【1:1RP】あなたに見せて、わたしが見てない
世母都・かんろ 2021年6月12日
此処はUDC組織のヒーローアース支部の修練場。
無機質なましろの箱庭は、研究所の一室に相応しい様相。
中央に設置された標的システムには、疑似的な炎のテクスチャが揺らめいている。
箱庭の中、強化人間がひとり。
箱庭の外、ヤドリガミがひとり。
*かんろと叶
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世母都・かんろ 2021年6月12日
(息を吸う、そっと吐く。呼吸の繰り返しは穏やか。目の前に鎮座するニセモノの敵に対処すべく、次の動作は)――ふぅ。(指揮棒をそっと振るおうと右手を動かす)
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雲烟・叶 2021年6月12日
(特殊加工された強化硝子越しに、ヤドリガミは少女を見つめていた。唇に咥えた長煙管から、ゆぅらり、煙が昇る。その姿は、途中で何匹かの細長い狐へと変わる。管狐。修練場の外側のこの部屋の、更に外には、このヤドリガミに気が散ると追い出された他の職員や研究者たちが居る。この娘を、見世物にする気はないのだ)(随分、落ち着いて力を使えるようになっている。精神的にも以前よりは安定が見える。良い兆候だ)
甘露のお嬢さん、今日はこれで最後にしましょう。さ、最後の的は何時も通り少し速ぇんで、頑張って合わせて。
(室内に、スピーカー越しの声が届く)
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世母都・かんろ 2021年6月12日
(こくり、声に頷いて)――♪(す、と唇から紡いだ歌のひとひらに引き寄せられて、指揮棒が軽やかに踊る)――♪(素早い炎の赤色が尾を引いて近付くのを、さらりと通り雨が防ぐ。ステップを踏むように足が跳ねて、歌が跳ねる。横にずれ込んだ赤色を追って、糸雨が刺す)
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雲烟・叶 2021年6月12日
(別室からモニタリングしている研究者たちのコメントも、このヤドリガミには聞こえているが、娘には届かない。一度マイクを切ったタイミングで、五月蝿いですよ、と愛想のない声で言い捨てて、また少女の様子を眺めた。きちんと身を守り、防ぎ、的の動きに対処して追い掛けることが出来ている。これなら、猟兵としてはある程度きちんと動けるはずだ)(鎮火を確認すると、擬似的な敵の生成を行っていた装置を停止させる。またマイクのスイッチを入れ、スピーカー越しに)
……うん、大分状況把握とコントロールが上手くなりましたねぇ。お疲れさまです、もう警戒解いて良いですよ。出てらっしゃい。
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世母都・かんろ 2021年6月12日
(炎が消えて、小さくなって、透明な球体硝子めいた形を現した標的システムを確かめる。「またね、」と声を残して部屋を出た)――お、つか、れ、さま、でし、た。(セキュリティゲートを少し窮屈そうに屈んで抜け出す。澄んだ少女の歌声は、青年の低音に姿を変える)う、まく、なり、まし、た? ……よかった。
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雲烟・叶 2021年6月12日
上出来ですよ。何より、あんたが次の行動に悩まなくなりましたからね。
(出て来た少女に、おいで、とでも言うように管理室内の休憩スペースへと手招いた。白い素っ気ないテーブルと椅子の置かれた其処には、場所に似合わない愛らしい紫陽花柄のティーカップとポットが用意され、レース縁の皿にはその場で男の手により白い箱からタルトが取り出され、乗せられた。真っ赤で艶々のベリーが沢山乗せられた、ベリータルト。どうやら、今日のご褒美は珍しく洋菓子と紅茶らしい)
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世母都・かんろ 2021年6月12日
……えへへ(ふにゃり、彼の笑顔に誘われるようにはにかんで。休憩スペースの椅子に座る)
あり、がと、う、ござ……わ、あ、タル、ト!おい、し、そう、きれい。宝石、みたい。どこ、か、おみ、せ、の、です、か?(そわそわ、瞳が輝いて)
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雲烟・叶 2021年6月12日
(紫陽花のティーセットも、白いレース縁のお皿も、装飾されたカトラリーも、少女専用の物だ。せめて訓練が少しでも楽しくなれば、と、最初の頃に此処でのお茶会用に買ったもの)
ええ、UDCアースの喫茶店で、お持ち帰りもやってる場所があるんですよ。今度、お店の方にも連れて行きましょうかね。
(次の約束を重ねながら、ティーカップに紅茶を注いだ。どうぞ、と食べるように促して、自分もフォークを手に取った)
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世母都・かんろ 2021年6月12日
!はい、行きた、い、です。(注がれた紅茶のいい匂い、手を合わせてからフォークの先をタルトに)(しっとり、かつ固めの感触を思いきって裁断。口に運んで)……おい、しい(ふわふわ、笑みがこぼれる)生地、しっとり、で、外が、ちょっと、サク、サク、して。ベリーが、あま、ずっぱい、の。(言いつつ自然と二口め)
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雲烟・叶 2021年6月12日
(お約束しますよ、と笑って、自分もタルトをひと口。うん、洋菓子は不慣れだが、これはこれで美味しい。そもそも自分が慣れている範囲の物だけをこの娘に与えようとすると、和のものに偏ってしまって、この娘が大好きなきらきらふわふわした少女らしい物の数がどうしても減る。和物は和物で良いものでは勿論あるし、気に入ってくれてもいるだろうけれど、元々この娘はヒーローズアースの子供だ。なら、洋物に自分が寄せた方が早い)
お気に召したなら何よりです。……甘露のお嬢さん、今日の訓練の手応えは自分としてはどうでした?今日以外、最近の感覚でも良いですよ。
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世母都・かんろ 2021年6月12日
(控えめな和菓子の味もすきだけど、はっきりした洋菓子の味にもやはり惹かれる年頃。艶やかなベリーが舌の上で弾けるのを楽しみながら、きょとんと)
てご、たえ。……んと、こう、した、い、から。こう、動い、て、って、念じる、感覚、が。前、よ、り、近く、なった、よう、な。
歌と、やり、たい、こと、の、両、方。意識、を、おき、やすく、なった、気が、し、ます。(考えを整理して。たどたどしい言葉が音を成す)
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雲烟・叶 2021年6月12日
……うん。きちんと自分の訓練の手応えを考えて整理して言葉にする、この工程も出来てますね。
(良い子、と子供を甘く褒める柔らかい声。ただ何となく、で訓練を続けられるのは将来的に困ってしまうから。考えなさい、と何度か言って来た成果も、きちんと出ている。ついでに、自分の力量向上を認められるようになっていることも確認出来た。自分のことを認めながら話せる、というのはこの娘には大きいと知っている)
その通り。研究室の方で数値化された情報も出てますが、今、甘露のお嬢さんの能力は全体的に安定してますよ。力との意思疎通が在るべき形になった、とでも言いましょうか。
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世母都・かんろ 2021年6月12日
(褒め言葉に、もじ、と紅茶を口に含む)……うれ、しい、です。おち、つい、て、いれ、ば。大丈、夫、に、なって、きてる、の。おし、ごと、も、ひと、り、で、出来る、こと。増え、る、から。(銀鎖のブレスレットが光った)
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雲烟・叶 2021年6月13日
そうですねぇ。少しずつ出来ることも増えて、このまま完全に安定すれば、あんたは色んな世界で生きて行ける。
(声音は、娘の成長を喜び、手放しで褒める親のような色を帯びていた。紅茶をゆっくりとひと口。少し考えてから)
あんたがヒーローズアースの子供だと考えると、逸そ、ヒーローたちの必殺技のように、その雨を降らせる力に名前を付けて確固たるものとして定義付けしてやるのもありかもしれませんね。
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世母都・かんろ 2021年6月13日
ひ、ひっさつ、わ、ざ!?そ、んな、の、おお、げ、さ、です!ヒーロー達、に、失礼、かも……!(定義づけ、とても理にかなった提案。けれどその名づけの響きには慌てて首を横に振る)も、もったい、ない、もの。わ、たし、ヒーロー、じゃ、ない、のに(かぁ、と頬が染まる。この世界に生まれたこどもは、その偉大さをよく知っている)
世母都・かんろ 2021年6月13日
(微笑まし気な声色に、少しばかりもじもじとして)………あ、の。叶、さん。(ちらと、椅子に座っていても微妙に見下ろす視線は、上目遣いにも似ている)
そ、の……叶、さん、って。ほし、い、もの、とか、あり、ます、か?行き、たい、場所、とか。
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雲烟・叶 2021年6月13日
何言ってるんですか、この世界にとっても猟兵はヒーローですよ。それも、この世界のヒーローたちよりずっと強い、ね。
(あんたは猟兵でしょう、と煙管は笑う。この煙管だって、このヒーローズアースの世界ではヒーローと同等に扱われる。何故か?猟兵だから、だ。つまり、相手にもその資格はあるのだ。このヒーローズアースを護る、とびっきりのヒーローの資格が)
……?欲しい物、行きたい場所、です?そうですねぇ……今の所、あまり思い浮かびませんが、どうかなさいました?
(この男、物欲が本当にない。基本的に、人が好きで、人と何処かに行くから好きで、人から貰ったから嬉しい。そういうタイプ)
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世母都・かんろ 2021年6月13日
も、もう!(さらり、笑ったかみさまに、言い返せる言葉もなく。形だけの照れしか出て来なかった)
そ、う、です、か……じゃあ、食べ、たい、も、の、とか(そこまで言って、きっと同じく特にないと返ってくることは予想できてしまう)
えっ、と。わ、たし、に、して、ほしい、こと。とか、あ、り、ませ、ん、か?
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雲烟・叶 2021年6月13日
(照れたようなそれに、考えておきなさいな、とだけ告げて、くすくすと煙管は機嫌良く笑った。タルトを、またひと口。こうして穏やかに話す時間は、好ましい)
して欲しいこと、……甘露のお嬢さん、どうかしたんです?もしかして、何ぞありました?
(小首を傾げる。誰かに何かをして欲しい、と思うこともこの男には少ない。相手だから、でなく。でも、理由を教えてくれたなら、この男も自分の欲求が人に基づくものだとは素直に教えてくれるだろう)
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世母都・かんろ 2021年6月13日
(口をきゅっと噤む、けれど彼を困らせたい意図はないから)
……もう、すぐ、父の日。だか、ら。
なに、か。プ、レ、ゼン、ト、し、た、くて。(傍目には、おおきな身体が縮こまっているように見えたかもしれない)
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雲烟・叶 2021年6月13日
……、父の日……。
(思わず、その単語を繰り返した。螺鈿のような遊色が揺れる瞳が、一瞬だけまぁるくなったのが見えたかもしれない。娘のように扱っていた自覚は、ちょっとあった。ので。相手から、自分には分からないからと見様見真似で続けて来た“父”が返って来るとは、思って居なくて)
雲烟・叶 2021年6月13日
…………、……甘露。って、呼ぶべきですかねぇ。娘なら。
(少しだけ、困ったような。けれど、決して嫌なものは何ひとつ込められていない声が僅かに照れ臭そうに名を呼んだ)
あのね、甘露。自分はやっぱり器物なんで。欲求の類は薄いんですよ。でも、好ましい相手と何処かへ出掛けたり、一緒に何かを食べたり、好ましい相手が笑っているのを見たり、そういうのは、大好きなんです。……さて、お前は、何してくれますか?
(選択肢は無限大だ。何しろ、お前が楽しそうに幸せにしていたら、こっちは勝手に喜ぶんだから)
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世母都・かんろ 2021年6月13日
……!(それはなんだかすごく沁む音だった)
あ……え、と、ええ、と。じゃ、あ、お、おで、かけ、しま、す!叶、さん、が、すき、かも、しれな、い、映画、とか、一緒、に、見ます。それ、と、叶さん、が、すき、かも、しれない、おいし、い、もの、食べて、また、ゆ、遊園、地、いき、ます!
お、お花、も、あげる!そ、れに、ええ、と、えと、(とめどなく零れていく言葉が跳ねて、)
世母都・かんろ 2021年6月13日
それに、か、のう、さん、が、だいすき、な、こと。たくさん、して、幸せ、な、気、持ち、に、なる、よう、に、し、ます……!
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雲烟・叶 2021年6月13日
(ふふ、と男は楽しそうに、嬉しそうに、機嫌良さそうに笑う。堰を切ったように溢れる言葉の奔流が、やりたいことの羅列が、この男は嬉しいのだ。強請られることも、甘えられることも、頼られることも。可愛い子供の願いを叶えることが、とてもとても、好きなのだ。人が好きで好きで堪らない、人を愛している、そういう呪物だった)
ええ、ええ。時間はたっぷりありますもの、色々行きましょう。お前が楽しんではしゃいでくれるのも、お前が幸せそうな顔をするのも、何時も嬉しいんですよ。
(それこそが、一番の贈り物だと。災害級呪物であるが故に人恋しい癖に人から遠ざかるしかなく、また、恐れられ遠ざけられて来た男は言う)
(。)
世母都・かんろ 2021年6月13日
はい、はい!たくさん、しま、しょう!わ、たし、も、叶、さんが、うれし、いと、うれ、しい、です!
(バランスを崩したタルトが少しだけ雪崩れる。それもまた、ほろほろと)
(あなたに見せて、わたしが見てないもの。与えてくれた愛と慈しみに、返せるものをずっと考えていた。そのかけらを、見せてもらえたような気がした)
世母都・かんろ 2021年6月13日
(父娘の予定表は、まだ組み立て途中。) (おしまい)
(。)