新鮮に見えて、きっと一番楽しいときだよ。
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レイラ・ピスキウム 2022年1月27日
ああ……!僕も以前何かで目にした記憶があります。
聞くところ、此処は700年以上も変わっていない、とか。
一生を無事終えるまでの間、時代が変わらないという体験……少し気になる気もしますけれど、実際どうなんだろう。
変わらない良さはあるけれど、裏を返せば――変わることが出来ない寂しさ、というもあるのかも知れませんし……。

ええ。自分の気の赴くまま、自由に出歩けるのは、とても楽しいものですね。
あなたも、最初の頃は僕と同じ気持ちだったのかな?
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ノヴァ・フォルモント 2022年2月9日
変わらない時代。実際どうなんだろうな。自分達は余所者だから違和感を感じるけれど、此処に住む人達にとっては変わらないのは当たり前なのかもね。……変化の無い寂しさとかも、きっとないのかもしれない。
俺が旅を始めた最初の頃……?うーん、どうだったかな。もう随分と昔の事だから。でも広い世界を自由に歩き回る楽しさはあったんじゃないかな。今は今で、気ままな旅路が気に入っているんだけど。
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レイラ・ピスキウム 2022年2月22日
そう、か……。そうですね、変わらない事が当たり前……。確かにそうなのかも知れないね。
この世界の人たちは少し不思議な時代に生きてはいるけれど、僕たちと変わらない感覚で過ごしている。
……そう考えると、何だか嬉しいような切ないような。不思議な気分です。

ふふ。僕もあなたを見習って、気ままな旅路が往けるよう心掛けたいな。
気に入ったものは、楽しいと思える限りは続けたいですからね?

――そうだ。この後も、お時間あります?
折角なら。一緒に書店、見てみませんか?
僕の世界では珍しい『和綴じ』と呼ばれる装丁の本があるらしくて。
勿論、ご都合良ければですが。
(ノヴァと足並みを揃えるように少し前に出て、「どうでしょう?」と問い掛けてみる)
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ノヴァ・フォルモント 2022年3月13日
……そう感じるって事は、レイラは変化のある毎日の方が好きなのかな。変わらない事での安心感、というのもあると思うけれど。俺は何方かというと、変化の無い日々は退屈してしまう方だな。だからこそ、こんな風に旅を続けているのかもしれない。
ふふ、参考にされるような生き方はしてないが。君の旅路が楽しみで満ち溢れるように祈っておくよ。
……ん?時間は平気だけれど。
書店か、俺で良ければ構わないよ。本に触れることはあまりないから、レイラのほうが色々とよく識っていそうだ。『和綴じ』?というのも聞いたことが無いな。どういった本なのかな。
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レイラ・ピスキウム 2022年4月19日
ああ、よかった。是非ご一緒しましょう。
あなたがどういう本に興味があるのか、なんて少しだけ気になったりしてるんです。
(白い歯を覗かせまるで揶揄するよう笑みを深め)

和綴じ……と呼ばれる本、ページは捲りづらく洋装本の様に固い表紙がないので、
一般的には机の上で読む必要があるそうで。
その表紙を、糸で通して綴じて作るので……本が痛んだ時や、後からページを増やす事も可能だそうです。
そう聞くと、どれ程手作り感があるのかという点でも気になってしまって。
無事にお目にかかれると良いのですが……。
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ノヴァ・フォルモント 2022年4月21日
俺が惹かれる本か…なんだろうな。知りたいと思うものが、知れる本が良いかもな。普段は何かに興味が湧いても、追求せずにその場で収めてしまう事の方が多いから。(旅の途中、見聞きしたものは多けれど。その中身までは知らないものが沢山在るはずだから)
……へえ、和綴じはそういう作りの本なのか。確かに俺が想像する本も、硬い表紙で出来た厚みのあるものばかりかも。
手作り感は、確かに。でもそうした作り方だと、長く綺麗に保つのは中々難しそうだな。目的の本屋で取り扱ってくれていると良いけれど。
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レイラ・ピスキウム 2022年4月25日
「知りたい」と思った時の「知れた」という喜びは、何とも言えない悦楽があるんです。
あなたの興味の未知を知りたい、という感覚も、もしかしたらこれに近いのかも……。なんてね。
今まで出会ってきたもの、見てきたもの。思い出して気になったら調べてみると、意外と面白いですよ。
……ああ、でも眠れないからといってやらない方がいいかも。僕は気が付けば朝を迎えてましたから。
(あの日一日は眠くて辛かったな、と思い出して忍び笑い)

うんうん、和綴じ本。あると良いです。……何だかあるような気がしてきました!
あは、これで無かったら面白いですけれどね。
でもね、それもまた旅の一興として受け入れる所存です。
確かに……手作り感満載だと、保存は少々難しそうかも……。表紙も柔らかいので虫食いに弱い、とも聞きますし。
売り物では流石にそれは無いと思いたいですが……。
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ノヴァ・フォルモント 2022年5月13日
(愉しげに笑う君を見て、柔く微笑みを返し)ふふ、レイラの着眼点は自分とは全く違っていて、話を聞いていると楽しいな。君は汎ゆるものへの探究心が尽きなそうだ。相手の興味の未知を知りたい、なんて感覚。普通は中々持てなそうだから。(もしくは、自分がその方面に無頓着なだけかもしれないけれど)
無かったらそれはそれで、次に探す楽しみも増えると思えばいいさ。そういえば、和綴じ本はまた別として。レイラはどういった本を見てみるつもりなのかな。……ああ、でも君なら。何でも、という答えが返って来そうな感じもするけど。
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レイラ・ピスキウム 2022年5月15日
あはは、確かにそうですね。「どうして人の事がそんなに気になるの?」というのは、旅に出る前に一度訊かれた事もありましたっけ。
僕の場合、あまりにも人と関わってこなかったので……逆に反動が出てるだけかもしれないです。

ええ。そこに無ければない、はもう仕方ないからね。その時はまた書店を巡る旅を楽しみます。
ふふ。そうですよ? 僕の興味のある本は「何でも」です。
でもそうですね……僕のいた世界とは全く異なる文化に触れるので……。植物の図鑑などを重点的に見てみたいかな。
街路樹ひとつとっても、その土地の気候や特徴が読み解けたりするので興味深いんです。
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ノヴァ・フォルモント 2022年5月21日
……ふふ、そうか。人と出会って人を知れることが、レイラにとってはまだまだ貴重な体験なのかな。それならきっと、この先の旅も楽しいものになりそうだ。
ああ、やっぱり。君の興味の対象は何でもなのだね。……なるほど、植物か。こうして何気なく歩いている傍らにも沢山の植物が存在しているものね。土地や気候による違い、その場所でしか育たない植物もありそうだし。突き詰めると中々奥が深そうだ。俺もふと目にした花の名前を知りたいと思うことはよくあるし、一緒に植物の本を探してみようかな。
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レイラ・ピスキウム 2022年5月22日
はは。……あまり笑いながら言うことでもないけれど、引き籠っていた期間が長かったので。
見る物、出会う物、触れる自然、全て僕にとって新鮮なんです。
この「何でも楽しめる感覚」も、その過去あってのものだと思うので……怪我の功名ってやつ、かな。

ええ。案の定、と言いますか。
今までの途次に咲いていた花も、僕の故郷では見たことないものばかりで。
早く彼らの名前が知りたくて、わくわくしてます。

(そう話し込んでいる内に見えてくる、目的地と思しき所)
――ああ、あれ……僕たちが探していた場所、かな?
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ノヴァ・フォルモント 2022年5月27日
過去があったからこそ、今の君が居るからね。……それが何であったとしても、こうして笑って話せているのならきっと悪いことじゃないと思うよ。今の生き方を愉しんでいるように俺は見えたかな。
この辺りの植物は珍しいかい?道端に咲く野花も、街を彩るように咲く街路樹も、俺はよく見るものかなと思ったけれど。いつか君の故郷の話を聞ける時は、その辺りのことも知れるかな。
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ノヴァ・フォルモント 2022年5月27日
そうして会話が弾み始めた頃合いで、目的地の本屋の看板が見えてくる。まだこの時間でも店の灯りは点いていて、開店中の様子だ。揃って安堵の表情を浮かべ、店内に足を踏み入れた。
互いに探す本が見つかったかは、二人だけが知っている。

……〆
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