◆【1:1】寒桜
ノヴァ・フォルモント 2021年12月11日
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白い吐息の向こう側、
舞い踊るのは薄紅色に染まる桜の花弁。
止む事のない幻朧桜の花吹雪が見せる、常春の雪。
そんな花咲く幻想的な光景に目を奪われていると、
気まぐれに吹く夜風が肌を震わせる。
今宵は冬の訪れを感じさせる、寒い夜だった。
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ベスティア・クローヴェル(f05323)
ノヴァ・フォルモント(f32296)
上記2名の1:1RPスレッド。
20~30レス程できりの良いところまで。
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ノヴァ・フォルモント 2021年12月11日
常に幻朧桜が咲き誇るこの世界には数度訪れた事があった。とは言え、個人的に赴いたのは今回が初めてだ。凛とした冷たい空気に、美しく舞う花弁。見上げれば夜空にも桜色の星屑が煌めいている。幻想的な光景に思わず歩む足を止めていれば、ふと誰かの気配に気付いた。
ノヴァ・フォルモント 2021年12月11日
(自分に掛けられたであろう声の主へ振り向き、朱色の双眸が君を映す。問には僅か、考える様に視線を外してから。もう一度向き直して。)そうだな、桜を。常に桜が舞うこの世界の景色を、見に来たのかもしれない。……君は?この辺りの人なのかな。
ベスティア・クローヴェル 2021年12月11日
この辺りの者じゃない。あなたと同じように、この桜が舞い散る景色を眺めに来たんだ。(真っ直ぐこちらを見つめる姿から視線を外し、足早に歩いて行く人々の姿を軽く指差して。)この光景はここじゃ当たり前で、足を止めてまで眺めてる者は珍しくて。つい声をかけてしまったのだけど。
ノヴァ・フォルモント 2021年12月16日
そうか、俺も偶々この場所に立ち寄っただけの旅の者だから。君と同じかもね。(相手の視線が外れたのに気付き、君が指差す方向を軽く見て)……そうだな、この光景は此処では当たり前だ。でも同じ様に見えても、今宵と明日の景色はきっと違う。だから俺は今だけの此処の光景を眺めていた所。……そういう君は、何故ここの桜を見に?
ベスティア・クローヴェル 2021年12月18日
当たり前になってしまうと、毎日少しずつ変化する景色にさえ気付くのは難しくなる。それに気付けるのは、旅人の特権ってやつかも、ね(クスっと小さく笑ってみせ。理由を問われて、なんて返そうかと少し悩むようにして)嫌なことを忘れるためだったり、気を紛らわせるためだったり。ここに来る理由は色々あるけど、今日はちょっとした息抜きかな。ただなんとなく、綺麗な花を見たい気分だったから
ノヴァ・フォルモント 2021年12月22日
うん。当たり前と思える事ほど、本当は大事だったりするよ。移り変わる場所や景色を新鮮に見られるのは、確かに旅の特権かもな。(舞い散る桜を眺めながら、相手の語る言葉に耳を傾けて)……なるほど、息抜きか。この場所は君にとって心が安らぐ場所のひとつなんだね。此処の景色を眺めていると、そう感じる気持ちも分かる気がする。
ベスティア・クローヴェル 2021年12月24日
(同意するように頷いて見せ)そうだね。当たり前ほど大事なものはないと私も思う。旅行者だけが気付いているっていう優越感も悪くはないけど、せっかくなら見慣れている人にもこの良さを改めて知って欲しい所。(はずれ、とでも言うように軽く首を横に振って。視線の先には薄紅色の花を咲かせる幻朧桜)この場所が、というよりも花を見ていると、かな。私は花が好きで、ね。この寒い時期にここまで華やかな景色を見られる場所はここ以外に知らないんだ。
ノヴァ・フォルモント 2022年1月5日
この世界に舞う桜は、此処に住む人達にとっては太陽の光や吹く風みたいに自然とそこにあるもので。勿論当たり前に大事なものなんだろうけれど…、改めて目に留める人は珍しいのかもな。……そうか、花そのものが好きなんだね。冬に咲く花もあるが、暖かい時期の華やかさに惹かれる気持ちは少し分かる。俺は見るの専門で、花そのものにはあまり詳しくないのだけれど。君は特別好きな花はあったりするのかい?
ベスティア・クローヴェル 2022年1月7日
私も少し前までは見る専門だったよ。ただ、故郷があんまり植物が育たない土地でね。綺麗な花を他のみんなにも見せたいなって思って、最近育て方を勉強し始めた所(好きな花を聞かれれば、少し考えるような仕草と共に「んー…」と軽く唸って)好きな花は色々あるけれど、一番はネモフィラかな。小さい花なのだけど、色がとても綺麗でね。ネモフィラの花畑を見ていると、まるで青空の中にいるようなんだ
ノヴァ・フォルモント 2022年1月17日
……そうか、こんな風に花が溢れるような土地ばかりではないものな。寧ろこういった場所の方が珍しいのかも知れない。へえ、自分で花を? 俺は育てた事が無いけれど、物言わぬ草花を美しく咲かせられる人は凄いなあって、何時も思ってる。いつか君の育てる花も、綺麗に咲いてくれると良いね。(相手の話を聞きながら、自分も少し思い出すような仕草をして。)……ネモフィラ、俺も見た事があるかもな。確か水色の小さな花だっけ。一面に広がる花畑は、澄んだ青空や穏やかな海のように綺麗だったな。
ベスティア・クローヴェル 2022年1月22日
そうだね。花をひとつ咲かせるだけでも凄く大変だと実感した。しかも、労力をかけたからといって必ず咲くとは限らないのだから。植物を育てることを生業としてる者には頭が下がるばかり(花を育てようと決めて、色々調べながら手を尽くした日々を思い出す。そしてそれが実らぬ毎日にため息を一つ)そう、水色でとても小さい花。私が一番最初に覚えた花の名前だから、とても印象深くて。いつか庭の花壇いっぱいに咲かせて、見せてあげたいんだ
ノヴァ・フォルモント 2022年2月9日
(ため息と共に語るその言葉に。ふむ、と首を傾げて。)その様子だと中々苦労しているみたいだな……。本来は大地に根付き、自然の中で咲く花を人の手でイチから育てるのは確かに難儀な事かもしれないね。土地や環境にもよりそうだけど、得意そうな人が身近に居ればコツを聞いてみるとか。もう既に実践済みかもしれないが。 丹精込めれば綺麗に咲いてくれるとも聞くけれど。植物達は基本的に喋ってくれないしなあ…。今日の調子とか聞けたら楽なものなんだけど。……そうか、庭の花壇を花いっぱいに。素敵な目標だ、いつか実現出来ると良いね。
ベスティア・クローヴェル 2022年2月15日
アドバイスを求めて実行してはいるのだけど、ね。まぁ、そもそも育てようとしている環境が適さないのかもしれない。もしそうなら、常夜の世界っていう特殊な環境下でも育つ植物を探すところからになりそう。あなたの言う通り、「ボクなら暗闇でも平気だよ!」なんて植物の方からアピールしてくれると楽なのだけれど、ね(ふぅ、と小さくため息をつきながら、肩を竦めて見せれば)何にせよ、夢が叶うのは当分先になりそうだ。
ノヴァ・フォルモント 2022年2月21日
ふぅん、常夜の世界?(何処かで聞いた事が在るような、軽く記憶を辿りつつ。)君の言うように、その世界に元々存在している植物があれば何かの参考にはなるかもね。それこそ宇宙空間や人工物だけの場所でないなら、きっと何処かには存在しているんじゃないかな。……なんて想像してみたけど。俺は専門家でも何でも無いから、あまり参考にはしないでくれ。(喋る植物の話を聞けば、小さく笑みを返して。)夢は簡単に叶ったら夢ではないから。……なんて言ってしまったら、希望が薄れてしまいそうだけれど。
ベスティア・クローヴェル 2022年2月23日
確かにそうかもね。元々、日の当たるところで育っていたものだし。
そう考えると、私にはちょっと難しいような気がしてきたな…。私は植物の専門家ってわけじゃないし。
(困ったように笑いながら幻朧桜を見上げると、先程と変わらずに花弁がひらひらと舞っていた)
それはそうかもしれないけど、村娘が願うささやかな夢くらい叶えてくれてもいいじゃないか、って。
神様は本当に厳しいね
ノヴァ・フォルモント 2022年3月13日
……ああ、言葉が悪かったらすまない。それが無理だって思ったわけではないよ。ただ、そうだな。自分が難しいと感じる事に試みようとする姿勢が、新鮮に感じられて。久しく俺にとっては無かった感情だから。つい口を挟みたくなってしまったのかな。(困ったように笑った相手の横顔を見て、少し視線を落とした)……願い事、か。(その感情も今の自分にはきっと無いものだと思いながら)君は神様の存在を、信じるヒト?
ベスティア・クローヴェル 2022年3月18日
私だけだと気付かないこともあるから、どんな理由であれ、助言をくれるのはとても有難いことだと思う。それに、どうでもいいと思うことに対して助言をしようって思う事はないから、ね。(問い掛けに対して不思議そうに首を傾げてから、手甲の隙間から蒼炎が漏れる左手をひらひらと振ってみせる)信じるも何も、私が戦う力を手に入れられたのは神様のお陰だから。まぁ、代償は安いものではなかったけど。
ノヴァ・フォルモント 2022年4月21日
……そうだね。確かに君の言う通りかも。関心が無ければ、敢えてそれに触れようとは思わないものかもな。(ひらりと相手が振る手に蒼炎が揺れる。改めて見れば、君の左手は生身の腕では無いようで。つい、その手に視線が向いた)……それは、君が願って手に入れられた力なのかな。戦うチカラ、か。守るべきものが君にはあるんだね。
ベスティア・クローヴェル 2022年4月26日
ということは、少なからず私の夢に興味を持ってくれたということ。僅かでも興味を持ってくれる者がいるならば、私はいくらでも頑張れる(決意を新たにして、ひらひらとさせていた左手を胸元でぐっと握り締める。心なしか、隙間から漏れる炎の勢いが増したような気がした)私が願ったのは、大空に輝く太陽のように希望をもたらす力。そして授かったのは、私の命を対価として未来を照らす力。守るべきものというより、虐げられているのを放っておけない性分なんだ
ノヴァ・フォルモント 2022年5月13日
見ず知らずの俺なんかの言葉で良ければ幾らでも。……実際に、君が抱く夢とそれに向かう姿勢は大きくて凄いことだと思うし。今少し話しを聞いただけでも、応援したいって気持ちになってるよ。(相手の握り締めた腕から溢れる炎。その揺らめきを見つめれば、存在の正体を感覚で悟る。蒼く輝くその炎が、自分にはとても美しく見えた)……太陽。常闇の空を明るく照らす希望の光か。その対価は、君ひとりで全て払い切れるものなのかな。(払い切れなかったら、と。敢えてその先は言葉にせずに)
ベスティア・クローヴェル 2022年5月16日
そう言って貰えると、私としても嬉しい。いつになるかわからないけど、無事に咲いて、地面一杯の花畑になったらあなたにも見せたいな。せっかく応援してくれるのだから、その期待に応えたいし、ね。(寂しげに指を空に漂わせると、蒼い炎の線がうっすらとそこに残る。そして線が簡略化された犬の顔を形作って、ふーっと軽く息を吹きかけると幻のように掻き消えた)先の短い狼が1匹燃え尽きたところで、照らせる範囲なんて高が知れてる。それでも、私よりも未来のあるヒト達を照らして、少しでも希望を持たせることが出来たらいいなって。(話し終えてから、誤魔化すように苦笑いを浮かべて)初対面で話すような軽い話題ではなかったね。…ごめんなさい。
ノヴァ・フォルモント 2022年5月21日
ふふ、それはぜひ見てみたいな。一面に広がる青空の花畑、俺も楽しみにしてるよ。(ふわりと浮かんで消える蒼い炎の幻を見つめ。相手の言葉に軽く笑みを返し)……君が謝ることは何もないよ。無理に俺が聞き出そうとしたなら逆に謝るけれど。そうでないなら自然と話したくなった言葉だろうし。それを聞いた俺も別に困ってはいない。……けれど、そうだな。零してくれた言葉に返せる程、俺はまだ君のことを識らないから。今は静かに聞き留めるだけになるのは許してくれ。
ベスティア・クローヴェル 2022年5月24日
なら、成果をお披露目出来る時が来たら、誘いの手紙でも出すよ。幸い、相手の居場所がわからなくても、探して手紙を届けてくれる旅行好きは多いから、ね。(聞き留めるだけになると言われれば、「それもそうだ」と軽く笑い返す)自分で決めた生き方ではあるけど、納得出来るやり方ではなかった。…だから、ただ愚痴りたかっただけなのかもしれない。初対面なのに、ただ聞いてくれるだけでも十分過ぎるくらい。(一陣の風が吹き抜けて、散っていた花弁が一斉に空へと舞い上がる。見上げると、街頭の光を受けてきらきらと輝く雪のようで。そして気が付けば、月が空高く上がっていた)さて、そろそろ帰らなきゃ。こんな綺麗な夜に、あなたと話せてとてもよかった。
ノヴァ・フォルモント 2022年5月27日
確かに、俺は旅をしているから中々捕まらないだろうけど。それでも見つけて届けてくれる親切な人は居るからね。ありがとう、その時まで俺も忘れないでおくよ。……ああ、でもそれなら。互いの名前くらいは知っておいた方が良いか。(改めて、簡潔に自分の名を告げて)……ふふ、構わないよ。初対面でよく知らない相手だからこそ、零せる事があったかもしれないしね。それに俺も、人の話を聴くのは好きなんだ。自分のことを語るのは苦手なんだけど。(相手につられて空を見上げた。今宵浮かぶのは欠けた月だった)そうだね、もう夜も深い。俺もそろそろ宿に帰るとするかな。此方こそありがとう。君と話せてよかったよ。
ノヴァ・フォルモント 2022年5月27日
そうして互い、まだ肌寒い夜風を感じながら帰途につく。
狼の君は夢を抱き、その一欠片を旅人は心に刻んだ。
いつか叶う日が来ることを願って。
……〆