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【RP】もろびとこぞりて宵の沫

岬・珮李 2021年6月1日


「勘弁してよね」

 思わず漏れた声は思ったよりも重たく、いかに自分がこの現状を前にうんざりしているのかが分かる。
 朝餉の仕込みも終わって、後は眠るだけといったタイミングで気がついたそれは。心ばかりに気配殺して、土足で石段を上がろうとしていた。
 こんな時間に参拝客でもないだろうし、修行中の天狗が迷い込んできたとも考えにくい。
 その上、ちょっとした団体さんだ。まず普通の用事ではないだろう。
 石段を滑るように駆け下りてみれば、やはり。物騒な目つきの連中がたむろしている。
 何の用事で来たのかは、一瞬で理解できた。

「悪いけど、問答をする気はないよ。勿論ここを通す気もね」

 普通に相手をしていれば、そのうち他の誰かに気づかれる。
 何より「当人」に気配が伝わってしまうだろう。
 ならばここは、静かに、速やかに。全てを終わらせる必要がある。

「まあ、そういうことだから」

 風が吹いた。退治するは暗がりに浮かぶ目、目、目。
 小さく丸い、気泡のような点々が思い思いの感情を乗せているのを一瞥して。

「――全員で来い。ボクに一太刀いれることができたヤツの事だけ覚えておいてやる」


**世話焼きと悪霊のみ**





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岬・珮李 2021年6月1日
(結局どうなったのかと言えば、戦神の脳裏に何者かが刻まれることは終ぞなかった。わかりきっていたことだが) はー……やれやれ。 (一つことが片付いたのに相変わらず気分は重い。障害を排除したら、今度は後片付けで頭を悩ませることになるからだ。まだ境内じゃなかっただけマシだと自分を慰めながらも、不意に耳が風以外を捉えて振り返る。石段の上、闇に向けて眉をしかめ) なんだ、起きちゃったの? (無効票)
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葬・祝 2021年6月1日
(ちりぃん)(石段の上。闇に溶け込むように半分ほど透けて、悪霊が佇んでいた。透き通って半ば消え掛けの足先は宙に浮いたまま、何時もの高下駄はどうやらお社に置き去りらしい。ふぅわり、石段を直接降りることもせず、重さを感じさせない小柄な体躯が相手の前へと降りて来る)
私へのお客さんだな、とは思ったんですが。……ちょっと間に入れるような状態ではなかったので。
(眺めてました)(戦神との間に割り込むのは絶対に無理だ。素直に答えて、地面に転がった侵入者未満たちを眺める。がちがちに身を固めた厄除け、不吉へ、不幸への対抗、浄化、腐蝕への対抗、病避け。ついでに、この中でも指導者格だったのであろう相手から、それなりに強力な厄災封じの嫌な気配がする) (無効票)
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岬・珮李 2021年6月1日
(涼やかな鈴の音、といえばきれいに聞こえるが。実際それが聞こえた途端に体感気温が下がった気がする。夜に溶けかけ、明らかに常人ではない軽さで降りてくる姿は何も知らないひとが見れば卒倒モノだろう。倒れている連中はいるけれど、こいつらは彼を見つける前に倒れたので除外だ) 寝ようと思ったら不穏な空気を感じたからね。ボクが出たほうが早かったろうし。 (見下ろし、改めてため息) 随分本格的な装備じゃないか。気合があるのはいいけど、夜襲とはいただけないね。 (無効票)
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葬・祝 2021年6月1日
(この妖が身に付けた鈴は、封印の役割以外だと猫鈴と大差がない。もっと言えば、熊避けの鈴に近い。周囲に己の道行きを報せ、不吉から逃げろと伝えている。良心めいたそれは、この神域に、あの山神の傍に居るために自ら身に付けたものだ)(にっこりと笑う顔立ちこそ幼げではあるが、時間のせいか、昼間に見る姿以上に厄の気配が強い)
助かりました。正直、今の私だとそろそろ対抗が厳しくて。
(これは、助けられた、のだろうか。わざわざ?私を?分からないな、なんて思いながら、とりあえず、お礼の言葉は口にした。意図はどうあれ、助かるのは事実だ。昔ならいざ知らず、今の己には厳しい) (無効票)
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岬・珮李 2021年6月1日
そうだろうと思ったよ。 (この、厄の塊のような存在は。ただ、厄の塊のような存在なだけだと、個人的には思っている。昔はどうか分からないけれど、今の彼はあまり戦いに向いていないだろう。となれば、一人でこの数と。明らかに特攻といえる装備を相手取るのが大変だろうことは想像に難くない) 構わないよ。……といっても、どうしてボクがこんな事をしたのか。あんまりピンとは来てません、って思ってない? (そういう顔してるよ、と笑う。緩やかな風に、地面に引きずる長さの髪が揺れた) (無効票)
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葬・祝 2021年6月1日
お恥ずかしながら、すっかり衰えちゃいましたからねぇ。
(くふふ、と気にした様子もなく妖はわらう。逸そたのしげにすら見えたかもしれない。弱くなった。それも、相当に。昔なら対抗出来た神の座にある者たちにとって、今の己なら封じられるだろうと思わせるくらいには。けれど、弱くなった分、あの子の周囲に、あの子の神域に影響を及ぼさずに済む。だから、別に力を恋しいと思ったことがない。強いて言うのなら、相変わらず詰めの甘いあの子を護るのに力が足りないと困るなと思うだけ)
そう、ですねぇ……だって、君も十二分に善神の類でしょう?その姿だと、近付くと少し神気が痛いですし。善なる神に、厄災を助ける理由がない。 (無効票)
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岬・珮李 2021年6月1日
だからこそ、今が好機といえば好機なんだろうね。あんまり一人で出歩いたりしちゃダメだよ? (襲う側からすれば絶好の機会ではあるのだろうけれど、迎え撃つ方は大分面倒だ。まあ、逃げに専念すれば大丈夫なのかもしれないけれど。不安は尽きない) まあね。それは確かに、キミの言う通り。うーん、なんて説明すれば分かりやすいかなこれ。……そうだ。端的に言えば、ボクは別に神の立場でキミをどうこうしようっていう連中を叩きのめしたわけじゃないんだけど。 (わかる? と小首をかしげる) (無効票)
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葬・祝 2021年6月1日
うーん、最近は比較的お社を根城にしているとはいえ、活動は基本的にひとりなんですがねぇ……。
(困りましたね、なんて言いながら。実際、何時もお社に居る訳でもないし、何時もあの子と居る訳でも、何時も連絡が着く訳でもない。魂の補強のためにひとりで狩りに出ていることもあるし、なかなか難しい話だった。相変わらず気を抜いて透けたままの悪霊は、地面に転がる諸々の特攻武装の気配や厄災封じの気配が嫌なのか、少しだけそれらから距離を取った。近くにあるだけでもぴりぴりするので)
……?神の立場とは違う所で、厄災を封じようと動いた者たちを叩きのめしたんです?厄災封じは善行でしょう?
(きょとん)(鏡面の眼をぱちくりと瞬く様は、相手の行動理由をさっぱり分かっていないばかりか、己を封じようとする者たちの行動に普通ならこうするだろうという方向の正当性を見ている) (無効票)
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岬・珮李 2021年6月1日
まあ、プライベートな時間はいるし。やることもあるのは確かかあ。じゃあせめて夕飯までには戻ってくるとか。 (ほぼ門限の話になっている)(手持ち無沙汰に刀を抜いて、手近で倒れている体から厄除けの数珠飾りを引っ掛けて手に持つ) まあ。 (がり) こいつらを素通しするほうが善行なのは確かだね。 (ごりごり。素知らぬ顔で数珠をかじって噛み砕く。厄災を封じる、もしくは討伐するというなら。見過ごす方が正解なのは。よく分かっていて) こいつらにちょっかいをかけたのは、岬・珮李っていう元人間の個人的な感情だよ。まあ戦神として少し遊べるかとも思ったけど、そっちは空振りだったね。 (無効票)
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葬・祝 2021年6月1日
完全に子供の門限ですね、それは。……まあ、消滅すると泣かれそうですからねぇ。なるべくは逃げに徹したい所です。
(あの子が泣くから。消滅しないよう気を付ける理由としては、何とも幼いような、己自身の命には欠片も執着を持たない理由であった)(厄除けの数珠が砕かれる様に、また瞳を瞬いた。食べている、ような。あ、ちょっと特攻武装が減るとちくちくした感覚が減るので楽だな、なんて思いつつ)
元人間の、個人的な感情……?
(ことんと細い首が傾いて、ちり、と鈴が揺れる。戦神としてについては、強いんですねぇ、なんて感心したように。本当にこのお社、戦神に竜神に……あの子の神域に招かれている彼らを安全だと思わなければ、普通なら絶対に近付かない者たちばかりだ) (無効票)
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岬・珮李 2021年6月1日
その意気その意気。……いや本当に、泣かれるで済めばいい方なんだけど。 (そういえば、時間も時間だから当然とはいえここの主の気配を感じない。いい気持ちで寝入っているのか。それならそれで、状況説明の手間が無くていい)(そうこうしているうちに数珠を食べ終えたので、今度は破魔の札っぽいものを取る。もしゃもしゃ) うん。まず、こんな非常識な時間に襲いかかってくるってことが純粋に気に入らない。あと時雨が起きたらどうするんだとか、りゅうこが嗅ぎつけたらワンチャン境内で酔い潰しにかかるかもしれないとか。色々あるんだけど。後はまあ、善行よりも身内の身の安全を優先した、とかね。 (無効票)
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葬・祝 2021年6月1日
……?
(泣かれるで済めば、にまた小首を傾げた。自分の消滅や永久封印であの山神がどうなるか、この妖には浮かびもしないのだ。自分に重きを置くような認識がないから)(なお、あの山神は修羅場を終えて潰れている。さっき、起きないようにと様子は見て来た)(また食べている。思わず、もしゃられて行く札を目で追い掛けてしまった。やっぱり、どう見ても食べている)
夜襲は、まあ、……私を襲うのには向かない時間だとは思うんですが、昼間はカフカの活動時間ですから仕方ないかと。…………みうちのあんぜん。
(うーん、と首を傾げながら返せる答えは返した。が、身内の安全、と言われると、思わずそれをそのまま鸚鵡返しに繰り返した。響きは物凄く、認識し切れていない平仮名そのものだったが) (無効票)
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岬・珮李 2021年6月1日
ああ、いいんだよ。今はこっちの話だから。 (予想通り、いまいちこちらの言葉を聞いて理解には至っていないらしい。その在り方や普段の言動から察するに、予想の範囲内。多分色々と未知を押し付けられて、戸惑っているといった所なんだろうと思う) ……ん? ああ、ほら。ここで戦闘があったっていう証拠の隠滅がてらね。 (自分には栄養になるし、なくなれば彼も少しは楽になるはず。次はこのお守りでも食べようかと、霊験あらたかな厄払いグッズビュッフェに勤しむ) そもそもこのお社を襲撃するっていうのが、命知らずもいい所だけど。そう、身内の安全。 (こっくり頷く。オマエ。ボクノ、ミウチ) (無効票)
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葬・祝 2021年6月1日
(そうです?と首を傾けはしたが、良いなら良いかと話題を放棄した。大抵の者は知らぬ話だが、人真似で学んでいないことに対して、この妖は咄嗟の行動が出来ない。人真似で覆い尽くさない咄嗟の行動は何に対しても、厄災を、不吉を、不幸を、病を振り撒くものにしかならないからだ。だから、厄を招かぬために行動に迷ってフリーズしたり、ラグを起こしたりする。先日、クロウの膝の上に乗せられた時のフリーズもそれである。今まで滅多にないことだったのに、最近急に外部からのあれこれに戸惑うことが増えてしまった気がする)
証拠隠滅には、ちょっと大きな塊があるのでは。というか、君、食べるんですねそんなの。
(まじまじ。自分なら触りたくもないが。なお、大きな塊、で転がる敗北者たちを見下ろしていたので、これは大きな塊である。血とか知らない。塊。此方は処理に提供出来るのは死せる大神か腐蝕くらいしかない)
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葬・祝 2021年6月1日
後ろにそれなりに高位の神でも付いてたんじゃないですかね、カフカを黙らせられるつもりだったのかと。………………、……私?
(長い沈黙。やがて、己を指差し、こてん、と頑是無い素振りで細い首が頼りなく傾いた) (無効票)
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岬・珮李 2021年6月2日
(そうです。と頷いて、この場は流す。これをすぐに理解しろというのは、砂漠でアリが付けていたコンタクトレンズを探せというのと同じくらいに難しい。まあ、それでも時間をかければなんとかなるかもしれない、というのも共通点で。見ている側からすれば、その戸惑いがなんとも面白くて。なんとも微笑ましかった。これじゃあ、赤子と相違ない) うーん、あの大きいのは普通に無理だけど。まあ、こういうのは食べれるよ。 (無機物はいいとして、有機物まではさすがに食えない。あれが神族なら、その限りでもなかったのだけれど。後は火葬かな、と呟いて肩をすくめる) ははん? そういうことならちょっと知り合い経由で探り入れてみよ。 (高位の存在にも顔見知りはいる。もしかすれば、首謀者を見つけられるかもしれない) ……逆に聞くけど、もしキミに猫耳と尻尾があって。どうでもいい相手に触らせる? (無効票)
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葬・祝 2021年6月2日
(赤子と大差ないと思われているだなんて知りもせず、己の本当の感情と向き合うことすらまだ知らぬ妖は、少しずつ弱りながら、それでも今日もあの子が泣くからとただ何となく魂を補強しながら存在している。あれもこれも、全てたったひとりに集約されるそれを何と呼ぶのか、未だ気付かぬまま)
あれ、どうしましょうねぇ。私だと、腐蝕で土に還すくらいしか出来ません。火葬は……此処だと目立つのでは。
(自分が駄目なものが相手にとって栄養となるのは少し面白くて、あれこれ食べる姿を興味深そうに眺める。火葬。流石に、お社に近すぎて目立つのではなかろうか)
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葬・祝 2021年6月2日
お願いします。あんまり、あの子に私のことでこれ以上の手間暇は掛けさせたくないので。
(頼んで、軽く頭を下げる。この仕草も、人真似。お願いする時は、そうするもの)(問われると、少しまた考えるように黙った。ひらりと舞い降りた朱蛺蝶が、悪霊の頭にまるで髪飾りのように翅を休める)
…………、……しない、と、思いますけど……えぇと、…………、……どうして?
(困ってしまったような、どうして良いか分からないような反応。最近、どうしてみんな人真似の経験にないことをするのだろう。このお社のひとたちは、やっぱり変だ) (無効票)
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岬・珮李 2021年6月2日
やっぱり燃やすのはダメかあ。ううん、もっと遠ざけてから始末すればよかった。……悪いんだけど、さくっと土に還してもらっていい? (境内までは守ったとて、これを放置したまま朝になればそれこそ大騒ぎになる。今、一番手っ取り早い方法を持っているのは彼だろう。結局、最後の始末を任せてしまうのはちょっと申し訳なかった。あとそろそろ満腹なので、残りの装備もろとも片付けてしまいたかったのもある) 了解。必要なら、知り合い経由で釘刺してもらうよ。 (気にしない気にしない。手をフリフリと振って笑う。この手間だって、身内相手なら苦でもないというのを。果たしていつ理解するのか。やっぱり、面白い) でしょ? ボクだってそうだよ。でもキミがどうでもいい相手じゃないから好きにさせてる。はふり、キミはもう少し、人に好かれているっていう自覚を持ったほうがいいかもね。難しいだろうけど。 (無効票)
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葬・祝 2021年6月2日
はいな。でも装備に関しては腐蝕受け付けてくれますかねぇ。……あ、やっぱり残りますねこれ幾つか。
(にこやかに請け負った途端、相手が与えた傷から物凄い勢いでどす黒く腐蝕が進み始める。多分この妖、やる気になれば発酵食品とか作れると思う。衣類や武具も錆びてぼろぼろになって行く中で、結局、腐蝕避けや浄化装備などの一部が腐蝕に耐えて残っている様子が窺えた)
ありがとうございます、助かります。
(生まれて此方、まともに助けを求めたことなんて、一度もない。山神相手ですら、気軽なこと以外を頼んだことはない。手間暇を掛けさせたくない、とは言うが、結局、根本的な部分で人に頼る、助けを求めるなんてことを知らないのだ)
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葬・祝 2021年6月2日
…………、……。
(相手の言葉に、妖は押し黙る。普段なら良く回る口が、閉ざされた。分からない。好かれるって、自分が?厄災を好くような物好き、あの子以外に居るのか。どうでも良い相手じゃないって、何だろう。あの子以外を有象無象だと認識する、自分も?)(長い沈黙だっただろう。だって、どうして良いか分からなくて。困ってしまって、視線を相手に向け直す)(笑っている)(悪意も、敵意も、害意も、嫌悪も、嘲りも、他意ひとつない。何も、ない、表情)
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葬・祝 2021年6月2日
…………、……。
(そうか)(私も、これ、どうでも良い相手じゃないのか)(どうでも良い相手じゃ、なくなったのか)(こくん)(子供の小さな頭が、ほんの僅かだけ、戸惑い、躊躇うようにひどく控え目に、首肯した) (無効票)
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岬・珮李 2021年6月2日
おおう…仕方ない。これはボクが持って帰るよ。これだけの腐食を生き抜いたんだし、何か素材になるでしょ。 (ここまで一瞬で進んだ腐食も耐えてる辺り、本気の装備だったんだなと感心する。感心したので、ありがたく有効利用はさせてもらおう。ついでに、この社で本格的な発酵食作りができるかもしれない。そっちのほうがよほどワクワクする話だ) いいよいいよ。まあ、多分今のキミには難しい話もしちゃったし。その侘びと思ってくれれば。
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岬・珮李 2021年6月2日
だから、まあ。焦ることもないし、分からないことは分からない。困ったことは困ったって、ちゃんと口に出すこと。多分これから、もっと分かんないことが増えるだろうからね。 (首肯によし、と笑って。死人のように白い額に指を伸ばし、こつこつと突っつく) はー、さすがに深夜労働は疲れちゃうよ。そろそろ戻らない? (無効票)
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葬・祝 2021年6月2日
はい、お願いしますねぇ。……うん、諸々消えましたね。
(残った腐肉と骨は、徐に地面から顔だけ出て来た闇に包まれた巨大な狼の顎がばくんっと喰らい、あとには件の装備だけが残された。これにて、後始末完了。神々の遺体の一部を喰わせた死せる大神はしばらくは力の調整が必要だろうけれど、より強化されるのは確かだ)
……確かに、君は難しい話が多いですね、今夜は。
(素直に頷いて、溜息を吐いた。あの子も、最近理解が追い付かない話をすることがある。多分、何か。何か、知らなければならないのだろう、けれど)(……何を?)
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葬・祝 2021年6月2日
わ、……そんなに、分からないことばかり増えられても、困ります。
(額を突っつかれると、ぱちりと瞳を瞬いた。向こうから触れられるって、やっぱり新鮮。む、と眉を寄せた子供の表情は人真似だったけれど、言葉は本音だ。分からないことが増えることに困ってしまう。やっぱり、人って難しくて、学んでも学んでも分からないことが嵩んで行く)
……そうですねぇ、戻りましょうか。あ、ご飯余ってましたし、お夜食にしましょ。焼きおにぎりで出汁茶漬けが食べたい気分です。
(うん、と頷いて、ふぅわり透けたままの踵を返す。あの子の前では実体を取ることが多いけれど、相手しか居ないので気は抜きっぱなしだった) (。)
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岬・珮李 2021年6月2日
はい、お疲れ様。いやあ、これだけ綺麗サッパリ消えたなら、まあバレないでしょ。 (指をぱちんと慣らすと、消化できなかった装備が赤黒く燃えて何匹かの黒猫に変化する。にゃあにゃあ、お先に上がりますと言わんばかりの素早さで石段を駆け上がっていく) 心配しなくても、今日難しい話をした分明日はゆるゆるだよ。おやつにあげまんじゅう作るくらいにはね。 (どうせ、自分以外の誰かがまた難しい話をするんだ。人間ではないけれど、脳が疲れそうな時は甘いものに限る)
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岬・珮李 2021年6月2日
あっはは! そんなに構えなくても大丈夫だって。いいかい? 乞われてもいないのに何かを教えようって時は、どうしてもキミにそれを理解してほしいって事なんだから。何度だって聞いて、その度に考えればいいよ。 (勉強を嫌がる子供と同じようなリアクションに、耐えきれず噴き出してしまう。ぺたぺた、素足で石段を上がると長い髪が引きずられて。元に戻るのは中に入ってからにしようと思う) いいね。ボクもお腹空いたところだよ。じゃあ、皆が起きないように。そっとね。 (見つかるとこの時間から夜食パーティが始まるので、それは避けたい)
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岬・珮李 2021年6月2日
じゃあ、帰ろう。 (石段を上がるごとに、もう土だけになった戦場跡は遠ざかる。日が明るくなっても、そこにはなにもないだろう。夢うつつのようなもの)(そうして今日も、人ならざるものが集う社の夜は、静かに深まっていくのだ) (。)
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