【個別】例えば夕日の往く海で
新堂・十真 2021年7月19日
ある、カクリヨファンタズムでの依頼。
それから少し経った後の、ある、夏の日。
もうじき、今日の陽の寿命が尽きる時刻。
明るい夏の日差しは、少しずつ血潮のように空を染め上げて、追っても縋っても、海の向こうへと沈んでゆく。
時間が一つの方向へしか進まないと、残酷なまでに教えてくれる。
――夜が来る。
※書き込み可能
新堂・十真
雨宮・新弥
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新堂・十真 2021年7月19日
知らなかった?
(少し、寄りかかる力を強くして、支えあう)
たまには地元帰るのも悪くないよ。
タフにして返してくれるからさ。
雨宮・新弥 2021年7月19日
……、知ってる。
それも、知ってる。
随分可愛がられてきたみてーじゃん。
新堂・十真 2021年7月19日
シンちゃんもさ、もやっとしたことがあったら
たまに帰ってみると良いと思うよ。
美冬さんとか元気そうだった。
雨宮・新弥 2021年7月19日
……帰れねぇよ。
……。
美冬さんなんか、特に顔合わせらんねぇ。
親父も、叔父さん達も、センセイ達も……音も。
合わせる顔が無ぇ。
(無効票)
雨宮・新弥 2021年7月19日
……、今は、尚更。
帰るときは、
“俺はこんだけ立派になった“って、
“夢を叶えられる“って。
……、
“あんたらが自慢してくれる俺に、ちゃんと釣り合ってる“って。
胸張れるようにならねぇといけねェんだ。
(無効票)
雨宮・新弥 2021年7月19日
でも、今の俺には……夢も、家出た理由も、無くなっちまった。
……まーくんにはちゃんと言った事無かったけど。
『ダチと二人で店やる』ってのが、夢だったんだ。
新堂・十真 2021年7月19日
そーかい、んじゃ仕方ねえ。
代わりに俺が帰ってたっぷりおじさん方にもおばさん方にも扱かれてくんよ。
マジであの人たち、耐久テストで遊んでるみたいなノリで若いの叩くからな
本人たちは優しくやってんだってカンジらしいが、それでも生きた心地しねえし。
そりゃー帰るたびにタフになるって。人間変わっちまったモン。
(無効票)
新堂・十真 2021年7月19日
だからまあ
………………。
ちょっとやそっとの弱音くらい、背中で支えるくらい、ワケねーし。
(無効票)
新堂・十真 2021年7月19日
…………そか。
目指してたところ、まるごとすっぽり無くなっちまったんだ。
雨宮・新弥 2021年7月19日
……行くのはいーけど。
美冬さんとこにはあんま行きすぎんなよ。親父んとこも。
(無効票)
雨宮・新弥 2021年7月19日
確かにまぁ、変わったよ。
前は俺が励ましてやる側だったのにさ。
……あぁ。
その上自分で何作っても甘ったるくて食えたもんじゃねェ。
正直言ってお手上げだよ。こんなん、歳食ったぶん中坊んときよか悪いぜ。
(無効票)
雨宮・新弥 2021年7月19日
だから、早いとこ。別のなんか探さねェとだし。
それまで心配かけないように……下手だって、笑い方覚えなきゃいけねェと思ってたんだよ。
(ちくしょう、なんて。どこに向けたのか自分でもわからない。)
新堂・十真 2021年7月19日
俺こないだ帰ったらなんも聞いてないのにツナさんとやりあった直後にドラゴンになった美冬さんが仮面つけてバス停担いだ智秋さん背中にのせて舞い降りてきて尻尾で撥ねられたあげく炎と氷の合体ブレス攻撃で念入りに急速冷解凍されたんだぞ。
俺が会いに行くもなにも大人世代は回避不可能なんだよ。
(無効票)
新堂・十真 2021年7月19日
それはともかく……。
(無効票)
新堂・十真 2021年7月19日
……ああいう地元の怖い大人たちと同じくらい
気の置けない優しい友達に助けてもらって、ちょっとずつタフになったんだよ、俺は。
だから今は、恩返しするターン。
(無効票)
新堂・十真 2021年7月19日
だから
……………一つ聞きたかったんだよ。
シンちゃん、そういう、人のこととか考えて、笑い方とか覚える前に……
ちゃんと、泣いたかよ。
雨宮・新弥 2021年7月19日
いや帰省に大喜びすぎんだろ……加減知らねえ大型犬かよ
(無効票)
雨宮・新弥 2021年7月19日
……カッコよくなりすぎんなよな。ったく、よォ。
(はぁーあ。深く、息をつき)
何。……胸でも貸してくれる、ってか。
新堂・十真 2021年7月19日
あの人たちは言葉の通じる熊だ。
(無効票)
新堂・十真 2021年7月19日
……なんつーかね。
「そりゃ、順序的にまず泣くとこじゃん」ってとこでずっと笑う努力してる奴
俺の周り、珍しくないみたいでさ。
(無効票)
新堂・十真 2021年7月19日
だから正直、慣れっこだよ。
胸でも背中でも、いくらでも貸してやる。
雨宮・新弥 2021年7月19日
(言葉の通じる熊代表みたいなのが父親なので何も言えない)
(無効票)
雨宮・新弥 2021年7月19日
……。
(浮かぶ顔は、いくつか。)
そのへんと一緒にされんの、すげーシャク。なんすけど。
(それから、背中にわざと力を込めて、ぐいと押し)
バーカ。
そんなん言われてメソメソ情けねェ真似、できっかよ。
俺は、
(無効票)
雨宮・新弥 2021年7月19日
まーくんのことだって。
ダチだし、大事だけど……
お前より弱くは、絶対ならねぇ。
(無効票)
雨宮・新弥 2021年7月19日
……けど。
背中は、借りる。
新堂・十真 2021年7月20日
(こいつ言葉の通じる熊代表の息子だったな……)
(無効票)
新堂・十真 2021年7月20日
そう変わるもんじゃないって。俺も大して変わんない。
みんな、人のことは気遣えるけど、自分に気は使えない連中ばっか。
どういう環境なんだろうね、俺ら。
別に俺だって、多少タフになっただけで
根っこのとこはそう前向きでもないけどさ……。
(無効票)
新堂・十真 2021年7月20日
…………。
(無効票)
新堂・十真 2021年7月20日
おう。
そうやって、ちゃんと休んでから立ち上がりな。
雨宮・新弥 2021年7月20日
……自分のことは、見てくれるやつが沢山いるから。
愛されてるってことだろ。多分。
(無効票)
雨宮・新弥 2021年7月20日
それがまーくんの……強いとこ、なんだろうな。
(羨望を言葉にまでは、出さなかったけど。)
――おう。サンキュ。
…借りるついでに、さ。聞いても、いいか。
新堂・十真 2021年7月20日
それは、たぶんそう。
(無効票)
新堂・十真 2021年7月20日
なんせまぁ、いっぱいいっぱい助けてもらったもんだから
多少は進歩しないとな、って思ってさ。
いいよ、なんでも。
雨宮・新弥 2021年7月20日
……、
(無効票)
雨宮・新弥 2021年7月20日
……まーくんも、あの日、行ったんだろ。
多分、会った……と、思うんだけど。
(確信があった訳では、無いけど。)
(言葉だけで、存在ごと否定してしまえる)
(力づくでは、厄介なオブリビオン。)
(無効票)
雨宮・新弥 2021年7月20日
あいつは、さ。
……温かかった?
新堂・十真 2021年7月20日
暖かかったし、優しかったよ。
俺はあの子に、「嫌なもの」を感じなかった。
本当に、ひとつも。
(無効票)
新堂・十真 2021年7月20日
僕がこういう生き物だって受け入れる前だったら
きっと戦えなかった。
雨宮・新弥 2021年7月20日
――……、
(それを、耳にして)
(無効票)
雨宮・新弥 2021年7月20日
(ふっと笑うのが、背中越しの呼吸で伝わるだろう。)
(寄りかかったまま、なりかけの夜を見上げて)
(無効票)
新堂・十真 2021年7月20日
しんどいよなぁ、猟兵。
こういうの、戦わなきゃなんねーんだもんなぁ。
(背中に伝わる笑みの気配を感じて、こちらも背中に伝わるように、笑い返す)
(無効票)
新堂・十真 2021年7月20日
だから……。
(演出継続)
新堂・十真 2021年7月20日
しんどいとき、しんどいって言って。
そんで俺にも……しんどいって、言わせてな。
雨宮・新弥 2021年7月20日
……しんどいな。
しんどすぎて、――ああ、だから、
一人じゃダメなんだな。俺たち。
(無効票)
雨宮・新弥 2021年7月20日
俺、夢も何にもなくなっちまったけど。
ダチだけは、これ以上失くさせねェから。
……任せろよ。
(無効票)
雨宮・新弥 2021年7月20日
――……。
(無効票)
雨宮・新弥 2021年7月20日
(明るい夏の日差しが、海に沈む。遠くから夜が降ってくる。)
あいつにも……
(無効票)
雨宮・新弥 2021年7月20日
しんどいって、言ってほしかったなぁ……
(演出継続)
雨宮・新弥 2021年7月20日
(薄い月と小さな星が、夕焼けと夜の隙間で微かに見えた。)