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【1:1】常夜の花

ベスティア・クローヴェル 2021年4月5日


春になり、色々な花が咲く季節
明るい世界では花見を楽しむ、そんな時期

この世界で見た事がある花は、何れも悪趣味なものばかり…
領主が育てている事が多いのだから、当然と言えば当然で。
だから、花を忌諱する者は存外多い。

もし普通の花を咲かせて見せることが出来たなら、忌諱感も多少は和らぐのではないか。
そう考えた。

花に見惚れる姿を想像しながら、無事に咲くかもわからないのにウキウキしながら準備をする。
そんな狼の日常


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どなた様でも。先着1名まで

1週間ほど発言が無いか、区切りの良いところで終了




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ファン・ティンタン 2021年4月7日
(音の正体に視線を向ければ、手のひらサイズの白黒スライム(?)が地面にへちゃーとへばり付いていた)
(スライムは傍から見ても衰弱状態である事が感じ取れることだろう、少なくとも害意は無さそうだ)
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ベスティア・クローヴェル 2021年4月8日
(謎のスライム状の物体の前にしゃがみ込むと、先ほどよりも深く首を傾げた)
(そのまましばし不思議そうに眺めていると、ふと知人のブラックタールを思い出す)
そういえば、知り合いのブラックタールもこんな姿に変身していたっけ……。
ならここで倒れているのなら、行き倒れってやつなのかな。
(うっかり潰したりしないようそっと手を伸ばし、揺すりながら心配そうに声をかける)
大丈夫? 何か必要なものがあれば持ってくるけど
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ファン・ティンタン 2021年4月8日
(触れられ、一瞬だけ構えるように固くなるスライム。やがて、意識を取り戻し、状況を飲み込んだ彼女はゆっくりと、ベスティア手の内で軟化していく)
(接触テレパス。触れた部分を通じて意思を伝達する異能が、ベスティアへノイズ混じりの言葉を届けた)

『―――ん。ここは、ふむ……私は、随分と遠くへ飛ばされたようで……驚かせたようなら悪い事をしたね。少し、仕事で無茶をして省エネモードになっているだけだから、お気遣いなく。じきに治るよ』
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ベスティア・クローヴェル 2021年4月10日
(頭の中で響く声に驚いて周囲を見回す。不思議そうに首を傾げると、視線を再び目の前のスライムへ)
今の……声っていうか、話かけてきたのは貴方、でいいんだよね。
放置で問題ないというならそうするけど、流石にそこに放置しておくとうっかり踏んでしまいそう。

(若干心配そうにそう言うと、辺りを見回す。庭の隅に丁度いいバケツが置いてあるのを見つけ、バケツの方を指さした)
とりあえず、あのバケツの中にでも移動させようと思うのだけど、大丈夫?
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ファン・ティンタン 2021年4月11日
(見回す視線を追いかけて、見つかるバケツに髪のような触手をペタリと振って応じる)

『ん……じゃあ、お言葉に甘えて、お願いしようかな』
(へたり込んでいた形を、少しだけ気合いを入れて整える。手のひらいっぱいくらいのまんじゅう型に落ち着けば、いくらかは運びやすくなっただろうか)

(一方で、表情の窺えないのっぺり顔のまま、白い彼女はベスティアの様子をしげしげと観察し続ける)
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ベスティア・クローヴェル 2021年4月12日
(「その尻尾みたいなの動くんだ…」と妙に感心しながらも頷くと、空のバケツを持ってくる)

それじゃ、ちょっと失礼して…
(左手を伸ばそうとして一旦止めると、右手に持っていたバケツを左手で持ち直して再度手を伸ばす)
(出来る限り優しく掴み上げると、そっとバケツの中へ。そのまま蹴飛ばさないようプランターの脇へと置く事にした)
復活に時間がかかるようなら泊っていくといい。大したもてなしは出来ないけど、雨風を凌ぐくらいなら出来るから。
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ファン・ティンタン 2021年4月16日
(バケツに移ると、触手を残し、まるで相手に警戒もせずへちゃぁと形を崩していく)
(バケツへ移される際のベスティアの動作に思うトコロがあったのか、初対面のフリのままに、今度は小さな声を音にして、囁く)

……、元に戻るのは、一夜もしない内に何とかなるよ、大丈夫。
それに……あなたの傍は、エネルギーに満ちているような気がするし。
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ベスティア・クローヴェル 2021年4月17日
(バケツの中を覗き込みながら、安心したように微笑みかける)
そう。それならよかった。もし数日単位で時間がかかってしまったり、回復しないようであれば知り合いの医者の所に連れて行こうかとも考えていたから。

(適当な瓦礫の上に腰かけると、バケツを膝のうえに乗せて落とさないよう抱え込む。勿論、中から見上げた時、自分の顔が見えるようにしながら)
(知らない場所まで吹っ飛ばされて、誰かもわからぬ狼に保護されているのだ。当然、色々不安だろう。回復にそれほど時間はかからないというし、それまでこうして不安を紛らわせる事が出来たらいいな、なんて考えながら)
エネルギーは多分、気のせいじゃないかな。もし何か感じるのだとすれば、それはこの土地に根付いた呪いとか怨念とか、そういう類のものだと思う。
(そう言うと、バケツの中からは見えないであろう目の前の廃墟、もとい狼の住処へとに目を向けた)
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ファン・ティンタン 2021年4月21日
医者は、苦手でね……連れていかれる前に早く元に戻って、退散しようかな。
(冗談めかして言い、暗に人見知りをほのめかす)

(想像以上に気を遣っている様子の彼女をバケツの中より見上げる。自分の中で重ねかけていた主とベスティアの違いを少しずつ実感しながら、今は、目の前の彼女との対話に意識を戻していく)
呪いに、怨念、ね……
この世界に詳しいわけでもないけれど、確かに、曇りない陽が未だ射さぬこの地にはその類の澱みが多くみられる気がするよ。

そんな中で、あなたは何か育てようとしていたようだけれど、アレは?
(落ちてきた時に偶然見えたプランターが気になり、問いを投げかける)
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ベスティア・クローヴェル 2021年4月22日
そっか。まぁ、医者が得意だって子は少ないだろうね。私も苦手だから、ね。
(「顔を出す度に怒られるんだ」なんてボヤきながら空を見上げると、星の輝きさえも見えないくらいの闇が広がる。いつか、この空も晴れる事があるのだろうか。そんな事を考えて、視線をバケツの中へと戻した)
天気の影響もあるかも知れないけど、ここは元領主の館でね。領民の死体が沢山あった場所なんだ。出来る限り弔いはしたけど、積もりに積もった怨みそう簡単に消えるものじゃないから…。貴方が感じたのはそれかなって。
(「あぁ」と小さく声をあげると、ポケットから植物の種が入った袋を取り出せば、見やすいようにバケツの中へ。袋には青いネモフィラの花が描かれていた)
この辺りだと普通の花が育ってる所を見た事がなくて、ね。もし育って咲くようなら、面倒を見てる村の人達と花見でもしてみたいなって思って。まずは手始めに小さい花から育ててみようとしてた所。
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ファン・ティンタン 2021年4月28日
ネモフィラ、ね。
寒さに強くて、放っておいても結構育ってくれる花だったかな。
花言葉は、確か……
(バケツから見上げた青い花の種。記憶の引き出しからかの花につけられた言葉を思い出し、逡巡の後に選び取った意味は)

……可憐、だったかな?
小さい花だし、見た目通りの分かりやすい花言葉だね。
上手く増えてくれれば花畑にもなる、将来が楽しみな花だよ。
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ファン・ティンタン 2021年4月28日
(ふりふらりと触手を揺らし、この世界に明るさを生み出すだろう花の将来を歓迎する素振りを見せる)

(他方、この地に散っただろう命の数と、ネモフィラの持つ異なる花言葉を思えば、ベスティアの裏に潜められているだろう想いに思考が辿り着かぬはずもなく)
(やがて、ぺたりと、振り止む触手)

……。
普通、普通に。
誰もが、花を愛でる普通を享受出来る日が来るといいのだけれどね。
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ベスティア・クローヴェル 2021年4月29日
友人に連れられて初めて花畑を見た時、一面にこの花が咲いていてね。それを見て以来、私の一番好きな花。
あなたのいう通り、寒さに強いと聞いたからここでも育つかなと思って、ね。

(無事に咲くといいんだけど、と小さく呟くと袋をポケットの中へと押し込んだ。そして告げられた花言葉に感嘆の声を漏らす)

あとは「あなたを許す」とか、「どこでも成功」とか、そういった花言葉もあるみたい。
花言葉の通りに育てるのに成功して、花畑が作れるといいな
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ベスティア・クローヴェル 2021年4月29日
(そうして思い出すのは、領主が育てていた不気味な花で埋め尽くされた庭園。極普通の花でこの庭を埋め尽くせたら、どれだけ素敵だろうか)
だけど、この辺りで花といえば領主が育ててるような気味が悪いものばかり。
生き血を啜ったり、襲い掛かって来たり、ね。
だから花を忌諱する村人は多くて。いつか、その忌諱感を薄れさせることが出来たらいいな。

……それまで生きていられるかわからないけど。
(呟いた時に一瞬寂しげな顔を浮かべるも、誤魔化すように笑いかけた)
初対面の相手に言うような言葉じゃなかったね。今のは忘れてくれると助かる。
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ファン・ティンタン 2021年5月7日
(控えめな青の花園が、青空との境界を曖昧にして混じり合う光景を想像する。それは、初めて花畑を見た者にとって、そうでない者でさえ魅了されることだろう)
この世界には、未だ青い空は望めないけれど。
これが空の色だと伝えられるくらい花畑を広げられたなら、それは、さぞ素敵なことだろうね。
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ファン・ティンタン 2021年5月7日
……、寿命に関する価値観は、種族や環境によって様々だからね。
これに関して、私には語れる事もないかな……
(彼女の寿命については、悪いとは思いつつも、ある程度の事情を情報の海から浚ってあった。有限の命を焼べて前へ進む彼女と自らの終わりさえ見通せぬヤドリガミの己では、同じ視線で語り合うことは困難であろう)

私も、せめて人間並みの寿命であったなら、あなたの見ている世界を共有出来たのかな……
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ベスティア・クローヴェル 2021年5月11日
そこまでは考えていなかったな。
……空の青なんて、随分と詩的な表現をするね。
だけど、そういう風に伝えられたらいいな。出来る事なら青以外の色も、ね
(植物の成長には日の光が必要で、常夜の世界で育つかわからない。けれど花を見て喜ぶ姿を思えば、自然と無事に育つような気さえしてきた)
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ベスティア・クローヴェル 2021年5月11日
そうだね。
同じブラックタールでも、育った環境によって価値観は異なるもの。
ある程度理解は出来ても、完全に他種族の目線に立つのは難しい。

(人間並みの寿命と聞いて、きょとんとした顔でバケツの中の存在を眺める。そして慈しむような優しい笑顔を向ける)

貴方はブラックタールの中でも長寿な方なのかな。だとしたら、羨ましい限りだ。
これから先、きっと沢山素敵な出来事を体験できるのだから。
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ファン・ティンタン 2021年5月18日
(おそらく、一部の猟兵の超自然的な能力をもってすれば、陽の射さぬこの地でも花を青々と育てきることは可能であろう。けれど、それは目の前の彼女や常闇に暮らす人々の望むモノとは違うのだろうなと思い直し、それ以上は語らず、バケツの液面を揺らすに留めた)
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ファン・ティンタン 2021年5月18日
(命の長さについて語れることはないと前置いた後ではあったものの、彼女の笑みに物寂しくなって、ポロリと零れる想いがあった)

……長く、永く。この身が三千世界を旅してなお生き永らえたとしても。どうやら、心の内に残しておける想いには容量があるようでね。
いつ、どこで、大切だったはずの思い出達を私が忘れていってしまうのか、それがとても寂しくて。
新しい出来事に向き合うたびに……複雑な気持ちになることも、あるよ。
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ベスティア・クローヴェル 2021年5月22日
(零した言葉を聞いて、自分が如何に配慮が足りていなかったか気付く。十数年前の出来事でさえ朧気にしか覚えていないのに、何十年、何百年と思い出を重ねて行ってどれくらい覚えていられるだろうか…)
(沢山楽しかったことがあったはずなのに、それを思い出せない。それがどれほど辛いかは想像に難くない。)
……ごめんなさい。
さっき「他の目線に立つのは難しい」なんて言っておきながら、長寿で羨ましいなんて言うのは配慮に欠けていた。
長寿には長寿なりの悩みがあるもの、ね。気分を害してしまって、本当にごめんなさい。
(配慮の足りなさを恥じながら、申し訳なさそうにバケツの中の様子を窺う。)
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ベスティア・クローヴェル 2021年5月22日
(そうして様子を窺いながら、ふと思い出したように口を開いた)
そういえば、遠くに飛ばされたとさっき言っていたけれど、家の方角はわかる?
地図の1枚くらい残ってれば現在地を教える事も出来たのだけど、生憎と全て焼けた後で残ってないんだ…。
大雑把な方角がわかるなら、帰り道を探すのを手伝うよ。人間より鼻は利くから、多少は力になれると思う。
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ファン・ティンタン 2021年5月27日
(ベスティアの申し訳なさそうにする様子に、白い彼女には珍しい動揺が走る。液面をふるふるさせながら、何か気の利いた言葉の一つもかけなければと落ち着きなく触手を揺らし始める)
え、あっと……その、もちろん、悪い事ばかりではない、ね。あなたが言うように、いろんな経験は、出来るから。
どう表現すべきなのか……長く生きていると、出来事に対して抱く感情の波が相対的に小さくなってしまってね。そんな私からすれば、良くも悪くも、あなたの生きる時間の尺度は、その軌跡は、眩しく見えるんだよ。
……無い物ねだりなのだろうけれどね、この思いは。
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ファン・ティンタン 2021年5月27日
(家、帰り道はと尋ねられれば、この期に及んで事情を伏せたまま接し続けるのも失礼かとの思いが湧いてくる。元より腹芸は得意でない身、正体を明かすタイミングは今かと判断する)
あなたには、私は仕事中だったと伝えていたね。
ちょっと気に食わない吸血鬼の領主にカチコミをかけて、半ば相打ち気味にやられてきた私は、実はこの世界の出身じゃなくて―――
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ファン・ティンタン 2021年5月27日
(バケツの中でスライムが形を整えていく。根本的にエネルギーが足りていないためサイズ感はそのままに、本来のヤドリガミとしての身を、白い護刀の化生としてのファン・ティンタンの姿を取り戻す)

―――、別の世界から来ていた、しがないヤドリガミだよ。
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ベスティア・クローヴェル 2021年5月30日
(静かに震える様子から、そこまで怒らせてしまったのかと身構える。けれど掛けられた言葉はこちらを気遣うもので、更に申し訳なくなって縮こまる)
……お互い、隣の芝は青く見えるということなのだろう、ね。
私の生きた跡が眩しく見えるなら、それは照らしたいと思う相手がいるからだと思う。
だから、この人の為ならいくらでも頑張れると思えるような相手が出来れば、きっと手に入るんじゃないかな。
そういう相手がいなければ、私はきっと死んだように生きていたと思う。
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ベスティア・クローヴェル 2021年5月30日
(カチコミなんて不穏な言葉が聞こえて顔を顰める。紡がれる言葉に耳を傾けていれば、見覚えのある顔がこちらを見ていた。)
(依頼で一度世話になって、その後は大した接点もないのにプレゼントを贈ってくれたヤドリガミ。名前は確か――)
名前は…ファン、だったよね。あなたが覚えているかわからないけど、一度世話になったことがある。
不定形の姿を取っていたからブラックタールだと思っていたけど、違うなら違うと否定してくれてもよかったのに。
(不満そうな顔をしながらバケツの中のヤドリガミに訴えるが、声色はどこか嬉しそうで。次の瞬間には声色に合わせてコロっと笑いかける)
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ファン・ティンタン 2021年6月4日
(ぽてっとバケツの底に座り込んで、覗き込んでいる顔を見上げる)
正体を騙るつもりはなかったのだけれど……言い出すタイミングを逃した、と言うべきか。何にせよ、勘違いさせて申し訳ない事をしたね。

……正直なことを言えば、一度依頼を受けてもらったくらいの間柄の相手に、覚えてもらえているかなと思うところもあってね。
もっとも、そんな心配は、杞憂だったようだけれど。
(少し浮かんだ不満そうな顔が、声色と共に崩される様子に内心でほっとする)
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ファン・ティンタン 2021年6月5日
私が、あなたを特別に思えたのは……その、どこか、私の昔の主に似ているような気がしたから。
見た目とか、性格は、全然違うのだけれど……命を燃やして、生きているところが、ね。

(何度思い出し、目の前のベスティアと比べても、在りし日の主と彼女はまるで似つかないはずだ。それでも、不器用で懸命な命の燃やし方、その一点を思うだけで、いつしか気になる存在になっていたのだった)
あの人も、右腕が生きた炎だった。あなたのように色鮮やかな火ではなかったけれど。
そんな主は、いつだったか、手袋を贈られたことがあってね。そんなことを思い出していたら……気付いた時には、あなたにアレを贈り出した後だった、そんな感じだよ。
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ベスティア・クローヴェル 2021年6月6日
(勘違いさせたという言葉に対して、ゆっくりと首を横に振って否定する)
スライムのような姿から、私が勝手にブラックタールだと勘違いしただけ。
決めつけずに確認するべきだった私の落ち度。あなたが謝ることじゃない。
謝るべきは、ブラックタール扱いをした私の方。ごめんなさい。
(申し訳なさそうに頭を下げる。頭を上げると、ほっとしたかのように肩の力が抜けた)
お互い、相手が覚えているか不安だったということか。
贈り物を送ってくれた相手を忘れる程、私は不義理ではないつもり。
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ベスティア・クローヴェル 2021年6月6日
その人はファンにとって、とても大切な人なんだろうね。そんな大切な人と重ねられてしまうと、流石に少し恥ずかしいな。
(今までそういった眼差しを向けられたことがなく、戸惑いと恥ずかしさが混ざったような何とも言えない気持ちになる。流石に彼女を見ている事が出来ず、そっと視線を蒼く燃える左手へと移した)
あの手袋、そういう理由だったんだ。とても大切に使わせて貰ってる。
土弄りをしていたから今は付けていないけど、外に出る時は大体使わせて貰ってるよ。
前は炎を隠すのに手甲を使っていたのだけど、あれ結構重たくて肩が凝るんだ。
(「お陰で助かってる」とでもいうように、わざとらしく左腕をぐるぐると回して見せる)
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ファン・ティンタン 2021年6月13日
(不義理ではないつもりと言われ、なるほどそうだと相槌を打つ)
む……そうだったね。
義理を欠く人柄ではないことは、第一印象でも感じていたところだった。
それ故に、色々と苦労を背負い込んでしまうのだろうなとも、ね。

(ベスティアの目を、その奥をのぞき込んで。半ば無意識に口が紡いでいく思いを吐露する)
あなたが気になったのは、芯のある誠実さの中に、微かな脆さを感じたから、なのかも知れない。
その行く末を見ておかなければならないという、漠然とした思い。
この思いがただの探求心なのか、もっと意味のある情動なのか、私にはよく分からないけれど―――

―――放っておけなかった、この言葉が、一番しっくりくるかな。
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ファン・ティンタン 2021年6月13日
私は割と、思い付きで行動してしまうところがあってね、贈り物が負担になっていないようであれば幸いだよ。
我ながら、急過ぎるアクションには少し反省しておくべきなのかもしれないけれど。
(腕を回して見せる様子に、内心ほっとする。自ら語った通り、贈り物はほとんど考えることも無く、感じたままに選び贈り出してしまった一品だったからだ。相手の気を害していないようであれば、これ以上の幸いはない)
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ベスティア・クローヴェル 2021年6月15日
苦労を背負い込んでるつもりはないのだけど、ね。
……手が届かず、助けられなかった人達の命を背負い込んでることを苦労と呼ぶなら、間違いではないと思う。

(あまりにも真っ直ぐな瞳に、思いも、抱えているものも、すべてを見透かされているかのような不思議な気持ちになる。それが心配なのか、それとも興味本位なのかはわからない。けれど、それでも興味を引く事が出来たならば、それはきっと――)

放っておけないと言われた事は多々あるけど、ファンのような意味で言われたのは初めて。
少しでも私の在り方が興味を引いて、目が離せなくなって――。
それがいい方向に影響を与えたなら、それはきっと私の夢が少しは叶っているということ。
空に輝く太陽のように、道を明るく照らすことが出来たらいいなと常々思っていたから。
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ベスティア・クローヴェル 2021年6月15日
仮に思い付きだったとしても、それが裏目に出てなければいいんじゃないかな。
少なくとも私は嬉しく思ったし、誰だって居ても立っても居られない時はあるだろうし、ね。
それに私だって、そのお礼としてプレゼントを送り返しているのだから。
(「宛先もわからないのに届くのだから、便利だよね」なんて呟くと、和ませようと優しく笑って見せる)
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ファン・ティンタン 2021年6月23日
太陽のように、か。私はむしろ―――
(誰かの輝きを返し穏やかに明らめる月のように感じた、そんな言葉は音を成さずに立ち消えていく。彼女が太陽のようになりたいというのならば、そうあれと言ってあげるべきなのだろう)

―――いや、うん。
その身を焦がすことだけは、ないように願うよ。照らしてもらう方も、いつまで太陽があり続けてくれるか心配してしまうからね。
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ファン・ティンタン 2021年6月23日
それこそ、世界を越えても届く贈り物に、私自身驚いているところだから。
(ベスティアの笑みに髪をふりふりして返す)

今日は荒事の場に来る機会だったから付けていなかったけれど、髪飾り、大事にさせてもらっているよ。
私にとって髪は自慢すべきポイントだからね、飾りは特別扱いになるよ。
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ベスティア・クローヴェル 2021年6月26日
(何か言いかけた様子に首を傾げて見せるが、そこで引っ込めたということは言う必要のないことなのだろうと察する。そして苦笑いと共に「ははは…」と力のない笑い声。どうしようかと困った末に誤魔化すように目線を外す)

それは難しいな。身を焦がし、命を燃やす事でしか私は照らすことが出来ないから。
……だけど、「いつ死んでもいい」と考えるのは最近止めるようにしてるところ。
この間、それで友人にこっぴどく怒られてしまったから、ね。

(そう、私は命を燃やす事でしか耀けない。元々短い命だからと我武者羅に燃え続けても、きっと目の前の彼女は受け入れてくれるだろう。なんとなく、そんな気がしたのだ)
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ベスティア・クローヴェル 2021年6月26日
(揺れる髪を眺めながら、あの髪飾りを付けている姿を思い描く。この場で見れなかったことを残念に思いつつ、この縁でいつか見られるといいな。そんなことを考えて)

普段、人に物を贈るということをしたことが無かったから、何を贈ろうか少し迷ったんだ。
長くてとても綺麗な髪をしていたのを思い出して、あなたの誕生花で髪飾りなんかいいんじゃないかな、って。
気に入ってくれたなら、本当によかった。
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ファン・ティンタン 2021年7月5日
(友人。彼女が口にしたその言葉に、気持ちが和いでいく。命を燃やすしかないと語る彼女だけれど、輝きの傍らに誰かがいてくれるのなら、その熱量はきっと意味を持つはずだから)

……ふむ、言い方を訂正すべきかな。
その身を、命を燃やすことはあなたの生き方だから止められないんだね。
ならば、せめて。その身の一片まで燃え尽きられるよう、我儘に生きるといいよ。
きっと、短い生では心残りや後悔が尽きない。だから、考える余裕もなくなるくらいに、自分の命を振り回せばいい。
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ファン・ティンタン 2021年7月5日
振り回したその命が、誰かにぶつかることもある。
幸い、あなたの周りにはそれをよき出会いと捉えてくれる人がいるみたいだからね、存分に甘えるといいんじゃないかな。
自分の命に収まっているくらいの生き方では、完全燃焼な生涯を全うすることなんて到底できないからね。

(今、口にしようと思っているこの言葉は、亡き主を見届けたかった後悔の残滓から抱くモノなのかもしれない。それでも、精一杯生きる輝きに魅せられ、その姿を見届けたいと思う気持ちは、ベスティアという個人へ向けられた純粋な思いだ)

私は、あなたの満足な生を見届けられるなら、是非その我儘に付き合わせてもらいたいかな。
これは、私が満足に在るための我儘ともいえるけれどね。
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ベスティア・クローヴェル 2021年7月11日
…そうだね。普通に生きている者でさえ、死ぬ時は心残りや後悔をするくらいだ。私が死ぬときにどれだけ後悔や心残りあるのか、想像も出来ない。
そういったことを思い出せないような生き方が出来れば理想ではあるけど、我儘を言い過ぎればまた友人を泣かせてしまいそうだから考え物。

(我儘を通し過ぎて泣かれてしまった以上、加減をする必要がある。既に散々我儘を言った後なのだから、今度は友人の我儘も聞かねばならない。そんなことを考えていれば、誰に言うでもなく「調整が難しい…」と小さくぼやいた)
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ベスティア・クローヴェル 2021年7月11日
ただぶつかるだけじゃなくて、ちゃんと受け止めてくれる。私の周りにはどういうわけか、そんな世話焼きが多い。
昔は誰も悲しませないよう一人で生きて行こうと思っていたけど、気が付けばそんな世話焼き達に甘やかされて、必死に距離を取ろうとしていたのが馬鹿らしくなるくらい。
なんで世話を焼くのか聞けば、みんな口を揃えて「放っておけなかった」なんていうんだ。
そんな友人達に囲まれてしまった以上、もう十分巻き込んでいるとも言える。

(告げられた要求はあまりにも予想外なもの。苦笑しながらバケツの中へと左手を入れれば、握手の代わりとでも言うように人差し指を差し出して)

私の我儘に振り回されたいだなんて、随分と変わった要求をするね。
巻き込まれたいというなら止めはしないけど、責任は持てないよ?
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ファン・ティンタン 2021年7月18日
(差し出された指を握って、自分とは違った言葉を投げかけたであろう誰かの存在を思い、そして、あえて自身は違う意見のままに語る)
あなたが泣かせてしまったという友人には悪いかもしれないけれど、私は、そんな振る舞いも意味のある生の在り方だと思う。
誰かの心に深く、あなたの存在が刻まれているという事。あなたがそこに在ったという確かな事実を、強い感情を伴って誰かが覚えていてくれるという事。存外、悪い事ではないんだよ、長い目で見ればね。
……まあ、色々と言われるあなたからすれば、誰の言葉を是とすればいいか悩むところだろうけれど。
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ファン・ティンタン 2021年7月18日
(するりと指から手を離し、遠くの空を見上げる。少しずつ、その身が透け始めていることに、この世界での活動時間の終了を悟った。間もなく、担当グリモアによる帰還転移が行われるのだろう)
あなたの為に紡がれた言葉は、そのすべてが、誰かにとって正しいものであるから。あなたはそのどれかに耳を傾けてもいいし、全てを聞かなかったことにしてもいい。或いは、全ての言葉を消化して、自分なりの解釈をしてもいい。
大切なのは、自身の心が納得に至れるかどうか、その一点に尽きるんじゃないかな。
究極的な話、あなたはあなたの生だけを背負えばいい。他の人は他の人で、自らの生に責任を負っているのだから。
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ベスティア・クローヴェル 2021年7月21日
そうだね。死んでも覚えてくれる人がいるというのは、きっととても幸せな事なんだろう。
でもどうせ思い出してくれるなら、いい思い出にして笑っていて欲しいなって思うようになった。この間まで、私が死んだら誰もがすぐ忘れると思っていて、覚えてくれる人がいるなんて考えた事もなかったから。
ヒトを悲しませるようなことをするなって両親から散々言われてきたというのもあるけれど、身近な人すら照らすことが出来ないなんて、太陽失格じゃない?
(そういって笑って見せ、握られた指先をゆっくりと上下に振って握手のようにして)
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ベスティア・クローヴェル 2021年7月21日
そうだね。結局のところ、私が納得できるかどうかが一番大事なのだろう。
今まで私は自分自身を蔑ろにしてきた。他の世界の楽しみも、友人と過ごす楽しい時間も、どうせ死んでしまうのだから無駄だと。
身近な人を照らすためなら、少しくらいそういう過ごし方をしてもいいんじゃないかって。
燃えて、駆け抜けながら寄り道もしたいなんて、我儘な事を言ってるとは思う。
けど、これからはあたなも付き合ってくれることだし、ね
(徐々に薄くなっていく姿を少しだけ名残惜しそうに眺め、約束をしたのだからそのうち会えるだろうと根拠のない自信。次に会った時は何を話そうかなんて、再開の時を楽しみにして)
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ファン・ティンタン 2021年7月30日
いいんじゃないかな。
あなたは、太陽のようにありたいと願うだけの、一つの命。
本物の太陽のように数多の命を背負う必要もない、自身が照らしたいと思ったものだけを照らせばいい、自由人なのだから。
寄り道の時折にでも、あなたの満足な顔を拝めれば、私はそれで十分だよ。
(彼女の軸は、自分が思うよりしっかり定まっているのだろう。もし揺らぎそうなことがあっても、今の彼女なら、その周りにはきっと誰かがいる。ならば私は、来たる時に水先案内人としてその傍らに立てばいい)

(姿が消える間際、何と言って締めくくろうか考えるも、それ程悩まずに言葉は自然と口を衝いて出た。きっと大丈夫だろう、そんな根拠もない自信と共に)
案外、近いうちに会えるんじゃないかな、縁とはそんなモノだし。
それじゃ、またいつか―――
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ベスティア・クローヴェル 2021年8月2日
うん。そうだね。
背負おうと思っても、私が背負える命の数なんてたかが知れている。この両手の届く範囲も限りなく狭い。
そのことは十分理解しているつもりだったけど、今の今まで全く理解出来ていなかったみたい。
(最初こそ、この両手が届く範囲を照らすつもりだった。けれど気が付けば、両手に抱えたものの重みで身体は沈みかけ、踏ん張る為には命を燃やす必要があった。そのうえで更に拾おうとしていたのだから始末が悪い。…そんな己の過去を思い出すと、苦笑いしか出てこない)

そういうものか。それじゃ、次に会える時を楽しみにしているよ。
(「またいつか」そう言って聞けていく姿を見送れば、空になったバケツを地面において軽く伸びをする。そうして気合を入れ直すと再び花壇の手入れへと戻っていった)
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ベスティア・クローヴェル 2021年8月2日
〆 お付き合いありがとうございました。
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