【RP】真実ではなくとも、
葬・祝 2021年8月20日
多くの者が朝食を終えて、各々出掛けたり仕事へ向かったお社の中。
夏の朝の日差しに照らされ、がらんとした其処に、厄災の妖たる少年がひとり。
涼やかな音色を奏でる風鈴の下。
縁側に座って、通りすがるであろうヤドリガミを待っていた。
☪︎*。꙳
はふりとクロウ
1
杜鬼・クロウ 2021年8月20日
(此処に居ると年中朱の紅葉がひらひらりと舞ってはいるが、暦で云えば葉月の下旬)──もうすぐ九月か(アイツにも伝えたし、そろそろ俺も一旦ココを発ってもイイかもしれねェな)
(端からその為に来たのだから。未だ夏をも忘れさせてくれない陽射し差し込む朝にて。ぼんやりとそのような事を思いながら、日中よりは幾分か涼やかな社の縁側を通りかかろうとして、見慣れた悪霊を眸に映した)よぉ、祝。お前一人か?(あァ、彼にも告げておいた方が良いだろう。丁度良いとばかりに彼の隣に腰掛けて)
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葬・祝 2021年8月20日
(案の定此処を通ってやって来た青年に、視線を向ける。気軽に隣に座るのも、慣れた。何なら、その膝の上だって慣れてしまったくらい。何はともあれ、無事に目的は果たせそうだ)
ええ、君を待っていたので。ちょっと、伝えておきたいことがありまして。
(ごく素直に、待ち人来たれりを伝える。何から話せば良いかは、まだちょっと迷う)
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杜鬼・クロウ 2021年8月20日
(彼とは未だ出逢って一年どころか半年すら経っていないのにも関わらず、目まぐるしくも色々な事があり長い年月を共に過ごしている様で驚きを隠せない。深まった絆の一つをよく表しているのが、)…ふ、座るか?(彼の視線にとん、と己の膝を指差してみせた)
ン?俺を待ってたのか。祝も、俺に?……ゆっくりでイイぜ(どうやら奇遇ではなかった様子に軽く首傾げて。彼の口火が切られる迄、急かす事はせずに静かに待つ姿勢を取り)
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葬・祝 2021年8月20日
座りませんよ、今日は。
(今日は)(見掛けると自分から相手の腕を邪魔だと退けて勝手に膝を私物化するくらいには、膝の上というものに慣れてしまったけれど。だって、あったかくて、心音がする。初めての感覚で、背中をそのまま預けてしまえるのは居心地が良いのだと知ったから)(聞く姿勢を取ってくれた相手に、珍しく、ほんの少しだけ、次の行動までに間が空いた。その躊躇いに似た無自覚の感覚を言葉にするのなら、“嫌われたくない”、“今を壊したくない”だったのかもしれない)
葬・祝 2021年8月20日
……逃げないでくださいね、クロウ。
(ぽつん、と声が落ちる)(小さな手が、髪に飾られた封印具の鈴を取り払う)(変化は、一瞬)(ぶわりと一瞬だけ大きく広がった寒気がするような瘴気と、暗く重い妖力。明らかに、善くないものだと魂に訴えるような、悍ましいそれ。手足が伸びて、目線が高くなる)(其処には、ひとりの青年の姿があった)(瘴気は、ゆるりと身の内に閉じ込められて、感じられるのは僅かだけになるだろう)
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杜鬼・クロウ 2021年8月20日
……そうか。ま、そういう時もあるわな(普段と違う行動に聊か目を瞠るも、特に気に留めず其の儘彼の隣に腰掛けて風鈴の音に耳を澄ませた。この沈黙が重くとられない様にと。彼の隣まで否の色を見せていないのなら、構う事は無い)
(彼が何を言いあぐねているかは解らないが、己に伝えたい事があるならきっと彼なりの言葉で紡いでくれるだろう。ただ、静かに、緩やかな時を刻んで)
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杜鬼・クロウ 2021年8月20日
祝……どうし
、…?!(此の寒気と瘴気は以前、一度感じた事がある。幻朧桜の丘の一角…桜の花弁が散りし中、水鏡に映された──あの姿を視た時に)
(あァ、やっぱり…本当のお前だったのか)(神鏡(め)で映した彼は普段とは明らかに違う異質を纏う災厄。彼の内に仕舞われたのか先程感じた厭な感覚は無く、彼を見上げて口許に柔い笑み浮かべて徐に口を開いた)…ちゃんとお目にかかるのは初めまして、だなァ。まさか、お前が俺に明かしてくれるとは、思ってなかったわ。
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葬・祝 2021年8月20日
(耐えた)(ぱちり、僅かだけ鏡面の眼が驚きを持って瞬かれる。直ぐさま瘴気を収めたとはいえ、耐えたばかりか笑い返されるとは思ってもいなかった。その驚きは、先程の零れ落とした言葉共に、この妖にとって他者からの嫌悪や恐怖が当たり前のものであることを示していた)(身の内に閉じ込めてもなお、少年姿の時とは明らかに気配の質が異なる。ざわざわと、じんわりと。これは善くないものだと、居てはいけないものだと、見てはならぬと、逃げろと、まるで生き物の本能に警鐘を鳴らすように)
葬・祝 2021年8月20日
……だって君、“本当の姿”で言えって言ったでしょう。これも本当とは言い難いですが、私が選ぶ真実ではあるので。
(子供姿とは違う、低くも甘やかな青年の声。出会しただけで人に災いを齎す厄災にしては、それはひどく穏やかなものだった)(依頼で。偽物を纏った青年に向けて彼が言ったこと。虚飾で偽った姿、と言うのなら、あの子供姿は正にそれだ。本当の姿を晒すことは出来ないが、今の“はふり”が選ぶ真実のひとつはこの姿だ。あの子とずっと生きて来た、この姿だ。だから、きちんと話すのならば晒しておこうと思った)
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杜鬼・クロウ 2021年8月20日
(只のひとならば、きっと此処には居られなかっただろう。彼が思う様に、目の前の”これ”は本来ならば畏怖される存在であり、抑えているとはいえ周囲の空気が何処となく震えているようにも思えて)
ま、”俺”ならともかく、俺でも大抵の呪いなら受け付けず跳ね返せるからなァ…だからといって全く感じない訳じゃァねェが(己の器物の特性上では)
杜鬼・クロウ 2021年8月20日
どういう心境の変化かと思えば…そうか、ちゃんと憶えていてくれてたンだな(彼と赴いた依頼の一つ。嘘で塗り固められた姿は何時しか剥がれてしまう。伝えるならば、本当のお前で。確かにあの青年にもそう伝えた。躊躇していたのはきっと、俺の事を想って故の、だろう。それでも律儀にも自身の前に晒してくれた彼へ、見せてくれた彼に喜色滲ませた表情浮かべて)
(少年とは程遠い凛然とした青年の聲が気配の質と裏腹にあまりに穏やかだったから)(だから、俺もこうして隣に居られるンだよ)お前の”真実”の姿で、俺に伝えたかったコト。教えてくれ。ちゃんと、聞くからよ。
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葬・祝 2021年8月20日
……そう、ですか。
(それは、無自覚でも、紛れもない安堵だった。己は忌避されるべきものだと、何の疑いもなくそういう存在であると、この妖は理解している。だからこそ、戦神や竜神のように自分より遥かに強い神でもないのに、それを面と向かって受け入れ笑ってみせるその胆力に安堵を抱いた)(きっと、視えてしまえば、肉の身体のないこの妖の剥き出しの魂はひたすらにどす黒く悍ましい瘴気の塊だ。今は、その真ん中に、ほんの微か、無垢なほど淡い淡い心が未だか弱く揺らめきながらも確かに宿っている)
葬・祝 2021年8月20日
他人事の話でもありませんでしたしねぇ。
(君の考え方を学ぶには良い依頼でした、と付け足して。少年姿の時と変わらぬ黒地に緋色が鮮やかな着物の袖で、口元を隠すように小さく笑う。仕草も、変わらぬ癖だ。けれど、少年姿の時に見えていた幼さは随分となりを潜めたことだろう)(そんな嬉しそうな顔、されるとは思ってもみなかった。やっぱり、このヤドリガミはちょっと変だ。本当に、変な子だ)
……カフカに、きちんと話をすることが出来ました。あの子は、私を選んでくれた。だから、私は、あの子と共に在るように、そのために、色々と頑張ってみることにしました。
(必然的に、あの子の彼女への恋が終わったことも間接的に伝えてしまうことにはなるけれど。きちんと、相手に向けて頭を下げた)
あの時。君の話をしてくださって、私の話を聞いてくださって、ありがとうございました、クロウ。
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杜鬼・クロウ 2021年8月20日
(彼の考え方、在り方は何度も彼の口から語られて解っているつもりではいた。実際に目の当たりにしてみれば、ひりつく空気は未だ健在で、隣には居るものの或る一定の境目を超える事は到底出来そうにないのは身に沁みていて。視えすぎるきらいがある己にとっては、彼の中に在る優しい灯ならまだしも禍は流石に長く映してはおけず時折、風鈴や景色に視線を動かして)
杜鬼・クロウ 2021年8月20日
だろうなァ、祝とも重なる部分はあっただろうし。聞いてて思ったわ(彼が諭していた言葉の数々は彼にしか紡げなかった。考えさせられる所も多かった。あの依頼は、彼と行けて本当に良かったとも思っていて)俺も、祝がどう思っているか知る良い機会だった。
杜鬼・クロウ 2021年8月20日
──…、…(次ぐ台詞に何の事を指しているのか直ぐに理解出来た。己と話した時は向いている感情は確実にあったけれど心が未だ惑う様ではあったが、何か決意を固める節目のような、そんな出来事が恐らくあったのだろう)そうか。そうなのか。祝、ちゃんと言えたンだな。おめでとう、と言わせてくれや。…お前は、その手を離さないでいてやれよ。俺が心配するまでもねェと思うがな(朱鴉との未来を望む彼を見て、心の底から安堵と嬉しさが募ると同時に、それとは別に、己以上に途方も無く永く抱いていた想いを終わらせた朱鴉に聞きたい事が出来てしまったのは秘めて)
はは、礼には及ばねェよ。俺の話が少しでもお前の役に立ったのなら。良かった。
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葬・祝 2021年8月20日
(自分なんぞに幼少期から慣れ親しみ続けているカフカが可笑しいのだ。お陰であの子は、ちょっとばかり悪いものに鈍い。多分、元の気質性質もあるけれど、あれは自分という厄災そのものに慣れ親しみ続けてしまった弊害だと推察している)
クロウ。あまり見ないで。視線は外して。特に、目線は合わせずに。この子でも見ていてくださいな。
(静かで穏やかな声が、己をきちんとは見るな、目を合わせるなと告げる。頬の聖痕の蝶が、ひらりと舞って妖が膝に添えた手の甲へと移動する。清らかなものであるはずの聖痕は確かに妖の魂そのものの中に宿っているから、其処を眺めている分には視えすぎる彼にも不快感を減らせるはずだ)
葬・祝 2021年8月20日
ええ。だから、君と行こうと思ったんです。……それなら、何より。
(どんな考え方をするのか、何を言うのか、知りたかった。自分が個人に対して向ける興味としては、それなりに深い。座ったまま真っ直ぐに伸びた行儀の良い背筋も、着こなした着物も、あまり波のない穏やかな話口調も。全て、人に混ざるために学んだものだ。幼い身で義親の元を離れたあの子を連れて、人に紛れてでも護り生き延びるために身に付けた。だから、これは“はふり”にとっては、真実だ。例え人真似でしかなくとも、学んで、学んで、学んで、やっと形にしたものだから)
葬・祝 2021年8月20日
役立ちましたよ。正直、珮李と君が言えと言ったから、と理由付けて何とかしようとしていましたから。……ありがとうございますね、クロウ。離しませんよ。もう、お互いに離してやれない。あの子が神として永遠を生きるなら、死者の身でも、厄災の身でも、永遠を共にする方法を探します。
(大切なのだと、愛おしいのだと、自覚をした上で隠さなくなった青年姿の妖の言葉は、ひどく優しくまろい響きだった)
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杜鬼・クロウ 2021年8月20日
…ン、悪ィ。そうさせてもらう(千年もの間連れ添った何処ぞの烏天狗様が変わっているだけであって、其処までではない自分にとっては彼の言葉通りに己の額に手やりながら少し鏡(め)を瞑った後に、彼の手の甲へと視線を落とした。舞った蝶がふわりと移動するのを見て軽く瞬いて)その聖痕、自在に動かせるンだな。
杜鬼・クロウ 2021年8月20日
俺に声掛けてくれてあンがとな。…また、お前と何処か往きたいなァ。まだまだ、学ぶコトは沢山あるだろ?(朱鴉と結ばれたのなら猶更。人真似を始めた彼が護る術として、そして大事な神様の為に今までしてきた積み重ねた先の先を望んでしまったのなら)
俺の話も助けになったのかもしれねェが、最終的にお前自身がきちんと向き合ったからだ。俺はほんの少し背を押して、祝を見守ってただけだからよ。ホント、お前が居なくなるコトを選ばずに済んで安心したぜ(からからと笑って、ぐっと宙に腕を伸ばし、下ろした)おう。その方法、見つけてこうぜ。……願えば共に、傍に居られるさ。きっと(愛を惜しげも無く囁く彼を微笑ましく、微かに羨望の眼差しを浮かべて)
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葬・祝 2021年8月20日
嗚呼、この子、私の一部ではありますけど、それこそ生きているものと大差ないので。
(皮膚の上なら何処へでも動き回る。生きている時からそうだったが、魂だけになってもくっついて来るとは思ってもみなかった。血の気のない白い肌に浮き上がるように黒い線を引かれた蝶の聖痕は、青年の手の甲で、その皮膚の中でゆるりと薄翅をはためかせていた)
ええ、また行きましょ。学びたいことも沢山ありますし、単純に君と出掛けるのは楽しいので。
(また、を望んでくれることが、自分は多分、そう、思いの外、嬉しいのだろう。変な子。お人好し。変わり者。嗚呼、でも、多分いま、自分は楽しい)
葬・祝 2021年8月20日
今まで、ずっと人の心はカフカに聞いて来ましたから。カフカ以外に聞いたこともなかったし、頼るなんて思い付きもしなかった。……背を押されるって、結構大きなことですよ。
(自分のことは全て自分で何とかして来た。それ以外に手なんて知らなかった。でも。頼れ、と。珮李が、クロウが、そう言ってくれたことを、覚えている。だから、どうしようもなくなった時に、縋るような思いで言葉を求めた。思えば、随分と関わり方も変わったものだ。相手がこのお社に来たのは、そんなに前のことでもないのに)
ええ。居ますよ。……私はどの道、もう妖としての元には、ただの無機質で理不尽な厄災には戻れませんもの。なら、このまま模索して、足掻いて、あの子とずっと居られる違う何かになります。
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杜鬼・クロウ 2021年8月20日
そうだったのか。言い方が可笑しいかもしれねェが、随分と懐いてるように見えるな。その蝶見てると和らぐから凄ェ助かるわ(妖に宿る聖痕を物珍しそうに見遣り)
あァ、約束だぜ(小指を絡めようとして、はたと止まる。そっと手を下ろして其の言葉に約を刻んで)俺も祝と出掛けるのは楽しいからよ。あ、でももう夜光虫まみれにするのは勘弁な?
杜鬼・クロウ 2021年8月20日
(爽やかな夏風と共に風鈴の心地良い音がちりりんと鳴り響く。彼も同様に”また”を望んでくれたからこそ、言わねばならない。それを合図にして、更に言葉を続けて)…俺もお前に伝えたいコトあってよ。言わずに行こうとも思ってたンだが、祝にはこの縁側で…今もそうだが沢山駄弁った思い出があるからな。
──俺、そろそろこの社を出ようと思ってよ。といっても、今生の別れじゃねェからさ。逢おうと思えばいつでもお前に会えるし、約束もしたばかりだしな。
杜鬼・クロウ 2021年8月21日
お前が抱えちまったモノは、直接カフカに聞くのには勇気入っただろうからなァ(初めて芽生えた…否、元から根付いてはいたけれど気付いてなかっただけで、とうに育っていた其の感情の名は特に)頼ってもらえて嬉しかったンだぜ。俺、存外お前のコト気に入ってるしよ(でなければ、スマホを貸したりも、己の膝にも乗せていない。大切に思ってるからこそ其の道行きの先で幸せを掴んで欲しかったし、その為に背を押す事を躊躇う事もしなかった)
”真実”のお前と今、こうして語らってるケドよ、全然怖くはねェンだよな。もう十分、お前は変われてると思うが、更にこれからもっと進んでいけるンじゃねェかな。アイツとの未来の為に(離さないと決めた手と彼の言霊は強く結びついているようで)
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葬・祝 2021年8月21日
くふふ、生き物的な思考があるかは、さて。
(自分だってこれが何かなんて知らない。でも、厄災たる自分の中にある神さまと称される一部の発露がこれなのだろう、とは思う。こんな身でも辛うじて、旅路の守護者、山道の守り神の側面も持っていた)
はい、約束を。でも、今は、触れないでおきますね。……さぁ、それは確約出来ませんが。
(手を下ろしたのを見て、それで良いと妖は笑う。勘弁、と言われてもその時の悪戯心次第だと、少年姿の時のような気安さでしれりと甘えてみせた)
葬・祝 2021年8月21日
……、……クロウ、行っちゃうんですか。
(微妙な間。それから、ぽつんと呟くように落とした声には、少年姿の片鱗が確かにあった。自分にとって一番気楽で何も考えなくても交流がしやすかった場所から、相手が居なくなることを惜しむ声。お社の中で座り込んでスマホを弄る彼を見付けては寄って行くのが良くある話だったから、それが減ってしまうことを、居なくなることをこの妖は素直に惜しんでいた)
……そうですねぇ。前ほど気楽ではないかもしれませんが、また何処かしらで話すことは出来るでしょうし。また君と遊ぶ日を楽しみに。
(けれど、惜しむまま、きちんとさよならを言うこともこの妖は出来る。元々、物分りと諦めは良い方だ。それに、また、を約束してくれたなら、次の機会もきっとあるだろう)
葬・祝 2021年8月21日
あの子が知りたくないって顔をしていた時点で、あの子に聞くなんて選択肢、端からありませんでしたよ。
(苦笑めいて笑う青年は、それでも柔らかな表情をしていた。あの子は、自分とは違ってひとりで悩んでひとりで答えを出して、自分より早く“受け止める用意がある”と差し出して来たから。あの子は、時々やたらと思い切りが良い)
……私も、君のことは気に入っている、んだと思います。少なくとも、惜しむくらいには。
…………本当に、君やっぱり変な子ですよ、クロウ。怯えられないのなんて、なかなか新鮮ですもの。ふふ、私に“未来”なんて二重の意味で似合わない話ですけどねぇ。
(茶化すように笑う癖に、間違いなくこの妖はそのためだけに必死になるだろう。泣かせないために。ひとりにしないために。二度と手離す選択肢なんて考えたくもないから。たったひとり、愛おしい子に笑っていて欲しいから)
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杜鬼・クロウ 2021年8月21日
謎なのか。世の中には説明がつかないコトも沢山あっからなァ(薄翅をゆるゆるとはためかせる黒蝶を暫く眺めて)
指切りをしてなくても、俺は約束は違えねェから安心しろ。ってコラ!それ、また俺で遊ぶ気満々じゃねェかよ(口尖らせて不満気な聲を洩らした)
杜鬼・クロウ 2021年8月21日
……(正直、その反応は予想外だった。以前、目の前の妖は興味が失せたものは直ぐに忘れてしまうと告げていた。当然、己への興味も失われたら忘れるとはっきり言い退けた彼だから。思わず、目線を上にあげて彼を見つめて)そんな声で言われると決心が鈍りそうだなァ(惜しんでもらえて純粋に嬉しかったのは、きっと聲色にも滲み出てしまっただろう)
俺がまた鳥居を潜ってこの社に訪れてもイイし、お前が来れそうな場所へ俺のグリモアを使って連れだして話すのも出来るからなァ。カフカが意地悪しなきゃァ、社にも簡単に戻ってこれるさ(彼と会うのは最後ではない故に、しんみりな空気を跳ね飛ばす様に明るく返して)
杜鬼・クロウ 2021年8月21日
へェ、カフカが…?……アイツが何を考えてたかは俺も計り知れねェから、ちぃっと時間作って聞いてみるかなァ(己に豪語していた常春桜への想いも間違いなく本物だったと思う。それでも、選んだのは目の前の妖との未来。どんな結末であれ、二人が描く途が倖であるなら自分がそれ以上言う事は何もない)
そこは自信もって気に入ってる、って言ってくれよ(くすくすと小さく笑み零して)
変か?俺は俺だぜ、最初っから。此処へ来た時から。怖くはねェが、やっぱり俺は視えすぎちまうからあまりお前を映せないのだけが惜しいわ。未来なんて似合わない、と言いながら手を伸ばすコトはやめねェンだろ。俺はそんなお前が、凄ェかっこよく見えるよ(天秤に掛ける迄も無く唯一人の為にひたむきに。育む様にその感情(あい)を大事に掬う彼が)(俺は、手離してしまったから)
(。)
葬・祝 2021年8月21日
世界なんて不思議なことだらけでしょう?ふふ、安心しておきましょう。
(不満の声にはころころと笑い返すだけ。だって、ささやかな悪戯心が許されるって楽しい)
……何で君、嬉しそうなんです?そういえばグリモア持ちでしたっけ、クロウ。じゃあ、次は君が誘って何処かへ連れて行ってくださることを期待しましょう。
(空気を変えるような言葉に、笑って頷いた。残念なのも、惜しいのも変わらないけれど。また、があるのは嬉しいことなのだと実感するようになったから。愛情を自覚してから、端々に、他の自覚が連鎖しているような気がする。心というものは、兎角鮮やかで、ひどく難解だ)
葬・祝 2021年8月21日
私も、あの子の考えは分からないです。私が気付いた時には、逆に自分から心を示して来ましたから。
(あの子のことで分からないことがあるのは、なかなか新鮮だった。分からないことは怖いけれど、それでも想いが最終的に同じになったなら、それだけが真実だ。あの子が数百年想い続けた恋を、ずっと見て来た。喜びも嘆きも全て。それら全てを、あの子がどうしたのか。自分には分からないまま)
自信なんてありませんよ、私にとって、感情というものを自己認識して理解するのはとても難しいんです。でも、気に入っているんですよ。きっとね。
……変を自認してどうするんです?君。全く。困った子。手を伸ばすのを止めたら、終わってしまいますから。私にとって、あの子以上も同等も、何処にも居ません。
(随分と情けなくて格好悪かった自覚もある。だから、格好良いなんて言われると、ついつい可笑しそうに唇を綻ばせた)
(。)
杜鬼・クロウ 2021年8月21日
嬉しそうにしてたか?イヤだな、悲しいに決まってるだろ(勿論、本音。ではあるが、人真似にしてはあまりに名残惜しそうに偲んでくれるから”誤解してしまったようだ”)でも、すぐに会えるって思ってるからよ。あァ、お前が行ける範囲で…まだ見たコトねェ景色とか見せてヤりてェな(もしもその時が来たら、一体どんな貌を見せてくれるのだろうか。想像するだけで既に愉しさが募り)
杜鬼・クロウ 2021年8月21日
祝に分からなかったら、他のヤツはもっと分からねェだろうよ。アイツも考えてはいたンだろうケドな(あの戀を何処に置いてきたのかは、彼の人にしか解り得ない事で。この場で答えが出る筈も無く言葉を区切って)
…ま、最近まで知らない感情が沢山あっただろうから、今はそれで許してヤるわ(人の心は斯くも難しいのは己もよく理解に及んでいて。偉ぶりな態度は先程悪戯心をささやかれた分の意趣返しのつもりで返して。朱鴉の事となれば、凛とした聲で堂々と言い退ける彼に同様に花脣綻ばせた)
杜鬼・クロウ 2021年8月21日
互いに伝えたいコトも言えたみてェだし、俺はそろそろ行くぜ。もう少し今の祝について聞いてもみたかったが…それは今度に取っておくわ(すっくと立ち上がり、一歩二歩前に進んだ後にくるりと振り返って)
…あァ。まだ、此処でやり残したコトがあるから直ぐには出ていかねェからよ。その時まで、この場所で駄弁ろうや。スマホ、弄り足りねェだろ?(それに、)
(この縁側に座ってると、特に俺の膝に微かでも重みがねェと無性に寂しく感じるようになったのは──お前の所為だよ)
じゃァ、”また”な。
(再び妖へ背を向けて、此処を後にする。爽やかな風と共に、甘やかな風鈴の音がちりんと鳴った)