【RP】鴉が落ちた日
朱葉・コノエ 2021年6月6日
その時は唐突に起きた。
いつものように山に聳え立つ鳥居の上で、彼女は山の動向を監視していた。
朝日がすっかり上り始めたころ、彼女の視界が急激に揺らぎだす。
揺らいだ視界は彼女の体幹をも狂わせ―――鴉は静かに、鳥居の上から消えていった。
発言可能:
朱葉・コノエ
葬・祝
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朱葉・コノエ 2021年6月6日
―――――
(真っ暗な視界に一筋の光が灯る。眩い白の光に思考を向ければ、やがてそれは少しずつ滲むように広がっていき…)
………ここは…
(ぱっと瞼を開けばそこは見知らぬ部屋の天井。自身の体の感覚も少しずつ思い出していくと、自分が横になっていることに気づく)
(ただどうしてこのような状態になっているのか、それをすぐに思い出すことはできなかった)
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葬・祝 2021年6月6日
(暫し傍らで正座をして様子を眺めていたものの、少女の瞳が開かれると視線が改めて少女を覗き込むように見た。妖の背で障子からの日差しは遮られていたが、急に目を開けてしまえば眩しいかもしれない。太陽は高く登り始め、相手が気絶してからそれなりの時間が経っていることが分かるかもしれない)
起きましたか、コノエ。
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朱葉・コノエ 2021年6月6日
…祝、様…
(ぼんやりとした頭の中で聞きなれた声が響く。振り向けばそこには正座をしてこちらを伺う少年の姿があった)
…確かあの時、私は落ちて……祝様がこちらまで運んでくれたのですか?
(上半身だけ体を起こして、そっと問いかけた)
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葬・祝 2021年6月6日
残念ながら、柔らかくは受け止められなかったので……痛みはありませんか。
(ポルターガイスト。見掛けて受け止めるまでは、自分の反射神経を褒めたいものだけれど。代わりに、受け止める際にあまり柔らかく受け止める選択肢は取れなかった。少しだけ気掛かりそうな視線は、自分が受け止める時にミスった可能性があるからだ)
(無効票)
朱葉・コノエ 2021年6月6日
いえ、体の痛みは特にありませんが…少しばかり、体を動かすには重みがありますね…。
(ぽつりと冷静に言葉を紡ぐ。とはいえ、まだ満足には動けない様子だ)
…結果はどうであれ、受け止めてくださったことは感謝いたします。
(す、と小さく頭を下げる)
(無効票)
葬・祝 2021年6月6日
それなら何よりです。……もう少し寝てなさいね、起きないこと。
(にこりとわらう。それは、幼子の身の安全を素直な安堵と共に喜ぶものだ。片手を伸ばし、相手が止めなければ相手の肩を押しながら後頭部に手を添えて衝撃がないように布団に戻すだろう。ひんやりとした小さな手は、それなりにしっかりと支えてくれるだろう)
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朱葉・コノエ 2021年6月6日
………はい
(少年の手が体を支えると、少女はそれを素直に受け入れていた。それは彼が味方であるという安心感を、少なからず無意識のうちに受け入れていたからだろう)
……………
朱葉・コノエ 2021年6月6日
…誰かに看病されるというのは、初めての経験ですが…
…不思議な心地、ですね。
(横にされながら、ぽつりとそう言葉を零した)
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葬・祝 2021年6月6日
(相手を布団に横たえ直すと、手癖のように片手で相手の頭をそっと、ぽん、ぽん、と緩やかに撫でた。それは、とても慣れ切った、幼い子供にするような仕草であった)
あら、ならこれから増えますよ。君を心配する者は多いですからねぇ。嗚呼、勿論、身体には気を付けて適度に休んで欲しいですけどね。
(これから、に対して、ほら、と相手の傍らを示す。幾つか、お社の人々から差し入れられたお見舞いの品のような物が置かれているのが分かるかもしれない)
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朱葉・コノエ 2021年6月6日
あれを、皆様が…?
(見舞いの品が並んでいるのを見て、少しばかりきょとんとした反応をする。これも今まで自分には体感したことのない経験だっただろう)
…私の中では、調整しながら休息は取っていたつもりでしたが…改めて見直す必要があるようですね。
…祝様は、手慣れていらっしゃるのですね。
(看病する様子にふとそう呟いて)
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葬・祝 2021年6月6日
ええ、君に、と。……落ちた時に、遠目から見たと慌てて外に出て来た子たちも居ましたよ。心配されるってことは、君、好かれてるってことですからねぇ。
(自分も最近知ったことだけれど。心配されるってことは、好かれているということで、どうでも良くない、ということ。まだまだ分からないことだらけではあるけれど、そういうものらしいので、相手もきっと、そういうことだ)
しっかり丸一日休むような日も必要ですよ。そうです?……嗚呼、確かに、カフカが昔は寝込んだり何だりしてましたからねぇ。
(無効票)
朱葉・コノエ 2021年6月6日
………そうですか。
…あまり、強く意識したことはありませんでしたが…私はそう、思われているのですね。
(元より他人との関わりは薄かったゆえに、誰にどう思われているかということを意識したことなかった。だからこそ、今向けられた言葉は彼女にとってはまだ未知のものだった)
…なおさら、あまり心配はかけられませんね。
(無効票)
葬・祝 2021年6月6日
コノエ。心配は掛けられない、は見付からなければ良いってことではありませんからね。
(相変わらず、悪霊は子供にするように相手の頭を撫でる。良く見れば周囲には盥と濡れた手拭いや、横になったままでも飲めるように吸い口付きの飲み物などが用意されていた)
そもそも、君はこの年頃にしては働きすぎです。今回倒れたのも過労なんですからね?
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朱葉・コノエ 2021年6月6日
…………申し訳、ございません。
(働きすぎ、と釘を刺す言葉にしばらく間を開けた後に謝罪の言葉をいれた)
…祝様には以前にも仰られた事を、受け入れていたつもりでしたが…
やはりすぐには…思いつかなかったものですから。
…ただ体を休めてじっとしている事が…まだ落ち着かなかった、のかもしれません。
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葬・祝 2021年6月7日
……君は休むのが下手な子ですねぇ。
(ぽん、ぽん。ゆぅるり、幼い子供を宥めるように、慰めるように。苦笑混じりの呆れたような声に、棘はない。何処にでも居るものだ、走り続けて走り続けて走り続けて、止まり方が分からなくなるような子供は。けれど、そのまま走らせ続ければ、足が速くなるでも、長距離が得意になるでもなく、潰れてしまうものだ)
完全にじっとしていろ、なんて言っていませんよ。身体を休ませる、心を休ませる、そういう休息が必要なんです。ずっと修行と見回りをしているなら、週に一度や二度はそれらを他の方に監修して貰って決めたごく最低限のみにして、それ以外はお社や宿で皆と交流してゆっくりする。交流を増やせば、必然的に多少は興味関心も増えるでしょうしねぇ。
(無効票)
朱葉・コノエ 2021年6月7日
………そう、なのでしょうね。
果てのない高みの空に向かって…ただただ真っすぐ飛ぶことしか、私にはできなかった。
…そうして、気づいたらこの社へ追いついたのが今の私ですから。
朱葉・コノエ 2021年6月7日
…今日の事は、よく勉強になりました。
少なくとも私は…一人ではなかった、ということも含めて。
(そういってひとしきり話せば、ふと彼女の腹部あたりから小さな音が鳴り出す)
…そういえば…今日は何も食べていませんでしたね…。
(無効票)
葬・祝 2021年6月7日
(少しだけ、この悪霊は珍しく言葉を考えた。それは、無謀にも遥か高く、天の火へ飛び続けた夜鷹へ向ける礼儀のように思えたからだ。あの子には、想われる張本人だからこそ言えぬこと。あの子を良く知らぬ者にも言えぬこと。でも、恐らく、自分はあの子のことを伝える程度には言えることだ)
あのね、コノエ。君はこの場に、カフカの神域に確と辿り着きました。あの子は、此処からは居なくなりませんよ。此処をまた閉じると、今度こそ封印されて消えますしね、私。
(不穏なことだが、事実だ。理由がある上で“居なくならない”方が、人は安心するものだ。口だけではない証明に、人の子は理由を求める)
だから、焦りすぎなくて大丈夫です。君は言われたくはないでしょうけれど、君はまだ幼い人の子なんです。肉体の、魂の強化に、格を上げることに、しっかりと時間を掛けなさい。どうせ歳を取っても、天狗に至れば肉体は最適化されます。
葬・祝 2021年6月7日
分かれば宜しい。多分あとで、時雨に飛び付かれますよ。散々心配していましたから。
(わらって、悪霊はちりぃんと鈴の音と共に立ち上がった。透けた足が、畳を踏む)
良い子にしてらっしゃい。何か作って来ますよ。暫くは胃に優しいもので我慢してくださいね。
(言い置いて、ひらりと片手を振る。良い子にしていなさいと、子供に言うように。そうして、宙に解けるように消えた)
(演出終了)
朱葉・コノエ 2021年6月7日
…………
(此処からはいなくならない、たったその言葉だけで不思議と体に安心感が包まれたような気はした)
(それはおそらく、彼女が知らぬうちに抱えていた小さな不安であり焦燥感だっただろう)
………そうですか。居なくならない、か。
…不思議なものですね。それを聞いたら少しだけ…
…安心できたような、気がします。
朱葉・コノエ 2021年6月7日
それほど心配をかけてしまったのなら…あとで時雨様にも、謝っておきましょう。
…はい、此処で大人しく待っていますので。
(どちらにせよ今の体で思ったように動くのはまだ難しい)
(その場から消えた少年の姿を見送った後、また少し横になって空を仰ぎ見るのだった)
朱葉・コノエ 2021年6月7日
……………
………此処に来れて、本当に良かった。
(そっと呟いた彼女の静かな感謝は、小さく響いていく)
(演出終了)