【RP】地上の星屑
葬・祝 2021年7月7日
七月七日。
一般的には、七夕と呼ばれる日。
短冊すらつい先日まで無縁だった悪霊には、織姫にも彦星にも全くもって興味がないけれど。
夏の風物詩は、嫌いではない。
お社の中庭では、星屑のようにぱちぱちと火の粉が煌めいていた。
☪︎*。꙳
はふりとコノエ
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葬・祝 2021年7月7日
(現代的な装いに身を包んだ悪霊は、しゃがみ込んで線香花火で遊んでいた。ぱち、ぱちぱち、ぱち。火の粉が散る。縁側の直ぐ近くには蝋燭立てと水の入ったバケツが置かれ、縁側には色々な手持ち花火が広げられていた。たまたまUDCアースの福引きで手に入れた、手持ち花火セット。少しやってみたかっただけで、幾つかやったあとはお子さまたちにでも差し出してしまうつもりだけれど。線香花火の光はそれなりに好きだった)
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朱葉・コノエ 2021年7月7日
(そんな線香花火を手に遊ぶ悪霊の少年を様子を、ただ何する事もなくじっと見つめる鴉天狗の少女がいた)
(ぱちぱちと散る花火とそれを楽しむ少年の姿をじぃと眺めて、無言のまま時間は流れていった。)
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葬・祝 2021年7月7日
おや、コノエ。……君ねぇ、無言で眺めるのはお止めなさいな。
(溜息。相変わらず、積極性の薄い娘だ。何か言えば良いものを、と呆れ混じりに、白い手が娘を手招いた。そんな所で無言で眺めているくらいなら、さっさと来い、と。どうせあとで時雨たちにくれてやる手持ち花火だ、ひとつやふたつ、先にやったって問題ない)
君も混ざりなさいな、折角ですもの。
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朱葉・コノエ 2021年7月7日
……申し訳ありません、祝様。
…その、少し…物珍しい光景と思い、つい眺めておりました。
(溜息混じりに話す相手の言葉に合わせて、黙っていた少女も口を開いた)
…それにしても、何故急にこのような遊事を?
(勧められ、試しに一本手持ち花火を持ち上げる。一般的な手持ちのすすき花火)
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葬・祝 2021年7月7日
大した話でもありませんよ。ちょっとUDCアースに出掛けて来たんですが、福引きと言うものをやらせて頂いたので。
(当たりました、とにっこり。それなりに量のある手持ち花火セット。手持ち花火セットとは書いてあるが、幾つか置き式の打ち上げ花火も混ざっていたし
、へび花火にすすき花火、ロケット花火に線香花火、手筒花火に変色花火、ねずみ花火……と、手持ち花火だけでもそれなりの数があった。ので、お社の子供たちにでも差し入れようかと思って)(なお。この妖、実の所、この手の福引きやくじ系にそれなりに強い。本人がある程度の幸運と悪運を操るもので)
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朱葉・コノエ 2021年7月7日
福引…別世界のくじ引きと呼ばれるもの、でしたか…そうだとしても。
(この量はなかなかのものなのでは、と。立ち並ぶ花火の量を見ても相当なものであると、花火にそこまで詳しくない彼女であってもそれは見て取れるものだった)
朱葉・コノエ 2021年7月7日
………
(火元に手持ち花火を着火させれば、ぶわっと眩い火が一斉に噴き出す。緑、紫、赤…と順々に色を変えていく様子は、小さいながらも鮮やかな火の芸術だ)
…夏日に打ちあがる、縁日の花火は見たことはありましたが…
…このようなものでも、喜ぶものなのでしょうか。
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葬・祝 2021年7月7日
まあ、運が作用するものは当たりやすいですからねぇ。旅行も家電もげーむも要らなかったので、持って帰るならこれかなと。
(しれっと。1位の旅行券やら、2位の家電やら、そんなの貰った所で持て余すし、それなら持って帰っても困らなさそうなものが良かろうと思っただけの話。悪霊は話しながらも動かないため、線香花火は綺麗にぱちぱち燃えていた。光が弱くなって来ている、もう少しで終わる頃だろうか)
打ち上げ花火とはまた違った風情がある、とは思いますよ。それに、自分の手で持って遊べるもの、幼い子供は好きですしねぇ。まあ、やらせても構わないかは珮李に確認しないとですが。
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朱葉・コノエ 2021年7月7日
…成程。
(祝の発言に対し、少しだけ頷く。幼い子供には確かにこのサイズ感はちょうどいいのかもしれない)
(打ちあがる大輪の火の花は例えどんなに綺麗であっても、どんなに手を伸ばしてもそれは掴むことはできない。だがこの大きさであれば、あの綺麗な花火を簡易的とはいえ自分の手元で再現できるのだから。とはいえ)
…幼子が振り回すには、少しばかり危ないのは間違いありませんね。
(くるり、円を描くように手持ち花火を回せば、軌跡を描いて鮮やかな火の輪が生まれた)
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葬・祝 2021年7月7日
くふふ、元より普段からあの子は身の丈以上の刀を振り回しているんですけどねぇ。
(可笑しそうに、喉を鳴らすようにわらう。微かな揺れに、ちり、と鈴が小さく鳴った。火の勢いが少しずつ弱くなって行く線香花火は、そろそろ寿命だろう。相手に声を掛ける前に火を点けたと思えば長生きした方か。ぽとりと芯が落ちると、それをあっさりと水を満たしたバケツに放り込んだ。じゅっ)(もう一度、線香花火を手に取った。この悪霊、しゃがみ込んで動かないように火花を愛でるのがそれなりに得意だ)
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朱葉・コノエ 2021年7月7日
…使い方さえ誤らなければ、の話です。
この鮮やかな火を危なげに振り回しては――きっと、風情が落ちてしまうでしょうから。
(ぽつりとそう語りながら、花火の勢いはやがて失われ…火が消えると同時にその手持ち花火は終わりを迎えた)
…打ち上げ花火より、輝きは長いとはいえ…終わってしまえばあっけないものですね。
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葬・祝 2021年7月7日
まあ、時雨はあの歳にしては賢い子ですし、やる時は珮李も一緒でしょうから、大丈夫じゃないですかね。多分カフカも釣れますし。
(あっさりと、お社の主をついでに釣れる扱いした。また、線香花火に火を点ける。最初は小さな蕾のような火の玉が生まれて行く。ぱち、ぱち、ぱちぱち、ぱち。小さな火花が散っては、また火の玉へと戻るその様を、しゃがみ込んで動かない妖の鏡面の眼がじっと見つめていた)
そりゃあ、何だって終わってしまえば呆気ないものですよ。最中がたのしいのなら、終わりが不快でないのなら、それで良いかと。
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朱葉・コノエ 2021年7月7日
…どちらにせよ、それであれば安心でしょう。
時雨様がそのような行いをすることがない事は…私も、わかります。
(それだけ彼女にとっても、社のメンバーを信用しているのだ)
…祝様は随分とそちらの花火を気に入られてるのですね。
(彼の握る線香花火を見て、ぽつりと尋ねた)
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葬・祝 2021年7月7日
ふふ、君もそれなりにお社に慣れましたねぇ。
(くすくすとわらいながら、火花が大きくなる線香花火から視線は外さない。この光が弾けて散るような花火は、眺めているのがたのしい。少しずつ成長して行く火の玉が、まるで生き物のようだ)
嗚呼、そうですねぇ。元々、手持ちで花火と言えばこれでしたし。私にとって、洋火は少し明るすぎて。
(洋火花火は、明るくて眩しい。これくらいの光が落ち着く)
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朱葉・コノエ 2021年7月7日
(明るく眩しい、と言葉を紡ぐ様子を聞いて、ふと同じように線香花火に手を伸ばす。手持ち花火の中でも一段と細く、小さな一本だった)
…蛍の光のように、淡く小さな光ですが…確かに見ていて一番落ち着くのは…この火かもしれませんね。
(火をつければ、そこから火の玉がぼんやりと出来上がっていく)
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葬・祝 2021年7月7日
(確か、江戸の頃だっただろうか。まだまだ炎以外の明かりもなく、妖たちが当たり前に暗がりに暮らすことが出来た時代。真っ暗な夜に灯る、小さな火花。打ち上げ以外の、初めての手持ち花火。線香花火。子供の玩具として売り歩かれたそれを、もう子供とは言い難い姿をしたカフカと並んで遊んだ記憶もある。記憶込みで、これくらいの明るさが好きだ)
動くと直ぐに落ちてしまうんですけど、ね。……そういえば、君は手持ち花火の経験は?
(ふと、話のついでに。相手とカフカの間に何があったかは、カフカが覚えている限りのことは大抵筒抜けだが、相手ひとりの時間のことは知らないことが多い)
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朱葉・コノエ 2021年7月7日
………
(手持ち花火の経験は、と聞かれればすっと静かに口を開く)
…いえ、ありません。
以前、旅館を離れて町に降りた際に…このようなものがあることは伺ってはおりましたが…こうして自分で手にするのは、初めての事です。
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葬・祝 2021年7月7日
おや、初めてでしたか。くふふ、それなら尚更いっぱい遊んでおきなさいな。未知は宝ですよ。
(相手の言葉に、悪霊はまたわらう。どうやら、今日はそれなりにご機嫌な気分らしい。ぱちぱちっ、ぱちっ、と火花が微かに弾けるような音を立てる。長く生きれば生きるほど、未知は宝だ。興味と好奇心はしっかり残しておくに限る)(自分が人らしいことを知らないのも、学び続けて人真似を演じているのも、当然のことだけれど。相手は人の子だ。キマイラ。なら、人である今の内に、色々楽しい記憶を積み重ねて行くが良い)
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朱葉・コノエ 2021年7月7日
…そう、ですね。
少なくともこの社に来てから――今まで触れてこなかったものにたくさん触れるようになりました。
…山を抜けて旅館に流れ着いた後も…私には知らないものが多すぎたのですから。
(ぱちぱちと線香花火の火玉は大きくなり、儚い光がちりちりと放たれる)
朱葉・コノエ 2021年7月8日
…正直な話ではありますが。
初めてこの花火を手にした時――私にはあまり役に立つとは思えないと、そう感じていました。
――きっと、この社に来る前までの私なら、そこで思考を止めて結論付けていたことでしょう。
…ですが今は…こうしてこの光を見る時間も…そう悪くないと、感じるのです。
朱葉・コノエ 2021年7月8日
――祝様。未知に触れることが宝であるならば…
…私も少しは、人らしく在れているでしょうか。
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葬・祝 2021年7月8日
(ささやかな音が、静かな夜にぱちぱちぱちり。明滅する火花は激しさを増して、けれど決して目に痛いものではない。儚く、刹那に、けれど確かに其処に在る。語られる相手の言葉は、少しずつ変わり、学び、大輪に花開く途中の人の子そのもののようで、悪霊は僅かに瞳を細めた。人の子の変化も、なかなか眩しいものだ。でも、此方は嫌いじゃない)
君はちゃんと人の子ですよ。憧れ、慕い、求め、惑い、成長しようと足掻く、人の子です。……くふふ、今の君なら、以前よりはずっと安心ですねぇ。
(良い夜だ。長く言葉を紡ぐことも少ない娘が、己の頭で考え、ひとつひとつ、声に出して行く。思考を止めず、様々な方向から物事を見ては、好ましいものを見付け出す。その姿は、そう、悪くない。好ましいものだ。自分が人真似のために学び続けて来た、人らしい、人の形だと思う)
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朱葉・コノエ 2021年7月8日
………そうですか。
(少しずつ、少しずつ、少女の手に握られた線香花火の光が弱まっていく。そして)
…えぇ。不思議ですがその言葉を聞けて少しだけーーー安心、できました。
(弱々しく光る火の玉がぽとりと地面に落ち、少女の表情を照らした淡い光はまた暗闇に一瞬遮られた)
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葬・祝 2021年7月8日
それなら、何より。
(幼い姿をした悪霊は、わらう。その表情には見た目に反し、幼い子供を褒める大人のような、そんな色があった。人の子の成長は見ていて飽きない。それがどんな変化であれたのしいけれど、取り分け、真っ当に、真っ直ぐに伸びやかに花開くような変化をこの悪霊は好んでいた。この悪霊の言葉ひとつに安心を得るなら、どうぞ、顔を合わせ、こうして言葉を重ね合うとしよう)(ちりり、鈴の音ひとつ。丁度、手元の線香花火も火勢が衰え、ぽたりと枯れ消えた。それをまたバケツの中にぽいと捨てて、立ち上がる。からん、と高下駄が音を立てた)
さて。そろそろ、一度片付けておきますかね。子供たちは明日にでもやるでしょうし。
(。)
朱葉・コノエ 2021年7月8日
…そうですね。
このまま放置するわけにはいきませんし、こちらの使用済みの片付けは行っておきます。
(燃えかすとなった花火の入ったバケツと中途半端に残ってしまった花火を手にもち翼を広げれば、しずかに二人はその場を後にするだろう)
朱葉・コノエ 2021年7月8日
(そしてこの夜の後、花火は無事に子供達の元に届き、社では子供達が手持ち花火を手に賑わう光景が見えた事だろう)
(その話が語られるのは、また先の事ーーー)
(。)