【RP】人とは異なるもの
葬・祝 2021年6月11日
ひとつ。
ふたつ。
みっつ。
悪霊は、妖たちを狩っていた。
肉を喰う訳ではない。
求めるのは、その魂。
魂だけになった己を補強し、自我が消えぬようにと存在を高め繋ぎ止めるためのもの。
人が獣を狩り、肉とするように。
肉食獣が、草食獣を狩って食らうように。
その悪霊は、己の維持のために魂を喰らっていた。
お社の近くでそれを行うことはなく、お社の関係者を巻き込む気もなかった。
なので、それは完全に事故だった。
👻⚙️
はふりとセラフィーナ
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セラフィーナ・ミルズ 2021年6月11日
(何事もない日であるはずだった。いつもどおり社に向かい、いつもどおり社でお茶を飲み、いつもどおり社を去る。ただそれだけのつもりだった)
セラフィーナ・ミルズ 2021年6月11日
(気まぐれに、いつもと違う道を通ろうとしたのが悪かったのだろうか。セラフィーナは、見知らぬ道を歩いていた。ここは何処だろうか。そう思いつつも危機感を抱かなかったのは、下りさえすれば知った道へ出ると考えていたからだろうか)……とはいえ、結構歩いたからもう疲れちゃったのよね
セラフィーナ・ミルズ 2021年6月11日
(そうやって辺りを見渡しながら歩くうちに、視界にちらりと入った背中。ここで出会う人であればおそらく知人だろうと、胸を撫で下ろして近づいていく)あのー、すみませーん……
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葬・祝 2021年6月11日
(それは、紛うことなき惨劇だった。血に濡れた地面、腐り千切れ飛んだ肉片、嘗ては生きていた妖たちの成れの果て。徒に傷を増やして苦しめ殺すようなつもりは更々ないけれど、生憎と、今となっては己はそう強くもない。糧を得るために、形振り構っても居られないのが現状だった)
葬・祝 2021年6月11日
(そんな中に、長閑な少女の声が響いたのは、場違いと言っても良かった。ひゅお、と空を切る高い音と共に、念動力で宙を舞った呪詛塗れで赤く錆び付いた鉈がその細い首を叩っ斬る……直前で、ぴたりと止まった。鈍い刃物が肌に触れる、本当に少し手前)
……っと。すみません、間違えました。生きてます?
(嗚呼、生きてますね。白い頬に跳ね飛んだ血痕を片手で拭いながら、少しばかり驚いたように、鏡面の眼をぱちくりさせながら悪霊は宣う)(鉈が、すすす、と相手から離れるように引いた)
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セラフィーナ・ミルズ 2021年6月11日
えっ────(あまりに暢気な声と共に近寄ると、途端に鼻を突く死の香り。ここは尋常の地ではない。足元を朱色に染める肉片がそれを教えてくれている。どっと汗が吹き出る。だが気付いたのが、少しだけ遅かった)
セラフィーナ・ミルズ 2021年6月11日
(肉片から視線を上げたセラフィーナの眼前に迫る、赤錆びた鉈。反射的に、目を閉じてしまった。こうなっては、結果を待つばかり)ひっ……!
セラフィーナ・ミルズ 2021年6月11日
(それから少し、目を閉じたまま痛みの到来を待つが、それは来ない。様子を伺おうと、そっと目を開けると、喉元の1寸先で鉈が止まっている)(掠れ漏れるような空気が口から出た)
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葬・祝 2021年6月11日
(目を開けた少女の視界に飛び込んで来るのは、生者が誰も居なくなった其処にひとり立つ見知った悪霊の姿だ。仄かに透けた身体、跳ね飛んだ血痕、悍ましい気配を漂わせたまま周囲に待機する鉈や五寸釘の群れ。明らかに、加害者はこの妖だ。傍らに浮かべた呪符塗れの八咫鏡に、散らばった死体から妖たちの魂が吸い込まれて行った)(一応謝罪は口にしたけれど、これは聞こえていなさそうだ。しまったな、と少しばかり思案する。巻き込んだのが某戦神や某龍神ならともかく、相手は少しまずい。何なら某姑獲鳥の子や天狗志望の娘でも、まだ良い。多分、あれらは全員、避ける以前に鉈に武器を打ち合わせて弾き飛ばして来るので)
……セラ、息、出来てます?
(とりあえず、一応心配はしておこうと思う)
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セラフィーナ・ミルズ 2021年6月11日
(腰が抜けて、ぺたんと座り込みながら、大きく肩で息をする)だ、大丈夫……です……。ちょっとびっくりしちゃって……(そうは言いつつも、涙がぽろぽろと溢れている。それを指で拭いながら悪霊の顔を見上げる)
セラフィーナ・ミルズ 2021年6月11日
っ……(いつもと、違う。セラフィーナの知る祝は、「達観した少年」だ。こんなに死の匂いを撒き散らしながら歩く悪霊ではない。つばを飲んで、半歩分ほど、後退りした)
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葬・祝 2021年6月11日
(座ると汚れますよ、と指摘するべきか少し考えて、とりあえず今は言わずに置いた。泣かせてしまったようだし、これは間違いなくあとで知られたら珮李に叱られるし、カフカにも苦言を呈されそうだ。あと多分、りゅうこも五月蝿い。あれはとっても五月蝿い。どうしたものか、なんて考えながら、五寸釘や鉈を消し去った。嘗て己に振るわれたそれらは、己の死の際の血と妖力をたっぷり吸っているから呪具として優秀だ)
別に逃げなくても、お社の関係者を取って喰いやしませんよ。
(周囲を漂っていた妖力を引っ込め、頬の血痕を拭ったその手に八咫鏡を抱えた)
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セラフィーナ・ミルズ 2021年6月11日
(呪具が消えていくと、少し安堵して呼吸を整える。それから、悪霊の顔をじっと見て)あの……はふりさん、ですよね(いまさら尋ねた)
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葬・祝 2021年6月11日
(きょとん、と鏡面の眼を瞬く。まさかの名前を確認された)
何処からどう見てもはふりですが。
(何を今更。副音声が聞こえたかもしれない。八咫鏡の中で暴れる魂たちは、封印前の厄災の力の込められた坩堝の中でしっかりと溶かされて、食べやすく調整される。別に直喰いしても良いのだが、不純物を取り入れやすくなるのである程度の選別はしたい)
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セラフィーナ・ミルズ 2021年6月11日
ご、ごめんなさい……普段のはふりさんと全然印象が違ったので……(くすん。まだ出続ける涙をもう一度拭い、今度は八咫鏡を見る)はふりさん、こんなところで何をしてたんですか?
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葬・祝 2021年6月11日
ちょっと巻き込み掛けましたね、すみません。怪我はないでしょうけど、服、汚しちゃいました。
(ごめんなさいね、と謝りながら、まあ怖がられることも勘定に入れつつ、透け掛けた血の気のない白い手を相手に差し出す。その汚れた地面から立たないかと思って)
何、と言われましても……狩り、ですかね?
(ことんと小首を傾げると、ちりんと鈴が鳴った)
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セラフィーナ・ミルズ 2021年6月11日
ええ、怪我は……ぎりぎりで(自身の首に手を触れて、血が出ていないことを確かめる。それから差し出された手を、一瞬躊躇してから取り、立ち上がる)狩り、ですか。生きるために必要みたいなやつですかね
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葬・祝 2021年6月11日
それは何より。同じ服は……ちょっと無理ですが、一度お社の方でお湯に入って、着替えにお着物でも合わせましょうか。
(血の染み抜きは、珮李に聞いたらどうにかなるだろうか。なお、鉈は切るものではなく、圧し折って千切るものである。なので、当たっていたら先ず相手の首の骨の危機だった)(手を取ってくれると、透け掛けている割にはしっかりと手を取って立ち上がらせ)
ええ、そんな所です。生きて行くだけならそんなに難しくはないんですが、霊体の力を高めないとどうにも自我が剥離しやすいので。
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セラフィーナ・ミルズ 2021年6月11日
あ、服……(言われてからやっと、自分の白い服が血や土で随分と汚れていることに気付いて、スカートの汚れを見る)だ、大丈夫です、大丈夫です。服はすぐに着替えられますから(空中を撫でるように指を動かすと、小さなウインドウが空中に現れる。少し操作すると、セラフィーナの服が光りに包まれて、カジュアルなものへと変わる)……食事というか、充電みたいなものですかね(落ち込んだ様子のまま、目を伏せた)
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葬・祝 2021年6月11日
あら、便利。すごいですねぇ、霊衣のようなものでしょうか。
(ぱちりとまた瞳が瞬かれる。服が変わった。自分は完全に霊体なので、服も装飾品も一部を除きほぼ全て霊衣……霊体の変化でしかないが、相手もこんな簡単に服装が変わるとは思っていなかった)
ええ。既に何度かうっかり剥離し掛けたので、定期的には必要ですねぇ。
(希薄な魂がしっかりと力を得て、例えば格が上がったのなら、定期的の感覚は遠くなるだろうし、量も減るだろう。何時かは必要なくなる、かもしれない。が、残念ながら今の所、自分にはどうにもならない)
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セラフィーナ・ミルズ 2021年6月11日
わたしも、人間に似せてあるだけで生きた肉体ではないですから(祝の驚きように、少しだけ笑顔を取り戻して)ちなみに剥離したらどうなっちゃうんでしょうか
葬・祝 2021年6月11日
なるほど。バーチャルキャラクター、でしたよね。
(良く知りませんけど、と付け足す機械系に疎い悪霊である。でも、最近ちょこっとだけスマホに触らせて貰ったし説明も聞いたので、スマホの使い方はちょっぴり覚えた)
まあ、少なくとも今の“はふり”の人格は維持していられないかと思います。元々、感情や人格めいたものが何もない所から人真似で組み立てているので、現状だと魂の表層を削られると結構簡単に剥がれちゃうんですよ。
(困ったものです、なんて肩を竦めた。愛し子に消えるなと言われたから、と言うのもあるけれど。自分は“はふり”である己を、この微温湯のように穏やかに生きる己を、思ったより気に入っているのだ)
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セラフィーナ・ミルズ 2021年6月11日
ええ、服装くらいはすぐに変えられるんですけど、それはそれとしてお風呂はあとでいただきます(汗かいちゃったので)
はふりさんが、はふりさんでなくなる……それは……(その祝を怖いと思ってしまった自分に、そんなことを言う権利があるのか、少しだけ悩んで、声が詰まる)……嫌ですね
セラフィーナ・ミルズ 2021年6月11日
(自身の感情にもやもやしながら)ちゃんと維持しておいてくださいね、わたしが気軽に会いに来れる数少ないお茶友達なんですから
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葬・祝 2021年6月11日
ええ、どうぞ。確か、クロウもお社でスマホでメールとかしてましたし、君もカフカに許可を取ればお社の中からネットは繋がるんじゃないですかね、多分。
(ログインしに帰らないと云々を思い出して、そんな余計なことを言ってみる。別に、気軽に泊まりに出歩ける場所ひとつあったって良いだろうに)(怯えられるのはごく当たり前で、それが普通だし、そもそも厄災は厄災でしかない。だから、相手がこれっきりになることも、まあ当たり前かなとは思っている)(少し悩むように詰まった言葉に、人はまあこうなるだろうなと当たり前に受け取っ、)
葬・祝 2021年6月11日
…………、
葬・祝 2021年6月11日
(ぽかんと瞳を丸くしてから、一拍)(ふ、と弾けるような笑い声が上がった)
ふ、くふふ、あは、あはははっ!き、君、ふふっ、君も変な子だったんです?もう、本当に可笑しい。
(声にも笑いが滲んで、ころころと楽しそうに笑い声が転がる。嗚呼もう、面白い。お社に集まる者たちはどうしてこうなんだろう、あの子と同じ、変わり者のおばかさんばっかり)
くふ、ふふっ、維持しておきますよ。私もね、今の“はふり”を結構気に入っていたみたいなんです。最近知りました。
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セラフィーナ・ミルズ 2021年6月11日
ちょ、ちょっとなんですか! そんなに笑わなくてもいいじゃないですか!(変なこと言いました?と頰を染めて、誤魔化すように口元が笑う)真面目に心配してるんですよ?
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葬・祝 2021年6月12日
ふふ。ええ、ええ、真面目に心配してくださったんでしょう?
(だから、笑ったのだ。珮李の時も思ったけれど、このふわりと擽ったいような感覚は良く分からないけれど嫌いじゃない。明らかに、 怯えていた癖に、泣いていた癖に、それでも厄災を茶飲み友達扱いしてのけた少女の去勢と本気の心配に、敬意を表そう)
次は何処に行きましょうねぇ、君とのお茶会。
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セラフィーナ・ミルズ 2021年6月12日
そうですよ! あーもう、わたしばっかり気にして馬鹿みたいじゃないですかぁ!(恐怖もする、怯えもする。けれど、度胸だけは誰にも負けない自信があった)ん、また一緒にいってくれるんですか?
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葬・祝 2021年6月12日
んふふ、今ねぇ、とっても楽しいですよ、私。
(くふくふと相変わらず楽しそうに笑い混じりに喋る妖は、機嫌が良かった。その地面は相変わらず血塗れで、死屍累々だと言うのに。腕に抱えた八咫鏡の中では魂たちが悲鳴を上げていると言うのに。まるで長閑な会話だった)
だって私、君のお茶友達、なんでしょう?なら、お茶しに行かないと。
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セラフィーナ・ミルズ 2021年6月12日
それなら、それなら……今度は絶対に怖がりませんから(小さな声で、自分に喝を入れる)お茶以外だっていいんですよ。映画とか、遊園地だって
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葬・祝 2021年6月12日
(小さな声は聞こえたけれど、それについて言及することは止めておいた。それが叶っても、叶わなくても、少なくとも今日、彼女は踏み留まった。おまけに、厄災を友達と呼んだのだから)
それも良いですねぇ、どっちも初めてなので君に連れて行って貰わないと何も分かりませんけど。
(くふふ。機嫌の良い悪霊は、遊ぶ間くらいは霊障も抑えられるから構わないかと気軽にそれを受け入れる。それから、思い出したように)
セラ、そろそろお社に戻りましょ。お風呂、入るんでしょう?
(。)
セラフィーナ・ミルズ 2021年6月12日
ああ、そうでした、お風呂でしたね(大きく伸びをして、社の方へと進む。友達を怖がってしまったこと、まだ胸の中でちくちくと痛んでる。この痛みが消えるまで、いろんなところを連れて回ろうか。なんて考えて、祝の方へと目を向ける)
セラフィーナ・ミルズ 2021年6月12日
今度は日帰りで温泉にでもいきますか(ふたりとも着替えは要らなそうですし、なんて言いながら、ふふりと笑った)
(。)
葬・祝 2021年6月12日
(ともだち。記憶にある限り、多分、それは初めてなので。あの喧しい竜神も友達だろ〜〜!!なんて言って来るが、あれははっきり言って腐れ縁なだけである。ともだちって、何するんだろう。そういえば、それも知らなかったな。なんて、思いながら)(混浴を探すか性別を変えないと同じ湯船には入れませんよ、なんて言いながら、少年少女の姿をした人ではない者たちは、ふたり並んでお社へと帰って行った)(あとで、こっそりと。惨劇の場は死せる大神が平らげたのは、また別の話)
葬・祝 2021年6月12日
【〆】