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…VIII… UDCMirageResidence

プリムララ・ネムレイス 2021年7月31日


私は、きっとその世界は蜃気楼の魔法にかけられていたと思うの。
石と鉄で編まれた家。光と音で満たされた街。直線が組み合わさって出来た様な不思議な世界。
私が今まで目にした事のない光景と騒音がそこには広がっていたわ。
大地に足を降ろすと、とても硬い反動が身体へと伝わってきてとても窮屈なイメージ。
そして、なにより私が一番不思議に思ってしまったのが、みんな手鏡を片手に見ながら何処かへと急いでいた事ね。
そんなに一生懸命鏡を覗いてどうしたのかしら。
何かを気にしているの?そんなに鏡を覗かなくても、あなた達はとっても素敵なのに。

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ここはUDCアースでの不思議な想い出を綴ったページ。
主にスマホを買いに行くお話です。
どうかあなたの足跡を残していってください。




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プリムララ・ネムレイス 2021年7月31日
(地中から伸びた鉄の木の奏でる電波のような音。大勢の人々の雑踏。巨大な建物の動く絵画から流れる様々な音楽、声。広い筈の道は、四角い鋼の獣が煙とうなり声を吐き出しながら駆け回り、占拠しています。それを見ればこの世界の支配者が人の為の物では無いという事がわかります。見上げればとても大きな三毛猫さんが箱の中に閉じ込められていました。何を言っているかわからないかもしれませんが、それが今私がいる世界を簡潔に表した感想なのでした)
これは……すごいわ。
ここまで大掛かりな魔法は初めて。なのに一切魔力を感じないなんて。一体どんな仕組みなの?
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プリムララ・ネムレイス 2021年7月31日
(そして行き交う人々は皆片手に手鏡を持っています。この場にいる人全員が、と言っても過言ではありません)
あれは何かしら。一体どういう事かしら。
魔法の媒体?小型のラジオ?それとも流行りのおしゃれ?
(見れば見るほど皆一生懸命で、足元と手鏡を交互に見ているのか、前もろくに向いていないのに器用に人の間を縫って歩いています)
どうしましょう。とっても気になるのだけれど。
魔法の箒も気になるわよね?
そうでしょう?
私もあれが欲しいわ?どこで配られているのかしら。それとも何処かに売っているのかしら。
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プリムララ・ネムレイス 2021年7月31日
あの手鏡に顔を映すとと何が見えるのでしょう?
そのままの姿かしら。それとも大人になった私?綺麗になった私?男の人や動物の姿になっていたりして。
あんなに皆一生懸命に見ているんだもの。私の想像なんかよりも何倍も凄いものが写り込んでいるに違いないわ。
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プリムララ・ネムレイス 2021年8月2日
それしてもどうしたことかしら。ここの空気、本当に暑いわ。
ううん、ただ暑いだけじゃないみたい。
熱気がまとわりつくような、息苦しい暑さね。
お母様のお化粧が取れてしまいそう。あまり人に見られたくないな……。
皆も暑そうなのに、文句ひとつ言わずに歩いているわ。手鏡を片手に、だけれども。
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プリムララ・ネムレイス 2021年8月8日
あら?
(と、ふと沢山の“手鏡”が陳列された建物を見つけます。どうやら街の人々は皆、ここで件の手鏡を購入しているのだと気づきました)
見つけちゃったわ。お店。どうしましょう。
私も、皆さんに倣って一つ、買ってみようかしら。
もしかしたら私の知らない魔法が込められているのかも。ううん、でもそういえば、この世界に入る時にアンダーグラウンド・ディフェンス・コープの方が言っていたわ。民間の方には魔法と言うものは浸透していないって。
たしかに魔力の気配は少しも感じないし、不思議だわ。魔法みたいな物は沢山のあるのに。
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プリムララ・ネムレイス 2021年8月8日
どうしましょう。気になるわ。
お金なら黄金を換金したものがあるし、少しくらい良いかしら。
だってみんなあんなに一生懸命に覗いている鏡なんですもの。なにか秘密があるに違いないの。(しばらくお店の前で立ち尽くし、ガラス越しに店内を見つめます。中では商品を見て回る何人かのお客さんらしき人たちと、奥で白い箱と睨めっこする人影。おそらくは店員さんなのでしょうか。白い壁や白い電球の光はどこまでも無機質で冷たい印象をあたえて、私に好奇心と、僅かばかりの不安を煽るのでした)
決めたわ。この世界をもっと知る為ですもの。勉強にもなるし、一つ買ってみましょう。(意を決してガラスの扉を開けようとすると、それを見越していたかの様に自動で両脇に開かれていって、まるで私を奥へと手招きしているみたいです)
わ!魔法を使っていないのに勝手に開いたわ?
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プリムララ・ネムレイス 2021年8月24日
住所?電話番号、ですか?
ご、ごめんなさい。よくわからないわ……
それがないと貴方が仰る“スマホ”は買ってはいけないという事なのでしょうか。
で、でも、お金ならあります。必要と言うなら、貴方の望むだけの黄金をご用意しましょう。
え?もちろん本物です。錬金術で創りだした物ではありますけど。
そんな、信じて下さい。私嘘なんて!
お母様、ですか?
お母様は亡くなりました。家族は、他には居ません。
私の年齢です?あの、初対面の女性にそういう事を聞くなんて⎯⎯わ、わかりました。14歳です。今月の11日に誕生日を迎えました。
あれ?何をしてるんですか?ケイサツの人?ケイサツの人ってどんな人なのでしょう?
私を連れて行って下さるの?私はスマホを買いに来ただけですのに、一体どこへ行くというのでしょう。
(そんなやりとりが続きます)
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アルトリウス・セレスタイト 2021年8月26日
(見かけた光景に思案を暫し。聞こえてきた言葉から猟兵なのだろうとは察せられた。恐らくまだこの世界を知って日が浅いのだろう――容姿含め、念の為と顔を出した折にUDC職員が話した特徴に合致するようだ)
(別に介入する必然はなく、警察からUDCに話が行って動きはするだろうが。知らぬ世界で状況が掴めないまま流されるのはそれなりに不安でもあるだろう)
(ならば珍しいことの一つくらいしてみても良いか。どうせ既に一つ、珍しいことをしているのだ――用事もなく街に出るなど、らしくないにもほどがある)

店の人。多分、その女性は俺が探している相手だ。だから此方で引き受けよう

(まあ決して話し上手とは言えない己の限界値はこんなものである。店員はともかく、年若いこの女性に意図が通じれば良いのだが)
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プリムララ・ネムレイス 2021年8月26日
(後からかかる声に思わず面を上げます。そこに立っていらっしゃったのは銀の髪を揺らす色白の男性なのでした)
ぁ……
(お店の方が、彼と私とを交互に見やるのを横目で捉えつつ、瞬時に思いを巡らせます)
えっと……
(白い肌に銀の髪。じっと私を見つめる瞳の色こそ私と異なりましたが、それ以外は私の持つそれと似ていると言えば似ています。なので私は⎯⎯)
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プリムララ・ネムレイス 2021年8月26日
お兄様。見つかっちゃいました。
(という事にしました。身内は居ないとお伝えしたばかりですのに私ったら)
なんで私がここに居るのがバレてしまったのでしょう。
もう少しで“スマホ”を購入できると思っておりましたのに。
(店員さんの視線から逃れるようにゆっくりと席を立つと、長身の彼の背中に隠れるようにごく自然に振る舞いつつ移動するのでした)
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アルトリウス・セレスタイト 2021年8月28日
(兄妹らしい。ではそのつもりで話すとしよう。適当にそれらしい言葉を出せば、事情は勝手に店員の側で推測し納得してくれるだろう)

待つという話だっただろう。楽しみだったのはわかるんだが、帰っていきなり迷子にならないでくれ

と言っても見て回りたいのだろうな。案内はするから、どこかで一度落ち着いて話してからにしようか

(場を改める流れにしてこの場を離れる方が色々都合が良さそうである。実際、多少なりこの世界のことを知って貰うのが上策だろう。小柄な彼女へ促すよう声を掛ける)
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プリムララ・ネムレイス 2021年8月31日
(黙って彼の後ろをついて歩きます。お店の人達もすっかり納得したように、どこか安心した表情を浮かべているのがわかりました。お店を出て再び外へ。彼の寡黙な背中は逞しくて、このままついていけばきっと平穏が私を出迎えてくれるという予感さえするのです)
お兄様はどこでお話をするのが良いと思いますか?
静かな場所?それとも賑やか所かしら。
(少し歩けば直ぐに人の群れに遮られて、“スマホ”のお店は見えなくなります。賑やかな喧騒に頭を揺すられながら目の前の彼にそう声をかけるのでした)
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アルトリウス・セレスタイト 2021年8月31日
賑やかな街中だが、話は静かにしたい時に便利な店というものに心当たりがある。そこへ

(UDCの息がかかった店。自分が使う機会が来るとは思っていなかったが。知っていれば便利なものである)
(大通りから横道へ少し入れば小綺麗な看板の喫茶店。奥を使いたいと言えばすぐに通された。客は見当たらず見咎められもしないようだ)
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プリムララ・ネムレイス 2021年9月7日
(ごめんなさい。少し体調を崩してしまいました。回復しましたら必ずお返事します。お待たせしてて申し訳ありません。)
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