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room:? - Farbe -

空露・紫陽 2021年7月31日


夏の足音を軽やかに響かせる季節にも、
窓の外を見遣れば幻朧桜がはなびら舞わせ柔く咲う。

大きな屋敷のとある一室。
キッチンから近い部屋に男ひとりと。
色鮮やかな彩、透き通った宝石達が並んでいた。

作り過ぎたかと零された呟きは拾われたか如何か。
卓上にはソーダの青、檸檬の黄、苺の赤、葡萄の紫を始め、
沢山のゼリーが透明な箱の中で並んでいる。
――其れから、其れから。
色とりどりに彩られたゼリー達の中には、様々な花が咲いている。

誰かが通りかかったならば、ほら。
狙撃手の眸を持つ料理人は笑うのだ。

* *

相手:泡沫のお嬢さん(f11361)
期限:キリの好い処、もしくは一ヶ月沈黙で〆




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空露・紫陽 2021年7月31日
(紫眸は艶やかな海の色を捉えて)よ、泡沫のお嬢さん。オレと一緒に花秘めた宝石でも眺めないかい? ……なんて、作りすぎたゼリーを一緒に食わねぇかって噺なんだけどよ。
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泡沫・うらら 2021年8月3日
あらあら素敵な誘い文句。そのお上手なお口で今までどれだけのお嬢さん方を泣かせてきはったん?(隠した手の下、喉奥揺らし悪戯な笑みを浮かべながら、ゆるりと其方へ游ぎ征く。)折角やさかい、御相伴に与りましょかな。……因みに、お兄さんのいっとう御贔屓のお子は、どなた?
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空露・紫陽 2021年8月3日
俺としちゃこんな誘いに乗ってくれる方が、素敵な人となりって気がするがね。残念ながら、未だお嬢さんを泣かせた事はねぇな。料理人は笑顔を配るモンだろうし?(戯れだろうと識っていて。くすりと笑って、そんな事)ひとりで食べてもイイんだが、華が通りかかっちゃ誘っちまうのが性でよ。……贔屓、ねえ。(考えもせずに笑った。先を読んだかの様な紫紺を細め、)お前さんの色に似た透き通った青のソーダ、若しくは其の眸映した翠の青林檎ってのは捻りが無さすぎるかい?
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泡沫・うらら 2021年8月9日
ふふ、其方さんが一本上手やったかしら。(同じ調子で返される軽口に浮かべた微笑み一つ。閉ざした瞼を再び開いたなら、順を追って視線を彼女らへ向け。)いいえ。とても素敵な御返しやと思いますよ。……それこそ、熱を上げる方がいらっしゃっても可笑しないくらいに。ほなお勧め通り青りんごの子を頂きましょかな。(ご用意、して下さる? と傾げて見上げ。)
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空露・紫陽 2021年8月14日
上手……いいや、良くて引き分けくらいだろうさ。(――声を掛けた時点で、既に此方がいざなわれて居る様な物だと、男は云う)なぁ、お前さん。よく褒め上手って云われないかい? 言葉の何たるやの使い分けが秀逸だこと。青林檎な、了解。(穏やかに笑って頷き、出してあった物は己の方へと置く。代わりに保冷鞄からひんやりとしたお嬢さんを、彼女の前にことりと置いた。紙ナプキンで包んだゼリースプーンをお供にして)どうせなら冷えた方を。中の花はどれも違うから、出会いは一期一会ってな。
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泡沫・うらら 2021年8月16日
さぁ、どうですやろ? ご想像にお任せします、とでもお返ししておきましょかな。(ふふりと笑みを深め、翠の子との出逢いを果たしたならほう、と感嘆の息ひとつ。)まぁ……、すてき。(す、と両手で目線の高さまで掬い上げ、まじまじと見つめて。)とても、綺麗な子ね。食べるのが勿体無く思えてしまいそう。
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空露・紫陽 2021年8月22日
そうかい。なら勝手に手練なんだろうなと思っておくさ。(自身の前に置いてある同じ翠を手に取って、出会いを果たしたお嬢さんを翠越しにそっと覗く)……お気に召してくれたかい? 其の綺麗な子はな、お前さんに食べて貰わんと寂しくて泣いちまう。自分が持った花びらを贈れないからな。(自身が先に掬って、ひと口食べて見せる)そもそも食べて貰う為に生まれて来たんだ。願いを叶えてやってくれると、俺も有り難い。
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泡沫・うらら 2021年8月24日
あらあら、それはそれは……。(御伽噺を紡ぐ様な語り口に笑みを零しじ、と己が持つ眸と同じ色の子を見つめ。)この子を泣かせてしまうのは気が引けますね。……ほな、いただきます。(そ、と両手を合わせ、挨拶の後に掬うひと匙。)
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空露・紫陽 2021年8月31日
出逢えたのが優しいお嬢さんで良かったなお姫様。(語りかけるは彼女の手に居る翠の綺麗な色)泣かせる事を躊躇うとは、優しいモンだ。……どうぞ、お気に召せば幸い。(泡沫のお嬢さんを眺め、名を呼ぶタイミングを逃したな――なんて事を思いながら、自らも一匙。中に閉じ込めたの花、其れは秘密の砂糖菓子。仄かに融ける甘い夢。どの花びらに出会い、食しても毒は無い)
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泡沫・うらら 2021年9月13日
(つるりと喉を滑り落ちて行くゼリーの感触に指を喉に緩く押し当て)あぁ、おいし。最初から手作りや言われへんかったらお店のもんかと思てしまいそうね。(ふふりと浮かべた笑みと共に零す心根。貴方の元に届いたのなら、再び匙を掬って。)――まぁ、今度はかぁいらしいおひいさんがいはるみたい。勿論、この子も頂けますん?(傾げて薄緑の海に住まう碧の色を見つめて。)そら流す必要の無い涙は流さんに越した事あらへんからね。――例えそれが、見えへんもんやったとしても、ね?
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空露・紫陽 2021年9月22日
(食べる相手の仕草を映していた、特権と言わんばかりに)そうかい? 無駄に凝り性なモンで、そう思って貰えるのは嬉しいこったな。ま、お前さんが食べてくれてる時点でお代は貰ってるがね。(一足先に匙で届かせた砂糖菓子の花を、口の中で咲かせて融かし)――噫、食えないモンは入ってねえよ。頂いてくれ。……で、泡沫のお嬢さんはどんな姫さんを見つけたんだい?(出会いの噺ひとつ求めてみて)流さなくてイイのは心の泪もってか。……でも、そうだな。嬉しくて流す物以外は流さなくてもイイのかもな。(紫紺細めて零した音は、どう響いたか)
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泡沫・うらら 2021年10月9日
やっぱりお上手、ね。そないに熱心に注がれては、喉が詰まってしまいそう。(喉奥で笑みを零してから、誘われるままゼリーの中で咲く花を口へと運び、)……この子は雷雲の子かしら? 舌の上でぱちぱち弾けて、随分とお転婆さんのよう。(口許を指先で隠しながら告げれば、口腔に響く破裂音があなたの元へも届くだろうかと。)ええ、全くその通りで。(静かに耳打つ同調の音に同じ色を添えて。言葉を終えると再び匙を掬う。)
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空露・紫陽 2021年10月29日
おっと、喉が詰まっちまうのはいけねぇやな。(ゆるく視線を漂わせて、)雷雲……噫、ひとりだけ紛れさせた主徴の強い姫さんと出会ったか。(ぱち、ぱち。小気味好い音が泡沫越しに聞こえる)ま、泣けなくなるよりは流せる時は流した方がイイがね。どんなモンでも溜め込んじゃ、Badendに向かっちまう。(更に一匙、最後のひと口。ひとつの出会い、そして別れ。砂糖の甘さと喉を滑った名残を心にも残して。花の姫は咲い、融ける)
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