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★【1:1】君色の音を探して

ノヴァ・フォルモント 2021年8月30日


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アルダワの中でも商業の盛んな地域、商会同盟。
魔法光に照らされ、幻想的に輝く街並みが
今宵も夜空を色とりどりの灯りで染める。

宵の口、まだ大通りには人の往来がある時間帯。
建物の間を縫うように続く脇道の先に佇む一軒のお店。

やや古めかしい茶色いレンガの壁に、黒い看板が落ち着いた様相で。
窓ガラスの向こうには様々な楽器が整然と並ぶ姿が見える。
―そう、此処は楽器店。

今宵も慣れた足取りで店を訪れた月色の旅人は、
どうやら自らの相棒の調子を見て貰いに来たらしい。

何時も通りの日常。
けれど今宵は普段とは少し違う、不思議な予感もしていた。

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(お約束した人との対話)
(世界:アルダワ、商会同盟地区)
(期限:君が満足するまで)

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ノヴァ・フォルモント 2021年8月30日
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客の居ない、静まり返った店内。今日はこのまま店仕舞いをしてしまおうか。店の奥でゆったりと椅子に腰を掛けていた老年の男性が腰を上げようとした時だった。――カラン、とドアベルが鳴る。それに合わせて、しゃらりと金属の揺れる音色が響いた。聴き慣れた音に男性は再び椅子へ腰を下ろすと、そのまま来店した客の方へ顔を向ける。
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ノヴァ・フォルモント 2021年8月30日
ー今晩は、店長さん。今日も夜遅くに申し訳ないね。またコイツの調子を見て貰いたくて来たんだけど…。(この店の店長である彼の様子を見て、察しつつも何時も通りの注文を頼む。彼は言葉少なに頷くと、促すように俺の持つ旅行鞄に視線を向けた。)(鞄から取り出した三日月型の竪琴を手渡し、邪魔にならぬよう少し距離を取って見守る。―職人の慣れた手付き。楽器に囲まれたこの空間で、彼の仕事振りを眺める時間がとても好きだった。)
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ネムリア・ティーズ 2021年9月14日
(静かな店内に再びベルの音が響く。こつり、こつり。かすかに鳴る靴音が、迷わず店の奥まで伸びてゆく)――やっぱり、ノヴァだ。また逢えたね。(人懐こさを含んだ微笑み結び、月色の青年を見上げて)そこでお店に入るのが見えたんだ。……その子、どこか悪いの?(大事な竪琴が相手の手から離れているのに気付き、心配そうに小首を傾げた)
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ノヴァ・フォルモント 2021年9月20日
(店主の作業を眺めるのに夢中で、店内に響くベルの音には気付かなかったらしい。自分に掛けられた声に振り向くと、少し驚いた顔をして。けれど見上げる君と視線が合えば、何時ものように柔く微笑み返す)――ネムリア。奇遇だな、こんな所で君とまた会うなんて。今夜もお散歩かい?(…君の問には小さく頷き。視線は店主の手に渡っている竪琴へと向けられる)…ちょっとコイツの調子が良くなくてね。今はこの人に直して貰っている所。少し待っていれば元気になって帰ってくるから平気だよ。(心配そうに尋ねる君に、安心させるように微笑み返した)
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ネムリア・ティーズ 2022年1月30日
(移ろうキミの表情をみれば、悪戯に成功した子どものように小さく笑い)ふふ、びっくりな偶然だね。うん、おさんぽ。夜の街を見るのもすきなんだ。(はじめて逢ったのは森の中だったなと、あの日を思い浮かべつつ。柔らかな微笑みに、ほっとしたように頷いて)そっか、どんな子も手入れが必要だものね。ちゃんと元気になるなら安心したの。(心配事が消えたとたん、店内をぐるり見渡す。興味津々、といった様子で)…ねえノヴァ。よければその子が帰ってくるまで、いっしょにお店を見たいな。ボク、こんなにたくさんの楽器はじめて見たんだ。
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ノヴァ・フォルモント 2022年3月30日
ネムリアと最初に出会ったのは森だったから、こういった街にも散歩に来るのはちょっと意外だな。でも君の好奇心なら、色々な場所を見たいという気持ちも分かるかも。(当初は何だか心配になる子だったけど。あれ以来、幾度か行動を共にする時間も増えて。彼女の事も少し理解出来るようになった)……ふふ、ネムリアも楽器に興味ある?じゃあ少し一緒に見てみようか。
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ノヴァ・フォルモント 2022年3月30日
(こじんまりとした店内の楽器達は美しく磨き上げられ、ひとつひとつ丁寧に飾られていた。特に多いのはギターやバイオリンなどの一般的に馴染み深い弦楽器。ピカピカ金色に光るサックスや銀に輝くフルートにも目を引かれる。鍵盤ハーモニカやアコーディオン、打楽器を集めた小さなパーカッションコーナー。他にも探せば、珍しい楽器が隠れているかもしれない。君は一体どの楽器に惹かれるのだろう。)
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